JP2018092739A - 端子付き電線、端子、端子付き電線の製造方法、ワイヤハーネス - Google Patents
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Abstract
【課題】 高温環境下においても、圧着部における被覆部のずれを抑制し、止水性の低下を抑制することが可能な端子付き電線等を提供する。【解決手段】 圧着部5は、被覆導線11の先端側に被覆部15から露出する導線13を圧着する導線圧着部7と、被覆導線11の被覆部15の一部を圧着する被覆圧着部9とからなる。被覆圧着部9には、孔21が設けられる。孔21は、被覆圧着部9の長手方向の中央(図中B)よりも後方に形成され、被覆圧着部9を貫通する。孔21は、圧着部5の長手方向に形成される封止部17a以外の部位に形成されることが望ましい。封止部17aは、溶接によって軟化するおそれがあるため、孔21は、溶接影響部を避けて配置されることが望ましい。【選択図】図3
Description
本発明は自動車等に用いられる端子付き電線等に関するものである。
従来、自動車、OA機器、家電製品等の分野では、電力線や信号線として、電気導電性に優れた銅系材料からなる電線が使用されている。特に、自動車分野においては、車両の高性能化、高機能化が急速に進められており、車載される各種電気機器や制御機器が増加している。したがって、これに伴い、使用される端子付き電線も増加する傾向にある。
一方、環境問題が注目される中、自動車の軽量化が要求されている。したがって、ワイヤハーネスの使用量増加に伴う重量増加が問題となる。このため、従来使用されている銅線に代えて、軽量なアルミニウム電線が注目されている。
ここで、例えばアルミニウムと銅のような異種金属の接触部分に水分が付着すると、腐食電位の違いから、いわゆる電食が発生する恐れがある。特に、アルミニウムと銅との電位差は大きいから、電気的に卑であるアルミニウム側の腐食が進行する。このため、導線と圧着端子との接続状態が不安定となり、接触抵抗の増加や線径の減少による電気抵抗の増大、さらには断線が生じて電装部品の誤動作、機能停止に至る恐れがある。
このような異種金属が接触するワイヤハーネスにおいて、例えば、一端閉塞型の筒状圧着部を有する端子を用い、この筒状圧着部内に電線の端部を挿入した後、該筒状圧着部をかしめ加工により圧着して、芯線端部を雨水や海水等の付着から保護する方法が提案されている(例えば特許文献1)。
しかし、このように圧着部の端部を封止した際、被覆部と圧着部との密着性が十分でないと、圧着部から水が浸入する恐れがある。例えば、端子付き電線が高温環境下で使用された際、被覆導線の被覆部が収縮するため、圧着部と被覆部とのシール面のずれや、これに伴う圧着部の後端からの被覆部のはみ出しによって、被覆部と圧着部との密着が弱くなり、止水性が低下するおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、高温環境下においても、圧着部における被覆部のずれを抑制し、止水性の低下を抑制することが可能な端子付き電線等を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、被覆導線と端子とが接続された端子付き電線であって、前記端子は、前記被覆導線が圧着される圧着部と、端子本体とを有し、前記圧着部は、前記被覆導線の被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆圧着部には、前記被覆圧着部を貫通する孔が形成され、前記圧着部は、前記孔および前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記被覆圧着部の長手方向に対する前記孔の中心位置が、前記被覆圧着部の長手方向の中央よりも後方に位置し、前記孔に前記被覆部が食い込むことを特徴とする端子付き電線である。
前記圧着部には、外周側に長手方向に連続する凸部が形成されており、前記孔は、前記凸部を跨ぐように形成されることが望ましい。
前記被覆圧着部の長手方向に対する前記孔の長さが、圧着前における前記被覆導線の前記被覆部の厚みの3倍以下であり、前記被覆圧着部の外面位置に対して、前記被覆部がはみ出さないことが望ましい。
前記孔が、前記被覆圧着部の後端側から、前記被覆圧着部の厚み以上、前方に配置されることが望ましい。
前記孔が、前記被覆圧着部の後端側から、前記被覆圧着部の長手方向に対する前記孔の長さ以上、前方に配置されることが望ましい。
前記被覆圧着部の前記孔における少なくとも後方側の内面縁部が、面取形状であることが望ましい。
