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JP2017065221A - フィルム被覆部品の製造装置及び製造方法 - Google Patents

フィルム被覆部品の製造装置及び製造方法 Download PDF

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JP2017065221A
JP2017065221A JP2015196756A JP2015196756A JP2017065221A JP 2017065221 A JP2017065221 A JP 2017065221A JP 2015196756 A JP2015196756 A JP 2015196756A JP 2015196756 A JP2015196756 A JP 2015196756A JP 2017065221 A JP2017065221 A JP 2017065221A
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JP2015196756A
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前田 浩
Hiroshi Maeda
浩 前田
敏弘 岩田
Toshihiro Iwata
敏弘 岩田
紀宏 清水
Norihiro Shimizu
紀宏 清水
虎雄 金山
Torao Kanayama
虎雄 金山
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Toyota Auto Body Co Ltd
Original Assignee
Toyota Auto Body Co Ltd
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Abstract

【課題】基材の大小に伴うフィルム材の歩留り低下を抑制でき、簡単なフィルムチャック機構で設備費の低減を図る。【解決手段】接合、離反が可能な上チャンバ1及び下チャンバ2と、各チャンバに接続された第1の真空回路3及び空気回路4と、上チャンバ内に装着されたヒータ5と、下チャンバ内に配設されたテーブル61と、テーブルを昇降させるテーブル駆動装置62とを備え、所定位置に上昇したテーブル上に載置された基材KKに加熱軟化したフィルム材FFを気圧差により貼着させるフィルム被覆部品Wの製造装置10である。フィルム材の外周部FF1を把持可能に形成された額縁状のフィルムチャック治具71と、フィルムチャック治具を着脱可能に形成された保持金具72と、保持金具を支持し上下チャンバと気密状に当接可能に形成された環状支持板73とを備え、テーブルは、所定位置に上昇したときフィルムチャック治具と気密状に当接する。【選択図】図1

Description

本発明は、加熱軟化したフィルム材を気圧差によって基材に貼着させて形成するフィルム被覆部品の製造装置及び製造方法に関する。
例えば、特許文献1には、加熱軟化したフィルム材を気圧差によって基材に貼着させて形成するフィルム被覆部品の製造装置及び製造方法が開示されている。その製造装置及び製造方法を、図9〜図14に示す。図9〜図14に示すように、上記製造装置には、上下方向で接合、離反が可能とする上チャンバ101a、下チャンバ101bと、各チャンバに接続された真空回路及び空気回路104と、当該回路に接続された真空タンク105、圧空タンク106と、上チャンバ101a内に装着されたヒータ107と、下チャンバ101b内に昇降可能に配設されたテーブル108と、上チャンバ101aを昇降させる上チャンバ駆動装置101cと、テーブル108を昇降させるテーブル駆動装置101dとを備えている。
また、上記フィルム被覆部品の製造方法は、以下に述べる工程から構成されている。すなわち、図9に示すように、上下に離反した上チャンバ101a、下チャンバ101b内に基材102及びフィルム材103をセットする(セット工程)。次に、図10に示すように、上チャンバ101aを下降させ、上下チャンバを接合させて各室内を閉塞状態としたうえで、各室内を大気圧状態から、真空タンク105により共に真空状態に吸引する(真空吸引工程)。次に、図11に示すように、上下チャンバの室内を真空状態に吸引しながらヒータ107を点灯させてフィルム材103の加熱を行う(フィルム加熱工程)。このとき、加熱軟化されたフィルム材103の過剰な垂れ下りを防止するため、気体供給室109に貯留した気体を下チャンバ101b内へ送り込み、上下チャンバの室内における気圧差を調整する。次に、図12に示すように、下チャンバ101b内のテーブル108を下チャンバ101bの上端フランジに当接する位置まで上昇させる(テーブル上昇工程)。次に、図13に示すように、上下チャンバの室内が、目標の高真空状態に到達したら、上チャンバ101a内の真空を開放し大気を入れ、フィルム材103の表裏に気圧差を生じさせることによって、フィルム材103を基材102に押し付けて貼着させる(フィルム貼り込み工程)。このとき、下チャンバ101b内の圧力は、高真空状態のままである。なお、フィルム材103の基材102への密着性を高めるため、圧空タンク106を開放して大気圧以上の気体を上チャンバ101a内へ送り込むこともできる。次に、図14に示すように、フィルム材103の基材102への貼着が完了すると、ヒータ107を消灯し、下チャンバ101b内の真空を開放して大気圧状態に戻して、上チャンバ101aを上昇させ、基材102にフィルム材103が被覆された製品を取り出す(製品取出し工程)。
特開2002−67137号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたフィルム被覆部品の製造装置及び製造方法には、以下の問題があった。
すなわち、上記フィルム被覆部品の製造装置では、図15に示すように、上下チャンバの大きさに比較して相当程度小さい基材102Bにフィルム材103Bを貼着させる場合、フィルム材103Bの歩留りを良くするため、小さいフィルム材103Bを把持するフィルムチャック治具107、108を用いることになる。
