JP2017003832A - 自動焦点調節装置および光学機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】画質の急激な劣化を招かないように焦点調節を行うこと【解決手段】自動焦点調節装置は、光学系101によって形成された被写体像を光電変換して得られる画像信号の第1の高周波成分の形状に関する情報に基づいてオフセット量OFFを設定し、フォーカスレンズ101aのピーク位置P2に対応する位置から、撮像光学系の特性情報により定まる所定量SAにオフセット量を加えた量だけ、フォーカスレンズを移動させるように制御するシステム制御部114を有する。【選択図】図4
Description
本発明は、自動焦点調節装置および光学機器に関する。
撮像素子から得られる画像信号から高域の空間周波数(高周波成分)を抽出し、そのコントラスト値をAF評価値とし、AF評価値のピーク位置を合焦位置として検出する焦点検出方式は、コントラスト方式の焦点検出(コントラストAF)と呼ばれている。一般に、撮像光学系の収差に起因して、被写体の空間周波数毎にAF評価値のピーク位置が異なる。空間周波数が高い被写体ほどデフォーカスに敏感であり、像ボケ(画質低下)として現れ易いため、コントラストAFでは、できるだけ高い周波数成分を使用して合焦位置を検出することが好ましい。しかしながら、抽出される周波数成分が高くなるほどノイズの影響を受け易くなる等の理由から信頼性が低下し、これを基準にするとAF精度ひいては画質が低下してしまう。
特許文献1は、高周波成分を抽出する複数のフィルターの中から、撮影時の照度に応じてフィルターを設定し、得られた合焦位置から、撮像光学系の特性情報によって決まる所定量だけずらした位置にフォーカスレンズを駆動する自動焦点調節装置を提案している。特許文献2は、画面中心についてはデフォーカス方向に、周辺についてはフォーカスを改善する方向にフォーカスレンズを所定量だけ駆動する方法を提案している。
近年の撮像装置の小型化、薄型化、大口径化、イメージサークルの大判化、ズームレンズの高倍率化などの要求の結果、撮像光学系の収差を抑制することが困難になり、被写体の空間周波数が高いほどピーク位置の前後の非対称性が大きくなってきた。非対称性の傾斜が急激な側では、僅かなデフォーカスによりAF評価値が急激に低下する。また、特許文献1、2における所定量は、撮像光学系の各レンズの製造誤差(個体誤差)や組立誤差などの誤差の影響を受ける。このため、特許文献1、2に従ってフォーカスレンズを移動する際に、非対称性の傾斜が急激な側に移動してしまうと急激な画質劣化が生じてしまう。
本発明は、画質の急激な劣化を招かないように焦点調節を行うことが可能な自動焦点調節装置および光学機器を提供することを例示的な目的とする。
本発明の自動焦点調節装置は、フォーカスレンズを駆動しながら、該フォーカスレンズを含む撮像光学系によって形成された被写体像を光電変換することによって得られる画像信号の第1の高周波成分の形状に関する情報に基づいてオフセット量を設定し、前記フォーカスレンズの第1の位置から、前記撮像光学系の特性情報により定まる所定量に前記オフセット量を加えた量だけ、前記フォーカスレンズを移動させるように制御する制御手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、画質の急激な劣化を招かないように焦点調節を行うことが可能な自動焦点調節装置および光学機器を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る撮像装置のブロック図を示す。撮像装置は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどであり、レンズ交換型でもよいし、レンズ一体型でもよい。本実施形態は動画撮影と静止画撮影の両方に適用することができる。また、本発明の光学機器は、カメラ本体(撮像装置)も交換レンズも含む。
101は、被写体像を形成する光学系(撮像光学系)であり、レンズ交換型では交換レンズ(レンズ装置)に設けられる。光学系101は、フォーカスレンズ101a、ズームレンズ(変倍レンズ)、像振れ補正レンズ、絞り101bなどを含む。フォーカスレンズ101aは、光軸方向に移動されて焦点調節を行う。ズームレンズは、光軸方向に移動されて焦点距離を変更する。像振れ補正レンズは、光軸に直交する方向に移動されて光軸を偏心させることによって像振れを補正する。なお、「直交する方向」は光軸に直交する成分があれば足り、光軸に斜めに移動されてもよい。絞り101bは、虹彩絞りや開口絞りなどで光量を調節する。
102は、設定されたシャッタ速度で開閉し、露光を停止させるメカニカルシャッタ(メカシャッタと図示)である。103は、光学系101が形成した被写体像を光電変換する撮像素子であり、CCDやCMOSなどのイメージセンサから構成される。
104は、CDS/AGC回路(CDSと図示)である。CDS/AGC回路104は、前段に相間二重サンプリングによってアンプ雑音とリセット雑音を除去するCDS回路、後段に出力に応じてゲインを自動調整するAGC回路を備える。105は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器である。
106は、撮像素子103、CDS/AGC回路104およびA/D変換器105を動作させる信号を発生するタイミング信号発生回路である。107は、光学系101、メカニカルシャッタ102および撮像素子103の駆動回路(駆動手段)である。
