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JP2016504315A - 三価デングウイルス製剤に関する組成物、投与方法および使用 - Google Patents

三価デングウイルス製剤に関する組成物、投与方法および使用 Download PDF

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Abstract

本発明の実施形態は、三価のデングウイルスワクチン組成物を用いて対象にワクチン接種するための組成物および方法を報告する。いくつかの実施形態において、4種のデングウイルス血清型のうちの少なくとも3種に対する迅速な応答を誘導するために、1つ以上のワクチン組成物が対象の異なる解剖学的位置に投与され得る。ある実施形態では、三価のデングウイルスワクチン組成物の投与は、一価のデングウイルスワクチン組成物の投与と組み合わされ得る。

Description

本発明の実施形態は、デングウイルス血清型に対して対象にワクチンを投与するための方法および組成物を報告する。いくつかの実施形態において、本願に開示されるワクチン組成物は、3種のデングウイルス血清型に対する皮下、皮内、筋肉内または他の注射法あるいは導入法によって投与することができる。他の実施形態において、本願に開示されるワクチン組成物は、3種のデングウイルス血清型に対して対象に投与することができ(三価製剤)、その後一価の製剤、二価または他の三価のデングウイルスワクチン製剤が投与されてもよい。ある実施形態では、対象へのワクチンの投与は、1つ以上の三価および任意選択で一価のワクチン組成物を、2箇所以上の解剖学的部位に投与することを含んでもよい。他の実施形態は、最初のワクチン接種から数日以内〜初回注射後12ヵ月以内の後続(follow−on)注射を含む。ある実施形態では、デングウイルスに対する組成物は三価の製剤を含み、この製剤はDEN−2骨格を有し、かつ例えばDEN−2骨格上のDEN1、3または4のキメラの組合せ組成物を有するキメラ構築物を含む。
ウイルス感染に対する防御のためのワクチンは、ヒトの病気の発生率を低下させるのに効果的に用いられてきた。ウイルスワクチンで最も成功している技術の1つは、弱めた、または弱毒化したウイルス株(「弱毒生ウイルス」)で動物やヒトを免疫することである。免疫後の制限された複製により、弱毒株は病気を生じない。しかし、制限されたウイルス複製はウイルス抗原の完全なレパートリーを発現するのに十分であり、そのウイルスに対する強力かつ長期間持続する免疫応答を生成することができる。したがって、その後ウイルスの病原性株に曝されても、免疫された個体は病気から防御される。これらの弱毒生ウイルスワクチンは、公衆衛生で使用される最も成功しているワクチンの1つである。
デングウイルスは、フラビウイルス属(フラビウイルス科)の蚊媒介性病原体である。デングウイルス(しばしば「DEN」または「DENV」と略される)の4種の血清型が同定されており、これらはデング−1、デング−2、デング−3およびデング−4(DEN−1〜DEN−4)を含む。フラビウイルスゲノムは、約11kbの長さの一本鎖プラスセンスRNAであり、5’−非コード領域(5’NC);ウイルス構造タンパク質をコードするコード領域;NS1、NS2A、NS2B、NS3、NS4A、NS4B、NS5と表される5つの非構造タンパク質;および3’−非コード領域(3’NC)を含む。ウイルス構造タンパク質は、カプシド、プレメンブレン/メンブレンおよびエンベロープを含む。構造タンパク質および非構造タンパク質は単一のポリプロテインとして翻訳される。ポリプロテインはその後、細胞内プロテアーゼおよびウイルスプロテアーゼによってプロセシングされる。
デングウイルスは、世界の熱帯および亜熱帯地域でネッタイシマカ(Aedes aegypti)によってヒトに伝染され、デング熱から時には命に関わるデング出血熱/デングショック症候群(DHF/DSS)までに及ぶ何百万例もの病気を毎年引き起こしている。DENウイルスの異種血清型でのヒトの二次感染は免疫病理学的応答を誘導することがあり、DHF/DSSに関する危険因子としての可能性が考えられている。したがって、全てのデングウイルス株に対する同時防御を付与するワクチンの開発の必要性が存在する。
本発明の実施形態は概して、例えば三価デングウイルスワクチン組成物を対象に投与することにより、対象において複数のデングウイルスに対する防御を誘導するための方法および組成物に関する。これらの実施形態に従って、三価デングウイルスワクチン組成物は、4種のデングウイルス血清型のうちの少なくとも3種、更にはデングウイルス血清型のうちの5種に対する免疫原性剤を含む。
いくつかの実施形態は、本願に開示される三価デングウイルスワクチン組成物を対象の1箇所以上の解剖学的位置に導入することを含んでもよい。これらの実施形態に従って、例えば少なくとも3種のデングウイルス血清型に対する中和抗体を誘導するために、デングウイルスワクチン組成物を当分野で既知の任意の方法により対象に導入してもよい。他の実施形態は、三価デングウイルスワクチン組成物を対象に投与し、その後、その三価製剤を一価製剤と共に、1回目の投与と同時または12ヵ月以内に投与することを含む。他の実施形態は、対象を最初に一価デングウイルスワクチン組成物で治療し、続いて、同時または幾らか経った後、ただし一価デングウイルスワクチン処方の少なくとも12ヵ月以内に、少なくとも1つの三価デングウイルスワクチン組成物を投与することを含む。
いくつかの実施形態は、単一の三価デングウイルスワクチン組成物を、それを必要とする対象に投与して、3種または4種のデングウイルス血清型に対する応答を誘導することに関する。
ある実施形態では、ワクチン組成物は、限定するものではないが、三価デングウイルス血清型ワクチンの単一用量の製剤を含むことができる。これらの実施形態に従って、三価の製剤はデング−1(DEN−1);デング−2(DEN−2)、デング−3(DEN−3)および/またはデング−4(DEN−4)の三価製剤としてもよい。さらに、これらの製剤は複数のデングウイルス血清型の所定の比率であってもよい。
他の実施形態において、ワクチン組成物は、限定するものではないが、それを必要とする対象に投与される三価デングウイルスワクチン組成物の初期用量を含み、それに、同じものまたは異なる三価あるいは1つ以上の一価デングウイルスワクチン組成物の1回以上の追加免疫が続いてもよい。
本願の他の態様は、例えば、皮内経路を介してワクチン組成物を対象に導入することにより、対象において液性または細胞性免疫応答を誘導することに関し得る。ここで、ワクチン組成物はデングウイルスワクチンを含むが、これに限定されない。これらの実施形態に従って、開示される組成物は、対象において3種以上のデングウイルス血清型に対する中和抗体産生を調節するために、対象に皮内投与されることができる。いくつかの態様は、対象が単一のワクチン組成物を投与された時、対象における少なくとも3種のデングウイルス血清型に対する交差防御および中和抗体のレベルを高めるための、デングウイルスまたはそのフラグメントあるいはその弱毒化組成物の様々な血清型のうち、DEN−1:DEN−2:DEN:3:DEN:4のうちの3種の、その単一ワクチン組成物中の所定の組成比(例えば、1:1:1、1:2:1、1:1:100,000等、または3種の血清型の任意の比率)に関する。他の実施形態は、三価デングウイルスワクチン組成物を、それを必要とする対象に皮下投与または当分野で既知の他の態様で投与することに関する。さらに、ある実施形態は、三価または一価のデングウイルスワクチン組成物の少なくとも1回の追加の注射であって、対象における最初の注射とは別の部位、例えば初回注射に対し近接した部位または離れた解剖学的部位に投与される注射で、対象を治療することに関する。また、対象への最初の投与後30日以内に少なくとも1回の追加の皮内注射が実施され、他が最初のワクチン投与後30日から最大12ヵ月で実施されてもよい。
いくつかの実施形態において、デングウイルスに対する単一用量の三価ワクチンは、単一の三価組成物中に3種の異なるデングウイルス血清型抗原(例えば構造タンパク質)の構築物を含むことができる。これらの実施形態に従って、本願で考慮される構築物は、1つ以上の構造デングウイルスタンパク質カプシド(C)、プレメンブレン/メンブレン(prM/M)、またはエンベロープ(E)のための骨格として弱毒デング−2ウイルスを含む。さらに、非構造タンパク質NS1−NS2A−NS2B−NS3−NS4A−NS4B−NS5、および3’NCRを含む非構造タンパク質も構築物に含まれてもよい。ある実施形態では、三価デングウイルスワクチン組成物は弱毒デング−2ウイルス(例えばPDK−53)を有する構築物を含むことができ、ここで、デング−2の構造タンパク質は、DEN−1、DEN−3またはDEN−4の1つ以上の構造タンパク質で置換されている。三価デングウイルスワクチン組成物は、弱毒化DEN−2骨格上のDENVax1、2、3;DENVax2、3、4;DENVax1、2、4またはDENVax1、3、4とすることができる。
ある実施形態では、本願に開示される三価デングウイルスワクチン組成物は、デングウイルス構築物を3種の任意の組合せで含むことができ、種々の組成物のpfuは、所望の比率および所与の場所の流行状況に応じて1〜約100,000倍差に及ぶものとすることができる。いくつかの実施形態は、DEN−2とDEN−4との間で最大100,000倍のpfu差を含み、DEN−4がDEN−2よりも最大100,000倍の高さで表される。ある実施形態は、例えば、DENVax1が1.25×10;DENVax2が6.04×10;DENVax3が1.30×10およびDENVax4が1.34×10の場合よりも、デングウイルス血清型が10倍の高さ〜10分の1の低さである組成物を含む。
