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JP2017193159A - 液体噴射ヘッドのクリーニング装置及び液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッドのクリーニング装置及び液体噴射装置 Download PDF

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JP2017193159A JP2016244983A JP2016244983A JP2017193159A JP 2017193159 A JP2017193159 A JP 2017193159A JP 2016244983 A JP2016244983 A JP 2016244983A JP 2016244983 A JP2016244983 A JP 2016244983A JP 2017193159 A JP2017193159 A JP 2017193159A
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Abstract

【課題】クリーニング作業の簡素化やクリーニング作業時のインクの使用量を抑えた上で、インクの乾燥を抑制できる液体噴射ヘッドのクリーニング装置及び液体噴射装置を提供する。【解決手段】Z方向に沿って移動可能とされ、インクジェットヘッド5の吐出面をキャップするキャップユニット66を有し、キャップユニット66は、ノズル孔を開放する開放位置と、吐出面に対してZ方向で近接した状態でノズル孔を覆うキャリッジキャップ位置と、吐出面にZ方向で当接した状態でノズル孔を封止するヘッドキャップ位置と、の間を移動可能に構成されている。【選択図】図9

Description

本発明は、液体噴射ヘッドのクリーニング装置及び液体噴射装置に関する。
インクジェットプリンタは、主走査方向に往復移動するインクジェットヘッドと、主走査方向に直交する副走査方向に被記録媒体(例えば、紙等)を搬送する搬送機構と、を備えている。インクジェットヘッドは、主走査方向に往復移動する過程で、ノズル孔を通して液滴状のインクを吐出する。インクが被記録媒体上に着弾することで、被記録媒体に各種情報が記録される。
ところで、インクジェットプリンタでは、ノズル孔の吐出性能の維持や回復のために、インクジェットヘッドのうちノズル孔が開口する面(以下、吐出面という。)をクリーニングするクリーニング装置が搭載されている。例えば、下記特許文献1に記載されたクリーニング装置は、吐出面に当接してノズル孔を通じてインクを排出させるキャッピング装置を備えている。
特開2004−90240号公報
インクジェットプリンタでは、インクの乾燥を抑制するためには、印字動作以外の場合にノズル孔を頻繁にキャップすることが好ましい。すなわち、インクが乾燥してインクの粘度が増加すると、ノズル孔から吐出されるインクの吐出量や吐出速度等が変化して、所望の印字特性が得られないおそれがある。
しかしながら、上述した特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、クリーニングの度にノズル孔を通じてインクを排出することで、インクの使用量が多くなったり、クリーニング作業が大掛かりになったりするという課題がある。
本発明に係る態様は、クリーニング作業の簡素化やクリーニング作業時のインクの使用量を抑えた上で、インクの乾燥を抑制できる液体噴射ヘッドのクリーニング装置及び液体噴射装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明の一態様に係る液体噴射ヘッドのクリーニング装置は、液体噴射ヘッドのうち噴射孔が開口する噴射面の法線方向に沿って移動可能とされ、前記噴射面をキャップするキャップユニットを有し、前記キャップユニットは、前記噴射孔を開放する開放位置と、前記噴射面に対して前記法線方向で近接した状態で前記噴射孔を覆う第1キャップ位置と、前記噴射面に前記法線方向で当接した状態で前記噴射孔を封止する第2キャップ位置と、の間を移動可能に構成されている。
本態様によれば、キャップユニットが第1キャップ位置及び第2キャップ位置の双方に移動可能な構成としたため、液体噴射装置の待機状態やクリーニング内容に応じて最適なキャップ状態を選択できる。例えば、待機時間が短時間の場合等は上述した第1キャップを選択し、待機時間が長時間や吐出性能の回復等を目的とする場合には第2キャップを選択することができる。その結果、例えばクリーニングの度に噴射孔を通じて液体を排出する場合等に比べて、クリーニング作業の簡素化やクリーニング作業時の液体の使用量を抑えた上で、液体の乾燥を抑制できる。
上記態様において、前記キャップユニットと前記液体噴射ヘッドとの前記法線方向における相対位置を検出する検出部材を備えていてもよい。
本態様によれば、キャップユニットと液体噴射ヘッドとの法線方向における相対位置を検出することで、第1キャップ位置や第2キャップ位置において確実に液体噴射ヘッドをキャップできる。すなわち、被記録媒体の種類(材質や厚さ等)に応じて液体噴射ヘッドの法線方向における位置が出荷時から変更されたとしても、検出部材による検出位置(基準位置)は一定に保たれる。そのため、第1キャップ位置や第2キャップ位置を、基準位置からの距離にそれぞれ設定しておくことで、液体噴射ヘッドの法線方向における位置に関わらず、確実に液体噴射ヘッドをキャップできる。その結果、液体の乾燥を確実に抑制できる。
上記態様において、前記キャップユニットは、前記第1キャップ位置及び第2キャップ位置において、前記液体噴射ヘッドの周囲を取り囲む弾性変形可能なシール部材と、を備えていてもよい。
本態様によれば、例えばシール部材が液体噴射ヘッドに法線方向で対向する場合と異なり、キャップユニットが第1キャップ位置や第2キャップ位置に移動する過程で、シール部材がキャップユニットと液体噴射ヘッドとの間に法線方向で挟まれるのを防ぐことができる。これにより、第1キャップ位置から第2キャップ位置へ移動する過程で、キャップユニットの移動がシール部材によって規制されるのを防ぐことができる。その結果、各キャップ位置において、液体噴射ヘッドとキャップユニットとの間をシールでき、液体の乾燥を確実に抑制できる。
また、シール部材と液体噴射ヘッドの外周面とが接触している場合には、キャップユニットとキャリッジとの法線方向への相対移動の際にシール部材が液体噴射ヘッドの外周面を摺動することになる。そのため、仮にシール部材と液体噴射ヘッドとの間で液体等が凝固したとしても、シール部材と液体噴射ヘッドとが離脱し易い。
上記態様において、前記液体噴射ヘッドは、キャリッジに複数搭載され、前記シール部材は、前記第1キャップ位置及び第2キャップ位置において、前記キャリッジの周囲を取り囲むことで、複数の前記液体噴射ヘッドをまとめて取り囲んでいてもよい。
本態様によれば、各液体噴射ヘッドを個別に取り囲む構成に比べてキャップ着脱時の気圧変動が少ない。そのため、噴射孔に形成されたメニスカスが破壊されるのを抑制できる。
上記態様において、前記キャップユニットは、前記第2キャップ位置において、前記液体噴射ヘッドの前記噴射面に当接するヘッドキャップ機構を備え、前記ヘッドキャップ機構には、洗浄液が含浸されてもよい。
本態様によれば、キャップユニットの第2キャップ位置において、液体噴射ヘッドの噴射面に当接することで、第2キャップ部材に含浸された洗浄液によって噴射面上を洗浄できる。これにより、噴射面に付着した液体等を除去でき、噴射性能を向上させることができる。
上記態様において、前記キャップユニットは、前記噴射面の接線方向のうち前記液体噴射ヘッドの主走査方向で係合する係合部を備え、前記キャップユニットは、前記液体噴射ヘッドが前記係合部に係合した状態で、前記液体噴射ヘッドの前記主走査方向への移動に伴い前記法線方向に移動可能とされていてもよい。
本態様によれば、液体噴射ヘッドの主走査方向の移動に連動して、上述した開放位置、第1キャップ位置及び第2キャップ位置にキャップユニットを移動させることができる。これにより、液体噴射ヘッド及びキャップユニットを別々の駆動機構で移動させる場合に比べて構成の簡素化や低コスト化を図ることができる。
上記態様において、前記噴射面の接線方向のうち前記液体噴射ヘッドの主走査方向に交差する副走査方向で前記キャップユニットに並んで配置され、前記噴射面を払拭するブレードユニットを備え、前記ブレードユニット及び前記キャップユニットは、前記副走査方向に一体で移動可能とされていてもよい。
本態様によれば、ブレードユニット及びキャップユニットが副走査方向に移動する過程で、ブレードユニットにより液体噴射ヘッドの噴射面を払拭できる。特に、ブレードユニット及びキャップユニットが主走査方向に並んで配置される構成に比べて液体噴射装置の主走査方向での小型化が可能になる。この場合、主走査方向に並ぶ複数の液体噴射ヘッドに対応してブレードユニットを設けたとしても、液体噴射装置の大型化を抑制できる。そのため、小型で、クリーニング時間の短い液体噴射装置を提供できる。
上記態様において、前記ブレードユニットは、前記法線方向で前記噴射面に当接可能な払拭位置と、前記法線方向で前記噴射面から離間した離間位置と、の間を移動可能とされていてもよい。
本態様によれば、ブレードユニットが払拭位置と離間位置との間を移動可能とされているため、噴射面の払拭後、ブレードユニットを払拭前の位置に復帰させる際に液体噴射ヘッドとブレードユニットとの干渉を抑制できる。これにより、払拭動作の際にブレードユニットに付着した液体が、復帰時に液体噴射ヘッドに再付着するのを抑制できる。
本発明の一態様に係る液体噴射装置は、液体噴射ヘッドと、上記一態様に係るクリーニング装置と、を備えている。
本態様によれば、上記態様のクリーニング装置を備えているので、液体の乾燥を抑制し、印字特性に優れ、信頼性の高い液体噴射装置を提供できる。
本発明の一態様に係る液体噴射装置は、上記一態様に係るクリーニング装置と、液体が噴射される噴射孔を有する液体噴射ヘッドと、複数の前記液体噴射ヘッドが搭載されたキャリッジと、を備え、前記キャリッジは、前記液体噴射ヘッドにおいて前記噴射孔が開口する噴射面の法線方向で前記クリーニング装置と対向する対向位置に、前記クリーニング装置に対して移動可能に構成され、前記キャリッジのうち、前記対向位置において前記法線方向で前記クリーニング装置側に位置する端部の外周縁には、面取りが形成されている。
本態様によれば、キャップユニットが開放位置から第1キャップ位置及び第2キャップ位置に向かう過程で、キャリッジにおけるクリーニング装置側に位置する端部を通過する際、シール部材がキャリッジの角部に接触するのを抑制できる。これにより、第1キャップ位置や第2キャップ位置へのスムーズな移行が可能になるとともに、シール部材の耐久性も向上させることができる。
本発明の一態様によれば、クリーニング作業の簡素化やクリーニング作業時のインクの使用量を抑えた上で、インクの乾燥を抑制できる。
