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JP2017154400A - 記録装置 - Google Patents

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JP2017154400A
JP2017154400A JP2016040288A JP2016040288A JP2017154400A JP 2017154400 A JP2017154400 A JP 2017154400A JP 2016040288 A JP2016040288 A JP 2016040288A JP 2016040288 A JP2016040288 A JP 2016040288A JP 2017154400 A JP2017154400 A JP 2017154400A
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JP2016040288A
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建志 大嶋
Kenji Oshima
建志 大嶋
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Abstract

【課題】記録装置の内壁にフレキシブルフラットケーブル(FFC)を容易に保持させることが可能であるとともに、保持後のFFCが外れる虞が少ないケーブル保持手段を備える記録装置を提供する。また、ケーブル保持手段によってFFCが傷つく虞を低減する。【解決手段】下部ハウジングの内壁にFFC24を保持するケーブル保持手段25は、内壁において鉛直方向と交差する方向に間隔を開けて複数設けられ、FFC24を保持する、FFC24の延伸方向と交差する方向に延びるスリット部26と、複数のスリット部26の内、少なくとも2つのスリット部26の間に設けられ、保持されるFFC24の一部を内壁の壁面から離間させる凸部27と、上部ハウジングに設けられ、スリット部26に保持されるFFC24の上方への移動を規制する規制部28とを備える。【選択図】図9

Description

本発明は、被記録媒体に記録を行う記録装置に関する。
記録装置の一例であるインクジェットプリンターでは、記録ヘッドとプリンターの制御部とがフレキシブルフラットケーブルで接続される場合がある。
前記フレキシブルフラットケーブル(以下、FFCと称する場合がある)は、例えば記録装置の基体を構成するフレーム等に沿って配線される。
特許文献1には、搬送される媒体の幅方向に往復移動する記録ヘッドの移動方向に沿って設けられるメインフレーム4に、一端側が前記記録ヘッドに接続されたFFCの固定部が設けられている。特許文献1において、FFCの支持装置(保持手段)がメインフレーム4の一部を折り曲げて形成されている(特許文献1の図7を参照)。
また、特許文献2には、搬送される媒体の幅方向に往復移動する記録ヘッドと、制御部としての基板とを接続するケーブル(FFC)を、装置本体を構成するフレームの一部を折り曲げた折り曲げ部74(特許文献2の図8を参照)により保持する保持手段が開示されている。
特開2006−82381号公報 特開2015−123678号公報
ここで、特許文献1の図7に示すように、一つのフレームにおいてFFCの上部と下部の両方を押さえる構成とすると、前記保持手段からは抜け難くなるものの、当該保持手段への取り付けが困難になっていた。また、取り付け難い保持手段に無理に前記FFCを取り付けようとすると、FFCに傷が付く虞があった。
特に、特許文献1及び特許文献2において、前記FFCの保持手段が設けられている装置本体を構成するフレームは、通常、板金等で形成されている場合が多い。板金を折り曲げて形成した前記保持手段では、FFCを保持手段に取り付けた際に板金端部が当たり、前記FFCに傷をつける虞がある。
