JP2017185193A - クッション体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高いクッション性のクッション体を提供することを課題とする。【解決手段】複数の発泡粒子を封入することで構成されるクッション体であって、前記発泡粒子が熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含み、かつ5〜220kPaの25%圧縮応力を有することを特徴とするクッション体により課題を解決する。【選択図】なし
Description
本発明は、クッション体に関する。更に詳しくは、本発明は、ベッド、マットレス、枕、ぬいぐるみ、クッション、玩具、緩衝材、シール材、防音材、断熱材等として使用するに好適なクッション体に関する。
従来のクッション体として、綿、発泡粒子等の種々の充填材を使用したものが知られている。
綿を充填材とするクッション体は、流動性のない綿がスポンジのごとく圧縮され、綿の容積が縮小するように変形することでクッション性を発現するタイプのクッション体である。このクッション体には、手触りや感触を改良する要望が多く、加えて綿は吸湿しやすいため、適度に干したりしないとカビが生えることがあった。
綿を充填材とするクッション体は、流動性のない綿がスポンジのごとく圧縮され、綿の容積が縮小するように変形することでクッション性を発現するタイプのクッション体である。このクッション体には、手触りや感触を改良する要望が多く、加えて綿は吸湿しやすいため、適度に干したりしないとカビが生えることがあった。
発泡粒子を充填材とするクッション体は、充填した大きな粒子径をもつ発泡粒子が単に圧縮されて容積が縮小することでクッション性を発現するタイプのクッション体である。このクッション体も、上記綿のクッション体と同様、手触り及び感触に劣っていた。
本願出願人は、手触り及び感触を改善するために、ポリスチレン系樹脂を基材樹脂として含む発泡粒子を流動促進剤と共に袋体に封入したクッション体を提案している(特許第4505224号:特許文献1)。このクッション体は、発泡粒子同士が極めて小さな力で流動するため、手触り及び感触が飛躍的に向上している。
本願出願人は、手触り及び感触を改善するために、ポリスチレン系樹脂を基材樹脂として含む発泡粒子を流動促進剤と共に袋体に封入したクッション体を提案している(特許第4505224号:特許文献1)。このクッション体は、発泡粒子同士が極めて小さな力で流動するため、手触り及び感触が飛躍的に向上している。
しかしながら、特許文献1のクッション体は、一般に剛性が高いとされるポリスチレン系樹脂を基材樹脂として含む発泡粒子を使用しているため、発泡粒子自体のクッション性は低かった。特許文献1では、発泡粒子の流動性を上げて、クッション体に加えられた圧力を逃がすことで、クッション性を発現させている。しかし、そのようなクッション性では十分ではなく、更なる改善が望まれていた。
本発明の発明者等は、クッション性の改善を目的として鋭意検討した結果、粒子自体が柔軟性を有する熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含む発泡粒子を充填材として袋体に封入することで、クッション性を改善できることを見い出すことで本発明に至った。
かくして本発明によれば、複数の発泡粒子を封入することで構成されるクッション体であって、前記発泡粒子が熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含み、かつ5〜220kPaの25%圧縮応力を有することを特徴とするクッション体が提供される。
かくして本発明によれば、複数の発泡粒子を封入することで構成されるクッション体であって、前記発泡粒子が熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含み、かつ5〜220kPaの25%圧縮応力を有することを特徴とするクッション体が提供される。
本発明によれば、クッション性の高いクッション体を提供できる。また、発泡粒子自体が柔軟性を有するので、発泡粒子を充填する袋体に伸縮性がなくても、クッション性を向上できる。
以下のいずれかの場合、より高いクッション性のクッション体を提供できる。
(1)熱可塑性エラストマーが、アミド系エラストマー、オレフィン系エラストマー及びエステル系エラストマーから選択される。
(2)発泡粒子が、95%以上の繰返し圧縮回復率を有する。
以下のいずれかの場合、より高いクッション性のクッション体を提供できる。
(1)熱可塑性エラストマーが、アミド系エラストマー、オレフィン系エラストマー及びエステル系エラストマーから選択される。
(2)発泡粒子が、95%以上の繰返し圧縮回復率を有する。
クッション体は、袋体中に発泡粒子が充填材として封入された構成を有している。
(1)発泡粒子
発泡粒子は、熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含む。この発泡粒子は、熱可塑性エラストマーに由来する反発弾性を示す。この反発弾性は座り心地や手触り等の感触(クッション性)の飛躍的な改善をクッション体に与える。
熱可塑性エラストマーは、例えば、アミド系エラストマー、オレフィン系エラストマー及びエステル系エラストマーから選択できる。基材樹脂は、アミド系エラストマー、オレフィン系エラストマー及びエステル系エラストマーいずれかのみからなっていてもよく、これらエラストマーの混合物であってもよい。
(1)発泡粒子
発泡粒子は、熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含む。この発泡粒子は、熱可塑性エラストマーに由来する反発弾性を示す。この反発弾性は座り心地や手触り等の感触(クッション性)の飛躍的な改善をクッション体に与える。
熱可塑性エラストマーは、例えば、アミド系エラストマー、オレフィン系エラストマー及びエステル系エラストマーから選択できる。基材樹脂は、アミド系エラストマー、オレフィン系エラストマー及びエステル系エラストマーいずれかのみからなっていてもよく、これらエラストマーの混合物であってもよい。
(i)アミド系エラストマー
アミド系エラストマーは、架橋していてもよく、非架橋であってもよい。本明細書において、非架橋とは、樹脂粒子のアルコール系溶剤への不溶なゲル分率が3.0質量%以下のものを意味する。また、架橋とはこのゲル分率が3.0質量%より多いものを意味する。
アミド系エラストマーは、架橋していてもよく、非架橋であってもよい。本明細書において、非架橋とは、樹脂粒子のアルコール系溶剤への不溶なゲル分率が3.0質量%以下のものを意味する。また、架橋とはこのゲル分率が3.0質量%より多いものを意味する。
ここで、アミド系エラストマー(発泡粒子)のゲル分率は下記の要領で測定される。
発泡粒子の質量W1を測定する。次に、130℃のアルコール系溶剤(例えば、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール)100ミリリットル中に樹脂粒子を24時間に亘って浸漬する。
次に、アルコール系溶剤中の残渣を80メッシュの金網を用いて濾過し、金網上に残った残渣を130℃にて1時間に亘って乾燥させて、金網上に残った残渣の質量W2を測定し、下記式に基づいて発泡粒子のゲル分率を算出できる。
ゲル分率(質量%)=W2/W1×100
基材樹脂としては、非架橋のアミド系エラストマーが含まれていることが好ましい。
発泡粒子の質量W1を測定する。次に、130℃のアルコール系溶剤(例えば、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール)100ミリリットル中に樹脂粒子を24時間に亘って浸漬する。
次に、アルコール系溶剤中の残渣を80メッシュの金網を用いて濾過し、金網上に残った残渣を130℃にて1時間に亘って乾燥させて、金網上に残った残渣の質量W2を測定し、下記式に基づいて発泡粒子のゲル分率を算出できる。
ゲル分率(質量%)=W2/W1×100
基材樹脂としては、非架橋のアミド系エラストマーが含まれていることが好ましい。
アミド系エラストマーはビカット軟化温度が55〜170℃であることが好ましい。ビカット軟化温度が55℃を下回ると発泡後に常温に晒された時点で収縮することがある。170℃を超えると所望の嵩密度への発泡が困難となることがある。ビカット軟化温度は60〜165℃であることがより好ましい。
非架橋のアミド系エラストマーには、ポリアミドブロック(ハードセグメント)とポリエーテルブロック(ソフトセグメント)とを有するコポリマーを使用できる。
ポリアミドブロックとしては、例えば、ポリεカプラミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウラミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリナノメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)等のポリアミド構造が挙げられる。ポリアミドブロックは、これらポリアミド構造を構成する単位の組み合わせでもよい。
ポリエーテルブロックとしては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリテトラヒドロフラン(PTHF)等のポリエーテル構造が挙げられる。ポリエーテルブロックは、これらポリエーテル構造を構成する単位の組み合わせでもよい。
