JP2017083525A - トナー、磁性キャリア及び2成分現像剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ゴースト現象を防止できる静電潜像現像剤用キャリアの提供およびそれを含む低温定着性に優れる結晶性ポリエステルを含有するトナーを含む2成分現像剤の提供を課題とする。【解決手段】2価のアルコール成分モノマーと、ジカルボン酸を含む酸成分モノマーとを重合して得られる非晶性ポリエステル樹脂中に、直鎖状飽和脂肪族ポリエステルユニットで構成される結晶性ポリエステル樹脂が分散し、トナーと、キャリアから構成される2成分現像剤において、キャリアが芯材粒子上に少なくとも結着樹脂とアミノプロピルトリエトキシシランを含む被覆層を有する磁性キャリアであって、走査型顕微鏡により撮影した画像において、磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合が、最小でも磁性キャリア中80個数%であり、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合が、最大でも3.0面積%であることを特徴とする2成分現像剤により上記課題を解決する。【選択図】なし
Description
本発明は、トナー、磁性キャリア及び2成分現像剤に関する。
近年、OA機器の目覚しい発達に伴い、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置が広く普及している。
電子写真方式を利用した画像形成装置では、通常、回転駆動する感光体の表面を帯電装置により均一に帯電する帯電工程;帯電した感光体表面に露光装置によりレーザ光を照射して、感光体表面に静電潜像を形成する露光工程;感光体表面の静電潜像を現像装置によりトナーを用いて現像して、感光体表面にトナー像を形成する現像工程;感光体表面のトナー像を転写装置により転写材(記録媒体)上に転写する転写工程;および定着装置の加熱によりトナー像を転写材上に定着する定着工程を経て画像が形成される。
そして、画像形成動作後に感光体表面上に残留した転写残留トナーは、クリーニング工程においてクリーニング装置により除去されて所定の回収部に回収され、クリーニング後の感光体表面における残留電荷は、次の画像形成に備えるために、除電工程において除電装置により除電される。
感光体表面の静電潜像を現像するための現像剤には、トナーのみを含む1成分現像剤と、トナーと電子写真用キャリア(以下「キャリア」、「磁性キャリア」ともいう)とを含む2成分現像剤とがある。
2成分現像剤は、キャリアにより、トナーの均一分散、搬送および帯電という機能が付与され、トナー自体がキャリアの機能を併せもつ必要がなく、トナーとキャリアとで機能を分離できるので、トナーのみを単独で含む1成分現像剤よりも制御性が向上し、高画質画像が得られ易いという特徴を有する。このため、2成分現像剤を構成するトナーおよびキャリアならびに併用に関する研究が盛んに行われている。
2成分現像剤は、キャリアにより、トナーの均一分散、搬送および帯電という機能が付与され、トナー自体がキャリアの機能を併せもつ必要がなく、トナーとキャリアとで機能を分離できるので、トナーのみを単独で含む1成分現像剤よりも制御性が向上し、高画質画像が得られ易いという特徴を有する。このため、2成分現像剤を構成するトナーおよびキャリアならびに併用に関する研究が盛んに行われている。
キャリアは、トナーを所望の帯電量に安定して帯電させる機能と、トナーを感光体に搬送する機能という2つの基本機能を有する。キャリアは、現像槽内で撹拌され、マグネットローラー上に搬送され、磁気穂を形成して規制ブレードを通過して再び現像槽内に戻り、繰り返し使用される。したがって、キャリアには、継続して使用される中で、安定した基本機能、特に安定的にトナーを帯電させる機能が求められる。
また、キャリアは、その電気特性(抵抗)によってはキャリア上がりを誘発したり、画像の白抜けといった画質への影響も大きい。
キャリアの基本機能を維持するために、例えば、キャリア芯材表面を、表面張力の高いスチレン−アクリル共重合体樹脂やポリウレタン樹脂で、または表面張力の低いフッ素樹脂で樹脂被覆層(以下「樹脂層」、「被覆層」ともいう)を形成する方法が提案されている。
キャリアの基本機能を維持するために、例えば、キャリア芯材表面を、表面張力の高いスチレン−アクリル共重合体樹脂やポリウレタン樹脂で、または表面張力の低いフッ素樹脂で樹脂被覆層(以下「樹脂層」、「被覆層」ともいう)を形成する方法が提案されている。
しかしながら、表面張力の高い樹脂では、キャリア芯材との密着性は良好であるが、トナーがスペント(消耗)し易いという問題がある。また、表面張力の低い樹脂では、トナースペントに対しては有効であるが、キャリア芯材との密着性に劣り、キャリアを現像槽内で撹拌すると、樹脂層が剥れて帯電の安定化が図れないという問題がある。
そこで、特開平1−284862号公報(特許文献1)では、所望の帯電性を得るために、アミノシランカップリング剤を含有するシリコーン樹脂でキャリア芯材を被覆したキャリアが提案されている。
他方、近年では電子写真のフルカラー化が進み、それに伴ってトナーの改良、例えば、トナーの低温定着性を向上させるために、結着樹脂中に結晶性ポリエステル樹脂を分散させる、結着樹脂の改良も盛んに行われている。
結晶性ポリエステル樹脂を結着樹脂中に含有したトナーは、非晶性ポリエステル樹脂のみを結着樹脂として製造されたトナーより強度が低く、トナー劣化が進行しやすいといった問題がある。これは、トナーが現像槽中で長期間撹拌されることでトナーのコアが露出し、トナーの付着力が強まるため、現像スリーブの現像剤釈放部において、現像スリーブ表面からトナーが釈放されにくくなるためと考えられている。
トナーの付着力が強くなると、現像スリーブ上にて現像にトナーが消費されなかった現像剤を担持する部分(印字された紙上でいう、白地の部分)には、現像にトナーが消費された現像剤を担持する部分と比べ、現像スリーブ表面に多くのトナーが釈放されずに滞留することとなる。現像剤釈放部において現像剤が釈放された後、現像スリーブ上にて現像にトナーが消費されなかった現像剤を担持する部分に、新しい現像剤が汲み上がることで局所的にトナー濃度が高くなる。このような現像スリーブ上現像剤中のトナー濃度ムラにより、スリーブ一周分は正常濃度であるが、二周目以降は濃度が変化するゴースト現象が発生してしまう。
したがって、低温定着性に優れる結晶性ポリエステルを含有したトナーを含む2成分現像剤において、ゴースト現象を防止できる静電潜像現像剤用キャリアが求められている。
したがって、低温定着性に優れる結晶性ポリエステルを含有したトナーを含む2成分現像剤において、ゴースト現象を防止できる静電潜像現像剤用キャリアが求められている。
本発明は、本発明は、ゴースト現象を防止できる静電潜像現像剤用キャリアの提供およびそれを含む低温定着性に優れる結晶性ポリエステルを含有するトナーを含む2成分現像剤の提供を課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、エチレングリコールを主成分として含む2価のアルコール成分と、ジカルボン酸を含む酸成分モノマーを重合して得られる非晶性ポリエステル樹脂中に、直鎖状飽和脂肪族ポリエステルユニットで構成される結晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナーと、キャリアにより構成される2成分現像剤におけるキャリアが、芯材粒子上に少なくとも樹脂とアミノプロピルトリエトキシシランを含む被覆層を有する磁性キャリアであって、該磁性キャリアが、特定の特性を示すキャリアであることで、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、2価のアルコール成分モノマーと、ジカルボン酸を含む酸成分モノマーとを重合して得られる非晶性ポリエステル樹脂中に、直鎖状飽和脂肪族ポリエステルユニットで構成される結晶性ポリエステル樹脂が分散し、トナーと、キャリアから構成される2成分現像剤において、
キャリアが芯材粒子上に少なくとも結着樹脂とアミノプロピルトリエトキシシランを含む被覆層を有する磁性キャリアであって、走査型顕微鏡により撮影した画像において、
磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合が、最小でも磁性キャリア中80個数%であり、
磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合が、最大でも3.0面積%であることを特徴とする2成分現像剤が提供される。
キャリアが芯材粒子上に少なくとも結着樹脂とアミノプロピルトリエトキシシランを含む被覆層を有する磁性キャリアであって、走査型顕微鏡により撮影した画像において、
磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合が、最小でも磁性キャリア中80個数%であり、
磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合が、最大でも3.0面積%であることを特徴とする2成分現像剤が提供される。
また、本発明によれば、前記2価のアルコールの主成分がエチレングリコールである前記の2成分現像剤が提供される。
また、本発明によれば、前記キャリアの表面樹脂層に含まれるアミノプロピルトリエトキシシランが、樹脂100重量部に対して1〜15重量部の割合で含まれる前記の2成分現像剤が提供される。
また、本発明によれば、前記磁性キャリアの、走査型顕微鏡により撮影した画像において、
磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合が、最小でも磁性キャリア中90個数%であり、
磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合が、最大でも3.0面積%である前記の2成分現像剤が提供される。
磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合が、最小でも磁性キャリア中90個数%であり、
磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合が、最大でも3.0面積%である前記の2成分現像剤が提供される。
また、本発明によれば、前記キャリアの表面樹脂層に含まれるアミノプロピルトリエトキシシランが、樹脂100重量部に対して5〜15重量部の割合で含まれる前記の2成分現像剤が提供される。
さらに、本発明によれば、芯材粒子上に少なくとも結着樹脂とアミノプロピルトリエトキシシランを含む被覆層を有する磁性キャリアであって、走査型顕微鏡により撮影した画像において、
磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合が、最小でも磁性キャリア中80個数%であり、
磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合が、最大でも3.0面積%であることを特徴とするキャリアが提供される。
磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合が、最小でも磁性キャリア中80個数%であり、
磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合が、最大でも3.0面積%であることを特徴とするキャリアが提供される。
本発明によれば、ゴースト現象がなく良好な画像を形成できるキャリアおよび、低温定着性に優れるトナーを含む2成分現像剤を提供することができる。
すなわち、本発明の2成分現像剤を用いて画像を形成することにより、画像を高精細に再現し、色再現性が良好でかつ画像濃度が高く、ゴースト現象などの画像欠陥の少ない高画質画像を、低い定着温度で安定して形成することができる。
すなわち、本発明の2成分現像剤を用いて画像を形成することにより、画像を高精細に再現し、色再現性が良好でかつ画像濃度が高く、ゴースト現象などの画像欠陥の少ない高画質画像を、低い定着温度で安定して形成することができる。
本発明による磁性キャリアは、導電性の磁性コア粒子表面に、結着樹脂とアミノプロピルトリエトキシシランを含む被覆層を最適に分布させたものである。
本発明における金属酸化物に由来する輝度の高い部分の面積とは、走査型電子顕微鏡の所定の加速電圧下で、主に2次電子を可視化した像(図2参照)において、輝度の高い(画像上白く、明るく見える)部分であり、磁性キャリア粒子表面に露出(即ち、露出しているか、或いは、極めて薄い被覆層で覆われている状態)しているように観察される磁性コア粒子部分を指す。
