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JP2018075806A - 合成樹脂容器製造方法及び合成樹脂容器 - Google Patents

合成樹脂容器製造方法及び合成樹脂容器 Download PDF

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JP2018075806A JP2016220724A JP2016220724A JP2018075806A JP 2018075806 A JP2018075806 A JP 2018075806A JP 2016220724 A JP2016220724 A JP 2016220724A JP 2016220724 A JP2016220724 A JP 2016220724A JP 2018075806 A JP2018075806 A JP 2018075806A
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Abstract

【課題】硬質樹脂製の容器本体の外面にクッション性を有する取手が一体成形されてなる合成樹脂容器の製造方法及びその合成樹脂容器を提供する。
【解決手段】予め成形したクッション性を有する取手2をインサート部品としてその融着部21を金型6内に臨ませた状態で入れ子3を用いて金型6に配置するインサート部品配置工程と、その後に、金型6内にパリソンPを供給して金型6を型締めした後に、抽出口12を介してパリソンPをブローしてパリソンとインサート部品2とを融着させる容器成形工程と、を備え、インサート部品配置工程の前に、インサート部品2の融着部21をその背後から支持し、パリソンPを介して受けるブローの圧力に抗する抗圧部材5を、インサート部品2に装着しておくこととした。
【選択図】図2

Description

合成樹脂容器製造方法及び合成樹脂容器に関する。
灯油や飲料水の運搬、保管には、例えば特許文献1に開示されているような、一般にポリタンクと呼ばれる合成樹脂容器が広く使用されている。この種の容器としては、だいたい10リットルから25リットル、なかでも18リットルや20リットルといった容量のものが一般的である。このような運搬や保管に供される大容量の容器には、通常、運搬に便利なように取手が容器本体に設けられており、その取手は容器本体と一体成形により設けられるのが一般的である。
このようになる容器は、上述したように大容量であることから、その容器本体は強度に優れた硬質樹脂で成形されている。したがって、容器本体と一体成形される取手も当然に硬質樹脂でできている。このため、容器を運搬する際に取手の部分を握って容器を持ち上げると、特に中味が満タンに入っている場合はその重量が取手を介して手指に集中的にかかることから、取手が手指に食い込み、痛くて容器を持ち続けられないといったことがあった。
このような問題点に関して、例えば特許文献2に、上記の容器とは形態の異なる試薬容器ではあるが、容器本体に取り付けられた帯状の取手に、この取手の縁部からはみ出すように弾性を有するシート状の保護部材を設け、この保護部材の弾性によって手指にかかる荷重を緩和し、取手が手指に食い込むのを抑制するといった解決手段が開示されている。
実開昭53−115414号公報 特開2012−224391号公報
上記した特許文献2に開示された解決手段を、特許文献1に開示された容器に適用することが考えられるが、容器の取手とは別体の保護部材を取手に一つ一つ取り付けることは極めて煩瑣であり、製造コストの増加を招き経済的に不利である。また、ポリタンクのような容器は、一般的に屋外に保管されることが多く、また、積み重ねられることもあるため、保護部材が経時的に劣化して取手から外れてしまう虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、硬質樹脂製の容器本体の外面にクッション性を有する取手が一体成形されてなる合成樹脂容器の製造方法及びその合成樹脂容器を提供することにある。
上記目的を達するために、本発明は次のとおりの構成としている。