本願に開示される他の実施形態は、例えば、対象に3種のデングウイルス血清型に対する三価ワクチンを2用量以上で1箇所以上の解剖学的位置に、短い時間間隔で連続して投与することにより、対象において全デングウイルス血清型に対する防御を誘導するための方法および組成物に関する。いくつかの実施形態は、1箇所への皮内(ID)、皮下(SC)、または筋肉内(IM)注射と、それに連続する別の解剖学的位置へのID、SC、IMまたは第2の異なる解剖学的位置への他の導入方法とを介して、ワクチン組成物を対象に導入することを含んでもよい。他の実施形態は、全デングウイルス血清型のデングウイルスワクチンを対象に導入するための投与様式の任意の組合せを用いることを含み、ここで、ワクチンの投与は2箇所以上の解剖学的部位で、または、対象に対し2つ以上の異なる経路で同日に連続的に行われる。
他の実施形態において、対象は2箇所以上の解剖学的位置に連続してデングウイルス三価ワクチン接種を受けてもよく、その後30日以内、例えば約7日、約14日、約21日または約28日後に、一価の製剤を含み得るデングウイルス血清型を含む組成物と共に、その対象に少なくとも第3のワクチンを投与してもよい。その後のワクチン接種は、2回注射後の個人別の抗体力価、または、試験集団の結果などの他の基準に依存し得る。ある実施形態では、その後のワクチン接種は単一のデング血清型(例えばDEN−4)のみを含んでもよい。
ある実施形態では、対象に導入される組成物は、4種のデングウイルス血清型のうちの3種に対するワクチン、例えばDENVaxに基づく三価の製剤または別の類似の製剤を含む。DENVaxは、所定比率の四価のデングワクチンを含み、そのワクチンは、弱毒DEN−2骨格上の構築物から構成される(例えば、2001年2月16日に出願され、参照によりその全体が全ての目的で本明細書に包含されるたPCT出願番号PCT/US01/05142を参照)。他の組成物では、全デングワクチンウイルス血清型は組成物中に等しい割合で存在する。更に他の組成物では、組成物の導入が感染(例えばDEN−1、DEN−2、DEN−3および/またはDEN−4)に対し十分な防御を対象に提供し得る十分なレベルの中和抗体を誘導するように、各デングワクチンウイルス血清型は互いに特定の比率で存在してもよい。これらの実施形態に従って、デングウイルス血清型に対する免疫を評価するために当分野で既知の標準的手段を用い、対象からの試料をデング感染に対する耐性について分析してもよい。
他の実施形態において、ワクチン組成物は、弱毒デングウイルス血清型を他の抗病原性組成物(例えば、日本脳炎、黄熱、ウエストナイル、インフルエンザ、チクングニア等)と組み合わせて含むことができる。
下記の図面は本明細書の一部を形成し、特定の実施形態をさらに説明するために含められている。いくつかの実施形態は、これらの図面のうち1つ以上を単独で、あるいは提示された特定の実施形態の詳細な説明と併せて参照することにより、より良く理解されよう。
2つの異なる三価製剤に対して生成された経時的な中和抗体力価を、対照組成物(例えばFTA)と比較して示す。
定義
本願で使用する場合、「1つの」は1つまたはそれ以上の事項を意味する場合がある。
本願で使用する場合、入れ物には、試験管、ミニ遠心チューブまたはマイクロ遠心チューブ、導管、バイアル、マイクロタイタープレートまたは容器が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書に使用する場合、「対象」には、ヒトや、家畜化または野生の哺乳類、例えばイヌ、ネコ、他の家庭用ペット(例えばハムスター、モルモット、マウス、ラット)、フェレット、ウサギ、ブタ、ウマ、ウシ、プレーリードッグ、または動物園動物等の哺乳類が挙げられるが、これらに限定されない。
本願で使用される場合、「約」または「およそ」は、プラスまたはマイナス10パーセントを意味し得る。
本願で使用する場合、「デングウイルス」または「DEN」または「DENV」は、フラビウイルス科フラビウイルス属に属するプラス一本鎖RNAウイルスである。ゲノムRNAは5’末端にタイプIキャップを含むが、3’末端のポリA尾部を欠いている。ゲノム編成は次の要素から構成される:5’非コード領域(NCR)、構造タンパク質(カプシド(C)、プレメンブレン/メンブレン(prM/M)、エンベロープ(E))および非構造タンパク質(NS1−NS2A−NS2B−NS3−NS4A−NS4B−NS5)、および3’NCR。ゲノムウイルスRNAは、ヌクレオカプシドを形成するようにカプシドタンパク質に付随している。その他のフラビウイルスについては、DENウイルスゲノムが、単一のポリプロテインに翻訳される途切れのないコード領域をコードする。
本願で使用する場合、「弱毒ウイルス」は、哺乳類(例えばヒトや動物)等の対象に投与しても現れる病気の臨床症状が軽い、あるいは全くないウイルスを意味する場合がある。
本願で使用する場合、「連続(して)」、「連続的に」は時間的に特に近いこと、通常は1回の患者の診察中および24時間以内を意味する場合がある。
本願で使用する場合、「投与」は、個々の動物またはヒトに、皮内、皮下、筋肉内、鼻腔内、吸入、経膣、静脈内、経口、口腔内、吸入によって、経鼻的に、あるいは当分野で既知の任意の他の方法等の多くの方法のうちの任意の1つによって、ワクチンまたは療法を送達することを意味する場合がある。
説明
以下の節では、様々な実施形態を詳述するために様々な例示的な組成物および方法を説明する。当業者には、様々な実施形態の実施が、ここに説明された詳細の全てあるいはそれらのいくつかでさえ必ずしも採用する必要がなく、日常的な実験を通じて、濃度、時間および他の詳細を変更可能であることは明らかであろう。場合によっては、周知の方法または構成要素は説明に含められていない。
本発明の特定の態様は、限定するものではないが、デングウイルスに対するワクチン組成物の投与を含む。
本発明の実施形態は概して、対象において3種以上のデングウイルス血清型に対する防御的中和抗体を誘導するための方法および組成物に関する。他の実施形態は、当分野で既知の方法によって、対象にワクチン組成物を導入することを含んでもよく、上記既知の方法は、限定するものではないが、皮内、皮下、筋肉内、鼻腔内、吸入、経口、経鼻、経膣、静脈内、摂取、および、導入されたワクチンが3種以上のデングウイルス血清型に対する中和抗体を誘導するような任意の他の方法を含む。ある実施形態では、ワクチン組成物は、対象に投与される3種(三価)デングウイルス血清型に対するワクチンの一用量を含む。他の実施形態では、ワクチン組成物は3種のデング血清型に対する初期用量を含み、その後、1つ以上の同一の他のワクチン組成物が対象に投与される。
デングウイルスに対するワクチンは、4種の弱毒生デングワクチンウイルス、組換えデングワクチンウイルス、キメラウイルスまたはその変異体のうちの3種を所定比率で含む組成物を含んでもよい。様々なデング血清型の比率は、表現上同等でも大体同等でもよいし、対象においてバランスの取れた中和抗体応答を誘導する必要または能力に応じて特定の血清型が他のものよりも高い濃度を示してもよい。これらの実施形態に従って、異なるデングワクチンの比率は任意の2種類の血清型の間で2〜100,000倍(例えばプラーク形成単位(pfu))異なっていてもよい。これは、例えば、製剤中に提示される血清型の数、所定の応答および所望の効果に依存し得る。任意のデングワクチンウイルス血清型製剤を、それを必要とする対象に連続投与されるワクチン(例えば弱毒ウイルス等)の製造に使用できると考えられ、ここで、組成物は、限定するものではないが、3種以上のデングウイルス血清型を含む。
他の実施形態において、デングウイルスワクチン製剤の組成物は、対象によるデングウイルスへの曝露の前、最中または後に対象に導入されてもよい。これらの実施形態に従って、対象は連続的に2回以上の投与を、またはデングウイルス製剤を含む2回以上の投与と、任意選択でその後の1回以上の追加の投与とを受けてもよい。皮内、皮下、筋肉内、鼻腔内、吸入、経膣、静脈内、経口、および本明細書に記載の任意の他の製剤適用方法を、任意の他の抗ウイルス治療と併用してもよい。いくつかの実施形態において、本願で考慮される製剤の皮内、皮下、筋肉内導入を、患者の体の任意の適切な領域(例えば腕、肩、臀部、鼻腔内等)に実施することができる。さらに、ワクチン製剤の非経口投与を、鼻腔内、経肺、経口、口腔内、または経膣等の他の投与様式と併用して連続投与してもよい。いくつかの実施形態において、本願に記載の連続投与後に、同日に連続して、連日で、毎週、毎月、2ヵ月ごとに、または他の適切な治療レジメンで、初回免疫または追加免疫投与が行われてもよいと考えられる。
デングはアジアと、コロンビア、カリブ海を含む中央および南アメリカ、太平洋諸島、ならびにアフリカとオーストラリアの一部で流行している。36億人(世界人口の55%)がデングウイルスの伝染(DVI)の危険のある地域に住んでいると推定されている。デングウイルスによる感染は、無症候性疾患から、衰弱性であるが一過性のデング熱、さらに生命を脅かすデング出血熱(DHF)あるいはデングショック症候群(DSS)までの広範な症状をもたらし得る。現在のところ、デング熱の治療的処置も予防ワクチンもない。流行国における人々およびそのような地域への旅行者へのデングの影響を考えると、デングを予防するワクチンが必要である。