ポリアミドブロックとポリエーテルブロックはランダムに分散していてもよい。
ポリアミドブロックとしては、例えば、ポリεカプラミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウラミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリナノメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)等のポリアミド構造が挙げられる。ポリアミドブロックは、これらポリアミド構造を構成する単位の組み合わせでもよい。
ポリエーテルブロックとしては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリテトラヒドロフラン(PTHF)等のポリエーテル構造が挙げられる。ポリエーテルブロックは、これらポリエーテル構造を構成する単位の組み合わせでもよい。
ポリアミドブロックとポリエーテルブロックはランダムに分散していてもよい。
ポリアミドブロックの数平均分子量Mnは300〜15000であることが好ましく、600〜5000であることがより好ましい。ポリエーテルブロックの数平均分子量Mnは100〜6000であることが好ましく、200〜3000であることがより好ましい。
非架橋のアミド系エラストマーには、米国特許第4,331,786号明細書、米国特許第4,115,475号明細書、米国特許第4,195,015号明細書、米国特許第4,839,441号明細書、米国特許第4,864,014号明細書、米国特許第4,230,838号明細書及び米国特許第4,332,920号明細書に記載されたアミド系エラストマーも使用できる。
非架橋のアミド系エラストマーには、米国特許第4,331,786号明細書、米国特許第4,115,475号明細書、米国特許第4,195,015号明細書、米国特許第4,839,441号明細書、米国特許第4,864,014号明細書、米国特許第4,230,838号明細書及び米国特許第4,332,920号明細書に記載されたアミド系エラストマーも使用できる。
非架橋のアミド系エラストマーは、反応性末端を有するポリアミドブロックと反応性末端を有するポリエーテルブロックとの共重縮合で得られるものが好ましい。この共重縮合としては特に下記のものを挙げることができる:
(a)ジアミン鎖端を有するポリアミドブロックとジカルボン酸鎖端を有するポリオキシアルキレンブロックとの共重縮合、
(b)ポリエーテルジオールとよばれる脂肪族ジヒドロキシ化α,ω−ポリオキシアルキレン単位のシアノエチル化及び水素化で得られるジカルボン酸鎖端を有するポリアミド単位とジアミン鎖端を有するポリオキシアルキレン単位との共重縮合、
(c)ジカルボン酸鎖端を有するポリアミド単位とポリエーテルジオールとの共重縮合(この場合に得られるものを特にポリエーテルエステルアミドとよんでいる)。
(a)ジアミン鎖端を有するポリアミドブロックとジカルボン酸鎖端を有するポリオキシアルキレンブロックとの共重縮合、
(b)ポリエーテルジオールとよばれる脂肪族ジヒドロキシ化α,ω−ポリオキシアルキレン単位のシアノエチル化及び水素化で得られるジカルボン酸鎖端を有するポリアミド単位とジアミン鎖端を有するポリオキシアルキレン単位との共重縮合、
(c)ジカルボン酸鎖端を有するポリアミド単位とポリエーテルジオールとの共重縮合(この場合に得られるものを特にポリエーテルエステルアミドとよんでいる)。
ジカルボン酸鎖端を有するポリアミドブロックを与える化合物としては、例えば、α,ω−アミノカルボン酸、ラクタム又はジカルボン酸の連鎖調節剤の存在下でのジカルボン酸とジアミンの縮合で得られる化合物が挙げられる。
(a)の共重縮合の場合、非架橋のアミド系エラストマーは、例えば、ポリエーテルジオールと、ラクタム(又はα,ω−アミノ酸)と、連鎖制限剤のジアシッドとを少量の水の存在下で反応させて得ることができる。非架橋のアミド系エラストマーは、種々の長さのポリエーテルブロックとポリアミドブロックとを有していてもよく、更に各成分がランダムに反応することでポリマー鎖中に分散していてもよい。
(a)の共重縮合の場合、非架橋のアミド系エラストマーは、例えば、ポリエーテルジオールと、ラクタム(又はα,ω−アミノ酸)と、連鎖制限剤のジアシッドとを少量の水の存在下で反応させて得ることができる。非架橋のアミド系エラストマーは、種々の長さのポリエーテルブロックとポリアミドブロックとを有していてもよく、更に各成分がランダムに反応することでポリマー鎖中に分散していてもよい。
上記共重縮合時において、ポリエーテルジオールのブロックはそのまま用いてもよく、その水酸基とカルボキシ末端基を有するポリアミドブロックとを共重合して用いてもよく、その水酸基をアミノ化してポリエーテルジアミンに変換した後にカルボキシ末端基を有するポリアミドブロックと縮合して用いてもよい。また、ポリエーテルジオールのブロックをポリアミド前駆体及び連鎖制限剤と混合して共重縮合させることで、ランダムに分散させたポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを含むポリマーを得ることも可能である。
(ii)オレフィン系エラストマー
オレフィン系エラストマーは、架橋していてもよく、非架橋であってもよい。非架橋とは、発泡粒子のキシレンへの不溶なゲル分率が3.0質量%以下のものを意味する。また、架橋とはこのゲル分率が3.0質量%より多いものを意味する。
ここで、オレフィン系エラストマー(発泡粒子)のゲル分率は下記の要領で測定される
発泡粒子の質量W1を測定する。次に沸騰キシレン80ミリリットル中に発泡体を3時間還流加熱する。次にキシレン中の残渣を80メッシュの金網を用いてろ過し、金網上に残った残渣を130℃にて1時間に亘って乾燥させて、金網上に残った残渣の質量W2を測定し、下記式に基づいて発泡粒子のゲル分率を算出できる。
ゲル分率(質量%)=100×W2/W1
基材樹脂としては、非架橋のオレフィン系エラストマーが含まれていることが好ましい。
非架橋のオレフィン系エラストマーは、鉱物性油非含有下で、発泡体に所定の密度と圧縮永久ひずみを与え得るものが好ましい。非架橋のオレフィン系エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントとソフトセグメントを組み合わせた構造を有するものが挙げられる。このような構造は、常温でゴム弾性を示し、高温では可塑化され成形可能となるという性質を与える。
例えば、ハードセグメントがポリプロピレン系樹脂であり、ソフトセグメントがポリエチレン系樹脂である非架橋のオレフィン系エラストマーが挙げられる。
オレフィン系エラストマーは、架橋していてもよく、非架橋であってもよい。非架橋とは、発泡粒子のキシレンへの不溶なゲル分率が3.0質量%以下のものを意味する。また、架橋とはこのゲル分率が3.0質量%より多いものを意味する。
ここで、オレフィン系エラストマー(発泡粒子)のゲル分率は下記の要領で測定される
発泡粒子の質量W1を測定する。次に沸騰キシレン80ミリリットル中に発泡体を3時間還流加熱する。次にキシレン中の残渣を80メッシュの金網を用いてろ過し、金網上に残った残渣を130℃にて1時間に亘って乾燥させて、金網上に残った残渣の質量W2を測定し、下記式に基づいて発泡粒子のゲル分率を算出できる。
ゲル分率(質量%)=100×W2/W1
基材樹脂としては、非架橋のオレフィン系エラストマーが含まれていることが好ましい。
非架橋のオレフィン系エラストマーは、鉱物性油非含有下で、発泡体に所定の密度と圧縮永久ひずみを与え得るものが好ましい。非架橋のオレフィン系エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントとソフトセグメントを組み合わせた構造を有するものが挙げられる。このような構造は、常温でゴム弾性を示し、高温では可塑化され成形可能となるという性質を与える。
例えば、ハードセグメントがポリプロピレン系樹脂であり、ソフトセグメントがポリエチレン系樹脂である非架橋のオレフィン系エラストマーが挙げられる。
前者のポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレンを主成分とする樹脂が使用できる。ポリプロピレンとしては、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチック等から選択される立体規則性を有していてもよい。
後者のポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレンを主成分とする樹脂が使用できる。ポリエチレン以外の成分としてはポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィンが挙げられる。
後者のポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレンを主成分とする樹脂が使用できる。ポリエチレン以外の成分としてはポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィンが挙げられる。
