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JP2018098476A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トレンチ内に双方向ツェナーダイオードが形成された構造において、不所望な電流の増加を抑制できる半導体装置を提供する。【解決手段】半導体装置1は、ダイオードトレンチ46が形成された主面を有するn型の半導体層2を含む。ダイオードトレンチ46の内壁には、内壁絶縁膜47が形成されている。内壁絶縁膜47は、側壁絶縁膜48と、側壁絶縁膜48の厚さよりも大きい厚さを有する底壁絶縁膜49とを含む。ダイオードトレンチ46内において底壁絶縁膜49の上には、双方向ツェナーダイオードDが形成されている。双方向ツェナーダイオードDは、一対のn+型部52および一対のn+型部52の間に形成された少なくとも一つのp型部53を有している。【選択図】図5

Description

本発明は、トレンチが形成された半導体層を含み、当該トレンチ内に双方向ツェナーダイオードが形成された構造を有する半導体装置に関する。
特許文献1には、双方向ツェナーダイオードを含む半導体装置が開示されている。半導体装置は、n型の半導体基板を含む。半導体基板の上には、n型のエピタキシャル層が形成されている。エピタキシャル層の表層部には、トレンチが形成されている。トレンチの内壁には、ゲート酸化膜が形成されている。トレンチには、n型領域、p型領域およびn型領域を含む双方向ツェナーダイオードが形成されている。
特開2001−257349号公報
特許文献1に係る半導体装置は、双方向ツェナーダイオードのp型領域が、ゲート酸化膜を挟んでn型のエピタキシャル層と対向する構造を有している。したがって、p型領域を挟み込む一対のn型領域の間に電圧降下が生じると、p型領域においてn型のエピタキシャル層と対向する領域に電子が引き寄せられることがある。この場合、p型がn型に反転した反転層がp型領域に形成される結果、不所望な電流の増加が引き起こされる虞がある。
そこで、本発明は、トレンチ内に双方向ツェナーダイオードが形成された構造において、不所望な電流の増加を抑制できる半導体装置を提供することを一つの目的とする。
本発明の一実施形態に係る半導体装置は、ダイオードトレンチが形成された主面を有する第1導電型の半導体層と、前記ダイオードトレンチの側壁に沿って形成された側壁絶縁膜、および、前記ダイオードトレンチの底壁に沿って形成され、かつ前記側壁絶縁膜の厚さよりも大きい厚さを有する底壁絶縁膜を含む内壁絶縁膜と、前記ダイオードトレンチ内において前記底壁絶縁膜の上に形成され、かつ、一対の第1導電型部および前記一対の第1導電型部の間に形成された少なくとも一つの第2導電型部を有する双方向ツェナーダイオードとを含む。
本発明の他の実施形態に係る半導体装置は、ダイオードトレンチが形成された主面を有する第1導電型の半導体層と、前記ダイオードトレンチの内壁に沿って形成された内壁絶縁膜と、前記ダイオードトレンチ内に形成され、かつ、一対の第1導電型部および前記一対の第1導電型部の間に形成された少なくとも一つの第2導電型部を有する双方向ツェナーダイオードと、前記半導体層において前記ダイオードトレンチの底壁に沿う領域に形成された第2導電型のフローティング領域とを含む。
本発明の一実施形態に係る半導体装置では、ダイオードトレンチの底壁および双方向ツェナーダイオードの間に底壁絶縁膜が介在している。この底壁絶縁膜によって、双方向ツェナーダイオードの第2導電型部の導電型が第1導電型に反転するのを抑制する反転抑制構造が形成されている。
これにより、一対の第1導電型部の間に電圧降下が生じたとしても、第2導電型部の導電型が第1導電型に反転するのを抑制することができる。よって、不所望な電流の増加を抑制できる半導体装置を提供できる。
本発明の他の実施形態に係る半導体装置では、ダイオードトレンチの底壁および双方向ツェナーダイオードの間に内壁絶縁膜が介在している。加えて、半導体層には、内壁絶縁膜を挟んで双方向ツェナーダイオードと対向する第2導電型のフローティング領域が形成されている。これら内壁絶縁膜およびフローティング領域によって、双方向ツェナーダイオードの第2導電型部の導電型が第1導電型に反転するのを抑制する反転抑制構造が形成されている。
これにより、一対の第1導電型部の間に電圧降下が生じたとしても、第2導電型部の導電型が第1導電型に反転するのを抑制することができる。よって、不所望な電流の増加を抑制できる半導体装置を提供できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置を示す平面図である。 図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。 図3は、トレンチゲート構造の要部を示す図である。 図4は、図1の二点鎖線IVにより取り囲まれた領域の拡大図である。 図5は、図4のV-V線に沿う断面図である。 図6は、トレンチダイオード構造の要部を示す図である。 図7は、電界緩和構造の要部を示す図である。 図8Aは、図1の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図8Bは、図8Aの後の工程を示す断面図である。 図8Cは、図8Bの後の工程を示す断面図である。 図8Dは、図8Cの後の工程を示す断面図である。 図8Eは、図8Dの後の工程を示す断面図である。 図8Fは、図8Eの後の工程を示す断面図である。 図8Gは、図8Fの後の工程を示す断面図である。 図8Hは、図8Gの後の工程を示す断面図である。 図8Iは、図8Hの後の工程を示す断面図である。 図8Jは、図8Iの後の工程を示す断面図である。 図8Kは、図8Jの後の工程を示す断面図である。 図8Lは、図8Kの後の工程を示す断面図である。 図8Mは、図8Lの後の工程を示す断面図である。 図9は、双方向ツェナーダイオードの動作を説明するための図である。 図10は、双方向ツェナーダイオードの動作を説明するための図である。 図11は、図5に対応する部分の断面図であって、本発明の第2実施形態に係る半導体装置を示す図である。 図12は、図5に対応する部分の断面図であって、本発明の第3実施形態に係る半導体装置を示す図である。 図13は、図4に対応する部分の断面図であって、双方向ツェナーダイオードの変形例を示す図である。 図14は、表面電極の変形例を示す平面図である。 図15は、参考発明の一実施形態に係る半導体装置の模式的な平面図である。 図16は、図15のXVI−XVI切断線における断面を示す図である。 図17は、ゲート絶縁膜の要部を示す図である。 図18は、図15の破線XVIIIで囲まれた領域の拡大図である。 図19は、図18のXIX−XIX切断線における断面を示す図である。 図20は、前記半導体装置の製造方法のフローを示す図である。 図21A〜図21Dは、前記ゲート絶縁膜の形成に関連する工程を説明するための断面図である。 図22は、ゲート−ソース間のブレークダウン波形を示す図である。 図23は、第1形態に係る双方向ツェナーダイオードのブレークダウンのメカニズムを説明するための図である。 図24は、第2形態に係る双方向ツェナーダイオードのブレークダウンのメカニズムを説明するための図である。 図25は、アバランシェ設計とパンチスルー設計のブレークダウン波形を比較するための図である。 図26は、双方向ツェナーダイオードのp型層の設計寸法に対して、ゲート−ソース間のブレークダウン電圧BVgssおよび静電破壊耐量がどのように変化するかを説明するための図である。 図27は、アクティブ領域の面積と静電破壊耐量との関係を互いに構造が異なるトランジスタごとに示す図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置1を示す平面図である。
本実施形態に係る半導体装置1は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタTr、および、双方向ツェナーダイオードDを一体的に含む複合型の半導体装置である。双方向ツェナーダイオードDは、たとえば過電圧や過電流から絶縁ゲート型電界効果トランジスタTrを保護する保護素子として形成されている。
図1を参照して、半導体装置1は、半導体層2を含む。半導体層2は、第1主面3と、第1主面3の反対側に位置する第2主面4と、第1主面3および第2主面4を接続する側面5とを含む。半導体層2は、第1主面3の法線方向から見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において、四角形状のチップ状に形成されている。
半導体層2には、素子形成領域6と、当該素子形成領域6の外側の領域である外側領域7とが設定されている。素子形成領域6は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタTrおよび双方向ツェナーダイオードDが形成された領域である。
素子形成領域6は、本実施形態では、平面視において、半導体層2の各辺に平行な4辺を有する平面視四角形状に設定されている。素子形成領域6は、半導体層2の周縁から当該半導体層2の内側に間隔を空けて設定されている。外側領域7は、本実施形態では、素子形成領域6を取り囲むように、半導体層2の側壁および素子形成領域6の周縁の間の領域において、無端状(平面視四角環状)に設定されている。
半導体層2の第1主面3の上には、表面電極8が形成されている。表面電極8は、たとえば銅、銅を含む合金、アルミニウムまたはアルミニウムを含む合金の少なくとも一種を含んでいてもよい。表面電極8は、たとえばアルミニウム−銅合金(Al−Cu合金)を含んでいてもよいし、アルミニウム−シリコン−銅合金(Al−Si−Cu合金)を含んでいてもよい。
表面電極8は、ゲートパッド9、ゲートフィンガー10およびソースパッド11を含む。ゲートパッド9およびゲートフィンガー10は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタTrのゲート電極を形成している。ソースパッド11は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタTrのソース電極を形成している。
ゲートパッド9は、平面視において半導体層2の2つの側面5を接続する一つの角部に沿って形成されている。ゲートパッド9は、平面視四角形状に形成されている。ゲートフィンガー10は、ゲートフィンガー10に一体的に形成されている。ゲートフィンガー10は、外側領域7において、素子形成領域6の周囲に沿って形成されている。ゲートフィンガー10は、素子形成領域6を取り囲む無端状(平面視四角環状)に形成されている。
ゲートパッド9およびゲートフィンガー10によって取り囲まれた領域内には、絶縁領域12が形成されている。絶縁領域12は、ゲートパッド9の内縁およびゲートフィンガー10の内縁に沿って延びており、ゲートパッド9およびソースパッド11を電気的に分離している。ソースパッド11は、絶縁領域12によって取り囲まれた領域内において、平面視L字形状に形成されている。
図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。
図2を参照して、半導体層2は、シリコン製のn型半導体基板21と、n型半導体基板21の主面の上に形成されたn型エピタキシャル層22とを含む。n型エピタキシャル層22によって、半導体層2の第1主面3が形成されており、n型半導体基板21によって半導体層2の第2主面4が形成されている。
型半導体基板21のn型不純物濃度は、たとえば1.0×1019cm−3以上1.0×1020cm−3以下である。n型エピタキシャル層22のn型不純物濃度は、たとえば1.0×1015cm−3以上1.0×1017cm−3以下である。
半導体層2の第2主面4には、ドレイン電極23が接続されている。これにより、n型半導体基板21がn型ドレイン領域24として形成されており、n型エピタキシャル層22がn型ドリフトドレイン領域25として形成されている。ドレイン電極23の電極材料としては、表面電極8の電極材料と同一のものを適用できる。
