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JP2017077086A - ロータコアの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の分割磁石がスペーサによって固定された磁石アセンブリを積層鋼板のスロットに挿入する際に当該スペーサの損傷を抑制することができるロータコアの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一形態に係るロータコアの製造方法は、間隔を開けて配置された治具上に当該間隔を跨ぐようにスペーサ9を配置する工程と、治具に形成された吸引孔からエアを吸引することで、スペーサ9を治具に吸い寄せる工程と、複数の分割磁石81を積層鋼板12のスロット12aに挿入する形態で並べてスペーサ9における間隔に配置された部分に押し付けつつ磁石8の長手方向に移動させ、エアの吸引によってスペーサ9を引っ張りながら、スペーサ9で複数の分割磁石81を巻き込むように、スペーサ9を複数の分割磁石81に貼り付ける工程と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロータコアの製造方法に関し、例えば、磁石を長手方向に分割した複数の分割磁石がフィルム状のスペーサで固定された磁石アセンブリを、積層鋼板における鋼板の積層方向に磁石の長手方向が配置されるように、積層鋼板のスロットに挿入したロータコアの製造方法に関する。
例えば、ハイブリッド自動車などの電動モーターのロータコアは、積層鋼板のスロットに磁石が挿入された構成である。このとき、渦電流の低減のために、磁石が複数の分割磁石に分割されてスロットに挿入される場合がある。
しかし、積層鋼板と磁石とを絶縁していないため、磁石に生じる渦電流が積層鋼板を介して、隣接するスロットに挿入された別の磁石にまで流れてしまい、比較的大きなループの渦電流が生じてしまう場合がある。
そこで、特許文献1には、磁石の長手方向に間隔を開けた二か所で、並べられた複数の分割磁石に絶縁テープ(スペーサ)を巻き付け、複数の分割磁石を絶縁テープで固定して磁石アセンブリとする技術が開示されている。
特開2015−61328号公報
特許文献1の技術は、磁石の長手方向に間隔を開けた二か所で、複数の分割磁石に絶縁テープを巻き付けて、複数の分割磁石を絶縁テープで固定するので、絶縁テープが存在する箇所と当該絶縁テープが存在しない箇所との境で段差が生じ、磁石アセンブリをスロットに挿入する際に当該スロットの縁部に絶縁テープが引っ掛かって損傷し易い。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、複数の分割磁石がスペーサによって固定された磁石アセンブリを積層鋼板のスロットに挿入する際に当該スペーサの損傷を抑制することができるロータコアの製造方法を実現する。
本発明の一態様に係るロータコアの製造方法は、磁石を長手方向に分割した複数の分割磁石がフィルム状のスペーサで固定された磁石アセンブリを、積層鋼板における鋼板の積層方向に前記磁石の長手方向が配置されるように、前記積層鋼板のスロットに挿入したロータコアの製造方法であって、
間隔を開けて配置された治具上に当該間隔を跨ぐように前記スペーサを配置する工程と、
前記治具に形成された吸引孔からエアを吸引することで、前記スペーサを前記治具に吸い寄せる工程と、
前記複数の分割磁石を前記積層鋼板のスロットに挿入する形態で並べて前記スペーサにおける前記間隔に配置された部分に押し付けつつ前記磁石の長手方向に移動させ、前記エアの吸引によって前記スペーサを引っ張りながら、前記スペーサで前記複数の分割磁石を巻き込むように、前記スペーサを前記複数の分割磁石に貼り付ける工程と、
を備える。
