以下、決済装置に転送された登録データを登録装置に呼び戻すことなく、商品の追加購入または商品の購入取り止めが可能なチェックアウトシステムの実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本実施形態では、量販店等の店舗に構築され、登録装置を店員が操作し、決済装置を買物客が操作するセミセルフ方式のチェックアウトシステムを例示する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態におけるチェックアウトシステム10の斜視図である。チェックアウトシステム10は、少なくとも1台の登録装置11と、少なくとも1台の決済装置12とを含む。図1においては、2台の登録装置11と4台の決済装置12とを含んだチェックアウトシステム10を示している。チェックアウトシステム10が、登録装置11および決済装置12をそれぞれ何台含むかは任意であり、登録装置11と決済装置12との台数の比も任意である。登録装置11および決済装置12は、スーパーマーケットなどの店舗のチェックアウトコーナーに設置される。
登録装置11は、チェッカと呼ばれる役割を担った、上記店舗の店員21が、その操作者となる。決済装置12は、上記の店舗で販売される商品を購入する買物客22が、その操作者となる。ただし決済装置12は、店員21により操作される場合もある。
登録装置11は、図1においては、作業テーブル23に取り付けられる。作業テーブル23は、矩形の天板を有する。複数の作業テーブル23が、天板の長手方向がほぼ並行するように配置されることにより、買物客22用の通路(チェックアウトレーン)が形成される。
登録装置11は、買上商品の登録、登録データの生成および登録データの決済装置12への転送、ならびに決済処理の各機能を備える。登録とは、買物客22が購入する商品を買上商品として登録装置11に登録することである。例えば、商品に付されたバーコードをスキャナでスキャンすることにより、当該商品が買上商品として登録装置11に登録される。登録データとは、1つの取引として登録された買上商品に係るデータである。買上商品の識別コードである商品コード、商品名、単価、個数、金額等が登録データに含まれる。決済処理とは、登録データを基に商品売買行為である取引の決済を処理することである。決済には、現金、クレジットカード、電子マネー等が代金として利用される。
決済装置12は、決済処理の機能を備える。すなわち決済装置12は、登録装置11から登録データが転送された場合に、その登録データを基に取引の決済を処理する。
図2は、登録装置11および決済装置12の主要な回路構成を示すブロック図である。登録装置11および決済装置12は、いずれもネットワークであるLAN(local area network)13に接続されている。LAN13には、図示しないが、サーバが接続されている。サーバには、各商品の商品コードに関連付けて、商品名、単価等の商品情報が設定された商品データベースがある。
登録装置11および決済装置12は、LAN13を介して情報を授受する。なお、ネットワークは、LAN13に代えて、インターネットや無線LANなどの別の通信網を用いてもよい。また、登録装置11と決済装置12との間でサーバを介して情報を授受する構成としてもよい。
登録装置11は、CPU(central processing unit)11a、ROM(read-only memory)11b、RAM(random-access memory)11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、2つのタッチパネル11g1,11g2、プリンタ11h、カードリーダライタ11i、通信ユニット11jおよび伝送システム11kを含む。
CPU11aは、ROM11b、RAM11cおよび補助記憶ユニット11dと伝送システム11kを介して接続されて、コンピュータを構成する。
CPU11aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU11aは、ROM11bおよびRAM11cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、登録装置11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
ROM11bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM11bは、上記オペレーティングシステムを記憶する。ROM11bは、上記ミドルウェアまたはアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。ROM11bは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM11cは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。またRAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとしても利用される。
補助記憶ユニット11dは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット11dは、CPU11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU11aでの処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット11dとしては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などを使用できる。
ROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶されるアプリケーションプログラムには、登録装置11で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムを含む。登録装置11の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶された状態にて行われる。しかし、制御プログラムがROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶されない状態で、登録装置11が譲渡される場合もある。この場合には、制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡される。あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡された登録装置11の補助記憶ユニット11dに書き込まれてもよい。
ドロワ開放ユニット11eは、貨幣を収容するためのドロワを自動的に開放する。
スキャナ11fは、商品に付されたバーコードを読み取って、当該商品の商品コードを得る。スキャナ11fとしては、周知の種々のタイプのものをそのまま利用できる。スキャナ11fは、周知の種々のタイプうちの1つのみに対応していてもよいし、複数のタイプに対応していてもよい。すなわちスキャナ11fは、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナを含み得る。またスキャナ11fは、商品の画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプのスキャナを含み得る。
2つのタッチパネル11g1,11g2のうち、一方のタッチパネル11g1は店員用であり、他方のタッチパネル11g2は客用である。タッチパネル11g1,11g2は、いずれも表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、その表示画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU11aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