デングは蚊媒介性の病気であり、主にネッタイシマカ(Aedes aegypti)を介してヒトからヒトへ伝染する。デングウイルス(DEN)は、約11kbの一本鎖プラスセンスRNAゲノムを含む。このゲノムは、カプシド(C)、プレメンブレン(prM)、およびエンベロープ(E)の3つの構造タンパク質と、NS1、NS2A、NS2B、NS3、NS4A、NS4B、およびNS5の7つの非構造タンパク質とからなる。デングウイルスには、DEN−1、DEN−2、DEN−3およびDEN−4の4種の異なる血清型がある。所与の血清型による一次感染は、生涯にわたる血清型特異的免疫を誘導する。しかし、他の3種のデングウイルス血清型に対する長期間持続する交差防御免疫はなく、別の血清型による後の感染は、DHFやDSS等のより重症の病気の可能性を高める。
二次的DENV感染と共に病気が悪化するため、少なくとも3種のデングウイルス血清型に対する免疫を刺激する多価(例えば三価)ワクチンが企図される。細胞培養での古典的な連続継代により弱めたいくつかのDENVワクチン候補は、安全でないか、免疫原性が不十分であることが判明している。弱毒生組換えDENVキメラワクチンの候補が当分野で知られており、これらには、黄熱17D(YF−17D)ワクチンウイルス、DENV−2 PDK−53ワクチンウイルス、または3’非コード領域(NCR)の30ヌクレオチド欠失を含むDENV−4の、弱毒化された遺伝的背景に基づくウイルスが含まれる。
全4種の血清型の弱毒生デングウイルスは、タイのマヒドン大学で、野生型ウイルスを細胞培養で継代することにより開発された。これらは、デングウイルス感染および/または病気に対する免疫用として、現在最も有望な弱毒生ワクチン候補である。これらのワクチン候補は、それらのデング血清型、継代させる細胞株、および継代の回数の組合せによって指定されている。
これらの弱毒ウイルスを用いた予備的なヒト治験では、DEN−2 PDK−53がヒトで最低感染量(50%最少感染量の5プラーク形成ユニットすなわちPFU)を有し、強い免疫原性であり、かつ許容し難い臨床症状を引き起こさないことが示された。DEN−1 PDK−13、DEN−3 PGMK−30/FRhL−3およびDEN−4 PDK−48ワクチンウイルス候補は、ヒトでそれぞれ10,000、3500、および150PFUの、より高い50%最少感染量を示す。
DEN−2 PDK−53ウイルスワクチン候補(以降PDK−53と略す)は、弱毒化に関するいくつかの測定可能な生物学的マーカーを有し、これらには、温度感受性、小さいプラークサイズ、蚊C6136細胞培養における低下した複製、無傷の蚊における低下した複製、哺乳期のマウスに対する神経毒性の喪失およびサルにおけるウイルス血症の発生率の低下が含まれる。候補PDK−53ワクチンの治験では、ヒトでの安全性および免疫原性が実証されている。さらに、PDK−53ワクチンは、ワクチン接種されたヒトにおいてデングウイルス特異的T細胞記憶応答を誘導する。本願のある実施形態では、キメラデングウイルス構築物は、PDK−53が既知のPDK−53骨格とは異なるように選択されたデング−2骨格を含み、かつウイルスをさらに弱毒化する追加の突然変異を含むことができる。
したがって、非病原性であるが免疫原性のデングウイルスが、全デングウイルス血清型に対する防御を与えるためのデングウイルスワクチンの開発に使用される必要性が存在する。
効果的な弱毒生デングウイルス(DENV)ワクチンの開発における難しい問題は、四価製剤として投与された時の4種のデングワクチンウイルス間の干渉である。干渉は、多価混合物の1つ以上の成分が、個々の一価ワクチンの各々によって誘発されるよりも低い免疫応答を誘導する時の兆候である。干渉は、複数の病原性血清型を伴う疾患、例えばポリオ、デング等のためのワクチンで観察されてきた。少なくともこの干渉のために、ポリオの3種の重要な血清型に対する十分な免疫応答を誘導するには経口ポリオワクチンの3用量レジメンが必要であることが、以前に発見された。過去には、弱毒生四価デングワクチンを用いた研究により、単独で投与された時に最も強力な中和抗体応答を誘発するDENV血清型は、他の血清型を含む多価製剤として投与されると、免疫応答を支配する傾向にあることが示されている。一例として、4種の異なる弱毒生デングワクチンの四価混合物は、DEN−3成分に対する優勢な応答、ならびにDEN−1、−2および−4に対する低下した免疫応答を示した(例えば、Sabchareonら、2002、Kitchenerら、2006を参照されたい)。この優位性の結果、四価混合物の臨床開発は保留されている。干渉は組換え弱毒生ウイルスでも見られた。干渉はデング/黄熱キメラの四価混合物で実証された(Guyら、2009、サルモデルにおけるデングワクチン血清型間の干渉の評価(Evaluation of Interferences between Dengue Vaccine Serotypes in a Monkey Model)Am.J.Trop Med.Hyg.80:3012−311)。これらの研究では、ChimeriVaxワクチン株の四価製剤において2種の血清型が応答を支配することが発見された。干渉は、2つの二価ワクチン製剤を別個の解剖学的位置に、または時間的に連続して投与するか、あるいは1年後に3回目の四価製剤の投与を行うことにより解消され得る。同様に、四価組換えワクチン株(この場合、DENVまたは3’非コード領域に欠失を有するキメラDENVを含む製剤)での改善された多価応答が、初回投与と2回目の投与の間の期間を4ヵ月に延長するだけで得られることが実証された。(Blaneyら、2005、組換え弱毒生四価デングウイルスワクチン製剤は、アカゲザルにおいて、4種の血清型各々に対するバランスの取れた広範な防御的中和抗体応答を誘導する。(Recombinant, Live-Attenuated Tetravalent Dengue Virus Vaccine Formulations Induce a Balanced, Broad, and Protective Neutralizing Antibody Response against Each of the Four Serotypes in Rhesus Monkeys.)J.Virology 79:5516−5528)。
本願に開示される特定の実施形態はDENVax(四価ワクチン組成物)の誘導体に関する。DENVaxは、4種のデング血清型(DEN−1、DEN−2、DEN−3およびDEN−4)に対する免疫応答を生じさせるように設計された4種の組換えデングウイルス株の混合物からなるデングワクチンである。特定の四価混合物DENVax(商標)へのいかなる限定によっても拘束されるものではないが、デング血清型2ワクチン成分(DENVax−2)は弱毒DEN−2 PDK−53株に相当する。この構築物は既に多くの臨床試験で調査されている。その他のデングワクチン株(DENVax−1、DENVax−3およびDENVax−4)は、DEN−2 PDK−53非構造遺伝子骨格にクローニングされたDEN−1、DEN−3またはDEN−4構造的プレメンブレン(prM)およびエンベロープ(E)タンパク質遺伝子からなるキメラである。これらの組換えウイルスは、DEN−1、DEN−3またはDEN−4の表面抗原を発現し、DEN−2 PDK−53株の弱毒化に関わる遺伝子変化を保持する。ある実施形態において、DENVaxは、1つのワクチン組成物中に様々な比率で提示される4種のデングウイルス血清型のうちの3種を有する三価弱毒生デングワクチンの一例として使用することができる。他の実施形態は四価ワクチン投与の最適化に関する。さらに他の実施形態はDENVax(商標)免疫方法に関する。
いくつかの実施形態において、3種以上の弱毒デングウイルスの混合物は、1種以上の弱毒デング−2ウイルスと、その弱毒デング−2ウイルスのカプシドタンパク質および非構造タンパク質、ならびに少なくとも第2のデングウイルスのプレメンブレンタンパク質およびエンベロープタンパク質をさらに含む1種以上のデング−デングキメラウイルスとを含む。
ある実施形態において、本願のキメラ構築物は、少なくとも第2のデングウイルスのプレメンブレン(PM)タンパク質およびエンベロープ(E)タンパク質を含んでもよい。少なくとも第2のデングウイルスは、弱毒デングウイルスがデング−1の場合はデング−2、デング−3またはデング−4であり、または、弱毒デングウイルスがデング−2の場合はデング−1、デング−3またはデング−4であり、または、弱毒デングウイルスがデング−3の場合はデング−1、デング−2またはデング−4であり、または、弱毒デングウイルスがデング−4の場合はデング−1、デング−2またはデング−3である。
他の実施形態において、対象に導入される組成物はデングウイルス血清型(DEN−1、DEN−2、DEN−3、およびDEN−4)のうちの3種に対するワクチンを含む。他の実施形態において、本願で考慮される組成物は、4種のデングウイルス血清型のうちの3種を提示する改変型DENVax製剤または他の同様の製剤を含むことができる。いくつかの組成物において、全デングウイルス血清型に対するワクチンウイルスは組成物中で等しい割合にある。さらに他の組成物において、各デングワクチンウイルス血清型は、組成物の導入が全デングウイルス(例えばDEN−1、DEN−2、DEN−3、DEN−4)に対して十分なレベルの中和抗体を対象に提供するように、互いに対して特定の比率にあってもよい。