そこで本発明はこの様な問題に鑑み成されたものであり、その目的は、記録装置の内部の壁にフレキシブルフラットケーブルを容易に保持させることが可能であるとともに、保持後の前記フレキシブルフラットケーブルが外れる虞が少ないケーブル保持手段を備える記録装置を提供することにある。また、前記記録装置の前記ケーブル保持手段によって、前記フレキシブルフラットケーブルが傷つく虞を低減または回避することにある。
上記課題を解決する為の、本発明の第1の態様に係る記録装置は、搬送される媒体に液体を吐出して記録を行う記録ヘッドを有する装置本体と、前記装置本体を収容可能な下部ハウジングと、前記下部ハウジングの上部に設けられる上部ハウジングと、前記下部ハウジングの内壁に対し、鉛直方向と交差する方向に延伸した状態で保持されるフレキシブルフラットケーブルと、前記フレキシブルフラットケーブルを前記下部ハウジングの内壁に保持するケーブル保持手段と、を備え、前記ケーブル保持手段は、前記下部ハウジングの内壁において鉛直方向と交差する方向に間隔を開けて複数設けられ、前記フレキシブルフラットケーブルを保持する、前記フレキシブルフラットケーブルの延伸方向と交差する方向に延びるスリット部と、複数の前記スリット部の内、少なくとも2つのスリット部の間に設けられ、保持される前記フレキシブルフラットケーブルの一部を前記内壁の壁面から離間させる凸部と、前記上部ハウジングに設けられ、前記スリット部に保持される前記フレキシブルフラットケーブルの上方への移動を規制する規制部と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、前記ケーブル保持手段が、前記下部ハウジングの内壁に対し、鉛直方向と交差する方向に延伸した状態で保持される前記フレキシブルフラットケーブル(以下、FFCと称する場合がある)を、前記下部ハウジングの内壁において鉛直方向と交差する方向に間隔を開けて複数設けられ、前記フレキシブルフラットケーブルの延伸方向と交差する方向に延びるスリット部によって保持し、前記下部ハウジングの上部に設けられる上部ハウジングに設けられる規制部によって前記スリット部に保持される前記FFCの上方への移動を規制するように構成されているので、前記ケーブル保持手段への前記FFCの容易な取り付けと、取り付け後のFFCが前記ケーブル保持手段から外れ難くすることの両方を実現することができる。
また、前記複数のスリット部の内、少なくとも2つのスリット部の間に設けられる前記凸部によって、保持される前記フレキシブルフラットケーブルの一部を前記内壁の壁面から離間させることができるので、前記規制部が前記FFCの幅方向の端部により確実に当接する構成とすることができる。
前記ケーブル保持手段は、前記FFCと接触したときに当該FFCを傷つけにくい材料(例えば、樹脂材料等)で形成することができ、FFCに傷がつく虞を低減することができる。
本発明の第2の態様に係る記録装置は、第1の態様において、前記スリット部及び前記凸部が、前記下部ハウジングに一体に形成されている、ことを特徴とする。
本態様によれば、例えば樹脂材料等による一体成型により、前記スリット部及び前記凸部を一体に設けた下部ハウジングを形成することができる。以って、前記記録装置における部品点数を減らし、コストを低減することができる。
本発明の第3の態様に係る記録装置は、第1の態様または第2の態様において、前記装置本体が、前記記録ヘッドを媒体搬送方向と交差する方向に往復移動可能に保持するキャリッジを備え、前記フレキシブルフラットケーブルが前記キャリッジに接続され、前記キャリッジの移動動作に伴って前記ケーブル保持手段と前記キャリッジとの間で変形可能に設けられている、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記記録ヘッドを保持するとともに媒体搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジに接続されるFFCを、第1の態様または第2の態様の前記ケーブル保持手段によって保持することができる。
本発明の第4の態様に係る記録装置は、第3の態様において、複数の前記スリット部が、スリット深さが浅い第1のスリット部と、前記第1のスリット部よりもスリット深さが深い第2のスリット部と、を備えて構成されている、ことを特徴とする。
