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JP2017225227A - 電源装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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JP2017225227A JP2016117994A JP2016117994A JP2017225227A JP 2017225227 A JP2017225227 A JP 2017225227A JP 2016117994 A JP2016117994 A JP 2016117994A JP 2016117994 A JP2016117994 A JP 2016117994A JP 2017225227 A JP2017225227 A JP 2017225227A
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隆章 佐野
Takaaki Sano
隆章 佐野
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Abstract

【課題】多相構成の電圧変換回路における各相の温度差を低減することが可能な電源装置及びコンピュータプログラムを提供する。【解決手段】電源装置は、インダクタL1,L2及び該インダクタL1,L2夫々に流れる電流をスイッチングするトランジスタQ1,Q2を有する電圧変換回路1a,1aと、トランジスタQ1,Q2を異なる位相でオン/オフする制御部10aとを備え、電圧変換回路1a,1aの出力を並列に接続してある。電圧変換回路1a,1aは、夫々のトランジスタQ1,Q2の温度又は周囲温度を検出する温度センサTs1,Ts2を有し、前記制御部10aは、温度センサTs1,Ts2の時系列的な検出結果に基づいて、夫々の温度センサTs1,Ts2に対応するトランジスタQ1,Q2をオン/オフするデューティ比を補正する補正量を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、直流電圧又は交流電圧をスイッチング素子でスイッチングして電圧変換する電圧変換回路を複数並列に接続した電源装置及びコンピュータプログラムに関する。
直流電圧又は交流電圧を昇降圧して所望の電圧に変換するコンバータ又はインバータ(以下、インバータを含めてコンバータという)が様々な分野で使用されている。コンバータは、インダクタに流れる電流をスイッチング素子で周期的にスイッチングすることによって所要の電圧を出力する。出力電流を大きくすると共に出力電流のリップルを小さくし、且つ装置の小型化を図るために、複数のコンバータを互いに異なる位相で作動させて並列に接続したマルチフェーズ(多相)コンバータが利用されている。
例えば特許文献1には、回路素子の特性のばらつき及び温度による特性の変化により、個々のDC/DCコンバータの電流制限のバランスが崩れても、各DC/DCコンバータの個別出力電流を加算して所定の電流総量を超えないように、各DC/DCコンバータの出力電流を制限するマルチフェーズ(多相)型DC/DCコンバータが開示されている。また、特許文献2には、複数のコンバータ回路をそれぞれ出力位相が異なるように並列接続し、これらのコンバータ回路を駆動すると共に、各出力を足し合わせて1つの出力とするマルチフェーズコンバータが開示されている。
特許文献1又は2に記載された多相DC/DCコンバータでは、例えば各コンバータに対する制御に一時的な変動があって特定のDC/DCコンバータに電流が集中した場合、特定のスイッチング素子における熱損失が増大して信頼性が低下したり劣化又は焼損に至ったりする虞がある。
これに対し、特許文献3に記載された多相コンバータは、電流制御指令及び一のサブ回路(1つのコンバータ)の相電流値に基づいてn個のサブ回路に共通する制御信号を出力する電流制御器と、各相のサブ回路の相電流値及び電流制御器からの制御信号に基づいて各相のサブ回路に対する制御信号のデューティ比を制御するバランス制御器とを備えている。これにより、例えば出力電圧が一定の場合に各相の電流の平衡が保たれて、夫々の相のコンバータにおける熱損失の偏りが防止される。
特開2003−284333号公報 特開2008−141802号公報 特開2015−220976号公報
しかしながら、特許文献3に開示された技術によれば、各コンバータでの熱損失が一定であっても夫々のコンバータが有する放熱部材等の熱抵抗が必ずしも一定ではないため、各相のコンバータの温度にばらつきが生じて、特定のコンバータが他のコンバータより高温になることがあるという問題があった。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多相構成の電圧変換回路における各相の温度差を低減することが可能な電源装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明の一態様に係る電源装置は、インダクタ及び該インダクタに流れる電流をスイッチングするスイッチング素子を有する複数の電圧変換回路と、各スイッチング素子を異なる位相でオン/オフする制御部とを備え、各電圧変換回路の出力を並列に接続してある電源装置であって、各電圧変換回路は、夫々のスイッチング素子の温度又は周囲温度を検出する温度センサを有し、前記制御部は、各温度センサの時系列的な検出結果に基づいて、夫々の温度センサに対応するスイッチング素子をオン/オフするデューティ比を補正する補正量を算出する。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、インダクタと、該インダクタに流れる電流をスイッチングするスイッチング素子と、該スイッチング素子の温度又は周囲温度を検出する温度センサとを有する複数の電圧変換回路、及び各スイッチング素子を異なる位相でオン/オフする制御部を備え、各電圧変換回路の出力を並列に接続してある電源装置における前記制御部で実行可能なコンピュータプログラムであって、前記制御部に、各温度センサの検出結果を時系列的に取得するステップと、取得した各検出結果に基づいて、夫々の温度センサに対応するスイッチング素子をオン/オフするデューティ比を補正する補正量を算出するステップと、算出した補正量に基づいて、前記デューティ比を補正するステップとを実行させる。
