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JP2017226268A - 繊維強化樹脂製のセンターピラー構造 - Google Patents

繊維強化樹脂製のセンターピラー構造 Download PDF

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JP2017226268A
JP2017226268A JP2016122317A JP2016122317A JP2017226268A JP 2017226268 A JP2017226268 A JP 2017226268A JP 2016122317 A JP2016122317 A JP 2016122317A JP 2016122317 A JP2016122317 A JP 2016122317A JP 2017226268 A JP2017226268 A JP 2017226268A
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energy absorbing
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寛泰 伊藤
Hiroyasu Ito
寛泰 伊藤
準也 飯野
Junya Iino
準也 飯野
侑哉 向中野
Yuya Mukainakano
侑哉 向中野
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Subaru Corp
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Abstract

【課題】側面衝突時に、センターピラーの内部に配置されたエネルギ吸収部材を適切に軸圧壊させて、所望の衝撃吸収荷重を実現可能な繊維強化樹脂製のセンターピラー構造を提供する。【解決手段】センターピラー構造は、側面衝突時に軸圧壊して衝突荷重を吸収するエネルギ吸収部材と、アウタ部材の内面に設けられた補強部材と、補強部材に固定される固定部、及び、アウタ部材の内面及び補強部材から離間して固定部よりも上方に配置されてエネルギ吸収部材に衝突荷重を伝達する押圧部を有し、少なくともアウタ部材及びインナ部材よりも高い強度を有する伝達部材と、を備え、伝達部材の固定部がインナ部材の開口部に対向する位置にあり、エネルギ吸収部材は、側面衝突前にはインナ部材又は押圧部から離間して支持され、側面衝突時には開口部の上方でインナ部材の内面と押圧部とにより挟まれて圧壊される。【選択図】図5

Description

本発明は、車体構造を構成する繊維強化樹脂製のセンターピラー構造に関する。
乗用車等の車体の側部の構造として、車体側部の下部に位置するサイドシルと、下端側がサイドシルに接続されて上下方向に延びるセンターピラーとを備えた構造が知られている。従来の車体側部の構造は、鉄鋼板等の金属材料により構成されている。金属製のサイドシル及びセンターピラーの一体構造は、車体の外部側に位置するアウタ部材と、車体の内部側に位置するインナ部材とを有し、これらのアウタ部材及びインナ部材が接合されて構成されている。
一方、近年では、車体の軽量化を目的として、車体構造を、炭素繊維強化樹脂を用いて構成することが検討されている。例えば、特許文献1には、炭素繊維強化樹脂製のセンターピラーアッパと、アルミニウム製センターピラーロアとから構成されるセンターピラーであって、センターピラー内部にヒンジを設け、センターピラー外部に衝撃吸収部材を設けることにより、重量増加を最小限に抑えながら側面衝突の衝突荷重に対する強度を高めるようにしたセンターピラーが開示されている。
特開2015−047895号公報
しかしながら、特許文献1のセンターピラー構造は、アルミニウム製のセンターピラーロアを用いていることから、強度が不十分となり、ヒンジを設ける必要が生じる。また、特許文献1のセンターピラー構造は、衝撃吸収部材を外部に備えるために、従来のセンターピラーの構造に対して大きな設計変更が必要となる。
