JP2017126186A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カメラの取り付け角度のずれによる乗場の状況の検出精度の低下を抑制することが可能な画像処理装置を提供することにある。【解決手段】実施形態によれば、利用者が乗りかごに乗車する乗場の状況を検出するために、カメラによって撮影される乗場を含む画像に対する画像処理を実行する画像処理装置が提供される。実施形態に係る画像処理装置は、取得手段と、算出手段と、補正手段とを具備する。取得手段は、カメラによって撮影された画像を取得する。算出手段は、取得された画像に含まれる基準部位の位置と当該基準部位に対して予め定められた基準となる位置とが一致しない場合に当該基準部位の位置と当該基準となる位置との差分を算出する。補正手段は、算出された差分に基づいて画像処理に関する設定値を補正する。【選択図】図4
Description
本発明の実施形態は、画像処理装置に関する。
一般的に、エレベータシステムにおいて利用者が乗車する乗りかごには、ドア(以下、かごドアと表記)が取り付けられている。
このようなエレベータシステムにおいては、利用者によって指定された乗場に乗りかごが到着(着床)した場合、かごドアを開状態とすることによって、利用者は当該乗りかごへ乗車することが可能となる。
一方、乗りかごが昇降動作(上昇または下降)する場合には、かごドアを閉状態とすることによって、利用者の安全を確保することができる。
ここで、上記したかごドアはモーターを用いて開閉されるため、例えば乗車の際に利用者が当該かごドアに挟まれる可能性がある。
このため、例えばカメラ(によって撮影される画像)を用いて乗場の状況(例えば、乗りかごへ乗車しようとする利用者)を検出することによって、当該利用者がドアに挟まれるといった事故を防止することが考えられる。
しかしながら、カメラの取り付け角度(画角等)がずれている場合、乗場の状況の検出精度が低下する可能性がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、カメラの取り付け角度のずれによる乗場の状況の検出精度の低下を抑制することが可能な画像処理装置を提供することにある。
実施形態によれば、利用者が乗りかごに乗車する乗場の状況を検出するために、カメラによって撮影される前記乗場を含む画像に対する画像処理を実行する画像処理装置が提供される。実施形態に係る画像処理装置は、取得手段と、算出手段と、補正手段とを具備する。前記取得手段は、前記カメラによって撮影された画像を取得する。前記算出手段は、前記取得された画像に含まれる基準部位の位置と当該基準部位に対して予め定められた基準となる位置とが一致しない場合に当該基準部位の位置と当該基準となる位置との差分を算出する。前記補正手段は、前記算出された差分に基づいて前記画像処理に関する設定値を補正する。
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像処理装置を含むエレベータシステムの構成を示す。エレベータシステムにおいては、メインロープで接続された乗りかご10と図示しないカウンタウエイト(釣り合い錘)とが昇降路内に設けられており、それぞれガイドレール(図示せず)に昇降動作可能に支持されている。また、昇降路の上部には、メインロープが巻き架けられた巻上げ機が設けられている。エレベータシステムにおいては、このような巻上げ機が駆動されることにより、乗りかご10(及びカウンタウエイト)を昇降動作させることができる。
また、乗りかご10の正面の乗降口には、開閉可能なかごドア10aが設置されている。かごドア10aの開閉制御は、例えば乗りかご10の上部に設置されているかご制御装置(図示せず)によって行われる。
このようなエレベータシステムによれば、利用者によって指定された乗場20に乗りかご10が到着(着床)した場合にかごドア10aを開状態とすることによって、利用者を当該乗りかご10に乗車させることができる。また、乗りかご10の昇降動作中はかごドア10aを閉状態とすることによって、当該乗りかご10に乗車している利用者の安全を確保することができる。
なお、図1においては省略されているが、乗りかご10に乗車するために乗場20で待機する利用者が昇降路に転落すること等を防止するために、当該乗場20には乗場ドアが設けられている。この乗場ドアは、上記したかごドア10aの開閉に伴って開閉する。
