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JP2017016898A - 防水コネクタハウジング - Google Patents

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JP2017016898A
JP2017016898A JP2015132690A JP2015132690A JP2017016898A JP 2017016898 A JP2017016898 A JP 2017016898A JP 2015132690 A JP2015132690 A JP 2015132690A JP 2015132690 A JP2015132690 A JP 2015132690A JP 2017016898 A JP2017016898 A JP 2017016898A
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祥二 木下
Shoji Kinoshita
祥二 木下
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MEGURO DESIGN KK
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ADVANCE ELECTRONICS CO Ltd
MEGURO DESIGN KK
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Abstract

【課題】小型端子金具であっても、外部部材を介在させることなく従来より端子収容室内に確実に抜き止め保持できる防水コネクタハウジングの提供。【解決手段】合成樹脂製のハウジング本体とリテーナとを備えた防水コネクタハウジングにおいて、ハウジング本体は、端子収容室の角筒状室の底壁に後端側から前方への片持ち状に形成され端子金具の端子接続部の底板の係止孔に契合する下側係止突起を有する下ランスと、上壁に前端側から後方への片持ち状に形成され端子接続部の上板と係合する上側係止突起を有する上ランスと、下ランスの弾性変位を受け入れる下方空間と、上ランスの弾性変位を受け入れる上方空間とを備え、リテーナは、前記下方空間と上方空間とに嵌入して下ランスと上ランスの弾性変位を規制する下側楔状突部と上側楔状突部とを備えた。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば雌端子金具または雄端子金具を収容する端子収容室を備えた防水型のコネクタハウジングに関し、詳細には、端子金具の抜け防止手段に関するものである。
従来、ワイヤハーネスの接続等に用いられる自動車用コネクタは、防水型のコネクタハウジングとして、電線を後端側に接続した端子金具がハウジング本体に形成されている端子収容室内に挿入され、該ハウジング本体前端側に前方からリテーナ嵌め込まれることによって端子金具が抜き止め固定されるという構成を備えたものが一般的である。通常、雌雄のコネクタハウジングは、リテーナが嵌め込まれたハウジング本体同士が互いに嵌合する前端部形状を有し、雌雄コネクタハウジングの嵌合時には、互いに対応する端子収納室の前端同士が当接しあってそれぞれに収納されている雌端子金具と雄端子金具とが接続される。
図8の雌端子用コネクタハウジングを例に示すように、ハウジング本体100に形成されている端子収容室101内に挿入される雌端子金具1aの後端側に電線10が接続されている。端子金具は、金属製板部材をプレス加工等により成形されたものであり、前側領域に角筒形状の端子接続部を有する。雌端子金具1aでは、端子接続部2aの内部に、底板3aの前方から板バネ状に折り返されて設けられた弾性接触片5が配置されており、雄端子金具では角筒形状の端子接続部から前方に雄端子タブが延びている。そして雌端子金具1aの端子接続部2a前方から挿入された雄端子タブが弾性接触片5aと上板6aとの間で弾性的に接触することによって雄端子金具と雌端子金具との電気的接続が得られる。
電線10は、芯線11の周りを合成樹脂製の絶縁被覆12で覆ったものであり、端子接続部2aの後側領域には、電線接続部として、電線10の剥き出された端末芯線11をかしめ圧着するワイヤバレル7aと、該ワイヤバレル7aより後側のインシュレーションバレル8aとが設けられている。
