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JP2018054012A - ブレーキ装置 - Google Patents

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JP2018054012A
JP2018054012A JP2016190296A JP2016190296A JP2018054012A JP 2018054012 A JP2018054012 A JP 2018054012A JP 2016190296 A JP2016190296 A JP 2016190296A JP 2016190296 A JP2016190296 A JP 2016190296A JP 2018054012 A JP2018054012 A JP 2018054012A
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達也 佐野
Tatsuya Sano
達也 佐野
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Abstract

【課題】簡単な構造により、伝達される振動を減衰させることができるブレーキ装置を提供すること。【解決手段】ブレーキ装置10は、ディスクロータ12及びブレーキドラム15を回転可能に支持する車軸Jに設けられ、車軸Jの軸方向Dに積層されるとともに複数のボルトBによって互いに締結されるキャリパブラケット13及びバッキングプレート16を有する。キャリパブラケット13及びバッキングプレート16のうちのキャリパブラケット13には、バッキングプレート16と対向する対向面13cに対して車軸Jの軸方向Dにて凹む凹部13dを設ける。このように凹部13dを設けることによってキャリパブラケット13とバッキングプレート16との間に空間が形成される。バッキングプレート16が空間内の空気に振動を伝達することにより振動の振動エネルギーを消費されて、振動は減衰する。【選択図】図1

Description

本発明は、ブレーキ装置に関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に開示されたブレーキ装置が知られている。この従来のブレーキ装置では、ディスクロータの一面を覆うダストカバーと、ダストカバーを取り付けるための取付面を有する取付部材と、ダストカバーの中央部を取付部材の取付面側に面接触させた状態でダストカバーを取付面に圧接状態で締め付ける締付部材とを備えている。そして、この従来のブレーキ装置では、取付面の外周縁部に対して、外周縁に向かうにつれてダストカバーから離間し、取付面と滑らかに連続する傾斜面が設けられるようになっている。
特開2012−127363号公報
ところで、ブレーキ装置においては、車両の走行時に路面から車輪を介して伝達される振動、及び、摩擦摺動面に摩擦部材を押圧して制動力を発生させたときの振動が生じる。これらの振動がブレーキ装置に設けられた板状の板部材に伝達されたとき、板部材の固有振動数にて共振すると、板部材が過度の大振幅によって振動する場合がある。上記従来のブレーキ装置では、取付部材の周縁部に対して傾斜面を設けてダストカバーが振動し易くされており、ダストカバーが振動する場合、振動するダストカバーの取付部材の周縁部との接触部分における応力集中を緩和するようになっている。
しかしながら、上記従来のブレーキ装置では、伝達された振動によってダストカバーが固有振動数にて共振した場合、取付部材がダストカバーを拘束しないので、ダストカバーが大振幅で振動する。これにより、ダストカバーは破損し易くなってしまう。従って、ブレーキ装置においては、ブレーキ装置に伝達される振動及び制動に伴って発生する振動を低減(減衰)することが望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡単な構造により、走行時又は制動時に伝達される振動を減衰させることができるブレーキ装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に係るブレーキ装置の発明は、車輪側回転部材の摩擦摺動面に摩擦部材を押圧して制動力を得るブレーキ装置であって、車輪側回転部材を回転可能に支持する車軸に設けられ、車軸の軸方向に積層されるとともに複数の締結部材によって互いに締結される第一の板部材及び第二の板部材のうちの一方の板部材において第一の板部材及び第二の板部材のうちの他方の板部材と対向する対向面に対して車軸の軸方向にて凹む凹部を設ける。