本願に開示される特定の実施形態は、例えば4種のデングウイルス血清型のうちの3種に対するワクチンを対象の2箇所以上の解剖学的位置に同日に連続的に投与することにより、対象において全デングウイルス血清型に対する防御を迅速に誘導するための方法および組成物に関する。いくつかの実施形態は、対象に皮内(ID)または皮下(SC)注入あるいは他の投与様式を介して、1つの解剖学的位置にワクチン組成物を導入し、続いて少なくとも第2のワクチン組成物を別の解剖学的位置にID、SCまたは他の投与様式により導入することを含んでよい。いくつかの実施形態は、三価製剤を用いて全デングウイルス血清型のデングウイルスワクチンを対象に導入するための投与様式の任意の組合せを含み、ここで、ワクチンの投与は0日目に2箇所以上の解剖学的部位で、または2つ以上の異なる経路で患者に行われる。いくつかの実施形態は、異なる解剖学的位置で同じ投与様式を使用することを含む。
本願に記載のいくつかのデングウイルスワクチン組成物の用量の範囲は、単一の三価組成物において、各血清型につき10〜5×10PFUに及ぶ。本願で考慮される他の組成物(例えば後続のワクチン接種)は、初回の免疫後の対象における免疫応答に基づいて、この範囲よりも少ないかまたは多い用量の組成物を含む。ある実施形態において、対象における必要性および免疫応答に応じて、様々なデングワクチンウイルス血清型に関して比率は変動し得る。
ある実施形態において、最初のワクチン接種または本明細書で考慮される任意の後続ワクチン接種で導入される組成物は、1つの三価デングウイルス組成物を含んでもよい。これらの実施形態に従って、組成物は、DENVax組成物または他の似たような三価製剤の4種のデングウイルス血清型のうちの3種を、同比率または同程度の比率で、あるいは所定の血清型比率で含んでもよい。他の実施形態は、初回ワクチン接種または任意の後続ワクチン接種(例えば30日後未満)で投与されるワクチン組成物の各々について異なる製剤(例えば血清型比)の使用を含んでもよい。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、そのようなワクチンを必要とする対象を、0日目に2箇所以上の解剖学的位置で処置し、その後30日以内に、例えば約7、約14、約21、または約28日後に、少なくとも第2のワクチンを、デングウイルス血清型の全種または一部を含む組成物と共に投与することを含む。ある実施形態において、各ワクチン接種はワクチン製剤において提示される全デングウイルス血清型を有する。本願に開示される後続投与のワクチン組成物は、2種以上のデングウイルス血清型を後の投与用に所定の比率で含んでもよい。
あるワクチン組成物において、DEN−1:DEN−2:DEN−3:DEN−4の4種、または更にDEN−5のうちの3種の比率は、3:3:3、4:3:4、5:4:5、:4:5:5、5:5:5、1:10:100、または、単一の組成物において2種の血清型間で約2〜約100,000倍の差となるような他の比率であってもよい。ある実施形態において、デング血清型比率は、DEN−1が2×10:DEN−2が5×10:DEN−3が1×10:DEN−4が3×10PFU;DEN−1が8×10:DEN−2が5×10:DEN−3が1×10:DEN−4が2×10PFU、および4種のデングウイルス血清型のうちの3種の任意の組合せとすることができる。ある実施形態において、三価製剤は、デング−4が他の血清型に対して高いことを含む比率を含有することができる。いくつかの組成物において、全デングワクチンウイルス血清型は組成物中で等しい割合にある。さらに他の組成物において、組成物の導入が対象に、全デングウイルス(例えばデング1、2、3および4)に対する防御を付与するのに十分なレベルの、または十分なレベルを超える中和抗体を提供するように、各デングワクチンウイルス血清型は別の血清型に対して特定の比率にあってもよい。例えば、0日目に2箇所以上の解剖学的位置に2回以上の連続的なワクチン接種を受けた後の対象において、1種以上の特定のデングウイルス血清型に対する防御がより低い場合、全デングウイルス種に対しより良好な防御を提供するために、その対象への追加免疫に含まれるその(より低い中和抗体を示す)1種以上のデングワクチンウイルス血清型の濃度を増加させてもよい。これらの実施形態に従って、当分野で既知の標準的手段を用いて、対象からの試料を、デング血清型感染(例えばデング−1、−2、−3、−4)に対する免疫応答について分析してもよい。
ある実施形態において、例えば全デング血清型に対して防御するために(例えば交差防御)、ワクチン組成物は同時にまたは連続的に、対象の複数の解剖学的位置の皮内に導入されてもよい。ある実施形態において、ワクチン組成物は、限定されるものではないが、全デングウイルス血清型による感染に対し完全な防御を提供可能な、対象に投与される4種のデングワクチンウイルス血清型のうちの3種の単一製剤を含むことができる。他の実施形態において、ワクチン組成物は、弱毒デングウイルス血清型を、他の抗病原体組成物(例えば、日本脳炎、ウエストナイル、インフルエンザ等)と組み合わせて含んでもよい。本願で考慮される組成物は、限定するものではないが、皮内、皮下、筋肉内、鼻腔内、吸入、経膣、静脈内、摂取、および他の任意の方法を含む当分野で既知の任意の方法によって投与することができる。2箇所以上の解剖学的部位への導入は、2箇所以上の解剖学的部位における同じ様式によるものや、2箇所の別個の解剖学的部位を含む2つの異なる様式によるものを含む任意の組合せ投与を含んでもよい。これらの実施形態に従って、2箇所以上の解剖学的部位は異なる肢を含んでもよい。
例えば、対象が0日目に、2箇所以上の解剖学的位置に2回以上の連続的ワクチン接種を受けた後に、対象が1種以上の特定のデングウイルス血清型に対して不十分なレベルの中和抗体を誘導しない場合、全デングウイルス種による感染に対する完全な防御を提供するために、その対象への追加免疫接種に含まれるその(より低いレベルの中和抗体を示した)1種以上のデングワクチンウイルス血清型の濃度を増加させてもよい。これらの実施形態に従って、当分野で既知の標準的手段を用いて、対象からの試料をデング感染に対する抵抗性について分析してもよい。
ある実施形態において、本願に開示されるワクチン組成物は、3種のデング血清型から構成された構築物の混合物をワクチン組成物中に含み得る、対象に投与するためのキメラ構築物であってもよい。他の実施形態において、デングウイルスワクチンは、様々なデング血清型で置換された弱毒フラビウイルス骨格を有する、4種の血清型の各々を提示する構築物を含んでもよく、ここで、構築物はワクチンとしての投与用の組成物中に混合されてもよい。
三価製剤は、例えばDENVaxの改変体を用いて、各一価ワクチン成分を所定量混合することにより調製することができる。各ワクチン成分のインプット力価に基づき、一価ワクチンの規定量を、0.1mL(例えば皮内用)または0.5mL(例えば皮下用)である最終量のワクチン製剤となるように添加してもよい。四価DENVax(商標)ワクチンの残りの量は、弱毒生ワクチン製剤を安定化させるために、生理食塩水バッファー中にトレハロース(15%)F127(1%)およびヒト血清アルブミン(0.1%)を含む希釈剤から構成されていてもよい。FTA(F127:トレハロース:アルブミン)
[方法]
フラビウイルスキメラの構築
本願に開示されるフラビウイルスキメラは、それに対する免疫が望まれるフラビウイルスの1つ以上の構造タンパク質遺伝子を、対応するPDK−53遺伝子を除去しそれを所望の遺伝子に置換する当業者に周知の組換え工学技術を用いて、PDK−53デングウイルスゲノム骨格または上述したようなその等価物にスプライシングすることにより製造することができる。
別法として、配列を用いて、フラビウイルスタンパク質をコードする核酸分子は、既知の核酸合成技術を用いて合成され、適切なベクターに挿入されてもよい。したがって、非病原性かつ免疫原性ウイルスは、当業者に既知の組換え工学技術を用いて製造することができる。
上述したように、骨格に挿入される標的遺伝子はフラビウイルス構造タンパク質をコードしている。これらの実施形態に従って、挿入されるフラビウイルス遺伝子は、Cタンパク質、PrMタンパク質および/またはEタンパク質をコードする遺伝子である。デング−2骨格に挿入される配列はPrM構造タンパク質およびE構造タンパク質の両方をコードしていてもよい。デング−2骨格に挿入される配列は、C、prMおよびE構造タンパク質をコードしていてもよい。デングウイルス骨格は、PDK−53デング−2ウイルスゲノムであり、デング−1のC、PrMおよび/またはE構造タンパク質をコードするスプライシングされた遺伝子を含むか(DEN−2/1)、デング−3のPrMおよび/またはE構造タンパク質をコードするスプライシングされた遺伝子を含むか(DEN−2/3)、デング−4のPrMおよび/またはE構造タンパク質をコードするスプライシングされた遺伝子を含むか(DEN−2/4)のいずれかである。本発明の特定の実施形態において、デング−3ウイルスの構造タンパク質をコードするスプライシングされた遺伝子は、345位のアミノ酸にロイシンを含むEタンパク質の合成をもたらす。
特定の実施形態において、本発明のキメラはデング−2ウイルスのC構造タンパク質をコードし、100位のアミノ酸にセリンを含むCタンパク質の合成をもたらし、447位のアミノ酸にロイシンを含むEタンパク質の合成をもたらすデング−4の構造タンパク質をコードするスプライシングされた遺伝子を含む。
さらなる実施形態において、本発明のキメラはデング−2ウイルスのC構造タンパク質をコードし、100位のアミノ酸にセリンを含むCタンパク質の合成をもたらし、447位のアミノ酸にロイシンおよび364位のアミノ酸にバリンを含むEタンパク質の合成をもたらすデング−4の構造タンパク質をコードするスプライシングされた遺伝子を含む。本明細書に記載の構造タンパク質は、本発明のウイルスキメラにおいて、唯一のフラビウイルス構造タンパク質またはフラビウイルス構造タンパク質の任意の組合せとして存在してもよい。