なお、本願は、このような特徴的な処理部を備える電源装置を実現したり、かかる特徴的な処理部に対応するステップを制御部に実行させるためのコンピュータプログラムとして実現したりすることができるだけでなく、かかるステップを含む電圧変換回路の駆動方法として実現したりすることができる。また電源装置の一部又は全部を半導体集積回路として実現したり、電源装置を含むその他のシステムとして実現したりすることができる。
上記によれば、多相構成の電圧変換回路における各相の温度差を低減することが可能となる。
実施形態1に係る電源装置の構成例を示すブロック図である。 出力電圧をフィードバック制御する制御部の機能構成を示すブロック図である。 第1相のトランジスタに係る温度をフィードバック制御する制御部の機能構成を示すブロック図である。 実施形態1に係る電源装置で各相のデューティ比の補正量を算出してPWM信号をオン/オフする位相を算出するCPUの処理手順を示すフローチャートである。 実施形態2に係る電源装置の構成例を示すブロック図である。 実施形態3に係る電源装置の構成例を示すブロック図である。 実施形態4に係る電源装置の構成例を示すブロック図である。 実施形態4に係る電源装置で各相のデューティ比の補正量を算出してPWM信号をオン/オフする位相を算出するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(1)本発明の一態様に係る電源装置は、インダクタ及び該インダクタに流れる電流をスイッチングするスイッチング素子を有する複数の電圧変換回路と、各スイッチング素子を異なる位相でオン/オフする制御部とを備え、各電圧変換回路の出力を並列に接続してある電源装置であって、各電圧変換回路は、夫々のスイッチング素子の温度又は周囲温度を検出する温度センサを有し、前記制御部は、各温度センサの時系列的な検出結果に基づいて、夫々の温度センサに対応するスイッチング素子をオン/オフするデューティ比を補正する補正量を算出する。
本態様にあっては、制御部が、複数の電圧変換回路夫々のスイッチング素子を異なる位相でオン/オフし、夫々のインダクタに流れる電流をスイッチング素子でスイッチングすることにより、各電圧変換回路に入力された電圧が変換されて並列に出力される。制御部は更に、各スイッチング素子の温度又は周囲温度(以下、スイッチング素子に係る温度という)について夫々の温度センサで時系列的に検出した温度に基づいて、夫々のスイッチング素子をオン/オフするデューティ比を補正するための補正量を各別に算出する。
これにより、比較的温度が高い(又は低い)スイッチング素子をオン/オフするデューティ比が小さく(又は大きく)なるように補正される。
(2)前記制御部は、各温度センサの検出結果の代表値に対する夫々の温度センサの検出結果の偏差に基づいて前記補正量を算出することが好ましい。
本態様にあっては、各スイッチング素子に係る温度の検出結果の代表値を算出し、算出した代表値に対する夫々のスイッチング素子に係る温度の検出結果の偏差を更に算出し、算出した各偏差に基づいて夫々のスイッチング素子をオン/オフするデューティ比を補正するための補正量を算出する。
これにより、温度の検出結果の代表値に対して温度の検出結果の偏差が負(又は正)であるスイッチング素子をオン/オフするデューティ比が、偏差の絶対値に応じて小さく(又は大きく)なるように補正される。
(3)前記制御部は、各スイッチング素子の温度又は周囲温度を制御量とし前記代表値を目標値とするPI制御又はPID制御によって前記補正量を算出することが好ましい。
本態様にあっては、各スイッチング素子に係る温度を制御量とし、各スイッチング素子に係る温度の検出結果の代表値を目標値とするPI制御又はPID制御を、電圧変換回路の数、即ちスイッチング素子の数だけ並列的に行うことにより、夫々のスイッチング素子に対する操作量としてデューティ比の補正量を算出する。
これにより、各スイッチング素子に係る温度に生じるオフセットが低減される。
(4)各電圧変換回路は、夫々のインダクタに流れる電流を検出する電流センサを更に備え、前記制御部は、各電流センサの検出結果が所定の閾値より大きいか否かを判定し、大きいと判定した電流センサに対応するスイッチング素子をオン/オフするデューティ比を低減することが好ましい。
本態様にあっては、複数のインダクタ夫々に流れる電流が閾値より大きい場合に、閾値より大きい電流が検出されたインダクタに対応するスイッチング素子をオン/オフするデューティ比を低減する。
これにより、スイッチング素子が高温で劣化又は損傷することが防止される。
(5)本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、インダクタと、該インダクタに流れる電流をスイッチングするスイッチング素子と、該スイッチング素子の温度又は周囲温度を検出する温度センサとを有する複数の電圧変換回路、及び各スイッチング素子を異なる位相でオン/オフする制御部を備え、各電圧変換回路の出力を並列に接続してある電源装置における前記制御部で実行可能なコンピュータプログラムであって、前記制御部に、各温度センサの検出結果を時系列的に取得するステップと、取得した各検出結果に基づいて、夫々の温度センサに対応するスイッチング素子をオン/オフするデューティ比を補正する補正量を算出するステップと、算出した補正量に基づいて、前記デューティ比を補正するステップとを実行させる。
