JP2017185553A - 把持装置及び産業用ロボット - Google Patents
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Abstract
【課題】小さな押し付け荷重で又は押し付け荷重を与えずに、より確実にワークを把持することができる把持装置及び産業用ロボットを提供する。【解決手段】把持本体28Aと、前記把持本体28A内に収容された粉粒体34とを備える把持装置10Aであって、前記把持本体28Aは、掌部30と、前記掌部30の周囲に突出して設けられ、前記掌部30を厚さ方向に変形させることにより前記掌部30に向かって倒れる複数の指部32とを有することを特徴とする。【選択図】図4
Description
本発明は、把持装置及び産業用ロボットに関するものである。
ワークを把持することを目的とした把持装置として、主に吸着ハンドや2指型グリッパ(例えば、特許文献1)が利用されているが、これらは機構上、サイズや形状が異なるワークを汎用的に把持することができない場合がある。そのため、多品種少量生産のように、把持するワークの種類が多い作業現場においては、ツールチェンジャーや人による取り替え作業が必要となってしまうため、生産効率が低下してしまう。さらに食品に代表されるような、柔軟かつ不定形なワークを傷めずに把持することができないという問題があった。
これに対し、人間の手の形状に近い機構を有する5指型の把持装置の検討もされている(例えば、特許文献2)。ところが、5指型の把持装置では人間の手に近い複雑な動作を実現する為に、動作や制御機構が非常に複雑なため、導入を困難にする要因となっている。
さらに密閉されたゴム状の袋と、当該ゴム袋に充填された粉体とを有し、粉粒体のJamming転移を利用した把持装置が開発されている(例えば、特許文献3)。この把持装置は、ゴム袋をワークに追従させた状態で把持できるので、簡単な制御で様々なワークに対応することができる。
しかしながら、上記特許文献3に係る把持装置は、把持力を発現するために強い力でワークへ押し付ける必要があるので、食品のような柔軟なワークを痛めてしまうという問題がある。また把持装置は、ワークへ押し付ける力が弱い場合、ゴム袋のワークに対する追従性が著しく低下するので、把持できるワークが限られてしまう。
本発明は、小さな押し付け荷重で又は押し付け荷重を与えずに、より確実にワークを把持することができる把持装置及び産業用ロボットを提供することを目的とする。
本発明に係る把持装置は、把持本体と、前記把持本体内に収容された粉粒体とを備える把持装置であって、前記把持本体は、掌部と、前記掌部の周囲に突出して設けられ、前記掌部を厚さ方向に変形させることにより前記掌部に向かって倒れる複数の指部とを有することを特徴とする。
本発明に係る産業用ロボットは、上記把持装置を設けたことを特徴とする。
把持装置は、掌部を厚さ方向に変形させることにより前記掌部に向かって指部が倒れ、指部がワークに接触することにより、把持本体とワークとの接触面積が増加する。指部は、掌部の周囲に突出して設けられているので、従来の球体がワークの形状に合わせて変形する場合に比べ、容易に変形する。また掌部は、把持本体内を減圧したり、物理的に掌部を引っ張ったりすることによっても掌部を厚さ方向に変形させることができるので、掌部がワークに接触せずにワークを把持することができる。したがって本発明によれば、小さな押し付け荷重で又は押し付け荷重を与えずに、より確実にワークを把持することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(全体構成)
図1に、本実施形態に係る把持装置10Aを適用した産業用ロボット12の構成を示す。産業用ロボット12は、直交ロボットであって、レール14と、レール14に沿って移動する移動体16と、移動体16に固定されたエアシリンダ−18とを備える。レール14は、図中Y軸方向に移動可能に設けられている。
図1に、本実施形態に係る把持装置10Aを適用した産業用ロボット12の構成を示す。産業用ロボット12は、直交ロボットであって、レール14と、レール14に沿って移動する移動体16と、移動体16に固定されたエアシリンダ−18とを備える。レール14は、図中Y軸方向に移動可能に設けられている。
エアシリンダ−18は、シリンダーチューブ19と、シリンダーチューブ19に対し進退可能に設けられたピストンロッド20とを有する。シリンダーチューブ19には、配管21、22が設けられている。当該配管21、22を通じて、気体が給排気されることにより、ピストンロッド20がシリンダーチューブ19に対し進退可能となっている。ピストンロッド20の先端には、把持装置10Aが設けられている。
