JP2017048279A - 活性エネルギー線硬化性コート剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 芳香族系重合体(A)と、4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(B)と、光開始剤(D)とを含有する活性エネルギー線硬化性コート剤組成物であって、
芳香族系重合体(A)の重量平均分子量が300〜10000であり、
活性エネルギー線硬化性コート剤組成物に含まれる樹脂分に対する、4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(B)の含有量が、25〜90重量%である活性エネルギー線硬化性コート剤組成物。
【選択図】なし
Description
[1]芳香族系重合体(A)と、4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(B)と、光開始剤(D)とを含有する活性エネルギー線硬化性コート剤組成物であって、芳香族系重合体(A)の重量平均分子量が300〜10000であり、活性エネルギー線硬化性コート剤組成物に含まれる樹脂分に対する、4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(B)の含有量が、25〜90重量%である活性エネルギー線硬化性コート剤組成物。
[2]芳香族系重合体(A)が、スチレン、α−メチルスチレン、及びビニルトルエンから選ばれる少なくとも1つに由来するモノマー単位を有する重合体である[1]に記載の活性エネルギー線硬化性コート剤組成物。
[3]芳香族系重合体(A)の軟化点が5℃以上である[1]又は[2]に記載の活性エネルギー線硬化性コート剤組成物。
[4]さらに、1〜3個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(C)を含有する[1]〜[3]のいずれか1に記載の活性エネルギー線硬化性コート剤組成物。
[5][1]〜[4]のいずれか1に記載の活性エネルギー線硬化性コート剤組成物の硬化物。
本発明は、特定の芳香族系重合体(A)と4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(B)と光開始剤(D)とを含有する活性エネルギー線硬化性コート剤組成物に関するものである。また、本発明の活性エネルギー線硬化性コート剤組成物は、前記の成分以外にも1〜3個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(C)やその他の成分を含んでいても良い。なお、4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(B)を、単に(メタ)アクリレート(B)と称することがある。また、1〜3個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(C)を、単に(メタ)アクリレート(C)と称することがある。
本発明の芳香族系重合体(A)は、重量平均分子量が300〜10000であることを特徴とする芳香族系重合体である。なお、芳香族系重合体とは、アリール基を側鎖に有するモノマー単位を少なくとも1種有する重合体を指す。
本発明の(メタ)アクリレート(B)は、4個以上の(メタ)アクリロイル基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、4〜8個の(メタ)アクリロイル基を有するものであってもよい。(メタ)アクリレート(B)としては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多価アルコール(脂肪族多価アルコール、又は脂環式多価アルコール等)の(メタ)アクリレート;4個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の4個以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーが挙げられる。また、(メタ)アクリレート(B)は、一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の(メタ)アクリレート(C)は、1〜3個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートであれば特に限定されないが、2又は3個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートであることがより好ましい。活性エネルギー線硬化性コート剤組成物に(メタ)アクリレート(C)が含まれる場合、硬化物の基材(特に金属基材)との密着性がより向上する。
光開始剤(D)としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフインオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、カンファーキノンなどが挙げられる。なお、光開始剤(D)は一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の活性エネルギー線硬化性コート剤組成物は、上述の成分以外にも、有機溶剤、着色剤(例えば、染料等)等の成分(以下、その他の成分と称する)をさらに含んでいてもよい。これらその他の成分の含有量(配合量)は特に限定されず、活性エネルギー線硬化性コート剤組成物において通常用いられる量から適宜設定できる。
本発明の活性エネルギー線硬化性コート剤組成物は、基材(特に金属基材)に塗布した後に硬化することによって硬化物とすることができる。なお、前記の硬化物を活性エネルギー線硬化性コート剤組成物の硬化物と称することがある。より具体的には、本発明の活性エネルギー線硬化性コート剤組成物を基材上に塗布し、必要に応じて乾燥させて塗膜を形成した後、光エネルギー線による硬化を行うことで基材の表面に硬化塗膜を形成することができる。
(実施例1)
芳香族系重合体(A)として40重量部のピコラスチックA−75と、(メタ)アクリレート(B)として60重量部のEBECRYL140とを混合し、得られた溶液に光開始剤(D)として3.0重量部のIRGACURE184を添加して活性エネルギー線硬化性コート剤組成物を調製した。
表1に記載された配合量としたこと以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性コート剤組成物を調製した。
芳香族系重合体(A)としてピコテックスLCを用いたこと以外は実施例2と同様の調製方法により活性エネルギー線硬化性コート剤組成物を調製した。
芳香族系重合体(A)としてクリスタレックス3100を用いたこと以外は実施例2と同様の調製方法により活性エネルギー線硬化性コート剤組成物を調製した。
