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JP2017135947A - 車両用制御装置 - Google Patents

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JP2017135947A
JP2017135947A JP2016016159A JP2016016159A JP2017135947A JP 2017135947 A JP2017135947 A JP 2017135947A JP 2016016159 A JP2016016159 A JP 2016016159A JP 2016016159 A JP2016016159 A JP 2016016159A JP 2017135947 A JP2017135947 A JP 2017135947A
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宏 間嶋
Hiroshi Majima
宏 間嶋
亨裕 宮下
Michihiro Miyashita
亨裕 宮下
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】特定のアクチュエータの作動状況が所定条件を満足しない場合、バッテリの充電状態に応じて、当該アクチュエータの作動状況が所定条件を満足する状態と満足しない状態とが繰り返されることによるバッテリの寿命低下を抑制する。
【解決手段】出力電圧を調整可能な電源と、電源から供給される電力で充電可能なバッテリと、電源及びバッテリと並列接続されるアクチュエータと、アクチュエータの作動を予測する予測部と、アクチュエータが作動していない場合、バッテリの蓄電状態に応じて、バッテリの充電を促進する第1電圧と、バッテリの充電を抑制する第2電圧との間の範囲で、電源の出力電圧を制御し、アクチュエータが作動している場合、第2電圧よりも高い第3電圧になるように電源の出力電圧を維持する制御部とを備え、制御部は予測部によりアクチュエータの作動が予測される場合、アクチュエータの作動が予測されない場合よりも第2電圧を高くする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用制御装置に関する。
従来、車両のバッテリの充電状態に応じて、バッテリの充電を促進する比較的高い電圧(第1電圧)と、バッテリの充電を抑制する比較的低い電圧(第2電圧)との間で、バッテリを充電する電源(オルタネータ)の出力電圧を制御する技術(以下、当該制御手法を「充電制御」と称する)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、バッテリの充電状態が低下すると、オルタネータの出力電圧(発電電圧)を第1電圧にして、バッテリの充電を促進させる。また、バッテリの充電状態が所定基準(例えば、満充電状態)まで改善すると、オルタネータの出力電圧を第2電圧にし、エンジンの負荷を軽減することにより、車両の燃費改善を図る。
特開2013−193618号公報
車両に搭載される補機の中には、充電制御による印加電圧の変動や低下を許容できない作動状況(作動の有無、及び作動時の負荷状態等を含む概念)を有するアクチュエータが存在する。例えば、当該アクチュエータの一例であるヘッドランプは、電圧変動による明滅を防止するため、負荷状態に依らず作動している状況では、印加電圧の変動や低下を許容できない。また、当該アクチュエータの他の例である電動パワーステアリング(EPS:Electrical Power Steering)のアシストモータは、アシストトルクの不足を防止するため、高負荷で作動している状況では、印加電圧の変動や低下を許容できない。そのため、特許文献1のような充電制御の実行中に、当該アクチュエータの作動状況が印加電圧の変動や低下を許容できない作動状況に対応する所定条件を満足した場合、充電制御を停止し、電源の出力電圧を第2電圧より高い電圧(第3電圧)で維持することが望ましい。
しかしながら、当該アクチュエータの作動状況が所定条件を満足する状態と満足しない状態を繰り返すと、電源の出力電圧が第2電圧から第3電圧に上がった後、電源の出力電圧が第3電圧から第2電圧まで下がるという動作が頻繁に繰り返される可能性がある。例えば、トンネルが連続する走行シーンでは、ヘッドライトの作動/非作動が繰り返され、ヘッドライトの作動/非作動に応じて、電源の出力電圧が高い状態と低い状態が頻繁に切り替わる可能性がある。そのため、バッテリの充電と放電とが頻繁に切り替わる状態が継続する可能性があり、バッテリの充電及び放電の一方が継続する場合の充放電量(充電量或いは放電量の何れか)よりも、バッテリの充放電量(充電量と放電量の合算)が増加する。即ち、バッテリの充放電量が増加することにより、バッテリの劣化が促進され、バッテリの寿命が低下するおそれがある。
