JP2016516882A - 熱安定なリグニン画分の調製の方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2013年5月3日に出願された米国仮特許出願第61/819,485号および2014年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/953,572号の、35USC§119(e)の下での利益を主張し、それぞれはその全体が本明細書に参照により援用される。
本明細書に記述されているすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれ個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により援用されているのがあたかも具体的および個別に示されているのと同程度に本明細書中に参照により援用されている。
本発明は、リグニンを安定したリグニン画分に分画するための方法、およびその使用に関する。
リグノセルロース原料からリグニンを効率的に抽出するための技術、方法、およびプロセスがPCT/2013/039585およびPCT/US2013/068824においてJansenらにより開示されている。本明細書で開示されている実施形態によるリグノセルロース系バイオマス処理およびリファイニングの概説が図1に提供されている。一般的に、リグノセルロース系バイオマス処理およびリファイニングプロセスは以下を含む:(1)前処理1770;(2)ヘミセルロース糖抽出1700および精製1710;ならびに(5)直接的なリグニン抽出1760。
ヘミセルロース糖抽出1700前に、リグノセルロース系バイオマスを任意選択で前処理することができる。前処理とは、バイオマスサイズ(例えば、機械的分解または蒸発)の減少を指し、これは、バイオマスのリグニン、セルロースおよびヘミセルロース組成物に実質的に影響を及ぼさない。前処理は、下流のプロセス(例えば、ヘミセルロース糖抽出)のさらなる効率的および経済的処理を促進する。好ましくは、リグノセルロース系バイオマスは、皮をはぎ、削り取り、細かく刻み、および/または乾燥させて、前処理済みリグノセルロース系バイオマスを得る。前処理はまた、水、熱、水蒸気または加圧水蒸気を含む、例えば、超音波エネルギーまたは熱水処理などを利用することができる。前処理は、セルなどを介して、様々な種類の容器、反応器、パイプ、流れの中で行う、または展開することができる。一部の方法では、ヘミセルロース糖抽出1700前にリグノセルロース系バイオマスを前処理することが好ましい。一部の方法では、前処理は必要とされない、すなわち、リグノセルロース系バイオマスは、ヘミセルロース糖抽出1700で直接使用することができる。
本発明は、リグノセルロース系バイオマスからヘミセルロース糖を抽出する(ヘミセルロース糖抽出1700)有利な方法を提供する。好ましくは、酸性水溶液を使用してリグノセルロースバイオマスを抽出する。酸性水溶液は、任意の酸、すなわち無機酸または有機酸を含有することができる。好ましくは、無機酸が使用される。例えば、溶液は、無機酸または有機酸、例えば、H2SO4、H2SO3など(溶解した酸またはSO2ガスとして導入することができる)、HCl、および酢酸を含有する酸性水溶液であってよい。酸性水溶液は、0〜2重量/重量%またはそれ超の酸、例えば、0〜0.2重量/重量%、0.2〜0.4重量/重量%、0.4〜0.6重量/重量%、0.6〜0.8重量/重量%、0.8〜1.0重量/重量%、1.0〜1.2重量/重量%、1.2〜1.4重量/重量%、1.4〜1.6重量/重量%、1.6〜1.8重量/重量%、1.8〜2.0重量/重量%またはそれ超の量の酸を含有することができる。好ましくは、抽出用水溶液は、0.2〜0.7%のH2SO4および0〜3,000ppmのSO2を含む。酸性水溶液のpHは、例えば、1〜5、好ましくは1〜3.5の範囲であることができる。
ヘミセルロース糖の抽出に関連して上で論じたように、一態様で本発明は、ヘミセルロース糖を抽出した後にリグノセルロース系バイオマスから直接リグニンを抽出する新規の方法を提供する。本方法は、限定溶解度の溶媒を利用し、様々なサイズのバイオマス粒子に対してうまく働く。したがって、リグニン抽出前に粒子を粉砕する必要がない。
驚いたことに、前記リグニンは、熱的に安定しており、はっきりと異なる2つの特徴的なリグニン画分を生成する強力な方法により分画できることが判明した。したがって、本発明は、バイオマスから高純度リグニンを生成するプロセスにより生成されるリグニン組成物をさらに提供する。本プロセスは、(i)バイオマスからヘミセルロース糖を除去することによって、リグニン含有残留物を得るステップであって、リグニン含有残留物がリグニンおよびセルロースを含む、ステップと、(ii)リグニン含有残留物をリグニン抽出溶液と接触させて、リグニン抽出物およびセルロース系残留物を生成するステップであって、リグニン抽出溶液が、限定溶解度の溶媒、有機酸、および水を含み、限定溶解度の溶媒および水が有機相および水相を形成する、ステップと、(iii)セルロース系残留物からリグニン抽出物を分離するステップであって、リグニン抽出物が限定溶解度の溶媒中に溶解されたリグニンを含む、ステップとを含む。一部の実施形態では、リグニン組成物は、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つの追加のステップ:(iv)リグニン抽出物を強酸カチオン交換体と接触させて残存カチオンを除去することによって、精製されたリグニン抽出物を得るステップ、(v)リグニン抽出物を蒸留またはフラッシュ蒸発させることによって、リグニン抽出物から限定溶解度の溶媒の大部分を除去して、固体リグニンを得るステップ、(vi)固体リグニンを加熱することによって、固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ、(vii)固体リグニンに真空を適用させることによって、固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ、および(viii)固体リグニンを有機溶媒と接触させて、リグニンの画分を含む、結果として得られた溶液を形成するステップであって、このリグニンの画分が溶媒に可溶(SS)と指定され、残留物固体は溶媒に不溶(SI)と指定され、不溶性残留物からこの結果として得られた溶液を分離するステップをさらに含むプロセスにより生成される。