これに対して、センターピラー全体を炭素繊維強化樹脂を用いて形成することにより、軽量化及び強度の向上が見込まれるものの、炭素繊維強化樹脂製の構造部材の破壊は脆性的であることから、衝撃吸収荷重が不十分になるおそれがある。炭素繊維強化樹脂製のセンターピラーの内部にクラッシュボックス等のエネルギ吸収部材を設けることにより、センターピラーの脆性的な破壊を軸圧壊にすることができるが、側面衝突時の衝突部位には、シートベルトを巻き取るベルトリトラクタが設けられている場合がある。この場合、エネルギ吸収部材を水平方向に支持させることが容易ではない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、側面衝突時に、センターピラーの内部に配置されたエネルギ吸収部材を適切に軸圧壊させて、所望の衝撃吸収荷重を実現可能な、新規かつ改良された繊維強化樹脂製のセンターピラー構造を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、車幅方向の外部側に配置される繊維強化樹脂製のアウタ部材と、車幅方向の内部側に配置されてアウタ部材に接合され、かつ、ベルトリトラクタが配置される開口部を有する繊維強化樹脂製のインナ部材と、側面衝突時に軸圧壊して衝突荷重を吸収するエネルギ吸収部材と、アウタ部材の内面に設けられた補強部材と、補強部材に固定される固定部、及び、アウタ部材の内面及び補強部材から離間して固定部よりも上方に配置されてエネルギ吸収部材に衝突荷重を伝達する押圧部を有し、少なくともアウタ部材及びインナ部材よりも高い強度を有する伝達部材と、を備え、伝達部材の固定部がインナ部材の開口部に対向する位置にあり、エネルギ吸収部材は、側面衝突前にはインナ部材又は押圧部から離間して支持され、側面衝突時には開口部の上方でインナ部材の内面と押圧部とにより挟まれて圧壊される、繊維強化樹脂製のセンターピラー構造が提供される。
伝達部材が、インナ部材側に張り出す屈曲形状又は湾曲形状を有してもよい。
補強部材が、乗用車のバンパの高さに対応する側面衝突想定部位に設けられてもよい。
補強部材が、車長方向に沿って形成されて側面衝突時の折れ曲がり位置を規定する脆弱部を有してもよい。
伝達部材の固定部が、補強部材の脆弱部よりも下方に位置してもよい。
側面衝突前において、エネルギ吸収部材は、押圧部又は開口部より上方のインナ部材の内面のいずれか一方に保持されてもよい。
側面衝突前において、伝達部材の押圧部のインナ部材側の面が斜め上方を向いてもよい。
以上説明したように本発明によれば、側面衝突時に、センターピラーの内部に配置されたエネルギ吸収部材を適切に軸圧壊させて、所望の衝撃吸収荷重を実現可能な、繊維強化樹脂製のセンターピラー構造を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る車体構造を示す模式図である。 同実施形態に係る車体構造のセンターピラーを示す模式図である。 センターピラーのインナ部材に設けられた開口部を示す説明図である。 側面衝突時のセンターピラーの様子を示す模式図である。 同実施形態に係るセンターピラー構造を示す説明図である。 補強部材の脆弱部を示す説明図である。 側面衝突時にセンターピラーが変形する様子を示す模式図である。 側面衝突時にエネルギ吸収部材が圧壊する様子を示す模式図である。 同実施形態に係る車体構造のエネルギ吸収部材の圧壊初期の様子を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
図1は、本発明の実施の形態に係るセンターピラー構造を適用可能な車体側部構造1の外観を示す模式図である。図1に示す車体側部構造1は、乗用車の前方に向かって左側部の構造の一部を概略的に示している。なお、図1に示すように、本明細書において、車両の前後方向(車長方向)を車体X軸方向とも言い、車幅方向を車体Y軸方向とも言い、車両の高さ方向を車体Z軸方向とも言う。
車体側部構造1は、ルーフピラー5と、リアピラー4と、フロントピラー2と、センターピラー3と、サイドシル6等により構成されている。ルーフピラー5は、車両の車室空間の上部に、車体X軸方向に沿って延在し、車両の屋根のサイド部分を形成している。サイドシル6は、車両の側部の下部に、車体X軸方向に沿って延在する。