そこで、上記課題に鑑み、特定のアクチュエータの作動状況が所定条件を満足しない場合、バッテリの充電状態に応じて、バッテリの充電を促進する第1電圧と充電を抑制する第2電圧の間の範囲で電源の出力電圧の制御を行い、当該アクチュエータの作動状況が所定条件を満足する場合、電源の出力電圧を第2電圧より高い第3電圧にする制御を行う車両用制御装置において、当該アクチュエータの作動状況が所定条件を満足する状態と満足しない状態とが繰り返されることによるバッテリの寿命低下を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一実施態様において、
出力電圧を調整可能な電源と、
前記電源から供給される電力で充電可能なバッテリと、
前記電源及び前記バッテリと並列接続されるアクチュエータと、
前記アクチュエータの作動状況が、前記アクチュエータが作動していることを含む所定条件を満足しない場合、前記バッテリの充電状態に応じて、前記バッテリの充電を促進する第1電圧と、前記バッテリの充電を抑制する第2電圧との間の範囲で、前記電源の出力電圧を制御し、前記アクチュエータの作動状況が前記所定条件を満足する場合、前記電源の出力電圧を前記第2電圧よりも高い第3電圧に維持する制御部と、
前記アクチュエータの作動状況に影響を与える車両状況に関する情報を取得する取得部と、
前記情報に基づき、今後の所定期間又は所定走行距離内で、前記アクチュエータの作動状況が前記所定条件を満足するか否かを予測する予測部と、を備え、
前記制御部は、前記予測部により前記アクチュエータの作動状況が前記所定条件を満足すると予測される場合、前記アクチュエータの作動状況が前記所定条件を満足すると予測されない場合よりも前記第2電圧を高くする、
車両用制御装置が提供される。
本発明の一実施態様によれば、車両用制御装置の制御部は、アクチュエータの作動状況が、アクチュエータが作動していることを含む所定条件を満足しない場合、バッテリの充電状態に応じて、バッテリの充電を促進する第1電圧と、バッテリの充電を抑制する第2電圧との間の範囲で、電源の出力電圧を制御し、アクチュエータの作動状況が所定条件を満足する場合、電源の出力電圧を第2電圧よりも高い第3電圧に維持する。そして、車両用制御装置の取得部は、アクチュエータの作動状況に影響を与える車両状況に関する情報を取得し、予測部は、今後の所定期間又は所定距離内で、アクチュエータの作動状況が所定条件を満足するか否かを予測し、制御部は、予測部によりアクチュエータの作動状況が所定条件を満足すると予測される場合、アクチュエータの作動状況が所定条件を満足すると予測されない場合よりも第2電圧を高くする。従って、アクチュエータの作動状況が所定条件を満足すると予測される場面では、充電制御における第2電圧を比較的高い電圧、例えば、バッテリが比較的小さい電流で充電されるレベルの電圧に制限することができる。また、予測部は、アクチュエータの作動状況に影響する情報を用いることで、アクチュエータの作動状況が所定条件を満足する状態と満足しない状態とが頻繁に繰り替えされる状況において、アクチュエータの作動状況が所定条件を満足すると予測し続けることができる。そのため、アクチュエータの作動状況が所定条件を満足したときに、電源の出力電圧が第2電圧から第3電圧に変更されても、バッテリが放電から充電に切替わらないようにすることができる。また、アクチュエータの作動状況が所定条件を満足する状態と満足しない状態とが繰り返されたとしても、バッテリが充電から放電に切替わらないようにすることができる。即ち、バッテリの充放電量の増加を抑制し、バッテリの寿命低下を抑制することができる。
特定のアクチュエータの作動状況が所定条件を満足しない場合、バッテリの充電状態に応じて、バッテリの充電を促進する第1電圧と充電を抑制する第2電圧の範囲で電源の出力電圧の制御を行い、当該アクチュエータの作動状況が所定条件を満足する場合、電源の出力電圧を第2電圧より高い第3電圧にする制御を行う車両用制御装置において、当該アクチュエータの作動状況が所定条件を満足する状態と満足しない状態とが繰り返されることによるバッテリの寿命低下を抑制することができる。