本願で考慮されるある種のキメラは、PDK−53デング−2ウイルス変異株(−Eまたは−V(配列番号15))のうちのいずれかと、DEN−2 16681野生型ウイルスとの両方から得られた完全ゲノム長cDNAクローンの組換えによって作り出される。クローニングされていないPDK−53ワクチンは、本願ではPDK−53−EおよびPDK−53−Vとして表される2つの遺伝子型変異株の混合物を含む。PDK−53−V変異株は、アミノ酸位置NS3−250におけるGluからValへの突然変異を含む9つのPDK−53ワクチン特異的ヌクレオチド突然変異を全て含む。PDK−53−E変異株は、PDK−53ワクチンの9つの突然変異のうちの8つ、および親である16681ウイルスのNS3−250−Gluを含む。両方の変異株に関して感染性cDNAクローンが構築され、両方のクローンから得られたウイルスはマウス内で弱毒化される。DEN−2 PDK−53ウイルスの弱毒化の表現型マーカーは、小さいプラークサイズ、温度感受性(特にLLC−MK細胞中での)、限定された増幅(特にC6/36細胞中での)、新生マウスに対する弱毒化(特に哺乳期のマウスに対する神経毒性の欠如)、およびサルにおけるウイルス血症発症率の低下を含む。ワクチン候補として有用なキメラは、2つのDEN−2 PDK−53変異株の遺伝的背景で構築され、これらは全て、5’非コード領域の5’NC−57 C→T(16681→PDK−53)を含むゲノムの非構造領域における突然変異、ならびに、例えばNS1−53 Gly→AspおよびNS3−250 Glu→Valのような非構造タンパク質のアミノ酸配列における突然変異を含む。
ある実施形態では、本発明のキメラデング構築物を含む免疫原性組成物は、1回のワクチン投与において全4種のデングウイルス血清型に対する同時防御を付与するための、DEN−1、DEN−2、DEN−3またはDEN−4のうちの3つ以上の組合せであってもよい。他の実施形態では、本願に開示される実施形態の3つのDEN−1、DEN−2、DEN−3およびDEN−4構築物の組合せを含む免疫原性組成物は、各デングウイルス血清型に対する向上した免疫原性応答であって、デングウイルス構築物に対する免疫応答干渉の低下した応答を誘導するために対象に投与されてもよい。
ある実施形態では、デングウイルス構築物は、様々なデングウイルス血清型の構造領域または非構造領域に適応的突然変異を有するデング−デングキメラ構築物を含むことができる。他の実施形態において、キメラ構築物は、DENV−2構造領域または非構造領域がDEN−1、−3、−4の構造領域または非構造領域に置換されているDEN−2骨格を含んでもよい。これらの実施形態に従って、DEN−2骨格は任意の弱毒生DEN−2ウイルスを含むことができる。他の実施形態において、DEN−2骨格は弱毒生DEN−2 PDK−53ウイルスを骨格として含むことができ、ここで、弱毒生DEN−2 PDKウイルスは、DEN−1、DEN−3またはDEN−4のprM(プレメンブレン)およびE(エンベロープ)構造タンパク質のうちの1つ以上の構造タンパク質をさらに含む。さらに、in vitroでは増殖を、またはin vivoでは投与時に対象においてDEN−1、DEN−3またはDEN−4に対する免疫応答を促進するために、DEN−2 PDK−53骨格は、新規な構築物を形成するDEN−2 PDK−53の更なる突然変異または突然変異の復帰を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、DENVax−4株と名付けられた現在のデングキメラ構築物を、in vitroでの製造のため、およびin vivoでのDENV−4に対する免疫応答を誘導する用途の構築物として、両方の目的でウイルスの複製効率を高めるために、DEN−2骨格のカプシド/PrMジャンクションを含むように改変して、遺伝子的にDEN−2よりもDENV−4により類似するようにした。DEN−4の現在の株であるDENVax−4は、DEN−4ではなくDEN−2と同一のカプシド/PrM配列を有し、恐らくゲノムRNAからの非効率的な転写および翻訳を引き起こし、これは野生型DENV−4のそれとは異なる。これらのDENV−4構築物は、DEN−1、DEN−2およびDEN−3と組み合わせて、弱毒生かつ/またはキメラデング−デング構築物として、本願で企図される任意の三価組成物に使用可能であると考えられる。
いくつかの実施形態において、構造タンパク質遺伝子は、デング−デングキメラを形成するために、別のデングウイルス骨格(例えばデング−2、DEN−2 PDK−53)にDENV−4のprM遺伝子およびE遺伝子を含むことができる。例えばDEN−4構築物は、ある実施形態ではDENVax−4e(カプシド107システイン→チロシン;DenVax−4b骨格、カプシド/prMジャンクションの改変)、DENVax−4f(PDK−53骨格NS2AおよびNS4Aの突然変異が16681のものに復帰している)またはDENVax−4h(エンベロープ417Glu→Lys)と名付けられたこれらの構築物を含んでもよい。ここで、特定の構築物について、DEN−2 PDK−53骨格は(例えば非コード領域(NCR)または非構造領域(NS2等)に)野生型DEN−2への1つ以上の復帰変異、および、DENV−4構造領域(例えばprMまたはE)に1つ以上の突然変異を有し、一方でDENV−4(例えば株1036)の1つ以上の構造タンパク質をコードする。本願に開示の改変型DENV−4構築物は、DENV−4株1036の1つ以上の改変型構造タンパク質を有する改変型弱毒DEN−2 PDK−53骨格を含んでもよい。いくつかの実施形態において、弱毒生DEN−2 PDK−53ウイルスに存在する1つ以上の突然変異は、野生型核酸に戻されてもよいし(これはサイレント変異であってもよい)、別の核酸であって、その弱毒性または安全性に影響を与えることなく複製能力および免疫原性が高められているが、DEN−4ウイルスの増殖および/または複製には影響を与え得る改変型DEN−2/DENV−4構築物を形成する本願の構築物を製造するための別の核酸に戻されてもよい。ある実施形態では、復帰変異は増殖および/または複製の増強をもたらし得る。
他の実施形態において、本願に開示される三価組成物は改変型DENV−4(またはDENV−1あるいはDENV−3)構築物を含むことができ、安全性およびウイルスの弱毒性を維持しながら、改善された免疫学的応答を誘導する構築物を形成するために、そのデング血清型の1つ以上の構造領域および/または非構造領域に導入された突然変異を含んでもよい。例えば、DEN−2/DENV−4の改変型または突然変異型デング−デングキメラは、DEN−2 PDK−53骨格の1つ以上の非構造領域、例えばNS2A、およびNS4Aにおける突然変異、および/または5’非コード領域(5’NCR)における突然変異を含んでもよい。別の実施形態において、改変型DENV−4キメラ構築物は、PDK−53のNS2AおよびNS4Aの突然変異(例えば、NS4AのM−L置換)を復帰させることにより、DEN−2 16681のNS2AおよびNS4Aを含んでもよい。いくつかの実施形態は、標的構築物のDEN−2 PKD−53骨格における対応する突然変異を復帰させることによりDEN−2 16681の5’NCR、NS2AおよびNS4Aを有する改変型DENV−4キメラ構築物を含む。他の実施形態は、DEN−2 PDK−53骨格における対応する突然変異を復帰させることによりDEN−2 16681の5’NCRを有する改変型DENV−4キメラ構築物を含んでもよい。また、改変型DEN−4キメラ構築物はDEN−2 PDK−53骨格を含み、かつDEN−4株H241の1つ以上の構造タンパク質をコードしていてもよい。免疫応答を誘導するために、デング−2血清型骨格(例えばPDK−53または改変型PDK−53)を含むキメラウイルスの構造領域が、任意のDEN−4構造タンパク質に置換され得ると考えられる。いくつかの実施形態において、改変型DEN−4構築物は、DEN−4、DEN−2またはDEN−3構造タンパク質と、骨格としての弱毒生DEN−2 PDK−53とを含み、DEN−4(例えば株1036)またはDEN−1あるいはDEN−3株の構造領域を改変するために突然変異が導入され得る。
他の実施形態では、DENVウイルスのカプシド/prMジャンクションのアミノ酸配列に導入された突然変異を有する構築物を三価組成物に含ませて、そのような突然変異を含む構築物の免疫原性を高めることができる。例えば、DEN−4における突然変異は、DEN−4のカプシドの107位のCys−Tyr変異であってもよい。他の実施形態において、107位のシステインは、疎水性側鎖を有する任意の他の芳香族アミノ酸に変異されてもよいと考えられる(例えばDEN−4eを参照)。キメラ構築物の他のDEN−2 PDK−53復帰変異はNS2AまたはNS4Aに見られる。さらに他の実施形態は、DEN−4構築物であって、DEN−2骨格がPDK−53(MVS、配列番号21)を含み、PDK−53のカプシド領域のアミノ酸の102〜107位が相同なDEN−4の対応するアミノ酸に変換されてDENV−4bを形成する、DEN−4構築物を含む。これらの骨格構築物は、カプシド領域のシステインから適所の芳香族アミノ酸(例えばチロシン、トリプトファン等)をさらに含んでもよい。ある実施形態では、この構築物は配列番号22または配列番号23で表される。