芳香族系重合体(A)として40重量部のピコラスチックA−75と、(メタ)アクリレート(B)として40重量部のEBECRYL140と、(メタ)アクリレート(C)として20重量部のペンタエリスリトールトリアクリレートとを混合し、得られた溶液に光開始剤(D)として3.0重量部のIRGACURE184を添加して活性エネルギー線硬化性コート剤組成物を調製した。
表1に記載された配合量としたこと以外は実施例5と同様にして活性エネルギー線硬化性コート剤組成物を調製した。
芳香族系重合体(A)としてピコテックスLCを用いたこと以外は実施例6と同様の調製方法により活性エネルギー線硬化性コート剤組成物を調製した。
芳香族系重合体(A)としてクリスタレックス3100を用いたこと以外は実施例6と同様の調製方法により活性エネルギー線硬化性コート剤組成物を調製した。
表1に記載された配合量としたこと以外は実施例5と同様にして活性エネルギー線硬化性コート剤組成物を調製した。
EBECRYL140をペンタエリスリトールトリアクリレートとしたこと以外は実施例2と同様にして活性エネルギー線硬化性コート剤組成物を調製した。
50重量部のピコラスチックA−75と、40重量部のペンタエリスリトールトリアクリレートと、10重量部のEBECRYL168を混合し、得られた溶液に2.0重量部のIRGACURE184を添加して活性エネルギー線硬化性コート剤組成物を調製した。
<芳香族系重合体(A)の説明>
ピコラスチックA−75(A−75):ポリスチレン、EASTMAN社製、軟化点74℃、重量平均分子量1300
ピコテックスLC(LC):ビニルトルエンとα−メチルスチレンの共重合体、EASTMAN社製、軟化点91℃、重量平均分子量1350
クリスタレックス3100(3100):ポリα−メチルスチレン樹脂、EASTMAN社製、軟化点91℃、重量平均分子量1350
<(メタ)アクリレート(B)の説明>
EBECRYL140(EB140):ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、分子量466
<(メタ)アクリレート(C)の説明>
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETRA):分子量298
EBECRYL168(EB168):リン酸変性メタクリレート
IRGACURE184(IRG184):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASFジャパン(株)製
実施例及び比較例で得られた組成物を用いて評価試験用基材を作製し、下記で示す測定方法に基づいて、塗膜ヘイズ、鉛筆硬度、各種金属基材への密着性等の評価(初期密着性、加熱試験後の密着性、加熱試験後の外観)を行った。
実施例及び比較例で得られた活性エネルギー線硬化性コート剤組成物を、硬化後の塗膜の厚さが15ミクロンになるように、PET製の基材、ステンレス製の基材(ステンレス基材と称する)、アルマイト処理がされた金属基材(アルマイト基材と称する)、又はクロムメッキがなされた金属基材(クロムメッキ基材と称する)に塗布した後、紫外線照射(高圧水銀灯、2kW、ラインスピード:4m/min、照射回数:2回、積算光量:800mJ/cm2)を行い、表面に硬化塗膜を有する評価試験用基材を作製した。
上記操作で得られた、表面に硬化塗膜を有するPET製の基材を用いてヘイズ値(%)を算出し、その結果を表1に記載した。なお、ヘイズ値は、Haze Meter(型式:NDH2000、日本電色社製)を用いて測定した。
上記操作で得られた表面に硬化塗膜を有するステンレス基材を用い、JIS K−5600に準じて鉛筆硬度を測定し、その結果を表1に記載した。
上記操作で得られた、表面に硬化塗膜を有するステンレス基材、アルマイト基材、又はクロムメッキ基材を用いて初期密着性を測定し、それぞれの結果を表1に記載した。なお、初期密着性は、JIS K 5400 8.5.2に準じた碁盤目テープ法にて測定した。具体的には、評価試験用基材の表面の硬化塗膜に縦横1mm間隔で切れ込みを入れ、100マスの碁盤目状の切り傷を付けた後に、粘着テープを貼って剥がした。剥がした後の塗膜の付着状態を目視によって観察し、以下の様に判断した。
100マスのうち剥がれが 0 マスの場合:密着性が良好である(4)
100マスのうち剥がれが 1 〜 10 マスの場合:密着性が普通である(3)
100マスのうち剥がれが 11 〜 20 マスの場合:密着性が少し悪い(2)
100マスのうち剥がれが 21 マス以上の場合:密着性が悪い(1)
上記操作で得られた、表面に硬化塗膜を有するステンレス基材、アルマイト基材、又はクロムメッキ基材を70mm×150mmの試験片とし、沸騰水(100℃)で満たしたバットに前記の試験片の半分を浸漬させるとともに室温で30分放置し、その後取り出した(これらを「加熱試験後の評価試験用基材」と称する)。さらに、前記の加熱試験後の評価試験用基材を用いたこと以外は初期密着性の評価と同様に密着性を測定し、その結果を表1(加熱試験後の密着性)に記載した。
加熱試験後の評価試験用基材の外観を確認し、その結果を表1に記載した。なお、外観が良好であるか否かについては、以下の様に判断した。
目視による硬化塗膜の白化度合いが1割未満のもの:外観が良好である(3)
目視による硬化塗膜の白化度合いが1割以上5割未満のもの:外観が普通である(2)
目視による硬化塗膜の白化度合いが5割以上のもの:外観が悪い(1)
Claims (5)
- 芳香族系重合体(A)と、4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(B)と、光開始剤(D)とを含有する活性エネルギー線硬化性コート剤組成物であって、
芳香族系重合体(A)の重量平均分子量が300〜10000であり、
活性エネルギー線硬化性コート剤組成物に含まれる樹脂分に対する、4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(B)の含有量が、25〜90重量%である活性エネルギー線硬化性コート剤組成物。 - 芳香族系重合体(A)が、スチレン、α−メチルスチレン、及びビニルトルエンから選ばれる少なくとも1つに由来するモノマー単位を有する重合体である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性コート剤組成物。
- 芳香族系重合体(A)の軟化点が5℃以上である請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性コート剤組成物。
- さらに、1〜3個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(C)を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性コート剤組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性コート剤組成物の硬化物。
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