非架橋のオレフィン系エラストマーには、軟化剤が含まれていてもよい。軟化剤としては、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤、コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤、ヒマシ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸又はその金属塩、ナフテン酸又はその金属石鹸、パイン油、ロジン又はその誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤、ジイソドデシルカーボネート等の炭酸エステル系可塑剤、その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油等が挙げられる。中でも石油系軟化剤と炭化水素系合成潤滑油が好ましい。
非架橋のオレフィン系エラストマーとしては、ハードセグメントとなるモノマーとソフトセグメントとなるモノマーの重合を行い、重合反応容器内において直接製造される重合タイプのエラストマー;バンバリーミキサーや二軸押出機等の混練機を用いてハードセグメントとなるポリプロピレン系樹脂と、ソフトセグメントとなるポリエチレン系樹脂とを物理的に分散させて製造されたブレンドタイプのエラストマーが挙げられる。
なお、非架橋のオレフィン系エラストマーは、製造された発泡粒子のリサイクル性を向上できるという効果も奏する。
非架橋のオレフィン系エラストマーは、フーリエ変換赤外分光(FT−IR)測定において得られた2920±20cm-1の範囲の最大ピーク(A2920cm-1)と1376±20cm-1の範囲の最大ピーク(A1376cm-1)の吸光度比(A2920cm-1/A1376cm-1)が1.20〜10の範囲にあるエラストマーが好適に使用できる。吸光度比が1.20未満の場合、発泡粒子の硬度が高くなり、柔軟性の低下を招くことがある。10より大きい場合、発泡時の形状保持が困難となり、収縮を招くことがある。より好ましい吸光度比は1.20〜5である。
また、非架橋のオレフィン系エラストマーは、FT−IR測定において得られた2920±20cm-1の範囲の最大ピーク(A2920cm-1)と720±20cm-1の範囲の最大ピーク(A720cm-1)の吸光度比(A2920cm-1/A720cm-1)が0.02〜0.5の範囲にあるエラストマーが好適に使用できる。吸光度比が0.02未満の場合、発泡粒子の硬度が高くなり、柔軟性の低下を招くことがある。0.5より大きい場合、発泡時の形状保持が困難となり、収縮を招くことがある。より好ましい吸光度比は0.05〜0.4である。
なお、赤外吸収スペクトルから得られる2920cm-1での吸光度A2920cm-1は、オレフィン系エラストマー中のポリメチレン鎖に含まれるメチレン基のC−H伸縮振動に由来する吸収スペクトルに対応する吸光度を、1376cm-1での吸光度A1376cm-1は、オレフィン系エラストマー中に含まれる−C−CH3部位のC−H3対称変角振動に由来する吸収スペクトルに対応する吸光度をそれぞれ意味している。従って、この吸光度比を測定すれば、非架橋のオレフィン系エラストマー中のハードセグメントとソフトセグメントとの構成成分とその割合をおおよそ推測できる。また720cm-1での吸光度A720cm-1は、オレフィン系エラストマー中のポリメチレン鎖の骨格振動に由来する吸収スペクトルに対応する吸光度である。前記の2920±20cm-1の範囲の最大ピークとの吸光度比を測定することでも、非架橋のオレフィン系エラストマー中のハードセグメントとソフトセグメントとの構成成分とその割合をおおよそ推測できる。
非架橋のオレフィン系エラストマーは、ショアA硬度が30〜100であることが好ましく、40〜90であることがより好ましい。ショアA硬度は、デュロメータ硬さ試験(JIS K6253:97)に準拠して測定される。
また非架橋のオレフィン系エラストマーは、ショアD硬度が10〜70であることが好ましく、20〜60であることがより好ましい。非架橋のオレフィン系エラストマーの硬度は、デュロメータ硬さ試験(ASTM D2240:95)に準拠して測定される。
非架橋のオレフィン系エラストマーは、融点が80〜180℃であることが好ましく、90〜170℃であることがより好ましい。融点は、例えば、JIS K7121:2012の記載に準拠して測定される。
また非架橋のオレフィン系エラストマーは、ショアD硬度が10〜70であることが好ましく、20〜60であることがより好ましい。非架橋のオレフィン系エラストマーの硬度は、デュロメータ硬さ試験(ASTM D2240:95)に準拠して測定される。
非架橋のオレフィン系エラストマーは、融点が80〜180℃であることが好ましく、90〜170℃であることがより好ましい。融点は、例えば、JIS K7121:2012の記載に準拠して測定される。
(iii)エステル系エラストマー
エステル系エラストマーは、高いクッション性のクッション体を与えさえすれば特に限定されない。例えば、ハードセグメントとソフトセグメントとを含むエステル系エラストマーが挙げられる。
ハードセグメントは、例えば、ジカルボン酸成分及び/又はジオール成分から構成される。
ジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその誘導体に由来する成分が挙げられる。
ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール(例えば、1,4−ブタンジオール)等のC2−10アルキレングリコール、(ポリ)オキシC2−10アルキレングリコール、C5−12シクロアルカンジオール、ビスフェノール類又はこれらのアルキレンオキサイド付加体等が挙げられる。ハードセグメントは、結晶性を有していてもよい。
ソフトセグメントは、ポリエステルタイプ及び/又はポリエーテルタイプのセグメントを使用できる。
エステル系エラストマーは、高いクッション性のクッション体を与えさえすれば特に限定されない。例えば、ハードセグメントとソフトセグメントとを含むエステル系エラストマーが挙げられる。
ハードセグメントは、例えば、ジカルボン酸成分及び/又はジオール成分から構成される。
ジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその誘導体に由来する成分が挙げられる。
ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール(例えば、1,4−ブタンジオール)等のC2−10アルキレングリコール、(ポリ)オキシC2−10アルキレングリコール、C5−12シクロアルカンジオール、ビスフェノール類又はこれらのアルキレンオキサイド付加体等が挙げられる。ハードセグメントは、結晶性を有していてもよい。
ソフトセグメントは、ポリエステルタイプ及び/又はポリエーテルタイプのセグメントを使用できる。
ポリエステルタイプのソフトセグメントとしては、ジカルボン酸類(アジピン酸のような脂肪族C4−12ジカルボン酸)とジオール類(1,4−ブタンジオールのようなC2−10アルキレングリコール、エチレングリコールのような(ポリ)オキシC2−10アルキレングリコール)との重縮合体、オキシカルボン酸の重縮合体やラクトン(ε−カプロラクトンのようなC3−12ラクトン)の開環重合体等の脂肪族ポリエステルが挙げられる。ポリエステルタイプのソフトセグメントは、非晶性であってもよい。ソフトセグメントとしてのポリエステルの具体例としては、カプロラクトン重合体、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート等のC2−6アルキレングリコールとC6−12アルカンジカルボン酸とのポリエステルが挙げられる。このポリエステルの数平均分子量は、200〜15000の範囲であってもよく、200〜10000の範囲であってもよく、300〜8000の範囲であってもよい。
ポリエーテルタイプのソフトセグメントとしては、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール)のような脂肪族ポリエーテルに由来するセグメントが挙げられる。ポリエーテルの数平均分子量は、200〜10000の範囲であってもよく、200〜6000の範囲であってもよく、300〜5000の範囲であってもよい。
ソフトセグメントは、脂肪族のポリエステルとポリエーテルとの共重合体(ポリエーテル−ポリエステル)のようなポリエーテル単位を有するポリエステル、ポリオキシアルキレングリコール(例えば、ポリオキシテトラメチレングリコール)のようなポリエーテルと脂肪族ジカルボン酸とのポリエステルに由来するセグメントであってもよい。
ハードセグメントとソフトセグメントとの質量割合は、20:80〜90:10であってもよく、30:70〜85:15であってもよく、40:60〜80:20であってもよく、45:55〜70:30であってもよい。
エステル系エラストマーには、東洋紡社製ペルプレン(PELPLENE)シリーズやバイロン(VYLON)シリーズが好適に使用できる。特に、ペルプレンシリーズを使用することが好ましい。
ソフトセグメントは、脂肪族のポリエステルとポリエーテルとの共重合体(ポリエーテル−ポリエステル)のようなポリエーテル単位を有するポリエステル、ポリオキシアルキレングリコール(例えば、ポリオキシテトラメチレングリコール)のようなポリエーテルと脂肪族ジカルボン酸とのポリエステルに由来するセグメントであってもよい。
ハードセグメントとソフトセグメントとの質量割合は、20:80〜90:10であってもよく、30:70〜85:15であってもよく、40:60〜80:20であってもよく、45:55〜70:30であってもよい。