本実施形態において、乗りかご10内には、利用者が乗りかご10に乗車する乗場20を含む画像を撮影するカメラ(撮像装置)30が設置されている。具体的には、カメラ30は、乗りかご10の乗降口の上方に設けられている幕板部の中央付近に設置されており、図1に示すように、乗りかご10に設置されているかごドア10a及び乗場20に設けられている乗場ドアが開状態にある場合における乗りかご10と乗場20との境界部分を含む画像を撮影する。換言すれば、カメラ30は、乗場20側の領域と乗りかご10側の領域とを撮影可能な位置に設置されている。カメラ30は、例えば車載カメラ等のように、1秒間に数コマの画像を撮影可能であるものとする。
ここで、図2を参照して、カメラ30の取り付け角度(位置)について具体的に説明する。本実施形態において、カメラ30は、乗りかご10の床面から高さh(例えば、2,100mm程度)の位置に設置されており、L1+L2の範囲を撮影する。L1は、乗場20側の撮影範囲であり、かごドア10a(または乗場ドア)から例えば2,000〜3,000mm程度の範囲であるものとする。L2は、乗りかご10側の撮影範囲であり、かごドア10aからかご背面に向けて例えば350〜500mm程度の範囲であるものとする。なお、L1及びL2は奥行き方向の範囲であり、幅方向(奥行き方向と直交する方向)の範囲については、少なくとも乗りかご10の横幅より大きいものとする。
カメラ30においては、上記した撮影範囲(領域)を撮影することが可能なように画角(α)が予め設定されているものとする。
図3は、本実施形態においてカメラ30によって撮影される画像の一例を示す。図2において説明したカメラ30の取り付け角度によれば、かごドア10a(及び乗場ドア)が開状態にある場合には、カメラ30は画像100を撮影することができる。具体的には、画像100は、図3に示すように乗場20側の領域101及び乗りかご10側の領域102含む。
また、上記した図1においては示されていないが、乗りかご10側には、かごドアの開閉をガイドするためのシル(敷居)が設けられている。同様に、乗場20側には、乗場ドアの開閉をガイドするためのシル(敷居)が設けられている。このため、図3に示す画像100中の乗場20側の領域101及び乗りかご10側の領域102の境界部分には、乗場20側に設けられたシル(乗場側シル)111及び乗りかご10側に設けられたシル(乗りかご側シル)112が含まれている。
また、乗場20の乗降口には三方枠と称される当該乗降口の枠が設けられている。三方枠は、乗降口の両側の縦枠と上側の横枠から構成される。上記したカメラ30の取り付け角度によれば、画像100には、三方枠(の両側の縦枠)113が更に含まれている。なお、カメラ30は三方枠113の上側の枠の下方(の幕板部)に設けられるため、画像100には当該上側の枠は含まれない。
また、乗場20に乗りかご10に乗車しようとする利用者が存在する場合、図3に示すように、画像100中の乗場20側の領域101内には、利用者200が含まれる。
再び図1に戻ると、カメラ30には、画像処理装置40が接続されている。画像処理装置40は、カメラ30によって撮影された画像(映像)に対する画像処理(解析処理)をリアルタイムで実行する。画像処理装置40は、例えばカメラ30とは独立して設けられている。また、画像処理装置40は、上記したかご制御装置等に組み込まれていてもよい。
画像処理装置40は、カメラ30によって撮影された画像に対する画像処理を実行することによって、乗場20の状況を検出する機能を有する。具体的には、画像処理装置40は、例えば画像100中の乗場20側の領域101に基づいて、乗場20から乗りかご10に乗車しようとする利用者200の有無等を検出することができる。これによれば、画像処理装置40及びかご制御装置の連係動作等により、例えば乗りかご10に乗車しようとする利用者200がいることが検出された場合に、当該利用者200の乗りかご10への乗車が完了するまでかごドア10aの開状態を維持するような制御が可能となる。
なお、画像処理装置40は、例えば画像100中の乗りかご10側の領域102に基づいて、戸開動作時に乗りかご10に乗車している利用者の手等がかごドア10a(戸袋)に引き込まれそうな状況(つまり、乗りかご10内の状況)を検出することもできる。これによれば、画像処理装置40及びかご制御装置の連係動作等により、利用者の手がかごドア10aに引き込まれそうな状況が検出された場合に、例えば戸開動作を中断するような制御が可能となる。
ここで、上記したようにカメラ30によって撮影される画像には三方枠が含まれるが、当該三方枠は、当該画像中の他の部位と比べて、比較的光の反射率が高い場合が多い。このため、カメラ30によって画像が撮影される際に三方枠によって反射される光の強度が強い場合があるが、この光は外乱光として上記した画像処理装置40によって実行される画像処理に影響を与える場合がある。具体的には、乗場20から乗りかご10に乗車しようとする利用者がいるにもかかわらず、当該利用者を検出することができないようなことが発生し得る。すなわち、三方枠によって反射される光は乗場20の状況の検出精度を低下させる可能性がある。