108は、撮像素子103から得られる画像信号に必要な信号処理を行う信号処理回路(信号処理手段)である。また、信号処理回路108は、入力されたデジタル画像信号の高周波成分をハイパスフィルター(HPF)等により抽出し、さらに累積加算等の演算処理を行い、高域側の輪郭成分量等に対応するAF評価値を算出する機能を有する。具体的には、信号処理回路108は、AF枠として指定された画面の一部分の領域に相当する画像信号の高周波成分を抽出し、さらに累積加算等の演算処理を行う。ノイズ成分をキャンセルするために、HPFの前にローパスフィルター(LPF)を通すことが一般的である。従って、信号処理回路108は、実際には、画像信号から高周波成分を抽出するバンドパスフィルター(BPF)として構成され、高周波成分検出手段として機能する。信号処理回路108は、フォーカスレンズ101aを駆動しながら取得した画像信号からBPFを介して抽出された画像信号の高周波成分に基づいて合焦位置を検出する検出手段として機能するが、後述するシステム制御部114がこの機能を有してもよい。
109は、処理された画像信号を記憶する画像メモリである。110は、撮像装置から取り外し可能な画像記録媒体である。111は、処理された画像信号を画像記録媒体110に記録する記録回路である。112は、処理された画像信号を表示する、LCDなどの画像表示部である。113は、画像表示部112に画像を表示させる表示回路である。
114は、撮像装置全体を制御するシステム制御部であり、マイクロコンピュータから構成される制御手段である。システム制御部114は、レンズ交換型ではカメラ本体に設けられるカメラ制御手段であり、交換レンズ(レンズ装置)のレンズ制御手段と通信することができる。
システム制御部114は、プログラム、それに必要なデータを記憶するROM、RAMなどの記憶手段を内蔵している。記憶手段は、光学系101の設計値の情報を保持している。光学系101の設計値の情報は、例えば、高周波成分のAF評価値のピーク位置から合焦位置までのフォーカスレンズ101aの移動量SAに関する情報、高周波成分において傾きが急激な領域D11がピーク位置に関してどちら側にあるかを示す情報などを含む。光学系101の情報は、予め記憶手段に記憶されていてもよいし、インターネットなどのネットワークを通じて取得されてもよい。
システム制御部114は、本実施形態の自動焦点調節装置を構成するが、自動焦点調節装置は信号処理回路108を更に含んでもよい。
115は、撮影者によって各種の操作が行われる操作部であり、操作部からの入力信号はシステム制御部114に送信される。操作部115は、モード選択スイッチ、レリーズスイッチ、AF枠設定手段などを含む。
モード選択スイッチは、動画モード、静止画モード、各種のシーンの撮影に適したモード、自動焦点調節(AF)モード、手動焦点調節(MF)モードなどを設定することができる。
レリーズスイッチは、第1ストロークスイッチSW1と第2ストロークスイッチSW2を有する。第1ストロークスイッチSW1はレリーズスイッチの半押しによってON状態になり、第2ストロークスイッチSW2はレリーズスイッチの全押しによってON状態になる。
システム制御部114は、第1ストロークスイッチSW1からのON信号の入力に応じて、撮影準備状態に入る。撮影準備状態では、不図示の測光部による被写体輝度の測定と、コントラストAFによる焦点検出が行われる。システム制御部114は、測光結果に基づいて絞り101bの絞り値や撮像素子103の露光量(シャッタ秒時)等を演算する。システム制御部114は、焦点検出結果に基づいて、被写体に対する合焦状態を得るためのフォーカスレンズ101aの駆動量(駆動方向を含む)を決定し、駆動回路107を制御する。
なお、「コントラストAF」は、光学系101によって形成される焦点位置と撮像素子103の相対位置を変化させる走査を行いながら被写体像のコントラストのピーク位置を検出する焦点検出方式をいう。コントラストAFでは、撮像素子103から得られる画像信号のコントラスト値をAF評価値として使用する。また、本実施形態では、操作部115によってAFが設定されると、システム制御部114は、狭義のコントラストAFを実行するだけでなく、コントラストAFによって検出されたピーク位置から後述する所定量SAだけフォーカスレンズ101aを移動させる。この移動は、「フォーカスシフト」と呼ばれる場合もある。更に、システム制御部114は、AFモードでは、画面中心についてはデフォーカス方向に、周辺についてはフォーカスを改善する方向にフォーカスレンズ101aを所定量SA1だけ移動させる場合もある。これらの所定量は、光学系101の特性情報により定まる量である。
システム制御部114は、第2ストロークスイッチSW2からのON信号の入力に応じて、絞り駆動命令を駆動回路107に送信し、絞り値を設定させる。更に、システム制御部114は、駆動回路107に露光開始命令を送信し、メカニカルシャッタ102の開放を行わせ、撮像素子103の露光を行わせる。
AF枠設定手段は、撮像素子103から得られる画像信号において、AFを行うべき領域(AF枠)を設定する。AF枠で特定された被写体は主被写体となる。システム制御部114は、AF枠設定手段によって設定されたAF枠に対してAFを実行する。
システム制御部114は、被写体距離情報(距離マップ)を取得する被写体距離情報取得手段としても機能する。距離マップは、画角中の小領域ごとの距離情報を示すマトリックス状のデータテーブルとして構成されている。AF評価値を利用した被写体距離の測定方法について説明する。まず画角に対してM×Nの測距領域を設定(撮像素子103から得られる画像信号を小領域に分割)し、フォーカスレンズ101aを移動させながら、AF評価値を各測距領域に対して求める。AF評価値は、信号処理回路108から出力される他、システム制御部114において画像信号もしくは信号処理回路108の出力から演算により求めることもできる。求まったフォーカスレンズ位置に対する各測距領域のAF評価値から、測距領域ごとにAF評価値が極大となるフォーカスレンズ位置が求まり、これが領域ごとの被写体距離情報に相当する。
もちろん、被写体距離情報を取得する方法はこれに限定されず、位相差検出方式の焦点検出(位相差AF)、エッジ差分で距離を推定する方法、DFD(DepthFrom Defocus)、専用の距離測定用の測距センサを用いてもよい。撮像素子に焦点検出用画素を設けて被写体距離を測定してもよい。