エステル系エラストマーには、東洋紡社製ペルプレン(PELPLENE)シリーズやバイロン(VYLON)シリーズが好適に使用できる。特に、ペルプレンシリーズを使用することが好ましい。
(iv)他の樹脂
基材樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で、アミド系樹脂(エラストマーを除く)、オレフィン系樹脂(エラストマーを除く)、エステル系樹脂(エラストマーを除く)、ポリエーテル樹脂等の他の樹脂が含まれていてもよい。他の樹脂は、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂であってもよい。
基材樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で、アミド系樹脂(エラストマーを除く)、オレフィン系樹脂(エラストマーを除く)、エステル系樹脂(エラストマーを除く)、ポリエーテル樹脂等の他の樹脂が含まれていてもよい。他の樹脂は、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂であってもよい。
(2)発泡粒子の製法
発泡粒子は、樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る工程(含浸工程)、発泡性粒子を発泡させる発泡工程を経て得ることができる。
(A)含浸工程
(a)樹脂粒子
樹脂粒子は、公知の製造方法及び製造設備を使用して得ることができる。
例えば、押出機から押し出された樹脂の溶融混練物を、水中カット、ストランドカット等により造粒することによって、樹脂粒子を製造できる。溶融混練時の温度、時間、圧力等は、使用原料及び製造設備に合わせて適宜設定できる。
溶融混練時の押出機内の溶融混練温度は、樹脂が十分に軟化する温度である、170〜250℃が好ましく、200〜230℃がより好ましい。溶融混練温度とは、押出機ヘッド付近の溶融混練物流路の中心部温度を熱伝対式温度計で測定した押出機内部の溶融混練物の温度を意味する。
発泡粒子は、樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る工程(含浸工程)、発泡性粒子を発泡させる発泡工程を経て得ることができる。
(A)含浸工程
(a)樹脂粒子
樹脂粒子は、公知の製造方法及び製造設備を使用して得ることができる。
例えば、押出機から押し出された樹脂の溶融混練物を、水中カット、ストランドカット等により造粒することによって、樹脂粒子を製造できる。溶融混練時の温度、時間、圧力等は、使用原料及び製造設備に合わせて適宜設定できる。
溶融混練時の押出機内の溶融混練温度は、樹脂が十分に軟化する温度である、170〜250℃が好ましく、200〜230℃がより好ましい。溶融混練温度とは、押出機ヘッド付近の溶融混練物流路の中心部温度を熱伝対式温度計で測定した押出機内部の溶融混練物の温度を意味する。
樹脂粒子の形状は、例えば、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状である。
樹脂粒子は、0.5〜3.5mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が0.5mm未満の場合、発泡剤の保持力が低下して発泡性が低下することがある。3.5mmより大きい場合、発泡時に樹脂粒子内部まで熱が伝わらず、発泡粒子に未発泡部分が残りクッション性が低下することがある。
樹脂粒子は、その長さをL、平均径をDとした場合のL/Dが0.5〜3であることが好ましい。樹脂粒子のL/Dが0.5未満や3を超えている場合、クッション性が低下することがある。なお、樹脂粒子の長さLは、押出方向の長さをいい、平均径Dは長さLの方向に実質的に直交する樹脂粒子の切断面の直径をいう。
樹脂粒子の平均径Dは0.5〜3.5mmが好ましい。平均径が0.5mm未満の場合、発泡剤の保持性が低下して発泡性が低下することがある。3.5mmより大きいと、発泡時に樹脂粒子内部まで熱が伝わらず、発泡粒子に未発泡部分が残りクッション性が低下することがある。
樹脂粒子は、0.5〜3.5mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が0.5mm未満の場合、発泡剤の保持力が低下して発泡性が低下することがある。3.5mmより大きい場合、発泡時に樹脂粒子内部まで熱が伝わらず、発泡粒子に未発泡部分が残りクッション性が低下することがある。
樹脂粒子は、その長さをL、平均径をDとした場合のL/Dが0.5〜3であることが好ましい。樹脂粒子のL/Dが0.5未満や3を超えている場合、クッション性が低下することがある。なお、樹脂粒子の長さLは、押出方向の長さをいい、平均径Dは長さLの方向に実質的に直交する樹脂粒子の切断面の直径をいう。
樹脂粒子の平均径Dは0.5〜3.5mmが好ましい。平均径が0.5mm未満の場合、発泡剤の保持性が低下して発泡性が低下することがある。3.5mmより大きいと、発泡時に樹脂粒子内部まで熱が伝わらず、発泡粒子に未発泡部分が残りクッション性が低下することがある。
樹脂粒子には、気泡調整剤が含まれていてもよい。
気泡調整剤としては、重曹クエン酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸ビスアミド、高級脂肪酸塩、無機気泡核剤等が挙げられる。これら気泡調整剤は、複数種組み合わせてもよい。
高級脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸ビスアミドとしては、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸塩としては、ステアリン酸カルシウムが挙げられる。
無機気泡核剤としては、タルク、珪酸カルシウム、合成あるいは天然に産出される二酸化ケイ素等が挙げられる。
樹脂粒子は、他に、ヘキサブロモシクロドデカン、トリアリルイソシアヌレート6臭素化物等の難燃剤、カーボンブラック、酸化鉄、グラファイト等の着色剤等を含んでいてもよい。
気泡調整剤としては、重曹クエン酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸ビスアミド、高級脂肪酸塩、無機気泡核剤等が挙げられる。これら気泡調整剤は、複数種組み合わせてもよい。
高級脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸ビスアミドとしては、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸塩としては、ステアリン酸カルシウムが挙げられる。
無機気泡核剤としては、タルク、珪酸カルシウム、合成あるいは天然に産出される二酸化ケイ素等が挙げられる。
樹脂粒子は、他に、ヘキサブロモシクロドデカン、トリアリルイソシアヌレート6臭素化物等の難燃剤、カーボンブラック、酸化鉄、グラファイト等の着色剤等を含んでいてもよい。
(b)発泡性粒子
樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を製造する。なお、樹脂粒子に発泡剤を含浸させる要領としては、公知の要領を用い得る。例えば、密閉可能なオートクレーブ内に、樹脂粒子、分散剤及び水を供給して撹拌することによって、樹脂粒子を水中に分散させて分散液を製造し、この分散液中に発泡剤を圧入し、樹脂粒子中に発泡剤を含浸させる方法が挙げられる。
分散剤としては、特に限定されず、例えば、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸ナトリウム、酸化マグネシウム、ハイドロキシアパタイト等の難水溶性無機物や、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのような界面活性剤が挙げられる。
発泡剤としては、汎用のものが用いられ、例えば、空気、窒素、二酸化炭素(炭酸ガス)等の無機ガス;プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素;ハロゲン化炭化水素が挙げられ、脂肪族炭化水素、無機ガスが好ましい。なお、発泡剤は単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を製造する。なお、樹脂粒子に発泡剤を含浸させる要領としては、公知の要領を用い得る。例えば、密閉可能なオートクレーブ内に、樹脂粒子、分散剤及び水を供給して撹拌することによって、樹脂粒子を水中に分散させて分散液を製造し、この分散液中に発泡剤を圧入し、樹脂粒子中に発泡剤を含浸させる方法が挙げられる。
分散剤としては、特に限定されず、例えば、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸ナトリウム、酸化マグネシウム、ハイドロキシアパタイト等の難水溶性無機物や、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのような界面活性剤が挙げられる。
発泡剤としては、汎用のものが用いられ、例えば、空気、窒素、二酸化炭素(炭酸ガス)等の無機ガス;プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素;ハロゲン化炭化水素が挙げられ、脂肪族炭化水素、無機ガスが好ましい。なお、発泡剤は単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