そこで、画像処理装置40においては、画像処理に関する設定値として、マスク処理が施される領域(三方枠を含む領域)が設定されているものとする。これによれば、外乱光となる三方枠によって反射される光をマスク処理によって遮断することが可能となるため、当該外乱光の影響を緩和し、乗場20の状況の検出精度を向上させることができる。
なお、マスク処理が施される領域は、予め定められているカメラ30の取り付け角度に基づいて予め設定されている。
しかしながら、カメラ30は、予め定められた取り付け角度で取り付けられていない場合がある。具体的には、カメラ30は作業員の手作業によって取り付けられるため、当該カメラ30が誤って傾いた状態で取り付けられる可能性がある。このような場合には、上記したマスク処理が施される領域と実際にカメラ30によって撮影される画像中の三方枠を含む領域とにずれが生じてしまう。これによれば、撮影画像中の三方枠を含む領域に対して適切にマスク処理が施されないため、外乱光(つまり、三方枠によって反射された光)の影響によって乗場20の状況の検出精度の低下を招く。
更に、上記したようにカメラ30は乗りかご10の乗降口の上方に設置されているため、乗りかご10自体が傾いているような場合にも同様に外乱光の影響を受ける場合がある。
そこで、本実施形態に係る画像処理装置40は、カメラ30の取り付け角度がずれている(つまり、カメラ30が傾いた状態で取り付けられている)ような場合に、上記した画像処理に関する設定値(マスク処理が施される領域)を補正(自動調整)する機能(以下、キャリブレーション機能と表記)を有する。
図4は、本実施形態に係る画像処理装置40の機能構成を示すブロック図である。ここでは、上記したキャリブレーション機能に関する機能構成について主に説明する。
図4に示すように、画像処理装置40は、格納部41、画像取得部42、基準部位抽出部43、差分算出部44、補正処理部45及び報知処理部46を含む。
格納部41には、上記した画像処理に関する設定値が格納されている。画像処理に関する設定値は、マスク処理が施される領域である三方枠が位置すべき領域(の座標値)を含む。また、格納部41には、後述する基準部位に対して予め定められた基準となる位置(以下、基準位置と表記)が予め格納されている。基準位置は、カメラ30が予め定められた取り付け角度で正確に取り付けられている場合における撮影画像中の基準部位の位置である。
画像取得部42は、カメラ30によって撮影された画像(以下、撮影画像と表記)を取得する。
基準部位抽出部43は、画像取得部42によって取得された撮影画像に含まれる基準部位を抽出する。基準部位は、上記したカメラ30の取り付け角度がずれているか否かを判定するための基準となる部位であり、例えば乗場側シル及び乗りかご側シルを含む。なお、乗場側シル及び乗りかご側シルは、例えばアルミまたはステンレス等で形成されている場合が多いため、他の部位と比較して撮影画像から容易に抽出することができる。
差分算出部44は、基準部位抽出部43によって抽出された基準部位の位置(撮影画像中の位置)と格納部41に格納されている基準位置とが一致しない場合に、当該基準部位の位置と基準位置との差分を算出する。なお、差分算出部44によって算出される差分は、例えば座標値等で表される。
補正処理部45は、格納部41に格納されている画像処理に関する設定値を取得する。補正処理部45は、取得された画像処理に関する設定値(例えば、マスク処理が施される領域)を、差分算出部44によって算出された差分に基づいて補正する。補正処理部45は、補正された画像処理に関する設定値を格納部41に格納する。この補正された画像処理に関する設定は、上記した乗場20の状況を検出する際に実行される画像処理において用いられる。
ここで、本実施形態においては、補正処理部45によって画像処理に関する設定値を補正することによって、カメラ30の取り付け角度がずれているような場合であっても乗場20の状況の検出精度の低下を抑制することが可能であるが、エレベータシステムの運用中に例えば乗りかご10またはカメラ30に対する衝撃等によって等がカメラ30の取り付け角度が更にずれてしまう(つまり、カメラ30が傾く)場合がある。