店員用のタッチパネル11g1は、表示画面が店員21の作業スペース側を向くように、作業テーブル23上に設けられる。客用のタッチパネル11g2は、表示画面が買物客22用の通路側を向くように、作業テーブル23上に設けられる。
プリンタ11hは、レシート用紙に対して各種の文字列または画像などを印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ11hとしては、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどを利用できる。
カードリーダライタ11iは、カードに記録されたデータを読み取る機能と、上記カードへデータを書き込む機能とを有する。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカードやポイントカードなどと称される会員カードを含み得る。カードリーダライタ11iは、電子マネーカードに記憶された電子マネーのデータ(残高等)を読み取り、かつ書き換える。カードリーダライタ11iは、磁気式、接触式、あるいは非接触式のいずれのデバイスであってもよいし、また複数種のデバイスを含んでいてもよい。
通信ユニット11jは、LAN13を介して接続される複数の決済装置12とデータ通信を行う。通信ユニット11jは、他の登録装置11とLAN13を介してデータ通信を行うこともできる。
伝送システム11kは、CPU11a、ROM11b、RAM11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、タッチパネル11g1,11g2、プリンタ11h、カードリーダライタ11iおよび通信ユニット11jの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム11kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
このような登録装置11のハードウェアとしては、例えば既存のPOS端末を利用することが可能である。
決済装置12は、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、自動釣銭機12e、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、カードリーダライタ12i、通信ユニット12jおよび伝送システム12kを含む。
自動釣銭機12eは、投入される硬貨および紙幣を収受する。また自動釣銭機12eは、釣銭としての硬貨および紙幣を排出する。
その他のCPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、カードリーダライタ12i、通信ユニット12jおよび伝送システム12kの機能は、登録装置11のCPU11a、ROM11b、RAM11c、補助記憶ユニット11d、タッチパネル11g1,11g2、プリンタ11h、カードリーダライタ11i、通信ユニット11jおよび伝送システム11kと同等である。
すなわちCPU12aは、ROM11b、RAM11cおよび補助記憶ユニット11dと伝送システム11kを介して接続されて、コンピュータを構成する。そしてCPU12aは、ROM12bおよびRAM12cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、決済装置12としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
ROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶されるアプリケーションプログラムには、決済装置12で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムを含む。決済装置12の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶された状態にて行われる。しかし、制御プログラムがROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶されない状態で、決済装置12が譲渡される場合もある。この場合には、制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡される。あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡された決済装置12の補助記憶ユニット12dに書き込まれてもよい。
このような決済装置12のハードウェアとしては、例えば既存のセルフ方式に対応したPOS端末を利用することが可能である。
かかる構成の登録装置11と決済装置12とを含むチェックアウトシステム10は、図3に示すデータメモリ領域31および32を、登録装置11および決済装置12のRAM11c、12cにそれぞれ形成する。
データメモリ領域31は、1つの取引に対する登録データを格納するための領域である。登録データは、商品コード、商品名、単価、個数、金額の各項目を含むレコードの集合体である。商品コードは、各商品を個々に識別するための固有のコードである。各商品には、例えばバーコードによって表された商品コードが付されており、スキャナ11fでバーコードをスキャンすることにより、登録装置11は商品コードを取得できる。商品名および単価は、対応する商品コードにより識別される商品の名称および1点当たりの価格である。個数は、同商品の登録個数であり、金額は、その登録個数分の金額である。以下、データメモリ領域31を取引メモリと称する。そして登録装置11のものを取引メモリ31aで表わし、決済装置12のものを取引メモリ31bで表わす。
データメモリ領域32は、合計個数と合計金額とを格納するための領域である。合計個数は、登録データに含まれる商品の個数の合計である。合計金額は、登録データに含まれる商品の金額の合計である。以下、データメモリ領域32を合計メモリと称する。そして登録装置11のものを合計メモリ32aで表わし、決済装置12のものを合計メモリ32bで表わす。
また、チェックアウトシステム10は、図4に示すデータメモリ領域41および42を登録装置11のRAM11cに形成する。
データメモリ領域41は、1つの登録商品の商品コード、商品名、単価、個数及び金額を一時的に格納するための領域である。以下、データメモリ領域41を一時バッファ41と称する。
データメモリ領域42は、各決済装置12を個々に識別するコード“1”,“2”,“3”,“4”にそれぞれ関連づけて、カウンタC1,C2,C3,C4を記憶する。以下、データメモリ領域42をカウンタテーブル42と称する。
図5乃至図8は、登録装置11のCPU11aが、制御プログラムにしたがって実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図である。図9は、決済装置12のCPU12aが、制御プログラムにしたがって実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図である。図10乃至図14は、登録装置11のタッチパネル11g1,11g2に表示される種々の画面例を示す模式図である。図15乃至図18は、決済装置12のタッチパネル12gに表示される種々の画面例を示す模式図である。以下、これらの図を用いて、チェックアウトシステム10の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
はじめに、登録装置11の動作について説明する。