樹脂粒子に含浸させる発泡剤の量は、発泡剤種にもよるが樹脂粒子100質量部に対して、1〜12質量部であることが好ましい。発泡剤の含有量が1質量部未満であると、発泡力が低くなり、高い発泡倍率では、良好に発泡させ難いことがある。12質量部を超えると、気泡膜の破れが生じやすくなり、可塑化効果が大きくなりすぎて、発泡時の粘度が低下しやすくなり、かつ収縮が起こりやすくなる。より好ましい発泡剤の量は2〜8質量部である。この範囲内であれば、発泡力を十分に高めることができ、高い発泡倍率であっても、より一層良好に発泡させることができる。発泡剤の含有量が8質量部以下であると、気泡膜の破れが抑えられ、可塑化効果が大きくなりすぎないために、発泡時の粘度の過度の低下が抑えられ、かつ収縮が抑えられる。
樹脂粒子100質量部に対して含浸された発泡剤の含有量(含浸量)は、以下のようにして測定される。
樹脂粒子を圧力容器に入れる前の質量Xgを測定する。圧力容器内で、樹脂粒子に発泡剤を含浸させた後、圧力容器から含浸物を取り出した後の質量Ygを測定する。下記式により、樹脂粒子100質量部に対して含浸された発泡剤の含有量(含浸量)が求められる。
発泡剤の含有量(質量部)=((Y−X)/X)×100
樹脂粒子への発泡剤の含浸温度は、低いと、樹脂粒子に発泡剤を含浸させるのに要する時間が長くなって生産効率が低下することがある。また、高いと、樹脂粒子同士が融着して結合粒が発生することがある。含浸温度は、−10〜120℃が好ましく、0〜110℃がより好ましい。発泡助剤(可塑剤)を、発泡剤と併用してもよい。発泡助剤(可塑剤)としては、アジピン酸ジイソブチル、トルエン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等が挙げられる。
樹脂粒子を圧力容器に入れる前の質量Xgを測定する。圧力容器内で、樹脂粒子に発泡剤を含浸させた後、圧力容器から含浸物を取り出した後の質量Ygを測定する。下記式により、樹脂粒子100質量部に対して含浸された発泡剤の含有量(含浸量)が求められる。
発泡剤の含有量(質量部)=((Y−X)/X)×100
樹脂粒子への発泡剤の含浸温度は、低いと、樹脂粒子に発泡剤を含浸させるのに要する時間が長くなって生産効率が低下することがある。また、高いと、樹脂粒子同士が融着して結合粒が発生することがある。含浸温度は、−10〜120℃が好ましく、0〜110℃がより好ましい。発泡助剤(可塑剤)を、発泡剤と併用してもよい。発泡助剤(可塑剤)としては、アジピン酸ジイソブチル、トルエン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等が挙げられる。
発泡性粒子の形状は、特に限定されず、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状等が挙げられる。
発泡性粒子は、0.5〜3.5mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が0.5mm未満の場合、発泡剤の保持性が低下して発泡性が低下することがある。3.5mmより大きいと、発泡時に樹脂粒子内部まで熱が伝わらず、発泡粒子に未発泡部分が残りクッション性が低下することがある。
発泡性粒子は、0.5〜3.5mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が0.5mm未満の場合、発泡剤の保持性が低下して発泡性が低下することがある。3.5mmより大きいと、発泡時に樹脂粒子内部まで熱が伝わらず、発泡粒子に未発泡部分が残りクッション性が低下することがある。
(B)発泡工程
発泡工程では、発泡性粒子を発泡させて、発泡粒子を得ることができれば発泡温度、加熱媒体は特に限定されない。
なお、発泡前に、発泡性粒子の表面に、ポリアミドパウダーや界面活性剤等の合着防止剤、帯電防止剤を塗布してもよい。帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、及びステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
発泡粒子は、0.04〜0.2g/cm3の範囲の嵩密度を有する。嵩密度が0.04g/cm3より小さい場合、得られる発泡粒子に収縮が発生してクッション性が低下することがある。0.2g/cm3より大きい場合、クッション体の軽量性が低下することがある。
発泡工程では、発泡性粒子を発泡させて、発泡粒子を得ることができれば発泡温度、加熱媒体は特に限定されない。
なお、発泡前に、発泡性粒子の表面に、ポリアミドパウダーや界面活性剤等の合着防止剤、帯電防止剤を塗布してもよい。帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、及びステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
発泡粒子は、0.04〜0.2g/cm3の範囲の嵩密度を有する。嵩密度が0.04g/cm3より小さい場合、得られる発泡粒子に収縮が発生してクッション性が低下することがある。0.2g/cm3より大きい場合、クッション体の軽量性が低下することがある。
発泡粒子は、20〜320μmの平均気泡径を有することが好ましい。平均気泡径が20μm未満の場合、発泡粒子に収縮が発生してクッション性が低下することがある。320μmより大きい場合、クッション性が低下することがある。平均気泡径は20〜200μmであることがより好ましく、40〜150μmであることが更に好ましい。
発泡粒子は、1.5〜5mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が1.5mm未満及び5mmより大きい場合、クッション性が低下することがある。平均粒子径は、2〜5mmであることがより好ましい。
発泡粒子は、1.5〜5mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が1.5mm未満及び5mmより大きい場合、クッション性が低下することがある。平均粒子径は、2〜5mmであることがより好ましい。
(3)袋体
袋体は、化学繊維製や絹、木綿等からできた布等が使用できる。袋体は、伸縮性を有する素材からできていてもよく、伸縮性を有していない素材からできていてもよい。伸縮性を有する素材としては、弾性を有する例えばスパンデックス(ポリウレタン弾性糸)等が最も好ましい。
袋体は、化学繊維製や絹、木綿等からできた布等が使用できる。袋体は、伸縮性を有する素材からできていてもよく、伸縮性を有していない素材からできていてもよい。伸縮性を有する素材としては、弾性を有する例えばスパンデックス(ポリウレタン弾性糸)等が最も好ましい。
上記伸縮性を有する袋体を使用すれば、以下の効果を奏する。まず、上記発泡粒子が有する効果、すなわち発泡粒子同士が極めて小さな力で流動する滑りやすい性質を有することで、クッション体の手触り、感触を飛躍的に向上させることができる。また、袋体に伸縮性の素材を使用することで、クッション体の一部が圧縮された際に、充填された発泡粒子が圧縮部位から他の部位に移動し、移動した発泡粒子の容積を他の部位に位置する袋体が伸びて変形することで許容できるので、発泡粒子の移動の許容範囲をより大きくすることができる。加えて、発泡粒子と袋体のこれら効果の相乗により、より好感触のクッション体を提供することができる。
また、袋体から発泡粒子が漏れ出さないように開閉可能なファスナーを二重に設けた構造とすることがより好ましい態様である。また、袋体自体を二重構造とすることも有効である。
更に、1つの大きな袋体中に、発泡粒子が封入された袋体を複数個入れた構成とすることも可能である。この場合、複数個の袋体中の発泡粒子は、それぞれ異なる触感を有するものを使用してもよい。
また、袋体から発泡粒子が漏れ出さないように開閉可能なファスナーを二重に設けた構造とすることがより好ましい態様である。また、袋体自体を二重構造とすることも有効である。
更に、1つの大きな袋体中に、発泡粒子が封入された袋体を複数個入れた構成とすることも可能である。この場合、複数個の袋体中の発泡粒子は、それぞれ異なる触感を有するものを使用してもよい。
(4)クッション体及び発泡粒子の物性
(i)発泡粒子の封入率
発泡粒子は、袋体の内容積の1.1〜5倍の体積で袋体に封入されている。クッション体の内容積以上の体積で発泡粒子を袋体に封入することで、クッション性の改善と、クッション体の変形の防止を両立できる。発泡粒子の体積が1.1倍未満の場合、例えばクッション体に着座すると底着き感が生じることがある。5倍より大きい場合、座り心地が悪くなることがある。発泡粒子の体積は、1.3〜4.0倍が好ましい。
(i)発泡粒子の封入率
発泡粒子は、袋体の内容積の1.1〜5倍の体積で袋体に封入されている。クッション体の内容積以上の体積で発泡粒子を袋体に封入することで、クッション性の改善と、クッション体の変形の防止を両立できる。発泡粒子の体積が1.1倍未満の場合、例えばクッション体に着座すると底着き感が生じることがある。5倍より大きい場合、座り心地が悪くなることがある。発泡粒子の体積は、1.3〜4.0倍が好ましい。
(ii)25%圧縮応力
発泡粒子の25%圧縮応力は、5〜220kPaを示す。この範囲の圧縮応力を有することで、クッション体の柔軟性や体への追随性が向上させることができる。圧縮応力が5kPa未満の場合、変形の防止性が不十分となることがある。220kPaより大きい場合、柔軟性や体への追従性が低下し、クッション体の感触が低下することがある。
