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JP2017023206A - 畜産環境保全設備 - Google Patents

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JP2017023206A JP2015142186A JP2015142186A JP2017023206A JP 2017023206 A JP2017023206 A JP 2017023206A JP 2015142186 A JP2015142186 A JP 2015142186A JP 2015142186 A JP2015142186 A JP 2015142186A JP 2017023206 A JP2017023206 A JP 2017023206A
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Abstract

【課題】開口部を密閉した畜舎内における悪臭物の発生規模に柔軟に対応して、外部への悪臭の拡散を防止しながら畜舎内からの悪臭物の搬出及び畜舎内の換気を行って畜舎内の衛生状態を低コストで維持すると共に、設備の保守及び管理を低コストで行うことが可能な畜産環境保全設備を提供する。【解決手段】畜産環境保全設備10は、開口部を密閉した畜舎11内で発生した家畜起源の悪臭物を、悪臭の拡散を防止しながら畜舎11の外部に搬出して貯留する悪臭物処理装置13と、畜舎11内の内部空気の一部を畜舎11の外部に取出し、太陽光で活性化する第1の光触媒14を用いて脱臭処理を行って浄化空気として畜舎11内に戻す循環式空気清浄装置15と、畜舎11の外部から取込んだ外気を畜舎11内に吹込みながら、畜舎11内の内部空気の別の一部を取出し、太陽光で活性化する第2の光触媒16を用いて脱臭処理して畜舎11の外部に放出する換気装置17とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、開口部を密閉した畜舎(例えば、無窓畜舎)内の換気及び畜舎内からの糞尿等の悪臭物の排出を、畜舎の外部への悪臭の拡散を防止しながら低コストで効率的に行う畜産環境保全設備に関する。
住民の居住区域が郊外に拡大して住居と畜舎が混在化すると共に畜舎規模の大型化に伴い、畜舎周辺での悪臭対策等の住民に対する畜産環境保全は、住居と畜舎の共存を図る上で喫緊の課題となっている。そこで、畜舎由来の悪臭成分が畜舎外に拡散し難い構造を有する、例えば、無窓畜舎は、悪臭対策の一つとして注目されている。
一方、無窓畜舎では糞尿等の悪臭物から発生する悪臭が構造上滞留するので、無窓畜舎内で発生した悪臭物の処理、無窓畜舎内の換気、無窓畜舎内における衛生状態の維持向上等の動物に対する畜産環境保全は、動物の健康維持(疾病予防)を図って生産性を向上させる観点から重要となっている。
そこで、悪臭を周囲に拡散させないで無窓畜舎内の換気を行う装置として、例えば、特許文献1には、無窓畜舎の外に隣接して設置された脱臭室と、脱臭室の内部に配設されて無窓畜舎の換気扇から排出された排気に含まれる塵等を除去する除塵装置と、脱臭室の内部に配設されて除塵された排気を脱臭する脱臭材層とを備える悪臭発生施設の排気脱臭装置が開示されている。ここで、除塵装置は、換気扇の下流側に配置されて換気扇から排出された排気が通過する多数の通気孔を備えた除塵本体部と、除塵本体部と換気扇の間に配置されて除塵本体部の側面に均一に散水する第1の散水装置と、除塵本体部の下方位置に設けられて、散水された水を回収して第1の散水装置用の水として貯留する貯水槽とを有している。なお、脱臭材層は、有機物及び微生物が添加された非熱処理のヤシガラチップを含む脱臭材を積層して形成されている。
特開2007−190534号公報
しかしながら、特許文献1に記載の排気脱臭装置では、長期間稼働を続けると貯水槽内に塵がたまるという問題、ヤシガラチップの経年変化により脱臭材が目減りするという問題が生ずる。このため、定期的にメンテナンス(貯水槽内の塵の除去、ヤシガラチップの交換)を行わなければならず、排気脱臭装置を安定して稼働させるためには、排気脱臭装置の保守及び管理の負担が大きくなるという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、開口部を密閉した畜舎内における悪臭物の発生規模に柔軟に対応して、畜舎の外部への悪臭の拡散を防止しながら畜舎内からの悪臭物の搬出及び畜舎内の換気を行って畜舎内の衛生状態を低コストで維持すると共に、設備の保守及び管理を低コストで行うことが可能な畜産環境保全設備を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る畜産環境保全設備は、開口部を密閉した畜舎内で発生した家畜起源の悪臭物を、悪臭の拡散を防止しながら該畜舎の外部に搬出して貯留する悪臭物処理装置と、
前記畜舎内の内部空気の一部を前記畜舎の外部に取出し、太陽光で活性化する第1の光触媒を用いて第1の脱臭処理を行って浄化空気として該畜舎内に戻す循環式空気清浄装置と、
前記畜舎の外部から取込んだ外気を該畜舎内に吹込みながら、該畜舎内の内部空気の別の一部を取出し、太陽光で活性化する第2の光触媒を用いて第2の脱臭処理を行って該畜舎の外部に放出する換気装置とを有している。
