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JP2017200222A - ユーザ端末、無線基地局および無線通信方法 - Google Patents

ユーザ端末、無線基地局および無線通信方法 Download PDF

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JP2017200222A
JP2017200222A JP2017125728A JP2017125728A JP2017200222A JP 2017200222 A JP2017200222 A JP 2017200222A JP 2017125728 A JP2017125728 A JP 2017125728A JP 2017125728 A JP2017125728 A JP 2017125728A JP 2017200222 A JP2017200222 A JP 2017200222A
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一樹 武田
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真平 安川
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Abstract

【課題】複数のセルが高密度に配置される場合であっても、セル間干渉を適切に制御すること。【解決手段】複数の無線基地局と接続可能なユーザ端末であって、各無線基地局からの下りリンク信号を受信する受信部と、前記下りリンク信号から、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントと、電力制御用の制御信号と、を同時に検出した場合に、前記電力制御用の制御信号に含まれるTPCコマンドを優先して送信電力を変更する電力制御部と、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、次世代移動通信システムにおけるユーザ端末、無線基地局および無線通信方法に関する。
LTE(Long Term Evolution)やLTEの後継システム(たとえば、LTEアドバンスト、FRA(Future Radio Access)、4Gなどともいう)では、半径数百メートルから数キロメートル程度の相対的に大きいカバレッジを有するマクロセル内に、半径数メートルから数十メートル程度の相対的に小さいカバレッジ有するスモールセル(ピコセル、フェムトセルなどを含む)が配置される無線通信システム(たとえば、HetNet(Heterogeneous Network)ともいう)が検討されている(たとえば、非特許文献1)。
かかる無線通信システムでは、マクロセルとスモールセルとの双方で同一の周波数帯を用いるシナリオ(たとえば、co-channelともいう)や、マクロセルとスモールセルとで異なる周波数帯を用いるシナリオ(たとえば、separate frequencyともいう)が検討されている。具体的には、後者のシナリオでは、マクロセルにおいて相対的に低い周波数帯(たとえば、2GHz)を用い、スモールセルにおいて相対的に高い周波数帯(たとえば、3.5GHzや10GHz)を用いることも検討されている。
上述のHetNetでは、マクロセル内に多数のスモールセルを配置することが想定される。この場合、たとえば、ユーザ端末が多く集まる駅やショッピングモールなどの局所的にトラフィックが大きな場所において、スモールセルの配置密度を高くする(Dense small cell)ことにより、トラフィックを多数のセルに分散させること(トラフィックオフロード)が考えられる。
しかしながら、スモールセルの配置密度が高い場所では、スモールセル間で干渉が生じるおそれがある。たとえば、あるセルを形成する無線基地局(たとえば、スモール基地局)に対して、周辺セルのユーザ端末から送信される上りリンク信号が干渉となるおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、複数のセルが高密度に配置される場合であっても、セル間干渉を適切に制御することができるユーザ端末、無線基地局および無線通信方法を提供することを目的とする。
本発明のユーザ端末は、下りリンク信号を受信する受信部を有するユーザ端末であって、前記下りリンク信号から、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントと、電力制御用の制御信号と、を同時に検出した場合に、前記電力制御用の制御信号に含まれるTPCコマンドを優先して送信電力を変更する電力制御部を有することを特徴とする。
本発明によれば、複数のセルが高密度に配置される場合であっても、上りリンクのセル間干渉を適切に制御することができる。
HetNetの概念図である。 ユーザ端末の上りリンクデータ信号での送信電力の制御について説明する図である。 閉ループ制御を行うTPCコマンドについて説明する図である。 本実施の形態に係る送信電力制御方法を適用する場合の一例を示す図である。 本実施の形態に係る送信電力制御方法を適用する場合の一例を示す図である。 本実施の形態に係る送信電力制御方法を適用する場合の一例を示す図である。 本実施の形態に係る無線通信システムの一例を示す概略図である。 本実施の形態に係る無線基地局の全体構成の説明図である。 本実施の形態に係る無線基地局の機能構成の説明図である。 本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の説明図である。 本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の説明図である。
図1は、HetNetの概念図である。図1Aは、マクロセルとスモールセルとで同一の周波数帯を用いた場合を示している。図1Bは、マクロセルとスモールセルとで異なる周波数帯を用いた場合を示している。
図1に示すように、HetNetは、マクロセルMとスモールセルSの少なくとも一部が地理的に重複して配置される無線通信システムである。また、HetNetは、マクロセルMを形成する無線基地局(以下、マクロ基地局という)と、スモールセルSを形成する無線基地局(以下、スモール基地局という)と、マクロ基地局およびスモール基地局と通信するユーザ端末と、を含んで構成される。