本願に開示の三価組成物に用いられる他のDENV−4構築物は、エンベロープの417位にアミノ酸置換を有するウイルス構築物を含んでもよい。例えば、DEN−4株1036株配列またはその同等株位置であって、そこではDEN−4構造タンパク質を有するデング−2のPDK−53(MVS DEN2/4、配列番号21)骨格が提供される。実施形態は、エンベロープ417位を負から正に荷電した側鎖を持つアミノ酸(リジン等)に更に変異させることを含む。任意の荷電側鎖が、DEN−4構築物の安全性または弱毒性に影響を与えることなくその免疫原性の増強をもたらすと考えられる。ある実施形態では、この構築物は配列番号24または配列番号25で表される。
ある実施形態では、キメラDENV構築物のDEN−2 PDK−53復帰変異はDEN−2 PDK−53 MVSに見られる5’NC、NS1およびNS3の突然変異を有し、一方でDEN−2 PDK−53とは異なる他の復帰変異または突然変異を有する。これら3つの突然変異は弱毒化に重要な場合があることが実証されている(例えば、対照と比較したプラークサイズの小ささ、増殖速度の低減、力価の低下、温度感受性の上昇および神経毒性の低下)。
他の実施形態において、DEN−2 PDK−53ゲノム骨格を使用してDEN−1およびDEN−3のキメラ構築物を形成することができ、ここで、DEN−2 PDK−53ゲノムの1つ以上の構造タンパク質遺伝子はDEN−1およびDEN−3の1つ以上の構造タンパク質遺伝子に置換されてもよい。これらの構築物は、DEN−2 PDK−53骨格を持つ単一のキメラ内にDEN−1およびDEN−3の両方の組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態において、構造タンパク質はDEN−1および/またはDEN−3のCタンパク質、prMタンパク質またはEタンパク質とすることができる。ある実施形態では、構造タンパク質遺伝子はDEN−1またはDEN−3のprM遺伝子およびE遺伝子を含む。これらのハイブリッド/キメラウイルスは、親DEN−2の弱毒化表現型を維持しつつ、DEN−1、DEN−3またはDENV−4の表面抗原を発現する。ある実施形態では、これらの構築物は配列番号15、DEN−2/DEN−1および配列番号19、DEN−2/DEN−3で表すことができ、これらの構築物は本願に開示される二価、三価または四価の組成物において使用することができる。
いくつかの実施形態において、本願に開示される構築物は、骨格として弱毒DEN−2 PDK−53ウイルスを用いたDEN−1、DEN−3およびDEN−4の表面抗原を発現するDENV−4、DEN−2、DEN−1、およびDEN−3のキメラ構築物を含んでもよい。
他のフラビウイルスまたはデングウイルス血清型の構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む適切なキメラウイルスまたは核酸キメラは、非病原性を示す弱毒化の表現型マーカーについてスクリーニングし、また免疫原性についてスクリーニングすることにより、ワクチンとしての有用性を評価することができる。抗原性および免疫原性は、当業者に既知の通常のスクリーニング手順を用いて、フラビウイルス抗体または免疫反応性血清とのin vitroまたはin vivo反応性を用いて評価することができる。
フラビウイルスワクチン
キメラウイルスおよび核酸キメラは、免疫原またはワクチンとして有用な弱毒生ウイルスを提供する。好ましい実施形態において、キメラは高い免疫原性を呈しつつ、同時に、危険な病原性や致命的効果をもたらさない。本発明のキメラウイルスまたは核酸キメラは、病原性または弱毒DEN−2ウイルス骨格中に野生型ウイルスまたは弱毒ウイルスの構造遺伝子を含んでもよい。例えば、キメラはDEN−2 PDK−53バックグラウンドのうちのいずれかにおいて、野生型DEN−1 16007ウイルスまたはその候補PDK−13ワクチン誘導体の構造タンパク質遺伝子を発現してもよい。
DEN−2 PDK−53の骨格に、DEN−1 16007ウイルス(DEN−2/1−EPおよび−VPキメラ)またはPDK−13ウイルス(DEN−2/1−EVおよび−VV(配列番号7)キメラ)のいずれかのC、prMおよびBタンパク質を含むキメラDEN−2/1ウイルスはいずれも、DEN−2 PDK−53ウイルスの弱毒化表現型マーカーの全てを保持する。DEN−1 16007ウイルスのC、prMおよびEタンパク質を含むキメラDEN−2/1−EPおよび−VP(配列番号5)ウイルスは、細胞培養での継代後、DEN−2/1−EVおよび−VVウイルスよりも遺伝的に安定である。DEN−1 16007ウイルスの構造タンパク質を発現するキメラウイルスの免疫原性は、PDK−13ワクチンウイルスおよびPDK−13ウイルスの構造タンパク質を発現するキメラにより誘発された中和抗体力価と比較して高かった。よって、2つのDEN−2 PDK−53改変体の遺伝的背景において野生型DEN−1 16007ウイルスの構造遺伝子を発現するDEN−2/1−EPおよび−VPキメラウイルスは、候補PDK−13ワクチンよりも優れる有力なDEN−1ワクチン候補である。これら2つのキメラはLLC−MK細胞で良く複製され、小さいプラークサイズ、温度感受性、蚊細胞における制限された複製およびマウスに対する弱毒性を含むDEN−2 PDK−53ウイルスに関連した弱毒化マーカーを保持する。これらはマウスにおける野生型DEN−1 16007ウイルスと少なくとも同程度の免疫原性である。
DEN−2/3キメラおよびDEN−2/4キメラ等の他の実施形態は、DEN−2 PDK−53骨格に野生型DEN−3またはDEN−4ウイルス由来の構造タンパク質遺伝子を含むキメラウイルスであり、DEN−2 PDK−53ウイルスの弱毒化表現型マーカーの全てを保持しつつDEN−3またはDEN−4ウイルスに対する免疫原性を提供する適切なワクチン候補である。ゲノムの非構造領域に弱毒化の決定因子を含み異種ウイルスの構造タンパク質を発現する遺伝的背景を利用するという本明細書に記載の方策は、最適な免疫原性の野生型構造タンパク質遺伝子を発現する弱毒生フラビウイルスワクチン候補の開発をもたらした。よって、複数のフラビウイルス病原体の免疫原性改変体用のワクチン候補を設計することができる。
本願に開示されるキメラに用いられるウイルスは、典型的には本分野で既知の技術を用いて増殖させる。その後、増殖培養物の生存能力および表現型特性を評価するためにウイルスプラーク滴定を実施してプラークを計数する。野生型ウイルスを培養細胞株によって継代し、弱毒候補出発材料を誘導する。
感染性キメラクローンは、入手可能な様々なデング血清型クローンから構築される。望ましい場合、ウイルス特異的cDNAフラグメントのクローニングを実現することもできる。構造タンパク質遺伝子または非構造タンパク質遺伝子を含むcDNAフラグメントは逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)により、様々なプライマーとともにデングウイルスRNAから増幅される。増幅したフラグメントは、他の中間体クローンの切断部位にクローニングされる。中間体キメラデングウイルスクローンはその後シークエンシングされ、挿入されたデングウイルス特異的cDNAの正確性が評価される。
デング血清型ウイルスの構造タンパク質または非構造タンパク質の遺伝子領域をベクターに挿入することにより構築された完全ゲノム長キメラプラスミドが、当業者に周知の組換え技術を用いて得られる。
ヌクレオチドおよびアミノ酸解析
親株と弱毒ウイルスとの間で見出されたアミノ酸置換と、重要なヌクレオチドとの比較が参照により本明細書に組み込まれる。DEN−2 cDNAアンプリコンの配列を、逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)によりDEN−2ウイルスゲノムRNAから増幅した。
野生型デング−2ウイルスに対してEタンパク質にアミノ酸突然変異を含まないPDK−53とは異なり、DEN−1、DEN−3およびDENV−4弱毒ウイルスはいずれもEタンパク質にアミノ酸突然変異を有する。野生型DEN−3 16562は、ヌクレオチド1521位にTを含むバリアントの痕跡を含むことが示された。これは、ポリプロテイン476位、Eタンパク質のアミノ酸残基476位のロイシンの組み込みを指定する。
後の3種のウイルスの各々は、Eタンパク質にGluからLysへの(親からワクチンへの)突然変異を有するが、その突然変異はEタンパク質の異なるアミノ酸残基に位置する。この置換は負に荷電したアミノ酸から正に荷電したアミノ酸へのシフトをもたらす。DENV−4ワクチンウイルスのEタンパク質におけるGluからLysへの置換は、Eタンパク質に存在する唯一の突然変異であった。一方、DEN−1およびDEN−3ワクチンウイルスのEタンパク質は、それぞれ5個および3個のアミノ酸突然変異を有していた。
DEN−2 16681ウイルスのNS1−53−Glyは、これまでに配列決定されているダニ媒介性ウイルスを含むほぼ全てのフラビウイルスで保存されているため、DEN−2 PDK−53ワクチンウイルスにおけるNS1−53突然変異は、このウイルスの弱毒化表現型にとって重要である。DEN−1、−2、−3および−4弱毒株のNS2A、NS2B、NS4A、およびNS4Bタンパク質に生じた突然変異は、全て自然界で保存されていた。DEN−2およびDENV−4ワクチンウイルスのそれぞれNS4A−75およびNS4A−95突然変異は、フラビウイルス全般の間ではなく、デングウイルスの間のアミノ酸保存部位に生じた。