本発明に係る畜産環境保全設備においては、畜舎の開口部を密閉しているので、畜舎内に悪臭物が存在していても、悪臭が周囲に拡散する(漏れ出す)ことを防止できる。そして、悪臭物処理装置により、畜舎内から悪臭物を、悪臭の拡散を防止しながら畜舎の外部に搬出して貯留することができるので、畜舎内における悪臭の発生期間を短くして、畜舎内の悪臭を抑制することが可能になる。また、循環式空気清浄装置により、畜舎内の内部空気中に含まれる悪臭物質を削減し、細菌の発生と増殖を防止することができ、畜舎内の衛生状態を維持すると共に病原菌の空気感染による発病を防止することが可能になる。更に、換気装置により、畜舎内に外気を取入れて、畜舎内の内部空気の一部を排気することができるので、畜舎内の内部空気の状態(例えば、二酸化炭素濃度)を外気と同程度に維持することが可能になる。
ここで、循環式空気清浄装置による第1の脱臭処理は太陽光で活性化する第1の光触媒を用いて、換気装置による第2の脱臭処理は太陽光で活性化する第2の光触媒を用いてそれぞれ行うので、設備のランニングコストを低減することができる。また、悪臭物質は触媒を介して分解され、分解物は内部空気中に混入して畜舎外に排出され畜舎内には残留しないので、設備の保守コスト及び管理コストを低減することができる。
(A)は本発明の一実施の形態に係る畜産環境保全設備の南側面図、(B)は同畜産環境保全設備の北側面図、(C)は(A)のP−P矢視図、(D)は(A)のQ−Q矢視図ある。 同畜産環境保全設備のブロック図である。 同畜産環境保全設備の排気室側のブロック図である。 脱臭殺菌エレメントの説明図である。 第2の脱臭フィルター及び悪臭吸着材の部分拡大図である。 実施例の試験群と対照群における床面付着菌数の比較結果を示すグラフである。 実施例の試験群と対照群における浮遊菌及び浮遊粒子数の比較結果を示すグラフである。 実施例の試験群と対照群における臭気濃度の比較結果を示すグラフである。 実施例の試験群と対照群における飼育期間中のアンモニア濃度の変化を示すグラフである。 実施例の試験群と対照群における飼育期間中の無窓畜舎内に付着した一般細菌の生菌数の変化を示すグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)〜(D)、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る畜産環境保全設備10は、開口部を密閉した畜舎の一例である無窓畜舎11の中で発生した家畜起源の悪臭物、例えば、糞尿12(図3参照)を、無窓畜舎11内から外部への悪臭の拡散を防止しながら無窓畜舎11の外部に搬出して貯留する悪臭物処理装置13と、無窓畜舎11内の内部空気の一部を無窓畜舎11の外部に取出し、太陽光で活性化する第1の光触媒14(図4参照)を用いて悪臭物質の脱臭処理(第1の脱臭処理)を行って浄化空気として無窓畜舎11内に戻す循環式空気清浄装置15とを有している。
ここで、内部空気に含まれる悪臭物質の脱臭は、活性化した第1の光触媒14により、空気中の酸素が還元されて生成した活性酸素や、空気中の水分に含まれる水酸基が酸化されて生成した水酸ラジカルにより、悪臭物質の酸化分解によるものである。従って、内部空気中に細菌やウイルスが存在すると、悪臭物質の脱臭(酸化分解)と共に、細菌やウイルスを構成しているたんぱく質が酸化分解される。このため、浄化空気中の細菌やウイルスは不活化される(浄化空気は殺菌される)。
更に、畜産環境保全設備10は、無窓畜舎11の一端側に設けられ、無窓畜舎11の外部から外気を取入れる吸気室18と、無窓畜舎11の他端側に設けられ、取込んだ外気を無窓畜舎11内に吹込みながら無窓畜舎11内の内部空気の別の一部を取出し、太陽光で活性化する第2の光触媒16(図5参照)を用いて脱臭処理(第2の脱臭処理)を行った後に、放出口19を介して無窓畜舎11の外部に放出する排気室20とを備えた換気装置17を有している。
ここで、無窓畜舎11は、例えば、長手方向を東西方向に向けて構築された基礎21の長手方向両側を除いた領域に設けられている。また、基礎21の長手方向の一端側には、外周側と上面側が閉じられた吸気室18が無窓畜舎11の一端側と仕切り壁22を介して連接して設けられ、吸気室18の一端側の壁面43には、外気を取入れる、例えば、2つの開口部44、45が設けられている。一方、基礎21の長手方向の他端側には、外周側と上面側が閉じられた排気室20が無窓畜舎11の他端側と仕切り壁23を介して設けられ、排気室20の他端側の壁面49には、複数の放出口19が設けられている。以下、詳細に説明する。
図2、図3に示すように、悪臭物処理装置13は、無窓畜舎11の床24下に設けられて、排泄された糞尿12を収容(収集)する床下ピット25と、床下ピット25の一端側(吸気室18側)から他端側(排気室20側)に向けて洗浄水を流して収容した糞尿12を床下ピット25の他端側から排出させる洗浄排出手段26と、床下ピット25から排出した糞尿12を回収して貯留する密閉貯留槽(図示せず)とを有している。
ここで、床24は、基礎21の上面と高さ位置を一致させて無窓畜舎11内に配置され、開口部24aが分散して形成された網状板からなっている。網状板とすることで、排泄された尿は床下ピット25内に容易に収容することができ、排泄された糞は開口部24aから床下ピット25内に落下させて収容することができる。
