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JP2018095700A - 再剥離型粘着剤組成物および粘着体 - Google Patents

再剥離型粘着剤組成物および粘着体 Download PDF

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JP2018095700A
JP2018095700A JP2016239553A JP2016239553A JP2018095700A JP 2018095700 A JP2018095700 A JP 2018095700A JP 2016239553 A JP2016239553 A JP 2016239553A JP 2016239553 A JP2016239553 A JP 2016239553A JP 2018095700 A JP2018095700 A JP 2018095700A
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peelable
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文徳 池田
Ayanori Ikeda
文徳 池田
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Original Assignee
Lintec Corp
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Abstract

【課題】糊残りの問題の発生を効果的に防止しつつ、内容物が収容された容器から好適に剥離することができる再剥離型の粘着体を提供すること、また、前記粘着体の製造に好適に用いることができる再剥離型粘着剤組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の再剥離型粘着剤組成物は、内容物が収容された容器に貼着される再剥離型の粘着体の製造に用いられるものであって、粘着剤と、プライマーとを含有するものであることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、再剥離型粘着剤組成物および粘着体に関する。
被着体への貼着後、比較的容易に剥離するとことが可能な再剥離型の粘着シート(再剥離型粘着シート)は、取扱いが容易で、各種のラベル等に使用されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、粘着シートが、特定の成分を含む内容物を収容した容器に貼着されたものである場合、容器から粘着シートを剥離する際に、糊残りの問題を生じやすかった。特に、内容物が香料、界面活性剤のうち少なくとも一方を含むものである場合に、上記のような問題が特に生じやすいことを本発明者は見出していた。
特開2013−241614号公報
本発明の目的は、糊残りの問題の発生を効果的に防止しつつ、内容物が収容された容器から好適に剥離することができる再剥離型の粘着体を提供すること、また、前記粘着体の製造に好適に用いることができる再剥離型粘着剤組成物を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)に記載の本発明により達成される。
(1) 内容物が収容された容器に貼着される再剥離型の粘着体の製造に用いられる再剥離型粘着剤組成物であって、
粘着剤と、プライマーとを含有するものであることを特徴とする再剥離型粘着剤組成物。
(2) 前記プライマーとして、オレフィン系プライマーを含む上記(1)に記載の再剥離型粘着剤組成物。
(3) 前記粘着剤は、エマルション粘着剤である上記(1)または(2)に記載の再剥離型粘着剤組成物。
(4) 前記粘着剤100質量部に対する前記プライマーの含有率が、1質量部以上50質量部以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の再剥離型粘着剤組成物。
(5) 前記内容物は、香料、界面活性剤のうち少なくとも一方の物質を含有するものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の再剥離型粘着剤組成物。
(6) 前記粘着体は、基材と、再剥離型粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層と、前記基材と前記粘着剤層との間に設けられたプライマー層とを有するものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の再剥離型粘着剤組成物。
(7) 再剥離型粘着剤組成物中に含まれる前記プライマーは、前記プライマー層の形成に用いる組成物中に含まれるプライマーと同種のものである上記(6)に記載の再剥離型粘着剤組成物。
(8) 内容物が収容された容器に貼着される再剥離型の粘着体であって、
基材と、
上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の再剥離型粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層とを備えることを特徴とする粘着体。
(9) 内容物が収容された容器に貼着される粘着体であって、
基材と、
上記(6)または(7)に記載の再剥離型粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層と、
前記基材と前記粘着剤層との間に設けられたプライマー層とを備えることを特徴とする粘着体。
(10) 前記プライマー層は、オレフィン系プライマーを含む材料により構成されたものである上記(9)に記載の粘着体。
本発明によれば、糊残りの問題の発生を効果的に防止しつつ、内容物が収容された容器から好適に剥離することができる再剥離型の粘着体を提供すること、また、前記粘着体の製造に好適に用いることができる再剥離型粘着剤組成物を提供することができる。
本発明の粘着体(粘着シート)の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。 本発明の粘着体(粘着シート)の製造方法の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[再剥離型粘着剤組成物]
まず、本発明の再剥離型粘着剤組成物について説明する。
本発明の再剥離型粘着剤組成物は、内容物が収容された容器に貼着される再剥離型の粘着体(再剥離型粘着体)の製造(粘着剤層の形成)に用いられるものである。
そして、本発明者は、再剥離型粘着体(例えば、再剥離型の粘着シート)を、ある種の成分を含む内容物が収容された容器に貼着した場合、剥離の際に、容器への糊残りの問題が生じやすいことを見出していた。
そこで、本発明者は、上記のような問題の発生を防止することを目的に鋭意研究を行った。その結果、上記のような糊残りの問題は、内容物中に含まれるある種の成分(以下、「所定物質」ともいう)が、容器を介して、容器の外部に貼着された再剥離型粘着体に移行することに起因するものであり、本発明に至った。すなわち、本発明の再剥離型粘着剤組成物は、粘着剤に加え、プライマーを含むものである。
このような構成により、容器の内部から所定物質が再剥離型粘着体に移行した場合でも、被着体(容器)から再剥離型粘着体を剥離する際における被着体(容器)への糊残りを効果的に防止することができる。
容器の内容物は、いかなるものであってもよいが、例えば、分子量が1,000以下の低分子材料が挙げられ、より具体的には、香料、界面活性剤、可塑剤等が挙げられるが、香料、界面活性剤のうち少なくとも一方の物質を含有するものであるのが好ましい。
このような成分は、各種物質の中でも、特に、容器を介して、容器の外部に貼着された再剥離型粘着体に移行しやすく、従来においては、容器の内容物がこのような成分を含むものである場合に、容器から粘着体を剥離する際に、糊残り等の問題を生じやすかった。これに対し、本発明では、容器の内容物が、香料、界面活性剤のうち少なくとも一方の物質を含む場合であっても、上記のような問題を十分に防止することができる。すなわち、容器の内容物が、香料、界面活性剤のうち少なくとも一方の物質を含むものである場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