ソースパッド11直下の素子形成領域6には、トレンチゲート構造27が形成されている。トレンチゲート構造27は、絶縁ゲート型電界効果トランジスタTrの単位セル26を区画している。トレンチゲート構造27は、ゲートトレンチ28、第1内壁絶縁膜29、および、埋め込みゲート電極30を含む。トレンチゲート構造27において、第1内壁絶縁膜29はゲート絶縁膜として形成されている。
ゲートトレンチ28は、半導体層2の第1主面3に形成されている。ゲートトレンチ28は、平面視ストライプ状に形成されていてもよいし、平面視格子状に形成されていてもよい。隣り合うゲートトレンチ28の間の距離で定義される単位セル26のセルピッチPは、たとえば1.0μm以上2.0μm以下である。ゲートトレンチ28は、側壁および底壁を含む内壁を有している。
第1内壁絶縁膜29は、ゲートトレンチ28の内壁に沿って形成されている。埋め込みゲート電極30は、第1内壁絶縁膜29を挟んでゲートトレンチ28に埋設されている。第1内壁絶縁膜29は、酸化シリコン(SiO)を含んでいてもよい。埋め込みゲート電極30は、導電性を有するポリシリコンを含んでいてもよい。
図示は省略するが、トレンチゲート構造27は、外側領域7においてゲートフィンガー10に電気的に接続されている。このトレンチゲート構造27により、単位セル26に電力が供給される。
図3は、トレンチゲート構造27の要部を示す図である。
図3を参照して、第1内壁絶縁膜29は、第1側壁絶縁膜31、第1底壁絶縁膜32、および、第1接続絶縁膜33を一体的に含む。第1側壁絶縁膜31は、ゲートトレンチ28の側壁に沿って形成されている。第1底壁絶縁膜32は、ゲートトレンチ28の底壁に沿って形成されている。第1接続絶縁膜33は、ゲートトレンチ28の側壁および底壁を接続する接続部に沿って形成されている。
第1底壁絶縁膜32の厚さt1は、第1側壁絶縁膜31の厚さt2よりも大きい(厚さt2<厚さt1)。第1接続絶縁膜33の厚さt3は、第1側壁絶縁膜31の厚さt2以下である(厚さt3≦厚さt2<厚さt1)。
ゲートトレンチ28の深さDgに対する第1底壁絶縁膜32の厚さt1の比t1/Dgは、たとえば0.08以上0.35以下である。第1底壁絶縁膜32の厚さt1に対する第1側壁絶縁膜31の厚さt2の比t2/t1は、たとえば0.16以上0.6以下である。
ゲートトレンチ28の深さDgは、たとえば9000Å以上12000Å以下(本実施形態では10000Å程度)である。第1底壁絶縁膜32の厚さt1は、たとえば1000Å以上3000Å以下である。第1側壁絶縁膜31の厚さt2は、たとえば500Å以上600Å以下である。第1接続絶縁膜33の厚さt3は、たとえば400Å以上600Å以下である。
図2を再度参照して、トレンチゲート構造27の側方において、半導体層2の第1主面3の表層部には、p型ボディ領域34が形成されている。p型ボディ領域34は、互いに隣り合うトレンチゲート構造27によって共有されている。p型ボディ領域34は、本実施形態では、半導体層2の第1主面3のほぼ全域に亘って形成されている。p型ボディ領域34の不純物濃度は、たとえば、1.0×1015cm−3以上1.0×1017cm−3以下である。
トレンチゲート構造27の側方において、p型ボディ領域34の表層部には、n型ソース領域35が形成されている。n型ソース領域35は、半導体層2の第1主面3から露出している。n型ソース領域35のn型不純物濃度は、n型エピタキシャル層22のn型不純物濃度よりも高く、たとえば1.0×1019cm−3以上1.0×1020cm−3以下である。
トレンチゲート構造27の側方において、p型ボディ領域34の表層部には、p型ボディコンタクト領域36が形成されている。p型ボディコンタクト領域36は、半導体層2の第1主面3からn型ソース領域35を貫通しており、かつ、p型ボディ領域34に接続されている。p型ボディコンタクト領域36のp型不純物濃度は、p型ボディ領域34のp型不純物濃度よりも高く、たとえば1.0×1016cm−3以上1.0×1017cm−3以下である。
トレンチゲート構造27の側方には、半導体層2の第1主面3から第2主面4に向かって、n型ソース領域35、p型ボディ領域34およびn型エピタキシャル層22(n型ドリフトドレイン領域25)が順に形成されている。
埋め込みゲート電極30は、第1側壁絶縁膜31を挟んで、n型ソース領域35、p型ボディ領域34およびn型エピタキシャル層22と対向している。p型ボディ領域34において、n型ソース領域35およびn型エピタキシャル層22の間の領域が、絶縁ゲート型電界効果トランジスタTrのチャネルである。
半導体層2の第1主面3の上には、トレンチゲート構造27を被覆する絶縁層40が形成されている。絶縁層40は、複数の絶縁膜が積層された積層構造を有していてもよいし、1つの絶縁膜だけを含む単層構造を有していてもよい。絶縁層40は、たとえば酸化シリコン(SiO)または窒化シリコン(SiN)を含んでいてもよい。
絶縁層40には、ソースコンタクト孔41が形成されている。ソースコンタクト孔41は、n型ソース領域35およびp型ボディ領域34を、絶縁層40から露出させている。
前述のソースパッド11は、絶縁層40の上に形成されている。ソースパッド11は、絶縁層40の上からソースコンタクト孔41に入り込んでいる。ソースパッド11は、ソースコンタクト孔41においてn型ソース領域35およびp型ボディコンタクト領域36に接続されている。
図4は、図1の二点鎖線IVにより取り囲まれた領域の拡大図である。図5は、図4のV-V線に沿う断面図である。図4では、説明の便宜上、ゲートパッド9およびソースパッド11を破線で示し、半導体層2の第1主面3のレイアウトを実線で示している。
図4および図5を参照して、ゲートパッド9直下の素子形成領域6には、トレンチダイオード構造45が形成されている。トレンチダイオード構造45は、ダイオードトレンチ46、第2内壁絶縁膜47、および、双方向ツェナーダイオードDを含む。
ダイオードトレンチ46は、半導体層2の主面に形成されている。ダイオードトレンチ46は、ゲートパッド9直下の領域から、ソースパッド11直下の領域に引き出されている。ダイオードトレンチ46は、本実施形態では、平面視矩形状に形成されている。
ダイオードトレンチ46は、ゲートトレンチ28の深さDgとほぼ等しい深さDdを有している。したがって、ダイオードトレンチ46の深さDdは、たとえば9000Å以上12000Å以下(本実施形態では10000Å程度)である。
ダイオードトレンチ46は、ゲートパッド9直下の領域に位置する一端部と、ソースパッド11直下の領域に位置する他端部とを有している。ダイオードトレンチ46は、側壁および底壁を含む内壁を有している。
第2内壁絶縁膜47は、ダイオードトレンチ46の内壁に沿って形成されている。双方向ツェナーダイオードDは、第2内壁絶縁膜47を挟んでダイオードトレンチ46に埋設されている。
図6は、トレンチダイオード構造45の要部を示す図である。
図6を参照して、第2内壁絶縁膜47は、第1内壁絶縁膜29とほぼ等しい構造を有している。より具体的には、第2内壁絶縁膜47は、第2側壁絶縁膜48、第2底壁絶縁膜49、および、第2接続絶縁膜50を一体的に含む。第2側壁絶縁膜48は、ダイオードトレンチ46の側壁に沿って形成されている。第2底壁絶縁膜49は、ダイオードトレンチ46の底壁に沿って形成されている。第2接続絶縁膜50は、ダイオードトレンチ46の側壁および底壁を接続する接続部に沿って形成されている。
第2底壁絶縁膜49の厚さt4は、第2側壁絶縁膜48の厚さt5よりも大きい(厚さt5<厚さt4)。第2接続絶縁膜50の厚さt6は、第2側壁絶縁膜48の厚さt5以下である(厚さt6≦厚さt5<厚さt4)。
ダイオードトレンチ46の深さDdに対する第2底壁絶縁膜49の厚さt4の比t4/Ddは、たとえば0.08以上0.35以下である。第2底壁絶縁膜49の厚さt4に対する第2側壁絶縁膜48の厚さt5の比t5/t4は、たとえば0.16以上0.6以下である。
第2底壁絶縁膜49の厚さt4は、本実施形態では、第1底壁絶縁膜32の厚さt1とほぼ等しい(厚さt4=厚さt1、または、厚さt4≒厚さt1)。第2側壁絶縁膜48の厚さt5は、本実施形態では、第1側壁絶縁膜31の厚さt2とほぼ等しい(厚さt5=厚さt2、または、厚さt5≒厚さt2)。第2接続絶縁膜50の厚さt6は、本実施形態では、第1接続絶縁膜33の厚さt3とほぼ等しい(厚さt6=厚さt3、または、厚さt6≒厚さt3)。
図4および図5を再度参照して、双方向ツェナーダイオードDは、ダイオードトレンチ46内において第2底壁絶縁膜49の上に形成されている。双方向ツェナーダイオードDは、本実施形態では、ダイオードトレンチ46に沿って延びる平面視矩形状に形成されている。双方向ツェナーダイオードDは、ゲートパッド9直下の領域に位置する一端部と、ソースパッド11直下の領域に位置する他端部とを有している。
双方向ツェナーダイオードDは、ダイオードトレンチ46の開口に臨む平坦な上面51を有している。双方向ツェナーダイオードDの上面51は、ダイオードトレンチ46の底壁に対してほぼ平行に形成されている。
半導体層2の第1主面3の法線方向に関して、半導体層2の第1主面3およびダイオードトレンチ46の底壁の間の距離は、双方向ツェナーダイオードDの上面51およびダイオードトレンチ46の底壁の間の距離とほぼ等しい。したがって、双方向ツェナーダイオードDの上面51は、半導体層2の第1主面3と同一の平面上に形成されている。
双方向ツェナーダイオードDは、ダイオードトレンチ46の側壁から間隔を空けて形成されている。双方向ツェナーダイオードDの側壁は、ダイオードトレンチ46の側壁によって取り囲まれた領域内に形成されている。双方向ツェナーダイオードDの側壁およびダイオードトレンチ46の側壁の間の距離は、双方向ツェナーダイオードDの厚さよりも大きい。
双方向ツェナーダイオードDは、n型部52(第1導電型部)およびp型部53(第2導電型部)を含み、n型部52およびp型部53が交互に繰り返された構造を有している。n型部52は、双方向ツェナーダイオードDの一端部および他端部にそれぞれ形成されている。双方向ツェナーダイオードDの両端部に形成された一対のn型部52の間の領域に、n型部52およびp型部53が交互に繰り返し形成されている。
型部52およびp型部53は、本実施形態では、平面視において、ダイオードトレンチ46が延びる方向に交差する交差方向に沿って延びる帯状に形成されている。これにより、n型部52およびp型部53は、交差方向に沿って延びるストライプ状に形成されている。交差方向は、ダイオードトレンチ46が延びる方向に直交する直交方向であってもよい。
型部52およびp型部53の間の領域には、pn接合部が形成されている。このpn接合部により、n型部52をカソードとし、p型部53をアノードとするツェナーダイオードDZ1,DZ2が形成されている。
双方向ツェナーダイオードDは、複数(本実施形態では4つ)の双方向ツェナーダイオード要素DEを含む。双方向ツェナーダイオード要素DEは、アノード(p型部53)を介して互いに電気的に接続された一対のツェナーダイオードDZ1,DZ2を含む。
互いに隣り合う双方向ツェナーダイオード要素DEは、カソード(n型部52)を介して電気的に接続されている。本実施形態では、このような複数の双方向ツェナーダイオード要素DEによって一つの双方向ツェナーダイオードDが形成されている。
双方向ツェナーダイオードDは、双方向ツェナーダイオード要素DEを一つだけ含む構造を有していてもよい。したがって、双方向ツェナーダイオードDは、一対のn型部52および一対のn型部52の間に形成された少なくとも一つのp型部53を有していてもよい。
双方向ツェナーダイオードDは、本実施形態では、ポリシリコン体54を含む。n型部52は、本実施形態では、ポリシリコン体54にn型不純物を選択的に注入して形成したn型不純物領域を含む。p型部53は、本実施形態では、ポリシリコン体54にp型不純物を選択的に注入して形成したp型不純物領域を含む。
型部52は、n型ソース領域35のn型不純物濃度とほぼ等しいn型不純物濃度を有していてもよい。p型部53は、p型ボディ領域34のp型不純物濃度とほぼ等しいp型不純物濃度を有していてもよい。
図5を参照して、半導体層2においてダイオードトレンチ46の底壁に沿う領域には、p型フローティング領域55が形成されている。p型フローティング領域55は、ダイオードトレンチ46の底壁に加えて、ダイオードトレンチ46の側壁の一部に沿って形成されている。p型フローティング領域55は、ダイオードトレンチ46の側壁および底壁を接続する角部も被覆している。p型フローティング領域55のp型不純物濃度は、たとえば1.0×1015cm−3以上1.0×1017cm−3以下である。