産業用ロボット12は、水平な基台26上に置かれたワークWを、把持装置10Aで把持すると共に、X軸、Y軸、及びZ軸方向に移動可能に構成されている。
把持装置10Aは、ピストンロッド20に連結されたケース36と、当該ケース36に固定された把持本体28Aとを備える。ケース36には、配管24が連結されている。把持本体28Aは、気密性と弾性とを有する材料、例えば、天然ゴムや、合成ゴムなどで形成することができる。
図2に示すように把持本体28Aは、掌部30と、掌部30の周縁に突出して設けられた複数の指部32とを有する。掌部30は略円盤状をなしている。指部32は、掌部30と一体に形成されており、掌部30を囲むように放射状に5個設けられている。指部32同士の間には、所定の間隔が形成されている。指部32は、内面31が掌部30と一体に形成されている。指部32の外形形状は、適宜選択することができ、例えば、円柱、円錐、円錐台、三角柱、四角柱、三角錐、四角錐、四角錐台などでもよい。本実施形態の場合、指部32は、同一形状で構成されている。なお複数の指部32は、全て同一形状である必要はなく、形状が異なっていてもよい。指部32は、三角柱を倒した形状を有し、内面31が、掌部30に接合している基端から先端に向かって外側に傾斜するように形成されている。
把持本体28Aは、掌部30を厚さ方向(図2、矢印方向)に押す力が作用すると、当該力によって内面31が引っ張られ、指部32が掌部30へ向かって倒れるように弾性変形する(図3)。
図4に示すように把持本体28Aは、掌部30及び指部32が形成されている表面とは逆側の面に開口を有する袋状の部材からなり、内部に粉粒体34が収容されている。把持本体28Aは、開口の周縁に一体形成されたフランジ部33においてケース36に固定されており、当該ケース36によって開口が密閉されている。
ケース36には、貫通穴37が設けられている。配管24は、一端が、貫通穴37に挿入され、把持本体28Aに通じている。配管24の他端は、図示しないが、例えば三方弁を介して真空ポンプに接続されている。三方弁は、真空ポート、給排気ポート、大気解放ポートを有し、真空ポートが真空ポンプに、給排気ポートが把持装置10Aに、大気解放ポートが外部にそれぞれ接続される。当該配管24を通じて、気体が、把持本体28Aの内から外へ、及び把持本体28Aの外から内へ、流通し得るように構成されている。
粉粒体34は、適宜選択することができ、例えば、アルミナ、活性炭、発泡スチロール、ガラスビーズ、乾燥した豆や木片などの集合体で形成することができる。粉粒体34の充填率は、把持本体28Aの20〜80%程度が好ましく、40〜60%がより好ましい。充填率は、把持本体28A内に充填した粉粒体の重量をA、把持本体28A内に最密充填した場合の粉粒体の重量をBとすると、A/B×100(%)で表される。
(動作及び効果)
上記のように構成された把持装置10Aが設けられた産業用ロボット12の動作及び効果について説明する。産業用ロボット12は、ピストンロッド20がシリンダーチューブ19内に退避し、エアシリンダ−18が収縮した状態を原点とする。また把持装置10Aは、初期状態において把持本体28A内の圧力が大気圧である。すなわち三方弁は、真空ポートが遮断され、給排気ポートが大気解放ポートと繋がっている状態である。
上記のように構成された把持装置10Aが設けられた産業用ロボット12の動作及び効果について説明する。産業用ロボット12は、ピストンロッド20がシリンダーチューブ19内に退避し、エアシリンダ−18が収縮した状態を原点とする。また把持装置10Aは、初期状態において把持本体28A内の圧力が大気圧である。すなわち三方弁は、真空ポートが遮断され、給排気ポートが大気解放ポートと繋がっている状態である。
産業用ロボット12は、移動体16がレール14に沿って移動することで、基台26上に置かれたワークWの鉛直線上に把持装置10Aを位置決めする(図1)。次いで、産業用ロボット12は、ピストンロッド20がシリンダーチューブ19から進出することにより、エアシリンダ−18を伸長させ、把持装置10AをワークWへ押し付ける。
把持装置10Aは、把持本体28Aの掌部30にワークWが押し付けられることにより、掌部30を厚さ方向に押す力が作用する(図2、図4矢印)。当該力によって、図5に示すように、掌部30は上方へ変形する。掌部30が上方へ変形するのに伴い、指部32の内面31が上方へ引っ張られる。そうすると指部32は、掌部30へ向かって倒れるように弾性変形する。これにより指部32は、主に内面31がワークW表面に接触する。本図に示す球状のワークWの場合、指部32はワークWの下側まで回り込んでワークW表面に接触する。