登録装置11は、動作モードの1つとして登録モードを有する。この登録モードで登録装置11が起動すると、CPU11aは、図5の流れ図に示す手順の制御処理を開始する。先ずCPU11aは、RAM11cの初期化を行う(Act1)。この初期化により、取引メモリ31a、合計メモリ32aおよび一時バッファ41がクリアされる。また、カウンタテーブル42の各コード“1”〜“4”に対応付けられたカウンタC1〜C4が“0”にリセットされる。
次いでCPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に登録画面SC1(図10を参照)を表示させる(Act2)。
登録画面SC1は、一時バッファ41、取引メモリ31aおよび合計メモリ32aの内容を表し、登録処理の実施状況を店員21に確認させるものである。登録画面SC1の一例を図10に示す。登録画面SC1は、表示エリアR1、R2を含む。表示エリアR1には、最も新しく買上登録がなされた商品の商品名および単価が表示される表示欄r11と、個数が表示される表示欄r12と、金額が表示される表示欄r13と、1取引として買上登録がなされた各商品の合計個数および合計金額が表示される表示欄r14とが形成される。表示エリアR2には、表示エリアR1に示された商品よりも前に買上登録がなされた商品の商品名、個数、単価および金額のリストが形成される。
なお、図示は省略するが、CPU11aは、タッチパネル11gの画面のうちの登録画面SC1とする領域外に、店員21が商品を指定するための商品ボタンや、小計ボタンなどの各種の機能ボタンも表示させる。
店員21は、タッチパネル11gに登録画面SC1が表示されていることを確認したならば、買物客22が買い上げる商品の登録が可能であると認識する。そして、買物客22が買上商品を持って作業テーブル23まで来たならば、店員21は、例えばスキャナ11fや商品ボタンを操作して、その買上商品の商品コードを順次入力する。そして、全ての買上商品の商品コードを入力し終えると、店員21は、小計ボタンにタッチする。以上の操作により、一人の買物客が買い上げる商品の登録(1取引の買上登録)が終了する。
このような登録操作に対し、登録装置11のCPU11aは、次のような情報処理を実行する。先ず、登録画面SC1を表示させたCPU11aは、商品コードの入力を待ち受ける(Act3)。スキャナ11fまたは商品ボタンを介して商品コードが入力されると(Act3にてYES)、CPU11aは、その商品コードに関連付けられて商品データベースに設定されている商品名、単価等の商品情報を取得する。またCPU11aは、この単価に個数を乗算して個数分の金額を算出する。個数は、商品コードが入力される前にテンキー等によって置数されている場合にはその数値であり、置数されていない場合には“1”である。こうしてCPU11aは、商品コード、商品名、単価、個数および金額を含む商品販売データを生成し、一時バッファ41に格納する(Act4)。このとき、既に一時バッファ41に商品販売データが格納されていた場合には、CPU11aは、その商品販売データを1レコードとして取引メモリ31に移動させる。
CPU11aは、一時バッファ41に格納した個数および金額を合計メモリ32aに加算する。そしてCPU11aは、一時バッファ41と合計メモリ32aの内容が表示エリアR1に表示され、取引メモリ31aの内容が表示エリアR2に表示されるように、登録画面SC1を更新する(Act5)。
登録画面SC1を更新した後、CPU11aは、次の商品コードが入力されたか否かを確認する(Act6)。商品コードが入力されていない場合(Act6にてNO)、CPU11aは、小計ボタンがタッチされたか否かを確認する(Act7)。小計ボタンがタッチされていない場合(Act7にてNO)、CPU11aは、再び商品コードが入力されたか否かを確認する(Act6)。かくしてCPU11aは、Act6およびAct7として、商品コードが入力されるか、小計ボタンがタッチされるのを待ち受ける。なおCPU11aは、この待ち受け状態において、他の操作が行われるなどの他の事象の発生を確認した場合、その発生事象に応じた処理に移行する。このような動作は、他の待ち受け状態においても同様である。
Act6およびAct7の待ち受け状態において、商品コードが入力されると(Act6にてYES)、CPU11aは、Act4の処理に進む。そしてCPU11aは、それ以降の処理を前述したのと同様に繰り返す。
Act6およびAct7の待ち受け状態において、小計ボタンがタッチされたならば(Act7にてYES)、CPU11aは、Act8及びAct9の処理を実行する。なお、Act8とAct9との処理手順は、この順序に限定されるものではない。順序が入れ替わってもよい。
Act8では、CPU11aは、一時バッファ41に格納されている商品販売データを1レコードとして取引メモリ31に移動させる。そしてCPU11aは、取引メモリ31aの内容に基づいて登録データを生成する。Act9では、CPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に転送先選択画面SC2(図11を参照)を表示させる。
転送先選択画面SC2の一例を図11に示す。転送先選択画面SC2は、表示エリアR3、R4、R5、R6、R7、R8およびボタンB1、B2、B3、B4、B5、B6、B7を含む。
表示エリアR3は、合計メモリ32aの合計個数および合計金額等を表示する。表示エリアR4は、種々のメッセージを表示する。ボタンB1、B2は、合計金額に対して値引または割引を適用することを店員21が指定するための小計値引ボタンB1、小計割引ボタンB2である。ボタンB3は、タッチパネル11gの画面の一部領域を登録画面SC1に戻すことを店員21が指定するための戻るボタンB3である。
表示エリアR5〜R8は、4つの決済装置12のそれぞれへの登録データの転送の可否をそれぞれ表示する。ボタンB4〜B7は、4つの決済装置12のそれぞれへの登録データの転送を店員21が指定するための転送ボタンB4〜B7である。決済装置12は、決済処理の実行中においては登録データの転送を受け付けていない。このような状態にある決済装置12に関連付けられた表示エリアR5〜R8には、「転送不可」と表示される。逆に、登録データの転送を受け付けている決済装置12に関連付けられた表示エリアR5〜R8には、「転送可能」と表示される。転送ボタンB4〜B7は、関連付けられている決済装置12が登録データの転送を受け付けていない場合、非表示としてもよい。また転送ボタンB4〜B7を非表示とするのではなく、関連付けられている決済装置12が登録データの転送を受け付けているか否かに応じて表示形態を異ならせてもよい。
転送先選択画面SC2を表示させたCPU11aは、登録データの転送先とする決済装置12が指定されたか否かを確認する(Act10)。決済装置12が指定されていない場合(Act10にてNO)、CPU11aは、戻るボタンB3が入力されたか否かを確認する(Act11)。戻るボタンB3が入力されていない場合(Act11にてNO)、CPU11aは、再び、決済装置12が指定されたか否かを確認する(Act10)。かくしてCPU11aは、Act10およびAct11として、決済装置12が指定されるか、戻るボタンB3が入力されるのを待ち受ける。
Act10およびAct11の待ち受け状態において、戻るボタンB3が入力されたことを確認すると(Act11にてYES)、CPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部領域を登録画面SC1に戻す(Act12)。その後、CPU11aは、Act6の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。
転送先選択画面SC2を確認した店員21は、登録データの転送先となる決済装置12を決める。そして店員21は、転送先として決めた決済装置12に対する転送ボタンB4〜B7にタッチする。このとき店員21は、転送可能な決済装置12の中から登録データの転送先を決める。転送可能な決済装置12が1つもない場合、店員21は、最も早く空きそうな決済装置12を判別して、登録データの転送先とする。