前記被覆圧着部の圧縮率が、50%以上であることが望ましい。
前記孔は、前記圧着部の長手方向に形成される封止部以外の部位に形成されることが望ましい。
第1の発明によれば、被覆圧着部の一部に孔が形成されるため、圧着時に被覆部が孔に食い込み、被覆圧着部に対する被覆部のずれが抑制される。このため、高温環境時においても、被覆部が被覆圧着部の後方にはみ出すことによる被覆圧着部と被覆部との密着性の低下を抑制することができる。
また、孔の配置が被覆圧着部の中央よりも後方に配置されるため、被覆部が被覆圧着部の後方にはみ出すことを効率良く抑制することができる。また、孔よりも前方の被覆圧着部の長さを確保することができるため、止水長を確保することができる。
また、孔が線状の凸部(いわゆるパーティングライン)を跨ぐように形成されるため、止水性の弱くなりやすい凸部の部位で被覆部を孔に食い込ませることができる。このため、この部位での被覆部のずれを確実に抑制することができる。
また、被覆圧着部の長手方向に対する孔の長さが、被覆部の厚みの3倍以下であれば、被覆部が過剰に食い込み、被覆部が被覆圧着部の外表面から突出することを抑制することができる。このため、被覆部の損傷を抑制することができる。
また、被覆圧着部の後端から孔までの距離を、所定以上とすることで、圧着時に孔が後方に広がってしまうことを抑制することができる。
また、孔における少なくとも後方側の内面縁部に面取り形状を形成することで、エッジによって被覆部が傷つくことを抑制することができる。
また、被覆部の圧縮率が50%であれば、過剰に被覆部が孔に食い込むことを抑制することができる。
また、孔が長手方向の封止部以外の部位に形成されれば、封止部の溶接による影響部を避けて、孔を形成することができる。このため、孔の周囲の強度を確保することができる。
第2の発明は、被覆導線が圧着される圧着部と、端子本体とを有し、前記圧着部は、前記被覆導線の被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆圧着部には、前記被覆圧着部を貫通する孔が形成され、前記圧着部は、前記孔および前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止され、前記被覆圧着部の長手方向に対する前記孔の中心位置が、前記被覆圧着部の長手方向の中央よりも後方に位置していることを特徴とする端子である。
前記孔の下部が、前記孔の上部よりも、前記被覆圧着部の前方に位置するように、前記孔が形成されることが望ましい。
前記孔は、前記圧着部の長手方向に形成される封止部以外の部位に形成されることが望ましい。
第2の発明によれば、被覆導線を圧着した際に、被覆部を孔に食い込ませることが可能である。このため、圧着後において、高温環境下においても、被覆部のずれを抑制することが可能である。
ここで、圧着の際に、被覆圧着部の上方は、導線圧着部の方向(前方)に向けて変形が進みやすい。このため、孔の上方よりも下方を前方側に位置するよう斜め孔を形成することで、圧着した際に、孔の上部が前方に移動して、圧着後の孔を上下に略まっすぐに形成することができる。すなわち、圧着時に孔が変形して、上部が前方にずれてしまうことを抑制することができる。
また、孔が長手方向の封止部以外の部位に形成されれば、封止部の溶接による影響部を避けて、孔を形成することができる。このため、孔の周囲の強度を確保することができる。
第3の発明は、被覆導線と端子とが接続された端子付き電線の製造方法であって、前記端子は、前記被覆導線が圧着される圧着部と、端子本体とを有し、前記圧着部は、前記被覆導線の被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、前記被覆圧着部には、前記被覆圧着部を貫通する孔が形成され、前記圧着部は、前記孔および前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、前記被覆圧着部の長手方向に対する前記孔の中心位置が、前記被覆圧着部の長手方向の中央よりも後方に位置し、前記被覆圧着部の長手方向に対する前記孔の長さが、圧着前における前記被覆導線の前記被覆部の厚みの2倍以下であり、前記圧着部に前記被覆導線を挿入し、前記導線圧着部と前記導線を圧着するとともに、前記被覆圧着部と前記被覆部を圧着し、前記孔に前記被覆部を食い込ませることを特徴とする端子付き電線の製造方法である。
第3の発明によれば、圧着前の被覆圧着部の長手方向に対する孔の長さが、被覆部の厚みの2倍以下とすることで、圧着時に孔が広がったとしても、孔のサイズが大きくなりすぎることを抑制することができる。このやめ、圧着時に被覆部が孔に過剰に食い込み、被覆部が被覆圧着部の外表面から突出することを抑制することができる。このため、被覆部の損傷を抑制することができる。