第1実施形態に係るプリンタの概略構成図である。 第1実施形態に係るインクジェットヘッドの斜視図である。 第1実施形態に係るインクジェットヘッドの分解斜視図である。 第1実施形態に係るクリーニング装置の斜視図である。 第1実施形態に係るクリーニングユニットをX方向の一方から見た側面図である。 第1実施形態に係るキャリッジキャップの斜視図である。 キャップユニットが開放位置にある状態を示すインクジェットヘッド、キャリッジ及びキャップユニットをX方向から見た概略構成図である。 キャップユニットがキャリッジキャップ位置にある状態を示すインクジェットヘッド、キャリッジ及びキャップユニットをX方向から見た概略構成図である。 キャップユニットがヘッドキャップ位置にある状態を示すインクジェットヘッド、キャリッジ及びキャップユニットをX方向から見た概略構成図である。 第1実施形態に係るヘッドキャップ機構の斜視図である。 図4のXI−XI線に相当するブレードユニットの断面図である。 第1実施形態に係る洗浄液供給機構の概略構成図である。 払拭方法を説明するための動作説明図である。 払拭方法を説明するための動作説明図である。 払拭方法を説明するための動作説明図である。 キャリッジキャップ方法を説明するための動作説明図である。 ヘッドキャップ方法を説明するための動作説明図である。 印字スタンバイ方法を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態に係るプリンタの概略斜視図である。 第2実施形態に係るプリンタにおけるクリーニング領域の斜視図である。 第2実施形態に係るクリーニングユニットをX方向の一方から見た側面図である。 図20のXXII−XXII線に相当する断面図である。 キャリッジキャップがキャリッジキャップ位置にある状態を示す図22に相当する断面図である。 キャリッジキャップ方法を説明するための動作説明図である。 ヘッドキャップ方法を説明するための動作説明図である。 ユニットガイドの変形例を説明するためのプリンタの概略構成図である。 ユニットガイドの変形例を説明するためのプリンタの概略構成図である。 ユニットガイドの変形例を説明するためのプリンタの概略構成図である。 ユニットガイドの変形例を説明するためのプリンタの概略構成図である。 ブレード機構の変形例を示す斜視図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明では、本発明の一態様に係る液体噴射ヘッドのクリーニング装置を具備する液体噴射装置の一例として、インクを利用して被記録媒体に記録を行うインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという)を例に挙げて説明する。以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
[プリンタ]
図1は、本実施形態におけるプリンタ1の概略構成図である。
図1に示すように、プリンタ1は、例えば産業用等に用いられる大型のプリンタ1である。プリンタ1は、搬送機構2と、インク供給機構3と、走査機構4と、インクジェットヘッド5と、クリーニング装置6と、を備えている。なお、符号7は、プリンタ1の外観を構成する筐体である。筐体7は、上述した各構成品を収容している。
なお、以下の説明では、必要に応じてX,Y,Zの直交座標系を用いて説明する。この場合、X方向は被記録媒体P(例えば、紙等)の搬送方向(副走査方向)に一致している。Y方向はインクジェットヘッド5の走査方向(主走査方向)に一致している。Z方向(法線方向)は、X方向及びY方向に直交する高さ方向を示している。
搬送機構2は、被記録媒体PをX方向に搬送する。具体的に、搬送機構2は、Y方向に延設されたグリットローラ11と、グリットローラ11に平行に延設されたピンチローラ12と、グリットローラ11を軸回転させるモータ等の駆動機構(不図示)と、を備えている。
インク供給機構3は、インクタンク13と、インクタンク13とインクジェットヘッド5とを接続するインク配管14と、インクタンク13内のインクをインクジェットヘッド5に供給する供給ポンプ(不図示)と、を備えている。
インクタンク13は、Y方向に複数配列されている。各インクタンク13には、例えばイエローやマゼンタ、シアン、ブラック等の色の異なる複数種類(本実施形態では4種類)のインクが各別に収容されている。なお、インクの種類は4種類に限らず、適宜変更が可能である。
インク配管14は、例えば可撓性を有するフレキシブルホースである。インク配管14は、各インクタンク13と各インクジェットヘッド5との間を各別に接続している。
供給ポンプは、インク配管14内を加圧し、インク配管14を通してインクジェットヘッド5にインクを送り出している。
走査機構4は、インクジェットヘッド5をY方向に往復走査させる。具体的に、走査機構4は、インクジェットヘッド5が搭載されたキャリッジ21と、キャリッジ21をY方向に移動させる駆動機構22と、を備えている。
駆動機構22は、Y方向に間隔をあけて配設された一対のプーリ24(図1では一方のプーリ24のみを示す)と、一対のプーリ24間に巻回された無端ベルト25と、一方のプーリ24を回転駆動させる駆動モータ26と、を備えている。
キャリッジ21は、Y方向に延びる図示しないガイドレール上を移動可能に構成されている。キャリッジ21には、複数のインクジェットヘッド5が搭載されている。図示の例では、イエローやマゼンタ、シアン、ブラック等の異なる色のインクを各別に吐出する複数(本実施形態では4つ)のインクジェットヘッド5がキャリッジ21に搭載されている。
<インクジェットヘッド>
次に、インクジェットヘッド5について説明する。図2は、インクジェットヘッド5の斜視図である。図3は、インクジェットヘッド5の分解斜視図である。なお、各インクジェットヘッド5は、供給されるインクの色以外は何れも同一の構成からなる。そのため、以下の説明では一のインクジェットヘッド5を例にして説明し、他のインクジェットヘッド5の説明を省略する。
図2、図3に示すように、インクジェットヘッド5は、インクを吐出する複数のノズル孔31,32が二列に亘って形成された二列タイプのインクジェットヘッド5である。
インクジェットヘッド5は、第1ヘッドチップ33及び第2ヘッドチップ34と、ノズルプレート35と、ノズルキャップ36と、ノズルガード37と、を主に備えている。以下の説明では、Z方向のうち、ヘッドチップ33,34に対してノズルプレート35に向かう方向を下方とし、ヘッドチップ33,34に対してノズルプレート35から離間する方向を上方として説明する。
第1ヘッドチップ33は、後述する吐出チャネル43におけるチャネル延在方向(Z方向)の先端部からインクを吐出する、いわゆるエッジシュートタイプである。
第1ヘッドチップ33は、第1アクチュエータプレート41と第1カバープレート42とがY方向に積層されて構成されている。
第1アクチュエータプレート41は、分極方向が厚さ方向(Y方向)に沿って一方向に設定された、いわゆるモノポール基板である。なお、第1アクチュエータプレート41は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等からなるセラミックス基板が好適に用いられている。また、第1アクチュエータプレート41は、分極方向がZ方向で異なる2枚の圧電基板を積層して形成しても構わない(いわゆる、シェブロンタイプ)。
第1アクチュエータプレート41の表面(第1カバープレート42を向く面)には、複数のチャネル43,44がX方向に間隔をあけて並設されている。各チャネル43,44は、それぞれZ方向に沿って直線状に形成されるとともに、少なくとも第1アクチュエータプレート41の下端面で開口している。各チャネル43,44は、第1アクチュエータプレート41からなる駆動壁45によってそれぞれX方向に仕切られている。
上述した複数のチャネル43,44は、インクが充填される吐出チャネル43、及びインクが充填されない非吐出チャネル44である。吐出チャネル43及び非吐出チャネル44は、X方向に交互に並んで配置されている。なお、チャネル43,44内面(駆動壁45)には、蒸着等により図示しない駆動電極が形成されている。駆動電極は、図示しないフレキシブルプリント基板を介して駆動電圧が印加されることで、圧電滑り効果により駆動壁45を変形させる。
第1カバープレート42は、Y方向から見た平面視で矩形状に形成されている。第1カバープレート42は、第1アクチュエータプレート41の上端部を露出させた状態で、第1アクチュエータプレート41の表面に接合されている。
第1カバープレート42は、共通インク室46と、複数のスリット47と、を有している。
共通インク室46は、Z方向において、吐出チャネル43の上端部と同等の位置に形成されている。共通インク室46は、第1カバープレート42の裏面(第1アクチュエータプレート41を向く面)に向けて窪むとともに、X方向に延設されている。共通インク室46には、上述したインク供給機構3(図1参照)を通してインクが流入する。
スリット47は、共通インク室46のうち、吐出チャネル43とY方向で対向する位置に形成されている。スリット47は、共通インク室46内と各吐出チャネル43内とを各別に連通している。一方、非吐出チャネル44は、共通インク室46内には連通していない。
第2ヘッドチップ34は、第2アクチュエータプレート51と第2カバープレート52とがY方向に積層されて構成されている。各ヘッドチップ33,34は、第1アクチュエータプレート41及び第2アクチュエータプレート51の裏面同士が接合されることで一体とされている。以下の説明では、第2ヘッドチップ34における第1ヘッドチップ33と同様の構成については第1ヘッドチップ33と同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
第2ヘッドチップ34の吐出チャネル43及び非吐出チャネル44は、第1ヘッドチップ33の吐出チャネル43及び非吐出チャネル44の配列ピッチに対して半ピッチずれて配列されている。すなわち、各ヘッドチップ33,34の吐出チャネル43同士及び非吐出チャネル44同士は、千鳥状に配列されている。この場合、第1ヘッドチップ33の吐出チャネル43と、第2ヘッドチップ34の非吐出チャネル44と、がY方向で対向し、第1ヘッドチップ33の非吐出チャネル44と、第2ヘッドチップ34の吐出チャネル43と、がY方向で対向している。なお、各ヘッドチップ33,34間において、吐出チャネル43及び非吐出チャネル44の配列ピッチは適宜変更可能である。すなわち、各ヘッドチップ33,34間において、吐出チャネル43同士及び非吐出チャネル44同士は、X方向で同等の位置に形成されていても、異なる位置に形成されていても構わない。
ノズルキャップ36は、Z方向から見た平面視外形が長方形状に形成された板状の部材である。ノズルキャップ36には、ノズルキャップ36をZ方向に貫通する嵌合孔55が形成されている。嵌合孔55内には、第1ヘッドチップ33及び第2ヘッドチップ34がまとめて嵌合されている。図3の例において、各ヘッドチップ33,34は、下端面がノズルキャップ36の下端面と面一となるように嵌合孔55内に嵌合されている。
図3に示すように、ノズルプレート35は、各ヘッドチップ33,34及びノズルキャップ36の下端面に、例えば接着等により固定されている。ノズルプレート35は、樹脂材料(ポリイミド等)や金属材料(SUS等)、ガラス等による単層構造、又は積層構造とされている。また、ノズルプレート35の厚さは、例えば50μm程度とされている。
ノズルプレート35には、X方向に延びる複数のノズル列(第1ノズル列56及び第2ノズル列57)が形成されている。各ノズル列56,57は、Y方向に間隔をあけて互いに平行に延在している。
第1ノズル列56は、ノズルプレート35をZ方向に貫通する上述した第1ノズル孔31を有している。第1ノズル孔31は、ノズルプレート35のうち、第1ヘッドチップ33の吐出チャネル43にZ方向で対向する位置に各別に形成されている。すなわち、第1ノズル孔31は、X方向に間隔をあけて直線状に並んでいる。
第2ノズル列57は、ノズルプレート35をZ方向に貫通する上述した第2ノズル孔32を有している。第2ノズル孔32は、ノズルプレート35のうち、第2ヘッドチップ34の吐出チャネル43にZ方向で対向する位置に各別に形成されている。すなわち、第2ノズル孔32は、X方向に間隔をあけて直線状に並んでいる。なお、各ノズル孔31,32は、上方から下方に向かうに従い漸次先細るテーパ状に形成されている。
図2、図3に示すように、ノズルガード37は、例えばSUS等の板材にプレス加工が施されて形成されている。ノズルガード37は、上方に開口する箱型に形成されている。ノズルガード37は、ノズルキャップ36に外嵌された状態で、ノズルプレート35を下方から覆っている。
ノズルガード37のうち、上述したノズル列56,57にZ方向で対向する部分には、ノズルガード37をZ方向に貫通する露出孔(第1露出孔58及び第2露出孔59)がそれぞれ形成されている。各露出孔58,59は、X方向に延びるスリット状に形成されている。各ノズル列56,57は、対応する露出孔58,59を通して外部に露出している。
ノズルガード37の下面及び、ノズルプレート35の下面のうち露出孔58,59を通して露出している部分は、インクジェットヘッド5の吐出面を構成している。本実施形態のインクジェットヘッド5では、ノズルプレート35がノズルガード37に覆われているため、ノズル孔31,32がノズルガード37の下面に対して上方に窪んだ位置で開口している。すなわち、本実施形態の吐出面は、ノズルガード37の下面で構成される凸面と、ノズルプレート35の下面で構成される凹面と、を有する凹凸面となっている。