車両用制御装置の構成の一例を概略的に示す構成図である。 車両用制御装置(制御部)による発電制御処理の一例を概略的に示すフローチャートである。 比較例に係る車両用制御装置における発電電圧及びバッテリ電流の変化を表すタイミングチャートである。 本実施形態に係る車両用制御装置における発電電圧及びバッテリ電流の変化を表すタイミングチャートである。 車両用制御装置の構成の他の例を概略的に示す構成図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用制御装置1の構成の一例を概略的に示す構成図である。車両用制御装置1は、エンジン10、オルタネータ20(出力電圧を調整可能な電源の一例)、バッテリ30、バッテリセンサ30s、アクチュエータ40、ECU(Electrical Control Unit)50を含む。以下、「車両」は、特に断わらない限り、車両用制御装置1が搭載される車両を指す。
尚、図1において、二重線は、機械的動力系を表し、実線は、電力系を表し、点線は、制御指令・信号系を表す。
エンジン10は、車両の駆動力源としての内燃機関である。
オルタネータ20は、エンジン10の動力により駆動される直流発電機であり、交流発電機と該交流発電機による三相交流電力を直流化する整流器等により構成される。オルタネータ20は、エンジン10のクランク軸からベルトを介して伝達されるエンジン10の動力により発電することができる。また、オルタネータ20は、レギュレータを含み、該レギュレータが発電制御電流(オルタネータ20のロータコイルに流れるフィールド電流)を制御することによりオルタネータ20の発電電圧を制御することができる。また、オルタネータ20は、発電電圧が制御されることにより、発電量を調整することができる。オルタネータ20は、ECU50からの制御指令(後述する指示電圧Vset)に応じて、オルタネータ20の発電電圧を制御する。オルタネータ20により発電された電力は、バッテリ30に充電されたり、アクチュエータ40を含む補機負荷に駆動電力として供給されたりする。
バッテリ30は、アクチュエータ40を含む補機負荷と並列接続され、補機負荷に電力を供給する。バッテリ30は、例えば、定格電圧12Vの鉛バッテリ、ニッケル水素バッテリ、リチウムイオンバッテリ等の二次電池であり、充電状態に応じて、約12V〜15Vの電圧を補機負荷に供給する。また、バッテリ30は、オルタネータ20に並列接続され、オルタネータ20から供給される発電電力を充電することができる。
バッテリセンサ30sは、バッテリ30の各種状態(電流、電圧、温度、充電状態、劣化状態等)を検出する既知の検出手段である。バッテリセンサ30sにより検出されたバッテリ30の各種状態に関する情報(バッテリ状態情報)は、1対1の通信線やCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介して、ECU50に送信される。
アクチュエータ40は、オルタネータ20及びバッテリ30と並列接続され、これらからの電力で作動する補機負荷である。アクチュエータ40は、印加電圧の変動や低下を許容できない作動状況を有している。例えば、アクチュエータ40は、ヘッドランプである。ヘッドランプは、明滅を防止するため、負荷状態に依らず作動している場合、印加電圧の変動や低下を許容できない。また、例えば、アクチュエータ40は、ワイパーである。ワイパーは、速度が変化して運転者に違和感を与えないようにするため、負荷状態に依らず作動している場合、印加電圧の変動や低下を許容できない。また、例えば、アクチュエータ40は、フューエルポンプである。フューエルポンプは、燃料の供給不足を防止するため、高負荷で作動している場合、印加電圧の変動や低下を許容できない。また、例えば、アクチュエータ40は、EPSのアシストモータである。アシストモータは、アシストトルク不足を防止するため、高負荷で作動している場合、印加電圧の変動や低下を許容できない。その他、アクチュエータ40は、空調装置のブロア、ラジエータファン等であってよい。
尚、「作動状況」とは、アクチュエータ40の作動の有無(作動或いは非作動)、及び作動時の負荷状態等を含む概念である。
ECU50は、オルタネータ20の発電制御を実行する電子制御ユニットである。ECU50は、例えば、マイクロコンピュータ等により構成され、ROMに格納される各種プログラムをCPUで実行することにより各種制御処理を実現する。ECU50は、ROMに格納される1つ以上のプログラムをCPUで実行することにより実現される機能部として、情報取得部51、作動予測部52、制御部53を含む。