本発明における金属酸化物に由来する輝度の高い部分の面積とは、走査型電子顕微鏡の所定の加速電圧下で、主に2次電子を可視化した像(図2参照)において、輝度の高い(画像上白く、明るく見える)部分であり、磁性キャリア粒子表面に露出(即ち、露出しているか、或いは、極めて薄い被覆層で覆われている状態)しているように観察される磁性コア粒子部分を指す。
本発明の磁性キャリアは、磁性キャリア粒子表面の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の面積が占める割合を規定することで上記目的を達成するものである。
本発明の磁性キャリアにおいては、磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合が、最小でも磁性キャリア中80個数%であり、
磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合が、最大でも3.0面積%であることを特徴とする。
本発明の磁性キャリアにおいては、磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合が、最小でも磁性キャリア中80個数%であり、
磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合が、最大でも3.0面積%であることを特徴とする。
上記の磁性キャリア粒子を用いた場合には、キャリア粒子表面の被覆層にアミノプロピルトリエトキシシランを含み、金属酸化物に由来する輝度の高い部分の面積が適切にコントロールされているため、トナー-キャリア間の引力を適度に維持することができ、現像スリーブ上の現像剤釈放部において現像剤が釈放される際、現像剤に含まれるトナーがキャリアから離脱し現像スリーブ上に滞留することを防ぐことができると考えられる。磁性キャリア中において、磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合が、最小でも磁性キャリア中80個数%であり、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合が、最大でも3.0面積%とすれば、上記の効果が十分に得られる。
一方、磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合が、最小でも磁性キャリア中80個数%であり、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合が、最大でも3.0面積%という範囲を外れた場合は、金属酸化物に由来する輝度の高い部分を介して、キャリア粒子から電荷が流出する為、トナー-キャリア間の引力が十分に得られずゴースト現象が発生することがある。
トナー
以下に、本発明のトナーを詳細に説明する。本発明のトナーは、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、外添剤とを含むトナーにおいて、前記非晶性ポリエステル樹脂が、テレフタル酸またはイソフタル酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと、エチレングリコールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる非晶性ポリエステル樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂が、炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる結晶性ポリエステル樹脂であり、前記外添剤が、疎水化処理された一次粒子径が75nm〜220nmの大粒径シリカ微粒子を含むことを特徴とする。
以下に、本発明のトナーを詳細に説明する。本発明のトナーは、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、外添剤とを含むトナーにおいて、前記非晶性ポリエステル樹脂が、テレフタル酸またはイソフタル酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと、エチレングリコールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる非晶性ポリエステル樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂が、炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる結晶性ポリエステル樹脂であり、前記外添剤が、疎水化処理された一次粒子径が75nm〜220nmの大粒径シリカ微粒子を含むことを特徴とする。
本発明のトナーは、結着樹脂を含むトナー母粒子と、該トナー母粒子の表面に外添される外添剤とからなるが、トナー母粒子には、一般に、離型剤、着色剤、帯電制御剤等の内添剤が更に含まれる。また、本発明のトナーは、体積平均粒子径が5μm〜10μmであることが好ましく、5.5μm〜7.5μmであることが更に好ましい。また、フロー軟化点は105〜120℃であることが好ましい。
結着樹脂
本発明のトナーに用いる結着樹脂は、上記非晶性ポリエステル樹脂及び上記結晶性ポリエステル樹脂を少なくとも含む。なお、結晶性ポリエステル樹脂や、離型剤、着色剤、帯電制御剤等の内添剤は、非晶性ポリエステル樹脂中に分散している。
本発明のトナーに用いる結着樹脂は、上記非晶性ポリエステル樹脂及び上記結晶性ポリエステル樹脂を少なくとも含む。なお、結晶性ポリエステル樹脂や、離型剤、着色剤、帯電制御剤等の内添剤は、非晶性ポリエステル樹脂中に分散している。
一般に、結晶性ポリエステル樹脂は、トナーの軟化温度や溶融粘度を下げることができるため、結晶性ポリエステル樹脂を非晶性ポリエステル樹脂と併用すると、トナーの低温定着性を向上できることが知られている。更に、本発明のトナーに用いる結着樹脂においては、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂が、ジカルボン酸モノマーの主成分が異なり、場合によってはジオールモノマーの主成分さえも異なるため、両樹脂の相溶化をより確実に抑えることができ、低温定着性の向上効果が大きい。しかしながら、これら樹脂の相溶化を抑えることで、結晶性ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂から遊離しやすく大粒径シリカと共に現像ローラに固定化し易い。このため、疎水化処理された一次粒子径が75nm〜220nmの大粒径シリカ微粒子を外添剤として用いることが非常に有効になる。
ポリエステル用モノマーとしては、当該技術分野で通常用いられるポリエステルジカルボン酸として知られるものを使用でき、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ピロメリト酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;ならびにこれら多塩基酸の低級アルキルエステル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルまたはt−ブチルアルコールのエステル化合物などが挙げられる。
上記のジカルボン酸は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
また、上記のジカルボン酸に加え、トリメリト酸または無水トリメリト酸等のトリカルボン酸を用いることもできる。
上記のジカルボン酸は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
また、上記のジカルボン酸に加え、トリメリト酸または無水トリメリト酸等のトリカルボン酸を用いることもできる。
2価のアルコールとしては、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類;などが挙げられる。
2価のアルコールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
2価のアルコールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
ジカルボン酸と2価のアルコールとの重縮合反応は、常法に従って実施でき、例えば有機溶媒および重縮合触媒の存在下に、ジカルボン酸と2価のアルコールとを重合させることによって行われる。
なお、重合反応は、生成するポリエステル樹脂の酸価、軟化温度などが所定の値になったところで終了すればよい。
このようにして、ポリエステル樹脂が得られる。
このようにして、ポリエステル樹脂が得られる。
なお、場合によっては、有機溶媒は用いなくてもよい。ジカルボン酸の一部に、ジカルボン酸のメチルエステル化物を用いると、脱メタノール重縮合反応が行われる。この重縮合反応において、ジカルボン酸と2価のアルコールとの配合比、反応率などを適宜変更することによって、たとえば、ポリエステルの末端のカルボキシル基含有量を調整でき、ひいては得られるポリエステルの特性を変えることができる。
また、2価のアルコール成分とジカルボン酸成分との重縮合は、エステル化触媒の存在下で行うことが好ましい。本発明におけるエステル化触媒の好適例としては、チタン化合物及び無機錫(II)化合物が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は両者を併用して用いられる。チタン化合物としては、Ti-O結合を有するチタン化合物が好ましく、総炭素数1〜28のアルコキシ基、アルケニルオキシ基又はアシルオキシ基を有する化合物がより好ましい。
なお、上記の総炭素数1〜28のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルアルコキシ基、t−ブチルアルコキシ基、ペントキシ基などを用いることが出来る。
なお、上記の総炭素数1〜28のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルアルコキシ基、t−ブチルアルコキシ基、ペントキシ基などを用いることが出来る。
また、本発明において、ジカルボン酸モノマーの主成分及びジオールモノマーの主成分とは、それぞれを構成するモノマーの中で最大のモル含有率を示すモノマーを言うが、単一のモノマーである場合(即ち、テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコール、炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸、又は炭素数2〜10の脂肪族ジオールのモル含有率が100%である場合)も含まれる。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂中における結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂の質量比は、特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜調整できるものの、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、3:97〜30:70が好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の質量比が3%より小さいと、耐ホットオフセット性は高まるが低温定着性が損なわれる場合がある。一方、結晶性ポリエステル樹脂の質量比が30%より大きいと、低温定着性は高まるが耐ホットオフセット性が損なわれる場合がある。
本発明において、非晶性樹脂と結晶性樹脂は、結晶性指数により区別され、結晶性指数が0.6〜1.5の範囲にある樹脂を結晶性樹脂とし、結晶性指数が0.6未満であるか又は1.5を超える樹脂を非晶性樹脂とする。結晶性指数が1.5を超える樹脂は非晶性であり、また、結晶性指数が0.6未満である樹脂は結晶性が低く、非晶性部分が多い。
なお、結晶性指数とは、樹脂の結晶化の度合いの指標となる物性であり、軟化温度と吸熱の最高ピーク温度の比(軟化温度/吸熱の最高ピーク温度)により定義されるものである。ここで、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。結晶性ポリエステル樹脂においては、最高ピーク温度を融点とし、非結晶性ポリエステル樹脂においては、最も高温側にあるピークをガラス転移点とする。
結晶化の度合いは、原料モノマーの種類及び比率、並びに製造条件(例えば反応温度、反応時間、冷却速度)等を調整することで制御できる。
非晶性ポリエステル樹脂
本発明のトナーに用いる非晶性ポリエステル樹脂は、テレフタル酸またはイソフタル酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと、エチレングリコールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる非晶性ポリエステル樹脂である。
