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JP2018085834A - 系統安定化装置 - Google Patents

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JP2018085834A JP2016227109A JP2016227109A JP2018085834A JP 2018085834 A JP2018085834 A JP 2018085834A JP 2016227109 A JP2016227109 A JP 2016227109A JP 2016227109 A JP2016227109 A JP 2016227109A JP 2018085834 A JP2018085834 A JP 2018085834A
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Abstract

【課題】電力系統で電力潮流状態が急変しても、電力系統での発電機の脱調を抑制する。
【解決手段】系統安定化装置において、選定部は、所定周期毎に電力系統の発電機供給電力等の電気情報と送電線等の接続情報とを含む系統情報を取得し、系統情報から電力系統の電力潮流状態を表すシミュレーションモデルである系統モデルを作成し、系統モデルから算出した所定の系統事故発生時の過渡安定度に基づき、系統事故毎に発電機のうち電力供給遮断する電制機候補を選定する。予測部は、系統情報に含まれる電気情報と系統モデルでの所定の系統事故毎の電制機候補との組合せである電制機情報に基づき、電気情報から電制機を予測する回帰式を作成し、電力系統で系統事故発生時の電気情報と回帰式から、電制機候補を予測する。決定部は、選定部が選定した電制機候補と予測部が予測した電制機候補のうち、電力系統での電制量が多い方を電制機に決定する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、系統安定化装置に関する。
落雷等によって短絡や地絡等の系統事故が電力系統で発生した場合、電力系統内の発電機において脱調と呼ばれる不安定な状態が発生し、そのまま放置すると、電力系統全体が不安定な状態に陥る場合がある。この場合、電力系統内の一部の発電機を遮断する電制を実行することによって、電力系統の安定した運用を維持できる。
例えば、電力系統から供給される電力等に関する電気情報と送電線等の接続情報を含む系統情報を一定周期で取得し、当該取得した系統情報に基づいて、電力系統における電力の潮流状態を表すシミュレーションモデルである系統モデルを作成し、系統モデルで系統事故が発生した場合の過渡安定度を算出し、過渡安定度の算出結果に基づいて、電力系統の安定化に必要な電制機を選定し、系統事故が発生した場合、選定した電制機を遮断して、電力系統の安定状態を維持する系統安定化装置がある。
"付録2 脱調未然防止リレーシステム事例"、平成12年10月、電気学会技術報告、第801号、p.153−154
しかしながら、系統安定化装置では、1分などの一定周期で収集した系統情報に基づいて、電制機を選定するため、一定周期の間に、再生可能エネルギーにより発電する発電機(以下、再エネ電源と言う)からの出力の急変等によって、電力系統から供給される電力の潮流状態が変化した場合、脱調の防止に必要な電制機の数が不足して、発電機の脱調が発生する可能性がある。
実施形態の系統安定化装置は、選定部と、予測部と、決定部と、を備える。選定部は、予め設定された周期毎に、電力系統の発電機から供給される電力等に関する電気情報と送電線等の接続情報とを含む系統情報を取得し、取得した系統情報を用いて、電力系統の電力の潮流状態を表すシミュレーションモデルである系統モデルを作成し、所定の系統事故が系統モデルで発生した場合の過渡安定度を算出し、かつ当該過渡安定度の算出結果に基づいて、所定の系統事故毎に、発電機のうち電力の供給を遮断する電制機の候補を選定する。予測部は、系統モデルの作成に用いた系統情報に含まれる電気情報と系統モデルにおける所定の系統事故毎の電制機の候補との組合せである電制機情報に基づいて、電器情報から電制機を予測する回帰式を作成し、回帰式、および電力系統において系統事故が発生した際の電気情報に基づいて、電制機の候補を予測する。決定部は、選定部により選定された電制機の候補、および予測部により予測した電制機の候補のうち、電力系統における電制量が多い電制機の候補を電制機に決定する。
