JP2017199285A - 情報処理装置、情報処理方法、プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第1のデータと第2のデータとを取得する取得手段と、前記第1のデータの部分データと前記第2のデータの部分データとの対応を表す対応データに基づいて、前記対応データの勾配を表す勾配データを導出する導出手段と、前記勾配データに基づいて、前記対応データを伝播させる伝播手段とを備える。
【選択図】 図1
Description
本実施形態の概要を説明する。まず、2つの異なる視点位置から対象を撮像して得られたステレオ画像を取得する。取得したステレオ画像の一方の画像(第1の画像)の局所領域(部分データ)ごとに、他方の画像(第2の画像)の対応する局所領域を求める。そして、局所領域同士の対応を表す対応データ(本実施形態では視差データ)を推定する。そして、対応データの勾配に基づいてより整合のとれる対応データを伝播させる(置き換える)ことにより、対応データの精度を上げる処理を行う。
次に、本実施形態の処理手順について説明する。図3は、本実施形態の処理手順を示すフローチャートである。
取得部210は、異なる撮影位置で物体を撮影した2つの画像を取得する。本実施形態では、2つの画像のうち、一方の画像をI1、右眼の画像をI2と表わす。また、以降の説明では、画像上の画素値は、I1(u,v)、I2(u,v)と表わす。uとvは、画像上のX軸とY軸についての座標を表わす。
設定部220は、マップ上の各座標の視差データの初期値を設定する。本実施形態では、視差データを座標ごとにランダムに設定する。具体的には、式(1)を使って設定する。
式(1)は、CmaxからCminまでの数値をランダムに設定する。ここで、Randは、0〜1までの範囲で発生する一様乱数を表わす。CmaxとCminは、ステレオ画像の視差の上限と下限を表わす。CmaxとCminの値は、予め設定する固定値とする。ランダムに設定することで、各座標で異なる視差が設定される。
(ステップS330)
更新部230は、マップ上の各座標の勾配データを、その周辺の視差データの分布に基づいて更新(生成)する。本実施形態では、X軸方向とY軸方向に対して、視差データの勾配を計量するフィルタを適用することで、マップ上の各座標の勾配データを計算する。
式(2)、(3)に示すように、勾配データは、注目する座標(u,v)を中心に、k離れた2か所の対応データの傾き(変化率)として計算する。ここで、kの値は、予め設定する固定値とする。
(ステップS340)
伝播部240は、マップ上の各座標の視差データを勾配データの示す傾きの方向に伝播させ、評価値が高くなる視差データに置き換える。更に、視差データの置き換えとともに勾配データも置き換える。 まず、マップ上の各座標を順番に選択する。本実施形態では、ラスタスキャンの要領で、マップ上の左上から右下に向けて順番に選択する。図4の410は、マップを表わす。420は、選択中の座標を表わす。以降、選択した座標は(u,v)と表わす。
ここで、C′(u,v)、G′(u,v)は、座標(s,t)の視差データと勾配データとを、選択した座標(u,v)に向かって伝播させたそれぞれのデータを示している。式(4)に示すように、視差データC′(u,v)は、伝播元の視差データC(s,t)に勾配データG(s,t)の傾き分の変化を加えて計算する。なお、勾配データは伝播元の勾配データと同じであると推定して伝播させる。以降の説明で、座標(u,v)に元々ある(すなわち、更新前)視差データをC1とする。座標(u−1,v)と座標(u,v−1)の2か所の視差データを、伝播させることにより生成した視差データをC2、C3とする。
式(6)における評価値Eは、I1とI2とで比較する局所領域が整合するほど、高い値となる。wは、SADを計算する局所領域のサイズを表わす。wの値は、予め設定する固定値とする。式(7)のDは、座標(u,v)を中心とした局所領域内の位置(m,n)について、視差データの示す2つの座標の画素値の差を計量する関数である。本実施形態では、視差データCの値だけずれた2つの座標の画素値の差の絶対値を計量する。
S350では、伝播部240は、終了条件を満たしているかの判定を行う。本実施形態では、S330における更新部230の処理とS340における伝播部240の処理を、所定回数以上繰り返していることを終了条件とする。所定回数以上繰り返している場合には、処理を終了し、所定回数未満であれば、ステップ330の処理に戻る。所定回数の繰り返しの後、図1(C)のように、黒丸で示される求められた視差データは、破線で示される真値に収束する。
図1は、簡単のため1次元で表した各座標を横軸にし、各座標に対して視差の値を縦軸にして表したグラフである。黒丸101はそれぞれの座標に対応する視差データを表し、線102は視差データの勾配データを示す。図1(A)は、繰り返し計算の1回目の処理が終わった後の視差データ、および勾配データである。上記で説明したように、視差データの初期値はランダムに与えられるため、1回の計算ではまだ破線103によって示される視差データの真値かれている。図1(B)は、2回目の繰り返し計算における勾配データの更新後のデータ104を示す。すなわち、図1(A)の視差データの分布に基づいて勾配データを更新した後のデータである。図1(C)は図1(B)の後に再び伝播の処理を行った後のデータであり真値に収束していることを示している。すなわち、上記説明したように、勾配データの更新処理、視差データおよび勾配データの伝播処理を繰り返すことにより、視差データを真値に収束させることができる。ここでは簡単のため、2回の繰り返し計算で真値に収束した例を示したが、物体が複雑な形状をしている場合には更に多くの繰り返し計算が必要となる。