本発明のトナーに用いる非晶性ポリエステル樹脂は、テレフタル酸またはイソフタル酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと、エチレングリコールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる非晶性ポリエステル樹脂である。
非晶性ポリエステル樹脂の合成に使用されるジカルボン酸モノマーは、テレフタル酸またはイソフタル酸を主成分として含む。ここで、ジカルボン酸モノマーに占めるテレフタル酸またはイソフタル酸のモル含有率は、70%以上で且つ100%以下であることが好ましく、80%以上で且つ100%以下であることが更に好ましい。
また、上記ジカルボン酸モノマーは、テレフタル酸及びイソフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸を含むことができる。テレフタル酸及びイソフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸等が挙げられ、脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸等が挙げられる。上記ジカルボン酸モノマーは、テレフタル酸またはイソフタル酸のエステル形成性誘導体や、テレフタル酸及びイソフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体、脂肪族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体も含むことができる。本発明において、エステル形成性誘導体には、カルボン酸の酸無水物やアルキルエステル等が含まれる。なお、テレフタル酸及びイソフタル酸以外のジカルボン酸モノマーを用いる場合、該ジカルボン酸モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
非晶性ポリエステル樹脂の合成においては、上記ジカルボン酸モノマーと共に、3価以上のポリカルボン酸モノマーを用いてもよい。3価以上のポリカルボン酸モノマーとしては、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上のポリカルボン酸やそのエステル形成性誘導体が使用できる。3価以上のポリカルボン酸モノマーを用いる場合、該ポリカルボン酸モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
非晶性ポリエステル樹脂の合成に使用されるジオールモノマーは、エチレングリコールを主成分として含む。ここで、ジオールモノマーに占めるエチレングリコールのモル含有率は、70%以上で且つ100%以下であることが好ましく、80%以上で且つ100%以下であることが更に好ましい。
また、上記ジオールモノマーは、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等を含むことができる。エチレングリコール以外のジオールモノマーを用いる場合、該ジオールモノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のトナーに用いる非晶性ポリエステル樹脂は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造できる。例えば、ジカルボン酸モノマーと、ジオールモノマーと、場合により3価以上のポリカルボン酸モノマーとを用いて、窒素ガス雰囲気中、190〜240℃の温度にて重縮合反応を行うことにより、非晶性ポリエステル樹脂を合成することができる。
上記重縮合反応において、ジオールモノマーと、カルボン酸モノマー(ジカルボン酸モノマーと、場合により3価以上のポリカルボン酸モノマーとを含む)との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]:[COOH]として、1.3:1〜1:1.2が好ましい。また、上記重縮合反応において、カルボン酸モノマーに占めるジカルボン酸モノマーのモル含有率は、80〜100%であることが好ましい。更に、上記重縮合反応においては、必要に応じてジブチルスズオキシドやチタンアルコキシド(例えばテトラブトキシチタネート)等のエステル化触媒を使用することができる。
上記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、定着性、保存性及び耐久性等の観点から、50〜70℃が好ましい。一方、ガラス転移温度がこの範囲を外れると、定着性、保存性及び耐久性のバランスが崩れることがある。
上記非晶性ポリエステル樹脂の軟化点(Tm)は、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、100〜150℃が好ましい。一方、軟化点がこの範囲を外れると、低温定着性と耐ホットオフセット性のバランスが崩れることがある。
上記非晶性ポリエステル樹脂の軟化点(Tm)は、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、100〜150℃が好ましい。一方、軟化点がこの範囲を外れると、低温定着性と耐ホットオフセット性のバランスが崩れることがある。
上記非晶性ポリエステル樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定されるテトラヒドロフラン(THF)可溶分のピークトップ分子量(Mp)が、トナーの耐熱性、熱保存性及び低温定着性の両立の観点から、3000〜10500が好ましい。一方、ピークトップ分子量が3000〜10500の範囲から外れると、トナーの耐熱性、熱保存性と低温定着性のバランスが崩れることがある。
GPCでは、移動相としてテトラヒドロフラン(THF)が使用され、標準物質にはポリスチレンが使用される。なお、ピークトップ分子量とは、GPCの測定により得られるクロマトグラムにおいて最大のピーク高さを示す分子量を指す。
上記非晶性ポリエステル樹脂の酸価は、帯電特性の観点から、0〜60mgKOH/gが好ましく、上記非晶性ポリエステル樹脂の水酸基価は、耐ホットオフセット性の観点から、0〜50mgKOH/gが好ましい。一方、酸価が60mgKOH/gより大きいと、帯電性能が劣る場合があり、水酸基価が50mgKOH/gより大きくなると、耐ホットオフセット性が不十分となる場合がある。
上記非晶性ポリエステル樹脂のSP値(ソルビリティーパラメーター)は、10.5〜12.5が好ましい。
本発明のトナーにおいて、非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、特に限定されないが、トナー母粒子中70〜97質量%であることが好ましい。
本発明のトナーにおいて、非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、特に限定されないが、トナー母粒子中70〜97質量%であることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂
本発明のトナーに用いる結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる直鎖状飽和脂肪族ポリエステルユニットで構成される結晶性ポリエステル樹脂である。直鎖状飽和脂肪族ポリエステルユニットで構成されることで、この結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂が相溶しにくくなる。
本発明のトナーに用いる結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含むジカルボン酸モノマーと、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主成分として含むジオールモノマーとを重縮合させて得られる直鎖状飽和脂肪族ポリエステルユニットで構成される結晶性ポリエステル樹脂である。直鎖状飽和脂肪族ポリエステルユニットで構成されることで、この結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂が相溶しにくくなる。
結晶性ポリエステル樹脂の合成に使用されるジカルボン酸モノマーは、炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含む。ここで、ジカルボン酸モノマーに占める炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸のモル含有率は、80%以上で且つ100%以下であることが好ましい。
上記炭素数9〜22の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アゼライン酸、ゼバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等が挙げられる。また、ジカルボン酸モノマーは、これら脂肪族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体も含むことができる。なお、これらジカルボン酸モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の合成においては、上記ジカルボン酸モノマーと共に、3価以上のポリカルボン酸モノマーを用いてもよい。3価以上のポリカルボン酸モノマーとしては、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上のポリカルボン酸やそのエステル形成性誘導体が使用できる。3価以上のポリカルボン酸モノマーを用いる場合、該ポリカルボン酸モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の合成に使用されるジオールモノマーは、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主成分として含む。ここで、ジオールモノマーに占める炭素数2〜10の脂肪族ジオールのモル含有率は、80%以上で且つ100%以下であることが好ましい。
上記炭素数2〜10の脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。なお、これらジオールモノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記炭素数2〜10の脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。なお、これらジオールモノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂の合成においては、上記ジオールモノマーと共に、3価以上のポリオールモノマーを用いてもよい。3価以上のポリオールモノマーとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン等が使用できる。3価以上のポリオールモノマーを用いる場合、該ポリオールモノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のトナーに用いる結晶性ポリエステル樹脂は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造できる。例えば、ジカルボン酸モノマーと、ジオールモノマーと、場合により3価以上のポリカルボン酸モノマーや3価以上のポリオールモノマーとを用いて、窒素ガス雰囲気中、190〜240℃の温度にて重縮合反応を行うことにより、結晶性ポリエステル樹脂を合成することができる。
上記重縮合反応において、ポリオールモノマー(ジオールモノマーと、場合により3価以上のポリオールモノマーとを含む)の水酸基と、カルボン酸モノマー(ジカルボン酸モノマーと、場合により3価以上のポリカルボン酸モノマーとを含む)のカルボキシル基との当量比(OH基/COOH基)は、保存性の観点等から、0.83〜1.3が好ましい。また、上記重縮合反応において、カルボン酸モノマーに占めるジカルボン酸モノマーのモル含有率は、90〜100%であることが好ましい。該ジカルボン酸モノマーのモル含有率が小さい程、結晶化の割合や速度が低くなり、耐トナー凝集性が不十分になる。更に、上記重縮合反応において、ポリオールモノマーに占めるジオールモノマーのモル含有率は、80〜100%であることが好ましい。なお、上記重縮合反応においては、必要に応じてジブチルスズオキシドやチタンアルコキシド(例えばテトラブトキシチタネート)等のエステル化触媒を使用することができる。
