一実施形態では、ワイヤレスネットワークのアクセスポイントにおけるワイヤレス通信方法が開示される。アクセスポイントは、複数のチャネルのうちの1つで通信するように動作可能な少なくとも1つのワイヤレスインターフェースを備える。この方法は、複数のチャネルの各々をモニタすることと、ここにおいて、複数のチャネルからモニタされるチャネルをモニタすることは、ワイヤレスインターフェースをモニタされるチャネルに切り替えることと、各々がモニタされるチャネル上の第2のアクセスポイントによって送信され、それぞれの第2のアクセスポイントによって計算されたアグリゲート(aggregate)トラフィックレベルを示す複数の表示を受信することと、モニタされる(monitored)チャネルに関して受信された最も高いアグリゲートトラフィックレベルの表示を記憶することとを備える、複数のチャネルに関して記憶された最も高いアグリゲートトラフィックレベルを比較することと、通信チャネルとして、複数のチャネルから、最小の、記憶された最も高いアグリゲートトラフィックレベルを有するチャネルを選択することと、通信チャネルを介して通信することとを備える。
一実施形態では、複数の表示を受信することは、複数のビーコンフレームを受信し、ビーコンフレームの各々からアグリゲートトラフィックレベルの表示を抽出することを備える。
一実施形態では、ワイヤレスネットワークのアクセスポイントにおけるワイヤレス通信方法が開示される。この方法は、ワイヤレスネットワークの通信チャネルを介して他のアクセスポイントから表示を受信することと、受信される表示はそれぞれ、それぞれの他のアクセスポイントの通信チャネル上のトラフィックレベルを示す、受信された表示からアグリゲートトラフィックレベルを計算することと、通信チャネル上のアグリゲートトラフィックレベルの表示を送信することとを備える。
一実施形態では、通信チャネル上のアグリゲートトラフィックレベルの表示を送信することは、通信チャネル上でビーコンフレームを送信することを備え、ビーコンフレームはアグリゲートトラフィックレベルの表示を備える。
一実施形態では、ビーコンフレームは、アクセスポイントの通信チャネル上のトラフィックレベルの表示をさらに備える。
一実施形態では、受信された表示からアグリゲートトラフィックレベルを計算することは、他のアクセスポイントの各々におけるトラフィックレベルの合計を計算することを備える。
一実施形態では、ワイヤレスネットワークのためのアクセスポイントが開示される。アクセスポイントは、通信チャネル上で他のアクセスポイントから表示を受信するように構成されたワイヤレスネットワークインターフェースと、受信された表示はそれぞれ、それぞれの他のアクセスポイントの通信チャネル上のトラフィックレベルを示す、受信された表示からアグリゲートトラフィックレベルを計算するように構成された計算モジュールとを備える。ワイヤレスネットワークインターフェースは、通信チャネル上のアグリゲートトラフィックレベルの表示を送信するようにさらに構成される。
一実施形態では、ワイヤレスネットワークインターフェースは、通信チャネル上でビーコンフレームを送信するように構成され、そのビーコンフレームはアグリゲートトラフィックレベルの表示を備える。
一実施形態では、ビーコンフレームは、アクセスポイントの通信チャネル上のトラフィックレベルの表示をさらに備える。
一実施形態では、ワイヤレスネットワークインターフェースは、他のアクセスポイントによって送信されたビーコンフレームを受信するように構成され、アクセスポイントは、受信された表示をビーコンフレームから抽出するように構成されたモニタリングモジュールをさらに備える。
一実施形態では、ワイヤレスネットワークのためのアクセスポイントが開示される。アクセスポイントは、複数のチャネルのうちの1つで通信するように動作可能なワイヤレスインターフェースと、複数のチャネルからモニタされるチャネル上の信号を受信するためにワイヤレスネットワークインターフェースを制御するように構成されたチャネル選択モジュールと、モニタされるチャネルをモニタし、各々がモニタされるチャネル上で他のアクセスポイントによって送信され、それぞれの他のアクセスポイントによって計算されたアグリゲートトラフィックレベルを示す表示を抽出するように構成されたモニタリングモジュールと、複数のモニタされるチャネルの各々に関して受信された最も高いアグリゲートトラフィックレベルを記憶するように構成されたメモリと、複数のモニタされるチャネルに関して記憶された最も高いアグリゲートトラフィックレベルを比較するように構成された計算モジュールとを備え、ここにおいて、チャネル選択モジュールは、複数のチャネルから、最小の記憶された最も高いアグリゲートトラフィックレベルを有するチャネルを通信チャネルとして選択するように構成される。