本発明に係る合成樹脂容器製造方法は、少なくとも一つの抽出口を有する硬質樹脂製の容器本体と、把持用開口部を有しこの容器本体の外面に少なくとも一つ設けられた軟質樹脂製でクッション性を有する取手とを備えた合成樹脂容器を、ブロー成形によって製造する合成樹脂容器製造方法であって、予め成形した前記取手をインサート部品としてその融着部を金型内に臨ませた状態で入れ子を用いて前記容器本体に成形されるパリソンの供給方向と平行に金型に配置するインサート部品配置工程と、前記インサート部品配置工程後に、前記金型内に前記パリソンを供給して前記金型を型締めした後に、前記抽出口を介して前記パリソンをブローして前記パリソンと前記インサート部品とを融着させる容器成形工程と、を備え、前記インサート部品配置工程の前に、前記インサート部品の融着部をその背後から支持し、前記パリソンを介して受ける前記ブローの圧力に抗する抗圧部材を、前記インサート部品に装着しておくこと、を特徴とする。
このような特定事項により、硬質樹脂製の容器本体の外面にクッション性を有する取手が設けられた合成樹脂容器を一体成形により製造することができる。
また、抗圧部材をインサート部品(取手)に装着し、インサート部品の融着部をその背後から支持するようにしているので、パリソンのブロー時に該ブローの圧力を受けて融着部が変形するのが防止される。したがって、容器本体と取手との融着部での強度低下の虞がないとともに、容器本体の取手取付側における変形が生じないため、容器全体の美観が損なわれない。
また、上記した合成樹脂容器製造方法では、前記インサート部品配置工程において、前記入れ子と前記金型の内面との空隙に、前記パリソンを介して受ける前記ブローの圧力に抗する入れ子押え支持材を装着してもよい。
この場合、入れ子自体に強度を持たせる必要がなくなるので、例えばアルミニウムなど、軽い金属を採用することができ、入れ子の金型への取付や成形品からの取り外しなどの作業がし易くなる。
本発明に係る合成樹脂容器は、少なくとも一つの抽出口を有する硬質樹脂製の容器本体の外面に、把持用開口部を有する少なくとも一つの軟質樹脂製でクッション性を有する取手が一体成形されてなるものである。
これによれば、容器を運搬する際に取手の部分を握って容器を持ち上げたとき、たとえ中味が満タンに入っていて重くその重量が取手を介して手指に集中的にかかっても、取手それ自体がクッション性を有するものであるから、取手が手指に食い込みにくく、従来の容器とは異なり痛くて容器を持ち続けられないといったことがない。したがって、重い場合も運搬し易い。
ここで、容器本体に使用される硬質樹脂としては、従来の容器と同様のものでよく、ポリエチレン樹脂、なかでも高密度ポリエチレン樹脂が好適であるが、これに限らず例えばポリプロピレン樹脂などが挙げられる。なお、これらは例示であって、容器としての剛性を担保できるものであれば、他の硬質樹脂であってもよい。
一方、取手に使用される軟質樹脂としては、握ったときに手指に弾力を感じさせ得るクッション性を発揮するものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン樹脂やEVA(Ethylene Vinyl Acetate Copolymer)樹脂、あるいはオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂などが挙げられる。なお、これらは例示であって、取手として好適なクッション性を担保できるものであれば、他の軟質樹脂であってもよいが、容器本体の樹脂との融着性に優れたものが採用される。
本発明によれば、硬質樹脂製の容器本体の外面にクッション性を有する取手が一体成形されてなる合成樹脂容器の製造方法及びその合成樹脂容器を提供することができる。
本発明に係る合成樹脂容器の斜視図である。 本発明の合成樹脂容器の製造方法に用いられるインサート部品(取手)、入れ子、抗圧部材及び入れ子押え支持材を示す分解斜視図である。 図2に示すインサート部品(取手)、入れ子、及び抗圧部材を組み上げる途中を示す斜視図である。 図2に示すインサート部品(取手)、入れ子、抗圧部材及び入れ子押え支持材を組み上げた状態を、金型を省いて示す斜視図である。 図2に示すインサート部品(取手)、入れ子、抗圧部材及び入れ子押え支持材を金型内にセットした状態を示す横断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について、まず、本実施形態に係る合成樹脂容器を説明した後に、この合成樹脂容器の製造方法について説明する。
[本実施形態に係る合成樹脂容器の説明]
本実施形態に係る合成樹脂容器について図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る合成樹脂容器の斜視図である。