防水コネクタにおいては、通常、電線10のワイヤバレル7aによってかしめ圧着される端末芯線10より後方には絶縁被覆12上にゴム栓13が嵌装されている。端子収容室101は、前方領域が雌端子金具1aが嵌入される角筒状室102となっており、角筒状室の後方領域が、ゴム栓13が嵌め込まれる大径の円筒状室103となっている。雌端子金具1aが端子収容室101へ挿入される際に、後方領域の円筒状室103にこのゴム栓13が嵌合することによって、防水シールがなされる(例えば、特許文献1参照。)。
このようなゴム栓13は、先端部領域は小径の取付用筒部15が形成されており、この取付筒部15で電線10と共にゴム栓13がインシュレーションバレル8aによってかしめ圧着されている。また、ゴム栓13は、電線10が貫通する肉厚の円筒状部材であり、外周面上に最外径が端子収容室101の円筒状室103の内径より若干大きくなるリップ部14が設けられていることによって、前記円筒状室103に対するシール力が得られる。
なお、角筒状室102の底壁には、後側を基部として前方に伸びる片持ち状のランス104が形成されている。ランス104の自由端に、ハウジング本体100の前方に向かってテーパ状に立ち上がる傾斜面と垂直な前端面とを有する係止突起105が立設している。このランス104の下方には、ランス104の弾性変位を受け入れる下方空間106が設けられており、係止突起105も上下方向に弾性変位可能である。
そして、雌端子金具1aの底板3aには長方形の係止孔4aが形成されている。雌端子金具1aを端子収容室101内へ挿入すると、角筒形状の端子接続部2aが角筒状室102内を進むに従って、端子接続部2aの底板3aの下面が係止突起105に当接してランス104を撓ませながら下方空間106へ係止突起105を押し下げる。端子接続部2aの挿入がさらに進み、係止孔4aが係止突起105上に達すると、係止突起105は弾性復元により係止孔4a内で立ち上がる。
雌端子金具1aの端子収容室101内への挿入が完了した後、リテーナ110をハウジング本体100の前端側に前方から嵌合させると、リテーナ110に形成された楔状突部111がランス104の下方空間106内に嵌入され、ランス104の弾性変位が規制される。これによって、係止突起105の前端面が係止孔4aの内周前端面に当接する状態が維持され、端子接続部2aの後方への戻りが規制され、雌端子金具1aのハウジング本体100に対する抜け止め状態が得られる。雄端子用の防水コネクタハウジングにおいても、同様の構成で雄端子金具の端子接続部が、その下面に形成された係止孔で下ランスによって係合され、リテーナ嵌合時の楔状突部の下方空間への嵌入によって下ランスによる抜き止め状態が得られる。
特開2011−146206号公報
上記のように、従来の防水コネクタハウジングでは、端子収容室の底壁に設けられたランスの係止突起と端子接続部の底板に形成された係止孔との係合によって端子金具の抜け止めがなされているだけであった。そして、現在のコネクタの集積化、端子金具の小型化に伴って、端子金具を構成する金属板もより薄く、端子接続部自体も幅が小さくなっており、外圧により変形しやすいものとなっている。従って、端子金具の抜き止めを維持する係止力も弱く、雄端子金具の雄端子タブが雌端子金具の端子接続部内に挿入される際の押圧抵抗によりいずれかの端子金具が端子収容室内で後方へ押し戻されてしまい、電気的接続が不良となる恐れがあった。
また、コネクタハウジングのなかには、端子収容室の途中に、外部から別の係止用部材を挿入介在させる構成を備えたものもあるが、防水コネクタでは、前述のように、ハウジング内にゴム栓やシール部材を挿入するための領域が既に設けられているため、さらなる外部部材の介在領域が加わることでコネクタ全体が長大になることから、実際的な解決方法とはならない。また、コネクタ側壁面に挿入穴を開けることにより、防水機能を損なう恐れもある。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、小型端子金具であっても、外部部材を介在させることなく、従来より端子収容室内に確実に抜き止め保持できる防水コネクタハウジングを得ることにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る防水コネクタハウジングは、電線端末に接続した端子金具がその後端から前方に挿入され収容される端子収容室を一つ以上有する合成樹脂製のハウジング本体と、該ハウジング本体の端子収容室前端側に前方から嵌合して前記端子金具の抜き止めを行う合成樹脂製のリテーナとを備えた防水コネクタハウジングにおいて、