本実施形態では、ダイオードトレンチ46の底壁および双方向ツェナーダイオードDの間に第2底壁絶縁膜49が介在している。加えて、半導体層2には、第2底壁絶縁膜49を挟んで双方向ツェナーダイオードDと対向するp型フローティング領域55が形成されている。これら第2底壁絶縁膜49およびp型フローティング領域55によって、双方向ツェナーダイオードDのp型部53の導電型がn型に反転するのを抑制する反転抑制構造56が形成されている。
図5を参照して、双方向ツェナーダイオードDの側壁には、絶縁性の側壁保護膜57が形成されている。側壁保護膜57は、双方向ツェナーダイオードDの側壁およびダイオードトレンチ46の側壁の間の領域を埋めている。側壁保護膜57によって、双方向ツェナーダイオードDが側壁側から保護されている。また、側壁保護膜57によって、半導体層2の第1主面3に平行な横方向に関して、双方向ツェナーダイオードDおよび半導体層2の間の絶縁性が高められている。
図4および図5を参照して、素子形成領域6において、ダイオードトレンチ46の周縁に沿う周囲領域には、当該周囲領域の電界を緩和する電界緩和構造61が形成されている。本実施形態では、電界緩和構造61は、ダイオードトレンチ46から離れる方向に間隔を空けてこの順に形成された複数(本実施形態では4個)の電界緩和構造61A,61B,61C,61Dを含む。
電界緩和構造61A,61B,61C,61Dは、ダイオードトレンチ46を取り囲むように形成されている。電界緩和構造61A,61B,61C,61Dは、電界緩和トレンチ62、第3内壁絶縁膜63、埋め込み導電体64、および、p型フローティング領域65を、それぞれ含む。
電界緩和トレンチ62は、半導体層2の第1主面3に形成されている。電界緩和トレンチ62は、本実施形態では、ダイオードトレンチ46の周囲を取り囲む平面視無端状(平面視四角環状)に形成されている。
電界緩和トレンチ62は、ゲートトレンチ28の深さDgおよびダイオードトレンチ46の深さとほぼ等しい深さDdを有している。したがって、電界緩和トレンチ62の深さDeは、たとえば9000Å以上12000Å以下(本実施形態では10000Å程度)である。電界緩和トレンチ62は、側壁および底壁を含む内壁を有している。
第3内壁絶縁膜63は、電界緩和トレンチ62の内壁に沿って形成されている。埋め込み導電体64は、第3内壁絶縁膜63を挟んで電界緩和トレンチ62に埋設されている。第3内壁絶縁膜63は、酸化シリコンを含んでいてもよい。埋め込み導電体64は、導電性を有するポリシリコンを含んでいてもよい。
図7は、電界緩和構造61の要部を示す図である。
第3内壁絶縁膜63は、第1内壁絶縁膜29および第2内壁絶縁膜47とほぼ等しい構造を有している。より具体的には、第3内壁絶縁膜63は、第3側壁絶縁膜66、第3底壁絶縁膜67および第3接続絶縁膜68を一体的に含む。
第3側壁絶縁膜66は、電界緩和トレンチ62の側壁に沿って形成されている。第3底壁絶縁膜67は、電界緩和トレンチ62の底壁に沿って形成されている。第3接続絶縁膜68は、電界緩和トレンチ62の側壁および底壁を接続する接続部に沿って形成されている。
第3底壁絶縁膜67の厚さt7は、第3側壁絶縁膜66の厚さt8よりも大きい(厚さt7<厚さt8)。第3接続絶縁膜68の厚さt9は、第3側壁絶縁膜66の厚さt8以下である(厚さt9≦厚さt8<厚さt7)。
電界緩和トレンチ62の深さDeに対する第3底壁絶縁膜67の厚さt7の比t7/Deは、たとえば0.08以上0.35以下である。第3底壁絶縁膜67の厚さt7に対する第3側壁絶縁膜66の厚さt8の比t8/t7は、たとえば0.16以上0.6以下である。
第3底壁絶縁膜67の厚さt7は、本実施形態では、第2底壁絶縁膜49の厚さt4とほぼ等しい(厚さt7=厚さt4、または、厚さt7≒厚さt4)。第3側壁絶縁膜66の厚さt8は、本実施形態では、第2側壁絶縁膜48の厚さt5とほぼ等しい(厚さt8=厚さt5、または、厚さt8≒厚さt5)。第3接続絶縁膜68の厚さt9は、本実施形態では、第2接続絶縁膜50の厚さt6とほぼ等しい(厚さt9=厚さt6、または、厚さt9≒厚さt6)。
図5を再度参照して、p型フローティング領域65は、半導体層2において電界緩和トレンチ62の底壁に沿う領域に形成されている。p型フローティング領域65は、電界緩和トレンチ62の底壁に加えて、電界緩和トレンチ62の側壁の一部に沿って形成されている。したがって、p型フローティング領域65は、電界緩和トレンチ62の側壁および底壁を接続する角部も被覆している。
p型フローティング領域65は、ダイオードトレンチ46側のp型フローティング領域55のp型不純物濃度とほぼ等しいp型不純物濃度を有していてもよい。また、p型フローティング領域65は、p型フローティング領域55の深さとほぼ等しい深さで形成されていてもよい。p型フローティング領域65により、電界緩和トレンチ62の底部、とりわけ電界緩和トレンチ62の角部の電界を緩和できる。
電界緩和構造61の個数および形状は、緩和すべき電界に応じて適宜変更可能である。したがって、電界緩和構造61が一つだけ形成された構造が採用されてもよいし、8個以上の電界緩和構造61が形成された構造が採用されてもよい。また、ダイオードトレンチ46の周縁を取り囲むように、ドット状またはライン状の断続的な電界緩和構造61が形成されていてもよい。
トレンチダイオード構造45および電界緩和構造61は、前述の絶縁層40によって被覆されている。トレンチダイオード構造45に形成された側壁保護膜57は、この絶縁層40の一部によって形成されていてもよい。絶縁層40には、第1コンタクト孔71および第2コンタクト孔72が形成されている。
第1コンタクト孔71は、ゲートパッド9直下に位置する双方向ツェナーダイオードDの一端部(n型部52)を露出させている。第1コンタクト孔71の底部は、双方向ツェナーダイオードDの一端部内に位置していてもよい。
第2コンタクト孔72は、ソースパッド11直下に位置する双方向ツェナーダイオードDの他端部(n型部52)を露出させている。第2コンタクト孔72の底部は、双方向ツェナーダイオードDの他端部内に位置していてもよい。
第1コンタクト孔71には、第1コンタクトプラグ73が埋め込まれている。第1コンタクトプラグ73は、ゲートパッド9および双方向ツェナーダイオードDの一端部(n型部52)に電気的に接続されている。第1コンタクトプラグ73は、タングステン(W)を含んでいてもよい。
第2コンタクト孔72には、第2コンタクトプラグ74が埋め込まれている。第2コンタクトプラグ74は、ソースパッド11および双方向ツェナーダイオードDの他端部(p型部53)に電気的に接続されている。第2コンタクトプラグ74は、タングステン(W)を含んでいてもよい。
次に、半導体装置1の製造方法の一例について説明する。図8A〜図8Mは、図1の半導体装置1の製造方法を説明するための断面図である。図8A〜図8Mは、前述の図5に対応する部分の断面図である。図8A〜図8Mでは、主にトレンチダイオード構造45およびその周囲の構造に重点を置いて説明する。
まず、図8Aを参照して、n型半導体基板21が準備される。次に、n型不純物が導入されながら、半導体基板21の主面からシリコンがエピタキシャル成長される。これにより、n型半導体基板21の主面の上にn型エピタキシャル層22が形成される。n型半導体基板21およびn型エピタキシャル層22を含む積層構造により、半導体層2が形成される。半導体層2は、第1主面3および第2主面4を有している。
次に、図8Bを参照して、半導体層2の第1主面3にマスク81が形成される。マスク81は、半導体層2の第1主面3を選択的に酸化して形成したシリコン酸化膜であってもよい。マスク81は、ゲートトレンチ28、ダイオードトレンチ46および電界緩和トレンチ62を形成すべき領域を露出させる開口82を選択的に有している。
次に、マスク81を介するエッチングにより、半導体層2の不要な部分が選択的に除去される。これにより、半導体層2の第1主面3に、ゲートトレンチ28、ダイオードトレンチ46および電界緩和トレンチ62が形成される。
次に、図8Cを参照して、ダイオードトレンチ46および電界緩和トレンチ62の底部から露出する半導体層2に対してp型不純物が導入される。p型不純物は、たとえば図示しないイオン注入マスクを介して、半導体層2に注入される。これにより、ダイオードトレンチ46の底部に沿うp型フローティング領域55が形成され、電界緩和トレンチ62の底部に沿うp型フローティング領域65が形成される。
次に、図8Dを参照して、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法によって、絶縁材料層83が形成される。絶縁材料層83は、ゲートトレンチ28、ダイオードトレンチ46および電界緩和トレンチ62を埋めて、半導体層2の第1主面3のほぼ全域を被覆するように形成される。
次に、図8Eを参照して、エッチバックにより、ゲートトレンチ28、ダイオードトレンチ46および電界緩和トレンチ62の深さ方向途中部まで、絶縁材料層83の不要な部分が除去される。これにより、第1底壁絶縁膜32、第2底壁絶縁膜49および第3底壁絶縁膜67が形成される。
次に、図8Fを参照して、たとえば熱酸化法またはウェット酸化法によって、ゲートトレンチ28の側壁、ダイオードトレンチ46の側壁および電界緩和トレンチ62の側壁から露出する半導体層2が酸化される。これにより、第1側壁絶縁膜31、第2側壁絶縁膜48および第3側壁絶縁膜66が形成される。また、これにより、第1接続絶縁膜33、第2接続絶縁膜50および第3接続絶縁膜68が形成される。
次に、図8Gを参照して、たとえばCVD法によって、ポリシリコン層84が形成される。ポリシリコン層84は、ゲートトレンチ28、ダイオードトレンチ46および電界緩和トレンチ62を埋めて、半導体層2の第1主面3のほぼ全域を被覆するように形成される。
次に、ポリシリコン層84においてダイオードトレンチ46内に位置する平坦領域85を選択的に被覆するマスク86が形成される。ダイオードトレンチ46内に形成されたポリシリコン層84と、半導体層2の第1主面3の上に形成されたポリシリコン層84との間には、段部87が形成されている。平坦領域85とは、ダイオードトレンチ46内に位置するポリシリコン層84において、段部87によって取り囲まれた平坦な領域のことをいう。
次に、図8Hを参照して、マスク86を介するエッチバックにより、ポリシリコン層84の不要な部分が除去される。これにより、第1底壁絶縁膜32内に埋め込みゲート電極30が形成される。また、ダイオードトレンチ46内に双方向ツェナーダイオードDの基になるポリシリコン体54が形成される。また、電界緩和トレンチ62内に、埋め込み導電体64が形成される。
この工程では、ダイオードトレンチ46の開口に臨む平坦な上面51を有するポリシリコン体54が形成される。半導体層2の第1主面3の法線方向に関して、半導体層2の第1主面3およびダイオードトレンチ46の底壁の間の距離は、ポリシリコン体54の上面51およびダイオードトレンチ46の底壁の間の距離とほぼ等しい。したがって、ポリシリコン体54の上面51は、半導体層2の第1主面3とほぼ同一の平面上に形成される。
また、この工程では、ポリシリコン体54は、ダイオードトレンチ46の側壁から間隔を空けてダイオードトレンチ46内に形成される。ポリシリコン体54の側壁は、ダイオードトレンチ46の側壁によって取り囲まれた領域内に形成される。ポリシリコン体54の側壁およびダイオードトレンチ46の側壁の間の距離は、ポリシリコン体54の厚さよりも大きく形成される。
これにより、半導体層2の第1主面3に形成されたポリシリコン層84と、ダイオードトレンチ46内に形成されたポリシリコン層84との間に存在する段部87を除去することができる。よって、前記段部87が、ポリシリコン体54の一部として残存することを抑制できるから、平坦な上面51を有する双方向ツェナーダイオードDを形成することができる。
次に、図8Iを参照して、半導体層2の第1主面3の上に、フォトマスク88が形成される。フォトマスク88は、ネガ型であってもよいし、ポジ型であってもよい。ここでは、ネガ型のフォトマスク88を例にとって説明する。