しかし、上記製造方法によって基材102Bにフィルム材103Bを貼着させるフィルム貼り込み工程において、上下チャンバの室内が、目標の高真空状態に到達したら、上チャンバ101a内の真空を開放し大気を入れ、フィルム材103Bの表裏に気圧差を生じさせる(図13を参照)。そのため、フィルムチャック治具107、108は、その気圧差に耐えうる強度が必要であり、フィルムチャック治具107、108の板厚を厚くする対策等をとる必要があった。したがって、小さいフィルム材103Bを把持するフィルムチャック治具107、108を用いる場合、フィルムチャック治具107、108の重量が増加し、取り扱いが不便になると共に、設備費が増加してしまう問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、基材の大小に伴うフィルム材の歩留り低下を抑制できると共に、簡単なフィルムチャック機構で設備費の低減を図ることができることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るフィルム被覆部品の製造装置及び製造方法は、次のような構成を有している。
(1)上下方向で接合、離反が可能とする上チャンバ及び下チャンバと、各チャンバに接続された第1の真空回路及び空気回路と、前記上チャンバ内又は前記下チャンバ内に装着されたヒータと、前記下チャンバ内に昇降可能に配設されたテーブルと、前記テーブルを昇降させるテーブル駆動装置とを備え、前記テーブル駆動装置によって所定位置に上昇した前記テーブル上に載置された基材の表面に、前記上チャンバと前記下チャンバとの間に把持されて加熱軟化したフィルム材を気圧差により貼着させるフィルム被覆部品の製造装置であって、
前記フィルム材の外周部を把持可能に形成された額縁状のフィルムチャック治具と、当該フィルムチャック治具を着脱可能に形成された保持部材と、当該保持部材を支持し前記下チャンバの上端部及び前記上チャンバの下端部と気密状に当接可能に形成された環状支持板とを有するフィルムチャック機構を備え、前記テーブルは、所定位置に上昇したとき前記フィルムチャック治具と気密状に当接することを特徴とする。
本発明においては、フィルム材の外周部を把持可能に形成された額縁状のフィルムチャック治具と、当該フィルムチャック治具を着脱可能に形成された保持部材と、当該保持部材を支持し下チャンバの上端部及び上チャンバの下端部と気密状に当接可能に形成された環状支持板とを有するフィルムチャック機構を備え、テーブルは、所定位置に上昇したときフィルムチャック治具と気密状に当接するので、フィルムチャック治具をフィルム材の外周部と同程度の大きさまで小型化でき、その重量の大幅な軽減を図ることができる。また、保持部材は、フィルムチャック治具を着脱可能に形成されているので、保持部材を支持した環状支持板を下チャンバの上端部に固定した状態で、予めフィルム材を把持し小型軽量化したフィルムチャック治具だけを保持して、上下に離反した上下チャンバの中へ搬送し、保持部材に簡単に装着させることができる。そのため、フィルムチャック治具は、取り扱い上の利便性を大幅に向上させることができると共に、その設備費を大幅に低減させることができる。なお、大きさの異なるフィルムチャック治具だけを用意することによって、基材の大小に伴うフィルム材の歩留り低下を抑制できる。
よって、本発明によれば、基材の大小に伴うフィルム材の歩留り低下を抑制できると共に、簡単なフィルムチャック機構で設備費の低減を図ることができる。
(2)(1)に記載されたフィルム被覆部品の製造装置において、
前記フィルムチャック治具は、前記保持部材に装着した弾性部材を介して前記環状支持板と弾発的に連結されていることを特徴とする。
本発明においては、フィルムチャック治具は、保持部材に装着した弾性部材を介して環状支持板と弾発的に連結されているので、テーブルの上昇位置において、テーブルとフィルムチャック治具とが当接するときの衝撃力やテーブルのオーバーストローク分を、弾性部材を介して緩和又は吸収させることができる。また、テーブルの上昇位置において、弾性部材がフィルムチャック治具をテーブルに押圧することによって、基材にフィルム材を貼着させるときのフィルムチャック治具とテーブルとの気密性を向上させることができる。また、基材にフィルム材を貼着させるときの上下チャンバ内における気圧変動に伴い、フィルムチャック治具に作用する外力は、保持部材に装着された弾性部材を介して吸収され、環状支持板には直接的に作用しない。そのため、フィルムチャック治具及び環状支持板の板厚をそれぞれ相当程度薄くして、フィルムチャック治具及び環状支持板の構造を簡素化させることができる。
その結果、基材の大小に伴うフィルム材の歩留り低下を抑制できると共に、より一層簡単なフィルムチャック機構で設備費の低減を図ることができる。
(3)(2)に記載されたフィルム被覆部品の製造装置において、
前記フィルムチャック治具の外周側には、前記保持部材に係止可能に形成された複数の係止ロッドを備え、当該係止ロッドの長さは、当該係止ロッド近傍の前記フィルム材の幅寸法に反比例させることを特徴とする。
本発明においては、フィルムチャック治具の外周側には、保持部材に係止可能に形成された複数の係止ロッドを備え、当該係止ロッドの長さは、当該係止ロッド近傍のフィルム材の幅寸法に反比例させるので、フィルム材の幅寸法が小さくなり、それに応じてフィルムチャック治具の幅寸法が小さくなると、それと反対に係止ロッドの長さは大きくなる。そのため、異なる幅寸法のフィルムチャック治具に対して係止ロッドの長さを変更するだけで、保持部材の位置をいちいち調整させる手間が省ける。したがって、1つの製造装置(チャンバ)で、大きさの異なる基材にフィルム材を貼着させる場合において、フィルムチャック治具を保持部材に取り付けるときの利便性を向上させるとともに、保持部材及び環状支持板の構造をより一層簡素化させることができる。
その結果、基材の大小に伴うフィルム材の歩留り低下を抑制できると共に、より一層簡単なフィルムチャック機構で設備費の低減を図ることができる。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載されたフィルム被覆部品の製造装置において、
前記テーブルには、前記テーブルと前記フィルムチャック治具とで囲まれて前記フィルム材が前記基材を覆う密閉空間内の空気を吸引させる第2の真空回路を備えたことを特徴とする。
本発明においては、テーブルには、テーブルとフィルムチャック治具とで囲まれてフィルム材が基材を覆う密閉空間内の空気を吸引させる第2の真空回路を備えたので、テーブルを所定位置に上昇させ、テーブルとフィルムチャック治具とを気密状に当接させた後に、第2の真空回路を作動させることによって、密閉空間内の空気を迅速かつ確実に吸引することができる。そのため、基材及びフィルム材の平面サイズが小さくなる程、短時間で基材にフィルム材を貼着させることができる。