図1Aに示す場合、マクロセルMとスモールセルSにおいて、たとえば、0.8GHz(800MHz)や2GHzなどの同一の周波数帯のキャリアを適用することができる。図1Bに示す場合、マクロセルMにおいて、たとえば、0.8GHz(800MHz)や2GHzなどの相対的に低い周波数帯のキャリアF1が用いられる。一方、複数のスモールセルSにおいて、たとえば、3.5GHzなどの相対的に高い周波数帯のキャリアF2が用いられる。
また、スモールセルSとマクロセルMとが異なる無線基地局で運用される場合、マクロ基地局とスモール基地局とは、バックホールで接続されて相互に情報のやり取りを行う。マクロ基地局とスモール基地局間の接続は、光ファイバ(Optical fiber)や非光ファイバ(X2インターフェース)などの有線接続、あるいは無線接続とすることが考えられる。なお、マクロ基地局とスモール基地局間を光ファイバ以外の回線(たとえば、X2インターフェース)で接続する場合には、マクロ基地局とスモール基地局間の情報の送受信において遅延時間が無視できなくなる。理想的には、バックホールの伝達遅延は0ミリ秒であるが、バックホールの環境によっては最大で伝達遅延が数10ミリ秒となる可能性がある。
図1に示す無線通信システムにおいては、マクロセルMによりカバレッジが担保され、一定の通信を保証した上でスモールセルSを設置することができる。したがって、スモールセルSの設置や運用、保守に係るコストを低減することが可能となる。
一方、同一の周波数帯を用いるセルが高密度に配置され、かつ、それぞれのカバレッジが複雑に重複しあう場合には、トラフィックオフロードの効果よりもセル間干渉の影響が強くなるという問題が想定される。また、マクロセルMとスモールセルSとが同一の周波数帯で運用される環境では、マクロセルMとスモールセルSとの間で大きな干渉が生じる問題が想定される。特に、ユーザ端末ごとに送信地点や送信電力が異なる上りリンクでは、セル間干渉がスループット性能に大きな影響を及ぼすことが問題となる。
そのため、上りリンクのセル間干渉制御として、与干渉が大きいユーザ端末の送信電力を減らす方法が考えられる。
図2に示すように、ユーザ端末の上りリンクデータ信号での送信電力は、ユーザ端末による開ループ制御のパスロス補償と、無線基地局による閉ループ制御の電力調整との組み合わせにより制御される。
具体的には、上りリンクで送信する信号であるPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、SRS(Sounding Reference Signal)などの送信電力は、ユーザ端末が下り参照信号の受信電力から算出した伝搬損失を補償する開ループ制御と、無線基地局がユーザ端末からの受信品質を測定し、TPC(Transmission Power Control)コマンドを用いてユーザ端末に送信電力増減を指示する閉ループ制御との組み合わせにより制御される。
具体的に、ユーザ端末の上りリンクデータ信号での送信電力は、下記式(1)で表される。
Figure 2017200222
(1)
ここで、PCMAX,c(i)は許容最大送信電力であり、MPUSCH,c(i)は割り当て帯域幅であり、PO_PUSCH,c(j)は送信電力オフセット(ターゲット受信電力)であり、αはフラクショナルTPCの重み係数であり、PLはパスロス測定値であり、ΔTF,c(i)はMCS依存のオフセットであり、f(i)はTPCコマンドによる補正値である。
一般的に、閉ループTPCパラメータであるf(i)は、物理下り制御チャネルであるPDCCH(Physical Downlink Control Channel)または拡張PDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel:EPDCCH)で送られるTPCコマンドにより制御される。
図3に示すように、上り共有チャネルであるPUSCHを制御するTPCコマンドは、PUSCHのスケジューリングを指示する上りリンクグラント(Uplink grant:UL grant)、または、複数のユーザ端末向けのTPCコマンドのみで構成されるDCIフォーマット3/3Aにより送られる。
上りリンクグラントは、上りデータ割り当てのスケジューリング情報と、PUSCHに対するTPCコマンドを含む。なお、上りリンクグラントは、PDCCHまたは拡張PDCCHのどちらか一方を介して送信可能である。
一方、DCIフォーマット3/3Aは、送信電力制御用の下り制御信号に適用されるフォーマットであり、複数のユーザ端末に対する複数のTPCコマンドを含む。たとえば、無線基地局は、識別子と1つのインデックスをユーザ端末に通知し、ユーザ端末は、無線基地局から通知された識別子によって識別されるDCIフォーマット3/3Aに含まれるインデックスに対するTPCコマンドを、自装置宛てのTPCコマンドとして認識する。なお、DCIフォーマット3/3Aは、PDCCHのみを介して送信可能である。
また、上り制御チャネルであるPUCCHを制御するTPCコマンドは、PDSCHのスケジューリング情報を通知する下りリンクアサインメント(Downlink assignment:DL assignment)、または、DCIフォーマット3/3Aにより送られる。
下りリンクアサインメントは、下りデータ割り当てのスケジューリング情報と、PUCCHに対するTPCコマンドを含む。なお、下りリンクアサインメントは、PDCCHまたは拡張PDCCHのどちらか一方を介して送信可能である。
ところで、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントを用いて、各ユーザ端末に対するTPCコマンドを送信する場合には、無線基地局と通信を行わないユーザ端末に対してはTPCコマンドを送信することができない。すなわち、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントによるTPCコマンドは、ユーザ端末と通信を行うセルのみが制御可能である。
一方、DCIフォーマット3/3Aは、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントとは独立に送信可能な制御信号である。したがって、無線基地局側から見れば、DCIフォーマット3/3Aを用いることにより、上下リンクで通信があるなしに関わらずいかなるユーザ端末に対してもTPCコマンドを送信し、閉ループ制御を行うことができる。換言すれば、DCIフォーマット3/3Aによれば、ユーザ端末と通信を行うセルとは異なるセルからであっても、TPCコマンドを送信することが可能である。