前記端子収容室は、該端子収容室の前方領域に形成され、相手の端子との電気的接続を得るための接触片が設けられた前記端子金具の角筒形端子接続部が収容される角筒状室と、該角筒状室の後方領域に連通し、前記雌端子金具の後端側から伸びる電線周りに嵌装された防水用ゴム栓が嵌め込まれる円筒状室とを備え、
前記角筒状室は、底壁に該角筒状室の後端側から前方へ向かって片持ち状に設けられた上下方向に弾性変位可能な下ランスと、上壁に該角筒状室の前端側から後方へ向かって片持ち状に設けられた上下方向に弾性変位可能な上ランスとを備え、
前記下ランスは、その自由端寄りに形成され、前記雌端子金具の端子接続部が前記角筒状室内に嵌入された際に該端子接続部の底板に形成されている係止孔に下方から係合する下側係止突起を有し、
前記上ランスは、その自由端に形成され、前記雌端子金具の端子接続部が前記角筒状室内に挿入された際に該端子接続部の上板に係合する上側係止突起を、前記下側係止突起より後方位置に有し、
前記ハウジング本体は、前記下ランスの下に該下ランスの弾性変位を受け入れる下方空間を有すると共に、前記上ランスの上に該上ランスの弾性変位を受け入れる上方空間を有するものであり、
前記リテーナは、前記ハウジング本体の端子収容室前端側に前方から嵌合する際に、前記下方空間と前記上方空間とにそれぞれ嵌入されて前記下ランスと前記上ランスの弾性変位を規制する下側楔状突部と上側楔状突部とを備えているものである。
請求項2に記載の発明に係る雌端子用防水コネクタハウジングは、請求項1に記載の雌端子用防水コネクタハウジングにおいて、前記角筒状室は、前記リテーナに形成された凹部に嵌合する柱状凸部内の中空室で形成され、
前記上ランスは、前記柱状凸部の板状壁からなる角筒状室の上壁からコの字状スリットによって部分的に切り出され弾性変位可能に構成されたものであり、
前記リテーナの凹部と前記柱状凸部との嵌合によって前記スリットが密封されるものである。
請求項3に記載の発明に係る防水コネクタハウジングは、請求項1又は2に記載の防水コネクタハウジングにおいて、前記上ランスおよび上側係止突起は、その後方端面が前記円筒状室の開口面内に投影される位置に配置されていることを特徴とするものである。
本発明の雌端子用防水コネクタハウジングにおいては、端子収容室の底壁に形成された下ランスの下側係止突起と上壁に形成された上ランスの上側係止突起によって二カ所で雌端子金具の抜き止めが成される。またこれら上下ランスは雌端子金具の挿入時には上下方向に弾性変位可能な構成であるため、薄く幅の小さい金属板から成形された小型の雌端子金具であっても、変形もなく良好に端子収容室内に挿入されると共に、より確実に安定して端子収容室内に保持されるという効果がある。
本発明の一実施例による雌端子用防水コネクタハウジングの概略部分構成を示す縦断面図であり、雌端子金具を収容した状態における側断面図である。 図1の雌端子用防水コネクタハウジングの部分断面斜視図である。 図1の雌端子用防水コネクタハウジングのハウジング本体を雌端子金具未収容状態で示した全体背面図である。 図3のハウジング本体のA−A断面斜視図である。 図1の雌端子用防水コネクタハウジングの相手となる雄端子用防水コネクタハウジングの概略部分構成を示す雄端子金具を収容した状態における側断面図である。 図5の雄端子用防水コネクタハウジングの部分断面斜視図である。 本発明による防水コネクタハウジングにおける上ランスの別の係止機構を示す概略部分断面図である。 従来の雌端子用防水コネクタハウジングの例を示す縦側断面図であり、(a)はリテーナ嵌め込み未完了状態、(b)はリテーナ嵌め込み完了状態をそれぞれ示している。