図1は、本実施形態にかかる電力供給システムの構成の一例を示す図である。 図2は、本実施形態にかかる系統安定化装置における電制機情報の分類処理の一例を説明するための図である。
以下、添付の図面を用いて、本実施形態にかかる系統安定化装置を適用した電力供給システムについて説明する。
図1は、本実施形態にかかる電力供給システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態にかかる電力供給システムは、電力系統1と、伝送系10と、系統安定化装置20と、を有する。電力系統1は、通信端末11−1,11−2,11−3,11−4と、電制端末12−1,12−2、母線2−1,2−2,2−3,2−4,2−5,2−6、送電線3−1,3−2,3−3,3−4,3−5、変圧器4−1,4−2,4−3,4−4、発電機5−1,5−2,5−3,5−4、および遮断器6−1,6−2,6−3,6−4を有する。以下の説明では、母線2−1,2−2,2−3,2−4,2−5,2−6を区別する必要が無い場合には、母線2と記載する。また、送電線3−1,3−2,3−3,3−4,3−5を区別する必要が無い場合には、送電線3と記載する。
発電機5−1,5−2,5−3,5−4は、太陽光や風力等の再エネ電源または化石燃料等の枯渇性エネルギーによって電力を発電し、発電した電力を、送電線3および母線2を介して、需要家に供給する。以下の説明では、発電機5−1,5−2,5−3,5−4を区別する必要が無い場合には、発電機5と記載する。
変圧器4−1は、発電機5−1により発電される電力の電圧を所定電圧に変圧する。変圧器4−2は、発電機5−2により発電される電力の電圧を所定電圧に変圧する。変圧器4−3は、発電機5−3により発電される電力の電圧を所定電圧に変圧する。変圧器4−4は、発電機5−4により発電される電力の電圧を所定電圧に変圧する。以下の説明では、変圧器4−1,4−2,4−3,4−4を区別する必要が無い場合には、変圧器4と記載する。
遮断器6−1は、発電機5−1により発電される電力の需要家への供給を遮断する。遮断器6−2は、発電機5−2により発電される電力の需要家への供給を遮断する。遮断器6−3は、発電機5−3により発電される電力の需要家への供給を遮断する。遮断器6−4は、発電機5−4により発電される電力の需要家への供給を遮断する。以下の説明では、遮断器6−1,6−2,6−3,6−4を区別する必要が無い場合には、遮断器6と記載する。
通信端末11−1は、発電機5から母線2−1を介して需要家に供給される電力に関する情報(以下、系統情報と言う)を計測する。具体的には、通信端末11−1は、母線2−1に接続される送電線3−1により供給される電力等に関する電気情報と当該送電線3−1等の接続情報とを含む系統情報を計測する。通信端末11−2は、発電機5から母線2−2を介して需要家に供給される電力に関する系統情報を計測する。具体的には、通信端末11−2は、母線2−2に接続される送電線3−2の電気情報と当該送電線3−2の接続情報とを含む系統情報を計測する。通信端末11−3は、発電機5から母線2−3を介して需要家に供給される電力に関する系統情報を計測する。具体的には、通信端末11−3は、母線2−3に接続される送電線3−1,3−3,3−4の電気情報と当該送電線3−1,3−3,3−4の接続情報とを含む系統情報を計測する。通信端末11−4は、発電機5から母線2−4を介して需要家に供給される電力に関する系統情報を計測する。具体的には、通信端末11−3は、母線2−4に接続される送電線3−2,3−3,3−5の電気情報と当該送電線3−2,3−3,3−5の接続情報とを含む系統情報を計測する。ここで、系統情報が含む電気情報は、送電線3や変圧器4の有効電力、母線2に印加される母線電圧、送電線3の有効電力と当該送電線3のリアクタンスとの積、変圧器4の有効電力と当該変圧器4のリアクタンスとの積などである。また、系統情報が含む接続情報は、送電線3と変圧器4の接続状態などである。以下の説明では、通信端末11−1,11−2,11−3,11−4を区別する必要が無い場合には、通信端末11と記載する。
