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JP2017095390A - 除草剤及び植物成長抑制剤 - Google Patents

除草剤及び植物成長抑制剤 Download PDF

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Abstract

【課題】雑草を選択的に防除できる除草効果・植物成長抑制効果を奏する新規な除草剤・植物成長抑制剤を提供すること。【解決手段】ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁、並びにズイナ樹液からなる群から選択される少なくとも一種のズイナ原料、及び水酸化カルシウムを90質量%以上含む焼成貝殻の消化粉末からなる除草相乗剤又は成長抑制相乗剤を含有する除草剤又は植物成長抑制剤。【選択図】図7

Description

本発明は、ズイナ原料と除草相乗剤或いは成長抑制相乗剤として焼成貝殻の消化粉末とを含有する除草剤又は植物成長抑制剤に関する。
ズイナ属の植物は、希少糖と称されるD−プシコースとアリトールをその植物体内で生産し含有してなることが知られている植物であり、これまで新葉が食用にされたり、また一部の種は、その長い穂と香りの良い頭花から観賞用として育てられている。
前記D−プシコースは、食後の血糖上昇や脂肪の蓄積を抑制する効果が報告され、糖尿病や動脈硬化の改善や予防への効果が期待されるほか、植物の育成調整作用や病害抵抗性増進作用についても研究が進められ、健康・医療分野や植物分野における新たな素材として様々な研究・報告が進められている。
例えばD−プシコースの植物分野における提案としては、D−プシコースの植物病害抵抗性増幅剤としての使用(特許文献1)や、植物の休眠打破や環境ストレス耐性といった植物の全身獲得抵抗性誘導の有効成分としてのD−プシコースの使用(特許文献2)などがある。
これらの報告や提案において、上記D−プシコースは、例えばフルクトースを酵素エピメラーゼ処理する方法(特許文献3)より得られるものが、一般に使用されている。
特開2004−300079号公報 特許第4934425号明細書 特許第3333969号明細書
前述したようにズイナ属の植物には希少糖D−プシコースが含有されていることが知られているものの、その含有量はごく少量であり、上述の健康・医療分野や植物分野における新たな素材の原料としてズイナ自体を使用することは、実用上の観点からは困難なものであった。
本発明は、これまでに提案のないズイナ葉自体の摺砕物や搾汁等のズイナ原料と焼成貝殻の消化粉末とを含有する新規な除草剤又は植物成長抑制剤を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、ズイナ葉の摺砕物や搾汁等のズイナ原料と、水酸化カルシウムを90質量%以上含む焼成貝殻の消化粉末との混合物を栽培植物の育成土壌に施用したところ、雑草を選択的に防除できる除草効果・植物成長抑制効果を奏することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁、並びにズイナ樹液からなる群から選択される少なくとも一種のズイナ原料、及び水酸化カルシウムを90質量%以上含む焼成貝殻の消化粉末からなる除草相乗剤を含有する除草剤に関する。
前記除草剤は、前記ズイナ原料の総質量に対して、前記焼成貝殻の消化粉末を0.00
1質量%〜10質量%にて含むことが好ましい。
また除草剤に含まれる前記焼成貝殻の消化粉末は、ホタテ貝殻又はその粉砕物を原料とする焼成貝殻の消化粉末であることが好ましい。また前記焼成貝殻の消化粉末が、0.5〜10μmの平均粒径を有する微粉末形態であるものを使用することが好ましい。
さらに本発明は、ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁、並びにズイナ樹液からなる群から選択される少なくとも一種のズイナ原料、及び水酸化カルシウムを90質量%以上含む焼成貝殻の消化粉末からなる成長抑制相乗剤を含有する植物成長抑制剤に関する。
前記植物成長抑制剤は、前記ズイナ原料の総質量に対して、前記焼成貝殻の消化粉末を0.001質量%〜10質量%にて含むことが好ましい。
また植物成長抑制剤に含まれる前記焼成貝殻の消化粉末は、ホタテ貝殻又はその粉砕物を原料とする焼成貝殻の消化粉末であることが好ましい。また前記焼成貝殻の消化粉末が、0.5〜10μmの平均粒径を有する微粉末形態であるものを使用することが好ましい。