光学系101は、システム制御部114からの制御信号により、絞り101bとレンズを駆動して、適切な明るさに設定された被写体像を撮像素子103上に結像させる。メカニカルシャッタ102は、システム制御部114からの制御信号により、必要な露光時間となるように撮像素子103の動作に合わせて撮像素子103を遮光するように駆動される。この時、撮像素子103が電子シャッタ機能を有する場合は、メカニカルシャッタ102と併用して、必要な露光時間を確保してもよい。撮像素子103は、システム制御部114により制御されるタイミング信号発生回路106が発生する動作パルスをもとにした駆動パルスで駆動され、被写体像を光電変換により電気信号に変換してアナログ画像信号として出力する。撮像素子103からのアナログ画像信号は、システム制御部114により制御されるタイミング信号発生回路106が発生する信号により、CDS/AGC回路104でクロック同期性ノイズが除去され、A/D変換器105でデジタル画像信号に変換される。
次に、システム制御部114により制御される信号処理回路108において、デジタル画像信号に対して、色変換、ホワイトバランス、ガンマ補正等の画像処理、解像度変換処理、画像圧縮処理等を行う。画像メモリ109は、処理中のデジタル画像信号を一時的に記憶したり、処理されたデジタル画像信号を記憶したりするために用いられる。信号処理回路108で処理された画像信号や画像メモリ109に記憶されている画像信号は、記録回路111において画像記録媒体110に適したデータに変換されて画像記録媒体110に記録される。また、画像信号は、信号処理回路108で解像度変換処理を実施された後、表示回路113において画像表示部112に適した信号に変換されて画像表示部112に表示される。
信号処理回路108においては、システム制御部114からの制御信号により信号処理をせずにデジタル画像信号をそのまま画像メモリ109や記録回路に出力してもよい。また、信号処理回路108は、システム制御部114からの要求に応じて、デジタル画像信号の情報、例えば、画像の空間周波数、指定領域の平均値、圧縮画像のデータ量等の情報、あるいは、それらから抽出された情報をシステム制御部114に出力する。記録回路111は、システム制御部114から要求があった場合に、画像記録媒体110の種類や空き容量等の情報をシステム制御部114に出力する。
図2(a)は、ナイキスト周波数の6.7%、13.3%、16.7%、26.7%、50%、80%でフィルターの透過率が最大となる特性を持つBPFを使用した場合のAF評価値が最大となる位置とベストピント位置(合焦位置)との関係を示す図である。縦軸は、コントラスト値(AF評価値)であり、横軸は、フォーカスレンズ101aの位置である。同図に示すように、光学系101の収差に起因して、被写体の空間周波数毎にAF評価値が最大となる位置(ピーク位置)が異なる。
異なるピーク位置を有する複数の周波数成分が存在する場合、コントラストAFにおいては、なるべく高い周波数成分を使用し、そのピーク位置へフォーカスレンズ101aを駆動することが好ましい。これは空間周波数の高い被写体と低い被写体が混在する被写体を撮影した場合、空間周波数の低い被写体は多少合焦位置からずれていても像がボケていると感じにくいが、空間周波数の高い被写体の場合は僅かなずれでも像がボケていると感じ易いからである。
しかし、高い周波数成分の透過率が最大となるBPFを用いた場合、ノイズ、低照度、ブレなどによって、得られるAF評価値の信頼性が十分でない場合が多くピーク位置を検出しにくくなる。そこで、安定してピーク位置を検出することができる高周波成分のピーク位置から所定量SAだけフォーカスレンズ101aを移動することによって合焦位置を検出する。この所定量SAの情報は、上述したように、システム制御部114の記憶手段に記憶されている。この場合、システム制御部114は、光学系101の特性情報により決まる所定量SAだけピーク位置からずらした位置にフォーカスレンズ101aを駆動するように駆動回路107を制御する。
なお、図2(a)において、安定してピーク位置を検出可能な高周波成分がナイキスト周波数6.7%に対応する高周波成分であり、合焦位置にピーク位置を有する高周波成分がナイキスト周波数80%に対応する高周波成分であることは単なる例示である。合焦位置にピーク位置を有する被写体の空間周波数よりも安定してピーク位置を検出可能な被写体の空間周波数の方が低い。
所定量SAは、光学系101の各レンズの製造誤差や組立誤差などの誤差の影響を受ける。このため、安定してピーク位置を検出可能な高周波成分のピーク位置から所定量SAだけフォーカスレンズ101aを移動しても正確に合焦位置を得られるとは限らない。
また、近年の撮像装置の小型化、薄型化、大口径化、イメージサークルの大判化、ズームレンズの高倍率化などにより、光学系101の収差を抑制することが困難になり、被写体の空間周波数が高いほどピーク位置の前後の非対称性が大きくなってきた。
図2(b)は、安定してピーク位置P2を検出可能な高周波成分(第2の高周波成分)C2と、合焦位置FPにピーク位置P1を有する高周波成分(第1の高周波成分)C1を示す図である。縦軸と横軸の定義は図2(a)と同様である。
高周波成分が、何れのアジムス断面においても、ピーク位置を通り、縦軸に平行な線に関して対称である場合、球面収差がない。ところが、球面収差があると、高周波成分C1に示すように、ピーク位置P1を通り、縦軸に平行な線L1に関して高周波成分の形状は非対称となる。
高周波成分C1においては、線L1からAF評価値が0になるまでのデフォーカス量が左右で異なる。領域D11は、そのデフォーカス量が小さく、傾斜(勾配)が急な領域であり、領域D12は、そのデフォーカス量が大きく、傾斜がなだらかな領域である。高周波成分C2においては、球面収差が大きくても、ピーク位置P2を通り、縦軸に平行な線L2に関する非対称性は目立ちにくい。