本発明による雌端子用防水コネクタハウジングは、端子収容室を一つ以上有する合成樹脂製のハウジング本体と、該ハウジング本体の端子収容室前端側に前方から嵌合して雌端子金具の抜き止めを行う合成樹脂製のリテーナとを備えた防水コネクタハウジングにおいて、端子収容室の前方領域に、相手の端子との電気的接続を得るための接触片が設けられた端子金具の角筒形端子接続部が収容される角筒状室が形成され、端子金具の後端側から伸びる電線周りに嵌装された防水用ゴム栓が嵌め込まれる円筒状室が前記角筒状室の後方領域に連通して設けられ、該角筒状室に、底壁に該角筒状室の後端側から前方へ向かって片持ち状に設けられた上下方向に弾性変位可能な下ランスと、上壁に該角筒状室の前端側から後方へ向かって片持ち状に設けられた上下方向に弾性変位可能な上ランスとを備えたものである。なお、本発明の防水コネクタハウジングにおいては、端子金具の挿入(前進)方向を前方とし、電線側を後方とする。
そして下ランスは、その自由端寄りに形成され、端子金具の端子接続部が角筒状室内に嵌入された際に該端子接続部の底板に形成されている係止孔に下方から係合する下側係止突起を有し、上ランスは、その自由端に形成され、端子金具の端子接続部が角筒状室内に嵌入された際に該端子接続部の上板に係合する上側係止突起を有し、ハウジング本体には、下ランスの下に該下ランスの弾性変位を受け入れる下方空間が設けられていると共に、上ランスの上に該上ランスの弾性変位を受け入れる上方空間が設けられており、リテーナがハウジング本体の端子収容室前端側に前方から嵌合する際に、リテーナに設けられた下側楔状突部と上側楔状突部とが、前記下方空間と前記上方空間とにそれぞれ嵌入されて下ランスと上ランスの弾性変位を規制するものである。
従って、本発明の防水コネクタハウジングにおいては、端子金具の端子接続部が、下ランスだけでなく上ランスによっても抜き止めされるため、端子金具が小型で該金具を構成する金属板が非常に薄く、幅の狭いものであっても、端子収容室内に良好に安定して保持することができる。しかも、リテーナの嵌合によって下ランスと上ランスの抜き止め状態が固定されるため、相手の端子金具との嵌合時の押圧によって端子金具が端子収容室から押し戻されて電気的接続の不良が発生する危険もない。
さらに、このような薄い金属板から成る端子接続部は、端子収納室への挿入の際に、周囲から押圧力がかかると曲げ変形が生じやすいが、本発明においては、端子収納室の挿入時に端子接続部に各係止突起が接する上ランスおよび下ランスは、いずれも外側の空間へ容易に弾性変位されるものであるため、端子接続部は角筒状室内へほぼ抵抗なくスムーズに挿入され、実質的に端子接続部に曲げ変形を生じるような押圧力は生じない。
なお、上ランスの端子接続部との係止は、下ランスと同様に、端子接続部の上板に係止孔を形成して端子接続部の角筒状室への嵌入時に上側係止突起が該係止孔に係合する構成や、上側係止突起が端子接続部の上板の後端縁に掛止する係合機構などが挙げられる。製造においては、端子接続部上板の後端縁に掛止する機構であれば、係止孔を該上板に形成する必要がない分簡便であり、従来の小型端子金具と同一設計のものを装着できる点で好ましい。
また、角筒状室は、従来より前記リテーナに形成された凹部に嵌合する柱状凸部内の中空室で形成される場合が一般的であるため、上ランスを設ける構成としては、この柱状凸部の板状壁からなる角筒状室の上壁からコの字状スリットによって部分的に切り出すことによって弾性変位可能な片持ち状部分として簡便に形成することができる。但し、前記スリットによって防水機能が損なわれることがないように、このスリットは、リテーナの凹部と柱状凸部との嵌合によって密封される構成とする。
さらに、上ランスと上側係止突起は、その後方端面が円筒状室の開口面内に投影される位置に配置される構成とするのが望ましい。即ち、端子金具未収用状態にて端子収容室内を円筒状室の後端側から見た時にその開口内に上ランスと上側係止突起が収まって見える配置である。この構成によって、上ランスは、上方に隣接する端子収容室との間隔に殆ど影響することなく、複数の端子収容室を備えた構成においても従来のコネクタより大型化することもない。