また本発明は、ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁、並びにズイナ樹液からなる群から選択される少なくとも一種のズイナ原料と、水酸化カルシウムを90質量%以上含む焼成貝殻の消化粉末とを含有する混合物を、土壌又は植物体、種子に施用する工程を含む、望ましくない植物生育を選択的に防除する方法を対象とする。
さらに本発明は、貝殻又はその粉砕物、好ましくは前記貝殻又はその粉砕物が、ホタテ貝殻又はその粉砕物を加熱し、800℃乃至1500℃の温度下にて焼成して焼成粉末を得る焼成工程、及び続いて700℃乃至1200℃の温度下にて前記焼成粉末に加水し、水和(消化)させて水酸化カルシウム主体の消化粉末を得る消化工程、を含む除草相乗剤の製造方法を対象とする。
また本発明は、貝殻又はその粉砕物、好ましくは前記貝殻又はその粉砕物が、ホタテ貝殻又はその粉砕物を加熱し、800℃乃至1500℃の温度下にて焼成して焼成粉末を得る焼成工程、及び続いて700℃乃至1200℃の温度下にて前記焼成粉末に加水し、水和(消化)させて水酸化カルシウム主体の消化粉末を得る消化工程、を含む成長抑制相乗剤の製造方法を対象とする。
本発明の除草剤又は植物成長抑制剤は、これを土壌又は植物体、種子に施用することにより、望ましくない植物の生育、例えば栽培植物の栽培において雑草の生育を選択的に防除することができる。特に本発明においては、ズイナ原料に加えて水酸化カルシウム主体の焼成貝殻の消化粉末を配合することにより、前記焼成貝殻の消化粉末が除草相乗剤又は成長抑制相乗剤として働き、前述の雑草の選択的な防除に関して相乗的効果を発揮することができる。
上記除草剤又は植物成長抑制剤に使用するズイナ原料は、ズイナ葉やズイナ樹液といった植物原料からなるものであるため、施用土壌や植物体、種子に対する毒性が低い。また上記除草剤又は植物成長抑制剤に使用する焼成貝殻の消化粉末は、食品添加物としても使用される水酸化カルシウムを主成分とするため、安定性・安全性が高く、また安価である。したがって本発明の除草剤又は植物成長抑制剤は、土壌等に対する安全性と経済性の観点からも有利な製剤である。
また本発明の除草剤又は植物成長抑制剤は、ズイナ葉の摺砕物や搾汁等のズイナ原料と、除草相乗剤又は成長抑制相乗剤として水酸化カルシウムを主成分とする焼成貝殻の消化粉末とを配合するだけで調製し得、上述の除草効果・植物成長抑制効果を発揮させることができる。
図1は本発明の除草剤の施用による植物育成阻害試験結果(生育1日目及び2日目)を示す結果である(A:水道水のみ(ブランク)、B:除草剤を種子の発芽前に添加、C:除草剤未添加)。 図2は本発明の除草剤の施用による植物育成阻害試験結果(生育3日目及び4日目)を示す結果である(A:水道水のみ(ブランク)、B:除草剤を種子の発芽前に添加、C:除草剤未添加)。 図3は本発明の除草剤の施用による植物育成阻害試験結果(生育5日目及び6日目)を示す結果である(A:水道水のみ(ブランク)、B:除草剤を種子の発芽前に添加、C:除草剤未添加)。 図4は本発明の除草剤の施用による植物育成阻害試験結果(生育7日目及び8日目)を示す結果である(A:水道水のみ(ブランク)、B:除草剤を種子の発芽前に添加、C:除草剤を生育7日目に添加)。 図5は本発明の除草剤の施用による植物育成阻害試験結果(生育9日目及び10日目)を示す結果である(A:水道水のみ(ブランク)、B:除草剤を種子の発芽前に添加、C:除草剤を生育7日目に添加)。 図6は本発明の除草剤の施用による植物育成阻害試験結果(生育11日目及び22日目)を示す結果である(A:水道水のみ(ブランク)、B:除草剤を種子の発芽前に添加、C:除草剤を生育7日目に添加)。 図7は本発明の除草剤の施用による植物育成阻害試験結果(生育13日目及び14日目)を示す結果である(A:水道水のみ(ブランク)、B:除草剤を種子の発芽前に添加、C:除草剤を生育7日目に添加)。
本発明の除草剤又は植物成長抑制剤は、ズイナ原料と焼成貝殻の消化粉末からなる除草相乗剤又は成長抑制剤を含みて構成される。
上述したように、ズイナ属の植物のD−プシコース含有量はごく微量であることから、ズイナ自体からD−プシコースを抽出しこれを実用化することは困難とされ、そのため植物分野等における新素材の原料としてのズイナ自体の採用は見送られてきた。