その結果、基材へのフィルム材の貼着速度を向上させつつ、基材の大小に伴うフィルム材の歩留り低下を抑制できると共に、簡単なフィルムチャック機構で設備費の低減を図ることができる。
(5)(4)に記載されたフィルム被覆部品の製造装置において、
前記テーブルには、前記基材を所定の隙間を有しながら支持し前記基材と前記テーブルとの間を連通する複数の連通部が形成され、前記第2の真空回路の前記テーブルへの接続口の上方まで延設された仕切り部材を備えたことを特徴とする。
本発明においては、テーブルには、基材を所定の隙間を有しながら支持し基材とテーブルとの間を連通する複数の連通部が形成され、第2の真空回路のテーブルへの接続口の上方まで延設された仕切り部材を備えたので、第2の真空回路を作動させて基材にフィルム材を貼着させる途中で、第2の真空回路の接続口がフィルム材によって塞がれることを仕切り部材によって回避させることができる。そのため、基材とフィルム材との間に気泡やしわ等の貼着不良を生じにくくさせることができる。なお、連通部には、通気孔又は通気溝等が該当する。
その結果、基材へのフィルム材の貼着品質を向上させつつ、基材の大小に伴うフィルム材の歩留り低下を抑制できると共に、簡単なフィルムチャック機構で設備費の低減を図ることができる。
(6)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載されたフィルム被覆部品の製造装置を用いて製造するフィルム被覆部品の製造方法であって、
前記下チャンバと前記上チャンバとを当接して前記ヒータを点灯し前記フィルム材を加熱軟化させるとともに、前記第1の真空回路を作動させ上下チャンバ内の気圧を所定の真空状態にした上で、前記テーブルを所定位置に上昇させ、前記テーブルと前記フィルムチャック治具とが気密状に当接した後に、前記空気回路を開放して上下チャンバ内の気圧を大気圧状態に移行させることを特徴とする。
本発明においては、下チャンバと上チャンバとを当接してヒータを点灯しフィルム材を加熱軟化させるとともに、第1の真空回路を作動させ上下チャンバ内の気圧を所定の真空状態にした上で、テーブルを所定位置に上昇させ、テーブルとフィルムチャック治具とが気密状に当接した後に、空気回路を開放して上下チャンバ内の気圧を大気圧状態に移行させるので、大気圧状態に戻された上下チャンバ内の気圧と、所定の真空状態に保持されテーブルとフィルムチャック治具とで囲まれフィルム材が基材を覆う密閉空間内の気圧との気圧差に基づいて、基材にフィルム材を貼着させることができる。また、上下チャンバ内の気圧を所定の真空状態から大気圧状態に略同時に移行させるので、テーブルの上下面で気圧差が生じない。そのため、テーブル駆動装置には、上下チャンバ内の気圧変化による負荷が作用せず、テーブル駆動装置の簡素化を図ることができる。また、従来の製造方法のように、上チャンバ内の大気開放と下チャンバ内の大気開放に時間差がない分、基材へフィルム材を貼着させる時間を短縮させることができる。
その結果、フィルム被覆部品の生産効率を高めつつ、基材の大小に伴うフィルム材の歩留り低下を抑制できると共に、より一層簡単なフィルムチャック機構及びテーブル駆動装置で設備費の低減を図ることができる。
(7)(4)又は(5)に記載されたフィルム被覆部品の製造装置を用いて製造するフィルム被覆部品の製造方法であって、
前記下チャンバと前記上チャンバとを当接して前記ヒータを点灯し前記フィルム材を加熱軟化させるとともに、前記第1の真空回路を作動させ上下チャンバ内の気圧を中程度の真空状態にした上で、前記テーブルを所定位置に上昇させ、前記テーブルと前記フィルムチャック治具とが気密状に当接した後に、前記第2の真空回路を作動させ、かつ、前記空気回路を開放して上下チャンバ内の気圧を大気圧状態に移行させることを特徴とする。
本発明においては、下チャンバと上チャンバとを当接してヒータを点灯しフィルム材を加熱軟化させるとともに、第1の真空回路を作動させ上下チャンバ内の気圧を中程度の真空状態にした上で、テーブルを所定位置に上昇させ、テーブルとフィルムチャック治具とが気密状に当接した後に、第2の真空回路を作動させ、かつ、空気回路を開放して上下チャンバ内の気圧を大気圧状態に移行させるので、基材にフィルム材を貼着させる際、上下チャンバ内の気圧を所定の真空状態にさせる以前に大気圧状態に略同時に戻すことができる。そのため、上下チャンバに作用する圧力が減少し、上チャンバ及び下チャンバの壁厚を薄くする等の簡素化を図ることができる。
また、テーブルとフィルムチャック治具とに囲まれてフィルム材が基材を覆う密閉空間は、上下チャンバ内の空間全体に比較して著しく狭いので、第1の真空回路によって上下チャンバ内の空間全体を所定の真空状態に到達させる時間より、第2の真空回路が作動して密閉空間内を中程度の真空状態から所定の真空状態に到達させる時間の方が、遥かに短い。そのため、基材にフィルム材を貼着させる時間を大幅に短縮させることができる。
更に、第2の真空回路が作動して基材側に残留する空気を最後まで吸引できるので、基材とフィルム材との間に生じる気泡やしわ等を抑制し、貼着不良を生じにくくさせることができる。
その結果、フィルム被覆部品におけるフィルム材の貼着品質及び生産効率を高めつつ、基材の大小に伴うフィルム材の歩留り低下を抑制できると共に、より一層簡単なフィルムチャック機構及び上下チャンバ構造で設備費の低減を図ることができる。
本発明によれば、基材の大小に伴うフィルム材の歩留り低下を抑制できると共に、簡単なフィルムチャック機構で設備費の低減を図ることができる。
本発明の実施形態に係るフィルム被覆部品の製造装置の第1実施例の模式的断面図である。 図1に示す製造装置におけるフィルムチャック機構の斜視図である。 図2に示すフィルムチャック機構の部分拡大斜視図である。 図1に示す製造装置における工程断面図である。(a)は真空吸引工程を表し、(b)はフィルム加熱工程を表し、(c)はテーブル上昇工程を表し、(d)はフィルム貼り込み工程を表す。 本発明の実施形態に係るフィルム被覆部品の製造装置の第2実施例の模式的断面図である。 図5に示す製造装置の第2の真空回路作動時における模式的部分断面図である。(a)は、真空引き開始時、(b)は真空引き中、(c)は真空引き完了時を表す。 図1に示す製造装置における変形例を表す模式的断面図である。 図7に示す製造装置におけるフィルムチャック機構の平面図である。 特許文献1に記載されたフィルム被覆部品の製造装置の基材及びフィルム材セット時における模式的断面図である。 図9に示す製造装置の真空吸引時における模式的断面図である。 図9に示す製造装置のフィルム材加熱時における模式的断面図である。 図9に示す製造装置のテーブル上昇時における模式的断面図である。 図9に示す製造装置の上チャンバ大気開放時における模式的断面図である。 図9に示す製造装置の製品取出し時における模式的断面図である。 図9に示す製造装置において小さいフィルム部材を把持するフィルムチャック治具を用いるときの模式的断面図である。