上記結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tmp)は、40℃以上が好ましく、定着性、保存性及び耐久性等の観点から、60〜90℃が更に好ましい。融点が40℃未満だと、耐久性が不十分となる場合がある。また、融点が90℃以上だと、定着性が不十分となる場合がある。
上記結晶性ポリエステル樹脂の軟化点(Tm)は、低温定着性及び耐ブロッキング性の観点から、65〜110℃が好ましい。一方、軟化点がこの範囲を外れると、低温定着性、耐ブロッキング性が不十分となる。
上記結晶性ポリエステル樹脂の軟化点(Tm)は、低温定着性及び耐ブロッキング性の観点から、65〜110℃が好ましい。一方、軟化点がこの範囲を外れると、低温定着性、耐ブロッキング性が不十分となる。
上記結晶性ポリエステル樹脂は、結晶化速度及び耐ブロッキング性の観点から、軟化点(Tm)と融点(Tmp)の比(Tm/Tmp)が1.0〜1.4であることが好ましい。一方、軟化点と融点の比がこの範囲を外れると、結晶化速度や耐ブロッキング性が不十分となる場合がある。
上記結晶性ポリエステル樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定されるテトラヒドロフラン(THF)可溶分のピークトップ分子量(Mp)が、保存性及び低温定着性等の観点から、10000〜90000が好ましい。GPCでは、移動相としてテトラヒドロフラン(THF)が使用され、標準物質にはポリスチレンが使用される。なお、ピークトップ分子量とは、GPCの測定により得られるクロマトグラムにおいて最大のピーク高さを示す分子量を指す。一方、ピークトップ分子量が上記の範囲を外れると、保存性及び低温定着性が不十分となる場合がある。
上記結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、帯電特性の観点から、0〜60mgKOH/gが好ましく、上記結晶性ポリエステル樹脂の水酸基価は、耐ホットオフセット性の観点から、0〜40mgKOH/gが好ましい。一方、酸価が60mgKOH/gより大きいと、帯電性能が劣る場合があり、水酸基価が40mgKOH/gより大きくなると、耐ホットオフセット性が不十分となる場合がある。
上記結晶性ポリエステル樹脂のSP値(ソルビリティー パラメーター)は、9.3〜10.0が好ましい。該SP値が9.3未満では、非晶性ポリエステル樹脂に対する相溶性が低くなりすぎ、耐久性が不十分となる場合がある。一方、該SP値が10.0を超えると、結着樹脂のTgが低下し、耐ブロッキング性が低下する場合がある。
本発明のトナーにおいて、結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、特に限定されないが、トナー母粒子中3〜30質量%あることが好ましい。
本発明のトナーにおいて、結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、特に限定されないが、トナー母粒子中3〜30質量%あることが好ましい。
離型剤
離型剤は、トナーを記録媒体に定着させるときに、トナーに離型性を付与するために添加される。本発明のトナーにおいては、離型剤が非晶性ポリエステル樹脂中に分散している。
本発明によるトナーに用いる離型剤は、特に制限されるものではなく当該分野で常用されるものを使用でき、例えばポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、合成エステル系ワックス等が使用できる。合成エステル系ワックスとしては、ニッサンエレクトールワックス(日油社製;WEP−2、WEP−3、WEP−4、WEP−5、WEP−6、WEP−7、WEP−8、WEP−9、WEP−10)等が挙げられる。
本発明によるトナーにおいて、離型剤の含有量は、特に限定されないが、トナー母粒子中1〜5質量%であることが好ましい。
離型剤は、トナーを記録媒体に定着させるときに、トナーに離型性を付与するために添加される。本発明のトナーにおいては、離型剤が非晶性ポリエステル樹脂中に分散している。
本発明によるトナーに用いる離型剤は、特に制限されるものではなく当該分野で常用されるものを使用でき、例えばポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、合成エステル系ワックス等が使用できる。合成エステル系ワックスとしては、ニッサンエレクトールワックス(日油社製;WEP−2、WEP−3、WEP−4、WEP−5、WEP−6、WEP−7、WEP−8、WEP−9、WEP−10)等が挙げられる。
本発明によるトナーにおいて、離型剤の含有量は、特に限定されないが、トナー母粒子中1〜5質量%であることが好ましい。
着色剤
着色剤としては、トナーに一般に用いられている公知の顔料や染料を使用できる。具体的には、以下の着色剤が使用できる。
黒トナー用着色剤としては、カーボンブラックやマグネタイト等が使用できる。
着色剤としては、トナーに一般に用いられている公知の顔料や染料を使用できる。具体的には、以下の着色剤が使用できる。
黒トナー用着色剤としては、カーボンブラックやマグネタイト等が使用できる。
イエロートナー用着色剤としては、C.I.ピグメント・イエロー1、同3、同74、同97、同98等のアセト酢酸アリールアミド系モノアゾ黄色顔料、C.I.ピグメント・イエロー12、同13、同14、同17等のアセト酢酸アリールアミド系ジスアゾ黄色顔料、C.I.ピグメント・イエロー93、同155等の縮合モノアゾ系黄色顔料;C.I.ピグメント・イエロー180、同150、同185等のその他黄色顔料、C.I.ソルベント・イエロー19、同77、同79、C.I.ディスパース・イエロー164等の黄色染料等が使用できる。
マゼンタトナー用着色剤としては、C.I.ピグメント・レッド48、同49:1、同53:1、同57、同57:1、同81、同122、同5、同146、同184、同238、C.I.ピグメント・バイオレット19等の赤色又は紅色顔料;C.I.ソルベント・レッド49、同52、同58、同8等の赤色系染料等が使用できる。
シアントナー用着色剤としては、C.I.ピグメント・ブルー15:3、同15:4等の銅フタロシアニン及びその誘導体の青色系染顔料;C.I.ピグメント・グリーン7、同36(フタロシアニン・グリーン)等の緑色顔料等が使用できる。
本発明のトナーにおいて、着色剤の含有量は、特に限定されないが、トナー母粒子中2〜10質量%であることが好ましい。
本発明のトナーにおいて、着色剤の含有量は、特に限定されないが、トナー母粒子中2〜10質量%であることが好ましい。
帯電制御剤
帯電制御剤は、トナーに好ましい帯電性を付与するために添加され得る。本発明によるトナーに使用できる帯電制御剤としては、正電荷制御用又は負電荷制御用の帯電制御剤を使用できる。
正電荷制御用の帯電制御剤としては、ニグロシン染料及びその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスフォニウム塩、四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩等を挙げることができる。
帯電制御剤は、トナーに好ましい帯電性を付与するために添加され得る。本発明によるトナーに使用できる帯電制御剤としては、正電荷制御用又は負電荷制御用の帯電制御剤を使用できる。
正電荷制御用の帯電制御剤としては、ニグロシン染料及びその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスフォニウム塩、四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩等を挙げることができる。
負電荷制御用の帯電制御剤としては、クロムアゾ錯体染料、鉄アゾ錯体染料、コバルトアゾ錯体染料、サリチル酸又はその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体又は塩化合物、ナフトール酸又はその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体又は塩化合物、ベンジル酸又はその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体又は塩化合物、長鎖アルキル・カルボン酸塩、長鎖アルキル・スルフォン酸塩等を挙げることができる。本発明のトナーにおいて、帯電制御剤の含有量は、特に限定されないが、トナー母粒子中0.5〜5質量%であることが好ましい。
帯電化剤は1種を単独で使用できるが、必要に応じて2種以上を併用できる。
帯電化剤は1種を単独で使用できるが、必要に応じて2種以上を併用できる。
外添剤
本発明によるトナーには、外添剤が添加されてもよい。
外添剤としては、当該技術分野で常用される外添剤を用いることができ、例えば、シリカ、酸化チタン、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウムなどが挙げられる。これらの中でもトナー同士の付着防止の観点から、シリコーン樹脂、シランカップリング剤などにより表面処理(疎水化処理)されている上記の外添剤が好ましい。
本発明においては、上記の外添剤の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明によるトナーには、外添剤が添加されてもよい。
外添剤としては、当該技術分野で常用される外添剤を用いることができ、例えば、シリカ、酸化チタン、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウムなどが挙げられる。これらの中でもトナー同士の付着防止の観点から、シリコーン樹脂、シランカップリング剤などにより表面処理(疎水化処理)されている上記の外添剤が好ましい。
本発明においては、上記の外添剤の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、平均粒子径が異なる複数の外添剤を併用するのが好ましい。転写効率の向上の観点から、複数の外添剤のうち少なくとも1種は、0.1μm以上の平均粒子径を有し、複数の外添剤の平均粒子径が0.2μm以下であるのが好ましい。
例えば、平均粒子径の異なる2種類の外添剤を用いる場合、小さい方が0.007〜0.5μmの平均粒子径を有し、大きい方が0.5〜0.2μmの平均粒子径を有し、小さい方の平均粒子径と大きい方の平均粒子径との比率が1:5〜1:20であるのが好ましい。
例えば、平均粒子径の異なる2種類の外添剤を用いる場合、小さい方が0.007〜0.5μmの平均粒子径を有し、大きい方が0.5〜0.2μmの平均粒子径を有し、小さい方の平均粒子径と大きい方の平均粒子径との比率が1:5〜1:20であるのが好ましい。
外添剤の添加量は特に限定されないが、トナー母粒子100重量部に対して0.1〜3.0重量部であるのが好ましく、0.5〜10重量部であるのが特に好ましい。
外添剤の添加量が上記の範囲内であれば、トナーの各種物性を損なうことなしに、高い画像濃度および画質品位を有する画像を形成することができる。
外添剤の添加量が上記の範囲内であれば、トナーの各種物性を損なうことなしに、高い画像濃度および画質品位を有する画像を形成することができる。
トナー製造方法
次に、本発明のトナーを製造する方法について説明する。本発明のトナーは、混練粉砕法や凝集法等の公知の方法によって製造できる。例えば、本発明のトナーを混練粉砕法によって製造する場合、まず、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、必要に応じて適宜選択される離型剤、着色剤、帯電制御剤等の内添剤とをヘンシェルミキサ等の気流混合機により混合し、得られる原料混合物を2軸混練機やオープンロール混練機等の溶融混練機により100〜180℃程度の温度で混練する。そして、得られる溶融混練物を冷却固化し、固化物をジェットミル等のエア式粉砕機により粉砕し、必要に応じて分級等の粒度調整を行うことにより、トナー母粒子を製造する。また、外添剤の添加方法としては、トナー母粒子と外添剤とをヘンシェルミキサ等の気流混合機で混合する方法が一般的である。
次に、本発明のトナーを製造する方法について説明する。本発明のトナーは、混練粉砕法や凝集法等の公知の方法によって製造できる。例えば、本発明のトナーを混練粉砕法によって製造する場合、まず、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、必要に応じて適宜選択される離型剤、着色剤、帯電制御剤等の内添剤とをヘンシェルミキサ等の気流混合機により混合し、得られる原料混合物を2軸混練機やオープンロール混練機等の溶融混練機により100〜180℃程度の温度で混練する。そして、得られる溶融混練物を冷却固化し、固化物をジェットミル等のエア式粉砕機により粉砕し、必要に応じて分級等の粒度調整を行うことにより、トナー母粒子を製造する。また、外添剤の添加方法としては、トナー母粒子と外添剤とをヘンシェルミキサ等の気流混合機で混合する方法が一般的である。