尚、ECU50には、車両及び車両に搭載される機器の各種状態や車両の周辺環境等を含む車両状況に関する情報が入力される。例えば、ECU50には、車載ネットワークや1対1の通信線等を介して、アクチュエータ40の作動状況に関する情報(アクチュエータ作動状況情報)、バッテリ30の充電状態(SOC:State Of Charge)を含むバッテリ状態情報が入力される。また、ECU50には、車載ネットワーク等を介して、車両の車速に関する情報(車速情報)、ステアリング装置の操舵角に関する情報(操舵角情報)、変速機のシフトレンジに関する情報(シフトレンジ情報)等が入力される。また、ECU50には、車載ネットワーク等を介して、コンライトセンサ(照度センサ)の検出状態を表す情報(コンライト情報)、レインセンサ(車両のフロントウィンドの雨滴を検知するセンサ)の検出状態を表す情報(レインセンサ情報)等が入力される。また、ECU50には、車両の位置情報、車両の位置周辺の地図情報、及び案内中の経路等を含むナビゲーション装置における各種情報(ナビ情報)、任意の通信手段(例えば、携帯電話の通信網と接続可能な通信モジュール)を介して、インターネット等から取得される気象情報等が入力される。
情報取得部51は、ECU50に入力される各種情報(バッテリ状態情報、車速情報、操舵角情報、シフトレンジ情報、コンライト情報、レインセンサ情報、ナビ情報、気象情報等)から、アクチュエータ40の作動状況に影響を与える車両状況に関する情報を取得する。
作動予測部52は、情報取得部51が取得するアクチュエータ40の作動状況に影響を与える車両状況に関する情報に基づき、今後の所定期間内(例えば、現在から数分以内等)或いは所定走行距離内(例えば、現在地から数km以内等)で、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足するか否かを予測する。当該所定条件は、アクチュエータ40が印加電圧の変動や低下を許容できない作動状況として予め規定される。
例えば、アクチュエータ40がヘッドライトである場合、当該所定条件は、上述の如く、"作動していること"である。そして、作動予測部52は、情報取得部51が取得するナビ情報から今後の所定期間内或いは所定走行距離以内でトンネルの走行が想定される場合、"ヘッドランプが作動する"と予測することができる。また、作動予測部52は、コンライト情報から、昼間の日照量がヘッドランプの自動点灯に対応する閾値まで減少することが想定される場合、"ヘッドランプが作動する"と予測することができる。
また、例えば、アクチュエータ40がワイパーである場合、当該所定条件は、上述の如く、"作動していること"である。そして、作動予測部52は、情報取得部51が取得するレインセンサ情報や気象情報から今後の所定期間内或いは所定走行距離以内で雨が降ると想定される場合、"ワイパーが作動する"と予測することができる。
また、例えば、アクチュエータ40がフューエルポンプである場合、当該所定条件は、上述の如く、"高負荷で作動していること"になる。そして、作動予測部52は、情報取得部51が取得する車速情報から、車両が高車速(比較的高い値に設定される所定速度以上の車速)で所定時間以上継続して走行していると判断した場合、或いは、情報取得部51が取得するナビ情報から今後の所定期間内或いは所定走行距離内で高速道路の走行が想定される場合、フューエルポンプが"高負荷で作動する"と予測することができる。
また、例えば、アクチュエータ40がEPSのアシストモータである場合、当該所定条件は、上述の如く、"高負荷で作動していること"になる。そして、作動予測部52は、情報取得部51が取得する車速情報、操舵角情報、シフトレンジ情報から車両を駐車する状況が想定される場合、"アシストモータが高負荷で作動する"と予測することができる。また、作動予測部52は、情報取得部51が取得するナビ情報から車両が駐車場に入った場合や非常に道幅が狭い住宅地に入った場合等に、"アシストモータが高負荷で作動する"と予測することができる。
制御部53は、オルタネータ20の発電電圧を制御する(発電制御)。具体的には、制御部53は、オルタネータ20の発電電圧の指示値(指示電圧)Vsetを設定し、オルタネータ20に出力する。そして、指示電圧Vsetを受信したオルタネータ20は、レギュレータ(不図示)のフィールド電流を制御し、オルタネータ20の発電電圧を制御部53から出力された指示電圧Vsetに調整する。
次に、図2を参照して、制御部53によるオルタネータ20の発電制御処理について説明する。
図2は、本実施形態に係る車両用制御装置1(制御部53)による発電制御処理の一例を概略的に示すフローチャートである。本フローチャートによる処理は、車両のイグニッションオン(IG−ON)からイグニッションオフ(IG−OFF)までの間、所定時間間隔で繰り返し実行される。
ステップS102にて、制御部53は、ECU50に入力されるアクチュエータ作動状況情報に基づき、アクチュエータ40の作動状況が上記所定条件を満足するか否かを判定する。アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足しない場合、ステップS104に進み、所定条件を満足する場合、ステップS110に進む。