図4は、クリーニング装置6の斜視図である。
なお、本実施形態のプリンタ1では、図4に示すように、複数のインクジェットヘッド5が千鳥状に配列された状態でキャリッジ21に搭載されている。この場合、Y方向で隣り合うインクジェットヘッド5は、ノズル列56,57の一部がY方向から見てラップしている。但し、各インクジェットヘッド5のレイアウトは、適宜変更が可能である。例えば、各インクジェットヘッド5のノズル列56,57全体がY方向から見てラップするように各インクジェットヘッド5を配列しても構わない。また、キャリッジ21に搭載するインクジェットヘッド5の数も適宜変更が可能である。
図1に示すように、インクジェットヘッド5は、キャリッジ21のY方向への移動によって、印字領域Sとクリーニング領域Cとの間を移動する。印字領域Sとは、被記録媒体P(搬送機構2)の上方領域である。インクジェットヘッド5は、被記録媒体Pへの印字動作の際に印字領域SをY方向に往復移動する。
クリーニング領域Cとは、印字領域Sに対してY方向の一方に位置する領域である。インクジェットヘッド5は、メンテナンス時や駆動停止時等にクリーニング領域Cまで移動する。
<クリーニング装置>
図4に示すように、クリーニング装置6は、上述したクリーニング領域Cにおいて、インクジェットヘッド5に対して下方に設けられている。具体的に、クリーニング装置6は、ベースフレーム60と、クリーニングユニット61と、洗浄液供給機構62(図12参照)と、洗浄液タンク63(図12参照)とを備えている。
ベースフレーム60は、クリーニングユニット61をX方向に移動可能に支持する。ベースフレーム60は、X方向から見た正面視で上方に向けて開口するC字状に形成されている。ベースフレーム60のうち、Y方向で対向する一対のベース側壁部60aには、ベースガイドレール64が配設されている。ベースガイドレール64は、各ベース側壁部60aの上端部において、X方向に延在している。
クリーニングユニット61は、上述したベースフレーム60の内側に配置されている。クリーニングユニット61は、ユニットフレーム65と、キャップユニット66と、ブレードユニット67と、を備えている。
ユニットフレーム65は、上方に向けて開口する箱型に形成されている。ユニットフレーム65のうち、Y方向で対向する一対の第1側壁部65aは、X方向にスライド移動可能にベースガイドレール64上に支持されている。
クリーニングユニット61は、図示しない駆動機構の動作によってベースフレーム60に対してX方向に移動可能に構成されている。具体的に、クリーニングユニット61は、Z方向から見た平面視において、クリーニング領域Cに位置する各インクジェットヘッド5に重なり合う対向位置と、各インクジェットヘッド5から退避した退避位置(図15参照)と、の間を移動する。なお、駆動機構としては、ベルトやチェーン、台形ねじ、ボールねじ等の種々の構成を採用することができる。以下の説明では、Y方向のうち印字領域Sに向かう方向をY方向の内側といい、クリーニング領域Cに向かう方向をY方向の外側という場合がある。また、X方向のうち、対向位置に向かう方向を一方といい、退避位置に向かう方向を他方という。
図5は、クリーニングユニット61をX方向の一方から見た側面図である。
図5に示すように、ユニットフレーム65のうち、X方向で対向する第2側壁部65bには、ユニットガイド71が配設されている。ユニットガイド71は、第2側壁部65bをX方向に貫通するカム溝である。ユニットガイド71は、各第2側壁部65bにおいて、Y方向に間隔をあけて2つずつ形成されている。なお、各ユニットガイド71は、それぞれ同一の形状をなしている。そのため、以下の説明では、一のユニットガイド71を例にして説明し、他のユニットガイド71の説明を省略する。
ユニットガイド71は、Y方向の外側に向かうに従い段々と上方に延びる階段状に形成されている。具体的に、ユニットガイド71は、下段部71a、第1接続部71b、中段部71c、第2接続部71d及び上段部71eがY方向に連なって形成されている。
下段部71a、中段部71c及び上段部71eは、それぞれY方向に沿って直線状に延在している。
第1接続部71bは、Y方向の外側に向かうに従い上方に延在している。第1接続部71bは、下段部71a及び中段部71c間を接続している。
第2接続部71dは、Y方向の外側に向かうに従い上方に延在している。第2接続部71dは、中段部71c及び上段部71e間を接続している。
図4に示すように、キャップユニット66は、ユニットフレーム65の内側に配置されている。キャップユニット66は、キャリッジキャップ機構73と、ヘッドキャップ機構75と、を備えている。
キャリッジキャップ機構73は、インクジェットヘッド5の吐出面を湿潤に保持するためのものである。キャリッジキャップ機構73は、キャップフレーム77と、キャップフレーム77上に配設されたキャリッジキャップ78と、を有している。
図5に示すように、キャップフレーム77には、X方向に延びる支持ピン79が貫通している。支持ピン79におけるX方向の両端部は、上述した各ユニットガイド71のうち、X方向で対向するユニットガイド71内にそれぞれ挿通されている。したがって、キャップユニット66は、Y方向へのスライド移動に伴いZ方向に移動可能に構成されている。具体的に、キャップユニット66は、支持ピン79が下段部71a内に位置する開放位置と、支持ピン79が中段部71c内に位置するキャリッジキャップ位置と、支持ピン79が上段部71e内に位置するヘッドキャップ位置と、の間をスライド移動する。
キャップフレーム77のうち、Y方向の外側に位置する部分には、キャリッジ21の移動に伴いキャリッジ21に係合可能なストッパ壁部81が設けられている。ストッパ壁部81は、キャップフレーム77のうちY方向の外側に位置する部分から上方に向けて突設されている。ストッパ壁部81は、クリーニングユニット61が対向位置、かつキャップユニット66が開放位置にあるとき(以下、キャップ初期位置という)、Y方向から見てキャリッジ21と重なり合っている。ストッパ壁部81には、キャップ初期位置にあるとき、キャリッジ21のY方向の外側への移動に伴いキャリッジ21が当接(係合)する。これにより、キャップフレーム77は、キャリッジ21のY方向の外側への移動に伴い、キャリッジ21とともにY方向の外側に移動する。一方、ストッパ壁部81は、キャリッジ21のY方向の内側への移動に伴いキャリッジ21から離間する。これにより、ストッパ壁部81とキャリッジ21との係合が解除される。
キャップフレーム77とユニットフレーム65との間には、キャップユニット66をY方向の内側に移動させるリンク機構83が設けられている。リンク機構83は、リンクバー84と、付勢部材85と、を備えている。
リンクバー84は、Z方向に延びる板状の部材である。リンクバー84は、ユニットフレーム65に連結された第1回動軸86と、ユニットフレーム65に連結された第2回動軸87と、の間を架け渡している。具体的に、リンクバー84の下端部には、X方向に延びる第1回動軸86が挿通されている。リンクバー84の下端部は、ユニットフレーム65のユニット底壁部65cに対して第1回動軸86周りに回動可能に構成されている。
リンクバー84の上端部には、リンクバー84をY方向に貫通するガイド孔88が形成されている。ガイド孔88は、リンクバー84の延在方向に沿って延びる長孔である。ガイド孔88内には、X方向に延びる第2回動軸87が挿通されている。すなわち、リンクバー84は、キャップユニット66に対して第2回動軸87周りに回動可能、かつキャップユニット66に対してZ方向に相対移動可能に構成されている。
付勢部材85は、リンクバー84とユニットフレーム65との間に介在している。付勢部材85は、例えばねじりコイルばねである。付勢部材85は、キャップユニット66をY方向の内側(開放位置)に向けて付勢している。
図4に示すように、キャリッジキャップ78は、ユニットフレーム65上に取り付けられている。キャリッジキャップ78は、上方に向けて開口する箱型に形成されている。
図6は、キャリッジキャップ78の斜視図である。
図6に示すように、キャリッジキャップ78の底壁部上には、洗浄液が流通する洗浄液流路90が形成されている。洗浄液流路90は、洗浄液入口流路100、分配流路101、廃液流路102及び洗浄液出口流路103を主に有している。
洗浄液入口流路100は、キャリッジキャップ78内のうちX方向の他方において、Y方向に延在している。洗浄液入口流路100は、Y方向の内側から外側に向かうに従い下方に向けて傾斜している。洗浄液入口流路100におけるY方向の内側端部には、洗浄液入口流路100内に洗浄液を供給するための入口ポート104が配設されている。
分配流路101は、Y方向に間隔をあけて複数配置されている。各分配流路101は、X方向に延在している。各分配流路101は、X方向の他方端部が洗浄液入口流路100にそれぞれ接続されている。なお、各分配流路101は、X方向の他方から一方に向かうに従い下方に向けて傾斜していても構わない。
廃液流路102は、キャップ収容部102aと、合流流路102bと、を有している。
キャップ収容部102aは、Y方向で隣り合う分配流路101の間に形成されている。キャップ収容部102aは、Z方向から見た平面視外形がヘッドキャップ機構75を収容可能な大きさに形成されている。なお、キャップ収容部102aは、X方向の他方から一方に向かうに従い下方に傾斜していても構わない。
合流流路102bは、各キャップ収容部102aに対してX方向の一方において、各キャップ収容部102a間を接続している。合流流路102bには、合流流路102bを流通する洗浄液を排出する廃液ポート105が配設されている。
洗浄液出口流路103は、キャリッジキャップ78内のうちX方向の一方において、Y方向に延在している。洗浄液出口流路103は、少なくともY方向の両端部において、分配流路101(例えば、Y方向の両端部に位置する分配流路101)に接続されている。洗浄液出口流路103は、Y方向の内側から外側に向かうに従い下方に向けて傾斜している。洗浄液出口流路103におけるY方向の外側端部には、洗浄液出口流路103から洗浄液を排出するための出口ポート106が配設されている。出口ポート106は、洗浄液出口流路103の底壁部から上方に向けて突設されている。この場合、出口ポート106の排出口(洗浄液出口流路103からの排出口)は、洗浄液出口流路103の底壁部よりも上方に位置している。出口ポート106の排出口は、キャリッジキャップ78の周壁部上で開口していても構わない。
図6の例において、廃液流路102と洗浄液入口流路100との間、廃液流路102と分配流路101との間、及び廃液流路102と洗浄液出口流路103の間は、仕切壁107によって仕切られている。なお、洗浄液流路90のうち、少なくとも分配流路101内には、洗浄液を吸収可能な吸収体108が配置されていても構わない。この場合には、吸収体108によって洗浄液を保持しておくことができる。そのため、仮にキャリッジキャップ78が傾く等して、洗浄液流路90において洗浄液が偏ってしまったり、洗浄液の供給が停止したりしても、少なくとも分配流路101内で洗浄液が枯渇するのを抑制できる。但し、洗浄液流路90の全体に吸収体を配置しても構わない。
また、図4に示すように、上述した洗浄液流路90のうち、キャップ収容部102a以外の部分はキャリッジインナプレート89により上方から閉塞されている。
図7は、キャップユニット66が開放位置にある状態を示すインクジェットヘッド5、キャリッジ21及びキャップユニット66をX方向から見た概略構成図である。
キャリッジキャップ78は、上述した開放位置において、周壁部の上端縁がキャリッジ21の下面及びインクジェットヘッド5の吐出面よりも下方に位置する。これにより、キャリッジキャップ78とキャリッジ21及びインクジェットヘッド5との干渉が防止されている。
図8は、キャップユニット66がキャリッジキャップ位置にある状態を示すインクジェットヘッド5、キャリッジ21及びキャップユニット66をX方向から見た概略構成図である。
図8に示すように、キャリッジキャップ78は、上述したキャリッジキャップ位置において、キャリッジ21を下方から覆うとともに、キャリッジ21の周囲を取り囲んでいる。これにより、全インクジェットヘッド5のノズル孔31,32が覆われる。
図9は、キャップユニット66がヘッドキャップ位置にある状態を示すインクジェットヘッド5、キャリッジ21及びキャップユニット66をX方向から見た概略構成図である。