次いで三方弁は、大気解放ポートが遮断され、給排気ポートが真空ポートと繋がった状態に切り替えられる。これにより把持装置10Aは、配管24を通じて、把持本体28A内の気体を吸引し、把持本体28A内の圧力を−0.05MPa以下に減圧する。そうすると把持本体28A内に収容された粉粒体34が硬化する。このようにして把持装置10Aは、指部32がワークW表面に接触した状態で把持本体28Aを硬直化することで、ワークWを把持する。
次いで産業用ロボット12は、ピストンロッド20をシリンダーチューブ19内に退避させてエアシリンダ−18を収縮することにより、ワークWを基台26から持ち上げることができる。さらに産業用ロボット12は、移動体16がレール14に沿って移動することにより、水平方向へワークWを移動することができる。
所望の場所へ移動した後、産業用ロボット12は、ピストンロッド20がシリンダーチューブ19から進出することにより、ワークWが基台26に接触するまでエアシリンダ−18を伸長させる。次いで、三方弁は、真空ポートが遮断され、給排気ポートが大気解放ポートと繋がっている状態に切り替えられる。そうすると把持本体28A内へ大気解放ポートから配管24を通じて気体が流入する。これにより把持本体28A内の圧力が大気圧に戻り、硬化していた粉粒体34が軟化し、流動し得る状態になる。このようにして把持装置10Aは、把持本体28Aが弾性変形可能な状態に戻り、ワークWを手放せるようになる。
次いで、産業用ロボット12は、ピストンロッド20をシリンダーチューブ19内に退避させてエアシリンダ−18を収縮することにより、把持装置10AをワークWから切り離す。以上のようにして産業用ロボット12は、基台26上に置かれたワークWを、把持装置10Aで把持することにより、所望の位置へ移動することができる。
本実施形態の場合、把持装置10Aは、ワークWが掌部30を厚さ方向に押す力により、掌部30を厚さ方向に変形させる。これにより、前記掌部30に向かって指部32が倒れ、指部32がワークWに接触することにより、把持本体28AとワークWとの接触面積が増加する。しかも指部32は、掌部30の周囲に突出して設けられているので、従来の球体がワークの形状に合わせて変形する場合に比べ、容易に変形する。したがって把持装置10Aは、小さな押し付け荷重でより確実にワークWを把持することができる。
把持装置10Aは、指部32の内面31が、掌部30に接合している基端から先端に向かって外側に傾斜するように形成されていることにより、指部32の可動域が広がるので、大きさが異なるワークWに適用することができる。
上記実施形態の場合、ワークWが掌部30を厚さ方向に押す力により、掌部30を厚さ方向に変形させる場合について説明したが、本発明はこれに限らない。すなわち把持装置10Aは、把持本体28A内の圧力を−0.05MPa以下に減圧することによっても、掌部30を厚さ方向に変形させることができる。この場合、図6に示すように、ワークWは、掌部30と接触している必要はない。すなわち把持装置10Aは、掌部30がワークWに接触する直前で、把持本体28A内を減圧すると、掌部30が上方へ変形する。掌部30が上方へ変形するのに伴い、指部32の内面31が上方へ引っ張られる。そうすると指部32は、掌部30へ向かって倒れるように弾性変形する。これにより指部32は、主に内面31がワークWの側面に接触する。このようにして把持装置10Aは、押し付け荷重をワークWに与えずに、ワークWを把持することができる。
また把持装置10Aは、図7に示すように、指部32に爪部35Aを設けることとしてもよい。爪部35Aは、合成樹脂製の板状部材であって、指部32の外面に設けられる。把持装置10Aは、指部32に爪部35Aを設けることにより、麺などの細いワークWを容易に把持することができる。さらに把持装置10Aは、指部32の内面31に摩擦係数の高い摩擦力付与部(図示しない)を設けることとしてもよい。摩擦力付与部は、合成樹脂製のフィルムや紙やすりなどを用いることができる。摩擦力付与部を指部32の内面31に設けることにより、把持装置10Aは、ワークW表面と指部32の内面31の摩擦力が増加するので、より確実にワークWを把持することができる。
さらに把持装置10Aは、図8に示すように、指部32に円錐状の爪部35Bを設けることとしてもよい。爪部35Bは、先端が針状に尖っている。把持装置10Aは、把持本体28A内の圧力を−0.05MPa以下に減圧して、掌部30を厚さ方向に変形させる。掌部30の変形に伴い、指部32が掌部30へ向かって弾性変形することにより、把持装置10Aは、爪部35Bの先端がワークW側面に突き刺さるようにしてワークWを保持する。把持装置10Aは、把持本体28A内を減圧して、ワークWの側面を爪部35Bで支持することにより、掌部30をワークW表面に接触させずに、ワークWを保持することができる。すなわち、把持装置10Aは、爪部35BでワークWの側面を支持することにより、ワークWの上面に触れずに、ワークWを把持することができる。
