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JP2017019827A - 心不全抑制剤 - Google Patents

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heart failure
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啓行 森田
Hiroyuki Morita
啓行 森田
永井 良三
Ryozo Nagai
良三 永井
中山 敦子
Atsuko Nakayama
敦子 中山
正 橋本
Tadashi Hashimoto
正 橋本
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University of Tokyo NUC
Theravalues Corp
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University of Tokyo NUC
Theravalues Corp
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Abstract

【課題】動脈瘤を抑制する医薬及び食品を提供する。【解決手段】下記式で示されるルテオリン又はその誘導体を有効成分とする動脈瘤抑制剤。ルテオリン又はその誘導体が、ルテオリン又はルテオリン−7−O−グルコシドである動脈瘤抑制剤。(R1〜R4は夫々独立にH、アルキル基、スルホ基又は糖残基)【選択図】なし

Description

本発明は、心臓の線維化、心室壁肥厚、心肥大、心不全及び動脈瘤を抑制する医薬に関する。
心肥大が遷延すると心不全、突然死等の危険性が高まるため、心不全を予防、抑制するためには、心肥大を抑制することが重要である。この心肥大は運動負荷などによる生理的条件で生じる場合と、心筋の病的なストレス反応による非生理的な条件で生じる場合に分類される。
一方、活性酸素(Reactive Oxygen Species:ROS)は、心血管系を含む多くの細胞においてその生育のシグナル伝達に関与していることが知られている。心筋細胞においては、アンジオテンシンII及びTNF−αによる心筋細胞肥大を活性酸素が媒介していることが証明され、活性酸素がセカンドメッセンジャーとして心筋細胞肥大のシグナル伝達に関与することが示された(非特許文献1)。そして、活性酸素と心肥大の関係は、細胞レベル及び動物レベルでも報告されており、肥大刺激物質であるTNF−α、アンジオテンシンII、エンドセリン−I、フェニレフリンによる刺激後、速やかに活性酸素が産生されることが知られている。また、アンジオテンシンIIの持続皮下投与は心肥大モデルとして広く知られているが、このモデルにおいても心筋で活性酸素が生成することが知られている。
心肥大、なかでも心筋の病的なストレス反応による非生理的条件で生じる心肥大は、通常、心筋の線維化、心室壁の肥厚をその特徴とする。長期間にわたる高血圧症による心筋への持続的過剰ストレスや、心筋梗塞後の心筋への異常なストレスが、心肥大の原因になることが多い。心肥大が遷延することにより、心臓はポンプとしての機能に破綻をきたし、心不全に至ることが知られる。
このような心肥大に対する薬剤として、スタチン、エダラボン、β−遮断薬等が期待されているが、未だ有効性は確認されていない。
また、動脈瘤は、くも膜下出血の最大の原因であるが、発症原因は未だ明確には判明していない。動脈瘤のリスクファクターとして、高血圧や動脈硬化が挙げられているが、直接の原因かどうかは不明である。動脈瘤の治療手段としては、手術以外では、降圧薬でその進展を防止することが行なわれているにすぎない。
Circulation 98:794−799,1998
本発明の課題は、心肥大、心不全及び動脈瘤を抑制する医薬及び食品を提供するものである。
そこで本発明者は、心肥大や動脈瘤を抑制し、かつ安全性の高い成分を見出すべく種々検討した結果、食用植物に含まれる黄色色素フラボノイドの一種であるルテオリン又はその誘導体が、ラットのアンジオテンシンII持続投与モデルにおいて、血圧に影響を与えることなく、心臓の線維化、心室壁肥厚、心肥大、動脈瘤を顕著に抑制し、心不全予防抑制剤、動脈瘤抑制剤として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
さらにルテオリン又はその誘導体の中でも、特にルテオリン−7−O−グルコシドが高い経口吸収性を有し、経口摂取用の医薬や食品として有用であることをも見出した。
すなわち、本発明は、ルテオリン又はその誘導体を有効成分とする心臓線維化抑制剤、心室壁肥厚抑制剤、心肥大抑制剤及び心不全抑制剤を提供するものである。
また、本発明は、ルテオリン又はその誘導体を有効成分とする動脈瘤抑制剤を提供するものである。
さらに、本発明は、ルテオリン−7−O−グルコシドを含有する経口摂取用組成物を提供するものである。