本態様にあっては、制御部でコンピュータプログラムを実行するコンピュータに、各温度センサの検出結果を時系列的に取得するステップと、取得した各検出結果に基づいて、夫々対応するスイッチング素子をオン/オフするデューティ比を補正する補正量を算出するステップと、算出した各補正量に基づいて、夫々対応するデューティ比を補正するステップとを実行させる。
これにより、比較的温度が高い(又は低い)スイッチング素子をオン/オフするデューティ比が小さく(又は大きく)なるように補正される。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る電源装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る電源装置の構成例を示すブロック図である。図中1aは外部の電源2からの電圧を昇圧して外部の負荷3に供給する電圧変換回路であり、電源装置は、電圧変換回路1a,1aと、該電圧変換回路1a,1aによる電圧の変換を制御する制御部10aとを備える。電圧変換回路1aの数は2つ以上であればよく、2つに限定されない。
電圧変換回路1aは、インダクタL1(又はL2)と、電源2からインダクタL1(又はL2)に流れる電流をスイッチングするスイッチング素子であるNチャネル型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:以下、トランジスタという)Q1(又はQ2)と、トランジスタQ1(又はQ2)の温度又は周囲温度(以下、トランジスタQi(iは自然数)に係る温度ともいう)を検出する温度センサTs1(又はTs2)とを有する。トランジスタQ1及びQ2はMOSFETに限定されず、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の他のスイッチング素子であってもよい。
インダクタL1及びL2夫々とトランジスタQ1及びQ2のドレインとの接続点は、ダイオードD1及びD2のアノードに接続されている。トランジスタQ1及びQ2のソースは接地電位に接続されている。電圧変換回路1a,1aで変換された電圧は、ダイオードD1及びD2のカソードから並列に出力されてコンデンサC1で平滑されており、抵抗器R1及びR2の分圧回路で分圧されて制御部10aに与えられる。
温度センサTs1及びTs2は、例えばサーミスタ又は熱電対であるが、温度を検出して検出電圧を出力できるものであれば他のセンサで置き換えてもよい。温度センサTs1及びTs2夫々は、トランジスタQ1及びQ2のケース又は放熱板に密着させてチャネル温度にできるだけ近い温度を検出することが好ましいが、トランジスタQ1及びQ2からの熱で上昇する周囲の温度を検出してもよい。
制御部10aは、トランジスタQ1及びQ2の制御における中枢となるCPU(Central Processing Unit)11と、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically EPROM:登録商標)等の不揮発性メモリを用いたROM12と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等の書き換え可能なメモリを用いたRAM13と、時間を計時するタイマ14とを備える。CPU11、ROM12、RAM13及びタイマ14は、相互にバス接続されている。
制御部10aは、更に、トランジスタQ1及びQ2夫々をオン/オフする駆動信号を生成してゲートに印加する駆動回路15,15と、温度センサTs1及びTs2の検出電圧、並びに抵抗器R1及びR2で分圧された分圧電圧をA/D変換するA/D変換器19とを備えており、これらは何れもCPU11とバス接続されている。上記駆動信号は例えばPWM(Pulse Width Modulation)信号であるが、オン/オフのトータル時間に対するオン時間の比、即ちデューティ比が定義される信号であれば、他の信号であってもよい。
CPU11は、予めROM12に記憶された制御プログラムに従い、バス接続された各部の動作を制御すると共に演算等の処理を行い、駆動回路15,15によってトランジスタQ1及びQ2を異なる位相でオン/オフする。RAM13は、CPU11による処理により発生した情報を一時的に記憶する。CPU11による各処理の手順を定めたコンピュータプログラムを、不図示の手段を用いて予めRAM13にロードし、コンピュータプログラムをCPU11で実行するようにしてもよいし、CPU11を含む制御部10aをマイクロコンピュータや専用のハードウェア回路で構成してもよい。
次に、制御部10aの機能構成について説明する。以下では、電源装置が電圧変換回路1aをN個(Nは2以上の自然数)備えるものとして説明する。N個の電圧変換回路1a,1a,・・1a夫々に係るブロックを第1相,第2相,・・第N相と称して識別する。
図2は、出力電圧をフィードバック制御する制御部10aの機能構成を示すブロック図であり、図3は、第1相のトランジスタQ1に係る温度をフィードバック制御する制御部10aの機能構成を示すブロック図である。図2及び図3に破線で示す枠内は制御部10aであり、枠内のブロックのうち、符号が付されていないものはCPU11によって実現されるブロックである。また、円内に「Σ」の記号で表したブロックは、加算器である。