しかし、ユーザ端末は、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントを検出した場合、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントに含まれるTPCコマンドを用いて送信電力制御を行う。換言すれば、ユーザ端末は、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントとDCIフォーマット3/3Aを同一サブフレームで検出したとしても、DCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドを無視している。したがって、大量のデータを通信するユーザ端末に対しては、上りリンクグラントや下りリンクアサインメントが連続して送信されるため、DCIフォーマット3/3AによるTPCコマンドは適用されないことが多くなる。すなわち、このようなユーザ端末に対しては、DCIフォーマット3/3Aによる閉ループ制御を行うことができない。したがって、前述のようにユーザ端末と通信を行うセルとは異なるセルからDCIフォーマット3/3AによるTPCコマンドを送信しても、電力制御できない可能性が高い。
そこで、本発明者らは、ユーザ端末が、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントと、DCIフォーマット3/3Aとを同時に検出した場合に送信電力制御に用いるTPCコマンドを従来と入れ替える、すなわち送信電力制御に用いるTPCコマンドの優先順位を変えることで、通信の割り当てを行う上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントとは独立に送信電力制御を行うことを見出した。このことにより、与干渉が大きいユーザ端末に対して、直接通信を行わない周辺セルであっても、DCIフォーマット3/3AによりTPCコマンドを送信して、送信電力制御を行うことが可能となる。
(第1の態様)
以下に、ユーザ端末が、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントと、DCIフォーマット3/3Aとを同時に検出した場合に、TPCコマンドの優先順位を変えて、DCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドを用いて行う送信電力制御について具体的に説明する。
このような送信電力制御を行う場合における無線基地局の動作について説明する。
無線基地局は、ユーザ端末がTPCコマンドの優先順位を変えることが可能か否かを判断する。たとえば、無線基地局は、ユーザ端末が無線基地局に通知するユーザ端末の能力情報(UE capability)に基づいて、ユーザ端末がTPCコマンドの優先順位を変えることが可能か否かを判断する。
無線基地局は、各ユーザ端末の能力に基づいてTPCコマンドの優先順位の変更を指示する場合には、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントに含まれるTPCコマンドと、DCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドとの、いずれを優先するかを、電力制御指示情報としてRRC(Radio Resource Control)などの上位レイヤにより通知する。
また、無線基地局は、ユーザ端末に対して、DCIフォーマット3/3Aを復号するための識別子(Radio Network Temporary Identity:RNTI)と、DCIフォーマット3/3Aのいずれの領域が当該ユーザ端末に対するTPCコマンドであるかを指定するTPCインデックスと、をRRCにより通知する。
ユーザ端末と通信を行う物理セルまたは仮想セルでは、ユーザ端末に対して、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントを送信する。一方、ユーザ端末と通信を行わない物理セルまたは仮想セルでは、ユーザ端末の与干渉が大きいと判断した場合に、DCIフォーマット3/3Aによりユーザ端末の送信電力制御を指示する。
続いて、送信電力制御を行う場合におけるユーザ端末の動作について説明する。
ユーザ端末は、次の(1)から(5)のうち、いずれかの条件を満たす場合に、TPCコマンドの優先順位の変更を設定する。
(1)無線基地局からRRCなどの上位レイヤにより指示された場合。なお、指示は、MACヘッダに含まれていてもよい。また、無線基地局の指示から所定の時間区間の間TPCコマンドの優先順位を変更する、としてもよい。所定の時間区間としては、たとえば数サブフレーム(ミリ秒単位)区間や、数無線フレーム区間(10ミリ秒単位)が考えられる。この場合、所定の時間経過後はTPCコマンドの優先順位が従前の優先順位に戻るので、TPCコマンドの優先順位を元に戻すのに要するシグナリングオーバーヘッド増加を抑圧できる。
(2)複数の異なる物理セルまたは仮想セルが送信する物理下り制御チャネルを設定(configure)された場合。
(3)無線基地局から、Inter−eNB CoMP/CAが設定(configure)された場合、または、Inter−eNB CoMP/CAを行うための上位レイヤシグナリングを受信した場合。
(4)時分割複信(Time Division Duplex:TDD)方式において、下りサブフレームと上りサブフレームとの比率(UL-DL configuration)の変更が指示された場合、または、比率変更指示から所定の時間が経過するまで。
(5)時分割複信(TDD)方式において、下りサブフレームと上りサブフレームとの比率を変更した場合の、下りと上りが入れ替わるサブフレーム番号のサブフレーム。
上記(5)に示す場合において、具体例を下記表1に示す。
Figure 2017200222
表1は、TDD方式における上りリンクと下りリンクの構成を示す表である。TDD方式におけるサブフレームは、下りリンクサブフレーム(D)、上りリンクサブフレーム(U)およびスペシャルサブフレーム(S)であることができる。
表1に示すように、上りリンク/下りリンク構成値(UL-DL config)3,4に基づいて、下りサブフレームと上りサブフレームとの比率を変更した場合、サブフレーム番号4において、上りリンクサブフレーム(U)と下りリンクサブフレーム(D)とが入れ替わる。したがって、ユーザ端末は、サブフレーム番号4のサブフレームにおいて、TPCコマンドの優先順位を変えればよい。
上記(1)から(5)は、いずれもセル間の干渉がより強く影響する環境であり、TPCコマンドの優先順位を変えて、DCIフォーマット3/3Aによる電力制御を行うことができるようにすることで、効果的に干渉制御をすることが可能となる。