また、洗浄排出手段26は、吸気室18内の上側に配置された洗浄水タンク27と、開閉バルブ(図示せず)を備え、落差を利用して洗浄水タンク27から洗浄水を床下ピット25の一端側に供給する導水配管28と、洗浄水タンク27に洗浄水を供給する給水ポンプを備えた給水配管(図示せず)とを有している。床下ピット25内で糞尿12を洗浄水と共に移動させることにより、床下ピット25内の洗浄と移動に伴う発塵防止が可能になる。
図1(A)、(B)、図2に示すように、循環式空気清浄装置15は、例えば、無窓畜舎11の長手方向に沿って間隔を設けて複数配置されている。
そして、図3に示すように、循環式空気清浄装置15は、無窓畜舎11内の内部空気の一部を無窓畜舎11の外部に取出すフード付きファン29(第1の排気手段の一例)と、フード付きファン29で取出した内部空気中の塵を除去する除塵フィルター30と、除塵フィルター30を通過して無窓畜舎11外、例えば、無窓畜舎11の屋根31の上に設けられて、取出された内部空気の脱臭殺菌処理を行って浄化空気に変える第1の脱臭フィルター32と、第1の脱臭フィルター32から排出される浄化空気を無窓畜舎11内に戻す浄化空気導入管33(浄化空気吹込み手段の一例)とを有している。なお、符号34は、除塵フィルター30を通過した内部空気を第1の脱臭フィルター32に流入させる内部空気導出管である。
第1の脱臭フィルター32は、中央部で折り曲げられて内部空気の流れ方向に対してそれぞれ傾斜する上流側処理部35及び下流側処理部36を備えた複数の脱臭殺菌エレメント37と、複数の脱臭殺菌エレメント37を収納する箱体38とを有している。
ここで、脱臭殺菌エレメント37の上流側処理部35と下流側処理部36の幅は等しく、脱臭殺菌エレメント37を箱体38内に収納する際、内部空気の流れ方向に沿って隣り合う脱臭殺菌エレメント37の端部同士は当接(連結)している。箱体38は、無窓畜舎11の屋根31の南側面上に長手方向を東西方向に向けて設置され、長手方向の両端面には浄化空気導入管33、内部空気導出管34の接続口がそれぞれ形成されている。また、箱体38の上面及び、南側面は、太陽光を効率的に透過させる透明部材で構成されている。そして、箱体38内に上流側処理部35(下流側処理部36)を挿入した際に、箱体38の内面と上流側処理部35(下流側処理部36)の外周面との間に僅少の隙間が形成されるように、箱体38の内側幅に対して上流側処理部35(下流側処理部36)の幅を調整し、箱体38の内側高さに対して脱臭殺菌エレメント37の中央部と上流側端部(下流側端部)との間の高さを調整することにより、箱体38の内面と上流側処理部35の外周部との間及び箱体38の内面と下流側処理部36の外周部との間にそれぞれガスシール部材(図示せず)を挿入することができる。このような構成とすることにより、箱体38内に導入された内部空気は、確実に脱臭殺菌エレメント37を順次通過することができる。
図4に示すように、上流側処理部35(下流側処理部36も同様)は、内部空気の流れ方向に交差させて配置された第1の平板状通気性容器39と、第1の平板状通気性容器39内に収納され、通過する内部空気に含まれる悪臭物質を吸着して表面に担持されている第1の光触媒14によって分解する第1の粒状処理材40とを有している。従って、第1の平板状通気性容器39の外周面と箱体38の内面との間に、ガスシール部材が挿入されている。
第1の粒状処理材40は、内部に連通する細孔(図示せず)を有する吸着剤、例えば、活性炭、ゼオライト、セピオライト、シリカゲルの粉末をそれぞれ所定形状(例えば、直径が0.5〜4mm、長さが1.5〜6mmの円柱状、又は外径が0.5〜4mmの粒状)に成形した活性炭ペレット、ゼオライトペレット、セピオライトペレット、及びシリカゲルペレットのいずれか1又は2以上の組合わせから構成される。そして、第1の粒状処理材40に対して第1の光触媒14(例えば、アナターゼ型の二酸化チタン)を溶射することにより、第1の粒状処理材40の表面に第1の光触媒14を担持させている。
ここで、第1の粒状処理材40のサイズが一定範囲内になるように粒度調整を行う(粒サイズをそろえる)ことで、第1の粒状処理材40を第1の平板状通気性容器39内に収納(充填)した際、第1の粒状処理材40同士の間に隙間を効率的に形成することができる。
第1の平板状通気性容器39は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成することができ、第1の平板状通気性容器39の表面には、アルマイト処理又はベーマイト処理が施されていることが好ましい。これによって、悪臭物質が腐食性を有していても、第1の平板状通気性容器39の損傷を防止できる。また、第1の平板状通気性容器39内には、縦横に網板状の仕切り壁41が設けられており、平面視して複数の区画に分割されている。第1の平板状通気性容器39内を仕切り壁41により分割することにより、第1の平板状通気性容器39を傾けても収納された第1の粒状処理材40が下方側に移動することを防止し、第1の平板状通気性容器39内に第1の粒状処理材40を一様に収納することができる。
