[本願発明の実施形態の説明]
本発明の実施の形態に係る車載装置は、車載装置であって、車両の走行方向の複数の交差点に設置された信号灯器それぞれの信号情報を取得する信号情報取得部と、前記車両及び前記複数の交差点の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記信号情報取得部で取得した信号情報及び前記位置情報取得部で取得した位置情報に基づいて、前記車両が前記複数の交差点を信号待ちすることなく通過するための推奨速度域を算出する推奨速度域算出部と、該推奨速度域算出部で算出した推奨速度域に係る推奨速度情報を含む運転支援情報を送信する送信部とを備える。
本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、車両の走行方向の複数の交差点に設置された信号灯器それぞれの信号情報を取得する信号情報取得部と、前記車両及び前記複数の交差点の位置情報を取得する位置情報取得部と、取得した信号情報及び位置情報に基づいて、前記車両が前記複数の交差点を信号待ちすることなく通過するための推奨速度域を算出する推奨速度域算出部と、該推奨速度域算出部で算出した推奨速度域に係る推奨速度情報を含む運転支援情報を生成する生成部として機能させる。
信号情報取得部は、車両の走行方向の複数の交差点に設置された信号灯器それぞれの信号情報を取得する。信号情報は、例えば、現在表示中の灯色の残存時間、各灯色の表示時間などを含む。
位置情報取得部は、車両の位置情報及び複数の交差点の位置情報を取得する。車両の位置情報及び交差点の位置情報に基づいて、車両と交差点との距離を取得することができる。また、交差点の位置情報に交差点までの距離を含めることもできる。
推奨速度域算出部は、取得した信号情報及び位置情報に基づいて、車両が複数の交差点を信号待ちすることなく通過するための推奨速度域を算出する。推奨速度域は、例えば、Vp1〜Vp2(>Vp1)の如く範囲で表すことができ、車速(自車速)がVp1〜Vp2の範囲で走行すれば、複数の交差点それぞれで信号待ちをすることなく通過することができる速度範囲である。
送信部は、推奨速度域算出部で算出した推奨速度域に係る推奨速度情報を含む運転支援情報を送信する。これにより、推奨速度域に係る推奨速度情報を含む運転支援情報を提供することができる。また、自車両に追従して走行する後方車両の運転者は、前方の自車両が推奨速度で走行していることが分かるので、不快に感じることがなく、前方の自車両との車間距離を詰めて前方の自車両に対して速度を上げるような危険な運転を行うおそれを防止することができる。なお、送信する運転支援情報と同じ運転支援情報を自車両の運転者に提供するようにしてもよい。
本発明の実施の形態に係る車載装置は、車載装置であって、所定の推奨速度域に係る推奨速度情報を含む運転支援情報を送信する送信部を備える。
送信部は、所定の推奨速度域に係る推奨速度情報を含む運転支援情報を送信する。推奨速度域は、例えば、Vp1〜Vp2(>Vp1)の如く範囲で表すことができ、車速(自車速)がVp1〜Vp2の範囲で走行すれば、複数の交差点それぞれで信号待ちをすることなく通過することができる速度範囲である。
これにより、推奨速度域に係る推奨速度情報を含む運転支援情報を提供することができる。また、自車両に追従して走行する後方車両の運転者は、前方の自車両が推奨速度で走行していることが分かるので、不快に感じることがなく、前方の自車両との車間距離を詰めて前方の自車両に対して速度を上げるような危険な運転を行うおそれを防止することができる。なお、送信する運転支援情報と同じ運転支援情報を自車両の運転者に提供するようにしてもよい。
本発明の実施の形態に係る車載装置は、前記信号情報取得部で取得した信号情報及び前記位置情報取得部で取得した位置情報に基づいて、前記複数の交差点のうち直近の交差点に設置された信号灯器の複数の灯色それぞれの表示時間の間に前記車両が前記交差点を通過することになる速度域を算出する速度域算出部を備え、前記送信部は、前記速度域算出部で算出した速度域に係る速度情報を含む前記運転支援情報を送信する。