ユーザ端末は、制御チャネルのうち制御信号が送信される可能性のあるサーチスペースをモニタリングし、ブラインド復号を実行する。
ブラインド復号によりTPCコマンドの優先順位の変更を設定したユーザ端末は、DCIフォーマット3/3Aを検出した場合には、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントの検出有無にかかわらず、DCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドに基づいて送信電力を変更する。一方、TPCコマンドの優先順位の変更を設定したユーザ端末が、DCIフォーマット3/3Aを検出せず、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントを検出した場合には、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントに含まれるTPCコマンドに基づいて送信電力を変更する。
無線基地局およびユーザ端末において、上述の動作を行うことにより、与干渉が大きいユーザ端末に対して、当該ユーザ端末と直接通信を行わない周辺セルであっても、DCIフォーマット3/3AによりTPCコマンドを送信することによって、ユーザ端末の送信電力制御を行い、干渉を低減することが可能となる。
また、第1の態様に係る送信電力制御を行う際には、新たな仕組みや制御信号の導入を必要としない。ユーザ端末は従前と同様に制御信号の受信および検出を行えばよく、得られた制御信号に含まれるTPCコマンドのうち送信電力制御に用いるTPCコマンドを変えるのみである。したがって、既存のLTE−Advanced端末回路を流用することができ、コストの増大を抑圧できる。
(適用例1)
図4に示すように、密集するスモールセルSが1つの仮想セルを形成する場合における、上記送信電力制御の適用例について説明する。
図4Aに示すように、密集するスモールセルSが1つの仮想セルを形成する場合には、物理下り制御チャネルの一部(たとえば、PDCCH)は、スモールセル共通で運用し、物理下り制御チャネルの一部(たとえば、拡張PDCCH)は、スモールセル個別で運用するように設定する。
そして、各スモールセルSにおけるユーザ端末は、PDCCHおよび拡張PDCCHの両方をモニタリングするように設定される。これにより、図4Bに示すように、各スモールセルSは、自セルにおけるユーザ端末と拡張PDCCHによる通信を行いつつ、周辺スモールセルにおけるユーザ端末の送信電力をPDCCHにより送信するDCIフォーマット3/3Aによって制御することができる。
(適用例2)
図5に示すように、マクロセルMとスモールセルSによるオーバーレイセルラ構成を有する場合における、上記送信電力制御の適用例について説明する。
図5Aに示すように、マクロセルMは2つの異なる周波数帯(f1およびf2)でセルが形成され、スモールセルSは周波数帯f2でセルが形成されている。この場合、各スモールセルSにおけるユーザ端末は、スモールセルSによる周波数帯f2と、マクロセルMによる周波数帯f1の両方で、物理下り制御チャネルをモニタリングする。
各スモールセルSにおけるユーザ端末は、主にスモールセルSによる周波数帯f2で下りリンクおよび上りリンクの通信を行う。ただし、マクロセルMが、ユーザ端末による与干渉が大きいと判断した場合には、周波数帯f1でDCIフォーマット3/3Aを送信して、送信電力制御を行うことができる(図5B参照)。
このとき、マクロセルMが、スモールセルSにおける与干渉の大きい個別のユーザ端末を特定することができる場合には、DCIフォーマット3/3Aに含まれる当該ユーザ端末向けのTPCコマンドを用いて、送信電力制御を行うことができる。また、マクロセルMが、スモールセルSにおける与干渉の大きい個別のユーザ端末を特定することができない場合であっても、あらかじめDCIフォーマット3/3Aを受信するように指示したユーザ端末に対して、まとめて送信電力を下げるように指示することができる。この場合には、見かけ上、スモールセルSの上りカバレッジを小さくすることができる。
(変形例1)
変形例1では、DCIフォーマット3/3Aを個別サーチスペース(UE specific Search Space:UE-SS)で送信する方法について説明する。
第1の態様において、DCIフォーマット3/3Aは、PDCCHでのみ送信可能とされていた。一方、上りリンクグラントおよび下りリンクアサインメントは、PDCCHのみならず、拡張PDCCHでも送信可能である。
これは、PDCCHと拡張PDCCHに設定されるサーチスペースの違いに起因する。制御信号をブラインド復号して検出を試みるサーチスペースとして、PDCCHには、セル共通のサーチスペース(Common-SS:C-SS)と個別サーチスペース(UE-SS)とが設定されており、拡張PDCCHには、個別サーチスペース(UE-SS)のみが設定されている。そして、DCIフォーマット3/3Aを送信することができるのは、セル共通のサーチスペース(C-SS)に限定されている。
そこで、本発明者らは、DCIフォーマット3/3Aを、個別サーチスペース(UE-SS)で送信することを見出した。この場合、ユーザ端末がブラインド復号を行う複数のサーチスペースのうち、どのサーチスペースでDCIフォーマット3/3Aが送信される可能性があるかは、あらかじめユーザ端末に通知されるものとする。この情報は、DCIフォーマット3/3Aの送信前に送信されるRRCなどの上位レイヤ情報とともに通知すればよい。
DCIフォーマット3/3Aを、個別サーチスペース(UE-SS)で送信することにより、ユーザ端末個別に設定ができる拡張PDCCHによってDCIフォーマット3/3Aを送信することができるので、より柔軟な仮想セル運用が可能となる。
また、PDCCHが送信されないコンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)においても、DCIフォーマット3/3Aを送信することが可能となる。
さらに、拡張PDCCHはセル間で干渉制御できるため、周辺セルから送信されたDCIフォーマット3/3Aを高い精度で検出することが可能となる。
さらに、セル共通のサーチスペース(C-SS)はリソース量が限られる一方、個別サーチスペース(UE-SS)はリソース量が豊富であるので、より多くのユーザ端末にDCIフォーマット3/3Aを送信することが可能となる。
(変形例2)
変形例2では、ユーザ端末が複数のDCIフォーマット3/3Aを同時に検出した場合の処理について説明する。
