JP2017035964A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃費が悪化する事態の発生を回避することが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供する。【解決手段】車両10の走行予定経路に関する情報に基づいて対象下り坂区間を抽出し、対象下り坂区間の始点より手前の下り坂制御始点から対象下り坂区間の終点までの区間を制御区間として特定する。制御装置は、蓄電池64の目標残容量を第1残容量SOCcntr-nに設定し第1充放電要求出力Pb1を決定する第1制御手段と、目標残容量を第2残容量SOCcntr-dに設定し、第1充放電要求出力よりも大きい第2充放電要求出力Pb2を決定する第2制御手段とを備える。制御装置は、制御区間を車両が走行するとき、第2制御手段によって内燃機関及び電動機を制御するが、車両が下り坂制御開始地点に到達した時点において実残容量が第2残容量以下の判定閾値αthよりも小さいと判定した場合には第1制御手段による制御を継続する。【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関と、電動機と、前記電動機に電力を供給する蓄電池と、を搭載したハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来から、ハイブリッド車両(以下、単に「車両」とも称呼される。)は、車両の燃費性能を向上することを目的として、充電及び放電が可能な蓄電池の能力を上手に活用するように電動機及び内燃機関を制御しながら走行するようになっている。
例えば、内燃機関及び電動機が発生するトルク(駆動力)を用いることなく車両が加速するような下り坂を車両が走行する場合、運転者がアクセルペダルから足を離すこと及び場合により更にブレーキペダルを踏むことによって車両制動力が要求される。このとき、電動機の回生制動力によって車速の上昇が抑えられるとともに回生制動により発生した電力が蓄電池に供給される。その結果、蓄電池の残容量(SOC、即ち、State Of Charge)は増加する。
そのため、車両が長い下り坂(例えば、距離が比較的長く且つ標高差が比較的大きい区間)を走行する場合、その下り坂の途中で残容量が上限値に達する場合があり、それ以上残容量を増加させることができなくなることがある。この場合、その下り坂区間の開始地点における残容量が低ければ回収できた筈である「回生制動により発生した電力」を回収できなくなる。
そこで、従来の車両の制御装置の一つ(以下、「従来装置」と称呼する。)は、ナビゲーションシステムを用いて、車両の走行予定経路及びその走行予定経路上に存在する下り坂区間を特定する。そして、従来装置は、車両がその下り坂区間の開始地点に到達するまでの区間(便宜上、「プレユース区間」とも称呼される。)において残容量を十分に低下させるように内燃機関及び電動機を制御する(例えば、特許文献1を参照。)。
即ち、従来装置は、プレユース区間において電動機を積極的に使用して残容量を積極的に低下させる「残容量低下制御」を実行する。これによれば、下り坂区間の開始地点における残容量を小さくできるので、下り坂区間において残容量が上限値に達し難くなる。その結果、「下り坂区間の走行中において残容量が上限値に到達してしまい回生制動により発生した電力を回収できなくなる可能性」が低下する。よって、プレユース区間において消費した電力を下り坂区間において回収でき、且つ、これらの区間において内燃機関を運転する機会が減少する。その結果、全体として、車両の燃費を向上することができる。
ところで、従来のハイブリッド車両においては、実際の残容量(以下、「実残容量」とも称呼する。)が「比較的高い値に設定された第1残容量」に近付くように、内燃機関及び電動機を制御している。以下、この制御を、便宜上、「通常制御」と称呼する。一方、上述した残容量低下制御においては、実残容量が「第1残容量よりも低い第2残容量」に近付くように内燃機関及び電動機を制御する。更に、残容量低下制御においては、充電及び放電が通常制御に比べ迅速になされるように内燃機関及び電動機が制御される。このため、実残容量が第2残容量よりも小さい所定値である場合、第1残容量と実残容量との差は第2残容量と実残容量との差よりも大きくなるが、プレユース区間において内燃機関の出力により蓄電池が充電される電力量は、通常制御を行った場合よりも残容量低下制御を行った場合の方が大きくなることが多い。従って、プレユース区間の第2残容量SOCcntr-dにおいて、実残容量が第2残容量よりも小さい場合、残容量低下制御を開始すると却って燃費が悪化する可能性がある。
本発明は上記問題に対処するために為されたものであり、プレユース区間の開始地点において残容量が第2残容量よりも低い場合には残容量低下制御を行わないようにすることによって、燃費が悪化する事態の発生を回避することが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することにある。
本発明のハイブリッド車両の制御装置(以下、「本発明装置」とも称呼する。)は、車両(10)の駆動源としての内燃機関(20)及び同駆動源としての電動機(MG2)、並びに、前記電動機に電力を供給する蓄電池(64)を搭載し、前記電動機を用いて回生制動を行うとともに同回生制動により発生した電力を前記蓄電池に充電可能であり且つ前記内燃機関の出力を用いて発電した電力を前記蓄電池に充電可能に構成されたハイブリッド車両(10)に適用される。
本発明装置は、更に、前記蓄電池の残容量の目標値である目標残容量(SOCcntr)を第1残容量(SOCcntr-n)に設定し、且つ、前記蓄電池の実際の残容量である実残容量が前記第1残容量に近付くように前記蓄電池の充放電のために要求する第1充放電要求出力(Pb1)を決定し、前記車両に要求される要求駆動力と前記第1充放電要求出力とが満たされるように前記内燃機関及び前記電動機を制御する第1制御手段(70及び図5のルーチンを参照。)を備える。
加えて、本発明装置は、前記目標残容量を前記第1残容量よりも低い第2残容量(SOCcntr-d)に設定し、且つ、前記実残容量が前記第2残容量に近付くように前記蓄電池の充放電のために要求する、前記第1充放電要求出力よりも大きい(ステップ520、ステップ620及び図7参照。)第2充放電要求出力(Pb2)を決定し、前記車両に要求される要求駆動力と前記第2充放電要求出力とが満たされるように前記内燃機関及び前記電動機を制御する第2制御手段(70及び図6のルーチンを参照。)を備える。
より具体的には、第2制御手段は、実残容量が第2残容量よりも低い所定値である場合に決定する第2充放電要求出力を、実残容量が所定である場合に第1制御手段により決定される第1充放電要求出力よりも大きい値、に設定してもよい。
更に、本発明装置は、前記車両の走行予定経路に関する情報を取得し、前記走行予定経路に関する情報に基づいて同走行予定経路内の所定の条件を満たす対象下り坂区間を抽出し、前記対象下り坂区間の開始地点(Dk)よりも所定の第1距離だけ手前にある下り坂制御開始地点(Ds)から同対象下り坂区間の終了地点(De)までの区間である制御区間を特定する制御区間設定手段(ステップ330乃至ステップ360)と、
前記制御区間以外の区間を前記車両が走行するとき、前記第1制御手段によって前記内燃機関及び前記電動機を制御させ(ステップ415、ステップ470)、前記制御区間を前記車両が走行するとき前記第2制御手段によって前記内燃機関及び前記電動機を制御させる(ステップ450)、選択手段と、
を備える。
前記制御区間以外の区間を前記車両が走行するとき、前記第1制御手段によって前記内燃機関及び前記電動機を制御させ(ステップ415、ステップ470)、前記制御区間を前記車両が走行するとき前記第2制御手段によって前記内燃機関及び前記電動機を制御させる(ステップ450)、選択手段と、
を備える。