次に、本発明に係る実施形態であるフィルム被覆部品の製造装置及び製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本実施形態に係るフィルム被覆部品の製造装置における第1実施例の全体構造について説明し、その後、本製造装置を用いてフィルム被覆部品を製造する製造方法について説明する。次に、本製造装置の第2実施例とそのフィルム貼り込み工程を説明する。
<本製造装置における第1実施例の全体構造>
まず、本実施形態に係るフィルム被覆部品の製造装置における第1実施例の全体構造を、図1〜図3を用いて説明する。図1に、本発明の実施形態に係るフィルム被覆部品の製造装置の第1実施例の模式的断面図を示す。図2に、図1に示す製造装置におけるフィルムチャック機構の斜視図を示す。図3に、図2に示すフィルムチャック機構の部分拡大斜視図を示す。
図1〜図3に示すように、本製造装置10には、上下方向で接合、離反が可能とする上チャンバ1及び下チャンバ2と、各チャンバに接続された第1の真空回路3(3A、3B)及び空気回路4(4A、4B)と、上チャンバ1内に装着されたヒータ5と、下チャンバ2内に昇降可能に配設されたテーブル61と、テーブル61を昇降させるテーブル駆動装置62とを備えている。また、フィルムチャック機構7として、フィルム材FFの外周部FF1を把持可能に形成された額縁状のフィルムチャック治具71と、当該フィルムチャック治具71を着脱可能に形成された複数の保持金具(保持部材)72と、当該保持金具72を支持し下チャンバ2の上端部21及び上チャンバ1の下端部11と気密状に当接可能に形成された環状支持板73とを備えている。
(上チャンバ)
図1に示すように、上チャンバ1は、下方が開放されたボックス状の成形室であり、その側壁に第1の真空回路3Aと空気回路4Aとが接続されている。第1の真空回路3Aは、開閉バルブ3A1を介して真空ポンプ3Cと接続されている。上下チャンバを接合させて閉塞し第1の真空回路3Aを作動させると、上チャンバ1内の圧力は大気圧状態から所望の真空状態に吸引される。空気回路4Aは、開閉バルブ4A1を介して外気と連通されている。空気回路4Aを作動させると、上チャンバ1内の圧力は大気圧状態に戻される。
また、上チャンバ1には、フィルム材FFを加熱軟化させる赤外線ヒータ(ヒータ)5が装着されている。ヒータ5は、天井に沿って複数個配置され、ヒータ5の隙間には、フィルム材FFの温度を計測する放射温度計(図示せず)が配設されている。なお、ヒータ5は、上チャンバ1と下チャンバ2の両方に装着しても、下チャンバ2のみに装着してもよい。また、上チャンバ1の下端部11には、環状支持板73と気密状に密着する水平面が形成されている。なお、上チャンバ1には、上チャンバ1を上下方向へ移動させる上チャンバ駆動装置(図示せず)が装着されている。
(下チャンバ)
図1に示すように、下チャンバ2は、上方が開放されたボックス状の成形室であり、その側壁に第1の真空回路3Bと空気回路4Bとが接続されている。第1の真空回路3Bは、開閉バルブ3B1を介して真空ポンプ3Cと接続されている。上下チャンバを接合させて閉塞し第1の真空回路3Bを作動させると、下チャンバ2内の圧力は大気圧状態から所望の真空状態に吸引される。空気回路4Bは、開閉バルブ4B1を介して外気と連通されている。空気回路4Bを作動させると、上チャンバ1内の圧力は大気圧状態に戻される。また、下チャンバ2の上端部21は、環状支持板73を気密状に固定する水平フランジ面が形成されている。
(フィルムチャック機構)
図1〜図3に示すように、フィルムチャック機構7には、1つのフィルムチャック治具71と2つの保持金具(保持部材)72と1つの環状支持板73とを備えている。
フィルムチャック治具71は、フィルム材FFの平面サイズに合わせてそれぞれ形成する。フィルムチャック治具71は、矩形状に裁断されたフィルム材FFの外周部FF1を略同一幅で把持する額縁状の上枠体71Aと下枠体71Bとを備えている。上枠体71A及び下枠体71Bの外縁は、フィルム材FFの外縁と略同一に形成されている。図2、図3に示すように、上枠体71A及び下枠体71Bの長辺側の左右外縁には、両者を上下方向に締付ける蝶ネジ部(締結部)712が複数個形成されている。上枠体71Aの短辺側の左右外縁には、略U字状の取手部713が形成されている。上枠体71Aの長辺側の前端部及び後端部には、短辺と平行に外方へ延出された係止ロッド711が複数個(ここでは、4個)形成されている。係止ロッド711は、先端側に鍔部711Tが形成された棒状体である。係止ロッド711の長さは、フィルム材FFの短辺サイズに反比例して形成されている。したがって、フィルム材FFの短辺サイズが小さくなり、それに応じてフィルムチャック治具71の短辺サイズが小さくなると、それと反対に係止ロッド711の長さは大きくなる。
2つの保持金具72は、フィルムチャック治具71の長辺側の左右外縁から、それぞれ略平行に外方へ離間して配置されている。各保持金具72には、コの字断面に形成された長尺状のチャンネル部材721と、フィルムチャック治具71の係止ロッド711に対応する位置に形成されチャンネル部材721の両側壁に上下方向へ回動可能に軸支された2つの係合爪722と、チャンネル部材721の長手方向における前端部及び後端部に装着された弾性部材74とを備えている。2つの係合爪722は、垂直状に起立したとき、フィルムチャック治具71の係止ロッド711をチャンネル部材721の両側壁上端に押圧して係止する。係止ロッド711の鍔部711Tは、外側の係合爪722の横方向への外れ防止機能を有している。弾性部材74は、ばね部材741と、ばね部材741を上下方向に圧縮させる押えボルト742とを備えている。押えボルト742は、ばね部材741を所定量圧縮させつつ、チャンネル部材721の底壁を貫通して、環状支持板73に螺子着されている。チャンネル部材721は、ばね部材741の圧縮力によって環状支持板73に押圧されている。その結果、保持金具72に係止されたフィルムチャック治具71は、弾性部材74を介して環状支持板73と弾発的に連結されている。
