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JP2017100971A - 錠剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】即効性を必要とする成分と持続性を必要とする成分を含む製剤において、好ましい崩壊特性を有する三層構造を有する錠剤を提供することを課題とする。【解決手段】三層構造を有する錠剤であって、日本薬局方の崩壊試験法に基づいて測定するとき、第1層の崩壊時間が10分以下、第2層の崩壊時間が120分以上、第3層の崩壊時間が60〜80分を示す三層構造の錠剤。【選択図】図1

Description

本発明は、三層構造を有する錠剤に関する。
複数の有効成分を含有する経口用錠剤には、即効性を期待される成分と持続性を期待される成分の両方が含まれていることがある。このような経口用錠剤を従来の製剤技術で製造すると、得られた錠剤に含有される成分は、即効性、持続性に関わりなく、経口投与後同一の挙動を示すこととなる。即効性を必要とする成分が、錠剤が崩壊するまでの時間、錠剤からの放出が遅れ、期待するような即効作用を示さない場合がある。また持続性を必要とする成分が、錠剤の崩壊によって一挙に放出されて吸収される場合もあり、そのような場合、必要とする持続効果(血中濃度の維持)を示さないこともある。更に即効性を必要とする成分と持続性を必要とする成分の相性が悪く、両成分の配合により、各々或いはどちらか一方の成分が減弱或いは変色を生じたり、製品の品質に悪影響を及ぼす場合がある。
このため、このような複合成分を一錠の経口錠として製剤化する場合には、即効性を必要とする成分を速やかに放出・吸収させるために溶解速度の速い物質でコーティングを行い、持続性を必要とする成分には吸収を遅らせるために腸溶性コーティングを行ったりした上で打錠して製剤化する。すなわち即効性を期待される成分と持続性を期待される成分、それぞれの成分の特性や作用に基づいて製剤設計を行い、それぞれ異なったコーティングを施し打錠成型を行うことが一般的に行われている。
また製剤設計に当たり、錠剤をサンドイッチ状の3層構造とし、内層には持続性を必要とする成分を含有させ、外層には即効成分を含有させ、それぞれの層の崩壊による有効成分放出のタイミングを制御する技術がある。
特許文献1には、医薬活性成分を含む即放性内部層と、膨潤性ポリマーとしてポリエチレンオキシドを含む外層二層とからなる経口徐放性三層錠剤であって、水性媒体に曝されたとき、即放性内部層の曝された側面が膨潤した外層の上下の二層に覆われることにより、内層に含まれる活性成分の放出が制御される三層錠剤が開示されている。
特許文献2には、難溶性のタクロリムスの徐放性経口投与製剤として水溶性高分子を5〜90%を含有する第一層、タクロリムス固体分散体と水溶性高分子を含有する第二層と、さらに水溶性高分子を含有する第三層から構成され、溶出試験開始後の溶出率が35%〜85%を示す錠剤が開示されている。この製剤は水溶性高分子よって形成されるマトリックスを介してタクロリスムが放出されるという作用を示す。
特許文献3には、ユビデカレノン/ビタミン類/ミネラル類の三層構造にすることで、ユビデカレノンの保存安定性を高めた三層錠が記載されている。
特許文献4には、加圧加熱して調製した加工澱粉Aを外層、同じく加圧加熱して調製した加工澱粉Aと結晶セルロースと、ポリエチレングリコールと、活性成分としてアセトアミノフェンを含む粉末を内層処方粉末とし、これを三層に積層して加圧し積層錠剤とした三層錠が記載されている。この三層錠は、活性成分アセトアミノフェンが、0次放出されて長時間持続効果を発揮する。
特許第5414539号公報 国際公開第2008/041553号公報 特表2010−533168号公報 特許5159093号公報
本発明は、即効性を必要とする成分と持続性を必要とする成分を含む製剤において、好ましい崩壊特性を有する三層構造を有する錠剤を提供することを課題とする。
本発明者は、三層構造を有している錠剤の崩壊性に着目し、即効性を必要とする成分と持続性を必要とする成分を含む複合成分の製剤において、それぞれの成分を好ましいタイミングで崩壊する錠剤の研究をしている。その研究の過程で、三層構造の製剤の各層の崩壊時間を制御し、さらにそれぞれの層に即効を必要とする成分と持続性を必要とする成分を組み合わせることで複合製剤として好ましい崩壊特性を有する製剤を見出した。