ルテオリン又はその誘導体は、心不全の原因症状である心臓の線維化、心室壁肥厚及び心肥大を顕著に抑制することから、心不全を予防及び/又は抑制するための医薬又は食品として有用である。また、ルテオリン又はその誘導体は、動脈瘤を顕著に抑制することから、動脈瘤を予防及び/又は抑制するための医薬又は食品として有用である。なお、ルテオリン又はその誘導体は、前記の作用を示す用量で、アンジオテンシンII持続注入モデルにおいて血圧に影響を与えないことから、前記の作用が、血圧を下げることによる作用ではないことがわかる。また、ルテオリン又はその誘導体は、安全性が高く長期間摂取可能であることから、特に心肥大、心不全、動脈瘤の予防剤として有用である。
ルテオリン配糖体の血圧に及ぼす作用を示す。 ルテオリン配糖体の心室壁肥厚に及ぼす作用を示す。 ルテオリン配糖体の心臓、心室の重量に及ぼす作用を示す。 ルテオリン配糖体の心室壁の活性酸素発生に及ぼす作用を示す。 ルテオリン配糖体の心室壁の線維化に及ぼす作用を示す。 ルテオリン配糖体の心室組織の線維化マーカー遺伝子の発現に及ぼす作用を示す。 ルテオリン配糖体の心室組織の心肥大、心不全マーカー遺伝子発現に及ぼす作用を示す。 ルテオリン配糖体の急性動脈瘤モデルに対する血圧及び体重に及ぼす作用を示す。 ルテオリン配糖体の動脈瘤形成に及ぼす作用(外観)を示す。 ルテオリン配糖体の動脈瘤形成に及ぼす作用(動脈瘤の径)を示す。 ルテオリン配糖体の動脈瘤形成に及ぼす作用(動脈壁弾性線維断裂抑制効果)を示す。 ルテオリン及びその配糖体の血漿中濃度を示す。
本発明の心臓線維化抑制剤、心室壁肥厚抑制剤、心肥大抑制剤、心不全抑制剤、動脈瘤抑制剤(以下、総合して心不全抑制剤等ということもある)の有効成分は、ルテオリン又はその誘導体である。ルテオリン又はその誘導体は、下記式(1)
(式中、R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、スルホ基又は糖残基を示す)
で表される黄色色素フラボノイドの一種である。このうち、特にルテオリン又はその配糖体が特に好ましい。
1〜R4で示されるアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられるが、このうちメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。スルホ基は−SO3Hで示される基である。R1〜R4で示される糖残基を構成する糖類としては、グルコース、ガラクトース、キシロース、マンノース、グルクロン酸等の単糖類;アピオシルグルコシド、マルトース、セロビオース、ゲンチビオース等の二糖類;及びこれらの単糖又は二糖のアセチル化体、マロニル化体等が挙げられる。これらの糖残基のうち、単糖又は二糖由来の残基がさらに好ましい。
これらのルテオリン又はその配糖体のうち、ルテオリン(R1〜R4=H)、及びルテオリン−7−O−グリコシド(R1=単糖又は二糖、R2〜R4=H)が好ましく、ルテオリン及びルテオリン−7−O−グルコシド(R1=グルコース残基、R2〜R4=H)がさらに好ましく、経口吸収性の点から、ルテオリン−7−O−グルコシドが特に好ましい。
これらのルテオリン又はその誘導体は、ナス科、ゴマ科、シソ科、キク科、セリ科、アブラナ科、イネ科、マメ科、バラ科、スイカズラ科、ツバキ科等の食物に含まれていることが知られている。ナス科の植物としては、トウガラシ属の植物が挙げられ、このうちトウガラシ、ピーマン、パプリカ等に多量に含まれている。ゴマ科の植物としてはゴマ属の植物が挙げられ、ゴマに多量に含まれている。またシソ科の植物としては、エゴマ、シソ等のシソ属、ミント、ペパーミント等のハッカ属、ローズマリー等のRosmarinus属、タイム等のイブキジャコウソウ属、オレガノ等のハナハッカ属、セージ等のアキギリ属の植物が挙げられる。またキク科の植物としては、シュンギク等のシュンギク属、レタス等のアキノノゲシ属、カモミール等のシカギク属、タンポポ等のタンポポ属の植物が挙げられる。セリ科の植物としては、セロリ等のオランダミツバ属、パセリ等のオランダセリ属、アシタバ等のシシウド属、ニンジン糖のニンジン属の植物が挙げられる。アブラナ科の植物としては、ブロッコリー、キャベツ等のアブラナ属の植物が挙げられる。イネ科の植物としてはサトウキビが挙げられる。マメ科の植物としては、ラッカセイ、ハイボス等が挙げられる。バラ科の植物としてはセイヨウリンゴが、スイカズラ科としてはスイカズラ等が、また、ツバキ科としてはチャノキ等が挙げられる。抽出部位は、これらの植物の食用部位であるのが好ましい。
これらの食用植物からルテオリン又はその誘導体を抽出するには、例えば熱水、エタノール等のアルコール、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系炭化水素、アセトン等のケトン類等の水又は有機溶媒を用いるのが好ましい。このうち、水又はエタノールを用いて抽出するのが特に好ましい。抽出は、0℃〜溶媒の沸点以下の温度で、1時間〜72時間行うのが好ましい。抽出物は、さらにカラムクロマトグラフィー等により精製することができる。また、ルテオリン又はその誘導体は、市販品を用いてもよい。
