JP2017031887A - スクロール圧縮機および熱サイクルシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固定スクロール板状渦巻歯11bの中心側の巻始めと外側の巻終わりとの間で圧縮室を外側圧縮部と内側圧縮部とに分割する分割壁を備え、旋回スクロール板状渦巻歯12bは、公転運動に伴って前記分割壁に干渉しないように、前記分割壁に対応する位置に分割領域を形成し、前記内側圧縮部を形成する固定スクロール板状渦巻歯31および旋回スクロール板状渦巻歯33の高さh2は、前記外側圧縮部を形成する固定スクロール板状渦巻歯30および旋回スクロール板状渦巻歯32の高さh1よりも高くする。
【選択図】図5
Description
(適用システムの概要)
図1は、本発明の実施の形態1であるスクロール圧縮機2が適用される熱サイクルシステム1の概要構成を示す回路図である。また、図2は、図1に示した熱サイクルシステム1のP−H線図である。また、スクロール圧縮機2は、2段圧縮機である。さらに、熱サイクルシステム1の熱サイクルは、2段圧縮2段膨張サイクルである。
図3は、スクロール圧縮機2の構造を示す断面図である。また、図4は、図3に示したA−A線断面図である。さらに、図5は、図3に示した固定スクロール11と旋回スクロール12の断面図である。また、図6は、図4に示した固定スクロール11を斜め下からみた斜視図である。さらに、図7は、図4に示した旋回スクロール12を斜め上からみた斜視図である。
図4〜図7に示すように、固定スクロール11は、台板11a上に立設した固定スクロール板状渦巻歯11bを有する。旋回スクロール12は、台板12a上に立設した旋回スクロール板状渦巻歯12bを有する。固定スクロール11と旋回スクロール12とは、固定スクロール板状渦巻歯11bの先端と旋回スクロール板状渦巻歯12bの先端とを互いに噛み合わせて、外側圧縮部40と内側圧縮部41とを形成する。そして、外側圧縮部40および内側圧縮部41内で、旋回スクロール12の外側および内側に圧縮室を形成し、旋回スクロール12に公転運動させることによって圧縮室の容積を減少して圧縮室を中心側に移動させ圧縮室の冷媒を圧縮する。
(非対称型スクロール圧縮機構造の適用)
ところで、図8に示すように、実施の形態2のスクロール圧縮機2は、固定スクロール11の巻終わり位置PB10と旋回スクロール12の巻終わり位置PB11とが、中心(高圧冷媒吐出口24の位置)に対して対称に配置されている。
PBx(θ)=R{cosθ+(θ×π/180)sinθ}
PBy(θ)=R{sinθ−(θ×π/180)cosθ}
したがって、上述した伸開角θaは、巻終わり位置PB10の伸開角をθ1とし、巻終わり位置PB20の伸開角をθ2とすると、θa=θ2−θ1となる。換言すれば、巻終わり位置PB20は、巻終わり位置PB10から伸開角θaに対応する分、延伸されている。
(冷媒漏れ防止機構)
ところで、筐体10内は中間圧室16が中間圧PMとなっている。筐体10内の圧力を中間圧PMにすると、旋回スクロール12の背面に中間圧PMが印加されるため、旋回スクロール12のスラスト荷重が低減し、機械損失の低減とスラスト軸受14の摩耗抑制によってスクロール圧縮機2の信頼性を高めることができる。
ところで、リング状シール70は、例えば樹脂や金属によって形成される。しかし、リング状シール70は、スクロール圧縮機2の運転に伴う温度上昇によって熱膨張が発生する。特に、リング状シール70は、幅や厚さに比して周長が長く、熱膨張時は円周方向の伸びが溝内に設置されて拘束されるため熱応力が生じ、さらに軸方向への変形による齧りが発生して破損する場合がある。
上述した実施の形態1〜3では、2段圧縮2段膨張サイクルを採用する熱サイクルシステムの一例として図1,2に示した熱サイクルシステムを示した。しかし、図1,2に示した熱サイクルシステム以外の熱サイクルシステムにも実施の形態1〜3に示したスクロール圧縮機2は適用できる。
2 スクロール圧縮機
3 凝縮器
4 過冷却器
5 高段膨張弁
5a 中間膨張弁
6 気液分離器
7 低段膨張弁
8 蒸発器
9,9a,9b 内部熱交換器
10,10a,10b 筐体
11 固定スクロール
11a,12a 台板
11b 固定スクロール板状渦巻歯
11c 外壁
12 旋回スクロール
12b 旋回スクロール板状渦巻歯
13 クランクシャフト
14 スラスト軸受
15 バランスウェイト
16 中間圧室
17 高圧室
18 吐出弁
20 分割壁
21 低圧冷媒吸込口
22 中間圧冷媒吸込口
23 中間圧冷媒吐出口
24 高圧冷媒吐出口
30,31 固定スクロール板状渦巻歯
32,33 旋回スクロール板状渦巻歯
40 外側圧縮部
41 内側圧縮部
51,52 チップシール
60−1 第1内側圧縮室
60−2 第2内側圧縮室
61−0 外側圧縮室
61−1 第1外側圧縮室
61−2 第2外側圧縮室
70 リング状シール
70a 外周面
70b 内周面
71,72 分割ギャップ
73 空間部
AL 回転方向
d 隙間
E 分断領域
GH,GL,GM 冷媒循環量
L1 低圧冷媒吸込配管
L2 中間圧冷媒吸込配管