図2において、N個の駆動回路15,15,・・15の夫々は、異なる電圧変換回路1aに接続されている。駆動回路15,15,・・15が出力する信号は、上述のとおりPWM信号である。電圧変換回路1a,1a,・・1aからの出力電圧が、ここでのフィードバック制御の制御量である。出力電圧は抵抗器R1及びR2からなる分圧回路で分圧され、A/D変換器19でデジタル値に変換されてフィードバック電圧となる。
CPU11は、不図示の外部インタフェースから取得した目標電圧又は自らの処理によって設定した目標電圧を目標値とし、目標値に対する上記フィードバック電圧の偏差に基づいて目標値に追従するPI((Proportional Integral))制御を行う。PI制御は、PID(Proportional Integral Derivative)制御等の他のフィードバック制御であってもよい。こここでのPI制御により生成された操作量は、駆動回路15,15,・・15に対する代表的なデューティ比となる。
生成された代表的なデューティ比は、N個の加算器に並列的に与えられる。このN個の加算器は、第1相から第N相までの各相に対応しており、代表的なデューティ比と、後述する第1相から第N相までの補正量とを各別に加算する。加算により生成されたN個のデューティ比の夫々は異なる駆動回路15に与えられる。駆動回路15,15,・・15夫々が生成するPWM信号は、位相が2π/Nずつ異なっている。
図3に移って、N個の電圧変換回路1a,1a,・・1aの夫々は、異なる温度センサTsj(jは1からNの何れか)を有する。各Tsjの夫々は、図3では不図示のトランジスタQjに係る温度を検出する。温度センサTs1,Ts2,・・TsNの検出電圧は、A/D変換器19で変換されて加算器で加算され、加算値に1/Nが乗算されて全N相の平均的な温度となる。ここまでは、第1相,第2相,・・第N相について共通の処理である。温度センサTs1の検出電圧がA/D変換器19で変換された検出結果は、第1相のフィードバック温度となる。
CPU11は、この平均的な温度を目標値とし、目標値に対する上記フィードバック温度の偏差に基づいて目標値に追従するPI制御を行う。PI制御は、PID制御等の他のフィードバック制御であってもよい。ここでのPI制御により生成された操作量は、上述の代表的なデューティ比に対する第1相の補正量である。第2相,第3相,・・第N相夫々のトランジスタQ2,Q3,・・・QNに係る温度のフィードバック制御を行う制御部10aの機能構成についても、図3に示すものと同様である。
仮に、図2に示す機能ブロックで第1相から第N相までの補正量がゼロであって、全ての電圧変換回路1aが代表的なデューティ比のPWM信号で駆動された場合、各トランジスタQiのオン抵抗の違い、放熱に係る熱抵抗の違い等の差異により、トランジスタQ1,Q2,・・QNの温度は必ずしも均等にはならない。そこで、本実施形態1では、図3に示す機能ブロックにより、温度センサTs1,Ts2,・・TsN夫々にて検出したトランジスタQ1,Q2,・・QNに係る温度に基づいて、トランジスタQ1,Q2,・・QNをオン/オフするデューティ比を補正するための補正量を算出する。
例えば、温度センサTs1,Ts2,・・TsN夫々の検出電圧をA/D変換した検出結果をT1,T2,・・TNとし、T1,T2,・・TNの平均値で表される平均的な温度をTavとする。TaVはT1,T2,・・TNの平均値に限定されず、例えば中央値等の統計的な値、又はT1,T2,・・TNを代表する代表値であってもよい。
第1相のトランジスタQ1に係る温度の検出結果T1がTavより大きい(又は小さい)場合、図3に示す偏差の符号が負(又は正)となり、PI制御によって偏差を0に近づけるべく符号が負(又は正)の補正量が算出される。その結果、第1相のデューティ比が代表的なデューティ比より小さく(又は大きく)なり、トランジスタQ1に係る温度が低く(又は高く)なるように制御される。この場合、上記偏差の絶対値が大きいほど、補正量の絶対値が大きくなり、トランジスタQ1に係る温度がより低く(又は高く)なるように制御される。第1相以外の各相についても同様である。
以下では、上述した制御部10aの動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。以下に示す処理は、ROM12に予め格納されている制御プログラムに従って、CPU11により実行される。
図4は、実施形態1に係る電源装置で各相のデューティ比の補正量を算出してPWM信号をオン/オフする位相を算出するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。図4に手順を示す処理は、PWM制御の制御周期毎に実行される。図4で用いられるループカウンタkは、RAM13に記憶される。目標電圧は予め取得又は設定されているものとする。
図4に示す処理が起動された場合、CPU11は、抵抗器R1及びR2の分圧回路で分圧された出力電圧をA/D変換器19で変換して出力電圧の検出結果を取り込み(S11)、目標電圧に対する検出結果の偏差を算出する(S12)。次いで、CPU11は、算出した偏差に応じて目標電圧に追従するPI制御を実行することにより、各相について代表的なデューティ比を算出する(S13)。
その後、CPU11は、A/D変換器19を用いて温度センサTs1,Ts2,・・TsNの検出結果を取り込み(S14)、取り込んだ検出結果の合計値に1/Nを乗算することによって、全N相の平均的な温度を算出する(S15)。算出された平均的な温度は目標温度である。次いで、CPU11は、第1のループ処理に入る前にループカウンタkを1に設定する(S16)。
第1のループ処理の先頭にて、CPU11は、算出した平均的な温度に対する第k相の温度(即ち第k相の温度センサTskの検出結果)の偏差を算出する(S17)。次いで、CPU11は、算出した偏差に応じて目標温度に追従するPI制御を実行することによって第k相のデューティ比の補正量を算出し(S18)、算出した補正量を代表的なデューティ比に加算して第k相のデューティ比を補正する(S19)。