フロントピラー2は、下端がサイドシル6の前端に接続され、上端がルーフピラー5の前端に接続される。フロントピラー2は、車両の車室空間を構成する前部を形成し、フロントガラスのサイドを支持するように配置される。リアピラー4は、下端がサイドシル6の後端に接続され、上端がルーフピラー5の後端に接続される。センターピラー3は、下端がサイドシル6の車体X軸方向中央部に接続され、上端がルーフピラー5の車体X軸方向中央部に接続される。
サイドシル6、ルーフピラー5、フロントピラー2、及びセンターピラー3の間には、フロントドア用の開口部が形成されている。また、サイドシル6、ルーフピラー5、リアピラー4、及びセンターピラー3の間には、リアドア用の開口部が形成されている。車体側部構造1を構成する各部材は、さらに複数の部材により構成されている。例えば、各部材は、車幅方向の外側のアウタ部材と、車幅方向の内側のインナ部材とを接合して構成され得る。
かかる車体側部構造1において、少なくとも、センターピラー3と、センターピラー3が接続されるルーフピラー5の少なくとも中央部と、センターピラー3が接続されるサイドシル6の少なくとも中央部とは、繊維強化樹脂により一体的に形成された構造部材10からなる。かかる構造部材10は、センターピラー3を構成するセンターピラー部12と、センターピラー部12の上端に接続されたルーフピラー部16と、センターピラー部12の下端に接続されたサイドシル部14とを有する。かかる繊維強化樹脂製の構造部材10も、アウタ部材とインナ部材とが接合されて構成されている。
図2〜図5は、本実施形態に係るセンターピラー構造を含む構造部材10の構成例を説明するための図である。図2は、構造部材10を、車両の前方側から見た図を示している。図3は、図2に点線で示した開口部27が設けられた構造部材10の下部領域Cをインナ部材20側から見た図である。図4は、側面衝突時にセンターピラー部12が変形する様子を示す説明図である。図5は、図2に点線で示した構造部材10の下部領域Cの内部構造を示す説明図である。
本実施形態に係る車体側部構造1において、構造部材10のセンターピラー部12は、軸方向が車体Z軸方向に沿って配置された中空の筒形状を有する。また、サイドシル部14は、軸方向が車体X軸方向に沿って配置された中空の筒形状を有する。かかる構造部材10は、アウタ部材30とインナ部材20とを有し、これらのアウタ部材30及びインナ部材20が接合されて構成されている。
例えば、インナ部材20は、アウタ部材30側に開放されたU字型又はハット型の開断面形状を有してもよい。また、アウタ部材30は、インナ部材20側に開放されたU字型又はハット型の開断面形状を有してもよい。例えば、ハット型の開断面形状を有するインナ部材20及びアウタ部材30は、それぞれ、端部に沿って設けられたフランジ部を有し、当該フランジ部を介して互いに接合され得る。ただし、インナ部材20及びアウタ部材30の断面形状は上記の例に限定されず、インナ部材20とアウタ部材30とが接合されて閉断面形状のセンターピラー部12を形成できるようになっていればよい。
インナ部材20及びアウタ部材30は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂と強化繊維とを用いた繊維強化樹脂を用いて形成される複数層の複合材料であり、高強度、かつ、軽量化を実現可能になっている。インナ部材20及びアウタ部材30は、例えば、連続繊維を含む繊維強化樹脂シートを積層して成形される。連続繊維を含む繊維強化樹脂シートは、連続する繊維にマトリックス樹脂を含浸させて形成され得る。使用可能な連続繊維としては、例えば、炭素繊維が挙げられるが、他の繊維が用いられてもよく、さらには、複数の繊維が組み合わせられて用いられてもよい。ただし、炭素繊維は、機械特性に優れていることから、強化繊維が炭素繊維を含むことが好ましい。
繊維強化樹脂のマトリックス樹脂には、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂)、ポリスチレン樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合合成樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、又はポリイミド樹脂等が例示される。
マトリックス樹脂としては、これらの熱可塑性樹脂のうちの1種類、あるいは2種類以上の混合物が使用され得る。あるいは、マトリックス樹脂は、これらの熱可塑性樹脂の共重合体であってもよい。熱可塑性樹脂が混合物である場合には、さらに相溶化剤が併用されてもよい。さらに、熱可塑性樹脂には、難燃剤として臭素系難燃剤、シリコン系難燃剤、赤燐などが加えられてもよい。