本発明の一実施例としての防水コネクタハウジングを、小型雌端子金具が大型雌端子金具と共に複数保持される雌端子用と雄端子用の対の防水コネクタハウジングを例として図1〜6に示す。図1は、雌端子用防水コネクタハウジングの小型雌端子金具が収容された一つの端子収容室とその上方に大型雌端子金具が収容される一つの端子収容室が位置する部分の縦側断面図であり、図2は図1の端子収容室部分の断面斜視図である。図3は本雌端子用防水コネクタハウジングのハウジング本体の概略平面図であり、図4は図3のA−A断面斜視図である。図1及び図2は雌端子金具が挿入された状態、図3及び図4は雌端子金具未挿入状態をそれぞれ示している。また、図5は、図1の雌端子用防水コネクタハウジングの相手となる雄端子用防水コネクタハウジングの部分縦側断面図であり、図6はその端子収容室部分の断面斜視図である。本実施例において、端子収容室に挿入保持されている小型雌端子金具は、図8に示したものと同様の構成を備えたものであり、共通する部分には同一の符号を付した。また、端子金具の端子収容室への挿入(前進)方向を前方とし、電線側を後方とした。即ち、図1においては、紙面に向かって左が前方、右が後方であり、図5においては、紙面に向かって右が前方、左が後方である。
まず、本実施例による雌端子用防水コネクタハウジング20は、小型雌端子金具1aが収容される端子収容室22と大型雌端子金具が収容される端子収容室122とを複数備えた合成樹脂製のハウジング本体21と、端子収容室前端側に前方から嵌合される合成樹脂製のリテーナ35とから主に構成されるものである。図1において、リテーナ35は嵌合前状態を実線で、完了状態を破線で示されている。図2はリテーナ35の嵌合完了状態を示している。
端子収容室22は、前方領域が雌端子金具1aの角筒形状の端子接続部2aが嵌入される角筒状室23となっており、該角筒状室23から拡径して連通するその後方領域が、雌端子金具1aの後端から延びる電線10に嵌装された防水用のゴム栓13が嵌め込まれる大径の円筒状室24となっている。
角筒状室23の底壁25には、後側を基部として前方に伸びる片持ち状の下ランス26が形成され、下ランス26の自由端寄りに、ハウジング本体21の前方に向かってテーパ状に立ち上がる傾斜面と垂直な前端面とを有する下側係止突起27が立設されている。この下側係止突起27は、角筒状室23の奥寄りで、該角筒状室23に雌端子金具1aの端子接続部2aが嵌入した際に該端子接続部2aの底板3aに形成された係止孔4aに重なる位置に配されている。そして下ランス26の下方には、下側係止突起27を伴う下ランス26の上下方向の弾性変位を受け入れる下方空間28が設けられている。
また、角筒状室23の上壁29には、前側を基部として後方に伸びる片持ち状の上ランス30が形成され、この上ランス30の自由端にハウジング本体21の後方から前方に向かってテーパ状に立ち上がる傾斜面を有する上側係止突起31が立設されている。この上側係止突起31は、角筒状室23の手前寄りで、該角筒状室23に雌端子金具1aの端子接続部2aが嵌入した際に端子接続部2aの上板6aの後端縁に当たる位置に配されている。そして上ランス30の上方には、上側係止突起31を伴う上ランス30の上下方向の弾性変位を受け入れる上方空間32が設けられている。
一方、リテーナ35には、ハウジング本体21との嵌合時に下方空間28に嵌入される下側楔状突部37と上方空間32に嵌入される上側楔状突部38、端子接続部2aの前端に連通する雄端子挿入口39とが設けられている。
以上のような構成を備えたハウジング本体21において、雌端子金具1aを端子収容室22へ挿入していくと、先端側の角筒形端子接続部2aが大径の円筒状室24を経て角筒状室23へ達し、さらに角筒状室23内を進むと、まず端子接続部2aの上板6aの上面が手前の上側係止突起31に当接する。しかし、上ランス30は上下方向に弾性変位可能であるため、端子接続部2aは、上側係止突起31を上方空間32へ押し上げながら前方へ進むことができる。
次いで、端子接続部2aの底板3aの下面が奥寄りの下側係止突起27に当接するが、下ランス26は上下方向に弾性変位可能であるため、端子接続部2aは、下側係止突起27を下方空間28へ押し下げながら前方へ進むことができる。このとき、端子接続部2aは、同時に上側係止突起31と下側係止突起27とに上下方向から当接されるが、いずれも上下外側方向へ弾性変位され、端子接続部2aへ作用する押圧力は、端子接続部2aを変形させ得ることのない小さいものにすぎない。