高周波成分の形状が、収差によりピーク位置の前後で非対称になることは、画面周辺でも同様である。画面中心においては軸上収差である球面収差が原因であり、軸外では、3次以上の次数を有する収差であるフレア、ハロが原因である。近年要求されている開放F値が明るいレンズの絞り開放条件では、これらの収差が残存し易い。領域D11、D12の情報(線L1に関してどちら側にD11があるかの情報)は、上述したように、システム制御部114の記憶手段に記憶されている。
図2(b)では、高周波成分C2のピーク位置P2から所定量SAだけフォーカスレンズ101aを移動させた位置が合焦位置FPとなっているが、上述したように、常にこのようになるとは限らない。
図3(a)は、所定量SAが誤差−E1(E1>0)を有し、最終的なフォーカスレンズ101aの位置F1が合焦位置FPに一致せず、領域D11に位置する場合を示すグラフである。このとき、AF評価値は、ピーク位置P1のAF評価値V1からH1だけ低下したV2となる。
図3(b)は、所定量SAが誤差+E1を有し、最終的なフォーカスレンズ101aの位置F2が合焦位置FPに一致せず、領域D12に位置する場合を示すグラフである。このとき、AF評価値は、ピーク位置P1のAF評価値V1からH2だけ低下したV3となる。
図3において、縦軸と横軸の定義は、図2と同様である。図3(b)に示す場合は、AF評価値の低下量H2はそれほど大きくなく、焦点調節精度ひいては画質はそれほど低下しない。これに対して、図3(a)に示す場合は、AF評価値の低下量H1は大きく、焦点調節精度ひいては画質が大きく低下する。
図4は、実施例1の自動焦点調節方法を説明するためのグラフであり、縦軸と横軸の定義は、図3と同様である。横軸の右方向がフォーカスレンズ101aを繰出す方向を示している。図3と同様の要素には同一の符号を付している。高周波成分C1、C2は、いずれも、画面中心(軸上)、光学系101の広角端、絞り開放時で距離400mmにおける高周波成分を表している。
図8は、システム制御部114によって実行される、実施例1の自動焦点調節方法を説明するためのフローチャートであり、「S」はステップ(工程)を表している。図8及び後述するフローチャートは、コンピュータに各ステップの機能を実行させるためのプログラムとして具現化が可能であり、非一時的なコンピュータ可読の記憶媒体に格納されてもよい。
まず、システム制御部114は、撮影者が操作部115を介して設定したAF枠によって主被写体を決定する(S10)。次に、システム制御部114は、操作部115の第1ストロークスイッチSW1からのON信号の入力に応じて、不図示の測光部による被写体輝度の測定を行わせ(S12)、測光結果に基づいて絞り101bのF値の情報を取得する(S14)。また、システム制御部114は、S10で決定された被写体についてコントラストAFを実行する(S16)。高周波成分C1を図4に示すように測定して合焦位置FPを検出することは困難であるため、コントラストAFでは、ピーク位置P2が検出される。実施例1では、ピーク位置P2に対応するフォーカスレンズ101aの位置が第1の位置である。次に、システム制御部114は、S10で決定された被写体の被写体距離の情報を取得する(S18)。
実施例1では、システム制御部114は、所定量SAにオフセット量OFFを加えた量だけピーク位置P2に対応するフォーカスレンズの位置(第1の位置)からずらした位置にフォーカスレンズ101aを移動させる。これにより、フォーカスレンズ101aを移動させる目標位置TPにおいて、誤差E(±E1の範囲)が生じたとしても、AF評価値の低下量を最大でH3に抑えることができる。AF評価値の低下量H3は、図3(a)に示す低下量H1よりも小さいので、焦点調節精度ひいては画質の低下を抑えることができる。低下量H3は低下量H2よりも大きい。つまり、実施例1は、領域D12におけるピーク位置P1からの最大デフォーカス量(絶対値)を大きくしている。また、本実施例では、誤差が+E1の場合と−E1の場合の低下量を等しくしている。実施例1は、光軸上(画面中心)の焦点調節に限定されず、軸外(画面周辺)の焦点調節にも適用可能である。
即ち、システム制御部114は、フォーカスレンズ101aを所定量だけ移動した場合に得られるAF評価値の最低値よりも、所定量にオフセット量を加えた量だけ移動した場合に得られるAF評価値の最低値の方が高くなるように、オフセット量を設定する。
実施例1では、システム制御部114は、ピーク位置P1を通る線L1に関する高周波成分C1の形状に関する情報に基づいて、所定量SAに加えるオフセット量OFFを設定する。「高周波成分C1の形状に関する情報」は、後述するように、高周波成分C1の形状を決定する情報でもよいし、高周波成分C1の形状に影響を与える要因の情報であってもよい。図8では、高周波成分C1の形状に影響を与える要因であるF値と被写体距離の情報に基づいてオフセット量OFFを設定する。
システム制御部114は、F値が閾値ξよりも小さいかどうかを判定する(S20)。システム制御部114は、絞り値が閾値以上の場合のオフセット量OFFの絶対値を、絞り値が閾値よりも小さい場合のオフセット量OFFの絶対値よりも大きく設定する。
F値が閾値ξよりも小さければ、システム制御部114は、被写体距離が閾値ηよりも小さいかどうかを判定する(S22)。システム制御部114は、被写体距離が閾値ηよりも小さい場合には記憶手段を参照してオフセット量OFFを設定する(S24)。システム制御部114は、被写体距離が閾値以上の場合のオフセット量OFFの絶対値を、被写体距離が閾値よりも小さい場合のオフセット量OFFの絶対値よりも大きく設定する
上述したように、被写体距離の情報とF値(絞り値)の情報と光学系101の設計値の情報と所定量SAに対して設定されるオフセット量OFFの情報の関係は、予め記憶手段に記憶されている。かかる関係の形式は、テーブル、グラフ、数式など特に限定されない。システム制御部114は、取得した被写体距離の情報と絞り値の情報と、かかる関係の情報に基づいて必要なオフセット量OFFの情報を取得する。