速度域算出部は、取得した信号情報及び位置情報に基づいて、複数の交差点のうち直近の交差点に設置された信号灯器の複数の灯色それぞれの表示時間の間に車両が交差点を通過することになる速度域を算出する。速度域は、車両と直近の交差点との間の距離、信号灯器の表示開始時刻、表示時間などに基づいて算出することができる。なお、便宜上、灯色が青の間に通過することになる速度域を青信号通過速度、灯色が黄の間に通過することになる速度域を黄信号通過速度、灯色が赤の間に通過することになる速度域を赤信号通過速度とも称する。
送信部は、算出した速度域に係る速度情報を含む運転支援情報を送信する。すなわち、運転者は、複数の交差点を通過可能な推奨速度域だけでなく、直近の交差点を通過する際の灯色と当該灯色に対応する速度域(青信号通過速度、黄信号通過速度、赤信号通過速度)も同時に認識することができる。
これにより、運転支援情報の提供を受けた運転者(例えば、後方車両の運転者、自車両の運転者)は、直近の交差点を青信号で通過するための速度域も分かるので、直近の交差点を青信号で通過することができるのか不安を感じることがなく、運転者の不安感を軽減することができる。また、推奨速度域だけでなく、青信号通過速度、黄信号通過速度及び赤信号通過速度も分かるので、運転者は、どの程度の速度で走行するとどうなるのかを容易に把握することができ、所望の速度で運転することを支援することができる。
本発明の実施の形態に係る車載装置は、前記送信部は、前記複数の交差点のうち直近の交差点までの距離に係る距離情報を含む前記運転支援情報を送信する。
送信部は、複数の交差点のうち直近の交差点までの距離に係る距離情報を含む運転支援情報を送信する。これにより、運転支援情報の提供を受けた運転者(例えば、後方車両の運転者、自車両の運転者)は、直近の交差点までの距離を把握することができ、所望の速度で運転することを支援することができる。
本発明の実施の形態に係る車載装置は、前記送信部は、前記推奨速度域で通過する対象の各交差点までの距離に係る距離情報を含む前記運転支援情報を送信する。
送信部は、推奨速度域で通過する対象の各交差点までの距離に係る距離情報を含む運転支援情報を送信する。これにより、運転支援情報の提供を受けた運転者(例えば、後方車両の運転者、自車両の運転者)は、推奨速度域で通過する対象の各交差点までの距離を把握することができ、所望の速度で運転することを支援することができる。
本発明の実施の形態に係る車載装置は、前記送信部は、前記速度域算出部で算出した速度域が所定の制限速度を超える場合、該制限速度以下の速度域に係る速度情報を含む前記運転支援情報を送信する。
送信部は、速度域算出部で算出した速度域が所定の制限速度を超える場合、制限速度以下の速度域に係る速度情報を含む運転支援情報を送信する。例えば、青信号通過速度の一部が制限速度を超える場合、制限速度以下の速度域に係る速度情報を含む運転支援情報を送信し、制限速度を超える速度域に係る速度情報は送信しない。これにより、制限速度を超えて走行する事態を防止して安全性を高めることができる。また、不要な運転支援情報の送信を防止することができる。
本発明の実施の形態に係る車載装置は、前記車両の前方を走行する前方車両の速度情報を取得する前方車両情報取得部を備え、前記送信部は、前記速度域算出部で算出した速度域のうち、前記前方車両の速度に所定値を加算した加算速度以下の速度域に係る速度情報を含む前記運転支援情報を送信する。
前方車両情報取得部は、車両の前方を走行する前方車両の速度情報を取得する。送信部は、速度域算出部で算出した速度域のうち、前方車両の速度に所定値を加算した加算速度以下の速度域に係る速度情報を含む運転支援情報を送信する。所定値は、例えば、0〜5km/h程度の値とすることができ、車両(自車)が前方車両の接近しすぎないようにするために設定することができる。これにより、前方車両に接近しすぎる事態を防止して安全性を高めることができる。
本発明の実施の形態に係る車載装置は、前記車両が停止しているか否かを判定する停止判定部を備え、前記送信部は、前記停止判定部で前記車両が停止していると判定した場合、前記運転支援情報を送信しない。