(iii)繰返し圧縮回復率
発泡粒子は、95%以上の繰返し圧縮回復率を有することが好ましい。この範囲の繰返し圧縮回復率を有することで、クッション体のへたりを抑制できる。繰返し圧縮回復率の上限は100%である。
発泡粒子の25%圧縮応力は、5〜220kPaを示す。この範囲の圧縮応力を有することで、クッション体の柔軟性や体への追随性が向上させることができる。圧縮応力が5kPa未満の場合、変形の防止性が不十分となることがある。220kPaより大きい場合、柔軟性や体への追従性が低下し、クッション体の感触が低下することがある。
(iii)繰返し圧縮回復率
発泡粒子は、95%以上の繰返し圧縮回復率を有することが好ましい。この範囲の繰返し圧縮回復率を有することで、クッション体のへたりを抑制できる。繰返し圧縮回復率の上限は100%である。
(5)クッション体の用途
クッション体は、ベッド、マットレス、枕、ぬいぐるみ、クッション、玩具、緩衝材、シール材、防音材、断熱材等として使用するに好適なクッション性用品となるクッション体を提供することできる。
上記クッション体の内、人が乗ったり、抱いたりするクッション体の場合、上記相乗効果により、適度に皮膚刺激されて、脳内により多くのアルファー波がでることが予想される。その結果、人をよりリラックスさせやすいクッション体の提供が期待できる。
更には、例えば、袋体の表面に目鼻口等の顔のプリントを施してもよい。その場合、上記発泡粒子と袋体の性質により、顔に表情を与える効果(アニメーション効果)を発揮させることができる。
クッション体は、ベッド、マットレス、枕、ぬいぐるみ、クッション、玩具、緩衝材、シール材、防音材、断熱材等として使用するに好適なクッション性用品となるクッション体を提供することできる。
上記クッション体の内、人が乗ったり、抱いたりするクッション体の場合、上記相乗効果により、適度に皮膚刺激されて、脳内により多くのアルファー波がでることが予想される。その結果、人をよりリラックスさせやすいクッション体の提供が期待できる。
更には、例えば、袋体の表面に目鼻口等の顔のプリントを施してもよい。その場合、上記発泡粒子と袋体の性質により、顔に表情を与える効果(アニメーション効果)を発揮させることができる。
(6)クッション体の製法
クッション体の製法としては、特に限定されず、公知の方法を使用できる。例えば、エアーガンのような装置を使用して、空気と共に袋体に発泡粒子を充填する方法が挙げられる。
発泡粒子の袋体への封入量は、袋体の伸縮性、袋体の伸張時の反作用力、クッション体の形状、クッション体に付与される応力、クッション体の用途等に応じて適宜変動し得る。
例えば、袋体の伸縮性が大きい場合は、小さい場合と比較して、より多くの発泡粒子を封入することが好ましい。また、クッション体に付与される応力が大きい場合は、小さい場合と比較して、より多くの発泡粒子を封入することが好ましい。更に、クッション体の座り心地を重視する場合は、封入量を比較的少なくすることが好ましい。また更に、椅子のようなある程度の安定した形状維持が要求される用途では、クッション体の変形防止を重視して、封入量を比較的多くすることが好ましい。
クッション体の製法としては、特に限定されず、公知の方法を使用できる。例えば、エアーガンのような装置を使用して、空気と共に袋体に発泡粒子を充填する方法が挙げられる。
発泡粒子の袋体への封入量は、袋体の伸縮性、袋体の伸張時の反作用力、クッション体の形状、クッション体に付与される応力、クッション体の用途等に応じて適宜変動し得る。
例えば、袋体の伸縮性が大きい場合は、小さい場合と比較して、より多くの発泡粒子を封入することが好ましい。また、クッション体に付与される応力が大きい場合は、小さい場合と比較して、より多くの発泡粒子を封入することが好ましい。更に、クッション体の座り心地を重視する場合は、封入量を比較的少なくすることが好ましい。また更に、椅子のようなある程度の安定した形状維持が要求される用途では、クッション体の変形防止を重視して、封入量を比較的多くすることが好ましい。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<粒子の平均粒子径>
粒子約50gをロータップ型篩振とう機(飯田製作所社製)を用いて、篩目開き16.00mm、13.20mm、11.20mm、9.50mm、8.00mm、6.70mm、5.60mm、4.75mm、4.00mm、3.35mm、2.80mm、2.50mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mm、1.00mm、0.71mm、0.50mm、0.425mmのJIS標準篩で5分間分級した。篩網上の試料質量を測定し、その結果から得られた累積質量分布曲線を元にして累積質量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径とした。
<粒子の平均粒子径>
粒子約50gをロータップ型篩振とう機(飯田製作所社製)を用いて、篩目開き16.00mm、13.20mm、11.20mm、9.50mm、8.00mm、6.70mm、5.60mm、4.75mm、4.00mm、3.35mm、2.80mm、2.50mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mm、1.00mm、0.71mm、0.50mm、0.425mmのJIS標準篩で5分間分級した。篩網上の試料質量を測定し、その結果から得られた累積質量分布曲線を元にして累積質量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径とした。
<発泡粒子の嵩密度>
まず、発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させた後、メスシリンダーの底をたたいて試料の見掛け体積(V)cm3を一定にし、その質量と体積を測定し、次式に基づいて発泡粒子の嵩密度を算出した。
嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
まず、発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させた後、メスシリンダーの底をたたいて試料の見掛け体積(V)cm3を一定にし、その質量と体積を測定し、次式に基づいて発泡粒子の嵩密度を算出した。
嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
<繰返し圧縮回復率>
メスシリンダーにて量った100cm3の発泡粒子を内径51mm×高さ100mmの円筒形容器に充填し、直径50mmの円柱状圧縮冶具にて繰返し圧縮試験を行った。発泡粒子の充填高さは1N荷重時(変位原点も1N荷重時)とした。圧縮往復速度を25mm/minとし、50%圧縮応力を求めた時の25%圧縮時荷重(N)と初荷重1(N)で100回繰返し圧縮を行い、繰返し圧縮試験終了24時間後の発泡粒子の体積を測定して繰返し圧縮回復率を求めた。試験装置はテンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)、万能試験機データ処理UTPS−458X(ソフトブレーン社製)を用いて、試験数は3とし、JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%」、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下で測定を行った。
試験前後の体積はメスシリンダーにて測定した。
繰返し圧縮回復率(%)は次式により算出した。
繰返し圧縮回復率(%)=(試験前体積-試験終了24時間後の体積)/試験前体積×100
メスシリンダーにて量った100cm3の発泡粒子を内径51mm×高さ100mmの円筒形容器に充填し、直径50mmの円柱状圧縮冶具にて繰返し圧縮試験を行った。発泡粒子の充填高さは1N荷重時(変位原点も1N荷重時)とした。圧縮往復速度を25mm/minとし、50%圧縮応力を求めた時の25%圧縮時荷重(N)と初荷重1(N)で100回繰返し圧縮を行い、繰返し圧縮試験終了24時間後の発泡粒子の体積を測定して繰返し圧縮回復率を求めた。試験装置はテンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)、万能試験機データ処理UTPS−458X(ソフトブレーン社製)を用いて、試験数は3とし、JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%」、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下で測定を行った。
試験前後の体積はメスシリンダーにて測定した。
繰返し圧縮回復率(%)は次式により算出した。
繰返し圧縮回復率(%)=(試験前体積-試験終了24時間後の体積)/試験前体積×100
<25%圧縮応力>
テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)、万能試験機データ処理UTPS−458X(ソフトブレーン社製)を用いて、メスシリンダーにて量った100cm3の発泡粒子を内径51mm×100mmの円筒形容器に充填し、直径50mmの円柱状圧縮冶具にて圧縮試験を行った。発泡粒子の充填高さは1N荷重時(変位原点も1N荷重時)とした。圧縮速度を25mm/minとした。充填高さの25%圧縮時の圧縮応力(kPa)を測定した。試験数は3とし、JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下で測定した。