その後、CPU11は、ループカウンタkを1だけインクリメントし(S23)、kがN+1であるか否かを判定する(S24)。kがN+1ではない場合(S24:NO)、CPU11は、ステップS17に処理を移して第1のループ処理を継続する。
kがN+1である場合(S24:YES)、CPU11は、第1のループ処理を抜けて第1相のPWM信号をオフにするオフ位相を算出する(S31)。第1相のPWM信号をオンにするオン位相は、位相0であるものとする。次いで、CPU11は、第2のループ処理に入る前にループカウンタkを1に設定する(S32)。
第2のループ処理の先頭にて、CPU11は、第k相のPWM信号をオンにするオン位相を2πk/Nだけシフトして、第k+1相のPWM信号のオン位相を算出する(S33)と共に、先に算出した第k+1相のデューティ比に応じて第k+1相のPWM信号をオフにするオフ位相を算出する(S34)。
その後、CPU11は、ループカウンタkを1だけインクリメントし(S35)、kがNであるか否かを判定する(S36)。kがNではない場合(S36:NO)、CPU11は、ステップS32に処理を移して第2のループ処理を継続する。一方、kがNである場合(S36:YES)、CPU11は、図4に示す処理を終了する。
以上のように本実施形態1によれば、制御部10aが、N個の電圧変換回路1a,1a,・・夫々のトランジスタQ1,Q2,・・を2π/Nずつ異なる位相でオン/オフし、夫々のインダクタL1,L2,・・に流れる電流をトランジスタQ1,Q2,・・でスイッチングすることにより、電圧変換回路1a,1a,・・に入力された電圧が昇圧されて並列に出力される。制御部10aは更に、トランジスタQ1,Q2,・・に係る温度について夫々の温度センサTs1,Ts2,・・で時系列的に検出した温度に基づいて、夫々のトランジスタQ1,Q2,・・をオン/オフするデューティ比を補正するための補正量を各別に算出する。これにより、比較的温度が高い(又は低い)トランジスタをオン/オフするデューティ比が小さく(又は大きく)なるように補正される。
従って、多相構成の電圧変換回路1a,1a,・・における各相の温度差を低減することが可能となる。
また、実施形態1によれば、トランジスタQ1,Q2,・・に係る温度の検出結果の平均値Tavを算出し、算出した平均値Tavに対する夫々のトランジスタQ1,Q2,・・に係る温度の検出結果の偏差を更に算出し、算出した各偏差に基づいて夫々のトランジスタQ1,Q2,・・をオン/オフするデューティ比を補正するための補正量を算出する。
従って、温度の検出結果の平均値(代表値に相当)Tavに対して温度の検出結果の偏差が負(又は正)であるトランジスタをオン/オフするデューティ比が、偏差の絶対値に応じて小さく(又は大きく)なるように補正することが可能となる。
更に、実施形態1によれば、トランジスタQ1,Q2,・・に係る温度を制御量とし、トランジスタQ1,Q2,・・に係る温度の検出結果の平均値(代表値)Tavを目標値とするPI制御又はPID制御を、電圧変換回路1aの数N、即ちトランジスタQ1,Q2,・・の数だけ並列的に行うことにより、夫々のトランジスタQ1,Q2,・・に対する操作量としてデューティ比の補正量を算出する。
従って、トランジスタQ1,Q2,・・に係る温度に生じるオフセットを低減することが可能となる。
(実施形態2)
実施形態1が、入力された電圧を昇圧する電圧変換回路1aを多相に構成した形態であるのに対し、実施形態2は、入力された電圧を降圧する電圧変換回路を多相に構成した形態である。
図5は、実施形態2に係る電源装置の構成例を示すブロック図である。図中1bは外部の電源2からの電圧を降圧して外部の負荷3に供給する電圧変換回路であり、電源装置は、電圧変換回路1b,1bと、該電圧変換回路1b,1bによる電圧の変換を制御する制御部10bとを備える。電圧変換回路1bの数は2つに限定されない。
電圧変換回路1bは、インダクタL1(又はL2)と、電源2からインダクタL1(又はL2)に流れる電流をスイッチングするトランジスタQ1(又はQ2)と、トランジスタQ1(又はQ2)に係る温度を検出する温度センサTs1(又はTs2)とを有する。
インダクタL1及びL2夫々の一端とトランジスタQ1及びQ2のソースとの接続点は、同期整流用のトランジスタQs1及びQs2のドレインに接続されている。トランジスタQ1及びQ2のドレインは電源2に接続されている。トランジスタQs1及びQs2のソースは接地電位に接続されている。電圧変換回路1b,1bで変換された電圧は、インダクタL1,L2の他端から並列に出力されてコンデンサC1で平滑されており、抵抗器R1及びR2の分圧回路で分圧されて制御部10bに与えられる。
制御部10bは、CPU11と、ROM12と、RAM13と、タイマ14と、トランジスタQ1及びQ2夫々をオン/オフする駆動信号を生成してゲートに印加する駆動回路16,16と、トランジスタQs1及びQs2夫々をオン/オフする駆動信号を生成してゲートに印加する駆動回路17,17と、温度センサTs1及びTs2の検出電圧、並びに抵抗器R1及びR2で分圧された分圧電圧をA/D変換するA/D変換器19とを備える。CPU11、ROM12、RAM13、タイマ14、駆動回路16,16,17,17及びA/D変換器19は、相互にバス接続されている。
駆動回路16は、実施形態1における駆動回路15と比較して、ゲートに印加する駆動電圧に直流的な電圧を重畳させるブートストラップ回路が追加されている。駆動回路17,17がトランジスタQs1,Qs2夫々に印加する駆動電圧は、駆動回路16,16がトランジスタQ1,Q2夫々に印加する駆動電圧と比較して位相がπだけ異なっている。