このような場合、報知処理部46は、カメラ30の取り付け角度がずれたことを、例えばエレベータシステムの運用状態等を監視する監視センタ(の管理者)に報知(発報)する。なお、カメラ30の取り付け角度がずれたことは、エレベータシステムの運用中(つまり、画像処理に関する設定値が補正された後)に差分算出部44によって再度算出された差分が上記した画像処理に関する設定値を補正する際に差分算出部44によって算出された差分よりも大きいか否かによって判定可能である。
次に、図5のフローチャートを参照して、本実施形態におけるキャリブレーション機能における画像処理装置40の処理手順について説明する。なお、図5に示す処理は、例えばエレベータシステムの運用前等に実行される。
まず、画像取得部42は、カメラ30によって撮影された画像(撮影画像)を取得する(ステップS1)。
基準部位抽出部43は、ステップS1において取得された撮影画像中の基準部位として、例えば乗場側シル及び乗りかご側シル(の領域)を当該撮影画像から抽出する(ステップS2)。
次に、差分算出部44は、格納部41に格納されている基準位置を取得する。差分算出部44は、取得された基準位置に基づいて、カメラ30の取り付け角度がずれているか否かを判定する(ステップS3)。この場合、差分算出部44は、ステップS2において抽出された乗場側シル及び乗りかご側シル(基準部位)の撮影画像中の位置と基準位置とが一致するか否かに基づいて判定処理を実行する。具体的には、乗場側シル及び乗りかご側シルの撮影画像中の位置と基準位置とが一致する場合には、カメラ30の取り付け角度がずれていないと判定することができる。一方、乗場側シル及び乗りかご側シルの撮影画像中の位置と基準位置とが一致しない場合には、カメラ30の取り付け角度がずれていると判定することができる。
カメラ30の取り付け角度がずれていないと判定された場合(ステップS3のNO)、画像処理に関する設定値を補正する必要がないため、処理は終了される。
一方、カメラ30の取り付け角度がずれていると判定された場合(ステップS3のYES)、差分算出部44は、乗場側シル及び乗りかご側シル(基準部位)の撮影画像中の位置と基準位置との差分を算出する(ステップS4)。
次に、補正処理部45は、格納部41に格納されている画像処理に関する設定値を取得する。補正処理部45は、取得された画像処理に関する設定値に含まれるマスク処理が施される領域(三方枠が位置すべき領域)を、ステップS4において算出された差分に基づいて補正する(ステップS5)。以下の説明では、画像処理に関する設定値に含まれるマスク処理が施される領域を、便宜的に、マスク領域と称する。
ここで、図6及び図7を参照して、ステップS5について具体的に説明する。なお、図6及び図7中の前述した図3と同様の部分には図3と同一参照符号を付して説明する。同様に、図6及び図7中の同様の部分にも互いに同一参照符号を付して説明する。
まず、図6は、カメラ30の取り付け角度がずれていない(カメラ30が傾いていない)状態で当該カメラ30によって撮影された画像の一例を示す。
図6に示す基準位置400は、カメラ30が予め定められた取り付け角度で正確に取り付けられている場合における基準部位(乗場側シル111及び乗りかご側シル112)の位置を表している。
図6に示す画像310においては、乗場側シル111及び乗りかご側シル112(の境界部分)の位置と基準位置400とが一致しているため、カメラ30の取り付け角度がずれていないと判定することができる。
ここで、このような画像310中の三方枠113の領域は、図6に示すようにマスク領域311と一致する。すなわち、カメラ30の取り付け角度がずれていない場合には、三方枠113の領域に対して適切にマスク処理を施すことができる。
一方、図7は、カメラ30の取り付け角度がずれている(カメラ30が傾いている)状態でカメラ30によって撮影された画像の一例を示す。
図7に示す画像320においては、乗場側シル111及び乗りかご側シル112(の境界部分)の位置と基準位置400とが一致していないため、カメラ30の取り付け角度がずれていると判定することができる。
ここで、このような画像320中の三方枠113の領域は、図7に示すようにマスク領域311と一致しない。すなわち、マスク領域311はカメラ30が予め定められている取り付け角度で正確に取り付けられている場合における三方枠113が位置する領域に設定されているところ、カメラ30の取り付け角度がずれている場合には、画像320中の当該三方枠113が位置する領域はマスク領域311の位置からずれてしまう。すなわち、カメラ30の取り付け角度がずれている場合には、マスク領域311と重複しない三方枠113の部分によって反射された光が外乱光として影響し、上記したように乗場20の状況の検出精度の低下させる可能性がある。