Act10およびAct11の待ち受け状態において、転送ボタンB4〜B7のいずれかがタッチされると(Act10にてYES)、CPU11aは、タッチされた転送ボタンに対応する決済装置(以下、決済装置12xとする)が登録データの転送先に指定されたとみなす。そしてCPU11aは、Act13、Act14及びAct15の各処理を実行する。なお、Act13,Act14およびAct15の処理手順は、この順序に限定されるものではない。順序が入れ替わってもよい。
Act13では、CPU11aは、決済装置12xに対して登録データを転送する(Act13)。具体的にはCPU11aは、決済装置12xに設定された通信アドレスを送信先アドレスとし、自らに設定された通信アドレスを送信元アドレスとして、登録データをLAN13へと送信するように通信ユニット11jに指令する。この指令を受けて、通信ユニット11jは、送信先アドレスおよび送信元アドレスが設定された登録データを、LAN13上に送信する。この登録データは、送信先アドレスが通信アドレスと一致する決済装置12xにて受信される。
ここに、CPU11aは、通信ユニット11jと協働して、登録データをいずれかの決済装置12に転送する転送手段を構成する。
Act14では、CPU11aは、カウンタテーブル42における決済装置12xのコードに関連付けられたカウンタ(以下、カウンタCxとする)を“1”だけカウントアップする(Act14)。Act15では、CPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に、報知画面SC3(図12を参照)を表示させる(Act15)。
報知画面SC3の一例を図12に示す。報知画面SC3は、表示エリアR9およびボタンB8、B9、B10を含む。
表示エリアR9は、合計メモリ32aの合計個数および合計金額を表示するとともに、登録データの転送先である決済装置12xを示すメッセージを表示する。ボタンB8は、報知画面SC3を閉じることを店員21が指示する閉じるボタンB8である。ボタンB9は、店員21が商品の追加購入を指示するための追加ボタンB9である。ボタンB10は、店員21が商品の購入取消を指示するための取消ボタンB10である。
報知画面SC3を確認した店員21は、各決済装置12のうち、表示エリアR9に表示された決済装置12xにて決済を行うべきことを買物客22に対して告知する。この告知を受けた買物客22は、指定された決済装置12xへと移動し、決済のための操作を行う。
ところで、登録データを決済装置12xに転送した段階で、買物客22が商品の追加購入を申し出る場合がある。あるいは、買物客22が商品の購入取消の申し出を受ける場合がある。このような申し出を受けなかった場合、店員21は、閉じるボタンB9をタッチする。追加購入の申し出を受けた場合には、店員21は、追加ボタンB10をタッチする。購入取消の申し出を受けた場合には、店員21は、取消ボタンB11をタッチする。
報知画面SC3を表示させたCPU11aは、閉じるボタンB8がタッチされたか否かを確認する(Act16)。閉じるボタンB8がタッチされていない場合(Act16にてNO)、CPU11aは、追加ボタンB9がタッチされたか否かを確認する(Act17)。追加ボタンB9がタッチされていない場合(Act17にてNO)、CPU11aは、取消ボタンB10がタッチされたか否かを確認する(Act18)。取消ボタンB10がタッチされていない場合(Act18にてNO)、CPU11aは、再び閉じるボタンB8がタッチされたか否かを確認する(Act16)。かくしてCPU11aは、Act16乃至Act18として、閉じるボタンB8がタッチされるか、追加ボタンB9がタッチされるか、取消ボタンB10がタッチされるのを待ち受ける。
Act16乃至Act18の待ち受け状態において、閉じるボタンB8がタッチされた場合(Act16にてYES)、CPU11aは、報知画面SC3を消去して、この制御プログラムに従った情報処理を終了する。その後CPU11aは、再び、図5の流れ図に示す手順の情報処理を開始して、次の買物客が購入する商品の買上登録に備える。
Act16乃至Act18の待ち受け状態において、追加ボタンB9がタッチされた場合には(Act17にてYES)、CPU11aは、図6の流れ図に示す手順の情報処理を実行する。すなわちCPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に、追加画面SC4(図13を参照)を表示させる(Act21)。
追加画面SC4の一例を図13に示す。追加画面SC4は、表示エリアR10を含む。表示エリアR10には、追加登録される商品の商品名および単価が表示される表示欄r101と、追加登録される商品の個数が表示される表示欄r102と、追加登録される商品の個数分の金額が表示される表示欄r103とが形成される。
追加画面SC4を表示させたCPU11aは、追加登録すべき商品の商品コードが入力されるのを待ち受ける(Act22)。スキャナ11fまたは商品ボタンを介して商品コードが入力されると(Act22にてYES)、CPU11aは、前述したようにその商品コードに関連付けられて商品データベースに設定されている商品名、単価等の商品情報を取得する。またCPU11aは、この単価に個数を乗算して個数分の金額を算出する。個数は、商品コードが入力される前にテンキー等によって置数されている場合にはその数値であり、置数されていない場合には“1”である。CPU11aは、商品コード、商品名、単価、個数および金額を含む追加更新データを生成し、一時バッファ41に格納する(Act23)。そしてCPU11aは、一時バッファ41に格納された追加更新データの商品名、単価、個数および金額が追加画面SC4に表示されるように、追加画面SC4を更新する(Act24)。
追加画面SC4を更新した後、CPU11aは、小計ボタンがタッチされるのを待ち受ける(Act25)。小計ボタンがタッチされたならば(Act25にてYES)、CPU11aは、Act26及びAct27の処理を実行する。なお、Act26とAct27との処理手順は、この順序に限定されるものではない。順序が入れ替わってもよい。
Act26では、CPU11aは、一時バッファ41に格納されている追加更新データを、Act10の処理で登録データの転送先に指定された決済装置12xに対して転送する。具体的にはCPU11aは、決済装置12xに設定された通信アドレスを送信先アドレスとし、自らに設定された通信アドレスを送信元アドレスとして、追加更新データをLAN13へと送信するように通信ユニット11jに指令する。この指令を受けて、通信ユニット11jは、送信先アドレスおよび送信元アドレスが設定された追加更新データをLAN13上に送信する。この追加更新データは、送信先アドレスが通信アドレスと一致する決済装置12xにて受信される。
Act27では、CPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に、報知画面SC3を再度表示させる。
Act26及びAct27の処理が終了すると、CPU11aは、Act16の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。
Act16乃至Act18の待ち受け状態において、取消ボタンB10がタッチされた場合には(Act18にてYES)、CPU11aは、図7の流れ図に示す手順の処理を実行する。すなわちCPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に、取消画面SC5(図14を参照)を表示させる(Act31)。
取消画面SC5の一例を図14に示す。取消画面SC5は、表示エリアR11を含む。表示エリアR11には、購入が取消される商品の商品名および単価が表示される表示欄r111と、購入が取消される商品の個数が表示される表示欄r112と、購入が取消される商品の金額が表示される表示欄r113とが形成される。