フラビウイルスNS3タンパク質は少なくとも2つの認識された機能を有し、これらはウイルスプロテイナーゼおよびRNAヘリカーゼ/NTPアーゼである。698−aa長(DEN−2ウイルス)のNS3タンパク質はアミノ末端セリンプロテアーゼドメイン(NS3−51−His、−75−Asp、−135−Ser触媒三残基)およびそれに続くRNAヘリカーゼ/NTPアーゼ機能に関する配列モチーフNS3−196−GAGKT、−284−DEAH、−459−GRIGRを含む。DEN−1、DEN−2、またはDEN−3ウイルスのNS3タンパク質における突然変異はいずれも、認識されたモチーフには生じなかった。DEN−1 PDK−13ウイルスのNS3−510のTyrからPheへの突然変異は保存的であった。野生型DEN−2、−3および−4ウイルスはこの位置にPheを含むため、TyrからPheへの突然変異がDEN−1ウイルスの弱毒化に関与しているとは考えにくい。DEN−1 PDK−13ウイルスにおけるNS3−182のGluからLysへの突然変異は、大部分の蚊媒介性フラビウイルスの間でAspまたはGluとして保存されている位置で生じ、弱毒化に関与している可能性がある。この突然変異は、GAGKT(ヘリカーゼモチーフ)からアミノ酸残基15個分上流に位置していた。以前の報告で述べられているように、DEN−2 16681ウイルスのNS3−250−Gluは、黄熱ウイルスを除く全ての蚊媒介性フラビウイルスで保存されている。
核酸増幅
核酸は、本願で考慮される任意の製剤の製造に用いることができ、または、任意の製剤に使用することができる。増幅用のテンプレートとして使用される核酸配列は、標準的な方法論に従って、単離されたウイルス(例えばデングウイルス)とすることができる。核酸配列は、ゲノムDNAであってもよいし、分画細胞RNA若しくは全細胞RNAであってもよい。RNAが使用される場合、RNAを相補的cDNAに変換することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、RNAは全細胞RNAであり、増幅用のテンプレートとして直接使用される。核酸分子を増幅するための当分野で既知の任意の方法が考慮される(例えばPCR、LCR、Qβレプリカーゼなど)。
発現されるタンパク質またはペプチド
遺伝子は、あらゆる組換えDNA発現系で発現され、大量のポリペプチド産物を生成可能である。その後、ポリペプチド産物を精製して本明細書に報告されている方法および組成物に使用することができる。構築物を生成および使用するための当分野で既知の任意の方法が考慮される。ある実施形態では、1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子または遺伝子フラグメントは、当分野で既知の標準的なクローニングまたはサブクローニング技法によって発現ベクターに挿入され得る。
タンパク質、ペプチドおよび/または抗体あるいはそのフラグメントは、当分野で既知の任意の手段によって検出または分析され得る。ある実施形態では、分子を分離および分析する方法、例えばゲル電気泳動やカラムクロマトグラフィー法が使用され得る。
電気泳動
電気泳動は、分子(例えばタンパク質または核酸などの大きな分子)をそのサイズおよび電荷に基づいて分離するために使用され得る。当分野で既知の数多くの電気泳動の変法が存在する。分子がその中を移動する溶液は、通常はキャピラリーチューブの中で、自由流動性であってもよいし、当技術分野で既知の基材もしくは他の材料中に埋め込まれていてもよい。一般的な基材としては、限定するものではないが、ポリアクリルアミドゲル、アガロースゲル、質量分析計、ブロッティング紙および濾紙が挙げられる。
ポリペプチドをコードする遺伝子もしくは遺伝子フラグメントを使用するいくつかの実施形態は、標準的なサブクローニング技術によって発現ベクターに挿入されてもよい。融合タンパク質として組換えポリペプチドを産生する発現ベクターを使用してもよく、これはペプチドもしくはタンパク質の迅速なアフィニティー精製を可能にする。このような融合タンパク質発現系の例は、グルタチオンS−トランスフェラーゼ系(ファルマシア、ニュージャージー州ピスカタウェイ)、マルトース結合タンパク質系(NEB、マサチューセッツ州ビバリー)、FLAG系(IBI、コネチカット州ニューヘブン)、および6xHis系(キアゲン、カリフォルニア州チャッツワース)である。
医薬製剤
ワクチンに関する当分野で既知のあらゆる医薬製剤が、本願で考慮される。ある実施形態において、本願に開示される製剤は、単一のワクチンにおいて3種のデングウイルス血清型を様々な比率で提示するか、または後続組成物用の1種から全種の血清型を提示するキメラウイルスまたは弱毒生ウイルスを含む。製剤は、限定するものではないが、当業者に既知の他の活性成分または不活性成分あるいは組成物を含む、対象のワクチン接種に使用される他の作用剤を含んでもよいと考えられる。
本願で考慮される全てのワクチンウイルスは、当業者に既知の任意の方法で調製可能なワクチン組成物の形態で投与することができる。ある実施形態において、ウイルス組成物は凍結乾燥され、薬学的に許容される賦形剤(例えば、水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、湿潤剤など)と混合される。他の実施形態において、ワクチン組成物は製剤の分解を低減し組成物の保存期間を延長することが知られている安定剤を含んでもよい。
他の実施形態において、本明細書に記載のワクチン接種の投与に対する細胞性または液性免疫応答を誘導、増強、刺激または強化するためのアジュバントを、組成物に添加してもよい。本願に開示の組成物と親和性である当分野で既知の任意のアジュバントが考慮される。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、三価デングウイルス組成物の投与の量または用量あるいは体積に関し、その量または用量は投与経路、およびワクチンを受ける対象(年齢、健康状態、体重など)といった他の特性に依存し得る。
本願において、記載された組成物は、デングウイルスのいる地域に住む対象、デングウイルスのいる地域を旅行する対象、あるいはデング熱または他のデングウイルス症状に罹り得る任意のヒトまたは動物などの他の対象に投与されてもよいと考えられる。ある実施形態において、デングウイルスのいる地域を旅行する対象は、デングウイルス曝露の約1〜約3ヵ月前に、1つ以上のワクチン組成物を投与されること(例えば0日目に2つ以上)が推奨される。本願のワクチンは、大人や子供の感染を予防するための予防的処置として投与されてもよい。対象は、デングウイルスへの曝露および本明細書に開示のワクチンレジメンに関して未経験の対象でも経験済みの対象でもよい。
キット
他の実施形態は、本明細書に記載の方法(例えば、ワクチンを適用または投与する方法)および組成物と共に使用するキットに関する。いくつかの実施形態は、1種以上のデングウイルスに曝露されたか、曝露されたことが疑われる対象が、そのウイルスに感染するのを予防するか、または発症率を低下させるのに用いられるワクチン三価組成物を有するキットに関する。ある実施形態では、キットは1種またはそれ以上のデングウイルス血清型の製剤(例えば弱毒生ワクチンまたは三価製剤DENVaxを作るためのキメラ構築物)を所定のデングウイルス血清型比率で含んでもよい。キットは携帯可能であってもよく、例えば、デング流行地にある軍事施設や辺鄙な村のような僻地に輸送されて使用されることができる。他のキットは、1種以上のデングウイルスに曝されたか、もしくはデングウイルスに曝される危険があると疑われる対象を処置するために、保健施設において使用されるものであってもよい。
キットはまた、適切な容器、例えば、入れ物、バイアル、チューブ、ミニ遠心チューブもしくはマイクロ遠心チューブ、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジまたは他の容器を含んでもよい。追加の成分や作用剤が提供される場合、キットはその作用剤や成分を入れる1つ以上の追加の容器を含んでよい。本願のキットはまた、典型的には、作用剤(例えば入れ物)、組成物および任意の他の試薬の容器を商業的販売のために一緒にパッキングした状態で収容するための手段を含む。このような容器は、射出成形プラスチック容器もしくは吹き込み成形プラスチック容器を含んでもよく、その中に所望のバイアルが保持される。任意選択で、免疫原性因子や他の抗ウイルス剤、抗真菌剤または抗菌剤などの1種以上のさらなる作用剤が、記載される組成物のために、例えば、1種以上のさらなる微生物に対するワクチンとして使用する組成物のために、必要とされてもよい。
他の実施形態において、キットは対象に1回以上のワクチン接種を行うための装置、例えばID用、SQ用、IM用、吸入用、鼻腔内用アプリケータ、または本願に開示のワクチン組成物を投与するための他の装置を含んでもよい。
以下の実施例は、本明細書に示される特定の実施形態を実証するために含められている。以下の実施例において開示された技術が、本明細書に開示される実施において十分に機能することが見出されている技術を表すことは、当業者には理解されるはずである。しかしながら、当業者は本開示に鑑みれば、開示されるある種の実施形態では、本明細書中の趣旨および範囲から逸脱することなく、多くの変更が可能であり、依然として同様のまたは類似の結果を得られることを理解するはずである。
[実施例]
実施例1
1つの例示的な方法において、様々な三価デングウイルス製剤を単独で、複数の用量で、または後続の一価デングウイルス製剤と共に用いて、デングウイルス三価ワクチン組成物の研究を実施した。特定の例示的方法では、下記のデングウイルス血清型濃度を使用した:DENVax−1:1×10PFU、DENVax−2;1×10PFU、DENVax3:1×10PFU、およびDENVax4:1×10PFU。例えば表1および2を参照されたい。特定の実施形態では、対象において全4種の血清型に対する免疫を誘導するために、様々なデング−4血清型をデング−1のキメラ構築物および弱毒生デング−2と組み合わせてもよい。