上述したように、被写体距離の情報とF値(絞り値)の情報と光学系101の設計値の情報と所定量SAに対して設定されるオフセット量OFFの情報の関係は、予め記憶手段に記憶されている。かかる関係の形式は、テーブル、グラフ、数式など特に限定されない。システム制御部114は、取得した被写体距離の情報と絞り値の情報と、かかる関係の情報に基づいて必要なオフセット量OFFの情報を取得する。
絞り101bを、開放から絞っていくと球面収差が減少し、高周波成分C1が徐々に線L1に関して対称に近づく傾向を示す。また、高周波成分C1の対称性は被写体距離(撮影距離)にも依存する。一般に、被写体距離が長くなると、高周波成分C1の対称性は改善する。
図5は、F値が閾値ξ以上である場合または被写体距離が閾値η以上である場合に、ほぼ対称になった高周波成分C1を示すグラフである。この場合は、誤差E(±E1の範囲)が生じたとしても、高周波成分C1の対称性から、片側で極端にAF評価値が低下することはないため、システム制御部114は、オフセット量OFFをゼロに設定する(S26、S28)。このように、高周波成分C1の対称性の度合いに基づいてオフセット量OFFを調整することによって、ピーク位置P1のAF評価値V1からの低下量H4を抑えることができる。高周波成分C1の対称性が高いほどオフセット量OFFの絶対値を小さく設定してもよいが、必ずしも比例関係にする必要はない。高周波成分C1が第1の対称性を有する場合のオフセット量を、第1の対称性よりも高い第2の対称性を有する場合のオフセット量を小さく設定すれば足りる。
その後、システム制御部114は、フォーカスレンズ101aをピーク位置P2から所定量SAにオフセット量OFFを加えた量だけ移動させる(フォーカスシフト)(S30)。次に、システム制御部114は、第2ストロークスイッチSW2からのON信号の入力に応じて、絞り駆動命令を駆動回路107に送信し、F値を設定させる。また、システム制御部114は、駆動回路107に露光開始命令を送信し、メカニカルシャッタ102の開放を行わせ、撮像素子103の露光を行わせる(S32)。その後、画像信号は、記録回路111を介して画像記録媒体110に記録される(S34)。
次に、「高周波成分C1の形状に関する情報」が、高周波成分C1の形状を決定する情報である場合について説明する。図9は、システム制御部114によって実行される、実施例1の自動焦点調節方法を説明するためのフローチャートであり、「S」はステップ(工程)を表している。図9において、図8と同様のステップには、同様の参照符号を付している。図9では、図8と同様に、S10〜S16が行われるが、S12、S14の図示が便宜上省略されている。S16の後で、システム制御部114は高周波成分C1の情報を取得する(S36)。
図6(a)は、高周波成分C1の対称性の度合いを判断する方法の一例を説明するためのグラフである。高周波成分C1のAF評価値において、ピーク位置P1におけるAF評価値V1の所定の割合である70%のAF評価値V6を有する2つの位置I、IIを線L1の前後に定義する。位置Iは領域D11に、位置IIは領域D12に属する。位置Iのデフォーカス量(深度)をA、位置IIのデフォーカス量をB、A、Bを正の値とする。即ち、A/Bは、AF評価値V6に対応する高周波成分C1の2つのフォーカスレンズ101aの位置のそれぞれと、ピーク位置P1に対応するフォーカスレンズ101aの位置との距離の比である。本実施例では、1以下の比の値を使用しているが、1以上の比の値を使用してもよい。
図6(a)に示す高周波成分C1の情報は、システム制御部114の記憶手段に記憶されており、システム制御部114は、AとBの情報を取得する(S38)。
数式1に示すように、(A/B)の比の値が0.6以下、好ましくは、数式2に示すように、0.4以下の場合、システム制御部114は、高周波成分C1が線L1に関して非対称(非線対称)であると判断し、オフセット量OFFを設定する。オフセット量OFFの符号と大きさは、ピーク位置P2からピーク位置P1への方向(符号)及び、高周波成分C1の非対称性の方向に基づいて決定される。
高周波成分C1は、そのピーク位置が目視官能評価における合焦位置に一致する。AF評価値がピーク位置から大きく低下する位置に合焦すると画質の劣化が許容しがたくなる。許容レベルは、ピーク位置P1のAF評価値V1の70%(所定の割合)であり、必要な焦点検出精度は、この深度範囲内にフォーカスレンズが入ることである。
図11は、数式1、2の根拠を説明するための図である。図11(a)は、高周波成分C1が線L1に関して対称な形状を有する場合を示している。この場合、A/Bの値は1.0となる。
図11(b)(c)は、球面収差が多くなって高周波成分C1が非対称な形状を有する場合を示している。この場合は、片側の深度が減少し、逆側の深度が増加する。この減少する量と、増加する量は必ずしも同じではなく、収差状態によっても異なる。しかしながら、大きく異なるわけではないので、これを同等であると考えると、深度の片側に於いて深度範囲の43%狭くなり、逆側の深度が43%増加したとき、図11(b)に示すように、ピーク位置P1の前後の深度の比は、数式3のようになる。この場合、片側の深度がもう一方の約2.5倍という非対称性となる。
必要なフォーカス制御精度は、AF評価値V1の70%で定義される深度範囲に対して50%である。そのため、数式3に示される場合、コントラストが急激に低下する側では、元の深度を100%とすると、それが57%に狭まり、それに対して必要な焦点検出精度が元の深度の50%となってマージンが7%分となる。このように殆どマージンがない中では、僅かな外乱などの影響を受けるとAF評価値V1の70%を下回ることとなる。