前記キャリッジに接続されるFFCは、通常、前記キャリッジにおける接続部を介して前記記録ヘッドと接続され、該記録ヘッドと前記装置本体に設けられる基板との間で情報を送受信するように構成されている。前記FFCの幅は、前記記録ヘッドと前記基板の間で送受信される情報量に応じて増減し、前記情報量が増えると幅は広くなる。例えば、前記記録ヘッドに設けられるノズル数や、インクの色の種類の数等が増えると前記情報量は多くなる。
本態様によれば、複数の前記スリット部が、スリット深さが浅い第1のスリット部と、前記第1のスリット部よりもスリット深さが深い第2のスリット部と、を備えて構成されているので、前記FFCの幅が、浅い第1のスリット部に対応する幅である場合と、深い第2のスリット部に対応する幅である場合の両方において、同一の下部ハウジングのケーブル保持手段によって前記FFCを保持することができる。このことにより、例えば、前記記録ヘッドの仕様の違いのため、用いられるFFCの幅が異なる2種類の記録装置において、下部ハウジングを共通化することができる。以って、装置の製造コストを低減することができる。
本発明の第5の態様に係る記録装置は、第4の態様において、複数の前記スリット部のうち、前記フレキシブルフラットケーブルの変形の起点を構成するスリット部が、前記第2のスリット部で構成されている、ことを特徴とする。
本態様によれば、複数の前記スリット部のうち、前記フレキシブルフラットケーブルの変形の起点を構成するスリット部が、スリット深さの深い前記第2のスリット部で構成されているので、前記ケーブル保持手段に保持されるフレキシブルフラットケーブルの幅が、浅い第1のスリット部に対応する幅である場合と、深い第2のスリット部に対応する幅である場合の両方において、前記FFCの変形の起点を同じにすることができる。
本発明の第6の態様に係る記録装置は、第3の態様から第5の態様のいずれかにおいて、前記キャリッジが、前記記録ヘッドに前記液体を供給する液体カートリッジを搭載可能に構成され、前記上部ハウジングが、前記キャリッジから前記液体カートリッジを外す際の手掛け用の凹部を備え、前記手掛け用の凹部の少なくとも一部と、前記ケーブル保持手段の少なくとも一部とが、前記媒体搬送方向でオーバーラップする、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記キャリッジから前記液体カートリッジを外す際の手掛け用の凹部の少なくとも一部と、前記ケーブル保持手段の少なくとも一部とが、媒体搬送方向でオーバーラップするので、記録装置における媒体搬送方向の寸法を抑制することができる。
本発明の第7の態様に係る記録装置は、第1の態様から第6の態様のいずれかにおいて、前記スリット部が、前記下部ハウジングの内壁から突出する第1の立壁部と、前記第1の立壁部との間で前記フレキシブルフラットケーブルを挟む第2の立壁部と、を備えている、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記スリット部が前記下部ハウジングの内壁から突出する第1の立壁部を備えているので、当該スリット部においても前記フレキシブルフラットケーブルを前記内壁から離間させることができる。また、前記凸部において離間する前記FFCとの間の屈曲を少なくすることができる。
本発明に係るプリンターの外観を表す斜視図。 本発明に係るプリンターの要部を表す斜視図。 本発明に係るプリンターにおける媒体搬送経路を示す図。 下部ハウジングに収容された装置本体を表す斜視図。 下部ハウジングに収容された装置本体の要部拡大斜視図。 上部ハウジングを表す斜視図。 ケーブル保持手段の要部斜視断面図。 ケーブル保持手段の要部断面図。 本発明に係るプリンターの要部平面図。 ケーブル保持手段を構成するスリット部の要部拡大斜視図。 ケーブル保持手段に幅狭のフレキシブルフラットケーブルを取り付けた状態を示す図。 ケーブル保持手段に幅広のフレキシブルフラットケーブルを取り付けた状態を示す図。
[実施例1]
まず、本発明の一実施例に係る記録装置の概略について説明する。本実施例の記録装置の一例として、インクジェット式プリンター1(以下、単にプリンター1という)を例に挙げる。