キャリア
本発明のキャリアは、キャリア芯材と、その表面が結着樹脂およびアミノシランカップリング剤で処理され被覆された樹脂被覆層とで構成される。
本発明のキャリアは、キャリア芯材と、その表面が結着樹脂およびアミノシランカップリング剤で処理され被覆された樹脂被覆層とで構成される。
キャリア芯材(「コア粒子」ともいう)
キャリア芯材としては、当該技術分野で常用されるものであれば特に限定されず、例えば、鉄、銅、ニッケル、コバルトなどの磁性金属、フェライト、マグネタイトなどの磁性金属酸化物などが挙げられる。これらのキャリア芯材であれば、磁気ブラシ現像法に用いる現像剤に好適なキャリアが得られる。
キャリア芯材としては、当該技術分野で常用されるものであれば特に限定されず、例えば、鉄、銅、ニッケル、コバルトなどの磁性金属、フェライト、マグネタイトなどの磁性金属酸化物などが挙げられる。これらのキャリア芯材であれば、磁気ブラシ現像法に用いる現像剤に好適なキャリアが得られる。
これらの中でも、フェライト成分を含む粒子が好ましい。フェライトは、飽和磁化が高く、密度の小さいコートキャリアを得ることができるので、現像剤におけるその使用により、感光体へのコートキャリア付着が起こり難く、ソフトな磁気ブラシが形成されてドット再現の高い画像が得られる。
フェライトとしては、例えば、亜鉛系フェライト、ニッケル系フェライト、銅系フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、銅−マグネシウム系フェライト、マンガン−亜鉛系フェライト、マンガン−銅−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム−ストロンチウム系フェライトなどが挙げられる。
フェライトは、公知の方法で作製できる。例えば、Fe2O3やMg(OH)2などのフェライト原料を混合し、この混合粉を加熱炉で加熱して仮焼する。得られた仮焼品を冷却後、振動ミルでほぼ1μm程度の粒子となるように粉砕し、粉砕粉に分散剤と水を加えてスラリーを作製する。このスラリーを湿式ボールミルで湿式粉砕し、得られる懸濁液をスプレードライヤーで造粒乾燥することによって、フェライトの粒子が得られる。
キャリア芯材の平均粒子径は、25〜100μmであるのが好ましく、25〜90μmであるのがより好ましい。
キャリア芯材の平均粒子径が上記の範囲であれば、感光体に形成された静電潜像にトナーを安定して搬送することができると共に、長期間にわたって高精細な画像を形成することができる。
キャリア芯材の平均粒子径が25μm未満では、キャリア付着のコントロールが困難になることある。一方、キャリア芯材の平均粒子径が100μmを超えると、高精細な画像を形成できないことがある。
キャリア芯材の平均粒子径が上記の範囲であれば、感光体に形成された静電潜像にトナーを安定して搬送することができると共に、長期間にわたって高精細な画像を形成することができる。
キャリア芯材の平均粒子径が25μm未満では、キャリア付着のコントロールが困難になることある。一方、キャリア芯材の平均粒子径が100μmを超えると、高精細な画像を形成できないことがある。
キャリア用樹脂
樹脂層を形成する樹脂としては、当該技術分野で常用される樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル変性樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
本発明においては、上記の樹脂の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂層を形成する樹脂としては、当該技術分野で常用される樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル変性樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
本発明においては、上記の樹脂の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル樹脂としては、例えば、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ-n-ブチルメタクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、ポリ含フッ素アクリレート、スチレン-メタクリレート共重合体、スチレン-ブチルメタクリレート共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体などが挙げられる。
市販のアクリル樹脂としては、例えば、三菱レイヨン株式会社製の製品名:ダイヤナールSE-5437、積水化学工業株式会社製の製品名:エスレックPSE-0020、三洋化成工業株式会社製の製品名:ハイマーST95、三井化学株式会社製の製品名:FM601などが挙げられる。
シリコーン樹脂は、トナースペントを抑制すると共に、キャリア芯材と樹脂層との密着性を良好にすることができ、架橋型シリコーン樹脂が好ましい。
架橋型シリコーン樹脂は、下記に示すように、Si原子に結合する水酸基同士または水酸基とOX基とが加熱脱水反応、常温硬化反応などによって架橋して硬化する公知のシリコーン樹脂である。
架橋型シリコーン樹脂は、下記に示すように、Si原子に結合する水酸基同士または水酸基とOX基とが加熱脱水反応、常温硬化反応などによって架橋して硬化する公知のシリコーン樹脂である。
架橋型シリコーン樹脂としては、加熱硬化型シリコーン樹脂、常温硬化型シリコーン樹脂のいずれをも使用できる。加熱硬化型シリコーン樹脂を架橋させるには、該樹脂を200〜250℃程度に加熱する。また、常温硬化型シリコーン樹脂を硬化させるには、加熱を必要としないが、硬化時間の短縮のために150〜280℃で加熱してもよい。
架橋型シリコーン樹脂の中でも、Rで示される1価の有機基がメチル基であるものが好ましい。この架橋型シリコーン樹脂は架橋構造が緻密であり、これを用いてキャリア芯材の樹脂層を形成すると、撥水性、耐湿性などの良好なキャリアが得られる。但し、架橋構造が緻密になり過ぎると、樹脂層が脆くなる傾向があるので、架橋型シリコーン樹脂の分子量の選択が重要である。
また、架橋型シリコーン樹脂中の珪素と炭素の重量比(Si/C)は、0.3〜2.2であるのが好ましい。
Si/Cが0.3未満では、樹脂層の硬度が低下し、キャリア寿命などが低下することがある。一方、Si/Cが2.2を超えると、キャリアのトナーに対する電荷付与性が温度変化による影響を受け易くなり、樹脂層が脆化することがある。
Si/Cが0.3未満では、樹脂層の硬度が低下し、キャリア寿命などが低下することがある。一方、Si/Cが2.2を超えると、キャリアのトナーに対する電荷付与性が温度変化による影響を受け易くなり、樹脂層が脆化することがある。
市販の架橋型シリコーン樹脂としては、例えば、東レダウコーニング株式会社製の製品名:SR2400、SR2410、SR2411、SR2510、SR2405、840RESIN、804RESIN、信越化学工業株式会社製の製品名:KR350、KR271、KR272、KR274、KR216、KR280、KR282、KR261、KR260、KR255、KR266、KR251、KR155、KR152、KR214、KR220、X−4040−171、KR201、KR5202、KR3093などが挙げられる。
樹脂としては、シリコーン樹脂、特に架橋型シリコーン樹脂が好ましく、その好ましい特性を損なわない範囲で他の樹脂を含んでもよい。
他の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド、ポリエステル、アセタール樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン、フッ素樹脂、これらの共重合体樹脂、配合樹脂などが挙げられ、これらの中でも帯電能が高い点でアクリル樹脂が好ましい。例えば、シリコーン樹脂(特に架橋型シリコーン樹脂)により形成される樹脂層の耐湿性、離型性などをさらに向上させるために、二官能性シリコーンオイルを含んでいてもよい。
他の樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド、ポリエステル、アセタール樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン、フッ素樹脂、これらの共重合体樹脂、配合樹脂などが挙げられ、これらの中でも帯電能が高い点でアクリル樹脂が好ましい。例えば、シリコーン樹脂(特に架橋型シリコーン樹脂)により形成される樹脂層の耐湿性、離型性などをさらに向上させるために、二官能性シリコーンオイルを含んでいてもよい。
磁性微粒子
磁性微粒子としては、キャリア芯材と同様の材質の磁性微粒子が用いられる。
本発明の磁性微粒子は、上記のような特定の物性を有するが、このような物性を有さない磁性微粒子を用いる場合には、表面酸化処理のような高抵抗化処理に付すことにより本発明の磁性微粒子を得ることができる。
表面酸化処理としては、例えば、250〜500℃、空気中のような酸化雰囲気での流動酸化が挙げられる。
磁性微粒子としては、キャリア芯材と同様の材質の磁性微粒子が用いられる。
本発明の磁性微粒子は、上記のような特定の物性を有するが、このような物性を有さない磁性微粒子を用いる場合には、表面酸化処理のような高抵抗化処理に付すことにより本発明の磁性微粒子を得ることができる。
表面酸化処理としては、例えば、250〜500℃、空気中のような酸化雰囲気での流動酸化が挙げられる。
磁性微粒子は、0.05〜0.8μmの平均粒子径を有するのが好ましく、0.08〜0.5μmの平均粒子径を有するのがより好ましい。
磁性微粒子の平均粒子径が上記の範囲であれば、キャリア芯材の表面に樹脂層を形成する際、磁性微粒子が樹脂層中およびキャリア間で偏在化することを安定して防ぐことができると共に、磁性微粒子によって樹脂層の表面に凹凸が形成されることがないので、均一な樹脂層を形成することができる。この理由は定かではないが、小さな金属酸化微粒子が互いの磁力によって均一に保持されるためではないかと推察される。
磁性微粒子の平均粒子径が上記の範囲であれば、キャリア芯材の表面に樹脂層を形成する際、磁性微粒子が樹脂層中およびキャリア間で偏在化することを安定して防ぐことができると共に、磁性微粒子によって樹脂層の表面に凹凸が形成されることがないので、均一な樹脂層を形成することができる。この理由は定かではないが、小さな金属酸化微粒子が互いの磁力によって均一に保持されるためではないかと推察される。
原料となる磁性微粒子が適度な平均粒子径を有さない場合には、予め上記の高抵抗化処理の前にサンドミルのような公知の装置を用いて粉砕処理や分級処理に付してもよい。具体的な処理ついては実施例において説明する。
磁性微粒子の配合量は特に限定されないが、キャリア芯材1000重量部に対して0.05〜65重量部であるのが好ましく、0.5〜40重量部であるのがより好ましい。
磁性微粒子の配合量が上記の範囲であれば、本発明の優れた効果が発揮される。
すなわち、樹脂層中の磁性微粒子の配合量は、樹脂100重量部に対して1〜183重量部であるのが好ましく、10〜133重量部であるのがより好ましい。
磁性微粒子の配合量が1重量部未満では、磁性微粒子の効果が充分に得られないことがある。一方、磁性微粒子の配合量が183重量部を超えると、樹脂層を均一に形成できないことがある。
磁性微粒子の配合量が上記の範囲であれば、本発明の優れた効果が発揮される。
すなわち、樹脂層中の磁性微粒子の配合量は、樹脂100重量部に対して1〜183重量部であるのが好ましく、10〜133重量部であるのがより好ましい。
磁性微粒子の配合量が1重量部未満では、磁性微粒子の効果が充分に得られないことがある。一方、磁性微粒子の配合量が183重量部を超えると、樹脂層を均一に形成できないことがある。
導電性微粒子
樹脂層は、導電性微粒子を含むのが好ましい。
樹脂層が導電性微粒子を含有することにより、より安定してキャリアのトナーへの帯電付与能力を向上させることができる。すなわちキャリアをチャージアップさせないことができる。
導電性微粒子としては、当該技術分野で常用される導電性微粒子であれば特に限定されず、例えば、導電性カーボンブラック、導電性酸化チタンおよび酸化スズなどの酸化物が挙げられる。
樹脂層は、導電性微粒子を含むのが好ましい。
樹脂層が導電性微粒子を含有することにより、より安定してキャリアのトナーへの帯電付与能力を向上させることができる。すなわちキャリアをチャージアップさせないことができる。
導電性微粒子としては、当該技術分野で常用される導電性微粒子であれば特に限定されず、例えば、導電性カーボンブラック、導電性酸化チタンおよび酸化スズなどの酸化物が挙げられる。
