添付の図面に関連して考慮するときに、以下の詳細な説明を参照することでより良く理解しながら、本発明のこれらの構成、他の構成及び利点を認識するであろう。
いくつかの実施形態の態様は、2つ以上のビュー素子を備える先端部を有する内視鏡に関するものである。ある実施形態によれば、ビュー素子の1つを、先端部の先端側端部に位置付けて、前方に向けて、残りのビュー素子を、先端部の更に後方に位置付けて、横方に向ける。
別の実施形態によれば、ビュー素子の1つを、先端部の先端側(前方)端面に位置付けて、前方に向けて、残りのビュー素子を、先端部の更に後方に位置付け、横方に向ける。
別の実施形態によれば、2つ以上(例えば3つ又は4つ以上)のビュー素子を、先端部の先端側端部に近接させて位置付け、又は当該先端側端部に位置付けて、側方に向けて、その結果、当該ビュー素子が提供する視野は、前方の眺め及び側方の眺めを包含する。いくつかの実施形態に従う、そのような構造では、先端部の先端側(前方)端面に位置付けられるビュー素子が存在しない(つまり言い換えれば直接前方を向いているビュー素子が存在しない)にもかかわらず、側方カメラの視野により、先端部の前方方向を眺めることができ、それ故に内視鏡の前方部分を眺めることができる。
有利なことに、この構造により、従来の構造と比較して、内視鏡が動作する体腔内に存在する病理的対象物の検出率をより高めることができる。
いくつかの実施形態の別の態様は、1つ以上の前方の作業/サービスチャンネルを設置した先端部を有する内視鏡に関するものである。いくつかの実施形態の更なる態様によれば、内視鏡の先端部は、1つ以上の側方の作業/サービスチャンネルを備える。2つ以上の前方及び/又は側方の作業/サービスチャンネルを有する内視鏡の先端部の構造によって、内視鏡の性能を著しく向上させることができ、内視鏡の操作者は複数の医療用器材を同時に用いてより複雑な医療行為を行うことができる。そのような構造はまた、内視鏡の操作者による興味対象物へのアクセスをより改善させることができるとともに、複数の前方及び側方ビュー素子によって処置を眺めながら同時に行う、医療用器材の操作に関してより大きなフレキシビリティを内視鏡の操作者をもたらすことができる。
いくつかの実施形態の更なる態様は、電子回路基板アセンブリの複数の有利な構造を備える先端部を有する内視鏡に関するものである。これらの構造がとるスペースはより少なくなり、付加的に必要な構成のための容積をより残す。
いくつかの実施形態の更なる態様は、前方噴出口に加えて、複数の側方噴出口を備える先端部を有し、内視鏡のフラッシング性能を改善できる内視鏡に関するものである。
先端部に存在するビュー素子及び任意に他の素子(複数の照明若しくは光源、1つ以上の前方及び/若しくは側方の作業/サービスチャンネル、1つ以上の前方及び側方の噴出チャンネル、側方流体インジェクタ、並びに/又は電子回路基板アセンブリ等)を、有益な効果をもたらしたまま、先端部内の最低限の必要なスペースに適合するように、独自に縮小し、構成し及び収納する。
本明細書は、複数の実施形態に向けたものである。以下の開示を、当業者が本発明を実施できるようにするために提供する。この明細書で使用される文言は、任意の具体的な実施形態の一般的な否定として解釈されるべきではなく、当該専門用語を用いて、特許請求の範囲で使用される用語の意味を超えて特許請求の範囲を限定するべきでもない。本明細書で特徴付ける一般的な原理を、本発明の精神及び範囲から離れることなく、他の実施形態及び応用に適用することができる。また、専門用語及び表現は、例示的な実施形態を説明するために使用され、限定するものと見なすべきではない。したがって、本発明は、開示された原理及び構成と調和する多数の代替手段、変更、及び均等物を包含する最も広い範囲と合致する。明瞭さのため、本発明に関連する技術分野で知られる技術項目に関する詳細を、本発明をいたずらに不明瞭としないように、詳細に説明しない。本願の明細書及び特許請求の範囲において、単語「備える」、「含む」及び「有する」のそれぞれ、並びにこれらの形は、必ずしも当該用語を関連付けることができるリストの要素に限定するとは限らない。
本明細書で使用されるように、不定冠詞「一つの(“a” and “an”)」は、文脈が異なる意味を明示しない限り、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味する。
本明細書の方法及び/又は装置の実施形態は、選択された作業を、手動、自動又はこれらの組み合わせで、行い又は完了することを含むことができる。本明細書のいくつかの実施形態を、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせを含む要素を用いて実装する。いくつかの実施形態では、いくつかの要素を、汎用の要素(汎用のコンピュータ又はオシロスコープ等)とする。いくつかの実施形態では、いくつかの要素を、専用又は特別注文の要素(回路、集積回路又はソフトウェア等)とする。
例えば、いくつかの実施形態では、実施形態のいくつかを、例えば汎用又は特別注文のコンピュータの部品である、データ処理装置が実行する複数のソフトウェア命令として実装する。いくつかの実施形態では、データ処理装置又はコンピュータは、命令及び/若しくはデータを記憶するための揮発性メモリを備え、並びに/又は、命令及び/若しくはデータを記憶するための不揮発性ストレージ(例えば磁気ハードディスク及び/若しくはリムーバブルメディア)を備える。いくつかの実施形態では、実装には、ネットワーク接続が含まれる。いくつかの実施形態では、実装には、(例えば、コマンド及び/又はパラメータの入力を可能とする)1つ以上の入力デバイス、並びに(例えば、動作のパラメータ及び結果の報告を可能とする)出力デバイスを一般に備える、ユーザインタフェースが含まれる。
明瞭さのために文脈で別個の実施形態と説明した、本明細書のある構成を、ある単一の実施形態で組み合わせて提供することもできることが理解される。逆に、簡潔さのために文脈で単一の実施形態と説明した、本明細書の様々な構成を、別個に提供することもでき、任意の適切なサブコンビネーションで提供することもでき、又は、任意の他の本明細書で説明される実施形態で適切に提供することもできる。様々な実施形態の文脈で説明したある構成は、それらの要素無しでは実施形態が動作しない場合を除いて、それらの実施形態の必須構成とは見なさない。
なお、本明細書で言及されるような用語「内視鏡」は、特にいくつかの実施形態に従う大腸内視鏡を指すが、大腸内視鏡のみに限定されるものではない。用語「内視鏡」は、体の中空の器官又は腔の内部を検査するために使用される任意の器具を指すことができる。
同様に注目すべきは、この明細書内に現れる以下のような複数の用語を、同様の要素に適用し又は同様の要素を指すために、区別しないで使用する。これらの用語を決して限定するものとして解釈するべきではない。
・「ユーティリティチューブ/ケーブル」を、「アンビリカルチューブ/ケーブル」とすることもできる。
・「主要制御ユニット」を、「コントローラユニット」、「主要コントローラ」又は「ヒューズボックス」とすることもできる。
・「ビュー素子」を、画像撮像装置/要素、ビュー要素、カメラ、テレビカメラ又はビデオカメラとすることもできる。
・「作業チャンネル」を、「サービスチャンネル」とすることもできる。
・「照明」を、「照明光源」とすることもでき、いくつかの実施形態では当該照明をLEDとすることもできる。
・「軟性シャフト」を、屈曲部又は椎骨機構とすることもできる。
さらに、本明細書で用語「カメラ」を用いて、光を撮像する装置を説明する。したがって、カメラはいくつかの実施形態では、少なくとも1つの光学レンズアセンブリを備える。いくつかの実施形態では、用語「カメラ」を用いて、光学レンズアセンブリと光学レンズアセンブリの関連撮像センサとを説明する。いくつかの実施形態では、用語「カメラ」を用いて、光学撮像システム(1つ以上のレンズアセンブリ及び関連する固体検出器アレイ等)を説明する。いくつかの実施形態では、用語「ビュー素子」及び「カメラ」を区別しないで使用することができる。
本明細書で用語「光学アセンブリ」を用いて、内視鏡装置に、光を捉えるとともにその光を少なくとも1つの画像に変換させる、要素のセットを説明する。いくつかの実施形態では、レンズ/光学素子を使用して光を捉え、画像撮像デバイス(センサ等)を使用して光を少なくとも1つの画像に変換する。
画像撮像デバイスを、電荷結合素子(CCDの)撮像センサ若しくは相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像センサ、又は画像を撮像するために使用可能な感光面を有する他の適切なデバイスとすることができる。いくつかの実施形態では、(光学素子が受け取った反射光を検出するための)センサ(電荷結合素子(CCD)撮像センサ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像センサ等)を使用する。
いくつかの実施形態では、光学素子は、複数の光学系(レンズアセンブリ、レンズ及び保護ガラス等)を備え、対象物体からの反射光を受け取るように構成される。
本明細書で使用されるような光学アセンブリは、少なくとも1つのレンズアセンブリ、当該レンズアセンブリの関連センサ及び当該レンズアセンブリの関連回路基板を備える。いくつかの実施形態では、「光学アセンブリ」は、2つ以上のビュー素子又はカメラ、関連センサ及び関連回路基板を備えることができる。いくつかの実施形態では、「光学アセンブリ」は、前方ビュー素子、当該前方ビュー素子の関連センサ及び当該前方ビュー素子の回路基板を備えることができる。いくつかの実施形態では、「光学アセンブリ」は、前方ビュー素子、当該前方ビュー素子の関連センサ及び当該前方ビュー素子の回路基板、並びに/又は少なくとも1つの側方ビュー素子、当該側方ビュー素子の関連センサ及び当該側方ビュー素子の回路基板、を備えることができる。さらに、光学アセンブリを典型的に、視野を照射するための少なくとも1つの照明と関連付ける。したがって、例えば、前方向き光学アセンブリは、関連センサを有する前方向きビュー素子と、関連回路基板とを備え、少なくとも1つの照明と関連付けられる。
現在使用されている内視鏡は典型的に、臓器を観察するための前方及び側方ビュー素子と、照明と、ビュー素子のレンズ及び時折照明を洗浄するための流体インジェクタと、処理具を挿入するための作業チャンネルとを有する。一般的に使用される照明は、離れた場所で生成された光を、内視鏡の先端部まで透過する光ファイバーである。発光ダイオード(LED)を照明として使用することも知られている。
内視鏡アセンブリの先端部を、患者の体内に、体の自然開口部(口、鼻、尿道、膣又は肛門)を通って挿入することができる。
本明細書の一実施形態に従い、先端カバーは先端部を収容することができる。先端カバーを有する先端部を、椎骨機構が例として挙げられる、屈曲部とも呼ばれる軟性シャフトによって調整又は操作できる。先端カバーは、電子回路基板アセンブリ及び流体チャネリング要素を備える、先端部の内側部分上に適合するとともに、内側部分の内部要素(体腔等)を保護するように構成されることができる。その後内視鏡は、体腔内で診断又は外科手技を行うことができる。先端部は、1つ以上のビュー素子(カメラ等)を担持して、これらの手技の対象である体腔内の領域を観察する。
先端カバーは、ビュー素子の光学レンズアセンブリのための透明な面、窓又は開口部を有するパネルを備えることができる。パネル及びビュー素子は、先端部の前部及び側部に配置される。光学レンズアセンブリは、複数の固定式又は可動式のレンズを備えることができる。レンズは、相違する視野を提供することができる。
電子回路基板アセンブリを、ビュー素子を担持するように構成することができる。ビュー素子は、パネルの開口部を通じて観察することができる。ビュー素子は撮像センサを備えることができ、当該撮像センサは、例えば電荷結合素子(CCD)撮像センサ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像センサ等であるが、これらに限定されるものではない。
電子回路アセンブリを、照明の光学窓を通じて照射することができる、照明を担持するように構成することができる。照明を、ビュー素子と関連付けることができるとともに、ビュー素子の視野を照射するように位置付けることができる。
1つ以上の照明は、ビュー素子の視野を照射することができる。一実施形態では、照明を、離れた供給源からの光を伝える光ファイバーの照明とすることができる。光ファイバーは、離れた場所に配置された光源からの光を照明へ伝える光キャリアである。光ファイバーは、挿入チューブに沿って、内視鏡の先端側端部の先端部と、手元側端部のハンドルとの間で延在する。アンビリカル/ユーティリティチューブは、ハンドルを主要制御ユニットへ接続する。主要制御ユニットは、内視鏡とそのディスプレイとの間の電源供給及び信号通信を特に含む、内視鏡アセンブリのいくつかの機能を制御できる。
これから、マルチビュー素子内視鏡システム100を表す、図1Aを参照する。システム100は、マルチビュー素子内視鏡102を備えることができる。マルチビュー素子内視鏡102はハンドル104を備えることができ、ハンドル104から長尺シャフト106が現れる。長尺シャフト106は、屈曲部110によって回動可能な先端部108で終端する。長尺シャフト106を体腔内で操作するためにハンドル104を使用することができる。ハンドルは、屈曲部110を制御し、液体噴射又は液体吸引等の機能を制御する、1つ以上のボタン及び/若しくはノブ、並びに/又はスイッチ105を備えることができる。ハンドル104は、少なくとも1つの、いくつかの実施形態では1つ以上の、作業チャンネル開口部112と、1つ以上の側方サービスチャンネル開口部とを更に備えることができ、作業チャンネル開口部112を通して処置具を挿入することができる。
アンビリカルケーブルとも呼ばれるユーティリティケーブル114は、ハンドル104と主制御装置199との間を接続することができる。ユーティリティケーブル114はその中に、1つ以上の流体チャンネルと、1つ以上の電気チャンネルとを備えることができる。電気チャンネルは、前方及び側方向きビュー素子からビデオ信号を受信する少なくとも1本のデータケーブルと、当該ビュー素子及び別個の照明に電力を供給する少なくとも1本の電源ケーブルを備えることができる。
主制御装置199は、内視鏡102が撮像した臓器の画像を表示を要求される制御装置を備える。主制御装置199は、内視鏡102の先端部108の、例えば先端部のビュー素子及び照明等への送電を管理することができる。主制御装置199は、内視鏡102へ対応する機能性をもたらす、1つ以上の流体、液体及び/又は吸引ポンプを更に制御することができる。人間が主制御装置199と対話するために、1つ以上の入力デバイス118(キーボード、タッチスクリーン等)を主制御装置199へ接続することができる。図1Aに表す実施形態では、主制御装置199は、内視鏡102が使用されているときに、内視鏡の手技に関する操作情報を表示するためのスクリーン/ディスプレイ120を備える。マルチビュー素子内視鏡102のビュー素子から受け取った、画像及び/又はビデオストリームを表示するようにスクリーン120を構成することができる。スクリーン120は、人間の操作者が内視鏡システムの様々な構成を設定可能なユーザインタフェースを表示するように更に動作できる。
任意に、少なくとも1つのモニタ(図示せず)に、マルチビュー素子内視鏡102の様々なビュー素子から受け取ったビデオストリームを、主制御装置199から情報をアップロードすることで、別個に表示することができる。ビデオストリームを、並べて表示し、又は交互に表示することができる(すなわち、操作者は様々なビュー素子からの眺めを手動で切り替えることができる)。あるいは、これらのビデオストリームを主制御装置116で処理して、複数のビュー素子の視野間の重ね合わせに基づいて、パノラマ式の単一のビデオフレームに結合することができる。一実施形態では、マルチビュー素子内視鏡102の異なるビュー素子からのビデオストリームをそれぞれ表示するために、2つ以上のディスプレイを主制御装置199に接続することができる。主制御装置199は、米国特許仮出願第61/817,237号(2013年4月29日出願)、発明の名称「Method and System for Video Processing in a Multi-Viewing Element Endoscope」で説明されている。この仮出願の全内容を参照により本明細書に援用する。
図1Bは、マルチカメラ内視鏡システムの主制御装置の制御パネルの一実施形態の斜視図を表す。図1Bに表すように、制御パネル101は、フロントパネル107を有する主要コネクタハウジング103を備える。主要コネクタハウジングのフロントパネル107は、導光開口部113及びガスチャンネル開口部115を有する第1の部分111と、ユーティリティケーブル開口部119を有する第2の部分117とを備える。導光開口部113及びガスチャンネル開口部115はそれぞれ、主要コネクタ上で、ライトガイド及びガスチャンネルを受け入れて接続するように構成される。そしてユーティリティケーブル開口部119は、スコープの電気コネクタを受け入れて接続するように構成される。スイッチ121を用いて、主要制御装置のスイッチを入れ、主要制御装置のスイッチを切る。
図1Cから1Fは、先端部108の複数の例示的構造123、125、127及び129を表す。
構造123では、前方向きカメラ131と、側方向きカメラ133とが基本的に互いに垂直であり、それに応じて、垂直な視野を有する。
構造125では、前方向きカメラ137が、第1の側方向きカメラ139及び第2の側方向きカメラ141に対して、基本的に互いに垂直である。第1の側方向きカメラ139及び第2の側方向きカメラ141は互いに垂直に向いており、先端部の筒面に基本的に90 °離れて位置付けられる。別の構造(図示せず)では、第1の側方向きカメラ及び第2の側方向きカメラは、先端部の筒面に基本的に90 °超離れて(例えば120−150 °離れて、又は150 °−180 °離れて)位置付けられる。例えば、第1の側方向きカメラと第2の側方向きカメラとが反対方向を向くように、第1の側方向きカメラと第2の側方向きカメラとを先端部の筒面の両側に180 °離して配置することができる。更に別の構造(図示せず)では、3つ以上の側方向きカメラを先端部の筒面にて位置付けすることができ、例えば互いに120 °離れた3つのカメラを配置することができる。
構造127では、側方向きカメラ143をわずかに後方に向けて、側方向きカメラ143が前方向きカメラ145に対して90 °を超える角度を形成する。例として、角度120 °を図示する。別の構造(図示せず)では、角度の範囲は100−145 °である。
構造129では、2つの反対向きの側方向きカメラ147及び149が図示され、これらのカメラをわずか後方に向けて、これらのカメラがそれぞれ前方向きカメラ151に対して90 °を超える角度を形成する。例として、角度120 °を図示する。別の構造(図示せず)では、角度の範囲は100−145 °である。
同様に、他の構造(図示しない)では、3つ以上の側方向きカメラを先端部の筒面に位置付けることができ、それぞれの側方向きカメラを、わずかに後方に向けて、それぞれの側方向きカメラ間で、ある角度を持たせる。カメラが3つの場合には、カメラ間で120 °の角度を持つことができる。
これから、いくつかの実施形態に従うマルチカメラ内視鏡153の斜視図を表す、図1Gを参照する。内視鏡153は、屈曲部(図示せず)と当該内視鏡が終端する先端部157とを典型的に含む長尺シャフト155を備える。先端部157は、第1の側方向きカメラ158Aと、第2の側方向きカメラと、第3の側方向きカメラの、3つの側方向きカメラを備える。第1の側方向きカメラ158Aは関連する第1の視野159Aを有する一方、第2の側方向きカメラは関連する第2の視野159Bを有し、第3の側方向きカメラは関連する第3の視野159Cを有する。視野159A、159B及び159Cをそれぞれ照射するために、個別の側方照明(例えばLED)を、これらの側方向きカメラに関連させることができる。先端部157は、様々な組織に対して作用する処置具を挿入するために構成される中空の開口部とすることができる、作業チャンネル161を更に備える。例えば、ポリープ又は生検用の試料を除去するために、作業チャンネル161を通して小型鉗子を挿入することができる。
例えば様々な実施形態に従って本明細書で説明するように、先端157は、カメラ及び/又はカメラの照明を洗浄するための流体インジェクタや、内視鏡153が挿入された体腔を、膨張させ及び/又は洗浄するための流体経路インジェクタ等の、他の素子/要素を更に備えることができる。
これから他の実施形態に従うマルチカメラ内視鏡153の斜視図を表す、図1Hを参照する。図1Hに表す内視鏡は、図1Gに表す内視鏡と類似するが、作業チャンネルを備えない。長尺シャフト155、先端部157、第1の側方向きカメラ158A、第2の側方向きカメラ及び第3の側方向きカメラ、並びにこれらカメラのそれぞれの視野159A、159B及び159Cは、図1Gを参照して上述したものに類似する。
これから一実施形態に従うマルチカメラ内視鏡の先端部163の断面図を表す、図1Iを参照する。先端部163は、電荷結合素子(CCD)撮像センサ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像センサ等の、前方向き撮像センサ169を備えることができる。前方向き撮像センサ169を集積回路基板179に実装することができる。集積回路基板179を硬性又は軟性とすることができる。集積回路基板179は、前方向き撮像センサ169に必要な電力を供給することができ、撮像センサが撮像した静止画像及び/又はビデオフィードを得ることができる。集積回路基板179を、内視鏡の長尺シャフトを通る電気チャンネルを経由して装着できる電気ケーブル(図示せず)のセットに接続することができる。前方向き撮像センサ169は、その最上部に装着されて、画像を受け取るために必要な光学系を提供する、レンズアセンブリ181を有することができる。レンズアセンブリ181は、複数の固定式又は可動式のレンズを備えることができる。レンズは、少なくとも90 °であり基本的には180 °以下の視野角を提供することができる。レンズアセンブリ181は、約3から100ミリメートルの焦点長を提供することができる。集積回路基板179の有無にかかわらず、前方向き撮像センサ169及びレンズアセンブリ181を共同で「前方向きカメラ」と呼ぶことができる。
1つ以上の別個の前方照明183を、レンズアセンブリ181の視野を照射するために、レンズアセンブリ181に隣接させて設置することができる。任意に、別個の前方照明183を、前方向き撮像センサ169が装着される、同一の集積回路基板179に取付けることができる(この構造は図示せず)。
先端部163は、電荷結合素子(CCD)撮像センサ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像センサ等の、側方向き撮像センサ185を備えることができる。側方向き撮像センサ185を、集積回路基板187に装着することができる。集積回路基板187を硬性又は軟性とすることができる。集積回路基板187は、側方向き撮像センサ185に必要な電力を供給することができ、撮像センサが撮像した静止画像及び/又はビデオフィードを得ることができる。集積回路187を、内視鏡の長尺シャフトを通る電気チャンネルを経由して装着できる電気ケーブル(図示せず)のセットに接続することができる。
側方向き撮像センサ185は、その最上部に取付けられて、画像を受け取るために必要な光学系を提供する、レンズアセンブリ168を有することができる。レンズアセンブリ168は、複数の固定式又は可動式のレンズを備えることができる。レンズは、少なくとも90 °であり基本的には180 °以下の視野角を提供することができる。レンズアセンブリ168は、約2から33ミリメートルの焦点長を提供することができる。集積回路基板187の有無にかかわらず、側方向き撮像センサ185及びレンズアセンブリ168を共同で「側方向きカメラ」と呼ぶことができる。
1つ以上の別個の照明176を、レンズアセンブリ168の視野を照射するために、レンズアセンブリ168に隣接させて設置することができる。任意に、別個の側方照明176を、側方向き撮像センサ185が装着される、同一の集積回路基板187に取付けることができる(この構造は図示せず)。
別の構成(図示せず)では、集積回路基板179及び187を、前方向き撮像センサ169と側方向き撮像センサ185との両方がそれぞれ装着される、単一の集積回路基板とすることができる。このために、集積回路基板を基本的にL字型とすることができる。
前方向き撮像センサ169及び側方向き撮像センサ185は、例えば視野、分解能、光感度、画素サイズ、焦点長及び/又は焦点距離等の点で、類似させ又は同一とさせることができる。
任意に、側方向きの撮像センサ185及びレンズアセンブリ168を、先端部163の先端側端面の比較的近くに有利に位置付ける。例えば、側方向きカメラの中心(側方向き撮像センサ185及びレンズアセンブリ168の中心軸線)を、先端部の先端側端部から約7〜11ミリメートルに位置付ける。このことは、前方向きカメラ及び側方向きカメラを有利に小型化することによって可能になり、先端部においてカメラが衝突すること無しに角度の位置決めをするために十分な内部空間を許容する。
これから明細書の別の実施形態に従うマルチカメラ内視鏡の先端部162の断面図を表す、図1Jを参照する。先端部162は、図1Iの先端部163に類似しており、電荷結合素子(CCD)撮像センサ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像センサ等の、前方向き撮像センサ169を備えることができる。前方向き撮像センサ169を集積回路基板179に実装することができる。集積回路基板179を硬性又は軟性とすることができる。集積回路基板179は、前方向き撮像センサ169に必要な電力を供給することができ、撮像センサが撮像した静止画像及び/又はビデオフィードを得ることができる。集積回路基板179を、内視鏡の長尺シャフトを通る電気チャンネルを経由して装着できる電気ケーブル(図示せず)のセットに接続することができる。前方向き撮像センサ169は、その最上部に装着されて、画像を受け取るためにの光学系を提供する、レンズアセンブリ181を有することができる。レンズアセンブリ181は、複数の固定式又は可動式のレンズを備えることができる。レンズは、少なくとも90 °であり基本的には180 °以下の視野角を提供することができる。レンズアセンブリ181は、約3から100ミリメートルの焦点長を提供することができる。集積回路基板179の有無にかかわらず、前方向き撮像センサ169及びレンズアセンブリ181を共同で「前方向きカメラ」と呼ぶことができる。1つ以上の別個の前方照明183を、レンズアセンブリ181の視野を照射するために、レンズアセンブリ181に隣接させて設置することができる。任意に、別個の前方照明183を、前方向き撮像センサ169が装着される、同一の集積回路基板179に取付けることができる(この構造は図示せず)。
先端部162は、側方向き撮像センサ185に加えて、別の側方向き撮像センサ164を備えることができる。側方向き撮像センサ185及び164は、電荷結合素子(CCD)撮像センサ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像センサを備えることができる。側方向き撮像センサ185及び164を、集積回路基板187及び166にそれぞれ装着することができる。集積回路基板187及び166を硬性又は軟性とすることができる。集積回路基板187及び166は、側方向き撮像センサ185及び164に必要な電力を供給することができ、撮像センサが撮像した静止画像及び/又はビデオフィードを得ることができる。集積回路187及び166を、内視鏡の長尺シャフトを通る電気チャンネルを経由して装着できる電気ケーブル(図示せず)のセットに接続することができる。
側方向き撮像センサ185及び164は、それらの最上部に取付けられて、画像を受け取るために必要な光学系を提供する、レンズアセンブリ168及び174をそれぞれ有することができる。レンズアセンブリ168及び174は、複数の固定式又は可動式のレンズを備えることができる。レンズは、少なくとも90 °であり基本的には180 °以下の視野角を提供することができる。レンズアセンブリ168及び174は、約2から33ミリメートルの焦点長を提供することができる。集積回路基板187及び166の有無にかかわらず、側方向き撮像センサ185及び164と、レンズアセンブリ168及び174とをそれぞれ共同で「側方向きカメラ」と呼ぶことができる。
別個の照明176及び189を、レンズアセンブリ168の視野を照射するために、それぞれレンズアセンブリ168及び174に隣接させて設置することができる。任意に、別個の側方照明176及び189を、側方向き撮像センサ185及び164が装着される、同一の集積回路基板187及び166に取付けることができる(この構造は図示せず)。
別の構成(図示せず)では、集積回路基板179、187及び166を、前方向き撮像センサ169と側方向き撮像センサ185及び164とがそれぞれ装着される、単一の集積回路基板とすることができる。
前方向き撮像センサ169と側方向き撮像センサ185及び164とは、例えば視野、分解能、光感度、画素サイズ、焦点長及び/又は焦点距離等の点で、類似させ、同一とさせ、又は相違させることができる。
任意に、側方向きの撮像センサ185及び164とレンズアセンブリ168及び174とを、先端部162の先端側端面の比較的近くに有利に位置付ける。例えば、側方向きカメラの中心(側方向き撮像センサ185及び164とレンズアセンブリ168及び174との中心軸線)を、先端部の先端側端部から約7〜11ミリメートルに位置付ける。このことは、前方向きカメラ及び側方向きカメラを有利に小型化することによって可能になり、先端部においてカメラが衝突すること無しに角度の位置決めをするために十分な内部空間を許容する。
いくつかの実施形態によれば、前方向き及び側方向きのカメラのすべてを、先端部162をその丈に沿って2つの等しい部分に「分割する」、同一(仮想)面に位置付ける。いくつかの実施形態によれば、側方向きカメラのそれぞれは、前方向きカメラに対して垂直である。
本明細書の一態様では、前方向き及び側方向きのビュー素子の視野が重複する。重複する領域を最大化し(かつこの重複によって覆われていない領域として定義される死角を最小化し)、これらの視野の交点の位置をできる限り内視鏡の先端に近付けさせるように、これらの視野を構成することができる。
ある実施形態では、前方観察ビュー素子に対して3ミリメートルから100ミリメートルの間の範囲の被写界深度にわたり、また第1の側方ビュー素子に対して3ミリメートルから100ミリメートルの間の範囲の被写界深度にわたり、視野が重複又は交差する領域が発生する。別の実施形態では、前方観察ビュー素子に対して最小被写界深度から最大被写界深度の間の範囲の被写界深度にわたり、また第1の側方ビュー素子に対して最小被写界深度から最大被写界深度の間の範囲の被写界深度にわたり、視野が重複又は交差する領域が発生する。
別の実施形態では、前方観察ビュー素子に対して3ミリメートルから100ミリメートルの間の範囲の被写界深度にわたり、また2つの側方ビュー素子のそれぞれに対して3ミリメートルから100ミリメートルの間の範囲の被写界深度にわたり、視野が重複又は交差する領域が発生する。別の実施形態では、前方観察ビュー素子に対して最小被写界深度から最大被写界深度の間の範囲の被写界深度にわたり、また側方ビュー素子のそれぞれに対して最小被写界深度から最大被写界深度の間の範囲の被写界深度にわたり、視野が重複又は交差する領域が発生する。
一実施形態では、前方観察ビュー素子及び側方観察ビュー素子がそれぞれ、前方観察ビュー素子で定義される平面及び側方観察ビュー素子で定義される平面から測定して、120 °から180 °の範囲の視界を生み出す。一実施形態では、前方ビュー素子及び側方ビュー素子の当該角度範囲が重複する。
一実施形態では、内視鏡の先端、第1のビュー素子、第2のビュー素子又は第3のビュー素子から15ミリメートル以下の距離で、第1のビュー素子の視野が、第2及び/又は第3のビュー素子の視野と交差する。当該距離が15ミリメートル未満(例えば14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3又は2ミリメートル)であることが好ましい。
図2A及び2Bはそれぞれ1つ及び2つの、前方/サービス作業チャンネルを備える、様々な実施形態に従うマルチビュー素子内視鏡アセンブリ100の先端部200の分解図を表す。いくつかの実施形態の態様は、1つ以上の側方の作業/サービスチャンネルを備える先端部200を有する内視鏡アセンブリ100に関するものでもある。
当業者は、先端部の利用可能なスペースは、先端部内に収納できる画像撮像デバイスの総数及び/又は相対姿勢に対して制約を課すことを理解するであろう。さらに、各ビュー素子、及び関連する支持電子回路は、電力を熱の形で消費する。そのように、許容できる先端部の作業温度と、先端部から患者の身体への許容される熱放散率とは、先端部で稼動するビュー素子の総数に対して更に別の制約を課す。またさらに、各ビュー素子は、一般的に専用のビデオケーブルを使用して、撮像チャンネルを通じて画像データを出力する。その上、各ビュー素子は、適切な動作のために、内視鏡に沿ったワイヤによって更に伝達される専用の制御信号を要求することができる。このように、ビュー素子の数は、内視鏡内に含むことができる配線の総量によっても制限されることがある。またさらに、一般にワイヤとケーブルとの間の電子干渉は内視鏡に沿ったかかるワイヤの数と共に増加して、信号の品質及び完全性に悪影響を及ぼす。
本明細書の内視鏡アセンブリの先端部の様々な実施形態では特に、上述した制約又は制限に対処している。それに応じて、一実施形態では、図2A及び2Bの内視鏡100の先端部200は、先端カバー300と、電子回路基板アセンブリ400と、流体チャネリング要素600とを備えることができる。
いくつかの実施形態に従って、流体チャネリング要素600を電子回路基板アセンブリ400から分離した要素として構成することができる。この構造は、流体チャンネル、少なくとも1つの側方サービスチャンネル(側方サービスチャンネル650等)、及び少なくとも1つの前方作業/サービスチャンネル(作業/サービスチャンネル640等)を、電子回路基板アセンブリ400の領域に配置することができる敏感な電子部品及び光学部品から分離するように適合される。これらのチャンネルは、流体チャネリング要素600内に位置付けられる。このように、先端部200の要素の構成は、複数の電子素子を、複数の流体チャンネルから効果的に絶縁することを可能にする。
いくつかの実施形態によれば、軟性電子回路基板ホルダーを構成するために金属を使用することが、電気伝導率及び伝熱目的のために重要である。本明細書の実施形態に従う軟性電子回路基板ホルダー(図19の軟性電子回路基板ホルダー500等)は、先端部に配置される電子要素の一部又は全部(特に、側方若しくは前方LED等の照明)に対するヒートシンクとして使用されることができ、内視鏡先端部全体の温度を減少させることができる。このことは、特にLED照明を用いるときに、内視鏡先端部及び/又は内視鏡先端部の任意の要素の、温度上昇の主要な課題を、解決し又は少なくとも軽減させることができる。
いくつかの実施形態によれば、先端部に存在するビュー素子及び任意に他の素子(複数の照明又は光源、1つ以上の前方及び/若しくは側方作業/サービスチャンネル、1つ以上の前方及び側方噴出チャンネル、側方流体インジェクタ、並びに/又は電子回路基板アセンブリ等)を、先端カバー300と、電子回路基板アセンブリ400と、流体チャネリング要素600とを備える3つの部品要素構造体に独自にモジュール化し、有益な効果をもたらしたまま、先端部内の最低限の必要なスペースに適合するように収納する。
図2Aを参照して、いくつかの実施形態によれば、先端部200は、前方パネル320の中心を通る縦軸線と当該中心を通る横軸線とで決定される、4つの象限を有する前方パネル320を備える。当該4つの象限には、左上、右上、左下及び右下の象限がある。
様々な実施形態において、前方光学レンズアセンブリ256に対する透明な面、窓又は開口部を前方パネル320に位置付ける。様々な実施形態において、第1の前方照明240b用の、第1の前方光学窓242bを、前方パネル320の、少なくとも部分的には右下の象限内かつ少なくとも部分的には左下の象限内に位置付ける。様々な実施形態において、第2の前方照明240a用の、第2の前方光学窓242aを、前方パネル320の、少なくとも部分的には左下の象限内に位置付ける。様々な実施形態において、第3の前方照明240c用の、第3の前方光学窓242cを、前方パネル320の、少なくとも部分的には右下の象限内に位置付ける。
様々な実施形態において、作業チャンネル640用の、前方作業チャンネル開口部340を、前方パネル320に、上記縦軸線に沿って、少なくとも部分的には左上の象限内かつ少なくとも部分的には右上の象限内に位置付ける。様々な実施形態において、流体インジェクタチャンネル646用の、流体インジェクタ開口部346を、前方パネル320の、少なくとも部分的には右上の象限内に位置付ける。様々な実施形態において、噴出チャンネル644用の、噴出チャンネル開口部344を、前方パネル320の、少なくとも部分的には左上の象限内に位置付ける。