このため、ステップS5において、補正処理部45は、ステップS4において算出された差分(つまり、基準位置に対する乗場側シル111及び乗りかご側シル112の傾き等を表す座標値)に基づいて、画像320中の三方枠113の領域と一致するようにマスク領域311の位置を補正する。この場合、補正処理部45は、マスク領域311を変形するように補正してもよい。
再び図5に戻ると、ステップS5において補正されたマスク領域(補正後のマスク領域)は、格納部41に格納される(ステップS6)。
このような補正後のマスク領域を用いることによって、カメラ30の取り付け角度がずれているような場合であっても、例えば図8に示すようにエレベータシステムの運行中にカメラ30によって撮影される画像330における三方枠113の領域に対して適切にマスク処理を施すことができる。
なお、図5においては、基準部位が乗場側シル及び乗りかご側シルであるものとして説明したが、基準部位は、当該乗場側シル及び乗りかご側シルのうちの一方であってもよい。また、基準部位は、撮影画像から抽出可能な部位であれば、乗場側シル及び乗りかご側シル以外の部位であっても構わない。
また、図5に示すステップS3においては乗場側シル及び乗りかご側シルの撮影画像中の位置と基準位置とが一致するか否かに応じてカメラ30の取り付け角度がずれているか否かが判定されるものとして説明したが、カメラ30の取り付け角度がずれている場合であっても、当該ずれ(量)が上記した乗場20の状況の検出精度に影響を与えない程度であれば、画像処理に関する設定値(マスク領域)を補正しない構成であってもよい。すなわち、乗場側シル及び乗りかご側シルの撮影画像中の位置と基準位置との差分が予め定められた範囲内にあるか否かに基づいてステップS3の処理が実行され、当該差分が予め定められた範囲内にない場合に、カメラ30の取り付け角度がずれていると判定されてもよい。
上記したように本実施形態においては、カメラ30によって撮影された画像(撮影画像)を取得し、当該取得された撮影画像に含まれる基準部位の位置と基準位置(予め定められた基準となる位置)との差分を算出し、当該算出された差分に基づいて画像処理に関する設定値を補正する。この画像処理に関する設定値は、例えば画像処理に対する外乱光の影響を低減するためにマスク処理が施される領域を含む。また、マスク処理が施される領域は、例えば乗場20の乗降口に設けられている三方枠が位置する領域を含む。
本実施形態においては、このような構成により、例えば作業員によって取り付けられたカメラ30が傾いているまたは乗りかご10自体が傾いていることによってエレベータシステムの運用前にカメラ30の取り付け角度(つまり、乗場20等の撮影角度)がずれているような場合であっても、三方枠の領域に対して適切にマスク処理を施すことが可能となるため、当該カメラ30の取り付け角度のずれによる乗場20(または乗りかご10内)の状況の検出精度の低下を抑制することが可能となる。
また、本実施形態において、撮影画像は乗場20に設けられている乗場ドア及び乗りかご10に設けられているかごドア10aが開状態にある場合における乗場20と乗りかご10との境界部分を含み、基準部位は乗場側シル及び乗りかご側シルのうちの少なくとも一方を含む。本実施形態においては、このような構成により、乗場側シル及び乗りかご側シルは比較的容易に撮影画像から抽出することが可能であるため、正確に基準部位の位置と基準位置とを比較し、カメラ30の取り付け角度のずれを検出(判定)することが可能となる。
また、本実施形態において、カメラ30が乗りかごの乗降口の上方の幕板部に設けられている構成により、乗場20及び乗りかご10内の両方を撮影範囲とすることができるため、上記したように乗場20の状況(乗場20から乗りかご10に乗車しようとする利用者の有無)及び乗りかご10内の状況(利用者の手等がかごドア10aに引き込まれそうな状況)等を検出することが可能となる。
更に、本実施形態においては、画像処理に関する設定値を補正した後にカメラ30によって撮影された画像に含まれる基準部位の位置と基準位置との差分を更に算出し、当該更に算出された差分が画像処理に関する設定値を補正する際に算出された差分よりも大きい場合、管理者に対して異常(つまり、カメラ30の取り付け角度が更にずれていること)を報知する。本実施形態においては、このような構成により、例えば画像処理に関する設定値を補正した後に、更にカメラ30の取り付け角度がずれてしまうような事態が生じた場合には、当該ずれを修正するよう管理者に対して促すことが可能となる。
なお、本実施形態においては、画像処理に関する設定値としてマスク領域(マスク処理が施される領域)が補正されるものとして説明したが、当該マスク領域以外の画像処理に関する設定値を補正してもよい。
