JP2017160546A - コアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地 - Google Patents
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Abstract
【課題】周知の可塑性布地の可塑性が好ましくないという問題を解決するものである。【解決手段】上層布地と、下層布地と、支持層とを包括するコアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地であって、前記上層布地は、内層コア部と、前記内層コア部を被覆する外層ケーシング部とを包括し且つ前記内層コア部の融点が前記外層ケーシング部より高いコアシース構成を有する異融点繊維から成り、前記底層布地は、前記上層布地の一方に設置し、前記支持層は、前記上層布地及び前記下層布地の間に設置しており、前記内層コア部の融点が前記外層ケーシング部の融点より高いため、加熱加工後の前記異融点繊維の寸法安定性は好ましく、且つ永久的な形状記憶効果を有している。【選択図】図1
Description
本発明は、可塑性布地、特に、異融点コアシース構成を利用した繊維から成り且つ優れた可塑性を有する可塑性布地に関するものである。
可塑性の布生地は、様々な機能性服飾の分野において幅広く使用されており、例えば、特許文献1にあるような支持スポーツインナーは、圧縮性材料によって作成される第一層及び第二層を包括し、前記第一層は、充填されていない少なくとも一つの支持溝を包括し、前記支持溝は着用者の胸部の少なくとも一部に囲繞し、そのうち、前記第一層は、外層をさらに含んでおり、前記第二層は、モデルから形成する一対の胸部カップを有し、前記第二層は前記第一層と結合し合っていることを掲示している。また、材質でいうと、特許文献2、特許文献3にあるように、その大部分は、熱可塑性ポリウレタン(Thermoplastic Polyurethane,TPU)を用いている。
周知の熱可塑性ポリウレタン織物の製作方法でいうと、通常、浸漬或いは塗布といった方法が用いられるが、両者ともに織物を硬化し易く、通気性及び可塑性も好ましくなく、服飾の応用に向いておらず、また、一部の応用では、織物を湾曲した形状に成形する必要があるため、織物自体に高い支持性を具備する必要があるものの、上述した特徴では、これらの製作に不向きである。
本発明は、周知の可塑性布地の可塑性が好ましくないという問題を解決するものである。
上述の目的を達成するため、本発明は、内層コア部と、前記内層コア部を被覆する外層ケーシング部とを包括し且つ前記内層コア部の融点が前記外層ケーシング部より高いコアシース構成を有する異融点繊維から成る上層布地と、前記上層布地の一方に設置する下層布地と、前記上層布地及び前記下層布地の間に設置する支持層とを包括するコアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地を提供している。
このことから、周知技術と比べ、本発明は、前記内層コア部の融点が前記外層ケーシング部より高い前記異融点繊維を用いているため、加熱加工すると、まず先に前記外層ケーシング部が融解して粘着し合い、その後に前記内層コア部が融解して粘着し合っており、冷却凝固すると、まず先に前記内層コア部が凝固し、その後に前記外層ケーシング部が凝固している。従って、前記異融点繊維の寸法安定性は好ましく、且つ永久的な形状記憶効果を有している。特に、一定の湾曲性或いは高い湾曲性を必要とする靴の材料に適しており、従来の靴構成と比較すると、先芯等の芯の使用が省くため、製作コストと材料コストとを低減することができる。
本発明の詳細な説明と技術内容について、図面を参照しつつ以下のとおりに説明する。
本発明に係る実施例の構成を示す斜視図である図1と、本発明に係る実施例の構成を示す断面図である図2とを参照すると、本発明は、上層布地10と、支持層20と、底層布地30とを包括するコアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地であって、前記上層布地10は、前記底層布地30と相対的に設置し、前記支持層20は、前記上層布地10及び前記底層布地30の間に設置している。
本発明に係る実施例の構成を示す斜視図である図1と、本発明に係る実施例の構成を示す断面図である図2とを参照すると、本発明は、上層布地10と、支持層20と、底層布地30とを包括するコアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地であって、前記上層布地10は、前記底層布地30と相対的に設置し、前記支持層20は、前記上層布地10及び前記底層布地30の間に設置している。
本発明に係る実施例における異融点繊維の構成を示す断面図である図3を参照すると、前記上層布地10は、内層コア部111と、前記内層コア部111を被覆する外層ケーシング部112とを包括するコアシース(Core−Sheath)構成を呈する異融点繊維11から成っている。本発明において、前記内層芯部111の融点は、前記外層ケーシング部112より高く、さらにいうと、前記外層ケーシング部112は、第一融点を有し、前記内層芯部111は、第二融点を有し、前記第二融点は前記第一融点より高く、実施例において、前記第一融点は、170℃から210℃の間に介し、前記第二融点は、230℃から270℃の間に介しており、また、前記外層ケーシング部112及び前記内層芯部111の軟化点は、およそ70℃から80℃の間に介している。また、本発明に係る実施例において、前記内層芯部111及び前記外層ケーシング部112の材料は、ポリエチレンテレフタラート(Polyethylene terephthalate,PET)とすることが好ましい。