図9に示すように、キャリッジキャップ78は、上述したヘッドキャップ位置において、キャリッジキャップ位置よりも上方に位置している。
図4に示すように、ヘッドキャップ機構75は、インクジェットヘッド5の吐出面の洗浄時等に用いられる。ヘッドキャップ機構75は、キャリッジキャップ78の底壁部のうち、キャップ初期位置において上述した各インクジェットヘッド5とZ方向で対向する位置に各別に設けられている。図9に示すように、ヘッドキャップ機構75は、上述したヘッドキャップ位置にあるとき、インクジェットヘッド5の吐出面に下方から当接する。なお、各ヘッドキャップ機構75は、何れも同一の構成であるため、以下の説明では一のヘッドキャップ機構75について説明する。
図10は、ヘッドキャップ機構75の斜視図である。
図10に示すように、ヘッドキャップ機構75は、第1当接ユニット91と、第2当接ユニット92と、ホルダ93と、を有している。
ホルダ93は、上述した仕切壁107のうちキャップ収容部102aを区画する部分に固定されている。ホルダ93は、各当接ユニット91,92を廃液流路102の底壁部から上方に離間させた状態で保持している。
第1当接ユニット91は、押付部材94Aと、ヘッドシート96Aと、を有している。
押付部材94Aは、複数の押付ブロック97A,98A,99AがY方向に並んで構成されている。押付ブロック97A〜99Aは、中央押付ブロック97Aと、中央押付ブロック97Aに対してY方向の両側に配置された第1外側押付ブロック98A及び第2外側押付ブロック99Aである。
中央押付ブロック97Aは、発泡樹脂により形成された吸水性を有する多孔質部材(スポンジ状)である。中央押付ブロック97Aは、X方向を長手方向とする直方体形状に形成されている。中央押付ブロック97AのY方向における幅は、第1露出孔58(図3参照)のY方向における幅よりも狭くなっている。図3、図9に示すように、中央押付ブロック97Aの上面は、ヘッドキャップ機構75がヘッドキャップ位置にあるとき、インクジェットヘッド5の吐出面のうち第1ノズル列56にZ方向で対向する。
図10に示すように、第1外側押付ブロック98A及び第2外側押付ブロック99Aは、発泡樹脂により形成された吸水性を有する多孔質部材(スポンジ状)である。第1外側押付ブロック98A及び第2外側押付ブロック99Aは、Z方向の高さが中央押付ブロック97Aよりも低くなっている。したがって、第1外側押付ブロック98A及び第2外側押付ブロック99Aの上面は、中央押付ブロック97の上面よりも下方に位置している。図3、図9に示すように、第1外側押付ブロック98A及び第2外側押付ブロック99Aは、ヘッドキャップ位置にあるとき、吐出面のうち第1ノズル列56に対してY方向の両側に位置する部分(ノズルガード37)にZ方向で対向する。なお、図10の例において、各押付ブロック97A〜99Aは、第1外側押付ブロック98A、中央押付ブロック97A及び第2外側押付ブロック99Aの順でY方向の幅が狭くなっている。
本実施形態において、中央押付ブロック97Aは、第1外側押付ブロック98A及び第2外側押付ブロック99Aに比べてショアA硬度で硬質な材料により形成されている。具体的に、第1外側押付ブロック98Aは、連泡(複数の気泡同士が連通している構成)の発泡樹脂により形成されている。一方、中央押付ブロック97A及び第2外側押付ブロック99Aは、単泡(複数の気泡同士が独立している構成)の発泡樹脂により形成されている。但し、各押付ブロック97A〜99Aのうち、少なくとも第1外側押付ブロック98Aが連泡により形成されていれば、中央押付ブロック97A及び第2外側押付ブロック99Aが連泡により形成されていても構わない。
なお、押付部材94Aは、少なくとも弾性変形可能な材料により形成されていれば、吸水性を有していなくても構わない。押付部材94Aは、吐出面のうちノズルプレート35が露出する凹面、及びノズルガード37が露出する凸面に倣った凹凸形状に形成されていれば、複数の押付ブロック97A〜99Aに分割されていなくても構わない。
ヘッドシート96Aは、不織布や織物等により形成された吸水性を有するシートである。ヘッドシート96Aは、押付部材94A(各押付ブロック97A〜99A)の上方及びY方向の両側をまとめて被覆している。ヘッドシート96Aのうち、押付部材94Aの上方に位置する部分は、ヘッドキャップ機構75がヘッドキャップ位置にあるとき、インクジェットヘッド5の吐出面に下方から当接する。
図6、図10に示すように、ヘッドシート96Aの第1端部(Y方向の外側端部)は、上述した分配流路101内において洗浄液に浸漬されている。一方、ヘッドシート96Aの第2端部(Y方向の内側端部)は、廃液流路102から離間している。なお、ヘッドシート96Aの目付(単位面積(m2)当たりの重さ(g))は、例えば70g/m2以上であることが好ましい。これにより、ヘッドシート96Aの開孔率(単位面積当たりの開口部の面積)は、各押付ブロック97A〜99Aの上端面での開孔率よりも小さくなる。
図10に示すように、第2当接ユニット92は、第1当接ユニット91に対してY方向の内側に配置されている。以下の説明では、第2当接ユニット92における第1当接ユニット91と同様の構成については、第1当接ユニット91と同一の符号に「B」を付して説明を省略する場合がある。
第2当接ユニット92は、第1当接ユニット91と同様に押付部材94Bと、ヘッドシート96Bと、を有している。
図3、図9に示すように、第2当接ユニット92の中央押付ブロック97Bは、ヘッドキャップ機構75がヘッドキャップ位置にあるとき、インクジェットヘッド5の吐出面のうち第2ノズル列57にZ方向で対向する。
各外側押付ブロック98B,99Bは、ヘッドキャップ位置にあるとき、吐出面のうち第2ノズル列57に対してY方向の両側に位置する部分(ノズルガード37)にそれぞれ対向する。
ヘッドシート96Bは、押付部材94B(各押付ブロック97B〜99B)の上方及びY方向の両側をまとめて被覆している。ヘッドシート96Bのうち、押付部材94Bの上方に位置する部分は、ヘッドキャップ機構75がヘッドキャップ位置にあるとき、インクジェットヘッド5の吐出面に下方から当接する。ヘッドシート96Bの第1端部(Y方向の内側端部)は、上述した分配流路101内において洗浄液に浸漬されている。一方、ヘッドシート96Bの第2端部(Y方向の外側端部)は、廃液流路102から離間している。なお、第1当接ユニット91と第2当接ユニット92との間に、第1当接ユニット91と第2当接ユニット92との間を仕切る仕切部を設けても構わない。
図4に示すように、ブレードユニット67は、ユニットフレーム65に対してX方向の一方に配置されている。ブレードユニット67は、クリーニングユニット61が対向位置から退避位置に移動する過程で各インクジェットヘッド5の吐出面を払拭する。
図11は、図4のXI−XI線に相当するブレードユニット67の断面図である。
ブレードユニット67は、箱型のブレードフレーム110を備えている。ブレードフレーム110のうち、X方向の他方に位置する他方側壁部には、ブレードプール111が取り付けられている。ブレードプール111は、上方に開口する箱型に形成されている。ブレードプール111内には、上述した洗浄液供給機構62から供給される洗浄液が貯留される。ブレードプール111におけるX方向の他方端部は、上述したユニットフレーム65のうち、X方向の一方に位置する第2側壁部65b(図4等参照)に固定されている。これにより、ブレードフレーム110は、ユニットフレーム65に対してX方向に間隔をあけて配置されている。なお、ブレードプール111には、洗浄液の液面高さを検出するフロートセンサ116(図12参照)が設置されている。
図4に示すように、ブレードフレーム110のうち、Y方向で対向する側壁部には、X方向の他方に延びるステー112が取り付けられている。各ステー112間には、Y方向に延びる支持軸113が架け渡されている。支持軸113は、Y方向周りに回動可能にステー112に支持されている。支持軸113には、ブレード機構115が設けられている。ブレード機構115は、インクジェットヘッド5に対応してY方向に間隔をあけて4つ設けられている。以下の説明では、複数のブレード機構115のうち一のブレード機構115について説明する。
図11に示すように、ブレード機構115は、ブレードホルダ120と、第1ブレード121と、第2ブレード122と、を備えている。
ブレードホルダ120は、支持軸113に対して上方に突出した状態で支持軸113に取り付けられている。
第1ブレード121は、可撓性を有する材料(ゴムや樹脂等)により形成されている。第1ブレード121は、板状に形成されている。第1ブレード121は、Z方向に延在するようにしてブレードホルダ120に固定されている。第1ブレード121の先端部(上端部)は、ブレードホルダ120よりも上方に突出するとともに、インクジェットヘッド5の吐出面に摺接可能な高さに配置されている。
第2ブレード122は、可撓性を有する材料(ゴムや樹脂等)により形成されている。第2ブレード122は、板状に形成されている。第2ブレード122は、X方向の一方に向かうに従い上方に延在するようにしてブレードホルダ120に固定されている。第2ブレード122の先端部は、インクジェットヘッド5の吐出面に摺接可能な高さに配置されていてもよい。図11の例において、第2ブレード122の先端部は、第1ブレード121の先端部よりも下方に位置している。第2ブレード122の先端部は、各ブレード121,122の撓み変形に伴い、第1ブレード121の先端部に対して接離可能とされている。
ブレード機構115のうち、ブレードホルダ120及び各ブレード121,122により囲まれた空間は、第1吸引室125を構成している。なお、各ブレード121,122は、互いに同一材料により形成されていても、異種材料により形成されていても構わない。本実施形態では、ブレードホルダ120及び各ブレード121,122により第1吸引室125を形成した場合についてしたが、ブレードを3枚以上の複数枚用いて第1吸引室125を画成しても構わない。
ブレード機構115は、支持軸113の回動に伴い浸漬位置(離間位置)と払拭位置との間を移動可能とされている。浸漬位置において、ブレード機構115は、各ブレード121,122の少なくとも先端部がブレードプール111内の洗浄液に浸漬される(図14参照)。一方、払拭位置において、ブレード機構115は、少なくとも第1ブレード121の先端部がインクジェットヘッド5の吐出面に摺接可能な高さに配置される。
ブレードホルダ120には、第1吸引室125の内外を連通させる第1連通孔126が形成されている。第1連通孔126は、ブレードホルダ120をX方向に貫通している。第1連通孔126には、接続チューブ127が接続されている。接続チューブ127は、ブレードホルダ120からX方向の一方に突設されている。なお、第1連通孔126は、Y方向を長軸とする一の長孔であってもよく、複数の貫通孔がY方向に間隔をあけて構成されていても構わない。
ここで、ブレードフレーム110の内部空間は、第2吸引室132を構成している。第2吸引室132は、ブレードフレーム110の他方側壁部に形成された第2連通孔130、及び上述した接続チューブ127を通して第1吸引室125内に連通可能とされている。上述した接続チューブ127は、ブレードホルダ120(第1連通孔126)に接続しても、ブレードフレーム110(第2連通孔130)に接続しても構わない。
ブレードフレーム110のうち、X方向の一方に位置する一方側壁部には、ブレードフレーム110の内外を連通させる吸引孔133が形成されている。吸引孔133は、一方側壁部の上部においてY方向に間隔をあけて複数形成されている。ブレードフレーム110の一方側壁部には、各吸引孔133それぞれをX方向の一方から覆う複数のブロワ135が取り付けられている。各ブロワ135は、各吸引孔133を通して第2吸引室132内に連通している。なお、ブレードフレーム110の上壁部には、吸引孔133と第2連通孔130との間をX方向で仕切る邪魔板136が設けられている。なお、第2吸引室132内において、邪魔板136よりも下方に位置する部分に吸水性を有する吸収体(不図示)を配置しても構わない。
図12は、洗浄液供給機構62の概略構成図である。