第1の実施形態では、(i)設定部220は、2つの画像の初期の視差データを設定する。(ii)そして、更新部230は、その初期の視差データに基づいて勾配データを生成する。(iii)そして、伝播部240は、生成された勾配データに基づいて視差データを伝播させる。(iv)そして、更新部230は、伝播させた視差データに基づいて勾配データを計算し、それまで保持していた勾配データを更新する。(v)そして、伝播部240は、更新された勾配データに基づいて、視差データを再度伝播させる。繰り返し計算の1回目のみ(i)、(ii)の処理が必要となるが、それ以外の計算では、(iii)〜(v)の処理を繰り返すことにより、視差データの精度が真値に近づくように計算をした。
本実施形態の以降の説明では、画像上の画素の表現や、マップ上の各座標の対応データの表現は、第1の実施形態と同じである。
取得部510は、異なる撮影位置で物体を撮影した2枚の画像I1とI2を取得する。本ステップは第1の実施形態におけるS310と同様である。
設定部220は、マップ上の各座標の視差データの初期値を設定する。本ステップは、第1の実施形態のS320と同じである。
伝播部250は、まず、マップ上の各座標の勾配データを、周辺の視差データの分布から計算(生成)する。そして生成された勾配データの示す傾きの方向に視差データを伝播させ、評価値が高くなる視差データで設定部220で設定された視差データの初期値を置き換える。
ここで、C′(u,v)は、座標(s,t)の視差データを、選択した座標(u,v)に向かって伝播させた対応データを示す。式(8)に示すように、対応データC′(u,v)は、伝播元の対応データC(s,t)に勾配データG(s,t)の傾き分の変化を加えて計算する。
以降の説明で、座標(u,v)に元々ある視差データをC1とする。座標(u−1,v)と座標(u,v−1)の2か所の対応データを、伝播させることにより生成した対応データをC2、C3とする。
S640では、本フローの終了判定を行う。具体的な内容は、第1の実施形態と同じである。
本実施形態では、上記実施形態において求められた視差データを利用するアプリケーションについて説明する。
ここで、fはカメラの焦点距離、Bはステレオカメラのベースライン(ステレオカメラの間隔)、Dは距離値、Cは視差を表わす。また、距離値は、3次元座標に変換して出力しても良い。距離値や3次元座標を出力することで、物体の3次元形状を計測するために利用できる。上記のように、対応データを変換する場合、上記実施形態の情報処理装置は、さらに対応データ変換部を備えても良い。また、対応データとして、視差ではなく距離値をマップ上に保持するように変更しても良い。
本変形例では、対応データとして視差データ以外の情報を推定する例を説明する。まず、2次元のベクトルを用いる例を説明する。
ここで、Cx(u,v)とCy(u,v)は、視差データC(u,v)に含まれるX軸とY軸に関する視差を表わす。式(11)は、X軸とY軸それぞれに視差のある条件について、画素値の差を計量する。
式(12)では、比較を行う画像I1上の注目座標(u,v)を基準に、局所領域の内の各座標にスケールGs分の変化を加えて、画像I2上の座標との画素の比較を行う。また、視差データに局所領域の回転を表わす情報を加える場合も同様で、回転による座標の変化を加えて、I1とI2上の画素の比較を行う。
上記実施形態では、2次元データであるステレオ画像について、各画像間における座標の対応を表わす2次元のマップを推定する例を説明した。ただし、本発明の方法は、2次元以外の入力データにも拡張できる。2次元以外のデータのバリエーションとしては、例えば、音声や文字列などの1次元の入力データや、動画像や3次元のボクセルなどの3次元の入力データがある。
第1と第2の実施形態では、ステレオ画像が入力された場合に、それぞれの画像の部分領域同士の対応を見つける処理を示した。しかしながら、本願発明は、ステレオ画像のように複数のデータの入力に限られるものではなく、入力データは1つでも良い。例えば、1つの画像を入力として、各座標について最も類似する領域を、同一の画像内で対応付けるように計算しても良い。この場合、ステレオ画像の代わりに、同一の画像を入力するように、第1と第2の実施形態を変更する(具体的には、I1=I2として処理を行えば良い)。
上記実施形態では、視差データの評価値を行う際に、SADを利用して画像領域の比較を行う処理をもって説明した。ただし、視差データの評価は、比較する画像上の局所領域が整合するほど、評価値が高くなるような計算方法であれば、どのような方法でも良い。SSD(Sum of Squared Difference)を利用しても良いし、NCC(Normalized Cross−Correlation)を利用しても良い。
ここで、式(15)の関数Fに示すように、勾配データGx,Gyと、局所領域の中心を基準とした位置(m,n)に応じて、視差データC(u,n)の値(視差の値)を増減させる。勾配データに基づいて、局所領域の部位ごとに比較する座標を計算することで、より精度よく評価値を計算できる。
