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JP2009242394A - マンノースを用いる植物の成長調節方法 - Google Patents

マンノースを用いる植物の成長調節方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 マンノースを有効成分とする植物生長調節剤を提供すること。
【解決手段】 マンノースを有効成分とする植物生長調節剤。マンノースを植物生長調節因子の誘導に使用することを特徴とする植物の成長調節方法。植物生長調節因子の誘導は、カイワレダイコンの成長調節、花粉管の伸長阻害、開花促進、ブロッコリーのスプラウトの成長調節である。
【選択図】 図1

Description

本発明はマンノースを用いる植物の成長調節に関し、より詳細には、マンノースを有効成分とする植物生長調節剤、およびマンノースを植物生長調節因子の誘導に使用する植物の成長調節方法に関するものである。
植物が生長するには種々の栄養素が必要である。例えば、肥料三大要素として窒素、リン、カリが知られている。さらに、ミネラル類として、Ca、Mg、Fe、S、B、Mn、Cu、Zn、Mo、Cl、Si、Na等が必要である。これら窒素、リン、カリウム等の栄養成分やミネラル類は元肥や追肥の形で施肥されたり、液体肥料を希釈して土壌灌注あるいは葉面散布で与えられる。またメリクロン苗の生産など植物組織培養においては、培地成分として添加されている。これらの成分は、植物の生長に必要な不可欠のものであるが、ある程度の濃度以上に与えても、植物の生長及び収量の向上にはそれ以上貢献できない。
しかし、農作物の生長を促進し、単位面積当たりの収穫量を増やして増収を図ったり栽培期間を短縮することは農業生産上重要な課題であり、そのために必要な種々の植物生長調節剤が開発利用されている。ジベレリンやオーキシン等に代表される植物生長調節剤は、発芽、発根、伸長、花成り、着果等生育、形態形成反応の調節のために用いられているが、これらの物質の作用は多面的かつ複雑であり、用途が限定されている。このような問題を解決するために、オリゴ糖を用いた葉面散布剤や糖、ミネラル、アミノ酸、海藻抽出物や微生物の発酵エキスを含んだ液状肥料を葉面散布したり、溶液施肥するような技術が知られているが、実用的には効果の点で十分であるとは言えないのが現状である。
また、特許文献1の背景技術に記載されているように、従来の植物生長調節剤は、植物の生長を促進する作用が重要視され、除草剤などを除き植物の生長を抑制する作用を狙ったものではない。しかしながら、定植を控えての苗の貯蔵や観賞用植物の延命などの分野で植物の生長を適正に抑制する技術が求められている。
国際公開2005/112638号公報 国際公開2003/97827号公報。 特開平6−125776号公報 特許第4009720号公報
そこで本発明は、マンノースを有効成分とする植物生長調節剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、マンノースを用いる植物の成長調節方法を提供することを目的とする。より詳細には、マンノースを植物の根・茎・葉面若しくは果実に溶液状態若しくは固体状態で葉面散布、土壌灌注等の方法で、施与して用いる植物生長調節方法を提供することを目的とする。
本発明は、平成20年3月15日に全国スーパーサイエンスハイスクール(SSH)コンソーシアムによる「希少糖をとおしてみる最新のバイオの世界」研修会の後期プログラムにおいて「第一回希少糖甲子園」を開催した時の成果物に基づく。同一種の植物を培地に加える糖の種類あるいは濃度を変えて成長の速度の違い、生育した植物の形状、味の違いを観察した結果、マンノースが植物の生長を抑制するということをはじめて発見し、その発見に基づき本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の(1)に記載の植物生長調節剤を提供する。
(1)マンノースを有効成分とする植物生長調節剤。
また、本発明は、以下の(2)から(6)に記載の植物の成長調節方法を提供する。