ところが驚くべきことに、本発明者らは、ズイナ葉の摺砕物等のズイナ原料と焼成貝殻の消化粉末とを組み合わせたところ、ズイナに含まれるD−プシコースは微量であるものの、雑草の生育を選択的に防除することができることを見出し、本発明の完成に至った。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
<ズイナ原料>
ズイナ原料としては、ズイナ葉を破砕、粉砕、摺砕、ペースト化、あるいは搾汁して得られる破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁が使用され、またズイナの樹液を使用することもできる。
これら破砕、粉砕、摺砕、ペースト化、あるいは搾汁は当業者に既知の手段及び装置にて実施し得る。例えば上記ズイナ葉を、マイクロカッター、フードプロセッサー、ミキサー、ジューサー、ブレンダー等を用いて破砕、粉砕、摺砕でき、またその後に既知のペースト化法(スラリー化法、磨砕法)を適用することによってペースト状とすることができる。また搾汁の調製方法としては、ズイナ葉をフードカッター、マスコロイダー、スクリュープレス処理などを経て実施し得、その後所望により粗繊維を除去してもよい。
なお上記ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁や、ズイナ樹液の処理物も使用することもできる。該処理物としては、凍結物、乾燥物、濃縮物又は希釈物が挙げられる。
上記ズイナ原料は、原料100g当たりプシコースを1mg乃至50mg程度、好ましくは5mg乃至30mg、より好ましくは5mg乃至20mg、例えば10mg前後含有
する原料であることが好ましい。あるいは上記ズイナ原料は、原料100g当たり0.01mg乃至10mg程度、好ましくは0.05mg乃至8mg、より好ましくは0.5mg乃至5mg、最も好ましくは1mg乃至5mg含有する原料であってもよい。さらに上記ズイナ原料は、原料100g当たり10mg乃至1000mg程度、例えば100mg乃至800mg、好ましくは300mg乃至600mg含有する原料であってもよい。
このようにズイナ原料自体に含まれるプシコースは少量といえるものの、後述する除草相乗剤・成長抑制相乗剤によって、雑草の生育を選択的に防除する点に関して相乗的な効果を得ることができる。
<除草相乗剤・成長抑制相乗剤>
本発明に使用する除草相乗剤・成長抑制相乗剤は、水酸化カルシウムを主成分とするもの、すなわち水酸化カルシウムを90質量%以上含むものであり、好ましくは95質量%以上の水酸化カルシウムを含む焼成貝殻の消化粉末からなるものである。
上記焼成貝殻の消化粉末の原料としては、例えばホタテ貝殻、アワビ貝殻、サザエ貝殻、ホッキ貝殻、ウニ貝殻の天然か養殖の貝類を使用し得、さらに珊瑚殻等の動物性由来のカルシウムを含有する他の原料を使用してもよい。これらのうち、貝殻組成が均一である点及び供給量が多いなどの点から、ホタテ貝殻(又はその粉砕物)を使用することが好ましい。
これらの貝殻は、そのまま、または粉砕して貝殻粉末(或いは粒状物)とし、800℃〜1500℃で、より好ましくは850℃〜1200℃で、例えば炭酸ガスを導入しながら焼成する。焼成は空気中で行ってもよいし、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行なってもよい。焼成時間は焼成温度等によって適宜設定されるが、通常、雰囲気温度が所定の焼成温度に到達した後、10〜120分、好ましくは15〜90分である。こうした焼成処理により、不要な有機物を熱分解によって除去する。
焼成後、続いて700℃乃至1200℃の温度下にて、加水し水和(消化)させて水酸化カルシウム主体の焼成物(粉末)を得る。
焼成又は水和(消化)の過程で、必要に応じてさらに粉砕を行い、最終的には平均粒径0.1〜500μm、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは0.5〜40μm、最も好ましくは0.5〜10μmの微粉末形態の焼成貝殻の消化粉末を得る。微粒子の粒径をより細かくすることにより、除草相乗剤・成長抑制相乗剤とズイナ原料と均一に混合させることができ、すなわち除草相乗剤・成長抑制相乗剤としての効果をムラなく発揮させ、ひいては除草剤・植物成長抑制剤としての効果をムラなく発揮させることができる。
なお、以上に述べた、貝殻又はその粉砕物を、800℃乃至1500℃の温度下にて焼成して焼成粉末を得る焼成工程、及び続いて700℃乃至1200℃の温度下にて前記焼成粉末に加水し、水和(消化)させて水酸化カルシウム主体の消化粉末を得る消化工程、を含む除草相乗剤或いは成長抑制相乗剤の製造方法も本発明の対象である。