以下、容器の内容物が、香料、界面活性剤のうち少なくとも一方の物質を含む場合について、中心的に説明する。
<粘着剤>
本発明の再剥離型粘着剤組成物を構成する粘着剤は、例えば、溶剤型、エマルション型等を用いることができるが、エマルション型(エマルション粘着剤)であるので好ましい。
これにより、比較的容易に、粘着体に最適な粘着力を得ることができるとともに、環境や人体にも優しく、作業者の安全を確保するうえで有利である。
本発明の再剥離型粘着剤組成物中に含まれる粘着剤としては、例えば、アクリル系、合成ゴム系、天然ゴム系等が挙げられるが、アクリル系粘着剤が好ましい。
これにより、被着体(容器)に対する粘着性をより優れたものとすることができる。
特に、再剥離型粘着剤組成物中に含まれる粘着剤は、以下のような条件を満足するものであるのが好ましい。
すなわち、本発明の再剥離型粘着剤組成物中に含まれる粘着剤は、ホモポリマーのTgが−40℃以下の(メタ)アクリル酸エステル(以下、「モノマー(a1)」ともいう)に由来の構成単位(a1)を70質量%以上99.5質量%以下、および、官能基含有モノマー(以下、「モノマー(a2)」ともいう)に由来の構成単位(a2)を0.5質量%以上20質量%以下含むエマルション粘着剤(以下、「エマルション系共重合体(A)」または「共重合体(A)」ともいう)であるのが好ましい。
(構成単位(a1))
構成単位(a1)は、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が−40℃以下の(メタ)アクリル酸エステルに由来の構成単位である。
ここで、構成単位(a1)を構成する(メタ)アクリル酸エステルのホモポリマーのTgは、−40℃以下であるが、好ましくは−50℃以下、より好ましくは−55℃以下、さらに好ましくは−60℃以下である。
共重合体(A)中にホモポリマーのTgが−40℃以下の(メタ)アクリル酸エステルに由来の構成単位(a1)を含むことで、貼着後の経時での粘着力上昇をより効果的に抑制し、粘着体の再剥離性をより優れたものとすることができる。
なお、当該(メタ)アクリル酸エステルのホモポリマーのTgの下限値については、特に制限は無いが、構成単位(a1)を構成する(メタ)アクリル酸エステルのホモポリマーのTgは、好ましくは−100℃以上である。
なお、(メタ)アクリル酸エステルのホモポリマーのTgの値としては、例えば、「POLYMER HANDBOOK 第3版」(John Wiley&Sons,Inc.発行)に記載の値を用いることができる。
ホモポリマーのTgが−40℃以下の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ブチルアクリレート(ホモポリマーのTg=−54℃(以下同じ))、n−ヘキシルアクリレート(−45℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(−70℃)、イソオクチルアクリレート(−58℃)、ラウリルメタクリレート(−65℃)、2−メトキシエチルアクリレート(−50℃)、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート(−54℃)、イソデシルアクリレート(−60℃)、トリデシルアクリレート(−55℃)、トリデシルメタクリレート(−40℃)等が挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、粘着体の再剥離性の向上の観点から、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが好ましく、2−エチルヘキシルアクリレートがより好ましい。
構成単位(a1)の含有量は、特に限定されないが、共重合体(A)に含まれる全構成単位中、70質量%以上99.5質量%以下であるのが好ましく、74質量%以上99質量%以下であるのがより好ましく、77質量%以上98質量%以下であるのがさらに好ましく、89質量%以上97質量%以下であるのがもっとも好ましい。
これにより、粘着体の再剥離性をより優れたものとすることができる。
(構成単位(a2))
構成単位(a2)は、官能基含有モノマーに由来の構成単位である。
ここで「官能基含有モノマー」の「官能基」とは、架橋剤と反応し架橋起点となりうる官能基または架橋促進効果を有する官能基を示す。
当該官能基としては、例えば、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、シアノ基、ケト基、窒素原子含有環、アルコキシシリル基等が挙げられる。
官能基含有モノマーとしては、例えば、カルボキシ基含有モノマー、ヒドロキシ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有物モノマー、エポキシ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ケト基含有モノマー、窒素原子含有環を有するモノマー、アルコキシシリル基含有モノマー等が挙げられる。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸およびその無水物;2−カルボキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ビニルアルコール、アリルアルコール等の不飽和アルコール類等が挙げられる。
アミド基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらのアミド基含有モノマーは、架橋起点となり得る。
アミノ基含有モノマーとしては、例えば、第1級アミノ基含有(メタ)アクリレートモノマー、第2級アミノ基含有(メタ)アクリレートモノマー、第3級アミノ基含有(メタ)アクリレートモノマー、アミド基を形成する窒素原子上に3級アミノ基を含有する置換基が結合した第3級アミノ基含有N−置換(メタ)アクリルアミドモノマー等が挙げられる。
エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
シアノ基含有モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
ケト基含有モノマーとしては、例えば、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、アセトン(メタ)アクリレート、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、アリルアセトアセテート、ビニルアセトアセテート、アセトアセチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
窒素原子含有環を有するモノマーとしては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
アルコキシシリル基含有モノマーとしては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
これらの官能基含有モノマーは、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、カルボキシ基含有モノマーが好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましい。
これにより、得られる粘着体の再剥離性、再剥離型粘着剤組成物の塗工性(特に高速塗布での塗工性)をより優れたものとすることができる。
構成単位(a2)の含有量は、特に限定されないが、共重合体(A)に含まれる全構成単位中、0.5質量%以上20質量%以下であるのが好ましく、0.8質量%以上15質量%以下であるのがより好ましく、1.2質量%以上12質量%以下であるのがさらに好ましく、1.5質量%以上7.0質量%以下であるのがもっとも好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物の機械安定性、粘着体の再剥離性をより優れたものとすることができる。
(構成単位(a3))
また、エマルション系共重合体(A)は、上記構成単位(a1)および(a2)以外のその他のモノマーに由来の構成単位(a3)を含んでもよい。
これにより、例えば、粘着力や凝集力をより好適に制御することができる。