これによれば、ブレーキ装置において車軸の軸方向に積層されて互いに締結される第一の板部材及び第二の板部材のうちの一方の板部材に対して他方の板部材と対向する対向面に凹部を設けることができる。これにより、一方の板部材に設けられた凹部と他方の板部材とによって、振動を低減する空間を形成することができる。このように凹部を設けて空間を形成することにより、第一の板部材及び第二の板部材に伝達された振動を空間内の空気に伝達することでき、伝達された振動の振動エネルギーを効果的に低減することができる。その結果、第一の板部材及び第二の板部材の振動を減衰させることができる。
本発明によるブレーキ装置の概略的な全体図である。 図1のキャリパブラケット、バッキングプレート及びダストカバーを説明するための図である。 図1のキャリパブラケット及びユニットベアリングのフランジ部を説明するための図である。 図1のキャリパブラケットに設けられる凹部を説明するための図である。 図4Aのキャリパブラケットの4B−4Bにおける断面図である。 キャリパブラケット、バッキングプレート、フランジ部及びダストカバーを締結した状態における振動の減衰を説明するための断面図である。 第一実施形態の第一変形例に係り、凹部をバッキングプレートに設けた場合を示す断面図である。 第一実施形態の第二変形例に係り、凹部をフランジ部に設けた場合を示す断面図である。 図7のフランジ部に設けた凹部に減衰材料を設けた場合を示す断面図である。 第一実施形態の第三変形例に係り、キャリパブラケットのバッキングプレートに対向する対向面及びキャリパブラケットのフランジ部に対向する対向面にそれぞれ凹部を設けた場合を示す断面図である。 第一実施形態の第四変形例に係り、キャリパブラケットに凹部を設けるとともにフランジ部に凹部を設けた場合を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施形態及び各変形例の相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付してある。又、説明に用いる各図は概念図であり、各部の形状は必ずしも厳密なものではない場合がある。
図1に示すように、本実施形態のブレーキ装置10は、ドラムインハットタイプのブレーキ装置である。ブレーキ装置10は、例えば、車両の後輪側に設けられており、ディスク11を備えている。ディスク11は、車軸Jに組み付けられたハブHに固定されて、車軸J及びハブHとともに回転可能に支持される。ディスク11は、ディスクブレーキ機構を構成する円盤状の車輪側回転部材としてのディスクロータ12を有している。ディスクロータ12の径方向外方の外周面には、キャリパブラケット13に支持されてディスクロータ12に対して回転不能に支持されるブレーキキャリパ14が設けられる。又、ディスクロータ12の径方向外方の外周面には、ブレーキキャリパ14に対して相対変位不能に取り付けられた摩擦部材としてのブレーキパッド14aと摩擦係合する摩擦摺動面12aが設けられている。
ディスクロータ12の中央部分には、ドラムブレーキ機構を構成して、車軸Jの軸方向Dにて車体(図示省略)側に向けて開口する有底円筒状の車輪側回転部材としてのブレーキドラム15が設けられている。尚、ブレーキ装置10におけるドラムブレーキ機構は、車両の駐車時に作動させるパーキングブレーキとして機能する。ブレーキドラム15の内周面には、キャリパブラケット13に車軸Jの軸方向Dに積層されるバッキングプレート16に回転不能に固定された摩擦部材としてのブレーキシュー17と摩擦係合する摩擦摺動面15aが設けられている。ブレーキシュー17は、パーキングブレーキ操作に応じてブレーキドラム15の摩擦摺動面15aに押圧されて摩擦係合する。
これにより、ブレーキ装置10は、車輪側回転部材としてのディスクロータ12の摩擦摺動面12aにブレーキキャリパ14に回転不能に支持された摩擦部材としてのブレーキパッド14aが押圧されて制動力を得るディスクブレーキ機構を有する。又、ブレーキ装置10は、車輪側回転部材としてのブレーキドラム15の摩擦摺動面15aにバッキングプレート16に回転不能に支持された摩擦部材としてのブレーキシュー17が押圧されて制動力を得るドラムブレーキ機構を有する。そして、ブレーキ装置10においては、車軸J(ハブH)に回転可能に支持されたディスクロータ12及びブレーキドラム15が一体に構成されたハット状のディスク11を有する。尚、ブレーキ装置10の詳細な構造及び詳細な作動自体は、本発明に関係しないので、その説明を省略する。