本発明に係る実施例において、図2のように、前記支持層20は、複数の支持部分21を包含し、前記支持部分21の両端は、前記上層布地10及び前記下層布地30にそれぞれ接続し、前記支持部分21は、10°から90°の間に介する範囲の角度で交差し、例えば、ポリエステル(Polyester)繊維、ポリプロピレン(Polypropylene,PP)繊維、ポリアミド(Polyamide)繊維、ポリエチレン(Polyethylene,PE)繊維、ポリアクリロニトリル(Polyacrylonitrile,PAN)繊維或いはポリエチレンテレフタラート(Polyethylene terephthalate,PET)繊維のような単一繊維である。そのうち、前記支持部分21は、前記上層布地10と前記下層布地30との間を鉤針で結合することが好ましい。
本発明において、前記上層布地10及び前記下層布地30の使用例として、例えばウィービング(Weaving)、メリヤス(Knitting)或いはクローシェ編み(Crocheting)等の編織方法によって製作し得ることができるが、本実施例において、前記上層布地10及び前記下層布地30は、丸編機によって製作し得ることが好ましく、経方向と緯方向とに沿ってそれぞれ編織を行うことで、前記上層布地10及び前記下層布地30は垂直方向の伸縮性をそれぞれ提供することができる。そのうち、前記下層布地30の糸は、紡績分野において常用される如何なる弾性繊維を使用することができ、好ましくは、スパンデックス(Spandex)、ナイロン6(Nylon 6)繊維、ナイロン6−6(Nylon 6−6)繊維、ポリエチレンテレフタラート(Polyethylene terephthalate,PET)繊維、ポリウレタン(Polyurethane,PU)繊維、ポリエチレン(Polyethylene,PE)繊維、ポリプロピレン(Polypropylene,PP)繊維或いはこれ等繊維の組合せのいずれかが好ましい。また、本発明に係る実施例を応用した女性用スポーツインナーを示す模式図である図4を参照すると、女性用スポーツインナー40は、2つのストラップ41と、2つのカップ42と、ベルト43とを包括し、そのうち、本発明に係るコアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地は、寸法安定性が高いため、前記カップ42の製作に適している。さらにまた、本発明に係る実施例を応用した靴を示す模式図である図5を参照すると、前記可塑性布地は、靴50に応用することができ、前記靴50は、つま先部51とかかと部52とを包括している。従来の靴では、靴を予期していた形状とし且つ脚部に符合させるため、先端部或いは後端部に硬質の芯を埋め込む必要があるが、本発明で得た可塑性布地では、布地自体に良好な構成安定性と可塑能力を有していることから、前記つま先部51と前記かかと部52とに応用すると、芯の使用を省くことができる。また、本発明に係る実施例において、前記靴50に応用される場合、前記上層布地10は、前記異融点繊維11を用い、前記下層布地30は、ポリエチレンテレフタラート繊維を用い、140℃から190℃の間の温度で熱プレス加工を介することで、前記つま先部51と前記かかと部52とに応用することができる。
このことから、本発明は、本発明は、前記内層コア部の融点が前記外層ケーシング部より高い前記異融点繊維を用いているため、加熱加工すると、まず先に前記外層ケーシング部が融解して粘着し合い、その後に前記内層コア部が融解して粘着し合っており、冷却凝固すると、まず先に前記内層コア部が凝固し、その後に前記外層ケーシング部が凝固している。このような構成に基づき、加熱加工後の前記異融点繊維の寸法安定性は好ましく、且つ永久的な形状記憶効果を有し、特に、一定の湾曲性或いは高い湾曲性を必要とする靴の材料に適しており、従来の靴構成と比較すると、先芯等の芯の使用が省くため、製作コストと材料コストとを低減することができる。
以上を以て、本発明を詳細に説明したものの、上述したものは、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明が請求する範囲を限定するものではない。本発明が請求する範囲内で行った変更又は修正は、本発明が求める範疇に属するものである。
10 上層布地
11 異融点繊維
111 内層コア部
112 外層ケーシング部
20 支持層
21 支持部分
30 下層布地
40 女性用スポーツインナー
41 ストラップ
42 カップ
43 ベルト
50 靴
51 つま先部
52 かかと部
11 異融点繊維
111 内層コア部
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21 支持部分
30 下層布地
40 女性用スポーツインナー
41 ストラップ
42 カップ
43 ベルト
50 靴
51 つま先部
52 かかと部
本発明に係る実施例における異融点繊維の構成を示す断面図である図3を参照すると、前記上層布地10は、内層コア部111と、前記内層コア部111を被覆する外層ケーシング部112とを包括するコアシース(Core−Sheath)構成を呈する異融点繊維11から成っている。本発明において、前記内層芯部111の融点は、前記外層ケーシング部112より高く、さらにいうと、前記外層ケーシング部112は、第一融点を有し、前記内層芯部111は、第二融点を有し、前記第二融点は前記第一融点より高く、実施例において、前記第一融点は、170℃から210℃の間に介し、前記第二融点は、230℃から270℃の間に介しており、また、前記外層ケーシング部112及び前記内層芯部111の軟化点は、およそ70℃から80℃の間に介している。また、本発明に係る実施例において、前記内層芯部111及び前記外層ケーシング部112の材料は、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate,PET)とすることが好ましい。
本発明に係る実施例において、図2のように、前記支持層20は、複数の支持部分21を包含し、前記支持部分21の両端は、前記上層布地10及び前記下層布地30にそれぞれ接続し、前記支持部分21は、10°から90°の間に介する範囲の角度で交差し、例えば、ポリエステル(Polyester)繊維、ポリプロピレン(Polypropylene,PP)繊維、ポリアミド(Polyamide)繊維、ポリエチレン(Polyethylene,PE)繊維、ポリアクリロニトリル(Polyacrylonitrile,PAN)繊維或いはポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate,PET)繊維のような単一繊維である。そのうち、前記支持部分21は、前記上層布地10と前記下層布地30との間を鉤針で結合することが好ましい。