停止判定部は、車両が停止しているか否かを判定する。送信部は、車両が停止していると判定した場合、運転支援情報を送信しない。車両が停止している場合は、運転支援情報は必要ないので、不要な情報の送信をやめることにより、運転者が煩わしいと感じることを防止することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る車載装置及びコンピュータプログラムの実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の車載装置50を含む運転支援システムの構成の一例を示すブロック図である。運転支援システムは、車載装置50、車載装置50を搭載した車両1、2、路側装置20、情報提供装置10などを備える。なお、以下の説明では、便宜上、車両1を自車両(自車)1とする。
車両1、2の間は、車車間通信を行うことができる。また、車両1、2と路側装置20との間は、路車間通信を行うことができる。また、車両1、2と情報提供装置10との間、及び路側装置20と情報提供装置10との間は、電話回線による通信又はインターネット通信などを行うことができる。
情報提供装置10は、例えば、グローバル・テレマティクス・サーバであり、プローブ車両からプローブ情報を収集し、車両からの要求に応じて推奨経路情報又は道路交通情報などを送信する。
情報提供装置10は、路側装置20、車両1、2から受信した情報をそのまま送信することができ、また受信した情報の所定の処理を加えて得られた情報を送信することができる。また、路側装置20は、情報提供装置10、車両1、2から受信した情報をそのまま送信することができ、また受信した情報の所定の処理を加えて得られた情報を送信することができる。
図2は本実施の形態の車載装置50の構成の一例を示すブロック図である。車載装置50は、装置全体を制御する制御部51、通信部52、GPS受信部53、ナビゲーション部54、センサ部55、所定の情報を記憶する記憶部56、推奨速度域算出部57、速度域算出部58、走行判定部59、停止判定部60などを備える。
図3は本実施の形態の車載装置50を搭載した自車両1の走行の様子の一例を示す模式図である。図3に示すように、自車両1の走行方向には、複数の交差点としての交差点A、Bがある。交差点Aには信号灯器201が設置され、交差点Bには信号灯器202が設置されている。交差点Aは、自車両1から見て直近の交差点である。また、自車両1の後方には、後続車両2(後方車両)が走行している。なお、図3では交差点を2つ例示しているが、交差点の数は2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。
通信部52は、車車間通信、路側装置20との間の路車間通信、情報提供装置10との間の電話回線による通信又はインターネット通信などの機能を有する。
通信部52は、信号情報取得部としての機能を有し、例えば、路側装置20又は情報提供装置10から、自車両1の走行方向の複数の交差点に設置された信号灯器それぞれの信号情報を取得する。信号情報は、例えば、現在表示中の灯色の残存時間、各灯色の表示時間などを含む。
また、通信部52は、位置情報取得部としての機能を有し、自車両1の走行方向の複数の交差点の位置情報を取得する。交差点の位置情報に交差点までの距離を含めることもできる。
GPS受信部53は、DGPS(ディファレンシャルGPS)又はRTK−GPS(Real-Time KinematicGPS)などのGPS受信機能を備え、複数のGPSを含むGNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からの電波を随時繰り返し受信し、自車位置を測位する。すなわち、GPS受信部53は、位置情報取得部としての機能を有し、自車両1の位置情報を取得する。これにより、車載装置50は、任意の地点での自車両1の位置を取得することができる。自車両1の位置情報及び交差点の位置情報に基づいて、自車両1と交差点との距離を取得することができる。
センサ部55は、車速センサ、ジャイロセンサ、距離計、超音波センサ、ミリ波センサ等の車載センサ、ビデオカメラなどを備える。ビデオカメラは、例えば、車両のフロントグリル、前部バンパなどに配置され、自車両1の前方を走行する前方車両を撮像できるようにしてある。
ナビゲーション部54は、地図データベース等を内蔵し、GPS受信部53からの情報、センサ部55からの情報に基づいて、自車両1の位置(例えば、複数の交差点それぞれからの距離など)、自車両1の速度等を所定の時間周期(例えば、0.1秒)で求めることができる。