前記選択手段は、前記車両が前記下り坂制御開始地点に到達した時点において、前記実残容量が前記第2残容量以下の判定閾値(αth)よりも小さいと判定した場合(ステップ440にて「No」と判定)には、前記第2制御手段による前記内燃機関及び前記電動機の制御を開始させることなく前記第1制御手段による前記内燃機関及び前記電動機の制御を継続させる(ステップ445)ように構成される。
これによれば、本発明装置は、車両が下り坂制御開始地点に到達した時点(プレユース区間の開始地点)において実際のSOCが判定閾値よりも小さいと判定した場合には、第1制御手段による内燃機関及び電動機の制御を継続する。前述したように、実際のSOCが判定閾値よりも小さい場合、第1制御手段によって決定される内燃機関の第1充放電要求出力は第2制御手段によって決定される第2充放電要求出力よりも小さい。従って、第1制御手段による内燃機関及び電動機の制御を継続することによって、第2制御手段による制御よりも内燃機関が運転される機会が減少し、燃費が悪化する事態の発生を回避することができる。
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る車両の制御装置(以下、「本制御装置」と称呼する。)について説明する。
(構成)
本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置(以下、「本制御装置」と称呼する。)は、図1に示したハイブリッド車両10(車両10)に適用される。
本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の制御装置(以下、「本制御装置」と称呼する。)は、図1に示したハイブリッド車両10(車両10)に適用される。
車両10は、第1発電電動機MG1、第2発電電動機MG2、内燃機関20、動力分配機構30、駆動力伝達機構50、第1インバータ61、第2インバータ62、昇降圧コンバータ63、蓄電池64、パワーマネジメントECU70、バッテリECU71、モータECU72、エンジンECU73及びナビゲーションECU74等を備えている。これらのECUは、一つのECUに統合されていてもよい。
ECUは、エレクトリックコントロールユニットの略称であり、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM(又は不揮発性メモリ)及びインターフェース等を含むマイクロコンピュータを主要構成部品として有する電子制御回路である。
第1発電電動機MG1は、発電機及び電動機の何れとしても機能することができる同期発電電動機である。第1発電電動機MG1は本例において主として発電機としての機能を発揮する。第1発電電動機MG1は、出力軸である第1シャフト41を備えている。
第2発電電動機MG2は、第1発電電動機MG1と同様、発電機及び電動機の何れとしても機能することができる同期発電電動機である。第2発電電動機MG2は本例において主として電動機としての機能を発揮する。第2発電電動機MG2は、出力軸である第2シャフト42を備えている。
内燃機関(以下、単に「機関」とも称呼する。)20は、4サイクル・火花点火式・多気筒内燃機関である。機関20は、周知のエンジンアクチュエータ21を備えている。例えば、エンジンアクチュエータ21には、燃料噴射弁を含む燃料供給装置、点火プラグを含む点火装置及びスロットル弁開度変更用アクチュエータ等が含まれる。機関20は、スロットル弁アクチュエータにより図示しない吸気通路に配設されたスロットル弁の開度を変更することによって吸入空気量を変更することにより、機関20の発生するトルク及び機関回転速度(即ち、機関出力)を変更することができるように構成されている。機関20は、機関20の出力軸であるクランクシャフト22にトルクを発生する。
動力分配機構30は周知の遊星歯車装置31を備えている。遊星歯車装置31はサンギア32と、複数のプラネタリギア33と、リングギア34と、を含んでいる。
サンギア32は第1発電電動機MG1の第1シャフト41に接続されている。従って、第1発電電動機MG1はサンギア32にトルクを出力することができる。第1発電電動機MG1は、サンギア32から第1発電電動機MG1に入力されるトルクによって回転駆動されることにより発電することができる。
複数のプラネタリギア33のそれぞれは、サンギア32と噛合するとともにリングギア34と噛合している。プラネタリギア33の回転軸(自転軸)はプラネタリキャリア35に設けられている。プラネタリキャリア35はサンギア32と同軸に回転可能となるように保持されている。プラネタリキャリア35は機関20のクランクシャフト22に接続されている。
リングギア34は、サンギア32と同軸に回転可能となるように保持されている。
プラネタリギア33からサンギア32にトルクが入力されたときには、そのトルクによってサンギア32が回転駆動される。プラネタリギア33からリングギア34にトルクが入力されたときには、そのトルクによってリングギア34が回転駆動される。逆に、サンギア32からプラネタリギア33にトルクが入力されたときには、そのトルクによってプラネタリギア33が回転駆動される。リングギア34からプラネタリギア33にトルクが入力されたときには、そのトルクによってプラネタリギア33が回転駆動される。
リングギア34はリングギアキャリア36を介して第2発電電動機MG2の第2シャフト42に接続されている。従って、第2発電電動機MG2はリングギア34にトルクを出力することができる。第2発電電動機MG2は、リングギア34から第2発電電動機MG2に入力されるトルクによって回転駆動されることにより、発電することができる。
更に、リングギア34はリングギアキャリア36を介して出力ギア37に接続されている。従って、出力ギア37は、リングギア34から出力ギア37に入力されるトルクによって回転駆動され得る。リングギア34は、出力ギア37からリングギア34に入力されるトルクによって回転駆動され得る。
駆動力伝達機構50は、ギア列51、ディファレンシャルギア52及び駆動軸(ドライブシャフト)53を含んでいる。
ギア列51は、出力ギア37とディファレンシャルギア52とを動力伝達可能に歯車機構により接続している。ディファレンシャルギア52は駆動軸53に取り付けられている。駆動軸53の両端には駆動輪54が取り付けられている。従って、出力ギア37からのトルクはギア列51、ディファレンシャルギア52、及び、駆動軸53を介して駆動輪54に伝達される。この駆動輪54に伝達されたトルクによりハイブリッド車両10は走行することができる。
第1インバータ61は、第1発電電動機MG1と、昇降圧コンバータ63を介して蓄電池64と、に電気的に接続されている。従って、第1発電電動機MG1が発電しているとき、第1発電電動機MG1が発生した電力は第1インバータ61及び昇降圧コンバータ63を介して蓄電池64に供給される。反対に、第1発電電動機MG1は昇降圧コンバータ63及び第1インバータ61を介して蓄電池64から供給される電力によって回転駆動させられる。
第2インバータ62は、第2発電電動機MG2と、昇降圧コンバータ63を介して蓄電池64と、に電気的に接続されている。従って、第2発電電動機MG2は昇降圧コンバータ63及び第2インバータ62を介して蓄電池64から供給される電力によって回転駆動させられる。反対に、第2発電電動機MG2が発電しているとき、第2発電電動機MG2が発生した電力は第2インバータ62及び昇降圧コンバータ63を介して蓄電池64に供給される。
なお、第1発電電動機MG1の発生する電力は第2発電電動機MG2に直接供給可能であり、且つ、第2発電電動機MG2の発生する電力は第1発電電動機MG1に直接供給可能である。
蓄電池64は、第1発電電動機MG1又は第2発電電動機MG2を駆動するための電気エネルギーを蓄える蓄電手段であり、充電と放電とを繰り返すことができるリチウムイオン電池等の二次電池により構成されている。蓄電池64には、SOCの検出に用いられる図示しないSOCセンサが取り付けられており、バッテリECU71が蓄電池64のSOCを監視することができるようになっている。