第1の態様において、ユーザ端末は、複数のDCIフォーマット3/3Aを同時に検出する可能性がある。たとえば、図6Aに示すように、第1の態様の適用例1で示した場合において、複数の周辺スモールセルSが、ユーザ端末に対して与干渉が大きいと判断すると、図6Bに示すように、それぞれDCIフォーマット3/3Aを送信し、ユーザ端末が複数のDCIフォーマット3/3Aを同時に検出することが起こり得る。
このとき、ユーザ端末は、複数受信したどのTPCコマンドに従えばよいのか、判断ができなくなる。したがって、複数検出したDCIフォーマット3/3A間での優先順位付けが必要となる。
そこで、ユーザ端末が複数のDCIフォーマット3/3Aを検出した場合には、次の(1)から(3)のいずれかのルールに基づいて、閉ループ制御に用いるTPCコマンドを選択すればよい。
(1)検出した中で、最も小さな値を指示するTPCコマンドを選択する。
(2)検出した中で、最も低いアグリゲーションレベル(Aggregation Level:AL)で符号化されていたDCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドを選択する。
(3)上記(1)と(2)とを組み合わせて、TPCコマンドを選択する。
上記(1)の場合、最も干渉を受けているセルが指示するTPCコマンドに従うことにより、干渉低減効果を高めることが可能となる。
上記(2)の場合、アグリゲーションレベルはDCIフォーマット3/3Aの符号化率に相当し、アグリゲーションレベルが低いほど高い符号化率に相当する。したがって、低いアグリゲーションレベルであるほど、ユーザ端末に近い周辺セルから、DCIフォーマット3/3Aが送信されている可能性が高くなる。すなわち、最も低いアグリゲーションレベルのDCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドに従うことにより、最も干渉を受けているセルの干渉を低減できる可能性が高くなる。
(変形例3)
変形例3では、TPCコマンドに応じてTPCコマンドの優先順位を変更する方法について説明する。
第1の態様においては、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントと、DCIフォーマット3/3Aとを同時に検出した場合に、DCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドを優先し、DCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドを用いて送信電力制御を行うことにより、DCIフォーマット3/3Aによる閉ループ制御を可能としている。この方法によれば、ユーザ端末による干渉は抑えられるものの、当該ユーザ端末が属するセルではTPCコマンドによる制御ができないため、当該ユーザ端末の品質が劣化する可能性がある。
一方、周辺セルでは、ユーザ端末の急激な干渉増加を抑えることが最も重要である。
そこで、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントと、DCIフォーマット3/3Aとを同時に検出した場合であっても、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントに含まれるTPCコマンドの値が3の場合のみ、DCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドを優先して、送信電力を制御してもよい。TPCコマンドについては、下記表2に示す。
Figure 2017200222
表2は、TPCコマンドの値と、従来の電力制御と、本方法による電力制御との関係を示す表である。表2に示すように、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントに含まれるTPCコマンドの値が0,1,2の場合には、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントに含まれるTPCコマンドを優先して、従来の電力制御と同様の電力制御を行う。上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントに含まれるTPCコマンドの値が3の場合のみ、DCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドを優先して電力制御を行う。
この方法によれば、自セルによるTPCコマンドでの緩やかな電力調整と、周辺セルによる急激な干渉増加の抑制を両立することができる。
(無線通信システムの構成)
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの一例について、詳細に説明する。
図7は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成図である。なお、図7に示す無線通信システムは、たとえば、LTEシステムあるいは、SUPER 3Gが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、LTEシステムのシステム帯域幅を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)を適用することができる。また、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれてもよいし、4G、FRA(Future Radio Access)と呼ばれてもよい。
図7に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12aおよび12b)とを備えている。また、マクロセルC1および各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。ユーザ端末20は、無線基地局11および無線基地局12の双方に接続すること(dual connectivity)ができる。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(たとえば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrier等と呼ばれる)を用いて通信が行なわれる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(たとえば、3.5GHz等)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。ユーザ端末20と無線基地局12間のキャリアタイプとしてニューキャリアタイプ(NCT)を利用してもよい。無線基地局11と無線基地局12(または、無線基地局12間)は、有線接続(Optical fiber、X2インターフェース等)または無線接続されている。