推奨速度域算出部57は、取得した信号情報及び位置情報に基づいて、自車両1が複数の交差点A、Bを信号待ちすることなく通過するための推奨速度域を算出する。推奨速度域は、例えば、Vp1〜Vp2(>Vp1)の如く範囲で表すことができ、車速(自車速)がVp1〜Vp2の範囲で走行すれば、複数の交差点A、Bそれぞれで信号待ちをすることなく通過することができる速度範囲である。
通信部52は、送信部としての機能を有し、所定の推奨速度域に係る推奨速度情報を含む運転支援情報を送信する。例えば、通信部52は、推奨速度域算出部57で算出した推奨速度域に係る推奨速度情報を含む運転支援情報を送信することができる。
これにより、推奨速度域に係る推奨速度情報を含む運転支援情報を提供することができる。また、自車両に追従して走行する後方車両の運転者は、前方の自車両が推奨速度で走行していることが分かるので、不快に感じることがなく、前方の自車両との車間距離を詰めて前方の自車両に対して速度を上げるような危険な運転を行うおそれを防止することができる。なお、送信する運転支援情報と同じ運転支援情報を自車両の運転者に提供するようにしてもよい。
速度域算出部58は、取得した信号情報及び位置情報に基づいて、複数の交差点A、Bのうち直近の交差点Aに設置された信号灯器201の複数の灯色それぞれの表示時間の間に自車両1が交差点を通過することになる速度域を算出する。速度域は、自車両1と直近の交差点Aとの間の距離、信号灯器201の表示開始時刻、表示時間などに基づいて算出することができる。なお、便宜上、灯色が青の間に通過することになる速度域を青信号通過速度、灯色が黄の間に通過することになる速度域を黄信号通過速度、灯色が赤の間に通過することになる速度域を赤信号通過速度とも称する。また、青信号通過速度、黄信号通過速度及び赤信号通過速度を纏めて信号通過速度と称する。
図4は本実施の形態の車載装置50による推奨速度域及び信号通過速度の算出方法の一例を示す模式図である。図4において、横軸は距離を示し、具体的には複数の交差点それぞれからの距離を示す。図4の縦軸は時間を示す。また、図4では、交差点A、Bにおける信号灯器の灯色(青、黄、赤)の表示及び切り替わりを便宜上縦棒で示す。また、図4中の斜線は、自車両1の走行軌跡を示し、各線分の傾きが自車両1の車速(自車速)を表す。
図5は本実施の形態の車載装置50による推奨速度域及び信号通過速度の計算式の一例を示す説明図である。図5は図4に例示する場合の自車両1の速度を示す。例えば、自車両1が直近の交差点Aを通過する際の赤信号通過速度を速度V1〜V2(>V1)の範囲とすると、速度V1は、V1=La/(Tra+Ra)で算出することができる。ここで、Laは自車両1の位置Xと交差点Aとの間の距離である。また、Traは、交差点Aの現在時刻から赤信号開始までの時間であり、Raは交差点Aの赤信号の表示時間である。また、速度V2は、V2=La/Traで算出することができる。すなわち、自車両1が速度V1〜V2の範囲の速度で走行すると、交差点Aを通過する際の信号灯器201の灯色は赤となる。
また、自車両1が直近の交差点Aを通過する際の黄信号通過速度を速度V2〜V3(>V2)の範囲とすると、速度V3は、V3=La/Tyaで算出することができる。ここで、Tyaは、交差点Aの現在時刻から黄信号開始までの時間である。すなわち、自車両1が速度V2〜V3の範囲の速度で走行すると、交差点Aを通過する際の信号灯器201の灯色は黄となる。
また、自車両1が直近の交差点Aを通過する際の青信号通過速度を速度V3〜V4(>V3)の範囲とすると、速度V4は、V4=La/Tgaで算出することができる。ここで、Tgaは、交差点Aの現在時刻から青信号開始までの時間である。すなわち、自車両1が速度V3〜V4の範囲の速度で走行すると、交差点Aを通過する際の信号灯器201の灯色は青となる。