第4の発明は、第1の発明にかかる端子付き電線が複数本束ねられたことを特徴とするワイヤハーネスである。
本発明では、複数本の端子付き電線を束ねて用いることもできる。
本発明によれば、高温環境下においても、圧着部における被覆部のずれを抑制し、止水性の低下を抑制することが可能な端子付き電線等を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、被覆導線11および端子1を示す分解斜視図であり、図2は、端子1の側面図である。端子1は、例えば銅または銅合金製であり、端子本体3と、被覆導線11が接続される圧着部5とからなる。
端子本体3は、所定の形状の板状素材を、断面が矩形の筒体に形成したものである。端子本体3は、内部に、板状素材を矩形の筒体内に折り込んで形成される弾性接触片を有する。端子本体3は、前端部から雄端子などが挿入されて接続される。なお、本実施形態において、端子1の端子本体3側を前方とし、圧着部側を後方とする。また、以下の説明では、端子本体3が、雄型端子等の挿入タブ(図示省略)の挿入を許容する雌型端子である例を示すが、本発明において、この端子本体3の細部の形状は特に限定されない。例えば、雌型の端子本体3に代えて例えば雄型端子の挿入タブを設けてもよいし、丸型端子のようなボルト締結部を設けても良い。
圧着部5は、被覆導線11が圧着される部位であり、筒状(管状)に形成される。圧着部5は、被覆導線11の先端側に被覆部15から露出する導線13を圧着する導線圧着部7と、被覆導線11の被覆部15の一部を圧着する被覆圧着部9とからなる。導線圧着部7と被覆圧着部9とは、一体で形成される。なお、導線圧着部7の内径は、被覆圧着部9の内径よりも小さい。
なお、導線圧着部7の内面の一部には、周方向にセレーション(図示省略)が設けられる。このようにセレーションを形成することで、導線を圧着した際に、導線の表面の酸化膜を破壊しやすく、また、導線との接触面積を増加させることができる。
圧着部5は、断面が円形の筒体となるように板状素材が丸められ、板状素材の縁部同士を突き合わせて突合せ部を接合して一体化することにより形成される。圧着部5の長手方向に形成される封止部17aは、例えばレーザ溶接などによって溶接されて一体化される。筒状に形成された圧着部5の後端部から、被覆導線11が挿入される。
導線圧着部7の先端側(端子本体3側)は潰されて封止部17bが形成される。封止部17bは、レーザ溶接等で溶接される。例えば、導線圧着部7が潰されて板状素材同士が重ね合わされた部分において長手方向に形成された封止部17aと交差する方向に封止部17bが形成される。すなわち、圧着部5は、後述する孔21および被覆導線11が挿入される後端部を除き、他の部位が封止される。このようにすることで、被覆圧着部9側の端部以外が封止された管状端子とすることができる。
被覆導線11は、導線13が絶縁性の被覆部15によって被覆されて構成される。導線13は、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金製である。被覆導線11を端子1の圧着部5に挿入する際には、被覆導線11の先端の一部の被覆部15が剥離され、導線13を露出させておく。なお、被覆部15としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン等、この技術の分野において通常用いられるものを選択することができる。
被覆圧着部9には、孔21が設けられる。孔21は、被覆圧着部9の長手方向の中央(図中B)よりも後方に形成され、被覆圧着部9を貫通する。孔21は、圧着部5の長手方向に形成される封止部17a以外の部位に形成されることが望ましい。封止部17aは、溶接によって軟化するおそれがあるため、孔21は、溶接影響部を避けて配置されることが望ましい。
孔21は、上下方向(すなわち被覆圧着部9の周方向)に長い略矩形の形状(例えば平行四辺形)である。なお、孔21の形状は図示した例には制限されない。孔21の下部は、孔21の上部よりも、被覆圧着部9の前方に位置するように、孔21が形成される。すなわち、孔21は、上方が後方に傾くように斜めに形成される。なお、本実形態において、封止部17bが形成されている端子底部側(図2における下側)を端子1の下方とし、その反対側(図2における上側)を上方とする。すなわち、本実施形態では、封止部17aは端子1の上方に形成される例を示す。