これから図2Aを、図3A及び3Bと共に参照する。図3A及び3Bは、一実施形態に従う内視鏡アセンブリの流体チャネリング要素600の斜視図を表す。いくつかの実施形態によれば、流体チャネリング要素600は、基本的に円柱形状とすることができる手元側流体チャネリング部602(又はベース)と、一体型先端側チャネリング部604(又は長尺ハウジング)とを備えることができる。先端側流体チャネリング部604は、手元側流体チャネリング部602の円柱形状に部分的に連続することができ、部分的な円柱形状とする(任意に部分的な長尺円柱形状とする)ことができる。先端側流体チャネリング部604を、(円柱の高さ又は長さ軸線に沿う)円柱の断片のみとすることができる。他の(円柱の高さ又は長さ軸線に沿う)円柱の断片は欠けている。言い換えれば、様々な実施形態において、手元側流体チャネリング部602は、先端側流体チャネリング部604よりも広い幅を持つ。先端側流体チャネリング部604を、手元側流体チャネリング部602と一塊として一体的に形成することができる。先端側流体チャネリング部604の高さ又は長さを、手元側流体チャネリング部602の高さ又は長さよりも高く又は長くすることができる。先端側流体チャネリング部604を備える実施形態において、部分的な円柱(例えば、高さ軸線の一方側に沿った円柱形状の断片のみを有する、部分的な円柱)の形状によって、電子回路基板アセンブリ400を収容できるスペースを作り出すことができる(図2A)。
先端側流体チャネリング部604は、作業チャンネル640を含むことができる。作業チャンネル640を、(例えば、結腸内に発見された興味対象物の試料又は当該対象物全体を、生検のために、除去、処置及び/又は抽出するための)処置具を挿入するために構成することができる。
先端側流体チャネリング部604は、体腔(結腸等)の壁を洗浄するため、及び任意に吸引のために、流体(水又は生理食塩水等)の高圧噴出をもたらすために構成することができる流体噴出チャンネル644を更に備えることができる。先端側流体チャネリング部604は、インジェクタチャンネル646を更に備えることができる。流体(液体及び/又は気体)を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、前方観察ビュー素子116(図2A)の前方光学レンズアセンブリ256(図2A)の表面から洗い流すために、インジェクタチャンネル646を用いることができる。流体チャネリング要素600の手元側流体チャネリング部602は、側方インジェクタ開口部266に接続できる側方インジェクタチャンネル666を含むことができる(図2A)。
ある実施形態では、流体チャネリング要素600は、流体多岐管を備え、また側方サービスチャンネル開口部350を有する側方サービスチャンネル650を含むことができる(図2A)。側方サービスチャンネル650は、手元部652、湾曲部654及び先端部656を含み、流体チャネリング要素600内に配置される。
側方サービスチャンネル650の手元部652は基本的に、内視鏡の長さ方向沿いに向いている。
側方サービスチャンネル650の湾曲部654は、手元部652及び先端部656を接続するように構成され、先端部656を流体チャネリング要素600の側部に向かって(基本的には90 °に又は鈍角に)湾曲させる。
なお、いくつかの実施形態によれば、湾曲部(湾曲部654等)は、手元部652と先端部656との間で鋭角をなすように構成されることができる。
内視鏡の操作者が、処理具(図示せず)を挿入して、興味対象物の試料又は当該対象物全体を、生検のために、除去、処置及び/又は抽出できるように、側方サービスチャンネル650を構成できる。
有利には、側方サービスチャンネル650は、より大きなフレキシビリティを内視鏡の操作者にもたらすとともに、作業チャンネル640を通って挿入できる処置具に加えて、追加的な処置具を挿入できる。
これから図2Aを、図4A、4B及び4Cと共に参照する。図4A、4B及び4Cは、別の実施形態に従う内視鏡アセンブリの流体チャネリング要素700の斜視図を表す。流体チャネリング要素700は、体腔(結腸等)の壁を洗浄するため、及び任意に吸引のために、流体(水又は生理食塩水等)の高圧噴出をもたらすために構成することができる流体噴出チャンネル744を備える。要素700は、インジェクタチャンネル746を更に備えることができる。流体(液体及び/又は気体)を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、前方観察ビュー素子116(図2A)の前方光学レンズアセンブリ256(図2A)の表面から洗い流すために、インジェクタチャンネル746を用いることができる。
いくつかの実施形態によれば、流体チャネリング要素700は、基本的に円柱形状とすることができる手元側流体チャネリング部702(又はベース)と、一体型先端側チャネリング部704(又は長尺ハウジング)とを備えることができる。先端側流体チャネリング部704は、手元側流体チャネリング部702の円柱形状に部分的に連続することができ、部分的な円柱形状とする(任意に部分的な長尺円柱形状とする)ことができる。先端側流体チャネリング部704を、(円柱の高さ又は長さ軸線に沿う)円柱の断片のみとすることができる。他の(円柱の高さ又は長さ軸線に沿う)円柱の断片は欠けている。言い換えれば、様々な実施形態において、手元側流体チャネリング部702は、先端側流体チャネリング部704よりも広い幅を持つ。先端側流体チャネリング部704を、手元側流体チャネリング部702と一塊として一体的に形成することができる。先端側流体チャネリング部704の高さ又は長さを、手元側流体チャネリング部702の高さ又は長さよりも高く又は長くすることができる。先端側流体チャネリング部704を備える実施形態において、部分的な円柱(例えば、高さ軸線の一方側に沿った円柱形状の断片のみを有する、部分的な円柱)の形状によって、電子回路基板アセンブリ400を収容できるスペースを作り出すことができる(図2A)。
いくつかの実施形態によれば、流体チャネリング要素700は、流体多岐管を備え、また2つの側方サービスチャンネル開口部758a及び758bを有する側方サービスチャンネル750を含むことができる。様々な実施形態において、側方サービスチャンネル開口部758a及び758bは、内視鏡の長手方向軸線に対して5 °から90 °の範囲の出口角を有する。ある実施形態では、側方サービスチャンネル開口部758a及び758bは、内視鏡の長手方向軸線に対して45 °の出口角を有する。
側方サービスチャンネル750は、流体チャネリング要素700内に配置されることができ、手元部752、分流部754、及び2つの先端部756a及び756bを含むことができる。
側方サービスチャンネル750の手元部752は、基本的に内視鏡の長手沿いに向くことができ、手元側流体チャネリング部702の底部及び中央に位置付けられることができる。
手元部752を2つの先端部756a及び756bへ分流させて、先端部756a及び756bを基本的に流体チャネリング要素700の両側に向けるように、側方サービスチャンネル750の分流部754を構成することができる。
様々な実施形態において、先端部756a及び756bは、内視鏡の長手に対して、異なる角度で曲がっている。ある実施形態において、先端部756a及び756bは、内視鏡の長手に対して、鋭角で曲がっている。別の実施形態において、先端部756a及び756bは、内視鏡の長手に対して、45 °から60 °の範囲の角度で曲がっている。別の実施形態において、先端部756a及び756bは、内視鏡の長手に対して、90 °の角度で曲がっている。別の実施形態において、先端部756a及び756bは、内視鏡の長手に対して、鈍角で曲がっている。更に別の実施形態において、先端部756a及び756bは、内視鏡の長手に対して、120 °から135 °の範囲の角度で曲がっている。
内視鏡の操作者が、処理具(図示せず)を挿入して、興味対象物の試料又は当該対象物全体を、生検のために、除去、処置及び/又は抽出できるように、側方サービスチャンネル750を構成できる。
有利には、側方サービスチャンネル750は、より大きなフレキシビリティを内視鏡の操作者にもたらすとともに、作業チャンネル740を通って挿入できる処置具に加えて、追加的な処置具を挿入できる。
内視鏡の前方パネル320(図2A)を通して、いくつかの興味対象物を見ることができ、及び/又はアクセスすることができる。一方で、側方観察ビュー素子116b(図2A)を通していくつかの興味対象物を更に見ることができ、及び/又は、内視鏡の側方サービスチャンネル750を通していくつかの興味対象物にアクセスすることができる。したがって、側方サービスチャンネル750は、先端部200を興味対象物へ向ける必要性を低減させることができる。さらに、側方サービスチャンネル750によって、内視鏡の操作者が興味対象物にアクセスできるとともに、側方観察ビュー素子116b及び(図2Bにおいてビュー素子116bの反対側に存在する)側方観察ビュー素子116cのひとつにより、興味対象物が依然として可視的なままで、外科手術ができるようになり得る。
図3A、3B、4A、4B及び4Cを参照して、様々な実施形態において、側方サービスチャンネル650又は750に挿入された処置具を、前記サービスチャンネル650又は750の先端部の屈曲度合いによって、内視鏡の長手に対して様々な角度で内視鏡から出すことができる。ある実施形態では、処置具が、内視鏡の長手に対して鋭角に、内視鏡から出る。別の実施形態では、処置具が、内視鏡の長手に対して45 °から60 °の範囲の角度で、内視鏡から出る。別の実施形態では、処置具が、内視鏡の長手に対して90 °の角度で、内視鏡から出る。別の実施形態では、処置具が、内視鏡の長さ方向に対して鈍角に、内視鏡から出る。更に別の実施形態では、処置具が、内視鏡の長さ方向に対して120 °から135 °の範囲の角度で、内視鏡から出る。
これから図5A及び5Bを参照する。図5A及び5Bは、別の実施形態に従う内視鏡アセンブリの流体チャネリング要素815の斜視図を示す。
いくつかの実施形態によれば、流体チャネリング要素815は、基本的に円柱形状とすることができる手元側流体チャネリング部802(又はベース)と、一体型先端側チャネリング部804(又は長尺ハウジング)とを備えることができる。先端側流体チャネリング部804は、手元側流体チャネリング部802の円柱形状に部分的に連続することができ、部分的な円柱形状とする(任意に部分的な長尺円柱形状とする)ことができる。先端側流体チャネリング部804を、(円柱の高さ又は長さ軸線に沿う)円柱の断片のみとすることができる。他の(円柱の高さ又は長さ軸線に沿う)円柱の断片は欠けている。言い換えれば、様々な実施形態において、手元側流体チャネリング部802は、先端側流体チャネリング部804よりも広い幅を持つ。先端側流体チャネリング部804を、手元側流体チャネリング部802と一塊として一体的に形成することができる。先端側流体チャネリング部804の高さ又は長さを、手元側流体チャネリング部802の高さ又は長さよりも高く又は長くすることができる。先端側流体チャネリング部804を備える実施形態において、部分的な円柱(例えば、高さ軸線の一方側に沿った円柱形状の断片のみを有する、部分的な円柱)の形状によって、電子回路基板アセンブリ400を収容できるスペースを作り出すことができる(図2A)。
流体チャネリング要素815は、対応する2つの側方サービスチャンネル開口部805a及び806bに至る、2つの側方サービスチャンネル810a及び810bを、内視鏡の先端部(図61Aの先端部200等)の両側に備える。したがって、2つの独立し区別できる側方サービスチャンネル810a及び810bが流体チャネリング要素815に配置され、流体チャネリング要素815の各側に対して1つの側方サービスチャンネルが配置される。側方サービスチャンネル810a及び810bは、内視鏡の長手沿いを向いた手元部812と、流体チャネリング要素815の各側へ曲がる先端部813とを含む。様々な実施形態において、2つの側方サービスチャンネル810a及び810bの手元部812は、手元側流体チャネリング部802の底部を通って延在する。ある実施形態では、先端部813は、内視鏡の長手を基準にして鋭角に曲がっている。一実施形態では、先端部813は内視鏡の長手に対して、5 °から90 °の範囲で、先端部813で任意の増加量で、曲がっている。しかしながら、先端部813は内視鏡の長手に対して45 °で曲がることが好ましい。
本明細書のいくつかの実施形態によれば、前方ビュー素子及び1つ以上の側方ビュー素子と、前方作業/サービスチャンネルとに加えて、医療用器材(処置具等)を挿入するために構成される第2の前方作業/サービスチャンネルを(内視鏡の先端部に)含む内視鏡(大腸内視鏡等)が提供される。この医療用器材は任意に、上述した前方作業/サービスチャンネルから挿入される医療用器材とは異なるものとする。
これから図2Bを、図6A、6B及び6Cと共に参照する。図6A、6B及び6Cは、別の実施形態に従う内視鏡アセンブリ100の流体チャネリング要素600の斜視図を表す。
いくつかの実施形態によれば、流体チャネリング要素600を、電子回路基板アセンブリ400から分離した要素として構成することができる(図2B)。この構造は、流体チャネリング要素600に配置された、流体チャンネル640b及び作業チャンネル640aを、電子回路基板アセンブリ400の領域に配置することができる敏感な電子部品及び光学部品から分離するように適合される(図2B)。
いくつかの実施形態によれば、流体チャネリング要素600は、基本的に円柱形状とすることができる手元側流体チャネリング部602と、一番目の先端側チャネリング部604aと、二番目の先端側チャネリング部604bとを備えることができる。一番目の先端側流体チャネリング部604a及び二番目の先端側チャネリング部604bは、手元側流体チャネリング部602の円柱形状に部分的に連続することができ、部分的な円柱形状とする(任意に部分的な長尺円柱形状とする)ことができる。一番目の先端側流体チャネリング部604a及び二番目の先端側チャネリング部604bは、(円柱の高さ軸線に沿う)円柱の2つの平行な断片のみを形成することができる。第3の(円柱の高さ軸線に沿う)円柱の断片は欠けている。一番目の先端側流体チャネリング部604a及び二番目の先端側チャネリング部604bを、手元側流体チャネリング部602と一塊として一体的に形成することができる。一番目の先端側流体チャネリング部604a及び二番目の先端側チャネリング部604bの高さを、手元側流体チャネリング部602の高さよりも高くすることができる。一番目の先端側流体チャネリング部604a及び二番目の先端側チャネリング部604bは、部分的な円柱(例えば、高さ軸線の一方側に沿った円柱形状の断片のみを有する、部分的な円柱)形状を有することができ、電子回路基板アセンブリ400を収容できるスペースを作り出す(図2B)。
手元側流体チャネリング部602は、先端部200(図2B)を内視鏡のシャフト(図示せず)に固定するために構成できる、一体化ねじナット606a及び606bを含むことができる。
一番目の先端側流体チャネリング部604aは、作業チャンネル開口部340aを有する作業チャンネル640aを含むことができる。作業チャンネル640aを、(例えば、結腸内に発見された興味対象物の試料又は当該対象物全体を、生検のために、除去、処置及び/又は抽出するための)医療用器材(処置具等)を挿入するために構成することができる。
作業チャンネル640aを、内視鏡の長手に沿った一番目の先端側チャネリング部604a内に配置され、一番目の先端側流体チャネリング部604aと平行に設置された、基本的に円柱状のチャンネルとして形成することができる。
一旦興味対象物を検出すると、内視鏡の操作者は、1つ以上の医療用器材を挿入して、ポリープの試料又は当該ポリープ全体を、生検のために、除去、処置及び/又は抽出することを望むことがある。したがって、内視鏡の操作者が複数の医療用器材を使用できることは有益となり得る。
有利には、作業チャンネル640aに類似させることができるとともに、医療用器材を挿入するために構成できる、作業チャンネル開口部340bを有する第2の作業チャンネル640bを、二番目の先端側チャネリング部604bは含むことができる。例えばこの医療用器材は作業チャンネル640aを通して挿入できる医療用器材とは異なるものであるが、必ずしもそうであるとは限らない。操作者は、例えばポリープの位置によって、自分が医療用器材を挿入したい作業チャンネルを選択することもできる。
第2の作業チャンネル640bを、内視鏡の長手に沿った二番目の先端側チャネリング部604b内に配置され、二番目の先端側流体チャネリング部604bと平行に設置された、基本的に円柱状のチャンネルとして形成することができる。他の構造も可能である。第1及び第2の作業チャンネルを、形状及びサイズの点で、同一とすることも相違させることもできる。
内視鏡(特に大腸内視鏡)の性能を向上させるように第2の作業チャンネル640bを構成することができる。現在の大腸内視鏡は典型的に、大腸内視鏡の前方手元部で開いている、1つの作業チャンネルを有する。かかる前方作業チャンネルは、処置具を挿入するために適合する。医師は、この1つのチャンネルを通じて、すべての必要な医療行為(生検、ポリープ除去及び他の行為等)を行うことを要求されている。
第2の作業チャンネル(第2の作業チャンネル640b等)は、より大きなフレキシビリティを内視鏡の操作者にもたらすとともに、作業チャンネル640aを通って挿入できる医療用器材に加えて(又はこれに代えて)、医療用器材を挿入できるようにする。
このことにより、内視鏡の性能を著しく向上させることができ、内視鏡の操作者は2つの医療用器材を用いてより複雑な医療行為を行うことができる。第2作業チャンネル640bは、内視鏡の操作者による興味対象物へのアクセスをより改善させることができるとともに、前方向きビュー素子116a(図2B)によって処置を眺めながら同時に行う、医療用器材の操作に関してより大きなフレキシビリティを内視鏡の操作者をもたらすことができる。このことは、内視鏡の性能を相当向上させる。さらに、医療行為のために、2つの前方作業チャンネルを同時に使用することができる。かかる行為の例には、2つのチャンネルから2つの器材を使用してより容易に実施できる、スティッチングを要求する手術を含めることができる。
2つの作業チャンネルを同時に使用する別の例には、結腸の洗浄を含めることができる。患者の結腸が十分に清潔ではないことを医師が発見したときに、通常問題が存在している。このような場合には、医師は、結腸の部分を、先端部の前方部分から出る「噴射」を用いて洗浄しようとすることがあり、そして悪い状況の場合には、医師は患者を帰宅させ予約を再調整せざるを得ない。本明細書の実施形態によれば、洗浄するために2つのチャンネルを同時に使用することができる。例えば、洗浄液(水、又は空気を含んだ水等)を、ある作業チャンネルを通じて挿入して、第2の作業チャンネルから吸引することができる。これにより、結腸が清潔でないために大腸内視鏡検査の効率が低くなる問題を解決又は軽減し得る、洗浄行為を改善することができる。
さらに、本明細書の実施形態に従う大腸内視鏡を用いて行う大腸内視鏡検査は、大腸内視鏡検査の前に患者自身が現在行う、洗浄行為の必要性を抑えることができる。
先端流体チャネリング部604aは、体腔(結腸等)の壁を洗浄するため、及び任意に吸引のために、流体(水又は生理食塩水等)の高圧噴出をもたらすために構成することができる流体噴出チャンネル644を更に備えることができる。先端側流体チャネリング部604aは、インジェクタチャンネル646のインジェクタチャンネル経路647を更に備えることができる。(空気及び水のような)2つの流体を混合させるためにインジェクタチャンネル経路647を用いることができ、インジェクタチャンネル経路647は、流体の混合物をインジェクタチャンネル646内へ運ぶことができる。インジェクタチャンネル646を、流体の混合物を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、前方向きビュー素子116a(図2B)の前方光学レンズアセンブリ256a(図2B)の表面から洗い流すように構成することができる。
流体チャネリング要素600の手元側流体チャネリング部602は、側方インジェクタチャネル666a及び666bを含むことができる。側方インジェクタチャネル666a及び666bをそれぞれ、第1の側方インジェクタ開口部266a及び第2の側方インジェクタ開口部(図2Bでは見えないが、開口部266の反対側に存在する)に接続することができる。
別の実施形態では、本明細書は、第1の前方作業/サービスチャンネルにごく接近して、第2の前方作業/サービスチャンネルを含む内視鏡を提供する。一実施形態では、2つの前方作業/サービスチャンネルの間の距離は、0.40ミリメートルから0.45ミリメートルの間の範囲である。ある実施形態では、特定の処置(腫瘍又はポリープの処置等)のために同時に操作できる医療用器材を挿入するために、2つの前方作業/サービスチャンネルを構成することができる。別の実施形態では、前方作業/サービスチャンネルの一方又は両方を、手技の間に吸引できるように適合させることができる。
図7は、本明細書の実施形態に従い、流体チャネリング要素又は多岐管645を表す、内視鏡アセンブリの先端部の斜視図を示す。いくつかの実施形態によれば、流体チャネリング要素又は多岐管645は、実質的に円柱形状である、手元側流体チャネリング部、端部又は基部702と、一番目の先端側チャネリング部又はケーシング704とを含む。いくつかの実施形態に従って、流体チャネリング要素又は多岐管645は、L字型である。一番目の先端側流体チャネリング部又はケーシング704は、手元側流体チャネリング部又は端部702の円柱形状に部分的に連続するとともに、部分的な円柱形状(任意に長尺の部分的な円柱形状)を有する。一番目の先端側流体チャネリング部又はケーシング704は、(円柱の高さ軸線に沿う)円柱の断片を形成し、(円柱の高さ軸線に沿う)円柱の他の断片は欠けている。一番目の先端側流体チャネリング部又はケーシング704は、手元側流体チャネリング部又は基部702と一塊として一体的に形成され、基部702から外側へ延在する。一番目の先端側流体チャネリング部又はケーシング704の、“y”軸線に沿う、高さ又は幅は、手元側流体チャネリング部又は基部702の高さ又は幅よりも小さい。ケーシング704の“x”軸線に沿う長さは、基部702の長さよりも長い。
図示したように、流体チャネリング要素又は多岐管645は、流体噴出チャンネル644と、インジェクタチャンネル経路647と、第1の前方作業/サービスチャンネル648と、第2の前方作業/サービスチャンネル649とを有する、先端側端部321を備える。4つのチャンネル644、647、648及び649のそれぞれは、互いに流体的に分離し、基部又は手元側端部702から先端側端部321へ延在する。また、4つのチャンネル644、647、648及び649のそれぞれは、手元側端部702から先端側端部321までの長さにわたり実質的に均一又は一定のままである直径を有する。一実施形態では、第1の前方作業/サービスチャンネル648の直径は、3.6ミリメートルから4.0ミリメートルの範囲であり、第2の前方作業/サービスチャンネル649の直径は、2.6ミリメートルから3.0ミリメートルの範囲である。別の実施形態では、第1の前方作業/サービスチャンネル340aの直径は、3.4ミリメートルから4.2ミリメートルの範囲であり、第2の前方作業/サービスチャンネル340bの直径は、2.4ミリメートルから3.2ミリメートルの範囲である。一実施形態では、第1の前方作業/サービスチャンネル648及び第2の前方作業/サービスチャンネル649の直径はそれぞれ、3.8ミリメートル及び2.8ミリメートルである。
図2Aに類似する、いくつかの実施形態によれば、図7に描写される流体チャネリング要素645の前方パネル320は、前方パネル320の中心を通る縦軸線と当該中心を通る横軸線とで決定される、4つの象限を含む。当該4つの象限には、左上、右上、左下及び右下の象限がある。様々な実施形態において、第1の前方作業/サービスチャンネル648は、実質的に前方パネル320の右上の象限内に位置付けられる出口ポートを含み、第2の前方作業/サービスチャンネル649は、実質的に前方パネル320の左上の象限内に位置付けられる出口ポートを含む。
2つの前方作業/サービスチャンネルを設けることにより、内視鏡の性能を著しく向上させることができ、内視鏡の操作者は2つの処置具を用いてより複雑な医療行為を行うことができる。第2の作業/サービスチャンネルは、内視鏡の操作者による興味対象物へのアクセスをより改善させることができるとともに、前方向きビュー素子によって処置を眺めながら同時に行う、医療用器材の操作に関してより大きなフレキシビリティを内視鏡の操作者をもたらすことができる。このことは内視鏡の性能を相当向上させる。さらに、医療行為のために、2つの前方作業/サービスチャンネルを同時に使用することができる。かかる行為の例は、2つのチャンネルから2つの器材を使用してより容易に実施できる、スティッチングを要求する手術を含む。
2つの作業/サービスチャンネルを同時に用いる別の例は、結腸の洗浄を含む。患者の結腸が十分に清潔ではないことを医師が発見したときに、通常問題が存在している。このような場合には、医師は、結腸の部分を、先端部の前方部分から出る「噴射」を用いて洗浄しようとすることがある。しかしながら、前方の噴出口で結腸を洗浄できない場合には、医師は患者を帰宅させ予約を再調整せざるを得ない。本明細書の実施形態によれば、洗浄するために2つのチャンネルを同時に使用することができる。例えば、洗浄液(水、又は空気を含んだ水等)を、あるサービスチャンネルを通じて挿入して、第2のサービスチャンネルから吸引することができる。これにより、結腸が清潔でないために大腸内視鏡検査の効率が低くなる問題を解決又は軽減し得る、洗浄行為を改善することができる。
さらに、本明細書の実施形態に従う大腸内視鏡を用いて行う大腸内視鏡検査は、大腸内視鏡検査の前に患者自身が現在行う、洗浄行為の必要性を取り除くことができる。
さらに、本明細書の実施形態に従う胃内視鏡を用いて行う胃内視鏡検査は、胃内視鏡検査の前に患者自身が現在行う、洗浄行為の必要性を取り除くことができる。
一実施形態では、前方光学アセンブリを備える大腸内視鏡に、2つの前方作業/サービスチャンネルと、2つの光学アセンブリを設ける。別の実施形態では、前方光学アセンブリと一つの側方光学アセンブリとを備える胃内視鏡に、2つの前方作業/サービスチャンネルを設ける。
本明細書のいくつかの実施形態に従って、マルチビュー素子内視鏡の先端部を設ける。当該先端部は、ガス注入法及び/又は洗浄法(以下省略して“I/I”とする)のために流体を導くように適合される一体型流体チャネリング要素を備え、当該一体型流体チャネリング要素は、流体チューブを受け入れるように適合される手元側開口部を含み、当該手元側開口部は、一実施形態に従って、前方流体チャンネルと側方流体チャンネルとに流体連通する。
図8は、現在の明細書の例示的な実施形態に従う内視鏡の先端部の内側部分の手元側等角図を概略的に描写し、先端部の内側部分の様々なチャンネルの入口を表す。
先端部の内側部分890は、先端部内に配置されて、内視鏡の先端部の要素(インジェクタ364、366a及び366b、ビュー素子、レンズ並びに他の素子等)を定位置に留めるために使用されることができる。内側部分890上に、(図8には図示されていない)カバーを設置する。カバーを設置した後、いくつかの要素(例えば、インジェクタ364、366a及び366b、並びに任意に側方ビュー素子256b)を取付けることができる。
先端部の内側部分890は、いくつかの部分を備えることができる。描写した実施形態(図9A及び9Bも参照)において、先端部の内側部分890は、一体型流体チャネリング要素190と、中央部192と、前方部194とを備える。一体型流体チャネリング要素190を、金属又は任意の他の材料(ポリマー、複合材料若しくは他の任意の適切な材料、又はこれらの材料の組み合わせ)で製造することができる。いくつかの実施形態によれば、一体型流体チャネリング要素190は一般的に、手元側流体チャネリング要素部190aと、先端側流体チャネリング要素部190bとの2つの部分を含むことができる。手元側流体チャネリング要素部190aを、基本的に円柱形状とすることができる。先端側一体型流体チャネリング要素部190bを、手元側流体チャネリング要素部190aの円柱形状に、部分的に連続させることができる。先端側一体型流体チャネリング要素部190bを、円柱の(円柱の高さ軸線に沿う)断片のみを有する、円柱形状の一部(任意に長尺の円柱形状の一部)とすることができ、(円柱の高さ軸線に沿う)他の円柱の断片は欠けている。
先端側流体チャネリング要素部190bを、手元側流体チャネリング要素部190aと一塊として一体的に形成することができる。先端側流体チャネリング要素部190bの高さを、手元側流体チャネリング部190aの高さよりも高くすることができる。先端側流体チャネリング要素部190bを備える実施形態において、部分的な円柱(例えば、高さ軸線の一方側に沿った円柱形状の断片のみを有する、部分的な円柱)の形状によって、中央部192を収容できるスペースを作り出すことができる。中央部192は、電子要素並びに光学要素(例えば、LED等の光源手段、ビュー素子(例えばCCD又はCMOS)、レンズ、及び他の素子)を備えることができる。したがって、先端部の内側部分890のこの構造を、流体チャネリング要素190に配置される、流体チャンネル及び作業チャンネルを、中央部192に配置される位置付ける敏感な電子部品及び光学部品から分離するように適合することができる。
一体型流体チャネリング要素190の手元側表面191上に、噴出チャンネルの手元側開口部につながる、流体噴出チャンネルの手元側開口部144が存在する。流体チューブ(単純化するため図8には図示しない)を、流体噴出チャンネルの先端側開口部に挿入して、先端側開口部に貼着することができる。流体噴出チューブを軟性シャフトに通して、体腔へ流体を運ぶために使用する。
一体型流体チャネリング要素190の手元側表面191上に、作業チャンネルの手元側開口部340(図9B)につながる、作業チャンネルの手元側開口部165が存在する。作業チャンネルのチューブ/器材を、作業チャンネルの先端側開口部165に挿入して、任意に先端側開口部165に貼着することができる。作業チャンネルを軟性シャフトに装着して、体腔へ処置具を運ぶために使用する。作業チャンネルを、体腔から流体を吸引するために使用することもできる。
一体型流体チャネリング要素190の手元側表面191上に、電気ケーブルのための電気ケーブル開口部150が存在する。電気ケーブルを、その先端側端部で、内視鏡の先端部内の電子要素(カメラ等)及び光源と接続する。電気ケーブルを軟性シャフトに通して、電力及び命令信号を先端部へ伝え、ユーザに対して表示するビデオ信号をカメラから伝達するために使用する。
一体型流体チャネリング要素190の手元側表面191上に、ガスチューブ892及び液体チューブ893のための、手元側I/Iチューブ開口部891が存在する(図9A参照)。ガスチューブ及び液体チューブを、洗浄液をI/Iインジェクタ364、366a及び366bへ運ぶI/Iチャンネル多岐管の手元側開口部110に挿入して手元側開口部110に貼着することができる。ガスチューブ及び液体チューブ(ガスチューブ892及び液体チューブ893等)を、軟性シャフトに通すことができる。ガスチューブ及び液体チューブを、内視鏡の先端部の光学表面を洗浄するとともに体腔を膨張させるための、流体(気体及び/又は液体)をI/Iインジェクタ364、366a及び366bへ運ぶために用いることができる。ガスチューブ及び液体チューブ(ガスチューブ892及び液体チューブ893等)を一本のチューブに結合して、一本のチューブとして先端部と接続することもできる。
当然のことながら、内視鏡の先端部の寸法を小さく保つことは重要である。センサ、レンズ、電気ケーブル、少なくとも1つの作業チャンネル及び複数の流体チャンネルは、内視鏡の先端部の狭い領域に存在する。各流体チューブがそれぞれの目的地を向く技術の内視鏡とは対照的に、本明細書の実施形態は、洗浄液及び気体を複数のI/Iインジェクタへ供給する、I/Iチャンネル多岐管を提供する。
図8が一般に一体型流体チャネリング要素190を描写し、その手元側表面191を表すのに対し、以下の図は、現在の明細書の範囲全体に含まれる実施形態に従う、I/Iチャンネル多岐管と本体(円柱等)とのいくつかの特定の例示的な実施形態を描写する。
図9Aは、現在の明細書の第1の例示的な実施形態に従い、一体型流体チャネリング要素894の内部へのI/Iチャンネル多岐管を有する、内視鏡の部分的に分解された先端部230aを概略的に描写する。
カバー196aは、(先端部の)内側部分890a上に適合するように設計され、内側部分内の内部要素を保護するように設計される。カバー196aの穴164’、340’、344’、242a’、336’、242b’、256b’、252b’及び166b’はそれぞれ、内側部品890aの対応する要素及びチャンネル開口部164、165、144、242a、336、242b、256b、252b及び366bに位置合わせされる。カバー196aの任意的な溝370bは、インジェクタ366bからの洗浄流体を到達できるようにして、側方観察ビュー素子の前面252bを洗浄する。この図には表れていないが、内側部分100aの他方側に、対応する要素及びチャンネル開口部にそれぞれ位置合わせされた、カバー196aの溝及び穴が存在する。
カバー196aを内側部分890a上に適合させ取付けた後、インジェクタ364、366b及び366aをそれぞれ、一体型流体チャネリング要素894の、対応する前方開口部164、第1の側方開口部166b及び反対側の側方開口部に、カバー196aの対応する前方穴164’、第1の側方穴166b’及び反対側の穴を通して、挿入することができる。好ましくは、使用後内視鏡を洗浄するために、インジェクタ364、366a及び366bを対応する開口部から取り外し可能にする。任意に、インジェクタ364、366a及び366bを交換式又は使い捨てとすることができる。任意に、特に一体型流体チャネリング要素及びノズルが金属製である場合に、ノズル(ノズル348又は任意の他のノズル等、図2A及び2B参照)を、一体型流体チャネリング要素(一体型流体チャネリング要素894等)の、開口部内の(例えばプラスチックの)絶縁部に挿入して、電気的絶縁を改善することができる。
現在の明細書の第1の例示的な実施形態では、前方開口部164、第1の側方開口部166b及び反対側の開口部を、一体型流体チャネリング要素894のI/I多岐管チャンネルを通して、ガスチューブ892及び液体チューブ893用の手元側開口部891と接続する。先端側開口部344’は、体腔(結腸等)の壁を洗浄するため、及び任意に吸引のために、流体(水又は生理食塩水等)の高圧噴出をもたらすために使用できる流体噴出チャンネルの開口部である。
図9Bは、現在の明細書の第1の例示的な実施形態に従う、一体型流体チャネリング要素894の内部へのI/Iチャンネル多岐管を有する内側部分890aの等角断面を概略的に描写する。
描写した実施形態では、ガスチューブ892及び液体チューブ893を、手元側開口部891に適合するように構成されるプラグ109で終端処理する。注目すべきは、ガスチューブ892が液体チューブ893の上に見えるが、これらの順番を逆転させることができ、ガスチューブ及び液体チューブを並べて位置付けることができ、ガスチューブ892及び液体チューブ893を単一のチューブに置き換えることができ、又は、ガスチューブ及び液体チューブを内側部分890aに入る前に一本のチューブに結合することができる。あるいは、ガスチューブ892及び液体チューブ893のそれぞれを、一体型流体チャネリング要素894に別個に接続して、これらのチューブの内腔が共通の導管に開かれている。
ガスチューブ892及び液体チューブ893用の手元側開口部891は、I/Iチャンネル多岐管に開かれている。この断面図は、前方インジェクタ364が挿入される前方開口部164へつながる前方チャンネル171に開かれた手元側開口部891を表す。いくつかの実施形態によれば、一体型流体チャネリング要素894に、(前方流体チャンネルとも呼ぶことができる)前方チャンネル171を穿設することができる。注目すべきは、一体型流体チャネリング要素894、及び内側部分890aの他の部分を、機械加工することができ、又は鋳造、焼結、射出若しくは他の製造技術によって製造することができる。
現在の明細書の第1の例示的な実施形態に従い、一体型流体チャネリング要素894の内部へのI/Iチャンネル多岐管を有する、一体型流体チャネリング要素894の等角断面図を概略的に描写する、図9Cをこれから参照する。また、現在の明細書の第1の例示的な実施形態に従い、一体型流体チャネリング要素894の内部へのI/Iチャンネル多岐管を有する、一体型流体チャネリング要素894を表す、内側部分890aの別の等角断面図を概略的に描写する、図9Dをこれから参照する。
この図において、I/Iチャンネル多岐管に開かれている、ガスチューブ892及び液体チューブ893用の手元側開口部891が見える。この断面図は、左方インジェクタ366aが挿入される左方開口部166aと、右方インジェクタ366bが挿入される右方開口部166bとへつながる、(側方流体チャンネル又は側方チャンネルとも呼ぶことができる)横断チャンネル172に開かれた手元側開口部891を表す。
いくつかの実施形態によれば、一体型流体チャネリング要素894に横断チャンネル172を穿設することができる。
現在の明細書の第1の例示的な実施形態によれば、気体チューブ892及び液体チューブ893用の手元側開口部891は、一体型流体チャネリング要素894内の、I/Iチャンネル多岐管に直接開かれている。一体型流体チャネリング要素894は、
a)手元側開口部891に接続され、右方インジェクタ366bが挿入される、右方開口部166bと、
b)手元側開口部891に接続され、前方インジェクタ364が挿入される前方開口部164へつながる前方チャンネル171(図9B参照)と、
c)手元側開口部891と接続され、左方インジェクタ366aが挿入される左方開口部166aに開かれる横断チャンネル172と、を備える。
図10Aは、現在の明細書の第2の例示的な実施形態に従う、一体型流体チャネリング要素894bの部分的に内部且つ部分的に外部へのI/Iチャンネル多岐管を有する内視鏡の部分的に分解した先端部230bの等角図を概略的に描写する。