多くの高値材料に対する前駆体としてのリグニンの使用は、これまでに開示されており、多くの論文、例えば:R. J. Gosselink Ph. D Thesis、Wageningen University(2011年)、「Lignin as a renewable aromatic resource for the chemical industry」;R. J. Gosselinkら、「Valorization of lignin resulting from biorefineries」(2008年)、RRB4 Rotterdam;D. A. BulushevおよびJ. R. H. Ross、「Catalysis for conversion of biomass to fuels via pyrolysis and gasification: A review」Catalysis Today、171巻(2011年)、1〜13頁;A. L. Compereら、「Low Cost Carbon Fiber from Renewable Resources」、Oak Ridge Labs Report;J. E. Holladayら、「Top Value−Added Chemicals from Biomass」Volume II − Results of Screening for Potential Candidates from Biorefinery Lignin, report from Pacific Northwest National Laborator、2007年10月において概説されている。
小規模のヘミセルロース糖抽出
表1は、様々なバイオマスの種類のヘミセルロース糖の抽出から結果として得られた液の化学分析の要約を提供している。単糖(%)は、全糖重量のうちの%重量として表現されている。すべての他の結果は、乾燥バイオマスに対する%重量として表現される。
ヘミセルロース糖抽出後のリグノセルロース物質の大規模化学分析
表2は、ヘミセルロース糖抽出後の様々な種類のバイオマスの化学分析の要約を提供している。
リグニンの直接抽出
ヘミセルロース糖をユーカリチップから抽出した後、残留物は主にセルロースおよびリグニンであった。以下に記載されているプロセスにより、酢酸を含有する有機水溶液を使用して、残留物を脱リグニンした。
リグニンの分画
バガスおよびユーカリ原料由来のリグニンを実施例1から3に従い調製した。乾燥リグニンを1:5wt/wtの比率で溶媒と混合し、2時間室温で撹拌した。混合物を濾過し、溶媒相を減圧下で蒸発させた。2つの固体(濾過および蒸発によるもの)をオーブン内にて105℃で乾燥させて、溶媒に可溶な(SS)画分および溶媒に不溶な(SI)画分を得た。試験した溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチルおよびジクロロメタンを含む。他の溶媒は同様の分画を達成するのに有用となり得ることが予期される。
リグニンの特徴付けの方法
リグニン試料を元素分析(すなわちC、H、O、N、およびS)により特徴付けた。
リグニン構造の特徴付け
3種のリグニン試料:非分画の試料、およびメタノールで分画した(SSおよびSI)試料を実施例5の方法で特徴付けた。実施例1から3に従いオリジナルのリグニン試料をバガスから調製し、これを使用して、実施例4に従いリグニン画分SSおよびSIを調製した。結果は以下のセクションに提示されている。
Asikkalaら、Journal of agricultural and food chemistry、2012年、60巻(36号)、8968〜73頁に従いゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析を行った。およそ5mgのリグニンを92:8(v/v)氷酢酸およびアセチルブロミド混合物(2ml)中に溶解し、室温で2時間撹拌した。高真空ポンプおよび冷却トラップに接続している回転式エバポレーターを用いて、酢酸および過剰のアセチルブロミドを蒸発させた。アセチル化リグニンをTHF(1mg/ml)中に直ちに溶解し、濾過し、GPCに注入した。
DIN53765に従いDSCを実施した。試料は予熱サイクルにより最初に乾燥させる。次いで、2つの連続した加熱サイクルを測定したが、通常ポリマー構造に影響を与えるアニーリングプロセスは第1のサイクルで生じ、その一方で、第2のサイクルにおいて、主要な転移Tgは、ポリマーのガラス転移によるものである。非分画リグニン、SS画分およびSI画分のサーモグラムが図6〜8に提示され、結果が表6に要約されている。
例えば、本発明は以下を提供する。
(項目1)
i)DIN53765−1994による示差走査熱量測定法(DSC)を使用して判定した場合、160℃より上または90℃より下のガラス転移温度(Tg);
ii)同じリグニン部分の複数の示差走査熱量測定(DSC)作業により判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg);
iii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した場合、10,000Da超の質量平均モル質量(M W );
iv)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、6,200Da超の数平均モル質量(M N );
v)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、2,500Da未満の質量平均モル質量(M W );
vi)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、1,000Da未満の数平均モル質量(M N );
vii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、7.00未満の多分散性;