図1は、本発明に係るプリンターの外観を表す斜視図である。図2は、本発明に係るプリンターの要部を表す斜視図である。図3は、本発明に係るプリンターにおける媒体搬送経路を示す図である。図4は、下部ハウジングに収容された装置本体を表す斜視図である。図5は、下部ハウジングに収容された装置本体の要部拡大斜視図である。図6は、上部ハウジングを表す斜視図である。図7は、ケーブル保持手段の要部斜視断面図である。図8は、ケーブル保持手段の要部断面図である。図9は、本発明に係るプリンターの要部平面図である。図10は、ケーブル保持手段を構成するスリット部の要部拡大斜視図である。図11は、ケーブル保持手段に幅狭のフレキシブルフラットケーブルを取り付けた状態を示す図である。図12は、ケーブル保持手段に幅広のフレキシブルフラットケーブルを取り付けた状態を示す図である。
尚、各図において示すX−Y−Z座標系は、X方向が記録ヘッドの走査方向であり、記録が行われる媒体の幅方向である。Y方向が装置奥行き方向であり、媒体の長さ方向である。Z方向は重力方向であり、装置高さ方向である。また、+Y方向側を装置前面側とし、−Y方向側を装置背面側とする。また、装置前面側から見て右側を+X方向、左側を−X方向とする。また、+Z方向を装置上方(上部、上面等を含む)とし、−Z方向側を装置下方(下部、下面等を含む)とする。
また、以下において、プリンター1において記録用紙が搬送されていく搬送方向を「下流」といい、これと反対の方向を「上流」という。
<プリンターの概要>
プリンター1(図1)は、媒体としての記録用紙に記録を行うプリンターユニット2と、原稿の画像を読み取るスキャナーユニット3とを備える複合機として構成されている。スキャナーユニット3は、プリンターユニット2の上部に設けられている。
尚、本明細書において記録用紙とは、一例として普通紙や厚紙、写真用紙等の用紙を指している。
プリンターユニット2内に設けられる記録ヘッド10(図3)による記録後の記録用紙は、装置前面に設けられる排出口4から出て、排紙トレイ5に載置される。尚、プリンターユニット2内における記録用紙の搬送経路については後で説明する。
装置前面において符号6は、電源ボタンや各種印刷設定・記録実行を行う操作ボタン、印刷設定内容や印刷画像のプレビュー表示などを行う表示部、等を備えて成る操作パネルである。
プリンターユニット2(図2)は、記録を行う装置本体7と、装置本体7を収容する下部ハウジング8と、下部ハウジング8の上部に設けられる上部ハウジング9とによって構成されている。
下部ハウジング8は、図4に示すように上部が開口しており、装置本体7を収容可能に構成されている。
また上部ハウジング9は、下部ハウジング8の上部の前記開口を塞ぐ蓋であり、下部ハウジング8に対して差し込み式に構成されている(図6も参照)。尚、上部ハウジング9の上面9a(図2)は、前述したスキャナーユニット3(図1)の載置面でもある。
<用紙搬送経路について>
続いて、図3を参照して、プリンターユニット2の装置本体7における記録用紙の搬送経路について説明する。尚、図3において、点線Pは記録用紙の搬送経路である。
装置本体7は、底部に複数の記録用紙(用紙束P1)を収容する用紙トレイ11を備え、用紙トレイ11から記録用紙が1枚ずつ給送される。
記録用紙は、用紙トレイ11から給送ローラー12(ピックアップローラーとも言う)により一旦装置背面側(−Y方向)に送られ、中間ローラー13によって湾曲されて装置前面側(+Y方向)に送られるようになっている。尚、給送ローラー12は、揺動軸12aを軸として揺動可能に構成され、用紙トレイ11に収容される用紙束P1の一番上の記録用紙に接触するように構成されている。
記録ヘッド10の用紙搬送方向上流側(装置背面側、−Y方向)には、図示しないモーターによって回転駆動される搬送駆動ローラー14と、該搬送駆動ローラー14に接して従動回転する搬送従動ローラー15とが設けられており、記録用紙が記録ヘッド10の下へと送られる。
記録ヘッド10は、記録用紙の搬送方向(Y軸方向)と交差するX軸方向に移動可能に保持されるキャリッジ16に搭載されており、記録ヘッド10と対向する領域に送られる記録用紙に対してインクを吐出することにより記録が行われるように構成されている。またキャリッジ16には、記録ヘッド10にインクを供給するインクカートリッジ19(液体カートリッジ)が搭載されている。