図9及び図10に示すように、爪部35Cは、指サック状の部材であってもよい。爪部35Cは、指サック状の部材で構成することにより、指部32に着脱自在に固定することができる。したがって爪部35Cは、用途に合わせて容易に変更することができる。爪部35Cの先端の形状は、特に限定されない。同図には、円錐形状の爪部35Cを例示しているが、本発明はこれに限らず、半球状、多角形状などであってもよい。
実際に、上記実施形態に対応する把持装置10Aを作製し、ワークWとしてミカン及びキウイを把持できるか検証した。把持本体28A(図11)は、材質:NBR、ショアA硬度:70、厚さ1mm、H:112mm、D:57mmとした。粉粒体34は、材質:活性炭、粒径:500μm、安息角:0degとし、充填率は、60%とした。
比較として図12に示す把持装置100(エンパイアロボティクス社製、VERSABALL、型番:Research Kit Model CV2-1、H:165mm、D:110mm)を用いて検証した。
図1に示す産業用ロボット12のピストンロッド20の先端に把持装置10Aを固定した。把持本体28Aの先端から基台26表面までの距離が100mmの位置に把持装置10Aを保持した状態を原点とし、ワークWに向かって把持装置10Aを100mm下降させた。次いで把持本体28A内を−0.1MPaまで減圧した後、把持装置10Aを上昇させた。この結果、実施形態に対応する把持装置10Aは、ミカン及びキウイのいずれのワークWも傷めずに基台26から持ち上げることができ、しかもワークWを手で触っても取り外せない状態を1分以上維持することができた。
一方、把持装置100は、ワークWに向かって把持装置100を100mm下降させた段階で、本発明のような掌部を厚さ方向に押す力により前記掌部に向かって倒れる複数の指部を有していないことから、いずれのワークWも押し潰してしまい、把持することができなかった。
このことから、本実施形態に係る把持装置10Aは、従来に比べ、小さい押し付け荷重でより確実にワークWを把持できることが確認された。
(変形例)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
上記実施形態の場合、把持装置10Aは、複数の指部32が均等に5個配置されている場合について説明したが、本発明はこれに限らず、2個以上であればよい。また指部32は、必ずしも掌部30に対し均等に配置されている必要はなく、掌部30に対し偏った位置に配置されていてもよい。
図13に示すように、把持装置10Bの把持本体28Bは、指部40を3個有することとしてもよい。この場合、把持装置10Bは、掌部39を厚さ方向に押す力により前記掌部39に向かって指部40が倒れるので、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また図14に示すように、把持本体28Cは、掌部41を中心とした同心円状に指部42、44を配置することとしてもよい。本図に示す把持本体28Cは、三角形の板状の指部42、44が掌部41を中心とした2個の同心円状にそれぞれ5個ずつ交互に配置されている。外側の円周上に配置される指部42は、内側の円周上に配置される指部44より、大きく形成されている。これにより把持装置10Cは、先端が細くなっているワークWなど、より複雑な形状のワークWをより確実に把持することができる。また、外側の円周上に配置される指部42と、内側の円周上に配置される指部44とが、異なる大きさであることにより、1つの把持本体28Cを用いて異なる形状のワークWをより確実に把持することができる。外側の円周上に配置される指部42と、内側の円周上に配置される指部44は、同じ形状、同じ大きさでもよい。また掌部を中心とした3個以上の同心円状に指部を配置してもよい。
図15に示すように、把持本体28Dは、指部46を10個有することとしてもよい。また指部46は、内面47が、掌部45の表面に対し略直交するように形成されている。把持装置10Dは、このような指部46を有することにより、ワークWとの接触面積がより増加するので、重量の大きいワークWをより確実に把持することができる。
上記実施形態では、水平な基台26上のワークWを把持する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば垂直に設けられた側壁に保持されたワークWを把持する場合にも適用可能である。