viii)式C 9 H X O Y (式中、Xは12未満であり、Yは3.5未満である);
ix)NMRで判定した場合、0.8未満の縮合度;
x)NMRで判定した場合、メトキシル含有量(#/アリール基)が1.4未満である;xi)0.6未満の脂肪族結合(β−O−4‘)(#/アリール基);
xii)1.6:2.3:2.1または1.6:2.2:2.2である、芳香族C−O:芳香族C−C:芳香族C−H(#/アリール基)の比率;
xiii)芳香族C−O結合の量(#/アリール基)が2.1未満である;
xiv)元素分析で測定した場合、61質量%超の炭素、27質量%未満の酸素、および0.5質量%未満の窒素である元素組成;
xv)マーカー分子を少なくとも100ppbの濃度で含む固体リグニン組成物;
xvi)クラフトリグニン中に見出される、0.1倍未満の揮発性硫黄化合物;
xvii)0.5%未満の灰分含有量;
xviii)0.1%未満の灰分含有量;
xix)700PPM未満の硫黄含有量;
xx)100PPM未満のリン含有量;
xxi)0.5%未満の可溶性炭水化物含有量;
xxii)有機溶媒に実質的に不溶である;ならびに
xxiii)有機溶媒に実質的に可溶である、
からなる群から選択される、少なくとも1つの特徴により特徴付けられる(乾物ベースで)リグニン組成物。
(項目2)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも3つにより特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも5つにより特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目4)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも8つにより特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目5)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも10により特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目6)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも12により特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目7)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも14により特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目8)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも16により特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目9)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも18により特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目10)
前記群からの前記特徴のうちの少なくとも19により特徴付けられる、項目1に記載の組成物。
(項目11)
i)DIN53765−1994による示差走査熱量測定法(DSC)を使用して判定した場合、160℃より上のガラス転移温度(Tg);
ii)同じリグニン部分の複数の示差走査熱量測定(DSC)作業により判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg);
iii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、10,000Da超の質量平均モル質量(M W );
iv)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、6,200Da超の数平均モル質量(M N );
v)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、7.00未満の多分散性;vi)式C 9 H X O Y (式中、Xは12未満であり、Yは3.5未満である);
vii)NMRで判定した場合、0.8未満の縮合度;
viii)NMRで判定した場合、メトキシル含有量(#/アリール基)が1.4未満である;
ix)0.6未満の脂肪族結合(β−O−4‘)(#/アリール基);
x)1.6:2.2:2.2である芳香族C−O:芳香族C−C:芳香族C−H(#/アリール基)の比率;
xi)芳香族C−O結合の量(#/アリール基)が2.1未満である;
xii)元素分析で測定した場合、61質量%超の炭素、27質量%未満の酸素、および0.5質量%未満の窒素である元素組成;
xiii)マーカー分子を少なくとも100ppbの濃度で含む固体リグニン組成物;
xiv)クラフトリグニン中に見出される、0.1倍未満の揮発性硫黄化合物;
xv)0.5%未満の灰分含有量;
xvi)700PPM未満の硫黄含有量;
xvii)100PPM未満のリン含有量;
xviii)0.5%未満の可溶性炭水化物含有量;
xix)有機溶媒に実質的に不溶である、
からなる群から選択される16またはそれ超の特徴により特徴付けられる(乾物ベースで)、項目1に記載のリグニン組成物。
(項目12)
i)DIN53765−1994による示差走査熱量測定法(DSC)を使用して判定した場合、90℃より下のガラス転移温度(Tg);
ii)同じリグニン部分の複数の示差走査熱量測定(DSC)作業により判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg);
iii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、2,500Da未満の質量平均モル質量(M W );
iv)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、1,000Da未満の数平均モル質量(M N );