本発明の主な構成は以下の通りである。
(1)三層構造を有する錠剤であって、日本薬局方の崩壊試験法に基づいて測定するとき、第1層の崩壊時間が10分以下、第2層の崩壊時間が120分以上、第3層の崩壊時間が60〜80分を示す三層構造の錠剤。
(2)第1層にのみ即効性を必要とする成分を含有し、第1層、第2層、第3層に持続性を必要とする成分を含有する(1)に記載の錠剤。
(3)第2層及び第3層にキサンタンガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、プルラン、寒天、グルコマンナン、カラギーナン、グアガム、ペクチン、ゼラチン、アルギン酸、から選択される1以上のゲル化剤と結晶セルロース粉末を含有する(1)又は(2)に記載の錠剤。
(4)第2層及び第3層にゲル化剤としてキサンタンガムとローカストビーンガムを含有する(1)又は(2)に記載の錠剤。
(5)第2層と第3層にさらに結晶セルロース粉末を含有する(4)に記載の錠剤。
(6)第2層中のキサンタンガムとローカストビーンガムの合計含有量と結晶セルロース粉末の含有量の質量比が1:1〜1:20である(5)に記載の錠剤。
(7)第3層中の結晶セルロース粉末の含有量が20〜40質量%、キサンタンガムとローカストビーンガムの合計含有量が0.5〜2質量%である(6)に記載の錠剤。
(8)即効性を必要とする成分が水溶性ビタミン、ヘモグロビン含有物から選択される1以上の物質であり、持続性を必要とする成分が油溶性ビタミン、オクタコサノール、ポリフェノール、コショウ抽出物から選択される1以上の物質である(2)〜(7)のいずれかに記載の錠剤。
(9)長時間の持続運動を行う際に服用するためのものである(8)に記載の錠剤。
本発明により、即効を必要とする成分と持続性を必要とする成分を含む製剤において、好ましい崩壊特性を有し、経口投与後の体内で適切なタイミングで即効を必要とする成分と持続性を必要とする成分を放出する、三層構造を有する錠剤を提供することができる。
また本発明の錠剤は、配合する活性成分の造粒やコーティングを必要とせず、それぞれの層を構成する成分を配合した粉末組成物を常法によって積層打錠するだけで製造できるため簡便に製造できる。
さらに、本発明の長時間の持続運動を行う際に服用する錠剤は、運動時に必要なエネルギー代謝を効率化するため、疲労感を軽減できる。
本発明の錠剤の構造と特性を示す模式図である。
本発明は、三層構造を有する錠剤であって、日本薬局方の崩壊試験法に基づいて測定するとき、第1層の崩壊時間が10分以下、第2層の崩壊時間が120分以上、第3層の崩壊時間が60〜80分を示す、錠剤に係る発明である。また本発明は、長時間の持続運動を行う際に服用することで、好ましいエネルギー代謝を促進し、運動後の疲労感を軽減する錠剤に関する。
本発明の錠剤の形状と成分について説明する。
本発明の錠剤の形状は、多層錠の形態であって、第1層が、日本薬局方に定める崩壊試験を行うとき、10分以下の崩壊時間を示し、第2層が120分以上の崩壊時間を示し、第3層が60〜80分の崩壊時間を示す。なお、本願明細書において「崩壊時間」という場合は、日本薬局方の崩壊試験法に基づいて得られた結果をいう。
本発明の錠剤は、従来の三層構造の錠剤は、上下(第1層と第3層)が上下対称の構成をとるが、本発明は、非対称の構造となる。図1に模式図を示す。また図1の第1層と第3層は、上下を転倒することで置換可能である。このような錠剤とすることで、第1層→第3層→第2層の順序で崩壊して各層に含有される有効成分がカスケード式に順次放出されてゆく。
第1層は、経口投与され、胃で速やかに崩壊する錠剤の構成を採用する。すなわち、目的とする即効性を必要とする成分と主として乳糖、ショ糖、パラチノースなどの二糖類やデキストリン、オリゴ糖などの糖類から選択される賦形剤と、ステアリン酸カルシウムなどの滑沢剤から構成される。この第1層は経口投与されたとき、10分以内に崩壊して含有する即効成分が放出されて速やかに効果を発揮することを期待した製剤設計としている。またこの第1層には、持続性を必要とする成分も配合する。持続性を必要とする成分は、第1層、第2層、第3層にそれぞれ配合することで、投与直後から放出され、最終的に錠剤が崩壊終了するまで持続的に吸収されて長時間目的とする効果を発揮することを期待した製剤設計としている。