無線基地局11および各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、たとえば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、eNodeB、マクロ基地局、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、Home eNodeB、マイクロ基地局、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11および12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでいてもよい。
無線通信システムにおいては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末ごとに1つまたは連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
ここで、図7に示す無線通信システム1で用いられる通信チャネルについて説明する。下りリンクの通信チャネルは、各ユーザ端末20で共有されるPDSCHと、下りL1/L2制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH、拡張PDCCH)とを有する。
PDSCHにより、ユーザデータおよび上位制御情報が伝送される。PDCCHにより、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報等が伝送される。PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)により、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)により、PUSCHに対するHARQのACK/NACKが伝送される。また、拡張PDCCH(EPDCCH)により、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報等が伝送されてもよい。この拡張PDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重される。
また、PDCCHまたは拡張PDCCHにより、上りリンクグラントに含まれるPUSCHのTPCコマンド、下りリンクアサインメントに含まれるPUCCHのTPCコマンド、および、DCIフォーマット3/3Aが伝送される。
上りリンクの通信チャネルは、各ユーザ端末20で共有される上りデータチャネルとしてのPUSCHと、上りリンクの制御チャネルであるPUCCHとを有する。このPUSCHにより、ユーザデータや上位制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、ACK/NACK等が伝送される。
図8は、本実施の形態に係る無線基地局10(無線基地局11および12を含む)の全体構成図である。無線基地局10は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、PDCPレイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、たとえば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理が行われて各送受信部103に転送される。また、下りリンクの制御チャネルの信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
また、ベースバンド信号処理部104は、上位レイヤシグナリング(RRCシグナリング、報知信号等)により、ユーザ端末20に対して、当該セルにおける通信のための制御情報を通知する。当該セルにおける通信のための情報には、たとえば、上りリンクまたは下りリンクにおけるシステム帯域幅、フィードバック用のリソース情報等が含まれる。各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナごとにプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。アンプ部102は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ101により送信する。
一方、上りリンクによりユーザ端末20から無線基地局10に送信されるデータについては、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅され、各送受信部103で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、入力されたベースバンド信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
図9は、本実施の形態に係る無線基地局10が有するベースバンド信号処理部104の主な機能構成図である。図9に示すように、無線基地局10が有するベースバンド信号処理部104は、制御部301と、下り制御信号生成部302と、下りデータ信号生成部303と、マッピング部304と、デマッピング部305と、チャネル推定部306と、上り制御信号復号部307と、上りデータ信号復号部308と、判定部309と、を少なくとも含んで構成されている。
制御部301は、PDSCHで送信される下りユーザデータ、PDCCHと拡張PDCCH(EPDCCH)の両方、またはいずれか一方で伝送される下りリンクアサインメント、上りリンクグラント、およびDCIフォーマット3/3Aを制御する。
具体的に、制御部301は、上位局装置30からの指示情報や各ユーザ端末20からのフィードバック情報に基づいて、下りリンク信号および上りリンク信号に対する無線リソースの割り当てを制御する。つまり、制御部301は、スケジューラとしての機能を有している。
また、制御部301は、各ユーザ端末20に対して送信電力制御するためのTPCコマンドの生成および通知を制御する。具体的に、制御部301は、ユーザ端末20に対して、DCIフォーマット3/3Aを復号するためのRNTIと、DCIフォーマット3/3A内におけるTPCコマンドの多重位置を示すインデックスとを割り当てる。