電制端末12−1は、遮断器6−1,6−2を制御して、発電機5−1,5−2からの電力の供給の遮断を制御する。また、電制端末12−2は、遮断器6−3,6−4を制御して、発電機5−3,5−4からの電力の供給の遮断を制御する。以下の説明では、電制端末12−1,12−2を区別する必要がない場合には、電制端末12−1,12−2を電制端末12と記載する。
伝送系10は、専用通信回線やインターネット等の通信ネットワークにより構成され、通信端末11と系統安定化装置20との間で、系統情報等の各種情報を伝送する。
系統安定化装置20は、伝送系10を介して、通信端末11から、系統情報等の各種情報を取得し、当該取得した各種情報に基づいて、電力系統1が有する発電機5のうち、電力系統1による電力供給の安定化に必要な電制機を決定する。ここで、電制機は、電力の供給を遮断する発電機5である。
図1に示すように、本実施形態では、系統安定化装置20は、系統情報収集部21、基本系統記憶部22、系統モデル作成部23、電制対象選定部24、計算結果記憶部25、電制機選択部26、回帰式作成部30、および電制機補正部40を有する。系統情報収集部21は、伝送系10を介して、通信端末11から、予め設定された周期毎に、系統情報を取得する。基本系統記憶部22は、電力系統1が有する送電線3のインダクタンス等、電力系統1の構成に関する構成情報を記憶する。
系統モデル作成部23は、系統情報収集部21により取得される系統情報に基づいて、電力系統1の電力の潮流状態を表すシミュレーションモデル(以下、系統モデルと言う)を作成する。本実施形態では、系統モデル作成部23は、系統情報収集部21により取得される系統情報および基本系統記憶部22に記憶される構成情報を組み合わせて、系統モデルを作成する。
電制対象選定部24は、予め設定された系統事故(例えば、短絡や地絡等。所定の系統事故の一例。以下、想定事故条件と言う。)が系統モデルで発生した場合の過渡安定度を算出する。そして、電制対象選定部24は、過渡安定度の算出結果に基づいて、想定事故条件毎に、発電機5のうち電制機の候補を選定する。本実施形態では、系統情報取集部21、系統モデル作成部23、および電制対象選定部24が選定部の一例として機能する。計算結果記憶部25は、系統モデル作成部23による系統モデルの作成に用いた系統情報が含む電気情報と、当該系統モデルにおける想定事故条件毎の電制機の候補との組合せ(以下、電制機情報と言う)を記憶する。
電制機選択部26は、伝送系10を介して、電力系統1において発生した系統事故を示す事故情報を取得する。そして、電制機選択部26は、電制対象選定部24により想定事故条件毎に選定された電制機の候補のうち、取得した事故情報が示す系統事故と一致する想定事故条件について選定された電制機の候補を選択する。
回帰式作成部30は、計算結果記憶部25に記憶される電制機情報に基づいて、系統情報(電制機情報)が含むから電制機を予測する回帰式を作成する。電制機補正部40は、回帰式作成部30により作成される回帰式、および電力系統1において系統事故が発生した際の系統情報が含む電気情報に基づいて、電制機の候補を予測する。本実施形態では、回帰式作成部30および電制機補正部40が、予測部の一例として機能する。
また、電制機補正部40(決定部の一例)は、予測した電制機の候補、および電制機選択部26により選択される電制機の候補のうち、電力系統1における電制量が多い電制機の候補を、電制機に決定する。ここで、電制量は、電制機からの電力供給を遮断することによって、電力系統1からの電力供給が減少する量である。言い換えると、電制量は、電制機の遮断によって、電力系統1からの電力供給が減少する量である。これにより、再エネ電源の出力変化等によって、電力系統1における電力の潮流状態が急変して、電力系統1における発電機5の脱調の防止に必要な電制量が増えた場合でも、回帰式を用いて予測された電制機の候補を、電制機に決定することで、電制量を増やすことが可能となるので、電力系統1における電力の潮流状態が急変した場合でも、電力系統1における発電機5の脱調を抑制できる。電制機補正部40は、決定した電制機を示す遮断情報を、電制端末12に通知する。そして、電制端末12が、遮断器5に遮断指令を送ることで、通知された電制機情報が示す電制機を、電力系統1から遮断する。
次に、回帰式作成部30の具体的な構成について説明する。回帰式作成部30は、計算結果分類部31、入力変数選定部32、係数算出部33、および回帰式選択部34を有する。