図11(c)では、片側深度が25%狭くなって、逆側の深度が25%増加した場合を示している。このとき、ピーク位置P1の前後の深度の比は、数式4のようになり、片側の深度がもう一方の約1.67倍という非対称性となる。
この場合、コントラストが急激に低下する側の深度は、元の75%となり、フォーカスシステムの深度50%に対して、25%のマージンを有するので外乱に対する余裕が増加する。
虹彩絞りを絞ったり、被写体距離が1000mmを上回ったりするなどして、数式1又は2の条件を外れると、システム制御部114は、非対称性が許容限度内であると判断し、オフセット量OFFを0に設定し、ピーク位置P1を目標位置に設定する。AF評価値V1の70%のAF評価値V6としたのは、AF評価値としてピーク位置P1に近く、非対称性が現れにくく非対称性の検出感度が高いためである。
システム制御部114は、比の値が閾値よりも大きい場合のオフセット量OFFの絶対値を、比の値が閾値以下の場合のオフセット量OFFの絶対値よりも大きく設定する。システム制御部114は、まず、A/Bが0.6以下であるかどうかを判定する(S40)。システム制御部114は、A/Bが0.6以下であれば、A/Bが0.4以下であるかどうかを判定する(S42)。A/Bが0.4以下であれば、システム制御部114は、S24と同様に、記憶手段を参照してオフセット量OFFを設定する(S44)。また、A/Bが0.4よりも大きければ、システム制御部114は、S24と同様に、記憶手段を参照してオフセット量OFFを設定するが(S46)、設定されるオフセット量の絶対値はS44で設定されるオフセット量の絶対値よりも小さい。A/Bが0.6よりも大きければ、図5と同様になるので、システム制御部114は、オフセット量OFFをゼロに設定する(S48)。その後、S30、S32、S34が行われる。
次に、「高周波成分C1の形状に関する情報」が、高周波成分C1の形状を決定する情報である別の例について説明する。図10は、システム制御部114によって実行される、実施例1の自動焦点調節方法を説明するためのフローチャートであり、「S」はステップ(工程)を表している。図10において、図8、図9と同様のステップには、同様の参照符号を付している。図10では、図8と同様に、S10〜S16が行われるが、便宜上、S12、S14の図示が省略されている。S16の後で、S36が行われる。
図6(b)は、高周波成分C1の対称性の度合いを判断する方法の別の例を説明するためのグラフである。高周波成分C1のAF評価値において、ピーク位置P1のAF評価値V1の50%のAF評価値V7を有する位置III、IVを線L1の前後に定義する。位置IIIは領域D11に、位置IVは領域D12に属する。
位置IIIにおける接線の傾きをC(絶対値)、位置IVにおける接線の傾きをD(絶対値)とする。これらの傾きは、フォーカスレンズ101a繰り出し量の最小ステップ当たりのコントラスト値の変化量を表す。図6(b)に示す高周波成分C1の情報(即ち、CとDの値)は、システム制御部114の記憶手段に記憶されている。
傾きC及びDの一方が第1の値を越え、傾きC及びDの他方が第2の値を越えない場合、システム制御部114は、高周波成分C1が線L1に関して非対称(非線対称)であると判断し、オフセット量OFFを設定する。数式5に示すように、第1の値は10%(0.10)、第2の値は6%(0.06)であるが、好ましくは、数式6に示すように、第1の値は20%(0.20)、第2の値は8%(0.08)である。オフセット量OFFの符号と大きさは、ピーク位置P2からピーク位置P1への方向(符号)及び、高周波成分C1の非対称性の方向に基づいて決定される。これは、領域D11にフォーカスレンズ101aの最終位置が位置せずに、領域D12にフォーカスレンズ101aの最終位置が位置するようにするためのものである。
図12は、数式5、6の根拠を説明するための図である。図12(a)は、高周波成分C1が線L1に関して対称な形状を有する場合を示している。図12(b)(c)は、球面収差が多くなって、高周波成分C1が非対称な形状を有する場合を示している。
傾きを利用する場合の許容レベルは、ピーク位置P1のAF評価値V1の所定の割合である50%になる。図12(b)に示すように、傾きC及びDの一方が20%を越え、傾きC及びDの他方が8%を越えない場合、次式が成立する。この場合、片側の深度がもう一方の約2.5倍という非対称性となる。
必要な焦点検出精度は、AF評価値V1の50%で定義される深度範囲に対して50%である。そのため、数式6に示される場合、コントラストが急激に低下する側では、元の深度を100%とすると、それが57%に狭まり、それに対して必要な焦点検出精度が元の深度の50%となってマージンが7%分となる。このように殆どマージンがない中では、僅かな外乱などの影響を受けるとAF評価値V1の70%を下回ることとなる。
図12(c)では、片側深度が25%狭くなって、逆側の深度が25%増加した場合を示している。このとき、ピーク前後のいずれかの傾きにおいて、傾きC及びDの一方が10%を越え、傾きC及びDの他方が6%を越えない場合、次式が成立する。この場合、片側の深度がもう一方の約1.67倍という非対称性となる。
この場合、コントラストが急激に低下する側の深度は、元の75%となり、フォーカスシステムの深度50%に対して、25%のマージンを有するので外乱に対する余裕が増加する。
虹彩絞りを絞ったり、被写体距離が1000mmを上回ったりするなどして、数式5又は6の条件を外れると、システム制御部114は、非対称性が許容限度内であると判断し、オフセット量OFFを0に設定し、ピーク位置P1を目標位置に設定する。
より具体的には、システム制御部114は、数式5が成立するかどうかを判定する(S52)。システム制御部114は、数式5が成立する場合、数式6が成立するかどうかを判定する(S54)。数式6が成立する場合、システム制御部114は、S24と同様に、記憶手段を参照してオフセット量OFFを設定する(S56)。また、数式6が成立しない場合、システム制御部114は、S24と同様に、記憶手段を参照してオフセット量OFFを設定するが(S58)、設定されるオフセット量の絶対値はS56で設定されるオフセット量の絶対値よりも小さい。数式5が成立しない場合、図5と同様になるので、システム制御部114は、オフセット量OFFをゼロに設定する(S60)。その後、S30、S32、S34が行われる。