図6、図12に示すように、洗浄液供給機構62は、洗浄液タンク63内に貯留された洗浄液を、洗浄液流路90及びブレードプール111に供給する。具体的に、洗浄液供給機構62は、供給管141、接続管142、第1廃液管143及び第2廃液管144と、供給管141上に配設された洗浄液ポンプ145と、を備えている。
供給管141は、洗浄液タンク63及び洗浄液流路90の洗浄液入口流路100(図6参照)間を接続している。具体的に、供給管141の第1端部は、洗浄液タンク63に接続されている。供給管141の第2端部は、上述した入口ポート104に接続されている。
洗浄液ポンプ145は、供給管141内を加圧し、供給管141を通して洗浄液流路90に向けて洗浄液を送り出している。
接続管142は、洗浄液流路90の洗浄液出口流路103とブレードプール111との間を接続している。具体的に、接続管142の第1端部は、洗浄液出口流路103の出口ポート106に接続されている。接続管142の第2端部は、ブレードプール111に設けられたプールポート148に接続されている。
第1廃液管143は、洗浄液流路90の廃液流路102と廃液タンク150との間を接続している。具体的に、第1廃液管143の第1端部は、図6に示す廃液流路102の廃液ポート105に接続されている。第1廃液管143の第2端部は、廃液タンク150に接続されている。なお、第1廃液管143上には、開閉弁151が設けられている。なお、開閉弁151は設けなくても構わない。
第2廃液管144は、ブレードプール111と廃液タンク150との間を接続している。具体的に、第2廃液管144の第1端部は、ブレードプール111に設けられた図示しない廃液ポートに接続されている。第2廃液管144の第2端部は、廃液タンク150に接続されている。なお、第2廃液管144上には、開閉弁152が設けられている。
[プリンタの動作方法]
次に、上述したプリンタ1の動作方法について説明する。以下の説明では、印字方法、払拭方法、キャリッジキャップ方法及びヘッドキャップ方法、洗浄液供給方法を順に説明した後、印字スタンバイ方法について説明する。
<印字方法>
まず、被記録媒体Pへの印字方法について説明する。
図1に示すように、プリンタ1を作動させると、搬送機構2のグリットローラ11が回転することで、これらグリットローラ11及びピンチローラ12間を被記録媒体PがX方向に搬送される。また、これと同時に駆動モータ26がプーリ24を回転させて無端ベルト25を走行させる。これにより、キャリッジ21が図示しないガイドレールにガイドされながら印字領域SをY方向に往復移動する。
この間に、図3に示すように、各インクジェットヘッド5において、ヘッドチップ33,34の駆動電極に駆動電圧を印加する。これにより、駆動壁45に厚みすべり変形を生じさせ、吐出チャネル43内に充填されたインクに圧力波を発生させる。この圧力波により、吐出チャネル43の内圧が高まり、インクがノズル孔31,32を通して吐出される。そして、インクが被記録媒体P上に着弾することで、各種情報が被記録媒体P上に記録される。
<払拭方法>
次に、ブレードユニット67による吐出面の払拭方法について説明する。以下の説明では、キャップユニット66がキャップ初期位置にあり、ブレードユニット67が払拭位置にある時点から説明する。なお、キャップ初期位置において、キャップユニット66は、開放位置で保持されている。
まず、図1に示す無端ベルト25を走行させ、キャリッジ21をクリーニング領域Cに移動させる。このとき、図7に示すように、Y方向の内側からストッパ壁部81に当接する位置(払拭待機位置)までキャリッジ21を移動させる。これにより、図4に示すように、各インクジェットヘッド5は、対応するブレード機構115とそれぞれY方向で同等の位置に配置されるとともに、対応するヘッドキャップ機構75とそれぞれZ方向で対向する。
図13は、払拭方法を説明するための動作説明図である。
続いて、図13に示すように、ブロワ135を駆動させる。すると、吸引孔133を通して第2吸引室132内の空気が吸引されるとともに、第2連通孔130、接続チューブ127及び第1連通孔126を通して第1吸引室125内の空気が吸引される。これにより、第1吸引室125内及び第2吸引室132内が負圧に保持される。
その後、クリーニングユニット61を退避位置に移動させる。すると、ブレード機構115がインクジェットヘッド5を通過する際、少なくとも第1ブレード121がインクジェットヘッド5の吐出面上を摺接する。これにより、インクジェットヘッド5の吐出面が払拭される。
ブレード機構115がインクジェットヘッド5の吐出面上を摺接する過程において、ブレード121,122が撓み変形することで、ブレード121,122の先端部同士が離間する。これにより、ブレード121,122の先端部同士の隙間を通して第1吸引室125の内外が連通する。このとき、第1吸引室125内が負圧に保持されているため、ブレード121,122や吐出面に付着したインクがブレード121,122の先端部同士の隙間を通して第1吸引室125内に吸引される。第1吸引室125内に吸引されたインクは、接続チューブ127を通して第2吸引室132内に流入する。これにより、吐出面上を洗浄することができ、吐出面に付着したインクを除去できる。
図14、図15は、払拭方法を説明するための動作説明図である。
図14、図15に示すように、クリーニングユニット61が退避位置に到達した時点で、ブロワ135の駆動を停止させる。続いて、支持軸113を回動させることで、ブレード機構115を浸漬位置に移動させる。すると、ブレード121,122の先端部がブレードプール111内の洗浄液に浸漬される。これにより、ブレード121,122を洗浄することができ、ブレード121,122に付着したインクが除去される。
その後、クリーニングユニット61を対向位置に復帰させることで、ブレードユニット67による払拭方法が完了する。なお、クリーニングユニット61を対向位置に復帰させる前にキャリッジ21を印字領域Sに復帰させても構わない。
<キャリッジキャップ方法>
次に、キャリッジキャップ機構73によるキャリッジキャップ方法について説明する。以下の説明では、キャリッジ21がクリーニング領域Cの払拭待機位置にあり、キャップユニット66がキャップ初期位置(キャップユニット66が開放位置)にある時点から説明する。
まず、図7に示すように、キャリッジ21を払拭待機位置からY方向の外側に移動させる。すると、キャップユニット66がストッパ壁部81を介してY方向の外側(付勢部材85の付勢力に抗する方向)に向けてキャリッジ21に押圧される。これにより、キャリッジ21のY方向の外側への移動に伴い、キャップユニット66がキャリッジ21とともにY方向の外側へ移動する。
図16は、キャリッジキャップ方法を説明するための動作説明図である。
図16に示すように、キャップユニット66が開放位置からY方向の外側に移動する過程において、支持ピン79がユニットガイド71内をY方向の外側に移動する。具体的に、支持ピン79は、ユニットガイド71内のうち、下段部71aから第1接続部71bを経て中段部71cに到達する。支持ピン79は、第1接続部71b内を移動する過程で、Y方向の外側に向かうに従い上方に移動する。これにより、キャップユニット66は、Y方向の外側に向かうに従い上方に移動する。そして、支持ピン79が中段部71cに到達した時点で、キャップユニット66が上述したキャリッジキャップ位置に到達する。図8に示すように、キャリッジキャップ位置では、キャリッジキャップ78がキャリッジ21に近接して、キャリッジ21を下方から覆い、全インクジェットヘッド5のノズル孔31,32を下方から覆う。これにより、ノズル孔31,32内のインクの乾燥が抑制され、インクの湿潤状態が維持される。なお、キャリッジキャップ位置において、上述したヘッドシート96A,96Bは、吐出面に当接していない。
なお、キャップユニット66をキャリッジキャップ位置から開放位置に移動させるためには、キャリッジ21をY方向の内側(払拭待機位置)に移動させる。すると、キャップユニット66は、付勢部材85の付勢力によってキャリッジ21とともにY方向の内側に移動することで、Y方向の内側に向かうに従い下方に移動する。これにより、図7に示すように、キャップユニット66が開放位置に移動する。
<ヘッドキャップ方法>
次に、ヘッドキャップ機構75によるヘッドキャップ方法について説明する。以下の説明では、キャップユニット66(キャリッジ21)がキャリッジキャップ位置にある時点から説明する。
まず、図8に示すように、キャリッジ21をY方向の外側に移動させる。すると、キャップユニット66がストッパ壁部81を介してY方向の外側(付勢部材85の付勢力に抗する方向)に向けてキャリッジ21に押圧される。これにより、キャリッジ21のY方向の外側への移動に伴い、キャップユニット66がキャリッジ21とともにY方向の外側へ移動する。
図17は、ヘッドキャップ方法を説明するための動作説明図である。
図17に示すように、キャップユニット66がキャリッジキャップ位置からY方向の外側に移動する過程において、支持ピン79がユニットガイド71内をY方向の外側に移動する。具体的に、支持ピン79は、ユニットガイド71内のうち、中段部71cから第2接続部71dを経て上段部71eに到達する。支持ピン79は、第2接続部71d内を移動する過程で、Y方向の外側に向かうに従い上方に移動する。これにより、キャップユニット66は、Y方向の外側に向かうに従い上方に移動する。そして、支持ピン79が上段部71eに到達した時点で、キャップユニット66が上述したヘッドキャップ位置に到達する。
図9に示すように、ヘッドキャップ位置では、各インクジェットヘッド5の吐出面に各ヘッドキャップ機構75が下方から当接する。具体的に、各ヘッドキャップ機構75のうち、第1当接ユニット91の押付部材94Aは、ヘッドシート96Aを間に挟んでインクジェットヘッド5の吐出面に当接する。このとき、中央押付ブロック97Aは、第1露出孔58を通して第1ノズル列56(ノズルプレート35)に当接する。一方、各外側押付ブロック98A,99Aは、ノズルガード37の下面に当接する。
また、各ヘッドキャップ機構75のうち、第2当接ユニット92の押付部材94Bは、ヘッドシート96Bを間に挟んでインクジェットヘッド5の吐出面に当接する。このとき、中央押付ブロック97Bは、第2露出孔59を通して第2ノズル列57(ノズルプレート35)に当接する。一方、各外側押付ブロック98B,99Bは、ノズルガード37の下面に当接する。
ヘッドキャップ位置において、吐出面上で固着したインクは、ヘッドシート96A,96Bに含浸された洗浄液によって溶解された後、ヘッドシート96A,96Bに吸収される。これにより、吐出面上を洗浄できる。なお、当接ユニット91,92は、ヘッドキャップ位置において、ノズル孔31,32を封止(閉塞)しても構わない。
ここで、図6、図10に示すように、ヘッドシート96A,96Bは、第1端部が上述した分配流路101内において洗浄液に浸漬されている。そのため、分配流路101内の洗浄液は、毛細管現象等によって第1端部からヘッドシート96A,96B内に含浸される。ヘッドシート96A,96Bに含浸された洗浄液は、第1端部から第2端部に向けて浸透する。なお、ヘッドシート96A,96Bの第2端部まで到達した洗浄液の一部は、廃液流路102のキャップ収容部102aに流れる。図6に示すように、キャップ収容部102a内に流れた洗浄液は、キャップ収容部102a内をX方向の一方に流れた後、合流流路102bを通って廃液ポート105内に流入する。廃液ポート105内に流入した洗浄液は、図12に示す第1廃液管143を通って廃液タンク150に排出される。
図7、図8に示すように、キャップユニット66をヘッドキャップ位置から開放位置に移動させるためには、キャリッジ21をY方向の内側(払拭待機位置)に移動させる。すると、キャップユニット66は、付勢部材85の付勢力によってキャリッジ21とともにY方向の内側に移動することで、Y方向の内側に向かうに従い下方に移動する。これにより、キャップユニット66が開放位置に移動する。
<洗浄液供給方法>
次に、洗浄液流路90やブレードプール111への洗浄液の供給方法について説明する。
まず、図12に示すように、洗浄液ポンプ145を駆動させることで、洗浄液タンク63内に貯留された洗浄液が供給管141内を流通する。供給管141内を流通する洗浄液は、図6に示すように入口ポート104を通って洗浄液入口流路100に供給される。洗浄液入口流路100内に供給された洗浄液は、洗浄液入口流路100をY方向の外側に向けて流れる過程で、分配流路101に分配される。なお、分配流路101を流れる洗浄液の一部は、上述したようにヘッドシート96A,96Bに浸透し、吐出面の洗浄に供される。