本実施形態に係る合成樹脂容器1は、容器本体10が略直方体であって、天面11の一端寄りに抽出口12を有するとともに、天面11の長手方向に沿って3つの取手2が並置されたものである。なお、取手2については、以下の説明において、天面11の両端縁に位置する取手と、天面11の中央に位置する取手とを区別して説明する場合、それぞれ取手の符号にアルファベットを付記する(2A、2B等)。
容器本体10は、容量が例えば18リットルから20リットルとされており、硬質樹脂から成形される。この硬質樹脂としては、従来の容器と同様のものでよく、ポリエチレン樹脂、なかでも高密度ポリエチレン樹脂が好適であるが、これに限らず例えばポリプロピレン樹脂などが挙げられる。なお、これらは例示であって、容器としての剛性を担保できるものであれば、他の硬質樹脂であってもよい。
上記取手2は、容器本体10と融着される融着部21と、この融着部21の両端近傍からそれぞれ立ち上げ形成された一対の支柱部22と、この支柱部22の上端部間に架設されたグリップ部23とを備えている。融着部21はグリップ部23よりもやや幅広とされており、後述する入れ子3の取手挿着孔31の内面側開口縁に融着部21の周縁部が係止されるように図られている。そして、融着部21とグリップ部23と両支柱部22,22で囲まれた空間が手指の通過を許容する把持用開口部24とされるとともに、グリップ部23の把持用開口部24に臨む面が、グリップ部23を把持したときに手指に馴染むような波形面25に形成されている。また、グリップ部23は、その両端部が、それぞれ支柱部22の外側に突出するオーバーハング部26とされている。さらに、支柱部22には、取手2同士を連結する場合に使用される連結棒(図示省略)が挿通される通孔22aがそれぞれ形成されている。なお、グリップ部23のオーバーハング部26はデザイン上設けられたものであって、必ずしも設ける必要はない。
融着部21は、容器本体10の天面11の両側縁に設けられる取手2Aと、天面11の中央に設けられる取手2Bとで形状が異なっている。
すなわち、取手2Aの融着部21Aは、天面11の両側縁における曲面に対応する凹面状の融着面21Aa(図2参照)と、グリップ部23に対峙する平面状の上面21Abと、融着面21Aaと相似する凸面形状の外側面21Acと、これら融着面21Aa、上面21Ab及び外側面21Acの各端縁に接合された端面21Adを備えるとともに、上面21Abの裏側と外側面21Acの表面と一対の端面21Adの各裏側とで囲まれた凹部21Aeを有している。また、図2にも示すように、外側面21Acの表面にはその長手方向に沿って複数の凹陥部21Afが設けられるとともに、これに対応する突起部21Agが融着面21Aaに設けられている。なお、図面には表れていないが、上面21Abの裏側には、外側面21Acの表面と連なる補強リブが一対設けられている。
一方、取手2Bの融着部21Bは、天面11の表面に対応する平面状の融着面21Baと、グリップ部23に対峙する平面状の上面21Bbとを備えている。
以上のようになる取手2は、軟質樹脂で成形され、握ったときに手指に弾力を感じさせ得るクッション性を発揮する。この軟質樹脂としては、そのようなクッション性を発揮するものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン樹脂やEVA(Ethylene Vinyl Acetate Copolymer)樹脂、あるいはオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂などが挙げられる。なお、これらは例示であって、取手として好適なクッション性を担保できるものであれば、他の軟質樹脂であってもよいが、容器本体10の樹脂との融着性に優れたものが採用される。
−本実施形態に係る合成樹脂容器の効果−
以上説明した構成により、合成樹脂容器1を運搬する際に取手2の部分を握って容器1を持ち上げたとき、たとえ中味が満タンに入っていて重くその重量が取手2を介して手指に集中的にかかっても、取手2それ自体がクッション性を有するものであるから、取手2が手指に食い込みにくく、従来の容器とは異なり痛くて容器を持ち続けられないといったことがない。したがって、重い場合も運搬し易い。