次に、露光および現像により、p型ボディ領域34を形成すべき領域を露出させる開口89、および、ポリシリコン体54のp型部53を形成すべき領域を露出させる開口90が、フォトマスク88に選択的に形成される。
次に、フォトマスク88を介して、半導体層2の第1主面3の表層部、および、ポリシリコン体54の全域にp型不純物が注入される。半導体層2の第1主面3の表層部に注入されたp型不純物は、p型ボディ領域34となる。ポリシリコン体54に注入されたp型不純物は、後述の工程を経てp型部53となる。p型不純物が注入された後、フォトマスク88は除去される。
ここで、フォトマスク88において、ポリシリコン体54の上面51を被覆する部分と、半導体層2の第1主面3を被覆する部分との間に比較的大きい段差が存在している場合について考える。
このフォトマスク88を露光する場合には、ポリシリコン体54の上面51を被覆する部分、および、半導体層2の第1主面3を被覆する部分に対して、それぞれ異なるフォーカスマージンを設定しなければならない。そのため、ポリシリコン体54の上面51を被覆する部分に対する露光と、半導体層2の第1主面3を被覆する部分に対する露光とを同一の工程で行うことは、およそ現実的ではなくなる。
フォーカスマージンとは、露光時において、フォトマスクに対する光の焦点が最適な焦点位置から上方または下方にずれた際に、当該フォトマスクが実用可能な状態で維持できる深度領域の幅のことである。
これに対して、本実施形態では、ポリシリコン体54の上面51が、半導体層2の第1主面3とほぼ同一の平面上に形成されている。したがって、フォトマスク88において、ポリシリコン体54の上面51を被覆する部分と、半導体層2の第1主面3を被覆する部分との間に段差が形成されるのを抑制できる。しかも、ポリシリコン体54の上面51は平坦に形成されているので、当該ポリシリコン体54の上面51の上においてフォトマスク88に段差が形成されることも抑制できる。
よって、フォトマスク88を露光する場合には、ポリシリコン体54の上面51を被覆する部分、および、半導体層2の第1主面3を被覆する部分に対して、それぞれ等しいフォーカスマージンを設定することができる。
これにより、p型ボディ領域34の形成工程およびポリシリコン体54のp型部53の形成工程を共通化することができる。また、これと同時に、ダイオードトレンチ46内に形成されたポリシリコン体54に対するp型部53の形成工程の簡素化を図ることができる。
次に、図8Jを参照して、半導体層2の第1主面3の上に、別のフォトマスク91が形成される。フォトマスク91は、ネガ型であってもよいし、ポジ型であってもよい。ここでは、ネガ型のフォトマスク91を例にとって説明する。
次に、露光および現像により、n型ソース領域35を形成すべき領域を露出させる開口(図示せず)、および、ポリシリコン体54のp型部53を形成すべき領域を露出させる開口92が、フォトマスク91に選択的に形成される。
次に、フォトマスク91を介して、半導体層2の第1主面3の表層部、および、ポリシリコン体54にn型不純物が注入される。半導体層2の第1主面3の表層部に注入されたn型不純物は、n型ソース領域35となる。ポリシリコン体54に注入されたn型不純物は、n型部52となる。
この工程により、n型部52およびp型部53を含み、n型部52およびp型部53が交互に繰り返された構造の双方向ツェナーダイオードDが、ダイオードトレンチ46内に形成される。n型不純物が注入された後、フォトマスク91は除去される。
この工程では、フォトマスク91において、ポリシリコン体54の上面51を被覆する部分と、半導体層2の第1主面3を被覆する部分との間に段差が形成されるのを抑制できる。しかも、ポリシリコン体54の上面51は平坦に形成されているので、当該ポリシリコン体54の上面51の上においてフォトマスク91に段差が形成されることも抑制できる。
よって、フォトマスク91を露光する場合には、ポリシリコン体54の上面51を被覆する部分、および、半導体層2の第1主面3を被覆する部分に対して、それぞれ等しいフォーカスマージンを設定することができる。
これにより、n型ソース領域35の形成工程およびポリシリコン体54のn型部52の形成工程を共通化することができる。また、これと同時に、ダイオードトレンチ46内に形成されたポリシリコン体54に対するn型部52の形成工程の簡素化を図ることができる。
次に、図8Kを参照して、たとえばCVD法によって、絶縁層40が形成される。絶縁層40は、ポリシリコン体54の側壁およびダイオードトレンチ46の側壁の間の領域を埋めて、半導体層2の第1主面3のほぼ全域を被覆するように形成される。絶縁層40のうち、ポリシリコン体54の側壁およびダイオードトレンチ46の側壁の間の領域を埋めた部分が、ポリシリコン体54の側壁を保護する側壁保護膜57となる。
次に、図8Lを参照して、絶縁層40の上に、マスク93が形成される。マスク93は、第1コンタクト孔71および第2コンタクト孔72を形成すべき領域を選択的に露出させる開口94を有している。
次に、マスク93を介するエッチングにより、絶縁層40の不要な部分が除去される。これにより、ポリシリコン体54の一端部を露出させる第1コンタクト孔71と、ポリシリコン体54の他端部を露出させる第2コンタクト孔72とが、絶縁層40に形成される。第1コンタクト孔71および第2コンタクト孔72が形成された後、マスク93は除去される。
次に、図8Mを参照して、たとえばCVD法およびエッチバックにより、タングステンが第1コンタクト孔71および第2コンタクト孔72に埋め込まれる。これにより、第1コンタクト孔71内に第1コンタクトプラグ73が形成される。また、これにより、第2コンタクト孔72に第2コンタクトプラグ74が形成される。
次に、たとえばスパッタ法により、絶縁層40の上に電極材料(たとえばアルミニウム)が堆積されて、電極材料層が形成される。次に、たとえばマスク(図示せず)を介するエッチングによって、電極材料層の不要な部分が除去される。これにより、ゲートパッド9、ゲートフィンガー10およびソースパッド11を含む表面電極8が形成される。その後、たとえばスパッタ法により、半導体層2の第2主面4にドレイン電極23が形成される。以上の工程を経て、半導体装置1が得られる。
次に、双方向ツェナーダイオードDの動作について説明する。ここでは、p型部53の幅Wpを調整した二つの双方向ツェナーダイオードDを用意し、それぞれの動作を調べた。
図9および図10は、それぞれ、双方向ツェナーダイオードDの動作を説明するための図である。図9および図10は、それぞれ、アバランシェ降伏によって双方向ツェナーダイオードDをブレークダウンさせた際の動作を示している。
図9の双方向ツェナーダイオードDでは、p型部53の幅Wpが、n型部52およびp型部53の間に形成されたpn接合部から拡がる空乏層の幅Wdよりも大きい値(幅Wp>幅Wd)に設定されている。空乏層の幅Wdとは、ゲートパッド9およびソースパッド11間にブレークダウン電圧が印加された際に、pn接合部から拡がる空乏層の幅である。
図9を参照して、ゲートパッド9およびソースパッド11間にブレークダウン電圧が印加されると、アバランシェ降伏によって双方向ツェナーダイオードDが導通する。そして、ノイズ成分を含むゲート電流が、双方向ツェナーダイオードDを介して、ゲートパッド9およびソースパッド11間に流れる。
p型部53の幅Wpは、空乏層の幅Wdよりも大きい値(幅Wp>幅Wd)に設定されている。したがって、ブレークダウン状態において、各p型部53は、空乏層で満たされず、p型部53の一部が一定の幅で残ることになる。
p型部53の残存部は、直列抵抗となるため、ゲート電流をグランド電位(ゲートパッド9)に逃がす際の妨げとなる。その結果、ゲート絶縁膜の破壊などの不都合が生じる。
一方、図10の双方向ツェナーダイオードDでは、p型部53の幅Wpが、n型部52およびp型部53の間に形成されたpn接合部から拡がる空乏層の幅Wd以下の値(幅Wp≦幅Wd)に設定されている。
したがって、ゲートパッド9およびソースパッド11間にブレークダウン電圧を印加した際に、各p型部53の領域を空乏層で満たすことができる。これにより、パンチスルーによってソース側のn型部52およびゲート側のn型部52を導通させることができ、かつ、p型部53で形成される直列抵抗を低減することができる。
本実施形態では、双方向ツェナーダイオードDの直下に第2底壁絶縁膜49およびフローティング領域を含む反転抑制構造56が形成されている(図5参照)。この反転抑制構造56によって、双方向ツェナーダイオードDのp型部53の導電型がn型に反転するのが抑制されている。したがって、ゲートパッド9およびソースパッド11間に不所望な電流経路が形成されるのを抑制できる。よって、双方向ツェナーダイオードDによるオンオフ動作の安定性を高めることができる。
これにより、ゲート電流をグランド電位(ゲートパッド9)に良好に逃がすことができる。よって、ゲート絶縁膜の破壊などの不都合を抑制し、静電気破壊に対する耐量やアバランシェ耐量を向上させることができる。アバランシェ耐量とは、アバランシェ降伏した状態で、双方向ツェナーダイオードDが破壊しない耐量のことである。
以上、本実施形態に係る半導体装置1では、ダイオードトレンチ46の底壁および双方向ツェナーダイオードDの間に第2底壁絶縁膜49が介在している。この第2底壁絶縁膜49の厚さt4は、第2側壁絶縁膜48の厚さt5よりも大きい。
加えて、半導体層2には、第2底壁絶縁膜49を挟んで双方向ツェナーダイオードDと対向するp型フローティング領域55が形成されている。これら第2底壁絶縁膜49およびフローティング領域によって、双方向ツェナーダイオードDのp型部53の導電型がn型に反転するのを抑制する反転抑制構造56が形成されている。
これにより、一対のn型部52の間に電圧降下が生じたとしても、p型部53の導電型がn型に反転するのを抑制することができる。したがって、双方向ツェナーダイオードDにおいて、漏れ電流などの不所望な電流の増加を抑制することができる。よって、双方向ツェナーダイオードDのオンオフ動作の安定性を高めることができるから、当該オンオフ動作の安定性を、静電気破壊に対する耐量の向上やアバランシェ耐量の向上に貢献させることができる。
また、本実施形態に係る半導体装置1では、双方向ツェナーダイオードDが、ダイオードトレンチ46の開口に臨む上面51を有しており、当該双方向ツェナーダイオードDの上面51が、半導体層2の第1主面3と同一の平面上に形成されている。
これにより、p型ボディ領域34およびp型部53を形成する工程の際に使用するフォトマスク88において、ポリシリコン体54の上面51を被覆する部分と、半導体層2の第1主面3を被覆する部分との間に段差が形成されるのを抑制できる(図8I参照)。
しかも、ポリシリコン体54の上面51は、ダイオードトレンチ46の底壁上において、平坦に形成されている。これにより、ポリシリコン体54の上面51の上においてフォトマスク88に段差が形成されることも抑制できる。
よって、フォトマスク88を露光する場合には、ポリシリコン体54の上面51を被覆する部分、および、半導体層2の第1主面3を被覆する部分に対して、それぞれ等しいフォーカスマージンを設定することができる。これにより、p型ボディ領域34の形成工程およびポリシリコン体54のp型部53の形成工程を共通化することができる。また、これと同時に、ダイオードトレンチ46内に形成されたポリシリコン体54に対するp型部53の形成工程の簡素化を図ることができる。
また、n型ソース領域35およびn型部52を形成する工程の際に使用するフォトマスク91において、ポリシリコン体54の上面51を被覆する部分と、半導体層2の第1主面3を被覆する部分との間に段差が形成されるのを抑制できる(図8J参照)。
しかも、ポリシリコン体54の上面51は、ダイオードトレンチ46の底壁上において、平坦に形成されている。これにより、ポリシリコン体54の上面51の上においてフォトマスク91に段差が形成されることも抑制できる。