そして、端子接続部2aの前端が端子収容室22の前端に達し、端子接続部2aの角筒状室23への嵌入が完了した時点で、下側係止突起27は上方へ弾性復元して端子接続部2aの底板3aの係止孔4a内で下側から立ち上がり、該係止孔4aに係合すると共に、上側係止突起31も下方へ弾性復元して端子接続部2aの上板6aの後端縁に係合し、上下二カ所による雌端子金具1aの抜き止め状態が得られる。
その後、リテーナ35をハウジング本体21へ前方から嵌合させると、下側楔状突部37が下方空間28に嵌入されて下ランス26の弾性変位が規制されると共に、上側楔状突部38が上方空間32に嵌入されて上ランス30の弾性変位が規制される。これによって、端子接続部2aに対する下側係止突起27と上側係止突起31の係合状態が固定され、端子収容室22内の雌端子金具1aの抜き止め状態が固定される。このような上下二カ所の向き止めにより、端子収容室22内における小型の雌端子金具1aの保持はより確実で安定したものとなる。
なお、本実施例においては、角筒状室23は、リテーナ35に形成された凹部36に嵌合する柱状凸部34内の中空室として形成されている。上ランス30は、この柱状凸部34の板状壁からなる角筒状室の上壁29から、図4に示すようなコの字状スリット33によって部分的に切り出された弾性変位可能な片持ち状部分として形成されている。従って、この構成において、柱状凸部34周りの上側に上ランス30が弾性変位できる上方空間32が、下側に下ランス26が弾性変位できる下方空間28が形成され、リテーナ35の凹部36の周縁部上方に上側楔状突部38が、下方に下側楔突部37が形成されている。
そして、本実施例では、端子収容室22側にこのようなスリット33が形成されていても、リテーナ35の凹部36と柱状凸部34との嵌合によって該スリット33は密封され、雌端子用防水コネクタハウジング20の求められる防水機能が損なわれることはない。また、図5に示すように、端子収容室22を円筒状室24側から見ると、これら上ランス30と上側係止突起31が端子収容室22の内側空間に収まる構成となっている。従って、上ランス30は、上方に隣接する端子収容室との間隔に殆ど影響することなく、複数の端子収容室を備えた構成においても従来のコネクタより大型化することもない。
次に、図1の雌端子用防水コネクタハウジング20の相手である雄端子用防水コネクタハウジング40は、図5に示すように、リテーナ55およびハウジング本体21の外形状が、相手となる雌端子用のコネクタハウジング20と嵌合する形状となっているが、ハウジング本体41に設けられている端子収容室42の構成は雌端子用の端子収容室22の構成とほぼ共通するものである。
即ち、端子収容室42は、前方領域が雄端子金具1bの角筒形状の端子接続部2bが嵌入される角筒状室43となっており、該角筒状室43から拡径して連通するその後方領域が、雄端子金具1bの後端から延びる電線10に嵌装された防水用のゴム栓13が嵌め込まれる大径の円筒状室44となっている。
角筒状室43の底壁45には、後側を基部として前方に伸びる片持ち状の下ランス46が形成され、下ランス46の自由端寄りに、ハウジング本体41の前方に向かってテーパ状に立ち上がる傾斜面と垂直な前端面とを有する下側係止突起47が立設されている。この下側係止突起47は、角筒状室43の奥寄りで、該角筒状室43に雄端子金具1bの端子接続部2bが嵌入した際に該端子接続部2bの底板3bに形成された係止孔4bに重なる位置に配されている。そして下ランス46の下方には、下側係止突起47を伴う下ランス46の上下方向の弾性変位を受け入れる下方空間48が設けられている。
また、角筒状室43の上壁49には、前側を基部として後方に伸びる片持ち状の上ランス50が形成され、この上ランス50の自由端にハウジング本体41の後方から前方に向かってテーパ状に立ち上がる傾斜面を有する上側係止突起51が立設されている。この上側係止突起51は、角筒状室53の手前寄りで、該角筒状室53に雄端子金具1bの端子接続部2bが嵌入した際に端子接続部2bの上板6bの後端縁に当たる位置に配されている。そして上ランス50の上方には、上側係止突起51を伴う上ランス50の上下方向の弾性変位を受け入れる上方空間52が設けられている。