ブレーキ装置10は、キャリパブラケット13及びバッキングプレート16を備えている。又、ブレーキ装置10は、車軸Jを構成するハブHに対して、キャリパブラケット13及びバッキングプレート16を回転不能に支持するユニットベアリング18を備えている。ユニットベアリング18は、インナーレース18aがハブH(車軸J)に連結されるとともに、アウターレース18bがキャリパブラケット13及びバッキングプレート16に嵌合される。又、ユニットベアリング18のアウターレース18bは、例えば、車体側に設けられる非回転部材であるキャリアNに対して固定されるフランジ部18cを有している。フランジ部18cは、車軸Jの軸方向Dにキャリパブラケット13に積層されている。キャリパブラケット13及びバッキングプレート16には、図1及び図2に示すように、それぞれ、アウターレース18bの外周面に対して嵌め合いとなるように(所謂、インローとなるように)、貫通孔13a及び貫通孔16aが設けられている。
又、キャリパブラケット13、バッキングプレート16及びフランジ部18cには、図1〜図3に示すように、複数の締結部材として、例えば、四本のボルトBをそれぞれ挿通させる四つの貫通孔13b、貫通孔16bおよび貫通孔18c1が設けられている。これにより、キャリパブラケット13、バッキングプレート16及びフランジ部18c(ユニットベアリング18)は、図1に示すように、四つの貫通孔13b、貫通孔16b及び貫通孔18c1のそれぞれにボルトBが挿通された後ナットにより一体に締結される。これにより、キャリパブラケット13、バッキングプレート16及びフランジ部18cは、ハブH(車軸J)、即ち、ディスクロータ12及びブレーキドラム15に対して回転不能とされる。
本実施形態においては、第一の板部材がキャリパブラケット13であり、第二の板部材がバッキングプレート16である。そして、キャリパブラケット13及びバッキングプレート16のうちの一方の板部材であるキャリパブラケット13には、図4Aに示すように、バッキングプレート16に対向する対向面13cに対して車軸Jの軸方向Dにて凹む凹部13dが設けられる。凹部13dは、キャリパブラケット13に設けられた4つの貫通孔13bに挿通された複数のボルトBのボルト締結座面B1(図3を参照)を含む領域A(図4Aにて破線の丸で囲む領域A)の内側に設けられる。具体的に、凹部13dは、図4A及び図4Bに示すように、貫通孔13a(即ち、インロー)の周囲及び貫通孔13bの周囲におけるボルト締結座面B1を含むように設けられる。
これにより、図3に示すように、ボルトBを締め付けた際のボルト締結座面B1によってフランジ部18cがキャリパブラケット13に押圧され、且つ、キャリパブラケット13がバッキングプレート16に押圧される場合、キャリパブラケット13はバッキングプレート16に対して必要十分な接触面積により接触する。具体的に、凹部13dが設けられたキャリパブラケット13は、ボルトBによって締結された場合、バッキングプレート16に対してボルト締結座面B1を含む領域Aよりも外側の領域で接触する。即ち、キャリパブラケット13は、バッキングプレート16に対して全面での接触ではなく、外周面での接触となる。
又、図4Bに示すように、凹部13dの車軸Jの軸方向Dへの深さは、ボルトBによる締め付け力によって変形が生じず、且つ、キャリパブラケット13がブレーキキャリパ14を支持するための機械的強度を有するように決定される。具体的には、板状のキャリパブラケット13の厚み寸法の半分よりも小さな深さとなるように決定される。このように、凹部13dが設けられる領域及び凹部13dの深さが決定されることにより、ボルトBによって締結された場合、キャリパブラケット13はバッキングプレート16に対して相対変位(ガタツキ)を生じることなく積層されて締結される。
ブレーキ装置10においては、キャリパブラケット13に凹部13dが設けられ、車軸Jの軸方向Dに、フランジ部18c、キャリパブラケット13、バッキングプレート16の順に積層されて、ボルトBにより締結される。そして、図5に示すように、第一の板部材であるキャリパブラケット13と第二の板部材であるバッキングプレート16との間には、ディスクロータ12の一部を覆う板状のダストカバー19が挟持される。
ところで、凹部13dは、図5に示すように、キャリパブラケット13とバッキングプレート16とが締結された状態において、剛体であるキャリパブラケット13、剛体であるバッキングプレート16及び剛体であるアウターレース18bの間に空間を形成する。このように、凹部13dを設けて空間を形成することにより、キャリパブラケット13、バッキングプレート16及びフランジ部18cに振動が伝達された場合、伝達された振動は空間内の空気を振動させることによって減衰される。具体的に、図5に示すように、バッキングプレート16の板厚は、キャリパブラケット13の板厚に比して小さいので、伝達された振動によって空間内の空気を振動させる。空間内の空気は、バッキングプレート16の振動と共振することにより、バッキングプレート16の振動エネルギーを消費する。即ち、凹部13dを設けて形成される空間は、所謂レゾネータの機能を発揮する。