v)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、7.00未満の多分散性;vi)式C 9 H X O Y (式中、Xは12未満であり、Yは3.5未満である);
vii)NMRで判定した場合、0.8未満の縮合度;
viii)NMRで判定した場合、メトキシル含有量(#/アリール基)が1.4未満である;
ix)0.6未満の脂肪族結合(β−O−4‘)(#/アリール基);
x)1.6:2.2:2.2である、芳香族C−O:芳香族C−C:芳香族C−H(#/アリール基)の比率;
xi)芳香族C−O結合の量(#/アリール基)が2.1未満である;
xii)元素分析で測定した場合、61質量%超の炭素、27質量%未満の酸素、および0.5質量%未満の窒素である元素組成;
xiii)マーカー分子を少なくとも100ppbの濃度で含む固体リグニン組成物;
xiv)クラフトリグニン中に見出される、0.1倍未満の揮発性硫黄化合物;
xv)0.5%未満の灰分含有量;
xvi)700PPM未満の硫黄含有量;
xvii)100PPM未満のリン含有量;
xviii)0.5%未満の可溶性炭水化物含有量;
xix)有機溶媒に実質的に可溶である、
からなる群から選択される16またはそれ超の特徴により特徴付けられる(乾物ベースで)、項目1に記載のリグニン組成物。
(項目13)
DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用して判定した160℃より上のガラス転移温度を有する、項目1から11のいずれか一項に記載のリグニン。
(項目14)
DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用して判定した190℃より上のガラス転移温度を有する、項目13に記載のリグニン。
(項目15)
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、10,000Da超の質量平均モル質量(M W );およびゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、6,200Da超の数平均モル質量(M N )を有する、項目13または14に記載のリグニン。
(項目16)
DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用した判定した100℃より下のガラス転移温度を有する、項目1から10または12のいずれか一項に記載のリグニン。
(項目17)
DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用して判定した90℃より下のガラス転移温度を有する、項目16に記載のリグニン。
(項目18)
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、2,500Da未満の質量平均モル質量(M W );およびゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、1,000Da未満の数平均モル質量(M N )を有する、項目16または17に記載のリグニン。
(項目19)
DIN53765−1994による、同じリグニン部分の2つの連続した示差走査熱量測定(DSC)作業により一貫したガラス転移温度(Tg)が判定され、第1のDSC作業中に第1のTgが測定され、第2のDSC作業中に第2のTgが測定され、前記第1のTgと前記第2のTgとの間の差が10℃未満である、項目1から12のいずれか一項に記載のリグニン。
(項目20)
前記第1のTgと前記第2のTgとの間の前記差が5℃未満である、項目19に記載のリグニン。
(項目21)
前記マーカー分子が、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ジクロロメタン、ヘキサノール、フルフラール、ヒドロキシ−メチルフルフラール、2,3,5トリメチルフラン、p−ヒドロキシフェノキシ酢酸、4−ヒドロキシ−3,5,−ジメトキシフェニル)酢酸、メチルエチルケトン、メチルプロペニルケトン、3−(2−フリル)−3−ペンテン−2−オン、3−メチル−2−ペンテン−4−オン、3,4−ジメチル−4−ヘキセン−オン、5−エチル−5−ヘキセン−3−オン、5−メチル−4−ヘプテン−3−オン、o−ヒドロキシアニソール、3−エチル−4−メチル−3−ペンテン−2−オン、3,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメチルアセトフェノン、1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパンメタノール、ガラクツロン酸(galcturonic)、デヒドロアビエチン酸、グリセロール、脂肪酸および樹脂酸からなる群から選択される、項目1から20のいずれか一項に記載のリグニン。
(項目22)
前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ジクロロメタンおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、項目1から21のいずれか一項に記載のリグニン。
(項目23)
50wt/wt%までの、項目1から22のいずれか一項に記載のリグニンを含む組成物。
(項目24)
ポリマー、1種または複数の汎用化学製品の前駆体、汎用化学製品、または消費物資である、項目23に記載の組成物。
(項目25)
ガソリンまたはディーゼル燃料中の燃料添加剤、炭素繊維、炭素繊維生産用材料、アスファルト、バイオポリマーの構成部分、油井掘削用添加剤、コンクリート添加剤、染料分散剤、農薬、動物飼料、工業用結合剤、製紙業界用特殊ポリマー、貴金属回収助剤、木材防腐剤用材料、無硫黄リグニン製品、自動車ブレーキ、木製パネル製品、バイオ分散剤、ポリウレタンフォーム、エポキシ樹脂、プリント基板、乳化剤、捕捉剤、水処理製剤、壁材用補強剤、接着剤、およびバニリン、キシリトール、パラクマリル、コニフェリル、シナピルアルコール、ベンゼン、キシレン、またはトルエンの生産用材料からなる群から選択される、項目24に記載の組成物。