一実施形態では、アクセスポイントは、通信チャネル上で通信するためにワイヤレスネットワークインターフェースを制御するように構成された通信モジュールをさらに備える。
一実施形態では、アクセスポイントは、第2のワイヤレスネットワークインターフェースと、通信チャネル上で通信するために第2のワイヤレスネットワークインターフェースを制御するように構成された通信モジュールとをさらに備える。
一実施形態では、モニタリングモジュールは、それぞれの他のアクセスポイントによって送信されたビーコンフレームからアグリゲートトラフィックレベルの表示を抽出するように構成される。
図1は、一実施形態によるワイヤレスネットワークを示している。このワイヤレスネットワークは、アクセスポイント(AP)100と、5つのクライアント(STA)21、22、23、24、25とを備える。クライアントは、ワイヤレスチャネルを介してアクセスポイント100とワイヤレスで通信する。
図2は、アクセスポイント100をさらに詳細に示している。アクセスポイント100は、ワイヤレスネットワークインターフェース110と、チャネル選択モジュール120と、通信モジュール130と、モニタリングモジュール140と、計算モジュール150と、メモリ160とを備えている。ワイヤレスネットワークインターフェース110は、アンテナ115に結合されている。
ワイヤレスネットワークインターフェース110は、無線周波数スペクトルで定義された複数の無線周波数チャネルのうちの1つまたは複数でアンテナ115を使用して信号を送受信するように動作可能である。チャネル選択モジュール120は、それらの無線周波数チャネルのうちのどれをワイヤレスネットワークインターフェース110が使用するかを選択する。通信モジュール130は、たとえば図1に関連して上述したようにクライアントSTAに、通信プロトコルに従って信号を送受信するように、ワイヤレスネットワークインターフェース110を制御する。モニタリングモジュール140は、ワイヤレスネットワークインターフェース110によって受信された信号をモニタし、ワイヤレスネットワークインターフェース110と同じチャネル上で動作する他のアクセスポイント(APs)によって送信されたビーコンフレームを検出する。計算モジュール150は、他のAPsによって送信されたビーコンフレームからモニタリングモジュール140によって抽出されたデータに対して計算を実施する。メモリ160は、他のAPsによって送信されたビーコンフレームから抽出されたデータを記憶する。
AP100のモジュールによって実行される方法について、以下でより詳細に説明する。
図3は、一実施形態によるワイヤレスネットワーク環境を示している。このワイヤレスネットワーク環境は、第1のアクセスポイント(AP)1と、第2のAP 2と、第3のAP 3と、第4のAP 4と、第5のAP 5と、第6のAP 6とを備えている。以下の説明では、APsはすべて同じ周波数チャネル上で動作しており、各APは関連するワイヤレスクライアントのセットを有すると仮定する。図3に示す矢印は、APが別のAPによって送信されたビーコンフレームを受信することができることを示している。APが別のAPによって送信されたビーコンフレームを受信することができるとき、これは、他のAPによる送信が干渉を引き起こす可能性があるという表示である。図3に示すように、第1のAP 1は、第2のAP 2、第3のAP 3、第4のAP 4、および第5のAP 5によって送信されたビーコンフレームを受信することができる。第2のAP 2は、第1のAP 1、第3のAP 3、第5のAP 5、および第6のAP 6によって送信されたビーコンフレームを受信することができる。第3のAP 3は、第1のAP 1および第2のAP 2によって送信されたビーコンフレームを受信することができる。第4のAP 4は、第1のAP 1および第5のAP 5によって送信されたビーコンフレームを受信することができる。第5のAPは、第1のAP 1、第2のAP 2、第4のAP 4、および第6のAP 6によって送信されたビーコンフレームを受信することができる。第6のAP 6は、第2のAP 2および第5のAP 5によって送信されたビーコンフレームを受信することができる。