一方、分配流路101を通過した洗浄液は、洗浄液出口流路103に流入する。洗浄液出口流路103に流入した洗浄液は、洗浄液出口流路103をY方向の内側に向けて流れる。そして、洗浄液出口流路103を流れる洗浄液の液面が出口ポート106の排出口よりも高くなると、洗浄液が出口ポート106内に流入する。出口ポート106内に流入した洗浄液は、洗浄液出口流路103内での洗浄液の液面とブレードプール111内での洗浄液の液面と、の水頭値によって接続管142内をブレードプール111に向けて流れる。そして、接続管142内を流れる洗浄液は、プールポート148を通ってブレードプール111内に供給される。ブレードプール111に供給された洗浄液は、上述したようにブレード121,122の洗浄に供される。
図12に示すように、上述した洗浄液ポンプ145の動作は、ブレードプール111に設置されたフロートセンサ116による検出結果(ブレードプール111の液面高さ)に基づいて制御することができる。具体的には、まずブレードプール111の液面高さが所定値以上であるか否かを判断する。続いて、ブレードプール111の液面高さが所定値未満(例えば、ブレード121,122が浸漬しないような液面高さ)の場合に洗浄液ポンプ145が駆動する。一方、ブレードプール111の液面高さが所定値以上の場合には、洗浄液ポンプ145の駆動が停止される。これにより、洗浄液流路90及びブレードプール111に洗浄液を適正に供給できる。
なお、図12に示すように、第1廃液管143に設けられた開閉弁151を適宜開弁することで、廃液流路102内の洗浄液が廃液タンク150に排出される。また、第2廃液管144に設けられた開閉弁152を適宜開弁することで、ブレードプール111に供給された洗浄液が廃液タンク150に排出される。
<印字スタンバイ方法>
次に、インクジェットヘッド5の吐出動作を開始するまでのスタンバイ動作について説明する。図18は、印字スタンバイ方法を説明するためのフローチャートである。以下の説明では、キャップユニット66がキャップ初期位置にあり、ブレードユニット67が払拭待機位置にあり、ブレード機構115が浸漬位置にある時点から説明する。なお、インクジェットヘッド5の非吐出状態において、ノズル孔31,32内のインクは、ノズル孔31,32の内面で作用する表面張力等により適正(凹面状)なメニスカスが形成されているものとする。すなわち、インクジェットヘッド5では、吐出チャネル43内の圧力を所望の負圧(例えば、メニスカス圧力Pa)に保持することで、上述したメニスカスが保持され、インクが吐出されないようになっている。一方、吐出チャネル43内の圧力を所望の正圧状態にすることで、メニスカスが破壊され、ノズル孔31,32からインクが吐出される。
図18に示すように、ステップS01において、上述した洗浄液供給方法と同様の方法により、洗浄液流路90及びブレードプール111に洗浄液を供給する。具体的に、洗浄液タンク63内の洗浄液は、洗浄液流路90の分配流路101に供給されるとともに、その後分配流路101を経てブレードプール111に供給される。
ステップS02において、ブレードプール111に設置されたフロートセンサ116による検出結果に基づき、ブレードプール111の液面高さが所定値以上であるか否かを判断する。
ステップS02における判断結果が「NO」の場合(液面高さが所定値未満)には、分配流路101及びブレードプール111内に未だ洗浄液が十分に供給されていないと判断する。この場合には、ステップS01に戻り、洗浄液の供給を継続する。
ステップS02における判断結果が「YES」の場合(液面高さが所定値以上)には、分配流路101及びブレードプール111内に洗浄液が十分に供給されたと判断する。この場合には、ステップS03に進む。
ステップS03では、洗浄液ポンプ145の駆動を停止する。
続いて、ステップS04において、ブレード機構115を浸漬位置から払拭位置に移動させる。
ステップS05において、インクジェットヘッド5のパージを行う。パージとは、印字前に吐出性能を回復する作業である。具体的には、吐出チャネル43内を加圧することで、メニスカスが破壊され、ノズル孔31,32からインクが漏れ出る程度に吐出チャネル43内の圧力(例えば、パージ圧力Pb)を保持する。すなわち、パージ圧力Pbは、メニスカス圧力Paよりも大きく設定される(Pb>Pa)。これにより、ノズル孔31,32内に進入した塵埃や気泡、乾燥して粘度が上昇したインク等がノズル孔31,32から排出される。なお、ノズル孔31,32から排出されたインクは、ヘッドキャップ機構75のヘッドシート96A,96Bや押付部材94A,94Bで吸収され、キャップ収容部102aに排出される。
上述したパージを所定時間行った後は、ステップS06に進む。
次に、ステップS06において、吐出チャネル43内の圧力を待機圧力Pcに設定する。待機圧力Pcとは、インクがノズル孔31,32から凸状に膨出し、かつノズル孔31,32から漏れ出ない程度の圧力である。すなわち、待機圧力Pcは、メニスカス圧力Paよりも大きく、パージ圧力Pbよりも小さく設定されている。なお、待機圧力Pcは、大気圧と同等に設定されていても構わない。
ステップS07において、ブレード機構115を払拭位置に移動させ、上述した払拭方法と同様の方法により、インクジェットヘッド5の吐出面を払拭する。具体的には、ブロワ135を駆動させながら、クリーニングユニット61を退避位置に移動させる。これにより、ブレード121,122や吐出面に付着したインクを払拭しながら、インクジェットヘッド5の吐出面をブレード121,122により払拭できる。なお、ステップS07においても、吐出チャネル43内の圧力は待機圧力Pcに保持されている。そのため、ブレード機構115による払拭後において、インクは再びノズル孔31,32から膨出した状態で保持される。
ステップS08において、ブレード機構115を再び浸漬位置に移動させる。
ステップS09において、クリーニングユニット61を対向位置に移動させる。
ステップS10において、上述したキャリッジキャップ方法と同様の方法によりキャップユニット66をキャリッジキャップ位置に移動させる。具体的には、キャリッジ21を払拭待機位置からY方向の外側に移動させることで、キャップユニット66がキャリッジ21とともにY方向の外側へ移動しながら上方に移動する。これにより、キャリッジキャップ78がキャリッジ21を下方から覆い、全インクジェットヘッド5のノズル孔31,32を下方から覆う。
ステップS11において、キャリッジキャップ位置で所定時間(例えば、60秒程度)保持する。なお、この際にスピッティング(インクを強制的に吐出する動作)やチックリング(インクを吐出させない程度に駆動壁45を変形させる動作)を行っても構わない。
その後、ステップS12において、吐出チャネル43内の圧力をメニスカス圧力Paに戻す。
以上により、本ルーチンが終了する。なお、吐出チャネル43内の圧力を待機圧力Pcに維持した状態で本ルーチンを終了させても構わない。
このように、本実施形態では、ブレードユニット67及びキャップユニット66がインクジェットヘッド5の主走査方向(Y方向)に直交する副走査方向(X方向)に並んで配置されるとともに、X方向に一体で移動可能な構成とした。
この構成によれば、クリーニングユニット61がX方向に移動する過程で、ブレード機構115がインクジェットヘッド5の吐出面を摺接することで、吐出面を払拭できる。特に、従来のようにブレードユニット67及びキャップユニット66がY方向に並んで配置される構成に比べてプリンタ1のY方向での小型化が可能になる。この場合、Y方向に並ぶ複数のインクジェットヘッド5に対応してブレード機構115を設けたとしても、プリンタ1の大型化を抑制できる。そのため、小型で、クリーニング時間の短いプリンタ1を提供できる。
本実施形態では、キャリッジキャップ機構73がキャップユニット66のキャリッジキャップ位置において、インクジェットヘッド5のノズル孔31,32を覆う構成とした。この構成によれば、印字待機時等(クリーニング領域Cでの待機時間が短時間の場合)において、ノズル孔31,32内のインクの乾燥を抑制し、インクの湿潤状態を維持できる。
本実施形態では、洗浄液が含浸されたヘッドキャップ機構75がキャップユニット66のヘッドキャップ位置において、インクジェットヘッド5の吐出面に当接する構成とした。この構成によれば、ヘッドキャップ機構75に含浸された洗浄液によって吐出面上を洗浄できる。これにより、吐出面に付着したインク等を除去でき、吐出性能を向上させることができる。
このように、本実施形態では、キャップユニット66がキャリッジキャップ位置及びヘッドキャップ位置の双方に移動可能な構成としたため、プリンタ1の待機状態やクリーニング内容に応じて最適なキャップ状態を選択できる。例えば、待機時間が短時間の場合等は上述したキャリッジキャップを選択し、待機時間が長時間や吐出性能の回復等を目的とする場合にはヘッドキャップを選択することができる。その結果、例えばクリーニングの度にノズル孔を通じてインクを排出する場合等に比べて、クリーニング作業の簡素化やクリーニング作業時のインクの使用量を抑えた上で、インクの乾燥を抑制できる。
本実施形態において、キャップユニット66は、インクジェットヘッド5がストッパ壁部81に係合した状態で、インクジェットヘッド5のY方向への移動に伴いZ方向に移動可能とされている構成とした。
この構成によれば、インクジェットヘッド5のY方向の移動に連動して、上述した開放位置、キャリッジキャップ位置及びヘッドキャップ位置にキャップユニット66を移動させることができる。これにより、インクジェットヘッド5及びキャップユニット66を別々の駆動機構で移動させる場合に比べて構成の簡素化や低コスト化を図ることができる。
本実施形態では、ブレード機構115が払拭位置と浸漬位置との間を移動可能とされているため、吐出面の払拭後、キャップ初期位置に復帰する際にインクジェットヘッド5とブレード機構115との干渉を抑制できる。これにより、払拭動作の際にブレード機構115に付着したインクが、復帰時にインクジェットヘッド5に再付着するのを抑制できる。
特に、本実施形態では、ブレード機構115が浸漬位置において下向きに配置される構成とした。この構成によれば、例えばインクに紫外線硬化型のUVインクを用いる場合のように、紫外線を照射しながら印字動作を行う構成において、ブレード機構115が紫外線に照射され難くなる。そのため、ブレード機構115に付着したUVインクが硬化するのを抑制でき、ブレード機構115に付着したUVインクを速やかに除去できる。
本実施形態では、上述したクリーニング装置6を備えているので、小型で、印字特性に優れた信頼性の高いプリンタ1を提供できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図19は、第2実施形態に係るプリンタ220の概略斜視図である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図19に示すプリンタ220において、キャリッジ201は、ガイドレール202上をY方向に移動可能に支持されている。プリンタ220は、リニアエンコーダ203と、クリーニング位置検出部材204と、を備えている。
リニアエンコーダ203は、キャリッジ201のY方向での位置を検出するためのものである。リニアエンコーダ203は、例えば光学式のものである。具体的に、リニアエンコーダ203は、ガイドレール202に設けられたリニアスケール205と、キャリッジ201に設けられたセンサ部206と、を備えている。
リニアスケール205は、ガイドレール202に沿ってY方向に延びる板状に形成されている。リニアスケール205には、Y方向に間隔をあけて複数の目盛りが付されている。
センサ部206は、例えば発光部及び受光部を備えている。センサ部206では、発光部から出射されて目盛りを透過した光を受光部で受光する。センサ部206での検出結果は、エンコーダパルスとしてプリンタ220の制御部(不図示)に出力される。