<除草剤・植物成長抑制剤>
本発明の除草剤・植物成長抑制剤は、ズイナ原料と焼成貝殻の消化粉末からなる除草相乗剤又は成長抑制相乗剤とを混合することで製造され得、好ましくは前記ズイナ原料の総質量に対して、前記除草相乗剤又は成長抑制相乗剤を0.001質量%〜10質量%にて、より好ましくは0.01質量%〜5質量%にて、例えば、0.05質量%〜1質量%にて配合してなることが好ましい。
前記除草相乗剤又は成長抑制相乗剤の配合量が、上記数値範囲未満、並びに、上記数値範囲を超えた場合のいずれにおいても、所望とする除草・植物成長抑制効果、とりわけ栽培植物の栽培において雑草を選択的に防除する効果(相乗効果)を十分に得にくくなる。
本発明の除草剤・植物成長抑制剤には、所望により、従来の除草剤や植物成長抑制剤に慣用されている種々の添加剤を配合し得、例えば、農薬活性成分(例えば除草活性成分)、固体担体(動植物性由来粉末、粘土鉱物等)、界面活性剤、溶剤、pH調整剤、着色剤、安定剤及び防腐剤等を添加してもよい。
本発明の除草剤・植物成長抑制剤は、目的とする土壌への散布や灌注によって施用でき、また、植物体や種子に直接施用し、これにより、例えば栽培植物の栽培において雑草等の望ましくない植物の生育を選択的に防除することができる。上記除草剤・植物成長抑制剤を使用した望ましくない植物生育を選択的に防除する方法も本発明の対象である。
本発明の除草剤・植物成長抑制剤は、水田、畑地、稲等の育苗箱や、園芸作物のセルトレイ等、さらには、家庭菜園やガーデニング等の土壌、プランターなどのコンテナ等の種々に施用することができ、該除草剤・植物成長抑制剤を施用する際の施用量は、施用箇所や目的とする防除植物の種類によって適宜選択可能である。例えば土壌やコンテナにおいて、1m当たり10g〜10000g、例えば50g〜5000gの量で施用してもよい。
なお本発明の除草剤・植物成長抑制剤は、目的とする植物(栽培植物)の成長後、例えば発芽後に適用することが望ましい。当該目的とする植物が成長(発芽)する前に除草剤・植物成長抑制剤を施用すると、雑草だけでなく、目的の植物の生育も防除する虞がある。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものでない。
製造例1:除草剤の製造
ホタテ貝の貝殻を粉砕した後、1200℃で1時間焼成した。焼成物に水を加えて消化し、得られた消化物(水酸化カルシウム主体)を粉砕機でさらに微粉砕して、平均粒径が10μmの粉末状の焼成貝殻の消化粉末(除草相乗剤)を製造した。なお、該焼成貝殻の消化粉末を元素分析した結果、カルシウムを99%以上含む点が確認され、また熱重量分析した結果、水酸化カルシウムを95.7質量%含む点が確認された。
一方、ズイナ葉(生)は、これを乳鉢ですりつぶしてズイナ原料(ズイナ葉摺砕物)とした。
そして上記ズイナ原料の総質量に対して、上記除草相乗剤を0.5質量%加え、本発明の除草剤とした。
実施例1:植物育成阻害試験
本発明の除草剤による除草効果(植物育成阻害効果)を検証するべく、以下の手順にて試験を実施した。
プラスチック容器(縦17cm×横11cm×高さ6cm)を準備し、ここにカット綿(大きさ:14.5cm×7.5cm)を入れた。そして、該容器に水道数100mLを入れ、カット綿を十分に湿らせた。この試験培地を3種準備し、A:水道水のみ(ブランク)、B:製造例1で調製した除草剤を種子の発芽前に添加、C:製造例1で調製した除草剤を種子の発芽後に添加、に検体を分類した。
前述のカット綿を水道水で湿らせた後、B検体のみさらに製造例1で調製した除草剤6.0gを入れ、カット綿全体に除草剤を広げた。その後、A〜Cの全ての検体(試験培地)に、カイワレ種子を28粒ずつ播種し、常温(20℃)にて14日間カイワレを生育した。なお、C検体は播種後、カイワレの発芽を確認し、7日目に製造例1で調製した除草剤6.0gを入れた。またA〜C検体のいずれにおいても、培地(カット綿)が乾燥しない程度に、水道水のみを適宜添加した。
生育1日目〜14日目におけるA〜C検体のカイワレの育成状況を示す写真を図1〜図
7に示す。
図1〜図3に示すように、生育1日目〜2日目(図1)はA〜C検体で特に変化はみられなかったが、生育3日目〜4日目(図2)においてA及びC検体では多くの種子から発芽したもののB検体は発芽が遅れており、さらに生育5日目〜6日目(図4)にあってはA及びC検体では葉が育ち始める一方、B検体では発芽したものの葉が育たず成長が遅れている結果となった。