本発明の実施形態は、APsがその近傍で動作している他のAPsからの干渉を最小化または低減するチャネルを選択することを可能にする。これは、APsによって送信されたビーコンフレームにトラフィック情報を含めることによって達成される。各APは、ビーコンフレームを介してそのトラフィック状態をブロードキャストする。トラフィック状態は、APがタイムウインドウにわたって処理しているトラフィックのレベルの関数となり得る。APは、同じチャネル上で動作している近傍の他のAPsからのビーコンを受信すると、それらの他のAPsのトラフィック状態情報を抽出し、抽出されたトラフィック状態情報をテーブルに記憶し、次いでこれらのビーコンフレームを破棄する。これらのトラフィック状態値に対してアグリゲート関数を計算することにより、APは、これらの隣接するセルからの潜在的な干渉を決定することができる。したがって、それ自体のトラフィック状態を通知することに加えて、APはまた、ビーコンフレームを介してこのアグリゲート値を通知する。
図4は、一実施形態によるワイヤレス通信の方法を示している。この方法は、図2に示すようにAPによって実行される。
ステップS402では、AP 100のワイヤレスネットワークインターフェース110は、同じチャネル上で動作している近傍の他のAPsからビーコンフレームを受信し、以下でこのチャネルは動作チャネルと呼ばれる。図3に示す例では、第1のAP 1は、第2のAP 2、第3のAP 3、第4のAP 4、および第5のAP 5からビーコンフレームを受信する。APの近傍で動作しているAPsから受信されたビーコンフレームは、それらのAPs上のトラフィックレベルの表示を含む。トラフィックレベルは、所与のタイムウインドウにわたって送受信されるパケット/バイトの数であってもよい。モニタリングモジュール140は、他のAPsに由来するビーコンフレームを識別し、これらのAP上のトラフィックレベルの表示をビーコンフレームから抽出する。
ステップS404では、AP 100の計算モジュール150は、動作チャネル上で受信されたビーコンフレームに含められた個々のトラフィックレベルからアグリゲートトラフィックレベルを計算する。アグリゲートトラフィックレベルは、近傍の他のAPsの各々から受信されたトラフィックレベルを合計することによって計算されることができる。
アグリゲートトラフィックレベルは、隣接するAPsの各々によって報告されたトラフィックレベルの合計となることができる。アグリゲートトラフィックレベルはまた、AP自体のトラフィックレベルを含むことができる。
ステップS406では、AP 100は、ステップS404で計算されたアグリゲートトラフィックレベルの表示を含むビーコンフレームを送信する。そのビーコンフレームはまた、AP 100上のトラフィックレベルの表示を含む。
図5は、一実施形態による、アクセスポイントによって送信されるビーコンフレームに含まれる情報を示している。ビーコンフレーム500は、アクセスポイントAPiの識別子502と、アクセスポイントAPi上のトラフィックレベルtiの表示504と、同じチャネル上で動作する他のAPsに関して決定されたアグリゲートトラフィックレベルti_aggの表示506とを含む。ビーコンフレームは、100〜500msの間隔でAPによって送信されることができる。
図6aおよび6bは、一実施形態による、ビーコンフレームからのアグリゲートトラフィック情報を使用して通信チャネルを選択することを含む通信の方法を示している。
ステップS610では、モニタリングモジュール140は、各チャネルを順番にモニタする。図6bは、モニタされるチャネルをモニタするプロセスを示しており、それは各チャネルに関して順番に実行される。ステップS612では、チャネル選択モジュール120は、ワイヤレスネットワークインターフェース110をモニタされるチャネルに切り替えさせる。ステップS614では、モニタされるチャネル上で送信している近傍の他のAPsからのビーコンフレームが受信される。モニタされるチャネル上で送信している近傍のAPsの各々によって計算されたアグリゲートトラフィックレベルの表示が、受信されたビーコンフレームから抽出される。ステップS616では、抽出されたこれらから最も高いアグリゲートトラフィックレベルの表示が、APのメモリ160に記憶される。