本発明により、複数の分割磁石がスペーサによって固定された磁石アセンブリを積層鋼板のスロットに挿入する際に当該スペーサの損傷を抑制することができるロータコアの製造方法を実現できる。
実施の形態1の貼付装置を用いて磁石にスペーサを貼り付ける直前の様子を模式的に示す縦断面図である。 並べられた分割磁石にスペーサを貼り付ける様子を概念的に示す図である。 実施の形態1の貼付装置における治具の吸引孔と磁石とスペーサとの平面的な配置関係を模式的に示す図である。 実施の形態1の貼付装置を用いて磁石にスペーサを貼り付ける様子を模式的に示す縦断面図である。 実施の形態1の貼付装置を用いて磁石にスペーサを貼り付けた直後の様子を模式的に示す縦断面図である。 分割磁石がスペーサで固定された磁石アセンブリを模式的に示す斜視図である。 分割磁石がスペーサで固定された磁石アセンブリを模式的に示す端面図である。 吸引機能を備えていない第1の治具及び第2の治具を用い、且つ上側クランプのみで磁石を支持して、スペーサによって磁石を巻き込む様子を模式的に示す図である。 吸引機能を備えていない第1の治具及び第2の治具を用い、且つ上側クランプのみで磁石を支持して、スペーサによって磁石を巻き込む様子を模式的に示す異なる図である。 積層鋼板を模式的に示す上面図である。 積層鋼板のスロットに磁石アセンブリを挿入する様子を模式的に示す斜視図である。 積層鋼板のスロットに磁石アセンブリを挿入する様子を模式的に示す部分断面図である。 、積層鋼板のスロットに磁石アセンブリを樹脂によって固定する様子を模式的に示す図である。 実施の形態2の貼付装置を用いて磁石にスペーサを貼り付ける様子を模式的に示す縦断面図である。 異なる吸引路に振り分けられる吸引孔を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。但し、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
<実施の形態1>
本実施の形態のロータコアの製造方法を説明する。先ず、本実施の形態のロータコアを製造するために用いるスペーサの貼付装置(以下、単に貼付装置と省略する場合がある。)の構成を簡単に説明する。図1は、本実施の形態の貼付装置を用いて磁石にスペーサを貼り付ける直前の様子を模式的に示す縦断面図である。
貼付装置1は、図1に示すように、第1の治具2、第2の治具3、第1の回転ローラ4、第2の回転ローラ5、上側クランプ6及び下側クランプ7を備えている。
第1の治具2の上面は、略水平面である。第1の治具2は、複数の吸引孔2aを備えている。吸引孔2aは、例えば、共通の吸引路2bを介して外部の吸引ポンプなどに接続されている。
第2の治具3の上面は、略水平面であり、第1の治具2の上面と略等しい平面上に配置されている。第2の治具3は、複数の吸引孔3aを備えている。吸引孔3aは、例えば、共通の吸引路3bを介して外部の吸引ポンプなどに接続されている。
これらの第1の治具2と第2の治具3とは、間隔を開けて配置されている。第1の治具2と第2の治具3との間隔は、磁石8にスペーサ9を貼り付ける際に、当該間隔に少なくともスペーサ9に巻き込まれた磁石8を通すことが可能な幅を有する。
また、第1の治具2及び第2の治具3の上面は、第1の治具2と第2の治具3との間隔を跨ぐように第1の治具2及び第2の治具3の上面にスペーサ9を載置可能な広さを有する。
第1の回転ローラ4は、倒円柱形状のローラ本体を備えている。第1の回転ローラ4は、第1の治具2における第2の治具3側の縁部に沿って配置されている。言い換えると、第1の回転ローラ4は、第1の治具2と第2の治具3との間隔の一側に配置されている。そして、第1の回転ローラ4の回転軸は、第1の治具2における第2の治具3側の縁部に沿って延在している。