バッキングプレート16は、ボルトBによって、キャリパブラケット13及びフランジ部18cと一体となるように締結されている。従って、キャリパブラケット13及びフランジ部18cの振動(振動エネルギー)がバッキングプレート16に伝達され、バッキングプレート16において振動エネルギーが消費されることにより、キャリパブラケット13、バッキングプレート16及びフランジ部18cの全体の振動エネルギーが消費される。その結果、キャリパブラケット13、バッキングプレート16及びフランジ部18cに伝達された振動は減衰される。
ダストカバー19は、キャリパブラケット13とバッキングプレート16との間に挟持される。上述したように、キャリパブラケット13、バッキングプレート16及びフランジ部18cの振動が減衰されることにより、ダストカバー19に伝達される振動も減衰される。そして、ダストカバー19の振動が減衰されることにより、ダストカバー19が大振幅により振動することが防止される。
以上の説明からも理解できるように、本実施形態のブレーキ装置10は、車輪側回転部材としてのディスクロータ12及び摩擦部材としてのブレーキパッド14aをディスクロータ12に対して回転不能に支持するブレーキキャリパ14を備えたディスクブレーキ機構と、車輪側回転部材としてのブレーキドラム15及び摩擦部材としてのブレーキシュー17をブレーキドラム15に対して回転不能に支持するバッキングプレート16を備えたドラムブレーキ機構と、を有し、ディスクロータ12及びブレーキドラム15が一体に構成されたディスク11を有して、ディスクロータ12の摩擦摺動面12aにブレーキパッド14aを押圧して制動力を得るとともにブレーキドラム15の摩擦摺動面15aにブレーキシュー17を押圧して制動力を得るブレーキ装置である。
本実施形態のブレーキ装置10では、ディスクロータ12及びブレーキドラム15を回転可能に支持する車軸Jに設けられ、車軸Jの軸方向Dに積層されるとともに複数の締結部材としてのボルトBによって第一の板部材及び第二の板部材が互いに締結される。第一の板部材は、キャリパブラケット13、バッキングプレート16及びユニットベアリング18のフランジ部18cのうちのキャリパブラケット13であり、第二の板部材は、キャリパブラケット13、バッキングプレート16及びユニットベアリング18のフランジ部18cのうちのバッキングプレート16である。そして、本実施形態のブレーキ装置10では、キャリパブラケット13及びバッキングプレート16のうちの一方の板部材であるキャリパブラケット13において他方の板部材であるバッキングプレート16と対向する対向面13cに対して車軸Jの軸方向Dにて凹む凹部13dが設けられる。
これによれば、ブレーキ装置10において車軸Jの軸方向Dに積層されて互いに締結されるキャリパブラケット13に対してバッキングプレート16と対向する対向面13cに凹部13dを設けることができる。これにより、キャリパブラケット13に設けられた凹部13dとバッキングプレート16とによって、振動を低減する空間を形成することができる。この空間は、空気と共振することにより振動の振動エネルギーを消費して振動を減衰する共鳴室(レゾネータ)として作用させることができる。このように凹部13dを設けて形成される空間を共鳴室として作用させることにより、キャリパブラケット13及びバッキングプレート16と、キャリパブラケット13に積層されるフランジ部18cに伝達された振動の振動エネルギーを効果的に低減することができる。その結果、キャリパブラケット13及びバッキングプレート16と、キャリパブラケット13に積層されるフランジ部18cの振動を良好に減衰させることができる。
ところで、キャリパブラケット13はブレーキキャリパ14を支持している。ブレーキキャリパ14はブレーキパッド14aをディスクロータ12の摩擦摺動面12aに押圧して制動力を発生させる際に振動する。このブレーキキャリパ14の振動は、例えば、制動時における異音(所謂、ブレーキ鳴き)を助長する可能性がある。このようなブレーキキャリパ14の振動がキャリパブラケット13に伝達された場合においても、凹部13dを設けることにより形成される空間によって伝達された振動の振動エネルギーを消費して振動を減衰することができる。従って、ブレーキ装置10においては、制動時に発生する異音を低減することができる。
この場合、キャリパブラケット13及びバッキングプレート16は、それぞれ、複数のボルトBを挿通する複数の貫通孔13b及び貫通孔16bが形成されており、キャリパブラケット13に設けられる凹部13dは、複数の貫通孔13b及び貫通孔16bに挿通された複数の締結部材としてのボルトBのボルト締結座面B1を含む領域Aの内側に設けられる。