図9Aから9Dに描写される第1の実施形態と対比して、図10Aから10Cに描写される実施形態では、一体型流体チャネリング要素894bの溝472を通して洗浄流体を左方インジェクタ366aへ供給する。溝472は、穴474によって手元側開口部891の一方側と接続され、この図ではほとんど見されない左方開口部166aに開かれている。
カバー196bは、内側部分890b上に適合するように設計され、内側部分890b内の内部要素を保護するように設計される。また、カバー196bは、きつく適合するとともに、好ましくは溝472を密封して、溝472を流体密封の導管へ変形させる。
図10Bは、現在の明細書の第2の例示的な実施形態に従う、一体型流体チャネリング要素894bの部分的に内部且つ部分的に外部へのI/Iチャンネル多岐管を有する、内視鏡先端部の内側部分890bの等角図を概略的に描写する。
図10Cは、現在の明細書の第2の例示的な実施形態に従う、一体型流体チャネリング要素894bの等角断面図を概略的に描写する。
現在の明細書の第2の例示的な実施形態によれば、I/Iチャンネル多岐管に開かれる、ガスチューブ892及び液体チューブ893用の手元側開口部891がこの図に見える。I/Iチャンネル多岐管は、
a)手元側開口部891に接続され、右方インジェクタ366bが挿入される、右方開口部166bと、
b)前方インジェクタ364が挿入される前方開口部164に接続される、前方チャンネル171と、
c)左方インジェクタ366a(図10A参照)が挿入される左方開口部166a(図10A参照)に開かれる溝472に接続される穴474と、
を備える。
図11Aは、現在の明細書の第3の例示的な実施形態に従う、一体型流体チャネリング要素894cの部分的に内部且つ部分的に外部へのI/Iチャンネル多岐管を有する、内視鏡の部分的に分解した先端部230cの等角面を概略的に描写する。
図9Aから9Dに描写される第1の実施形態と対比して、図11Aから11Dに描写される実施形態では、一体型流体チャネリング要素894cの溝572を通して流体(液体及び/又は気体)を左方インジェクタ366bへ供給する。しかしながら、図10Aから10Cに描写される第2の実施形態と対比して、溝572は、右側で右側開口部166bに接続され、左側でこの図ではほとんど見られない左方開口部166aに開かれている。
カバー196cは、内側部分890c上に適合するように設計され、内側部分890cの内側要素を保護するように設計される。また、カバー196cは、きつく適合するとともに、好ましくは溝572を密封して、溝572を流体密封の導管へ変形させる。
図11Bは、現在の明細書の第3の例示的な実施形態に従う、一体型流体チャネリング要素894cの部分的に内部且つ部分的に外部へのI/Iチャンネル多岐管を有する、内視鏡先端部の内側部分890cの等角面を概略的に描写する。
注目すべきは、一体型流体チャネリング要素894cの表面上の溝572の位置と、溝572の深さ及び形状とを相違させることができることである。
図11Cは、現在の明細書の第3の例示的な実施形態に従う、一体型流体チャネリング要素894cの等角断面図を概略的に描写する。
この図において、右方開口部166bと、右方開口部166bを通って左方の開口部166aにつながる溝572とに開かれる、ガスチューブ892及び液体チューブ893用の手元側開口部891が見える。
図11Dは、現在の明細書の第3の例示的な実施形態に従う、一体型流体チャネリング要素894cの別の等角断面図を概略的に描写する。
この図において、右方開口部166bと、右方開口部166を通ってI/I多岐管とに開かれる、ガスチューブ892及び液体チューブ893用の手元側開口部891が見える。I/I多岐管は、
a)手元側開口部891に接続され、右方インジェクタ366bが挿入される、右方開口部166bと、
b)手元側開口部891に接続され、前方インジェクタ364が挿入される前方開口部164につながる、前方チャンネル171と、
c)洗浄流体を右方開口部166bから受け入れ、左方インジェクタ366aが挿入される左方開口部166a(図11C参照)に開かれる、溝572と、
を備える。
図12Aは、現在の明細書の第4の例示的な実施形態に従う、一体型流体チャネリング要素894dの外部へのI/Iチャンネル多岐管を有する、内視鏡の組立てられた先端部230dの等角断面図を概略的に描写する。
図11Aから11Dに描写される第3の実施形態に類似して、溝672は、右側で右側開口部166bに接続され、左側で左方開口部166a(図12C参照)に開かれる。
しかしながら、図9Aから9Dに描写される第1の実施形態、図10Aから10Cに描写される第2の実施形態、図11Aから11Dに描写される第3の実施形態のそれぞれと対比して、図12Aから12Cに描写される実施形態では、一体型流体チャネリング要素894dの前方溝671を通して流体を前方インジェクタ364へ供給する。前方溝671は、その手元側端部で溝672に開かれ、その先端側端部で前方開口部164に開かれる。
カバー196dは、内側部分890d上に適合するように設計され、内側部分890dの内側要素を保護するように設計される。また、カバー196dは、きつく適合するとともに、好ましくは溝671及び672を密閉して、溝671及び672を流体密封の導管へ変形させる。
図12Bは、現在の明細書の第4の例示的な実施形態に従う、一体型流体チャネリング要素894dの外部へのI/Iチャンネル多岐管を有する、内視鏡先端部の内側部分890dの等角図を概略的に描写する。
注目すべきは、一体型流体チャネリング要素894dの表面上の溝671及び672の位置と、溝671及び672の深さ及び形状とを相違させることができることである。例えば、いずれかの溝の位置を、完全に又は部分的にカバーの内部とすることができる(例えばカバーの壁の中とする)。
図12Cは、現在の明細書の第4の例示的な実施形態に従う、一体型流体チャネリング要素894dの等角断面図を概略的に描写する。
この図において、右方開口部166bと、右方開口部166bを通って左方の開口部166aにつながる溝672とに開かれる、ガスチューブ892及び液体チューブ893用の手元側開口部891が見える。この図では、溝672と前方溝671との交差も見られる。
現在の明細書の第4の実施形態によれば、ガスチューブ892及び液体チューブ893用の手元側開口部891が、右方開口部166bと、右方開口部166を通ってI/I多岐管とに開かれる。I/I多岐管は、
a)手元側開口部891に接続され、右方インジェクタ366bが挿入される、右方開口部166bと、
b)I/I流体を右方開口部166bから受け入れ、左方インジェクタ366aが挿入される左方開口部166aに開かれる、溝672と、
c)I/I流体を溝672から受け入れ、前方インジェクタ364(図12A及び12B参照)が挿入される前方開口部164(図12A参照)と接続される、前方溝671と、
を備える。
図13Aは、現在の明細書の第5の例示的な実施形態に従う、一体型流体チャネリング要素894eの部分的に外部へのI/Iチャンネル多岐管を有する、内視鏡の組立てられた先端部230eの等角図を概略的に描写する。
明瞭化するため、カバー196dを部分的に透明に描いて内側部分890eを表す。
図10Aから10Cに描写される第2の実施形態に類似して、溝772は、穴774によって手元側開口部891(図13D参照)に接続され、左側で左方開口部166a(図13C参照)に開かれる。
図12Aから12Cに描写される第4の実施形態と類似して、一体型流体チャネリング要素894eの前方溝771を通して洗浄流体を前方インジェクタ364へ供給する。
前方溝771は、その手元側端部で溝772に開かれ、その先端側端部で前方開口部164(図13D参照)に開かれる。
カバー196eは、内側部分890e上に適合するように設計され、内側部分890eの内側要素を保護するように設計される。また、カバー196eは、きつく適合するとともに、好ましくは溝771及び772を密閉して、溝771及び772を流体密封の導管へ変形させる。
図13Bは、現在の明細書の第5の例示的な実施形態に従う、一体型流体チャネリング要素894eの部分的に外部へのI/Iチャンネル多岐管を有する、内視鏡先端部の内側部分890eの等角図を概略的に描写する。
注目すべきは、一体型流体チャネリング要素190dの表面上の溝771及び772の位置と、溝771及び772の深さ及び形状とを相違させることができることである。
図13Cは、現在の明細書の第5の例示的な実施形態に従う、一体型流体チャネリング要素894eの部分的に外部へのI/Iチャンネル多岐管を有する、内視鏡先端部の内側部分890eの別の等角図を概略的に描写する。
この実施形態は、溝772の、左方開口部166a(図13D参照)との接続を描写する。
図13Dは、現在の明細書の第5の例示的な実施形態に従う、内視鏡先端部230eの等角断面図を概略的に描写する。
この図には、右方開口部166bに開かれる、ガスチューブ892及び液体チューブ893用の手元側開口部891が見える。この図では、手元側開口部891を前方溝771へ接続する穴774も見られ、前方溝771の前方開口部164への接続も見られる。
現在の明細書の第5の実施形態によれば、ガスチューブ892及び液体チューブ893用の手元側開口部891が、右方開口部166bと、穴774を通ってI/I多岐管とに開かれる。I/I多岐管は、
a)手元側開口部891に接続され、右方インジェクタ366bが挿入される、右方開口部166bと、
b)手元側開口部891と接続される穴774を通して流体を受け入れ、左方インジェクタ366a(図13Aから13C参照)が挿入される左方開口部166a(図13C参照)に開かれる溝772(図13Aから13C参照)と、
c)穴774からI/I流体を受け入れ、前方インジェクタ364bが挿入される前方開口部164と接続される前方溝771と、
を備える。
図14Aは、現在の明細書の第6の例示的な実施形態に従う、内側部分890fの一体型流体チャネリング要素894fの外部へのI/Iチャンネル多岐管を有する、内視鏡の組立てられた先端部230fの等角図を概略的に描写する。
図12Aから12Cに描写される第4の実施形態に類似して、一体型流体チャネリング要素894fの溝872は、右側で右側開口部166bに接続され、左側で左方開口部166aに開かれる。
図12Aから12Cに描写される第4の実施形態と類似して、前方溝871は、その手元側端部で溝872と接続する。
しかしながら、第4の実施形態と対比して、洗浄流体は、溝871及び872を手元側開口部891と接続する、穴874を通して溝871及び872へ供給される。
カバー196fは、内側部分890f上に適合するように設計され、内側部分890fの内側要素を保護するように設計される。また、カバー196fは、きつく適合するとともに、好ましくは溝871及び872を密閉して、溝871及び872を流体密封の導管へ変形させる。
図14Bは、現在の明細書の第6の例示的な実施形態に従う、内側部分890fの一体型流体チャネリング要素894fの外部へのI/Iチャンネル多岐管を有する、内視鏡の部分的に分解された先端部230fの等角図を概略的に描写する。
注目すべきは、一体型流体チャネリング要素894dの表面上の溝871及び872の位置と、溝871及び872の深さ及び形状とを相違させることができることである。
現在の明細書の第6の実施形態によれば、ガスチューブ892及び液体チューブ893用の手元側開口部891(図14A参照)は、穴874と接続され、穴874を通ってI/I多岐管と接続されている。I/I多岐管は、
a)手元側開口部891から穴874を通して洗浄流体を受け入れ、右方インジェクタ366bが挿入される右方開口部166bと接続される、溝872と、
b)左方インジェクタ366aが挿入される左方開口部と接続される、同じ溝872と、
c)溝872からI/I流体を受け入れ、前方インジェクタ364が挿入される前方開口部と接続される、前方溝871と、
を備える。
注目すべきは、任意に、I/Iインジェクタ366aと、I/Iインジェクタ366bと、必要に応じてI/Iインジェクタ364も、同一の交換可能な挿入物として構成することができる。
内視鏡先端部の内側部分の主要部の手元側等角図を概略的に描写する図15Aをこれから参照する。内視鏡先端部は、現在の明細書の例示的な実施形態に従い、現在の明細書の例示的な実施形態に準じた、図15Aの主要部の等角断面図を概略的に描写する、図15Bに従う。
内視鏡(大腸内視鏡等)の先端部の内側部分の一体型流体チャネリング要素990を、先端部内に配置するように構成する。一体型流体チャネリング要素990を、流体チャネル、作業チャンネル及び任意にケーブルチャンネル/凹部を収容するために使用することができる。また一体型流体チャネリング要素990を、要素(管/チューブ及びインジェクタ等)を定位置に留めるために使用することができる。例えば図8の説明と同じような方法で、流体チャネリング要素990を、先端部の内側部分の一部とすることができる。
いくつかの実施形態によれば、流体チャネリング要素990は一般的に、手元側チャネリング要素部990’と、先端側流体チャネリング要素部990’’との2つの部分を含むことができる。手元側流体チャネリング要素部990’は基本的に、円柱形状とすることができる。先端側流体チャネリング要素部990’’を、手元側流体チャネリング要素部990’の円柱形状に、部分的に連続させることができる。先端側流体チャネリング要素部990’’を、円柱の(円柱の高さ軸線に沿う)断片のみを有する、円柱形状の一部(任意に長尺の円柱形状の一部)とすることができ、(円柱の高さ軸線に沿う)他の円柱の断片は欠けている。先端側流体チャネリング要素部990’’を、手元側流体チャネリング要素部990’と一塊として一体的に形成することができる。先端側流体チャネリング要素部990’’の高さを、手元側流体チャネリング要素部990’の高さよりも高くすることができる。先端側流体チャネリング部990’’を備える実施形態において、部分的な円柱(例えば、高さ軸線の一方側に沿った円柱形状の断片のみを有する、部分的な円柱)の形状によって、中央部(図示せず)を収容できるスペースを作り出すことができる。
流体チャネリング要素990の手元側表面991上に、噴出チャンネル(図示せず)の手元側開口部につながる、流体噴出チャンネルの手元側開口部944が存在する。軟性シャフトを通して流体噴出チューブを挿入することができる。流体噴出チューブを、洗浄目的で、流体を体腔へ運ぶために使用することができ、任意に体腔から流体を吸引するために使用することができる。
一体型流体チャネリング要素990の手元側表面991上に、作業チャンネルの手元側開口部(図示せず)につながる、作業チャンネルの手元側開口部965が存在する。
一体型流体チャネリング要素990は、手元側表面991から手元側流体チャネリング要素部990’の丈に沿って延在する溝950を含む。電気ケーブルを案内する(そして任意に定位置に留める)ように溝950を適合させる。電気ケーブルは、その先端側端部で、内視鏡の先端部の電子要素(例えば、カメラ等のビュー素子)及び/又は光源と接続でき、電力及び/若しくはコマンド信号を先端部へ供給することができ、並びに/又は、ユーザに対して表示されるビデオ信号をカメラから伝達することができる。この実施形態によれば、電気ケーブルを、手元側流体チャネリング要素部990’を通して装着する(これによって複雑となることがある)必要がなくなり、むしろ溝950内に単純に設置して、溝950によって保持することができる。
一体型流体チャネリング要素990の手元側表面991上に、I/Iチューブ手元側開口部、つまり前方手元側開口部910と、右側方手元側開口部911と、左側方手元側開口部913とが存在する。前方手元側開口部910、右側方手元側開口部911、及び左側方手元側開口部はそれぞれ、前方チャンネル970(図15B参照)、右側方チャンネル及び左側方チャンネルにつながる。前方チャンネル970は、前方手元側チャンネル910から、手元側流体チャネリング要素部990’及び先端側流体チャネリング要素部990’’を通って前方開口部960へ延在する。左側方チャンネル973は、右方手元側開口部913から、手元側流体チャネリング要素部990’を通って左方開口部963へ延在する。左側方の配置と同様に、右側方チャンネルは、右方手元側開口部911から、手元側流体チャネリング要素部990’を通って右方開口部へ延在する。
前方チャンネル970は、2つの部分、つまり(手元側流体チャネリング要素部990’を通って延在する)手元部分970と、(先端側流体チャネリング要素部990’’を通って延在する)先端部分970’’とを含むことができる。前方チャンネル970の手元部分970’は、前方手元側開口部910を通して、流体(液体及び/又は気体)を前方チャンネル970へ移送するように構成されるチューブ980(図15Cに示す)を受け入れるように適合される。チューブ980を任意の位置で(例えば接合点981で)、チューブ980の丈に沿って2つのチューブに分割することができ、一方のチューブは気体を移送するように適合されることができ、他方のチューブは液体(水等)を移送するように適合されることができる。
左側方チャンネル973は、その手元側部分で、左側方手元側開口部913を通して、流体(液体及び/又は気体)を左側方チャンネル973へ移送するように構成されるチューブ982(図15Cに示す)を受け入れるように適合することができる。チューブ982を、任意の位置で(例えば接合点983で)、チューブ982の丈に沿って2つのチューブに分割することができ、一方のチューブは気体を移送するように適合されることができ、他方のチューブは液体(水等)を移送するように適合されることができる。
右側方チャンネルは、その手元側部分で、右側方手元側開口部911を通して、流体(液体及び/又は気体)を右側方チャンネルへ移送するように構成されるチューブ984(図15Cに示す)を受け入れるように適合することができる。チューブ984を、任意の位置で(例えば接合点985で)、チューブ984の丈に沿って2つのチューブに分割することができ、一方のチューブは気体を移送するように適合されることができ、他方のチューブは液体(水等)を移送するように適合されることができる。
したがって、内視鏡医は、どの流体(ガス、液体又はこれらの両方)にI/Iチャンネルを通過させたいかを決定することができる。この流体を、本明細書で言及するように、洗浄目的及び/又はガス注入目的のために使用できる。
図15Cは、現在の明細書の例示的な実施形態に従う、図15Aの主要部と接続する液体チューブ及びガスチューブを有する、主要部の手元側等角図を概略的に描写する。
再度図2Aを参照して、電子回路基板アセンブリ400を、前方観察ビュー素子116と、第1の側方観察ビュー素子と、第2の側方ビュー素子116bとを担持するように構成することができる。第1の側方観察ビュー素子と、第2の側方ビュー素子116bとは、前方観察ビュー素子116と類似することができ、電荷結合素子(CCD)撮像センサ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像センサを備えることができる。
電子回路基板アセンブリ400を、前方観察ビュー素子116に関連させることができるとともに基本的に前方観察ビュー素子116の視野を照射するように位置付けることができる、前方照明240a、240b、240cを担持するように構成することができる。
さらに、電子回路基板アセンブリ400を、側方観察ビュー素子116bに関連させることができるとともに基本的に側方観察ビュー素子116bの視野を照射するように位置付けることができる、側方照明250a、250bを担持するように構成することができる。電子回路基板アセンブリ400を、反対側の側方観察ビュー素子に関連させることができるとともに、側方照明250a及び250bと類似させることができる、側方照明を担持するように構成することもできる。
前方照明240a、240b、240c及び側方照明250a、250bは、任意に個別の照明であることができ、発光ダイオード(LED)を備えることができる。LEDは、白色光LED、赤外光LED、近赤外光LED、紫外光LED又は任意の他のLEDとすることができる。
個別の照明に関する、用語「個別の」は、光を内部的に生み出す照明光源を指すことができる。この光源は、例えば遠隔で生み出された光を単に伝達する光ファイバーとすることができる、個別でない照明とは対照的である。
必要な全要素を内視鏡の小さい内部容積に収納することを試みる際に、技術の重要な課題が存在する。3つのビュー素子とそれぞれの照明光源(LED等)とを内視鏡の先端に収納する場合に、この課題は劇的に大きくなる。それ故に、明細書のいくつかの実施形態に従う、少なくとも前方観察ビュー素子と、1つ以上(例えば2つ)の側方観察ビュー素子と、これらそれぞれの照明光源とを、内視鏡の先端部の制限された内部容積の内部に担持し収納するための、軟性の電子回路を提供する。
いくつかの実施形態によれば、軟性の回路基板がとるスペースはより少なくなり、付加的に必要な構成のための容積をより残す。基板の柔軟さにより、要素の位置決めに使用できる更なるスペースの容量を追加する。
明細書の実施形態に従う回路基板を使用することで、要素間を接続するためのワイヤが不要になるため、電気モジュールの回路基板との接続の信頼性を著しく改善させることができる。さらに、いくつかの実施形態によれば、要素アセンブリを、機械加工することができ、また自動化することができる。
明細書の実施形態に従う回路基板を使用することで、ビュー素子頭部(内視鏡の先端部)の組立中に、高いレベルの信頼性を維持したまま、要素(部分)の動き及び操作性を許容することもできる。明細書の実施形態に従う回路基板を使用することで、(先端部の)組立て手順を簡略化することもできる。
いくつかの実施形態によれば、軟性の回路基板はマルチワイヤケーブルを用いて主要制御装置と接続される。このケーブルを、先端部アセンブリ内に更なるスペースを解放し、ケーブルのアクセスに対するフレキシビリティを追加する、指定された位置で基板上に溶接する。マルチワイヤケーブルを電気要素に直接取付けることは大きな挑戦であったが、本明細書の実施形態に従う軟性の基板を使用することによって、この挑戦は軽減される。
図16は、本明細書の実施形態に従う、前方ビューカメラと、2つの側方ビューカメラと、照明光源とを担持する、折り曲げられた軟性の電子回路基板の等角図を概略的に描写する。
図16に折り曲げられた構造で表す、軟性の電子回路基板400は、前方観察ビュー素子116と、基本的に前方観察ビュー素子116の視野(FOV)を照射するように位置付けられるLED240a、240b及び240cと、側方観察ビュー素子116bと、基本的に側方観察ビュー素子116bのFOVを照射するように位置付けられるLED250a及び250bと、側方観察ビュー素子116cと、基本的に側方観察ビュー素子116cのFOVを照射するように位置付けられるLED250a’及び250b’と、を担持するように構成される。
本明細書の実施形態に従う、折り曲げられた軟性電子回路基板と、平坦な軟性電子回路基板の等角図とをそれぞれ概略的に描写する、図17及び18でも見られるように、軟性電子基板400は3つの部分、つまり前方部分1702と、主要部分1704と、後方部分1706とを含む。
軟性電子回路基板1700の前方部402は、第1の前方LED面1708と、第2の前方LED面1710と、下部前方LED面1712とを含む。第1の前方LED面1708と、第2の前方LED面1710と、下部前方LED面1712とは、プリント回路基板(PCB)の層の一体的な部品から形成される平坦面である。第1の前方LED面1708は前方LED240bを担持するように適合され、第2の前方LED面1710は前方LED240aを支持するように適合され、そして下部前方LED面1712は前方LED240cを支持するように適合される。第1の前方LED面1708と、第2の前方LED面1710と、下部前方LED面1712とは、全体として見た場合に弓形の形状であり、この形状は前方観察ビュー素子116を支持するように構成される。
軟性電子回路基板400の前方部分1702は、下部1712を通して主要部分1704と接続される。軟性電子回路基板1700の主要部分1704は、中央部1718と、第1の折り曲げ可能な側方パネル1714と、第2の折り曲げ可能な側方パネル1716とを含む。軟性電子回路基板400が折り曲げられた構造であるときに、第1の折り曲げ可能な側方パネル1714及び第2の折り曲げ可能な側方パネル1716は、上向きに(内視鏡先端部の長さ軸線に向かって)折れる、例えば図17に示すように、主要部分1704の中央部1718に対して約45 °の角度で折れるように構成される。第1の折り曲げ可能な側方パネル1714はアーム部1720も含む。アーム部1720は第1の折り曲げ可能な側方パネル1714から延在し、前方観察ビュー素子116を担持するように適合される前方センサ面1722(カメラ面とも呼ぶことができる)を有する。軟性電子回路基板400が折り曲げられた姿勢である場合に、アーム部1720は主要部分1704の中心部1718に対して基本的に垂直に折り曲げられ、前方センサ面1722は中心部1718及びアーム部1720に対して基本的に垂直に折り曲げられ、前方センサ面1722は前方を向く。この前方センサ面1722は基本的に、第1の前方LED面1708、第2の前方LED面1710、及び下部前方LED面1712と同じ方向を向く。この構造は、前方観察ビュー素子116と、LED240a、240b及び240cとを、同じ方向に向けることを可能にする。
本明細書で上述したように、主要部分1704は、前方部分1702の下部1712と接続される。主要部分1704の反対側の端部で、主要部分1704は、後方部分1706と接続される。
後方部分1706は、後方中央部1724を含む。後方中央部1724は第1の後方アーム部1726と接続され、第1の後方アーム部1726は後方中央部1724の一方側から第2の後方アーム部1728へ延在し、後方アーム部1728は後方中央部1724の他方側から延在する。
第1の後方アーム部1726は、(側方観察ビュー素子116bを担持するように適合される)第1の側方センサ面1730を含む。第2の後方アーム部1728は、(側方観察ビュー素子116cを担持するように適合される)第2の側方センサ面1732を含む。
第1の後方アーム部1726は、側方LED250a及び250bをそれぞれ担持するように適合される、第1の側方LED面1734及び第2の側方LED面1736を更に備える。第2の後方アーム部1728は、側方LED250a’及び250b’をそれぞれ担持するように適合される、第3の側方LED面1738及び第4の側方LED面1740を更に備える。
いくつかの実施形態によれば、(前方観察ビュー素子116を担持するように適合される)前方センサ面1722と、(側方観察ビュー素子116b及び116cをそれぞれ担持するように適合される)第1側方センサ面1730及び第2側方センサ面1732とは、前方LED面及び側方LED面よりも厚い。例えば、センサの溶接ピンが、センサ面を包むとともに、センサの反対側に特定の溶接パッドで溶接されるように、(ビュー素子の)センサを配置するためにセンサ面の厚さを構成することができる。
センサ面を、硬性とすることができ、ビュー素子アセンブリの基礎として使用することができる。センサ面の高さは、センサ導体が、センサ硬性面の反対側の溶接パッドに直接達するように、センサ導体を屈曲させる点で非常に重要である。硬性の基礎は、センサへの及びセンサからの電磁雑音を、電気的に接地フィルタリングし、ひいては信号の完全性を向上させる機能も果たす。
軟性電子回路基板400が折り曲げられた構造であるときに、後方中央部1724は、上向きに、主要部分1704の中央部1718に対して垂直に折れる。第1の側方センサ面1730及び第2の側方センサ面1732は、中央部1718に対して垂直かつ後方中央部1724に対しても垂直に配置される。さらに、第1の側方センサ面1730及び第2の側方センサ面1732は基本的に、これらのセンサ面が、側方観察ビュー素子116b及び側方観察ビュー素子116cを担持するときに、これらのビュー素子が反対側を見るように、互いに平行かつ「背中合わせに」配置される。第1の側方LED面1734及び第2の側方LED面1736は、第1の側方センサ面1730に対して垂直に配置されるとともに、それぞれLED250a及び250bが側方観察ビュー素子116bに近接して配置されるように、これらのLED面の内側で、側方LED250a及び250bを担持するように適合される。第3の側方LED面1738及び第4の側方LED面1740は、第2の側方センサ面1732に対して垂直に配置されるとともに、それぞれLED250a’及び250b’が側方観察ビュー素子116cに近接して配置されるように、これらのLED面の内側で、側方LED250a’及び250b’を担持するように適合される。
本明細書のいくつかの実施形態によれば、軟性電子回路基板400の前方部分1702、主要部分1704及び後方部1706はすべて、一体的な回路基板の層の部品から一体的に形成される。
これから、本明細書の典型的な実施形態に従い、ビュー素子と、照明光源と、軟性電子回路基板のホルダーをと担持する、折り曲げられた軟性電子回路基板の等角図を概略的に描写する(図19は分解図を表す)図19及び20を参照する。
図16に類似して、図19に折り曲げられた構造で表す、軟性電子回路基板400は、前方観察ビュー素子116と、基本的に前方観察ビュー素子116のFOVを照射するように位置付けられるLED240a、240b及び240cと、側方観察ビュー素子116bと、基本的に側方観察ビュー素子116bのFOVを照射するように位置付けられるLED250a及び250bと、側方観察ビュー素子116cと、基本的に側方観察ビュー素子116cのFOVを照射するように位置付けられるLED250a’及び250b’と、を担持するように構成される。
軟性電子回路基板ホルダー500は、軟性電子回路基板400を、所望に折り曲げられた姿勢で保持し、前方観察ビュー素子及び側方観察ビュー素子とこれら素子に対応する照明とを適所に固定するように適合される。図19に示すように、軟性電子回路基板ホルダー500は、硬性材料(真鍮、ステンレス鋼、アルミニウム又は他の任意の材料等)の一体的な部品である。
いくつかの実施形態によれば、軟性電子回路基板ホルダーを構成するために金属を使用することが、電気伝導率及び伝熱目的のために重要である。本明細書の実施形態に従う軟性電子回路基板ホルダ(軟性電子回路基板ホルダ500等)は、先端部に配置される電子要素の一部又は全部(特に、側方若しくは前方LED等の照明)に対するヒートシンクとして使用されることができ、内視鏡先端部全体の温度を減少させることができる。このことは、特にLED照明を用いるときに、内視鏡先端部及び/又は内視鏡先端部の任意の要素の、温度上昇の主要な課題を、解決し又は少なくとも軽減させることができる。
軟性電子回路基板ホルダー500は、第2の側方LED面1736及び第4の側方LED面1740を支持するように適合される背部502を含む。
軟性電子回路基板ホルダー500は、前方部504a及び504bを更に含む。前方部504a及び504bはそれぞれ、第1の前方LED面1708及び第2の前方LED面1710の背面(LEDが取付けられる面に対向する面)を支持する。
軟性電子回路基板ホルダー500は、軟性電子回路基板ホルダー500の両側の2つの側方部506a及び506bを更に含む。側方部506a及び506bのそれぞれは、LED(250a、250b、250a’、250b’)用の2つの小さな開口部と、側方観察ビュー素子116b及び116a用の1つの開口部とを含む。軟性電子回路基板ホルダー500の側方部506a及び506bはそれぞれ、軟性電子回路基板400の、第1の折り曲げ可能な側方パネル1716及び第2の折り曲げ可能な側方パネル1714に当接する。
軟性電子回路基板ホルダー500は、軟性電子回路基板400の最上部分を覆うとともに流体チャネリング要素600(図21に示す)を支持するように構成される、2つの上部508a及び508bを含む最上部分を更に含む(軟性電子回路基板ホルダーの最上部分は1つの上部を含むこともできる)。
これから、現在の明細書の例示的な実施形態に従い、カメラと、照明光源と、軟性電子回路基板のホルダーと、流体チャネリング要素とを担持する、折り曲げられた軟性電子回路基板の等角図を概略的に描写する、図21を参照する。図20は、カメラと、照明光源と、軟性電子回路基板のホルダーとを担持する、折り曲げられた軟性電子回路基板の等角図を概略的に描写する。図21は、図20の構造に、洗浄及びガス注入(I/I)チャンネル、噴出チャンネル及び作業チャンネルを含む、流体チャネリング要素600を追加したものである。流体チャネリング要素600は、軟性電子回路基板400から離れた要素である。この構造は、流体チャネリング要素600に配置される、流体チャンネル及び作業チャンネルを、軟性電子回路基板400の領域に配置される敏感な電子部品及び光学部品から分離するように適合される。
いくつかの実施形態によれば、流体チャネリング要素600(又はいくつかの実施形態によれば一体型流体チャネリング要素)は一般的に、2つの部分、つまり、手元側流体チャネリング要素部690’と、先端型流体チャネリング要素部690’’とを含むことができる。手元側流体チャネリング要素690’を、基本的に円柱形状とすることができる。先端側流体チャネリング要素690’’を、手元側流体チャネリング要素690’の円柱形状に、部分的に連続させることができる。先端側流体チャネリング要素690’’を、円柱の(円流の高さ軸線に沿う)断片のみを有する、円柱形状の一部(任意に長尺の円柱形状の一部)とすることができ、(円柱の高さ軸線に沿う)別の円柱の断片は欠けている。先端側流体要素部690’’を、手元側流体チャネリング要素部690’と一塊として一体的に形成することができる。先端側流体チャネリング要素部690’’の高さを、手元側流体チャネリング要素部690’の高さよりも高くすることができる。先端側流体チャネリング部690’’を備える実施形態において、部分的な円柱(例えば、高さ軸線の一方側に沿った円柱形状の断片のみを有する、部分的な円柱)の形状によって、軟性電子回路基板400及び軟性電子回路基板ホルダー500を収容できるスペースを作り出すことができる。
先端側流体チャネリング部690’’の前面620は、(流体チャネリング要素690内に配置される)作業チャンネルの先端側開口部640を含む。先端側流体チャネリング部690’’の前面620は、体腔(結腸等)の壁を洗浄するため、及び任意に吸引のために、流体(水又は生理食塩水等)の高圧噴出をもたらすために使用できる、流体噴出チャンネルの手元側開口部691を更に含む。先端側流体チャネリング要素部690’’の前面620は、流体(液体及び/又は気体)を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、前方観察ビュー素子116の前方光学レンズアセンブリ256の表面から洗い流すために用いることができる、洗浄及びガス注入(I/I)開口部664を更に含むことができる。
流体チャネリング要素600の手元側流体チャネリング要素部690’は、第1の側方光学レンズアセンブリ256b及び反対側の第2の側方光学レンズアセンブリに狙いを定めたI/I開口部を含む。I/I開口部は、流体(用語「流体」は液体及び/又は気体を含むことができる)を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、第1の側方観察ビュー素子116bの第1の側方光学レンズアセンブリ256bと、反対側の第2の側方観察ビュー素子の第2の側方光学レンズアセンブリとから洗い流すために使用されることができる。いくつかの実施形態によれば、インジェクタは、先端部の素子(任意の光学レンズアセンブリ、光学アセンブリ、窓、LED及び他の素子等)のいずれかを洗浄するための液体を供給することができる。
これから、本明細書の例示的な実施形態に従い、内視鏡の先端部を共に形成する、カメラと、照明光源と、軟性電子回路基板のホルダーと、流体チャネリング要素と、先端カバーとを担持する、折り曲げられた軟性電子回路基板の等角図を概略的に(分解図で)描写する、図22を参照する。
流体チャネリング要素600、軟性電子回路基板400及び軟性電子回路基板ホルダー500を、図20及び21で説明する。先端カバー2200は、先端部2230の内側部分上に適合するように設計され、内側部分内の内部要素を保護するように設計される。
先端カバー2200は、前方観察ビュー素子116の前方光学レンズアセンブリ256に位置合わせされるように構成される穴、透明な面、窓又は開口部2236と、LED240a、240b及び240cの光学窓242a、242b及び242c(例えば図16及び19−22参照)と、作業チャンネルの先端側開口部340と、流体噴出チャンネルの先端側開口部344と、(流体チャネリング要素600のI/I開口部664に位置合わせされる)ノズル348を有するI/Iインジェクタ346と、側方観察ビュー素子の第1の側方光学レンズアセンブリ256b及び反対側の第2の側方光学レンズアセンブリに位置合わせされるように構成される、第1の穴、透明な面、窓又は開口部2256b及び反対側の第2の穴、透明な面、窓又は開口部と、第1側方観察ビュー素子用のLED250a及び250cのための光学窓252a及び252bと、反対側の側方観察ビュー素子用のLEDのための光学窓と、第1のI/I開口部2267b及び反対側の第2の側方I/I開口部に位置合わせされるように適合される、第1の側方穴2266b及び第2の側方穴と、を含む。
別の実施形態では、電子回路基板を折り曲げ可能に構成することができる。有利には、折り曲げ可能な電子回路基板の構造により、薄く小型に設計することができ、内視鏡先端部に追加的な素子を組み込むことを可能とすることで、内視鏡(特に大腸内視鏡)の性能を向上させる。この組み込みとは例えば、内視鏡の先端部に、第2の医療用器材を装着するために使用できる、(図2Aのような)追加的な作業チャンネルを設けることである。
これから、一実施形態に従う、図2Aの内視鏡アセンブリ100の折り曲げ可能な電子回路基板400の分解図を表す、図23A、23B、23C及び23Dを参照する。