その他、実施形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。また、出力電圧のフィードバック制御を行う制御部10bの機能構成を示すブロック図、及び第1相のトランジスタQ1に係る温度のフィードバック制御を行う制御部10bの機能構成を示すブロック図夫々についても、実施形態1の図2及び3に示すものと同様であるため、図示を省略する。以下では、電源装置が電圧変換回路1bをN個(Nは2以上の自然数)備えるものとして説明する。
本実施形態2では、CPU11が、不図示の外部インタフェースから取得した目標電圧又は自らの処理によって設定した目標電圧を目標値とし、目標値に対する出力電圧のフィードバック電圧の偏差に基づいて目標値に追従するPI制御を行う。PI制御により生成された操作量は、駆動回路16,16,・・16に対する代表的なデューティ比となる。
生成された代表的なデューティ比は、N個の加算器にて第1相から第N相までの補正量と各別に加算される。加算により生成されたN個のデューティ比の夫々は異なる駆動回路16に与えられる。駆動回路16,16,・・16夫々が生成するPWM信号は、位相が2π/Nずつ異なっている。
一方、N個の電圧変換回路1b,1b,・・1bの夫々が有する異なる温度センサTsj(jは1からNの何れか)は、トランジスタQjに係る温度を検出する。温度センサTs1,Ts2,・・TsNの検出結果は、加算器で加算され、加算値に1/Nが乗算されて全N相の平均的な温度Tavとなる。CPU11は、この平均的な温度Tavを目標値とし、目標値に対する各相のフィードバック温度の偏差に基づいて目標値に追従するPI制御を各別に行う。PI制御により生成された操作量は、各相の代表的なデューティ比に対する第1相,第2相,・・第N相の補正量となる。
ここで、第j相のトランジスタQjに係る温度の検出結果TjがTavより大きい(又は小さい)場合、温度のPI制御における偏差の符号が負(又は正)となり、PI制御によって偏差を0に近づけるべく符号が負(又は正)の補正量が算出される。その結果、第j相のデューティ比が代表的なデューティ比より小さく(又は大きく)なり、トランジスタQjに係る温度が低く(又は高く)なるように制御される。この場合、上記偏差の絶対値が大きいほど、補正量の絶対値が大きくなり、トランジスタQjに係る温度がより低く(又は高く)なるように制御される。
上述した制御部10bの動作を示すフローチャートは、実施形態1の図4に示すものと同様であるため、図示及び説明を省略する。
以上のように本実施形態2によれば、制御部10bが、N個の電圧変換回路1b,1b,・・夫々のトランジスタQ1,Q2,・・を2π/Nずつ異なる位相でオン/オフし、夫々のインダクタL1,L2,・・に流れる電流をトランジスタQ1,Q2,・・でスイッチングすることにより、電圧変換回路1b,1b,・・に入力された電圧が降圧されて並列に出力される。制御部10bは更に、トランジスタQ1,Q2,・・に係る温度について夫々の温度センサTs1,Ts2,・・で時系列的に検出した温度に基づいて、夫々のトランジスタQ1,Q2,・・をオン/オフするデューティ比を補正するための補正量を各別に算出する。これにより、比較的温度が高い(又は低い)トランジスタをオン/オフするデューティ比が小さく(又は大きく)なるように補正される。
従って、多相構成の電圧変換回路1b,1b,・・における各相の温度差を低減することが可能となる。
(実施形態3)
実施形態1及び2夫々が、入力された直流電圧を昇圧及び降圧した電圧を出力する形態であるのに対し、実施形態3は、入力された交流電圧を変換して直流電圧を出力する形態である。
図6は、実施形態3に係る電源装置の構成例を示すブロック図である。図中1cは外部の交流電源4からの交流電圧を変換して外部の負荷3に直流電圧を供給する電圧変換回路であり、電源装置は、電圧変換回路1c,1cと、該電圧変換回路1c,1cによる電圧の変換を制御する制御部10cとを備える。本実施形態3に係る電源装置は、所謂セミブリッジレス型のPFC回路で構成される。
電源装置は、更に、交流電源4の一端及び他端夫々にアノードが接続されたダイオードD3及びD4と、ダイオードD3及びD4のカソードと接地電位との間に接続された抵抗器R3及びR4の直列回路と、交流電源4の一端及び他端夫々にカソードが接続されたダイオードD5及びD6とを備える。ダイオードD5及びD6のアノードは接地電位に接続されている。ダイオードD3及びD4と抵抗器R3及びR4の直列回路とは、交流電源4の電圧を検出するためのものである。ダイオードD5及びD6は、交流電源4の交流電圧の電位と接地電位とをリンクさせるためのものである。
電圧変換回路1cは、インダクタL1(又はL2)と、交流電源4の一端(又は他端)からインダクタL1(又はL2)に流れる電流をスイッチングするトランジスタQ1(又はQ2)と、トランジスタQ1(又はQ2)に係る温度を検出する温度センサTs1(又はTs2)とを有する。
インダクタL1及びL2夫々とトランジスタQ1及びQ2のドレインとの接続点は、ダイオードD1及びD2のアノードに接続されている。トランジスタQ1及びQ2夫々のソースは、ドレイン電流を検出する抵抗器R5及びR6を介して接地電位に接続されている。電圧変換回路1c,1cで変換された電圧は、ダイオードD1及びD2のカソードから並列に出力されてコンデンサC1で平滑されており、抵抗器R1及びR2の分圧回路で分圧されて制御部10cに与えられる。