なお、蓄電池64は、放電及び充電が可能な蓄電装置であればよく、リチウムイオン電池だけでなく、ニッケル水素電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池及び他の二次電池であってもよい。
パワーマネジメントECU70(以下、「PMECU70」とも表記する。)は、後述するバッテリECU71、モータECU72、エンジンECU73及びナビゲーションECU74とCAN(Controller Area Network)通信により情報交換可能に接続されている。
PMECU70は、ハイブリッド車両10のシステム起動用スイッチであるパワースイッチ81、アクセル操作量センサ82、ブレーキ操作量センサ83及び車速センサ84等からの出力信号を受信するようになっている。
アクセル操作量センサ82は、運転者により操作可能に設けられた図示しないアクセルペダルの操作量(以下、「アクセル操作量AP」と称呼する。)を表す出力信号を発生するようになっている。アクセル操作量APは加速操作量と表現することもできる。
ブレーキ操作量センサ83は、運転者により操作される図示しないブレーキペダルの操作量BPを表す出力信号を発生するようになっている。
車速センサ84は、ハイブリッド車両10の車速SPDを表す出力信号を発生するようになっている。
ブレーキ操作量センサ83は、運転者により操作される図示しないブレーキペダルの操作量BPを表す出力信号を発生するようになっている。
車速センサ84は、ハイブリッド車両10の車速SPDを表す出力信号を発生するようになっている。
PMECU70は、バッテリECU71により取得される蓄電池64の残容量SOCを入力するようになっている。残容量SOCは、蓄電池64に流出入する電流の積算値等に基づいて周知の手法により算出される。
PMECU70は、モータECU72を介して、第1発電電動機MG1の回転速度を表す信号及び第2発電電動機MG2の回転速度を表す信号を入力するようになっている。第1発電電動機MG1の回転速度を表す信号は「MG1回転速度Nm1」と称呼される。第2発電電動機MG2の回転速度を表す信号は「MG2回転速度Nm2」と称呼される。
MG1回転速度Nm1は、モータECU72によって「第1発電電動機MG1に設けられ且つ第1発電電動機MG1のロータの回転角度に対応する出力値を出力するレゾルバ97の出力値」に基づいて算出される。同様に、MG2回転速度Nm2は、モータECU72によって「第2発電電動機MG2に設けられ且つ第2発電電動機MG2のロータの回転角度に対応する出力値を出力するレゾルバ98の出力値」に基づいて算出される。
PMECU70は、エンジンECU73を介して、エンジン状態量センサ99により検出されるエンジン状態を表す出力信号を入力するようになっている。このエンジン状態を表す出力信号には、機関回転速度NE、スロットル弁開度TA、機関の冷却水温THW及び大気圧Pa等が含まれている。
PMECU70は、後述するように駆動力制御を行うとともに、アクセル操作量APが「0」である場合、ブレーキペダルの操作量BPに基づいて要求制動力を決定し、その要求制動力を「要求回生制動力及び要求摩擦制動力」に分配する。そして、モータECU72に「要求回生制動力」を送信するとともに、図示しない摩擦制動装置を用いて要求摩擦制動力を発生させる。なお、要求回生制動力は、要求制動力以下の範囲においてできるだけ大きくなるように決定される。但し、残容量SOCが残容量上限値「SOCuplmt 」を超える場合には、要求回生制動力は「0」に設定される。
モータECU72は、第1インバータ61、第2インバータ62及び昇降圧コンバータ63に接続されている。モータECU72は、PMECU70からの指令(例えば、「MG1指令トルクTm1*及びMG2指令トルクTm2*」)に基づいて、第1インバータ61、第2インバータ62及び昇降圧コンバータ63に指示信号を送出するようになっている。これにより、モータECU72は、第1インバータ61及び昇降圧コンバータ63を用いて第1発電電動機MG1を制御し、且つ、第2インバータ62及び昇降圧コンバータ63を用いて第2発電電動機MG2を制御するようになっている。
エンジンECU73は、PMECU70からの指令及びエンジン状態量センサ99からの信号に基づいてエンジンアクチュエータ21に指示信号を送出することにより、機関20を制御するようになっている。
ナビゲーションECU(以下、「NVECU」とも称呼する。)74は、ナビゲーションデータベース86、走行データ取得部87、走行環境データ取得部88及び走行データ記憶部89等と電気的に接続されている。
ナビゲーションデータベース(以下、「NVDB」とも称呼する。)86は、磁気ディスク(HDD)であって、「地図情報及び道路情報等のデータを記憶している。
地図情報は、地図データ上の各道路を識別するための道路識別情報を含む道路データ、及び、ルート案内に用いられる交差点名称等を含む誘導データ等を含んでいる。
道路情報は、道路区間に対応する「リンク情報」、リンクの端点である「ノード情報」、及び、道路規制に関する情報である「規制情報」等を含んでいる。リンク情報にはそのリンクに対応した区間(道路)の勾配データ及び/又はそのリンクに対応した区間(道路)の両端の地点の標高データが付随している。
走行データ取得部87は、GPS(Global Positioning System )受信装置を備え、車両10のパワースイッチ81がオンしてからオフするまでの間、所定間隔毎に車両10の現在位置(緯度及び経度)及び走行速度等の走行データを取得する。所定間隔とは、所定時間間隔(例えば、100msec)及び所定距離間隔(例えば、100m)等をいう。
走行環境データ取得部88は、渋滞情報、交通規制情報及び道路工事情報等の車両走行時における車両周辺の走行環境に関する情報を取得し、走行環境データとしてNVECU74に提供する。走行環境データ取得部89は、例えば、VICS(登録商標)の情報を取得する装置を備えている。
走行データ記憶部89は、走行データ取得部87が取得した走行データと、走行環境データ取得部88が取得した走行環境データとを記憶する。例えば、走行データ記憶部89は、車両10が実際に走行した道路区間に対応したリンクの両端地点の標高を記憶する。なお、標高はエンジン状態量センサ99が有する大気圧センサからの信号等から算出される。
NVECU74は、現在地から目的地までの経路探索を行って走行予定経路を決定するともに、その走行予定経路に沿って車両10を目的地まで誘導するための案内を行う。
(作動の概要)
次に、図2を参照しながら、本制御装置が行う「下り坂制御」について説明する。下り坂制御は、便宜上、「第2制御」とも称呼される。下り坂制御を行っていない場合、通常制御が実行される。通常制御は、便宜上、「第1制御」とも称呼される。
次に、図2を参照しながら、本制御装置が行う「下り坂制御」について説明する。下り坂制御は、便宜上、「第2制御」とも称呼される。下り坂制御を行っていない場合、通常制御が実行される。通常制御は、便宜上、「第1制御」とも称呼される。
1.下り坂制御の概要
図2の横軸は車両10の走行予定経路の地点を距離に応じて示す。図2に示した例においては、走行予定経路は、リンク#0からリンク#5に対応する6つの道路区間が含まれている。隣接するリンク同士の接続点はノードである。図2の縦軸は車両10の走行予定経路における道路の標高及び蓄電池64の残容量SOCである。
図2の横軸は車両10の走行予定経路の地点を距離に応じて示す。図2に示した例においては、走行予定経路は、リンク#0からリンク#5に対応する6つの道路区間が含まれている。隣接するリンク同士の接続点はノードである。図2の縦軸は車両10の走行予定経路における道路の標高及び蓄電池64の残容量SOCである。
図2に示した走行予定経路は、標高Hsの平坦な道路から、標高He(標高Hs>標高He)の平坦な道路へと続く下り坂を含む。下り坂は、リンク#2〜リンク#4に対応する3つの区間により構成されている。
本制御装置は、蓄電池64の劣化が進むことを抑制するために、残容量上限値「SOCuplmt 」及び残容量下限値「SOClolmt 」を設定し、残容量SOCが残容量上限値SOCuplmt から残容量下限値SOClolmt までの範囲(SOC管理幅)内になるように、残容量SOCを制御(管理)する。