計算結果分類部31は、計算結果記憶部25に記憶される電制機情報を、予め設定された分類条件に従って分類する。ここで、分類条件は、電制機情報が含む電気情報が計測された日時および当該電制機情報が含む電制機が選定された系統事故の組合せの条件である。入力変数選定部32は、分類条件毎の電制機情報から、回帰式の作成に用いる電制機情報を選定する。入力変数選定部32による電制機情報の選定処理の詳細については、後述する。
係数算出部33は、分類条件毎に、当該分類条件に分類された電制機情報に基づいて、回帰式の係数を求める。本実施形態では、係数算出部33は、入力変数選定部32により選定された電制機情報に基づいて、分類条件毎に、回帰式の係数を求める。回帰式選択部34は、現時点の月日等の分類条件に合致する回帰式を選択する。すなわち、回帰式選択部34は、分類条件毎に、当該分類条件について求めた係数を含む回帰式を作成する。
次に、電制機補正部40の具体的な構成について説明する。図1に示すように、電制機補正部40は、電制機判定部41および電制機決定部42を有する。
電制機判定部41は、通信端末11から、電力系統1において系統事故が発生した際に計測される系統情報が含む電気情報を取得する。本実施形態では、電制機判定部41は、通信端末11から、電力系統1において系統事故が発生した直前に計測される系統情報が含む電気情報を取得する。そして、電制機判定部41は、取得した電気情報、および回帰式選択部34により選択(作成)される回帰式に基づいて、電制機の候補を予測する。電制機決定部42は、電制機選択部26により選択される電制機の候補、および電制機判定部41により予測される電制機の候補のうち、電力系統1における電制量が多い電制機の候補を、電制機に決定する。
次に、系統安定化装置20において、予め設定された周期で、想定事故条件毎の電制機を選定する処理の流れの一例について説明する。
まず、系統情報収集部21は、伝送系10を介して、予め設定された周期で、通信端末11から、系統情報を取得する。系統モデル作成部23は、系統情報収集部21により取得される系統情報、および基本系統記憶部22に記憶される構成情報を組み合わせて、系統モデルを作成する。電制対象選定部24は、想定事故条件が発生した場合の系統モデルの過渡安定度を算出する。そして、電制対象選定部24は、過渡安定度の算出結果に基づいて、想定事故条件毎に、電制機の候補を選定する。電制機選択部26は、想定事故条件毎に選定された電制機を記憶する。
次に、回帰式作成部30において、系統情報から電制機を予測する回帰式を作成する処理の流れの一例について説明する。
計算結果分類部31は、計算結果記憶部25に記憶される電制機情報を、分類条件に従って分類する。図2は、本実施形態にかかる系統安定化装置における電制機情報の分類処理の一例を説明するための図である。図2に示すように、本実施形態では、計算結果分類部31は、系統情報が計測された月、系統情報が計測された日が平日か休日か、系統情報が計測された時間帯、および電制機の候補が選定された系統事故のグループ(組合せ)を分類条件として、電制機情報を分類する。ここで、電制機情報が含む電気情報は、送電線3の有効電力と、当該送電線3のリアクタンスとの積としているが、電力系統1から需要家に供給される電力に関する情報であれば良く、例えば、母線電圧の位相角等であっても良い。
次に、入力変数選定部32は、分類条件毎の電制機情報の中から、回帰式の作成に用いる電制機情報を選定する。本実施形態では、入力変数選定部32は、分類条件毎の電制機情報のうち、当該電制機情報が含む電気情報の標準偏差が予め設定された値以上であり、かつ当該電制機情報が含む電気情報と電制機の候補との相関係数が高い順に予め設定された数(例えば、5つ)の電制機情報を選定する。すなわち、入力変数選定部32は、どの送電線3の電気情報を、回帰式の作成に用いるかを選定する。具体的には、入力変数選定部32は、下記の式(1)に従って、分類条件毎の各電制機情報について、当該電制機情報が含む電気情報と電制機との相関係数を求める。また、入力変数選定部32は、下記の式(2)に従って、分類条件毎の各電制機情報が含む電気情報の標準偏差を求める。式(1),(2)において、Nは、電制機情報が含む電気情報の数であり、iは、電器情報を識別する番号であり、Xiは、電器情報であり、X´は、電器情報の平均であり、Yiは、電制量であり、Y´は、電制量の平均である。