25%圧縮応力は次式により算出した。
σ25=103×F25/A0
σ25:25%圧縮応力(kPa)
F25:25%圧縮時の荷重(N)
A0:円筒形容器の円面積(mm2)
<感触試験>
綿素材であるクッションカバー(良品計画社製43cm×43cm)に、発泡粒子を充填し、感触の評価を行った。好感触と判断した場合を○、それ以外を×とし、好感触を判断したクッション体を合格とした。
テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)、万能試験機データ処理UTPS−458X(ソフトブレーン社製)を用いて、メスシリンダーにて量った100cm3の発泡粒子を内径51mm×100mmの円筒形容器に充填し、直径50mmの円柱状圧縮冶具にて圧縮試験を行った。発泡粒子の充填高さは1N荷重時(変位原点も1N荷重時)とした。圧縮速度を25mm/minとした。充填高さの25%圧縮時の圧縮応力(kPa)を測定した。試験数は3とし、JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で16時間かけて状態調整した後、同じ標準雰囲気下で測定した。
25%圧縮応力は次式により算出した。
σ25=103×F25/A0
σ25:25%圧縮応力(kPa)
F25:25%圧縮時の荷重(N)
A0:円筒形容器の円面積(mm2)
<感触試験>
綿素材であるクッションカバー(良品計画社製43cm×43cm)に、発泡粒子を充填し、感触の評価を行った。好感触と判断した場合を○、それ以外を×とし、好感触を判断したクッション体を合格とした。
実施例1
(1)樹脂粒子
熱可塑性のオレフィン系エラストマーであるTPO R110E(プライムポリマー社製)100質量部と気泡調整剤としての重曹クエン酸系の化学発泡剤(商品名「ファインセルマスターPO410K」、大日精化社製)0.5質量部とを45kg/hのペースで、口径50mmの単軸押出機と口径65mmの単軸押出機とが連結されたタンデム型押出機に連続的に供給した。
押出機内における最高到達温度が260℃となるようにしてオレフィン系エラストマーを溶融混錬した。この溶融オレフィン系エラストマーを下流側の押出機(口径65mmの押出機)を通過させつつこの押出機先端部における樹脂温度が230℃となるように冷却した。
上記溶融オレフィン系エラストマーを押出機の先端部に装着したダイス(温度320℃、入り口側樹脂圧18MPa)のダイス孔(直径0.8mm、ランド長さ3.0mmのノズルが32個配置)から約70℃の冷却水を収容したチャンバー内に押し出した。押出物を8枚の切断刃を有する回転刃の回転軸を3400rpmの回転数で回転させ、粒状に切断し、冷却水で冷却させて樹脂粒子を得た。
(1)樹脂粒子
熱可塑性のオレフィン系エラストマーであるTPO R110E(プライムポリマー社製)100質量部と気泡調整剤としての重曹クエン酸系の化学発泡剤(商品名「ファインセルマスターPO410K」、大日精化社製)0.5質量部とを45kg/hのペースで、口径50mmの単軸押出機と口径65mmの単軸押出機とが連結されたタンデム型押出機に連続的に供給した。
押出機内における最高到達温度が260℃となるようにしてオレフィン系エラストマーを溶融混錬した。この溶融オレフィン系エラストマーを下流側の押出機(口径65mmの押出機)を通過させつつこの押出機先端部における樹脂温度が230℃となるように冷却した。
上記溶融オレフィン系エラストマーを押出機の先端部に装着したダイス(温度320℃、入り口側樹脂圧18MPa)のダイス孔(直径0.8mm、ランド長さ3.0mmのノズルが32個配置)から約70℃の冷却水を収容したチャンバー内に押し出した。押出物を8枚の切断刃を有する回転刃の回転軸を3400rpmの回転数で回転させ、粒状に切断し、冷却水で冷却させて樹脂粒子を得た。
(2)発泡性粒子
樹脂粒子(平均粒子径1.2mm)を容量5Lの圧力容器内で密閉し、炭酸ガスを含浸圧4.0MPaまで圧入した。その後、温度20℃の環境下で24時間静置し、樹脂粒子に炭酸ガスを含浸することで発泡性粒子を得た。この方法により、樹脂粒子に含浸された炭酸ガスのガス量は3.8質量%であった。
(3)発泡粒子
上記含浸工程のおける除圧の後、すぐに圧力容器から発泡性粒子を取り出し、炭酸カルシウム0.1質量部を添加し、混合した。その後、発泡性粒子を容積量が50リットルである円筒型バッチ式加圧予備発泡機に投入し、発泡温度105〜110℃で撹拌しながら15秒加熱することにより発泡粒子(平均粒子径2.3mm、嵩密度0.1g/cm3)を得た。得られた発泡粒子を塩化水素水溶液で洗浄することで炭酸カルシウムを除去した後、乾燥した。
樹脂粒子(平均粒子径1.2mm)を容量5Lの圧力容器内で密閉し、炭酸ガスを含浸圧4.0MPaまで圧入した。その後、温度20℃の環境下で24時間静置し、樹脂粒子に炭酸ガスを含浸することで発泡性粒子を得た。この方法により、樹脂粒子に含浸された炭酸ガスのガス量は3.8質量%であった。
(3)発泡粒子
上記含浸工程のおける除圧の後、すぐに圧力容器から発泡性粒子を取り出し、炭酸カルシウム0.1質量部を添加し、混合した。その後、発泡性粒子を容積量が50リットルである円筒型バッチ式加圧予備発泡機に投入し、発泡温度105〜110℃で撹拌しながら15秒加熱することにより発泡粒子(平均粒子径2.3mm、嵩密度0.1g/cm3)を得た。得られた発泡粒子を塩化水素水溶液で洗浄することで炭酸カルシウムを除去した後、乾燥した。
(実施例2)
(1)樹脂粒子
ナイロン12をハードセグメントとし、ポリテトラメチレングリコールをソフトセグメントとするアミド系エラストマー(商品名「Pebax5533 SA01」、ビカット軟化温度142℃、アルケマ社製)100質量部と有機系気泡調整剤(商品名「花王ワックスEBFF」、花王社製)0.3質量部を単軸押出機に供給して溶融混練した。なお、単軸押出機内において、アミド系エラストマーを始めは180℃にて溶融混練した後に220℃まで昇温させながら溶融混練した。
続いて、溶融状態のアミド系エラストマーを冷却した後、単軸押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型の各ノズルからアミド系エラストマーを押出した。なお、マルチノズル金型は、出口部の直径が0.7mmのノズルを40個有しており、ノズルの出口部は全て、マルチノズル金型の前端面に想定した、直径が139.5mmの仮想円上に等間隔毎に配設されていた。マルチノズル金型は220℃に保持されていた。
回転軸の後端部外周面には、4枚の回転刃が回転軸の周方向に等間隔毎に一体的に設けられており、各回転刃はマルチノズル金型の前端面に常時、接触した状態で仮想円上を移動するように構成されていた。
(1)樹脂粒子
ナイロン12をハードセグメントとし、ポリテトラメチレングリコールをソフトセグメントとするアミド系エラストマー(商品名「Pebax5533 SA01」、ビカット軟化温度142℃、アルケマ社製)100質量部と有機系気泡調整剤(商品名「花王ワックスEBFF」、花王社製)0.3質量部を単軸押出機に供給して溶融混練した。なお、単軸押出機内において、アミド系エラストマーを始めは180℃にて溶融混練した後に220℃まで昇温させながら溶融混練した。
続いて、溶融状態のアミド系エラストマーを冷却した後、単軸押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型の各ノズルからアミド系エラストマーを押出した。なお、マルチノズル金型は、出口部の直径が0.7mmのノズルを40個有しており、ノズルの出口部は全て、マルチノズル金型の前端面に想定した、直径が139.5mmの仮想円上に等間隔毎に配設されていた。マルチノズル金型は220℃に保持されていた。
回転軸の後端部外周面には、4枚の回転刃が回転軸の周方向に等間隔毎に一体的に設けられており、各回転刃はマルチノズル金型の前端面に常時、接触した状態で仮想円上を移動するように構成されていた。
更に、冷却部材は、正面円形状の前部と、この前部の外周縁から後方に向かって延設されかつ内径が315mmの円筒状の周壁部とからなる冷却ドラムを備えていた。そして、供給管及びドラムの供給口を通じて冷却ドラム内に冷却水が供給されており、周壁部の内面全面には、この内面に沿って20℃の冷却水が前方に向かって螺旋状に流れていた。
樹脂粒子の製造にあたっては、まず、マルチノズル金型に回転軸を取り付けずかつ冷却部材をマルチノズル金型から退避させておいた。この状態で、押出機から樹脂粒子を押出した。次に、マルチノズル金型に回転軸を取り付けかつ冷却部材を所定位置に配設した後、回転軸を回転させた。マルチノズル金型の前端面に配設した回転刃を3440rpmの回転数で回転させてあり、樹脂粒子をノズルの出口部の開口端において回転刃で切断して略球状のアミド系エラストマーの樹脂粒子を製造した。
樹脂粒子は、回転刃による切断応力によって外方あるいは前方に向かって飛ばされ、冷却部材の冷却ドラムの内面に沿って流れている冷却水に衝突して直ちに冷却された。冷却された樹脂粒子は、冷却ドラムの排出口を通じて冷却水と共に排出された後、脱水機にて冷却水と分離された。得られた樹脂粒子は、粒子の長さが1.2〜1.7mmで、粒子の径が0.8〜0.9mmであった。