第2層は、経口投与されると第1層と第3層が崩壊するまでは崩壊せず、含有される有効成分は少量ずつしか放出されない。崩壊は、主として小腸下部内で進行し、その結果含有される有効成分が少量ずつ、持続的に放出されることを期待した製剤設計としている。この層に含有される有効成分は、最後に吸収されて効果を発揮することとなる。崩壊時間を120分以上とするためには、第2層にキサンタンガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、プルラン、寒天、グルコマンナン、カラギーナン、グアガム、ペクチン、ゼラチン、アルギン酸などの水に溶解するとゲル化する性質を有するゲル化剤から選択される1以上のゲル化剤と粉末セルロースを配合する。ゲル化剤としては、キサンタンガムとローカストビーンガムの両物質を含むものが好ましい。キサンタンガムとローカストビーンガムを含む市販のゲル化剤としては、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「ゲルアップSA−3」(商品名)を例示することができるゲルアップSA−3はキサンタンガム51%、ローカストビーンガム37%を含有する組成物である。また粉末セルロースとしては結晶セルロースが好ましく、本発明の目的に適した結晶セルロースとしては旭化成ケミカルズ株式会社の「セオラスUF−F711」(商品名)を例示することができる。結晶セルロースは、ゲル化剤と共存することで崩壊時間を延長させる。
第3層は、第1層が崩壊後、引き続いて崩壊するように製剤設計を行う。このようにすると、第3層は、主として十二指腸で崩壊し、有効成分を放出する。また第3層中には、結晶セルロース粉末の含有量が20〜40質量%、キサンタンガムとローカストビーンガムの含有量が0.5〜2質量%となるようにすると、三層錠において、第3層目の崩壊時間を60〜80分とすることができる。
第2層中のゲル化剤と結晶セルロース粉末の含有量は、結晶セルロース49〜93質量%、キサンタンガムとローカストビーンガムの合計含有量4.7〜49質量%にすることで、第2層の崩壊時間を120分以上に調整することができる。また、このときキサンタンガムとローカストビーンガムと結晶セルロースの質量比を1:1〜1:20とする。以上のような組成とすることで三層錠における第2層の崩壊時間を120分以上とすることができる。この場合最長で崩壊時間を450分(7.5時間)まで延長させることができる。
第1層には即効性を必要とする成分を含有させる。この層の成分は、投与直後から速やかに吸収されて効果を発揮することを期待した製剤設計としている。また第1層、第2層、第3層にそれぞれに持続的に効果を発揮させることが必要な成分を配合すると、投与直後から長時間にわたって有効成分が放出され、持続効果を発揮することが期待できる。また、第2層のみに配合すると、胃を通過し十二指腸で放出され60〜80分後に吸収されて効果を発揮すること、そして第3層のみに配合すると120分経過後以降に崩壊して吸収され、その効果を発揮するように放出時間を制御することが期待できる。
本発明の三層錠の第2層、第3層の各層には、第1層と同様に賦形剤、滑沢剤を配合する。また各層には、必要により甘味料、香料、酸味料を配合することができる。
本発明の三層錠を製造する場合は、従来法によって調製される。即ち、各層の成分をミキサーで混合し、多層錠剤製造機を用いて直接プレスすることにより、或いは、各層の成分を湿式造粒機、ローラーコンパクター等の機械を用いて混合・造粒し、更にプレスすることにより三層錠剤を調製する。
本発明の三層錠には、例えば即効性を必要とする成分として、水溶性ビタミン、ヘモグロビン含有物を配合し、持続性を必要とする成分として、油溶性ビタミン、オクタコサノール、ポリフェノール、コショウ抽出物から選択されるである1以上の物質を配合すると、マラソンなどの長時間の持続運動を行う際に服用するに適したサプリメント錠とすることができる。すなわち、第1層の水溶性ビタミンやヘモグロビンは、速やかに血中を巡回し、体調を整える。ついで油溶性ビタミン、オクタコサノール、ポリフェノール、コショウ抽出物が持続的に吸収され続けることで長時間にわたって、マラソンに必要なエネルギー代謝を制御し、疲労感を軽減させる作用を果たす。これまでは、このような即効性と持続性を併せ持った成分を、その機能に応じて放出する錠剤は存在していない。したがって、マラソンのような長時間にわたる、持続した激しい運動に適したサプリメント錠とすることができる。