第1の実施形態では、更新部230と伝播部240とを含む処理を繰り返す例を説明した。しかし、本発明では、繰り返しの度に、マップ上の視差データ、勾配データをリセットしなければ、更新部230と伝播部240の順序はどちらでも良い。繰り返し計算の中で、少なくとも1回は更新部230で計算した勾配データを、伝播部240で利用できる方法であればどのような処理順序でも良い。この条件下であれば、繰り返し毎に更新部230と伝播部240の処理の並びを変えても良いし、更新部230と伝播部240の処理の回数を減らしても増やしても良い。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明では、入力データの対応を表わすマップを推定する上で、対応データの分布から計算する勾配データに応じて対応データを伝播させる。これにより、精度の高いマップを推定できる。
本発明において、入力データとは、対応を推定する対象である。入力データは、情報を所定の次元で保持する。例えば、周波数を1次元のデータとして保持する音声データや、輝度値を2次元のデータとして保持する画像データなどがある。対応データは、入力データの2つの領域の対応関係を表わす情報であれば、どのような情報でも良い。入力データの2つの領域の座標の差を表わす情報でも良いし、さらにスケールや回転を加えた情報でも良い。マップは、入力データの少なくとも一部の座標についての対応データを要素として保持する。勾配データは、マップ上の対応データの勾配を表わす。ここで、勾配とは、マップ上の座標の変化に対する対応データの変化を表わす。マップは、さらに勾配データを保持しても良い。
Claims (14)
- 第1のデータと第2のデータとを取得する取得手段と、
前記第1のデータの部分データと前記第2のデータの部分データとの対応を表す対応データに基づいて、前記対応データの勾配を表す勾配データを導出する導出手段と、
前記勾配データに基づいて、前記対応データを伝播させる伝播手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。 - 前記対応データが所定の条件を満たすまで前記導出手段による処理と前記伝播手段による処理を繰り返すように、前記導出手段と、前記伝播手段とを制御する制御手段とを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記導出手段は、前記伝播手段による対応データの伝播により更新された対応データに基づいて新たに勾配データを導出し、
前記伝播手段は、前記新たに導出された勾配データに基づいて対応データを伝播させることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。 - 前記第1のデータと前記第2のデータは、異なる撮像位置から物体を撮像して得られる第1の画像と第2の画像であり、
前記対応データは、前記第1の画像の部分領域と前記第2の画像の部分領域の間の視差を表すデータであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記対応データは、前記第1の画像および前記第2の画像と同じ配列形式を有するマップとして保持されることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
- 前記視差を表すデータは、前記第1の画像の部分領域の座標位置または前記第2の画像の部分領域の座標位置のいずれかを基準としてデータであることを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理装置。
- 更に、前記対応データを評価する評価手段を備え、
前記伝播手段は、前記勾配データと前記評価手段の結果とに基づいて、前記対応データを伝播させることを特徴とする請求項5または6に記載の情報処理装置。 - 前記評価手段は、前記対応データによって決定される前記第1のデータの部分データと前記第2のデータの部分データとが整合しているほど高くなるような値を評価値として求めることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
- 前記伝播手段は、前記マップにおいて、所定の対応データの評価値が近傍の対応データの評価値よりも高い場合に、前記所定の対応データで前記近傍の対応データを置き換えるように対応データを伝播させることを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
- 前記評価手段は、更に、前記勾配データに基づいて前記対応データを評価することを特徴とする請求項8または9に記載の情報処理装置。
- 入力データから第1のデータと第2のデータとを取得する取得手段と、
前記第1のデータと前記第2のデータとの対応を表す対応データに基づいて、前記対応データの勾配を表す勾配データを導出する導出手段と、
前記勾配データに基づいて、前記対応データを伝播させる伝播手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
- 第1のデータと第2のデータとを取得する取得工程と、
前記第1のデータの部分データと前記第2のデータの部分データとの対応を表す対応データに基づいて、前記対応データの勾配を表す勾配データを導出する導出工程と、
前記勾配データに基づいて、前記対応データを伝播させる伝播工程とを備えることを特徴とする情報処理方法。 - 入力データから第1のデータと第2のデータとを取得する取得工程と、
前記第1のデータと前記第2のデータとの対応を表す対応データに基づいて、前記対応データの勾配を表す勾配データを導出する導出工程と、
前記勾配データに基づいて、前記対応データを伝播させる伝播工程とを備えることを特徴とする情報処理方法。 - コンピュータを、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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