第1の平板状通気性容器39の網目の間隔は第1の粒状処理材40のサイズに応じて(第1の粒状処理材40が第1の平板状通気性容器39内から流出しないように)設定する。また、仕切り壁41の網目の間隔も、第1の粒状処理材40が仕切り壁41を通過しないように設定する。なお、上流側処理部35を通過する内部空気量(通気性)は、第1の平板状通気性容器39内における第1の粒状処理材40同士の間に形成される隙間の断面積(第1の粒状処理材40の充填性)により決まるので、第1の平板状通気性容器39の網目の開口率は、第1の粒状処理材40の充填層の通気性を下回らない範囲内で自由に設定できる。
上流側処理部35(下流側処理部36でも同様)では、太陽光に照射される表側に存在する第1の粒状処理材40において、その表面に固着している第1の光触媒14により吸着された悪臭物質の分解が行われるので、上流側処理部35(第1の平板状通気性容器39)の内側高さ(平形網状容器35内の第1の粒状処理材40の充填層の厚さ)は、悪臭物質の分解能力に直接影響は及ぼさないが、上流側処理部35において太陽光に照射される連続した表面層が安定して形成されるためには、第1の粒状処理材40の充填層の厚さは、例えば、5〜10mmとするのがよい。
第1の粒状処理材40を構成するペレットの種類は、内部空気に含まれる悪臭物質の組成に応じて選択することが好ましく、複数の悪臭物質が含まれる場合、臭気強度の閾値が低い(悪臭と感じ易い)悪臭物質に対する吸着性に特に優れた吸着剤からなるペレットと広範囲の悪臭物質に対して吸着性に優れた吸着剤からなるペレットを組合わせて第1の粒状処理材40を構成することが好ましい。アンモニア臭物質を多く含む内部空気の場合は、吸着剤として、例えば、ゼオライトやセピオライトを使用したペレットを含む第1の粒状処理材40を用いることが効果的であり、アルデヒド臭物質類を多く含む内部空気の場合は、吸着剤として、例えば、セピオライトを使用したペレットを含む第1の粒状処理材40を用いることが効果的である。また、硫化物臭物質を多く含む内部空気の場合は、吸着剤として、例えば、活性炭を使用したペレットを含む第1の粒状処理材40を用いることが効果的である。
図1(A)〜(C)、図2に示すように、換気装置17は、無窓畜舎11の外部から外気を取入れる吸気室18と、無窓畜舎11内の上側に、無窓畜舎11の長手方向に沿って配置され、吸気室18に取入れた外気を複数の吹出し口(図示せず)を介して無窓畜舎11内に導くダクト42(外気導入手段の一例)と、無窓畜舎11内の内部空気を放出口19から放出する排気室20とを有している。
ここで、吸気室18の一端側の壁面43に形成された開口部44、45には、壁面43に取付けられたリフタ―46の動作に連動して昇降するカーテン47、48がそれぞれ取付けられている。また、図1(D),図2に示すように、排気室20には、放出口19にそれぞれ取付けられて、無窓畜舎11内から床24の開口部24aを介し床下ピット25を経由して排気室20に流入する内部空気を排気室20を通過させて放出口19から放出する、例えば、排気能力が異なる2種類の排気ファン50、51(第2の排気手段の一例)と、内部空気を外部に放出する際に(内部空気が放出口19に流入する前に)脱臭処理を行う第2の脱臭フィルター52が設けられている。
第2の脱臭フィルター52は、図3、図5に示すように、無窓畜舎11に設けた床下ピット25内を経由して排気室20内に流入した内部空気が放出口19に向けて移動する際の内部空気の流れ方向に交差させて排気室20内に配置された第2の平板状通気性容器53と、第2の平板状通気性容器53内に収納され、内部空気中の悪臭物質を吸着(捕捉)して表面に担持されている第2の光触媒16によって分解する第2の粒状処理材54とを有している。そして、第2の脱臭フィルター52(即ち、第2の平板状通気性容器53)の上流側には、排気室20内の内部空気の流れ方向に交差させて網状ケース55が配置され、網状ケース55内には内部空気に含まれる悪臭物質を吸着する塊状の悪臭吸着材56が収納(充填)されている。なお、排気室20の屋根57の一部は、太陽光を効率的に透過させる透明部材58を用いて構成されており、排気室20内に太陽光が入射可能になっている。
ここで、第2の光触媒16による悪臭物質の脱臭は、第1の光触媒14による悪臭物質の脱臭と同じ酸化分解によるものなので、排気室20内に流入する内部空気中に細菌やウイルスが存在すると、悪臭物質の脱臭(酸化分解)と共に細菌やウイルスの不活化が行われ、脱臭及び殺菌された内部空気が外部に放出されることになる。
第2の平板状通気性容器53及び網状ケース55は、それぞれ図示しない取付け部材を介して排気室20の内周面にガスシール部材を介して密着させて配置されている。このような構成とすることにより、悪臭吸着材56同士の隙間(悪臭吸着材56の充填層)を通過した内部空気のみを第2の脱臭フィルター52の上流側に到達させることができ、更に、第2の脱臭フィルター52を通過した(即ち、第2の粒状処理材54同士の隙間を通過した)内部空気のみを放出口19より外部に放出させることができる。
なお、図3に示すように、第2の平板状通気性容器53と網状ケース55との間には隙間を設けたが、第2の平板状通気性容器53と網状ケース55を当接させて配置してもよい。