いくつかの実施形態によれば、折り曲げ可能な電子回路基板400は、軟性光キャリア基板又はカメラ回路基板440と、軟性LEDキャリア基板又は照明回路基板420と、部分的に取り囲まれたハウジング又は下部回路基板ホルダー460と、前方回路基板ホルダー462とを含む、いくつかの内側部分を有する。
折り曲げ可能な電子回路基板400の内側部分を共に、薄く小型に設計された圧縮構造へ組み立て、接続し、又は取付けるように構成する。
さらに注目すべきは、折り曲げ可能な電子回路基板400の複数の内側部分は、電気的に接続されるとともに、電源及び電気信号源を共有するように構成されることである。
軟性光キャリア基板又はカメラ回路基板440は、前方向きビュー素子116aと、前方向きビュー素子116aと類似させることができるとともに電荷結合素子(CCD)撮像センサ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像センサを備える、2つの側方向きビュー素子116b、116cとを担持する、支持する又は位置付けるように構成される。
いくつかの実施形態によれば、側方向き観察ビュー素子116b及び116cの視野が実質的に反対向きとなるように、側方向きビュー素子116b及び116cを設置する。しかしながら、現在の明細書の一般的な範囲内で、様々な構造及び数の側方向きビュー素子が考えられる。
PCB層の一体的な軟性部品として形成される、軟性LEDキャリア基板又は照明回路基板420は、2つの主要部424a及び424bと、折り曲げ可能な前方パネル422aと、4つの折り曲げ可能な側方パネル422b、422c、422d、422eとを備える。
軟性LEDキャリア基板420が折り曲げられた構造のときに、折り曲げ可能な前方パネル422aと、4つの折り曲げ可能な側方パネル422b、422c、422d、422eとが、下方へ、2つの主要部424a及び424bに対して直角に折れ曲がるように構成する。
前方向きビュー素子116aと関連付けるとともに、基本的に前方向きビュー素子116aの視野を照射するように位置付けられる、前方照明240a、240bを担持するように、折り曲げ可能な前方パネル422aを構成する。
折り曲げ可能な前方パネル422aが折り曲げられた構造のときに、前方パネル422aを主要部424a及び424bに対して直角にして、前方パネル422aを前方(基本的に前方向きビュー素子116aと同じ方向)に向ける。その結果、前方パネル422aは、前方照明240a、240bを前方向きカメラ116aと同じ方向に向けることができ、前方照明240a、240bに基本的に前方向きビュー素子116aの視野を照射させることができる。
側方向きビュー素子116bと関連付けるとともに、基本的に側方向きビュー素子116bの視野を照射するように位置付けられる、側方照明250a及び250bをそれぞれ担持するように、折り曲げ可能な側方パネル422b及び422cを構成する。
折り曲げ可能な側方パネル422b、422cが折り曲げられた構造のときに、折り曲げ可能な側方パネル422b、422cを、主要部424aに対して直角にして、側方パネル422b、422cを横方向(基本的に側方向きビュー素子116bと同じ方向)に向けるように構成する。その結果、側方パネル422b、422cは、側方照明250a、250bを側方向きビュー素子116bと同じ方向に向けることができ、側方照明250a、250bに基本的に側方向きビュー素子116bの視野を照射させることができる。
側方向きビュー素子116cと関連付けるとともに、基本的に側方向きビュー素子116cの視野を照射するように位置付けられる、側方照明260a及び260bをそれぞれ担持するように、折り曲げ可能な側方パネル422d及び422eを構成する。
折り曲げ可能な側方パネル422d、422eが折り曲げられた構造のときに、折り曲げ可能な側方パネル422d、422eを、主要部424bに対して直角にして、側方パネル422d、422eを横方向(基本的に側方向きビュー素子116cと同じ方向)に向けるように構成する。その結果、側方パネル422d、422eは、側方照明260a、260bを側方向きビュー素子116cと同じ方向に向けることができ、側方照明260a、260bに基本的に側方向きビュー素子116cの視野を照射させることができる。
前方照明240a、240b及び側方照明250a、250b、260a、260bは、任意に個別の照明であり、発光ダイオード(LED)を備えることができる。LEDは、白色光LED、赤外光LED、近赤外光LED、紫外光LED又は任意の他のLEDとすることができる。
個別の照明に関係する、用語「個別の」は、光を内部的に生み出す照明光源を指す。この光源は、例えば遠隔で生み出された光を単に伝達する光ファイバーとすることができる、個別でない照明とは対照的である。
軟性LEDキャリア基板420を、所望に折り曲げられた構造で保持及び支持し、側方向きビュー素子116b及び116cとこれら素子に対応する照明とを含む、軟性光キャリア基板又は440を、適所に固定するように、部分的に取り囲まれたハウジング又は下部回路基板ホルダー460を構成する。
部分的に取り囲まれたハウジング460は、硬性材料(真鍮、ステンレス鋼、アルミニウム又は他の任意の材料等)の一体的な部品として形成される、底部462と2つの側方部464a及び464bとを含む。
側方部464a及び464bをそれぞれ、底部462の一方側及び他方側と、垂直に接続する。側方部464a及び464bのそれぞれは、側方向きビュー素子116b及び116cと適合するように構成される開口を有する。
前方回路基板ホルダー462を部分的に取り囲まれたハウジング460と連動して動作するように構成する。前方回路基板ホルダー462は、軟性LEDキャリア基板420を、所望に折り曲げられた構造で保持及び支持するとともに、前方向きカメラ116aとこのカメラに対応する照明とを含む、軟性光キャリア基板440を、適所に固定するように、構成される。
部分的に取り囲まれたハウジング460を、硬性材料(真鍮、ステンレス鋼、アルミニウム又は他の任意の材料等)の一体的な部品として形成する。
部分的に取り囲まれたハウジング460及び前方回路基板ホルダー462を構成するために金属を使用することにより、電気伝導率を向上させて、高い効率で放熱できる。いくつかの実施形態によれば、部分的に取り囲まれたハウジング460及び前方回路基板ホルダー462は、折り曲げ可能な電子回路基板400内に配置された電子要素の一部又は全部(特に、前方照明240a、240b並びに側方照明250a、250b、260a及び260b等の照明)に対するヒートシンクとして機能して、内視鏡先端部全体の温度を減少させる。このことは、特にLED照明を用いるときに、内視鏡先端部及び/又は内視鏡先端部の任意の要素の、温度上昇の主要な課題を、解決し又は少なくとも軽減させることができる。
これから、一実施形態に従う内視鏡アセンブリの軟性光キャリア基板又はカメラ回路基板770の斜視図を表す、図24A、24B及び24Cを参照する。例として、軟性光キャリア基板770は、単一の前方作業チャンネルを含む図2Aの内視鏡アセンブリ100のために構成される。
軟性光キャリア基板770は、軟性光キャリア基板440(図23Aから23D)と類似させることができる。カメラ回路基板770を、前方向きビュー素子116(図2A)と類似させることができるとともに電荷結合素子(CCD)撮像センサ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像センサを備えることができる、前方向きビュー素子716aと、2つの側方向きビュー素子716b、716cとを担持し、支持し又は位置付けるように構成する。
いくつかの実施形態によれば、側方向きカメラ716b及び716cの視野が実質的に対向するように、側方向きカメラ716b及び716cを設置する。しかしながら、現在の明細書の一般的な範囲内で、様々な構造及び数の側方向きカメラが考えられる。
以下で更に説明する、部分的に取り囲まれたハウジング又は回路基板ホルダー780は、図24Cに表すように、軟性光キャリア基板770を保持及び支持する。
これから、一実施形態に従う内視鏡アセンブリの軟性LEDキャリア基板又は照明回路基板720の斜視図を表す、図25を参照する。前に説明したように、内視鏡の先端部分(図2A及び2Bの先端部200等)は、先端側表面320と、先端側表面320から手元側に延在する側方縁362a、362bとを有する。先端側表面320及び側方縁362a、362bは一緒に、先端部分200の内容積を画定する。
再度図25を参照して、PCB層の折り曲げられた一体的な部品として形成される、軟性LEDキャリア基板720は、前方/中央キャリア部又はパネル722aと、中央キャリア部又はパネル722aの第1の端部に取付けられるコネクタ726と、中央キャリア部又はパネル722aの第2の端部に接続される、2つの主要部又は平行なストリップ724a及び724bと、平行なストリップ724a及び724bのそれぞれの部分から突出する4つの折り曲げ可能な突起又は側方パネル722b、722c、722d、722eとを備える。
軟性LEDキャリア基板720が折り曲げられた構造のときに、折り曲げ可能な中央キャリア部又はパネル722aと、4つの折り曲げ可能な側方の突起又はパネル722b、722c、722d、722eとが、下方へ、2つの平行なストリップ又は主要部724a及び724bに対して直角に折れ曲がるように構成する。
前方向きカメラ716a(図24Aから24C)と関連付けられるとともに、基本的に前方向きカメラ716a(図24Aから24C)の視野を照射するように位置付けられる、前方照明740a、740b及び740cを担持するように、折り曲げ可能な中央キャリア部又はパネル722aを構成する。図示される実施形態では、中央キャリア部は、U字型に近似し、第1のアーム722a’と、第2のアーム722a’’とを有する。一実施形態に従って、第1のアーム722a’は、中央キャリア部722aから延在して、中央キャリア部722aを、中央キャリア部722aの第2の端部で、第1のストリップ724aと接続する一方、第2のアーム722a’’は、中央キャリア部722aから延在して、中央キャリア部722aを、中央キャリア部722aの第2の端部で、第2のストリップ724bと接続する。第1のアーム722a’及び第2のアーム722a’’は、第1の照明740a及び第2の照明740bを担持するように構成される。第3の照明740cが、中央キャリア部722aのU字型の基部の区域の中心に取付られる。
図25から26Dを同時に参照して、第1のアーム722a’及び第2のアーム722a’’と一緒の、折り曲げ可能な前方の中央キャリア部又はパネル722aが折り曲げられた構造のときに、前方の中央キャリア部又はパネル722aを2つの平行なストリップ724a及び724bに対して直角にして、前方の中央キャリア部又はパネル722aを前方(基本的に前方向きカメラ716aと同じ方向、図24Aから24C)に向ける。その結果、前方の中央キャリア部又はパネル722aは、前方照明740a、740b及び740cを前方向きカメラ716a(図24Aから24C)と同じ方向に向けることができ、前方照明740a、740b及び740cに基本的に前方向きカメラ716a(図24Aから24C)の視野を照射させることができる。ある実施形態では、第1のアーム722a’及び第2のアーム722a’’と一緒の、中央キャリア部722aが折り曲げられた構造のときに、前方向きカメラ716a(図24Aから24C)を第1の照明740aと第2の照明740bとの間に位置付ける。別の実施形態では、第1の突起722a’及び第2の突起722a’’と一緒の、中央キャリア部722aが折り曲げられた構造のときに、前方向きカメラ716a(図24Aから24C)は、第1の照明740a、第2の照明740b及び第3の照明740cによって取り囲まれる。折り曲げられた構造では、前方向きカメラ及び3つの照明740a、740b及び740cは、(図2A、2Bの内視鏡の先端部分200の)先端側表面320が画定する面内に存在する。
側方向きカメラ716b(図24Aから24C)と関連付けるとともに、基本的に側方向きカメラ716b(図24Aから24C)の視野を照射するように位置付けることができる、側方照明750a、750bをそれぞれ担持するように、折り曲げ可能な側方の突起又はパネル722b、722cを構成する。
折り曲げ可能な側方の突起又はパネル722b、722cが折り曲げられた構造のときに、折り曲げ可能な側方の突起又はパネル722b、722cを、第1のストリップ724aに対して直角にして、側方の突起又はパネル722b、722cを横方向(基本的に側方向きカメラ716bと同じ方向、図24Aから24C)に向けるように構成する。その結果、側方の突起又はパネル722b、722cは、側方照明750a、750bを側方向きカメラ716b(図24Aから24C)と同じ方向に向けることができ、側方照明750a、750bに基本的に側方向きカメラ716b(図24Aから24C)の視野を照射させることができる。ある実施形態では、折り曲げ可能な側方の突起722b、722cが折り曲げられた構造のときに、側方向きカメラ716b(図24Aから24C)を側方照明750aと側方照明750bとの間に位置付ける。折り曲げられた構造では、側方向きカメラ716b及び側方照明750a、750bは、第1の側方縁(図2Bの内視鏡の先端部分200の側方縁362a等)が画定する面内に存在する。
側方向きカメラ716c(図24Aから24C)と関連付けられるとともに、基本的に側方向きカメラ716cの視野を照射するように位置付けられる、側方照明760a、760bをそれぞれ担持するように、折り曲げ可能な側方の突起又はパネル722d、722eを構成する。
折り曲げ可能な側方の突起又はパネル722d、722eが折り曲げられた構造のときに、折り曲げ可能な側方の突起又はパネル722d、722eを、第2のストリップ724bに対して直角にして、側方の突起又はパネル722d、722eを横方向(基本的に側方向きカメラ716cと同じ方向、図24Aから24C)に向けるように構成する。その結果、側方の突起又はパネル722d、722eは、側方照明760a、760bを側方向きカメラ716c(図24Aから24C)と同じ方向に向けることができ、側方照明760a、760bに基本的に側方向きカメラ716c(図24Aから24C)の視野を照射させることができる。ある実施形態では、折り曲げ可能な側方の突起722d、722eが折り曲げられた構造のときに、側方向きカメラ716c(図24Aから24C)を側方照明760aと側方照明760bとの間に位置付ける。折り曲げられた構造では、側方向きカメラ716c及び側方照明760a、760bは、第2の側方縁(図2Bの内視鏡の先端部分200の側方縁362b等)が画定する面内に存在する。
なお、様々な実施形態において、前方/中央キャリア部の数、折り曲げ可能な側方の突起又はパネルの数、並びに前方及び側方照明の関連する数を変えることができる。例えば、ある実施形態では、第1のアーム722a’及び第2のアーム722a’’と一緒の中央キャリア部722aの基部は共に3つの前方照明を担持する。一方で、代替的な実施形態では、第1のアーム及び第2のアームが照明740a、740bを担持するのに対し、中央キャリア部722aの基部は照明を担持しないことがある。したがって、ある実施形態では、第1のアーム722a’及び第2のアーム722a’’と一緒の中央キャリア部722aは共に少なくとも2つの照明を支持する。更に別の実施形態では、第1のアーム722a’及び第2のアーム722a’’と一緒の中央キャリア部722aは共に少なくとも1つの照明を支持する。
前方照明740a、740b、740c並びに側方照明750a、750b、760a及び760bは、任意に個別の照明であることができ、発光ダイオード(LED)を備えることができる。LEDは、白色光LED、赤外光LED、近赤外光LED、紫外光LED又は任意の他のLEDとすることができる。
コネクタ726は、軟性LEDキャリア基板720を部分的に取り囲まれたハウジング780(図26Aから26D)と接続するように構成される。折り曲げられた時点で、2つの平行なストリップ724a、724bは、図26Aから26Dに表すように、中央キャリア部722aから手元側方向へ延在する。
これから、図25を、一実施形態に従う内視鏡アセンブリ800の折り曲げ可能な電子回路基板2600の斜視図を示す、図26A、26B、26C及び26Dと一緒に参照する。
軟性LEDキャリア基板720を、所望に折り曲げられた構造で保持及び支持し、前方向きカメラ716aと側方向きカメラ716b及び716cとこれらカメラに対応する照明を含む、軟性光キャリア基板770を、適所に固定するように、部分的に取り囲まれたハウジング780を構成する。
部分的に取り囲まれたハウジング780を、硬性材料(真鍮、ステンレス鋼、アルミニウム又は他の任意の材料等)の一体的な部品として形成する。
部分的に取り囲まれたハウジング780を構成するために金属を使用することにより、電気伝導率を向上させて、高い効率で放熱できる。いくつかの実施形態によれば、部分的に取り囲まれたハウジング780は、折り曲げ可能な電子回路基板2600内に配置される電子要素の一部又は全部(特に、前方照明740a、740b、740c並びに側方照明750a、750b、760a及び760b等の照明)に対するヒートシンクとして使用されて、内視鏡先端部全体の温度を減少させる。このことは、特にLED照明を用いるときに、内視鏡先端部及び/又は内視鏡先端部の任意の要素の、温度上昇の主要な課題を、解決し又は少なくとも軽減させることができる。
これから、一実施形態に従う、(ある例では図2Aの内視鏡アセンブリ100に類似する)内視鏡アセンブリ800の先端部801の斜視図を表す、図27Aを参照する。
いくつかの実施形態によれば、流体チャネリング要素又は多岐管2700を折り曲げ可能な電子回路基板2600(図26Aから26D)から分離した要素として構成する。この構造は、流体チャネリング要素又は多岐管2700に配置された、流体チャンネル2744(噴出チャンネル)、2764(インジェクタチャンネル)及び作業チャンネル2740aを、折り曲げ可能な電子回路基板の領域に配置される敏感な電子部品及び光学部品から分離するように適合される。この明細書において後で説明される図38J及び38Kも、先端部分3801及び多岐管600の別の斜視図を表す。
いくつかの実施形態によれば、流体チャネリング要素又は多岐管2700は、実質的に円柱形状である手元側流体チャネリング部又は基部2702と、一番目の先端側チャネリング部又はケーシング2704とを備える。一番目の先端側流体チャネリング部又はケーシング2704は、手元側流体チャネリング部又は基部2702の円柱形状に部分的に連続し、部分的な円柱形状(任意に部分的な長尺の円柱形状)を有する。一番目の先端側流体チャネリング部又はケーシング2704は、円筒の(円筒の高さ軸線に沿う)断片を形成し、他の円筒の(円筒の高さ軸線に沿う)断片は欠けている。一番目の先端側流体チャネリング部又はケーシング2704は、手元側流体チャネリング部又はケーシング2702と一塊として一体的に形成され、基部2702から外側に延在する。一番目の先端側流体チャネリング部又はケーシング2704の、“y”軸に沿う、高さ又は幅は、手元側流体チャネリング部又は基部2702の高さ又は幅よりも小さい。ケーシング2704の、“x”軸に沿う長さは、基部2702の長さよりも大きい。一番目の先端側流体チャネリング部又はケーシング2704を備える実施形態において、ケーシング2704は、部分的な円柱形状(例えば、高さ軸線“y”の一方側に沿った円柱形状の断片のみを有する、部分的な円柱形状)をとり、折り曲げ可能な電子回路基板2600(図26Aから26D)を収容できるスペースを作り出す。
したがって、図27Aに表すように、図26Aから26Dの部分的に取り囲まれたハウジング780と結合される多岐管2700は、実質的に円柱状のハウジングを生み出す。
先端側流体チャネリング部又は基部2702は、先端部801を内視鏡のシャフトに固定するために構成される、一体のねじナット2706bを備える。一実施形態に従って、流体チャンネル2744、2764及び作業チャンネル2740aは、基部及びケーシングを通って延在する。
一番目の先端側流体チャネリング部又はケーシング2704は、(例えば、結腸内に発見された興味のある物体の試料又は当該物体全体を、生検のために、除去、処置及び/又は抽出するための)医療用器材(処理具等)を挿入するために構成される、作業チャンネル2740aを含む。
様々な実施形態に従って、流体チャネリング要素又は多岐管(多岐管2700等)を、伝熱目的のために使用する。本明細書の実施形態に従う多岐管(多岐管2700等)は、照明(側方若しくは前方LED)及び/若しくは他の電子要素の一部又は全部のためのヒートシンクとして使用されることができ、内視鏡先端部全体の温度を減少させることができる。このことは、特にLED照明を用いるときに、内視鏡先端部及び/又は内視鏡先端部の任意の要素の、温度上昇の主要な課題を、解決し又は少なくとも軽減させることができる。
図27Bは、流体チャネリング要素又は多岐管2700の一実施形態を表し、流体チャネリング要素又は多岐管2700は、この要素が軟性電子回路基板のホルダーとして機能できるようにする部分も含む。多岐管2700は、第1の前方LED面(図27Aの740a)及び第2の前方LED面(図27Bの740b)の後面(LEDが取付けられる面と反対の面)をそれぞれ支持する、前方部2750(図27Bでは2つの前方部2750a及び2750bから形成して表す)を含む。前方部2750a及び2750bの間には、図27Aの前方観察ビュー素子716を収容でき支持するように構成される円弧形状が形成される。いくつかの実施形態によれば、前方部2750は前面2720から手元側に突出する。噴出チャンネル開口部2744及びインジェクタチャンネル開口部2764も前面2720に見られる。
流体チャネリング要素又は多岐管2700は、流体チャネリング要素2700の両側に、第1の側方部2760及び反対側の第2の側方部を更に備える。側方部のそれぞれは、側面LED(図27Aの一方側の760a、760b、他方側のLEDは図では見えない)用の2つの小さな開口部と、側方観察ビュー素子用の1つの開口部とを含む。
複数の側方部のそれぞれは、第1の側方部2760の図27Aの側方光学レンズアセンブリ716bに狙いを定められたI/Iインジェクタ開口部2766bと、反対側の第2の側方部の類似するI/Iインジェクタ開口部とを更に含む。これら開口部は、流体(用語「流体」は液体及び/又は気体を含むこともできる)を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、側方観察ビュー素子の側方光学レンズアセンブリの少なくとも表面から洗い流すために使用される。いくつかの実施形態によれば、開口部は、先端部の要素(光学アセンブリ、光学レンズアセンブリ、窓、LED及び他の素子等)のいずれかを洗浄するための液体を供給することができる。
複数の側方部のそれぞれは、側方向きビュー要素の光学レンズアセンブリ(図27Aの716b)を支持するように適合されるビュー素子ブリッジを受け止めるように構成される、2つのビュー素子ホルダー(例えば第1の側方部2760のビュー素子ホルダー2730a及び2730b)を更に含む。
図28Aは、流体チャネリング要素と関連する、上方基板及び下方基板(これらを組み合わせて電子回路基板/プリント回路基板を形成する)を示す。噴出口及びノズル開口部を、互いに隣接して設置することができ、又は、作業/サービスチャンネルの両側に設置することができ、本明細書の一実施形態に従う内視鏡の光学アセンブリ及び照明を支持するように適合することができる。図28Aは、図64の内視鏡アセンブリ6400に表される光学アセンブリ及び照明を支持する、上方基板2802及び下方基板2804を示す。前方光学アセンブリは、前方レンズアセンブリ2806及び前方撮像センサを備える。側方光学アセンブリは、側方レンズアセンブリ2814及び側方撮像センサを備える。前方撮像センサのコネクタピン及びコンタクト領域2820を処理(切断を含む)し、屈曲させ、又は折り曲げて、上方基板2802及び下方基板2804へハンダ付けする。側方撮像センサのコネクタピン並びに(それぞれ右側方撮像センサ及び左側方センサ用の)コンタクト領域2822及び2824を屈曲させて、上方基板2802及び下方基板2804へハンダ付けする。上方基板2802及び下方基板2804は、前方及び側方照明を中に設置することができる溝/穴を有する。上方基板2802及び下方基板2804は、3セットの前方照明2808、2810、2812と、それぞれの側方パネル上の2セットの照明2816、2818(図28Aは内視鏡の一方側のパネルのみを示すが、当業者は他方側のパネルがこの一方側のパネルと同等であることを理解するはずである)とを保持する。前方照明2802、2812が上方基板2802と下方基板2804との間に設置される一方、前方照明2810は、前方レンズアセンブリ2808、2812の上方に設置される。2セットの照明2816、2818は、上方基板2802と下方基板2804との間に設置される。
図28Aに示すように、噴出開口部2826及びノズル開口部2824’を、一実施形態に従う先端部の前方パネル上に互いに隣接して位置付けることができる。別の実施形態では、噴出開口部2826及びノズル開口部2824’を、先端部の前方パネル上の作業/サービスチャンネル開口部2822’の両側に位置付けることができる。先端カバーは、内視鏡の先端部及び内視鏡の先端部内の要素を覆う。
図28Bは、本明細書の実施形態に従う図64の内視鏡6400の光学アセンブリ及び照明を支持するように適合される電子回路基板(「プリント回路基板」(PCB)とも呼ばれる)の上方基板2802の上面図を示す。様々な実施形態において、上方基板2802に、前方照明2808、2810、2812のため、第1のセットの側方照明2816、2818のため、及び、内部に設置される第2のセットの側方照明のための溝/穴2832を設ける。図示する実施形態では、下方基板2802が支持するそれぞれの照明のために1つの溝を上方基板2802に設ける。ある実施形態では、全ての照明のための複数の溝2832は同一である一方、別の実施形態では、それぞれの溝を様々なサイズの照明に適合させることができる。例えば、様々なサイズの照明は、白色光、赤外光、紫外光、近赤外光及び他の波長の光を放射するように適合されるLED(発光ダイオード)を備えることができる。
上方基板2802を通る電気ケーブル2850は、ある実施形態では、光学アセンブリから照明及び主要制御ユニットへ情報を伝達する。
図28Cは本明細書の一実施形態に従う図64の内視鏡6400の光学アセンブリ及び照明を支持するように適合される電子回路基板(「プリント回路基板」(PCB)とも呼ばれる)の下方基板2804の底部側面図を示す。様々な実施形態において、下方基板2804に、前方照明2808、2810、2812のため、第1のセットの側方照明2816、2818のため、及び内部に配置される第2のセットの側方照明2816、2818のための溝/穴2834を設ける。図示する実施形態では、下方基板2804が支持するそれぞれの照明のために1つの溝を下方基板2804に設ける。様々な実施形態では、内視鏡の撮像センサのコネクタピン及びコンタクト領域を処理(切断を含む)し、屈曲させ、又は折り曲げて、上方基板2802及び下方基板2804へハンダ付けする。ある実施形態では、全ての照明のための複数の溝2834は同一である一方、別の実施形態では、それぞれの溝を様々なサイズの照明に適合させることができる。例えば、様々なサイズの照明は、白色光、赤外光、紫外光、近赤外光及び他の波長の光を放射するように適合されるLED(発光ダイオード)を備えることができる。
図29Aは、下方基板2904に支持される光学アセンブリ及び照明を、図28Aの上方基板2902を取り除いて示す。一実施形態では、金属フレームを設けて、前方レンズアセンブリ及び側方レンズアセンブリを保持するとともに関連する撮像センサを支持する。図示するように、金属フレーム2905を設けて、前方レンズアセンブリ2906を支持するとともに前方レンズアセンブリ2906に関連する撮像センサ2908を支持する。金属フレーム2910及び2912を設けて、側方レンズアセンブリ2914及び2916をそれぞれ支持するとともに関連する撮像センサ2918及び2920をそれぞれ支持する。一実施形態では、金属フレーム2905、2910及び2912は、内視鏡に組込まれた発光ダイオード(LED)及び撮像センサに対するヒートシンクとしての機能も果たす。様々な実施形態では、金属フレーム2905、2910及び2912は、真鍮、ステンレス鋼、アルミニウム、又は、効果的なヒートシンクとしての機能を果たす熱伝導率とレンズアセンブリ及び関連する撮像センサを適切に位置付け支持する剛性とをもたらす、他の任意の材料から製造される。照明2922は、下方基板2904に設けられた溝/穴(図29Bに示す)によって下方基板2904に取付けられる。
図29Bは、照明2922(図29Aに表す)を取り除いて、図29Aに表すように下方基板2904に支持される光学アセンブリの別の図を示す。下方基板2904は、照明2922(図29Aに表す)を、基礎にした基板2904と結合可能にするための溝2924を含む。
図29Cは、照明2922を取り除いて、図29Bに表すように下方基板2904に支持される光学アセンブリの底面図を示す。図示するように、下方基板2904は、それぞれの撮像コンタクト領域を露出する撮像センサ2908、2918及び2920を支持及び位置付けし、レンズアセンブリ2906、2914及び2916を支持する。溝2924によって、照明2922(図29Aに表す)を基板2904に固定することができる。
図30Aは、本明細書の実施形態に従う、上方基板と下方基板との間に設置された場合のように折り曲げられた姿勢の撮像センサ3002(図29A、29B及び29Cに2908、2918及び2920として表し、図38Fa及び38Fbに3802として表す)を示す。本明細書のある実施形態に従い、図示するように撮像センサ3002は、センサ3002の第1の端部に、第1の複数コネクタピン3012aを備え、センサの反対側の端部に、第2の複数コネクタピン3022aを備える。撮像センサ3002は、一枚のガラス3010を備える内面と、プリント基板又はコンピュータチップ3030を備える外面とを含む。図示するように、撮像センサ3002は、上方基板及び下方基板(図示せず)の面と平行に配置された、折り曲げられた/屈曲した撮像センサの2つの水平コンタクト領域3002a及び3002bを含む。撮像センサ3002が内視鏡内に位置付けられた時点で、第1の複数コネクタピン3012aと、第2の複数コネクタピン3022aと、撮像センサのコンタクト領域3002a、3002bとは、内視鏡の先端部の中心から遠ざかって延びる。
撮像センサの第1水平コンタクト領域3002aは、支持回路基板上に設置されているときに、上方基板及び下方基板の面と平行に調整されるとともに、少なくとも平行な第1の縁3012a及び第2の縁3012bを形成する、第1上面と、反対側の第1底面とを含む。撮像センサの第2水平コンタクト領域3002bは、撮像センサの前記第1水平コンタクト領域3002aと平行に調整され、そしてそこで第2コンタクト領域3002bは、少なくとも平行な第3の縁3022a及び第4の縁3022bを形成する、第2上面と、反対側の第2底面とを含む。第1コンタクト領域の第1の縁3012aは、垂直軸線で、第2コンタクト領域の第3の縁3022aと並ぶとともに、第1コンタクト領域の第2の縁3012bは、垂直軸線で、第2コンタクト領域の第4の縁3022bと並ぶ。
撮像センサ3002は、撮像センサのコンタクト領域3002aと3002bとの間に配置される、第1及び第2の垂直部を更に含む。第1の垂直部は、一実施形態ではガラスから製造される、内側の第1の表面3010を含み、第2の垂直部は、一実施形態ではプリント基板又はコンピュータチップを備える、反対側の外側の第2の表面3030を含む。
撮像センサ3002は、静止画像及び/又はビデオフィードを撮像し、様々な実施形態において電荷結合素子(CCD)撮像センサ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像センサ(図示せず)を備える。撮像センサ3002は内視鏡に組み込まれ、図28Aから28C及び図29Aから29Cに示すように、レンズアセンブリと関連付けられる。一実施形態では、それぞれが図30Aに示すような折り曲げられた姿勢の撮像センサに関連付けられるレンズアセンブリを備える、3セットの光学アセンブリを内視鏡の先端部に取付ける。3セットの光学アセンブリは、前方撮像センサと関連付けられる前方レンズアセンブリと、第1の側方撮像センサと関連付けられる第1の側方レンズアセンブリと、第2の側方撮像センサと関連付けられる第2の側方アセンブリと、を備える。図29Aから29Cに示すように、2つの側面撮像センサは背中合わせで取付けられて、2つのガラス表面3010は、反対方向を向いている。
図30Aに示す実施形態では、撮像センサ3002が上方基板と下方基板(図30Aには表されていない)との間に位置付けられて内視鏡の先端部に取付けられるときに、撮像センサ3002の折り曲げられた姿勢は、内側の第1のガラス表面3010を備えるとともに前方レンズアセンブリに関連付けられる、撮像センサ3002の第1の垂直部に、内視鏡の先端部の中心から遠ざかる方向を向けさせる。撮像センサ3002が図示の折り曲げられた姿勢のときに、反対側の第2のプリント基板又はコンピュータチップの表面3030を含む、第2の垂直部は内視鏡の電気コネクタ端部及び先端部の中心を向く反対方向に面する。撮像センサ3002が内視鏡内に取付けられると、ガラス表面3010は、内視鏡先端部の中央に対して見た場合に外側方向を向く。
図30Bは、撮像センサ3002と連結されるレンズアセンブリ3004を示す。図示するように、レンズアセンブリ3004を撮像センサのコンタクト領域3002aと3002bとの間に位置付けられて、レンズアセンブリ3004の後方部分は、撮像センサ3002の第1の垂直部の第1のガラス表面3010に、接近して結合し、及び/又は接触する。図30Bに表す組立てられた姿勢では、レンズアセンブリ3004の前方部分は外側方向に突出し、レンズアセンブリ3004は撮像センサのコンタクト領域3002a及び3002bにより画定される領域を越えて外側に延在する。それ故に、図30Bに示すように、内視鏡の回路基板上のまさにレンズアセンブリ3004が占有する有効面積は、撮像センサのコンタクト領域3002a及び3002bが占有する領域を越えて外側に延在するレンズアセンブリ3004の部分に限定される。
撮像センサ3002の折り曲げられた姿勢によって、内視鏡の先端部に設置された回路基板上のレンズアセンブリ3004が占めるスペースの長さが減少し、その結果、2つの側方光学アセンブリを、従来技術で使用される撮像センサを折り曲げる方法でなし得たものよりも、互いに近接させて設置することができる。このことは、第1の側方アセンブリと第2の側方アセンブリと(図64に示す第1の側方アセンブリ6406と第2の側方アセンブリ6408等)の間の距離を低減させる。それ故に、図に示すような撮像センサの折り曲がり姿勢に起因して、側方光学アセンブリのそれぞれが内視鏡の回路基板上に占めるスペースは約1.3ミリメートル少なくなり、その結果、内視鏡先端の直径を従来技術と比較して約2.6ミリメートル低減させる。
図30Cは、レンズアセンブリ3004及び関連する撮像センサ3002を支持し保持するように位置付けられる金属フレーム3006を示す。図に表すように、金属フレーム3006を成形して、金属フレーム3006が、撮像センサ3002並びに撮像センサコンタクト領域3002a及び3002bを支持するような形でレンズアセンブリ3002を取り囲む。
本明細書の一実施形態では、レンズアセンブリ及び撮像センサ、並びに任意に、レンズアセンブリに関連付けられる照明を支持するために、光学アセンブリ及び/又はビュー素子ホルダーを用いる。図30Dは、本明細書の一実施形態に従い、レンズアセンブリ及び関連撮像センサを備えるビュー素子と、また関連する照明とを支持するための光学アセンブリホルダーを示す。図示したように、ホルダー3025は、撮像センサ3002と、レンズアセンブリ3004と、照明3035、3037との周囲で適合し、図に表すように撮像センサコンタクト領域3002aが露出する。一実施形態では、ホルダー3025は金属フレームである。フレーム3025は、撮像センサ3002、レンズアセンブリ3004及び照明3035、3037への支持を可能とし、固定された位置で前記要素を保持し続けることができる。一実施形態では、図30B及び30Cで示す形と同じ形で、撮像センサ3002をフレーム3025と結合する。ホルダー3025内部の撮像センサ3002の折り曲がる姿勢によって、内視鏡先端部の直径が減少する。さらに、様々な実施形態において、例えば図28Bに表すように、撮像センサ3002を上方基板及び下方基板にハンダ付けする。
図30Eは、本明細書の一実施形態に従い、照明を支持するための、光学アセンブリ及び/又はビュー素子ホルダーに形成した溝を示す。ホルダー3025に、照明3035及び3037(図30Dに表す)をそれぞれ支持するための溝3040及び3042を設ける。ある実施形態では、全ての照明のための溝3040、3042は同一である一方、別の実施形態では、それぞれの溝を様々なサイズの照明に適合させることができる。例えば、様々なサイズの照明は、白色光、赤外光、紫外光、近赤外光及び他の波長の光を放射するように適合されるLED(発光ダイオード)を備えることができる。他の実施形態では必要に応じて、より多数の照明を支持するために、より多数の溝をホルダー3025に設けることができる。