環状支持板73は、保持金具72を介してフィルムチャック治具71を支持する内周側の第1環状支持板731と、下チャンバ2の上端部21及び上チャンバ1の下端部11と気密状に当接する外周側の第2環状支持板732とに分割されている。第1環状支持板731と第2環状支持板732との分割位置は、上チャンバ1の下端部11の内壁面と略一致している。第1環状支持板731の外周縁は、第2環状支持板732の内周縁に形成された段差部に上下方向で嵌合され、第1環状支持板731の外周縁に形成された複数の締結孔7311に挿通する締結ボルトによって第2環状支持板732と連結されている。第1環状支持板731と第2環状支持板732との連結部には、シール部材733が嵌装されている。第1環状支持板731と第2環状支持板732とが連結された状態では、第1環状支持板731及び第2環状支持板732の上端面は同一面を形成している。
第1環状支持板731には、フィルムチャック治具71が挿入される矩形状の開口部734が形成されている。その開口部734における四隅近傍で短辺側には、保持金具72が弾性部材74を介して弾発的に連結されている。なお、第1環状支持板731の開口部734周縁には、開口部734に沿って補強部材735を接合させてもよい(図2を参照)。第2環状支持板732は、第1環状支持板731との分割位置の外周側で、下チャンバ2の上端部21及び上チャンバ1の下端部11と気密状に当接するように形成されている。第2環状支持板732は、外周縁に形成された複数の締結孔7321に挿通する締結ボルトによって下チャンバ2の上端部21と連結されている。
(テーブル、テーブル駆動装置)
図1に示すように、テーブル61には、その中央上端に基材KKを載置する基材台64が形成されている。また、テーブル61の中央下端には、テーブル駆動装置62が連結されている。テーブル駆動装置62は、例えば、油圧シリンダを使用することができ、シリンダロッドの上昇位置にてテーブル61とフィルムチャック治具71の下枠体71Bとが当接する。また、テーブル61には、フィルムチャック治具71の下枠体71Bと当接する位置にシール部材63が装着されている。シール部材63は、弾性部材74の弾発力によって変形し、テーブル61とフィルムチャック治具71との気密性を確保する。なお、シール部材63は、フィルムチャック治具71の下枠体71Bに装着してもよい。
<第1実施例におけるフィルム被覆部品の製造方法>
次に、第1実施例における本製造装置を用いてフィルム被覆部品を製造する製造方法について、図4を用いて説明する。図4に、図1に示す製造装置における工程断面図を示す。ここで、図4(a)は真空吸引工程を表し、図4(b)はフィルム加熱工程を表し、図4(c)はテーブル上昇工程を表し、図4(d)はフィルム貼り込み工程を表す。
図4に示すように、本製造装置10を用いてフィルム被覆部品を製造する製造方法では、真空吸引工程(図4(a))とフィルム加熱工程(図4(b))とテーブル上昇工程(図4(c))とフィルム貼り込み工程(図4(d))とが、順番に行われる。フィルム被覆部品Wは、基材KKの表面にフィルム材FFを貼着させた部品である。なお、基材KKは、例えば、車両用樹脂部品の基材であって、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂などの樹脂製で、予め所定の形状に射出成形されている。フィルム材FFは、例えば、木目模様等が印刷されたシート状の加飾用フィルム材であって、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの樹脂製である。フィルム材FFの下面には、粘着剤が均一に塗布されている。
まず、図4(a)に示すように、真空吸引工程において、予めフィルムチャック機構7によって把持したフィルム材FFを上チャンバ1と下チャンバ2との間にセットし、上チャンバ1と下チャンバ2とを閉塞した状態で、上下チャンバ内の気圧を所定の真空状態に到達するまで、上チャンバ1の第1の真空回路3Aと下チャンバ2の第1の真空回路3Bとを作動させる。各第1の真空回路3A、3Bは、それぞれの開閉バルブ3A1、3B1を開いて作動させる。所定の真空状態は、基材KKの大きさやフィルム材FFの種類等によって異なるが、例えば、50〜150Pa程度である。このとき、上チャンバ1の空気回路4A及び下チャンバ2の空気回路4Bは、それぞれの開閉バルブ4A1、4B1が閉じられている。また、基材KKを搭載したテーブル61は、基材KKとフィルム材FFとが離間した下降位置に待機している。
次に、図4(b)に示すように、フィルム加熱工程において、上チャンバ1に装着した赤外線ヒータ(ヒータ)5を点灯して、フィルム材FFを基材KKに貼着させるために好都合の所定の温度に加熱軟化させる。なお、上チャンバ1の第1の真空回路3Aと下チャンバ2の第1の真空回路3Bとを作動させた状態で、フィルム材FFを加熱軟化させる。
次に、図4(c)に示すように、テーブル上昇工程において、フィルム材FFを基材KKに貼着させるために好都合の所定の温度に加熱軟化されたことを放射温度計等によって確認するとともに、上下チャンバ内の気圧が所定の真空状態に到達したことを確認した後に、テーブル駆動装置62を作動させてテーブル61を所定位置に上昇させ、テーブル61とフィルムチャック治具71とを気密状に当接させる。このとき、テーブル61とフィルムチャック治具71とで囲まれフィルム材FFが基材KKを覆う密閉空間Qは、所定の真空状態に保持されている。また、ヒータ5を消灯するとともに、各第1の真空回路3A、3Bは、それぞれの開閉バルブ3A1、3B1を閉じて停止させる。
次に、図4(d)に示すように、フィルム貼り込み工程において、上チャンバ1の空気回路4Aと下チャンバ2の空気回路4Bとを作動させ、上下チャンバ内の気圧を所定の真空状態から大気圧状態に戻させる。このとき、大気圧状態に戻された上下チャンバ内の気圧と、所定の真空状態に保持されテーブル61とフィルムチャック治具71とで囲まれフィルム材FFが基材KKを覆う密閉空間Q内の気圧との気圧差に基づいて、加熱軟化されたフィルム材FFが基材KKの表面に貼着される。なお、フィルム材FFが基材KKの表面に貼着された後、上チャンバ1を上昇させて不要なフィルム材FFを切断し、フィルム被覆部品Wを下チャンバ内から取り出すことができる。
<本製造装置における第2実施例の全体構造>