チャネルのすべてがモニタされると、各チャネルに関する最も高いアグリゲートトラフィックレベルの表示が、APのメモリ160に記憶される。この方法は次いで、ステップS620に進む。ステップS620では、最も高いアグリゲートトラフィックレベルに関する最低値を有するチャネルが通信チャネルとして選択される。
ステップS630では、チャネル選択モジュール120は、ワイヤレスネットワークインターフェース110をこの通信チャネルに切り替える。
ステップS640では、APは、この通信チャネルを使用してそのクライアントと通信する。
図7は、一実施形態によるワイヤレス通信方法を示している。ステップS702では、選択された通信チャネル上で通信するAPによって、プロトコル処理が行われる。これは、AP 100の通信モジュール130によって実行される。信号は、APのクライアントに送られ、またAPのクライアントから受信される。ステップS704では、別のAPによって送信されたビーコンフレームが受信される。モニタリングモジュール140は、ビーコンフレームを送信したAPの識別子と、そのAPのトラフィック状態およびそのAPによって計算されたアグリゲートトラフィックの表示を抽出する。
ステップS706では、ビーコンフレームの発信元であるAPに関するエントリが、メモリ160に記憶されたテーブルに存在するか否かが決定される。そのAPに関するエントリが存在する場合、この方法はステップS708に進み、ここにおいて、テーブル内のトラフィック状態エントリが、ビーコンから読み取られた新しい値で更新される。APに関するエントリが存在しない場合、方法はステップS710に進み、ここにおいて、APに関して新しいエントリが作成され、トラフィック状態情報がその新しいエントリに関して記録される。
ステップS708およびS710に続いて、方法はステップS712に進む。ステップS712では、ビーコンから読み取られたアグリゲート値のトラフィックレベル値taggが、APのメモリ160に記憶された値maxTrafficRecentWindowと比較される。値maxTrafficRecentWindowは、固定されたタイムウインドウにわたって維持される統計量である。これは各ウインドウの始まりで0に設定される。
APがその動作チャネルを既に選択しており、クライアントにサービスを提供している通常の動作過程の期間に、APは、それ自体と同じチャネル上で動作する隣接APsからビーコンを受信することができる。次いで、これらのAPsによって報告されたtaggをmaxTrafficRecentWindowと比較する。より高い場合、maxTrafficRecentWindowにこのtaggの値を割り当てることによって、maxTrafficRecentWindowを更新する。この付加的なウインドウに基づく測定は主に、短時間スケールでリアルタイムに動作チャネルの状態を追跡するためのものである。
ビーコンから読み取られたtaggの値が値maxTrafficRecentWindowよりも大きくない場合、方法は、プロトコル処理が行われるステップS702に戻る。ビーコンから読み取られたtaggの値が値maxTrafficRecentWindowよりも大きい場合、方法はステップS714に進む。ステップS714では、maxTrafficRecentWindowの値が、ビーコンから読み取られたtaggの値で更新される。ステップS714に続いて、方法は、プロトコル処理が行われるステップS702に戻る。
値maxTrafficRecentWindowは、APが動作しているチャネルの状態を追跡するために通常動作の期間に使用される。
図8は、APが動作しているチャネルの状態を追跡するために通常動作中に使用される値maxTrafficRecentWindowをリセットする一実施形態におけるプロセスを示している。
ステップS802では、プロトコル処理が行われる。ステップS804では、APは、周期タイマーが開始されているかどうかを決定する。周期タイマーは、maxTrafficRecentWindowの値が記憶されるウインドウの長さを設定する。周期タイマーが開始されていない場合、方法は、プロトコル処理が行われるステップS802に戻る。周期タイマーが開始している場合、方法はステップS806に進む。ステップS806では、maxTrafficRecentWindowの値がリセットされ、方法はステップS802に戻る。