ステップS104にて、制御部53は、作動予測部52によりアクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足すると予測されているか否かを判定する。制御部53は、作動予測部52によりアクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足すると予測されていない場合、ステップS106に進み、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足すると予測されている場合、ステップS108に進む。
ステップS106或いはステップS108にて、制御部53は、バッテリ30の充電状態(SOC)に応じて、バッテリ30の充電を促進する上限電圧VH(第1電圧の一例)と、充電を抑制する下限電圧VL(第2電圧の一例)との間の範囲で、オルタネータ20の電圧を制御する。即ち、制御部53は、バッテリ30のSOCに応じて、上限電圧VHと下限電圧VLとの間の範囲で、指示電圧Vsetを設定し、オルタネータ20に出力する(以下、当該制御態様を「充電制御」と称する)。例えば、制御部53は、バッテリのSOCが比較的低く(例えば、80%より低く)なると、指示電圧Vsetを上限電圧VHに設定し、バッテリ30の充電を促進する。そして、制御部53は、バッテリ30のSOCが比較的高くなる(例えば、満充電状態になる)と、指示電圧Vsetを下限電圧VLに設定し、バッテリ30の充電を抑制する(充電制御の一例)。
ここで、ステップS106にて、制御部53は、上限電圧VHを、所定電圧V0(例えば、"14.0V")とし、下限電圧VL(<VH)を、所定電圧V0より低い所定電圧V1(例えば、"12.0V")として、充電制御を実行する。
一方、ステップS108にて、制御部53は、上限電圧VHを、ステップS106と同様、所定電圧V0としつつ、下限電圧VLを所定電圧V1より高い所定電圧V2(例えば、"13.0V")として、充電制御を実行する。
ステップ102にて、アクチュエータ40の作動状況が上記所定条件を満足すると判定された場合、ステップS110にて、制御部53は、指示電圧Vsetを下限電圧VL(即ち所定電圧V1,V2)よりも高い所定電圧V3(例えば、"14.0V")に設定し、オルタネータ20に出力する(以下、当該制御態様を「高電圧維持制御」と称する)。所定電圧V3は、アクチュエータ40を安定して作動させることが可能な電圧として、アクチュエータ40の仕様や実験等に基づき、予め規定される。
尚、所定電圧V3は、アクチュエータ40が安定して作動可能な電圧であれば、所定電圧V0と同じであってもよいし、所定電圧V0より小さい電圧であってもよい。
次に、図3、図4を参照して、本実施形態に係る車両用制御装置1の作用について説明する。
図3は、比較例に係る車両用制御装置による発電制御処理を説明するタイミングチャートの一例である。具体的には、図3(a)は、アクチュエータ40の作動状況の変化を表し、図3(b)は、図3(a)に対応する指示電圧Vsetの変化を表し、図3(c)は、図3(b)に対応するバッテリ30の電流Iの変化を表す。また、図4は、本実施形態に係る車両用制御装置1(制御部53)による発電制御処理を説明するタイミングチャートの一例である。具体的には、図4(a)は、アクチュエータ40の作動状況の変化を表す図であり、図4(b)は、作動予測部52によるアクチュエータ40の作動状況の予測結果の変化を表す図であり、図4(c)は、図4(a)、(b)に対応する指示電圧Vsetの変化を表し、図4(d)は、図4(c)に対応するバッテリ30の電流Iの変化を表す。
尚、比較例に係る車両用制御装置は、本実施形態に係る車両用制御装置1と異なり、情報取得部51及び作動予測部52を含まない。また、比較例に係る車両用制御装置は、本実施形態に係る車両用制御装置1と異なり、アクチュエータ40の作動状況が上記所定条件を満足した場合、常に、上限電圧VHを所定電圧V0とし、下限電圧VLを所定電圧V1として、充電制御を行う。また、図3及び図4に示す一例では、上述した充電制御の一例が実行されることを前提とする。また、図3及び図4に示す一例の時間範囲では、バッテリ30のSOCは、充電制御における指示電圧Vsetが下限電圧VLに設定される状態であることを前提にする。また、図3及び図4に示す一例では、アクチュエータ40の上記所定条件は、"作動していること"である。即ち、アクチュエータ40は、例えば、ヘッドランプのように、負荷状態に依らず作動している場合、所定条件を満足することを前提にする。