図6に示す例は、所定の条件を満足するか否かで、高周波成分C1が線L1に関して対称であるかどうかを判断していたが、条件数を増やしたり、連続的にオフセットOFFの値を変更したりしてもよい。
高周波成分C1の深度A、Bや接線の傾きC、Dを直接測定するには時間がかかる。そこで、光学系101の設計値に基づき、F値、被写体距離および高周波成分C1の対称性の関係を表すデータを、実験やシミュレーションなどにより予め求めておき、システム制御部114の記憶手段に記憶しておく。設計値ではなく個体調整工程において、高周波成分を工具で測定してもよい。
近年の光学設計自由度の制限から、像面の距離変動が大きくなっており、例えば、至近距離で周辺像面がアンダー方向に湾曲し易くなっている。この像面湾曲を緩和するために中心の合焦位置を所定量SA1だけシフトさせて周辺画質とバランスをとろうとした場合、シフト方向が領域D11にあると像面湾曲を緩和する効果よりも画質劣化の問題が大きくなる。所定量SA1は、撮像光学系の特性情報により定まる量である。
図7は、実施例2のコントラストAFを説明するための図であり、像面湾曲の影響を低減するためのものである。本実施例でも、システム制御部114は、フォーカスレンズ101aを移動させるが、このときの所定量SA1は図2に示す所定量SAではない。
図7において、横軸はフォーカスレンズ101aの位置(右方向を正とする)を表しており、合焦位置FPを0に設定すればデフォーカス量にもなる。破線ISは湾曲した像面を表し、一点鎖線OAは、光軸(画面中心)を表している。C1は、画面中央の高周波成分を表し、C3は、画面周辺の高周波成分を表しており、両者の空間周波数は同じである。高周波成分C1は、図2に示すものと同様である。高周波成分C1、C3の縦方向はAF評価値(上方向を正とする)を表している。
各高周波成分C1、C3において、ピーク位置を通り、縦方向に向かう直線に関して左側は、勾配が急な領域であり、右側は、勾配が緩やかな領域となっている。もちろん、これは例示であり、光学系101の特性によっては、右側が、勾配が急な領域であり、左側が、勾配が緩やかな領域となる場合もある。高周波成分C1とC3の形状は、完全に一致はしないが、類似の形状となっている。
近距離撮影などで像面湾曲が発生する場合などに、画面中心と周辺のフォーカス状態に差が生じ、周辺画質が低下することがある。図7では、周辺像面がデフォーカスの負方向に倒れている。現在の点線で示す合焦位置FPでは、高周波成分C1のAF評価値は高いが、高周波成分C3のAF評価値は高くない。このような場合、システム制御部114は、画面中心の画質を低下させ、画面周辺の画質を改善する方向にフォーカスレンズ101aを移動する。
高周波成分C3のAF評価値を上げるために、合焦位置FPからフォーカスレンズ101aを高周波成分C1のピーク位置P1に対応するフォーカスレンズの位置(第1の位置)から所定量SA1だけ移動させると、実線で示すフォーカス位置F3が形成される。これにより、高周波成分C3のAF評価値が上がる。しかしながら、高周波成分C1の勾配が急な領域において、AF評価値が大幅に低下し、画面中央の画質が大幅に低下する。
そこで、実施例2のシステム制御部114は、所定量SA1に移動量SA1とは逆向きのオフセット量OFF1を加えた量だけフォーカスレンズ101aをピーク位置P1から移動させる。システム制御部114は、フォーカスレンズを所定量だけ移動した場合に得られる画面中心のAF評価値の最低値よりも、所定量にオフセット量を加えた量だけ移動した場合に得られるAF評価値の最低値の方が高くなるように、オフセット量を設定する。オフセット量OFF1の設定方法は、実施例1と同様に、A/Bの比や傾きC、Dの絶対値を使用することができる。
システム制御部114は、絞り101bの絞り値が閾値以上の場合のオフセット量OFF1の絶対値を、絞り値が閾値よりも小さい場合のオフセット量OFF1の絶対値よりも大きく設定する。F値(絞り値)に応じてオフセット量OFF1を調整するのは、球面収差はF値の3乗に比例するのに対し、像面湾曲はF値の1乗に比例するため、絞り101bを絞っていくと像面湾曲だけが残り、非対称性の影響を受けにくくなるからである。F値が小さいほど所定量SA1の絶対値を小さく設定してもよいが、必ずしも比例関係にする必要はない。システム制御部114は、第1のF値のときのフォーカスレンズ101aの移動量(絶対値)が、第1の絞り値よりも大きな第2の絞り値のときのフォーカスレンズ101aの移動量よりも小さくなるように、オフセット量を設定すれば足りる。また、実施例1と同様に、システム制御部114は、被写体距離が閾値以上の場合のオフセット量の絶対値を、被写体距離が閾値よりも小さい場合のオフセット量の絶対値よりも大きく設定してもよい。
更に、システム制御部114の記憶手段が、絞り値、被写体距離およびオフセット量の関係を記憶してもよい。そして、システム制御部114は、絞り値の情報と、被写体距離の情報を取得し、取得した絞り値と被写体距離の情報に対応するオフセット量を記憶手段から取得してもよい。
また、システム制御部114は、複数のプロセッサ(CPUなど)を備えてオフセット量の設定とフォーカスレンズの移動を別々のプロセッサとソフトウェアにより行ってもよいし、オフセット量の設定などを行う専用のハードウェアを備えてもよい。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明は、交換レンズや撮像装置などの光学機器の用途に適用することができる。