図5に示すように、第2の粒状処理材54は、内部に連通する細孔(図示せず)を有する吸着剤、例えば、活性炭、ゼオライト、セピオライト、シリカゲルの粉末をそれぞれ所定形状(例えば、直径が0.5〜4mm、長さが1.5〜6mmの円柱状、又は外径が0.5〜4mmの粒状)に成形した活性炭ペレット、ゼオライトペレット、セピオライトペレット、及びシリカゲルペレットのいずれか1又は2以上の組合わせから構成される。そして、第2の粒状処理材54に対して第2の光触媒16(例えば、アナターゼ型の二酸化チタン)を溶射することにより、第2の粒状処理材54の表面に第2の光触媒16を担持させている。なお、第2の粒状処理材54のサイズが一定範囲内になるように粒度調整を行う(粒サイズをそろえる)ことで、第2の粒状処理材54を第2の平板状通気性容器53内に収納(充填)した際、第2の粒状処理材54同士の間に隙間を効率的に形成することができる。
第2の平板状通気性容器53は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成することができ、第2の平板状通気性容器53の表面には、アルマイト処理又はベーマイト処理が施されていることが好ましい。これによって、悪臭物質が腐食性を有していても、第2の平板状通気性容器53の損傷を防止できる。また、第2の平板状通気性容器53内には、縦横に網板状の仕切り壁59が設けられており、平面視して複数の区画に分割されている。第2の平板状通気性容器53内を仕切り壁59により分割することにより、第2の平板状通気性容器53を傾けても収納された第2の粒状処理材54が下方側に移動することを防止し、第2の平板状通気性容器53内に第2の粒状処理材54を一様に収納することができる。
第2の平板状通気性容器53の形状及び寸法は、排気室20での使用状況に応じて任意に設定でき、第2の平板状通気性容器53の網目の間隔は第2の粒状処理材54のサイズに応じて(第2の粒状処理材54が第2の平板状通気性容器53内から流出しないように)設定する。また、仕切り壁59の網目の間隔も、第2の粒状処理材54が仕切り壁59を通過しないように設定する。なお、第2の脱臭フィルター52を通過する内部空気量(通気性)は、第2の平板状通気性容器53内における第2の粒状処理材54同士の間に形成される隙間の断面積(第2の粒状処理材54の充填性)により決まるので、第2の平板状通気性容器53の網目の開口率は、第2の粒状処理材54の充填層の通気性を下回らない範囲内で自由に設定できる。
排気室20内には太陽光が入射するので、第2の脱臭フィルター52の上面側は太陽光に照射される。このため、第2の脱臭フィルター52の上面側に存在する第2の粒状処理材54において、その表面に固着している第2の光触媒16により、吸着された悪臭物質の分解が行われる。なお、第2の脱臭フィルター52の厚さ(第2の平板状通気性容器53内の第2の粒状処理材54の充填層の厚さ)は、悪臭物質の分解能力に直接影響は及ぼさないが、第2の脱臭フィルター52において太陽光に照射される連続した表面層が安定して形成されるためには、第2の粒状処理材54の充填層の厚さは、例えば、5〜10mmとするのがよい。
第2の粒状処理材54を構成するペレットの種類は、内部空気に含まれる悪臭物質の組成に応じて選択することが好ましく、複数の悪臭物質が含まれる場合、臭気強度の閾値が低い悪臭物質に対する吸着性に特に優れた吸着剤からなるペレットと広範囲の悪臭物質に対して吸着性に優れた吸着剤からなるペレットを組合わせて第2の粒状処理材54を構成することが好ましい。
アンモニア臭物質を多く含む内部空気の場合は、吸着剤として、ゼオライトを使用したペレットを含む第2の粒状処理材54を用いることが効果的であり、アルデヒド臭物質類を多く含む内部空気の場合は、吸着剤として、例えば、セピオライトを使用したペレットを含む第2の粒状処理材54を用いることが効果的である。また、硫化物臭物質を多く含む内部空気の場合は、吸着剤として、例えば、活性炭を使用したペレットを含む第2の粒状処理材54を用いることが効果的である。
悪臭吸着材56は、活性炭ペレット、ゼオライトペレット、セピオライトペレット、及びシリカゲルペレットのいずれか1又は2以上の組合わせから構成することができ、悪臭吸着材56のサイズは、第2の粒状処理材54のサイズより大きく、例えば、直径が2〜6mm、長さが3〜15mmの円柱状、又は外径が3〜5mmの球状である。悪臭吸着材56のサイズを第2の粒状処理材54のサイズより大きくすることにより、第2の粒状処理材54の間に形成される隙間の断面積(第2の粒状処理材54の充填層の通気性)より、悪臭吸着材56の間に形成される隙間の断面積(悪臭吸着材56の充填層の通気性)を大きくすることができる。これにより、第2の脱臭フィルター52の上流側に悪臭吸着材56を配置しても、第2の脱臭フィルター52における内部空気の通気性に影響を及ぼさないようにすることができる。
網状ケース55は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成することができ、網状ケース55の表面には、アルマイト処理又はベーマイト処理が施されていることが好ましい。これによって、悪臭物質が腐食性を有していても、網状ケース55の損傷を防止できる。また、網状ケース55内には、縦横に網板状の仕切り壁60が設けられており、平面視して複数の区画に分割されている。網状ケース55内を仕切り壁60により分割することにより、網状ケース55を傾けても収納された悪臭吸着材56が下方側に移動することを防止し、網状ケース55内に悪臭吸着材56を一様に収納することができる。