その他のモノマーとしては、上述のホモポリマーのTgが−40℃以下の(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なモノマーから選択することができる。
具体的なモノマーとしては、例えば、ホモポリマーのTgが−40℃を超える(メタ)アクリル酸エステル、官能基含有モノマーとして挙げた以外のビニル系モノマー等が挙げられる。
ホモポリマーのTgが−40℃を超える(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1以上3以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
また、官能基含有モノマーとして挙げた以外のビニル系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が挙げられる。
上記のその他のモノマーに由来の構成単位(a3)の含有量は、特に限定されないが、共重合体(A)に含まれる全構成単位中、0質量%以上29.5質量%以下であるのが好ましく、0質量%以上25質量%以下であるのがより好ましく、0質量%以上20質量%以下であるのがさらに好ましく、0質量%以上8質量%以下であるのがもっとも好ましい。
また、エマルション系共重合体(A)の平均粒径は、80nm以上であるのが好ましく、200nm以上800nm以下であるのがより好ましく、300nm以上650nm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物の機械安定性、再剥離型粘着剤組成物の塗工性(特に高速塗布での塗工性)をより優れたものとすることができる。
なお、エマルション系共重合体(A)の平均粒径は、乳化重合の際に用いるアニオン性乳化剤の種類、使用量、重合開始条件、撹拌装置、撹拌条件等を制御することで、調整することができる。
本明細書において、平均粒径とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒径のことを指し、例えば、対象となる粒子の分散液をコールターカウンター法粒度分布測定器(COULTER ELECTRONICS INS製TA−II型等)にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めることができる。
エマルション系共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、−80℃以上−30℃以下であるのが好ましく、−70℃以上−35℃以下であるのがより好ましく、−66℃以上−40℃以下であるのがさらに好ましい。
これにより、粘着剤層の凝集力をより優れたものとし粘着体の再剥離性をより優れたものとすることができる。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、下記式(1)で計算した絶対温度(単位;K)のガラス転移温度(Tg)を、摂氏温度(単位;℃)に換算した値である。
Figure 2018095700
上記式(1)中、W、W、W、W・・・は、エマルション系共重合体(A)のモノマー成分の質量分率(質量%)を示し、Tg、Tg、Tg、Tg・・・は、エマルション系共重合体(A)のモノマー成分のホモポリマーの絶対温度(K)表示のガラス転移温度を示す。
<プライマー>
本発明の再剥離型粘着剤組成物は、プライマーを含むものである。
これにより、基材1との接合力を優れたものとすることができるとともに、本発明の再剥離型粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を備える粘着体を被着体(容器)から剥離する際に、粘着剤層の凝集破壊や粘着剤層と基材等との間での界面破壊を効果的に防止することができる。その結果、粘着体を容器から剥離する際の被着体(容器)への糊残りを効果的に防止することができる。特に、被着体である容器の内容物中に含まれる所定成分が、容器を介して、容器の外部に貼着された粘着体に移行した場合であっても、糊残りの問題の発生を効果的に防止することができる。
前記プライマーとしては、例えば、オレフィン系プライマー、アクリル系プライマー、ウレタン系プライマー、エチレン−酢酸ビニル系プライマー、ポリエステル系プライマー、塩化ビニル系プライマー、ポリウレタン系プライマー等が挙げられるが、中でも、オレフィン系プライマーを含むものであるのが好ましい。
これにより、粘着体としたときの粘着剤層の基材等に対する密着性をさらに優れたものとすることができ、糊残りの問題の発生をさらに効果的に防止することができる。
特に、粘着体としたときに粘着剤層が接触する基材がポリオレフィンで構成されたものである場合等に、上記のような効果がより顕著に発揮される。
オレフィン系プライマーとしては、例えば、ポリオレフィンに対し、酸変性、塩素化、アクリル変性のうち少なくとも1種の処理を施したもの等を用いることができる。
市販されているオレフィン系プライマーとしては、例えば、ハードレン13−LP、13−LLP、14−LWP、15−LP、15−LLP、16−LP、DX−526P、CY−9122P、CY−9124P、HM−21P、M−28P、F−2P、F−6P、CY−1132、EH−801、EW−5303、EW−8511、TD−15B、NS−2002、NZ−1004、NZ−1015(以上、東洋紡社製)、スーパークロン224H、223M、240H、260F、E−415、E−480T、E−604、アウローレンAE−202、AE−301(以上、日本製紙社製)、アローベースSA−1200、SB−1200、SE−1200、SB−1010、DA−1010(ユニチカ社製)等が挙げられる。
アクリル系プライマーとしては、例えば、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン等のオレフィン系モノマーとを構成モノマーとして含むアクリル系共重合体等を用いることができる。
市販されているアクリル系プライマーとしては、例えば、ボンロンXPS002(三井化学社製)等が挙げられる。
ウレタン系プライマーとしては、例えば、自己架橋型水系ウレタン樹脂(水分が蒸発することにより架橋構造を形成するウレタン樹脂)等を用いることができる。
市販されているウレタン系プライマーとしては、例えば、タケラックWS−4000(三井化学社製)等が挙げられる。
市販されているエチレン−酢酸ビニル系プライマーとしては、例えば、ケミパールEV210H(三井化学社製)等が挙げられる。
市販されているポリエステル系プライマーとしては、例えば、バイロナールMD−1200(東洋紡社製)等が挙げられる。
市販されている塩化ビニル系プライマーとしては、例えば、ビニブラン902(日信化学工業社製)等が挙げられる。
市販されているポリウレタン系プライマーとしては、例えば、スーパーフレックス210(第一工業製薬社製)等が挙げられる。
再剥離型粘着剤組成物は、基材と、再剥離型粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層と、基材と粘着剤層との間に設けられたプライマー層とを有する粘着体の製造に用いるものであるのが好ましい。
これにより、基材と粘着剤層との密着性(プライマー層を介した密着性)をより優れたものとすることができ、糊残りの問題の発生をより効果的に防止することができる。
再剥離型粘着剤組成物中に含まれるプライマー(第1のプライマー)は、前記プライマー層の形成に用いる組成物中に含まれるプライマー(第2のプライマー)と同種のものであるのが好ましい。
これにより、プライマー層と粘着剤層との密着性をさらに優れたものとすることができ、糊残りの問題の発生をさらに効果的に防止することができる。
なお、本発明において、同種のプライマーとは、同系列のプライマーであることを指す。より具体的には、例えば、酸変性オレフィン系プライマーとアクリル変性オレフィン系プライマーとは、同種のプライマー(共にオレフィン系プライマー)である。
再剥離型粘着剤組成物中に含まれるプライマーの含有量は、特に限定されないが、粘着剤100質量部に対し、1質量部以上50質量部以下であるのが好ましく、5質量部以上35質量部以下であるのがより好ましい。