制御部10cは、CPU11と、ROM12と、RAM13と、タイマ14と、トランジスタQ1及びQ2夫々をオン/オフする駆動信号を生成してゲートに印加する駆動回路18,18と、温度センサTs1及びTs2の検出電圧、抵抗器R1及びR2で分圧された分圧電圧、抵抗器R3及びR4で分圧された分圧電圧、並びに抵抗器R5及びR6の検出電圧をA/D変換するA/D変換器19とを備える。CPU11、ROM12、RAM13、タイマ14、駆動回路18,18及びA/D変換器19は、相互にバス接続されている。
本実施形態3では、CPU11が、交流電源4からの交流電圧の各半サイクル中に、インダクタL1(又はL2)に流れる電流をトランジスタQ1(又はQ2)で複数回スイッチングすることによってPFC制御を行う。例えば電流連続モードでは、交流電源4からの交流電流の移動平均値が交流電圧に比例するように、トランジスタQ1(又はQ2)のオン/オフが制御される。この場合、トランジスタQ1(又はQ2)をオン/オフするデューティ比は、交流電圧の各周期における位相0(又はπ)で最大となり、位相π/2(又は3π/2)で最小となる。一方、電流臨界モードでは、トランジスタQ1(又はQ2)をオン/オフするデューティ比は一定であり、スイッチングの周期を交流電圧に応じて変化させることによって交流電流が調整される。
以下では、交流電源4の他端に対する一端の電圧が正及び負夫々である場合に、交流電源4の電圧が正及び負であると言う。交流電源4の電圧が正である場合、トランジスタQ1がオンしたときに、交流電源4の一端からインダクタL1、トランジスタQ1、トランジスタQ2の寄生ダイオード、及びインダクタL2を介して電流が流入する。この場合の電流は、インダクタL1,L2の誘導性リアクタンスにより、正の交流電圧に略比例する増加速度で直線的に増加する。一方、トランジスタQ1がオフしたときは、交流電源4の一端からインダクタL1、ダイオードD1、コンデンサC1及び負荷3、並びにインダクタL2を介して電流が還流しつつ、電流が時間の経過と共に減少する。
交流電源4の電圧が負である場合、トランジスタQ2がオンしたときに、交流電源4の他端からインダクタL2、トランジスタQ2、トランジスタQ1の寄生ダイオード、及びインダクタL1を介して電流が流入する。この場合の電流は、インダクタL2,L1の誘導性リアクタンスにより、負の交流電圧に略比例する増加速度で直線的に増加する。一方、トランジスタQ2がオフしたときは、交流電源4の他端からインダクタL2、ダイオードD2、コンデンサC1及び負荷3、並びにインダクタL1を介して電流が還流しつつ、電流が時間の経過と共に減少する。
CPU11は、また、トランジスタQ1及びQ2夫々に係る温度のフィードバック制御を行う。CPU11は、温度センサTs1及びTs2の検出結果に基づいてトランジスタQ1及びQ2夫々に係る温度の平均的な温度Tavを算出する。CPU11は、この平均的な温度Tavを目標値とし、目標値に対するトランジスタQ1及びQ2夫々に係る温度の偏差に基づいて目標値に追従するPI制御を各別に行う。PI制御により生成された操作量は、トランジスタQ1及びQ2夫々をオン/オフするデューティ比に対する補正量となる。
ここで、トランジスタQ1に係る温度の検出結果がTavより大きい(又は小さい)場合、温度のPI制御における偏差の符号が負(又は正)となり、PI制御によって偏差を0に近づけるべく符号が負(又は正)の補正量が算出される。その結果、トランジスタQ1をオン/オフするデューティ比が小さく(又は大きく)なり、トランジスタQ1に係る温度が低く(又は高く)なるように制御される。この場合、上記偏差の絶対値が大きいほど、補正量の絶対値が大きくなり、トランジスタQ1に係る温度がより低く(又は高く)なるように制御される。トランジスタQ2に係る温度の制御についても同様である。
以上のように本実施形態3によれば、制御部10cが、電圧変換回路1c,1c夫々のトランジスタQ1及びQ2を異なる位相でオン/オフし、夫々のインダクタL1及びL2に流れる電流をトランジスタQ1及びQ2でスイッチングすることにより、電圧変換回路1c,1cに入力された電圧が変換されて並列に出力される。制御部10cは更に、トランジスタQ1及びQ2夫々に係る温度について温度センサTs1及びTs2で時系列的に検出した温度に基づいて、夫々のトランジスタQ1及びQ2をオン/オフするデューティ比を補正するための補正量を各別に算出する。これにより、比較的温度が高い(又は低い)トランジスタをオン/オフするデューティ比が小さく(又は大きく)なるように補正される。
従って、多相構成の電圧変換回路1c,1cにおける各相の温度差を低減することが可能となる。
(実施形態4)
実施形態1が、インダクタL1,L2,・・に流れる電流を検出しない形態であるのに対し、実施形態4は、インダクタL1,L2,・・に流れる電流を検出し、閾値より多い電流が流れるインダクタに対応するトランジスタをオン/オフするデューティ比を低減する形態である。
図7は、実施形態4に係る電源装置の構成例を示すブロック図である。図中1dは電圧変換回路であり、電源装置は、電圧変換回路1d,1dと、該電圧変換回路1d,1dによる電圧の変換を制御する制御部10dとを備える。電圧変換回路1dの数は2つに限定されない。電圧変換回路1d,1dと実施形態1に係る電源装置が備える電圧変換回路1a,1aとの違いは、電圧変換回路1d,1d夫々がインダクタL1及びL2に流れる電流を検出する電流センサCs1及びCs2を有する点にある。電流センサCs1及びCs2による検出電圧はA/D変換器19で変換されて電流の検出結果として参照される。
その他、実施形態1に対応する箇所には同様の符号を付してその説明を省略する。また、出力電圧のフィードバック制御を行う制御部10dの機能構成を示すブロック図、及び第1相のトランジスタQ1に係る温度のフィードバック制御を行う制御部10dの機能構成を示すブロック図夫々についても、実施形態1の図2及び3に示すものと同様であるため、図示及びその内容の説明を省略する。