第2の回転ローラ5は、倒円柱形状のローラ本体を備えている。そして、第2の回転ローラ5のローラ本体の直径は、例えば、第1の回転ローラ4のローラ本体の直径と略等しい。第2の回転ローラ5は、第2の治具3における第1の治具2側の縁部に沿って配置されている。言い換えると、第2の回転ローラ5は、第1の治具2と第2の治具3との間隔の他側に配置されている。そして、第2の回転ローラ5の回転軸は、第2の治具3における第1の治具2側の縁部に沿って延在しており、第1の回転ローラ4の回転軸と略平行に配置されている。
これらの第1の回転ローラ4と第2の回転ローラ5とは、間隔を開けて配置されている。第1の回転ローラ4と第2の回転ローラ5との間隔は、磁石8にスペーサ9を貼り付ける際に、磁石8をスペーサ9で巻き込むように磁石8にスペーサ9を押し付けることが可能な幅を有する。
ここで、第1の回転ローラ4及び第2の回転ローラ5のローラ本体は、例えば、外周面がゴムなどの樹脂によって被覆されていることが好ましい。これにより、磁石8にスペーサ9を貼り付ける際に当該スペーサ9の損傷を抑制することができる。
上側クランプ6は、下側クランプ7とでスペーサ9を介して磁石8を挟み込んで当該磁石8を貼付装置1の上下方向に移動させる。上側クランプ6は、図示を省略した駆動手段によって貼付装置1の上下方向に移動可能な構成とされている。このような上側クランプ6は、第1の治具2と第2の治具3との間隔の上方に配置されており、当該間隔に挿入可能な形状とされている。
下側クランプ7も、図示を省略した駆動手段によって貼付装置1の上下方向に移動可能な構成とされている。このような下側クランプ7は、第1の治具2と第2の治具3との間隔の下方に配置されており、当該間隔に挿入可能な形状とされている。
次に、上述の貼付装置1を用いて磁石8にスペーサ9を貼り付ける流れを説明する。図2は、並べられた分割磁石にスペーサを貼り付ける様子を概念的に示す図である。図3は、本実施の形態の貼付装置における治具の吸引孔と磁石とスペーサとの平面的な配置関係を模式的に示す図である。図4は、本実施の形態の貼付装置を用いて磁石にスペーサを貼り付ける様子を模式的に示す縦断面図である。図5は、本実施の形態の貼付装置を用いて磁石にスペーサを貼り付けた直後の様子を模式的に示す縦断面図である。図6は、分割磁石がスペーサで固定された磁石アセンブリを模式的に示す斜視図である。図7は、分割磁石がスペーサで固定された磁石アセンブリを模式的に示す端面図である。なお、スペーサ9に設けられる接着部材10は薄いため、図面において接着部材10を省略している場合がある。
先ず、本実施の形態でスペーサ9が貼り付けられる磁石8及び当該スペーサ9を説明する。磁石8は、図2に示すように、略四角柱形状であり、当該磁石8の長手方向に分割された複数(図示例では2個)の分割磁石81を備えている。言い換えると、磁石8は、幅方向で複数に分割されている。そして、分割磁石81の幅方向で向かい合う側面(即ち、磁石8の分割面)同士が略接触するように並べられている。但し、分割磁石81の個数及び形状は、適宜変更することができる。
スペーサ9は、磁石8(即ち、並べられた分割磁石81)における厚さ方向で向かい合う面及び下面の略全域を覆うことが可能な広さに形成されている。つまり、スペーサ9の幅寸法W1は、図2に示すように、磁石8の幅寸法W2と略等しい。また、スペーサ9の長さL1は、磁石8の厚さ方向で向かい合う面及び下面で直線状に連続する辺の長さと略等しい。つまり、スペーサ9の長さL1は、磁石8の長さL2の2倍と磁石8の厚さTとの和と略等しい。そして、スペーサ9は、例えば、数μm〜20μm程度の厚さに形成されている。但し、スペーサ9は、少なくとも磁石8における厚さ方向で向かい合う面の一部及び下面を連続的に覆うことができればよい。
スペーサ9は、絶縁性を有するシート部材又はシート部材の表面が絶縁材料によってコーティングされたものである。そして、スペーサ9における磁石8に貼り付けられる部分には、接着部材10が設けられている。接着部材10は、例えば、スペーサ9における磁石8の厚さ方向で向かい合う面を覆う部分に設けられている。