網状ケース55の形状及び寸法は、排気室20での使用状況に応じて設定し、網状ケース55の網目の間隔は悪臭吸着材56のサイズに応じて(悪臭吸着材56が網状ケース55内から流出しないように)設定する。なお、網状ケース55の網目の開口率は、悪臭吸着材56の充填層の通気性を下回らない範囲内で自由に設定できる。
悪臭吸着材56を構成する吸着剤の種類は、内部空気に含まれる悪臭物質の組成に応じて選択することが好ましく、複数の悪臭物質が含まれる場合、臭気強度の閾値が低い悪臭物質に対する吸着性に特に優れた吸着剤からなるペレットと広範囲の悪臭物質に対して吸着性に優れた吸着剤からなるペレットを組合わせて悪臭吸着材56を構成することが好ましい。
アンモニア臭物質を多く含む内部空気の場合は、吸着剤として、例えば、ゼオライトを使用したペレットを用いた悪臭吸着材56を用いることが効果的であり、アルデヒド臭物質類を多く含む内部空気の場合は、吸着剤として、例えば、セピオライトを使用したペレットを用いた悪臭吸着材56を用いることが効果的である。また、硫化物臭物質を多く含む内部空気の場合は、吸着剤として、例えば、活性炭を使用したペレットを用いた悪臭吸着材56を用いることが効果的である。
続いて、本発明の一実施の形態に係る畜産環境保全設備10の作用について説明する。
無窓畜舎11のため、無窓畜舎11内に糞尿12が存在していても、無窓畜舎11内から外部に悪臭が直接拡散する(漏れ出す)ことを防止できる。そして、悪臭物処理装置13により、無窓畜舎11内から糞尿12を、悪臭の拡散を防止しながら無窓畜舎11の外部に搬出して貯留することができるので、無窓畜舎11内における悪臭の発生期間を短くして、無窓畜舎11内の悪臭を抑制することが可能になる。また、循環式空気清浄装置15により、無窓畜舎11内の内部空気中に含まれる悪臭物質の削減、細菌の発生と増殖を防止することができ、無窓畜舎11内の衛生状態を維持すると共に病原菌の空気感染による発病を防止することが可能になる。このため、無窓畜舎11内の悪臭発生防止と衛生状態の維持を図ると共に、病原菌の空気感染による家畜の発病を防止することが可能になる。更に、換気装置17により、無窓畜舎11内に外気を取入れて、無窓畜舎11内の内部空気の一部を排気することができるので、無窓畜舎11内の内部空気の状態(例えば、二酸化炭素濃度)を外気と同程度に維持することが可能になる。なお、無窓畜舎11内から排出される内部空気は脱臭、殺菌された後、大気中に放出するので、悪臭、細菌やウイルスが無窓畜舎11の周囲に拡散することはない。
ここで、循環式空気清浄装置15による脱臭処理及び殺菌処理は太陽光で活性化する第1の光触媒14を用いて、換気装置17による脱臭処理及び殺菌処理は太陽光で活性化する第2の光触媒16を用いてそれぞれ行うので、脱臭処理のランニングコストを低減することができる。また、悪臭物質は触媒を介して分解され、分解物は内部空気中に混入して無窓畜舎11の外に排出され無窓畜舎11内には残留しないので、循環式空気清浄装置15の保守コスト及び管理コストを低減することができる。
循環式空気清浄装置15の第1の脱臭フィルター32において、脱臭殺菌エレメント37は太陽光に照射されているので、太陽光照射側に存在する第1の粒状処理材40の第1の光触媒14は活性状態が維持され、太陽光照射側に存在する第1の粒状処理材40では再生処理が自動的に行われる。そして、内部空気に含まれる悪臭物質の含有量が低下すると、脱臭殺菌エレメント37の太陽光照射側では悪臭物質の濃度が低下する。その結果、脱臭殺菌エレメント37の太陽光照射側とそれ以外の領域との間で悪臭物質の濃度勾配が発生して、悪臭物質は太陽光照射側に向けて移動し、太陽光照射側に到達した悪臭物質は第1の光触媒14により分解除去される。これにより、脱臭殺菌エレメント37においても再生処理が自動的に行われる。
なお、夜間や天候等の関係で悪臭物質の分解が行われない場合、悪臭物質は第1の粒状処理材40に吸着されるので、無窓畜舎11内には脱臭処理された浄化空気が戻される。
換気装置17では、無窓畜舎11内から排気した内部空気に含まれる悪臭物質が多い場合は、悪臭物質の一部が悪臭吸着材56に吸着し(内部空気に含まれる悪臭物質の悪臭吸着材56に対する吸着量が、悪臭吸着材56に吸着されている悪臭物質が悪臭吸着材56から離脱して内部空気に混入する離脱量より多くなって)、内部空気に含まれる悪臭物質の含有量が少ない場合は、悪臭吸着材56に吸着されている悪臭物質の一部が悪臭吸着材56から離脱して内部空気中に混入する(悪臭吸着材56に吸着されている悪臭物質が悪臭吸着材56から離脱して内部空気中に混入する離脱量が、内部空気に含まれる悪臭物質の悪臭吸着材56に対する吸着量より多くなる)ので、悪臭吸着材56を通過した、従って、第2の脱臭フィルター52に流入する内部空気中に含まれる悪臭物質の含有量変動が抑制される。