(項目26)
i)固体リグニンを含む試料を有機溶媒と接触させて、結果として得られる二相性の混合物を形成するステップであって、前記混合物が、
a)前記リグニンの第1の画分を含む溶媒に不溶な(SI)画分と指定された残留物固体と、
b)前記溶媒および前記リグニンの第2の画分を含む液体溶液であり、前記第2の画分が、溶媒に可溶な(SS)リグニン画分と指定された液体溶液とを含む、ステップと、
ii)(SI)リグニン画分を前記(SS)リグニン画分から空間的に分離するステップとを含み、
リグニンの前記第1の画分とリグニンの第2の画分が、異なるガラス転移温度を有する、リグニンを分画するための方法。
(項目27)
バイオマスから高純度リグニンを生成するための方法であって、
(i)前記バイオマスからヘミセルロース糖を除去することによって、リグニン含有残留物を得るステップであり、前記リグニン含有残留物がリグニンおよびセルロースを含む、ステップと、
(ii)前記リグニン含有残留物をリグニン抽出溶液と接触させて、リグニン抽出物およびセルロース系残留物を生成するステップであり、前記リグニン抽出溶液が、限定溶解度の溶媒、有機酸、および水を含み、前記限定溶解度の溶媒および水が有機相および水相を形成する、ステップと、
(iii)前記セルロース系残留物から前記リグニン抽出物を分離するステップであり、前記リグニン抽出物が前記限定溶解度の溶媒に溶解したリグニンを含み、以下の1つ、2つ、3つまたは4つの追加のステップ:
(iv)前記リグニン抽出物を蒸留またはフラッシュ蒸発させることによって、前記リグニン抽出物から前記限定溶解度の溶媒の大部分を除去して、固体リグニンを得るステップ;
(v)前記固体リグニンを加熱することによって、前記固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ;
(vi)前記固体リグニンに真空を適用させることによって、前記固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ;ならびに
(vii)固体リグニンを含む試料を有機溶媒と接触させて、結果として得られる二相性の混合物を形成するステップであり、前記混合物が、
a)前記リグニンの第1の画分を含む溶媒に不溶な(SI)画分と指定された残留物固体と、
b)前記溶媒および前記リグニンの第2の画分を含む液体溶液で、前記第2の画分が、溶媒に可溶な(SS)リグニン画分と指定された液体溶液とを含む、ステップ
をさらに含む、ステップと、
ii)(SI)リグニン画分を前記(SS)リグニン画分から空間的に分離するステップとを含み、
リグニンの前記第1の画分およびリグニンの第2の画分が、異なるガラス転移温度を有する、方法。
(項目28)
前記溶媒が、5個までの炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有する少なくとも1個の有機分子を含み、前記接触が20〜50℃で1〜10時間生じ、前記空間的分離が、不溶性リグニンからの前記溶媒の濾過またはデカンテーションを含み、
(iii)前記(SS)リグニン画分から前記溶媒を蒸発させるステップと、
(iv)各画分を乾燥させて、乾燥固体の(SS)リグニン画分および乾燥固体の(SI)リグニン画分を得るステップとをさらに含み、
前記2種の乾燥固体のリグニン画分が、GPCで判定した場合異なる分子量、および異なる一貫したガラス転移温度を有する、項目26または27に記載の方法。
(項目29)
前記リグニン画分の少なくとも1つが、DIN53765−1994による、単一日の同じリグニン部分の2つの示差走査熱量測定(DSC)作業で判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg)を有し、第1のTgが第1のDSC作業中に測定され、第2のTgが第2のDSC作業中に測定され、前記第1のTgと前記第2のTgとの間の差が5℃未満である、項目26から28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
前記(SS)リグニン画分が、前記(SI)リグニン画分と異なる一貫したガラス転移温度を有する、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ジクロロメタン、およびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、項目26から30のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
(i)項目1から22のいずれか一項に記載のリグニン組成物を準備するステップと、
(ii)前記組成物中の少なくとも一部分のリグニンを変換製品に変換するステップと
を含む方法。
(項目33)
前記変換するステップが、水素または水素供与体で処理するステップを含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記変換製品が、バイオオイル、カルボン酸および脂肪酸、ジカルボン酸、ヒドロキシル−カルボン酸、ヒドロキシルジカルボン酸およびヒドロキシル−脂肪酸、メチルグリオキサール、モノアルコール、ジアルコールまたはポリアルコール、アルカン、アルケン、芳香族、アルデヒド、ケトン、エステル、フェノール、ベンゼン、トルエン、ならびにキシレンからなる群から選択される、少なくとも1つのアイテムを含む汎用化学製品を含む、項目32に記載の方法。
(項目35)
前記変換製品が、分散剤、乳化剤、錯化剤、綿状凝集剤、塊状凝集剤、ペレット化添加剤、樹脂、炭素繊維、活性炭素、抗酸化剤、液体燃料、芳香族化学薬品、バニリン、接着剤、結合剤、吸収剤、毒素結合剤、発泡剤、コーティング、フィルム、ゴムおよびエラストマー、捕捉剤、燃料、および増量剤からなる群から選択される、項目32に記載の方法。
(項目36)
前記変換製品が、燃料または燃料成分を含む、項目32に記載の方法。
Claims (36)
- i)DIN53765−1994による示差走査熱量測定法(DSC)を使用して判定した場合、160℃より上または90℃より下のガラス転移温度(Tg);