まず、図3を参照して、比較例に係る車両用制御装置による発電制御処理について説明する。
図3(a)に示すように、アクチュエータ40は、作動(ON)/非作動(OFF)を繰り返している。即ち、アクチュエータ40の作動状況は、上記所定条件を満足する状態と満足しない状態とを繰り返している。そのため、図3(b)に示すように、比較例では、アクチュエータ40が作動していない状態から作動している状態になると、指示電圧Vsetが下限電圧VLである所定電圧V1から所定電圧V3に上がり、アクチュエータ40が作動している状態から作動していない状態に戻ると、指示電圧Vsetが所定電圧V3から所定電圧V1に下がる状況が繰り返される。
このとき、図3(c)に示すように、指示電圧Vsetが所定電圧V1に設定される場合、バッテリ30は放電し、指示電圧Vsetが所定電圧V3に設定される場合、バッテリ30は充電する。即ち、比較例では、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足する状態と満足しない状態とが繰り返されることにより、バッテリ30は、充電と放電とが頻繁に切り替わりながら繰り返されている。バッテリ30の充電或いは放電の一方が継続して行われる状態の場合、バッテリ30の充電量或いは放電量は、時間と共に減少する傾向にあり、全体としての充放電量(充電量或いは放電量の何れか)は、比較的小さくなる。これに対して、比較例のように、バッテリ30の充電と放電とが頻繁に切り替わる状態の場合、バッテリ30の充電或いは放電の各機会における充電量或いは放電量は、毎回、大きくなってしまう。そのため、比較例では、全体としてのバッテリ30の充放電量が増加することにより、バッテリ30の劣化が促進され、バッテリ30の寿命低下を招く可能性がある。
また、比較例のように、バッテリ30の充電と放電とが繰り返されると、オルタネータ20の負荷が頻繁に大きく変動する。即ち、オルタネータ20を駆動するエンジン10に大きなトルク変動が頻繁に発生し、ドライバビリティが悪化する可能性がある。
続いて、図4を参照して、本実施形態に係る車両用制御装置1による発電制御処理について説明する。
図4(a)に示すように、アクチュエータ40は、図3(a)と同様、作動(ON)/非作動(OFF)を繰り返している。即ち、アクチュエータ40の作動状況は、上記所定条件を満足する状態と満足しない状態とを繰り返している。これに対して、図4(b)に示すように、作動予測部52は、当該繰り返しが発生する前に、アクチュエータ40の作動状況が上記所定条件を満足すると判定する。また、当該繰り返しが継続する状況では、上記所定期間或いは所定走行距離を適宜設定することにより、作動予測部52は、常に、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足すると予測し続けることができる。そのため、図4(c)に示すように、当該繰り返しが発生する前に、作動予測部52によりアクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足すると予測される状態になると、充電制御における下限電圧VLが所定電圧V1から所定電圧V2に上がる。そして、当該繰り返しの発生後、アクチュエータ40が作動していない状態から作動している状態になると、指示電圧Vsetが下限電圧VLである所定電圧V2から所定電圧V3に上がり、アクチュエータ40が作動している状態から作動していない状態に戻ると、指示電圧Vsetが所定電圧V3から所定電圧V2に下がる状況が繰り返される。
このとき、図4(d)に示すように、指示電圧Vsetが所定電圧V1より高い所定電圧V2に設定される場合、バッテリ30は、比較的小さい電流で充電され、指示電圧Vsetが所定電圧V3に設定される場合、バッテリ30は、比較的大きな電流で充電される。そのため、比較例のように、バッテリ30の充電と放電とが頻繁に切り替わらず、バッテリ30の充電が継続されるため、バッテリ30の全体としての充放電量が抑制され、バッテリ30の寿命低下を抑制することができる。
また、比較例のように、バッテリ30の充電と放電とが繰り返されないため、オルタネータ20の負荷の変動を小さくすることができる。即ち、オルタネータ20を駆動するエンジン10における大きなトルク変動を抑制し、ドライバビリティの悪化を抑制することができる。