よって、フォトマスク91を露光する場合には、ポリシリコン体54の上面51を被覆する部分、および、半導体層2の第1主面3を被覆する部分に対して、それぞれ等しいフォーカスマージンを設定することができる。これにより、n型ソース領域35の形成工程およびポリシリコン体54のn型部52の形成工程を共通化することができる。また、これと同時に、ダイオードトレンチ46内に形成されたポリシリコン体54に対するn型部52の形成工程の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態に係る半導体装置1では、双方向ツェナーダイオードDは、ダイオードトレンチ46の側壁から間隔を空けてダイオードトレンチ46内に形成されている。そして、双方向ツェナーダイオードDの側壁およびダイオードトレンチ46の側壁の間の距離は、双方向ツェナーダイオードDの厚さよりも大きい。
この構成によれば、前述の図8G〜図8Hの工程において、半導体層2の第1主面3に形成されたポリシリコン層84と、ダイオードトレンチ46内に形成されたポリシリコン層84との間に存在する段部87を除去することができる。これにより、前記段部87が、ポリシリコン体54として残存することを抑制できるから、平坦な上面51を有する双方向ツェナーダイオードDを形成することができる。
また、本実施形態に係る半導体装置1は、ダイオードトレンチ46の側壁および双方向ツェナーダイオードDの側壁の間の領域に形成され、かつ、双方向ツェナーダイオードDの側壁を保護する絶縁性の側壁保護膜57を含む。この側壁保護膜57は、ダイオードトレンチ46の側壁および双方向ツェナーダイオードDの側壁の間の領域を埋めている。
この構成によれば、側壁保護膜57によって、双方向ツェナーダイオードDを側壁側から保護することができる。また、側壁保護膜57によって、半導体層2の第1主面3に平行な横方向に関して、双方向ツェナーダイオードDおよび半導体層2の間の絶縁性を高めることができる。よって、双方向ツェナーダイオードDが半導体層2に及ぼす電界の影響を低減することができる。
また、本実施形態に係る半導体装置1は、ダイオードトレンチ46の周縁に沿う周囲領域において、半導体層2の主面の表層部に形成され、かつ、当該周囲領域の電界を緩和する電界緩和構造61を含む。
この構成によれば、電界緩和構造61により、ダイオードトレンチ46の周縁に沿う周囲領域において電界が集中するのを抑制することができる。したがって、電界の集中に起因する静電気破壊に対する耐量の低下やアバランシェ耐量の低下を抑制することができる。
また、本実施形態に係る半導体装置1は、トレンチゲート構造27、トレンチダイオード構造45および電界緩和構造61がほぼ同様の構成を有している。したがって、トレンチゲート構造27、トレンチダイオード構造45および電界緩和構造61を、共通の工程によって半導体層2内に形成できる。よって、製造工程の簡略化および工数の削減を図ることができる。
<第2実施形態>
図11は、図5に対応する部分の断面図であって、本発明の第2実施形態に係る半導体装置95を示す図である。図11において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る半導体装置95は、ダイオードトレンチ46の底壁に沿うp型フローティング領域55を備えていない点を除いて、前述の第1実施形態に係る半導体装置1と同様の構成を有している。
本実施形態に係る半導体装置95では、ダイオードトレンチ46の底壁および双方向ツェナーダイオードDの間に介在する第2底壁絶縁膜49によって、双方向ツェナーダイオードDのp型部53の導電型がn型に反転するのを抑制する反転抑制構造56が形成されている。
このような構成によっても、前述の第1実施形態において述べた作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
<第3実施形態>
図12は、図5に対応する部分の断面図であって、本発明の第3実施形態に係る半導体装置97を示す図である。図12において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る半導体装置97は、第2底壁絶縁膜49の厚さt4が、第2側壁絶縁膜48の厚さt5とほぼ等しく形成されている点を除いて、前述の第1実施形態に係る半導体装置1と同様の構成を有している。
本実施形態に係る半導体装置97では、ダイオードトレンチ46の底壁および双方向ツェナーダイオードDの間に介在する薄い第2底壁絶縁膜49と、p型フローティング領域55とによって、双方向ツェナーダイオードDのp型部53の導電型がn型に反転するのを抑制する反転抑制構造56が形成されている。
このような構成によっても、前述の第1実施形態において述べた作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
前述の第1実施形態では、双方向ツェナーダイオードDにおいて、n型部52およびp型部53がストライプ状に形成された例について説明した。しかし、双方向ツェナーダイオードDは、図13に示されるような構造を有していてもよい。
図13は、図4に対応する部分の断面図であって、双方向ツェナーダイオードDの変形例を示す図である。図13において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
本変形例に係る双方向ツェナーダイオードDでは、一端部のn型部52がゲートパッド9の内方領域の中央に配置されている。そして、中央のn型部52を取り囲むように、残りのp型部53およびn型部52が同心円状に配置されている。そして、中央に位置する一端部のn型部52に対して、第1コンタクトプラグ73が接続されている。また、最外周に位置する他端部のn型部52に対して、第2コンタクトプラグ74が接続されている。
このような構造によっても、一端部のn型部52から他端部のn型部52に向けて、n型部52およびp型部53が交互に繰り返された構造を有する双方向ツェナーダイオードDを得ることができる。むろん、このような構造の双方向ツェナーダイオードDは、第2実施形態および第3実施形態においても適用することができる。
前述の第1実施形態では、表面電極8が、半導体層2の角部に沿って形成されたゲートパッド9を含む例について説明した。しかし、これに代えて、図14に示される構造の表面電極8が採用されてもよい。
図14は、表面電極の変形例を示す平面図である。図14において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。図14では、半導体層2が平面視長方形状のチップ状に形成されている例を示している。
本変形例に係る表面電極8では、ソースパッド11が、半導体基板21の長手方向に沿って延びる平面視長方形に形成されている。ソースパッド11には、その長手方向の一端部から他端部に向かって延び、一端部が開放端で他端部が閉塞端である除去領域99が形成されている。除去領域99の閉塞端は、当該除去領域99の他の区間よりも幅広なパッド領域100とされている。
ゲートパッド9は、除去領域99のパッド領域100に配置されている。ゲートパッド9は、ゲートフィンガー10との接続部を除いて、ソースパッド11に取り囲まれている。ゲートフィンガー10は、ゲートパッド9からソースパッド11の除去領域99の開放端に向かって延びている。ゲートフィンガー10は、さらに、除去領域99の開放端からさらに外側領域7(ソースパッド11の外周)に引き回されている。ゲートフィンガー10は、ソースパッド11の全周を取り囲んでいてもよい。
このような構造によっても、ゲートパッド9の直下の領域において、ゲートパッド9およびソースパッド11に跨るトレンチダイオード構造45を形成することができる。むろん、このような構造の表面電極8は、第2実施形態および第3実施形態においても適用することができる。
前述の各実施形態では、トレンチゲート構造27、トレンチダイオード構造45および電界緩和構造61がほぼ同様の構成を有している例について説明した。しかし、トレンチゲート構造27、トレンチダイオード構造45および電界緩和構造61は、それぞれ異なる構造を有していてもよい。
たとえば、ゲートトレンチ28、ダイオードトレンチ46および電界緩和トレンチ62を、それぞれ別々の工程で形成することによって、ゲートトレンチ28、ダイオードトレンチ46および電界緩和トレンチ62を、それぞれ異なる深さで形成してもよい。
また、第1内壁絶縁膜29、第2内壁絶縁膜47および第3内壁絶縁膜63を、それぞれ別々の工程で形成することによって、第1内壁絶縁膜29、第2内壁絶縁膜47および第3内壁絶縁膜63を、それぞれ異なる厚さで形成してもよい。
また、第1内壁絶縁膜29、第2内壁絶縁膜47および第3内壁絶縁膜63の内の少なくとも一つが、一様な厚さで形成されていてもよい。
また、第2内壁絶縁膜47が、第2側壁絶縁膜48、第2底壁絶縁膜49および第2接続絶縁膜50を一体的に含む一方で、第1内壁絶縁膜29および第3内壁絶縁膜63は一様な厚さで形成されていてもよい。
また、第3内壁絶縁膜63が、第3側壁絶縁膜66、第3底壁絶縁膜67および第3接続絶縁膜68を一体的に含む一方で、第1内壁絶縁膜29は一様な厚さで形成されていてもよい。
また、前述の各実施形態において、各半導体部分の導電型が反転された構造が採用されてもよい。つまり、p型の部分がn型とされ、n型の部分がp型とされてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。この明細書および図面から抽出される特徴の例を以下に示す。
項1:主面を有する第1導電型の半導体層と、前記半導体層の主面に形成されたダイオードトレンチと、前記ダイオードトレンチ内に形成され、かつ、一対の第1導電型部および前記一対の第1導電型部の間に形成された少なくとも一つの第2導電型部を有する双方向ツェナーダイオードと、前記双方向ツェナーダイオードおよび前記ダイオードトレンチの底壁の間に介在し、かつ前記ダイオードトレンチの深さに対する厚さの比が0.08以上0.35以下に設定された底壁絶縁膜とを含む、半導体装置。
項1に係る半導体装置では、ダイオードトレンチの底壁および双方向ツェナーダイオードの間に底壁絶縁膜が介在している。ダイオードトレンチの深さに対する底壁絶縁膜の厚さの比は、0.08以上0.35以下に設定されている。この底壁絶縁膜により、双方向ツェナーダイオードの第2導電型部の導電型が、第1導電型に反転するのを抑制する反転抑制構造が形成されている。
これにより、一対の第1導電型部の間に電圧降下が生じたとしても、第2導電型部の導電型が第1導電型に反転するのを抑制することができる。よって、不所望な電流の増加を抑制できる半導体装置を提供できる。
項2:前記底壁絶縁膜によって、前記双方向ツェナーダイオードの前記第2導電型部の導電型が第1導電型に反転するのを抑制する反転抑制構造が形成されている、項1に記載の半導体装置。
項3:前記ダイオードトレンチの深さが、9000Å以上12000Å以下であり、前記底壁絶縁膜の厚さが、1000Å以上3000Å以下である、項1または2に記載の半導体装置。
項4:前記ダイオードトレンチの側壁に沿って形成され、かつ前記底壁絶縁膜の厚さよりも小さい厚さを有する側壁絶縁膜をさらに含む、項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
項5:前記底壁絶縁膜の厚さに対する前記側壁絶縁膜の厚さの比が、0.16以上0.6以下である、項4に記載の半導体装置。
<参考発明>
前記「発明が解決しようとする課題」とは別の課題として、近年、たとえば車載市場や産業機械市場等において、低オン抵抗、低容量(高速スイッチング)を満たすトランジスタの要求が高まっている。たとえば、トランジスタのアクティブ領域の面積を小さくすることで、各ゲート電極の実効面積を縮小して入力容量Ciss(=Cgd+Cgs)を低減する対策が講じられている。しかしながら、このようなトランジスタの低容量化は、背反として、トランジスタの静電破壊耐量の低下を招いてしまう。
静電破壊の対策としては、特許文献1のようにトランジスタに双方向ツェナーダイオードを内蔵させることが一般的である。
ところが、特許文献1のように双方向ツェナーダイオードをアバランシェ降伏させてノイズ電流を逃がすやり方では、ブレークダウン後も、たとえばp型領域の一部が空乏化されずに一定の幅で残ることになる。このp型領域の残存部は、ノイズ電流が双方向ツェナーダイオードを流れる際の直列抵抗となる。そのため、ノイズ電流が十分に吸収されず、ゲート絶縁膜の破壊に至り易い。