(2)マンノースを植物生長調節因子の誘導に使用することを特徴とする植物の成長調節方法。
(3)植物生長調節因子の誘導が、カイワレダイコンの成長調節である(2)に記載の植物の成長調節方法。
(4)植物生長調節因子の誘導が、花粉管の伸長阻害である(2)に記載の植物の成長調節方法。
(5)植物生長調節因子の誘導が、開花促進である(2)に記載の植物の成長調節方法。
(6)植物生長調節因子の誘導が、ブロッコリーのスプラウトの成長調節である(2)に記載の植物の成長調節方法。
本発明によれば、マンノースを有効成分とする植物生長調節剤を提供することができる。
また、本発明によれば、マンノースを用いたことにより、カイワレダイコンやブロッコリーのスプラウトの成長調節、花粉管の伸長阻害、開花促進などの植物生長調節因子の誘導をすることができる。さらにまた、本発明は、マンノースを植物の根・茎・葉面若しくは果実に溶液状態若しくは固体状態で葉面散布、切り枝基部溶液に浸漬、土壌灌注等の方法で、施与して用いる植物生長調節方法を提供することができる。
実施例1の2回目に行った実験の糖による発芽の違いを説明する図面に代わる写真である。 実施例2の3回目に行った実験の糖による発芽の違いを説明する図面に代わる写真である。 実施例2のツバキの花粉(グルコース)の発芽の様子を説明する図面に代わる顕微鏡写真である。
本発明において、植物生長調節剤により処理できる「植物」は、植物という用語自体から認識され得るもの、野菜、果実、果樹、穀物、種子、球根、草花、香草(ハーブ)、分類学上の植物等を表すものとする。
植物として実施例で用いたカイワレダイコンを例にとって説明する。大根の幼苗を暗黒下にて,もやし状に徒長させた後に,明るい場所で葉を緑化させた商品をカイワレと呼び,これは薬味食品として生産されている。カイワレには辛味成分として4−メチルチオ-3-ブテニルイソチオシアネート( 4-methylthio-3-butenyl-isothiocyanate)を含むが、室温において、60分静置すると半減すると考えられており、分解が早い成分であることが予想される。そのため、辛味成分を保持した状態のカイワレの開発が望まれている。収穫したカイワレに対する食味の官能検査は甘味、酸味、苦味、塩味、旨味、渋味、辛味、えぐ味、コク、キレ、歯応えの項目でなされることが報告されている。本発明では、カイワレの「辛味」について食味の官能検査を実施した。
本発明で用いるマンノースについて説明する。自然界に多量に存在する単糖は、D−グルコース、D−フルクトース、D−ガラクトース、D−マンノース、D−リボース、D−キシロース、L−アラビノースの7種類あり、マンノースはこの7種類に含まれる。それ以外の単糖は、自然界における存在量が少なく希少糖に分類することができる(特許文献2)。また、糖アルコールは単糖を還元してできるが、自然界にはD−ソルビトールおよびD−マンニトールが比較的多いが、それ以外のものは量的には少ないので、これらも本発明に従う希少糖と定義される。これらの希少糖は、これまで入手が困難であったが、自然界に多量に存在する単糖から希少糖を生産する方法が開発されつつあり、その技術を利用して製造することができる。
最も有名なキシリトールは、未利用資源の木質から生産できるD−キシロースを還元することで容易に生産できる。希少糖のうち、現在大量生産ができている。
プシコースの属する希少糖について説明する。「希少糖」とは、自然界に微量にしか存在しない単糖と定義づけることができる。自然界に多量に存在する単糖は、D−グルコース、D−フルクトース、D−ガラクトース、D−マンノース、D−リボース、D−キシロース、L−アラビノースの7種類あり、それ以外の単糖は、自然界における存在量が少なく希少糖に分類することができる。