本制御装置は、下り坂走行時及び渋滞走行時等を除く通常走行時においては、通常制御としての第1制御を行う。第1制御において、目標残容量SOCcntrは「第1残容量である標準残容量SOCcntr-n」に設定される。例えば、残容量上限値SOCuplmt は満充電の80%、残容量下限値SOClolmt は満充電の40%、第1制御実行時の目標残容量SOCcntr-nは満充電の60%に相当する値にそれぞれ設定される。
通常走行時において、本制御装置は、蓄電池64の残容量の目標値である目標残容量を「第1残容量である標準残容量SOCcntr-n」に設定し、且つ、蓄電池の実際の残容量である実残容量SOCが目標残容量に近付くように「内燃機関20に対して蓄電池64の充電のために要求する出力(第1充電要求出力)Pb1」を決定する。そして、本制御装置は、車両10に要求される要求駆動力と第1充電要求出力Pb1とが満たされるように、機関20、第2発電電動機MG2及び第1発電電動機MG1を制御する。このとき、本制御装置は、実残容量SOCを図7の破線により示したルックアップテーブル(マップ)MapPb1n(SOC)に適用することにより、第1充電要求出力Pb1を決定する。この結果、図2の例において、地点D0における実残容量SOCは、標準残容量SOCcntr-n近傍の値に制御されている。なお、第1充電要求出力Pb1は、「第1充放電要求出力」Pb1とも称呼される。
本制御装置は、所定時間(本例においては、VICS情報が更新される時間間隔である5分)が経過する毎に「下り坂探索」を行う。図2の例においては、本制御装置は、車両10が地点D1に到達したときに「下り坂探索」を実行している。下り坂探索については後述する。本例において、リンク#2〜リンク#4に対応する3つの区間が下り坂制御を実行する下り坂区間(以下、「対象下り坂区間」と称呼される場合がある。)に該当するとして説明を続ける。車両10が地点D1に到達している時点では車両10は通常走行中であって、「第2制御である下り坂制御」を実行していない。
本制御装置は、この「下り坂探索」において、走行予定経路中の「下り坂制御の対象となる対象下り坂区間」を特定する。具体的には、本制御装置は、走行予定経路に対応するリンク群のうちの単数又は複数の連続したリンク(以下、「第1リンク群」と称呼する。)であり、以下のすべての条件を満たす第1リンク群に対応する区間を「対象下り坂区間」として特定する。但し、以下の条件は一例に過ぎず、これに限定されない。
(1)第1リンク群の各リンクに対応する区間が車両10の現在位置から一定距離(例えば、半径10km)以内である。
(2)第1リンク群の各リンクに対応する区間が何れも所定閾値勾配未満の下り坂を有する(即ち、全体として比較的急勾配の降坂路である)。
(3)第1リンク群の開始地点の標高Hsが第1リンク群の終了地点の標高Heよりも高く(Hs>He)、且つ、その差の絶対値(標高差ΔHa=|Hs−He|)が所定標高差(SOC_STL_H)以上である。
(4)第1リンク群に対応する区間の合計距離ΔDaが所定距離(SOC_STL_D)以上である。
(2)第1リンク群の各リンクに対応する区間が何れも所定閾値勾配未満の下り坂を有する(即ち、全体として比較的急勾配の降坂路である)。
(3)第1リンク群の開始地点の標高Hsが第1リンク群の終了地点の標高Heよりも高く(Hs>He)、且つ、その差の絶対値(標高差ΔHa=|Hs−He|)が所定標高差(SOC_STL_H)以上である。
(4)第1リンク群に対応する区間の合計距離ΔDaが所定距離(SOC_STL_D)以上である。
図2に示した例においては、リンク#2乃至リンク#4からなる第1リンク群が上記(1)乃至(4)の条件を満たすので、リンク#2乃至リンク#4に対応する道路区間(即ち、地点D3から地点D6までの区間)が対象下り坂区間として特定される。本制御装置の一部であるNVECU74は、特定された対象下り坂区間の開始地点Dk(即ち、地点D3の緯度・経度)及び特定された対象下り坂区間の終了地点De(即ち、地点D6の緯度・経度)を記憶し且つPMECU70に通知する。
更に、NVECU74は、「対象下り坂区間」の開始地点(即ち、地点D3)から所定の第1距離(「残容量調整距離(HF_SOCC_DIST))だけ手前にある地点Dsを特定し、その地点の緯度・経度を「下り坂制御の開始地点Ds」の緯度・経度として記憶し且つPMECU70に通知する。なお、NVECU74は、地点Dsに最も近く且つ地点Dsよりも車両10に近いノードの地点を地点Dsと特定し直してもよい。換言すると、第1距離はある程度の幅がある距離であってもよい。下り坂制御開始地点Dsから対象下り坂区間の開始地点Dk(地点D3)までの区間は「プレユース区間」とも称呼される。なお、図2に示した例においては、残容量調整距離(HF_SOCC_DIST)とリンク#1に対応する区間の距離とが一致している。また、プレユース区間と対象下り坂区間とを合わせた区間は、下り坂制御を実行する区間であるので、「制御区間(下り坂制御対象区間)」とも称呼される。
更に、NVECU74は、下り坂制御開始地点Ds、対象下り坂区間の開始地点Dk(即ち、地点D3)、及び、下り坂制御終了地点De(対象下り坂区間の終了地点De、地点D6)が更新されたとき、これらの地点について記憶し且つPMECU70に通知する。
本制御装置の一部であるPMECU70(及びバッテリECU71)は、車両10の現在地(現在位置)をNVECU74から随時取得していて、現在地が下り坂制御開始地点Dsに一致すると(即ち、車両10が図2の地点D2に到達すると)、「第2制御である下り坂制御」を開始する。
即ち、本制御装置は、制御区間の走行時において、蓄電池64の残容量の目標値である目標残容量を「第2残容量SOCcntr-d」に設定し、且つ、実残容量SOCが目標残容量に近付くように「内燃機関20に対して蓄電池64の充電のために要求する出力(第2充電要求出力)Pb2」を決定する。そして、本制御装置は、車両10に要求される要求駆動力と第2充電要求出力Pb2とが満たされるように、機関20、第2発電電動機MG2及び第1発電電動機MG1を制御する。このとき、本制御装置は、実残容量SOCを図7の実線により示したルックアップテーブル(マップ)MapPb2d(SOC)に適用することにより第2充電要求出力Pb2を決定する。なお、第2残容量SOCcntr-dは第1残容量SOCcntr-n(満充電時の60%)よりも小さい値であり、例えば、満充電時の50%に設定される(図2中の一点鎖線を参照。)。なお、第2充電要求出力Pb2は、「第2充放電要求出力」Pb2とも称呼される。
ところで、ハイブリッド車両10は、ハイブリッド走行モード(HVモード)にて走行する。ハイブリッド走行モードは、例えば、特開2013−154718号公報及び特開2013−154715号公報等に記載された周知のモードである。
簡単に述べると、ハイブリッド走行モードは、車両10を走行させるにあたり、第2発電電動機MG2に加えて内燃機関20を用いることを許容する走行モードである。具体的には、ハイブリッド走行モードは、第2発電電動機MG2を駆動するとともに内燃機関20をその運転効率が最大となる動作点にて運転し、これら両方の出力により車両10に要求される要求トルク(要求駆動力、即ち、ユーザが要求するユーザ要求トルク)を満たし、且つ、充電要求出力Pb(即ち、第1充電要求出力Pb1又は第2充電要求出力Pb2)を満たしながら車両10を走行させるモードである。
この走行モードにおいては、内燃機関20に要求される出力が閾値未満であるとき(即ち、内燃機関20を最適動作点にて運転できない場合)、内燃機関20の運転は停止される。一方、内燃機関20に要求される出力が閾値以上であるとき内燃機関20がその要求出力を満足するように最適動作点にて運転され、その結果として要求トルクに対して不足するトルク(駆動力)が第2発電電動機MG2により補われ、同時に内燃機関20の出力によって蓄電池64が充電される。従って、充電要求出力Pb(即ち、第1充電要求出力Pb1又は第2充電要求出力Pb2)が大きくなるほど、内燃機関20は運転されやすくなり、且つ、その出力が高くなるように運転される。