101a…フォーカスレンズ、101b…絞り、108…信号処理回路(検出手段)、114…システム制御部(制御手段)
Claims (18)
- フォーカスレンズを駆動しながら、該フォーカスレンズを含む撮像光学系によって形成された被写体像を光電変換することによって得られる画像信号の第1の高周波成分の形状に関する情報に基づいてオフセット量を設定し、前記フォーカスレンズの第1の位置から、前記撮像光学系の特性情報により定まる所定量に前記オフセット量を加えた量だけ、前記フォーカスレンズを移動させるように制御する制御手段を有することを特徴とする自動焦点調節装置。
- 前記第1の高周波成分は、そのコントラスト値を縦軸、前記フォーカスレンズの位置を横軸に表した場合、前記コントラスト値のピーク位置に対応する前記フォーカスレンズの位置に関して非対称な形状を有し、
前記制御手段は、前記フォーカスレンズを前記第1の位置から前記所定量だけ移動した場合に得られる、前記第1の高周波成分のコントラスト値の最低値よりも、前記フォーカスレンズを前記第1の位置から前記所定量に前記オフセット量を加えた量だけ移動した場合に得られる、前記第1の高周波成分のコントラスト値の最低値の方が高くなるように、前記オフセット量を設定することを特徴とする請求項1に記載の自動焦点調節装置。 - 前記画像信号から抽出された、前記第1の高周波成分の空間周波数よりも低い空間周波数を有する第2の高周波成分のコントラスト値のピーク位置を検出する検出手段を更に有し、
前記第1の位置は、前記検出手段によって検出された前記ピーク位置に対応する前記フォーカスレンズの位置であることを特徴とする請求項1に記載の自動焦点調節装置。 - 前記撮像光学系は、光量を調整する絞りを含み、
前記第1の高周波成分の形状に関する情報は、前記絞りの絞り値に関する情報と被写体距離に関する情報の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の自動焦点調節装置。 - 前記絞り値、前記被写体距離および前記オフセット量の関係を記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記絞り値の情報と、前記被写体距離の情報を取得し、取得した前記絞り値と前記被写体距離の情報に対応する前記オフセット量を前記記憶手段から取得することを特徴とする請求項4に記載の自動焦点調節装置。 - 前記制御手段は、前記絞り値が閾値以上の場合の前記オフセット量の絶対値を、前記絞り値が閾値よりも小さい場合の前記オフセット量の絶対値よりも大きく設定することを特徴とする請求項4または5に記載の自動焦点調節装置。
- 前記制御手段は、前記被写体距離が閾値以上の場合の前記オフセット量の絶対値を、前記被写体距離が閾値よりも小さい場合の前記オフセット量の絶対値よりも大きく設定することを特徴とする請求項4乃至6のうちいずれか1項に記載の自動焦点調節装置。
- 前記第1の高周波成分の形状に関する情報は、前記第1の高周波成分のピーク位置におけるコントラスト値の所定の割合のコントラスト値に対応する、前記第1の高周波成分の2つの前記フォーカスレンズの位置のそれぞれと、前記第1の高周波成分の前記ピーク位置に対応する前記フォーカスレンズの位置との距離の比の情報であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の自動焦点調節装置。
- 前記比は、1以下の値であり、
前記制御手段は、前記比の値が閾値よりも大きい場合の前記オフセット量の絶対値を、前記比の値が閾値以下の場合の前記オフセット量の絶対値よりも大きく設定することを特徴とする請求項8に記載の自動焦点調節装置。 - 前記所定の割合は70%であり、前記比は0.6であることを特徴とする請求項9に記載の自動焦点調節装置。
- 前記第1の高周波成分の形状に関する情報は、前記第1の高周波成分のピーク位置におけるコントラスト値の所定の割合のコントラスト値に対応する、前記第1の高周波成分の2つの前記フォーカスレンズの位置のそれぞれにおける接線の傾きの絶対値の情報であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の自動焦点調節装置。
- 前記制御手段は、前記2つの傾きの絶対値のうちの一方が第1の閾値よりも高く、他方が第2の閾値よりも低い場合の前記オフセットの絶対値よりも、前記一方が第1の閾値よりも高い第3の閾値よりも高く、前記他方が第2の閾値よりも高い第4の閾値よりも低い場合の前記オフセットの絶対値を大きく設定することを特徴とする請求項11に記載の自動焦点調節装置。
- 前記所定の割合は50%、前記第1の閾値は0.10、前記第2の閾値は0.06、前記第3の閾値は0.20、前記第4の閾値は0.08であることを特徴とする請求項12に記載の自動焦点調節装置。
- 前記所定量は、前記画像信号の画面周辺の画質を改善するための量であることを特徴とする請求項1または2に記載の自動焦点調節装置。
- 前記第1の位置は、前記画像信号の画面中央の被写体に対する前記フォーカスレンズの合焦位置であることを特徴とする請求項14に記載の自動焦点調節装置。
- 前記撮像光学系は、光量を調整する絞りを含み、
前記第1の高周波成分の形状に関する情報は、前記絞りの絞り値に関する情報と被写体距離に関する情報の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項14または15に記載の自動焦点調節装置。 - 前記撮像光学系は、光量を調整する絞りを含み、
前記制御手段は、前記絞り値が閾値以上の場合の前記オフセット量の絶対値を、前記絞り値が閾値よりも小さい場合の前記オフセット量の絶対値よりも大きく設定することを特徴とする請求項14または15に記載の自動焦点調節装置。 - 請求項1乃至17のうちいずれか1項に記載の自動焦点調節装置を有することを特徴とする光学機器。
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