上述の広さに予め切断され、所定の位置に接着部材10が設けられたスペーサ9を、先ず、図1に示すように、第1の治具2と第2の治具3との間隔部分を跨ぐように、第1の治具2及び第2の治具3の上面に載置する。このとき、スペーサ9における接着部材10が設けられた面を、貼付装置1の上方に向けて配置する。そして、スペーサ9における磁石8の下面と接触する部分(即ち、スペーサ9における接着部材10と接着部材10との間の部分)を、第1の治具2と第2の治具3との間隔部分に配置する。また、スペーサ9の幅方向を、第1の回転ローラ4及び第2の回転ローラ5の回転軸が延在する方向に配置する。
ここで、第1の治具2の吸引孔2a及び第2の治具3の吸引孔3aは、図3に示すように、貼付装置1の上下方向から見て、スペーサ9の略全域に配置される。この状態で、吸引ポンプを動作させて、第1の治具2の吸引孔2a及び第2の治具3の吸引孔3aからエアを吸引して、スペーサ9を第1の治具2及び第2の治具3の上面に吸い寄せる。このように、第1の治具2の吸引孔2a及び第2の治具3の吸引孔3aはスペーサ9の略全域に配置されるので、スペーサ9が局所的に吸引されることを防ぎ、スペーサ9にシワなどが発生し難い。
次に、図1に示すように、スペーサ9における接着部材10と接着部材10との間の部分に分割磁石81を並べて配置し、並べられた分割磁石81をスペーサ9を介して貼付装置1の上下方向から上側クランプ6と下側クランプ7とで挟み込んで支持する。このとき、図3に示すように、並べられた分割磁石81の幅方向は、スペーサ9の幅方向に配置する。そして、貼付装置1の上下方向から見て、並べられた分割磁石81の突き合せ面をスペーサ9の幅方向における略中央に配置する。その結果、並べられた分割磁石81の厚さ方向で、当該並べられた分割磁石81を間にしてスペーサ9における接着部材10が設けられた部分が配置される。ここで、上側クランプ6と下側クランプ7とでスペーサ9が磁石8に押し当てられて固定されるので、スペーサ9の位置ずれを抑制できる。
次に、スペーサ9を第1の治具2及び第2の治具3の上面に吸い寄せた状態で、図4及び図5に示すように、並べられた分割磁石81をスペーサ9を介して挟み込んで支持する上側クランプ6及び下側クランプ7を貼付装置1の下方に向かって移動させる。このとき、第1の治具2及び第2の治具3のエアによる吸引力は、磁石8を貼付装置1の下方に向かって移動させる力より弱く、且つ当該吸引力と磁石8を貼付装置1の下方に向かって移動させる力との差がスペーサ9が破れる力より弱く設定されている。
これにより、並べられた分割磁石81は、スペーサ9を引き込みながら貼付装置1の下方に向かって移動する。このとき、スペーサ9は、第1の治具2及び第2の治具3のエアによる吸引力によって張った状態で貼付装置1の下方に向かって引き込まれて、並べられた分割磁石81の下方から上方に向かって当該並べられた分割磁石81を巻き込む。そして、スペーサ9における接着部材10が設けられた部分は、第1の回転ローラ4と第2の回転ローラ5とで、並べられた分割磁石81における厚さ方向で向かい合う面に押し付けられる。
その結果、図6及び図7に示すように、スペーサ9が並べられた分割磁石81における厚さ方向で向かい合う面及び下面を覆うように当該並べられた分割磁石81を巻き込んだ形態で、スペーサ9が当該向かい合う面に貼り付けられて、並べられた分割磁石81はスペーサ9によって固定され、磁石アセンブリ11とされる。
このように本実施の形態では、磁石8を長手方向に移動させてスペーサ9を引き込み、スペーサ9が磁石8における厚さ方向で向かい合う面及び下面を覆うように当該磁石8を巻き込んだ形態で、スペーサ9を磁石8に貼り付けるので、磁石アセンブリ11の長手方向に段差が生じない。