取消画面SC5を表示させたCPU11aは、購入を取り消すべき商品の商品コードが入力されるのを待ち受ける(Act32)。スキャナ11fまたは商品ボタンを介して入商品コードが入力されると(Act32にてYES)、CPU11aは、前述したようにその商品コードに関連付けられて商品データベースに設定されている商品名、単価等の商品情報を取得する。またCPU11aは、この単価に個数を乗算して個数分の金額を算出する。個数は、商品コードが入力される前にテンキー等によって置数されている場合にはその数値であり、置数されていない場合には“1”である。CPU11aは、個数にマイナス符号を付して、取消個数とする。またCPU11aは、金額にマイナス符号を付して、取消金額とする。CPU11aは、商品コード、商品名、単価、取消個数および取消金額を含む取消更新データを生成し、一時バッファ41に格納する(Act33)。そしてCPU11aは、一時バッファ41に格納された取消更新データの商品名、単価、取消個数および取消金額が取消画面SC5に表示されるように、取消画面SC5を更新する(Act34)。
取消画面SC5を更新した後、CPU11aは、小計ボタンがタッチされるのを待ち受ける(Act35)。小計ボタンがタッチされたならば(Act35にてYES)、CPU11aは、Act36及びAct37の処理を実行する。なお、Act36とAct37との処理手順は、この順序に限定されるものではない。順序が入れ替わってもよい。
Act36では、CPU11aは、一時バッファ41に格納されている取消更新データを、Act10の処理で登録データの転送先に指定された決済装置12xに対して転送する。具体的にはCPU11aは、決済装置12xに設定された通信アドレスを送信先アドレスとし、自らに設定された通信アドレスを送信元アドレスとして、取消更新データをLAN13へと送信するように通信ユニット11jに指令する。この指令を受けて、通信ユニット11jは、送信先アドレスおよび送信元アドレスが設定された取消更新データをLAN13上に送信する。この取消更新データは、送信先アドレスが通信アドレスと一致する決済装置12xにて受信される。
Act37では、CPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に、報知画面SC3を再度表示させる。
Act36及びAct37の処理が終了すると、CPU11aは、Act16の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。
ここに、CPU11aは、タッチパネル11gに報知画面SC3を表示させることで、決済装置12xに登録データを転送した後、次の取引が開始されるまでの間、更新データの入力を待ち受ける更新待ち受け手段を構成する。
またCPU11aは、タッチパネル11gおよび通信ユニット11jと協働して、決済装置12xに転送された登録データに対する更新データを、当該登録データが転送された決済装置12xに送信する送信手段を構成する。具体的には、送信手段は、更新データの入力待ち受け状態で入力された更新データを、直前に登録データを転送した決済装置12xに送信する。
次に、決済装置12の動作について説明する。
決済装置12が起動されると、CPU12aは、図9の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ずCPU12aは、タッチパネル12gの画面を待機画面とする(Act51)。待機画面は、決済処理を行う状況にないことを表すものであり、どのような情報を表すかは任意であって良い。例えば待機画面は、決済処理を行うことができないことを表すメッセージを表すもの、あるいはスクリーンセーバーとして広告などを表す任意の画像を表示するものとすることが想定される。タッチパネル12gの画面を待機画面とした後、CPU12aは、登録データを受信するのを待ち受ける(Act52)。
前述したように登録装置11のCPU11aは、図5のAct13の処理において、通信ユニット11jからLAN13へと登録データを送信する。この登録データは、宛先となっている決済装置12に設けられた通信ユニット12jにて受信される。登録データを受信した決済装置12は、その登録データの送信元アドレスを記憶することで、登録データの送信元である登録装置11を特定できる。
登録データを受信すると(Act52にてYES)、CPU12aは、その登録データを、取引メモリ31bに展開する(Act53)。すなわちCPU12aは、登録データから商品コード、商品名、単価、個数および金額のレコードを抽出し、取引メモリ31bに格納する。またCPU12aは、取引メモリ31bに格納されたレコードの点数および金額それぞれ合計して、その合計個数および合計金額を合計メモリ32bに格納する。
ここにCPU12aは、RAM12cと協働して、登録装置11から転送されてきた登録データを記憶部(取引メモリ31b)に格納する格納手段を構成する。
次いでCPU12aは、タッチパネル12gの画面の一部に支払方法選択画面SC6(図15を参照)を表示させる(Act24)。
支払方法選択画面SC6の一例を図15に示す。支払方法選択画面SC6は、表示エリアR12、R13およびボタンB11、B12を含む。表示エリアR12は、決済装置12を操作する買物客22に対する操作ガイダンスを表示する。表示エリアR13は、合計メモリ32bに格納された合計個数と合計金額とを表示する。ボタンB11は、複数の支払方法のなかからいずれかの支払方法を買物客が指定するための支払方法ボタンB11である。ボタンB12は、店員21を呼び出すことを買物客22が指定するための店員呼出ボタンB13である。
なお、本実施形態では、支払方法として現金、クレジットカードおよび電子マネーを例示するが、支払方法はこれらに限定されるものではない。他の支払方法が加えられてもよい。また、いずれかの支払方法が省略されてもよい。
支払方法選択画面SC6を確認した買物客22は、代金の支払方法を決定し、支払方法ボタンをタッチする。ただし、追加購入したい商品があった場合、あるいは購入を取り止めたい商品があった場合には、買物客は、支払方法ボタンをタッチする前に店員に申し出る。そして、買い忘れた商品の追加登録あるいは取り消したい商品の取消登録が登録装置11で行われるのを待って、支払方法ボタンをタッチする。
支払方法選択画面SC6を表示させたCPU12aは、支払方法ボタンB11がタッチされたか否かを確認する(Act55)。支払方法ボタンB11がタッチされていない場合(Act55にてNO)、CPU12aは、追加更新データまたは取消更新データを受信したか否かを確認する(Act56)。追加更新データまたは取消更新データを受信していない場合(Act56にてNO)、CPU12aは、再び支払方法ボタンB11がタッチされたか否かを確認する(Act55)。かくしてCPU12aは、Act55およびAct56として、支払方法ボタンB11がタッチされるか追加更新データまたは取消更新データを受信するのを待ち受ける。
ここにCPU12aは、タッチパネル12gと協働して、記憶部(取引メモリ31b)に格納された登録データに基づく取引の決済開始指示、つまりは支払方法ボタンB11のタッチ入力を待ち受ける開始待ち受け手段を構成する。
Act55およびAct56の待ち受け状態において、追加更新データまたは取消更新データを受信したならば(Act56にてYES)、CPU12aは、取引メモリ31bに展開した登録データを更新する(Act57)。すなわち追加更新データを受信した場合には、CPU12aは、その追加更新データに含まれる商品コード、商品名、単価、個数および金額を1レコードとして取引メモリ31bに追加する。ただし、すでに取引メモリ31bに同一の商品コードを含むレコードが格納されていた場合には、CPU12aは、そのレコードの個数および金額に追加更新データに含まれる個数および金額を加算し、レコードの追加は行わない。取消更新データを受信した場合には、CPU12aは、取引メモリ31bから同一の商品コードを含むレコードを検索する。そしてCPU12aは、そのレコードの個数および金額から、追加更新データに含まれる個数および金額を減算する。その結果、個数および金額が“0”になった場合には、CPU12aは、このレコードを取引メモリ31bから削除する。