図9は、一実施形態によるビーコンフレームを送信する方法を示している。ステップS902では、プロトコル処理が行われる。ステップS904では、ビーコンタイマーが満了しているかどうかが決定される。ビーコンタイマーは、APによって送信されるビーコン間の間隔を設定する。一実施形態では、ビーコンタイマーは、ビーコン間の間隔を100ms〜500msの範囲内のある時間に設定する。ビーコンタイマーが満了していない場合、方法はステップS902に戻る。
ビーコンタイマーが満了している場合、方法はステップS904に進む。ステップS904では、計算モジュール150は、最近のタイムウインドウにわたってAPに関してトラフィック状態tiを計算する。計算モジュールはまた、メモリ160に記憶されたテーブルを使用して、すべての隣接APsのアグリゲートトラフィック状態taggを計算する。トラフィック状態tiおよびすべての隣接APsのアグリゲートトラフィック状態taggの計算値が、図5に示すようにAPの識別子とともにビーコンに挿入される。次いでビーコンが送信される。ステップS904に続いて、方法はステップS902に戻る。
図10は、一実施形態に従うアクセスポイントの開始手順の期間におけるチャネル選択方法を示している。
ステップS1002では、APがスイッチオンされる。APの電源がオンになると、それは、ステップS1004において第1の非重複チャネルに同調する。APは一定の時間期間にわたってこのチャネル上に滞留(dwell on)し、このチャネルに関する情報を収集し、ドウェル(dwell)タイマーが満了したときに次に移動する。ステップS1006では、APは、モニタされるべきチャネルに切り替え、ドゥウエルタイマーを始動し、モニタされるチャネルのmax_taggの値をゼロに設定する。
ステップS1008では、APは、モニタされるチャネル上の近傍の状態を捕捉するために、ビーコンフレームをリッスンする。APは、モニタされるチャネル上のいずれかのAPからビーコンが受信されたかどうかを決定する。ビーコンがモニタされるチャネル上で受信された場合、方法はステップS1010に進む。ステップS1010では、トラフィック状態およびビーコンからのアグリゲートトラフィック値taggがAPのメモリに記録される。ステップS1012では、ビーコンからのアグリゲートトラフィック値taggが、モニタされるチャネルに関して観測され記憶された最大アグリゲートトラフィック値と比較される。ビーコンからのアグリゲートトラフィック値が、モニタされるチャネルに関して観測され記憶された最大アグリゲートトラフィック値よりも大きい場合、方法はステップS1014に進み、ここにおいて、モニタされるチャネルに関して観測され記憶された最大アグリゲートトラフィック値が、ビーコンからのアグリゲートトラフィック値で更新される。方法は次いで、ステップS1016に進む。ビーコンからのアグリゲートトラフィック値が、モニタされるチャネルに関して観測され記憶された最大アグリゲートトラフィック値よりも大きくない場合、方法は、モニタされるチャネルに関して観測され記憶された最大アグリゲートトラフィック値を更新することなく、ステップS1016に進む。
ステップS1008でビーコンが受信されない場合、方法はステップS1016に進む。ステップS1016では、APは、ドウェルタイマーが満了しているかどうかを決定する。ドウェルタイマーが満了していない場合、方法は、APがモニタされるチャネル上のビーコンを引き続きリッスンするステップS1018に進み、また方法は上述のようにステップS1008に続く。
ステップS1016において、ドウェルタイマーが満了しているとAPが決定した場合、方法はステップS1020に進む。APは、特定のウインドウにわたって各々の非重複チャネルの統計量を保持する。ウインドウの長さは、チャネル上のドウェル時間に等しいかまたはそれ以上となることができる。ドウェル時間カウンタが満了すると、APは次のチャネルに移動し、上記のプロセスを繰り返す。このプロセスは、APがすべての非重複チャネルのスキャンを完了するまで続く。
ステップS1020では、APは、すべてのチャネルがモニタされているかどうかを決定する。モニタすべきチャネルが依然として残存する場合、方法はステップS1022に進む。ステップS1022では、次のチャネルがモニタされるチャネルとして選択され、方法はステップS1006に戻り、ここにおいて、新たなモニタされるチャネルのモニタが開始される。ステップS1020において、すべてのチャネルがモニタされていると決定された場合、方法はステップS1024に進む。