Figure 2018085834
Figure 2018085834
そして、入力変数選定部32は、分類条件毎の電制機情報のうち、当該電制機情報が含む電気情報の標準偏差が予め設定された値以上であり、かつ当該電制機情報が含む電気情報と電制機との相関係数が高いものから順に予め設定された数の電制機情報を選定する。
係数算出部33は、分類条件毎の電制機情報が含む電制量と、選定された電制機情報が含む電気情報とに基づいて、最小二乗法を用いて、下記の(3)に示す回帰式の係数を求める。式(3)において、aiは、係数であり、Xiは電気情報である。これにより、電器情報を入力として電制量を算出する回帰式を作成することが可能となるので、電力系統1における電力の潮流状態が急変した場合でも、電力系統1における発電機5の脱調をより効果的に抑制できる。係数算出部33では分類条件毎に回帰式を作成する。言い換えると、回帰式選択部34は、下記の式(3)に示すように、係数算出部33により求めた係数を含む回帰式を作成する。そして、回帰式選択部34は、係数算出部33で求めた回帰式の中から現時点の月日等の条件と合致する分類条件の回帰式を選択して系統事故の発生に備える。
Figure 2018085834
そして、電制機判定部41は、回帰式選択部34により作成された回帰式に基づいて、電制機の候補を予測する。その際、電制機判定部41は、回帰式選択部34により選択(作成)された回帰式のうち、電力系統1において発生した系統事故に合致する条件(すなわち、電力系統1において発生した系統事故と当該系統事故が発生した日時の組合せが満たす分類条件)について求めた係数を含む回帰式に基づいて、電制機の候補を予測する。
上述したように、入力変数選定部32および係数算出部33は、過去の電制機情報(すなわち、電制機情報の履歴)を用いて、回帰式の係数を求める。その際、系統情報収集部21が系統情報を取得する予め設定された周期(例えば、1分等)で、計算結果記憶部25に記憶された全ての電制機情報を用いて、全ての時間帯と全ての事故条件の回帰式の係数を求めるのではなく、対象とする時間帯や事故条件に絞って順番に回帰式の係数を求める。本実施形態では、入力変数選定部32および係数算出部33は、所定周期毎に、必要な回帰式の係数を順番に求めるものとする。
次に、本実施形態にかかる系統安定化装置20における電制量の決定処理の全体の流れの一例について説明する。
通信端末11は、電力系統1での系統事故を検出すると、当該検出した系統事故を示す事故情報を、伝送系10を介して、電制機選択部26に送信する。電制機選択部26は、電制対象選定部24により想定事故条件毎に選択された電制機のうち、受信した事故情報が示す系統事故と一致する想定事故条件について選択された電制機の候補を選択する。
電制機判定部41は、1秒など短い周期で、通信端末11において計測された電気情報を取得する。そして、電制機判定部41は、電力系統1での系統事故が検出された場合、回帰式選択部34により作成された回帰式、および電力系統1での系統事故が検出された際に計測された電気情報に基づいて、電制機の候補を予測する。
次いで、電制機決定部42は、電制機選択部26により選択された電制機の候補、および電制機判定部41により予測された電制機の候補のうち、電力系統1における電制量が多くなる電制機の候補を、電制機に決定する。そして、電制機決定部42は、電力系統1において、決定した電制機を示す遮断情報を、電制端末12に対して送信する。電制端末12が遮断情報に対応する電制機を電力系統に接続している遮断器6に遮断指令を送信することで、電制が実行される。
このように、本実施形態にかかる系統安定化装置20によれば、再エネ電源の出力変化等によって、電力系統1における電力の潮流状態が急変して、電力系統1における発電機5の脱調の防止に必要な電制量が増えた場合でも、回帰式を用いて予測された電制機の候補を、電制機に決定することで、電制量を増やすことが可能となるので、電力系統1における電力の潮流状態が急変した場合でも、電力系統1における発電機5の脱調を抑制できる。