熱可塑性樹脂及び連続繊維を用いた繊維強化樹脂シートによりインナ部材20又はアウタ部材30を成形する場合、例えば、プレス成形法が採用され得る。インナ部材20又はアウタ部材30をプレス成形する場合、例えば、繊維強化樹脂シートを複数枚積層して所定の厚さのプリプレグを形成した後、かかるプリプレグを、熱可塑性樹脂の融点以上に加熱し、成形型に投入して、さらに、プリプレグを熱可塑性樹脂の融点未満に冷却することで、インナ部材20又はアウタ部材30が形成される。積層される複数の繊維強化樹脂シートの連続繊維の配向方向は、一方向に揃えられてもよいし、異ならせてもよい。なお、熱可塑性樹脂を用いる場合のインナ部材20又はアウタ部材30の成形方法は、プレス成形法に限られない。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂等が例示される。マトリックス樹脂としては、これらの熱硬化性樹脂のうちの1種類、あるいは2種類以上の混合物が使用され得る。これらの熱硬化性樹脂が用いられる場合、熱硬化性樹脂に、適宜の硬化剤や反応促進剤が加えられてもよい。
熱硬化性樹脂及び連続繊維を用いた繊維強化樹脂シートによりインナ部材20又はアウタ部材30を成形する場合、例えば、オートクレーブ成形法が採用され得る。インナ部材20又はアウタ部材30をオートクレーブ成形する場合、例えば、繊維強化樹脂シートを複数枚積層して所定の厚さのプリプレグを形成した後、成形型上にプリプレグを載置してバッギングした後、オートクレーブ装置内で、バッグ内を真空状態にしながら、プリプレグを加熱し硬化させることで、インナ部材20又はアウタ部材30が形成される。積層される複数の繊維強化樹脂シートの連続繊維の配向方向は、一方向に揃えられてもよいし、異ならせてもよい。なお、熱硬化性樹脂を用いる場合のインナ部材20又はアウタ部材30の成形方法は、オートクレーブ成形法に限られない。
本実施形態に係る構造部材10のセンターピラー部12のうち、インナ部材20の下部には、シートベルトを巻き取るためのベルトリトラクタが配置される開口部27が設けられている。開口部27が設けられた位置は、側面衝突想定部位に含まれる。側面衝突想定部位は、図4に示すように、乗用車等の車両のバンパ80が衝突し得る高さにあり、例えば、路面からの高さが300〜600mmの範囲内の領域と定義され得る。かかる側面衝突想定部位に位置するセンターピラー部12の内部にエネルギ吸収部材が配置されることにより、繊維強化樹脂製のセンターピラー部12の脆性的な破壊を防ぎ、側面衝突時の衝突荷重を効率的に吸収することができる。しかしながら、側面衝突想定部位に位置するインナ部材20には開口部27が設けられているために、エネルギ吸収部材を、側面衝突時の荷重入力方向となる水平方向に沿って配置することができない。
図5は、図2に示した構造部材10の下部領域Cの内部を示す模式図である。インナ部材20は開口部27を有する。当該開口部27に対向するアウタ部材30の内面には、補強部材50が設けられている。補強部材50は、例えば、薄板の金属プレートからなり、少なくともアウタ部材30よりも高い強度を有し、アウタ部材30の内面に対して接着剤等により接合され得る。補強部材50は、側面衝突時にアウタ部材30が脆性的に破壊しないようにアウタ部材30を補強する機能を有する。かかる補強部材50は、側面衝突時における補強部材50の折れ曲がり位置を規定するための脆弱部51を有する。補強部材50が脆弱部51を有することにより、側面衝突時において、補強部材50は、車体X軸方向に延びる折れ曲がり予定線に沿って折れ曲がり得る。
図6は、脆弱部51の構成例を示す平面図である。図6に例示した補強部材50は、略矩形の平面形状を有し、車体X軸方向の両端に切欠きからなる脆弱部51を有する。かかる脆弱部51により、側面衝突時における補強部材50の折れ曲がり位置が規定される。つまり、側面衝突時において、補強部材50は、両端の脆弱部51を通る折れ曲がり予定線Lに沿って折れ曲がることとなる。脆弱部51は、切欠きからなる脆弱部に限られない。例えば、補強部材50に設けられた開口部あるいはスリットからなる脆弱部であってもよいし、他の部分に比べて厚さが薄くされた薄肉部からなる脆弱部であってもよい。