また、ルテオリン−7−O−グルコシド(7−O−β−D−グルコシルルテオリン)は、ルテオリン−7−O−アピオシル(1−2)−グルコシドの酸加水分解により得ることができる(特開2008−201795号)。
本発明の心不全抑制剤等には、ルテオリン又はその誘導体を配合してもよいし、ルテオリン又はその誘導体を含有する植物抽出物を配合してもよい。
ルテオリン又はその誘導体は、後記実施例に示すように、アンジオテンシンII持続注入による心肥大、心不全モデル、動脈瘤モデルにおいて、血圧に影響を及ぼすことなく、優れた心臓線維化抑制作用、心室壁肥厚抑制作用、心肥大抑制作用、心不全抑制作用及び動脈瘤抑制作用を示す。従って、ルテオリン又はその誘導体は、特に心肥大抑制剤、心不全抑制剤、動脈瘤抑制剤として有用である。
本発明の心不全抑制剤等は、医薬品だけでなく、医薬部外品、特定保健用食品、機能性食品(経口サプリメント、健康食品、栄養補助食品、病院食、療養食など)として用いることができる。
本発明の医薬は、ルテオリン、その誘導体又はこれらを含む植物抽出物に、必要に応じて薬学的担体を配合し、各種の投与形態とすることができ、該形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等が挙げられるが、経口剤が好ましい。経口剤としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤等が挙げられる。
薬学的担体は、製剤素材として慣用の各種有機或いは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合される。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、安定化剤等の製剤添加物を用いることもできる。
経口用固形製剤を調製する場合は、ルテオリン、その誘導体又はそれらを含む植物抽出物に賦形剤、必要に応じて、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。
経口用液体製剤を調製する場合は、ルテオリン、その誘導体又はそれらを含む植物抽出物に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。
注射剤を調製する場合は、ルテオリン、その誘導体又はそれらを含む植物抽出物にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内及び静脈内用注射剤を製造することができる。
坐剤を調製する場合は、ルテオリン、その誘導体又はそれらを含む植物抽出物に当業界において公知の製剤用担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセリド等を、さらに必要に応じてTween80(登録商標)のような界面活性剤等を加えた後、常法により製造することができる。
軟膏剤を調製する場合は、ルテオリン、その誘導体又はそれらを含む植物抽出物に通常使用される基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。
貼付剤を調製する場合は、通常の支持体に前記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を常法により塗布すればよい。
前記の医薬品や機能性食品中に配合されるべきルテオリン又はその誘導体の量は、これを適用すべき患者の症状により、或いはその剤形等により一定ではないが、一般に投与単位形態あたり、経口剤では約0.05〜1000mg、注射剤では約0.01〜500mg、坐剤では約1〜1000mg程度である。
また、前記投与形態を有する医薬の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、通常成人(体重60kg)1日あたり約0.05〜5000mg程度であり、0.1〜1000mgが好ましく、これを1日1回又は2〜3回程度に分けて投与するのが好ましい。
また、ルテオリン及びその配糖体の中で、ルテオリン−7−O−グルコシドは、経口吸収性がルテオリンやルテオリン−7−O−アピオシルグルコシドに比べて顕著に速やかで、かつ優れている。従って、ルテオリン−7−O−グルコシドを含有する経口摂取用組成物は、医薬及び食品用の組成物として特に有用である。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
実施例1