なお、本実施形態の系統安定化装置20で実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)等に予め組み込まれて提供される。本実施形態の系統安定化装置20で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
さらに、本実施形態の系統安定化装置20で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の系統安定化装置20で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施形態の系統安定化装置20で実行されるプログラムは、上述した各部(系統情報収集部21、基本系統記憶部22、系統モデル作成部23、電制対象選定部24、計算結果記憶部25、電制機選択部26、回帰式作成部30、および電制機補正部40)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(Central Processing Unit)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、系統情報収集部21、基本系統記憶部22、系統モデル作成部23、電制対象選定部24、計算結果記憶部25、電制機選択部26、回帰式作成部30、および電制機補正部40が主記憶装置上に生成されるようになっている。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 電力系統
2 母線
3 送電線
4 変圧器
5 発電機
6 遮断器
10 伝送系
11 通信端末
12 電制端末
20 系統安定化装置
21 系統情報収集部
22 基本系統記憶部
23 系統モデル作成部
24 電制対象選定部
25 計算結果記憶部
26 電制機選択部
30 回帰式作成部
31 計算結果分類部
32 入力変数選定部
33 係数算出部
34 回帰式選択部
40 電制機補正部
41 電制機判定部
42 電制機決定部

Claims (4)

  1. 予め設定された周期毎に、電力系統の発電機から供給される電力等に関する電気情報と送電線等の接続情報とを含む系統情報を取得し、取得した前記系統情報を用いて、前記電力系統の電力の潮流状態を表すシミュレーションモデルである系統モデルを作成し、所定の系統事故が前記系統モデルで発生した場合の過渡安定度を算出し、かつ当該過渡安定度の算出結果に基づいて、前記所定の系統事故毎に、前記発電機のうち電力の供給を遮断する電制機の候補を選定する選定部と、
    前記系統モデルの作成に用いた前記系統情報に含まれる前記電気情報と前記系統モデルにおける前記所定の系統事故毎の前記電制機の候補との組合せである電制機情報に基づいて、前記電気情報から前記電制機を予測する回帰式を作成し、前記回帰式、および前記電力系統において系統事故が発生した際の前記電気情報に基づいて、前記電制機の候補を予測する予測部と、
    前記選定部により選定された前記電制機の候補、および前記予測部により予測した前記電制機の候補のうち、前記電力系統における電制量が多い前記電制機の候補を前記電制機に決定する決定部と、
    を備えた系統安定化装置。
  2. 前記予測部は、前記電制機情報を、当該電制機情報が含む前記電気情報が計測された日時および当該電制機情報が含む前記電制機の候補が選定された系統事故の組合せの分類条件に従って分類し、前記分類条件毎に、当該分類条件に分類された前記電制機情報に基づいて前記回帰式の係数を求め、かつ前記電力系統において発生した系統事故と当該系統事故が発生した日時の組合せが満たす前記分類条件について求めた前記係数を含む前記回帰式に基づいて、前記電制機の候補を予測する請求項1に記載の系統安定化装置。
  3. 前記予測部は、前記電制機情報の中から、当該電制機情報が含む前記電気情報の標準偏差が予め設定された値以上であり、かつ当該電制機情報が含む前記電気情報と前記電制機の候補の電制量との相関係数が高い順に予め設定された数を選定した前記電制機情報と対応する電制量に基づいて、前記回帰式の係数を求める請求項2に記載の系統安定化装置。
  4. 前記電気情報は、前記電力系統の送電線および変圧器の有効電力と前記送電線および前記変圧器のリアクタンスとの積である請求項1から3のいずれかに記載の系統安定化装置。
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