以下に試験例、実施例を示し、さらに本発明を説明する。
試験例1.結晶セルロース粉末とゲル化剤による錠剤の崩壊時間延長の確認試験
(1)試験方法
市販されている製剤用のゲル化剤と滑沢剤の配合量を固定し、残りを下記表1の賦形剤の中から1種類を選択し、1錠当たりの重量を200mg錠となる錠剤(直径9mm)を、打錠法(装置:単発打錠機CRUX、株式会社菊水製作所)により調製した。
なお、ゲル化剤としてキサンタンガム51%とローカストビーンガム37%含有組成物(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製 ゲルアップSA−3)、賦形剤として代表的な糖類であるマルチトール(東和化成工業株式会社製アマルティMR−50)、結晶セルロース粉末(旭化成ケミカルズ株式会社製 セオラスST−100、セオラスUF−F711、セオラスUF−F702、セオラスST−02、セオラスFD−101、セオラスFD−301)、部分アルファ化澱粉(旭化成ケミカルズ株式会社製 PCS−FC30)、滑沢剤としてステアリン酸カルシウムを用いた。
Figure 2017100971
得られた錠剤を試料として崩壊時間を測定した。崩壊時間の測定は、日本薬局方に基づいて、ディスクなしの条件で試験液に崩壊試験第一液を用いて実施した。崩壊は、目視観察により錠剤の崩壊が確認された時点を終点とした。
(2)試験結果
表1の崩壊時間の欄に示すように、結晶セルロースは、マルチトールと比較すると2〜3倍程度崩壊時間が延長することを確認できた。なお部分アルファ化澱粉は、打錠成型できないことが判明した。
試験例2.ゲル化剤と結晶セルロースの配合量比による崩壊時間の変化
(1)試験方法
上記の試験例の結果と別に実施した打錠適正試験に基づき、結晶セルロースとして好ましい結果を示したセオラスUF−F711を用いて、ゲル化剤であるゲルアップSA−3との配合比率が錠剤の崩壊時間に影響するか否か評価した。
下記表2の組成で試験例1と同様に錠剤を調製し、同様にして崩壊試験を実施し、崩壊時間を測定した。
Figure 2017100971
(2)試験結果
表2に示すように、ゲル化剤ゲルアップSA−3とセオラスUF−F711との配合比率を変えることで崩壊時間が変化し、打錠適正(打圧)が変わる事がわかる。SA−3とセオラスUF−F711との配合比率は、1:1〜1:20の範囲とすることで崩壊時間を450〜120分に調整することが可能であった。また、錠剤の成型性は1:5〜1:20の範囲で打錠圧が450〜350kgfの適正値を示した。
<スポーツ用サプリメント錠の製造例>
マラソンなどの長時間の持続運動を行う際に服用し、適切なエネルギー代謝を行わせるに適したビタミン類を含有するサプリメント錠を設計し製造した。
速やかに必要なエネルギーを発生させるために必要なビタミンB1を第1層に配合し、持続して効果を発揮するための成分と疲れにくくする作用を有する抗疲労成分を第2、3層に配合した三層錠を製造した。

下記表3の組成の三層錠を製造した。
なお、試験例2の結果に基づき、第2層のゲルアップSA−3と結晶セルロースの比率は1:5とした。また第3層のゲルアップSA−3と結晶セルロースの含有量は、別に実施した製剤適正試験と試験例2の結果に基づいて、ゲルアップSA−3 0.88質量%、結晶セルロース28.29質量%とした。
Figure 2017100971
<製造方法>
第1層原末
パラチニットPNM−2(三井製糖株式会社)、ビタミンB1硝酸塩(渡邊ケミカル株式会社)、サンアクティブFe−P80(太陽化学株式会社)、バイオペリン(株式会社サビンサジャパンコーポレーション)をそれぞれ30メッシュ篩で篩過し、次いで秤量し、混合機(V−2、株式会社徳寿工作所)で15分間混合後、再度30メッシュ篩過を行ったステアリン酸カルシウム(堺化学工業株式会社)を投入し、5分間混合を行った。この粉末を第1層原末とした。
第2層原末