バッキングプレート16の板厚はキャリパブラケット13の板厚よりも小さく、又、バッキングプレート16にはユニットベアリング18のアウターレース18bと嵌め合いの関係にある(インローとして)貫通孔16aが形成される。このため、バッキングプレート16は、特に、貫通孔16a及び貫通孔16bを設けるための加工によって変形が生じやすく、締結時にキャリパブラケット13と接触する面に凹凸が生じやすい。このような凹凸の存在するバッキングプレート16にキャリパブラケット13の対向面13cを全面で(即ち、凹部13dを設けることなく)接触させて締結した場合には、接触による摩擦が小さくなる。その結果、バッキングプレート16に対してキャリパブラケット13が相対変位する(ガタツキを生じる)ようになり、無用な振動を生じさせる場合がある。
これに対して、キャリパブラケット13の領域Aの内側に凹部13dを設けることにより、貫通孔13bを挿通したボルトBによって締結されるキャリパブラケット13はバッキングプレート16に対して領域Aの外側の領域で接触する。即ち、キャリパブラケット13の凹部13dは、バッキングプレート16の凹凸を避ける(逃がす)ことができるので、キャリパブラケット13の対向面13cがバッキングプレート16に対して離間する(所謂、浮きが生じる)ことを防止することができる。又、キャリパブラケット13に凹部13dを設けることにより、キャリパブラケット13の対向面13cとバッキングプレート16とが接触する接触面積が、対向面13cの全面で接触する場合に比して小さくなる。これにより、ボルトBによって締結された際のキャリパブラケット13の対向面13cとバッキングプレート16との接触面における単位面積当たりの力(圧力)が大きくなる。
これらにより、キャリパブラケット13とバッキングプレート16との接触状態を良好に保つことができる。従って、例えば、キャリパブラケット13がバッキングプレート16に対して相対変位するガタツキの発生を防止することができる。
又、キャリパブラケット13のガタツキの発生を防止することにより、キャリパブラケット13の固有振動数を安定させることができる。ここで、キャリパブラケット13及びブレーキキャリパ14の固有振動数は、制動時に発生する異音(ブレーキ鳴き)、即ち、低周波領域の振動に繋がる。従って、凹部13dによって伝達された振動を効率良く減衰することに加えて、凹部13dによってキャリパブラケット13のガタツキの発生を防止することにより、キャリパブラケット13の固有振動数を安定させてブレーキ鳴きの発生を効果的に防止(抑制)することができるという効果も奏する。
又、これらの場合、第一の板部材及び第二の板部材は、バッキングプレート16、バッキングプレート16に車軸Jの軸方向Dに積層されてブレーキキャリパ14をディスクロータ12に対して回転不能に支持するキャリパブラケット13、及び、キャリパブラケット13に車軸Jの軸方向Dに積層されてバッキングプレート16及びキャリパブラケット13を車軸Jに対して回転不能に支持するユニットベアリング18を非回転部材としてのキャリアNに固定するフランジ部18c、のうちの二つとすることができる。
これによれば、車両の走行時及び制動時に発生する振動が伝達されやすい板部材のうちから第一の板部材及び第二の板部材を選択して決定することができる。具体的に、ブレーキ装置10では、振動が伝達されやすい二つの板部材として、キャリパブラケット13及びバッキングプレート16が選択される。そして、キャリパブラケット13及びバッキングプレート16の一方であるキャリパブラケット13の対向面13cに対して凹部13dを設けることにより、振動を効果的に減衰することができる。又、キャリパブラケット13については、機能上、板厚を大きくする必要がある。このため、薄板のバッキングプレート16に凹部を設ける場合に比して、容易に凹部13dを設けることができる。これにより、ブレーキ装置10の製造コストを低減することができる。
又、これらの場合、キャリパブラケット13と、バッキングプレート16との間にて挟持されてディスクロータ12の一部を覆うダストカバー19が設けられる。
これによれば、伝達された振動が減衰されるキャリパブラケット13とバッキングプレート16にダストカバー19が挟持されるので、ダストカバー19に伝達される振動も減衰される。これにより、ダストカバー19が固有振動数で共振することを抑制できる。又、キャリパブラケット13は、領域Aの外側でバッキングプレート16とともにダストカバー19を挟持するので、ダストカバー19を拘束して振動を抑制することができる。この場合、ダストカバー19に伝達される振動は減衰されるので、例えば、ダストカバー19におけるキャリパブラケット13の外周端との当接部分での応力集中は、効果的に緩和される。