プライマーの含有量が低すぎると、プライマーの種類等によっては、前述したようなプライマーを含むことによる効果が十分に発揮されない可能性がある。また、プライマーの含有量が高すぎると、相対的に粘着剤の含有率が低下し、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造される粘着体の被着体に対する粘着力が低下する。
<架橋剤>
再剥離型粘着剤組成物は、架橋剤を含むものであってもよい。
架橋剤を含むことより、前述した粘着剤に架橋構造を形成することができる。特に、エマルション系共重合体(A)を含むものである場合、エマルション系共重合体(A)の構成単位(a2)に含まれる官能基含有モノマーに由来の官能基と反応することができる。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、金属錯体等の金属系架橋剤等が挙げられるが、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤が好ましい。
これにより、粘着剤層の凝集力を向上させ、粘着体の再剥離性をより優れたものとすることができる。
イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、リジンイソシアネート等が挙げられる。
なお、これらの化合物の三量体、これらのイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応して得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー、自己乳化水分散型ポリイソシアネートやブロックイソシアネート等も使用することができる。
メラミン系架橋剤としては、例えば、へキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサプトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン、メラミン樹脂等が挙げられる。
アジリジン系架橋剤としては、例えば、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
オキサゾリン系架橋剤としては、例えば、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−(1,3−フェニレン)−ビス−(2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等が挙げられる。
なお、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンや2−イソプロペニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリン等のビニル系単量体と、ビニル系単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体も使用することができる。
カルボジイミド系架橋剤としては、例えば、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニルカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニルカルボジイミド)等の芳香族ポリカルボジイミド;ポリ(ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)等の脂環族ポリカルボジイミド、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)等の脂肪族ポリカルボジイミド等が挙げられる。
金属錯体系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多金属のアセチルアセトンやアセトアセチルエステル配位化合物等が挙げられる。
これらの架橋剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の含有量は、粘着剤100質量部に対し、0.01質量部以上20質量部以下であるのが好ましく、0.1質量部以上10質量部以下であるのがより好ましく、0.2質量部以上6質量部以下であるのがさらに好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物の塗工性(特に高速塗布での塗工性)、粘着体の再剥離性をより優れたものとすることができる。
<濡れ剤>
再剥離型粘着剤組成物は、濡れ剤を含むものであってもよい。
濡れ剤を含むことより、再剥離型粘着剤組成物の塗工性(特に高速塗布での塗工性)を向上させることができる。
濡れ剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アクリル系化合物、シリコーン系化合物、フッ素系化合物、水溶性アルコール等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステルおよびその塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸、アルキル(アミド)ベタイン、アルキルジメチルアミンオキシド、エチレンオキサイド変性アセチレングリコール等が挙げられる。
アクリル系化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸系共重合体やアクリル系界面活性剤等が挙げられる。
また、市販されているアクリル系化合物としては、例えば、ポリフローNo.57、No.95(以上、共栄社化学社製)、ポリティA−530、A−540、A−550、PS−1900(以上、ライオン社製)、EFKA−4550、EFKA−4560、EFKA−4570、EFKA−4580(以上、エフカアディティブ社製)、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK−356、BYK−358、BYK−359、BYK−360、BYK−361、BYK−364、BYK−366、BYK−380、BYK−380N、BYK−381、BYK−390(以上、ビックケミー・ジャパン社製)等が挙げられる。
シリコーン系化合物としては、例えば、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
また、市販されているシリコーン系化合物としては、例えば、SILWET FZ−2166(日本ユニカー社製)、BYK−302、BYK−348(以上、ビックケミー・ジャパン社製)等のポリエーテル変性ジメチルシロキサン、SNウェット125(サンノプコ社製)等が挙げられる。
フッ素系化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
また、市販されているフッ素系化合物としては、例えば、メガファックF−142D、メガファックF−1405(以上、大日本インキ化学工業社製)、ZONYL FSN(デュポン社製)等のパーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
水溶性アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等の炭素数1以上3以下のアルコール等が挙げられる。
これらの濡れ剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
濡れ剤の含有量は、粘着剤100質量部に対し、0.01質量部以上2.00質量部以下であるのが好ましく、0.06質量部以上1.60質量部以下であるのがより好ましく、0.10質量部以上1.20質量部以下であるのがさらに好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物の塗工性(特に高速塗布での塗工性)、粘着体の再剥離性をより優れたものとすることができる。
<会合型増粘剤>
再剥離型粘着剤組成物は、会合型増粘剤を含むものであってもよい。
会合型増粘剤は、両端の疎水部とその間に親水部をもった分子量が数千〜数万のポリマーで構成される増粘剤であり、両端の疎水部がエマルション粒子の疎水部と会合することで二粒子間同士を結び、系全体に緩い網目構造を形成することができる。
当該会合型増粘剤を含有することで、再剥離型粘着剤組成物は、高速塗布における塗工性がより優れたものとなる。