以下では、上述した制御部10dの動作を、それを示すフローチャートを用いて説明する。電源装置は、電圧変換回路1dをN個(Nは2以上の自然数)備えるものとする。
図8は、実施形態4に係る電源装置で各相のデューティ比の補正量を算出してPWM信号をオン/オフする位相を算出するCPU11の処理手順を示すフローチャートである。図8に示す処理のうち、ステップS41からS49まで、及びステップS61からS66までの処理は、実施形態1の図4に示すステップS11からS19まで、及びステップS31からS36までの処理と同一内容であるため、その説明の大部分を省略する。
図8に示す処理が起動されてステップS41からS49までの処理を終えた場合、CPU11は、第1のループ処理内で第k相の電流センサCskの検出結果を取り込み(S50)、検出結果が所定の閾値より大きいか否かを判定する(S51)。電流センサCskの検出結果は、PWM信号の制御周期にわたって平均化又はピークホールドされることが好ましい。図8に示す処理とは異なる処理にて電流センサCskの検出結果の平均値又はピーク値が取得されるようにしてもよい。
電流センサCskの検出結果が所定の閾値より大きい場合(S51:YES)、CPU11は、第k相のデューティ比を低減する(S52)。この低減は、一定の低減率で低減してもよいし、所定のデューディ比だけ低減してもよい。ステップS52の処理を終えた場合、又はステップS51で電流センサCskの検出結果が所定の閾値より大きくない場合(S51:NO)、CPU11は、ループカウンタkを1だけインクリメントして(S53)kがN+1であるか否かを判定する(S54)。以下の処理は実施の形態1の図4に示すものと同様であるため、その説明を省略する。
以上のように本実施形態4によれば、N個のインダクタL1,L2,・・夫々に流れる電流が閾値より大きい場合に、閾値より大きい電流が検出されたインダクタに対応するトランジスタをオン/オフするデューティ比を低減する。
従って、トランジスタQ1,Q2,・・が高温で劣化又は損傷するのを防止することが可能となる。
また、実施形態1(又は4)によれば、制御部10aでコンピュータプログラムを実行するCPU11に、トランジスタQ1,Q2,・・に係る温度について夫々の温度センサTs1,Ts2,・・の検出結果を時系列的に取得するステップS14(又はS44)と、取得した各検出結果に基づいて、夫々対応するトランジスタQ1,Q2,・・をオン/オフするデューティ比を補正する補正量を算出するステップS18(又はS48)と、算出した各補正量に基づいて、夫々対応するデューティ比を補正するステップS19(又はS49)とを実行させる。これにより、比較的温度が高い(又は低い)トランジスタをオン/オフするデューティ比が小さく(又は大きく)なるように補正される。
従って、多相構成の電圧変換回路1a,1a,・・における各相の温度差を低減することが可能となる。
1a、1b、1c、1d 電圧変換回路
10a、10b、10c 制御部
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 タイマ
15、16、17、18 駆動回路
19 A/D変換器
L1、L2 インダクタ
Q1、Q2、Qs1、Qs2 トランジスタ
D1、D2、D3、D4、D5、D6 ダイオード
R1、R2、R3、R4、R5、R6 抵抗器
C1、C2 コンデンサ
Ts1,Ts2 温度センサ
2 電源
3 負荷
4 交流電源

Claims (5)

  1. インダクタ及び該インダクタに流れる電流をスイッチングするスイッチング素子を有する複数の電圧変換回路と、各スイッチング素子を異なる位相でオン/オフする制御部とを備え、各電圧変換回路の出力を並列に接続してある電源装置であって、
    各電圧変換回路は、夫々のスイッチング素子の温度又は周囲温度を検出する温度センサを有し、
    前記制御部は、各温度センサの時系列的な検出結果に基づいて、夫々の温度センサに対応するスイッチング素子をオン/オフするデューティ比を補正する補正量を算出する電源装置。
  2. 前記制御部は、各温度センサの検出結果の代表値に対する夫々の温度センサの検出結果の偏差に基づいて前記補正量を算出する請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記制御部は、各スイッチング素子の温度又は周囲温度を制御量とし前記代表値を目標値とするPI制御又はPID制御によって前記補正量を算出する請求項2に記載の電源装置。
  4. 各電圧変換回路は、夫々のインダクタに流れる電流を検出する電流センサを更に備え、
    前記制御部は、各電流センサの検出結果が所定の閾値より大きいか否かを判定し、大きいと判定した電流センサに対応するスイッチング素子をオン/オフするデューティ比を低減する
    請求項1から3の何れか1項に記載の電源装置。
  5. インダクタと、該インダクタに流れる電流をスイッチングするスイッチング素子と、該スイッチング素子の温度又は周囲温度を検出する温度センサとを有する複数の電圧変換回路、及び各スイッチング素子を異なる位相でオン/オフする制御部を備え、各電圧変換回路の出力を並列に接続してある電源装置における前記制御部で実行可能なコンピュータプログラムであって、
    前記制御部に、
    各温度センサの検出結果を時系列的に取得するステップと、
    取得した各検出結果に基づいて、夫々の温度センサに対応するスイッチング素子をオン/オフするデューティ比を補正する補正量を算出するステップと、
    算出した補正量に基づいて、前記デューティ比を補正するステップと
    を実行させるコンピュータプログラム。
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