ゲルアップSA−3(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社)、セオラスUF−F711(旭化成ケミカルズ株式会社)、バイオペリン(株式会社サビンサジャパンコーポレーション)、ポリコサノール(バイオアクティブズジャパン株式会社)、カネカ・コエンザイムQ10(株式会社カネカ)、カバマックスW8フード(株式会社シクロケム)を、それぞれ30メッシュ篩で篩過し、次いで秤量し、混合機(V−2、株式会社徳寿工作所)で15分間混合後、再度30メッシュ篩過を行ったステアリン酸カルシウム(堺化学工業株式会社)を投入し、5分間混合を行った。この粉末を第2層原末とした。
第3層原末
ゲルアップSA−3(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社)、セオラスUF−F711(旭化成ケミカルズ株式会社)、バイオペリン(株式会社サビンサジャパンコーポレーション)、バイオカロチンビーズ(協和発酵バイオ株式会社)、VINItroxJ(ネキシラ株式会社)をそれぞれ30メッシュ篩で篩過し、次いで秤量し、混合機(V−2、株式会社徳寿工作所)で15分間混合後、再度30メッシュ篩過を行ったステアリン酸カルシウム(堺化学工業株式会社)を投入し、5分間混合を行った。この粉末を第3層原末とした。
作成した各原末を、単発打錠機(CRUX、株式会社菊水製作所)で杵φ9mmにて打錠圧を2000kgfで350mg/粒の三層錠剤を製造した。
製造した三層錠は、配合成分の色調を反映して、第1層 白色、第2層 黄色、第3層紫褐色を呈していた。
<崩壊性試験>
溶出挙動を確認するため、試験例1、2と同様の条件で崩壊試験を行った。
第1層目の白い層は、パラチノースによるもので、7分程度でこの第1層目は、溶解消失した。
第3層の紫褐色は、60〜80分で消失した。すなわち第3層の有効成分は、この溶解時間経過する間放出され続けていたといえる。第2層は、第1層の溶解直後から溶解が開始するが、試験開始から420分までは、完全に崩壊しなかった。すなわち第3層に含有される成分は、経口投与後10分〜420分持続的に放出され続けるものと考えられる。
この試験結果から、第1層に配合した成分は、経口投与後10分以内に溶解し吸収され、次いで第3層に配合した成分が80分ころまでに溶解収集され、さらに第2層に配合した成分が第1層の溶解直後から引き続いて溶解吸収され、その持続性は420分まで継続していることがわかった。
したがって、表3に配合した成分は、第1層に配合された成分においては、10分以内に吸収され即効性を示し、第2層、第3層に配合した成分は、持続的に吸収されて効果を発揮しているものと考えられた。

Claims (9)

  1. 三層構造を有する錠剤であって、日本薬局方の崩壊試験法に基づいて測定するとき、第1層の崩壊時間が10分以下、第2層の崩壊時間が120分以上、第3層の崩壊時間が60〜80分を示す三層構造の錠剤。
  2. 第1層にのみ即効性を必要とする成分を含有し、第1層、第2層、第3層に持続性を必要とする成分を含有する請求項1に記載の錠剤。
  3. 第2層及び第3層にキサンタンガム、ローカストビーンガム、アラビアガム、プルラン、寒天、グルコマンナン、カラギーナン、グアガム、ペクチン、ゼラチン、アルギン酸、から選択される1以上のゲル化剤と結晶セルロース粉末を含有する請求項1又は請求項2に記載の錠剤。
  4. 第2層及び第3層にゲル化剤としてキサンタンガムとローカストビーンガムを含有する請求項1又は請求項2に記載の錠剤。
  5. 第2層と第3層にさらに結晶セルロース粉末を含有する請求項4に記載の錠剤。
  6. 第2層中のキサンタンガムとローカストビーンガムの合計含有量と結晶セルロース粉末の含有量の質量比が1:1〜1:20である請求項5に記載の錠剤。
  7. 第3層中の結晶セルロース粉末の含有量が20〜40質量%、キサンタンガムとローカストビーンガムの合計含有量が0.5〜2質量%である請求項6に記載の錠剤。
  8. 即効性を必要とする成分が水溶性ビタミン、ヘモグロビン含有物から選択される1以上の物質であり、持続性を必要とする成分が油溶性ビタミン、オクタコサノール、ポリフェノール、コショウ抽出物から選択される1以上の物質である請求項2〜7のいずれかに記載の錠剤。
  9. 長時間の持続運動を行う際に服用するためのものである請求項8に記載の錠剤。
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