上記実施形態では、産業用ロボット12として直交ロボットの例を示したが、本発明はこれに限らず、スカラロボット、垂直多関節ロボットなどに適用することができる。すなわち把持装置は、産業用ロボットによってX軸、Y軸、Z軸を中心に回転しても、ワークWを把持した状態を維持することができる。
把持本体は、1種の材料で形成してもよいし、複数の異なる材料で形成された膜を積層して形成してもよい。また把持本体は、部分的に異なる材料で形成してもよい。
上記実施形態では、ワークWが掌部30を厚さ方向に押す力により掌部30を厚さ方向に変形させる場合、及び、把持本体28A内の圧力を−0.05MPa以下に減圧することによって掌部30を厚さ方向に変形させる場合について説明したが、本発明はこれに限らない。図16及び図17に示すように、物理的な方法によって掌部30を厚さ方向に変形させることとしてもよい。把持装置50は、変形力付与部としてエアシリンダ−52を備える。エアシリンダ−52は、シリンダーチューブ53と、当該シリンダーチューブ53に対し進退可能に設けられたピストンロッド54とを有する。シリンダーチューブ53は、ケース36の略中央に形成された貫通穴に固定されている。シリンダーチューブ53とケース36の間は、シールされており、気密が保たれている。ピストンロッド54は、先端が掌部30の裏面に固定されている。ピストンロッド54がシリンダーチューブ53に対し進出した状態において、把持本体28Aは、掌部30が厚さ方向に変形していない、初期状態となる(図16)。一方、ピストンロッド54がシリンダーチューブ53内に退避することにより、掌部30は厚さ方向に変形する(図17)。ピストンロッド54がシリンダーチューブ53内に退避した状態で、把持本体28A内の圧力を−0.05MPa以下に減圧することによって、指部32がワークW表面に接触した状態で把持本体28Aを硬直化する。把持本体28Aが硬直化することで、把持装置50は、ワークWを把持することができる。また、把持本体28Aは、内部の圧力が大気圧に戻ることにより、弾性変形可能な状態になる。ついで把持装置50は、ピストンロッド54がシリンダーチューブ53から進出することにより、掌部30が厚さ方向に変形していない、初期状態となり、ワークWを手放すことができる。このようにして把持装置50は、押し付け荷重をワークWに与えずに、ワークWを把持することができる。変形力付与部は、エアシリンダ−に限らず、電動シリンダー、ノック機構、ワイヤ巻取り機構などを用いることができる。
10A〜10D 把持装置
12 産業用ロボット
28A〜28D 把持本体
30、39、41、45 掌部
32、40、42、44,46 指部
34 粉粒体
35A、35B、35C 爪部
52 エアシリンダ−(変形力付与部)
12 産業用ロボット
28A〜28D 把持本体
30、39、41、45 掌部
32、40、42、44,46 指部
34 粉粒体
35A、35B、35C 爪部
52 エアシリンダ−(変形力付与部)
Claims (8)
- 把持本体と、前記把持本体内に収容された粉粒体とを備える把持装置であって、
前記把持本体は、
掌部と、
前記掌部の周囲に突出して設けられ、前記掌部を厚さ方向に変形させることにより前記掌部に向かって倒れる複数の指部と
を有することを特徴とする把持装置。 - 前記複数の指部が、前記掌部の周縁に放射状に配置されていることを特徴とする請求項1記載の把持装置。
- 前記複数の指部が、前記掌部を中心とした同心円状に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の把持装置。
- 前記複数の指部に、爪部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の把持装置。
- 前記爪部は、先端が針状に尖っていることを特徴とする請求項4記載の把持装置。
- 前記複数の指部の内面に、ワークとの間に摩擦力を発生させる摩擦力付与部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の把持装置。
- 前記掌部を厚さ方向に変形させる変形力付与部が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の把持装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の把持装置を設けたことを特徴とする産業用ロボット。
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