記録ヘッド10の用紙搬送方向下流側(装置前面側、+Y方向)には、図示しないモーターによって回転駆動される排出駆動ローラー17と、当該排出駆動ローラー17に接して従動回転する排出従動ローラー18とが設けられており、記録後の記録用紙は、装置前面側に設けられる排紙トレイ5に排出される。
<装置本体について>
装置本体7の構成について更に説明する。装置本体7(図4)は、装置奥行方向(Y軸方向)のほぼ中央部に、記録ヘッド10(キャリッジ16)の移動方向(X軸方向)に延設されるメインフレーム20を備えている。メインフレーム20には、キャリッジ16を移動するための移動機構(不図示)が設けられている。符号21は、キャリッジ16の移動機構の動力源としてのモーターである。
また、メインフレーム20の両側には、記録ヘッド10の移動方向と交差する方向(Y軸方向)に延設されるとともにフレーム面が鉛直方向に沿う一対のサイドフレーム22が設けられる。尚、図4においては、装置内部を見易くするため、装置背面側から見て左側(+X側)のサイドフレームが省略されており、右側(−X側)のサイドフレーム22のみが表されている。
右側のサイドフレーム22の外側(−X側)には、記録ヘッド10を含む各種構成部材の制御を行う制御部としてのメイン基板23(図5)が設けられている。
また記録ヘッド10には、記録ヘッド10の動作を制御する基板(図示せず)が設けられており、記録ヘッド10側の基板とメイン基板23とはフレキシブルフラットケーブル24(以下、FFC24という場合がある)によって接続されている。FFC24を介してメイン基板23から記録ヘッド10側の基板に対して制御信号が出力される。
尚、記録ヘッド10は移動するキャリッジ16に搭載されるので、FFC24の記録ヘッド10側の端部29a(図4)はキャリッジ16の+X方向側の側面16aに固定されている。図5の符号29bは、FFC24のメイン基板23側の端部である。
FFC24は、メイン基板23とキャリッジ16(記録ヘッド10)との間、すなわち、端部29aと端部29bの間において、図4及び図5に示すように、下部ハウジング8の内壁に対し、鉛直方向と交差する方向に延伸した状態でケーブル保持手段25により保持されている。
以下において、FFC24を下部ハウジング8の内壁に保持するケーブル保持手段25について説明する。
<ケーブル保持手段について>
ケーブル保持手段25は、下部ハウジング8の前面側(+Y側)の内壁8a(図4、図5)に設けられるスリット部26及び凸部27と、上部ハウジングに設けられる規制部28によって構成されている。
まず、下部ハウジング8の内壁8a(図4、図5)には、鉛直方向(Z軸方向)と交差する方向(X軸方向)に間隔を開けて複数のスリット部26が設けられている。スリット部26は、FFC24を挟んで保持する凹部形状をしており、FFC24の延伸方向(X軸方向)と交差する方向(Z軸方向)に延びている。本実施例においては複数のスリット部26として、6つのスリット部26a、26b、26c、26d、26e、26f(図5)が設けられている。
続いて、ケーブル保持手段25を構成する凸部27が、少なくとも2つのスリット部26の間に設けられている。本実施例では、スリット部26bとスリット部26cの間と、スリット部26dとスリット部26eの間に凸部27が設けられている。 凸部27は、図11に示すように、スリット部26によって内壁8aに沿って保持されるFFC24の一部を内壁8aの壁面から離間させる様に内壁8aから突出している。
更に、上部ハウジング9には規制部28(図6)が設けられている。規制部28は、上部ハウジング9を下部ハウジング8に取り付けた際に(図7及び図8)、スリット部26に保持されるFFC24の上方への移動を規制する役割を担う。
本実施例において、規制部28は、X軸方向において凸部27に対応する位置に設けられている(図9及び図11を参照)。