カーボンブラックは、少ない添加量で導電性を発現させることができ、ブラックトナーには好適である。一方、樹脂層からのカーボンブラックの脱離が懸念されることから、カラートナーにはアンチモンをドープさせた導電性酸化チタンなどが好適である。
導電性微粒子の配合量は特に限定されないが、樹脂100重量部に対して1〜25重量部であるのが好ましく、1〜20重量部であるのがより好ましい。
導電性微粒子の配合量が1重量部未満では、効果が得られないことがある。一方、導電性微粒子の配合量が25重量部を超えると、樹脂層を均一にできないことがある。
導電性微粒子の配合量は特に限定されないが、樹脂100重量部に対して1〜25重量部であるのが好ましく、1〜20重量部であるのがより好ましい。
導電性微粒子の配合量が1重量部未満では、効果が得られないことがある。一方、導電性微粒子の配合量が25重量部を超えると、樹脂層を均一にできないことがある。
カップリング剤
樹脂層は、トナー帯電量を調整する目的で、シランカップリング剤のようなカップリング剤をさらに含んでいてもよい。
シランカップリング剤の中でも、電子供与性の官能基を有するシランカップリング剤が好ましく、例えば、次式:
(Y)nSi(R)m
(式中、Rは同一または異なってC1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基または塩素原子を示し、Yは同一または異なってアミノ基を含有するC1〜C10飽和炭化水素および/または芳香族炭化水素基を示し、mおよびnはそれぞれ1〜3の整数を示し、m+n=4である)
で示されるアミノ基含有シランカップリング剤が挙げられる。
樹脂層は、トナー帯電量を調整する目的で、シランカップリング剤のようなカップリング剤をさらに含んでいてもよい。
シランカップリング剤の中でも、電子供与性の官能基を有するシランカップリング剤が好ましく、例えば、次式:
(Y)nSi(R)m
(式中、Rは同一または異なってC1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基または塩素原子を示し、Yは同一または異なってアミノ基を含有するC1〜C10飽和炭化水素および/または芳香族炭化水素基を示し、mおよびnはそれぞれ1〜3の整数を示し、m+n=4である)
で示されるアミノ基含有シランカップリング剤が挙げられる。
上記の式において、Rで示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、これらの中でも、メチルチル基が好ましい。
上記のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基などの炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基が挙げられ、これらの中でも、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
上記のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基などの炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基が挙げられ、これらの中でも、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
Yで示されるアミノ基を含有する飽和炭化水素および/または芳香族炭化水素基としては、例えば、−(CH2)a−X(式中、Xはアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アミノアルキルアミノ基、フェニルアミノ基またはジアルキルアミノ基を示し、aは1〜4の整数である)、−Ph−X(式中、Xは前記に同じであり、−Ph−はフェニレン基を示す)などが挙げられる。
アミノ基含有シランカップリング剤の具体例としては、次のようなものが挙げられる。
H2N(H2C)3Si(OCH3)3
H2N(H2C)3Si(OC2H5)3
H2N(H2C)3Si(CH3)(OCH3)2
H2N(H2C)2HN(H2C)3Si(CH3)(OCH3)2
H2NOCHN(H2C)3Si(OC2H5)3
H2N(H2C)2HN(H2C)3Si(OCH3)3
H2N−Ph−Si(OCH3)3(式中、−Ph−はp−フェニレン基を示す)
Ph−HN(H2C)3Si(OCH3)3(式中、Ph−はフェニル基を示す)
(H9C4)2N(H2C)3Si(OCH3)3
アミノ基含有シランカップリング剤の具体例としては、次のようなものが挙げられる。
H2N(H2C)3Si(OCH3)3
H2N(H2C)3Si(OC2H5)3
H2N(H2C)3Si(CH3)(OCH3)2
H2N(H2C)2HN(H2C)3Si(CH3)(OCH3)2
H2NOCHN(H2C)3Si(OC2H5)3
H2N(H2C)2HN(H2C)3Si(OCH3)3
H2N−Ph−Si(OCH3)3(式中、−Ph−はp−フェニレン基を示す)
Ph−HN(H2C)3Si(OCH3)3(式中、Ph−はフェニル基を示す)
(H9C4)2N(H2C)3Si(OCH3)3
本発明においては、上記のカップリング剤の1種を単独でまたは2種を組み合わせて用いることができる。
カップリング剤の配合量は特に限定されないが、樹脂100重量部に対して1〜15重量部であるのが好ましく、5〜15重量部であるのがより好ましい。
カップリング剤の配合量が上記の範囲であれば、トナーに充分な電荷を付与し、かつ樹脂層の機械的強度などを著しく低下させることがない。
カップリング剤の配合量は特に限定されないが、樹脂100重量部に対して1〜15重量部であるのが好ましく、5〜15重量部であるのがより好ましい。
カップリング剤の配合量が上記の範囲であれば、トナーに充分な電荷を付与し、かつ樹脂層の機械的強度などを著しく低下させることがない。
キャリアの製造
本発明のキャリアは、キャリア芯材の表面に、上記の樹脂層の構成材料を溶剤中に溶解または分散させた樹脂液を塗布した後、溶剤を揮発除去して塗布層を形成し、さらに乾燥時または乾燥後に塗布層を加熱硬化または単に硬化させることによって製造することができる。
溶剤としては、使用する樹脂を溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、高級アルコール類のような有機溶剤が挙げられる。溶剤は1種を単独でまたは2種を組み合わせて用いることができる。
本発明のキャリアは、キャリア芯材の表面に、上記の樹脂層の構成材料を溶剤中に溶解または分散させた樹脂液を塗布した後、溶剤を揮発除去して塗布層を形成し、さらに乾燥時または乾燥後に塗布層を加熱硬化または単に硬化させることによって製造することができる。
溶剤としては、使用する樹脂を溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、高級アルコール類のような有機溶剤が挙げられる。溶剤は1種を単独でまたは2種を組み合わせて用いることができる。
キャリア芯材の表面に樹脂液を塗布する方法としては、公知の方法が採用できる。例えば、樹脂液中にキャリア芯材を浸漬させる浸漬法、樹脂液をキャリア芯材に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアにより浮遊させた状態で樹脂液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と樹脂液とを混合し、溶媒を除去するニーダーコーター法などが挙げられる。中でも、磁性コア粒子の露出を最小限に抑えることができるスプレー法が望ましい。
塗布液層の乾燥には、乾燥促進剤を用いてもよい。
乾燥促進剤としては公知のものを使用でき、例えば、ナフチル酸、オクチル酸などの鉛、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛塩などの金属石鹸、エタノールアミンなどの有機アミン類などが挙げられる。乾燥促進剤は1種を単独でまたは2種を組み合わせて用いることができる。その添加量は、溶剤100重量部に対して0.1〜5重量部程度である。
塗布液層の硬化は、樹脂や溶剤の種類に応じて加熱温度を適宜設定すればよく、例えば、150〜280℃程度の加熱が挙げられる。樹脂として常温硬化型シリコーン樹脂を用いる場合には、加熱を必要としないが、形成される樹脂層の機械的強度を向上させること、硬化時間を短縮することなどを目的として、150〜280℃程度に加熱してもよい。
樹脂液の全固形分濃度は特に限定されないが、キャリア芯材への塗布作業性などを考慮して、硬化後の樹脂層の膜厚が通常5μm以下、好ましくは0.1〜3μm程度になるように調整すればよい。
このようにして得られるキャリアは、高電気抵抗でかつ球形であることが好ましいが、導電性または非球形であっても本発明の効果が失われるものではない。
乾燥促進剤としては公知のものを使用でき、例えば、ナフチル酸、オクチル酸などの鉛、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛塩などの金属石鹸、エタノールアミンなどの有機アミン類などが挙げられる。乾燥促進剤は1種を単独でまたは2種を組み合わせて用いることができる。その添加量は、溶剤100重量部に対して0.1〜5重量部程度である。
塗布液層の硬化は、樹脂や溶剤の種類に応じて加熱温度を適宜設定すればよく、例えば、150〜280℃程度の加熱が挙げられる。樹脂として常温硬化型シリコーン樹脂を用いる場合には、加熱を必要としないが、形成される樹脂層の機械的強度を向上させること、硬化時間を短縮することなどを目的として、150〜280℃程度に加熱してもよい。
樹脂液の全固形分濃度は特に限定されないが、キャリア芯材への塗布作業性などを考慮して、硬化後の樹脂層の膜厚が通常5μm以下、好ましくは0.1〜3μm程度になるように調整すればよい。
このようにして得られるキャリアは、高電気抵抗でかつ球形であることが好ましいが、導電性または非球形であっても本発明の効果が失われるものではない。
2成分現像剤
以下に、本発明のキャリアを2成分現像剤に利用する場合について説明する。上記2成分現像剤は、上述の本発明のトナーとキャリアとを含むことを特徴とし、例えば、ナウターミキサー(商品名:VL−0、ホソカワミクロン社製)等の混合機を用いて、トナーとキャリアとを混合することによって製造できる。
また、トナーとキャリアの配合比としては、例えば10:90〜5:95の質量比であることが好ましい。
以下に、本発明のキャリアを2成分現像剤に利用する場合について説明する。上記2成分現像剤は、上述の本発明のトナーとキャリアとを含むことを特徴とし、例えば、ナウターミキサー(商品名:VL−0、ホソカワミクロン社製)等の混合機を用いて、トナーとキャリアとを混合することによって製造できる。
また、トナーとキャリアの配合比としては、例えば10:90〜5:95の質量比であることが好ましい。
物性測定方法
以下に、本発明に関する各物性値の測定方法について説明する。
以下に、本発明に関する各物性値の測定方法について説明する。
トナーの体積平均粒子径
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、トナー粒子20mg及びアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)を用いて、超音波周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:コールターマルチサイザーII、ベックマン・コールター株式会社製)を用い、アパーチャ径100μm、測定粒子数50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布からトナーの体積平均粒子径を求めた。
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、トナー粒子20mg及びアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)を用いて、超音波周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:コールターマルチサイザーII、ベックマン・コールター株式会社製)を用い、アパーチャ径100μm、測定粒子数50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布からトナーの体積平均粒子径を求めた。
キャリア芯材、磁性微粒子および導電性粒子の平均粒子径(μm)の測定
エーテル型非イオン性界面活性剤(ポリオキシラウリルエーテル、HLB=13.6、花王株式会社製、製品名:エマルゲン109P)の5%水溶液10mLに、測定試料約10〜15mgを添加し、超音波分散機(株式会社エスエムテー製、型式:UH−50)を用いて周波数20kHzで1分間分散処理する。得られた分散液約1mLを粒度分布測定装置(日機装株式会社製、型式:マイクロトラックMT3000)で体積粒度分布を測定し、その結果から体積平均粒径を求めた。