なお、実残容量SOCが残容量下限値SOClolmt 以下になると、仮に最適動作点にて運転できない状況にあっても内燃機関20は強制的に運転され、内燃機関20の出力によって第2発電電動機MG2及び第1発電電動機MG1が発生した電力により蓄電池64が充電される。即ち、強制充電が行われる。
プレユース期間において、PMECU70は、実残容量SOCが第2残容量SOCcntr-dに近付くように、特に、第2発電電動機MG2を優先的に運転させて電力を消費することにより残容量SOCを低下させる(図2の実線S1を参照。)。
図2に示した例では、車両10がプレユース区間を走行して対象下り坂区間の開始地点D3に到達するまでに、実残容量SOCが第2残容量SOCcntr-dまで低下する。つまり、前述の残容量調整距離HF_SOCC_DISTは、第2発電電動機MG2を作動させて蓄電池64に蓄えられた電力を消費することにより、実残容量SOCを第1残容量SOCcntr-nから第2残容量SOCcntr-dに近付けるために十分な距離として設定される。残容量調整距離HF_SOCC_DISTは、例えば5km程度に設定されるが、車両10の走行経路や走行条件によっては、5kmよりも短くてもよいし、長くてもよい。
車両10が対象下り坂区間の走行を開始すると、第1発電電動機MG1及び第2発電電動機MG2を用いた回生制動が頻繁に行われるようになる。その結果、回生制動により発生した電力(回生エネルギー)が蓄電池64に供給されるので、残容量SOCは徐々に上昇していく。
PMECU70(及びバッテリECU71)は、車両10の現在地が下り坂制御終了地点Deに一致すると(即ち、車両10が図2の地点D6に到達すると)、第2制御である下り坂制御を終了し、第1制御である通常制御を再開する。この結果、目標残容量SOCcntrは、第2残容量SOCcntr-dから第1残容量SOCcntr-nに戻される。その後、車両10は平坦路(リンク♯5に対応する区間)を走行する。なお、NVECU74がPMECU70に対し、車両10の現在地が「地点Ds、Dk及びDe」に到達した旨の通知を行い、PMECU70はその通知に従って下り坂制御の開始及び終了を行っても良い。
本制御装置による「第2制御(下り坂制御)」が実行されない場合、実残容量SOCは図2において二点鎖線S2にて示されるように変化する。この場合、残容量SOCが対象下り坂区間の走行中に残容量上限値SOCuplmt に到達する。そのため、PMECU70は残容量SOCが残容量上限値SOCuplmt を超えないように、回生制動により発生する電気エネルギー(回生エネルギー)の蓄電池64への供給を中止する。従って、この場合、回収されない回生エネルギーは熱エネルギー等に変換されて消費されてしまう。
2.制御対象区間の開始地点に車両が到達した時点において残容量SOCが第2残容量よりも低い場合の対応
ところで、図7から理解されるように、実残容量SOCが第2残容量SOCcntr-dよりも低い値であるとき、第2制御(下り坂制御)において使用されるマップMapPb2d(SOC)から決定される第2充電要求出力Pb2は、第1制御(通常制御)において使用されるマップMapPb1n(SOC)から決定される第1充電要求出力Pb1よりも大きい値となる。このことは、内燃機関20がより高い頻度で運転され且つより大きい出力を発生するように運転されることを意味する。
ところで、図7から理解されるように、実残容量SOCが第2残容量SOCcntr-dよりも低い値であるとき、第2制御(下り坂制御)において使用されるマップMapPb2d(SOC)から決定される第2充電要求出力Pb2は、第1制御(通常制御)において使用されるマップMapPb1n(SOC)から決定される第1充電要求出力Pb1よりも大きい値となる。このことは、内燃機関20がより高い頻度で運転され且つより大きい出力を発生するように運転されることを意味する。
従って、車両10が制御区間の開始地点Dsに到達した時点の実残容量SOCの値が「第2残容量SOCcntr-dよりも低い値」である場合に第2制御を開始すると、車両10が制御区間を走行する間(特に、制御区間の開始地点Dsから対象下り坂区間の開始時点Dkまでのプレユース区間を走行する間)、内燃機関20による充電量が第1制御を行う場合よりも多くなって、却って、車両10の燃費が悪化する。
そこで、本制御装置は、車両10が制御区間の開始地点Dsに到達した時点の実残容量SOCの値が「第2残容量SOCcntr-d以下の判定閾値αthよりも低い値」である場合には、第2制御を開始することなく第1制御を続行する。これにより、燃費が却って悪化する事態の発生を回避することができる。
(実際の作動)
次に、本制御装置の実際の作動について説明する。
<支援計画の決定>
NVECU74(実際にはそのCPU)は、一定時間(例えば、5分)が経過する毎に図3にフローチャートにより示した支援計画決定ルーチンを実行するようになっている。従って、NVECU74は所定のタイミングにてステップ300から処理を開始してステップ310に進み、車両10の現在の位置(現在地)、目的地及び最新の道路情報等を取得し、それらとNVDB86に記憶されている地図情報とに基づいて、車両10の走行予定経路を決定する。
次に、本制御装置の実際の作動について説明する。
<支援計画の決定>
NVECU74(実際にはそのCPU)は、一定時間(例えば、5分)が経過する毎に図3にフローチャートにより示した支援計画決定ルーチンを実行するようになっている。従って、NVECU74は所定のタイミングにてステップ300から処理を開始してステップ310に進み、車両10の現在の位置(現在地)、目的地及び最新の道路情報等を取得し、それらとNVDB86に記憶されている地図情報とに基づいて、車両10の走行予定経路を決定する。
次いで、NVECU74はステップ320に進み、先読み情報更新が必要であるか否かを判定する。先読み情報更新が必要である場合とは、例えば、車両10の目的地が運転者の操作によって設定又は変更されたとき、車両10の走行経路が変更されたとき(設定された走行経路から車両10が離脱したとき)及びVICS等の交通情報の更新があったとき(即ち、所定時間の経過毎)等である。
上記のような理由により先読み情報の更新が必要であると判定した場合、NVECU74はステップ320にて「Yes」と判定してステップ330に進んで、走行予定経路を構成する道路区間であって車両10の現在位置から10km程度の範囲内に存在している道路区間に関する情報を取得する。この取得される走行予定経路に関する情報には、走行予定経路上の各道路区間(リンク)の勾配(即ち、NVDB86が記憶している地図情報に含まれる勾配)が含まれる。
NVECU74はステップ340にて「ステップ330において情報を取得した走行予定経路を構成するリンク群(道路区間群)」の中から上述した条件(1)乃至(4)を満たす第1リンク群を探索し、そのような第1リンク群が存在すればその第1リンク群を特定する。即ち、NVECU74は、対象下り坂区間を特定する。より具体的に述べると、NVECU74は、対象下り坂区間が存在する場合、対象下り坂区間の開始地点Dkと終了地点Deとを決定する。
次に、NVECU74はステップ350に進み、走行予定経路中に対象下り坂区間が含まれているか否かを判定する。走行予定経路中に対象下り坂区間が含まれていなければ、NVECU74はステップ350にて「No」と判定し、ステップ395に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。従って、この場合、第2制御(下り坂制御)は実行されず、第1制御が継続的に実行される。
これに対し、走行予定経路中に対象下り坂区間が含まれていると、NVECU74はステップ350にて「Yes」と判定してステップ360に進み、対象制御区間(下り坂制御を行うべき区間)を特定する。より具体的に述べると、NVECU74は、対象下り坂区間の開始地点Dkから第1距離(残容量調整距離(HF_SOCC_DIST))だけ手前にある地点を下り坂制御開始地点Dsとして決定する。なお、対象制御区間の終了地点は、対象下り坂区間の終了地点Deである。