動物:カニクイザル
免疫および攻撃の経路:皮下(0.5mL)
ワクチン接種スケジュールおよび用量:0日目、91日目(DENVax−HD+)
攻撃:120日目
用量:DENV−2(105pfu)、DENV−4(106pfu)
サンプリング
ウイルス血症:E−遺伝子用のプライマーを用いたqRT−PCR
初回ワクチン接種の前および後:0、5、8、11、14、17、20、23、25
追加免疫の前および後:91、94、98
攻撃の前および後:120、122、124、126、128、130、132、134
血清学:0、30、60、91、105、120、134、148
ワクチン接種後のウイルス血症(vRNA)はDENVax−2に支配される。DENVax−4 vRNAが、ワクチン接種後8日目にDENVax−HD+の1個体の動物で検出された。三価DENVax−1、−2、−3はより免疫原性であり、DENVax−1、−3、−4製剤よりもバランスの取れた応答を誘発する。本願に開示される改変DEN−4株は、この結果を改善すると考えられる。(例えば図1を参照)。
本明細書中に開示されかつ特許請求の範囲に記載された組成物および方法はすべて、本開示に照らして過度の実験作業を伴うことなく作製および実行可能である。組成物および方法は好ましい実施形態に関して記載されているが、当業者には、本明細書中の概念、思想および範囲から逸脱することなく、該組成物および方法ならびに本明細書中に記載された方法のステップまたはステップの順序に対して変更が適用され得ることは、明白である。より具体的には、化学的および生理学的のいずれにも関連するある種の作用剤は、本明細書中に記載された作用剤の代わりに用いられることが可能でありさらに同一または同様の結果が達成されるであろう。当業者に明白なそのような同様の置換形態および改変形態はすべて、添付の特許請求の範囲に定義されるような思想、範囲および概念の範囲内にあるとみなされる。

Claims (30)

  1. 対象において、3種以上のデングウイルス血清型に対する中和抗体を誘導する方法であって、弱毒生デングウイルスの単一の三価デングウイルスワクチン組成物を投与することを含み、前記単一の三価デングウイルスワクチン組成物は、デング−1、デング−2、デング−3またはデング−4の1つ以上の構造要素を有するデングウイルス構築物を含み、4つのデングウイルス血清型構造要素のうちの3つが前記単一の三価デングウイルスワクチン組成物中に存在する、方法。
  2. 一価の弱毒生デングワクチンを含む弱毒生デングウイルスワクチン組成物での少なくとも1回の追加免疫を、同日にまたは前記三価ワクチン組成物の投与後180日目までに実施することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記単一の三価デングウイルスワクチン組成物は、デング−1:デング−2、およびデング−3;デング−1:デング−3、およびデング−4;デング−1:デング−2、およびデング−4;またはデング−2、デング−3およびデング−4を含むデングウイルス血清型構築物を所定の比率で含む構築物を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記構築物が、弱毒デング−2ウイルス骨格上のデングウイルス構造タンパク質を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記弱毒デング−2ウイルスがデング−2ワクチン株PDK−53を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 同じまたは異なる三価デングウイルス組成物の少なくとも第2の三価デングウイルスワクチン組成物を、請求項1の前記単一の三価デングウイルスワクチン組成物と同時または180日後までに対象に投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 少なくとも1つのデングウイルス血清型の濃度(プラーク形成単位(pfu))が、前記単一の三価デングウイルスワクチン組成物中の少なくとも1つの他のデングウイルス血清型よりも高い濃度である、請求項3に記載の方法。
  8. 前記高い濃度が、2〜100,000倍高い濃度である、請求項7に記載の方法。
  9. 少なくとも第2のワクチンの同日投与が、第2の解剖学的部位への同じ投与様式を用いた投与を含む、請求項2または5に記載の方法。
  10. 少なくとも第2のワクチンの同日投与が、第2の解剖学的部位への異なる投与様式を用いた投与を含む、請求項2または6に記載の方法。
  11. ワクチンの投与様式が、皮下(SC)、皮内(ID)、または筋肉内(IM)を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 同日ワクチン接種後180日未満で対象に少なくとも1回のさらなる追加免疫が実施される、請求項2に記載の方法。
  13. 同日ワクチン接種後90日以内に対象に少なくとも1回のさらなる追加免疫が実施される、請求項2に記載の方法。
  14. 対象に少なくとも1つの免疫原性剤を投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  15. 対象においてデングウイルス感染を抑制する方法であって、デング−1:デング−2、およびデング−3;デング−1:デング−3、およびデング−4;デング−1:デング−2、およびデング−4;またはデング−2、デング−3およびデング−4の3種のデングウイルス血清型を含む弱毒生デングウイルスの三価組成物の第1のワクチンを対象に投与すること、および連続して、単一のデングウイルス血清型(一価)を含む弱毒生デングウイルスの組成物の少なくとも第2のワクチンを対象に投与することを含み、前記第1および第2のワクチンが対象の異なる解剖学的部位に投与される、方法。
  16. 前記ワクチンがデングウイルス血清型を所定の比率で含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記ワクチンが、そのワクチンにおいて、1種の血清型の濃度が別の血清型と比較して2〜100,000倍まで変動し得る3種のデングウイルス血清型の不均等な分布を有する三価のデングウイルスワクチンを含む、請求項15に記載の方法。
  18. 前記単一のデングウイルス血清型が、前記三価のデングウイルスワクチン組成物において構造タンパク質を持たない1種のデングウイルス血清型を含む、請求項15に記載の方法。
  19. デングウイルス感染によって生じる症状を抑制する方法であって、a)第1、第2および第3のデングウイルス血清型の有効量を有する第1の三価キメラワクチン組成物を対象に投与すること;およびb)単一のデングウイルス血清型の有効量を有する第2の一価ワクチン組成物を対象に投与することを含み、i)前記第1、第2、および第3のデングウイルス血清型がそれぞれ互いに異なっており;ii)第2の投与が同日に、または第1の投与後180日以内に行われ;iii)各デングウイルス血清型が対象において免疫応答を誘導するのに十分な量で投与され、iv)デングウイルス血清型のそれぞれが弱毒生ウイルスである、方法。
  20. 前記第1、第2および第3のデングウイルス血清型が所定の比率で存在する、請求項19に記載の方法。
  21. 三価ワクチン組成物が、他の2種のデングウイルス血清型よりも2〜100,000倍高いデング−4(DEN−4)を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記三価キメラワクチン組成物が弱毒デング−2ウイルス骨格を有する構築物を含む、請求項19に記載の方法。
  23. 前記弱毒デング−2ウイルス株がPDK−53である、請求項19に記載の方法。
  24. 前記剤形が10〜10の範囲のpfuのワクチンデングウイルス血清型を含む、請求項1に記載の方法。
  25. 前記三価キメラワクチン組成物が、デング−1:デング−2、およびデング−3;デング−1:デング−3、およびデング−4;デング−1:デング−2、およびデング−4;またはデング−2、デング−3およびデング−4を含む所定の比率のデングウイルス血清型構築物を含む構築物を含む、請求項20に記載の方法。
  26. ワクチンキットであって、
    デングウイルスに対する三価デングウイルスワクチンからなる少なくとも1つのワクチン組成物;
    少なくとも第2の一価デングウイルスワクチン組成物;および
    ワクチン組成物用の少なくとも2つの容器
    を含むキット。
  27. 前記少なくとも1つのワクチン組成物が、ほぼ等しいPFUの3種のデングウイルス血清型を含む、請求項26に記載のキット。
  28. 前記少なくとも1つのワクチン組成物が、所定比率の3種のデングウイルス血清型のデングウイルスワクチン組成物を含む、請求項26に記載のキット。
  29. デング−デングキメラおよび弱毒生デングウイルスの組合せと、薬学的に許容される賦形剤とを含む三価デングウイルスワクチン組成物であって、デング−1、デング−2、デング−3およびデング−4のうちの3種のデングウイルス血清型が前記組成物中で提示される、組成物。
  30. 前記三価組成物が、デング−2骨格を含む改変型デング−4キメラを含む、請求項29に記載の組成物。
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