希少糖のうち、現在大量生産ができているD−プシコースという希少糖について説明する。プシコースは、単糖類の中で、ケトン基を持つ六炭糖の一つである。このプシコースには光学異性体としてD体とL体とが有ることが知られている。ここで、D−プシコースは既知物質であるが自然界に希にしか存在しないので、国際希少糖学会の定義によれば「希少糖」と定義されている。D−プシコースは、ケトースに分類されるプシコースのD体であり六炭糖(C6H12O6)である。このようなD−プシコースは、自然界から抽出されたもの、化学的またはバイオ的な合成法により合成されたもの等を含めて、どのような手段により入手してもよい。比較的容易には、例えば、エピメラーゼを用いた手法(例えば、特許文献3参照)により調製されたものでもよい。得られたD−プシコース液は、必要により、例えば、除蛋白、脱色、脱塩などの方法で精製され、濃縮してシラップ状のD−プシコース製品を採取することができ、更に、カラムクロマトグラフィーで分画、精製することにより99%以上の高純度の標品も容易に得ることができる。このようなD−プシコースは単糖としてそのまま利用できるほか、必要に応じて各種の誘導体として用いることも期待される。
本発明のマンノースを有効成分とする植物生長調節剤の形態は、液体、ペースト、水和剤、粒剤、粉剤、錠剤等いずれでも良い。本発明の植物生長調節剤の植物への供給方法としては色々な手段を使うことができる。例えば、粉剤や粒剤を散布したり、希釈された水溶液を葉面、茎、果実等直接植物に散布したり、土壌中に注入する方法や水耕栽培やロックウールのように根に接触している水耕液や供給水に希釈混合して供給したりする方法が挙げられる。たとえば、水耕液や供給水に希釈混合して供給したりする場合は、各種濃度(0.005〜0.5 M)のマンノースを液肥に溶かして処理し、水耕で育苗して、最適濃度を決定することができる。マンノースの植物への供給は、供給方法が変わった場合も上記濃度範囲が参考にされ適宜決定することができる。
本実施形態にかかるカイワレ大根の製造工程例を説明する。先ず原水として水道水、地下水などを用意し、この水から使用水を作成する。水道水は水道法による水質基準に適合した飲用適の水を指しており、本実施形態では水道水をストレーナで濾過したものを用いる。
一方、粉体肥料を用いて溶解工程により液肥原液とし、この液肥原液に使用水及び必要に応じて地下水を加えて希釈液肥を作製する。栽培容器は前記使用水もしくは地下水を用いて洗浄殺菌工程により前処理する。他に播種用のウレタンと梱包用のポット及びフィルムを用意する。
上記希釈液肥として、たとえば水1容と液肥原液3容の割合の希釈液肥を用いる。具体的に希釈液肥を作製する例として、使用水を用いる場合には、調整の目安として水20リットルに対して水耕肥料1号を30グラム、水耕肥料2号を20グラム配合することによって好ましい結果が得られる。また、水の給水量が少ないとき及び地下水の水量に応じて該地下水を適宜に添加しても良い。
本発明によるカイワレ大根の栽培は、先ず種子を用意し、芽出しを良くするため前記使用水中に種子を6〜8時間程度浸漬する。具体例として、種子の0.8リットルを8リットルの使用水中に7時間浸す。この種子を使用水から引き上げて水洗いしてから水切りを行い、発芽室で1晩寝かす。
次に2日目、前記ウレタンと使用水を利用して発芽した種子を播種し、使用水の散水と適量の希釈液肥を与えながら日の当たらない場所で栽培を行い、3日目では日当たりの良い室内で室温を管理しながら使用水の散水と希釈液肥を施して緑化を行う。さらに2日〜3日後収穫する。
上記種子を浸漬する使用水として、マンノースの水溶液を用いることができる。上記栽培水と液肥にマンノース水溶液を加える場合、各種濃度(0.005〜0.5 M)のマンノース水溶液を用意しそれらに加え、水耕で育苗する。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は実施例によってなんら限定されるものではない。
かいわれ大根と糖の関係
[実験内容]
糖は動物にとってエネルギー源である。植物は光合成によって糖をつくるが、光合成を行っていない段階の発芽・成長に糖が影響を及ぼすかどうかに関する関係を観察する。
[実験方法]
(1)用いた糖(濃度:0.2モル/L)
下記の8種類のすべての糖と、デンプン(Starch)を用いた。
D-グルコース Sigma市販試薬
D-フルクトース Sigma市販試薬
D-マンノース Sigma市販試薬
D-プシコース D−フルクトースから生産
キシリトール Sigma市販試薬
トレハロース 林原製品
スクロース Sigma市販試薬
デンプン
和光純薬市販試薬
(2)行った実験
糖を用いたかいわれ大根の育成と観察