追加更新データまたは取消更新データにより取引メモリ31に展開した登録データを更新したならば、CPU12aは、取引メモリ31のデータにより合計個数および合計金額を再計算する。そしてCPU12aは、合計メモリ32bのデータを更新するとともに、図16に示すように、支払方法選択画面SC6の表示エリアR13に表示されている合計点数および合計金額も更新する(Act58)。その後、CPU12aは、Act55の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。
図16は、図15に示す支払方法選択画面SC6が表示されている状態で、金額500円の商品1点に係る追加登録データによって取引メモリ31bの更新データが更新された場合の支払方法選択画面SC6を例示する。
ここにCPU12aは、RAM12cおよび通信ユニット12jと協働して、決済開始指示の待ち受け状態において、登録装置11から更新データを受信すると、記憶部(取引メモリ31b)に記憶された登録データを更新データで更新する更新手段を構成する。
Act55およびAct56の待ち受け状態において、支払方法ボタンB11がタッチされた場合には(Act55にてYES)、CPU12aは、タッチパネル12gの画面の一部に、支払方法ボタンB11によって選択された支払い方法の支払画面SC7(図17を参照)を表示させる(Act58)。
支払画面SC7の一例を図17に示す。図17は、支払方法として現金が選択された場合の支払画面SC7である。支払画面SC7は、表示エリアR13、R14およびボタンB13を含む。表示エリアR13は、決済装置12を操作する買物客22に対する操作ガイダンスを表示する。表示エリアR14は、合計金額、投入金額および残額を表示する。ボタンB13は、現金の投入を終えた買物客が精算の実行を指定するための精算ボタンB13である。支払方法として現金を選択した買物客は、自動釣銭機12eに現金を投入する。そして合計金額以上の現金を投入したならば、精算ボタンB13をタッチする。
支払画面SC7を表示させたCPU12aは、精算ボタンB13がタッチされるのを待ち受ける(Act59)。精算ボタンB13がタッチされたならば(Act59にてYES)、CPU12aは、選択された支払い方法による決済処理を実行する(Act60)。例えば支払方法として現金が選択された場合には、CPU12aは、現金支払いに対する決済処理を実行する。そしてCPU12aは、プリンタ12hを制御してレシートを発行させるとともに、自動釣銭機12eを制御して釣銭を払い出させる。クレジットカードが選択された場合には、CPU12aは、クレジット支払いに対する決済処理を実行する。そしてCPU12aは、プリンタ12hを制御してクレジット伝票を発行させる。電子マネーが選択された場合には、CPU12aは、電子マネー支払いに対する決済処理を実行する。そしてCPU12aは、プリンタ12hを制御してレシートを発行させるとともに、カードリーダライタ12iを制御して電子マネーの残高を更新させる。このような決済処理は周知なので、詳細な説明は省略する。
決済処理が終了すると、CPU12aは、タッチパネル12gの画面の一部に完了画面SC8(図18を参照)を表示させる(Act61)。
現金支払いに対する完了画面SC8の一例を図18に示す。完了画面SC8は、表示エリアR15、R16、R17を含む。表示エリアR15は、決済装置12を操作する買物客22に対する操作ガイダンスを表示する。表示エリアR16は、案内画像を表示する。案内画像は、買物客22に対して、レシートの発行口と釣銭の払出口とを案内する画像である。したがって買物客は、この案内画像からレシートが発行される場所と釣銭が払い出される場所とを容易に知ることができる。表示エリアR16は、釣銭額を表示する。したがって買物客は、表示エリアR16のデータから釣銭額を知ることができる。
完了画面SC8を表示させたCPU12aは、登録データ送信元の登録装置11に取引の完了を通知する(Act62)。具体的にはCPU12aは、登録データの受信時に記憶しておいた送信元アドレスを送信先アドレスとし、自らに設定された通信アドレスを送信元アドレスとして、取引完了通知のコマンドをLAN13へと送信するように通信ユニット12jを制御する。これにより、送信先アドレスおよび送信元アドレスが設定された取引完了通知のコマンドがLAN13を介して送信される。そしてこのコマンドは、送信先アドレスが通信アドレスと一致する登録装置11にて受信される。
取引完了通知のコマンドを受信した登録装置11のCPU11aは、図8の流れ図に示す手順の受信割込み処理を実行する。すなわちCPU11aは、受信したコマンドが取引完了通知であるか否かを確認する(Act41)。取引完了通知以外のコマンドであった場合(Act41にてNO)、CPU11aは、そのコマンドに応じた処理を実行する。
受信したコマンドが取引完了通知であった場合には(Act41にてYES)、CPU11aは、カウンタテーブル42におけるコマンド送信元の決済装置12xを識別するコードに関連付けられたカウンタCxを“0”にリセットする(Act42)。以上で、CPU11aは、受信割込み処理を終了する。
このように第1の実施形態によれば、登録装置11から登録データを決済装置12に転送し終えた後で、買物客が商品を追加購入したり、商品の購入を取り止めたりする場合でも、決済装置12に転送された登録データを登録装置11に呼び戻すことなく対処することができる。
したがって、登録装置11において、登録データを呼び戻すための操作と、呼び戻した登録データを決済装置12に再度送信するための操作とが不要であるので、操作の簡素化を図ることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、登録データが登録装置11から決済装置12に転送されてから、報知画面SC3の閉じるボタンB8が操作されるまでの期間内であれば、その登録データに係る買物客22は、商品の追加購入あるいは購入取消が可能である。逆に、店員21によって報知画面SC3の閉じるボタンB8が操作されてしまうと、買物客22は、商品の追加購入あるいは購入取消ができなくなってしまう。
そこで次に、登録装置11において閉じるボタンB8が操作され、次の買物客が買い上げる商品の登録が開始された後でも、決済装置12において支払方法を選択する前であれば商品の追加購入あるいは購入取消を可能とする第2の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、第1の実施形態と共通する図面は援用し、その説明は省略する。具体的には、図1〜図4、図8、図9、図11〜図18を援用する。
図19乃至図21は、第2の実施形態において、登録装置11のCPU11aが制御プログラムにしたがって実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図であり、図22は、登録画面SC11の一例を示す模式図である。これらの図19〜図22において、第1の実施形態の対応する図(図5〜図7,図10)と共通する部分には同一の符号を付してある。
図22に示すように、第2の実施形態においては、登録画面SC11に割込みボタンB21が追加されている。割込みボタンB21は、報知画面SC3を閉じて、次の買物客(以下、買物客22bと表す)が買い上げる商品の登録を開始した後で、その前の買物客(以下、買物客22aと表す)から商品の追加購入または購入取消の申し出を受けた場合に、店員21がタッチする。