ここで、被覆圧着部9の長手方向に対する孔21の長さ(図中A)は、圧着前における被覆導線11の被覆部15の厚みの2倍以下であることが望ましい。孔21のサイズについては後述する。
次に、被覆導線11と端子1とが接続された端子付き電線10の製造方法について説明する。図3は、端子付き電線10の斜視図、図4は端子付き電線10の側面図である。まず、圧着部5に被覆導線11を挿入し、導線13を導線圧着部7の内部に配置し、被覆部15を被覆圧着部9の内部に配置する。この状態で、図示を省略した金型によって、導線圧着部7と導線13を圧着するとともに、被覆圧着部9と被覆部15を圧着する。以上により、端子付き電線10が製造される。
ここで、圧着部5を金型で圧着する際、圧着部5には、上下の金型の合わせ部に対応する線状の凸部23が形成される。凸部23は、圧着部外周側に形成された圧着部5の長手方向に連続するいわゆるパーティングラインである。
孔21は、凸部23を跨ぐように形成されることが望ましい。すなわち、孔21は、凸部23を破断するように形成されることが望ましい。
図5は、図4のC−C線断面図であって、被覆圧着部9近傍の断面図である。被覆圧着部9と被覆部15を圧着すると、被覆部15は圧縮される。この際、孔21に被覆部15が食い込む。
ここで、圧着後の孔21の配置について詳細に説明する。被覆圧着部9の後端側から孔21までの長さ(図中D)は、被覆圧着部9の厚み(図中F)以上(D≧F)であることが望ましい。被覆圧着部9の後端側から孔21までの長さが、被覆圧着部9の厚みよりも小さいと(D<F)、穴あけ加工が困難であり、また剛性が低く加工時に変形するおそれがある。さらに、孔21は、被覆圧着部9の後端側から、被覆圧着部9の長手方向に対する孔の長さ(図中E)以上(D≧E)前方に配置されることが望ましい。孔21が被覆圧着部9の後方に近くなりすぎると、孔21と被覆圧着部9までの間の剛性が十分でなくなるため、圧着した際に、孔21が後方に膨らむためである。
また、圧着部5は、圧着する際に変形する。特に、被覆圧着部9の上方が前方(導線圧着部7方向)に引っ張られるように変形する。したがって、図4に示すように、圧着前に上方が後方にずれるように傾けていた孔21は、圧着後に、上下に略まっすぐに形成される。
また、被覆圧着部9の長手方向に対する孔21の長さ(図5のE)は、圧着前の長さ(図2のA)よりも広くなる。このため、被覆圧着部9の長手方向に対する圧着後の孔21の長さEは、圧着前の被覆導線11の被覆部15の厚みGの3倍以下とする。実際に、被覆圧着部9の長手方向に対する圧着後の孔21の長さEが、圧着前の被覆導線11の被覆部15の厚みGの4倍以上とした場合には、孔21において、被覆部15のはみ出しが確認された。尚、端子付電線における圧着部5から露出した被覆導線の被覆部の厚さを圧着前の被覆導線11の被覆部15の厚みGとする。このようにすることで、被覆部15が、被覆圧着部9の外面位置に対して、はみ出すことを抑制することができる。このようにするため、前述したように、圧着前の孔21の長さは、被覆部15の厚みの2倍以下とする。
ここで、適切な圧着条件としては、被覆圧着部9の圧縮率は50%以上とすることが望ましい。ここで、被覆圧着部9の圧縮率とは、(被覆圧着部9における圧縮後の被覆導線11の断面積)/(被覆圧着部9における圧縮前の被覆導線11の断面積)で算出される。
圧縮率が小さくなりすぎると、被覆部15が孔21に食い込みすぎてしまうため、被覆部15が被覆圧着部9の外面からはみ出す。なお、圧縮率の上限は被覆部15と被覆圧着部9とが密着できればよいため、例えば100%未満とする。より好ましくは、高温環境下等における被覆の劣化の影響や圧力差による水の浸入を考慮し90%以下とする。
図6(a)は、図5のH部拡大図である。被覆圧着部9の少なくとも後方側の孔21の内面縁部には、面取り部25aが形成される。面取り部25aは、例えば図示したようなC面取りである。なお、図6(b)に示すように、R形状の面取り部25bでもよい。このように。面取り部25a、25bを形成することで、被覆部15の収縮に伴い応力がかかる後方側の孔21のエッジの部分において被覆部15が損傷することを抑制することができる。なお、被覆圧着部9の後方側の孔21の内面縁部のみではなく、前方側の孔21の内面縁部に面取り部を形成してもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、被覆圧着部9に孔21を形成したため、圧着時に孔21に被覆部15を食い込ませることができる。このため、被覆圧着部9の長手方向に対して、被覆部15が孔21によって係止され、被覆部15のずれを抑制することができる。このため、高温環境下において、被覆部15が収縮した際にも、被覆部15が被覆圧着部9の後方へ抜けていくことを抑制し、被覆圧着部9と被覆部15の密着性を維持することができる。したがって、止水性の低下を抑制することができる。