会合型増粘剤の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上500,000以下であるのが好ましく、2,000以上200,000以下であるのがより好ましく、3,000以上100,000以下であるのがさらに好ましい。
会合型増粘剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリアクリル酸系会合型増粘剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルベンジルエーテル共重合体等のポリビニル系増粘剤;プルロニックポリエーテル、ポリエーテルジアルキルエステル、ポリエーテルジアルキルエーテル、ポリエーテルエポキシ変性物等のポリエーテル系会合型増粘剤;ポリグリコール系会合型増粘剤;ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体の部分エステル等の無水マレイン酸共重合体系会合型増粘剤;ポリアマイドアミン塩等のポリアマイド系会合型増粘剤;ポリエステル系会合型増粘剤;疎水化セルロースエステル系会合型増粘剤;末端に疎水基を有し、分子鎖中にウレタン結合を含有するウレタン会合型増粘剤;ポリカルボン酸系会合型増粘剤等が挙げられる。
ウレタン会合型増粘剤の市販品としては、例えば、アデカノールUH−420、アデカノールUH−462、アデカノールUH−472、アデカノールUH−540、アデカノールUH−752、アデカノールUH−756VF、アデカノールUH−814N(以上、ADEKA社製)、SNシックナー612、SNシックナー621N、SNシックナー625N、SNシックナー627N、SNシックナー660T(以上、サンノプコ社製)等の市販品が挙げられる。
市販されているポリエーテル系会合型増粘剤としては、例えば、SNシックナー601、SNシックナーA−801、SNシックナーA−806(以上、サンノプコ社製)等が挙げられる。
これらの会合型増粘剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、ウレタン会合型増粘剤、ポリエーテル系会合型増粘剤が好ましく、ウレタン会合型増粘剤がより好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物は、高速塗布における塗工性がより優れたものとなる。
会合型増粘剤の含有量は、粘着剤100質量部に対し、0.01質量部以上1.80質量部以下であるのが好ましく、0.02質量部以上1.20質量部以下であるのがより好ましく、0.03質量部以上0.80質量部以下であるのがさらに好ましい。
これにより、高速塗布における再剥離型粘着剤組成物の塗工性をより優れたものとすることができる。
<可塑剤>
再剥離型粘着剤組成物は、可塑剤を含むものであってもよい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物の柔軟性、弾性をより優れたものとすることができる。また、再剥離型粘着剤組成物の再剥離性をより優れたものとすることができ、再剥離型粘着剤組成物を用いて製造された粘着体(例えば、粘着シート)を被着体(容器)から剥離する際の手めくり感をより優れたものとすることができる。
可塑剤としては、例えば、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル等のクエン酸系可塑剤;フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸エステル系可塑剤;トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリイソノニル、トリメリット酸トリイソデシル等のトリメリット酸エステル系可塑剤;アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル等のアジピン酸系可塑剤;フタル酸系ポリエステル等のポリエステル系可塑剤、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル系可塑剤;エポキシ化アマニ油、エポキシ化ステアリン酸ブチル等のエポキシ系可塑剤;液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、ワックス、液状ポリイソプレン、液状ポリアクリレート、トリエタノールアミン、アルキルアミン、アミンアルキレンオキサイド付加物、グリセリン、ジグリセリン、シリコーンオイル等が挙げられる。
再剥離型粘着剤組成物中に含まれる可塑剤の含有量は、特に限定されないが、粘着剤100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下であるのが好ましく、0.3質量部以上5質量部以下であるのがより好ましい。
可塑剤の含有量が低すぎると、可塑剤の種類等によっては、前述したような可塑剤を含むことによる効果が十分に発揮されない可能性がある。また、可塑剤の含有量が高すぎると、粘着剤の含有量が相対的に低下し、粘着剤の機能が十分に発揮されない可能性がある。
<その他の成分>
再剥離型粘着剤組成物は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、染料、顔料等の着色剤、アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、光安定剤、分散剤、粘着付与剤、消泡剤、改質剤、防錆剤、溶剤、レベリング剤、帯電防止剤等が挙げられる。これらの成分の含有量は、特に限定されないが、溶剤を除くこれらの成分全体として、10質量%を超えないことが好ましい。
再剥離型粘着剤組成物中の固形分濃度は、20質量%以上70質量%以下であるのが好ましく、30質量%以上65質量%以下であるのがより好ましく、40質量%以上60質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、再剥離型粘着剤組成物の塗工性(特に高速塗布での塗工性)をより優れたものとすることができる。
[粘着体]
次に、本発明の粘着体について説明する。
図1は、本発明の粘着体(粘着シート)の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。
図1に示すように、粘着体としての粘着シート(再剥離型粘着シート)10は、内容物が収容された容器に貼着されるものであって、基材1と、粘着剤層2とを備える。そして、粘着剤層2は、前述した本発明の再剥離型粘着剤組成物を用いて形成されたものである。
これにより、糊残りの問題の発生を効果的に防止しつつ、内容物が収容された容器から好適に剥離することができる粘着シート10を提供することができる。
なお、粘着シート10は、容器からの剥離の際に、当該容器が、香料、界面活性剤のうち少なくとも一方の物質(所定物質)を含有する内容物が収容された履歴を有していればよく、粘着シート10の容器への貼着時や容器からの粘着シート10の剥離時において、当該容器が前記内容物を収容した状態でなくてもよい。
また、本明細書において、「フィルム」にはシートの概念が含まれるものとする。
また、本実施形態では、基材1と粘着剤層2との間にプライマー層3を有している。
これにより、基材1と粘着剤層2との密着性をより優れたものとすることができ、粘着シート10の再剥離性をより優れたものとすることができ、被着体(容器)から粘着シート10を剥離する際の粘着剤層2の内表面側(被着体に対向する面とは反対の面側)での層間剥離(界面破壊)等をより効果的に防止することができる。
基材1は、粘着剤層2を支持する機能を有するものである。
基材1は、例えば、緻密なフィルム状、織布、不織布、紙、多孔質体等、いかなる形態のものであってもよい。
基材1の構成材料は、特に限定されず、例えば、樹脂材料、金属材料、パルプ等の植物性繊維、羊毛等の動物性繊維等が挙げられるが、樹脂材料が好適に用いられる。