ii)同じリグニン部分の複数の示差走査熱量測定(DSC)作業により判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg);
iii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した場合、10,000Da超の質量平均モル質量(MW);
iv)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、6,200Da超の数平均モル質量(MN);
v)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、2,500Da未満の質量平均モル質量(MW);
vi)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、1,000Da未満の数平均モル質量(MN);
vii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、7.00未満の多分散性;
viii)式C9HXOY(式中、Xは12未満であり、Yは3.5未満である);
ix)NMRで判定した場合、0.8未満の縮合度;
x)NMRで判定した場合、メトキシル含有量(#/アリール基)が1.4未満である;
xi)0.6未満の脂肪族結合(β−O−4‘)(#/アリール基);
xii)1.6:2.3:2.1または1.6:2.2:2.2である、芳香族C−O:芳香族C−C:芳香族C−H(#/アリール基)の比率;
xiii)芳香族C−O結合の量(#/アリール基)が2.1未満である;
xiv)元素分析で測定した場合、61質量%超の炭素、27質量%未満の酸素、および0.5質量%未満の窒素である元素組成;
xv)マーカー分子を少なくとも100ppbの濃度で含む固体リグニン組成物;
xvi)クラフトリグニン中に見出される、0.1倍未満の揮発性硫黄化合物;
xvii)0.5%未満の灰分含有量;
xviii)0.1%未満の灰分含有量;
xix)700PPM未満の硫黄含有量;
xx)100PPM未満のリン含有量;
xxi)0.5%未満の可溶性炭水化物含有量;
xxii)有機溶媒に実質的に不溶である;ならびに
xxiii)有機溶媒に実質的に可溶である、
からなる群から選択される、少なくとも1つの特徴により特徴付けられる(乾物ベースで)リグニン組成物。 - 前記群からの前記特徴のうちの少なくとも3つにより特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
- 前記群からの前記特徴のうちの少なくとも5つにより特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
- 前記群からの前記特徴のうちの少なくとも8つにより特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
- 前記群からの前記特徴のうちの少なくとも10により特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
- 前記群からの前記特徴のうちの少なくとも12により特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
- 前記群からの前記特徴のうちの少なくとも14により特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
- 前記群からの前記特徴のうちの少なくとも16により特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
- 前記群からの前記特徴のうちの少なくとも18により特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
- 前記群からの前記特徴のうちの少なくとも19により特徴付けられる、請求項1に記載の組成物。
- i)DIN53765−1994による示差走査熱量測定法(DSC)を使用して判定した場合、160℃より上のガラス転移温度(Tg);
ii)同じリグニン部分の複数の示差走査熱量測定(DSC)作業により判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg);
iii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、10,000Da超の質量平均モル質量(MW);
iv)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、6,200Da超の数平均モル質量(MN);
v)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、7.00未満の多分散性;
vi)式C9HXOY(式中、Xは12未満であり、Yは3.5未満である);
vii)NMRで判定した場合、0.8未満の縮合度;
viii)NMRで判定した場合、メトキシル含有量(#/アリール基)が1.4未満である;
ix)0.6未満の脂肪族結合(β−O−4‘)(#/アリール基);
x)1.6:2.2:2.2である芳香族C−O:芳香族C−C:芳香族C−H(#/アリール基)の比率;
xi)芳香族C−O結合の量(#/アリール基)が2.1未満である;
xii)元素分析で測定した場合、61質量%超の炭素、27質量%未満の酸素、および0.5質量%未満の窒素である元素組成;
xiii)マーカー分子を少なくとも100ppbの濃度で含む固体リグニン組成物;
xiv)クラフトリグニン中に見出される、0.1倍未満の揮発性硫黄化合物;
xv)0.5%未満の灰分含有量;
xvi)700PPM未満の硫黄含有量;
xvii)100PPM未満のリン含有量;
xviii)0.5%未満の可溶性炭水化物含有量;
xix)有機溶媒に実質的に不溶である、
からなる群から選択される16またはそれ超の特徴により特徴付けられる(乾物ベースで)、請求項1に記載のリグニン組成物。 - i)DIN53765−1994による示差走査熱量測定法(DSC)を使用して判定した場合、90℃より下のガラス転移温度(Tg);