次に、本実施形態に係るフィルム被覆部品の製造装置における第2実施例の全体構造を、図5を用いて説明する。図5に、本発明の実施形態に係るフィルム被覆部品の製造装置の第2実施例の模式的断面図を示す。
図5に示すように、本製造装置10Bには、上下方向で接合、離反が可能とする上チャンバ1及び下チャンバ2と、各チャンバに接続された第1の真空回路3(3A、3B)及び空気回路4(4A、4B)と、上チャンバ1内に装着されたヒータ5と、下チャンバ2内に昇降可能に配設されたテーブル61と、テーブル61を昇降させるテーブル駆動装置62とを備えている。また、フィルムチャック機構7として、フィルム材FFの外周部FF1を把持可能に形成された額縁状のフィルムチャック治具71と、当該フィルムチャック治具71を着脱可能に形成された複数の保持金具(保持部材)72と、当該保持金具72を支持し下チャンバ2の上端部21及び上チャンバ1の下端部11と気密状に当接可能に形成された環状支持板73とを備えている。上記各構成は、前述した第1実施例と同様であるので、同一の符号を付して、その説明は、特に必要な場合を除き割愛する。
第2実施例の本製造装置10Bは、第1実施例の製造装置10と、以下の構成において相違する。すなわち、第2実施例の場合、テーブル61には、フィルムチャック治具71と当接する位置より基材側に接続され、フィルム材FFが基材KKを覆う密閉空間内の空気を吸引させる第2の真空回路3D(3)を備えている。第2の真空回路3D(3)は、開閉バルブ3D1を介して真空ポンプ3Cと接続されている。
また、テーブル61には、基材KKを所定の隙間を有しながら支持し基材KKとテーブル61との間を連通する複数の連通部(通気孔83、通気溝84)が形成され、第2の真空回路3Dのテーブル61への接続口3D2の上方まで延設された仕切り部材8を備えている。仕切り部材8には、基材KKを載置する基材台81と、基材台81を支持する仕切り板82と、仕切り板82とテーブル61との間に所定の隙間を形成する脚部85とを備えている。また、仕切り板82には、複数の通気孔83が垂直状に形成されている。基材台81の下面には、複数の通気溝84が水平状に形成されている。通気孔83と通気溝84は、適宜交差して互いに連通するように形成されている。
<第2実施例におけるフィルム貼り込み工程>
次に、第2実施例におけるフィルム貼り込み工程について、図6を用いて説明する。図6に、図5に示す製造装置の第2の真空回路作動時における模式的部分断面図を示す。図6(a)は、真空引き開始時、図6(b)は真空引き中、図6(c)は真空引き完了時を表す。
第2実施例における本製造装置10Bを用いてフィルム被覆部品を製造する製造方法についても、第1実施例と同様に、図4(a)に示す真空吸引工程と、図4(b)に示すフィルム加熱工程と、図4(c)に示すテーブル上昇工程と、図4(d)に示すフィルム貼り込み工程とを備えている。ただし、第2実施例の工程は、第1実施例の工程と以下の内容が相違する。
すなわち、下チャンバ2と上チャンバ1とを当接してヒータ5を点灯しフィルム材FFを加熱軟化させるとともに、第1の真空回路3(3A、3B)を作動させ上下チャンバ内の気圧を中程度の真空状態にした上で、テーブル61を所定位置に上昇させ、テーブル61とフィルムチャック治具71とが気密状に当接した後に、第2の真空回路3D(3)を作動させ、かつ、空気回路4(4A、4B)を開放して上下チャンバ内の気圧を大気圧状態に移行させる。ここで、中程度の真空状態は、基材KKの大きさやフィルム材FFの種類等によって異なるが、例えば、10000Pa程度である。
具体的には、図6(a)に示すように、第2の真空回路3Dの真空引き開始時には、テーブル61とフィルムチャック治具71とが気密状に当接してフィルム材FFが基材KKを覆う空間Q1と仕切り板82とテーブル61との隙間に形成される空間Q2とは、複数の連通部(通気孔83、通気溝84)によって連通された密閉空間Qが形成される。この密閉空間Qの気圧は、中程度の真空状態である。
しかし、この密閉空間Qは、上下チャンバ内の空間全体に比較して著しく狭いので、図6(b)、(c)に示すように、第2の真空回路3Dを作動させて密閉空間Q内の気圧を中程度の真空状態から所定の真空状態に短時間で到達させることができる。そのため、所定の真空状態に到達した密閉空間Q内の気圧と大気圧状態に戻された上下チャンバ内の気圧との気圧差に基づいて、加熱軟化されたフィルム材FFが基材KKの表面に貼着される。
ここで、テーブル61には、基材KKを所定の隙間を有しながら支持し基材KKとテーブル61との間を連通する複数の連通部(通気孔83、通気溝84)が形成され、第2の真空回路3Dの接続口3D2の上方まで延設された仕切り部材8を備えている。そのため、第2の真空回路3Dは、仕切り部材8の連通部(通気孔83、通気溝84)を通して密閉空間Q内の空気を最後まで吸引でき、第2の真空回路3Dのテーブル61への接続口3D2が、その作動中にフィルム材FFによって塞がれる等の不具合は生じない。
<作用効果>
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係るフィルム被覆部品Wの製造装置10、10Bによれば、フィルム材FFの外周部FF1を把持可能に形成された額縁状のフィルムチャック治具71と、当該フィルムチャック治具71を着脱可能に形成された保持金具(保持部材)72と、当該保持金具72を支持し下チャンバ2の上端部21及び上チャンバ1の下端部11と気密状に当接可能に形成された環状支持板73とを有するフィルムチャック機構7を備え、テーブル61は、所定位置に上昇したときフィルムチャック治具71と気密状に当接するので、フィルムチャック治具71をフィルム材FFの外周部FF1と同程度の大きさまで小型化でき、その重量の大幅な軽減を図ることができる。また、保持金具72は、フィルムチャック治具71を着脱可能に形成されているので、保持金具72を支持した環状支持板73を下チャンバ2の上端部21に固定した状態で、予めフィルム材FFを把持し小型軽量化したフィルムチャック治具71だけを保持して、上下に離反した上下チャンバの中へ搬送し、保持金具72に簡単に装着させることができる。そのため、フィルムチャック治具71は、取り扱い上の利便性を大幅に向上させることができると共に、その設備費を大幅に低減させることができる。なお、大きさの異なるフィルムチャック治具71だけを用意することによって、基材KKの大小に伴うフィルム材FFの歩留り低下を抑制できる。
よって、本実施形態によれば、基材KKの大小に伴うフィルム材FFの歩留り低下を抑制できると共に、簡単なフィルムチャック機構7で設備費の低減を図ることができる。