また、天面11の長手方向に沿って3つの取手2が並置されているため、この合成樹脂容器1を2つ、相互の取手2が平行となるように隣接させると、各合成樹脂容器1の最外に位置する取手2A同士が近接するので、これら取手2Aの両方を同時に把持することができる。すなわち、両方の取手2Aに手指を掛けて、片手で2つの合成樹脂容器1を同時に持ち運びすることができ、両手で最大4個の合成樹脂容器1を持ち運びすることができる。さらに、合成樹脂容器1内に収容物が収容されて重くなったときは、合成樹脂容器1の天面11の両側縁に配置された取手2Aを合成樹脂容器1の両側から2人でそれぞれ把持して、2人で協力して1つの合成樹脂容器1を持ち運びすることもできる。
なお、合成樹脂容器1の取手2の数は、3つに限られるものではなく、1つでもよいし、2つでもよいし、4つ以上であってもよい。また、天面11の長手方向に沿って複数の取手2が列状に設けられていてもよく、その場合1列でも複数列でもよい。さらに、天面11の幅方向に沿って取手2が設けられていてもよい。
[本実施形態に係る合成樹脂容器の製造方法の説明]
次に、本実施形態に係る合成樹脂容器1の製造方法について図2から図5を参照しながら説明する。図2は、本発明の合成樹脂容器の製造方法に用いられるインサート部品(取手)、入れ子、抗圧部材及び入れ子押え支持材を示す分解斜視図である。図3は、インサート部品(取手)、及び入れ子を組み上げる途中を示す斜視図である。図4は、インサート部品(取手)、入れ子、抗圧部材及び入れ子押え支持材を組み上げた状態を、金型を省いて示す斜視図である。図5は、インサート部品(取手)、入れ子、抗圧部材及び入れ子押え支持材を金型内にセットした状態を示す横断面図である。なお、図2において、入れ子押え支持材は2つのうちの一方を紙面の制約上一部破断して示している。
本実施形態に係る合成樹脂容器製造方法は、ブロー成形によって合成樹脂容器を製造する合成樹脂容器製造方法であって、インサート部品配置工程と容器成形工程とを備え、インサート部品配置工程の前に、インサート部品の融着部をその背後から支持し、パリソンを介して受けるブローの圧力に抗する抗圧部材を、インサート部品に装着しておくことを特徴とする。
−入れ子−
まず、インサート部品配置工程で使用する入れ子について説明する。
入れ子3は、金型6内にインサート部品である取手2を配置するのに使用されるもので、図2に示すように、2個一組とされ、各入れ子3の内面は合成樹脂容器1の天面11から側面13の上端縁部の表面を覆う形状とされている。この入れ子3の外側縁部寄りには、取手2の支柱部22及びグリップ部23が挿通される取手挿着孔31が貫設されている。また、この入れ子3の内側端面には切欠部32が設けられており、この切欠部32同士を対峙させて2つの入れ子3を突き合わせた際に、取手2Bの支柱部22Bを両側から支持する通孔33(図4参照)が形成されるようになっている。このようになる入れ子3は、切削加工の容易さ、並びに金型6への装着のし易さ及び容器成形後の取り外しのし易さの点からアルミニウムで形成されている。このように入れ子3をアルミニウム製とした場合、後述する取手2用の抗圧部材5Aに設けられた磁石51を介して取手2Bを入れ子3の切欠部32に装着することができるよういずれか一方の入れ子3の切欠部32の表面に、例えば鉄などの磁着性を有する金属製シート状部材34が添設されている。なお、入れ子3自体を鉄などの磁着性金属で形成した場合は、そのような金属製シート状部材34の添設は不要である。
−入れ子押え支持材−
次に、インサート部品配置工程で使用する入れ子押え支持材について説明する。
入れ子押え支持材4は、図5に示すように、上記した入れ子3と金型6の内面との空隙Sに装着され、ブロー時に入れ子3がパリソンPを介して受けるブローの圧力に抗して入れ子3を支持するものである。この入れ子押え支持材4は、本実施形態では直方体とされているが、形状はこれに限定されず、入れ子3と金型6の内面との空隙Sに装着することができるのであれば形状は任意である。このようになる入れ子押え支持材4は、入れ子3と同様、アルミニウム製とされている。なお、鉄など他の金属で形成されたものであってもよい。また、入れ子3が剛性の高い金属製でブロー時に変形する虞がない場合は、この入れ子押え支持材4は省くことができる。
−抗圧部材−
続いて、インサート部品配置工程の事前作業で使用する抗圧部材について説明する。
抗圧部材5は、容器本体10のパリソンPをブローする際に取手2の融着部21がパリソンPを介して受けるブローの圧力に抗して融着部21をその背後(上面21b)から支持するためのものである。この抗圧部材5には、本実施形態の場合3種類の形態のものがある。なお、以下では符号にアルファベットを付記して区別する。