樹脂粒子の製造にあたっては、まず、マルチノズル金型に回転軸を取り付けずかつ冷却部材をマルチノズル金型から退避させておいた。この状態で、押出機から樹脂粒子を押出した。次に、マルチノズル金型に回転軸を取り付けかつ冷却部材を所定位置に配設した後、回転軸を回転させた。マルチノズル金型の前端面に配設した回転刃を3440rpmの回転数で回転させてあり、樹脂粒子をノズルの出口部の開口端において回転刃で切断して略球状のアミド系エラストマーの樹脂粒子を製造した。
樹脂粒子は、回転刃による切断応力によって外方あるいは前方に向かって飛ばされ、冷却部材の冷却ドラムの内面に沿って流れている冷却水に衝突して直ちに冷却された。冷却された樹脂粒子は、冷却ドラムの排出口を通じて冷却水と共に排出された後、脱水機にて冷却水と分離された。得られた樹脂粒子は、粒子の長さが1.2〜1.7mmで、粒子の径が0.8〜0.9mmであった。
(2)発泡性粒子
樹脂粒子(平均粒子径1.3mm)15kg(100質量部)を加温密閉可能な内容積43リットルの耐圧回転式混合機に投入した。更に、合着防止剤としてエパン740(第一工業製薬社製:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール分子量2000、エチレンオキサイド単位含有率40質量%)0.5質量部を投入し撹拌した。樹脂粒子を撹拌させながら、発泡剤としてブタン(ノルマルブタン:イソブタン=65:35)12質量部を圧入し、70℃に昇温させ2時間撹拌を続けたその後、20℃まで冷却して混合機から除圧後すぐに取り出すことで、発泡性粒子を得た。
樹脂粒子(平均粒子径1.3mm)15kg(100質量部)を加温密閉可能な内容積43リットルの耐圧回転式混合機に投入した。更に、合着防止剤としてエパン740(第一工業製薬社製:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール分子量2000、エチレンオキサイド単位含有率40質量%)0.5質量部を投入し撹拌した。樹脂粒子を撹拌させながら、発泡剤としてブタン(ノルマルブタン:イソブタン=65:35)12質量部を圧入し、70℃に昇温させ2時間撹拌を続けたその後、20℃まで冷却して混合機から除圧後すぐに取り出すことで、発泡性粒子を得た。
(3)発泡粒子
内容積50Lの撹拌機付き円筒型予備発泡機に発泡性粒子を2kg投入し、水蒸気を用いて、発泡温度133〜134℃で撹拌しながら、加熱することにより発泡粒子(平均粒子径2.5mm、嵩密度0.1g/cm3)を得た。
内容積50Lの撹拌機付き円筒型予備発泡機に発泡性粒子を2kg投入し、水蒸気を用いて、発泡温度133〜134℃で撹拌しながら、加熱することにより発泡粒子(平均粒子径2.5mm、嵩密度0.1g/cm3)を得た。
(実施例3)
(1)樹脂粒子
ポリブチレンテレフタレート(PBT)をハードセグメント、脂肪族ポリエーテルをソフトセグメントとするエステル系エラストマー(商品名:「ペルプレンGP475」、融点:155℃、ビカット軟化点:110℃、東洋紡社製)100質量部と有機系気泡調整剤(商品名:「花王ワックスEBFF」、花王社製)0.3質量部を単軸押出機に供給し、180〜280℃で溶融混練した。次に、溶融状態のエステル系エラストマーを冷却して粘度を調整した後、単軸押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型(直径1.3mmのノズルを8穴有する)の各ノズルから樹脂を押し出し、水中カットした。なお、水温は30〜50℃、カッター刃数は8枚、カッター回転数は3000〜4500rpmとした。得られた樹脂粒子は、粒子の長さLが1.4〜1.8mm、粒子の平均径Dが1.4〜1.8mmであった。
(2)発泡性粒子
内容積5Lの撹拌機付オートクレーブに、樹脂粒子1.5kg(100質量部)、蒸留水3L、界面活性剤(商品名:「ニューレックスR」、油化産業社製)5gを投入し、密閉した後、撹拌状態で発泡剤のブタン(ノルマルブタン:イソブタン=7:3)16質量部を圧入した。次に、オートクレーブを100℃で2時間加熱して、25℃まで冷却した。冷却完了後にオートクレーブを除圧し、直ちに蒸留水で界面活性剤を洗浄し、脱水することで発泡性粒子を得た。
(1)樹脂粒子
ポリブチレンテレフタレート(PBT)をハードセグメント、脂肪族ポリエーテルをソフトセグメントとするエステル系エラストマー(商品名:「ペルプレンGP475」、融点:155℃、ビカット軟化点:110℃、東洋紡社製)100質量部と有機系気泡調整剤(商品名:「花王ワックスEBFF」、花王社製)0.3質量部を単軸押出機に供給し、180〜280℃で溶融混練した。次に、溶融状態のエステル系エラストマーを冷却して粘度を調整した後、単軸押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型(直径1.3mmのノズルを8穴有する)の各ノズルから樹脂を押し出し、水中カットした。なお、水温は30〜50℃、カッター刃数は8枚、カッター回転数は3000〜4500rpmとした。得られた樹脂粒子は、粒子の長さLが1.4〜1.8mm、粒子の平均径Dが1.4〜1.8mmであった。
(2)発泡性粒子
内容積5Lの撹拌機付オートクレーブに、樹脂粒子1.5kg(100質量部)、蒸留水3L、界面活性剤(商品名:「ニューレックスR」、油化産業社製)5gを投入し、密閉した後、撹拌状態で発泡剤のブタン(ノルマルブタン:イソブタン=7:3)16質量部を圧入した。次に、オートクレーブを100℃で2時間加熱して、25℃まで冷却した。冷却完了後にオートクレーブを除圧し、直ちに蒸留水で界面活性剤を洗浄し、脱水することで発泡性粒子を得た。
(3)発泡粒子
発泡性粒子1.5kg(100質量部)に合着防止剤(商品名:「エパン450」、第一工業製薬社製)0.25質量部を塗布した後、内容積50Lの撹拌機付円筒型予備発泡機に投入し、撹拌させながらゲージ圧0.14MPaの水蒸気で加熱して、加熱することにより発泡粒子(平均粒子径2.4mm、嵩密度0.100g/cm3)を得た。
発泡性粒子1.5kg(100質量部)に合着防止剤(商品名:「エパン450」、第一工業製薬社製)0.25質量部を塗布した後、内容積50Lの撹拌機付円筒型予備発泡機に投入し、撹拌させながらゲージ圧0.14MPaの水蒸気で加熱して、加熱することにより発泡粒子(平均粒子径2.4mm、嵩密度0.100g/cm3)を得た。
(比較例1)
発泡ポリスチレン粒子(平均粒子径0.7mm、嵩密度0.04g/cm3)を発泡粒子として使用した。
実施例及び比較例の発泡粒子の25%圧縮応力、繰返し圧縮回復率及び感触試験結果を表1にまとめて示した。
発泡ポリスチレン粒子(平均粒子径0.7mm、嵩密度0.04g/cm3)を発泡粒子として使用した。
実施例及び比較例の発泡粒子の25%圧縮応力、繰返し圧縮回復率及び感触試験結果を表1にまとめて示した。
表1から、クッション体に熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含む発泡粒子を封入し、封入した発泡粒子の25%圧縮応力が5〜220kPaの範囲であれば、良好な柔軟性を示すクッション体を提供可能であることがわかった。
Claims (3)
- 複数の発泡粒子を封入することで構成されるクッション体であって、前記発泡粒子が熱可塑性エラストマーを基材樹脂として含み、かつ5〜220kPaの25%圧縮応力を有することを特徴とするクッション体。
- 前記熱可塑性エラストマーが、アミド系エラストマー、オレフィン系エラストマー及びエステル系エラストマーから選択される請求項1に記載のクッション体。
- 前記発泡粒子が、95%以上の繰返し圧縮回復率を有する請求項1又は2に記載のクッション体。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016069608 | 2016-03-30 | ||
JP2016069608 | 2016-03-30 |
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JP2016191891A Pending JP2017185193A (ja) | 2016-03-30 | 2016-09-29 | クッション体 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114173617A (zh) * | 2019-08-05 | 2022-03-11 | 株式会社Jsp | 就座用缓冲体 |
-
2016
- 2016-09-29 JP JP2016191891A patent/JP2017185193A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114173617A (zh) * | 2019-08-05 | 2022-03-11 | 株式会社Jsp | 就座用缓冲体 |
EP4011245A4 (en) * | 2019-08-05 | 2023-08-16 | JSP Corporation | CUSHION BODY TO SIT ON |
US11882940B2 (en) | 2019-08-05 | 2024-01-30 | Jsp Corporation | Cushion body for sitting |
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