図19に示すように、登録装置11のCPU11aは、Act6およびAct7の待ち受け状態において、さらに割込みボタンB21がタッチされるのを待ち受ける(Act71)。そして、割込みボタンB21がタッチされた場合(Act71にてYES)、CPU11aは、Act72、Act73およびAct74の処理を実行する。なお、Act72、Act73およびAct74の処理手順は、この順序に限定されるものではない。順序が入れ替わってもよい。
Act72では、CPU11aは、割込みフラグをセットする。割込みフラグは、例えばRAM11cにて記憶される1ビットデータである。Act73では、CPU11aは、一時バッファ41のデータを、退避バッファに移動させる。退避バッファは、一時バッファ41と同一のエリア構造を有しており、RAM11cに形成される。Act74では、CPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に、割込み画面SC12(図23を参照)を表示させる。
割込み画面SC12の一例を図23に示す。割込み画面SC12は、ボタンB22、B23、B24を含む。ボタンB22は、割込み画面SC12を閉じることを店員21が指示する閉じるボタンB22である。ボタンB23は、店員21が商品の追加購入を指示するための追加ボタンB23である。ボタンB10は、店員21が商品の購入取消を指示するための取消ボタンB24である。
割込み画面SC12を確認した店員21は、買物客22aからの申し出が追加購入であった場合には追加ボタンB23をタッチし、購入取消であった場合には、取消ボタンB11をタッチする。なお、追加購入または購入取消の申し出がキャンセルされた場合には、閉じるボタンB22をタッチする。
割込み画面SC12を表示させたCPU11aは、閉じるボタンB22がタッチされたか否かを確認する(Act75)。閉じるボタンB22がタッチされていない場合(Act75にてNO)、CPU11aは、追加ボタンB23がタッチされたか否かを確認する(Act76)。追加ボタンB23がタッチされていない場合(Act76にてNO)、CPU11aは、取消ボタンB24がタッチされたか否かを確認する(Act77)。取消ボタンB24がタッチされていない場合(Act77にてNO)、CPU11aは、再び閉じるボタンB22がタッチされたか否かを確認する(Act75)。かくしてCPU11aは、Act75乃至Act77として、閉じるボタンB22がタッチされるか、追加ボタンB23がタッチされるか、取消ボタンB24がタッチされるのを待ち受ける。
Act75乃至Act77の待ち受け状態において、閉じるボタンB22がタッチされた場合(Act75にてYES)、CPU11aは、Act78、Act79およびAct80の処理を実行する。なお、Act78、Act79およびAct80の処理手順は、この順序に限定されるものではない。順序が入れ替わってもよい。
Act78では、CPU11aは、割込みフラグをリセットする。Act79では、CPU11aは、退避バッファに退避させたデータを一時バッファ41に復元する。Act80では、CPU11aは、割込み画面SC12を消去し、タッチパネル11gの画面の一部に、登録画面SC11を再度表示させる。
こうして、Act78、Act79およびAct80の処理を終えたならば、CPU11aは、Act6の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。
Act75乃至Act77の待ち受け状態において、追加ボタンB23がタッチされた場合には(Act76にてYES)、CPU11aは、図20の流れ図に示す手順の処理を実行する。この処理は、第1の実施形態において、図6を用いて説明した処理とほぼ一致する。異なる点は、Act25において小計ボタンがタッチされた後の処理である。
すなわち小計ボタンがタッチされたならば(Act25にてYES)、CPU11aは、追加更新データの転送先を判定する(Act81)。具体的にはCPU11aは、カウンタテーブル42を検索し、カウンタCが“1”にアップされている決済装置12xを、追加更新データの転送先として認定する。そしてCPU11aは、一時バッファ41に格納されているデータから生成された追加更新データを決済装置12xに送信する(Act82)。追加更新データを送信したならば、CPU11aは、Act78の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。
Act75乃至Act77の待ち受け状態において、取消ボタンB24がタッチされた場合には(Act77にてYES)、CPU11aは、図21の流れ図に示す手順の処理を実行する。この処理は、第1の実施形態において、図7を用いて説明した処理とほぼ一致する。異なる点は、Act35において小計ボタンがタッチされた後の処理である。
すなわち小計ボタンがタッチされたならば(Act35にてYES)、CPU11aは、取消更新データの転送先を判定する(Act83)。具体的にはCPU11aは、カウンタテーブル42を検索し、カウンタCが“1”にアップされている決済装置12xを、取消更新データの転送先として認定する。そしてCPU11aは、一時バッファ41に格納されているデータから生成された取消更新データを決済装置12xに送信する(Act84)。取消更新データを送信したならば、CPU11aは、Act78の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。
一方、決済装置12は、第1の実施形態と同様に動作する。すなわちタッチパネル12gの画面の一部に支払方法選択画面SC6を表示させた状態で、追加更新データまたは取消更新データを受信した場合には、CPU12aは、Act57およびAct58の処理を実行する。
したがって、第2の実施形態によれば、登録装置11において次の買物客22bが買い上げる商品の登録が開始された後でも、その前の買物客22aが決済装置12において支払方法を選択する前であれば、買物客22aは、商品の追加購入あるいは購入取消が可能となる。その際、第1の実施形態と同様に、決済装置12に転送された登録データを登録装置11に呼び戻すことはないので、やはり操作の簡素化を図ることができる。
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、買物客22aが商品の追加購入あるいは購入取消を申し出た場合、その後の買物客22bが買い上げる商品の登録を中断して、申し出に対処する場合を例示した。しかし、登録を中断してしまっては、買物客22bから苦情が出ないとは限らない。
そこで次に、買物客22bが買い上げる商品の登録が終わるのを待って、買物客22aに対する商品の追加購入あるいは購入取消に対処する第3の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、第1及び第2の実施形態と共通する図面は援用し、その説明は省略する。具体的には、図1〜図4、図8、図9、図11〜図18、図20〜図23を援用する。
図24は、第3の実施形態において、登録装置11のCPU11aが制御プログラムにしたがって実行する情報処理の主要な手順を示す流れ図である。図24において、第1の実施形態の対応する図(図5)と共通する部分には同一の符号を付してある。
図24に示すように、CPU11aは、Act2においてタッチパネル11gの画面の一部に登録画面SC11(図22を参照)を表示させた後、直前の買上登録の中で、割込ボタンB21がタッチされたか否かを確認する(Act91)。第2の実施形態で説明したが、買上登録の途中で割込ボタンB21がタッチされた場合、CPU11aは、割込みフラグをセットする。そこでCPU11aは、割込みフラグがセットされているか否かを確認する。