このように、制御部53は、アクチュエータ40の作動状況が、上記所定条件を満足しない場合、バッテリ30の充電状態に応じて、バッテリ30の充電を促進する上限電圧VHと、バッテリ30の充電を抑制する下限電圧VLとの間の範囲で、オルタネータ20の出力電圧(発電電圧)を制御する。一方、制御部53は、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足する場合、オルタネータ20の出力電圧を下限電圧VLよりも高い所定電圧V3に維持する。また、作動予測部52は、情報取得部51が取得するアクチュエータ40の作動状況に影響を与える車両状況に関する情報に基づき、今後の所定期間内又は所定走行距離内で、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足するか否かを予測する。そして、制御部53は、作動予測部52によりアクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足すると予測される場合、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足すると予測されない場合よりも下限電圧VLを高くする。従って、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足すると予測される場面では、充電制御における下限電圧VLを比較的高い所定電圧V2、例えば、バッテリ30が比較的小さい電流で充電されるレベルの電圧に制限することができる。また、作動予測部52は、アクチュエータ40の作動状況に影響を与える車両状況に関する情報を用いることで、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足する状態と満足しない状態とが頻繁に繰り替えされる状況において、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足すると予測し続けることができる。そのため、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足したときに、オルタネータ20の出力電圧が下限電圧VLから所定電圧V3に変更されても、バッテリ30が放電から充電に切替わらないようにすることができる。また、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足する状態と満足しない状態とが繰り返されたとしても、バッテリ30が充電から放電に切替わらないようにすることができる。即ち、バッテリ30の充放電量の増加を抑制し、バッテリ30の寿命低下を抑制することができる。
以上、本発明を実施するための形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上述した実施形態における車両用制御装置1は、エンジン10を主たる動力源とする車両に搭載されるが、電動モータを動力源とする車両(電動車両)に搭載されてもよい。以下、図5を参照して、本変形例について説明する。
図5は、変形例に係る車両用制御装置1Aの構成の一例を概略的に示す構成図である。
変形例に係る車両用制御装置1Aは、上述した実施形態に係る車両用制御装置1と異なり、エンジン10及びオルタネータ20が高電圧バッテリ10A及びDC−DCコンバータ20A(出力電圧を調整可能な電源の他の例)に置換される点で主に異なる。以下、上述した実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、上述した実施形態と異なる部分を中心に説明する。
高電圧バッテリ10Aは、車両の動力源である電動モータに高電圧(例えば、200V〜300V)の電力を供給する。高電圧バッテリ10Aは、例えば、ニッケル水素バッテリやリチウムイオンバッテリ等の二次電池である。
DC−DCコンバータ20Aは、高電圧バッテリ10Aの電力をアクチュエータ40を含む低電圧(例えば、12V〜15V)で作動する補機負荷に適した電圧に降圧して、バッテリ30及びアクチュエータ40に供給する。DC−DCコンバータ20Aは、制御部53から入力される指示電圧Vsetに基づき、出力電圧を調整することができる。
アクチュエータ40は、DC−DCコンバータ20A及びバッテリ30と並列接続され、これらからの電力で作動する補機負荷であり、上述した実施形態の場合と同様、印加電圧の変動や低下を許容できない作動状況を有している。アクチュエータ40は、上述した実施形態で例示した補機負荷(ヘッドランプ、ワイパー、フューエルポンプ、EPSのアシストモータ、空調装置のブロア、ラジエータファン等)を含みうる。また、例えば、アクチュエータ40は、高電圧バッテリ10Aを冷却するための冷却ファンである。冷却ファンは、温度上昇による高電圧バッテリ10Aの異常を防止するため、高負荷状態で作動している場合、印加電圧の低下や変動を許容できない。また、本変形例において、その他、アクチュエータ40は、電動ウォータポンプや電動オイルポンプ等であってもよい。