基材1を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;アセテート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合(ABS)樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ−p−フェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、基材1は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、染料、顔料等の着色剤、アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、光安定剤、改質剤、防錆剤、充填剤、表面潤滑剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、重合禁止剤、架橋剤、触媒、可塑剤、レベリング剤、増粘剤、軟化剤、分散剤等が挙げられる。
また、基材1は、単層より構成されるものであってもよいし、複数の層を備える積層体であってもよい。また、基材1は、例えば、厚さ方向に組成が傾斜的に変化する傾斜材料で構成されたものであってもよい。
複数の層を備える積層体としての基材1としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル等の樹脂材料で構成された基部上に、アルミニウム等の金属材料で構成された膜(例えば、蒸着膜)が設けられたもの等が挙げられる。
このような構成の基材は、従来においては、金属材料で構成された膜側に粘着剤層を形成しようとした場合に、糊残りの問題が特に顕著に発生していたが、本発明によれば、このような構成の基材を用いた場合でも、糊残りの問題の発生を効果的に防止することができる。すなわち、基材として、樹脂材料で構成された基部上に金属材料で構成された膜(例えば、蒸着膜)が設けられたものを用いた場合に、本発明の効果がより顕著に発揮される。
また、基材1は、プライマー層3との密着性を高めるための表面処理が施されたものであってもよい。
これにより、粘着シート10を被着体(容器)から剥離する際の糊残りの発生等をより効果的に防止することができる。
このような表面処理としては、例えば、酸化法や凹凸化法等によるものが挙げられる。
上記酸化法としては、例えば、コロナ放電処理(コロナ処理)、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられ、また、凹凸化法としては、例えば、ブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。
これらの表面処理法は、基材1を構成する材料に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ処理が効果および操作性等の面から好ましい。
基材1の厚さは、特に限定されないが、15μm以上300μm以下であるのが好ましく、20μm以上50μm以下であるのがより好ましい。
粘着剤層2の厚さは、特に限定されないが、1μm以上100μm以下であるのが好ましく、3μm以上50μm以下であるのがより好ましく、5μm以上30μm以下であるのがさらに好ましい。
プライマー層3の形成に用いるプライマーとしては、例えば、再剥離型粘着剤組成物の構成成分として前述したプライマーと同様のもの等が挙げられる。
これにより、前述したのと同様の効果が得られる。
プライマー層3の形成に用いるプライマーと、再剥離型粘着剤組成物の構成成分としてのプライマーとは、異なる種類のものであってもよいが、同種のものを共通して含むのが好ましく、同一の化合物を共通して含むのがより好ましい。
これにより、粘着剤層2とプライマー層3との密着性をより優れたものとすることができ、糊残りの問題の発生をより効果的に防止することができる。
プライマー層3は、オレフィン系プライマーを含む材料を用いて形成されたものであるのが好ましい。
これにより、プライマー層3と基材1との密着性、プライマー層3と粘着剤層2との密着性をさらに優れたものとすることができ、糊残りの問題の発生をさらに効果的に防止することができる。特に、基材1がポリオレフィンで構成されたものである場合や、粘着剤層2がポリオレフィン系の化合物を含む場合(例えば、粘着剤層2がオレフィン系プライマーを含む材料を用いて形成されたものである場合等)に、上記のような効果を特に顕著に発揮させることができる。
プライマー層3の厚さは、0.05μm以上3μm以下であるのが好ましく、0.1μm以上1μm以下であるのがより好ましい。
[粘着体の製造方法]
次に、本発明の粘着体の製造方法について説明する。
図2は、本発明の粘着体(粘着シート)の製造方法の好適な実施形態を示す模式的な縦断面図である。
本実施形態の製造方法は、基材1を用意する基材用意工程(1a)と、基材1上にプライマー層3を形成するプライマー層形成工程(1b)と、プライマー層3の表面に粘着剤層2を形成する粘着剤層形成工程(1c)とを有している。
まず、前述したような基材1を用意する(1a)。なお、後述するプライマー層形成工程に先立ち、用意した基材1に対して、前述したような表面処理を施してもよい。
次に、基材1の表面にプライマー層3を形成する(1b)。
プライマー層3は、例えば、プライマーを含む液状の組成物(プライマー層形成用組成物)を、グラビア方式、マイヤーバー方式等により、基材1上に塗布することにより形成することができる。プライマー層形成用組成物の塗布後には、必要に応じて、加熱、乾燥等の処理を行ってもよい。
その後、プライマー層3に接触するように、粘着剤層2を形成する(1c)。
粘着剤層2の形成方法は、特に限定されないが、用意した基材1のプライマー層3の面上に、前述した再剥離型粘着剤組成物を付与することにより好適に形成することができる。また、剥離ライナーの剥離処理面に粘着剤層2を形成し、基材1のプライマー層3に粘着剤層2を貼り合わせることにより形成してもよい。
粘着剤層2を形成するための再剥離型粘着剤組成物の付与は、例えば、液状の再剥離型粘着剤組成物(塗工液)を、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ナイフコート、ダイコート、コンマコート、バーコート等の各種塗布法により、基材1上に塗布することにより行うことができる。
また、粘着剤層2の形成に際して、再剥離型粘着剤組成物と他の成分とを混合して、塗工液を調製してもよい。例えば、粘着剤層2の形成に際して、再剥離型粘着剤組成物を水や溶媒と混合してもよい。
また、粘着剤層2は、いったん剥離材(剥離ライナー)上に形成し、その後、基材1に貼り合せてもよい。
[被着体(容器)]
次に、本発明の粘着シートが貼着される被着体としての容器について説明する。
粘着シート10は、内容物が収容された容器に貼着されるものである。
容器の構成材料は、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
これらの材料は、酸やアルカリに対する安定性が高いという特長を有する。その一方で、香料や界面活性剤のような所定物質を透過しやすく、所定物質が粘着シートの粘着剤層を透過して粘着剤層と基材の界面に達すると、前述したような糊残りの問題を生じやすいことを本発明者は見出していた。したがって、容器がポリオレフィンを含む材料で構成されたものである場合に、当該材料が有する特長を生かしつつ、本発明による効果をより顕著に発揮させることができる。
容器の厚み(肉厚)は、5mm以下であるのが好ましく、3mm以下であるのがより好ましい。
このように厚みが比較的小さいものであると、香料や界面活性剤のような所定物質が透過しやすく、通常では、前述したような糊残りの問題を生じやすい。これに対し、本発明では、このように厚みが小さく、香料や界面活性剤のような所定物質が透過しやすい場合(香料や界面活性剤のような所定物質の透過量が多い場合)でも、上記のような糊残りの問題を効果的に防止することができる。したがって、上記のように容器の厚みが比較的小さいものである場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
容器の形状は、特に限定されず、例えば、チューブ状、ボトル状等、いかなる形状であってもよい。
被着体である容器の内部(収容部)には、内容物が収容される。
内容物は、例えば、粉体等の固体状、液状(例えば、シート等の吸収体に吸収させた状態を含む)、ペースト状、気体状等、いかなる状態のものであってもよいが、内容物が液状、ペースト状である場合に、上記のような問題がより顕著に発生していたが、本発明では、内容物が液状、ペースト状である場合でも、上記のような問題の発生を効果的に防止することができる。したがって、内容物が液状、ペースト状である場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