図5に戻り、補強部材50における、脆弱部51によって規定される折れ曲がり予定線Lよりも下方の部分には、伝達部材60が固定されている。伝達部材60は、補強部材50に固定される固定部61と、固定部61よりも上方でアウタ部材30及び補強部材50から離間して設けられた押圧部63とを有する。かかる伝達部材60は、インナ部材20側に張り出した屈曲形状を有する。伝達部材60は、屈曲形状ではなく、インナ部材20側に張り出す湾曲形状であってもよい。押圧部63のインナ部材20側の面は、斜め上方を向くようにされる。伝達部材60を車体Y軸方向に見た平面形状は特に限定されない。側面衝突時に、アウタ部材30からエネルギ吸収部材70へと衝突荷重を伝達し得る剛性あるいは強度を確保できるものであればよい。
図5において、固定部61は伝達部材60の下端部に設けられ、押圧部63は伝達部材60の上端部に設けられているが、それぞれインナ部材20側に張り出す屈曲部分の下方側又は上方側の位置であれば、配置位置は限定されない。また、図5において、伝達部材60の固定部61は、インナ部材20に設けられた開口部27に対向する位置に設けられているが、補強部材50の脆弱部51により規定される折れ曲がり予定線Lよりも下方であれば、補強部材50と固定部61との固定位置は限定されない。
伝達部材60の押圧部のインナ部材20側の面には、繊維強化樹脂製のエネルギ吸収部材70が支持されている。エネルギ吸収部材70は、側面衝突時に衝突荷重を受けて圧壊し、衝突荷重を吸収する。また、エネルギ吸収部材70は、衝突荷重が大きい場合には、衝突荷重をインナ部材20に効率的に伝達する役割も担う。例えば、エネルギ吸収部材70は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂と炭素繊維とを用いた炭素繊維強化樹脂を用いて形成される複数層の複合材料であり、高強度、かつ、軽量化を実現可能になっている。
例えば、エネルギ吸収部材70は円筒形状を有する。繊維強化樹脂製のエネルギ吸収部材70は、衝突荷重の入力時に先端側から逐次的に破壊しながら潰れることによって衝突荷重を吸収する。繊維強化樹脂製のエネルギ吸収部材70は、鋼板製のクラッシュボックスに比べて、小さい間隔で逐次破壊を生じるために、荷重変動の少ない安定した荷重吸収特性を実現することができる。また、繊維強化樹脂製のエネルギ吸収部材70は、潰れ残りが比較的少なく、単位重量当たりの衝突荷重吸収量が大きいという特性を有する。エネルギ吸収部材70を構成する繊維強化樹脂及びマトリックス樹脂としては、インナ部材20及びアウタ部材30を構成する繊維強化樹脂と同様の材料を用いることができる。
円筒形状を有するエネルギ吸収部材70では、先端側が接着剤等により伝達部材60の押圧部63に固定されている。かかるエネルギ吸収部材70の後端側は、インナ部材20側に向けられるものの、インナ部材20から離間して支持される。上述のとおり、伝達部材60の押圧部63のインナ部材20側の面が斜め上方を向くことから、押圧部63に固定される円筒形状のエネルギ吸収部材70の後端面も斜め上方を向く。したがって、エネルギ吸収部材70の後端面とインナ部材20の内面とは、非平行になっている。
かかるエネルギ吸収部材70の寸法は、センターピラー部12の大きさや、得ようとする荷重吸収特性、エネルギ吸収部材70の重量等を考慮して適宜設計することができる。例えば、エネルギ吸収部材70の軸方向長さは50〜100mmであり、厚さは3〜5mmであってもよい。また、エネルギ吸収部材70は、先端側に、端部に向かって縮径するテーパ部を有してもよい。かかるテーパ部により、伝達部材60を介してエネルギ吸収部材70の先端側に衝突荷重が伝達されたときに、エネルギ吸収部材70を構成する複数の層間で剥離が生じやすくなる。これにより、エネルギ吸収部材70の先端側の破壊のきっかけが与えられ、エネルギ吸収部材70を容易に逐次破壊させることができる。なお、エネルギ吸収部材70の構成は、円筒形状に限られず、種々の構成を採用することができる。