無線基地局10が、TPCコマンドの優先順位の変更をユーザ端末20に指示する場合には、制御部301は、ユーザ端末20が無線基地局10に通知するユーザ端末20の能力情報に基づいて、ユーザ端末20がTPCコマンドの優先順位を変更できるか否かを判断する。そして、ユーザ端末20がTPCコマンドの優先順位を変更できる場合には、ユーザ端末20が上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントに含まれるTPCコマンドとDCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドのいずれを優先するかを制御する。
下り制御信号生成部302は、制御部301により割り当てが決定された下り制御信号(PDCCH信号と拡張PDCCH信号の両方、またはいずれか一方)を生成する。具体的に、下り制御信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下りリンク信号の割り当て情報およびPUCCHを制御するTPCコマンドを通知する下りリンクアサインメント、上りリンク信号の割り当て情報およびPUSCHを制御するTPCコマンドを通知する上りリンクグラント、および、DCIフォーマット3/3Aを生成する。
下りデータ信号生成部303は、制御部301によりリソースへの割り当てが決定された下りデータ信号(PDSCH信号)を生成する。下りデータ信号生成部303により生成されるデータ信号には、各ユーザ端末20からのCSI等に基づいて決定された符号化率、変調方式に従って符号化処理、変調処理が行われる。制御部301で決定された、TPCコマンドに関する情報は、上位レイヤシグナリングとして下りデータ信号生成部303で生成される下りデータ信号に含めてもよい。
マッピング部304は、制御部301からの指示に基づいて、下り制御信号生成部302で生成された下り制御信号と、下りデータ信号生成部303で生成された下りデータ信号の無線リソースへの割り当てを制御する。
デマッピング部305は、ユーザ端末から送信された上りリンク信号をデマッピングして、上りリンク信号を分離する。チャネル推定部306は、デマッピング部305で分離された受信信号に含まれる参照信号からチャネル状態を推定し、推定したチャネル状態を上り制御信号復号部307、上りデータ信号復号部308に出力する。
上り制御信号復号部307は、上り制御チャネル(PUCCH)で送信されたフィードバック信号(送達確認信号等)を復号し、制御部301へ出力する。上りデータ信号復号部308は、上り共有チャネル(PUSCH)で送信された上りデータ信号を復号し、判定部309へ出力する。判定部309は、上りデータ信号復号部308の復号結果に基づいて、再送制御判定(ACK/NACK)を行うとともに、結果を制御部301に出力する。
図10は、本実施の形態に係るユーザ端末20の全体構成図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部(受信部)203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205とを備えている。
下りリンクのデータについては、複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部202で増幅され、送受信部203で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部204でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等がなされる。この下りリンクのデータの内、下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りリンクのデータの内、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御(H−ARQ (Hybrid ARQ))の送信処理や、チャネル符号化、プリコーディング、DFT処理、IFFT処理等が行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。その後、アンプ部202は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ201により送信する。
図11は、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204の主な機能構成図である。図11に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、上り制御信号生成部402と、上りデータ信号生成部403と、マッピング部404(割り当て部)と、電力制御部405と、デマッピング部406と、チャネル推定部407と、下り制御信号復号部408と、下りデータ信号復号部409と、判定部410と、を少なくとも含んで構成されている。
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(上りリンクグラント、下りリンクアサインメント)や再送制御判定結果に基づいて、上り制御信号(フィードバック信号)や上りデータ信号の生成を制御する。下り制御信号は下り制御信号復号部408から出力され、再送制御判定結果は、判定部410から出力される。
また、制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(上りリンクグラント、下りリンクアサインメント)に基づいて、無線リソースに対する上り制御信号(フィードバック信号)と上りデータ信号の割り当てについてマッピング部404に指示する。
さらに、制御部401は、無線基地局10から送信された上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントに含まれるTPCコマンド、もしくはDCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドに基づいて、電力制御について電力制御部405に指示する。なお、ユーザ端末20が、無線基地局10から、DCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドを優先する通知を受けている場合には、制御部401は、TPCコマンドの優先順位の変更を設定する。