内容物の具体例としては、各種洗剤、洗顔料、化粧水、メイク落とし、クレンジングオイル、乳液、美容液、ハンドクリーム、ボディローション、ボディクリーム、リップクリーム、制汗防臭剤、UVケア用品(日焼け止め等)、香水、シャンプー、ヘアリンス、コンディショナー、養毛剤、育毛剤、パーマ剤、ヘアカラー、ヘアワックス、髭剃り剤、脱毛剤、バスオイル、練り歯磨き、液体歯磨き、洗口剤(マウスウォッシュ)、医薬品、食品(飲み物、サプリメント等を含む)等が挙げられる。
香料としては、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin 」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等の各種文献に開示されているものを用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等のイオン性界面活性剤;非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等のアルキル硫酸エステルまたはその塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステルまたはその塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシンまたはその塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸またはその塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩;ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸またはその塩;N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム等のN−アルキロイルメチルタウリンまたはその塩;ジラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸アルギニン、N−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸またはその塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩が好ましく、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウムまたはその塩;塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化トリアルキルメチルアンモニウム塩、アルキルアミンまたはその塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホベタイン、アミドアミノ酸塩、アルキルアミドプロピルベタイン等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、エチレングリコールモノステアリン酸エステル等のエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノステアリン酸エステル等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールデシルペンタデシルエーテル等のポリアルキレングリコールアルキルエーテル;ポリエチレングリコール硬化ヒマシ油モノイソラウレート等のポリエチレングリコール硬化ヒマシ油;プロピレングリコール脂肪酸エステル;グリセリンモノイソステアリン酸エステル等のモノグリセリンモノ脂肪酸エステル;グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンジラウリン酸エステル等のモノグリセリンジ脂肪酸エステル;グリセリンモノイソステアリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;ソルビタンモノステアリン酸エステル等のソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸アルカノールアミド;ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸ジアルカノールアミド等が挙げられる。
内容物中に占める香料の含有率と界面活性剤の含有率の和は、0.01質量%以上であるのが好ましく、0.03質量%以上であるのがより好ましい。
このように内容物中における所定成分の含有率が比較的高いものである場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、粘着体(例えば、粘着シート)は、基材の粘着剤層に対向する面とは反対の面側に、少なくとも1層の被覆層を有するものであってもよい。例えば、基材の粘着剤層に対向する面とは反対の面側は、印刷層が設けられていてもよい。また、印刷層との密着性を向上させるために、印刷用コート層等が設けられていてもよい。また、粘着シートの表面を保護する等の機能を有するコート層が設けられていてもよい。
また、前述した実施形態では、粘着体が、フィルム状の基材を備え、粘着体全体としてのフィルム状をなす粘着シートである場合について代表的に説明したが、基材の形状、粘着体の形状は、フィルム状に限らず、いかなるものであってもよい。
以下に具体的な実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明において、各種測定条件について、特に温度条件を示していないものは、室温(23℃)における数値である。
[1]粘着シートの製造
(実施例1)
攪拌機、温度計、および滴下ロートを備えた容器に、原料モノマーとして、2−エチルへキシルアクリレート(2EHA)70.0質量部、ブチルアクリレート(BA)28.0質量部、アクリル酸(AA)1.0質量部、および、メタクリル酸(MAA)1.0質量部の原料モノマー混合物を仕込み、さらに乳化剤としての「アデカリアソープSR−10(製品名、ADEKA社製、アニオン性乳化剤、アリルオキシメチルアルコキシエチルポリオキシエチレン硫酸エステル塩、固形分濃度100質量%)」2.0質量部(固形分比)、連鎖移動剤としてのラウリルメルカプタン0.1質量部、および、イオン交換水35.0質量部を加え、室温(23℃)下で攪拌して、原料モノマー混合物の乳化物を予め調製した。
そして、別途、攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管、および滴下ロートを備えた反応装置に、イオン交換水28.0質量部を入れ、窒素を封入して内温80℃まで昇温し、80℃の温度に保ちながら、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液2.0質量部(固形分換算:0.20質量部)を添加した。そして、上記のモノマー混合物の乳化物を滴下ロートに移し、4時間かけて滴下した。これと併行して、5質量%過硫酸アンモニウム水溶液4.0質量部(固形分換算:0.20質量部)を滴下して、内温80℃で乳化重合を行った。
これらの滴下終了後、80℃で4時間熟成して、エマルション系共重合体(A)(構成単位:2EHA/BA/AA/MAA=70.0/28.0/1.0/1.0(質量部))を合成した。そして、室温まで冷却後、アンモニア水で中和してpH8.5として、さらにイオン交換水を加えて、固形分濃度55質量%のエマルション系共重合体(エマルション粘着剤)の水分散液を調製した。エマルション系共重合体の平均粒径は450nmであった。
上記のようにして得られたエマルション系共重合体の水分散液100質量部に対して、オレフィン系プライマー(東洋紡社製、ハードレンNZ−1004)10質量部、エポキシ系架橋剤(ナガセケムテックス社製、デナコールEX−313)1質量部、濡れ剤としてのアクリル系化合物(ビックケミー・ジャパン社製、BYK−380N)0.2質量部(いずれも固形分比)、増粘剤としてのウレタン会合型増粘剤(ADEKA社製、アデカノールUH−540)、および、イオン交換水を添加し、十分に撹拌し、固形分濃度45質量%の粘着剤組成物(再剥離型粘着剤組成物)を得た。