図7及び図8は、本実施形態に係る構造部材10のセンターピラー部12が、側面衝突時に変形する様子を示している。側面衝突時において、図4に示したように、側面衝突想定部位に対して他の車両のバンパ80等が衝突すると、まず、車体Y軸方向の外側に位置するアウタ部材30に対して衝突荷重が入力される。アウタ部材30及びインナ部材20の下部は、サイドシル6に接続されているために大きく変位することはない一方、センターピラー部12は衝突荷重を受けて車体Y軸方向の内側に変位する。
このとき、側面衝突想定部位に位置するアウタ部材30の内面には補強部材50が設けられているために、衝突荷重によってアウタ部材30が脆性的に破壊されにくくなっている。また、補強部材50は、折れ曲がり位置を規定する脆弱部51を有するために、図7に示すように、補強部材50が内面に接合されたアウタ部材30は、折れ曲がり予定線Lに沿って折れ曲がる。これにより、補強部材50のうち、折れ曲がり予定線Lよりも下方の部分のインナ部材20側の面が斜め下方を向くようになり、当該部分に固定された伝達部材60の押圧部63がインナ部材20側に押し出される。つまり、押圧部63に固定されたエネルギ吸収部材70が、ベルトリトラクタ設置用の開口部27を避けて、インナ部材20に押し付けられる
エネルギ吸収部材70のインナ部材20側の面は、インナ部材20の内面に対して略平行に当接するようにされるとよい。このためには、側面衝突時のセンターピラー部12の変形を考慮しつつ、エネルギ吸収部材70が押圧部63とインナ部材20とにより挟まれる状態で押圧部63とインナ部材20の内面とが略平行になるように、伝達部材60の屈曲あるいは湾曲の度合いを適宜設定することができる。
エネルギ吸収部材70の後端面がインナ部材20に当接した後は、エネルギ吸収部材70は押圧部63とインナ部材20とにより挟まれ、図8に示すように、アウタ部材30から伝達部材60を介してエネルギ吸収部材70に伝達される衝突荷重を受けて、エネルギ吸収部材70が軸圧壊する。伝達部材60は、少なくともアウタ部材30及びインナ部材20の強度よりも大きい強度を有するために、衝突荷重によって伝達部材60が大きく変形することがない。このため、側面衝突想定部位がベルトリトラクタ設置用の開口部27に対向する位置にあるとしても、当該開口部27の上方において、エネルギ吸収部材70を軸方向に圧壊させることができる。これにより、センターピラー部12の脆性的な破壊を抑制しつつ、エネルギ吸収部材70の軸圧壊により衝突荷重を吸収することができる。
図9は、本実施形態に係るセンターピラー部12の構造の変形例を示している。図9には、側面衝突前のセンターピラー部12の構造が示されており、エネルギ吸収部材70が、伝達部材60ではなく、インナ部材20の内面に固定されている。エネルギ吸収部材70の後端面が固定されたインナ部材20の内面は、ベルトリトラクタ設置用の開口部27の上方に位置する。側面衝突前において、エネルギ吸収部材70は、先端側を伝達部材60の押圧部63から離間して保持されている。側面衝突前において、伝達部材60の押圧部63のインナ部材20側の面は斜め上方を向き、エネルギ吸収部材70の先端面と、伝達部材60の押圧部63とは非平行となっている。
変形例にかかるセンターピラー部12の構造においても、側面衝突時に、補強部材50によってアウタ部材30の脆性的な破壊が抑制され、アウタ部材30及び補強部材50は、補強部材50の脆弱部51により規定される折れ曲がり予定線Lに沿って折れ曲がる。これにより、伝達部材60の押圧部63がインナ部材20側に押し出され、図7に示したように、伝達部材60の押圧部63とインナ部材20の内面とによってエネルギ吸収部材70が挟まれる状態になり得る。以降は、図8に示すように、アウタ部材30から伝達部材60を介してエネルギ吸収部材70に伝達される衝突荷重を受けて、エネルギ吸収部材70が軸圧壊する。これにより、側面衝突想定部位が、ベルトリトラクタ設置用の開口部27に対向する位置にあるとしても、開口部27より上方でエネルギ吸収部材70が軸圧壊し、衝突荷重を吸収することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る繊維強化樹脂製のセンターピラー部12を含む構造部材10は、側面衝突想定部位に位置するアウタ部材30の内面に、アウタ部材30の脆性的な破壊を抑制する補強部材50が設けられている。このため、側面衝突時において、アウタ部材30は脆性的に破壊することなく、上方側がインナ部材20に変位するように変形する。これにより、補強部材50に固定された伝達部材60の上方の押圧部63がインナ部材20側に押し出される。