本実施形態のプリンタ220は、制御部において、センサ部206から出力されるエンコーダパルスをカウントすることで、キャリッジ201のY方向での位置を算出する。そして、制御部は、算出されたキャリッジ201の位置情報に基づいて、駆動モータ26(例えば、サーボモータ)の駆動や、インクジェットヘッド5のインクの吐出タイミング等を制御する。なお、リニアエンコーダ203は、例えば磁気式であっても構わない。
クリーニング位置検出部材204は、キャリッジ201がY方向基準位置にいることを検出するためのものである。なお、「Y方向基準位置」とは、例えばクリーニング領域Cに対してY方向の内側に所定距離離れた位置である。制御部には、Y方向基準位置からクリーニング領域C(払拭待機位置)までのY方向の移動量がエンコーダパルスのカウント数として予め記憶されている。
クリーニング位置検出部材204は、例えばフォトインタラプタセンサである。具体的に、クリーニング位置検出部材204は、キャリッジ201に設けられた検出片210と、ガイドレール202に設けられたセンサ部211と、を備えている。
センサ部211は、発光部及び受光部を備えている。発光部及び受光部の間には、上述した検出片210が通過可能になっている。センサ部211は、例えば発光部から出射された光を受光部で受光しているON状態と、発光部から出射された光が検出片210により遮られたOFF状態と、を検出する。上述した制御部は、センサ部211の検出結果がOFF状態の場合にキャリッジ201がY方向基準位置に位置していると判断する。制御部は、クリーニング位置検出部材204の検出結果や、リニアエンコーダ203の検出結果に基づき、キャリッジ201をY方向基準位置に対して所定距離移動させることで、キャリッジ201をクリーニング領域Cに移動させる。
図20は、第2実施形態に係るプリンタ220におけるクリーニング領域Cの斜視図である。図21は、第2実施形態に係るクリーニングユニット230をX方向の一方から見た側面図である。
図20、図21に示すように、キャリッジ201は、インクジェット5を支持するキャリッジベース215と、キャリッジベース215から上方に立設された一対のサイドプレート216a,216b及びリアプレート217と、を主に備えている。
図22は、図20のXXII−XXII線に相当する断面図である。
図22に示すように、キャリッジベース215は、下部ベース215aと、下部ベース215aの上方に連なる上部ベース215bと、を有している。下部ベース215aの平面視外形は、キャリッジキャップ78に進入可能な大きさに形成されている。また、下部ベース215aの下端外周縁(クリーニングユニット230側に位置する端部の外周縁)には面取り219が施されている。なお、面取り219は、平面取りに限らず丸面取りであっても構わない。また、下部ベース215aの外周面全体が下方に向かうに従い先細っていても構わない。
上部ベース215bの平面視外形は、下部ベース215aよりも大きくなっている。
キャリッジベース215には、キャリッジベース215をZ方向に貫通するヘッド支持孔218が形成されている。各ヘッド支持孔218内には、インクジェットヘッド5がそれぞれ支持されている。図22に示すように、本実施形態のインクジェットヘッド5は、吐出面がキャリッジベース215(下部ベース215a)の下面よりも上方に位置した状態で、キャリッジベース215に支持されている。これにより、各インクジェットヘッド5の周囲がキャリッジベース215に取り囲まれ、被記録媒体Pとインクジェットヘッド5との干渉を抑制できる。
図21に示すように、サイドプレート216a,216bは、キャリッジベース215におけるY方向の両端部から上方に立設されている。
リアプレート217は、キャリッジベース215におけるX方向の他方端部から上方に立設されている。なお、リアプレート217には、上述したセンサ部206や検出片210が設けられている。
図21に示すクリーニングユニット230において、ユニットガイド231は、Y方向の外側に向かうに従い上方に延びる直線状のカム溝である。ユニットガイド231内には、上述した支持ピン79がスライド可能に支持されている。すなわち、キャップユニット234は、Y方向への移動に伴い上下動することで、上述した開放位置、キャリッジキャップ位置及びヘッドキャップ位置に移動する。
図22に示すように、キャリッジキャップ78において側壁部78aの上端部には、シール部材240が配設されている。シール部材240は、側壁部78aの全周に亘って配設されている。具体的に、シール部材240は、側壁部78aの上面に配置された固定部241と、固定部241から突出するリップ部242と、を有している。
リップ部242は、キャリッジキャップ78内を臨むように固定部241から片持ちで突出している。具体的に、リップ部242は、基端部から先端部に向かうに従い上方に向けて傾斜している。リップ部242は、開放位置において、下部ベース215aよりも下方に位置している。
図23は、キャリッジキャップ78がキャリッジキャップ位置にある状態を示す図22に相当する断面図である。
図23に示すように、リップ部242は、キャリッジキャップ位置及びヘッドキャップ位置において、上述した下部ベース215aの周囲を取り囲んでいる(下部ベース215aにZ方向でオーバーラップしている)。本実施形態において、リップ部242の先端部(上端部)は、キャリッジキャップ位置及びヘッドキャップ位置において、上述した下部ベース215aの外周面に近接又は当接している。なお、キャリッジキャップ位置及びヘッドキャップ位置において、キャリッジキャップ78内は、空気よりも比重の大きい気体(インクや洗浄液が蒸発した気体)が充満しているため、必ずしもリップ部242と下部ベース215aの外周面とが当接している必要はない。また、XY平面に対するリップ部242の傾斜角度(仰角)は、90°未満であることが好ましい。
シール部材240は、弾性変形可能な材料により形成されている。このような材料としては、ゴムや樹脂材料、金属等が好適に用いられる。なお、シール部材240は、少なくともリップ部242が弾性変形可能であれば構わない。また、シール部材240は、側壁部78aにおける少なくとも一部に設けられていればよく、必ずしも側壁部78aの全周に亘って設けられている必要はない。
図20に示すように、プリンタ220は、キャップユニット234とインクジェットヘッド5(キャリッジ201)とのZ方向における相対位置を検出するためのキャップ位置検出部材250を備えている。キャップ位置検出部材250は、例えばフォトインタラプタセンサである。キャップ位置検出部材250は、キャップユニット234に設けられた検出片251と、キャリッジ201に設けられたセンサ部252と、を備えている。
検出片251は、上述したストッパ壁部81の上端部からX方向の他方に突出している。
センサ部252は、サイドプレート216aにおけるX方向の他方端部に設けられている。センサ部252は、発光部及び受光部を備えている。発光部及び受光部の間には、キャップユニット234がキャリッジ201に対して上昇する過程で、上述した検出片251が通過可能になっている。センサ部252は、例えば発光部から出射された光を受光部で受光しているON状態と、発光部から出射された光が検出片251により遮られたOFF状態と、を検出する。上述した制御部は、センサ部252の検出結果がOFF状態の場合にキャリッジ201がZ方向基準位置に位置していると判断する。制御部には、キャップユニット234がZ方向基準位置からキャリッジキャップ位置に上昇するのに必要なY方向の移動量や、Z方向基準位置からヘッドキャップ位置に上昇するのに必要なY方向の移動量がエンコーダパルスのカウント数として予め記憶されている。
次に、本実施形態におけるキャリッジキャップ方法及びヘッドキャップ方法について説明する。以下の説明では、キャリッジ201がクリーニング領域Cの払拭待機位置にあり、クリーニングユニット230がキャップ初期位置(対向位置、かつ開放位置)にある時点から説明する。
図21に示すように、キャップユニット234をキャリッジキャップ位置やヘッドキャップ位置に移動させるには、第1実施形態と同様に、キャリッジ201を払拭待機位置からY方向の外側に移動させる。これにより、キャリッジ201のY方向の外側への移動に伴い、キャップユニット234がキャリッジ201とともにY方向の外側へ移動する。
図24は、キャリッジキャップ方法を説明するための動作説明図である。
図24に示すように、キャップユニット234が開放位置からY方向の外側に移動する過程において、支持ピン79はユニットガイド231内をY方向の外側に向かうに従い上方に移動する。これにより、キャップユニット234は、Y方向の外側に向かうに従い上方に移動する。そして、キャップユニット234の検出片251は、上方に向かう過程でセンサ部252を遮ることで、上述したZ方向基準位置に到達する。なお、キャップユニット234がZ方向基準位置に到達することで、センサ部252からは制御部にOFF状態の検出信号が出力される。
制御部は、センサ部252からOFF状態の検出信号を受信すると、所定のエンコーダパルス数だけY方向の外側にキャリッジ201を移動させる。これにより、キャリッジ201のY方向の外側への移動に伴い、キャップユニット234が所定量上昇することで、キャリッジキャップ位置に到達する。
図25は、ヘッドキャップ方法を説明するための動作説明図である。
図25に示すように、キャップユニット234をヘッドキャップ位置に移動させる場合には、センサ部252からOFF状態の検出信号を受信した時点から所定のエンコーダパルス数だけキャリッジ201をY方向の外側に移動させる。これにより、キャリッジ201のY方向の外側への移動に伴い、キャップユニット234が所定量上昇することで、ヘッドキャップ位置に到達する。
このように、本実施形態では、キャップユニット234とインクジェットヘッド5とのZ方向における相対位置(Z方向基準位置)を検出するキャップ位置検出部材250を備える構成とした。
この構成によれば、キャップユニット234とインクジェットヘッド5とのZ方向における相対位置を検出することで、キャリッジキャップ位置やヘッドキャップ位置において確実にインクジェットヘッド5をキャップできる。すなわち、被記録媒体Pの種類(材質や厚さ等)に応じてキャリッジ201(インクジェットヘッド5)の高さが出荷時から変更された場合において、キャップ位置検出部材250による検出位置がY方向でずれるものの、Z方向基準位置は一定に保たれる。そのため、キャリッジキャップ位置やヘッドキャップ位置を、Z方向基準位置からの距離にそれぞれ設定しておくことで、払拭待機位置でのインクジェット5の高さに関わらず、確実にインクジェットヘッド5をキャップできる。その結果、インクの乾燥を確実に抑制できる。
本実施形態では、キャリッジキャップ位置及びヘッドキャップ位置において、キャリッジベース215の周囲を取り囲むシール部材240を備える構成とした。
この構成によれば、例えばシール部材がキャリッジベース215にZ方向で対向する場合と異なり、キャップユニット234が上昇する過程で、シール部材がキャップユニット234とキャリッジベース215との間でZ方向に挟まれるのを防ぐことができる。これにより、キャリッジキャップ位置からヘッドキャップ位置へ移動する過程で、キャップユニット234の上昇がシール部材によって規制されるのを防ぐことができる。その結果、各キャップ位置において、キャリッジベース215とキャリッジキャップ78との間をシールでき、インクの乾燥を確実に抑制できる。
ところで、仮にシール部材がキャリッジベース215にZ方向で対向する構成を採用した場合には、キャップユニット234が上昇する過程でシール部材240とキャリッジベース215との距離が変動するため、各キャップ位置でシール効果が変動する。また、キャリッジ201(インクジェットヘッド5)の高さが出荷時から変更された場合等においても、双方のキャップ位置でシール効果が変動する。
これに対して、本実施形態では、シール部材240とキャリッジベース215とがZ方向でオーバーラップしている領域で、リップ部242の先端部とキャリッジベース215の外周面との距離(X方向及びY方向の距離)が一定に維持される。その結果、各キャップ位置で一定のシール効果を得ることができる。
さらに、シール部材240とキャリッジベース215の外周面とが接触している場合には、キャップユニット234とキャリッジ201とのZ方向への相対移動の際にシール部材240がキャリッジベース215の外周面を摺動することになる。そのため、仮にシール部材240とキャリッジベース215との間でインク等が凝固したとしても、シール部材240とキャリッジベース215とが離脱し易い。