特に、孔21は、被覆圧着部9の中央よりも後方に配置することで、被覆部15のずれを後端に近い側で係止することができるため、この効果をより効果的に得ることができる。
また、凸部23は、被覆圧着部9の内面に生じる可能性のある凹み等によって、内面における被覆部15と被覆圧着部9との密着性が低下するおそれがある。しかし、孔21が凸部23の上下にまたがるように形成し、孔21へ被覆部15を食い込ませることで、凸部23における止水性の低下を抑制することができる。
また、孔21を、あらかじめ上方を後方に傾けて斜めに形成することで、圧着時に上方が前方に移動し、略上下にまっすぐの孔21を得ることができる。このため、孔21の内面縁部でより確実に被覆部15を係止することができる。
また、被覆圧着部9の後端側からの孔21の配置を適切にすることで、孔21の後方の被覆圧着部9が圧着時に変形し、孔21が、後方に膨らむことを抑制することができる。
また、孔21のサイズを適切にすることで、被覆部15が過剰に孔21に食い込み、被覆部15が被覆圧着部9の外面から突出することを抑制することができる。同様に、被覆圧着部9の圧縮率を適切にすることで、同様の効果を得ることができる。
また、孔21の後方側の内面縁部に面取り部25a、25bを形成して面取形状とすることで、被覆部15の損傷を抑制することができる。
なお。孔21の形状や配置は、前述の実施形態には限られない。例えば、孔21を被覆圧着部9の両側面に一つずつ形成するのではなく、図7(a)に示すように、孔21を各側面に複数に分割してもよい。すなわち、両側面においてそれぞれ孔21を周方向に複数個併設してもよい。孔21の周方向長さが長くなりすぎると、被覆圧着部9の剛性が低下するため、孔21を複数の小孔に分割することで、被覆圧着部9の剛性低下を抑制することができる。
なお、孔21を複数個併設する際には、それぞれの孔21について、上方側を後方に傾けて斜めに形成することで、圧着時に、互いに上下に略まっすぐの孔21を得ることができる。
また、孔21を、周方向に併設されるのではなく、図7(b)に示すように、孔21を被覆圧着部9の長手方向に併設してもよい。孔21を複数個長手方向に併設することで、より確実に、被覆部15の長手方向へのずれを抑制することができる。
また、孔21は、図7(c)に示すように、円形であってもよい。この場合でも、圧着前には、上方が後方に傾くような長円形とすることで、圧着時に、略円形の孔21を得ることができる。
また、前述したように、孔21は、被覆圧着部9の長手方向の中央よりも後方に配置されるが、図2等に示す場合には限られない。例えば、図8に示すように、被覆圧着部9の長手方向に対する孔21の中心位置(図中I)が、被覆圧着部9の長手方向の中央(図中B)よりも後方に形成されれば、孔21の一部が被覆圧着部9の長手方向の中央(図中B)にかかっていてもよい。
また、圧着時において、部位ごとに順番に圧着をおこなってもよい。例えば、被覆圧着部9の後方側を圧着してから被覆圧着部9の前方側を圧着してもよい。この場合、先に孔21より後方側の部分を加締めることで、被覆部15が固定され、孔21より前方側の部分を加締めるときに被覆部15が後方側に逃げにくく、圧着後において高い反発力が得られ止水性を向上させることができる。この時、導線圧着部7と、被覆圧着部9の後方側を加締めた後に、被覆圧着部9の前方側を加締めてもよいし、導線圧着部7と被覆圧着部9の後方側を加締める際に、被覆圧着部9の前方側をゆるく加締めておき、その後、被覆圧着部9の前方側を最終的な圧縮率まで本圧着してもよい。後者の場合、導線圧着部7を圧着したときの導線13の延びによって被覆部15の剥ぎ際の位置が後方にずれることを抑制することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、前述した実施形態は、互いに組み合わせることができる。また、本発明にかかる端子付き電線10を複数本束ねてワイヤハーネスとして使用することもできる。
1………端子
3………端子本体
5………圧着部
7………導線圧着部
9………被覆圧着部
10………端子付き電線
11………被覆導線
13………導線
15………被覆部
17a、17b………封止部
21………孔
23………凸部
25a、25b………面取り部
3………端子本体
5………圧着部
7………導線圧着部
9………被覆圧着部
10………端子付き電線
11………被覆導線
13………導線
15………被覆部
17a、17b………封止部
21………孔