このような、下部ハウジング8側に設けられるスリット部26及び凸部27と、上部ハウジング側に設けられる規制部28により構成されるケーブル保持手段25を備えることにより、以下の作用効果が得られる。すなわち、ケーブル保持手段25は、FFC24を、下部ハウジング8の内壁8aにおいて鉛直方向と交差する方向(FFC24の延伸方向)に間隔を開けて複数設けられるスリット部26によって保持し、上部ハウジング29に設けられる規制部28によってスリット部26に保持されるFFC24の上方への移動を規制するように構成されているので、ケーブル保持手段25へのFFC24の容易な取り付けと、取り付け後のFFC24がケーブル保持手段25から外れ難くすることの両方を実現することができる。
また、例えばFFC24が下部ハウジング8の内壁8aに対して隙間なく沿った状態であると、FFC24が上方に移動した際に内壁8aと規制部28との間に入り込む虞があるが、2つのスリット部26(スリット部26bとスリット部26c、或いは、スリット部26dとスリット部26e)の間に設けられる凸部27よって、保持されるFFC24の一部を内壁8aの壁面から離間させるので、規制部28がFFC24の幅方向の端部により確実に当接する構成とすることができる。
スリット部26及び凸部27は、下部ハウジング8に一体に形成されている。例えば樹脂材料等による一体成型により、スリット部26及び凸部27を一体に設けた下部ハウジング8を形成することができる。このことにより、プリンター1における部品点数を減らし、コストを低減することができる。
勿論、下部ハウジング8とは別個のスリット部26及び凸部27を下部ハウジング8の壁面に設けることも可能である。その際、別個のスリット部26及び凸部27は、樹脂材料等のFFC24を傷つけにくい材料で形成することが望ましい。このことにより、ケーブル保持手段25とFFC24との接触によりFFC24が傷つく虞を低減することができる。
尚、本実施例において、凸部27は、スリット部26bとスリット部26cとの間と、スリット部26dとスリット部26eとの間に、それぞれ2つずつ設けられているが、1つ或いは3つ以上であってもよい。
また本実施例では、図11に示すように、凸部27の位置に対応する位置に設けられている規制部28が2つずつあり、その2つの規制部28がFFC24の延伸方向において凸部27を挟むように配置されている。
このように規制部28を配置すると、バランスよくFFC24の上方への移動を規制することができるので望ましいが、例えば、1つの規制部28によってFFC24を押さえる構成とすることも可能である。
続いて、ケーブル保持手段25における他の構成について説明する。
本実施例において、ケーブル保持手段25の複数のスリット部26は、2種類の深さのスリット深さ、すなわち、深さが浅いスリットと深いスリットとで構成されている。
具体的には、複数のスリット部26(図10を参照)が、スリット深さが浅い第1のスリット部30(=深さd1)と、第1のスリット部30よりもスリット深さが深い第2のスリット部31(=深さd2>d1)とによって構成されており、スリット部26b、26c、26eが浅い第1のスリット部30であり、スリット部26a、26d、26fが深い第2のスリット部31である。
ここで、FFC24は、前述したように記録ヘッド10とメイン基板23とを接続するケーブルであり、記録ヘッド10とメイン基板23との間で各種情報を送受信するように構成されている。FFC24の幅は、送受信される前記情報量に応じて増減し、前記情報量が増えると幅は広くなる。例えば、記録ヘッド10に設けられるノズル数や、インクの色の種類の数等が増えると情報量も増加し、FFC24の幅は広くなる。
複数のスリット部26が、第1のスリット部30と、第1のスリット部30よりも深い第2のスリット部31と、を備えて構成されていることにより、ケーブルの幅が第1のスリット部30の深さd1に対応する幅であるFFC24a(図11)と、第2のスリット部31の深さd2に対応する幅であるFFC24b(図12)の両方に対応することができる。
図11に示すように、幅狭のFFC24aは、第1のスリット部30と第2のスリット部31の両方、すなわちすべてのスリット部26に差し込まれて保持することができる。