一方、ゲート絶縁膜を厚くしてゲート絶縁膜自体の破壊耐量を向上させるという対策を検討できるが、膜の破壊耐量の設計値に合わせてゲート絶縁膜の厚さを精度よく調整することは難しい。また、ゲート絶縁膜の厚さはトランジスタのスイッチング性能にも密接に関係するため、ゲート絶縁膜の厚さをむやみに変更することは好ましくない。
参考発明の目的は、低オン抵抗および低容量でありながら、高い静電破壊耐量を実現することができる半導体装置を提供することである。
参考発明の一実施形態に係る半導体装置は、第1導電型のソース領域、第2導電型のボディ領域および第1導電型のドレイン領域を有する半導体層と、ゲート絶縁膜を介して前記ボディ領域に対向するゲート電極と、前記ソース領域に接続されたソース電極と、両端部にある一対の第1導電型部および前記一対の第1導電型の間の少なくとも一つの第2導電型部を有し、前記一対の第1導電型部がそれぞれ前記ソース電極および前記ゲート電極に接続された双方向ツェナーダイオードとを含み、前記双方向ツェナーダイオードの前記第2導電型部は、前記ソース電極と前記ゲート電極との間に所定の電圧が印加されたときに前記第1導電型部と前記第2導電型部とのpn接合部から広がる空乏層の幅よりも小さい幅を有している。
この構成によれば、ゲート−ソース間に所定の電圧が印加されたときに生じる空乏層の幅>双方向ツェナーダイオードの第2導電型部の幅である。そのため、たとえば静電気放電に起因する電圧がゲート−ソース間に印加されたときに、双方向ツェナーダイオードの一端部の第1導電型部を、パンチスルーによって双方向ツェナーダイオードの他端部の第1導電型部と導通させることができる。これにより、双方向ツェナーダイオードをアバランシェ降伏させて導通させる構造に比べて、ブレークダウン後に電流が流れる際の直列抵抗を低減することができる。その結果、静電気放電によってノイズ電流が半導体装置内に進入してきても、当該ノイズ電流を、双方向ツェナーダイオードを介して良好に逃がすことができる。これにより、高い静電破壊耐量を実現することができるので、たとえば半導体装置の各部を微細化する等して低オン抵抗化および低容量化を図ることができる。
また、破壊耐量の向上のためにゲート絶縁膜を厚くする必要がないので、ゲート絶縁膜の厚さは、トランジスタのスイッチング性能に焦点を当てて設計することができる。したがって、トランジスタのスイッチング性能に与える影響も少なくて済む。
なお、参考発明の一実施形態に係る半導体装置において、「所定の電圧」とは、たとえば、流通する半導体装置に保証される「ゲート−ソース間定格電圧Vgss」以上の電圧を含んでいてもよい。
参考発明の一実施形態に係る半導体装置は、前記半導体層に形成されたゲートトレンチと、前記ゲートトレンチの底部に埋め込まれた埋め込み絶縁膜とをさらに含んでいてもよい。その場合、前記ソース領域、前記ボディ領域および前記ドレイン領域は、前記ゲート絶縁膜の側面に沿って前記ゲートトレンチの深さ方向に並んでおり、前記ゲート絶縁膜は、前記埋め込み絶縁膜に連なって前記ゲートトレンチの側面に形成されていてもよい。そして、前記半導体装置は、前記ゲート絶縁膜と前記埋め込み絶縁膜との境界部に配置され、前記ゲート絶縁膜よりも薄い薄膜部を含んでいてもよい。
前述のように、参考発明の一実施形態に係る半導体装置は、高い静電破壊耐量を実現できるので、ゲートトレンチ内に薄膜部が配置された構造を有する半導体装置にも良好に適用することができる。
参考発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記双方向ツェナーダイオードは、ポリシリコン層で構成されており、前記第1導電型部および前記第2導電型部は、それぞれ、前記ポリシリコン層に選択的に形成された第1導電型不純物領域および第2導電型不純物領域を含んでいてもよい。
前記双方向ツェナーダイオードの耐圧(ブレークダウン電圧)は、第2導電型部の幅で定義される。そのため、上記のように第2導電型部がポリシリコン層内の不純物領域であれば、ポリシリコン層に不純物を注入する際のマスクの幅によって、第2導電型部の幅を簡単に調整することができ、また、第2導電型部の幅を精度よく調整することもできる。
そして、前記双方向ツェナーダイオードがポリシリコン層で構成されている場合、具体的に、前記薄膜部が400Å〜450Åの厚さを有し、前記第2不純物領域が、2.0×1016cm−3〜6.0×1016cm−3の不純物濃度および2.4μm〜2.6μmの幅を有していてもよい。
参考発明の一実施形態に係る半導体装置において前記双方向ツェナーダイオードでは、一端部の前記第1導電型部が中央に配置され、残りの前記第2導電型部および前記第1導電型部が、当該中央の第1導電型部を取り囲むように同心円状に配置されていてもよい。
参考発明の一実施形態に係る半導体装置が、前記ゲート電極と接続され、前記半導体装置の最表面に露出するゲートパッドを含む場合、前記双方向ツェナーダイオードは、前記ゲートパッドの直下の領域に配置されていてもよい。
この構成によれば、ゲートパッドの直下の領域を有効に活用することによって、チップの外周領域に双方向ツェナーダイオードの配置スペースを確保しなくて済むので、半導体装置の微細化に貢献することができる。
参考発明の一実施形態に係る半導体装置では、前記半導体層は、シリコン基板を含んでいてもよい。
以下では、参考発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図15は、参考発明の一実施形態に係る半導体装置101の模式的な平面図である。
図15を参照して、半導体装置101は、参考発明の半導体層の一例としての半導体基板102と、電極膜103と、表面保護膜104とを含む。表面保護膜104は、電極膜103を部分的に被覆しており、後述するソースパッド110およびゲートパッド111を選択的に露出させている。表面保護膜104としては、たとえば窒化シリコン(SiN)等を使用できる。
半導体基板102は、半導体装置101の外形を定義しており、たとえば平面視長方形のチップ形状を有している。半導体基板102は、たとえばシリコン基板であってもよく、その他、パワーデバイスに使用され得る炭化シリコン(SiC)、窒化ガリウム(GaN)等のワイドバンドギャップ半導体であってもよい。
電極膜103は、アルミニウム(Al)ベースの材料(たとえばAlCu等)等の導電材料からなり、ソースメタル105と、ゲートメタル106とを含む。
ソースメタル105は、半導体基板102の長手方向に延びる平面視略長方形の外形を有している。ソースメタル105には、その長手方向一端から他端に向かって延び、一端が開放端で他端が閉塞端である除去領域107が形成されている。除去領域107の閉塞端は、当該除去領域107の他の区間よりも幅広なパッド領域108とされている。また、ソースメタル105の一部は、表面保護膜104のパッド開口109から、ソースパッド110として半導体装置101の最表面に露出している。
ゲートメタル106は、ゲートパッド111と、ゲートフィンガー112とを含む。
ゲートパッド111は、パッド領域108に配置され、表面保護膜104のパッド開口113から半導体装置101の最表面に露出している。ゲートパッド111は、ゲートフィンガー112との接続部を除いて、ソースメタル105に取り囲まれている。
一方、ゲートフィンガー112は、表面保護膜104に被覆されていてもよい(図15では、明瞭化のために実線で記載)。ゲートフィンガー112は、ゲートパッド111からソースメタル105の除去領域107の開放端に向かって延び、当該開放端からさらに半導体基板102の周縁部に引き回され、ソースメタル105を取り囲んでいる。この実施形態では、ソースメタル105の全周がゲートフィンガー112に取り囲まれている。
図16は、半導体装置101について、図15のXVI−XVI切断線における断面を示す図である。図17は、図16のゲート絶縁膜115の要部を示す図である。
図16を参照して、半導体装置101は、半導体基板102と、ゲートトレンチ114と、ゲート絶縁膜115と、ゲート電極116と、p型ボディ領域117と、n型ソース領域118と、n型ドレイン領域119と、p型ボディコンタクト領域120と、層間絶縁膜121と、ソースメタル105と、ドレイン電極122とを含む。
半導体基板102は、たとえばn型シリコンのベース基板123上に、n型シリコンからなるエピタキシャル層124を結晶成長させることによって得られるエピタキシャル基板であってもよい。n型のベース基板123の不純物濃度は、たとえば、2.0×1019cm−3〜7.0×1019cm−3であり、n型のエピタキシャル層124の不純物濃度は、たとえば、8.0×1015cm−3〜2.0×1016cm−3であってもよい。
ゲートトレンチ114は、半導体基板102の表面部に所定のパターンで形成されている。ゲートトレンチ114のパターンは、たとえば、ストライプ状、格子状等、各種パターンであってもよい。ゲートトレンチ114のパターンに応じて、半導体基板102の表面部は複数の単位セル125に区画されている。また、隣り合うゲートトレンチ114の間隔(セルピッチ)は、たとえば、1.0μm〜2.0μm程度であってもよい。
ゲート絶縁膜115は、ゲートトレンチ114の内面に形成されているが、より詳しくは、図17を参照して説明する。
図17を参照して、ゲートトレンチ114の内部には、ゲート絶縁膜115の他に埋め込み絶縁膜126が配置されている。ゲート絶縁膜115および埋め込み絶縁膜126は、共に酸化シリコン(SiO)等の絶縁材料からなっていてもよい。埋め込み絶縁膜126がゲートトレンチ114の最深部から一定の高さまで埋め込まれ、ゲート絶縁膜115は、当該埋め込み絶縁膜126に連なってゲートトレンチ114の側面に配置されている。埋め込み絶縁膜126のゲートトレンチ114の深さ方向における厚さtは、たとえば、1000Å〜3000Åであり、ゲート絶縁膜115の厚さtは、たとえば、500Å〜600Åであってもよい。
そして、ゲート絶縁膜115と埋め込み絶縁膜126によって取り囲まれた領域に、ゲート電極116が埋め込まれている。ゲート電極116は、たとえばポリシリコン等の導電材料からなっていてもよい。
また、この実施形態では、ゲート絶縁膜115と埋め込み絶縁膜126との境界部に、ゲート絶縁膜115の厚さtよりも薄い厚さt(たとえば、400Å〜450Å)を有する薄膜部127が一体的に設けられている。つまり、ゲートトレンチ114内の絶縁膜では、ゲート電極116の底部に接する部分に薄膜部127が形成されている。薄膜部127は、ゲート絶縁膜115および埋め込み絶縁膜126と同じ酸化シリコン(SiO)等の絶縁材料からなっていてもよい。
再び図16を参照して、p型ボディ領域117は、各単位セル125において、エピタキシャル層124の表面部に形成されている。p型ボディ領域117の不純物濃度は、たとえば、1.0×1016cm−3〜3.5×1016cm−3であってもよい。
型ソース領域118は、各単位セル125において、p型ボディ領域117の表面部に形成されている。n型ソース領域118の不純物濃度は、たとえば、1.0×1019cm−3〜1.0×1020cm−3であってもよい。
型ドレイン領域119は、エピタキシャル層124において、p型ボディ領域117に対してn型ソース領域118の反対側のn型の部分であり、複数の単位セル125で共通の領域である。また、n型ドレイン領域119は、エピタキシャル層124の導電型が維持された領域である。したがって、n型ドレイン領域119の不純物濃度は、たとえば、2.0×1016cm−3〜6.0×1016cm−3(n型のエピタキシャル層124と同じ)であってもよい。なお、n型ドレイン領域119は、n型ドリフト領域と称してもよい。
型ボディコンタクト領域120は、各単位セル125において、エピタキシャル層124の表面からn型ソース領域118を貫通し、p型ボディ領域117に接するように形成されている。p型ボディコンタクト領域120の不純物濃度は、たとえば、1.0×1016cm−3〜3.5×1016cm−3であってもよい。
層間絶縁膜121は、たとえば酸化シリコン(SiO)等の絶縁材料からなり、半導体基板102上に配置されている。層間絶縁膜121には、n型ソース領域118およびp型ボディコンタクト領域120を露出させるコンタクト孔128が形成されている。ソースメタル105は、このコンタクト孔128を介して、n型ソース領域118およびp型ボディコンタクト領域120に接続されている。