一方、リテーナ55には、ハウジング本体41との嵌合時に下方空間48に嵌入される下側楔状突部57と上方空間52に嵌入される上側楔状突部58および端子接続部2bから前方に水平方向に伸びる雄端子側の接触片としてのタブ(雄端子タブ)5bが貫通する雄端子貫通口59とが設けられている。
従って、ハウジング本体41において、雄端子金具1bを端子収容室42へ挿入すると、角筒形状の端子接続部2bは、大径の円筒状室44を経て角筒状室43に達した後は、端子接続部2bの上板6bの上面が手前の上側係止突起51に当接し、上ランス50を弾性変位させて上側係止突起51を上方空間52へ押し上げながら、そして、端子接続部2bの底板3bの下面が上面が奥寄りの下側係止突起47に当接し、下ランス46を弾性変位させて下側係止突起47を下方空間48へ押し下げながら、前方へ進む。そして、端子接続部2bの角筒状室43への嵌入が完了した時点で、下側係止突起47は上方へ弾性復元して端子接続部2bの底板3bの係止孔4b内で下側から立ち上がり、該係止孔4bに係合すると共に、上側係止突起51も下方へ弾性復元して端子接続部2bの上板6bの後端縁に係合し、上下二カ所による雄端子金具1bの抜き止め状態が得られる。
その後、リテーナ55をハウジング本体41へ前方から嵌合させると、下側楔状突部57が下方空間48に嵌入されて下ランス46の弾性変位が規制されると共に、上側楔状突部58が上方空間52に嵌入されて上ランス50の弾性変位が規制される。これによって、端子接続部2bに対する下側係止突起47と上側係止突起51の係合状態が固定され、端子収容室42内の雄端子金具1bの抜き止め状態が固定される。このような上下二カ所の向き止めにより、端子収容室42内における小型の雄端子金具1bの保持はより確実で安定したものとなる。
この雄端子用の防水コネクタハウジング40においても、角筒状室43は、リテーナ55に形成された凹部56に嵌合する柱状凸部54内の中空室として形成されており、上ランス50は、この柱状凸部54の板状壁からなる角筒状室の上壁49から、コの字状スリット53によって部分的に切り出された弾性変位可能な片持ち状部分として形成されている。そして、リテーナ55の凹部56と柱状凸部54との嵌合によって該スリット53は密封され、防水コネクタハウジング40に求められる防水機能が維持される。
従って、以上の構成を備えた雌端子用防水コネクタハウジング20と雄端子用防水コネクタハウジング40とを互いに嵌め込むと、端子収容室42の前端から前方へ伸びる雄端子金具1bの雄端子タブ5bは、雄端子挿入口39から端子収容室42内へ挿入され、端子接続部2a内の弾性接触片5aと上板6aとの間に押し込まれる。このとき、雌端子金具1aと雄端子金具1bは、互いに端子収容室の後方への押圧力が作用するが、それぞれ、上記の如く、二カ所での抜き止めで各端子収容室内に安定に保持されているため、後方へ押し戻されることなく、確実な電気的接続が確立される。
なお、以上の実施例においては、上ランスの端子接続部との係止機構として、上側係止突起が上面の後端縁に係合する構成を示したが、本発明においては、これに限定されるものではなく、他の係止機構を採用することも可能である。例えば、図7の雌端子用防水コネクタハウジング60で示すように、端子接続部2aの上板6aにも上係止孔9を設け、これに上ランス70の上側係止突起71を係合させる構成が挙げられる。
即ち、上記実施例と同様に、端子収容室62の角筒状室63の上壁69に前方から後方に向かって片手持ち状の上ランス70を形成すると共に、ハウジング本体61の上ランス70上方に、該上ランス70の上下方向弾性変位を受け入れる上方空間72設ける構成であるが、上ランス70の自由端に設けられる上側係止突起71を、端子金具1aの端子接続部2aが角筒状室63に嵌入された際に、前記上係止孔9に重なる位置となる配置で設ける構成である。
これによって、端子接続部2aが角筒状室63に挿入されて行くと、端子接続部2aの底面3aが下ランス66の下側係止突起67を下方空間68へ押し下げると同時に上面6aが上ランス70の上側係止突起71を上方空間72へ押し上げながら進み、端子接続部2aの角筒状室63への嵌入が完了した時点で、これら上下ランス(70,66)が弾性復元して、各係止突起(67,71)が対応する係止孔(4a,9)内で立ち上がり、係合する。そしてリテーナ75の嵌合により下側楔状突部77と上側楔状突部78とがそれぞれ下方空間68と上方空間72に嵌入され、上下ランスの弾性変位が規制されることによって、端子接続部2aは、底板3aと上板6aの二カ所の係止孔での確実な抜き止め状態が得られる。