図31Aは、本明細書の一実施形態に従い、組立てられて内視鏡の先端部に設置される、複数の光学アセンブリ及び/又はビュー素子ホルダーを示す。この図に表すように、光学アセンブリホルダーの金属フレーム3102は、前方レンズアセンブリ3014と、関連する撮像センサ3106と、照明3108及び3110とを支持する。光学アセンブリホルダーの金属フレーム3112は、側方レンズアセンブリ3114と、関連する撮像センサ3116と、照明3118及び3120とを支持する。光学アセンブリホルダーの金属フレーム3122は、側方レンズアセンブリ3124と、関連する撮像センサ3126と、照明3128及び3130とを支持する。様々な実施形態において、ホルダーの金属フレームは、照明で用いられる発光ダイオードに対するヒートシンクとしての機能を果たす。ある実施形態では、金属の要素(金属支持フレーム3150等)を、光学アセンブリホルダー3102、3112及び3122の間に設置する。金属支持フレーム3150は、照明に対するヒートシンクとしての機能を果たし、また上方基板と下方基板(図31Aには表されない)との間にホルダー3102、3112及び3122を固定的に位置付けることによってホルダー3102、3112及び3122を支持する。また金属支持フレーム3150は、光学アセンブリと一体化されて、上方基板と下方基板との間に固定的に位置付けられる光学アセンブリを支持しながら、LEDに対するヒートシンクとしての機能を果たす。光学アセンブリホルダーの金属フレーム3102、3112及び3122及び金属支持フレーム3150は、真鍮、ステンレス鋼、アルミニウム、又は、効果的なヒートシンク(放熱器)としての機能を果たす熱伝導率とレンズアセンブリ及び関連する撮像センサを適切に位置付け支持する剛性とをもたらす、他の任意の材料から製造される。
図31Bは、本明細書の一実施形態に従い、上方回路基板3152と下方回路基板3154とに連結されて、内視鏡の先端の流体チャネリング要素又は多岐管3170に関連付けられる、図31Aに表すアセンブリを示す図である。前方光学ホルダー3102の金属支持フレーム3150、第1の側方光学アセンブリホルダー3112及び第2の側方光学アセンブリホルダーは、ヒートシンクとしての機能を果たして、流体チャネリング要素又は多岐管3170に接続されるように適合されて、前方照明3108、3110と、第1の側方照明3118、3120と、第2の側方照明と、関連する撮像センサとが発生させる熱を、流体チャネリング要素又は多岐管3170へ伝える。これにより、内視鏡の先端の温度を低減させることができる。様々な実施形態に従って、前方及び側方照明は、より少ない放熱でを内視鏡が動作できる高効率LEDである。LEDの効率を変えて、少なくとも90 °であり基本的には180 °以下の視野角、及び3ミリメートルから100ミリメートルの範囲の被写界深度を与える。一層更なる実施形態では、前方LED及び側方LEDからの放熱を、a)内視鏡が使用されていないときに、LEDを自動的に止められるようにし、b)LEDを点滅、脈動又はストロボ発光させて、LEDが使用するエネルギを比較的小さくし、その結果として全体の放熱を低下させる、ことによって達成する。
図31Bにも表すように、ある実施形態では先端の前方パネル上に互いに隣接して位置付けられる、噴出開口部3126’及びノズル開口部3124’が存在する。別の実施形態では、噴出開口部3126’及びノズル開口部3124’を、先端の前方パネル上の作業/サービスチャンネル開口部3122’の両側に位置付ける。先端カバーは、内視鏡先端及びその中の要素を覆うシースとしての機能を果たす。
図32A及び32Bは、本明細書の別の実施形態に従う、図64の内視鏡6400のビュー素子、センサ(したがって光学アセンブリ)及び照明を支持するように適合される上方基板3202と下方基板3204とを図示する平面図である(上方基板3202と下方基板3204とは結合して電子回路基板/プリント回路基板を形成する)。図32Bは、図32Aの照明を取り除いた平面図である。これから図32A及び32Bを同時に参照して、前方光学アセンブリは、前方レンズアセンブリ3220と前方撮像センサとを備える。第1の側方光学アセンブリは、第1の側方レンズアセンブリ3224と第1の側方撮像センサとを備える。いくつかの実施形態では、第2の側方レンズアセンブリ3222及び第2の側方関連撮像センサは、内視鏡の第2の側方光学アセンブリの部品として含まれ、そのため内視鏡は1つの前方光学アセンブリと2つの側方光学アセンブリとを有する。前方撮像センサのコネクタピン3212a及び3212bをそれぞれ処理(屈曲又は折り曲げを含む)し、上方基板3202及び下方基板3204にハンダ付けする。第1の側方撮像センサのコネクタピン3214a、3214bと第2の側方撮像センサのコネクタピン3216a、3216b(図32A及び32Bには示されず)も処理(屈曲又は折り曲げを含む)し、上方基板3202及び下方基板3204にハンダ付けする。
図32C及び32Dは、本明細書の一実施形態に従い、内視鏡の先端部に設置されるように組立てられた複数の金属フレームを図示する。図32C及び32Dに表されるように、金属フレーム3221を設けて、前方レンズアセンブリ3220を支持するとともに前方関連撮像センサ3272を支持する。金属フレーム3223及び3225を設けて、それぞれ第1の側方レンズアセンブリ3224及び第2の側方レンズアセンブリ3222を支持するとともに関連撮像センサ3274及び3276を支持する。様々な実施形態において、金属の要素(金属支持フレーム3230等)を、金属フレーム3221、3223及び3225の間に設置する。金属支持フレーム3230は、照明に対するヒートシンクとしての機能を果たし、また金属フレーム3221、3223及び3225を支持して、金属フレーム3221、3223及び3225を上方基板(図32Cでは取り除かれている)と下方基板3204との間に固定的に設置/配置する。このように、金属支持フレーム3230を光学アセンブリ(レンズアセンブリ、関連センサ及び関連照明)と一体化することができ、金属支持フレーム3230は上方基板と下方基板との間に固定的に設置される光学アセンブリを構造的に支持しながら、金属支持フレーム3230はLEDに対するヒートシンクとしての機能を果たすことができる。
図32E及び32Fは、一例として前方光学アセンブリに関連して、本明細書の実施形態に従う、撮像センサのコネクタピンの屈曲又は折り曲げの形を図示する。図32Eに表すように、金属フレーム3221は、レンズアセンブリ(例えば前方レンズアセンブリ3220)及び前方関連撮像センサ3272を支持し保持するように位置付けされる。金属フレーム3221を成形して、金属フレーム3221が、前方撮像センサ3272並びに対応する前方撮像センサの第1のコンタクト領域3010a及び前方撮像センサの第2のコンタクト領域を支持するような形で前方レンズアセンブリ3220を取り囲む。前方撮像センサ3272の第1の端部の第1の複数のコネクタピン3212a及び前方撮像センサ3272の第2の端部の第2の複数のコネクタピン3212bを、コネクタピン3212aと、対応する撮像センサの第1のコンタクト領域3210aとの間、及びコネクタピン3212bと撮像センサの第2のコンタクト領域との間で、U字型又は湾曲3290を形成する/生み出すような形で、屈曲させ又は折り曲げる。
図32A及び32Bを再び参照して、一実施形態に従い、上方基板3202及び下方基板3204は、撮像センサのコネクタピンを収容できるノッチ又は窪みを含む。上方基板3202及び下方基板3204それぞれの上の、第1の前方ノッチ/窪み3212a’及び第2の前方ノッチ/窪み3212b’は、コネクタピン3212a及び3212bを収容できる。上方基板3202上の第1の側方ノッチ/窪み3214a’、及び下方基板3204上の対応する第1の側方ノッチ/窪みは、コネクタピン3214a及び3214bを収容できる。同様に、上方基板3202上の第2の側方ノッチ/窪み3216a’、及び下方基板3204上の対応する第2の側方ノッチ/窪みは、上方基板3202上の第1のコネクタピン3216a、及び下方基板3204上の対応するコネクタピンを収容できる。前方撮像センサと第1及び第2の側方撮像センサとのコネクタピンが形成するU字型又は湾曲(図32E、32Fの湾曲3290として図示される)は、それぞれのノッチ/窪みで、上方基板3202及び下方基板3204の縁を包み、保持し又は把持する。様々な実施形態において、ノッチ/窪みを、例えば形状及び大きさの点で、コネクタピンのU字型/湾曲及び大きさに合せて適合させる。
図32Aに表すように、上方基板3202及び下方基板3204は、前方照明回路基板3260と、第1の側方照明回路基板3270と、任意の第2の側方照明回路基板との位置決め及び/又は配置を可能にする。前方照明電子回路基板3260は、3つの前方照明3262a、3262b及び3262cのセットを支持するために適合される。ここで照明のセットのそれぞれは、1つ、2つ、3つ又はそれ以上の光源を有し、光源は例えばLEDであるが、これに限定されるものではない。第1の側方照明電子回路基板3270は、第1の側方照明3272a及び3272bのセットを支持するために適合される。ここで照明のセットのそれぞれは、1つ、2つ、3つ又はそれ以上の光源を有し、光源は例えばLEDであるが、これに限定されるものではない。同様に、第2の側方照明電子回路基板(図示せず)は、複数の第2の側方照明(例えば2つの照明のセット)を支持するために適合される。ここで照明のセットのそれぞれは、1つ、2つ、3つ又はそれ以上の光源を有し、光源は例えばLEDであるが、これに限定されるものではない。
前方照明3262a、3262b及び3262cは、前方レンズアセンブリ3220と前方関連撮像センサとを備える前方光学アセンブリに関連付けられる。第1の側方照明3272a及び3272bは、第1の側方レンズアセンブリ3224と第1の側方関連撮像センサとを備える第1の側方光学アセンブリに関連付けられる。同様に、第2の側方照明は、第2のレンズアセンブリ3222と第2の側方関連撮像センサとを備える第2の側方光学アセンブリに関連付けられる。ある実施形態では、前方照明3262a及び3262bを、上方基板3202と下方基板3204との間に位置付ける一方で、前方照明3262cを、上方基板3202より高く位置付ける。第1の側方照明3272a及び3272b並びに第2の側方照明(図示せず)を、上方基板3202と下方基板3204との間の、第1の側方レンズアセンブリ3224及び第2の側方レンズアセンブリ3222それぞれの側に位置付ける。
様々な実施形態において、PCB(プリント回路基板)を構成するために使用される材料を、前方及び側方照明回路基板を構成するためにも用いることができる。PCB基板を製造するために使用される典型的な材料は、セラミック、軟性基板用のポリアミド、及びガラス繊維強化エポキシ樹脂(耐炎性(自己消炎性)のエポキシ樹脂バインダーを含むファイバーグラス織布から構成される複合材料である、FR4等)である。また様々な実施形態において、前方及び側方回路基板を、上面基板及び下面基板と同じ材料から製造することも、異なる材料から製造することもできる。
上方基板3302及び下方基板3204を挿通する電気ケーブル3250は、光学アセンブリ及び照明から、照明及び主要制御ユニットへ情報を伝達する。様々な実施形態において、前方照明回路基板及び側方照明回路基板を(図32B及び32Cに表すように)上方基板3202と下方基板3204とにハンダ付けして、前方照明回路基板及び側方照明回路基板を金属支持フレーム3230で支持する。
本明細書は、前方及び側方照明(それぞれ内視鏡の前方及び側方光学アセンブリに関連付けられる)を内視鏡の先端部内の所望の位置で保持するように特に設計された回路基板を開示する。本明細書が提供する照明回路基板を使用することで、照明基板が、前方及び側方照明に対して正確な位置を予め定義するために、内視鏡の先端部に設置される回路基板での照明の組み立てが容易になる。
本明細書は、光学アセンブリを、関連する照明から分離する好都合な方法を提供する。まず光学アセンブリを組立てて、その後、内視鏡先端の限られたスペース内に、関連する照明を設置することがより容易になる。組立てられた内視鏡の先端内の要素のサイズが非常に小さくなるにつれて、予め定義された照明基板は、要素の全てを所望の固定された位置に維持するのに役立つ。
図33Aは本明細書の一実施形態に従う、内視鏡の前方照明3308a、3308b、3308cを支持するために適合される、前方照明電子回路基板(又はフレーム)3306を示す。図33Aは、上方基板3302と、下方基板3304と、前方照明3308a、3308b、3308cを支持するための前方照明電子回路基板(又はフレーム)3306と、側方照明3312a、3312bを支持するための側方照明電子回路基板(又はフレーム)3310とを示す。前方照明3308a、3308b、3308cは、一実施形態では前方レンズアセンブリ3314及び前方撮像センサを備える、前方光学アセンブリに関連付けられる。側方照明3312a、3312bは、側方レンズアセンブリ3316及び側方撮像センサを備える側方光学アセンブリに関連付けられる。前方撮像センサのピン及び硬性領域3320を処理(例えば切断、屈曲又は折り曲げ)して、上方基板3302及び下方基板3304へハンダ付けする。側方撮像センサのピン並びに(それぞれ右側方撮像センサ及び左側方センサ用の)硬性領域3322及び3324を屈曲させて、上方基板3302及び下方基板3304へハンダ付けする。上方基板3302を挿通する電気ケーブル3350は、光学アセンブリから主要制御ユニットへ情報を伝達する。
前方照明電子回路基板(又はフレーム)3306は、3つの照明3308a、3308b、3308cのセットを保持するように構成される。側方照明電子回路基板(又はフレーム)3310は、それぞれの側方パネルで、照明3312a、3312bのセットを保持する(この図は、内視鏡の一方の側方パネルのみを図示しているが、当業者は他方の側方パネルが(図示した)側方パネルと同等であることを理解するであろう)。ある実施形態では、前方照明3308a、3308bが上方基板3302と下方基板3304との間に位置付けられる一方、前方照明3308cは、前方レンズアセンブリ3314の上方かつ上方基板3302の上方に位置付けられる。内視鏡先端の両側の2つの側方照明3312a、3312bは、上方基板3302と下方基板3304との間の、側方レンズアセンブリ3316の両側に位置付けられる。
様々な実施形態において、PCB(プリント基板)を構成するために使用される任意の材料を、前方及び側方照明回路基板を構成するために用いることができる。PCB基板を製造するために使用される典型的な材料は、セラミック、軟性基板用のポリアミド、及びガラス繊維強化エポキシ樹脂(耐炎性(自己消炎性)のエポキシ樹脂バインダーを含むファイバーグラス織布から構成される複合材料である、FR4等)である。また様々な実施形態において、前方及び側方回路基板を、上面基板及び下面基板と同じ材料から製造することも、異なる材料から製造することもできる。
図33Bは、本明細書の一実施形態に従い、前方照明電子回路基板(又はフレーム)3306及び側方照明電子回路基板(又はフレーム)3310と一体化した、上方基板3302及び下方基板3304を示す。図示するように、前方照明電子回路基板3306は、上方基板3302及び下方基板3304と一体化されて、前方照明3308a、3308b、3308cを適所に保持し、前方レンズアセンブリ3314が前方照明電子回路基板3306から突出できるようにする。第1の側方照明電子回路基板3310は、上方基板3302と下方基板3304と側方照明3312a、3312bとの間の内視鏡先端の側方パネルに適所に位置付けられて、側方レンズアセンブリ3316が側方照明電子回路基板3310を通って突出できるようにする。上方基板3302を挿通する電気ケーブル3350は、光学アセンブリから照明及び主要制御ユニットへ情報を伝達する。図33Bに表すように、一体化された時/組立てられた時に、上方基板3302の前縁は、前方照明電子回路基板3306の湾曲部3340の内面(外面3307とは反対側の表面)に対して当接し又は当該内面を制止する。また、上方基板3302は、側方照明電子回路基板3310の湾曲部3348を収容できる、第1の側方ノッチ/溝3345と第2の側方ノッチ/溝3346とを含む。
図34は、光学アセンブリ、及び上方基板3402に支持される照明を、視覚化の一助として、図33Aに3304として表す下方基板を取り除いて示す。図34に関しては、図33に描かれる図と比較して、内視鏡先端をその水平軸線周りに180°反転させて、先端をその底面から見ている。一実施形態では、前方部3411及び後方部3413を有する金属支持フレーム3405を設けて、関連する撮像センサ3415、3417、3419、並びに前方レンズアセンブリ3414及び側方レンズアセンブリ3416、3418をも支持する。様々な実施形態において、照明回路基板3406、3410及び3420を、下方基板(視覚化のために図から除去されている)と上方基板3402とにハンダ付けして、金属支持フレーム3405で支持する。図示するように、金属支持フレーム3405は、前方レンズアセンブリ3414を支持するとともに、前方レンズアセンブリ3414に関連する前方撮像センサ3415を支持するために設けた、前方部3411を含む。金属支持フレーム3405の前方部3411及び後方部3413はそれぞれ、側方レンズアセンブリ3416及び3418を支持するとともに、関連する撮像センサ3417及び3419を支持する。一実施形態では、金属支持フレーム3405は、内視鏡に組込まれた発光ダイオード(LED)及びセンサに対するヒートシンクとしての機能も果たす。
前方照明回路基板3406は前方照明3408a、3408b、3408cを適所に保持する。2つの側方照明回路基板3410、3420はそれぞれ、側方照明3412a、3412b及び側方照明3422a、3422bを適所に保持する。側方照明3412a、3412b及び3422a、3422bはそれぞれ、側方光学レンズアセンブリ3416及び3418に関連付けられる。第1の側方照明回路基板3410は、照明3412a、3412bを支持し、レンズアセンブリ3416と関連付けられる。第2の側方照明回路基板3420は、側方照明3422a、3422bを支持し、レンズアセンブリ3418と関連付けられる。一実施形態では、前方照明回路基板3406を、3つの光学アセンブリのすべてを支持し、これらの光学アセンブリを互いに物理的に分離する、金属支持フレーム3405にハンダ付けする。ある実施形態では、前方照明回路基板3406は、金属支持フレーム3405の前方部3411によって支持され、側方照明回路基板3410及び3420は、金属支持フレーム3405の前方部3411と後方部3413との両方によって支持される。
ある実施形態では、前方照明回路基板3406は、3つの照明セット3408a、3408b、3408cを適所に保持するように適合され、照明の各セットは、1、2、3又はそれ以上の光源(例えばLEDであるが、これに限定されない)を有する。ある実施形態では、側方照明回路基板3410及び3420は、2セットの照明3412a、3412b及び3422a、3422bを適所に保持するように適合され、照明の各セットは、1、2、3又はそれ以上の光源(例えばLEDであるが、これに限定されない)を有することができる。
図35Aは、(図34にも表される)金属支持フレーム3505と照明回路基板3506、3510、3520とを、視覚化の一助として、光学アセンブリ及び上方基板を取り除いて示す。金属支持フレーム3505は、前方光学アセンブリを受け止めるための前方チャンバ3521と、第1の側方光学アセンブリを受け止めるための第1の側方チャンバ3523と、第1の側方チャンバ3523の反対側の、第2の側方光学アセンブリを受け止めるための第2の側方チャンバ3525とを含む。前方照明電子回路基板(又はフレーム)3506は、前方照明3508a、3508b、3508cを保持するように設計される。
側方照明電子回路基板(又はフレーム)3510及び3520はそれぞれ、側方照明3512a、3512b及び3522a、3522bを保持する。
図35Bは、図35Aに表す照明回路基板(又はフレーム)を取り除いた状態で、金属支持フレーム3505を示す図である。ある実施形態では、図35Bで描写するように、金属支持フレーム3505は、“H字型”に近似し、“H”のそれぞれの脚から90 °で外側に延在する側方支持壁3512a、3512b、3520a、3520bを有する。2つの前方支持壁又は縁3506a、3506bをそれぞれ、側方支持壁3520a、3512aの端部に、側方支持壁3520a、3512aと垂直に位置付ける。金属支持フレーム3505の“H字型”の形状は、第2の壁3535とほぼ平行に位置付けられる第1の壁3530と、第1の壁3530及び第2の壁3535とほぼ垂直に取付けられる中央壁3540とを含む。中央壁3540は、第1の壁3530を左/第1の部分3530aと右/第2の部分3530bとに分割する。同様に、中央壁3540はまた、第2の壁3535を左/第3の部分3535aと右/第4の部分3535bとに分割する。前方に向かう側方支持壁3512a及び3520aが、左部分3530a及び右部分3530bのそれぞれの縁とほぼ垂直に取り付けられる。後方に向かう又は後方の側方支持壁3512b及び3520bも、左部分3535a及び右部分3535bのそれぞれの縁とほぼ垂直に取り付けられる。金属フレーム3505は、前方チャンバ3521、第1の側方チャンバ3523及び第2の側方チャンバ3525を含むように設計され、前方光学アセンブリ及び2つの側方光学アセンブリをそれぞれ内視鏡先端部に収容できる。前方支持壁3506a及び3506bは図35Aで3506として示す前方照明電子回路基板を支持し、第1の側方支持壁3512a及び3512bは図35Aで3510として示す側方照明電子回路基板を支持し、そして第2の側方支持壁3520a及び3520bは図35Aで3520として示す第2の側方照明電子回路基板を支持する。
図35Aに表すように、前方照明電子回路基板3506は、前方縁3506a、3506bの外面が前方照明電子回路基板3506の細長い2つの側部3545a、3545bの内面に位置合わせされるような方法で、例えばハンダ付け又は接着によって、金属支持フレーム3505と結合される。また、側方照明電子回路基板3510、3520は、前方に向かう側方支持壁3512aと後方に向かう側方支持壁3512bとの第1の組の外面が第1の側方照明電子回路基板3510の細長い2つの側部3550a、3550bの内面に位置合わせされるとともに、前方に向かう側方支持壁3520aと後方に向かう側方支持壁3520bとの第2の組が第2の側方照明電子回路基板3520の細長い2つの側部(図示せず)の内面に位置合わせされるような方法で(例えばハンダ付け又は接着によって)金属支持フレーム3505と結合される。
図35Cから35Eは、本明細書の一実施形態に従い、ヒートシンクとして使用するために適合された金属支持フレーム3505を示す。ヒートシンクとして機能するために、ある実施形態では、金属支持フレーム3505は内部流体チャンネルを備える。複数ビュー素子内視鏡の操作中に、照明、撮像センサ及びビュー素子を含む様々な電子部品のスイッチが入り、電力を熱の形で放散させる。金属支持フレーム3505の内部/内側での流体の循環によって、内視鏡の先端側先端部が過熱されないことを確保するとともに、内視鏡の先端側先端部の温度を許容可能なレベルに維持されることを確保する。ある実施形態では、チャンネル内部で使用される流体は、水である。別の実施形態では、流体は空気又は二酸化炭素等のガスである。図35Cをこれから参照して、金属支持フレーム3505には、流体を、金属支持フレーム3505内部の流体チャンネル(図35D及び35Eに表す)に入れて流体チャンネルを通過させることができる注入口/入力ポート3555と、流体を流体チャンネルから出すための排出口/出力ポート3556とが設けられる。ある実施形態では、後方に向かう側方支持壁3512bの第1の縁/端部3560に注入口3555を配置するとともに、後方に向かう側方支持壁3520bの第2の縁/端部3562に排出口3556を配置する。(後方に向かう側方支持壁3512b及び3520bは、内視鏡の先端部の手元側端部3565に向かう。)なお、注入口3555と排出口3556とを交換可能に使用することができる。
図35D及び図35Eはそれぞれ、流体を循環させるために金属支持フレーム3505の内部に形成された、複数の流体チャンネル3570を明らかにする、金属支持フレーム3505の全断面図及び部分断面図である。図35D及び図35Eをこれから参照して、様々な実施形態において、第1の壁3530と、第2の壁3535と、中央壁3540と、前方に向かう2つの側方支持壁3512a、3520aと、後方に向かう2つの側方支持壁3512b、3520bとは、流体チャンネル3570を含む。いくつかの実施形態では、複数の流体チャンネル3570が、第1の壁3530、第2の壁3535、中央壁3540、又は前方に向かう2つの側方支持壁3512a、3520aとの少なくとも1つに形成されている。流体は、注入口3555から複数の流体チャンネルに入り、排出口3556を経て出る。
冷却する目的を達成するために、ある実施形態では、金属フレーム3505内部の複数の流体チャンネル3570の経路を、当該経路が全ての光学アセンブリの近くを通過するようにする。ある実施形態では、複数の流体チャンネル3570の経路は、それぞれの光学アセンブリが少なくとも3つの領域で流体チャンネルと接触するように設計される。例として、図35Dにおいて、流体経路の3つの部分3575、3576及び3577に印を付けている。部分3575、3576及び3577は、第1の側方レンズアセンブリと第1の側方撮像センサとを備える第1の側方光学アセンブリを収容するために設けられる、第1の側方チャンバ又は受け領域3523の周囲に配置される。印を付けた3つの部分3575、3576及び3577はそれぞれ、(流体チャンネル3570内部で)循環する流体と、チャンバ又は受け領域3523に適合するであろう第1の側方レンズアセンブリ及び撮像センサとの間の第1、第2及び第3の接触点を示す。当業者は、ここでいう「接触点」が、循環する流体と電子部品との間の物理的な接触を指すのではなく、複数の流体チャンネル3570が熱を発生する部品に近接する、金属フレーム3505の部分を示すことを理解するであろう。
図面からは、複数の流体チャンネル3570の経路が、前方光学アセンブリを収容できる前方チャンバ又は受け領域3521と、第2の側方光学アセンブリを収容できる第2の側方チャンバ又は受け領域3525とにもそれぞれ近接することが更に見られる。このように、流体チャンネルは、上述した方法と同様の方法で、「接触点」に前方光学部品及び側方光学部品を提供する。このことによって、複数の流体チャンネル3570内の流体は、前方光学アセンブリと、第1及び第2の側方光学アセンブリと、これら光学アセンブリに関連付けられるビュー素子とが放散する熱を最適に吸収することができる。
図35D及び図35Eで見られるように、前方チャンバ3521は、ある実施形態では、3つの壁によって形成され、3つの壁とは、2つの前方に向かう側方支持壁3512a及び3520aと第1の壁3530とである。第1の側方チャンバ3523も、3つの壁によって形成され、3つの壁とは、第1の壁3530の一部と第2の壁3535の一部と中央壁3540とである。同様に、第2の側方チャンバ3525も、3つの壁によって形成され、3つの壁とは、第1の壁3530の一部と第2の壁3535の一部と中央壁3540とである。様々な実施形態において、前方チャンバ3521と、第1の側方チャンバ3523と、第2の側方チャンバ3525とのそれぞれを形成する3つの壁は、複数の流体チャンネル3570を含む。いくつかの実施形態では、前方チャンバ3521、第1の側方チャンバ3523及び第2の側方チャンバ3525の壁の少なくとも1つは、複数の流体チャンネル3570を含む。更に他の実施形態では、複数の流体チャンネル3570は、前方チャンバ3521、第1の側方チャンバ3523及び第2の側方チャンバ3525の壁の少なくとも1つの中に完全に包み込まれる。更なる付加的な実施形態では、複数の流体チャンネル3570は、前方チャンバ3521、第1の側方チャンバ3523及び第2の側方チャンバ3525の壁の少なくとも1つの中に部分的に包み込まれる。
ある実施形態では、流体が、スコープの噴出口の貯水槽から注入口/入力ポート3555に供給される。図2A及び2Bに表すように、内視鏡先端部の前方パネル320は、医療行為中に水を供給して体の内腔を洗浄する噴出開口部344を有する。噴出開口部344を、手技内視鏡検査中に結腸等の体腔の壁を洗浄するために、水又は生理食塩水等の流体の高圧噴出をもたらすのに使用する。本明細書の別の実施形態では、金属支持フレーム3505内部で循環する流体の供給源を、流体を複数の流体チャンネル3570内へ供給するとともに流体チャンネル3570を出る流体を集めるように適合される補助的な貯水槽とすることができる。なお一実施形態では、噴出口貯水槽と補助的な貯水槽との両方を内視鏡の外部に配置することができる。
ある実施形態では、複数の流体チャンネル3570の経路は、内視鏡のスイッチが入った時に複数の流体チャンネル3570が流体で満たされるとともに、手技内視鏡検査の終わりのみに流体が複数の流体チャンネル3570から出るような、閉ループを形成する。ある実施形態では、流体チャンネルを流体で満たす作業と、続いて起こるチャンネルからの流体の排出を、内視鏡の主制御装置上又はハンドル上に設けられたオン/オフボタンによって制御する。当業者は、そのような制御を、タッチ制御装置若しくはボタン制御装置、又は当業者にとって明らかな他の任意の制御装置を有する、別個のインタフェースユニットによってもたらすことができることを理解するであろう。
一実施形態では、金属支持フレーム3505から出る水を、体の内腔に水の噴出をもたらすために利用するのにも利用することができる。ある実施形態では、要求される時に水を閉ループの流体チャンネルから噴出口へ流すスイッチング機構を用いることによって、このオプションを実装する。
図35Fに示すのは、複数ビュー素子内視鏡の先端部分35100の背面図であり、本明細書のある実施形態に従い、先端部分35100を組立てるために利用される、(図35Cから35Eの)金属支持フレーム3505の複数の流体チャンネル3570用の注入開口部及び排出開口部を表す図である。図35Fを参照して、スコープの先端部35100の手元側端部3565は、前方噴出開口部35101と作業チャンネル開口部35103とを含む。当業者にとって、これらの開口部が先端部35100の本体を通って先端側端部3566の前方パネル(図35Fには示されない)に至るまで延びることは明らかであろう。先端部の手元側端部3565から延びる他の開口部は、前方及び側方インジェクタ用の空気/水用開口部35104と、図35Cから35Fの金属支持フレーム3505の複数の流体チャンネル3570用の流体供給入口開口部35105及び流体排出/出口開口部35106とを含む。なお、開口部35105及び35106を、流体の入口及び出口として交換可能に使用できる。
先端部35100の手元側端部3565に電気ケーブル35110も見られる。先端部35100は更に側方パネル35112を備える。側方パネル35112は、側方光学レンズアセンブリ及び撮像センサ35114用の透明な面、窓又は開口部と、側方照明用の光学窓35116、35118と、側方インジェクタの側方ノズル35120とを含む。一実施形態に従って、側方パネル35112は、バスタブのような(bath-like)構造を形成する、明確に画定された又は
深いノッチ/くぼみ35125(図59Cを参照して詳細に説明される)に配置され/埋め込まれる。
図36Aは、本明細書の一実施形態に従う、前方照明電子回路基板(又はフレーム)3606を示す図である。ある実施形態では、図36Aで描写するように、回路基板3606はほぼ“U字”に成形されており、前方照明3608a、3608b及び3608cを外面上で適所に保持する。回路基板3606の“U字”形状には、湾曲したベース3645cと、湾曲したベース3645cから上方に延びる第1及び第2の細長い側部3645a、3645bとが含まれる。様々な実施形態において、前方照明電子回路基板3606の長さ l は、7.5ミリメートルから9.5ミリメートルの範囲であり、一実施形態では長さ l は約8.8ミリメートルである。様々な実施形態において、前方照明電子回路基板3606の高さ h は、5ミリメートルから6.5ミリメートルの範囲であり、一実施形態では高さ h は約5.7ミリメートルである。
図36Bは、本明細書の一実施形態に従う、側方照明電子回路基板3610を示す図である。ある実施形態では、図36Bで描写するように、回路基板3610はほぼ“U字”に成形されており、側方照明3612a、3612bを外面上で適所に保持する。回路基板3610の“U字”形状には、部分的に湾曲したベース3650cと、部分的に湾曲したベース3650cから上方に延びる第1及び第2の細長い側部3650a、3650bとが含まれる。様々な実施形態において、側方照明電子回路基板3710の長さl は、7.5ミリメートルから9.5ミリメートルの範囲であり、一実施形態では長さl は約8.8ミリメートルである。様々な実施形態において、側方照明電子回路基板3710の高さh は、3ミリメートルから4.5ミリメートルの範囲であり、一実施形態では高さh は約3.7ミリメートルである。
図37Aは、一実施形態に従い、例えば図33Aから36Bを参照して説明されるような、複数ビュー素子内視鏡で使用するための、電子回路基板アセンブリ(図2A及び2Bのアセンブリ400等)の様々な部品を組立て、接続し又は取付けるための複数のステップを示すフローチャートである。以下に説明する製造工程を任意の順序で行うことができるとともに、以下に示す製造工程の順序は単に例示的なものであり、限定的なものと解釈されるべきでないことに気付くはずである。
これから図37Aを参照して、ステップ3710では金属支持フレームを設ける。様々な実施形態に従って、図35Bを参照して説明したように、金属支持フレームはほぼ“H字型”であり、第2の壁にほぼ平行な第1の壁と、第1の壁及び第2の壁にほぼ垂直に取付けられる中央壁と、第1の壁のそれぞれの縁にほぼ垂直に取り付けられるとともに前方に向かう2つの側方壁と、第2の壁のそれぞれの縁にほぼ垂直に取り付けられるとともに後方に向かう2つの側方壁と、前方に向かう2つの側方壁のそれぞれの前方縁にほぼ垂直に取付けられる2つの前方支持壁又は縁と、を含む。ステップ3720では、金属支持フレームを、(例えば図33A、33Bの上方基板3302又は下方基板3304のどちらかとすることができる)第1の基板の上に設置する。続いてステップ3730では、(例えば図33A、33Bの上方基板3302又は下方基板3304のどちらかであり、上記ステップ3720で使用した基板によって決めることができる)第2の基板を、金属支持フレーム上に設置する。ステップ3740では、前方レンズアセンブリと前方撮像センサとを備える前方光学アセンブリを、金属支持フレームの前方チャンバ又は受け領域内に位置付ける。その後ステップ3750で、前方撮像センサの第1及び第2のコネクタピンを屈曲させて、第1及び第2の基板にハンダ付けする。ステップ3760では、第1の側方レンズアセンブリと第1の側方撮像センサとを備える第1の側方光学アセンブリを、金属支持フレームの第1の側方チャンバ内に位置付ける。それからステップ3770で、第1の側方撮像センサの第1及び第2のコネクタピンを屈曲させて、第1及び第2の基板にハンダ付けする。ステップ3780では、第2の側方レンズアセンブリと第2の側方撮像センサとを備える第2の側方光学アセンブリを、金属支持フレームの第2の側方チャンバ内に位置付ける。その後ステップ3790で、第2の側方撮像センサの第1及び第2のコネクタピンを屈曲させて、第1及び第2の基板にハンダ付けする。
ステップ37100では、前方照明電子回路基板(“前方照明基板”)を設ける。前方照明基板はほぼ“U字型”であり、湾曲したベースと、湾曲したベースから上方に延びる第1及び第2の細長い側部とを含む。湾曲したベース、第1の側部及び第2の側部はそれぞれ、第1の照明のセット、第2の照明のセット及び第3の照明のセットを支持する。ステップ37110では、前方照明基板を、金属支持フレームの2つの前方支持壁又は縁上に設置する。それからステップ37120で、前方照明基板の第1及び第2の側部の内表面をそれぞれ、金属支持フレームの2つの前方支持壁又は縁の外表面にハンダ付けする。その結果、前方レンズアセンブリは、照明の2つのセット(前方レンズアセンブリの両側部に1つずつ)と、前方レンズアセンブリの上部に存在する照明の第3のセットとを持つ。
ステップ37130では、第1の側方照明電子回路基板(“第1の側方照明基板”)を設ける。第1の側方照明基板はほぼ“U字型”であり、部分的に湾曲したベースと、湾曲したベースから上方に延びる第1及び第2の細長い側部とを含む。第1の側部及び第2の側部はそれぞれ、第1の照明のセット及び第2の照明のセットを支持する。ステップ37140では、第1の側方照明基板を、金属支持フレームの第1の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の上に設置する。それからステップ37150で、第1の側方照明基板の第1及び第2の側部の内表面をそれぞれ、金属支持フレームの第1の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の外表面にハンダ付けする。その結果、第1の側方レンズアセンブリは、照明の2つのセット(第1の側方レンズアセンブリの両側部に1つずつ)を持つ。同様に、ステップ37160では、第2の側方照明電子回路基板(“第2の側方照明基板”)を設ける。第2の側方照明基板はほぼ“U字型”であり、部分的に湾曲したベースと、湾曲したベースから上方に延びる第1及び第2の細長い側部とを含む。第1の側部及び第2の側部はそれぞれ、第1の照明のセット及び第2の照明のセットを支持する。ステップ37170では、第2の側方照明基板を、金属支持フレームの第2の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の上に設置する。それからステップ37180で、第2の側方照明基板の第1及び第2の側部の内表面をそれぞれ、金属支持フレームの第2の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の外表面にハンダ付けする。その結果、第2の側方レンズアセンブリは、照明の2つのセット(第2の側方レンズアセンブリの両側部に1つずつ)を持つ。