本実施形態では、シール部材240がキャリッジベース215の周囲を取り囲むことで、各インクジェットヘッド5をまとめて取り囲む構成とした。
この構成によれば、各インクジェットヘッド5を個別に取り囲む構成に比べてキャップ着脱時の気圧変動が少ない。そのため、ノズル孔31,32に形成されたメニスカスが破壊されるのを抑制できる。
本実施形態では、キャリッジベース215の下端外周縁に面取り219が形成されている構成とした。
この構成によれば、キャップユニット234がキャリッジキャップ位置やヘッドキャップ位置に向かう過程で、キャリッジベース215の下端縁を通過する際、シール部材240がキャリッジベース215の角部に接触するのを抑制できる。これにより、各キャップ位置へのスムーズな移行が可能になるとともに、シール部材240の耐久性も向上させることができる。
上述した第2実施形態では、キャップ位置検出部材250にフォトインタラプタセンサを用いた場合について説明したが、この構成のみに限られない。例えばマイクロスイッチや近接センサ等を用いても構わない。
上述した実施形態では、キャリッジキャップ位置及びヘッドキャップ位置の双方を、Z方向基準位置に基づいて設定する構成について説明したが、これに限られない。少なくともヘッドキャップ位置をZ方向基準位置に基づいて設定する構成であれば構わない。
(変形例)
上述した実施形態では、ユニットガイド71,231にカム溝を採用した場合について説明したが、この構成のみに限られない。
例えば、図26に示すように、キャップユニット66とユニットフレーム65(図5参照)との間を回動可能なリンクバー300で連結しても構わない。具体的に、リンクバー300の第1端部は、X方向に延びる回動軸301回りにキャップユニット66に回動可能に連結されている。リンクバー300の第2端部は、X方向に延びる回動軸302回りにユニットフレーム65に回動可能に連結されている。
この構成によれば、図26、図27に示すように、キャップユニット66がストッパ壁部81を介してY方向の外側に押圧されることで、キャップユニット66がキャリッジ21とともにY方向の外側へ移動する。この際、リンクバー300が各回動軸301,302回りに回動することで、キャップユニット66がY方向の外側に向かうに従い上方に移動する。これにより、上述したキャリッジキャップ位置やヘッドキャップ位置になる。
なお、図26、図27の構成において、第2実施形態のようなキャップ位置検出部材250(図20参照)を搭載しても構わない。この場合には、Z方向基準位置からキャリッジキャップ位置やヘッドキャップ位置までの上昇量や、リンクバー300の回転量に応じたキャップユニット66の上昇量に基づいて、各キャップ位置までのY方向の移動量を算出する。これにより、上述した第2実施形態のようにインクジェット5の高さに関わらず、確実にインクジェットヘッド5をキャップできる。
また、図28に示すように、カム310によってキャップユニット66を上下動させる構成であっても構わない。カム310は、例えば楕円形状に形成されている。カム310は、X方向に延びる中心軸(短軸と長軸との交点)回りに回転可能に構成されている。カム310の外周面は、キャップユニット66の下面に摺接可能に構成されている。
この構成によれば、キャリッジ21が払拭待機位置に到達した時点でカム310を回転させる。すると、図28、図29に示すように、キャップユニット66は、カム310の回転に伴い徐々に上方に移動する。これにより、上述したキャリッジキャップ位置やヘッドキャップ位置になる。なお、図28、図29の構成においても、第2実施形態のようなキャップ位置検出部材250(図20参照)を搭載しても構わない。この場合には、Z方向基準位置からキャリッジキャップ位置やヘッドキャップ位置までの上昇量を、カム310の回転量として予め制御部に記憶しておくことが好ましい。
本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、液体噴射装置の一例として、インクジェットプリンタ1を例に挙げて説明したが、プリンタに限られるものではない。例えば、ファックスやオンデマンド印刷機等であっても構わない。
上述した実施形態では、クリーニング装置に対してインクジェットヘッド(キャリッジ)が移動する構成について説明したが、この構成のみに限らず、インクジェットヘッド(キャリッジ)に対してクリーニング装置が移動する構成であっても構わない。
上述した実施形態では、ノズル孔31,32が二列並んだ二列タイプのインクジェットヘッドについて説明したが、これに限られない。例えば、ノズル孔が三列以上のインクジェットヘッドとしてもよく、ノズル孔が一列のインクジェットヘッドとしてもよい。
上述した実施形態では、エッジシュートタイプのインクジェットヘッド5を例にして説明したが、この構成に限られない。すなわち、インクジェットヘッド5は、吐出チャネルにおけるチャネル延在方向の中央部からインクを吐出する、いわゆるサイドシュートタイプであっても構わない。
上述した実施形態では、各チャネル43,44がZ方向に沿って直線状に形成された構成について説明したが、これに限らず、Z方向に交差する方向に延在していても構わない。
上述した実施形態では、インクタンク13がキャリッジ21とは別(筐体7)に搭載された、いわゆるオフキャリッジ型のプリンタ1について説明したが、この構成のみに限られない。すなわち、インクタンクをキャリッジ21に搭載した、いわゆるオンキャリッジ型のプリンタに採用しても構わない。また、オフキャリッジ型において、キャリッジ21にサブタンクを搭載しても構わない。
なお、図30に示すブレード機構115のように、第1ブレード121の先端部を、ノズル列56,57を払拭する部分と、ノズルガード37を払拭する部分と、で分割しても構わない。この構成によれば、インクジェットヘッド5の吐出面が凹凸面となっている場合であっても、ノズルガード37の下面で構成される凸部と、ノズルプレート35の下面で構成される凹部と、に均一にブレード機構115を接触させることができる。これにより、吐出面の全体を確実に払拭できる。
また、第2ブレード122の先端部のうち、ノズル列56,57に対応する部分に、第1ブレード121から離間する方向に窪む凹部200を形成しても構わない。この構成によれば、吐出面のうちノズル列56,57周辺に付着したインクを効率的に吸引できるので、吐出面に付着したインクによる吐出性能の低下を抑制できる。
上述した実施形態では、キャップユニットがヘッドキャップ位置において吐出面に当接する構成について説明したが、この構成に加えて、ノズル孔31,32を通してインクを吸引する構成であっても構わない。
上述した実施形態では、各キャップ位置においてキャリッジを取り囲む構成について説明したが、この構成のみに限らず、各インクジェットヘッド5をそれぞれ取り囲む構成であっても構わない。
上述した実施形態では、シール部材240がキャリッジキャップ位置及びヘッドキャップ位置の双方においてキャリッジベース215を取り囲む構成について説明したが、この構成のみに限られない。例えば少なくともヘッドキャップ位置において、シール部材240がキャリッジベース215を取り囲む構成であっても構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせても構わない。
1…インクジェットプリンタ(液体噴射装置)
5…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)
6…クリーニング装置
31…第1ノズル孔(噴射孔)
32…第2ノズル孔(噴射孔)
66…キャップユニット
67…ブレードユニット
75…ヘッドキャップ機構
81…ストッパ壁部(係合部)
219…面取り
240…シール部材

Claims (10)

  1. 液体噴射ヘッドのうち噴射孔が開口する噴射面の法線方向に沿って移動可能とされ、前記噴射面をキャップするキャップユニットを有し、
    前記キャップユニットは、
    前記噴射孔を開放する開放位置と、
    前記噴射面に対して前記法線方向で近接した状態で前記噴射孔を覆う第1キャップ位置と、
    前記噴射面に前記法線方向で当接した状態で前記噴射孔を封止する第2キャップ位置と、の間を移動可能に構成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドのクリーニング装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射ヘッドのクリーニング装置において、
    前記キャップユニットと前記液体噴射ヘッドとの前記法線方向における相対位置を検出する検出部材を備えている液体噴射ヘッドのクリーニング装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の液体噴射ヘッドのクリーニング装置において、
    前記キャップユニットは、前記第1キャップ位置及び第2キャップ位置において、前記液体噴射ヘッドの周囲を取り囲む弾性変形可能なシール部材と、を備えていることを特徴とする液体噴射ヘッドのクリーニング装置。
  4. 請求項3に記載の液体噴射ヘッドのクリーニング装置において、
    前記液体噴射ヘッドは、キャリッジに複数搭載され、
    前記シール部材は、前記第1キャップ位置及び第2キャップ位置において、前記キャリッジの周囲を取り囲むことで、複数の前記液体噴射ヘッドをまとめて取り囲んでいることを特徴とする液体噴射ヘッドのクリーニング装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の液体噴射ヘッドのクリーニング装置において、
    前記キャップユニットは、前記第2キャップ位置において、前記液体噴射ヘッドの前記噴射面に当接するヘッドキャップ機構を備え、
    前記ヘッドキャップ機構には、洗浄液が含浸されることを特徴とする液体噴射ヘッドのクリーニング装置。
  6. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の液体噴射ヘッドのクリーニング装置において、
    前記キャップユニットは、前記噴射面の接線方向のうち前記液体噴射ヘッドの主走査方向で係合する係合部を備え、
    前記キャップユニットは、前記液体噴射ヘッドが前記係合部に係合した状態で、前記液体噴射ヘッドの前記主走査方向への移動に伴い前記法線方向に移動可能とされていることを特徴とする液体噴射ヘッドのクリーニング装置。
  7. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の液体噴射ヘッドのクリーニング装置において、
    前記噴射面の接線方向のうち前記液体噴射ヘッドの主走査方向に交差する副走査方向で前記キャップユニットに並んで配置され、前記噴射面を払拭するブレードユニットを備え、
    前記ブレードユニット及び前記キャップユニットは、前記副走査方向に一体で移動可能とされていることを特徴とする液体噴射ヘッドのクリーニング装置。
  8. 請求項7に記載の液体噴射ヘッドのクリーニング装置において、
    前記ブレードユニットは、前記法線方向で前記噴射面に当接可能な払拭位置と、前記法線方向で前記噴射面から離間した離間位置と、の間を移動可能とされていることを特徴とする液体噴射ヘッドのクリーニング装置。
  9. 液体噴射ヘッドと、
    請求項1から請求項7の何れか1項に記載のクリーニング装置と、を備えていることを特徴とする液体噴射装置。
  10. 請求項4に記載のクリーニング装置と、
    液体が噴射される噴射孔を有する液体噴射ヘッドと、
    複数の前記液体噴射ヘッドが搭載されたキャリッジと、を備え、
    前記キャリッジは、前記液体噴射ヘッドにおいて前記噴射孔が開口する噴射面の法線方向で前記クリーニング装置と対向する対向位置に、前記クリーニング装置に対して移動可能に構成され、
    前記キャリッジのうち、前記対向位置において前記法線方向で前記クリーニング装置側に位置する端部の外周縁には、面取りが形成されていることを特徴とする液体噴射装置。
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