また、自車両1が交差点A、Bを信号待ちすることなく通過することができる推奨速度域を速度Vp1〜Vp2(>Vp1)の範囲とすると、速度Vp1は、Vp1=Lb/(Tgb+Gb)で算出することができる。ここで、Lbは自車両1の位置Xと交差点Bとの間の距離である。Tgbは交差点Bの現在時刻から青信号開始までの時間であり、Gbは交差点Bの青信号の表示時間である。また、速度Vp2は、Vp2=Lb/Tgbで算出することができる。すなわち、自車両1が速度Vp1〜Vp2の範囲の速度で走行すると、交差点A、Bを信号待ちすることなく通過することができる。
通信部52は、速度域算出部58で算出した速度域に係る速度情報を含む運転支援情報を送信する。すなわち、運転支援情報の提供を受けた運転者(例えば、後方車両の運転者、自車両の運転者)は、複数の交差点を通過可能な推奨速度域だけでなく、直近の交差点を通過する際の灯色と当該灯色に対応する速度域(青信号通過速度、黄信号通過速度、赤信号通過速度)も同時に認識することができる。
これにより、運転支援情報の提供を受けた運転者(例えば、後方車両の運転者、自車両の運転者)は、直近の交差点を青信号で通過するための速度域も分かるので、直近の交差点を青信号で通過することができるのか不安を感じることがなく、運転者の不安感を軽減することができる。また、推奨速度域だけでなく、青信号通過速度、黄信号通過速度及び赤信号通過速度も分かるので、運転者は、どの程度の速度で走行するとどうなるのかを容易に把握することができ、所望の速度で運転することを支援することができる。
次に、車載装置100が提供する運転支援を利用する場合の例について説明する。
図6は本実施の形態の車載装置100が提供する運転支援情報を表示する場合の一例を示す模式図である。図6に例示する表示は、例えば、車両のスピードメータの表示と同様な表示態様となっている。なお、図6の例では、簡便のため自車速は省略している。例えば、赤信号通過速度(V1〜V2)の速度域は赤色の表示を行い、黄信号通過速度(V2〜V3)の速度域は黄色の表示を行い、青信号通過速度(V3〜V4)の速度域は青色の表示を行う。また、推奨速度域(Vp1〜Vp2)の速度域は他の色又は模様(図6の例では斜線で示す)の表示を行う。
すなわち、運転者は、複数の交差点を通過可能な推奨速度域だけでなく、直近の交差点を通過する際の灯色と当該灯色に対応する速度域(青信号通過速度、黄信号通過速度、赤信号通過速度)も同時に認識することができる。
これにより、前述のように、運転者は、直近の交差点を青信号で通過するための速度域も分かるので、直近の交差点を青信号で通過することができるのか不安を感じることがなく、運転者の不安感を軽減することができる。また、推奨速度域だけでなく、青信号通過速度、黄信号通過速度及び赤信号通過速度も分かるので、運転者は、どの程度の速度で走行するとどうなるのかを容易に把握することができ、所望の速度で運転することを支援することができる。
なお、図6は円形状に表示する例であるが、図6の例に限定されるものではない。例えば、縦バー状又は横バー状に表示してもよい。また、音声出力部(不図示)を設けておき、交差点通過時の灯色を音声で出力してもよい。例えば、青信号通過速度の場合には「信号を通過できます。」、黄信号通過速度の場合には「信号が赤になりそうです。」、赤信号通過速度の場合には「信号が赤になります。」の如くである。
なお、図6の例において、推奨速度域及び青信号通過速度だけを表示してもよく、あるいは推奨速度域、青信号通過速度及び黄信号通過速度だけを表示してもよい。
通信部52は、速度域算出部58で算出した速度域が所定の制限速度例えば、40km/hなど)を超える場合、制限速度以下の速度域に係る速度情報を含む運転支援情報を送信する。例えば、青信号通過速度の一部が制限速度を超える場合、制限速度以下の速度域に係る速度情報を含む運転支援情報を送信し、制限速度を超える速度域に係る速度情報は送信しない。これにより、制限速度を超えて走行する事態を防止して安全性を高めることができる。また、不要な運転支援情報の送信を防止することができる。
センサ部55は、前方車両情報取得部としての機能を有し、自車両1の前方を走行する前方車両の速度情報を取得する。
通信部52は、速度域算出部58で算出した速度域のうち、前方車両の速度に所定値を加算した加算速度以下の速度域に係る速度情報を含む運転支援情報を送信する。所定値は、例えば、0〜5km/h程度の値とすることができ、車両(自車)が前方車両の接近しすぎないようにするために設定することができる。これにより、前方車両に接近しすぎる事態を防止して安全性を高めることができる。