ステップ3730を再び参照して、ある実施形態では、金属フレーム上の第2の基板の配置によって、第2の基板の前方縁が前方照明基板の湾曲したベースの内表面に当接することを確保する。またある実施形態では、第1及び第2の側方照明基板の部分的に湾曲したベースをそれぞれ、第2の基板の第1及び第2の側方凹部/溝の中に収容できる。
図37Bは、別の実施形態に従い、例えば図33Aから36Bを参照して説明されるような、複数ビュー素子内視鏡で使用するための、電子回路基板アセンブリ(図2A及び2Bのアセンブリ400等)の様々な部品を組立て、接続し又は取付けるための複数のステップを示すフローチャートである。以下に説明する製造工程を任意の順序で行うことができるとともに、以下に示す製造工程の順序は単に例示的なものであり、限定的なものと解釈されるべきでないことに気付くはずである。これから図37Bを参照して、ステップ3705では金属支持フレームを設ける。様々な実施形態に従って、図35Bを参照して説明したように、金属支持フレームはほぼ“H字型”であり、第2の壁にほぼ平行な第1の壁と、第1の壁及び第2の壁にほぼ垂直に取付けられる中央壁と、第1の壁のそれぞれの縁にほぼ垂直に取り付けられるとともに前方に向かう2つの側方壁と、第2の壁のそれぞれの縁にほぼ垂直に取り付けられるとともに後方に向かう2つの後方側方壁と、前方に向かう2つの側方壁のそれぞれの前方縁にほぼ垂直に取付けられる2つの前方支持壁又は縁と、を含む。ステップ3715では、金属支持フレームを、(例えば図33A、33Bの上方基板3302又は下方基板3304のどちらかとすることができる)第1の基板の上に設置する。続いてステップ3725では、(例えば図33A、33Bの上方基板3302又は下方基板3304のどちらかであり、先程のステップ3715で使用した基板によって決めることができる)第2の基板を、金属支持フレーム上に設置する。ステップ3735では、前方レンズアセンブリと前方撮像センサとを備える前方光学アセンブリを、金属支持フレームの前方チャンバに位置付ける。ステップ3745では、第1の側方レンズアセンブリと第1の側方撮像センサとを備える第1の側方光学アセンブリを、金属支持フレームの第1の側方チャンバに位置付ける。さらに、ステップ3755では、第2の側方レンズアセンブリと第2の側方撮像センサとを備える第2の側方光学アセンブリを、金属支持フレームの第2の側方チャンバに位置付ける。その後ステップ3765で、前方撮像センサ、第1の側方撮像センサ及び第2の側方撮像センサそれぞれの、第1及び第2のコネクタピンを屈曲させて、第1及び第2の基板にハンダ付けする。
ステップ3775では、前方照明電子回路基板(“前方照明基板”)を設ける。前方照明基板はほぼ“U字型”であり、湾曲したベースと、湾曲したベースから上方に延びる第1及び第2の細長い側部とを含む。湾曲したベース、第1の側部及び第2の側部はそれぞれ、第1の照明のセット、第2の照明のセット及び第3の照明のセットを支持する。ステップ3785では、前方照明基板を、金属支持フレームの2つの前方支持壁又は縁上に設置する。それからステップ3795で、前方照明基板の第1及び第2の側部の内表面をそれぞれ、金属支持フレームの2つの前方支持壁又は縁の外表面にハンダ付けする。その結果、前方レンズアセンブリは、照明の2つのセット(前方レンズアセンブリの両側部に1つずつ)と、前方レンズアセンブリの上部に存在する照明の第3のセットとを持つ。
ステップ37105では、第1の側方照明電子回路基板(“第1の側方照明基板”)を設ける。第1の側方照明基板はほぼ“U字型”であり、部分的に湾曲したベースと、湾曲したベースから上方に延びる第1及び第2の細長い側部とを含む。第1の側部及び第2の側部はそれぞれ、第1の照明のセット及び第2の照明のセットを支持する。ステップ37115では、第1の側方照明基板を、金属支持フレームの第1の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の上に設置する。それからステップ37125で、第1の側方照明基板の第1及び第2の側部の内表面をそれぞれ、金属支持フレームの第1の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の外表面にハンダ付けする。その結果、第1の側方レンズアセンブリは、照明の2つのセット(第1の側方レンズアセンブリの両側部に1つずつ)を持つ。同様に、ステップ37135では、第2の側方照明電子回路基板(“第2の側方照明基板”)を設ける。第2の側方照明基板はほぼ“U字型”であり、部分的に湾曲したベースと、湾曲したベースから上方に延びる第1及び第2の細長い側部とを含む。第1の側部及び第2の側部はそれぞれ、第1の照明のセット及び第2の照明のセットを支持する。ステップ37145では、第2の側方照明基板を、金属支持フレームの第2の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の上に設置する。それからステップ37155で、第2の側方照明基板の第1及び第2の側部の内表面をそれぞれ、金属支持フレームの第2の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の外表面にハンダ付けする。その結果、第2の側方レンズアセンブリは、照明の2つのセット(第2の側方レンズアセンブリの両側部に1つずつ)を持つ。
ステップ3725を再び参照して、ある実施形態では、金属支持フレーム上の第2の基板の配置によって、第2の基板の前方縁が前方照明基板の湾曲したベースの内表面に当接することを確保する。またある実施形態では、第1及び第2の側方照明基板の部分的に湾曲したベースをそれぞれ、第2の基板の第1及び第2の側方凹部/溝の中に収容できる。
図37Cは、更に別の実施形態に従い、例えば図33Aから36Bを参照して説明されるような、複数ビュー素子内視鏡で使用するための、電子回路基板アセンブリ(図2A及び2Bのアセンブリ400等)の様々な部品を組立て、接続し又は取付けるための複数のステップを示すフローチャートである。以下に説明する製造工程を任意の順序で行うことができるとともに、以下に示す製造工程の順序は単に例示的なものであり、限定的なものと解釈されるべきでないことに気付くはずである。これから図37Cを参照して、ステップ3702では金属支持フレームを設ける。様々な実施形態に従って、図35Bを参照して説明したように、金属支持フレームは“H字型”であり、第2の壁にほぼ平行な第1の壁と、第1の壁及び第2の壁にほぼ垂直に取付けられる中央壁と、第1の壁のそれぞれの縁にほぼ垂直に取り付けられるとともに前方に向かう2つの側方壁と、第2の壁のそれぞれの縁にほぼ垂直に取り付けられるとともに後方に向かう2つの側方壁と、前方に向かう2つの側方壁のそれぞれの前方縁にほぼ垂直に取付けられる2つの前方支持壁又は縁と、を含む。ステップ3712では、金属支持フレームを、(例えば図33A、33Bの上方基板3302又は下方基板3304のどちらかとすることができる)第1の基板の上に設置する。続いてステップ3722では、(例えば図33A、33Bの上方基板3302又は下方基板3304のどちらかであり、先程のステップ3712で使用した基板によって決めることができる)第2の基板を、金属支持フレーム上に設置する。ステップ3732では、前方レンズアセンブリと前方撮像センサとを備える前方光学アセンブリを、金属支持フレームの前方チャンバに位置付ける。ステップ3742では、第1の側方レンズアセンブリと第1の側方撮像センサとを備える第1の側方光学アセンブリを、金属支持フレームの第1の側方チャンバに位置付ける。さらに、ステップ3752では、第2の側方レンズアセンブリと第2の側方撮像センサとを備える第2の側方光学アセンブリを、金属支持フレームの第2の側方チャンバに位置付ける。
ステップ3762では、前方照明電子回路基板(“前方照明基板”)を設ける。前方照明基板はほぼ“U字型”であり、湾曲したベースと、湾曲したベースから上方に延びる第1及び第2の細長い側部とを含む。湾曲したベース、第1の側部及び第2の側部はそれぞれ、第1の照明のセット、第2の照明のセット及び第3の照明のセットを支持する。ステップ3772では、前方照明基板を、金属支持フレームの2つの前方支持壁又は縁上に設置する。それからステップ3782で、前方照明基板の第1及び第2の側部の内表面をそれぞれ、金属支持フレームの2つの前方支持壁又は縁の外表面にハンダ付けする。その結果、前方レンズアセンブリは、照明の2つのセット(前方レンズアセンブリの両側部に1つずつ)と、前方レンズアセンブリの上部に存在する照明の第3のセットとを持つ。
ステップ3792では、第1の側方照明電子回路基板(“第1の側方照明基板”)を設ける。第1の側方照明基板はほぼ“U字型”であり、部分的に湾曲したベースと、湾曲したベースから上方に延びる第1及び第2の細長い側部とを含む。第1の側部及び第2の側部はそれぞれ、第1の照明のセット及び第2の照明のセットを支持する。ステップ37102では、第1の側方照明基板を、金属支持フレームの第1の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の上に設置する。それからステップ37112で、第1の側方照明基板の第1及び第2の側部の内表面をそれぞれ、金属支持フレームの第1の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の外表面にハンダ付けする。その結果、第1の側方レンズアセンブリは、照明の2つのセット(第1の側方レンズアセンブリの両側部に1つずつ)を持つ。同様に、ステップ37122では、第2の側方照明電子回路基板(“第2の側方照明基板”)を設ける。第2の側方照明基板はほぼ“U字型”であり、部分的に湾曲したベースと、湾曲したベースから上方に延びる第1及び第2の細長い側部とを含む。第1の側部及び第2の側部はそれぞれ、第1の照明のセット及び第2の照明のセットを支持する。ステップ37132では、第2の側方照明基板を、金属支持フレームの第2の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の上に設置する。それからステップ37142で、第2の側方照明基板の第1及び第2の側部の内表面をそれぞれ、金属支持フレームの第2の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の外表面にハンダ付けする。その結果、第2の側方レンズアセンブリは、照明の2つのセット(第2の側方レンズアセンブリの両側部に1つずつ)を持つ。最後にステップ37152で、前方撮像センサ、第1の側方撮像センサ及び第2の側方撮像センサそれぞれの、第1及び第2のコネクタピンを屈曲させて、第1及び第2の基板にハンダ付けする。
ステップ3722を再び参照して、ある実施形態では、金属支持フレーム上の第2の基板の配置によって、第2の基板の前方縁が前方照明基板の湾曲したベースの内表面に当接することを確保する。またある実施形態では、第1及び第2の側方照明基板の部分的に湾曲したベースをそれぞれ、第2の基板の第1及び第2の側方凹部/溝の中に収容できる。
図37Dは、一層別の実施形態に従い、例えば図33Aから36Bを参照して説明されるような、複数ビュー素子内視鏡で使用するための、電子回路基板アセンブリ(図2A及び2Bのアセンブリ400等)の様々な部品を組立て、接続し又は取付けるための複数のステップを示すフローチャートである。以下に説明する製造工程を任意の順序で行うことができるとともに、以下に示す製造工程の順序は単に例示的なものであり、限定的なものと解釈されるべきでないことに気付くはずである。これから図37Dを参照して、ステップ3703では金属支持フレームを設ける。様々な実施形態に従って、図35Bを参照して説明したように、金属支持フレームは“H字型”であり、第2の壁にほぼ平行な第1の壁と、第1の壁及び第2の壁にほぼ垂直に取付けられる中央壁と、第1の壁のそれぞれの縁にほぼ垂直に取り付けられるとともに前方に向かう2つの側方壁と、第2の壁のそれぞれの縁にほぼ垂直に取り付けられるとともに後方に向かう2つの側方壁と、前方に向かう2つの側方壁のそれぞれの前方縁にほぼ垂直に取付けられる2つの前方支持壁又は縁と、を含む。ステップ3713では、金属支持フレームを、(例えば図33A、33Bの上方基板3302又は下方基板3304のどちらかとすることができる)第1の基板の上に設置する。続いてステップ3723では、(例えば図33A、33Bの上方基板3302又は下方基板3304のどちらかであり、先程のステップ3713で使用した基板によって決めることができる)第2の基板を、金属支持フレーム上に設置する。ステップ3733では、前方レンズアセンブリと前方撮像センサとを備える前方光学アセンブリを、金属支持フレームの前方チャンバに位置付ける。ステップ3743では、第1の側方レンズアセンブリと第1の側方撮像センサとを備える第1の側方光学アセンブリを、金属支持フレームの第1の側方チャンバに位置付ける。さらに、ステップ3753では、第2の側方レンズアセンブリと第2の側方撮像センサとを備える第2の側方光学アセンブリを、金属支持フレームの第2の側方チャンバに位置付ける。
ステップ3763では、前方照明電子回路基板(“前方照明基板”)を設ける。前方照明基板はほぼ“U字型”であり、湾曲したベースと、湾曲したベースから上方に延びる第1及び第2の細長い側部とを含む。湾曲したベース、第1の側部及び第2の側部はそれぞれ、第1の照明のセット、第2の照明のセット及び第3の照明のセットを支持する。ステップ3773では、前方照明基板を、金属支持フレームの2つの前方支持壁又は縁上に設置する。
ステップ3783では、第1の側方照明電子回路基板(“第1の側方照明基板”)を設ける。第1の側方照明基板はほぼ“U字型”であり、部分的に湾曲したベースと、湾曲したベースから上方に延びる第1及び第2の細長い側部とを含む。第1の側部及び第2の側部はそれぞれ、第1の照明のセット及び第2の照明のセットを支持する。ステップ3793では、第1の側方照明基板を、金属支持フレームの第1の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の上に設置する。同様に、ステップ37103では、第2の側方照明電子回路基板(“第2の側方照明基板”)を設ける。第2の側方照明基板はほぼ“U字型”であり、部分的に湾曲したベースと、湾曲したベースから上方に延びる第1及び第2の細長い側部とを含む。第1の側部及び第2の側部はそれぞれ、第1の照明のセット及び第2の照明のセットを支持する。ステップ37113では、第2の側方照明基板を、金属支持フレームの第2の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の上に設置する。
それからステップ37123で、前方照明基板の第1及び第2の側部の内表面をそれぞれ、金属支持フレームの2つの前方支持壁又は縁の外表面にハンダ付けする。その結果、前方レンズアセンブリは、照明の2つのセット(前方レンズアセンブリの両側部に1つずつ)と、前方レンズアセンブリの上部に存在する照明の第3のセットとを持つ。ステップ37133で、第1の側方照明基板の第1及び第2の側部の内表面をそれぞれ、金属支持フレームの第1の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の外表面にハンダ付けする。その結果、第1の側方レンズアセンブリは、照明の2つのセット(第1の側方レンズアセンブリの両側部に1つずつ)を持つ。ステップ37143で、第2の側方照明基板の第1及び第2の側部の内表面をそれぞれ、金属支持フレームの第2の側の、前方に向かう側方壁及び後方に向かう側方壁の外表面にハンダ付けする。その結果、第2の側方レンズアセンブリは、照明の2つのセット(第2の側方レンズアセンブリの両側部に1つずつ)を持つ。最後にステップ37153で、前方撮像センサ、第1の側方撮像センサ及び第2の側方撮像センサそれぞれの、第1及び第2のコネクタピンを屈曲させて、第1及び第2の基板にハンダ付けする。
ステップ3723を再び参照して、ある実施形態では、金属支持フレーム上の第2の基板の配置によって、第2の基板の前方縁が前方照明基板の湾曲したベースの内表面に当接することを確保する。またある実施形態では、第1及び第2の側方照明基板の部分的に湾曲したベースをそれぞれ、第2の基板の第1及び第2の側方凹部/溝の中に収容できる。
本明細書の別の態様によれば、電子回路基板アセンブリの有利な構造は、内視鏡を薄く小型に設計することができる。この実施形態では、電子回路基板アセンブリの構造は、単一の側方観察ビュー素子を備える先端部に関連して説明される。しかしながら、代替的実施形態では、先端部は2つ以上の側方観察ビュー素子を備えることができる。この場合には、側方観察ビュー素子の視野が実質的に反対側となるように、側方観察ビュー素子を設置することができる。しかしながら、本明細書の一般的な範囲内で、様々な構造及び数の側方観察ビュー素子が考えられる。
これから、本明細書の一態様に従う、電子回路基板アセンブリの複数の内側部分の分解図を表す図38Aから38Fを参照する。この内側部分は、互いに組立てられ、接続され又は取付けられるときに、マルチビュー素子内視鏡の凝縮された先端部を形成する。
さらに注目すべきは、電子回路基板アセンブリの複数の内側部分は、供給源電気的に接続されることができるとともに、供給源(電源及び電気信号源等)を共有するように構成できることである。
図38Aは、本明細書の一実施形態に従う、電子回路基板アセンブリの基板3805を示す図である。図38Aを参照して、基板3805は、ほぼ“L字”として成形され、y 方向に延びる幅とx 方向に延びる長さとを持つ第1の部材3805aを有する。第1の部材3805aは第2の部材3805bと一体的に形成され、前記第1の部材3805a及び第2の部材3805bは同じ水平面に存在し、前記第2の部材3805bは前記第1の部材3805aからおおむね90 °の角度で延在する。第2の部材3805bは、y 方向に延びる幅とx 方向に延びる長さとを持つ。ある実施形態では、前記第2の部材3805bの長さは、前記第1の部材3805aの長さよりも長い。言い換えれば、第2の部材3805bは、第1の部材3805aが x 方向に延在するよりも、更に x 方向に延在する。ある実施形態では、第1の部材3805aの幅は、第2の部材3805bの幅よりも広い。言い換えれば、第1の部材3805aは、第2の部材3805bが y 方向に延在するよりも、更に y 方向に延在する。
ある実施形態では、第2の部材3805bは更に、第2の部材3805bの、第1の部材3805aが形成される端部とは反対の端部で、オフセット部材3805cと一体的に形成される。オフセット部材3805cは、第1の部材3805a及び第2の部材3805bと同じ水平面に存在し、y 方向及びx 方向に延在する。ある実施形態では、オフセット部材3805cは、第2の部材3805bから、第1の部材3805aが第2の部材3805bに対して形成されている方向と同じy 方向に、オフセットを作る。ある実施形態では、それぞれの部材3805a、3805b、3805cは同じ厚さであり、その結果、基板3805全体が単一の厚さとなる。
ある実施形態では、図38B及び38Cを参照して以下に説明するように、第1の部材3805aは、第1の金属フレームから取付けペグを挿入するための少なくとも2つの開口部3806を含む。ある実施形態では、図38B及び38Cを参照して以下に説明するように、第2の部材3805bは、第2の金属フレームから取付けペグを挿入するための少なくとも2つの開口部3807を含む。ある実施形態では、オフセット部材は、基板3805の指定位置に溶接されたマルチワイヤ電気ケーブルを通し又は当該マルチワイヤ電気ケーブルと溶接するための少なくとも1つの開口部3808を含み、それによって、先端部アセンブリ内で追加的なスペースを解放する。一実施形態では、電気ケーブルは、開口部3808で基板3805と溶接される。
図38Bは、電子回路基板アセンブリの、前方観察ビュー素子及び側方観察ビュー素子をそれぞれ支持するための、第1の金属フレーム3810及び第2の金属フレーム3812のある実施形態を示す図である。ある実施形態では、第1の金属フレーム3810及び第2の金属フレーム3812は、同じ形状である。第1の金属フレーム3810及び第2の金属フレーム3812は、おおむね長方形状の金属本体3840a、3840bを含み、それぞれの金属本体3840a、3840bは、それぞれの金属本体3840a、3840bの中央部に、おおむね楕円形状の開口部3841a、3841bを有する。さらに、それぞれの金属本体3840a、3840bは、上面3842a、3842b及び底面3843a、3843bを含む。図38A及び38Cを参照して説明されるように基板の第1の部材及び第2の部材の対応する開口部へ挿入される、少なくとも2つの取付けペグ3844a、3844bは、それぞれの金属本体3840a、3840bの底面3843a、3843bから延在する。
さらに、それぞれの金属本体3840a、3840bは、第1の組の側壁3846a、3846bを備える前面3845a、3845bと、第2の組の側壁3848a、3848bを備える後面3847a、3847bを含む。前面3845a、3845b及び第1の組の側壁3846a、3846bは、図38Gを参照して以下説明するように、撮像センサを受け入れるように構成される。後面3847a、3847b及び第2の組の側壁3848a、3848bは、図38Eを参照して以下説明するように、プリント基板を受け入れるように構成される。
図38Cは、本明細書のある実施形態に従い、電子回路基板アセンブリの基板3805に設置される、第1の金属フレーム3810及び第2の金属フレーム3812を有する、第1の中間アセンブリ3815を示す図である。第1の金属フレーム3810の取付けペグ(図38Bの3844a)は、基板3805の第1の部材3805aの開口部(図35Aの3806)内へ挿入されたところである。第1の金属フレーム3810が基板3805へ取付けられ、完全に組立てられると、第1の金属フレーム3810の前面3845aが、前方かつ内視鏡先端の中心から外側を向き、第1の金属フレーム3810の後面3847aが、内視鏡先端の中心に向かって内側を向く。第2の金属フレーム3812の取付けペグ(図38Bの3844b)は、基板3805の第2の部材3805bの開口部(図38Aの3807)内へ挿入されたところである。第2の金属フレーム3812が基板3805へ取付けられ、完全に組立てられると、第2の金属フレーム3812の前面3845bが、側方かつ内視鏡先端の中心から外側を向き、第2の金属フレーム3812の後面3847bが、内視鏡先端の中心に向かって内側を向く。ある実施形態では、第1の金属フレーム3810及び第2の金属フレーム3812は、基板3805にハンダ付けされる。
ある実施形態では基板3805は硬性である一方、別の実施径では基板3805は半硬性である。2つの金属フレーム3810、3812はそれぞれ、内視鏡の前方及び側方観察ビュー素子を支持するための基盤構造を形成する。第1の金属フレーム3810は、第1の長さL1、第1の幅W1、及び第1の長さL1と平行な第1の中心軸線3811によって特徴付けられ、第1の長さL1は第1の幅W1よりも大きい。第2の金属フレーム3812は、第2の長さL2、第2の幅W2、及び第2の長さL2と平行な第2の中心軸線3813によって特徴付けられ、第2の長さL2は第2の幅W2よりも大きい。金属フレーム3810、3812は基板3805上に設置されて、それぞれのフレームの中心軸線3811、3813は互いに交わり角度“N”を形成する。様々な実施形態において、角度“N”の範囲は70−135 °である。ある実施形態では、角度“N”は90 °である。
図38Dは、電子回路基板アセンブリと統合/一体化するための、第1のプリント基板3817及び第2のプリント基板3818のある実施形態を示す図である。ある実施形態では、プリント基板3817、3818はおおむね長方形状であり、プリント基板3817、3818はそれぞれ、上面3852a、3852bと、底面3853a、3853bと、前面3855a、3855bと、後面3857a、3857bと、2つの側面3858a、3858bとを含む。
図38Eを参照して、2つのプリント基板(PCB)3817、3818を、それぞれの金属フレーム3810、3812の後面3847a、3847bに対して設置して、第2の中間アセンブリ3820を形成する。ある実施形態では、第1のプリント基板3817を基板3805上に位置付けて、第1のプリント基板3817の前面(図38Dの3855a)が第1の金属フレーム3810の後面3847aと接触するとともに、第1のプリント基板3817の側面(図38Dの3858a)が第1の金属フレーム3810の第2の組の側壁3848aと接触する。ある実施形態では、第2のプリント基板3818を基板3805上に位置付けて、第2のプリント基板3818の前面(図38Dの3855b)が第2の金属フレーム3812の後面3847bと接触するとともに、第2のプリント基板3818の側面(図38Dの3858b)が第2の金属フレーム3812の第2の組の側壁3848bと接触する。別の実施形態では、プリント基板3817、3818を水平方向に反転させて、プリント基板3817、3818の後面(図38Dの3857a、3857b)が金属フレーム3810、3812の後面3847a、3847bと接触する。2つの実施形態において、金属フレーム3810、3812の後面3847a、3847b及び第2の組の側壁3848a、3848bは、プリント基板3817、3818を収容できるように作用する。ある実施形態では、プリント基板3817、3818は、側壁の組3848a、3848b内で、金属フレーム3810、3812の後面3847a、3847bに対して、ぴったりと適合する。このぴったりとした適合は、先端の利用可能な領域の利用を最大化し、内視鏡先端全体の直径をより小さくできる。ある実施形態では、プリント基板3817、3818の底面3853a、3853bを、基板3805にハンダ付けする。
図38Faは、撮像センサ3802の水平面視及び側方平面視と、ある実施形態と整合する撮像センサ3802が折り曲がる様子とを示す。撮像センサ3802は、センサ3802の第1の端部に、第1の複数コネクタピン3803aを有するとともに、センサ3802の反対側の端部に、第2の複数コネクタピン3804aを有する。撮像センサ3802は、一枚のガラス3835と、プリント基板又はコンピュータチップ3830とをも備える。撮像センサ3802は、内視鏡の先端部に設置するために、第1の複数コネクタピン3803a及び第2の複数コネクタピン3804aがU字の「アーム」を形成する一方で、ガラス3835とプリント基板又はコンピュータチップ3830とがU字の「基部」を形成するように、‘U字’型に折り曲げられる。本明細書に対して図30Aから30C及び図38Fa、38Fbを参照して、「内面」は、アームが延在する方向と同じ方向、すなわち言い換えればU字型の内部を向く、U字の基部の表面を指す一方で、「外面」は、アームが延在する方向とは反対の方向、すなわち言い換えればU字型の内部とは反対方向を向く、U字の基部の表面を指す。従来の設計では、撮像センサ3802が、図38Faの矢印3828で示すように折り曲げられて、ガラス3835が撮像センサ3802の外面に配置されるとともに、プリント基板又はコンピュータチップ3830が撮像センサ3802の内面に配置される。ガラス3835は常にレンズアセンブリと関連付けられ、その結果として撮像センサ3802のガラス3835は常に内視鏡先端部の中心から遠ざかる方向を向き且つ観察する被写体の方を向く。したがって、従来の設計では、ガラス3835が、折り曲げられたU字型の部分に関して外面に存在するため、第1複数コネクタピン3803a及び第2の複数コネクタピン3803bは、内視鏡の先端部の中央に向かって延在する。
図38Fbは、撮像センサ3802(図29A、29B及び29Cで2908、2918及び2920として表す)の水平図及び側面図と、本明細書のある実施形態に従う撮像センサ3802が折り曲がる様子とを示す。撮像センサ3802は、センサ3802の第1の端部に、第1の複数コネクタピン3803aを有するとともに、センサ3802の反対側の端部に、第2の複数コネクタピン3804aを有する。図38Fbを参照して、撮像センサ3802が、矢印3828’で示すように、図38Faに表す折り曲げ方向と比較して反対方向に折り曲げられる。撮像センサ3802は、(図30Aに表すように)折り曲げられた時点で、ガラス3835がU字型の撮像センサ3802の内面に配置されるとともに、プリント基板又はコンピュータチップ3830がU字型の撮像センサ3802の外面に配置されるように構成される。この折り曲げ設計は、(図30Bに表すように)撮像センサ3802をレンズアセンブリに組み付けた時点で、撮像センサ3802とレンズアセンブリとの組み合わせの全体のフットプリントが、従来の設計の全体のフットプリントと比較した場合に、より小さくなる点で有利である。第1の複数コネクタピン3803a及び第2の複数コネクタピン3804aは、レンズアセンブリを包む又は受け台に置くように働き、レンズアセンブリを内視鏡内の更に後方に配置させて、その結果内視鏡の先端部内により多くのスペースを作り出す。
図38Gは、撮像センサ3822、3823を第2の中間アセンブリ(図38Eの3820)に取付けることで形成された、第3の中間アセンブリ3825のある実施形態を示す図である。ある実施形態では、第1の撮像センサ3822を、第1の撮像センサ3822の外面が、第1の金属フレーム3810の前面3845a上かつ第1の組の側壁3846aの間で、静止するように位置付ける。第1の撮像センサ3822の外面はコンピュータチップを備える。このようにして、完全に組立てられると、第1の撮像センサ3822の内面は、前方かつ内視鏡先端の中心から外側を向く。第1の撮像センサ3822の内面は、1枚のガラス3835を備える。撮像センサ3822の第1の端部上の、第1の複数のコネクタピン3824aは、基板3805の下で折り曲げられて、基板3805にハンダ付けされる。第1の撮像センサ3822の第2の端部上の、第2の複数のコネクタピン3825aは、第1の金属フレーム3810の上面上で折り曲げられて、第1のプリント基板3817にハンダ付けされる。ある実施形態では、第2の撮像センサ3823を、第2の撮像センサ3823の外面が、第2の金属フレーム3812の前面3845b上かつ第1の組の側壁3846bの間で、静止するように位置付ける。第2の撮像センサ3823の外面はコンピュータチップを備える。このようにして、完全に組立てられると、第2の撮像センサ3823の内面は、側方かつ内視鏡先端の中心から外側を向く。第2の撮像センサ3823の内面は、1枚のガラスを備える。撮像センサ3823の第1の端部上の、第1の複数のコネクタピンは、基板3805の下で折り曲げられて、基板3805にハンダ付けされる。第2の撮像センサ3823の第2の端部上の、第2の複数のコネクタピン3825bは、第2の金属フレーム3812の上面上で折り曲げられて、第2のプリント基板3818にハンダ付けされる。一実施形態に従って、前方観察撮像センサ3822及び側方観察撮像センサ3823は、例えば視野、分解能、光感度、画素サイズ、焦点長及び/又は焦点距離等の点で類似させ又は同一とさせる。
プリント基板3817、3818はそれぞれ、前方観察ビューセンサ3822及び側方観察ビューセンサ3823に電力を供給し、撮像センサが撮像した静止画像及び/又はビデオフィードを得る。
一実施形態に従って、前方観察撮像センサ3822及び側方観察撮像センサ3823のそれぞれは、これらセンサの外面に装着されて、画像を受け取るために必要な光学系を提供する、レンズアセンブリを有する。それぞれのレンズアセンブリは、複数の固定式又は可動式のレンズを備える。レンズは、少なくとも90 °であり基本的には180 °以下の視野角を提供する。前方観察撮像センサ3822、及び関連するプリント基板3817を有する対応するレンズアセンブリ(前方観察ビュー素子)は、一緒に前方観察光学アセンブリと呼ばれる。同様に、側方観察撮像センサ3823、及び関連するプリント基板3818を有する対応するレンズアセンブリ(側方観察ビュー素子)は、一緒に側方観察光学アセンブリと呼ばれる。
金属フレーム3810、3812が、プリント基板3817、3818及びセンサ3822、3823に対する機械的支持としての機能を果たし、その結果、構造上の丈夫さをもたらすだけでなく、ヒートシンクとしての機能を果たして、センサ3822、3823からの効率的な放熱を可能とすることに、当業者は気付くはずである。
図38Haは、“U字”型に近似する湾曲した前方パネル3827aを備える、前方照明回路基板3826aのある実施形態を示す図である。ある実施形態では、前方パネル3827aは、3セットの前方照明3829a、3829b、3829cを担持するように構成され、それぞれのセットは単一の照明素子を備える。他の実施形態では、折り曲げ可能な前方パネル3827aを、3セットの前方照明3829a、3829b、3829cを担持するように構成し、それぞれのセットは更に2つ、3つ、又は4つの照明素子を備えることができる。3セットの前方照明3829a、3829b、3829cを、内視鏡の前方観察光学アセンブリに関連させるとともに、前方観察光学アセンブリの視野を照射するように位置付ける。ある実施形態では、回路基板3827aのサイドウォール3827bの先端を、対応するサイドウォールの設計に合わせるためように切り取り、先端カバーのサイドウォールは、くぼみを含むように適合される。
図38Hbは、“U字”型に近似する湾曲した側方パネル3827cを備える、側方照明回路基板3826bのある実施形態を示す図である。側方パネル3827cは、2セットの側方照明3829d、3829eを担持するように構成され、一実施形態に従って、それぞれのセットは単一の照明素子を備える。他の実施形態では、側方パネル3827cは、2セットの側方照明3829d、3829eを担持するように構成し、それぞれのセットは更に2つ、3つ、又は4つの照明素子を備えることができる。側方照明3829d、3829eを、内視鏡の側方観察光学アセンブリに関連させるとともに、側方観察光学アセンブリの視野を基本的に照射するように位置付ける。様々な実施形態において、側方照明3829dの中心と側方照明3829eの中心との間の距離が、5.5−6.5ミリメートルの範囲であるように、側方照明を位置付ける。
図38Iに示すように、基板3805は、照明回路基板3826a及び3826b、並びにこれら照明回路基板に対応する照明3829aから3829eをそれぞれ、所望の構造で(すなわち、第1及び第2の金属フレームに近接して)保持し支持するように構成される。基板3805は、前方観察光学アセンブリ及び側方観察光学アセンブリと、それぞれに関連するビュー素子/要素3832及び3833とを適所に固定して、本明細書の電子回路基板アセンブリ400を形成する。最終的に、図38Jから38Kは、内視鏡先端部3801と、本明細書の電子回路基板アセンブリ400に取付けられる流体チャネリング要素又は多岐管600とを示す。流体チャネリング要素又は多岐管600は、医療用器材(処置具等)を挿入するため、及び組織を吸引するために構成される、前方作業/サービスチャンネル640を含む。いくつかの実施形態によれば、前方ビュー素子及び1つの側方ビュー素子と、前方作業/サービスチャンネル640とに加えて、前方ノズル開口部3824及び前方噴出開口部3826を(内視鏡の先端部に)含む、内視鏡(例えば胃内視鏡又は大腸内視鏡であるが、これらに限定されない)が本明細書で提供される。
図114は、図38Aから図38Kを参照して説明されるマルチビュー素子内視鏡で使用するための光学アセンブリの様々な要素を、組立て、接続し及び/又は取付ける複数の製造工程を示すフローチャートである。以下に説明する製造工程を任意の順序で行うことができるとともに、以下に示す製造工程の順序は単に例示的なものであり、限定的なものと解釈されるべきでないことに気付くはずである。これから図114を参照して、ステップ11405では基板を設ける。ステップ11410では、第1の金属フレームを基板上に位置付ける。いくつかの実施形態では、第1の金属フレームは、第1の長さ、第1の幅、及び第1の長さと平行な第1の中心軸線によって特徴付けられ、第1の長さは第1の幅よりも大きい。ステップ11415では、第2の金属フレームを基板上に位置付ける。いくつかの実施形態では、第2の金属フレームは、第2の長さ、第2の幅、及び第2の長さと平行な第2の中心軸線によって特徴付けられ、第2の長さは第2の幅よりも大きい。第1の中心軸線と第2の中心軸線とは交わり、互いに対して70−135 °の 範囲内の角度を定める。ステップ11420では、第1のプリント回路基板、第1のセンサ及び第1のレンズアセンブリは、第1の金属フレームに連結され、第1のプリント回路基板と第1のセンサと第1のレンズアセンブリとは第1の光学アセンブリを形成する。ステップ11425では、第2のプリント回路基板、第2のセンサ及び第2のレンズアセンブリは、第2の金属フレームに連結され、第2のプリント回路基板と第2のセンサと第2のレンズアセンブリとは第2の光学アセンブリを形成する。
次に、ステップ11430で、第1の照明回路基板を設け、ステップ11435で、第1の照明回路基板の湾曲したパネルが第1のレンズアセンブリの湾曲した表面に適合するように、第1の照明回路基板を基板に第1の金属フレームに近接して連結する。その後、ステップ11440で、第2の照明回路基板を設け、ステップ11445で、第2の照明回路基板の湾曲したパネルが第2のレンズアセンブリの湾曲した表面に適合するように、第2の照明回路基板を基板に第2の金属フレームに近接して連結する。