ii)同じリグニン部分の複数の示差走査熱量測定(DSC)作業により判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg);
iii)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、2,500Da未満の質量平均モル質量(MW);
iv)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、1,000Da未満の数平均モル質量(MN);
v)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、7.00未満の多分散性;
vi)式C9HXOY(式中、Xは12未満であり、Yは3.5未満である);
vii)NMRで判定した場合、0.8未満の縮合度;
viii)NMRで判定した場合、メトキシル含有量(#/アリール基)が1.4未満である;
ix)0.6未満の脂肪族結合(β−O−4‘)(#/アリール基);
x)1.6:2.2:2.2である、芳香族C−O:芳香族C−C:芳香族C−H(#/アリール基)の比率;
xi)芳香族C−O結合の量(#/アリール基)が2.1未満である;
xii)元素分析で測定した場合、61質量%超の炭素、27質量%未満の酸素、および0.5質量%未満の窒素である元素組成;
xiii)マーカー分子を少なくとも100ppbの濃度で含む固体リグニン組成物;
xiv)クラフトリグニン中に見出される、0.1倍未満の揮発性硫黄化合物;
xv)0.5%未満の灰分含有量;
xvi)700PPM未満の硫黄含有量;
xvii)100PPM未満のリン含有量;
xviii)0.5%未満の可溶性炭水化物含有量;
xix)有機溶媒に実質的に可溶である、
からなる群から選択される16またはそれ超の特徴により特徴付けられる(乾物ベースで)、請求項1に記載のリグニン組成物。 - DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用して判定した160℃より上のガラス転移温度を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のリグニン。
- DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用して判定した190℃より上のガラス転移温度を有する、請求項13に記載のリグニン。
- ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、10,000Da超の質量平均モル質量(MW);およびゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、6,200Da超の数平均モル質量(MN)を有する、請求項13または14に記載のリグニン。
- DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用した判定した100℃より下のガラス転移温度を有する、請求項1から10または12のいずれか一項に記載のリグニン。
- DIN53765−1994による示差走査熱量測定法を使用して判定した90℃より下のガラス転移温度を有する、請求項16に記載のリグニン。
- ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、2,500Da未満の質量平均モル質量(MW);およびゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した場合、1,000Da未満の数平均モル質量(MN)を有する、請求項16または17に記載のリグニン。
- DIN53765−1994による、同じリグニン部分の2つの連続した示差走査熱量測定(DSC)作業により一貫したガラス転移温度(Tg)が判定され、第1のDSC作業中に第1のTgが測定され、第2のDSC作業中に第2のTgが測定され、前記第1のTgと前記第2のTgとの間の差が10℃未満である、請求項1から12のいずれか一項に記載のリグニン。
- 前記第1のTgと前記第2のTgとの間の前記差が5℃未満である、請求項19に記載のリグニン。
- 前記マーカー分子が、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ジクロロメタン、ヘキサノール、フルフラール、ヒドロキシ−メチルフルフラール、2,3,5トリメチルフラン、p−ヒドロキシフェノキシ酢酸、4−ヒドロキシ−3,5,−ジメトキシフェニル)酢酸、メチルエチルケトン、メチルプロペニルケトン、3−(2−フリル)−3−ペンテン−2−オン、3−メチル−2−ペンテン−4−オン、3,4−ジメチル−4−ヘキセン−オン、5−エチル−5−ヘキセン−3−オン、5−メチル−4−ヘプテン−3−オン、o−ヒドロキシアニソール、3−エチル−4−メチル−3−ペンテン−2−オン、3,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメチルアセトフェノン、1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパンメタノール、ガラクツロン酸(galcturonic)、デヒドロアビエチン酸、グリセロール、脂肪酸および樹脂酸からなる群から選択される、請求項1から20のいずれか一項に記載のリグニン。
- 前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ジクロロメタンおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項1から21のいずれか一項に記載のリグニン。
- 50wt/wt%までの、請求項1から22のいずれか一項に記載のリグニンを含む組成物。
- ポリマー、1種または複数の汎用化学製品の前駆体、汎用化学製品、または消費物資である、請求項23に記載の組成物。