ステップS1024では、チャネルの各々に対する最大アグリゲートトラフィック値が比較される。最小の、最大アグリゲートトラフィック値を有するチャネルが、APの通信チャネルとして選択される。APは次にその通信チャネルに切り替え、通常動作が開始される。ステップS1026では、その通信チャネルが通信に使用されて、プロトコル処理が行われる。
実施形態は、密なOBSS環境での使用を想定したものである。したがって、各チャネル上でトラフィックを見つける高い可能性があり、そのため、モニタされているチャネル上にAPが滞留する時間期間がいかに短くとも、それは、何らかの活動を記録し、そのため、モニタされているチャネル上の潜在的な近傍に関する何らかの統計量を収集することが可能となる。
APが単一の無線カードまたはワイヤレスネットワークインターフェースを有すると仮定すると、周期的にまたはアイドル状態となるたびに、これらに関する潜在的な干渉情報を最新の状態に保つために、他のチャネルを一時的にリッスンすることになる。このプロセスについて、図11を参照して以下に説明する。
図11は、一実施形態によるチャネルトラフィック情報を更新する方法を示している。
ステップS1102では、APは、APがアイドル状態であると決定し、チャネルトラフィック情報更新プロセスを開始する。ステップS1104において、APは、モニタされるチャネル上の情報を更新するために、モニタされるべきチャネルに切り替える。ステップS1106では、APは、モニタされるべきチャネルに切り替え、ドウェルタイマーを始動し、モニタされるチャネルのmax_taggの値をゼロに設定する。
方法は次いでステップS1108に進み、ここにおいて、APはモニタされるチャネル上でビーコンをリッスンする。ビーコンがモニタされるチャネル上で受信されたとき、方法はステップS1110に進む。ビーコンが受信されないとき、方法はステップS1116に進む。
ステップS1110では、トラフィック状態およびビーコンからのアグリゲートトラフィック値taggがAPのメモリに記録される。ステップS1112では、ビーコンからのアグリゲートトラフィック値taggが、モニタされたチャネルに関して観測され記憶された最大アグリゲートトラフィック値と比較される。ビーコンからのアグリゲートトラフィック値が、モニタされたチャネルに関して観測され記憶された最大アグリゲートトラフィック値よりも大きい場合、方法はステップS1114に進み、ここにおいて、モニタされたチャネルに関して観測され記憶された最大アグリゲートトラフィック値が、ビーコンからのアグリゲートトラフィック値で更新される。方法は次いで、ステップS1116に進む。ビーコンからのアグリゲートトラフィック値が、モニタされたチャネルに関して観測され記憶された最大アグリゲートトラフィック値よりも大きくない場合、方法は、モニタされたチャネルに関して観測され記憶された最大アグリゲートトラフィック値を更新することなく、ステップS1116に進む。
ステップS1116では、APは、ドウェルタイマーが満了しているか否かを決定する。ドウェルタイマーが満了していない場合、方法はステップS1118に進み、APはモニタされるチャネル上でビーコンを引き続きリッスンし、また方法はステップS1108に戻る。ドウェルタイマーが満了している場合、方法はステップS1120に進む。
ステップS1120では、APは動作チャネルにスイッチバックし、モニタされたチャネルに関して観測され記録された最大アグリゲートトラフィック値をメモリに記憶する。次に一時的なスキャンが実施されるときは、異なるチャネルがモニタされるチャネルとして選択される。方法は、プロトコル処理が行われるステップS1122に進む。
上述したように、新しい統計量が収集されると、以前に保持された記録が更新される。実施形態では、APは、より反応的な手法を採用し得、たとえば、より良い代替案が利用可能であるかどうかを確認するために、悪い性能を経験するときにのみモニタすることができる。
APは、異なる環境下でその動作中の通信チャネルを切替えることができる。たとえば、通信チャネルの切替えは、隣接するチャネルのスキャンが、動作チャネルと比較して有望な代替案の利用可能性があることを示すときに行われることができる。あるいは、チャネルの切替えは、それが経験している干渉のレベルが、動作チャネルが選択されたときのレベルと比較して上昇したときにトリガされることができるが、これは、再送信レートが上昇することによって検出されることができる。各APは、いずれかの所与の時点で、異なるチャネル上で最新の情報を動的にモニタおよび維持しているので、最良の性能を提供する見込みがあるものを選択することができる。