ここで、図8及び図9は、吸引機能を備えていない第1の治具及び第2の治具を用い、且つ上側クランプのみで磁石を支持して、スペーサによって磁石を巻き込む様子を模式的に示す図である。
吸引機能を備えていない第1の治具20及び第2の治具30の上面にスペーサ9を載置し、スペーサ9に上側クランプ6のみで支持された磁石8を押し込んで、スペーサ9によって磁石8を巻き込むと、図8に示すようにスペーサ9にシワや撓みが発生したり、図9に示すようにスペーサ9における磁石8への貼付位置がずれたり、する場合がある。
それに対して、本実施の形態では、下側クランプ7でスペーサ9が磁石8に押し当てられながら、第1の治具2及び第2の治具3のエアの吸引による吸引力によって張った状態で、磁石8に貼り付けられるので、スペーサ9にシワや撓みなどが発生し難く、磁石8への貼付位置のずれも発生し難い。
次に、上述の磁石アセンブリ11を積層鋼板12のスロット12aに固定する流れを説明する。図10は、積層鋼板を模式的に示す上面図である。図11は、積層鋼板のスロットに磁石アセンブリを挿入する様子を模式的に示す斜視図である。図12は、積層鋼板のスロットに磁石アセンブリを挿入する様子を模式的に示す部分断面図である。図13は、積層鋼板のスロットに磁石アセンブリを樹脂によって固定する様子を模式的に示す図である。なお、図面において接着部材10を省略している場合がある。
先ず、積層鋼板12の構成を簡単に説明する。積層鋼板12は、図10及び図11に示すように、複数枚の鋼板12bが積層されており、磁石アセンブリ11が挿入されるスロット12aや回転軸(図示を省略)が嵌合される軸孔12cを備えている。これらのスロット12a及び軸孔12cは、鋼板12bの積層方向に貫通している。
このような積層鋼板12のスロット12aに、図11及び図12に示すように、磁石アセンブリ11を挿入する。ここで、上述のようにスペーサ9によって磁石8における厚さ方向で向かい合う面及び下面を覆うように当該磁石8を巻き込んでいるので、磁石アセンブリ11の長手方向に段差がない。そして、磁石アセンブリ11における磁石8がスペーサ9で巻き込まれた側(即ち、磁石アセンブリ11の下方)から積層鋼板12のスロット12aに挿入する。これにより、磁石アセンブリ11を積層鋼板12のスロット12aに挿入する際に、磁石アセンブリ11のスペーサ9がスロット12aの縁部に引っ掛からない。そのため、積層鋼板12のスロット12aに磁石アセンブリ11を挿入する際に、スペーサ9の損傷を抑制でき、しかも、磁石8からスペーサ9が剥がれることを抑制できる。
また、分割磁石81をスペーサ9で固定した磁石アセンブリ11を積層鋼板12のスロット12aに挿入するので、磁石8を簡単にスロット12aに挿入することができる。
次に、図13に示すように、磁石アセンブリ11における磁石8がスペーサ9によって巻き込まれた側から積層鋼板12のスロット12aに樹脂13を注入し、磁石アセンブリ11を積層鋼板12のスロット12a内に固定すると、ロータコアを製造することができる。このように磁石アセンブリ11における磁石8がスペーサ9によって巻き込まれた側から樹脂13を注入するので、磁石8とスペーサ9との間に樹脂13が入り込むことを抑制できる。そのため、磁石8からスペーサ9が剥がれることを抑制できる。
<実施の形態2>
実施の形態1における第1の治具2の吸引孔2aは共通の吸引路2bを介して吸引ポンプなどに接続され、第2の治具3の吸引孔3aは共通の吸引路3bを介して吸引ポンプなどに接続されているが、この限りでない。図14は、本実施の形態の貼付装置を用いて磁石にスペーサを貼り付ける様子を模式的に示す縦断面図である。図15は、異なる吸引路に振り分けられる吸引孔を説明するための図である。