1回目 純水に浸水させ、種蒔時に糖の水溶液を与える
2回目 糖の水溶液に浸水させ、種蒔時にも糖の水溶液を与える
3回目 純水と糖水溶液とに浸水させ、種蒔時に糖の水溶液を与える
[結果と考察]
かいわれ大根の成長については、与える糖によってあきらかな違いがみられ、マンノースとプシコースが発芽した数が少なく、発芽してもそこからはあまり成長はしなかった。
2回目に行った実験でも、やはりマンノースとプシコースは発芽せず、キシリトール、フラクトース、グルコース、トレハロースは水に比べてあまり成長しなかった。2回目に行った実験の糖による発芽の違いを図1に示す。1回目および2回目に行った実験の糖による発芽と成長の違いを表1に示す。
観察で理解できることは、マンノースとプシコースが発芽と成長を明らかに抑制している。この結果から、同じ分子量の単糖であっても植物に与える影響は全くことなることである。
D-マンノースとD-グルコースの構造式を比較してみると、化1に示すように炭素2に結合する OH の位置が反対側になっているだけである。分子量も元素の数も全く同じである。このわずかな結合の違いが生物に対して、全く異なる反応として現れていることを示している。
またD-プシコースとD-フラクトースとについて比較してみると、これもD-マンノースとD-グルコースの場合と同様に同じ分子量で同じ原子の数であるが全く異なる作用を示している。しかしこの二つの構造の違いは、化2に示すように炭素の3番目の OH の結合の方向がことなる。
すなわち、炭素に結合するこれらの二つの糖による比較によって植物は糖の炭素2のOH の位置も、炭素3のOHの位置の違いも敏感に見分けて反応しているということが学習できる。
そして、成長したかいわれ大根を食べてみる。はっきりとした味の差が生じ、キシリトールがとても辛くなっていることが理解できる。キシリトールは人には甘くて虫歯にいい甘味料として広く利用されている。それを植物はどのように反応するかが理解できる。発芽や成長には影響はほとんど見られない。しかし味が辛くなっていることは、キシリトールのカイワレ大根への影響は、辛みを増すという物質として作用している。
すなわち、キシリトールは、カイワレ大根の栽培に用い、カイワレ大根の生体の中で生産される辛み成分の量を増加させるカイワレ大根の辛み成分増加剤として作用している。
〔糖の違いによる花粉管の伸長について〕
[目的]
植物の成長に対する糖の影響を調べることを目的として本実験を行った。植物の種子には発芽のための養分が備わっており,成長の影響を調べることは困難であると考えた。そこで,成長のための養分をほとんど持っていないと考えられる花粉を材料に,糖を添加した寒天培地で花粉を培養し,花粉管の伸長の違いを調べる実験を試みた。
[実験方法]
(1)用いた糖
スクロース、グルコース、フルクトース、キシリトール、マンノース、プシコースの6種類を用いた。
スクロース Sigma市販試薬
D-グルコース Sigma市販試薬
D-フルクトース Sigma市販試薬
キシリトール Sigma市販試薬
D-マンノース Sigma市販試薬
D-プシコース D-フルクトースから生産
(2)花粉管の培養
使用した花粉は,ツバキ,スギ,コデマリ,ユリ,ガーベラを用いた。それぞれの花粉は,デシケータ中で1日乾燥させた。各糖の濃度が8%になるように調整した寒天培地に,それぞれの花粉が均一になるように表面に散布した。その後,それぞれの培地で一定時間放置した。(室温は約15℃)
※コデマリ、ユリ、ガーベラは花屋で購入したものを使用した。
(3)花粉管の伸長の調べ方
一定時間ごとにそれぞれの培地の一部を取り出して,発芽率や花粉管の伸び具合を顕微鏡で観察した。
[結果と考察]
ツバキとコデマリについては、24時間以内での発芽がみられた。特にツバキについては、花粉散布後3時間以内に発芽がみられるものもあった。スクロース、グルコース、フルクトースについては、発芽率・花粉管の伸長ともによかったが、マンノース、プシコースについては、ほとんど発芽しなかった。ツバキの花粉(グルコース)の発芽の様子を説明する顕微鏡写真を図3に示す。
ツバキとコデマリにおいて花粉管の伸長がみられたのは、花粉管の伸長は温度の影響を受けやすく、これらの花の開花時期と一致しているからだと考えられる。