まず、一つ目の抗圧部材5Aは、取手2の把持用開口部24において融着部21を支持するものである。この抗圧部材5Aは、その外周形状が把持用開口部24の内面形状に合致する形状とされている。なお、天面11の中央に設けられる取手2Bに用いられる抗圧部材5Aには、入れ子3の切欠部32に設けられた磁着性を有する金属製シート状部材34に対応して磁石51が嵌め込まれている。なお、この磁石51は抗圧部材5Aに貫設することにより抗圧部材5Aの両面に露出するようにされていてもよいし、抗圧部材5Aの両面又は片面に凹部を設けてこの凹部内に嵌着されていてもよい。
二つ目の抗圧部材5Bは、取手2の各支柱部22の外側、つまり取手2の長手方向両端部において融着部21を支持するものである。この抗圧部材5Bは、その外周形状が支柱部22の外面とオーバーハング部26の下面と融着部21の上面21bとで囲まれる空間21hに合致する形状とされている。
三つ目の抗圧部材5Cは、取手2Aの凹部21Aeにおいて融着部21Aを支持するものである。この抗圧部材5Cは、その内面の形状が取手2Aの外側面21Acの凸面形状と合致する凹面状とされる一方、上端面が融着部21Aの上面21Abの裏側と、また外側面が入れ子3の内面形状と、それぞれ合致する形状とされている。さらに、上端面には融着部21Aの上面21Abの裏側に設けられた図示しない一対の補強リブと合致する一対の切欠部52,52が設けられるとともに、内面に融着部21Aの外側面21Acの凹陥部21Afと合致する突起53(図5参照)が設けられている。
以上説明した抗圧部材5はいずれも入れ子3と同様、アルミニウム製とされている。なお、鉄など他の金属で形成されたものであってもよい。また、本実施形態では、3つの取手2を設けるものであるため、各取手2に対応した抗圧部材5を使用しているが、例えば、天面11の中央にのみ取手2を設ける場合は、上記三つ目の抗圧部材5Cは不要である。さらに、取手2にオーバーハング部26がなく支柱部22の外側に融着部21が延出されていない場合は、上記二つ目の抗圧部材5Bは不要である。要するに、抗圧部材5は取手2の個数や形状に応じて用意すればよい。
−インサート部品配置工程−
まず、インサート部品配置工程の事前作業として、抗圧部材5をインサート部品である取手2に装着しておく。具体的には、図2において一点鎖線の矢符で示すように、各取手2の把持用開口部24に抗圧部材5Aを嵌入するとともに、各取手2の支柱部22の外面とオーバーハング部26の下面と融着部21の上面21bとで囲まれる空間21hに抗圧部材5Bを嵌入する。また、取手2Aについては、その凹部21Aeに抗圧部材5Cを嵌入する。
以上の事前作業が完了したならば、天面11の両側縁に設けられる取手2Aをそれぞれに対応する入れ子3の取手挿着孔31に、取手2Aのグリップ部23を頭にして入れ子3の内面側から挿着する。これが完了したら、取手2Aが挿着された状態の一方の入れ子3を、金型6の一方の割型61における入れ子収容部62内に配置する。
次に、容器1の天面11の中央に配される取手2Bを、図3に示すように、金型6に配置済の入れ子3の切欠部32に、抗圧部材5の磁石51を該切欠部32の金属製シート状部材34に磁着させることで取り付ける。
続いて、残りの入れ子3を金型6の他方の割型61における入れ子収容部62内に配置したら、最後に入れ子3と金型6の内面との空隙に入れ子押え支持材4を装着し、この工程が完了する。
なお、入れ子3が高強度のもので、ブローの圧力を受けても変形する虞がない場合は、入れ子押え支持材4の装着を省略してもよい。
−容器成形工程−
容器成形工程は、上述のインサート部品配置工程後に行われ、金型6内のキャビティ63にパリソンPを供給して金型6を型締めした後に、抽出口12を介してパリソンPをブローしてパリソンPとインサート部品(取手2)とを融着させる工程である。
ここで、パリソンPを供給するパリソン供給装置(図示省略)は、金型6の上方に配置されており、パリソンPはパリソン供給装置から垂直方向(図5において紙面に垂直な方向)に垂下される。
金型6は、図5に示すように、一対の対向した割型61,61からなり、パリソン供給装置の下方において水平方向に型開き、型締め自在とされている。金型6内部には、合成樹脂容器1の形状に合致するキャビティ63を備えている。そして、このようなる金型6には、それぞれ、割型61,61の一方側(作業者に対峙する側)に上述した入れ子3を収容する入れ子収容部62がパリソンPの供給方向と平行に設けられている。
まず、インサート部品配置工程を完了した型開き状態にある金型6の上方からパリソン供給装置によってパリソンPを垂下させてパリソンPを金型6内に導入する。