割込みフラグがセットされていない場合(Act91にてNO)、CPU11aは、Act3の処理に進む。すなわちCPU11aは、商品コードの入力を待ち受ける。スキャナ11fまたは商品ボタンを介して商品コードが入力されると(Act3にてYES)、CPU11aは、商品販売データを生成し、一時バッファ41に格納する(Act4)。また、CPU11aは、一時バッファ41に格納した個数および金額を合計メモリ32aに加算して、登録画面SC1を更新する(Act5)。
登録画面SC1を更新した後、CPU11aは、商品コードが入力されるか(Act6)、小計ボタンがタッチされるのを待ち受ける(Act7)。またCPU11aは、割込みフラグがセットされているか否かを確認する(Act92)。割込みフラグがセットされていない場合(Act92にてNO)、CPU11aは、割込みボタンB21がタッチされたか否かを確認する(Act93)。割込みボタンB21がタッチされていない場合(Act93にてNO)、CPU11aは、Act6の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。一方、割込みフラグがセットされていた場合には(Act92にてYES)、CPU11aは、Act93の処理を実行することなくAct6の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。
したがって、割込みフラグがセットされていない状態では、CPU11aは、商品コードが入力されるか、小計ボタンがタッチされるか、割込みボタンB21がタッチされるのを待ち受ける。割込みフラグがセットされている状態では、CPU11aは、商品コードが入力されるか、小計ボタンがタッチされるのを待ち受ける。
買物客22bが買い上げる商品の登録を行っている途中で、買物客22aから商品の追加購入または購入取消の申し出を受けた場合、店員21は、割込みボタン21をタッチする。ただし、買物客22bが買い上げる商品の登録作業は中断しない。
割込みボタンB21がタッチされると(Act93にてYES)、CPU11aは、Act94およびAct95の処理を実行する。なお、Act94およびAct95の処理手順は、この順序に限定されるものではない。順序が入れ替わってもよい。
Act94では、CPU11aは、割込みフラグをセットする。Act95では、CPU11aは、カウンタテーブル42における各カウンタのうち、カウント値が“1”になっているカウンタCxをさらに“1”だけカウントアップする。
Act94およびAct95の処理が終了すると、CPU11aは、Act6の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。したがって、この場合は、割込みフラグがセットされているので、CPU11aは、商品コードが入力されるか、小計ボタンがタッチされるのを待ち受ける。この待ち受け状態において、商品コードが入力された場合、あるいは小計ボタンがタッチされた場合の動作は、第1または第2の実施形態と同様である。
一方、Act3において、割込みフラグがセットされていた場合(Act91にてYES)、買物客22bが買い上げる商品の登録中に割込みボタンB21がタッチされている。この場合、CPU11aは、Act96およびAct97の処理を実行する。なお、Act96およびAct97の処理手順は、この順序に限定されるものではない。順序が入れ替わってもよい。
Act96では、CPU11aは、割込みフラグをセットする。Act97では、CPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部に、割込み画面SC12(図23を参照)を表示させる。
割込み画面SC12を確認した店員21は、買物客22aからの申し出が追加購入であった場合には追加ボタンB23をタッチし、購入取消であった場合には、取消ボタンB11をタッチする。なお、追加購入または購入取消の申し出がキャンセルされた場合には、閉じるボタンB22をタッチする。
割込み画面SC12を表示させたCPU11aは、閉じるボタンB22がタッチされたか否かを確認する(Act98)。閉じるボタンB22がタッチされていない場合(Act98にてNO)、CPU11aは、追加ボタンB23がタッチされたか否かを確認する(Act99)。追加ボタンB23がタッチされていない場合(Act99にてNO)、CPU11aは、取消ボタンB24がタッチされたか否かを確認する(Act100)。取消ボタンB24がタッチされていない場合(Act100にてNO)、CPU11aは、再び閉じるボタンB22がタッチされたか否かを確認する(Act98)。かくしてCPU11aは、Act98乃至Act100として、閉じるボタンB22がタッチされるか、追加ボタンB23がタッチされるか、取消ボタンB24がタッチされるのを待ち受ける。
Act98乃至Act100の待ち受け状態において、閉じるボタンB22がタッチされた場合(Act98にてYES)、CPU11aは、Act2の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。したがって、この場合は、タッチパネル11gの画面の一部を登録画面SC11とした後(Act2)、商品コードが入力されるのを待ち受ける(Act3)。
Act98乃至Act100の待ち受け状態において、追加ボタンB23がタッチされた場合には(Act99にてYES)、CPU11aは、第2の実施形態で説明をした図20の流れ図に示す手順の処理を実行する。そして、追加更新データを決済装置12xに送信したならば(Act82)、CPU11aは、Act2の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。
Act98乃至Act100の待ち受け状態において、取消ボタンB24がタッチされた場合には(Act100にてYES)、CPU11aは、第2の実施形態で説明をした図21の流れ図に示す手順の処理を実行する。そして、取消更新データを決済装置12xに送信したならば(Act84)、CPU11aは、Act2の処理に進み、以降の処理を前述と同様に繰り返す。
一方、決済装置12は、第1または第2の実施形態と同様に動作する。すなわちタッチパネル12gの画面の一部に支払方法選択画面SC6を表示させた状態で、追加更新データまたは取消更新データを受信した場合には、CPU12aは、Act57およびAct58の処理を実行する。
したがって、第3の実施形態によれば、登録装置11において次の買物客22bが買い上げる商品の登録が開始された後で、その前の買物客22aが商品の追加購入あるいは購入取消を申し出た場合、買物客22bが買い上げる商品の登録を終えた後で対処することができる。その際、第1または第2の実施形態と同様に、決済装置12に転送された登録データを登録装置11に呼び戻すことはないので、やはり操作の簡素化を図ることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、登録装置から転送されてきた登録データを受信した決済装置12においては、支払方法選択画面SC6を表示するようにした。そして、この支払方法選択画面SC6の支払方法ボタンB11のタッチ入力を待ち受けることで、記憶部(取引メモリ31b)に格納された登録データに基づく取引の決済開始指示を待ち受けるものとした。支払方法が1種類の場合、登録データを受信した決済装置12では、支払方法選択画面SC6が表示されない。その場合には、買物客が支払い開始を宣言するための宣言ボタンを決済装置12に設ける。例えば、登録データを受信したことに応じて、CPU12aが、タッチパネル12gの画面の一部に宣言ボタンを表示させてもよい。CPU12aは、宣言ボタンが入力されるのを待ち受けることで、記憶部(取引メモリ31b)に格納された登録データに基づく取引の決済開始指示を待ち受ける。
また前記実施形態では、セミセルフ方式のチェックアウトシステムを例示したが、二人制のチェックアウトシステムに対しても、本実施形態の機能を適用することは可能である。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。