結果を表2にまとめた。この結果はカイワレ大根の場合と同様に、D−マンノースとD−プシコースとが抑制効果を示している。このことは前述のように、単糖の微妙な構造の違いを植物は認識することを理解できる。
〔各種糖類のブロッコリーのスプラウト育成への影響について〕
[目的]
ブロッコリーの種子を発芽させ、スプラウトを育成させる過程における各種糖類の影響を検討することを目的に実験を行った。
[実験方法]
1)種子の育成方法
ブロッコリーの種子を8時間水に浸漬したのち、実験に用いた。直径1.5cm深さ1.5cmの円柱形のプラスティックの穴を24個が一つのなっているプレートを用いて実験を行った。脱脂綿を穴の体積の半量いれ、水に浸漬したブロッコリー種子10個を脱脂綿の上にのせて実験を開始した。温度は25℃において暗所で行った。脱脂綿には水のみ、あるいは各種の糖質を溶解したものを用いた。
2)生育への影響の確認方法
定期的にそれぞれの穴に接種した種子の発芽の状況を観察し、糖を添加していないものと、糖を添加したものとの比較をすることで確認した。
3)添加した糖
糖類の水溶液濃度を10%に水道水に溶解し、糖類を添加しないものを対象として実験を行った。用いた糖類は、スクロース、キシリトール、トレハロース、D−マンノース、D−プシコース、D−フルクトース、D−グルコースを用いた。一つの穴に1mlを添加した。
スクロース Sigma市販試薬
キシリトール Sigma市販試薬
トレハロース 林原製品
D-マンノース Sigma市販試薬
D-プシコース D−フルクトースから生産
D-フルクトース Sigma市販試薬
D-グルコース Sigma市販試薬
結果は、花びらの様子を観察することで比較した。
[結果と考察]
水の場合と比較すると糖と添加したものは、発芽と成長の速度はいずれも遅くなった。D−マンノースとD−プシコースが明らかに、発芽・生育の速度は明らかに強く阻害され一週間後においても発芽は観察されなかった。
定性的な結果として、D−マンノースおよびD−プシコースは明らかに、ブロッコリーの発芽を強く抑制した。特にD−プシコースの抑制に関しては、多くの植物に関する抑制効果が認められているが、D−マンノースによる抑制は全く予想外のことであった。
希少糖であるD−プシコースは植物にとっては、異物として認識されエリシター等の反応を起こすことからも分かるように、D−プシコースの各種植物への阻害効果は既にしられている(特許文献4)。
しかし、D−マンノースのD−プシコースとどうようの抑制効果が見いだされたのは全くの予想外のものであった。
D−マンノースはこんにゃくマンナンなどの主成分であり、多くの生体内の糖鎖の中、その他の自然界に多く存在する単糖である。従って、D−グルコースと同様に植物への影響は無いというのが一般に予想されていることであった。このD−マンノースの抑制効果は、希少糖外の単糖による植物への抑制的効果である。このことは全く新しい抑制剤としての効果を期待できること、D−マンノースは非常に安価にD−フラクトースからイソメラーゼを用いることで生産することができる。
すなわち、産業的にはこんにゃく業界での廃棄物から容易に安価に生産できること、さらに大量にはD−フラクトースから異性化酵素によって生産可能であることなどを考慮すると、工業的に安価なそして安全な植物生育抑制剤として利用できる可能性が高いと期待できる。



Claims (6)

  1. マンノースを有効成分とする植物生長調節剤。
  2. マンノースを植物生長調節因子の誘導に使用することを特徴とする植物の成長調節方法。
  3. 植物生長調節因子の誘導が、カイワレダイコンの成長調節である請求項2に記載の植物の成長調節方法。
  4. 植物生長調節因子の誘導が、花粉管の伸長阻害である請求項2に記載の植物の成長調節方法。
  5. 植物生長調節因子の誘導が、開花促進である請求項2に記載の植物の成長調節方法。
  6. 植物生長調節因子の誘導が、ブロッコリーのスプラウトの成長調節である請求項2に記載の植物の成長調節方法。
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