本実施の形態では、図14及び図15に示すように、第1の回転ローラ4及び第2の回転ローラ5の回転軸が延在する方向に並ぶ吸引孔2a及び吸引孔3aを複数列毎に、異なる吸引路を介して異なる吸引ポンプに接続している。例えば、第1の治具2の領域I内の吸引孔2aは、第1の吸引路を介して第1の吸引ポンプに接続されている。第1の治具2の領域II内の吸引孔2aは、第2の吸引路2cを介して第2の吸引ポンプに接続されている。第1の治具2の領域III内の吸引孔2aは、第3の吸引路2dを介して第3の吸引ポンプに接続されている。第2の治具3の領域IV内の吸引孔3aは、第4の吸引路3cを介して第4の吸引ポンプに接続されている。第2の治具3の領域V内の吸引孔3aは、第5の吸引路3dを介して第5の吸引ポンプに接続されている。第2の治具3の領域VI内の吸引孔3aは、第6の吸引路を介して第6の吸引ポンプに接続されている。但し、異なる吸引路に接続される吸引孔の列数は、適宜変更することができる。
このような構成により、磁石8によってスペーサ9が引き込まれて吸引孔上からスペーサ9が撤去されても、他の吸引孔の吸引力の低下を抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記の構成に限らず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、変更することが可能である。
例えば、上記実施の形態では、スペーサ9によって磁石8を巻き込む工程と、スペーサ9によって磁石8が巻き込まれた磁石アセンブリ11を積層鋼板12のスロット12aに挿入する工程と、を切り離して実施しているが、この限りでない。すなわち、スペーサ9によって磁石8を巻き込む工程と、スペーサ9によって磁石8が巻き込まれた磁石アセンブリ11を積層鋼板12のスロット12aに挿入する工程と、を連続して実施してもよい。このとき、積層鋼板12上に貼付装置1を配置し、下側クランプ7を積層鋼板12のスロット12a内に通した状態で上側クランプ6と共にスペーサ9を介して磁石8を支持する。そして、上側クランプ6及び下側クランプ7を貼付装置1の下方に向けて移動させてスペーサ9によって磁石8を巻き込んで磁石アセンブリ11を形成し、さらに、上側クランプ6及び下側クランプ7を貼付装置1の下方に向かって移動させて磁石アセンブリ11を積層鋼板12のスロット12aに挿入する。
1 貼付装置
2 第1の治具、2a 吸引孔、2b 吸引路、2c 吸引路、2d 吸引路
3 第2の治具、3a 吸引孔、3b 吸引路、3c 吸引路、3d 吸引路
4 第1の回転ローラ
5 第2の回転ローラ
6 上側クランプ
7 下側クランプ
8 磁石、81 分割磁石
9 スペーサ
10 接着部材
11 磁石アセンブリ
12 積層鋼板、12a スロット、12b 鋼板、12c 軸孔
13 樹脂
20 第1の治具
30 第2の治具

Claims (1)

  1. 磁石を長手方向に分割した複数の分割磁石がフィルム状のスペーサで固定された磁石アセンブリを、積層鋼板における鋼板の積層方向に前記磁石の長手方向が配置されるように、前記積層鋼板のスロットに挿入したロータコアの製造方法であって、
    間隔を開けて配置された治具上に当該間隔を跨ぐように前記スペーサを配置する工程と、
    前記治具に形成された吸引孔からエアを吸引することで、前記スペーサを前記治具に吸い寄せる工程と、
    前記複数の分割磁石を前記積層鋼板のスロットに挿入する形態で並べて前記スペーサにおける前記間隔に配置された部分に押し付けつつ前記磁石の長手方向に移動させ、前記エアの吸引によって前記スペーサを引っ張りながら、前記スペーサで前記複数の分割磁石を巻き込むように、前記スペーサを前記複数の分割磁石に貼り付ける工程と、
    を備える、ロータコアの製造方法。
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