作動予測部52は、上述した実施形態と同様、情報取得部51が取得するアクチュエータ40の作動状況に影響を与える車両状況に関する情報に基づき、今後の所定期間内或いは所定走行距離内で、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足するか否かを予測する。例えば、アクチュエータ40が高電圧バッテリ10Aを冷却する冷却ファンの場合、当該所定条件は、上述の如く、"高負荷で作動していること"になる。そして、作動予測部52は、情報取得部51が取得する車速情報から、車両が高車速で所定時間以上継続して走行していると判断した場合、或いは、情報取得部51が取得するナビ情報から今後の所定期間内或いは所定走行距離内で高速道路の走行が想定される場合、冷却ファンが"高負荷で作動する"と予測することができる。
制御部53は、上述した実施形態におけるオルタネータ20の出力電圧(発電電圧)の代わりに、DC−DCコンバータ20Aの出力電圧を制御する。具体的には、制御部53は、DC−DCコンバータ20Aの出力電圧の指示値(指示電圧)Vsetを設定し、DC−DCコンバータ20Aに出力する。そして、指示電圧Vsetを受信したDC−DCコンバータ20Aは、例えば、指示電圧Vsetに応じて、駆動回路(不図示)をPWM制御し、DC−DCコンバータ20Aの出力電圧を制御部53から出力された指示電圧Vsetに調整する。制御部53によるDC−DCコンバータ20Aの制御態様は、上述した実施形態で説明した図2及び図4の内容と同様である。そのため、本変形例においても、上述した実施形態と同様、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足する状態と満足しない状態とが頻繁に繰り返されることによるバッテリ30の充放電量の増加を抑制し、バッテリ30の寿命低下を抑制することができる。
また、上述した実施形態や変形例にて、作動予測部52は、今後の所定期間内或いは所定走行距離内でアクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足するか否かを予測するが、アクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足する状態と満足しない状態とが繰り返し発生する状況になるか否かを予測してもよい。例えば、作動予測部52は、情報取得部51が取得するナビ情報から連続するトンネルの走行が想定される場合、ヘッドランプが作動する状態と作動しない状態とが繰り返すと予測することができる。そして、制御部53は、作動予測部52によりアクチュエータ40の作動状況が所定条件を満足する状態と満足しない状態とが繰り返し発生すると予測される場合、当該繰り返しが発生しないと予測される場合より充電制御における下限電圧VLを高くしてもよい(即ち、下限電圧VLを所定電圧V1から所定電圧V2に上げてもよい)。かかる場合も上述した実施形態や変形例と同様の作用・効果を得ることができる。
1 車両用制御装置
10 エンジン
10A 高電圧バッテリ
20 オルタネータ(電源)
20A DC−DCコンバータ(電源)
30 バッテリ
30s バッテリセンサ
40 アクチュエータ
50 ECU
51 情報取得部(取得部)
52 作動予測部(予測部)
53 制御部

Claims (1)

  1. 出力電圧を調整可能な電源と、
    前記電源から供給される電力で充電可能なバッテリと、
    前記電源及び前記バッテリと並列接続されるアクチュエータと、
    前記アクチュエータの作動状況が、前記アクチュエータが作動していることを含む所定条件を満足しない場合、前記バッテリの充電状態に応じて、前記バッテリの充電を促進する第1電圧と、前記バッテリの充電を抑制する第2電圧との間の範囲で、前記電源の出力電圧を制御し、前記アクチュエータの作動状況が前記所定条件を満足する場合、前記電源の出力電圧を前記第2電圧よりも高い第3電圧に維持する制御部と、
    前記アクチュエータの作動状況に影響を与える車両状況に関する情報を取得する取得部と、
    前記情報に基づき、今後の所定期間又は所定走行距離内で、前記アクチュエータの作動状況が前記所定条件を満足するか否かを予測する予測部と、を備え、
    前記制御部は、前記予測部により前記アクチュエータの作動状況が前記所定条件を満足すると予測される場合、前記アクチュエータの作動状況が前記所定条件を満足すると予測されない場合よりも前記第2電圧を高くする、
    車両用制御装置。
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