本発明において、前記上層布地10及び前記下層布地30の使用例として、例えばウィービング(Weaving)、メリヤス(Knitting)或いはクローシェ編み(Crocheting)等の編織方法によって製作し得ることができるが、本実施例において、前記上層布地10及び前記下層布地30は、丸編機によって製作し得ることが好ましく、経方向と緯方向とに沿ってそれぞれ編織を行うことで、前記上層布地10及び前記下層布地30は垂直方向の伸縮性をそれぞれ提供することができる。そのうち、前記下層布地30の糸は、紡績分野において常用される如何なる弾性繊維を使用することができ、好ましくは、スパンデックス(Spandex)、ナイロン6(Nylon 6)繊維、ナイロン6−6(Nylon 6−6)繊維、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate,PET)繊維、ポリウレタン(Polyurethane,PU)繊維、ポリエチレン(Polyethylene,PE)繊維、ポリプロピレン(Polypropylene,PP)繊維或いはこれ等繊維の組合せのいずれかが好ましい。また、本発明に係る実施例を応用した女性用スポーツインナーを示す模式図である図4を参照すると、女性用スポーツインナー40は、2つのストラップ41と、2つのカップ42と、ベルト43とを包括し、そのうち、本発明に係るコアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地は、寸法安定性が高いため、前記カップ42の製作に適している。さらにまた、本発明に係る実施例を応用した靴を示す模式図である図5を参照すると、前記可塑性布地は、靴50に応用することができ、前記靴50は、つま先部51とかかと部52とを包括している。従来の靴では、靴を予期していた形状とし且つ脚部に符合させるため、先端部或いは後端部に硬質の芯を埋め込む必要があるが、本発明で得た可塑性布地では、布地自体に良好な構成安定性と可塑能力を有していることから、前記つま先部51と前記かかと部52とに応用すると、芯の使用を省くことができる。また、本発明に係る実施例において、前記靴50に応用される場合、前記上層布地10は、前記異融点繊維11を用い、前記下層布地30は、ポリエチレンテレフタレート繊維を用い、140℃から190℃の間の温度で熱プレス加工を介することで、前記つま先部51と前記かかと部52とに応用することができる。
Claims (10)
- 内層コア部と、前記内層コア部を被覆する外層ケーシング部とを包括し且つ前記内層コア部の融点が前記外層ケーシング部より高いコアシース構成を有する異融点繊維から成る上層布地と、
前記上層布地の一方に設置する下層布地と、
前記上層布地及び前記下層布地の間に設置する支持層と、を包括することを特徴とする、コアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地。 - 前記内層芯部及び前記外層ケーシング部の材料は、ポリエチレンテレフタラートとすることを特徴とする請求項1に記載の、コアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地。
- 前記下層布地の糸は、スパンデックス、ナイロン6繊維、ナイロン6−6繊維、ポリエチレンテレフタラート繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレン繊維及びポリプロピレン繊維から成る群のいずれかとすることを特徴とする請求項1に記載の、コアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地。
- 前記上層布地及び前記下層布地の編織方法は、ウィービング、メリヤス及びクローシェ編みから成る群のいずれかとすることを特徴とする請求項1に記載の、コアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地。
- 前記支持層は、両端が前記上層布地及び前記下層布地にそれぞれ接続する複数の支持部分を包含することを特徴とする請求項1に記載の、コアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地。
- 前記支持部分は、10°から90°の間に介する角度で交差することを特徴とする請求項5に記載の、コアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地。
- 前記支持部分は、単一繊維であって、その材料は、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維及びポリエチレンテレフタラート繊維から成る群のいずれかとすることを特徴とする請求項5に記載の、コアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地。
- 前記外層ケーシング部は、第一融点を有し、前記内層コア部は、前記第一融点より高い第二融点を有することを特徴とする請求項1に記載の、コアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地。
- 前記第一融点は、170℃から210℃の間に介することを特徴とする請求項8に記載の、コアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地。
- 前記第二融点は、230℃から270℃の間に介することを特徴とする請求項8に記載の、コアシース構成を利用した異融点繊維から成る可塑性布地。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20171031 |