次いで、NVECU74はステップ370に進み、地点Ds、Dk及びDeを自身のRAMに格納するとともにPMECU70に送信して、ステップ395に進んで本ルーチンを一旦終了する。PMECU70は、地点Ds、Dk及びDeの情報がNVECU74から送信されると、それらの情報をPMECU70のRAMに格納する。なお、NVECU74は、ステップ320において先読み情報の更新が必要ではない場合、「No」と判定してステップ395に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
<制御の選択>
PMECU70(実際にはそのCPU)は、図4にフローチャートにより表された「制御選択ルーチン」を所定の時間が経過する毎に実行する。このルーチンにより、第1制御及び第2制御のうちの何れを実行するかが決定される。
PMECU70(実際にはそのCPU)は、図4にフローチャートにより表された「制御選択ルーチン」を所定の時間が経過する毎に実行する。このルーチンにより、第1制御及び第2制御のうちの何れを実行するかが決定される。
適当なタイミングとなると、PMECU70は、図4のステップ400から処理を開始してステップ410に進み、PMECU70のRAM内に制御区間の開始地点Ds及び終了地点Deの少なくとも一方が格納(設定)されているか否かを判定する。
開始地点Ds及び終了地点Deの何れもが設定されていなければ、PMECU70はステップ410にて「No」と判定してステップ415に進み、第2制御実行フラグX2の値を「0」に設定する。なお、第2制御実行フラグX2は、パワースイッチ81がオフからオンに変更されるときに実行される図示しないイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。第2制御実行フラグX2は、第1制御及び第2制御の何れを実行するかを選択するためのフラグであり、その値が「0」であるとき第1制御が選択され、その値が「1」であるとき第2制御が実行される。第2制御実行フラグX2は、後述する図5及び図6に示したルーチンにおいて参照される。その後、PMECU70はステップ495に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、開始地点Ds及び終了地点Deの少なくとも一方が設定されていれば、PMECU70はステップ410にて「Yes」と判定してステップ420に進み、GPS受信装置(走行データ取得部87)が取得した現在位置DnをNVECU74から通信により受け取る。次いでPMECU70は、ステップ430に進み、現在位置Dnが開始地点Dsに一致しているか否かを判定する。
現在位置Dnが開始地点Dsに一致(実際には、±数10m)していれば、PMECU70はステップ430にて「Yes」と判定してステップ440に進み、このときの実残容量SOCの値が判定閾値αth以上であるか否かを判定する。判定閾値αthは第2残容量SOCcntr-d以下であり且つ残容量下限値SOClolmt よりも大きい所定値である。本実施例においては、判定閾値αthは第2残容量SOCcntr-dと等しい値に設定されている。
開始地点Dsにおける実残容量SOCが判定閾値αth(第2残容量SOCcntr-d)以上である場合、PMECU70は、ステップ440にて「Yes」と判定してステップ450に進み、第2制御実行フラグX2の値を「1」に設定する。これにより、後述するように、第1制御に代わって第2制御が開始される(図6を参照。)。このとき、PMECU70は、目標残容量SOCcntrを標準残容量SOCcntr-nより小さい第2残容量SOCcntr-dに変更する。更に、PMECU70は、開始地点DsのデータをRAMから消去する。次いでPMECU70はステップ495に進み、本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、開始地点Dsにおいて算容量SOCが判定閾値αthよりも小さい場合、PMECU70はステップ440にて「No」と判定してステップ445に進み、第2制御実行フラグX2の値を「0」に設定する。これにより、後述するように、第1制御が継続して実行される(図5を参照。)。このとき、PMECU70は、目標残容量SOCcntrを標準残容量SOCcntr-nに確認的に設定する。更に、PMECU70は、開始地点Ds及び終了地点De(並びに、対象下り坂区間の開始地点Dk)のデータをRAMから消去する。次いでPMECU70はステップ495に進み、本ルーチンを一旦終了する。
PMECU70がステップ430の処理を実行する時点において、現在位置Dnが開始地点Dsと一致していなければ(開始地点Dsが消去されている場合を含む。)、PMECU70はステップ430にて「No」と判定してステップ460に進み、現在位置Dnが終了地点Deと一致しているか否かを判定する。
現在位置Dnが終了地点Deと一致していなければ、PMECU70はステップ460にて「No」と判定してステップ495に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。これに対し、現在位置Dnが終了地点Deに一致していれば、PMECU70はステップ460にて「Yes」と判定してステップ470に進み、第2制御実行フラグX2の値を「0」に設定する。これにより、後述するように、第1制御が実行(再開)される(図5を参照。)。このとき、PMECU70は、目標残容量SOCcntrを標準残容量SOCcntr-nに戻す。更に、PMECU70は、終了地点De(及び、対象下り坂区間の開始地点Dk)のデータをRAMから消去する。次いでPMECU70はステップ495に進み、本ルーチンを一旦終了する。
<第1制御(通常制御)>
PMECU70(実際にはそのCPU)は、十分に短い一定時間(例えば、8ms)が経過する毎に図5にフローチャートにより示した「第1制御(通常制御)ルーチン」を実行するようになっている。従って、PMECU70は所定のタイミングにてステップ500から処理を開始してステップ505に進み、第2制御実行フラグX2の値が「0」であるか否かを判定する。第2制御実行フラグX2の値が「0」でない場合、PMECU70はステップ505にて「No」と判定し、ステップ595に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
PMECU70(実際にはそのCPU)は、十分に短い一定時間(例えば、8ms)が経過する毎に図5にフローチャートにより示した「第1制御(通常制御)ルーチン」を実行するようになっている。従って、PMECU70は所定のタイミングにてステップ500から処理を開始してステップ505に進み、第2制御実行フラグX2の値が「0」であるか否かを判定する。第2制御実行フラグX2の値が「0」でない場合、PMECU70はステップ505にて「No」と判定し、ステップ595に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、第2制御実行フラグX2の値が「0」である場合、PMECU70はステップPMECU70はステップ505にて「Yes」と判定してステップ510に進み、ユーザ要求トルクTuをアクセル操作量AP及び車速SPDに基づいて取得するとともに、ユーザ要求トルクTuに車速SPDを乗じることにより車両要求出力Pv*(ユーザ要求出力Pu*)を取得する。
次に、PMECU70はステップ520に進み、図7に破線により示したルックアップテーブルMapPb1n(SOC)に現時点の実残容量SOCを適用することにより、内燃機関20に対して蓄電池64の充電のために要求する出力(即ち、第1充電要求出力)Pb1を決定する。