エーテル型非イオン性界面活性剤(ポリオキシラウリルエーテル、HLB=13.6、花王株式会社製、製品名:エマルゲン109P)の5%水溶液10mLに、測定試料約10〜15mgを添加し、超音波分散機(株式会社エスエムテー製、型式:UH−50)を用いて周波数20kHzで1分間分散処理する。得られた分散液約1mLを粒度分布測定装置(日機装株式会社製、型式:マイクロトラックMT3000)で体積粒度分布を測定し、その結果から体積平均粒径を求めた。
キャリアの体積抵抗値の測定
磁性微粒子の1000V/cmの電界下における体積抵抗値は、図1に示すような測定冶具によって測定することができる。すなわち、図1は、磁性微粒子の抵抗値測定に用いる測定冶具の模式図である。
磁性微粒子の1000V/cmの電界下における体積抵抗値は、図1に示すような測定冶具によって測定することができる。すなわち、図1は、磁性微粒子の抵抗値測定に用いる測定冶具の模式図である。
測定冶具1は、磁石2、アルミニウム製の電極3、基盤(アクリル樹脂板)4から構成される。電極3の間隔は1mmであり、大きさ10mm×40mmの平行平板電極が形成されている。
この電極間に磁性微粒子を200mg挿入し、次いで磁石2(表面磁束密度1500ガウス、対向する部分の磁石面積10mm×30mm)をN極とS極とが対向するように配置して磁性微粒子を電極間に保持する。この電極3に直流電圧1Vステップで1000Vまで印加したときの電流値を計測してブリッジ抵抗値を算出し、その値を磁性微粒子の体積抵抗値とした。
この電極間に磁性微粒子を200mg挿入し、次いで磁石2(表面磁束密度1500ガウス、対向する部分の磁石面積10mm×30mm)をN極とS極とが対向するように配置して磁性微粒子を電極間に保持する。この電極3に直流電圧1Vステップで1000Vまで印加したときの電流値を計測してブリッジ抵抗値を算出し、その値を磁性微粒子の体積抵抗値とした。
磁性キャリア粒子表面上の金属酸化物に由来する部分の面積割合の決定
本発明の磁性キャリア粒子表面上の金属酸化物に由来する部分の面積%は、走査電子顕微鏡による電子像の観察と、続く画像処理により求めることができる。
本発明に用いられる磁性キャリア粒子表面の金属酸化物に由来する部分の面積割合の測定は、走査電子顕微鏡(SEM)、S−4800(日立製作所社製)を用いて行った。金属酸化物に由来する部分の面積割合は、加速電圧1.0kVのときの、主に反射電子を可視化した像の画像処理から算出される。
本発明の磁性キャリア粒子表面上の金属酸化物に由来する部分の面積%は、走査電子顕微鏡による電子像の観察と、続く画像処理により求めることができる。
本発明に用いられる磁性キャリア粒子表面の金属酸化物に由来する部分の面積割合の測定は、走査電子顕微鏡(SEM)、S−4800(日立製作所社製)を用いて行った。金属酸化物に由来する部分の面積割合は、加速電圧1.0kVのときの、主に反射電子を可視化した像の画像処理から算出される。
具体的には、電子顕微鏡観察用の試料台上にカーボンテープでキャリア粒子を一層になるように固定し、白金による蒸着は行わずに、以下の条件にて、走査電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)で観察した。フラッシング操作を行ってから以下の測定条件にて観察を行った。
SignalName=SE(U,LA80)
AcceleratingVoltage=2000Volt
EmissionCurrent=10000nA
WorkingDistance=6000μm
LensMode=High
Condencer1=5
ScanSpeed=Slow4(40秒)
Magnification=600
DataSize=1280×960
ColorMode=Grayscale
SignalName=SE(U,LA80)
AcceleratingVoltage=2000Volt
EmissionCurrent=10000nA
WorkingDistance=6000μm
LensMode=High
Condencer1=5
ScanSpeed=Slow4(40秒)
Magnification=600
DataSize=1280×960
ColorMode=Grayscale
反射電子像は、走査電子顕微鏡S−4800の制御ソフト上で‘コントラスト5、ブライトネス−5’に明るさを調整し、キャプチャスピード/積算枚数‘Slow4を40秒’、画像サイズ1280×960pixelsの8bitの256階調グレースケール画像として磁性キャリアの投影像を得た(図2参照)。画像上のスケールから、1pixelの長さは0.1667μm、1pixelの面積は0.0278μm2となる。
続いて、得られた反射電子による投影像を用いて、磁性キャリア粒子50個について金属酸化物に由来する部分の面積割合(面積%)を算出した。解析する磁性キャリア粒子50個の選択方法の詳細は後述する。金属酸化物に由来する部分の面積%は、画像処理ソフトImage−Pro Plus5.1J(MediaCybernetics社製)を使用した。
まず、図2の画像下部の文字列は画像処理に不必要であり、不要な部分を削除し1280×895のサイズに切り出した(図3参照)。
次に、磁性キャリア粒子の部分を抽出し、抽出された磁性キャリア粒子部分のサイズをカウントした。具体的には、まず、解析する磁性キャリア粒子を抽出するため、磁性キャリア粒子と背景部分を分離する。Image−Pro Plus5.1Jの「測定」−「カウント/サイズ」を選択する。「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを50〜255の範囲に設定して、背景として写りこんでいる輝度の低いカーボンテープ部分を除外し、磁性キャリア粒子の抽出を行った(図4参照)。
次に、磁性キャリア粒子の部分を抽出し、抽出された磁性キャリア粒子部分のサイズをカウントした。具体的には、まず、解析する磁性キャリア粒子を抽出するため、磁性キャリア粒子と背景部分を分離する。Image−Pro Plus5.1Jの「測定」−「カウント/サイズ」を選択する。「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを50〜255の範囲に設定して、背景として写りこんでいる輝度の低いカーボンテープ部分を除外し、磁性キャリア粒子の抽出を行った(図4参照)。
カーボンテープ以外の方法で磁性キャリア粒子を固定した際には、必ずしも背景が輝度の低い領域とならない、あるいは、部分的に磁性キャリア粒子と同じような輝度となる可能性は皆無ではない。しかし、磁性キャリア粒子と背景の境界については、反射電子観察像から容易に区別できる。抽出を行う際、「カウント/サイズ」の抽出オプションで、4連結を選択し、平滑度5を入力、穴を埋めるにチェックを入れ、画像の全ての境界(外周)上に位置する粒子や他の粒子と重なっている粒子については、計算から除外するものとした。抽出された粒子群から一粒子を選択し、その粒子に由来する部分の面積(pixel数)を求めた。
次に、Image−Pro Plus5.1Jの「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを140〜255の範囲に設定して、キャリア粒子上の輝度の高い部分の抽出を行った(図5参照)。面積の選別レンジを最小10pixel、最大10000pixelとした。
そして、先程選択した粒子について、磁性キャリア粒子表面の金属酸化物に由来する部分の総面積(pixel数)を求めた。
また、磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合を求めた。
また、磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合を求めた。
次いで、抽出された粒子群の各粒子に対して、選択される磁性キャリア粒子の数が50となるまで同様の処理を行った。一視野中の粒子の数が50に満たない場合には、別視野の磁性キャリア粒子投影像について同様の操作を繰り返した。
そして、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合を求めた。
そして、磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合を求めた。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
製造例1
非晶性ポリエステル樹脂PA1の調製
反応槽中に、テレフタル酸440g(2.7モル)、イソフタル酸235g(1.4モル)、アジピン酸7g(0.05モル)、エチレングリコール554g(8.9モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5gを入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸103g(0.54モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ、所定の軟化点で樹脂を取出した。回収されたエチレングリコールは219g(3.5モル)であった。
非晶性ポリエステル樹脂PA1の調製
反応槽中に、テレフタル酸440g(2.7モル)、イソフタル酸235g(1.4モル)、アジピン酸7g(0.05モル)、エチレングリコール554g(8.9モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5gを入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸103g(0.54モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ、所定の軟化点で樹脂を取出した。回収されたエチレングリコールは219g(3.5モル)であった。
得られた樹脂を室温まで冷却した後、粉砕により粒子化した。これを非晶性ポリエステル樹脂PA1とした。非晶性ポリエステル樹脂PA1は、Tgが56℃、Tmが135℃、Mpが4800、酸価が37mgKOH/g、水酸基価が50mgKOH/gであった。
製造例2
結晶性ポリエステル樹脂PC1の調製
反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール132g(1.12モル)、1、10−デカンジカルボン酸230g(1.0モル)、及び重合触媒としてテトラブトキシチタネート3gを入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2mgKOH/g以下になったところで樹脂を取出した。得られた樹脂を室温まで冷却した後、粉砕により粒子化した。これを結晶性ポリエステル樹脂PC1とした。結晶性ポリエステル樹脂PC1は、Tmpが66℃、Tmが73℃(Tm/Tmp=1.1)、Mpが13500であった。
結晶性ポリエステル樹脂PC1の調製
反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール132g(1.12モル)、1、10−デカンジカルボン酸230g(1.0モル)、及び重合触媒としてテトラブトキシチタネート3gを入れ、210℃で常圧下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下で反応を継続し、酸価が2mgKOH/g以下になったところで樹脂を取出した。得られた樹脂を室温まで冷却した後、粉砕により粒子化した。これを結晶性ポリエステル樹脂PC1とした。結晶性ポリエステル樹脂PC1は、Tmpが66℃、Tmが73℃(Tm/Tmp=1.1)、Mpが13500であった。
製造例3
トナーT1の調製
非晶性ポリエステル樹脂PA1 95質量部
結晶性ポリエステル樹脂PC1 5質量部
ワックス(WEP−5、日油社製) 5質量部
カーボンブラック(MA−100、三菱化学社製) 7質量部
帯電制御剤(ボントロンE84、オリエント化学社製) 1質量部
上記トナー原料をヘンシェルミキサ(FM20C、日本コークス社製)で5分間撹拌混合した後、得られた撹拌混合物をオープンロール型連続混練機(MOS320−1800、三井鉱山社製)で溶融混練した。
トナーT1の調製
非晶性ポリエステル樹脂PA1 95質量部
結晶性ポリエステル樹脂PC1 5質量部
ワックス(WEP−5、日油社製) 5質量部
カーボンブラック(MA−100、三菱化学社製) 7質量部
帯電制御剤(ボントロンE84、オリエント化学社製) 1質量部
上記トナー原料をヘンシェルミキサ(FM20C、日本コークス社製)で5分間撹拌混合した後、得られた撹拌混合物をオープンロール型連続混練機(MOS320−1800、三井鉱山社製)で溶融混練した。