ドレイン電極122は、たとえばアルミニウム(Al)ベースの材料(たとえばAlCu等)等の導電材料からなり、半導体基板102の裏面に形成されている。
図18は、図15の破線IVで囲まれた領域の拡大図である。図19は、図4のXIX−XIX切断線における断面を示す図である。なお、図18および図19において、前述の図15〜図17に示した構成については同じ符号を付し、その説明を省略することがある。
図18および図19を参照して、ゲートパッド111の直下の領域には、双方向ツェナーダイオード129が配置されている。双方向ツェナーダイオード129は、絶縁膜130(たとえば、酸化シリコン)を介して半導体基板102上に形成されている。双方向ツェナーダイオード129は、参考発明の第1導電型部の一例としてのn型部131および参考発明の第2導電型部の一例としてのp型部132が交互に繰り返される構造を有しており、その繰り返し構造の両端部は、n型部131となっている。この実施形態では、図18に示すように、双方向ツェナーダイオード129は、一端部のn型部131がゲートパッド111の内方領域の中央に配置され、残りのp型部132およびn型部131が、当該中央のn型部131を取り囲むように同心円状に配置されている。
また、この実施形態では、双方向ツェナーダイオード129は、ポリシリコン層で構成されている。そして、n型部131およびp型部132は、ポリシリコン層に選択的に形成されたn型またはp型の不純物領域として構成されている。たとえば、n型部131およびp型部132は、それぞれ、n型ソース領域118およびp型ボディ領域117と同じ不純物濃度を有していてもよい。
層間絶縁膜121は、双方向ツェナーダイオード129を被覆している。層間絶縁膜121には、ゲートパッド111の内方領域において、一端部のn型部131を露出させるゲート側コンタクト孔133が形成されている。
ゲート側コンタクト孔133は、たとえば、中央のn型部131の周縁に沿う直線状に形成されている。この実施形態では、中央のn型部131が平面視四角形状に形成されており、ゲート側コンタクト孔133は、当該中央のn型部131の各周縁に一つずつ合計4つ形成されている。
ゲートパッド111は、各ゲート側コンタクト孔133に埋め込まれたコンタクトプラグ134(たとえば、タングステン(W)等の導電材料)を介して中央のn型部131に接続されている。
また、層間絶縁膜121には、ゲートパッド111の後方(ゲートパッド111におけるゲートフィンガー112の接続位置の反対側)のソースパッド110の直下において、他端部のn型部131を露出させるソース側コンタクト孔135が形成されている。
ソース側コンタクト孔135は、たとえば、最外周のn型部131の一つの周縁に沿う直線状に形成されている。この実施形態では、最外周のn型部131が平面視四角環状に形成されており、ソース側コンタクト孔135は、当該最外周のn型部131の一つの周縁に沿って形成されている。
ソースパッド110は、ソース側コンタクト孔135に埋め込まれたコンタクトプラグ136(たとえば、タングステン(W)等の導電材料)を介して最外周のn型部131に接続されている。
次に、半導体装置1の製造方法について説明する。図20は、半導体装置101の製造方法のフローを示す図である。図21A〜図21Dは、ゲート絶縁膜115の形成に関連する工程を説明するための断面図である。
半導体装置101を製造するには、たとえば、n型シリコンのベース基板123上に、エピタキシャル成長によって、n型シリコンからなるエピタキシャル層124が形成される(S1)。
次の工程は、ゲートトレンチ114およびゲート絶縁膜115の形成である。図21Aに示すように、たとえば反応性イオンエッチング(RIE)等の方法によって、エピタキシャル層124にゲートトレンチ114が形成される(S2)。
次に、図21Bに示すように、たとえばCVD法によって、エピタキシャル層124上に絶縁膜137が堆積される(S3)。絶縁膜137の堆積は、ゲートトレンチ114が埋め戻され、エピタキシャル層124の表面が絶縁材料で覆われまで続けられる。
次に、図21Cに示すように、たとえばエッチバックによって、絶縁膜137の一部が除去される(S4)。これにより、ゲートトレンチ114の底部に残存する絶縁膜137からなる埋め込み絶縁膜126が得られる。
次に、図21Dに示すように、たとえば熱酸化によって、ゲートトレンチ114の側面が酸化されてゲート絶縁膜115が形成される(S5)。
ここからは再び具体的な図示を省略するが、ゲート絶縁膜115の形成後、たとえばCVD法によって、ゲート電極116の材料であるポリシリコンが堆積され(S6)、堆積後、たとえばエッチバックによって不要部分が除去される(S7)。これにより、ゲートトレンチ114に埋め込まれたゲート電極116が得られる。
次に、たとえばCVD法によって、エピタキシャル層124上に、双方向ツェナーダイオード129の下地となる絶縁膜130が形成される(S8)。
次に、たとえばCVD法によって、双方向ツェナーダイオード129の材料であるポリシリコンが堆積され(S9)、堆積後、たとえばエッチバックによって不要部分が除去される(S10)。これにより、絶縁膜130上にダイオード用ポリシリコン層が得られる。
次に、エピタキシャル層124上に、n型ソース領域118を形成すべき領域に選択的に開口を有するマスクを施し、当該マスクを介してn型不純物が注入される。この際、ダイオード用ポリシリコン層にも同時にn型不純物が注入される(S11)。ダイオード用ポリシリコン層への注入は、マスクを施さない全面注入であってもよい。
次に、エピタキシャル層124上に、p型ボディ領域117を形成すべき領域に選択的に開口を有するマスクを施し、当該マスクを介してp型不純物が注入される。この際、ダイオード用ポリシリコン層にも同時にp型不純物が注入される(S12)。ダイオード用ポリシリコン層への注入は、p型部132を形成しない領域にマスクを施して行えばよい。
次に、エピタキシャル層124上に、p型ボディコンタクト領域120を形成すべき領域に選択的に開口を有するマスクを施し、当該マスクを介してp型不純物が注入される(S13)。
その後、S11〜S13で注入した不純物の拡散処理が行われることによって、p型ボディ領域117、n型ソース領域118、p型ボディコンタクト領域120、および双方向ツェナーダイオード129のn型部131およびp型部132が形成される。
次に、たとえばCVD法によって、エピタキシャル層124上に層間絶縁膜121が形成され(S14)、この層間絶縁膜121に各コンタクト孔128,133,135が形成される(S15)。
次に、ゲート側コンタクト孔133およびソース側コンタクト孔135にコンタクトプラグ134,136が埋め込まれた後、層間絶縁膜121上に、ソースメタル105およびゲートメタル106が形成される(S16)。
次に、たとえばスパッタ法によって、半導体基板102の裏面にドレイン電極122が形成される。以上の工程を経て、半導体装置1が得られる。
半導体装置101は、たとえば、スイッチング素子として利用することができる。この場合、ソースメタル105とドレイン電極122との間(ソース−ドレイン間)にドレイン側が正となるドレイン電圧を印加した状態で、ゲートメタル106に所定の電圧(ゲート閾値電圧以上の電圧)を印加する。これにより、p型ボディ領域117におけるゲート絶縁膜115との近傍にゲートトレンチ114の深さ方向に沿ってチャネルが形成され、ゲートトレンチ114の深さ方向に電流が流れる。
そして、この半導体装置101によれば、図18および図19に示すように、ゲートメタル106とソースメタル105との間(ゲート−ソース間)に双方向ツェナーダイオード129が接続されている。そのため、静電気放電に起因するノイズ電流等が半導体装置101に進入してきても、当該ノイズ電流を双方向ツェナーダイオード129に優先的に流すことによって、外部(グランド電位)に逃がすことができる。
つまり、図22に示すように、ゲート絶縁膜115(ここでいうゲート絶縁膜115は、薄膜部127を含む概念である)の破壊耐量が25V付近である場合、双方向ツェナーダイオード129が内蔵されていない状態でゲート−ソース間に25V程度の電圧が印加されると、25V付近でゲート絶縁膜115が破壊してリーク電流が流れる。このリーク電流は、ゲート−ソース間電圧Vgsが大きいほど顕著であり、破壊耐量に相当する電圧値からほぼ比例的に増加する。
一方で、図22の2つのダイオードのブレークダウン波形で示されるように、ゲート絶縁膜115の破壊耐量よりも低い電圧でブレークダウンを起こす双方向ツェナーダイオード129が内蔵されていれば、ノイズ電流等が進入しても、ゲート絶縁膜115よりも先に双方向ツェナーダイオード129をブレークダウンさせ、それにより当該ノイズ電流を双方向ツェナーダイオード129に優先的に流し、半導体装置101のESD保護を達成できると考えられる。
しかしながら、図22の第1形態のダイオードでは、ブレークダウン後の波形がゲート絶縁膜115の波形に比べてかなり緩やかであるため、40V程度のゲート−ソース間電圧Vgsを境(ダイオード波形とゲート絶縁膜波形との交点A)に、ゲート絶縁膜115にノイズ電流が流れ出し、ゲート絶縁膜115が破壊に至ってしまう。
これに対し、図22の第2形態のダイオードのように、ブレークダウン後の波形が第1形態に比べて急峻であり、その傾きがゲート絶縁膜115の波形の傾きに近ければ、比較的高いゲート−ソース間電圧Vgsが印加されても、ノイズ電流を双方向ツェナーダイオード129に優先的に流し続けることができ、ゲート絶縁膜115の破壊を防ぐことができる。
次に、上記第1形態のダイオードおよび第2形態のダイオードのブレークダウンのメカニズムについて、図23および図24を参照して詳細に説明する。
まず、図23は、第1形態に係る双方向ツェナーダイオード129のブレークダウンのメカニズムを説明するための図であって、アバランシェ降伏によって双方向ツェナーダイオード129をブレークダウンさせるものである(アバランシェ設計)。
図23によれば、双方向ツェナーダイオード129の耐圧(ブレークダウン電圧)が、n型部131およびp型部132の不純物濃度で規定されているため、ブレークダウン電圧に相当するゲート−ソース間電圧Vgsが印加されたときに、アバランシェ降伏によってソース側のn型部131とゲート側のn型部131とが導通する。そのため、ブレークダウン後も各p型部132が空乏層138で満たされず(図23の下側)、p型部132の一部が一定の幅で残ることになる。このp型部132の残存部は、ノイズ電流が双方向ツェナーダイオード129をソース側からゲート側へ流れる際の直列抵抗139となる。そのため、図22および図25に示すように、ブレークダウン後もノイズ電流(図22および図25の縦軸lgs)が緩やかにしか増えず、ゲート絶縁膜115の破壊に至り易い。
これに対し、図24は、第2形態に係る双方向ツェナーダイオード129のブレークダウンのメカニズムを説明するための図であって、パンチスルーによって双方向ツェナーダイオード129をブレークダウンさせるものである(パンチスルー設計)。
図24によれば、双方向ツェナーダイオード129の耐圧(ブレークダウン電圧)が、p型部132の幅で規定されている。具体的には、p型部132の幅Wpが、たとえばゲート−ソース間にブレークダウン電圧が印加されたときに広がる空乏層138の幅Wdよりも小さい幅に規定されている(Wp≦Wd)。そのため、双方向ツェナーダイオード129のブレークダウン電圧に相当するゲート−ソース間電圧Vgsが印加されたときに、パンチスルーによってソース側のn型部131とゲート側のn型部131とを導通させることができる。そのため、ブレークダウン後は、各p型部132の領域が空乏層138で満たされるため(図24の下側)、図23のアバランシェ設計に比べて直列抵抗を低減することができる。これにより、図22および図25に示すように、ブレークダウン後のノイズ電流(図22および図25の縦軸lgs)の増え方が図23のアバランシェ設計に比べて急峻になるので、当該ノイズ電流を、双方向ツェナーダイオード129を介してグランド電位に良好に逃がすことができる。
図26は、双方向ツェナーダイオード129のp型部132の設計寸法に対して、ゲート−ソース間のブレークダウン電圧BVgssおよび静電破壊耐量がどのように変化するかを説明するための図である。