このため、悪臭吸着材56による悪臭物質の吸着能力と、第2の脱臭フィルター52による悪臭物質の吸着解能力を組合わせて、第2の脱臭フィルター52に流入する内部空気中に含まれる悪臭物質の含有量が、第2の脱臭フィルター52の分解能力範囲内の値になるようにすることにより、第2の脱臭フィルター52の大型化を図らず、更に、内部空気をタンク等に一旦貯留することを行わないで、悪臭物質の発生量変動に迅速に対応して悪臭物質の安定した分解除去を連続的に行うことが可能となる。更に、悪臭吸着材56では、内部空気中に含まれる悪臭物質の含有量が低下すると、悪臭吸着材56に吸着している悪臭物質の一部が離脱して内部空気中に混入するので、悪臭吸着材56の再生処理が自動的に行われる。
第2の脱臭フィルター52は太陽光に照射されているので、太陽光照射側に存在する第2の粒状処理材54の第2の光触媒16は活性状態が維持され、太陽光照射側に存在する第2の粒状処理材54では再生処理が自動的に行われる。そして、内部空気中に含まれる悪臭物質の含有量が低下すると、第2の脱臭フィルター52の太陽光照射側では悪臭物質の濃度が低下する。その結果、第2の脱臭フィルター52の太陽光照射側とそれ以外の領域との間で悪臭物質の濃度勾配が発生して、悪臭物質は太陽光照射側に向けて移動し、太陽光照射側に到達した悪臭物質は第2の光触媒16により分解除去される。これにより、第2の脱臭フィルター52においても再生処理が自動的に行われる。
なお、夜間や天候等の関係で悪臭物質の分解が行われない場合、悪臭物質は悪臭吸着材56と第2の脱臭フィルター52に吸着されるので、放出口19からは、脱臭処理された内部空気が放出される。
飼育実験に使用する同一タイプの無窓畜舎を2つ準備し、一方の無窓畜舎には循環式空気清浄装置(第1の粒状処理材はゼオライトペレット、第1の光触媒はアナターゼ型の二酸化チタン)を取付けて試験群とし、他方の無窓畜舎を対照群とした。そして、試験群及び対照群では、同一体型の子豚を同一頭数、1か月間に亘ってそれぞれ飼育した。なお、飼育期間中、畜舎内の換気は行わず、糞尿の排出も行わなかった。
そして、飼育期間の終了後に、試験群と対照群における床面付着菌数、浮遊菌及び浮遊粒子数、臭気濃度をそれぞれ測定し、測定値の比較を行った。また、試験群と対照群において、飼育期間中のアンモニア濃度変化と無窓畜舎内に付着した一般細菌の生菌数変化をそれぞれ求めた。
図6に示すように、床面付着菌数の比較では、対照群に対して試験群においては、一般細菌(MHA)では3.5桁低下(約1/3000)、腸内細菌群(DHL)では5.3桁低下(約1/200000)、黄色ブドウ球菌(マンニット)では4桁低下(約1/10000)、ポテトデキストロース(PD)では2.5桁低下(約1/300)している。
図7に示すように、浮遊菌数及び浮遊粒子数の比較では、対照群に対して試験群においては、浮遊菌数では29%、浮遊粒子数では53%それぞれ低下している。
図8に示すように、臭気濃度の比較では、対照群に対して試験群においては、アンモニアでは84%、アセトアルデヒドでは90%以上、ノルマル酪酸では78%それぞれ低下している。
図9に示すように、試験群では、アンモニア濃度は飼育期間の経過と共に徐々に増加するが、無窓畜舎の周辺におけるアンモニア濃度と比較しても大幅に増加することはない。一方、対照群では、アンモニア濃度は飼育期間の経過と共に大きく増加している。なお、試験群では、循環式空気清浄装置の脱臭殺菌エレメントに対して太陽光を遮断すると、アンモニア濃度が急増することが確認できた。
図10に示すように、試験群では、生菌数は飼育期間の経過と共に徐々に増加するが、対照群では、生菌数は飼育を開始して短期間に飽和状態に達することが確認できた。なお、試験群では、循環式空気清浄装置の脱臭殺菌エレメントに対して太陽光を遮断すると、生菌数が急増することが確認できた。
以上のように、無窓畜舎を用いて子豚の飼育を行う際、無窓畜舎内の換気を行わず、無窓畜舎内からの糞尿の排出を行わなくても、無窓畜舎に循環式空気清浄装置を設置することにより、無窓畜舎内の床面付着菌数、浮遊菌数及び浮遊粒子数、臭気濃度を低減できると共に、無窓畜舎内のアンモニア濃度及び生菌数の低減を達成できることが確認できた。
従って、無窓畜舎に、更に、悪臭物処理装置と換気装置を設置することにより、無窓畜舎周辺での悪臭対策等の住民に対する畜産環境保全を図りながら、無窓畜舎内における衛生状態の維持向上等の動物に対する畜産環境保全を実現できると考えられる。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
更に、本実施の形態とその他の実施の形態や変形例にそれぞれ含まれる構成要素を組合わせたものも、本発明に含まれる。
10:畜産環境保全設備、11:無窓畜舎、12:糞尿、13:悪臭物処理装置、14:第1の光触媒、15:循環式空気清浄装置、16:第2の光触媒、17:換気装置、18:吸気室、19:放出口、20:排気室、21:基礎、22、23:仕切り壁、24:床、24a:開口部、25:床下ピット、26:洗浄排出手段、27:洗浄水タンク、28:導水配管、29:フード付きファン、30:除塵フィルター、31:屋根、32:第1の脱臭フィルター、33:浄化空気導入管、34:内部空気導出管、35:上流側処理部、36:下流側処理部、37:脱臭殺菌エレメント、38:箱体、39:第1の平板状通気性容器、40:第1の粒状処理材、41:仕切り壁、42:ダクト、43:壁面、44、45:開口部、46:リフタ―、47、48:カーテン、49:壁面、50、51:排気ファン、52:第2の脱臭フィルター、53:第2の平板状通気性容器、54:第2の粒状処理材、55:網状ケース、56:悪臭吸着材、57:屋根、58:透明部材、59、60:仕切り壁