このテーブルMapPb1n(SOC)によれば、実残容量SOCが「第1残容量(標準残容量)SOCcntr-nに設定された目標残容量」よりも大きいとき、第1充電要求出力Pb1は負の値となり、実残容量SOCと第1残容量SOCcntr-nとの差(=SOC−SOCcntr-n)の絶対値が大きいほど絶対値が大きくなるように決定される。これに対し、このテーブルMapPb1n(SOC)によれば、実残容量SOCが第1残容量SOCcntr-nよりも小さいとき、第1充電要求出力Pb1は正の値となり、実残容量SOCと第1残容量SOCcntr-nとの差(=SOC−SOCcntr-n)の絶対値が大きいほど絶対値が大きくなるように決定される。
次に、PMECU70はステップ525に進み、残容量SOCが残容量下限値SOClolmt よりも大きいか否かを判定する。残容量SOCが残容量下限値SOClolmt よりも大きい場合、PMECU70はステップ525にて「Yes」と判定し、ステップ535に直接進む。これに対し、残容量SOCが残容量下限値SOClolmt 以下である場合、PMECU70はステップ525にて「No」と判定してステップ530に進み、第1充電要求出力Pb1を非常に大きい値(後述する機関始動閾値Pethよりも大きい値)に設定し、その後、ステップ535に進む。
PMECU70はステップ535にて、車両要求出力Pv*と第1充電要求出力Pb1と損失(一定値)Plossとの和を機関要求出力Pe*として算出する。
次に、PMECU70はステップ540に進み、機関要求出力Pe*が機関始動閾値Pethよりも大きいか否かを判定する。機関始動閾値Pethは内燃機関20が所定の運転効率よりも高い運転効率にて運転され得る値に設定されている。
機関要求出力Pe*が機関始動閾値Pethよりも大きい場合、PMECU70はステップ540にて「Yes」と判定してステップ545に進み、機関停止中(内燃機関20の運転が停止中)であるか否かを判定する。機関停止中であると、PMECU70はステップ550に進んで内燃機関20を始動させ、ステップ555に進む。これに対し、機関停止中でなければ、PMECU70はステップ545からステップ555に直接進む。そして、PMECU70は、ステップ555において、内燃機関20及び第2発電電動機MG2(実際には、更に第1発電電動機MG1)を周知の手法に従って制御し、内燃機関20及び第2発電電動機MG2の両方からの出力を用いて車両10を走行させる。即ち、車両10はハイブリッド走行を行う。
一方、機関要求出力Pe*が機関始動閾値Peth未満である場合、PMECU70はステップ540にて「No」と判定してステップ560に進み、機関運転中(内燃機関20が運転中)であるか否かを判定する。機関運転中であると、PMECU70はステップ565に進んで内燃機関20の運転を停止させ、ステップ570に進む。これに対し、機関運転中でなければ、PMECU70はステップ560からステップ570に直接進む。そして、PMECU70は、ステップ570において、第2発電電動機MG2を周知の手法に従って制御し、第2発電電動機MG2の出力のみを用いて車両10を走行させる。即ち、車両10は電動機走行(電気走行)を行う。
なお、係る駆動力制御は周知であり、例えば、特開2009−126450号公報(米国公開特許番号 US2010/0241297)、特開平9−308012号公報(米国出願日1997年3月10日の米国特許第6,131,680号)、特開2013−154720号公報、特開2013−154718号公報及び特開2013−154715号公報等に詳細に記載されている。
<第2制御(下り坂制御)>
PMECU70(実際にはそのCPU)は、十分に短い一定時間(例えば、8ms)が経過する毎に図6にフローチャートにより示した「第2制御(下り坂制御)ルーチン」を実行するようになっている。従って、PMECU70は所定のタイミングにてステップ600から処理を開始してステップ605に進み、第2制御実行フラグX2の値が「1」であるか否かを判定する。第2制御実行フラグX2の値が「1」でない場合、PMECU70はステップ605にて「No」と判定し、ステップ695に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
PMECU70(実際にはそのCPU)は、十分に短い一定時間(例えば、8ms)が経過する毎に図6にフローチャートにより示した「第2制御(下り坂制御)ルーチン」を実行するようになっている。従って、PMECU70は所定のタイミングにてステップ600から処理を開始してステップ605に進み、第2制御実行フラグX2の値が「1」であるか否かを判定する。第2制御実行フラグX2の値が「1」でない場合、PMECU70はステップ605にて「No」と判定し、ステップ695に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。
これに対し、第2制御実行フラグX2の値が「1」である場合、PMECU70はステップ605にて「Yes」と判定してステップ610に進み、前述したステップ510と同様、ユーザ要求トルクTuをアクセル操作量AP及び車速SPDに基づいて取得するとともに、ユーザ要求トルクTuに車速SPDを乗じることにより車両要求出力Pv*(ユーザ要求出力Pu*)を取得する。
次に、PMECU70はステップ620に進み、図7に実線により示したルックアップテーブルMapPb2d(SOC)に現時点の実残容量SOCを適用することにより、内燃機関20に対して蓄電池64の充電のために要求する出力(即ち、第2充電要求出力)Pb2を決定する。
このテーブルMapPb2d(SOC)によれば、実残容量SOCが「第2残容量SOCcntr-dに設定された目標残容量」以上である場合、第2充電要求出力Pb2は負の値となり、実残容量SOCと第2残容量SOCcntr-dとの差(=SOC−SOCcntr-d)の絶対値が大きいほど絶対値が大きくなるように決定される。
更に、実残容量SOCが第2残容量SOCcntr-d以上である場合、テーブルMapPb2d(SOC)により求められる第2充電要求出力Pb2の絶対値は、テーブルMapPb1n(SOC)により求められる第1充電要求出力Pb1の絶対値よりも大きくなる。従って、実残容量SOCが第2残容量SOCcntr-d以上である場合、第2制御を実行している場合には第1制御を実行している場合に比較して、蓄電池64の放電が速やかに進められる。
加えて、テーブルMapPb2d(SOC)によれば、実残容量SOCが「第2残容量SOCcntr-dに設定された目標残容量」以下である場合、第2充電要求出力Pb2は正の値となり、実残容量SOCと第2残容量SOCcntr-dとの差(=SOC−SOCcntr-d)の絶対値が大きいほど絶対値が大きくなるように決定される。
更に、実残容量SOCが第2残容量SOCcntr-d以下である場合、テーブルMapPb2d(SOC)により求められる第2充電要求出力Pb2の絶対値は、テーブルMapPb1n(SOC)により求められる第1充電要求出力Pb1の絶対値よりも大きくなる。従って、実残容量SOCが第2残容量SOCcntr-d以下である場合、第2制御を実行している場合には第1制御を実行している場合に比較して、蓄電池64の充電が速やかに進められる。換言すると、内燃機関20が蓄電池64の充電のために発生する出力量が大きくなる。
次に、PMECU70はステップ625に進み、残容量SOCが残容量下限値SOClolmt よりも大きいか否かを判定する。残容量SOCが残容量下限値SOClolmt よりも大きい場合、PMECU70はステップ625にて「Yes」と判定し、ステップ635に直接進む。これに対し、残容量SOCが残容量下限値SOClolmt 以下である場合、PMECU70はステップ625にて「No」と判定してステップ630に進み、第2充電要求出力Pb2を非常に大きい値(後述する機関始動閾値Pethよりも大きい値)に設定し、その後、ステップ635に進む。
PMECU70はステップ635にて、車両要求出力Pv*と第2充電要求出力Pb2と損失(一定値)Plossとの和を機関要求出力Pe*として算出する。