一方、幅広のFFC24bは、深い第2のスリット部31にのみ差し込まれ、第1のスリット部30の外側を通るようにして保持される。このとき、第1のスリット部30によってもFFC24bを内壁8aから離間させることができる。
以上のように、深さの異なる第1のスリット部30と第2のスリット部31を備えることにより、記録ヘッドの仕様の違い等のため、用いられるFFC24の幅が異なる(例えばFFC24aとFFC24b)プリンターにおいて、下部ハウジング8を共通化することができる。以って、各プリンターの製造コストを低減することができる。
また、本実施例において、キャリッジ16のホームポジション(図9において仮想線で示すキャリッジ16の位置)は、メイン基板23に近い側、すなわち、−X側に位置している。FFC24は端部29aがキャリッジ16に接続され、キャリッジ16の移動動作に伴ってケーブル保持手段25とキャリッジ16との間で変形可能に設けられている。
より具体的には、複数のスリット部26のうち、ホームポジションから最も離れた位置(+X側)に位置するスリット部26aがFFC24の変形の起点となっている(図9)。
複数のスリット部26が、スリット深さが浅い第1のスリット部30と深い第2のスリット部31で構成される場合、FFC24の変形の起点となるスリット部26aは深い第2のスリット部31であることが望ましい。
このことによって、キャリッジ16とメイン基板23を接続するFFC24が幅狭のFFC24aと幅広のFFC24bのいずれであっても、その変形の起点を同じにすることができる。
また、本実施例では、複数のスリット部26のうち、−X側の端に設けられるスリット部26fも深い第2のスリット部31として構成されている。FFC24bは、図4に示すようにスリット部26fよりも−X側において、サイドフレーム22に沿うように折り曲げられる。スリット部26fを第2のスリット部31とすることにより、キャリッジ16とメイン基板23を接続するFFC24が幅狭のFFC24aと幅広のFFC24bのいずれであっても、FFC24bが曲げられる起点を同じにすることができる。
また、本実施例において、スリット部26(図10)は、下部ハウジング8の内壁8aから突出する第1の立壁部32と、第1の立壁部32との間でFFC24を挟む第2の立壁部33と、を備えて構成さている。
スリット部26が内壁8aから突出する第1の立壁部32を備えることにより、スリット部26においてもFFC24を内壁8aから離間させることができる。また、凸部27において離間するFFC24との間の屈曲を少なくすることができる。
尚、スリット部26は、第1の立壁部32がなく、内壁8aと第2の立壁部33との間でFFC24を挟む構成とすることも可能である。
続いて、ケーブル保持手段25における更に他の構成について説明する。
前述したように、キャリッジ16には記録ヘッド10にインクを供給するインクカートリッジ19が搭載されており、インクカートリッジ19はユーザーによって交換可能に構成されている。
上部ハウジング9には、キャリッジ16からインクカートリッジ19を外す際の手掛け用の凹部34(図2及び図9を参照)が設けられている。
インクカートリッジ19の交換時には、キャリッジ16を凹部34に対応する位置(図9において実線で示すキャリッジ16の位置)まで移動させる。キャリッジ16がこの位置にあると、ユーザーが凹部34に手を差し込んでインクカートリッジ19に手を掛けることができるので、インクカートリッジ19の着脱を容易に行うことができる。
ここで、手掛け用の凹部34の少なくとも一部は、ケーブル保持手段25の少なくとも一部と、媒体搬送方向(Y軸方向)でオーバーラップするように設けられている(図9を参照)。言い換えると、凹部34の少なくとも一部と、ケーブル保持手段25の少なくとも一部とが、媒体搬送方向(Y軸方向)において同じ位置にある。
このことによって、プリンター1における装置奥行方向の寸法を抑制することができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
1…プリンター(記録装置)、2…プリンターユニット、3…スキャナーユニット、
4…排出口、5…排紙トレイ、6…操作パネル、7…装置本体、