従来技術で使用される内視鏡の光学装置は典型的に、光学系全体の比較的大きな全光路長(光学的トラックの総量)を要求する。このことは、内視鏡にとって不都合であり、とりわけ大腸内視鏡又は胃内視鏡として使用される内視鏡にとって不都合であり、特に1つ以上の側方ビューカメラを有する内視鏡(本明細書の実施形態に従う内視鏡等)で使用する場合に不都合である。
さらに、従来技術の内視鏡で使用されるセンサ(CCDセンサ等)では、光エネルギが画素の中心に集中するように、画素を、「窓」が存在するフォトシールドフィルムで部分的に覆っている。このことは、信号対雑音比を改善し、光利用効率を向上させる。しかしながら、このことは、センサのマイクロレンズを通過した光線と、光学系の光軸との間の入射角に対して、センサが敏感になる原因にもなる。したがって、比較的小さな入射角を持つ光線は画素に到達することができる一方、比較的大きな(センサのマイクロレンズを通過した光線と光学系の光軸との間の)入射角を持つ光線は、「窓」ひいては画素に到達できないことがあり、著しいエネルギ損失を引き起こすことがある。この損失は、視野の縁で、光線の入射角が主光線の入射角に近づくために、最大となる。
したがって本明細書では、いくつかの実施形態に従う、内視鏡(大腸内視鏡等)で使用するために、特にマルチセンサ内視鏡/大腸内視鏡で使用するために構成されるレンズシステム(アセンブリ)を提供する。本明細書のいくつかの実施形態に従う(任意にセンサと一緒の)レンズシステムは、例えば5ミリメートル以下の、短い総光路長(トラック)を持つ。本明細書のいくつかの実施形態に従うレンズシステムは、大きな入射角(例えば20 °超の、25 °超、30 °超又は約20−40 °の間の主入射角)をもたらすように構成される。主入射角は例えば、図41Aから41Cの光線R6が形成する入射角である。本明細書のいくつかの実施形態に従うレンズシステムは、ディストーションが最小限度(例えば80%未満)となる。
いくつかの実施形態によれば、大きな入射角を持つ光線が画素に到達でき、それ故にディストーションを改善するように構成される、フォトシールドフィルム内の窓を有するように、レンズシステムと一緒に使用されるセンサが構成される。大きな入射角とは例えば、20 °超、25 °超、30 °超又は約20−40 °の間の主入射角である。いくつかの実施形態によれば、窓の幅(又は任意の他の寸法のパラメータ)を、対応する画素の幅の約30−60%とすることができる。いくつかの実施形態によれば、センサのマイクロレンズが、実質的に無収差状態を提供するように構成することができる。言い換えれば、センサは、実質的に収差がない画像を提供するように構成されることができる。
図39Aは、現在の明細書の例示的な実施形態に従う、複数の視野を有する内視鏡3900の、頭部3930の詳細を表す断面図を概略的に描写する。
現在の明細書に従う、内視鏡3900の頭部3930は、少なくとも前方観察光学アセンブリ39116並びに2つの側方観察光学アセンブリ3920a及び3920bを備える。光学アセンブリ39116及び/又は3920a及び/又は3920bは、複数のレンズ430から434を有するレンズアセンブリ39132と、保護ガラス3936と、プリント基板に接続される固体検出器アレイ39134とを備える。
光学アセンブリ39116に光学撮像システム(レンズアセンブリ、レンズシステム等)39132及び固体検出器アレイ39134を、光学アセンブリ3920a、3920bに光学撮像システム3932及び固体検出器アレイ3934を、それぞれ設ける。光学アセンブリ39116及び3920の前方カメラ要素3936及び3956をそれぞれ、平坦な保護窓とすることができるが、任意に、撮像システムの一部として使用される光学要素(それぞれ固体検出器アレイ39134及び3934等)とすることができる。任意に、光学アセンブリ39116及び3920を、類似させる又は同一とすることができるが、異なるカメラの設計を用いることもできる(例えば視野39118及び3918を相違させることができる)。これに加えて又はこの代わりに、他の光学パラメータ(解像度、光感度、画素サイズ、画素数、焦点長、焦点距離及び被写界深度等)を同じとするか相違させるかを選択することができる。
視野を照射する発光ダイオード(LED)によって、光が供給される。いくつかの実施形態によれば、白色光LEDを使用することができる。他の実施形態によれば、他の色のLED(例えば赤、緑、青、赤外線、紫外線)又は任意のLEDの組み合わせを使用することができる。
描写された実施形態では、内視鏡頭部3930内に配置され、光学窓3942a及び3942bによってそれぞれ保護される、2つのLED3940a及び3940bが、(少なくとも1つのビュー素子又はカメラと、関連要素とを備える)前方観察光学アセンブリ39116の視野39118を照射する。
同様に、描写された実施形態では、内視鏡頭部3930内に配置され、光学窓3952によってそれぞれ保護される、それぞれのLED3950が、側方観察光学アセンブリ3920a及び3920bの視野をそれぞれ照射する。LED光源の数及びLED光源のカメラに対する位置は、現在の明細書の範囲内で変えることができることに気付くはずである。例えば、同じ保護窓の後ろにほとんどLEDを配置しないことができ、カメラ及び1つ以上のLEDを同じ保護窓の後ろに配置することができる。
内視鏡3900の頭部3930を軟性シャフト3960の先端側端部に位置付ける。当該技術分野のシャフトと同様に、シャフト3960は、処置具を挿入するための作業チャンネル3962を含む。また、シャフト3960は、洗浄用、ガス注入用、吸引用、又は結腸の壁を洗い流すための液体を供給するためのチャンネルを含むことができる。
図39Bは、現在の明細書の例示的な実施形態に従う、頭部3930の詳細を表す内視鏡のカットアウトの断面図を概略的に描写する。わかりやすくするために、2つの側方観察カメラの1つの詳細を図に示す。
現在の明細書に従う、内視鏡の頭部3930は、少なくとも1つの側方観察光学アセンブリ3920を備える。光学アセンブリ3920のそれぞれに、少なくとも光学撮像システム(レンズアセンブリ3932及び固体検出器アレイ3934等)を設ける。光学アセンブリ3920の前方カメラ要素3956を、平坦かつ透明な保護窓又は撮像システム3922の一部として使用される光学素子とすることができる。
図39Cは、現在の明細書の例示的な実施形態に従う、複数の視野を有する内視鏡の、頭部3930の詳細を示す断面図を概略的に描写する。
現在の明細書のいくつかの実施形態によれば、頭部3930の内部に、前方観察光学アセンブリ39116及び側方観察光学アセンブリ3920をそれぞれ備える。光学アセンブリ39116及び/又は3920は、複数のレンズ430から434を有するレンズアセンブリ39132と、保護ガラス3936と、プリント基板39135及び3935に接続される固体検出器アレイ39134とを備える。なお、光学アセンブリ39116及び3920又はこれら光学アセンブリに関連する任意の要素(レンズアセンブリ39132、複数のレンズ430から434、保護ガラス3936、固体検出器アレイ39134、並びに/若しくはプリント基板39135及び3935等)を同じとすることも相違させることもできる。言い換えれば、前方観察光学アセンブリ及び(1つ以上の)側方観察光学アセンブリを、同じものとすることができ、又は、これら光学アセンブリの要素若しくはこれら光学アセンブリに関連する他の素子(光学素子等)の、任意のもの若しくは任意の組み合わせを相違させることができる。
図40は、現在の明細書の例示的な実施形態に従う、ビュー素子又はカメラ要素の詳細、具体的にはレンズアセンブリ39132及び3932の詳細を表す、光学アセンブリ39116及び3920の断面図を概略的に描写する。本明細書のいくつかの実施形態によれば、光学アセンブリ39116及び3920を同じとすることも相違させることもできることに気付くはずである。任意に、光学アセンブリ39116の集束距離を、光学アセンブリ3920の集束距離とわずかに相違させる。集束距離を相違させることは、例えば、レンズアセンブリ39132及び/若しくは3932を含む複数のレンズ間の距離、又はレンズアセンブリと検出器アレイとの間の距離を、(わずかに)変えることによって、達成できる。
レンジ431と432との間のエアギャップ“S”は、ストップとして働く。エアギャップSは、集束範囲(レンズシステムの光学的焦点調節から外れることにより引き起こされる過度のぶれが無い状態で撮像できる、最も近い被写体とより遠い被写体との間の距離)に影響を及ぼすことができる。
現在の明細書の例示的な実施形態によれば、光学アセンブリ39116及び3920はそれぞれ、レンズアセンブリ39132及び3932を備える。レンズアセンブリは、レンズ430から434のセットと保護ガラス436とを備える。
レンズ430から434を、(任意に金属の)バレル410とバレル410へのコネクタ(例えばバレル410に接着される)との内部に位置させる。レンズアセンブリ39132及び/又は3932の任意の1つは、アダプタ411を備えることもできる。アダプタ411は、任意に、図40に示すように、バレル410内に位置付ける。アダプタ411は、レンズの1つ以上の位置を調節し、レンズ間の距離を調整するように構成される。アダプタ411は、(ここでの場合はレンズ432と433との間の)ストップとしての役割を果たすように構成することもできる。保護ガラス436を、固体検出器アレイ39134又は3934に近接して位置させ、任意に固体検出器アレイ39134又は3934に取付ける。
レンズ434と保護ガラス436との間の距離を変えることによって、焦点距離(レンズシステムによって光学的に焦点を合わせられた被写体への距離)を変えることができる。レンズ434がバレル410に固定されるとともに、保護ガラス436がレンズホルダ39136(3936)に固定されているときに、レンズホルダ39136(3936)のバレル410に対する相対位置を変えることによって、この距離を変化させることができる。レンズ434と保護ガラス436との間のスペースを、空のスペースとすることができ、又はガス又は他の透明な材料で満たすことができる。あるいは管状のスペーサを挿入して当該レンズ間の正確な距離を保証することができる。任意に、光学フィルタをスペース内に設置することができる。カメラ又は光学アセンブリのビュー素子部品39116及び3920はそれぞれ、固体検出器アレイ39134及び3934を更に備えることができる。固体検出器アレイ39134及び3934をそれぞれ、プリント基板に接続することができ、固体検出器アレイ39134及び3934は光学アセンブリを形成する。電気配線は、プリント基板を内視鏡の中央制御システムユニットに接続することができる。
固体検出器アレイ39134及び3934をそれぞれ、レンズホルダ39136及び3936に取付ける。レンズホルダ39136又は3936をそれぞれ、検出器アレイのカバーをバレル410に取付けることによって、レンズアセンブリ39132又は3932に取付ける。
いくつかの応用では、保護ガラス436を平面−平面の光学素子とすることができる。この光学素子は、主に検出器アレイ(検出器アレイ39134及び3934等)を保護する機能を果たし、任意にアレイと共に提供することができる。しかしながら、光学設計のために保護ガラス436の光学的性質を計算する必要がある。
レンズアセンブリ39132又は3932を組立てるために、最初にレンズ430を左側から挿入し、その後レンズ431を右側から挿入して、レンズ432を右側から挿入することができる。その後、一緒に接着する(又は例えば空気によって分離する)ことができるレンズ433及び434を右側から挿入する。それから、この完全なセットをバレル内に組立てる。その後、組立てられた検出器(検出器アレイ39134及び3934等)、保護ガラス436及びカバー39136(3936)を追加する。
図41A、41B及び41Cは、本明細書に従うレンズアセンブリ(レンズアセンブリ39132及び3932等)に対する3つの例を示す。レンズアセンブリ39132及び3932はそれぞれ、対物レンズシステム510、520及び530を有する。この例示的な実施形態によれば、レンズアセンブリ39132及び3932で使用されるセンサを、マイクロレンズのアレイを有する電荷結合素子(CCD)のセンサとすることができるが、他のセンサ(CMOS等)も使用することもできる。
本明細書の例示的な実施形態では、約800x600画素の解像度を有するカラーCCDカメラを、約3.3 x 2.95ミリメートルの総活性領域と共に使用する。現在の明細書の例示的な実施形態に従う、レンズの光学分解能は、センサの解像度と合致するように設計される。対物レンズシステム510(520/530)は好ましくは色収差、球面収差及び非点収差が補正されている。明細書の例示的な実施形態では、前方レンズの前面からセンサの前面までを測定した、対物レンズシステム510、520、530の全長は約4.60ミリメートル(4.62)である。明細書の例示的な実施形態では、対物レンズシステム510及び520は、約170 °の受光角を有する広角の対物レンズである。明細書の例示的な実施形態では、前方レンズの前面から撮像される被写体までを測定した、対物レンズシステム510、520、530の焦点距離は短い。明細書の例示的な実施形態では、対物レンズシステム510、520、530は、4−110ミリメートルの間(又は3.5−50ミリメートルの間)の被写体を効果的に撮像できる焦点深度(DOF)を有する。明細書の例示的な実施形態では、対物レンズシステム510、520、530の、前方レンズの直径で定義される、最大直径は約2.5ミリメートルであり、ほぼ3.6ミリメートルの最大外径を有するバレル内に収容される。現在の明細書の一般的な範囲内で、他の設計パラメータを選択することができることに気付くはずである。
対物レンズシステム510、520、530は、破線で描写される光軸“O”を持つ。レンズシステムはそれぞれ、前方サブシステム510a、520a、530a及び後方サブシステム510b、520b、530bを備える。
図41A及び41Bの前方サブシステム510a及び520aはそれぞれ、観察する被写体の最も近くに配置されたマイナス度数の前方レンズ430、430’と、プラス度数のレンズ431、431’とを備える。
凹面が観察する被写体を向いた状態に、前方レンズ430、430’は向いている。前方レンズ430、430’は任意に、後方サブシステム510b、520bの光軸に垂直な方向の最大寸法よりも実質的に大きな直径を有する。レンズ431、431'はプラス度数である。
後方サブシステム510bはレンズ432、433、434と保護ガラス436とを備え、後方サブシステム520bはレンズ432'、433'、434'と保護ガラス436'とを備える。レンズ432及び432'はマイナス度数であり、レンズ433及び433'はプラス度数であり、レンズ434及び434'はマイナス度数であり、レンズ436及び436'は基本的に光学的度数がない。なお、保護ガラス436及び436'を、センサの一部とすることができ、又は後方サブシステム510b、520bの一部とすることができる。後方サブシステム510b及び520bのレンズ433、434及び433'、434'はそれぞれ、収色性のサブアセンブリを構成することができる。このサブアセンブリは、図41Aに見られるような、レンズ433及び434が接合された、複合収色性サブアセンブリであり、又は、図41Bに見られるような、レンズ433’及び434’が分離した、非複合収色性サブアセンブリである。レンズ433及び433'は、下記の表1及び表2に示すように、両凸であり、前面の曲率半径が後面の曲率半径よりも小さい。
対物レンズシステム510のレンズ432は、条件f432≦1.8f を満たす焦点長f432を持つ。ここで、f は、システム全体の複合焦点長である。特に、表1に示すデータに関して、f432 = 2.05 mm、f = 1.234 mm であり、条件f432≦1.8f が満たされている。
対物レンズシステム520のレンズ432'は、条件f432≦1.8f を満たす焦点長f432'を持つ。
特に、表2に示すデータに関して、f432 = 2.05 mm、f = 1.15 mm であり、条件f432≦1.8f が満たされている。
レンズアセンブリ39132、232の効率を更に改善するために、レンズを反射防止コーティング(ARコーティング)で被覆することができる。
有効開口部ストップS1及びS2を、レンズ431と432との間、及びレンズ431'と432'との間に形成することができる。有効開口部ストップS1及びS2は、前方サブシステム510a及び520aと、後方サブシステム510b及び520bとを分離することができる。
図41Cで見られる前方サブシステム530aは、観察する被写体の最も近くに配置されたマイナス度数の前方レンズ430”と、プラス度数のレンズ431”とを備える。前方サブシステム530aは、第1の前方マイナスレンズ430”と、第2の前方プラスレンズ431”との間に配置された、付加的な前方プラスレンズ(メニスカスレンズ429等)を更に備える。
凹面が観察する被写体を向いた状態に、前方レンズ430”は向いている。前方レンズ430”は任意に、後方サブシステム530bの光軸に垂直な方向の最大寸法よりも実質的に大きな直径を有する。
後方サブシステム530bはレンズ432’’、433’’、434’’と保護ガラス436’’とを備える。レンズ432’’はマイナス度数であり、レンズ433’’はプラス度数であり、レンズ434’’はマイナス度数であり、レンズ436”は基本的に光学的度数がない。なお、保護ガラス436’’を、センサの一部とすることができ、又は後方サブシステム530bの一部とすることができる。レンズ433’’及び434’’は、後方サブシステム530bの収色性のサブアセンブリを構成することができる。レンズ433’’及び434’’を互いに接合することができ、互いに接合しないこともできる。レンズ433’’は、下記の表3に示すように、両凸であり、前面の曲率半径が後面の曲率半径よりも小さい。
対物レンズシステム530のレンズ432’’は、条件f432’’≦1.8f を満たす焦点長f432を持つ。ここで、f は、システム全体の複合焦点長である。特に、表3に示すデータに関して、f432’’ = 2.26 mm、 f = 1.06 mm であり、条件 f432’’≦1.8f が満たされている。
レンズアセンブリ39132、3932の効率を更に改善するために、レンズを反射防止コーティング(ARコーティング)で被覆することができる。
有効開口部ストップS3を、レンズ431’’と432’’との間に形成することができる。有効開口部ストップS3は、前方サブシステム530aと、後方サブシステム530bとを分離することができる。
表1、2及び3はそれぞれ、現在明細書のいくつかの実施形態に従う、対物レンズシステム510、520及び530のレンズのパラメータを要約した表である。
(FOV=164 °、DOF=3−110 mm、f=1.234 mm、光学的トラックの総量4.09 mm)
(FOV=164°、DOF=3−110 mm、f=1.15 mm、光学的トラックの総量4.09 mm)
表3は、追加的なプラスレンズ429(例えば、表3に示すようにメニスカスレンズ)も備える、6つの要素のシステムの例を表す。
(FOV=164 °、DOF=3−110 mm、f=1.06 mm、光学的トラックの総量4.69 mm)
R1−レンズ前面の曲率半径(前面とは被写体の方向を向く面である);
R2−レンズ後面(被写体から離れる方向を向く面)の曲率半径;
Th−レンズの厚さ−前面の中心から後面の中心まで;
ガラス−レンズのガラスの種類;
d1−レンズの前方光学面の半径;
d2−レンズの後方光学面の半径;
D−要素(レンズ等)の後面の前方中心から、隣の光学素子の前面まで計測した、要素(レンズ等)間の距離。ストップSについては、この距離を、ストップの前方側の要素の後面の前方中心から、隣の要素の前面まで測定する。
一般に用いられるように、無限大に等しい曲率半径は、平面と解釈される。任意に、全てのレンズは球面レンズである。
図41A、41B及び41Cはまた、前方レンズ430(図41A)、430'(図41B)B又は430”(図41C)から、対物レンズ510、520及び530をそれぞれ通り、像平面で被写体の像を生成するまでの、6つの入射光線R1からR6の伝搬を表す。
光線R1からR6はそれぞれ、レンズアセンブリに、α1(アルファ1)からα6(アルファ6)の角度で入る。例えばα1からα6はそれぞれ基本的に、α1=0 °、α2=45 °、α3=60 °、α4=75 °及びα5=84 °である。対応する入射角(この角度は、センサのマイクロレンズを通過した光線と、システムの光軸との間の角度である)は、β1(ベータ1)−β6(ベータ6)である。いくつかの実施形態によれば、主入射角(例えば図41Aから41Cの光線R6によって形成する入射角)は、20 °超、25 °超、30 °超又は約20−40 °の間である。 本明細書のいくつかの実施形態に従うレンズシステムは、周辺ディストーションが最小限度(例えば80%未満)となる。
光学システムアセンブリ39132、3932を、
任意に、レンズの後方ダブレット433-434(433'-434')を接合するステップと、
1)バレル内で前方レンズ430(430')を組立てるステップと、
2)レンズ431(431')をバレル内で組立てるステップと、
3)レンズ432(432')をバレル内で組立てるステップと、
4)バレル内で、後方ダブレット433-434(433'-434')を組立てるステップと、
を含む方法で組立てることができる。任意に、前方レンズ430(430')を最後に組立てることができることに留意する。
ある実施形態では、内視鏡の先端部分の複数のビュー素子のそれぞれを、分離したモジュール式ユニットとして具体化する。内視鏡先端部分の空洞内に光学アセンブリ/撮像モジュールを一緒にカプセル化する。モジュールを個別に密封して、あるモジュールが故障した場合に、故障したモジュールのみを、他のモジュールに影響を及ぼすことなく取り替える。
モジュール式設計では、前方及び側方向き撮像センサのそれぞれと、当該センサ各自のレンズアセンブリ(又はビュー素子)とが、これらの回路基板と共に、個別の光学アセンブリ/撮像モジュールを備える。この光学アセンブリ/撮像モジュールは、ある実施形態では、図面を参照してより詳細に説明される軟性の光学アセンブリキャリア基板の上に組立てられる。不良時に、ある実施形態では、モジュールを、他のモジュールに影響を及ぼすことなく個別に取り替える又は修理することができる。別の実施形態では、故障時に、それぞれの個別の光学アセンブリ/撮像モジュールを、他のモジュールに影響を及ぼすことなく個別に取り替える又は修理することができる。ある実施形態では、光学アセンブリ/撮像モジュールのすべてを先端部分の先端側端部面の比較的近くに有利に位置付ける。このことは、モジュール式設計の前方向きビュー素子及び側方向き光学アセンブリを有利に小型化することによって可能になり、モジュール式設計は、先端部分で衝突すること無しにカメラの角度の位置決めをするために十分な内部空間を可能にする。
さらに、モジュール式設計により、撮像モジュールに対して、既存の設計のカメラで用いられているスペース又は体積と同じスペース又は体積が使用され、モジュール式設計は、先端部分の他の要素(流体チャンネル、照明等)の機能性及び設計に影響を及ぼさない。
これから、本明細書のある実施形態に従う、モジュール式内視鏡の先端部分4200の様々な要素を表す、図42を参照する。モジュール式先端部分の(部分的に表される)カバー又はハウジングは、前方先端カバー4201及び後方先端カバー4202を備え、そして先端カバーの部分4201及び4202は、流体チャネリング要素又は多岐管4203の少なくとも一部を包むように設計される。前方先端カバー4201及び後方先端カバー4202の両方は、先端部分内の光学アセンブリ/ビュー素子及び照明を、被覆、保護及び密封するために、複数の前方開口部及び側方開口部(側方光学窓4204等)を有する。
モジュール式内視鏡の先端部分4200はまた、任意に軟性である、照明(ある実施形態ではLED)のキャリア基板4210と、少なくとも1つの光学アセンブリ/撮像モジュールを支持し、任意に軟性である、光学アセンブリキャリア基板4206(図24Aから24Cの基板770等)と、関連する電気ケーブル4207とが設置される、部分的に取り囲まれたハウジング又はアセンブリホルダー4205を有する。部分的に取り囲まれたハウジング又はアセンブリホルダー4205は、適切なスロット4208を持ち、軟性光学アセンブリキャリア基板4206内に収容される少なくとも1つの光学アセンブリ/撮像モジュール4220、4230及び/若しくは4225を収容し、又は当該光学アセンブリ/撮像モジュールに適合する。アセンブリホルダー4205は、ユニットが組立てられる時に、関連する電気ケーブル4207を担持又は支持するための突起又は延長部分4209も備える。
一実施形態に従って、多岐管4203の手元側基部4215は、突起4209を受け止め、突起4209を位置合わせし、又は突起4209と嵌合するように適合される溝を備え、その結果、組立てられた時に、多岐管4203と部分的に取り囲まれたハウジング又はアセンブリホルダー4205との間を滑り嵌めできる。組立てられた時に、多岐管4203と部分的に取り囲まれたハウジング4205とは、内容積を画定する実質的に円柱状のハウジングを形成し、軟性の照明(ある実施形態ではLED)キャリア基板4210と軟性光学アセンブリキャリア基板4206とを収容できる。一実施形態に従って、(内視鏡の先端部の)内容積は、2.75 cm3から3.5 cm3までの範囲をとる。
軟性の照明(ある実施形態ではLED)キャリア基板4210は、軟性光学アセンブリ基板4206を担持するように構成される。軟性光学アセンブリ基板4206は、撮像モジュール又は光学アセンブリ4220、4225及び4230と、関連要素とを備える。
軟性の照明(LED)キャリア基板及び軟性の光学アセンブリキャリア基板は、一緒に軟性電子回路基板と呼ばれ、この明細書で以前に説明している。特に、以前に説明したように、軟性回路基板がとる容積はより少なくなり、付加的に必要な構成のためのスペースをより残す。ある実施形態では、軟性回路基板を折り曲げて、2つの側方撮像モジュール又は光学アセンブリを互いに平行に配置することができる。したがって、基板の柔軟さにより、要素の位置決めに使用できる新たなスペースの寸法を追加する。
軟性回路基板を使用することで、要素間を接続するために用いるワイヤが不要になるため、回路基板に接続される電気モジュールの信頼性を著しく改善することができる。さらに、いくつかの実施形態によれば、要素アセンブリを機械加工することができ、及び/又は自動化させることができる。
軟性回路基板を使用することは、モジュール式先端部分4200の組立中の要素の操作に役立ち、また組立て手順を簡略化させる。ある実施形態では、軟性回路基板は、基板の指定位置に溶接されたマルチワイヤ電気ケーブルによって内視鏡の制御ユニットに接続され、それによって、先端部分アセンブリ内で追加的なスペースを解放する。
図43は、図42の軟性光学アセンブリキャリア基板4206を収容するための部分的に取り囲まれたハウジング又はアセンブリホルダー4300(図42に4205として表す)の詳細図を、前方ホルダー部4325と一緒に示す。ある実施形態では、ハウジング又はアセンブリホルダー4300は、図42の撮像モジュール若しくは光学アセンブリ、及び/又は軟性の照明キャリア基板4210を支持するように構成される。図42を再び参照して、軟性光学アセンブリ基板4206は、様々な実施形態に従い、前方モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール4220、第1の側方モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール4225及び第2の側方モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール4230を備える。これから図43を参照して、ホルダー4300は、第1の壁4308と湾曲したベース4301とが前方に画定する第1のコンパートメント4307を含み、前方モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールを第1のコンパートメント4307に設置することができる。アセンブリホルダー4300は更に、第1の壁4308と第2の壁4311と第3の壁4302とが画定する第2のコンパートメント4309を含む。ホルダー4300は、第1の壁4308と第2の壁4311と第4の壁4303とが画定する第3のコンパートメント4310も含む。第2のコンパートメント4309及び第3のコンパートメント4310はそれぞれ、第1の側方モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール及び第2の側方モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールを担持する。第1のスリット4315を第3の壁4302と第2の壁4311との間に位置付けて、第1の側方モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールの第1の側方プリント回路基板を受け入れる。同様に、第2の側方モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールの第2の側方プリント回路基板を受け入れるために、第2のスリット4320を第4の壁4303と第2の壁4311との間に位置付ける。これらのコンパートメントに円形スロット又は開口部4304及び4305も設けて、撮像モジュール又は光学アセンブリの光学素子を担持する。前方ホルダー4325も、湾曲したベース4301と位置合わせされるように設計された湾曲した表面4330を含み、それ故に前方ホルダー4325はアセンブリホルダー4300の構造アウトフィット内に設置される。前方ホルダーは、円形スロット4335を含み、(図50に表すように)前方ホルダー4325がアセンブリホルダー4300内に設置されているときに、前方モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールの光学素子を担持/支持する。ホルダー内に長方形状ストリップ又は突起4306を設けて、電気ケーブルを担持し、図42に表すように多岐管4203の手元側基部4215の溝と嵌合する。軟性の照明キャリア基板及び電気ケーブルと一緒の、軟性光学アセンブリキャリア基板又はモジュール式光学アセンブリユニットの形状及びサイズに対応するように、アセンブリホルダー4300が設計されていることが理解されるはずである。このことは、上述したように図42の要素4205、4206、4207及び4210でも見ることができる。
図44は、一実施形態に従う、軟性基板上で互いに一体化した場合の撮像モジュール又は光学アセンブリの平面図を示す。本実施形態では、図1Jを参照して説明される構造に類似する、3つの撮像モジュール又は光学アセンブリが用いられている。図44を参照して、3つの撮像モジュール又は光学アセンブリの中に、前方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール4410及び2つの側方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール4420、4430が存在する。一実施形態では、2つの側方向き光学アセンブリ/撮像モジュール4420及び4430は、反対方向を向く。前方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール4410は、一体化されたセンサ4401を有する前方プリント基板を備える。前方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール4410は、光学アセンブリ/撮像モジュールの光学系又は光学素子が内部に設置される前方光学素子/レンズホルダ4402を更に備える。第1の側方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール4420は、一体化されたセンサ4405を有する側方プリント基板を備える。第1の側方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール4420は、光学アセンブリ/撮像モジュールの光学系又は光学素子が設置される側方光学素子/レンズホルダ4407を更に備える。他の側方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール4430も、一体化されたセンサ4403とともに側方光学素子/レンズホルダ4404を有する側方プリント基板を備える。モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールの全てに、電気ケーブル4406を通じて電力が供給される。
図45は、1つの前方向き光学アセンブリ/撮像モジュール4510及び2つの側方向き光学アセンブリ/撮像モジュール4520、4530を含む、3つのモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールの底面図を示す。ここで、側方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール4520及び4530の両方のための、一体化されたセンサ4501、4502を有する側方プリント基板を見ることができる。側方光学素子/レンズホルダ4503、4504と、一体化されたセンサ4505を有する前方プリント基板と、前方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール4510の前方光学素子/レンズホルダ4506とをも見ることができる。図から見ることができるように、電気ケーブル4507を、前方向き光学アセンブリ/撮像モジュール及び側方向き光学アセンブリ/撮像モジュールそれぞれの、プリント基板4505、4501及び4502に接続する。
以前に図1Jを参照して説明したように、様々な実施形態において、それぞれの撮像モジュールは、レンズアセンブリ、画像撮像デバイス及び集積回路基板を備える。画像撮像デバイスを、電荷結合素子(CCDの)撮像センサ若しくは相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像センサ、又は画像を撮像するために使用可能な感光面を有する他の適切なデバイスとすることができる。一実施形態に従って、一体化されたセンサ4505を備える前方プリント基板と、一体化されたセンサ4501、4502を備える側方プリント基板とは、軟性光学アセンブリキャリア基板(図24Aから24Cの基板770等)の表面で支持され又は当該表面に位置付けられる。しかしながら、別の実施形態に従って、一体化されたセンサ4505を備える前方プリント基板と、一体化されたセンサ4501、4502を備える側方プリント基板とは全て、個別のユニットである。
作動中、それぞれの光学アセンブリ/撮像モジュールは、実質的に単独で、画像を撮像することができ、実質的に同時に、1つ以上のディスプレイを用いて、画像を表示することができる。このことは例えばPCT/IL10/000476で説明されており、PCT/IL10/000476を参照により本明細書に援用する。
図46は、第1及び第2の側方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールの斜視図を示す。これ以降図46を参照して、一方側の側方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールの構造を説明するが、説明される構造及び詳細は第1及び第2の側方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールの両方に等しく適用されることに気付くはずである。これから図46を参照して、側方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール1000は、前部に光学素子1001を備える。光学素子1001は、複数の光学系(レンズアセンブリ、レンズ及び保護ガラス等)を備える。光学素子1001は、対象物体からの反射光を受け取り、中心軸1004で特徴付けられる。
光学アセンブリ/撮像モジュール1000は、(光学素子1001から受け取った反射光を検出するための)センサ(電荷結合素子(CCD)撮像センサ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像センサ等)と、撮像システムの光学系/光学素子1001を担持又は収容するためのレンズ/光学素子ホルダー1002とを更に備える。光学素子ホルダーは、実質的に円柱状のハウジング1002と、第1の表面1006、及び第1の表面1006の反対側の第2の表面1007を有するベースプラットフォーム1005とを備え、円柱状のハウジング1002は第1の表面1006に取付けられる。ある実施形態では、撮像センサは、第2の表面1007に取付けられ、光学素子1001と光学的に連絡する。プリント基板1003を用いて、電源を撮像センサに供給し、画像を撮像センサから得る。ある実施形態では、撮像センサをプリント基板と一体化する。プリント基板1003は、平面1003’を有し、撮像センサから外側に且つ中心軸線1004と実質的に垂直に延在する。撮像システムの光学素子は、複数の固定式又は可動式のレンズを備える。レンズは、少なくとも90 °であり基本的には180 °以下の視野角を提供する。ある実施形態では、レンズアセンブリは、約2から100ミリメートルの焦点長を提供する。側方向き撮像センサ及び光学素子(レンズホルダ1002に含まれる)を、集積回路基板1003と一緒に、共同で「側方向き撮像モジュール又は光学アセンブリ」と呼ぶ。当業者は、ある実施形態では、第1及び第2の「側方向き撮像モジュール又は光学アセンブリ」を、構造、素子、視野、分解能、光感度、画素サイズ、焦点長及び/又は焦点距離等の点で同一とすることができることを認識するはずである。図48及び図49に表すように、同一の第1及び第2の側方向き撮像モジュールを互いに一体化させた場合、第1及び第2の撮像モジュールの中央軸線1004は互いに実質的に平行である。