<実施形態の第一変形例>
上記実施形態においては、キャリパブラケット13に車軸Jの軸方向Dに凹む凹部13dを設けた。これに代えて、図6に示すように、バッキングプレート16に対して、車軸Jの軸方向Dに積層されるキャリパブラケット13に対向する対向面16cに車軸Jの軸方向Dに凹む凹部16dを設けることも可能である。この場合においても、凹部16dを設けることにより、キャリパブラケット13、バッキングプレート16及びアウターレース18bの間に空間が形成されるので、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
<実施形態の第二変形例>
上記実施形態においては、キャリパブラケット13に車軸Jの軸方向Dに凹む凹部13dを設けた。これに代えて、図7に示すように、フランジ部18cに対して、車軸Jの軸方向Dに積層されるキャリパブラケット13に対向する対向面18dに車軸Jの軸方向Dに凹む凹部18eを設けることも可能である。この場合においては、凹部18eを設けることにより、キャリパブラケット13、フランジ部18c及びアウターレース18bの間に空間が形成される。この場合、フランジ部18cの凹部18eを設けた部分の板厚が小さくなるので、この部分が空間内の空気に振動を伝達する。その結果、上記実施形態の場合と同様に、空間内の空気が振動してフランジ部18cに伝達された振動の振動エネルギーを消費するので、キャリパブラケット13、バッキングプレート16及びフランジ部18cの全体の振動が減衰される。従って、上記実施形態の場合と同様の効果が期待できる。
この場合、図8に示すように、凹部18eを設けることによって形成される空間内に、減衰効果を発揮する減衰材料G、例えば、ゴム材料やシリコン材料等を収容することも可能である。このように、減衰材料Gを空間内に収容することによって、減衰材料Gは伝達される振動の振動エネルギーを効率よく消費することができるので、より高い減衰効果を得ることができる。従って、上記実施形態の場合と同様の効果が期待できる。
<実施形態の第三変形例>
上記実施形態においては、バッキングプレート16に対向する対向面13cにのみ凹部13dを設けるようにした。これに加えて、図9に示すように、キャリパブラケット13に対して、バッキングプレート16に対向する対向面13c1に車軸Jの軸方向Dに凹む凹部13d1を設けるとともに、フランジ部18cに対向する対向面13c2に車軸Jの軸方向Dに凹む凹部13d2を設けるようにすることも可能である。
この場合には、凹部13d1を設けることによりキャリパブラケット13、バッキングプレート16及びアウターレース18bの間に空間が形成され、凹部13d2を設けることによりキャリパブラケット13、フランジ部18c及びアウターレース18bの間に空間が形成される。そして、この場合には、バッキングプレート16において振動の振動エネルギーが消費される。これに加えて、例えば、キャリパブラケット13の凹部13d1及び凹部13d2が形成される部分が形成された空間内の空気に振動を伝達することにより振動エネルギーが消費される。その結果、キャリパブラケット13、バッキングプレート16及びフランジ部18cに伝達された振動を減衰することができるので、上記実施形態の場合と同様の効果が得られる。
<実施形態の第四変形例>
上記実施形態においては、キャリパブラケット13に凹部13dを設けるようにした。この場合、キャリパブラケット13に凹部13dを設けることに加えて、図10に示すように、フランジ部18cのキャリパブラケット13に対向する対向面18dに車軸Jの軸方向Dに凹む凹部18eを設けることも可能である。この場合においても、上記実施形態の場合と同様に、振動の振動エネルギーを消費して振動を減衰することができるので、上記実施形態の場合と同様の効果が得られる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変形例を採用することができる。
例えば、上記実施形態においては、ブレーキ装置10がドラムインハットタイプのブレーキ装置であるとした。この場合、ブレーキ装置10がディスクブレーキ装置であっても良い。ブレーキ装置10がディスクブレーキ装置の場合においては、第一の板部材及び第二の板部材は、例えば、ナックルのフランジ部、キャリパブラケット及びダストカバー等の板部材のうちの二つであると良い。又、ブレーキ装置10がドラムブレーキ装置であっても良い。ブレーキ装置10がドラムブレーキ装置の場合においては、第一の板部材及び第二の板部材は、例えば、キャリアのフランジ部、ユニットベアリングのフランジ部及びバッキングプレート等の板部材のうちの二つであると良い。このようなディスクブレーキ装置及びドラムブレーキ装置の場合においても、車軸の軸方向に積層される第一の板部材及び第二の板部材のうちの一方の板部材の他方の板部材に対向する対向面に車軸の軸方向に凹む凹部を設けることにより、上記実施形態及び上記各実施形態と同様の効果が得られる。