停止判定部60は、センサ部55の車速センサで計測した車速に基づいて、自車両1が停止しているか否かを判定する。
通信部52は、停止判定部60で車両が停止していると判定した場合、運転支援情報を送信しない。車両が停止している場合は、運転支援情報は必要ないので、不要な情報の送信をやめることにより、運転者が煩わしいと感じることを防止することができる。
また、通信部52は、複数の交差点のうち直近の交差点までの距離に係る距離情報を含む運転支援情報を送信する。これにより、運転支援情報の提供を受けた運転者(例えば、後方車両の運転者、自車両の運転者)は、直近の交差点までの距離を把握することができ、所望の速度で運転することを支援することができる。
また、通信部52は、推奨速度域で通過する対象の各交差点までの距離に係る距離情報を含む運転支援情報を送信する。これにより、運転支援情報の提供を受けた運転者(例えば、後方車両の運転者、自車両の運転者)は、推奨速度域で通過する対象の各交差点までの距離を把握することができ、所望の速度で運転することを支援することができる。
次に、運転支援情報の表示例について説明する。図7は本実施の形態の車載装置50が提供する運転支援情報の表示の第1実施例を示す模式図であり、図8は本実施の形態の車載装置50が提供する運転支援情報の表示の第2実施例を示す模式図である。なお、図7及び図8では簡便のため、推奨速度域の表示は省略している。図7に示す第1実施例は、自車両1が前方車両に近づいている場合を示し、例えば、衝突までに10秒以内の状態にある場合を示す。なお、衝突までに10秒というのは一例であって、他の秒数でもよく、あるいは前方車両との距離が所定の閾値以下となる状態でもよい。また、図8に示す第2実施例は、前方車両がいないか、あるいは相当程度遠方に存在するような状態を示す。図7及び図8において、格子模様は赤信号通過速度を示し、横線模様は黄信号通過速度を示し、縦線模様は青信号通過速度を示し、斜線模様は制限速度超過速度を示す。また、白抜きは表示がない箇所を示す。
まず、自車両1が前方車両に近づいている場合について説明する。図7に示すように、自車速=0、すなわち自車両1が停止している場合、運転支援情報の表示をしない(メータ表示なし)。車両が停止している場合は、運転支援情報は必要ないので、不要な情報の表示をやめることにより、運転者が煩わしいと感じることを防止することができる。なお、自車両1が前方車両に接近している旨の情報は表示することができる。
前方車両の速度を先行車速と称する。0<自車速(例えば、25km/h)<先行車速(例えば、35km/h)<制限速度(例えば、40km/h)の場合、運転支援情報の表示を行う(メータ表示あり)。そして、速度域の表示は、先行車速までを表示する。なお、速度域の表示を、先行車速に0以外の所定値を加算した加算速度までとしてもよい。これにより、前方車両に接近しすぎる事態を防止して安全性を高めることができる。
0<自車速(例えば、25km/h)<制限速度(例えば、40km/h)<先行車速の場合、運転支援情報の表示を行う(メータ表示あり)。そして、速度域の表示は、制限速度までを表示する。これにより、制限速度を超えて走行する事態を防止して安全性を高めることができる。
0<先行車速(例えば、25km/h)<自車速(例えば、35km/h)<制限速度(例えば、40km/h)の場合、運転支援情報の表示を行う(メータ表示あり)。そして、速度域の表示は、先行車速までを表示する。これにより、前方車両に接近しすぎる事態を防止して安全性を高めることができる。
0<先行車速<制限速度(例えば、40km/h)<自車速(例えば、45km/h)の場合、運転支援情報の表示を行う(メータ表示あり)。そして、自車速が制限速度以上であることを表示する。
次に、前方車両がいないか、あるいは相当程度遠方に存在する場合について説明する。図8に示すように、自車速=0、すなわち自車両1が停止している場合、運転支援情報の表示をしない(メータ表示なし)。車両が停止している場合は、運転支援情報は必要ないので、不要な情報の表示をやめることにより、運転者が煩わしいと感じることを防止することができる。