具体的には、本実施形態に係る画像処理装置40においては、例えばかごドア10aが開状態にある場合は乗場20の状況を検出するために乗場20側の領域を対象としてカメラ30の露光調整を行い、かごドア10aが閉状態にある場合または戸開動作中である場合には乗りかご10内の状況を検出するために乗りかご10側の領域を対象としてカメラ30の露光調整を行うものとする。この場合において、露光調整の対象となる乗場20側の領域及び乗りかご10側の領域(スポット)は画像処理に関する設定値として予め設定されているが、上記したようにカメラ30の取り付け角度がずれている場合には、当該設定されている領域が露光調整を行うべき乗場20側の領域または乗りかご10側の領域とずれてしまい、適切な露光調整ができない場合がある。このため、本実施形態においては、基準部位の位置と基準位置との差分に基づいてカメラ30によって画像が撮影される際の露光調整の対象となる領域を補正するような構成としても構わない。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…乗りかご、10a…かごドア、20…乗場、30…カメラ、40…画像処理装置、41…格納部、42…画像取得部、43…基準部位抽出部、44…差分算出部、45…補正処理部、46…報知処理部、111…乗場側シル、112…乗りかご側シル、113…三方枠。
実施形態によれば、利用者が乗りかごに乗車する乗場の状況を検出するために、カメラによって撮影される前記乗場を含む画像に対する画像処理を実行する画像処理装置が提供される。実施形態に係る画像処理装置は、取得手段と、算出手段と、補正手段とを具備する。前記取得手段は、前記カメラによって撮影された画像を取得する。前記算出手段は、前記取得された画像に含まれる基準部位の位置と当該基準部位に対して予め定められた基準となる位置とが一致しない場合に当該基準部位の位置と当該基準となる位置との差分を算出する。前記補正手段は、前記算出された差分に基づいて前記画像処理に関する設定値を補正する。前記画像処理に関する設定値は、前記画像処理に対する外乱光の影響を低減するためにマスク処理が施される領域を含む。前記マスク処理が施される領域は、前記乗場の乗降口に設けられている三方枠が位置する領域を含む。
Claims (7)
- 利用者が乗りかごに乗車する乗場の状況を検出するために、カメラによって撮影される前記乗場を含む画像に対する画像処理を実行する画像処理装置において、
前記カメラによって撮影された画像を取得する取得手段と、
前記取得された画像に含まれる基準部位の位置と当該基準部位に対して予め定められた基準となる位置とが一致しない場合に当該基準部位の位置と当該基準となる位置との差分を算出する算出手段と、
前記算出された差分に基づいて前記画像処理に関する設定値を補正する補正手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置。 - 前記画像処理に関する設定値は、前記画像処理に対する外乱光の影響を低減するためにマスク処理が施される領域を含む請求項1記載の画像処理装置。
- 前記マスク処理が施される領域は、前記乗場の乗降口に設けられている三方枠が位置する領域を含む請求項2記載の画像処理装置。
- 前記画像処理に関する設定値は、前記カメラによって画像が撮影される際の露光調整の対象となる領域を含む請求項1記載の画像処理装置。
- 前記カメラによって撮影される画像は、前記乗場に設けられている乗場ドア及び前記乗りかごに設置されているかごドアが開状態にある場合における前記乗場と前記乗りかごとの境界部分を含み、
前記基準部位は、前記乗場ドアの開閉をガイドするために設けられている乗場側シル及び前記かごドアの開閉をガイドするために設けられている乗りかご側シルのうちの少なくとも一方を含む
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記カメラは、前記乗りかごの乗降口の上方に設置されていることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
- 報知手段を更に具備し、
前記算出手段は、前記画像処理に関する設定値を補正した後に取得された画像に含まれる基準部位の位置と予め定められた基準となる位置との差分を更に算出し、
前記報知手段は、前記更に算出された差分が前記算出された差分よりも大きい場合、管理者に対して異常を報知する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
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