10…ブレーキ装置、11…ディスク、12…ディスクロータ(車輪側回転部材)、12a…摩擦摺動面、13…キャリパブラケット、13a…貫通孔、13b…貫通孔、13c…対向面、13c1…対向面、13c2…対向面、13d…凹部、13d1…凹部、13d2…凹部、14…ブレーキキャリパ、14a…ブレーキパッド、15…ブレーキドラム(車輪側回転部材)、15a…摩擦摺動面、16…バッキングプレート、16a…貫通孔、16b…貫通孔、16c…対向面、16d…凹部、17…ブレーキシュー、18…ユニットベアリング(ベアリング)、18a…インナーレース、18b…アウターレース、18c…フランジ部、18c1…貫通孔、18d…対向面、18e…凹部、19…ダストカバー、A…領域、B…ボルト、D…車軸の軸方向、H…ハブ、J…車軸、N…キャリア(非回転部材)、G…減衰材料

Claims (5)

  1. 車輪側回転部材の摩擦摺動面に摩擦部材を押圧して制動力を得るブレーキ装置であって、
    前記車輪側回転部材を回転可能に支持する車軸に設けられ、前記車軸の軸方向に積層されるとともに複数の締結部材によって互いに締結される第一の板部材及び第二の板部材のうちの一方の板部材において前記第一の板部材及び前記第二の板部材のうちの他方の板部材と対向する対向面に対して前記車軸の前記軸方向にて凹む凹部を設けたブレーキ装置。
  2. 前記第一の板部材及び前記第二の板部材は、それぞれ、前記複数の前記締結部材を挿通する複数の貫通孔が形成されており、
    前記一方の板部材に設けられる前記凹部は、
    前記複数の前記貫通孔に挿通された前記複数の前記締結部材の締結座面を含む領域の内側に設けられる、請求項1に記載のブレーキ装置。
  3. 前記ブレーキ装置は、
    前記車輪側回転部材としてのディスクロータ及び前記摩擦部材としてのブレーキパッドを前記ディスクロータに対して回転不能に支持するブレーキキャリパを備えたディスクブレーキ機構と、前記車輪側回転部材としてのブレーキドラム及び前記摩擦部材としてのブレーキシューを前記ブレーキドラムに対して回転不能に支持するバッキングプレートを備えたドラムブレーキ機構と、を有し、前記ディスクロータ及び前記ブレーキドラムが一体に構成されており、
    前記第一の板部材及び前記第二の板部材は、
    前記バッキングプレート、
    前記バッキングプレートに前記車軸の前記軸方向に積層されて前記ブレーキキャリパを前記ディスクロータに対して回転不能に支持するキャリパブラケット、及び、
    前記キャリパブラケットに前記車軸の前記軸方向に積層されて前記バッキングプレート及び前記キャリパブラケットを前記車軸に対して回転不能に支持するベアリングを非回転部材に固定するフランジ部、のうちの二つである請求項1又は請求項2に記載のブレーキ装置。
  4. 前記第一の板部材は、前記キャリパブラケットであり、
    前記第二の板部材は、前記バッキングプレートであり、
    前記凹部は、
    前記キャリパブラケットの前記バッキングプレートに対向する前記対向面に設けられる請求項3に記載のブレーキ装置。
  5. 前記キャリパブラケットと、前記バッキングプレートとの間にて挟持されて前記ディスクロータの一部を覆うダストカバーが設けられる請求項3又は請求項4に記載のブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111634268A (zh) * 2020-06-15 2020-09-08 包头市塞北机械设备股份有限公司 一种具有辅助制动功能的车辆行驶制动装置
US11181157B2 (en) 2018-10-10 2021-11-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Brake dust cover
EP4015320A3 (de) * 2020-12-17 2022-07-20 MANN+HUMMEL GmbH Schalldämpfungsanordnung für eine scheibenbremsanordnung und scheibenbremsanordnung

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