Claims (12)

  1. 開口部を密閉した畜舎内で発生した家畜起源の悪臭物を、悪臭の拡散を防止しながら該畜舎の外部に搬出して貯留する悪臭物処理装置と、
    前記畜舎内の内部空気の一部を前記畜舎の外部に取出し、太陽光で活性化する第1の光触媒を用いて第1の脱臭処理を行って浄化空気として該畜舎内に戻す循環式空気清浄装置と、
    前記畜舎の外部から取込んだ外気を該畜舎内に吹込みながら、該畜舎内の内部空気の別の一部を取出し、太陽光で活性化する第2の光触媒を用いて第2の脱臭処理を行って該畜舎の外部に放出する換気装置とを有することを特徴とする畜産環境保全設備。
  2. 請求項1記載の畜産環境保全設備において、前記循環式空気清浄装置は、前記第1の脱臭処理を行いながら殺菌処理を行うことを特徴とする畜産環境保全設備。
  3. 請求項1又は2記載の畜産環境保全設備において、前記悪臭物処理装置は、前記畜舎の床下に設けられ、前記悪臭物を収集する床下ピットと、該床下ピットの一端側から他端側に向けて洗浄水を流して収集した前記悪臭物を該床下ピット内から排出させる洗浄排出手段と、前記床下ピットから排出した前記悪臭物を回収する密閉貯留槽とを有していることを特徴とする畜産環境保全設備。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の畜産環境保全設備において、前記循環式空気清浄装置は、前記内部空気の一部を前記畜舎の外部に取出す第1の排気手段と、該第1の排気手段で取出した該内部空気中の塵を除去する除塵フィルターと、該除塵フィルターを通過した該内部空気を前記浄化空気に変える第1の脱臭フィルターと、該浄化空気を前記畜舎内に戻す浄化空気吹込み手段とを有していることを特徴とする畜産環境保全設備。
  5. 請求項4記載の畜産環境保全設備において、前記第1の脱臭フィルターは、中央部で折り曲げられて前記内部空気の流れ方向に対してそれぞれ傾斜する上流側処理部及び下流側処理部を備えた複数の脱臭殺菌エレメントが、該内部空気の流れ方向に沿って隣り合う該脱臭殺菌エレメントの端部同士を連結させることにより形成され、
    前記上流側処理部及び前記下流側処理部はそれぞれ、前記内部空気の流れ方向に交差させて配置された第1の平板状通気性容器と、該第1の平板状通気性容器内に収納され、該内部空気中の悪臭物質を吸着して表面に担持されている前記第1の光触媒によって分解する第1の粒状処理材とを有していることを特徴とする畜産環境保全設備。
  6. 請求項5記載の畜産環境保全設備において、前記第1の平板状通気性容器内は、平面視して複数の区画に分割されていることを特徴とする畜産環境保全設備。
  7. 請求項5又は6記載の畜産環境保全設備において、前記第1の粒状処理材は、活性炭ペレット、ゼオライトペレット、セピオライトペレット及びシリカゲルペレットのいずれか1又は2以上の組合わせから構成されることを特徴とする畜産環境保全設備。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の畜産環境保全設備において、前記換気装置は、前記畜舎の外部から外気を取入れる吸気室と、該吸気室から前記畜舎内に外気を導く外気導入手段と、前記畜舎内の内部空気を放出口から放出する排気室とを有し、該排気室には、該畜舎内の内部空気を該排気室を通過させて該放出口から放出させる第2の排気手段と、該内部空気を外部に放出する際に前記第2の脱臭処理を行う第2の脱臭フィルターが設けられていることを特徴とする畜産環境保全設備。
  9. 請求項8記載の畜産環境保全設備において、前記第2の脱臭フィルターは、前記排気室内に、前記内部空気の流れ方向に交差させて配置された第2の平板状通気性容器と、該第2の平板状通気性容器内に収納され、前記内部空気中の悪臭物質を捕捉して表面に担持されている前記第2の光触媒によって分解する第2の粒状処理材とを有し、更に、前記第2の平板状通気性容器の上流側には、前記内部空気に含まれる悪臭物質を吸着する塊状の悪臭吸着材が配置されていることを特徴とする畜産環境保全設備。
  10. 請求項9記載の畜産環境保全設備において、前記第2の平板状通気性容器内は、平面視して複数の区画に分割されていることを特徴とする畜産環境保全設備。
  11. 請求項9又は10記載の畜産環境保全設備において、前記第2の粒状処理材のサイズは前記悪臭吸着材のサイズより小さく、該第2の粒状処理材と該悪臭吸着材はそれぞれ、活性炭ペレット、ゼオライトペレット、セピオライトペレット及びシリカゲルペレットのいずれか1又は2以上の組合わせから構成されることを特徴とする畜産環境保全設備。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の畜産環境保全設備において、前記開口部を密閉した前記畜舎は、無窓畜舎であることを特徴とする畜産環境保全設備。
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