また、本実施形態によれば、フィルムチャック治具71は、保持金具(保持部材)72に装着した弾性部材74を介して環状支持板73と弾発的に連結されているので、テーブル61の上昇位置において、テーブル61とフィルムチャック治具71とが当接するときの衝撃力やテーブル61のオーバーストローク分を、弾性部材74を介して緩和又は吸収させることができる。また、テーブル61の上昇位置において、弾性部材74がフィルムチャック治具71をテーブル61に押圧することによって、基材KKにフィルム材FFを貼着させるときのフィルムチャック治具71とテーブル61との気密性を向上させることができる。また、基材KKにフィルム材FFを貼着させるときの上下チャンバ内における気圧変動に伴い、フィルムチャック治具71に作用する外力は、保持金具72に装着された弾性部材74を介して吸収され、環状支持板73には直接的に作用しない。そのため、フィルムチャック治具71及び環状支持板73の板厚をそれぞれ相当程度薄くして、フィルムチャック治具71及び環状支持板73の構造を簡素化させることができる。
その結果、基材KKの大小に伴うフィルム材FFの歩留り低下を抑制できると共に、より一層簡単なフィルムチャック機構7で設備費の低減を図ることができる。
また、本実施形態によれば、フィルムチャック治具71の外周側には、保持金具(保持部材)72に係止可能に形成された複数の係止ロッド711を備え、当該係止ロッド711の長さは、当該係止ロッド711近傍のフィルム材FFの幅寸法に反比例させるので、フィルム材FFの幅寸法が小さくなり、それに応じてフィルムチャック治具71の幅寸法が小さくなると、それと反対に係止ロッド711の長さは大きくなる。そのため、異なる幅寸法のフィルムチャック治具71に対して係止ロッド711の長さを変更するだけで、保持金具72の位置をいちいち調整させる手間が省ける。したがって、1つの製造装置(チャンバ)で、大きさの異なる基材KKにフィルム材FFを貼着させる場合において、フィルムチャック治具71を保持金具72に取り付けるときの利便性を向上させるとともに、保持金具72及び環状支持板73の構造をより一層簡素化させることができる。
その結果、基材KKの大小に伴うフィルム材FFの歩留り低下を抑制できると共に、より一層簡単なフィルムチャック機構7で設備費の低減を図ることができる。
また、本実施形態によれば、テーブル61には、テーブル61とフィルムチャック治具71とで囲まれフィルム材FFが基材KKを覆う密閉空間Q内の空気を吸引させる第2の真空回路3Dを備えたので、テーブル61を所定位置に上昇させ、テーブル61とフィルムチャック治具71とを気密状に当接させた後に、第2の真空回路3Dを作動させることによって、密閉空間Q内の空気を迅速かつ確実に吸引することができる。そのため、基材KK及びフィルム材FFの平面サイズが小さくなる程、短時間で基材KKにフィルム材FFを貼着させることができる。
その結果、基材KKへのフィルム材FFの貼着速度を向上させつつ、基材KKの大小に伴うフィルム材FFの歩留り低下を抑制できると共に、簡単なフィルムチャック機構7で設備費の低減を図ることができる。
また、本実施形態によれば、テーブル61には、基材KKを所定の隙間を有しながら支持し基材KKとテーブル61との間を連通する複数の連通部83、84が形成され、第2の真空回路3Dのテーブル61への接続口3D2の上方まで延設された仕切り部材8を備えたので、第2の真空回路3Dを作動させて基材KKにフィルム材FFを貼着させる途中で、第2の真空回路3Dの接続口3D2がフィルム材FFによって塞がれることを仕切り部材8によって回避させることができる。そのため、基材KKとフィルム材FFとの間に気泡やしわ等の貼着不良を生じにくくさせることができる。なお、連通部には、通気孔83又は通気溝84が該当する。
その結果、基材KKへのフィルム材FFの貼着品質を向上させつつ、基材KKの大小に伴うフィルム材FFの歩留り低下を抑制できると共に、簡単なフィルムチャック機構7で設備費の低減を図ることができる。
また、他の実施形態に係るフィルム被覆部品の製造方法によれば、下チャンバ2と上チャンバ1とを当接してヒータ5を点灯しフィルム材FFを加熱軟化させるとともに、第1の真空回路3(3A、3B)を作動させ上下チャンバ内の気圧を所定の真空状態にした上で、テーブル61を所定位置に上昇させ、テーブル61とフィルムチャック治具71とが気密状に当接した後に、空気回路4(4A、4B)を開放して上下チャンバ内の気圧を大気圧状態に移行させるので、大気圧状態に戻された上下チャンバ内の気圧と、所定の真空状態に保持されテーブル61とフィルムチャック治具71とで囲まれフィルム材FFが基材KKを覆う密閉空間Q内の気圧との気圧差に基づいて、基材KKにフィルム材FFを貼着させることができる。また、上下チャンバ内の気圧を所定の真空状態から大気圧状態に略同時に移行させるので、テーブル61の上下面で気圧差が生じない。そのため、テーブル駆動装置62には、上下チャンバ内の気圧変化による負荷が作用せず、テーブル駆動装置62の簡素化を図ることができる。また、従来の製造方法のように、上チャンバ1内の大気開放と下チャンバ2内の大気開放に時間差がない分、基材KKへフィルム材FFを貼着させる時間を短縮させることができる。
その結果、フィルム被覆部品Wの生産効率を高めつつ、基材KKの大小に伴うフィルム材FFの歩留り低下を抑制できると共に、より一層簡単なフィルムチャック機構7及びテーブル駆動装置62で設備費の低減を図ることができる。
また、更に他の実施形態に係るフィルム被覆部品の製造方法によれば、下チャンバ2と上チャンバ1とを当接してヒータ5を点灯しフィルム材FFを加熱軟化させるとともに、第1の真空回路3(3A、3B)を作動させ上下チャンバ内の気圧を中程度の真空状態にした上で、テーブル61を所定位置に上昇させ、テーブル61とフィルムチャック治具71とが気密状に当接した後に、第2の真空回路3Dを作動させ、かつ、空気回路4(4A、4B)を開放して上下チャンバ内の気圧を大気圧状態に移行させるので、基材KKにフィルム材FFを貼着させる際、上下チャンバ内の気圧を所定の真空状態にさせる以前に大気圧状態に略同時に戻すことができる。そのため、上下チャンバに作用する圧力が減少し、上チャンバ1及び下チャンバ2の壁厚を薄くする等の簡素化を図ることができる。