L3 高圧冷媒吐出配管
θA 連通角
Claims (14)
- 固定スクロール板状渦巻歯と旋回スクロール板状渦巻歯を互いに噛み合わせて圧縮室を形成し、前記旋回スクロール板状渦巻歯を公転運動させることによって前記圧縮室の冷媒を圧縮するスクロール圧縮機であって、
前記固定スクロール板状渦巻歯の中心側の巻始めと外側の巻終わりとの間で前記圧縮室を外側圧縮部と内側圧縮部とに分割する分割壁を備え、
前記旋回スクロール板状渦巻歯は、前記公転運動に伴って前記分割壁に干渉しないように、前記分割壁に対応する位置に分割領域を形成し、
前記内側圧縮部を形成する前記固定スクロール板状渦巻歯および前記旋回スクロール板状渦巻歯の高さは、前記外側圧縮部を形成する前記固定スクロール板状渦巻歯および前記旋回スクロール板状渦巻歯の高さよりも高いことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記外側圧縮部は、低圧の冷媒を吸い込む外側吸込口と、前記外側吸込口から吸い込まれた冷媒を中間圧まで圧縮して吐出する外側吐出口とを有し、
前記内側圧縮部は、前記外側吐出口から吐出された冷媒と外部から導入される冷媒とを吸い込む内側吸込口と、前記内側吸込口から吸い込まれた冷媒を高圧まで圧縮して吐出する内側吐出口とを有することを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。 - 前記固定スクロール板状渦巻歯の外側巻終わり位置は、対称型スクロールにおける固定スクロール板状渦巻歯の巻終わり位置からの伸開角θaが0°<θa≦180°で延伸されたことを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
- 前記固定スクロール板状渦巻歯および前記旋回スクロール板状渦巻歯はそれぞれ台板上に立設され、いずれか一方の台板には他方の台板と摺動する外壁が形成され、前記外壁の先端と前記他方の台板との摺動面にリング状シールを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のスクロール圧縮機。
- 前記リング状シールは、熱膨張を吸収する熱膨張吸収部を有することを特徴とする請求項4に記載のスクロール圧縮機。
- 前記熱膨張吸収部は、前記公転運動の軸方向に対して傾斜する1以上の分割ギャップであることを特徴とする請求項5に記載のスクロール圧縮機。
- 前記熱膨張吸収部は、前記リング状シールの周方向に対して傾斜する1以上の分割ギャップであることを特徴とする請求項5に記載のスクロール圧縮機。
- 前記熱膨張吸収部は、前記リング状シールの外周面および内周面に挟まれた領域に形成された1以上の空間部であることを特徴とする請求項5に記載のスクロール圧縮機。
- 請求項1〜8に記載されたスクロール圧縮機と、
前記スクロール圧縮機によって圧縮された高圧の冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記凝縮器によって凝縮された冷媒を減圧膨張して中間圧にする高段膨張弁と、
前記高段膨張弁から導入された中間圧の冷媒を気液分離し、気体を前記スクロール圧縮機の中間圧の冷媒として前記内側圧縮部に導入する気液分離器と、
前記気液分離器の液体を中間圧の冷媒として減圧膨張する低段膨張弁と、
前記低段膨張弁から導入された低圧の冷媒を蒸発させ、前記スクロール圧縮機の低圧の冷媒として前記外側圧縮部に導入する蒸発器と、
を備えたことを特徴とする熱サイクルシステム。 - 前記凝縮器と前記高段膨張弁との間に過冷却器を設けたことを特徴とする請求項9に記載の熱サイクルシステム。
- 前記気液分離器から導出された冷媒と前記蒸発器から導出された冷媒との熱交換を行う熱交換器を設けたことを特徴とする請求項9または10に記載の熱サイクルシステム。
- 前記高段膨張弁に導入される直前の冷媒と、前記蒸発器から導出された冷媒との熱交換を行う熱交換器を設けたことを特徴とする請求項9または10に記載の熱サイクルシステム。
- 請求項1〜8に記載されたスクロール圧縮機と、
前記スクロール圧縮機によって圧縮された高圧の冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記凝縮器によって凝縮された冷媒を分岐点で分岐し、分岐された一方の冷媒を減圧膨張して中間圧にする中間膨張弁と、
前記中間膨張弁から導入された中間圧の冷媒と前記分岐点で分岐された他の高圧の冷媒との熱交換を行い、熱交換された中間圧の冷媒を前記スクロール圧縮機の中間圧の冷媒として前記内側圧縮部に導入する熱交換器と、
前記熱交換器で熱交換された高圧の冷媒を減圧膨張して低圧の冷媒を生成する膨張弁と、
前記膨張弁から導入された低圧の冷媒を蒸発させ、前記スクロール圧縮機の低圧の冷媒として前記外側圧縮部に導入する蒸発器と、
を備えたことを特徴とする熱サイクルシステム。 - 前記凝縮器と前記分岐点との間に過冷却器を設けたことを特徴とする請求項13に記載の熱サイクルシステム。
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