得られた溶融混練物を、冷却ベルトで冷却させた後、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルを用いて粗粉砕し、次いでジェット式粉砕機(IDS−2、日本ニューマチック工業社製)を用いて微粉砕し、さらにエルボージェット分級機(日鉄鉱業株式会社製、型式:EJ−LABO)を用いて分級して、体積平均粒子径6.5μmのトナー母粒子を得た。
次に、得られたトナー母粒子100質量部に、外添剤として、i−ブチルトリメトキシシランで疎水化処理されたシリカ微粒子(平均粒子径100nm)を2質量部、市販のシリカ微粒子(商品名:R976、アエロジル社製、平均一次粒子径7nm)を1.5質量部加えて、撹拌羽根の先端速度を15m/秒に設定した気流混合機(三井鉱山社製、ヘンシェルミキサ)で2分間撹拌することによって、体積平均粒子径6.5μmのトナーT1を作製した。
製造例4
トナーT2の調製
着色剤として、カーボンブラックの代わりに、C.I.Pigment Blue 15:3を用いたこと以外はトナーT1の製造と同様にして、トナーT2を得た。
トナーT2の調製
着色剤として、カーボンブラックの代わりに、C.I.Pigment Blue 15:3を用いたこと以外はトナーT1の製造と同様にして、トナーT2を得た。
製造例5
トナーT3の調製
結着樹脂として、
非晶性ポリエステル樹脂PA1 80質量部
結晶性ポリエステル樹脂PC1 20質量部
を用いたこと以外はトナーT1の製造と同様にして、トナーT3を得た。
トナーT3の調製
結着樹脂として、
非晶性ポリエステル樹脂PA1 80質量部
結晶性ポリエステル樹脂PC1 20質量部
を用いたこと以外はトナーT1の製造と同様にして、トナーT3を得た。
製造例6
キャリアC1の調整
シリコーン樹脂(数平均分子量:約15000)100重量部と、導電材としてカーボンブラック(1次粒径25nm、吸油量150ml/100g)3重量部、帯電制御剤としてシランカップリング剤(100%溶液、東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名:Z6011)8重量部、磁性微粒子としてマグネタイト(平均1次粒子径0.28μm、比表面積5.5m2/g、保磁力52Oe、真比重5.2)20重量部、硬化剤としてオクチル酸5重量部とをトルエンに溶解および分散し、被覆用塗液を調製した。
調製した被覆用塗液を、スプレー被覆装置により平均粒子径45μmのキャリア芯材(Mn−Mgフェライト)1000重量部に被覆した。トルエンを完全に蒸発除去し、体積平均粒子径が45μm、体積抵抗率が2×1011Ω・cm、飽和磁化65emu/g、のキャリアC1を作製した。
キャリアC1の調整
シリコーン樹脂(数平均分子量:約15000)100重量部と、導電材としてカーボンブラック(1次粒径25nm、吸油量150ml/100g)3重量部、帯電制御剤としてシランカップリング剤(100%溶液、東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名:Z6011)8重量部、磁性微粒子としてマグネタイト(平均1次粒子径0.28μm、比表面積5.5m2/g、保磁力52Oe、真比重5.2)20重量部、硬化剤としてオクチル酸5重量部とをトルエンに溶解および分散し、被覆用塗液を調製した。
調製した被覆用塗液を、スプレー被覆装置により平均粒子径45μmのキャリア芯材(Mn−Mgフェライト)1000重量部に被覆した。トルエンを完全に蒸発除去し、体積平均粒子径が45μm、体積抵抗率が2×1011Ω・cm、飽和磁化65emu/g、のキャリアC1を作製した。
製造例7〜12
キャリアC2〜C7の調整
以下の表1に示す樹脂被覆キャリアの各成分とそれらの配合量とすること以外は、樹脂被覆キャリアC1と同様にして樹脂被覆キャリアC2〜C7を得た。
キャリアC2〜C7の調整
以下の表1に示す樹脂被覆キャリアの各成分とそれらの配合量とすること以外は、樹脂被覆キャリアC1と同様にして樹脂被覆キャリアC2〜C7を得た。
製造例13
キャリアC8の調整
シリコーン樹脂(数平均分子量:約15000)100重量部と、導電材としてカーボンブラック(1次粒径25nm、吸油量150ml/100g)3重量部、帯電制御剤としてシランカップリング剤(100%溶液、東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名:Z6011)8重量部、磁性微粒子としてマグネタイト(平均1次粒子径0.28μm、比表面積5.5m2/g、保磁力52Oe、真比重5.2)20重量部、硬化剤としてオクチル酸5重量部とをトルエンに溶解および分散し、被覆用塗液を調製した。
この被覆用塗液と平均粒子径45μmのキャリア芯材(Mn−Mgフェライト)1000重量部を真空脱気型ニーダに入れ、60℃で25分撹拌した後、更に加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることにより、体積平均粒子径が45μm、体積抵抗率が1.5×1011Ω・cm、飽和磁化が65emu/gのキャリアC8を作製した。
キャリアC8の調整
シリコーン樹脂(数平均分子量:約15000)100重量部と、導電材としてカーボンブラック(1次粒径25nm、吸油量150ml/100g)3重量部、帯電制御剤としてシランカップリング剤(100%溶液、東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名:Z6011)8重量部、磁性微粒子としてマグネタイト(平均1次粒子径0.28μm、比表面積5.5m2/g、保磁力52Oe、真比重5.2)20重量部、硬化剤としてオクチル酸5重量部とをトルエンに溶解および分散し、被覆用塗液を調製した。
この被覆用塗液と平均粒子径45μmのキャリア芯材(Mn−Mgフェライト)1000重量部を真空脱気型ニーダに入れ、60℃で25分撹拌した後、更に加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることにより、体積平均粒子径が45μm、体積抵抗率が1.5×1011Ω・cm、飽和磁化が65emu/gのキャリアC8を作製した。
製造例14〜15
キャリアC9〜C10の調整
以下の表に示す樹脂被覆キャリアの各成分とそれらの配合量とすること以外は、樹脂被覆キャリアC8と同様にして樹脂被覆キャリアC9〜C10を得た。
キャリアC9〜C10の調整
以下の表に示す樹脂被覆キャリアの各成分とそれらの配合量とすること以外は、樹脂被覆キャリアC8と同様にして樹脂被覆キャリアC9〜C10を得た。
実施例1
2成分現像剤D1の調製
トナーT1(A)とキャリアC1(B)とを6:94の質量比(A:B)でナウターミキサー(商品名:VL−0、ホソカワミクロン社製)に投入し、20分間撹拌混合することによって、実施例1の2成分現像剤D1を作製した。
2成分現像剤D1の調製
トナーT1(A)とキャリアC1(B)とを6:94の質量比(A:B)でナウターミキサー(商品名:VL−0、ホソカワミクロン社製)に投入し、20分間撹拌混合することによって、実施例1の2成分現像剤D1を作製した。
実施例2〜7および比較例1〜3
2成分現像剤D2〜10の調製とその評価
以下の、表3に示すトナーと樹脂被覆キャリアとを組み合わせること以外は、実施例1と同様にして実施例2〜7および比較例1〜3の2成分現像剤D2〜10を作製し、評価した。
2成分現像剤D2〜10の調製とその評価
以下の、表3に示すトナーと樹脂被覆キャリアとを組み合わせること以外は、実施例1と同様にして実施例2〜7および比較例1〜3の2成分現像剤D2〜10を作製し、評価した。
ゴースト現象の評価方法
作製した上記2成分現像剤及びトナーを、カラー複合機(商品名:MX−4140FN、シャープ株式会社製)の現像装置及びトナーカートリッジにそれぞれ充填し、現像ローラの軸方向における中央部と両端部の3点の位置に、一辺が1cmの正方形のベタ画像(ID=1.45〜1.50)が形成されるように、25℃湿度50%の環境で50000枚の連続プリントテストを行った。
作製した上記2成分現像剤及びトナーを、カラー複合機(商品名:MX−4140FN、シャープ株式会社製)の現像装置及びトナーカートリッジにそれぞれ充填し、現像ローラの軸方向における中央部と両端部の3点の位置に、一辺が1cmの正方形のベタ画像(ID=1.45〜1.50)が形成されるように、25℃湿度50%の環境で50000枚の連続プリントテストを行った。
ゴースト現象の評価基準は以下のとおりである。
50000枚目画像において、プリント画像上の現像スリーブ1周目にあたる模様が、現像スリーブ2周目以降にゴーストが現れる数を数え、その数から次の基準でゴースト現象を評価した。
◎:最良(ゴーストが1つも現れていない)
○:良好(ゴーストの数が1つ)
△:可(ゴーストの数が2つ)
×:不良(ゴーストの数が3つ以上)
50000枚目画像において、プリント画像上の現像スリーブ1周目にあたる模様が、現像スリーブ2周目以降にゴーストが現れる数を数え、その数から次の基準でゴースト現象を評価した。
◎:最良(ゴーストが1つも現れていない)
○:良好(ゴーストの数が1つ)
△:可(ゴーストの数が2つ)
×:不良(ゴーストの数が3つ以上)
上記の結果から、実施例1〜7で得られた2成分現像剤D1〜D7は、何れも磁性キャリア粒子1粒子の全投影面積に対する金属酸化物に由来する部分が、最大3.0面積%である粒子の割合が80個数%以上であり、かつ磁性キャリア粒子表面上の金属酸化物に由来する部分の面積割合が、3.0面積%以下であると、ゴースト現象が全く観察されないか、1つだけ観察され、優れた2成分現像剤であることが判明した。
一方、比較例1〜3で得られた最大3.0面積%である粒子の割合が30個数%以下であり、かつ磁性キャリア粒子表面上の金属酸化物に由来する部分の面積割合が、3.5面積%以上であると、ゴースト現象が3つ以上観察され、2成分現像剤としては使用できないことが判明した。
本発明によれば、静電潜像現像剤用キャリアを含む低温定着性に優れた2成分現像剤が提供される。
1:測定治具
2:磁石
3:アルミ製電極
4:基盤(アクリル樹脂版)
2:磁石
3:アルミ製電極
4:基盤(アクリル樹脂版)
Claims (6)
- 2価のアルコール成分モノマーと、ジカルボン酸を含む酸成分モノマーとを重合して得られる非晶性ポリエステル樹脂中に、直鎖状飽和脂肪族ポリエステルユニットで構成される結晶性ポリエステル樹脂が分散し、トナーと、キャリアから構成される2成分現像剤において、
キャリアが芯材粒子上に少なくとも結着樹脂とアミノプロピルトリエトキシシランを含む被覆層を有する磁性キャリアであって、走査型顕微鏡により撮影した画像において、
磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合が、最小でも磁性キャリア中80個数%であり、
磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合が、最大でも3.0面積%であることを特徴とする2成分現像剤。 - 前記2価のアルコールの主成分がエチレングリコールである請求項1に記載の2成分現像剤。
- 前記キャリアの表面樹脂層に含まれるアミノプロピルトリエトキシシランが、樹脂100重量部に対して1〜15重量部の割合で含まれる請求項1または2に記載の2成分現像剤。
- 前記磁性キャリアの、走査型顕微鏡により撮影した画像において、
磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合が、最小でも磁性キャリア中90個数%であり、
磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合が、最大でも3.0面積%である請求項1〜3のいずれか1つに記載の2成分現像剤。 - 前記キャリアの表面樹脂層に含まれるアミノプロピルトリエトキシシランが、樹脂100重量部に対して5〜15重量部の割合で含まれる請求項1〜4のいずれか1つに記載の2成分現像剤。
- 芯材粒子上に少なくとも結着樹脂とアミノプロピルトリエトキシシランを含む被覆層を有する磁性キャリアであって、走査型顕微鏡により撮影した画像において、
磁性キャリア粒子1粒子の、全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の割合が、最大でも3.0面積%である磁性キャリア粒子の割合が、最小でも磁性キャリア中80個数%であり、
磁性キャリアの全投影面積に対する磁性キャリア粒子上の金属酸化物に由来する輝度の高い部分の総面積の平均割合が、最大でも3.0面積%であることを特徴とするキャリア。
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