このため、インナ部材20における、側面衝突想定部位に対応する位置に、ベルトリトラクタ設置用の開口部27が形成されている場合であっても、当該開口部27の上方のインナ部材20の内面と伝達部材60の押圧部63とにより、エネルギ吸収部材70を軸圧壊させることができる。これにより、センターピラー部12の破壊モードが、脆性的な破壊ではなく軸圧壊となり、側面衝突により発生する衝突荷重をエネルギ吸収部材70により効率的に吸収することができる。
また、本実施形態に係るセンターピラー部12の構造においては、補強部材50は、折れ曲がり位置を規定する脆弱部51を有する。このため、側面衝突時において、補強部材50が、あらかじめ規定される折れ曲がり予定線Lに沿って折れ曲がりやすくなる。したがって、折れ曲がり予定線Lより下方で補強部材50に固定された伝達部材60の上方の押圧部63が、インナ部材20側に確実に押し出されるようになる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、上記の実施形態及び各変形例を互いに組み合わせた態様も、当然に本発明の技術的範囲に属する。
例えば、上記実施形態に係るセンターピラー部12の構造では、インナ部材20に形成された開口部27が、ベルトリトラクタ設置用の開口部27となっていたが、本発明は係る例に限定されない。インナ部材20における、側面衝突想定部位に対応する位置に開口部が設けられるセンターピラー部であれば、本発明を適用することができる。
1 車体側部構造
10 構造部材
12 センターピラー部
14 サイドシル部
20 インナ部材
30 アウタ部材
50 補強部材
51 脆弱部
60 伝達部材
61 固定部
63 押圧部
70 エネルギ吸収部材

Claims (7)

  1. 車幅方向の外部側に配置される繊維強化樹脂製のアウタ部材と、
    前記車幅方向の内部側に配置されて前記アウタ部材に接合され、かつ、ベルトリトラクタが配置される開口部を有する繊維強化樹脂製のインナ部材と、
    側面衝突時に軸圧壊して衝突荷重を吸収するエネルギ吸収部材と、
    前記アウタ部材の内面に設けられた補強部材と、
    前記補強部材に固定される固定部、及び、前記アウタ部材の内面及び前記補強部材から離間して前記固定部よりも上方に配置されて前記エネルギ吸収部材に前記衝突荷重を伝達する押圧部を有し、少なくとも前記アウタ部材及び前記インナ部材よりも高い強度を有する伝達部材と、を備え、
    前記エネルギ吸収部材は、側面衝突前には前記インナ部材又は前記押圧部から離間して支持され、側面衝突時には前記開口部の上方で前記インナ部材の内面と前記押圧部とにより挟まれて圧壊される、繊維強化樹脂製のセンターピラー構造。
  2. 前記伝達部材が、前記インナ部材側に張り出す屈曲形状又は湾曲形状を有する、請求項1に記載の繊維強化樹脂製のセンターピラー構造。
  3. 前記補強部材が、乗用車のバンパの高さに対応する側面衝突想定部位に設けられる、請求項1又は2に記載の繊維強化樹脂製のセンターピラー構造。
  4. 前記補強部材が、車長方向に沿って形成されて側面衝突時の折れ曲がり位置を規定する脆弱部を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂製のセンターピラー構造。
  5. 前記伝達部材の前記固定部が、前記補強部材の前記脆弱部よりも下方に位置する、請求項4に記載の繊維強化樹脂製のセンターピラー構造。
  6. 側面衝突前において、前記エネルギ吸収部材は、前記押圧部又は前記開口部より上方の前記インナ部材の内面のいずれか一方に保持される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂製のセンターピラー構造。
  7. 側面衝突前において、前記伝達部材の前記押圧部の前記インナ部材側の面が斜め上方を向く、請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂製のセンターピラー構造。
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