次に、金型6でパリソンPを挟みこんで型締めする。このときインサート部品(取手)2、入れ子3、抗圧部材5及び入れ子押え支持材4は、図4に示すように組み上げられることとなり、中央の取手2Bは、2つの入れ子3間の通孔33内に支持される。その後、
抽出口12の成形部位に対応して配された図示しない空気供給管を抽出口12からパリソンP内に突き刺すように挿入し、空気供給管からパリソンP内に圧縮空気を供給する。これによりパリソンPはキャビティ63内で膨張し、やがてキャビティ63の内面に圧接する。キャビティ63内には、入れ子3で支持された取手2の融着部21が露出しているので、この圧接によりパリソンPと融着部21とが融着する。ここでパリソンPの温度は、通常のブロー成形では約160〜180℃であるが、本発明においてはパリソンPと融着部21とが良好に融着するようそれよりやや高めの180〜200℃が好ましい。
ブローが完了したならば、パリソンPの固化をまって金型6を型開きし、まず入れ子押え支持材4を金型6から取り出してから成形品を金型6から取り出す。このとき、成形品には入れ子3及び抗圧部材5が着いた状態となっているので、これら入れ子3及び抗圧部材5を順次成形品から取り外し、これにより、天面に複数の取手3を備えた合成樹脂容器1が完成する。
−本実施形態に係る合成樹脂容器の製造方法の効果−
以上説明したとおり、本実施形態では、硬質樹脂製の容器本体10の外面にクッション性を有する複数の取手2が設けられた合成樹脂容器1を一体成形により効率よく製造することができる。
また、抗圧部材5をインサート部品(取手)2に装着し、取手2の融着部21をその背後から支持するようにしているので、パリソンPのブロー時に該ブローの圧力を受けて融着部21が変形するのが防止される。したがって、容器本体10と取手2との融着部での強度低下の虞がないとともに、容器本体10の取手2取付側における変形が生じないため、容器全体の美観が損なわれない。
また、インサート部品配置工程において、入れ子3と金型6の内面との空隙に、パリソンPを介して受けるブローの圧力に抗する入れ子押え支持材4を装着しているので、入れ子3自体に強度を持たせる必要がなくなる。従って、入れ子押え支持材4として、例えばアルミニウムなど、軽い金属を採用することができるため、入れ子3の金型6への取付や成形品からの取り外しなどの作業がし易くなる。
なお、上記に示した本発明の実施形態はいずれも本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
1 合成樹脂容器
10 容器本体
11 天面
12 抽出口
2 取手
21 融着部
24 把持用開口部
3 入れ子
4 入れ子押え支持材
5 抗圧部材
6 金型
P パリソン

Claims (3)

  1. 少なくとも一つの抽出口を有する硬質樹脂製の容器本体と、把持用開口部を有しこの容器本体の外面に少なくとも一つ設けられた軟質樹脂製でクッション性を有する取手とを備えた合成樹脂容器を、ブロー成形によって製造する合成樹脂容器製造方法であって、
    予め成形した前記取手をインサート部品としてその融着部を金型内に臨ませた状態で入れ子を用いて前記容器本体に成形されるパリソンの供給方向と平行に金型に配置するインサート部品配置工程と、
    前記インサート部品配置工程後に、前記金型内に前記パリソンを供給して前記金型を型締めした後に、前記抽出口を介して前記パリソンをブローして前記パリソンと前記インサート部品とを融着させる容器成形工程と、を備え、
    前記インサート部品配置工程の前に、前記インサート部品の融着部をその背後から支持し、前記パリソンを介して受ける前記ブローの圧力に抗する抗圧部材を、前記インサート部品に装着しておくこと、
    を特徴とする合成樹脂容器製造方法。
  2. 請求項1に記載の合成樹脂容器製造方法であって、
    前記インサート部品配置工程において、前記入れ子と前記金型の内面との空隙に、前記パリソンを介して受ける前記ブローの圧力に抗する入れ子押え支持材を装着すること、
    を特徴とする合成樹脂容器製造方法。
  3. 少なくとも一つの抽出口を有する硬質樹脂製の容器本体の外面に、把持用開口部を有する少なくとも一つの軟質樹脂製でクッション性を有する取手が一体成形されてなる合成樹脂容器。
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