図12は、一実施形態における通信チャネルを切り替える方法を示している。ステップS1202では、プロトコル処理が行われる。ステップS1204では、チャネル切替えがトリガされているかどうかが決定される。可能なチャネル切替えトリガについては、上記の段落で説明されている。ステップS1206では、APは、他のチャネル上で記録された最大アグリゲートトラフィック値を、現在の通信チャネルのものと比較する。最小の、最大アグリゲートトラフィック値を有するチャネルが、新しい通信チャネルとして選択され、APはこのチャネルに切替える。
各ノードは、分散した方式で独立に決定を行うので、集中型のコントローラは必要とされない。実施形態では、密な環境で動作しているとき、チャネルのすべてがビジーである可能性が高くなることができるが、APは最も抵抗の少ない経路を選択する手法を用いる。
図13から15は、一実施形態による、ネットワーク環境およびアクセスポイントによって収集される情報の一例を示す。
図13は、ネットワーク環境内の10のアクセスポイントを示す。第1のアクセスポイント1、第2のアクセスポイント2、第3のアクセスポイント3、第4のアクセスポイント4、第5のアクセスポイント5、および第6のアクセスポイント6は、第1のチャネルであるチャネルX上で動作する。図13におけるアクセスポイント間の矢印は、アクセスポイントが互いからビーコンを受信することができることを示している。第7のアクセスポイント7、第8のアクセスポイント8、第9のアクセスポイント9、および第10のアクセスポイント10は、第2のチャネルであるチャネルY上で動作する。アクセスポイントの各々は、それ自体のトラフィック状態tiを通知し、さらにまた、動作中のチャネル上で観測するアグリゲートトラフィック状態を通知する。
図14は、図13に示すアクセスポイントの各々に記憶された情報を示している。情報は、図7に示す方法に従って収集されることができる。図14に示すように、第1のAP 1は、第2のAP 2、第3のAP 3、および第4のAP 4から送信されたビーコンを受信することができ、したがってこれらのAPs上のトラフィックレベルt2、t3、t4の表示を記憶する。第2のAPは、第1のAP 1、第3のAP 3、第4のAP 4、第5のAP 5、および第6のAP 6の各々からビーコンを受信することができる。したがって、第2のAP 2は、これらのAPのトラフィックレベルt1、t3、t4、t5、t6の表示を記憶する。第1のチャネル上で動作する他のAPsであるチャネルXは、それらがビーコンを受信することができるAP上のトラフィックレベルの表示を記憶する。
第7のAP 7は、第8のAP 8および第9のAP 9 上のトラフィックレベルの表示を記憶する。同様に、第2のチャネル上で動作する他のAPsであるチャネルYは、それらがビーコンを受信することができるAPs上のトラフィックレベルの表示を記憶する。図14に示すように、他のAPs上のトラフィックレベルの表示は通常の動作中に収集されるため、トラフィックレベルの表示は、同じ通信チャネル上で動作するAPに関してのみ記憶される。
さらに、図14に示すように、各ビーコンは、それが送信されたAPの表示APiと、そのAP上のトラフィックレベルの表示tiと、そのAPによって計算された通信チャネル上のアグリゲートトラフィックレベルの表示ti_aggとを含んでいる。
図15は、たとえば図11に示す方法を用いて、第7のAP 7が第1のチャネルであるチャネルXを一時的にモニタするときの例を示している。図15に示すように、第7のAP 7は、第1のチャネルを一時的にモニタしているとき、第2のAP 2および第3のAP 3から送信されたビーコンを受信することができる。
図15に示すように、第2のAP 2は、第1のAP 1、第3のAP 3、第4のAP 4、第5のAP 5、第6のAP 6上の個々のトラフィックレベルからアグリゲートトラフィックレベルを計算し、その計算されたアグリゲートトラフィックレベルとトラフィックレベルt2の表示とを含んだビーコンを送信する。第3のAP 3は、第1のAP 1および第2のAP 2上の個々のトラフィックレベルからアグリゲートトラフィックレベルを計算し、その計算されたアグリゲートトラフィックレベルとトラフィックレベルt3の表示とを含んだビーコンを送信する。