8…下部ハウジング、9…上部ハウジング、10…記録ヘッド、
11…用紙トレイ、12…給送ローラー、13…中間ローラー、
14…搬送駆動ローラー、15…搬送従動ローラー、16…キャリッジ、
17…排出駆動ローラー、18…排出従動ローラー、
19…インクカートリッジ(液体カートリッジ)、20…メインフレーム、
21…モーター、22…サイドフレーム、23…メイン基板、
24…フレキシブルフラットケーブル(FFC)、25…ケーブル保持手段、
26…スリット部、27…凸部、28…規制部、29a、29b…端部、
30…第1のスリット部、31…第2のスリット部、32…第1の立壁部、
33…第2の立壁部、34…凹部、
P1…用紙束、P…記録用紙(媒体)の搬送経路

Claims (7)

  1. 搬送される媒体に液体を吐出して記録を行う記録ヘッドを有する装置本体と、 前記装置本体を収容可能な下部ハウジングと、 前記下部ハウジングの上部に設けられる上部ハウジングと、 前記下部ハウジングの内壁に対し、鉛直方向と交差する方向に延伸した状態で保持されるフレキシブルフラットケーブルと、 前記フレキシブルフラットケーブルを前記下部ハウジングの内壁に保持するケーブル保持手段と、を備え、
    前記ケーブル保持手段は、前記下部ハウジングの内壁において鉛直方向と交差する方向に間隔を開けて複数設けられ、前記フレキシブルフラットケーブルを保持する、前記フレキシブルフラットケーブルの延伸方向と交差する方向に延びるスリット部と、
    複数の前記スリット部の内、少なくとも2つのスリット部の間に設けられ、保持される前記フレキシブルフラットケーブルの一部を前記内壁の壁面から離間させる凸部と、
    前記上部ハウジングに設けられ、前記スリット部に保持される前記フレキシブルフラットケーブルの上方への移動を規制する規制部と、
    を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置において、前記スリット部及び前記凸部が、前記下部ハウジングに一体に形成されている、
    ことを特徴とする記録装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の記録装置において、
    前記装置本体が、前記記録ヘッドを媒体搬送方向と交差する方向に往復移動可能に保持するキャリッジを備え、
    前記フレキシブルフラットケーブルが前記キャリッジに接続され、前記キャリッジの移動動作に伴って前記ケーブル保持手段と前記キャリッジとの間で変形可能に設けられている、
    ことを特徴とする記録装置。
  4. 請求項3に記載の記録装置において、
    複数の前記スリット部が、スリット深さが浅い第1のスリット部と、前記第1のスリット部よりもスリット深さが深い第2のスリット部と、を備えて構成されている、
    ことを特徴とする記録装置。
  5. 請求項4に記載の記録装置において、
    複数の前記スリット部のうち、前記フレキシブルフラットケーブルの変形の起点を構成するスリット部が、前記第2のスリット部で構成されている、
    ことを特徴とする記録装置。
  6. 請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の記録装置において、
    前記キャリッジが、前記記録ヘッドに前記液体を供給する液体カートリッジを搭載可能に構成され、
    前記上部ハウジングが、前記キャリッジから前記液体カートリッジを外す際の手掛け用の凹部を備え、
    前記手掛け用の凹部の少なくとも一部と、前記ケーブル保持手段の少なくとも一部とが、前記媒体搬送方向でオーバーラップする、
    ことを特徴とする記録装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の記録装置において、前記スリット部が、前記下部ハウジングの内壁から突出する第1の立壁部と、前記第1の立壁部との間で前記フレキシブルフラットケーブルを挟む第2の立壁部と、を備えている、
    ことを特徴とする記録装置。
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