次に、PMECU70はステップ640乃至ステップ675のうちの適当なステップの処理を実行する。ステップ640乃至ステップ675の処理は、ステップ540乃至ステップ575の処理のそれぞれと同じであるので、説明を省略する。以上により、第2制御(下り坂制御)が実行される。
<回生制動制御>
更に、PMECU70は、図示しないルーチンを実行することにより、アクセル(アクセルペダル)操作量APが「0」であるとき、ブレーキペダルの操作量BPに基づいて、車両10に要求される要求制動力を決定する。そして、PMECU70は、その要求制動力を要求回生制動力と要求摩擦制動力とに分配し、要求回生制動力が回生制動により発生するように第2発電電動機MG2を制御するとともに、要求摩擦制動力が図示しない摩擦ブレーキ装置により発生するように図示しない油圧ブレーキアクチュエータを制御する。なお、PMECU70は、残容量SOCが残容量上限値SOCuplmt を超えない範囲で、できるだけ要求回生制動力が大きくなるように要求回生制動力を決定する。
更に、PMECU70は、図示しないルーチンを実行することにより、アクセル(アクセルペダル)操作量APが「0」であるとき、ブレーキペダルの操作量BPに基づいて、車両10に要求される要求制動力を決定する。そして、PMECU70は、その要求制動力を要求回生制動力と要求摩擦制動力とに分配し、要求回生制動力が回生制動により発生するように第2発電電動機MG2を制御するとともに、要求摩擦制動力が図示しない摩擦ブレーキ装置により発生するように図示しない油圧ブレーキアクチュエータを制御する。なお、PMECU70は、残容量SOCが残容量上限値SOCuplmt を超えない範囲で、できるだけ要求回生制動力が大きくなるように要求回生制動力を決定する。
以上、説明したように、本制御装置は、下り坂制御を開始しようとする地点においてSOCが第2残容量SOCcntr-d以下の判定閾値αthよりも小さいと判定した場合、下り坂制御(第2制御)を実行せず、通常の制御(第1制御)を行う。従って、本制御装置は、下り坂制御開始地点から対象下り坂区間の開始地点までの間において、内燃機関に要求される充電要求出力が増加し内燃機関を運転する機会が増加してしまう事態の発生を回避することができる。その結果、本制御装置は、ハイブリッド車両10の燃費が悪化する事態の発生を回避することができる。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る制御装置は、下り坂制御によりもたらされる燃費改善効果をより確実に享受し得る。なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。以下、そのような変形例を列挙する。
(1)NVECU74は、車両10が所定距離を走行する毎に図3に示したルーチンを実行してもよい。
(2)PMECU70が、図3のルーチンの一部又は全部を実行してもよい。その場合、PMECU70はナビゲーションECU74から必要な情報を取得すればよい。
(2)PMECU70が、図3のルーチンの一部又は全部を実行してもよい。その場合、PMECU70はナビゲーションECU74から必要な情報を取得すればよい。
(3)上記実施形態においては、制御対象区間を車両10が走行している場合に、目標残容量低下制御が実行されていた。しかし、目標残容量低下制御は、車両10が、プレユース区間を通過している場合にのみ実行されてもよく、プレユース区間を通過している場合と、対象下り坂区間の開始地点Dkから、開始地点Dkと終了地点Deとの間の時点Dpまでの区間を通過している場合とにおいて実行されてもよい。
(4)上記実施形態においては、判定閾値αthの値は第2残容量SOCcntr-dとして説明した。しかし、判定閾値αthの値は第2残容量SOCcntr-dと残容量下限値SOClolmt との間の任意の値であってもよい。
(5)上記実施形態は、道路情報に基づいて走行予定経路上に渋滞区間が含まれるか否かを判定し、渋滞区間が含まれると判定した場合には、その渋滞区間の直前の区間において目標残容量SOCcntrを上昇させ、実際の残容量SOCを上昇させておく制御(渋滞制御)を下り坂制御に加えて実行してもよい。
(6)上記実施形態において、下り坂制御に加えて渋滞制御を実行する場合には、渋滞制御区間の開始地点(渋滞区間の直前の区間の開始地点)において残容量SOCの値が第2判定閾値βthを超えている場合には、渋滞制御を実行しないように構成されてもよい。この場合、第2判定閾値βthは標準残容量SOCcntr-nから残容量上限値SOCuplmt (SOCcntr-n ≦ βth ≦ SOCuplmt )に設定されることが望ましい。
10…ハイブリッド車両、20…内燃機関、50…駆動力伝達機構、64…蓄電池、70…パワーマネジメントECU、71…バッテリECU、72…モータECU、73…エンジンECU、74…ナビゲーションECU。
Claims (1)
- 車両の駆動源としての内燃機関及び同駆動源としての電動機、並びに、前記電動機に電力を供給する蓄電池を搭載し、前記電動機を用いて回生制動を行うとともに同回生制動により発生した電力を前記蓄電池に充電可能であり且つ前記内燃機関の出力を用いて発電した電力を前記蓄電池に充電可能に構成されたハイブリッド車両に適用され、
前記蓄電池の残容量の目標値である目標残容量を第1残容量に設定し、且つ、前記蓄電池の実際の残容量である実残容量が前記第1残容量に近付くように前記蓄電池の充放電のために要求する第1充放電要求出力を決定し、前記車両に要求される要求駆動力と前記第1充放電要求出力とが満たされるように前記内燃機関及び前記電動機を制御する第1制御手段と、
前記目標残容量を前記第1残容量よりも低い第2残容量に設定し、且つ、前記実残容量が前記第2残容量に近付くように前記蓄電池の充放電のために要求する、前記第1充放電要求出力よりも大きい第2充放電要求出力を決定し、前記車両に要求される要求駆動力と前記第2充放電要求出力とが満たされるように前記内燃機関及び前記電動機を制御する第2制御手段と、
を備えるように構成されたハイブリッド車両の制御装置であって、
前記車両の走行予定経路に関する情報を取得し、前記走行予定経路に関する情報に基づいて同走行予定経路内の所定の条件を満たす対象下り坂区間を抽出し、前記対象下り坂区間の開始地点よりも所定の第1距離だけ手前にある下り坂制御開始地点から同対象下り坂区間の終了地点までの区間である制御区間を特定する制御区間設定手段と、
前記制御区間以外の区間を前記車両が走行するとき、前記第1制御手段によって前記内燃機関及び前記電動機を制御させ、前記制御区間を前記車両が走行するとき前記第2制御手段によって前記内燃機関及び前記電動機を制御させる、選択手段と、
を備え、
前記選択手段は、前記車両が前記下り坂制御開始地点に到達した時点において、前記実残容量が前記第2残容量以下の判定閾値よりも小さいと判定した場合には、前記第2制御手段による前記内燃機関及び前記電動機の制御を開始させることなく前記第1制御手段による前記内燃機関及び前記電動機の制御を継続させるように構成された、
制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015157582A JP2017035964A (ja) | 2015-08-07 | 2015-08-07 | ハイブリッド車両の制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020011531A (ja) * | 2018-07-13 | 2020-01-23 | 日野自動車株式会社 | 充放電制御装置 |
JP2022514462A (ja) * | 2018-12-03 | 2022-02-14 | カーバー ベスローテン・ヴェンノーツハップ | 傾斜車両 |
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2015
- 2015-08-07 JP JP2015157582A patent/JP2017035964A/ja active Pending
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