23………凸部
25a、25b………面取り部
Claims (13)
- 被覆導線と端子とが接続された端子付き電線であって、
前記端子は、前記被覆導線が圧着される圧着部と、端子本体とを有し、
前記圧着部は、前記被覆導線の被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、
前記被覆圧着部には、前記被覆圧着部を貫通する孔が形成され、
前記圧着部は、前記孔および前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、
前記被覆圧着部の長手方向に対する前記孔の中心位置が、前記被覆圧着部の長手方向の中央よりも後方に位置し、
前記孔に前記被覆部が食い込むことを特徴とする端子付き電線。 - 前記圧着部には、外周側に長手方向に連続する凸部が形成されており、
前記孔は、前記凸部を跨ぐように形成されることを特徴とする請求項1記載の端子付き電線。 - 前記被覆圧着部の長手方向に対する前記孔の長さが、圧着前における前記被覆導線の前記被覆部の厚みの3倍以下であり、前記被覆圧着部の外面位置に対して、前記被覆部がはみ出さないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端子付き電線。
- 前記孔が、前記被覆圧着部の後端側から、前記被覆圧着部の厚み以上、前方に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の端子付き電線。
- 前記孔が、前記被覆圧着部の後端側から、前記被覆圧着部の長手方向に対する前記孔の長さ以上、前方に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の端子付き電線。
- 前記被覆圧着部の前記孔における少なくとも後方側の内面縁部が、面取形状であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の端子付き電線。
- 前記被覆圧着部の圧縮率が、50%以上であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の端子付き電線。
- 前記孔は、前記圧着部の長手方向に形成される封止部以外の部位に形成されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の端子付き電線。
- 被覆導線が圧着される圧着部と、端子本体とを有し、
前記圧着部は、前記被覆導線の被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、
前記被覆圧着部には、前記被覆圧着部を貫通する孔が形成され、
前記圧着部は、前記孔および前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止され、
前記被覆圧着部の長手方向に対する前記孔の中心位置が、前記被覆圧着部の長手方向の中央よりも後方に位置していることを特徴とする端子。 - 前記孔の下部が、前記孔の上部よりも、前記被覆圧着部の前方に位置するように、前記孔が形成されることを特徴とする請求項9記載の端子。
- 前記孔は、前記圧着部の長手方向に形成される封止部以外の部位に形成されることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の端子。
- 被覆導線と端子とが接続された端子付き電線の製造方法であって、
前記端子は、前記被覆導線が圧着される圧着部と、端子本体とを有し、
前記圧着部は、前記被覆導線の被覆部を圧着する被覆圧着部と、前記被覆部から露出する導線を圧着する導線圧着部とを有し、
前記被覆圧着部には、前記被覆圧着部を貫通する孔が形成され、
前記圧着部は、前記孔および前記被覆導線が挿入される部位を除き、他の部位が封止されており、
前記被覆圧着部の長手方向に対する前記孔の中心位置が、前記被覆圧着部の長手方向の中央よりも後方に位置し、
前記被覆圧着部の長手方向に対する前記孔の長さが、圧着前における前記被覆導線の前記被覆部の厚みの2倍以下であり、
前記圧着部に前記被覆導線を挿入し、
前記導線圧着部と前記導線を圧着するとともに、前記被覆圧着部と前記被覆部を圧着し、前記孔に前記被覆部を食い込ませることを特徴とする端子付き電線の製造方法。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載の端子付き電線が複数本束ねられたことを特徴とするワイヤハーネス。
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