8週令の雄性SD系ラットにアンジオテンシンIIを持続注入して、酸化ストレス亢進状態におかれた心臓線維化・心肥大に対するルテオリン配糖体(ルテオリン−7−O−グルコシドを使用)の作用を検討した。コントロール群は、ラットを普通飼育した。アンジオテンシンII群(Ang II群)は、ラットの皮下にアンジオテンシンII持続注入ポンプを植え込み、7日間持続注入した。ルテオリン配糖体同時投与群(Ang II+LMG群)は、ルテオリン配糖体配合餌(餌10kgにつき3.6gルテオリンモノグリコシド(LMG)を配合)を3週間負荷後、皮下にアンジオテンシンII持続注入ポンプを植え込み、7日間持続注入した。
7日目に血圧を測定し、心エコー検査で心室壁肥厚度を評価後、心臓を摘出し、心臓および心室の重量を測定した。活性酸素はハイドロエチジン染色することにより、また線維化の程度はマッソントリクローム染色により評価した。心室組織における線維化マーカー、心不全マーカーの遺伝子発現をリアルタイムPCR法で評価した。
その結果、図1に示すように、ルテオリン配糖体はアンジオテンシンII持続投与により上昇した血圧を低下させなかった。また図2に示すように、アンジオテンシンII投与(Ang II)による心室壁肥厚は、ルテオリン配糖体投与により有意に抑制された。図3に示すように心重量・心室重量評価でも同様の効果が観察された。この結果、ルテオリン配糖体は、血圧に影響を与えず、心臓に有効に作用し、心肥大を抑制することがわかる。
また、図4に示すように、ルテオリン配糖体は、アンジオテンシンIIによる心室壁の活性酸素発生を顕著に抑制した。さらに図5に示すように、ルテオリン配糖体は、アンジオテンシンIIによる心室壁線維化を顕著に抑制した。
心室組織からRNAを抽出し、リアルタイムPCR法で各種遺伝子発現量を評価した。図6に示すように、線維化を反映するTGF−β1(transforming growth factor)、CTGF(connective tissue growth factor)の遺伝子発現は内部標準のGAPDH発現で補正後もアンジオテンシンIIによる発現活性化、ルテオリン配糖体併用による発現抑制を認め、線維化の程度(図5)と符合する結果となった。図7に示すように、心肥大・心不全を反映するANP(atrial natriuretic peptide)、BNP(brain natriuretic peptide)の遺伝子発現は内部標準のGAPDH発現で補正後もアンジオテンシンIIによる発現活性化、ルテオリン配糖体併用による発現抑制を認め、心肥大の程度(図2および図3)と符合する結果となった。
実施例2
12週令のApoE遺伝子欠損雌性マウス(ApoE−/−)(体重約25g)にアンジオテンシンIIを持続注入(16週から20週)して急性動脈瘤モデルを作製し、ルテオリン配糖体(ルテオリン−7−O−グルコシドを使用)の作用を検討した。コントロール群(n=5)は、ラットを普通飼育した(生理食塩水を持続注入)。アンジオテンシンII群(Ang II tn−rmol群)は、ラットの皮下にアンジオテンシンII持続注入ポンプを植え込み、4週間持続注入した。ルテオリン配糖体同時投与群(Ang II+luteolin群)は、ルテオリン配糖体配合餌(餌につき0.055%ルテオリン−7−O−グルコシドを配合)を3週間負荷後、皮下にアンジオテンシンII持続注入ポンプを植え込み、4週間持続注入した。
20週令時、血圧及び体重を測定した後、心臓、腎臓及び大動脈を摘出し、動脈瘤の発生を観察した。
その結果、図8に示すように、ルテオリン配糖体のこの投与量では、血圧及び体重に有意な変化は認められなかった。図9に示すように、ルテオリン配糖体投与群は、明確に動脈瘤の形成を抑制した。図10に示すように、ルテオリン配糖体投与群は、動脈瘤の径が小さくなっていた。また図11に示すようにルテオリン配糖体投与群は、動脈壁弾性線維断裂を抑制した。
実施例3
ルテオリン(51mg/kg,PO)、ルテオリン−7−O−グルコシド(93mg/kg,PO)及びルテオリン−7−O−アピオシルグルコシド(175mg/kg,PO)をラット(8週令、雄性SD系ラット)に経口投与し、投与直前、0.5時間、1時間、2時間及び8時間後に尾静脈から採血し、血漿中のルテオリン濃度を測定した。なお、各ルテオリン及びその配糖体の投与量は、アグリコンであるルテオリン量として同一とした。
その結果を図12に示す。図12の結果から明らかなように、ルテオリン−7−O−グルコシドは、ルテオリン及びルテオリン−7−O−アピオシルグルコシドに比べて顕著に高い経口吸収性を示した。

Claims (4)

  1. ルテオリン又はその誘導体を有効成分とする動脈瘤抑制剤。
  2. ルテオリン又はその誘導体が、次式(1)
    (式中、R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、スルホ基又は糖残基を示す)
    で表される化合物である請求項1記載の動脈瘤抑制剤。
  3. ルテオリン又はその誘導体が、ルテオリン又はルテオリン−7−O−グルコシドである請求項1又は2記載の動脈瘤抑制剤。
  4. 動脈瘤抑制用食品用組成物である請求項1〜3のいずれか1項記載の動脈瘤抑制剤。
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