0<自車速(例えば、25km/h)<先行車速<制限速度(例えば、40km/h)の場合、運転支援情報の表示を行う(メータ表示あり)。そして、速度域の表示は、制限速度までを表示する。これにより、制限速度を超えて走行する事態を防止して安全性を高めることができる。
0<自車速(例えば、25km/h)<制限速度(例えば、40km/h)<先行車速の場合、運転支援情報の表示を行う(メータ表示あり)。そして、速度域の表示は、制限速度までを表示する。これにより、制限速度を超えて走行する事態を防止して安全性を高めることができる。
0<先行車速<自車速(例えば、35km/h)<制限速度(例えば、40km/h)の場合、運転支援情報の表示を行う(メータ表示あり)。そして、速度域の表示は、制限速度までを表示する。これにより、制限速度を超えて走行する事態を防止して安全性を高めることができる。
0<先行車速<制限速度(例えば、40km/h)<自車速(例えば、45km/h)の場合、運転支援情報の表示を行う(メータ表示あり)。そして、自車速が制限速度以上であることを表示する。
走行判定部59は、自車両1が運転支援情報に基づいて走行しているか否かを判定する。例えば、自車両1が、推奨速度域、青信号通過速度、黄信号通過速度又は赤信号通過速度のいずれで走行しているのかを判定する。
通信部52は、自車両1が運転支援情報に基づいて走行していると判定した場合、所定の走行情報を送信する。
例えば、自車両1が推奨速度域で走行している場合、推奨速度域で走行中である旨の情報を外部(例えば、後続車両2)へ送信する。情報の送信は、例えば、車車間通信、路車間通信、又はサーバなどとの無線通信を使用することができる。
これにより、自車両1の後続車両2の運転者が、前方車両(自車両1)が制限速度よりも遅い速度で走行しているため不快に感じるおそれがある場合でも、自車両1が推奨速度域で走行していることを後続車両2に提供するので、後続車両2の運転車が不快を感じることを防止できる。
また、通信部52は、自車両1が青信号通過速度で走行している場合、青信号通過速度で走行中である旨の情報を外部(例えば、後続車両2)へ送信する。
これにより、自車両1が青信号通過速度で走行していることを後続車両2に提供することができ、後続車両2の運転車は、追従して走行すれば直近の交差点Aを青信号で通過することができることが分かるので、直近の交差点Aを青信号で通過できるのか否かを不快に感じることを防止できる。
上述の例では、運転支援情報の提供を受ける後続車両2が車車間通信、路車間通信、又はサーバなどとの無線通信機能を具備していることを前提としたが、以下では、運転支援情報の提供を受ける後続車両2、あるいは運転支援情報を提供する自車両1が車車間通信、路車間通信、又はサーバなどとの無線通信機能を具備しない場合について説明する。
例えば、自車両1が推奨速度域で走行している場合、推奨速度域で走行中である旨の情報を車両の後部に表示する。これにより、自車両1の後方を走行する後続車両2、あるいは運転支援情報を提供する自車両1が車車間通信、路車間通信、又はサーバなどとの無線通信機能を具備しない場合でも、後続車両2の運転者が、前方車両(自車両1)が制限速度よりも遅い速度で走行しているため不快に感じるおそれがある場合でも、前方車両(自車両1)が推奨速度域で走行していることが分かるので、後続車両2の運転車が不快を感じることを防止できる。
また、自車両1が青信号通過速度で走行している場合、青信号通過速度で走行中である旨の情報を車両の後部に表示する。これにより、自車両1の後方を走行する後続車両2、あるいは運転支援情報を提供する自車両1が車車間通信、路車間通信、又はサーバなどとの無線通信機能を具備しない場合でも、自車両1が青信号通過速度で走行していることを後続車両2に提供することができ、後続車両2の運転者は、追従して走行すれば青信号で通過することができることが分かるので、直近の交差点Aを青信号で通過できるのか否かを不快に感じることを防止できる。