この場合、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントとDCIフォーマット3/3Aを同時に検出すると、制御部401は、DCIフォーマット3/3Aに含まれるTPCコマンドに基づいて、電力制御について電力制御部405に指示する。一方、DCIフォーマット3/3Aを検出せず、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントを検出した場合には、制御部401は、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントに含まれるTPCコマンドに基づいて、電力制御について電力制御部405に指示する。
上り制御信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上り制御信号(送達確認信号やチャネル状態情報(CSI))を生成する。また、上りデータ信号生成部403は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。なお、制御部401は、無線基地局10から通知される下り制御信号に上りリンクグラントが含まれている場合に、上りデータ信号403に上りデータ信号の生成を指示する。
マッピング部404(割り当て部)は、制御部401からの指示に基づいて、上り制御信号(フィードバック信号)と上りデータ信号の無線リソースへの割り当てを制御する。
電力制御部405は、制御部401からの指示に基づいて、ユーザ端末20の送信電力を設定し、PUSCHやPUCCHの送信電力を変更する。
デマッピング部406は、無線基地局10から送信された下りリンク信号をデマッピングして、下りリンク信号を分離する。チャネル推定部407は、デマッピング部406で分離された受信信号に含まれる参照信号からチャネル状態を推定し、推定したチャネル状態を下り制御信号復号部408、下りデータ信号復号部409に出力する。
下り制御信号復号部408は、下り制御チャネル(PDSCH)で送信された下り制御信号(上りリンクグラント、下りリンクアサインメント)を復号し、スケジューリング情報(上りリソースへの割り当て情報)を制御部401へ出力する。下りデータ信号復号部409は、下り共有チャネル(PDSCH)で送信された下りデータ信号を復号し、判定部410へ出力する。判定部410は、下りデータ信号復号部409の復号結果に基づいて、再送制御判定(ACK/NACK)を行うと共に結果を制御部401に出力する。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく修正および変更態様として実施することができる。たとえば、上述した複数の態様を適宜組み合わせて適用することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
1…無線通信システム
10…無線基地局
11…無線基地局(マクロ基地局)
12、12a、12b…無線基地局(スモール基地局)
20…ユーザ端末
30…上位局装置
40…コアネットワーク
101…送受信アンテナ
102…アンプ部
103…送受信部
104…ベースバンド信号処理部
105…呼処理部
106…伝送路インターフェース
201…送受信アンテナ
202…アンプ部
203…送受信部
204…ベースバンド信号処理部
205…アプリケーション部
301、401…制御部
302…下り制御信号生成部
303…下りデータ信号生成部
304、404…マッピング部
305、406…デマッピング部
306、407…チャネル推定部
307…上り制御信号復号部
308…上りデータ信号復号部
309、410…判定部
402…上り制御信号生成部
403…上りデータ信号生成部
405…電力制御部
408…下り制御信号復号部
409…下りデータ信号復号部

Claims (9)

  1. 下りリンク信号を受信する受信部を有するユーザ端末であって、
    前記下りリンク信号から、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントと、電力制御用の制御信号と、を同時に検出した場合に、前記電力制御用の制御信号に含まれるTPCコマンドを優先して送信電力を変更する電力制御部を有することを特徴とするユーザ端末。
  2. 前記電力制御部は、無線基地局から送信された電力制御指示情報に基づいて、前記TPCコマンドの優先順位の変更を設定することを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
  3. 前記電力制御用の制御信号は、DCIフォーマット3/3Aであることを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
  4. 前記電力制御用の制御信号を、拡張PDCCHを介して受信することを特徴とする請求項3に記載のユーザ端末。
  5. 前記電力制御部は、複数の前記電力制御用の制御信号を同時に検出した場合に、最も小さな値を指示するTPCコマンドを選択して電力制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
  6. 前記電力制御部は、複数の前記電力制御用の制御信号を同時に検出した場合に、最も低いアグリゲーションレベルで符号化された前記電力制御用の制御信号に含まれるTPCコマンドを選択して電力制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
  7. 前記電力制御部は、前記上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントに含まれるTPCコマンドの値が3である場合に、前記電力制御用の制御信号に含まれるTPCコマンドを優先することを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
  8. ユーザ端末が上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントと、電力制御用の制御信号と、を同時に検出した場合に、前記電力制御用の制御信号に含まれるTPCコマンドを優先して送信電力を変更する電力制御指示情報を生成する生成部と、
    ユーザ端末に下りリンク信号および前記電力制御指示情報を送信する送信部と、を有することを特徴とする無線基地局。
  9. ユーザ端末の無線通信方法であって、
    下りリンク信号を受信する工程と、前記下りリンク信号から、上りリンクグラントまたは下りリンクアサインメントと、電力制御用の制御信号と、を同時に検出した場合に、前記電力制御用の制御信号に含まれるTPCコマンドを優先して送信電力を変更する工程と、を有することを特徴とする無線通信方法。
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