1a:雌端子金具
1b:雄端子金具
2a,2b:端子接続部
3a,3b:底板
4a,4b:係止孔
5a:弾性接触片
5b:雄端子タブ
6a,6b:上板
7a,7b:ワイヤバレル
8a,8b:インシュレーションバレル
9:上係止孔
10:電線
11:芯線
12:絶縁被覆
13:ゴム栓
14:リップ
15:取付筒部
20:雌端子用防水コネクタハウジング
40:雄端子用防水コネクタハウジング
21,41,61:ハウジング本体
22,62:端子収容室(小型雌端子金具用)
42:端子収容室(小型雄端子金具用)
23,43,63:角筒状室
24,44,64:円筒状室
25,45,65:底壁
26,46,66:下ランス
27,47,67:下側係止突起
28,48,68:下方空間
29,49,69:上壁
30,50,70:上ランス
31,51,71:上側係止突起
32,52,72:上方空間
33,53,73:コの字状スリット
34,54,74:柱状凸部
35,55,75:リテーナ
36,56,76:凹部
37,57,77:下側楔状突部
38,58,78:上側楔状突部
39:雄端子挿入口
59:雄端子貫通口
100:ハウジング本体
101:端子収容室
102:角筒状室
103:円筒状室
104:ランス
105:係止突起
106:下方空間
107:雄端子挿入口
108:シーリング材
110:リテーナ
111:楔状突部
122:端子収容室(大型雌端子金具用)

Claims (3)

  1. 電線端末に接続した端子金具がその後端から前方に挿入され収容される端子収容室を一つ以上有する合成樹脂製のハウジング本体と、該ハウジング本体の端子収容室前端側に前方から嵌合して前記端子金具の抜き止めを行う合成樹脂製のリテーナとを備えた防水コネクタハウジングにおいて、
    前記端子収容室は、該端子収容室の前方領域に形成され、相手の端子との電気的接続を得るための接触片が設けられた前記端子金具の角筒形端子接続部が収容される角筒状室と、該角筒状室の後方領域に連通し、前記端子金具の後端側から伸びる電線周りに嵌装された防水用ゴム栓が嵌め込まれる円筒状室とを備え、
    前記角筒状室は、底壁に該角筒状室の後端側から前方へ向かって片持ち状に設けられた上下方向に弾性変位可能な下ランスと、上壁に該角筒状室の前端側から後方へ向かって片持ち状に設けられた上下方向に弾性変位可能な上ランスとを備え、
    前記下ランスは、その自由端寄りに形成され、前記端子金具の端子接続部が前記角筒状室内に嵌入された際に該端子接続部の底板に形成されている係止孔に下方から係合する下側係止突起を有し、
    前記上ランスは、その自由端に形成され、前記端子金具の端子接続部が前記角筒状室内に嵌入された際に該端子接続部の上板と係合する上側係止突起を有し、
    前記ハウジング本体は、前記下ランスの下に該下ランスの弾性変位を受け入れる下方空間を有すると共に、前記上ランスの上に該上ランスの弾性変位を受け入れる上方空間を有するものであり、
    前記リテーナは、前記ハウジング本体の端子収容室前端側に前方から嵌合する際に、前記下方空間と前記上方空間とにそれぞれ嵌入されて前記下ランスと前記上ランスの弾性変位を規制する下側楔状突部と上側楔状突部とを備えていることを特徴とする防水コネクタハウジング。
  2. 前記角筒状室は、前記リテーナに形成された凹部に嵌合する柱状凸部内の中空室で形成され、
    前記上ランスは、前記柱状凸部の板状壁からなる角筒状室の上壁からコの字状スリットによって部分的に切り出され弾性変位可能に構成されたものであり、
    前記リテーナの凹部と前記柱状凸部との嵌合によって前記スリットが密封されることを特徴とする請求項1に記載の防水コネクタハウジング。
  3. 前記上ランスおよび上側係止突起は、その後方端面が前記円筒状室の開口面内に投影される位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の防水コネクタハウジング。
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