図9は本実施の形態の車載装置50が提供する運転支援情報の表示の第3実施例を示す模式図であり、図10は本実施の形態の車載装置50が提供する運転支援情報の表示の第4実施例を示す模式図である。図9に示す第3実施例は、前方車両がいないか、あるいは相当程度遠方に存在するような状態を示す。また、図10に示す第4実施例は、自車両1が前方車両に近づいている場合を示し、例えば、衝突までに10秒以内の状態にある場合を示す。なお、衝突までに10秒というのは一例であって、他の秒数でもよく、あるいは前方車両との距離が所定の閾値以下となる状態でもよい。
まず、前方車両がいないか、あるいは相当程度遠方に存在する場合について説明する。図9に示すように、自車速=0、すなわち自車両1が停止している場合、後部表示を行わない。車両が停止している場合は、情報の表示は不要であるからである。
自車両1が青信号通過速度で走行中の場合、例えば、ナンバープレートの枠を青色で点灯し、青通過速度走行中であることを示す。
また、自車両1が黄信号通過速度で走行中の場合、例えば、ナンバープレートの枠を黄色で点滅し、まもなく赤信号であることを示す。
また、自車両1が赤信号通過速度で走行中の場合、例えば、ナンバープレートの枠を赤色で点滅し、赤信号に変わることを示す。
これにより、車両の走行状況に応じて適切な情報を変更して後方の車両へ伝えることができ、後続車両の運転者の不快感を軽減することができ、また、安全性を高めることができる。
次に、自車両1が前方車両に近づいている場合について説明する。図10に示すように、自車両1が前方車両に近づいている場合には、自車両1が前方車両に接近し、衝突を避けるために減速する可能性があるので、推奨速度域、青信号通過速度、黄信号通過速度又は赤信号通過速度などの運転支援情報を表示しない。また、車両の後部に追突注意を促す情報を表示すべく、ナンバープレートの枠を赤色で点灯する。これにより、運転者の不快感を軽減することができ、また、安全性を高めることができる。
次に、本実施の形態の車載装置50の動作について説明する。図11は本実施の形態の車載装置50の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下では、便宜上処理の主体を制御部51として説明する。制御部51は、自車両1の走行方向にある複数の交差点に設置された信号灯器の信号情報、交差点の位置情報、自車の位置情報を取得する(S11)。
制御部51は、直近の交差点までの距離≦所定距離であるか否かを判定する(S12)。所定距離は、例えば、制限速度で走行した場合に、信号の1サイクルの間に交差点に到達することができる距離とすることができるが、これに限定されるものではない。
直近の交差点までの距離≦所定距離でない場合(S12でNO)、制御部51は、ステップS12の処理を続ける。直近の交差点までの距離≦所定距離である場合(S12でYES)、制御部51は、推奨速度域を算出し(S13)、直近の交差点の信号灯色それぞれの表示中に通過することになる速度域を算出する(S14)。速度域は、例えば、青信号通過速度、黄信号通過速度及び赤信号通過速度である。
制御部51は、自車速と青信号通過速度域との差が閾値以下であるか否かを判定し(S15)、自車速と青信号通過速度域との差が閾値以下である場合(S15でYES)、運転支援情報を送信し(S16)、後述のステップS17の処理を行う。自車速と青信号通過速度域との差が閾値以下でない場合(S15でNO)、制御部51は、ステップS16の処理を行うことなく、後述のステップS17の処理を行う。自車速と青信号通過速度域との差が閾値以下でない場合には、自車両の速度を青信号通過速度域内にするためには、運転者に急加速又は急減速を促す必要があり、却って危険が伴うからである。
制御部51は、処理を終了するか否かを判定し(S17)、処理を終了しない場合(S17でNO)、ステップS11以降の処理を続ける。処理を終了する場合(S17でYES)、制御部51は、処理を終了する。
本実施の形態の車載装置50は、CPU(プロセッサ)、RAMなどを備えた汎用コンピュータを用いて実現することもできる。すなわち、図11に示すような、各処理の手順を定めたコンピュータプログラムをコンピュータに備えられたRAMにロードし、コンピュータプログラムをCPU(プロセッサ)で実行することにより、コンピュータ上で車載装置50を実現することができる。
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。