次に、剥離ライナー(剥離紙)(リンテック社製、SP−8Kアオ、シリコーンで剥離処理したグラシン紙)の剥離処理面上に、ロールコータにより、乾燥後の粘着剤層の厚みが20μmになるように、上記の粘着剤組成物(再剥離型粘着剤組成物)を塗工し、90℃で2分間乾燥して、剥離ライナー上に粘着剤層を形成した。
一方、基材として用いるアルミ蒸着膜が設けられたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レフィルム加工社製、メタルミーTS#50)を用意し、アルミ蒸着膜が設けられた面に、グラビアコータにより、乾燥後のプライマー層の厚みが0.1μmになるように、プライマー層形成用組成物としてのハードレンNZ−1004(東洋紡社製、オレフィン系プライマーを含むエマルション)を塗工し、基材上にプライマー層を形成した。
その後、プライマー層の表面に、前記のようにして剥離ライナー上に形成した粘着剤層を接触させ、温度23℃、相対湿度50%の条件で1週間熟成することで、剥離ライナーで粘着剤層が保護された粘着シートを得た。
すなわち、本実施例で製造した粘着シートは、基材、プライマー層、粘着剤層がこの順に積層された構造を有するものである。
(実施例2〜7)
再剥離型粘着剤組成物の条件を調整することにより、粘着シートの構成を表1に示すようなものとした以外は、前記実施例1と同様にして粘着シートを製造した。
(比較例1)
再剥離型粘着剤組成物の調整にプライマーを用いず、プライマー層の形成を省略した以外は、前記実施例1と同様にして粘着シートを製造した。
前記各実施例および比較例について、再剥離型粘着剤組成物中に含まれるエマルション粘着剤のモノマー構成、粘着シートの構成を表1にまとめて示した。
なお、表1中、オレフィン系プライマーとしてのハードレンNZ−1004(東洋紡社製)をNZ1004、オレフィン系プライマー(特殊変性ポリオレフィン)としてのアウローレンAE−301(日本製紙社製)をAE−301、オレフィン系プライマー(変性ポリオレフィン系)としてのアローベースDA−1010(ユニチカ社製)をDA−1010、エチレン−酢酸ビニル系プライマーとしてのケミパールEV210H(三井化学社製)をEV210H、ポリエステル系プライマーとしてのバイロナールMD−1200(東洋紡社製)をMD−1200、ポリウレタン系プライマーとしてのスーパーフレックス210(第一工業製薬社製)をS210、塩化ビニル系プライマー(アクリル酸エステル−塩化ビニル共重合体)としてのビニブラン902(日信化学工業社製)をV902、オレフィン系プライマー(アクリル変性塩素化ポリオレフィン)としてのスーパークロン223M(日本製紙社製)を223Mで示した。また、平均粒径の値は、コールターカウンター法粒度分布測定器(COULTER ELECTRONICS INS製TA−II型)にて、50μmのアパチャーを用いた測定により求めた。
Figure 2018095700
[2]評価
[2.1]収容履歴の無い容器からの再剥離性
前記各実施例および比較例の粘着シート(剥離ライナーで保護された状態の粘着シート)を、幅25mm×縦150mmの大きさに切断し、試験片とした。
得られた試験片から剥離ライナーを剥離し、露出した粘着剤層を、収容履歴の無いポリエチレン製の容器(チューブ)の表面に密着させ、粘着シートを貼着した。
ポリエチレン製の容器(チューブ)の肉厚は、0.5μmであった。
次に、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で1日間静置後、60℃の環境下で7日間静置し、再び23℃、50%RH(相対湿度)の環境下へと戻して1日間静置した。
その後、0.3m/分の速度にて、粘着シートを手で剥がし、容器の粘着シートが剥離された部位を観察し、以下の基準に基づき評価した。
A:容器の粘着シートを貼着した部位のうち糊残りがある部分の面積率が、5%未満。
B:容器の粘着シートを貼着した部位のうち糊残りがある部分の面積率が、5%以上10%未満。
C:容器の粘着シートを貼着した部位のうち糊残りがある部分の面積率が、10%以上25%未満。
D:容器の粘着シートを貼着した部位のうち糊残りがある部分の面積率が、25%以上50%未満。
E:容器の粘着シートを貼着した部位のうち糊残りがある部分の面積率が、50%以上。
<内容物が収容された容器(収容履歴の有る容器)からの再剥離性>
メイク落とし剤を収容している以外は、前記[2.1]で用いたのと同様の容器を用意した。容器内のメイク落とし剤としては、市販のメイク落とし剤(界面活性剤、香料を含有するもの)を用いた。
次に、粘着シートを貼着する被着体として、内容物が収容された当該容器を用いた以外は、前記[2.1]と同様にして、粘着シートの貼着を行った。
次に、前記[2.1]と同様に、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で1日間静置後、60℃の環境下で7日間静置し、再び23℃、50%RH(相対湿度)の環境下へと戻して1日間静置し、その後、0.3m/分の速度にて、粘着シートを手で剥がし、容器の粘着シートが剥離された部位を観察し、以下の基準に基づき評価した。
A:容器の粘着シートを貼着した部位のうち糊残りがある部分の面積率が、5%未満。
B:容器の粘着シートを貼着した部位のうち糊残りがある部分の面積率が、5%以上10%未満。
C:容器の粘着シートを貼着した部位のうち糊残りがある部分の面積率が、10%以上25%未満。
D:容器の粘着シートを貼着した部位のうち糊残りがある部分の面積率が、25%以上50%未満。
E:容器の粘着シートを貼着した部位のうち糊残りがある部分の面積率が、50%以上。
これらの結果を、表2にまとめて示す。
Figure 2018095700
表2から明らかなように、本発明では優れた結果が得られたのに対し、比較例では満足のいく結果が得られなかった。
10…粘着シート(再剥離型粘着シート)
1…基材
2…粘着剤層
3…プライマー層

Claims (10)

  1. 内容物が収容された容器に貼着される再剥離型の粘着体の製造に用いられる再剥離型粘着剤組成物であって、
    粘着剤と、プライマーとを含有するものであることを特徴とする再剥離型粘着剤組成物。
  2. 前記プライマーとして、オレフィン系プライマーを含む請求項1に記載の再剥離型粘着剤組成物。
  3. 前記粘着剤は、エマルション粘着剤である請求項1または2に記載の再剥離型粘着剤組成物。
  4. 前記粘着剤100質量部に対する前記プライマーの含有率が、1質量部以上50質量部以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の再剥離型粘着剤組成物。
  5. 前記内容物は、香料、界面活性剤のうち少なくとも一方の物質を含有するものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の再剥離型粘着剤組成物。
  6. 前記粘着体は、基材と、再剥離型粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層と、前記基材と前記粘着剤層との間に設けられたプライマー層とを有するものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の再剥離型粘着剤組成物。
  7. 再剥離型粘着剤組成物中に含まれる前記プライマーは、前記プライマー層の形成に用いる組成物中に含まれるプライマーと同種のものである請求項6に記載の再剥離型粘着剤組成物。
  8. 内容物が収容された容器に貼着される再剥離型の粘着体であって、
    基材と、
    請求項1ないし5のいずれか1項に記載の再剥離型粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層とを備えることを特徴とする粘着体。
  9. 内容物が収容された容器に貼着される粘着体であって、
    基材と、
    請求項6または7に記載の再剥離型粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層と、
    前記基材と前記粘着剤層との間に設けられたプライマー層とを備えることを特徴とする粘着体。
  10. 前記プライマー層は、オレフィン系プライマーを含む材料により構成されたものである請求項9に記載の粘着体。
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