第7のAP 7は、一時的なモニタの間にチャネルX上で受信されたビーコンからの状態情報を記憶する。この状態情報は、APの識別子と、これらのAP上の個々のトラフィックレベルと、これらのAPの各々によって計算されたアグリゲートトラフィックレベルとを含む。図15に示すように、第7のAP 7は、第1のAP 1および第2のAP 2からチャネルX上で受信されたビーコンから収集された情報を記憶する。第7のAP 7はまた、通常動作の間、チャネルY(AP 7の通信チャネルである)上で収集された状態情報を記憶する。チャネルY上のビーコンから収集された情報は、APの識別子と、これらのAP上の個々のトラフィックレベルとを含む。
上述の例が示すように、AP、この場合、第7のAPは、他のチャネル上で動作するAPによって送信されたビーコンに含められたアグリゲートトラフィックレベルから、代替の動作チャネルについての情報を迅速に決定することができる。
APによってヒアリングされるアグリゲートトラフィック状態を通知する利点は、これが情報収集時間を大幅に低減することができることにある。モニタリングに関するチャネルに切り替え、特定のAPsからのビーコンをピックアップするいかなるAPも、それらのAPsと同様のレベルの潜在的な干渉に見舞われる可能性がある。したがって、APは、その周囲にある考えられるすべてのAPから情報を受信すべく待機する必要はないが、単一のビーコンをリッスンすることによって、チャネルの状態の大まかなスナップショットを迅速に取得することができる。これはまた、APsにおいて設定された周波数に応じてビーコンが平均で100/500msごとに送られるような短い時間フレームで、APがアグリゲート情報を迅速に収集することができることを意味する。この手法を用いると、APは隣接チャネルのピクチャを構築し、干渉を最小限にする可能性のあるチャネルを選択することができる。
一実施形態では、提案する手法の変形例が、各ネイバーによって報告されたアグリゲートを用いる代わりに、すべてのネイバーから受信されたトラフィック状態をアグリゲートすることを採用することができる。
加えて、ネイバー間の同期、すなわち、各ネイバーが同時に動作することを回避するために、ランダム化が導入されることができる。たとえば、各チャネルをシーケンシャルにモニタリングする代わりに、各APは、サイクルごとに少なくとも1回、利用可能なチャネルの各々をスキャンするように、チャネルをランダムに選択することができる。さらに、ランダム化はまた、チャネル切替えプロセス中に導入されることができる。たとえば、2つ以上のネイバーが同じチャネル上にあるシナリオでは、そのシナリオは、それらのネイバーが同時に作動しない場合に望ましくなる。つまり、2つのAPsが、偶然同じとなる別のチャネルに最終的に行き着くように、同時にチャネルを切り替える。そのような同時の切替えを回避するために、APsはチャネル切替えの選択に直面したときに、その決定をランダム化することができ、たとえば、分布(distribution)から乱数を選び、この乱数があるしきい値よりも小さい場合に処置の過程を決定することができる。
特定の実施形態が概略的に示されている。読み手には、各実施形態の詳細な実装が多数の方式で達成されることができることが理解されよう。たとえば、専用のハードウェア実装が設計および構築されることができる。他方で、プロセッサは、実施形態に関連して上述した管理ユニットを実装するために、記憶媒体(たとえば、磁気、光学またはソリッドステートメモリベースのデバイス)としてまたはコンピュータ受信可能な信号(たとえば、全プログラムのダウンロードまたは既存のプログラムに対する「パッチ」更新)として供給されるようなコンピュータプログラムを用いて構成されることができる。これらの2つのポジション(position)の他に、DSP、FPGAなどのような多機能ハードウェアデバイスが構成命令によって構成されることができる。
特定の実施形態について説明したが、これらの実施形態は単なる例として提示されたものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。実際に、本明細書に記載された新規なデバイスおよび方法が、様々な他の形態で実施され得、さらに、本明細書に記載されたデバイス、方法および製品の形態における様々な省略、置換および変更が、本発明の精神から逸脱することなく行われることができる。添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物は、本発明の範囲および精神に含まれるような、そのような形態または改変を包含することを意図したものである。