図26によると、2.6μmの設計寸法を境界として、p型部132の幅がそれ以上であってもゲート−ソース間のブレークダウン電圧BVgssは27V程度で収束している。一方、静電破壊耐量については、2.6μm以上の領域で急激に低下している。つまり、この2.6μmを境界にして、p型部132の幅がそれ以上の領域では、p型部132の幅に関係なくp型部132の濃度で規定されるアバランシェ降伏によるブレークダウンが起きており、その結果、ゲート絶縁膜115が破壊し易くなっている(静電破壊耐量が低い)。
これに対し、p型部132の幅が2.6μm以下の領域では、ゲート−ソース間のブレークダウン電圧BVgssがp型部132の設計寸法に比例して増加していることから、p型部132の幅に関連するパンチスルーによるブレークダウンが起きていることが確認できる。そのため、p型部132の幅が2.6μm以下の領域では、図24で示したメカニズムに従ってノイズ電流が良好に吸収されるため、高い静電破壊耐量が保持されている。
そこで、図26に基づいて、たとえば、半導体装置101に保証される「ゲート−ソース間定格電圧Vgss」が20Vであれば、この定格電圧Vgssを超えるゲート−ソース間電圧の印加はゲート絶縁膜115の負担になるため、ばらつき0.1μmを見越して、p型部132の設計寸法を2.5μm(±0.1μm)とする。そうすれば、20Vを超えたところで双方向ツェナーダイオード129をパンチスルーによってブレークダウンさせてノイズ電流を十分逃がす一方で、ゲート絶縁膜115に流れる電流を抑制することができる。その結果、30V程度の高い静電破壊耐量を維持することができる。
なお、上記の好ましい設計寸法は、半導体装置101の効果を実証するための一例に過ぎず、双方向ツェナーダイオード1029を構成するp型部132の不純物濃度によって変動する。たとえば、p型部132の不純物濃度が2.0×1016cm−3〜6.0×1016cm−3の範囲であれば、上記の2.4μm〜2.6μmの幅が好ましい。
以上のように、半導体装置101によれば、高い静電破壊耐量を実現することができる。
これは、さらに図27によって証明できる。図27は、半導体装置101のアクティブ領域の面積を小さくして微細化しても十分な静電破壊耐量を実現できることを示した図である。図27において、第2形態および第1形態は、前述の図22〜図25に示した第2形態および第1形態に対応している。一方、従来例は、ゲートトレンチ114に埋め込み絶縁膜126および薄膜部127が形成されておらず、薄膜部127よりも厚いゲート絶縁膜がほぼ一様な厚さで形成されている点を除いて第1形態と同じ構成を有する半導体装置を示している。
つまり、図27によれば、第2形態の半導体装置は、薄膜部127を有しているためゲートトレンチ114内の絶縁膜自体の破壊耐量が従来例に比べて低いにもかかわらず、半導体装置全体として高い静電破壊耐量を実現できている。
したがって、たとえば、ゲート絶縁膜115に比べて厚い埋め込み絶縁膜126を採用してゲート−ドレイン間の容量を下げたり、半導体装置101の各部を微細化したりして低オン抵抗化および低容量化を図ることができる。
また、破壊耐量の向上のためにゲート絶縁膜115を厚くする必要がないので、ゲート絶縁膜115の厚さは、トランジスタのスイッチング性能に焦点を当てて設計することができる。したがって、トランジスタのスイッチング性能に与える影響も少なくて済む。
以上、参考発明の一実施形態を説明したが、参考発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、半導体装置101の各半導体部分の導電型を反転した構成が採用されてもよい。つまり、半導体装置101において、p型の部分がn型であり、n型の部分がp型であってもよい。
1 :半導体装置
2 :半導体層
27 :トレンチゲート構造
28 :ゲートトレンチ
29 :第1内壁絶縁膜(ゲート絶縁膜)
30 :埋め込みゲート電極
34 :p型ボディ領域
35 :n型ソース領域
46 :ダイオードトレンチ
47 :第2内壁絶縁膜(内壁絶縁膜)
48 :第2側壁絶縁膜(側壁絶縁膜)
49 :第2底壁絶縁膜(底壁絶縁膜)
51 :双方向ツェナーダイオードの上面
52 :双方向ツェナーダイオードのn型部
53 :双方向ツェナーダイオードのp型部
54 :ポリシリコン体
55 :p型フローティング領域
56 :反転抑制構造
57 :側壁保護膜
61 :電界緩和構造
62 :電界緩和トレンチ
63 :第3内壁絶縁膜(電界緩和内壁絶縁膜)
64 :埋め込み導電体
95 :半導体装置
96 :反転抑制構造
97 :半導体装置
98 :反転抑制構造
D :双方向ツェナーダイオード
Tr :絶縁ゲート型電界効果トランジスタ
101 :半導体装置
102 :半導体基板
105 :ソースメタル
106 :ゲートメタル
111 :ゲートパッド
114 :ゲートトレンチ
115 :ゲート絶縁膜
116 :ゲート電極
117 :p型ボディ領域
118 :n型ソース領域
119 :n型ドレイン領域
126 :埋め込み絶縁膜
127 :薄膜部
129 :双方向ツェナーダイオード
131 :n型部
132 :p型部
138 :空乏層

Claims (18)

  1. ダイオードトレンチが形成された主面を有する第1導電型の半導体層と、
    前記ダイオードトレンチの側壁に沿って形成された側壁絶縁膜、および、前記ダイオードトレンチの底壁に沿って形成され、かつ前記側壁絶縁膜の厚さよりも大きい厚さを有する底壁絶縁膜を含む内壁絶縁膜と、
    前記ダイオードトレンチ内において前記底壁絶縁膜の上に形成され、かつ、一対の第1導電型部および前記一対の第1導電型部の間に形成された少なくとも一つの第2導電型部を有する双方向ツェナーダイオードとを含む、半導体装置。
  2. 前記ダイオードトレンチの底壁および前記双方向ツェナーダイオードの間に介在する前記底壁絶縁膜によって、前記双方向ツェナーダイオードの前記第2導電型部の導電型が第1導電型に反転するのを抑制する反転抑制構造が形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
  3. ダイオードトレンチが形成された主面を有する第1導電型の半導体層と、
    前記ダイオードトレンチの内壁に沿って形成された内壁絶縁膜と、
    前記ダイオードトレンチ内に形成され、かつ、一対の第1導電型部および前記一対の第1導電型部の間に形成された少なくとも一つの第2導電型部を有する双方向ツェナーダイオードと、
    前記半導体層において前記ダイオードトレンチの底壁に沿う領域に形成された第2導電型のフローティング領域とを含む、半導体装置。
  4. 前記ダイオードトレンチの底壁および前記双方向ツェナーダイオードの間に介在する前記内壁絶縁膜、および、前記内壁絶縁膜を挟んで前記双方向ツェナーダイオードと対向する前記フローティング領域によって、前記双方向ツェナーダイオードの前記第2導電型部の導電型が第1導電型に反転するのを抑制する反転抑制構造が形成されている、請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記内壁絶縁膜は、前記ダイオードトレンチの側壁に沿って形成された側壁絶縁膜、および、前記ダイオードトレンチの底壁に沿って形成され、かつ前記側壁絶縁膜の厚さよりも大きい厚さを有する底壁絶縁膜を含み、
    前記ダイオードトレンチの底壁および前記双方向ツェナーダイオードの間に介在する前記底壁絶縁膜、および、前記底壁絶縁膜を挟んで前記双方向ツェナーダイオードと対向する前記フローティング領域によって、前記双方向ツェナーダイオードの前記第2導電型部の導電型が第1導電型に反転するのを抑制する反転抑制構造が形成されている、請求項3に記載の半導体装置。
  6. 前記双方向ツェナーダイオードは、前記ダイオードトレンチの開口に臨む上面を有しており、
    前記双方向ツェナーダイオードの上面は、前記半導体層の主面と同一の平面上に形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
  7. 前記双方向ツェナーダイオードは、前記ダイオードトレンチの側壁から間隔を空けて前記ダイオードトレンチ内に形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。
  8. 前記双方向ツェナーダイオードは、前記ダイオードトレンチの側壁から間隔を空けて前記ダイオードトレンチ内に形成されており、
    前記双方向ツェナーダイオードの側壁および前記ダイオードトレンチの側壁の間の距離は、前記双方向ツェナーダイオードの厚さよりも大きい、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。
  9. 前記双方向ツェナーダイオードの側壁を保護する絶縁性の側壁保護膜をさらに含む、請求項7または8に記載の半導体装置。
  10. 前記双方向ツェナーダイオードは、ポリシリコン体を含み、
    前記一対の第1導電型部は、前記ポリシリコン体に選択的に形成された第1導電型不純物領域を含み、
    前記第2導電型部は、前記ポリシリコン体に選択的に形成された第2導電型不純物領域を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体装置。
  11. 前記半導体層の主面の表層部に形成された第2導電型のボディ領域、前記ボディ領域の表層部に形成された第1導電型のソース領域、ゲート絶縁膜を挟んで前記ボディ領域に対向するゲート電極、および、前記ソース領域に接続されたソース電極を含み、前記半導体層をドレイン領域とする絶縁ゲート型電界効果トランジスタをさらに含み、
    前記双方向ツェナーダイオードにおいて、前記一対の第1導電型部のうちの一方は、前記ゲート電極に電気的に接続され、前記一対のうちの第1導電型部の他方は、前記ソース電極に電気的に接続されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の半導体装置。
  12. 前記半導体層の主面には、ゲートトレンチがさらに形成されており、
    前記ゲート絶縁膜は、前記ゲートトレンチの内壁に沿って形成されており、
    前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜を挟んで前記ゲートトレンチに埋め込まれ、かつ、前記ゲート絶縁膜を挟んで前記ソース領域、前記ボディ領域および前記ドレイン領域に対向している、請求項11に記載の半導体装置。
  13. 前記ゲートトレンチは、前記ダイオードトレンチの深さと同一の深さを有しており、
    前記ゲート絶縁膜は、前記内壁絶縁膜と同一の構造を有しており、
    前記ゲート電極は、前記双方向ツェナーダイオードと同一の導電材料を有している、請求項12に記載の半導体装置。
  14. 前記ダイオードトレンチの周縁に沿う周囲領域において、前記半導体層の主面の表層部に形成され、かつ、当該周囲領域の電界を緩和する電界緩和構造をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の半導体装置。
  15. 複数の前記電界緩和構造が、前記ダイオードトレンチから離れる方向に間隔を空けて形成されている、請求項14に記載の半導体装置。
  16. 前記電界緩和構造は、前記ダイオードトレンチを取り囲むように形成されている、請求項14または15に記載の半導体装置。
  17. 前記半導体層の主面には、電界緩和トレンチがさらに形成されており、
    前記電界緩和構造は、
    前記電界緩和トレンチの内壁に沿って形成された電界緩和内壁絶縁膜と、
    前記電界緩和内壁絶縁膜を挟んで前記電界緩和トレンチに埋め込まれた埋め込み導電体とを含む、請求項14〜16のいずれか一項に記載の半導体装置。
  18. 前記電界緩和トレンチは、前記ダイオードトレンチの深さと同一の深さを有しており、
    前記電界緩和内壁絶縁膜は、前記内壁絶縁膜と同一の構造を有しており、
    前記埋め込み導電体は、前記双方向ツェナーダイオードと同一の導電材料を有している、請求項17に記載の半導体装置。
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