- ガソリンまたはディーゼル燃料中の燃料添加剤、炭素繊維、炭素繊維生産用材料、アスファルト、バイオポリマーの構成部分、油井掘削用添加剤、コンクリート添加剤、染料分散剤、農薬、動物飼料、工業用結合剤、製紙業界用特殊ポリマー、貴金属回収助剤、木材防腐剤用材料、無硫黄リグニン製品、自動車ブレーキ、木製パネル製品、バイオ分散剤、ポリウレタンフォーム、エポキシ樹脂、プリント基板、乳化剤、捕捉剤、水処理製剤、壁材用補強剤、接着剤、およびバニリン、キシリトール、パラクマリル、コニフェリル、シナピルアルコール、ベンゼン、キシレン、またはトルエンの生産用材料からなる群から選択される、請求項24に記載の組成物。
- i)固体リグニンを含む試料を有機溶媒と接触させて、結果として得られる二相性の混合物を形成するステップであって、前記混合物が、
a)前記リグニンの第1の画分を含む溶媒に不溶な(SI)画分と指定された残留物固体と、
b)前記溶媒および前記リグニンの第2の画分を含む液体溶液であり、前記第2の画分が、溶媒に可溶な(SS)リグニン画分と指定された液体溶液とを含む、ステップと、
ii)(SI)リグニン画分を前記(SS)リグニン画分から空間的に分離するステップとを含み、
リグニンの前記第1の画分とリグニンの第2の画分が、異なるガラス転移温度を有する、リグニンを分画するための方法。 - バイオマスから高純度リグニンを生成するための方法であって、
(i)前記バイオマスからヘミセルロース糖を除去することによって、リグニン含有残留物を得るステップであり、前記リグニン含有残留物がリグニンおよびセルロースを含む、ステップと、
(ii)前記リグニン含有残留物をリグニン抽出溶液と接触させて、リグニン抽出物およびセルロース系残留物を生成するステップであり、前記リグニン抽出溶液が、限定溶解度の溶媒、有機酸、および水を含み、前記限定溶解度の溶媒および水が有機相および水相を形成する、ステップと、
(iii)前記セルロース系残留物から前記リグニン抽出物を分離するステップであり、前記リグニン抽出物が前記限定溶解度の溶媒に溶解したリグニンを含み、以下の1つ、2つ、3つまたは4つの追加のステップ:
(iv)前記リグニン抽出物を蒸留またはフラッシュ蒸発させることによって、前記リグニン抽出物から前記限定溶解度の溶媒の大部分を除去して、固体リグニンを得るステップ;
(v)前記固体リグニンを加熱することによって、前記固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ;
(vi)前記固体リグニンに真空を適用させることによって、前記固体リグニンから微量の限定溶解度の溶媒または水を除去するステップ;ならびに
(vii)固体リグニンを含む試料を有機溶媒と接触させて、結果として得られる二相性の混合物を形成するステップであり、前記混合物が、
a)前記リグニンの第1の画分を含む溶媒に不溶な(SI)画分と指定された残留物固体と、
b)前記溶媒および前記リグニンの第2の画分を含む液体溶液で、前記第2の画分が、溶媒に可溶な(SS)リグニン画分と指定された液体溶液とを含む、ステップ
をさらに含む、ステップと、
ii)(SI)リグニン画分を前記(SS)リグニン画分から空間的に分離するステップとを含み、
リグニンの前記第1の画分およびリグニンの第2の画分が、異なるガラス転移温度を有する、方法。 - 前記溶媒が、5個までの炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有する少なくとも1個の有機分子を含み、前記接触が20〜50℃で1〜10時間生じ、前記空間的分離が、不溶性リグニンからの前記溶媒の濾過またはデカンテーションを含み、
(iii)前記(SS)リグニン画分から前記溶媒を蒸発させるステップと、
(iv)各画分を乾燥させて、乾燥固体の(SS)リグニン画分および乾燥固体の(SI)リグニン画分を得るステップとをさらに含み、
前記2種の乾燥固体のリグニン画分が、GPCで判定した場合異なる分子量、および異なる一貫したガラス転移温度を有する、請求項26または27に記載の方法。 - 前記リグニン画分の少なくとも1つが、DIN53765−1994による、単一日の同じリグニン部分の2つの示差走査熱量測定(DSC)作業で判定した場合、一貫したガラス転移温度(Tg)を有し、第1のTgが第1のDSC作業中に測定され、第2のTgが第2のDSC作業中に測定され、前記第1のTgと前記第2のTgとの間の差が5℃未満である、請求項26から28のいずれか一項に記載の方法。
- 前記(SS)リグニン画分が、前記(SI)リグニン画分と異なる一貫したガラス転移温度を有する、請求項29に記載の方法。
- 前記溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、ギ酸エチル、ジクロロメタン、およびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項26から30のいずれか一項に記載の方法。
- (i)請求項1から22のいずれか一項に記載のリグニン組成物を準備するステップと、
(ii)前記組成物中の少なくとも一部分のリグニンを変換製品に変換するステップと
を含む方法。 - 前記変換するステップが、水素または水素供与体で処理するステップを含む、請求項32に記載の方法。
- 前記変換製品が、バイオオイル、カルボン酸および脂肪酸、ジカルボン酸、ヒドロキシル−カルボン酸、ヒドロキシルジカルボン酸およびヒドロキシル−脂肪酸、メチルグリオキサール、モノアルコール、ジアルコールまたはポリアルコール、アルカン、アルケン、芳香族、アルデヒド、ケトン、エステル、フェノール、ベンゼン、トルエン、ならびにキシレンからなる群から選択される、少なくとも1つのアイテムを含む汎用化学製品を含む、請求項32に記載の方法。
- 前記変換製品が、分散剤、乳化剤、錯化剤、綿状凝集剤、塊状凝集剤、ペレット化添加剤、樹脂、炭素繊維、活性炭素、抗酸化剤、液体燃料、芳香族化学薬品、バニリン、接着剤、結合剤、吸収剤、毒素結合剤、発泡剤、コーティング、フィルム、ゴムおよびエラストマー、捕捉剤、燃料、および増量剤からなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
- 前記変換製品が、燃料または燃料成分を含む、請求項32に記載の方法。
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