また、テーブル61とフィルムチャック治具71とに囲まれてフィルム材FFが基材KKを覆う密閉空間Qは、上下チャンバ内の空間全体に比較して著しく狭いので、第1の真空回路3(3A、3B)によって上下チャンバ内の空間全体を所定の真空状態に到達させる時間より、第2の真空回路3Dが作動して密閉空間Q内を中程度の真空状態から所定の真空状態に到達させる時間の方が、遥かに短い。そのため、基材KKにフィルム材FFを貼着させる時間を大幅に短縮させることができる。
更に、第2の真空回路3Dが作動して基材側に残留する空気を最後まで吸引できるので、基材KKとフィルム材FFとの間に生じる気泡やしわ等を抑制し、貼着不良を生じにくくさせることができる。
その結果、フィルム被覆部品Wにおけるフィルム材FFの貼着品質及び生産効率を高めつつ、基材KKの大小に伴うフィルム材FFの歩留り低下を抑制できると共に、より一層簡単なフィルムチャック機構7及び上下チャンバ構造で設備費の低減を図ることができる。
なお、本実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で変更することが可能なことは言うまでもない。例えば、本実施形態では、フィルムチャック治具71の外周側には、保持金具72に係止可能に形成された複数の係止ロッド711を備え、当該係止ロッド711の長さは、当該係止ロッド711近傍のフィルム材FFの幅寸法に反比例させるように形成されているが、必ずしもこれに限らない。
例えば、係止ロッドを廃止して、フィルムチャック治具を直接保持金具に締結してもよい。この場合、保持金具の環状支持部材への取付位置を変更することによって、異なる大きさのフィルムチャック治具に対応できる。
また、例えば、図7、図8に示すように、フィルムチャック機構9として、フィルムチャック治具91と環状支持板93とを弾発的に伸縮可能な保持部材92を介して連結してもよい。また、長さの異なる保持部材92を複数種類用意して、フィルムチャック治具91の大きさに応じて付け替えてもよい。
本発明は、加熱軟化したフィルム材を気圧差によって基材に貼着させて形成するフィルム被覆部品の製造装置及び製造方法として利用できる。
1 上チャンバ
2 下チャンバ
1、2 上下チャンバ
3、3A、3B 第1の真空回路
3、3D 第2の真空回路
3D2 接続口
4、4A、4B 空気回路
5 遠赤外線ヒータ(ヒータ)
7 フィルムチャック機構
8 仕切り部材
9 フィルムチャック機構
10、10B 製造装置
11 下端部
21 上端部
61 テーブル
62 テーブル駆動装置
71、91 フィルムチャック治具
72、92 保持金具(保持部材)
73、93 環状支持板
74 弾性部材
83、84 連通部
711 係止ロッド
FF フィルム材
FF1 外周部
KK 基材
Q 密閉空間
W フィルム被覆部品

Claims (7)

  1. 上下方向で接合、離反が可能とする上チャンバ及び下チャンバと、各チャンバに接続された第1の真空回路及び空気回路と、前記上チャンバ内又は前記下チャンバ内に装着されたヒータと、前記下チャンバ内に昇降可能に配設されたテーブルと、前記テーブルを昇降させるテーブル駆動装置とを備え、前記テーブル駆動装置によって所定位置に上昇した前記テーブル上に載置された基材の表面に、前記上チャンバと前記下チャンバとの間に把持されて加熱軟化したフィルム材を気圧差により貼着させるフィルム被覆部品の製造装置であって、
    前記フィルム材の外周部を把持可能に形成された額縁状のフィルムチャック治具と、当該フィルムチャック治具を着脱可能に形成された保持部材と、当該保持部材を支持し前記下チャンバの上端部及び前記上チャンバの下端部と気密状に当接可能に形成された環状支持板とを有するフィルムチャック機構を備え、前記テーブルは、所定位置に上昇したとき前記フィルムチャック治具と気密状に当接することを特徴とするフィルム被覆部品の製造装置。
  2. 請求項1に記載されたフィルム被覆部品の製造装置において、
    前記フィルムチャック治具は、前記保持部材に装着した弾性部材を介して前記環状支持板と弾発的に連結されていることを特徴とするフィルム被覆部品の製造装置。
  3. 請求項2に記載されたフィルム被覆部品の製造装置において、
    前記フィルムチャック治具の外周側には、前記保持部材に係止可能に形成された複数の係止ロッドを備え、当該係止ロッドの長さは、当該係止ロッド近傍の前記フィルム材の幅寸法に反比例させることを特徴とするフィルム被覆部品の製造装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載されたフィルム被覆部品の製造装置において、
    前記テーブルには、前記テーブルと前記フィルムチャック治具とで囲まれて前記フィルム材が前記基材を覆う密閉空間内の空気を吸引させる第2の真空回路を備えたことを特徴とするフィルム被覆部品の製造装置。
  5. 請求項4に記載されたフィルム被覆部品の製造装置において、
    前記テーブルには、前記基材を所定の隙間を有しながら支持し前記基材と前記テーブルとの間を連通する複数の連通部が形成され、前記第2の真空回路の前記テーブルへの接続口の上方まで延設された仕切り部材を備えたことを特徴とするフィルム被覆部品の製造装置。
  6. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載されたフィルム被覆部品の製造装置を用いて製造するフィルム被覆部品の製造方法であって、
    前記下チャンバと前記上チャンバとを当接して前記ヒータを点灯し前記フィルム材を加熱軟化させるとともに、前記第1の真空回路を作動させ上下チャンバ内の気圧を所定の真空状態にした上で、前記テーブルを所定位置に上昇させ、前記テーブルと前記フィルムチャック治具とが気密状に当接した後に、前記空気回路を開放して上下チャンバ内の気圧を大気圧状態に移行させることを特徴とするフィルム被覆部品の製造方法。
  7. 請求項4又は請求項5に記載されたフィルム被覆部品の製造装置を用いて製造するフィルム被覆部品の製造方法であって、
    前記下チャンバと前記上チャンバとを当接して前記ヒータを点灯し前記フィルム材を加熱軟化させるとともに、前記第1の真空回路を作動させ上下チャンバ内の気圧を中程度の真空状態にした上で、前記テーブルを所定位置に上昇させ、前記テーブルと前記フィルムチャック治具とが気密状に当接した後に、前記第2の真空回路を作動させ、かつ、前記空気回路を開放して上下チャンバ内の気圧を大気圧状態に移行させることを特徴とするフィルム被覆部品の製造方法。
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