図4に示すように生育7日目において、B検体においてもようやく一部の葉が育ち始め、一方A及びC検体では葉が大きく育ち始め、ここでC検体に除草剤6gを添加した。
図4〜図7に示すように、生育8日目(図4)、生育9日目〜10日目(図5)、生育11日目〜12日目(図6)、生育13日目〜14日目(図7)において、A検体とC検体には差がみられず、カイワレ葉が順調に成長しているのにもかかわらず、B検体は発芽した状態のままで葉がほとんど成長しておらず、成長が停止したとみられる結果となった。
以上、本試験により、本発明の除草剤をカイワレ種子の発芽前に適用すると、カイワレは発芽するもののそこで成長が停止し、一方、種子の発芽後に適用した場合には、カイワレ葉の成長に影響を与えないとする結果が得られた。本試験結果は、目的とする植物(栽培植物)の成長後に本発明の除草剤(植物成長抑制剤)を適用すれば、その後に生育し得る望ましくない植物(雑草)の成長を抑制し、一方、目的とする植物の成長には影響を与えることがないことを示唆するものであり、本発明の除草剤・植物成長抑制剤が栽培植物の栽培において雑草等の望ましくない植物の生育を選択的に防除することができる点を証明するものである。

Claims (13)

  1. ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁、並びにズイナ樹液からなる群から選択される少なくとも一種のズイナ原料、及び
    水酸化カルシウムを90質量%以上含む焼成貝殻の消化粉末からなる除草相乗剤、
    を含有する除草剤。
  2. 前記ズイナ原料の総質量に対して、前記除草相乗剤を0.001質量%〜10質量%にて含む、請求項1に記載の除草剤。
  3. 前記焼成貝殻の消化粉末が、ホタテ貝殻又はその粉砕物を原料とする焼成貝殻の消化粉末である、請求項1又は請求項2に記載の除草剤。
  4. 前記焼成貝殻の消化粉末が、0.5〜10μmの平均粒径を有する微粉末形態である、請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の除草剤。
  5. ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁、並びにズイナ樹液からなる群から選択される少なくとも一種のズイナ原料、及び
    水酸化カルシウムを90質量%以上含む焼成貝殻の消化粉末からなる成長抑制相乗剤、
    を含有する植物成長抑制剤。
  6. 前記ズイナ原料の総質量に対して、前記成長抑制相乗剤を0.001質量%〜10質量%にて含む、請求項5に記載の植物成長抑制剤。
  7. 前記焼成貝殻の消化粉末が、ホタテ貝殻又はその粉砕物を原料とする焼成貝殻の消化粉末である、請求項5又は請求項6に記載の植物成長抑制剤。
  8. 前記焼成貝殻の消化粉末が、0.5〜10μmの平均粒径を有する微粉末形態である、請求項5乃至請求項7のうちいずれか一項に記載の植物成長抑制剤。
  9. ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁、並びにズイナ樹液からなる群から選択される少なくとも一種のズイナ原料と、水酸化カルシウムを90質量%以上含む焼成貝殻の消化粉末とを含有する混合物を、土壌又は植物体、種子に施用する工程を含む、望ましくない植物生育を選択的に防除する方法。
  10. 貝殻又はその粉砕物を加熱し、800℃乃至1500℃の温度下にて焼成して焼成粉末を得る焼成工程、及び
    続いて700℃乃至1200℃の温度下にて前記焼成粉末に加水し、水和(消化)させて水酸化カルシウム主体の消化粉末を得る消化工程、を含む、
    除草相乗剤の製造方法。
  11. 前記貝殻又はその粉砕物が、ホタテ貝殻又はその粉砕物である、請求項10に記載の除草相乗剤の製造方法。
  12. 貝殻又はその粉砕物を加熱し、800℃乃至1500℃の温度下にて焼成して焼成粉末を得る焼成工程、及び
    続いて700℃乃至1200℃の温度下にて前記焼成粉末に加水し、水和(消化)させて水酸化カルシウム主体の消化粉末を得る消化工程、を含む、
    成長抑制相乗剤の製造方法。
  13. 前記貝殻又はその粉砕物が、ホタテ貝殻又はその粉砕物である、請求項12に記載の成長抑制相乗剤の製造方法。
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