図47は、前方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールの斜視図を示す。図47を参照して、前方向きモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール1100は、前部に光学素子1101を備える。光学素子1101は、複数の光学系(レンズアセンブリ、レンズ及び保護ガラス等)を備える。光学素子1101は、対象物体からの反射光を受け取り、中心軸線1004で特徴付けられる。光学アセンブリ/撮像モジュール1100は、(光学素子1101から受け取った反射光を検出するための)センサ(電荷結合素子(CCD)撮像センサ又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像センサ等)と、光学撮像システムの光学系/光学素子1101を担持又は収容するためのレンズ/光学素子ホルダー1102とを更に備える。光学素子ホルダーは、実質的に円柱状のハウジング1102と、第1の表面1106、及び第1の表面1106の反対側の第2の表面1107を有するベースプラットフォーム1105とを備え、円柱状のハウジング1102は第1の表面1106に取付けられる。ある実施形態では、撮像センサは、第2の表面1107に取付けられ、光学素子1101と光学的に連絡する。プリント基板1103を用いて、電力を撮像センサに供給し、画像を撮像センサから得る。プリント基板1103は、中心軸線1104と平行に配置される平面1103’を有する。コネクタ1110は撮像センサをプリント基板1103と接続し、それによって撮像センサをプリント基板1103とデータ通信可能に配置する。ある実施形態では、コネクタ1110は、第1の幅「w」並びに第1の端1112及び第2の端1114を隔てる第1の長さ「l」を有する、第1の長方形状部分1115と、第2の長さ「L」並びに第1の側面1116及び第2の側面1118を特徴付ける第2の幅「W」を有する、第2の長方形状部分1120とを含む平坦な平面構造であり、第1の幅「w」は第2の幅「W」よりも狭く、第1の長さ「l」は第2の長さ「L」よりも長い。図47に見られるように、第1の端1112は撮像センサに接続され、第2の端1114はプリント基板1103に実質的に垂直な第2の部分1120に接続される。第1の側面1116はプリント基板1103に取付けられる。
撮像システムの光学素子は、複数の固定式又は可動式のレンズを備えることができる。レンズは、少なくとも90 °であり基本的には180 °以下の視野角を提供することができる。ある実施形態では、レンズアセンブリは、約3から100ミリメートルの焦点長を提供する。前方向き撮像センサ及び光学素子(レンズホルダ1102に含まれる)を、集積回路基板1103と一緒に、共同で「前方向き撮像モジュール又は光学アセンブリ」と呼ぶ。
前方向き撮像センサと側方向き撮像センサとは、例えば視野、分解能、光感度、画素サイズ、焦点長及び/又は焦点距離等の点で類似させ又は同一とさせることができることに留意すべきである。図48及び図49に表すように、前方向き撮像モジュール及び2つの側方向き撮像モジュールを互いに一体化させた場合、2つの側方向き撮像モジュールの中央軸線1004は、前方向き撮像モジュールの中心軸線1104に対して実質的に垂直である。
図48は、本明細書のある実施形態に従う、内視鏡先端部分の様々な素子のモジュール特性を示す。図48を参照して、前方向き光学アセンブリ/撮像モジュール1201(その姿勢は中心軸線1104によって決まる)と、側方向き光学アセンブリ/撮像モジュール1202及び1203(それらの姿勢はそれぞれの中心軸線1004によって決まる)と、電気ケーブル1204とは全て、個別のユニットである。これらのユニットを、部分的に取り囲まれたハウジング又はモジュール式アセンブリホルダー1205を用いて内視鏡の先端部分に収容できる。アセンブリホルダー1205は、モジュール式ユニットの全てを一緒に機能させながら依然として分離させて、それぞれのユニットを個別にアセンブリから取り外すことができる。同様に、モジュール式ユニットを個別に先端アセンブリに設置することができる。このことは、個々のユニットを、内視鏡先端部分の他の部品に影響を及ぼすことなく修理する又は取り替えることを可能とする。例えば、どの撮像モジュール又は光学アセンブリが故障しても、残りの機能している撮像モジュール又は光学アセンブリを損なわず、又は残りの機能している撮像モジュール又は光学アセンブリに悪影響を及ぼさない。
図49は、側方向き光学アセンブリ/撮像モジュール1302及び1303と一緒に組立てられた前方向き光学アセンブリ/撮像モジュール1301を示す図である。撮像モジュール全ての前方プリント回路基板1304、第1の側方プリント回路基板1308及び第2の側方プリント回路基板1310は互いに隣接し且つ平行に配置される。一実施形態に従って、プリント回路基板1304、1308及び1310は互いに結合され、電気ケーブル1305と接続される。図49は、第1の壁4904及び湾曲したベース4908によって画定される第1のコンパートメント4901と、第2の壁4905及び第3の壁4906によって画定される第2のコンパートメント4902と、第2の壁4905及び第4の壁4907によって画定される第3のコンパートメント4903とを有する、部分的に取り囲まれたハウジング又はアセンブリホルダー1306も表す。3つのコンパートメント4901、4902及び4903のそれぞれは、それぞれの撮像モジュール1301、1303及び1302を各々保持する。第1のスリット4910を第3の壁4906と第2の壁4905との間に位置付けて、第1の側方モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールの第1の側方プリント回路基板を受け入れる。同様に、第2の側方モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールの第2の側方プリント回路基板を受け入れるために、第2のスリット4915を第4の壁4907と第2の壁4905との間に位置付ける。組立てられた時に、前方プリント基板1304のコネクタ4925の第1の部分4920は、第3のコンパートメント4903の上に位置付けられ、第1の壁4904と第4の壁4907とに垂直である。3つのコンパートメントは、撮像モジュールを互いにカプセル化することができ、それ故に、ある撮像モジュールを取り除くことが、他のモジュールを損傷したり他のモジュールに影響を及ぼしたりしない。
図50は、組立てられた要素の斜視図を示し、この図では部分的に取り囲まれたハウジング、湾曲した部材又はモジュール式アセンブリホルダー1402と前方ホルダー1401とはモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール1402及び電気ケーブル1403を担持している。
図51は、モジュール式内視鏡先端部分の別の実施形態を示す図である。図51を参照して、内視鏡先端部分は、前方先端カバー1501及び後方先端カバー1502を備える。流体チャネリング要素又は多岐管1503は、2つの先端カバーの間で適合するように設計される。
この実施形態では、モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールを結合するための機構を、撮像モジュール自体と一体化する。この機構は、撮像モジュール式ホルダー1504と呼ばれ、モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュール1505を接続するために使用される。次に、全体の構造(3つのモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールを備える)は、モジュール式支持体フレームとしても知られる部分的に取り囲まれたハウジング、湾曲した部材、フレーム又はアセンブリホルダー1506によって支持される。
図53Cは、モジュール式ホルダー1801の詳細図を示す。一実施形態に従って、モジュール式ホルダー1801のほぼ平面の基板を折り曲げて、図54に表されるホルダー1801を形成することができるように、モジュール式ホルダー1801の基板は軟性である。モジュール式ホルダー1801は、ベースプラットフォーム1810と、ベースプラットフォーム1810に実質的に垂直に配置される第1のコネクタ構造1815と、ベースプラットフォーム1810及び第1のコネクタ構造1815に実質的に垂直に配置される第2のコネクタ構造1820と、ベースプラットフォーム1810及び第1のコネクタ構造1815に実質的に垂直に且つ第2のコネクタ構造1820と実質的に平行に配置される第3のコネクタ構造1825とを含む。第1のコネクタ構造1815、第2のコネクタ構造1820及び第3のコネクタ構造1825はそれぞれ、第1、第2及び第3の複数の接続要素1802を有する。ある実施形態では、第1、第2及び第3の複数の接続要素1802は、光学アセンブリ/撮像モジュールの対応する複数の接続構造又はコネクタが受け入れられる又は合うように適合/設計される、凹部を含む。図52、53A及び53Bを参照して、これらのコネクタを更に表し説明する。撮像モジュールコネクタに対応する凹部1802は、モジュールを互いに物理的に結合させるとともに内視鏡先端部分と物理的に結合させる。さらに、凹部1802は、内視鏡と撮像モジュールとの間で、電力及びデータを流すことも可能とする。モジュール式ホルダー1801は、関連する電気ケーブルを担持するための部分1803も有する。当業者は、モジュール式ホルダー1801を3つの光学アセンブリ/撮像モジュールに対応する3つのコネクタ構造に関連して説明してきた一方で、代替的な実施形態では、モジュール式ホルダー1801は2つの光学アセンブリ/撮像モジュールに対応する2つのみのコネクタ構造(第1のコネクタ構造1815と第2のコネクタ構造1820又は第3のコネクタ構造1825のいずれか一方と)を含むことを認識するはずである。一層更なる代替的な実施形態では、モジュール式ホルダー1801は、1つの光学アセンブリ/撮像モジュールに対応する1つのみのコネクタ構造1815を含む。
図52は、結合機構及びモジュール式ホルダー1606の詳細図を示す。図52を参照して、それぞれのモジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールのレンズ/光学素子ホルダー1601、1602及び1603に、モジュール式ホルダー1606の(図53Cの第1の接続構造1815、第2の接続構造1820又は第3の接続構造1825の)対応する凹部又はスロット1605に取付ける又は合うように適合される、複数の突出する接続構造又はコネクタ1604を設ける。ある実施形態では、複数の接続構造又はコネクタ1604は、ピンを備える。複数の接続構造又はコネクタ1604を使用して接続された時点で、モジュール式光学アセンブリ/撮像モジュールは、部分的に取り囲まれたハウジング、湾曲した部材、支持体フレーム又はアセンブリホルダー1607によって保持される。ある実施形態では、電気ケーブルを、モジュール式ホルダー1606に、レンズ/光学素子ホルダー1601に対して離れた端部で接続する。前方レンズ/光学素子ホルダー1601は、図47の「前方向き撮像モジュール又は光学アセンブリ」に(光学系、撮像センサ及び光学素子ホルダー構造に関して)対応する一方で、第1及び第2の側方レンズ/光学素子ホルダー1602、1603は、図46の「側方向き撮像モジュール又は光学アセンブリ」に(光学系、撮像センサ及び光学素子のホルダー構造に関して)対応することに気付くはずである。
これから図52及び図53Cを参照して、様々な実施形態において、第1のコネクタ構造1815は、支持される「前方向き撮像モジュール又は光学アセンブリ」の撮像センサに対応する第1のプリント回路基板を備え、第2のコネクタ構造1820は、支持される第1の「側方向き撮像モジュール又は光学アセンブリ」の撮像センサに対応する第2のプリント回路基板を備え、さらに第3のコネクタ構造1825は、支持される第2の「側方向き撮像モジュール又は光学アセンブリ」の撮像センサに対応する第3のプリント回路基板を備える。第1、第2及び第3のプリント回路基板のそれぞれは、対応する撮像センサからのデータを処理し、複数の接続構造、コネクタ又はピン1604と、第1、第2及び第3の通信要素又は凹部1605とを通じて通信する。
ある実施形態では、モジュール式ホルダー1606は、「前方向き撮像モジュール又は光学アセンブリ」、及び第1又は第2の「側方向き撮像モジュール又は光学アセンブリ」の少なくとも1つの、少なくとも1つの撮像センサからのデータを処理する、少なくとも1つのプリント回路基板を備える。当該少なくとも1つのプリント回路基板は、対応する少なくとも1つの撮像センサからのデータを処理し、複数の関連する接続構造、コネクタ又はピン1604を通じて通信する。
図53A及び53Bは、複数の撮像モジュール間の接続機構の斜視図を提供する。これらの図の両方を参照して、モジュール式ホルダー1701は、3つのレンズ/光学素子ホルダー1707、1708及び1709の対応する複数のコネクタ構造、コネクタ又はピン1706が取付けられ得る又は適合できる、複数の第1、第2及び第3の接続要素、スロット又は凹部1702を、第1、第2及び第3の接続構造1703、1704及び1705に有する。
当業者は、図52、53A、53Bに示すコネクタ機構が、組立て作業、又は個々の撮像モジュール又は光学アセンブリを内視鏡先端部分から取外す作業を更に簡略化することを理解するであろう。
図42から50に表す実施形態では、撮像モジュールの軟性プリント基板を先端部分の後方部分でハンダ付けして、当該軟性プリント基板を電気ケーブルと接続することによって、要素を組立てられることに留意することができる。図51から53Cには別の実施形態が表されており、当該実施形態ではコネクタを設けて撮像モジュールの軟性プリント基板間を接続する。
ある実施形態(図示せず)では、それぞれの撮像モジュールが異なるケーブルによって接続されて、撮像モジュールの交換を容易にする。
ある実施形態では、撮像モジュールは取外し可能な先端部分の一部である。この場合は、内視鏡は先端部で終端する長尺シャフトを備える。前記先端部は、長尺シャフトに接続される常設部と、常設部に確実に接続可能な取外し可能部とを含むことができる。取外し可能部は、撮像モジュールと、少なくとも1つの光源とを備える。
主要な考えが、既存の先端部分の構造においてビュー素子が使用するスペース及び体積と同じスペース及び体積を、モジュール式ユニットに対して使用することであることを理解するはずである。モジュール設計は、先端部分の他の要素(流体チャンネル又は照明等)の設計又は機能に影響を及ぼさない。
図43を再び参照して、前方ホルダー4325とアセンブリホルダー4300とが、電気ケーブルと一緒のビュー素子の形状及びサイズに対応するように、設計されている。円形状のビュー素子の直径は、アセンブリホルダー4300の円形スロット4304、4305の直径よりも小さい。また円形状のビュー素子の直径は、前方ホルダー4325の円形スロット4335の直径よりも小さい。そしてこれらのことで、当該技術分野で既知の充填剤(接着剤等)をその後満たすことができる隙間を残すことができる。接着剤を使用することによって製造プロセスで問題を引き起こすおそれがあり、また、レンズ及び光学素子を汚染して、生成された画像の写像性又は画質に影響を及ぼすおそれがある。さらに上記の設計において、組立工程中に、(レンズアセンブリと撮像センサとを備える)ビュー素子を固定する手段が無いために、ビュー素子の配置の偏倚に苦しむことがある。そのような偏倚はビュー素子の視野に影響を及ぼすおそれがあり、出力画像を歪ませるとともに内視鏡検査中に興味がある部位の識別を誤らせるおそれがある。先端部分を組立てるときに、ビュー素子とホルダーの円形の開口部との間の隙間により、ビュー素子がある程度動き又は偏倚する。そのため、互いのビュー素子の適切な位置合わせを確保すること(すなわち、側方素子を前方素子と垂直にすること)が困難になる。
本明細書では、内視鏡先端部用の流体チャネリング要素、本体シャシー又は多岐管について新規な設計を使用しており、(図43の4300として表すような)前方ホルダー、部分的に取り囲まれたハウジング又はアセンブリホルダーと、流体チャネリング要素とが、1つのユニットとして一緒に製造される。多岐管全体を1つのユニットとして製造することで、前方ビュー素子用のホルダーと側方ビュー素子用のホルダーとの間の適切な空間的配置を提供することを確保できる。
図54Aは、ある実施形態に従う、本明細書の一体型流体チャネリング要素又は多岐管を示す。図54Aを参照して、一体型流体チャネリング要素、シャシー又は多岐管5400は、単一のユニットとして一緒に製造された、前方ホルダー5401と、部分的に取り囲まれたハウジング、フレーム又はアセンブリホルダー5402と、流体チャネリング要素、多岐管又はケーシング5403とを備える。手元側流体チャネリング要素部分又はベース5411が、一体型多岐管5400の後端部に配置される。一実施形態に従って、手元側流体チャネリング要素部分又はベース5411は、第1の長さLbと第1の幅Wbとを持つ。流体チャネリング要素、多岐管又はケーシング5403は、ケーシング5403が第2の長さLcと第2の幅Wcとを持つように、手元側部分又はベース5411から外側に延在する。部分的に取り囲まれたハウジング、フレーム又はアセンブリホルダー5402は、流体チャネリング要素、多岐管又はケーシング5403から下方にかつ第1の幅Wbに沿って延在する。ある実施形態では、第1の長さLbは第2の長さLcよりも短く、第1の幅Wbは第2の幅Wcよりも広い。
ある実施形態では、長方形状の前方開口部/凹部5405と、長方形状の第1の側方開口部/凹部5404と、第1の側方とは反対側である第2の側方に存在する他の長方形状の開口部/凹部とを有する、一体型多岐管5400が設計される。前方開口部/凹部5405と、第1の側方開口部/凹部5404と第2の側方に存在する開口部/凹部とは、それぞれの開口部に対応する光学アセンブリ/撮像モジュールのビュー素子を摺動可能に受け入れるためのものである。さらに、一実施形態では、複数の光学アセンブリ/撮像モジュールの設計に、関連レンズホルダー用の長方形状の形状が含まれ、当該複数の光学アセンブリ/撮像モジュールは、一体型多岐管5400の長方形状の前方開口部と、第1の長方形状の側方開口部と第2の長方形状の側方開口部とのうちの対応する開口部の中へ摺動する。図示された実施形態では、長方形状に成形された開口部又は凹部を示しているが、代替的な実施形態では、対応して成形されたレンズホルダーを定位置に固定的に留めることができ、及び/又は本明細書の目的を達成することができる、任意の類似に成形された(例えば矩形状、円形状又は楕円形状)開口部が想定される。
ある実施形態では、金属粉末射出成型法の技術を利用して、任意の適切な材料(金属、ステンレス鋼及びポリマー等)を用いて、多岐管を製造する。
図54Bは、前方ビュー素子5406と、第1の側方ビュー素子5413と、第1の側方ビュー素子5413とは反対側の第2の側方ビュー素子と、これらのビュー素子に対して配置された、関連照明5407、5408、5409、5414、5415とを有する、一体型多岐管5400の詳細図を表す。一体型多岐管5400の前方ホルダ/パネル5401に、前方インジェクタ開口部5440、前方作業チャンネル5445及び流体噴出チャンネル開口部5450が存在する。開口部5440、5445及び5450に対応するチャンネルが、流体チャネリング要素、多岐管又はケーシング5403に形成されて、これらのチャンネルが互いに流体的に分離されるとともに手元側ベース5411の第1の長さLbとケーシング5403の第2の長さLcとのそれぞれの至る所に延びる。前方ホルダー/パネル5401は更に、前方ビュー素子5406用の(レンズホルダーと、プリント基板と撮像センサとを備える)光学アセンブリ/撮像モジュールを、関連する前方照明5407、5408及び5409と一緒に保持する。平坦な側壁5412に沿う、一体型多岐管5400の側方パネルに、側方光学ビュー素子5413と関連する側方照明5414及び5415とが存在する。
2つの側方ビュー素子を備える当該実施形態では、他の又は第2のビュー素子と、関連する照明とが、一体型多岐管5400の反対側の側壁に設置される(当該側壁は図54Bでは見えない)。一体型多岐管5400に、ビュー素子を受け入れるための、長方形状に成形されたスロット又は凹部5416を設ける。ある実施形態では、長方形状に成形されたスロット又は凹部5416は溝又はトラックを含んで、光学アセンブリの長方形状に成形されたレンズホルダと位置合わせされる。側壁5412は、側方インジェクタ開口部5410を更に含む。手元側流体チャネリング要素部分又はベース5411は、一体型多岐管5400の後端部に配置される。
図54Cは、一体型多岐管5400の底面図を、前方向きビュー素子5406と2つの側方向きビュー素子5413及び5413’とを含む、3つのビュー素子とともに示す。前方向きビュー素子5406は一体型センサを含む前方プリント基板5455を備え、前方向きビュー素子5406は前方光学アセンブリ/撮像モジュールを形成する。前方光学アセンブリ/撮像モジュールは、ビュー素子5406の光学素子が内部に設置される、前方レンズホルダー5456を更に備える。第1の側方向きビュー素子5413は一体型センサを含む側方プリント基板5422を備え、第1の側方向きビュー素子5413は側方光学アセンブリ/撮像モジュールを形成する。側方光学アセンブリ/撮像モジュールは、ビュー素子5413の光学素子が内部に設置される、側方レンズホルダー5424を更に備える。他の側方向きビュー素子5413’もまた、側方レンズホルダー5434’と一緒の、一体型センサを含む側方プリント基板5432を備え、側方向きビュー素子5413’は第2の側方光学アセンブリ/撮像モジュールを形成する。レンズホルダー5456、5424及び5434はそれぞれ、光学アセンブリ/撮像モジュール5430、5426及び5436に取り付けられる。電気ケーブル5425によって、全てのビュー素子に電力が供給される。
様々な実施形態に従って、前方光学アセンブリ/撮像モジュール5430と、第1の側面光学アセンブリ/撮像モジュール5426と、第2の側面光学アセンブリ/撮像モジュール5436とは、“軟性の光学アセンブリキャリア基板”(図24Aから24Cの基板770等)上で支持され又は当該基板上に位置付けられる。この“軟性の光学アセンブリキャリア基板”を、モジュール式ユニット又はサブアセンブリとしての役割を果たすために役立てることができる。いくつかの実施形態では、“軟性の光学アセンブリキャリア基板”は、少なくとも2つの光学アセンブリ/撮像モジュール、すなわち前方光学アセンブリ/撮像モジュール5430及び第1の側面光学アセンブリ/撮像モジュール5426を備える。なお、ある実施形態では、図54Cに基づいて、光学アセンブリ/撮像モジュール5430、5426及び5436は全て長方形状に設計されており、一体型多岐管5400のほぼ長方形状のスロット/凹部に適合する。ある実施形態では、それぞれの光学アセンブリ/撮像モジュール5430、5426及び5436は更に、一体型の多岐管5400のそれぞれの長方形状開口部/凹部のトラック又は溝の中へ摺動するとともに当該トラック又は溝にぴったりと適合するように構成される突起5418、5428及び5438を含む。別の実施形態では、それぞれの長方形状の開口部/凹部が突起を含む一方で、光学アセンブリ/撮像モジュール5430、5426及び5436がトラック又は溝を含み、それぞれの当該突起で摺動するとともに当該突起にぴったりと適合する。凹部及び光学アセンブリ/撮像モジュールは、接続してぴったりと適合するための任意の機構(トラック、溝等)、又は当業者にとって容易で明らかであろう他の任意の適切な機構を含むことができる。
図54Dは、開口部/凹部5404、5405の長方形状の設計、及び光学アセンブリ/撮像モジュール5426、5430のビュー素子5406、5413の長方形状のレンズホルダー5224、5456を表す。前述したように、それぞれのビュー素子5406、5413は、少なくとも、光学アセンブリ/撮像モジュールを形成する撮像センサとともに、少なくともレンズアセンブリを備える。図54Dを参照して、側壁5412は、長方形状に成形されたホルダー開口部又は凹部5404を含む。開口部/凹部5404は、側方ビュー素子5413の長方形状に成形されたレンズホルダー5254を受け止めるように設計される。ある実施形態では、開口部/凹部5404は、複数のトラック又は溝5458を含む一方で、側方ビュー素子5413のレンズホルダー5424は突起5428を含み、突起5428は長方形状に成形されたホルダー開口部5404のトラック又は溝5458内へ摺動するように構成される。突起5428及びトラック/溝5458を、レンズホルダー5424の開口部5404内での動きを制限する大きさに合わせて作る。
一体型多岐管5400の前方パネル5401は、長方形状に成形されたホルダー開口部又は凹部5405を含み、前方ビュー素子5406のレンズホルダー5456を受け止める。開口部又は凹部5405には、複数のトラック又は溝5459が設けられ、前方ビュー素子5406のレンズホルダー5456の突起5418がトラック又は溝5459の中へ摺動してトラック又は溝5459に適合する。突起5418及びトラック/溝5459を、レンズホルダー5456の開口部5405内での動きを制限する大きさに合わせて作る。破線5460及び5462は、ビュー素子5406及び5413が、それぞれのビュー素子の開口部/凹部5405及び5404の中に摺動する方向を示す。突起及びトラック/溝を含む本設計によって、ビュー素子が対応する長方形状に成形された開口部により良好に適合することを確保することを理解するはずである。前述したように、凹部及び光学アセンブリ/撮像モジュールは、接続してぴったりと適合するための任意の機構(トラック、溝等)、又は当業者にとって容易で明らかであろう他の任意の適切な機構を含むことができる。
側方ビュー素子が2つの場合には、他の/第2のビュー素子用のレンズホルダを、一体型多岐管5400の反対側の側壁の適切な開口部/凹部内(図54では見られない)に適合させる。
図54Eは、内部が光学アセンブリ/撮像モジュールに適合されている、一体型多岐管5400の側面図を示す。図54Eを参照して、長方形状の前方レンズホルダー5456は、ホルダー開口部/凹部5405のトラック/溝5459の中へ摺動するように適合された、レンズホルダー5456上の関連する突起の助けを借りて、長方形状に成形された前方ホルダー開口部/凹部5405内に適合する。同様に、長方形状の側方レンズホルダー5424は、ホルダー開口部5404のトラック/溝5458の中へ摺動するように適合された、レンズホルダー5424上の関連する突起の助けを借りて、長方形状に成形された側方ホルダー開口部/凹部5404内に適合する。
図54Fは、内視鏡先端部の一体型多岐管5400の上面図であり、側壁5412及び前方パネル5401それぞれのレンズアセンブリホルダー開口部/凹部5404及び5405の長方形状の設計の詳細図を提供する。開口部/凹部5404、5405は、レンズホルダーの突起に適合されたトラック/溝5489、5459を有する。図54Fに表すように、一実施形態に従って、第1の凹部5405の中心を通過する線54305は、内視鏡先端部の長手軸線54310と平行である。第2の凹部5404の中心を通過する線54315は、内視鏡先端部の長手軸線54310と垂直である。3つの凹部/開口部を含む実施形態では、第3の凹部の中心を通る線は、第2の凹部5404の中心を通過する線54315と平行であるとともに、内視鏡先端部の長手軸線54310と垂直であることができる。
図54Gは、ビュー素子と照明とを備える一体型多岐管5400の側面図を表す。図54Gを参照して、前方ビュー素子5406と前方照明5465とが前方パネル5401上に設置される。側方ビュー素子5413と側方照明5466とが平坦な側壁5412上に設置される。また、側方ビュー素子5413用の、長方形状に成形されたホルダー開口部/凹部5404が、一体型多岐管5400の側壁5412に見られる。側壁5412は側方インジェクタノズル5470を更に備え、側方インジェクタノズル5470はインジェクタ開口部(図54Gには表れない)の上部に設置される。流体チャネリング要素又はケーシング5403を、一体型多岐管5400の湾曲した上部として一体化する。様々な実施形態において、前方及び側方照明5465、5466を、前方パネル5401及び平坦な側壁5412上の適切な領域/場所にハンダ付け又はリベット留めされる、それぞれのPCB(プリント基板)上に装着する。ある実施形態では、フレーム又はアセンブリホルダー5402をハンダ付けのために錫でメッキする。あるいは、前方照明5465の照明PBC(PCB5465’等)を、リベット5467を用いてフレーム5402に付ける。第2の側面ビュー素子を備える実施形態では、関連する第2の側面照明のPCBも、平坦な壁5412とは反対側の側面に配置することができる、別の平坦な面に同様にハンダ付け又はリベット留めされる。
図54Hは、視覚化の一助としてビュー素子及び照明を無くした、一体型多岐管5400の側面図を示す。前方パネル5401と、平坦な側壁5412と、流体チャネリング要素又はケーシング5403とが、図54Hに表される。側方ビュー素子用の、長方形状に成形されたホルダー開口部5404が、側壁5412に見られる。側壁5412は、関連する側方照明PCBをハンダ付け又はリベット留めできるにするための、適切な領域/場所5466’を有する。(さらに前方パネル5401に、前方照明用の、同様の領域/場所が存在する。)側壁5412は側方インジェクタノズル5470を更に備え、側方インジェクタノズル5470はインジェクタ開口部の上部に設置される。一体型多岐管5400は、一体型多岐管5400を内視鏡の挿入チューブに取り付けるための手元側部分5411も含む。
図54Iは、視覚化の一助としてビュー素子及び照明を無くした、一体型多岐管5400の別の実施形態の側面図を示す。そして図54Jは、図54Iの一体型多岐管5400内で組立てられ、設置され又は位置付けられるように構成される側方光学アセンブリ/撮像モジュール5426のある実施形態を示す。図54I及び54Jを同時に参照して、一体型多岐管5400は、前方パネル5401と、平坦な側方パネルと、流体チャネリング要素又はケーシング5403とを備える。側壁5412に、側方光学アセンブリ/撮像モジュール5426に配置されるピン5476を受け入れるように構成されるノッチ/窪み5475が見られる。代替的な実施形態では、側方光学アセンブリ/撮像モジュール5426は、対応する1つ以上のノッチ/窪み5475に適合するように構成される2つ以上のピン5476を備える。ピンがノッチ/窪み内で位置合わせされることによって、光学アセンブリ/撮像モジュールを一体型多岐管5400内に確実に保持することを保証する。図示していないが、様々な実施形態において、多岐管の前方壁及び反対側の側方壁それぞれと、前方及び反対側の側方光学アセンブリ/撮像モジュールとはまた、1つ以上のノッチ/窪みと1つ以上のピンとを含み、前方及び側方ビュー素子又はレンズアセンブリを多岐管内に適切に位置合わせする。側壁5412は、側方ノズル5470を更に備え、側方ノズル5470はインジェクタ開口部の上部に設置される。一体型多岐管5400は、一体型多岐管5400を内視鏡の挿入チューブに取り付けるための手元側部分5411も含む。
図54Kは、ネジナット5484を受け止めてレンズホルダー5480を適所にしっかりと固定するための、ネジ5482を含むレンズホルダー5480を有する一体型多岐管5400の更に別の実施形態の断面図を示す。ある実施形態では、レンズアセンブリ5485をレンズホルダー5480内へ摺動させる。レンズアセンブリ5485はネジを含む。レンズアセンブリ5485がいったんレンズホルダー5480内へ摺動すると、レンズアセンブリ5485のネジはレンズホルダー5480のネジ5482と位置合わせされる。ネジナット5484は前述のネジの両方に螺合して、レンズアセンブリ5485を一体型多岐管5400のレンズホルダー5480内に正確に位置合わせして固定する。様々な実施形態において、2つ以上のネジナット5484が使用され、またレンズホルダー5480及びレンズアセンブリ5485は、2つ以上のネジを含んで2つ以上のネジナットを受け止める。
本明細書の一体型多岐管の設計は、光学アセンブリ/撮像モジュールの全てのビュー素子の視野間の重複が、偏倚なく固定されることを確保する。光学アセンブリ/撮像モジュールのそれぞれのビュー素子が設置される場所と、設置された時の軸線とは予め決められている。本明細書に従う一体型多岐管はまた、流体チャネリング要素及び光学部品の安定性に貢献する。
一体型多岐管の本設計が、内視鏡先端部の様々な要素の組立工程を単純化させることが更に理解されるであろう。
図54Lは、本明細書のある実施形態に従うマルチビュー素子内視鏡の先端部を製造する際に必要となる例示的なステップを示すフローチャートである。ステップ54405では、単一のユニットとして一緒に形成された、前方ホルダー又はパネルと、部分的に取り囲まれたハウジング、アセンブリホルダー又はフレームと、流体チャネリング要素又はケーシングとを備える、一体型多岐管(図54Aから54Kの一体型多岐管5400等)を設ける。一実施形態に従って、一体型多岐管は、第1の長さLbと第1の幅Wbとを含む、手元側ベースを有する。流体チャネリング要素又ケーシングは、ケーシングが第2の長さLcと第2の幅Wcとを持つように、手元側ベースから外側に延在する。部分的に取り囲まれたハウジング又はフレームは、流体チャネリング要素又はケーシングから下方にかつ第1の幅Wbに沿って延在する。ある実施形態では、第1の長さLbは第2の長さLcよりも短く、第1の幅Wbは第2の幅Wcよりも広い。
本明細書のある態様に従って、一実施形態では、一体側多岐管の、下方に延在するフレームは、前方凹部/開口部、第1の側方凹部/開口部及び第2の側方凹部/開口部を含み、前方光学アセンブリ/撮像モジュール、第1側面光学アセンブリ/撮像モジュール及び第2側面光学アセンブリ/撮像モジュールを、これら凹部/開口部それぞれの中に収容できる。別の実施形態では、一体型多岐管の、下方に延在するフレームは、少なくとも1つの前方凹部/開口部及び側方凹部/開口部を含み、対応する前方光学アセンブリ/撮像モジュール及び第1の側面光学アセンブリ/撮像モジュールを収容できる。様々な実施形態に従って、前方凹部/開口部と第1及び第2の側方凹部/開口部とは長方形状に成形される。代替的な実施形態では、円形状の、矩形状の、楕円形状の又は他の任意の適切に成形された凹部/開口部を含む。
ステップ54415では、前方凹部/開口部、第1の側方凹部/開口部及び第2の側方凹部/開口部のそれぞれの形状に従って成形された、前方光学アセンブリ/撮像モジュール、第1の側面光学アセンブリ/撮像モジュール及び第2の側面光学アセンブリ/撮像モジュールを備える、“軟性の光学アセンブリキャリア基板”を設ける。言い換えれば、長方形状に成形された凹部/開口部用に、(長方形状に成形されたレンズホルダーを用いる)対応する光学アセンブリ/撮像モジュールも長方形状に成形される。“軟性の光学アセンブリキャリア基板”(図24Aから24Cの基板770等)は、光学アセンブリ/撮像モジュールのスタンドアロンのモジュール式サブアセンブリを形成する。
ステップ54425では、(少なくとも2つ、又は3つまでの)光学アセンブリ/撮像モジュールが適切な対応する凹部と位置合わせされるように、軟性の光学アセンブリキャリア基板を一体型モジュール付近に位置付ける。
その後ステップ54435で、軟性の光学アセンブリキャリア基板、及びひいては光学アセンブリ/撮像モジュールを、対応する凹部内に摺動させて、そのため、光学アセンブリ/撮像モジュールの全てのビュー素子の視野間の重複が偏倚なく固定され、その結果(図54M、54Nを参照して示し説明するように)組み合わされた視野を提供する。光学アセンブリ/撮像モジュールのそれぞれのビュー素子は、予め決められた設置される場所、予め決められた設置される角度、及び予め決められた設置される時の軸線を持つ。
ステップ54445では、光学アセンブリ/撮像モジュールを、一体型多岐管の当該光学アセンブリ/撮像モジュールに対応する凹部に固定する。ある実施形態では、凹部は、トラック/溝を含み、光学アセンブリ/撮像モジュール上の関連する突起を収容でき、それによってぴったりと適合することを確保する。あるいは、凹部は、ぴったりと適合するために、光学アセンブリ/撮像モジュール上の関連するトラック/溝に収容される突起を含む。一層更なる実施形態では、凹部は、光学アセンブリ/撮像モジュール上の対応する少なくとも1つのピンと嵌合して、確実かつ位置合わせされて適合する、少なくとも1つのノッチ/窪みを含む。代替的な実施形態では、少なくとも1つのノッチ/窪みが光学アセンブリ/撮像モジュール上に存在する一方で、対応する少なくとも1つのピンが凹部上に存在する。光学アセンブリ/撮像モジュールを凹部内に固定する他の手段、例えばネジナット及びネジの配置も利用できる。
最後にステップ54455では、前方光学アセンブリ/撮像モジュール、第1の側面光学アセンブリ/撮像モジュール及び第2の側面光学アセンブリ/撮像モジュールに関連付けられる、複数の照明を、一体型多岐管の適切な領域/場所にハンダ付け又はリベット留めする。ある実施形態では、複数の照明を、一体型多岐管にハンダ付け/リベット留めされるそれぞれのプリント基板上に付ける。具体的には、前方光学アセンブリ/撮像モジュールに関連付けられた照明を、前方ホルダー又はパネルにハンダ付け/リベット留めする。第1の側面光学アセンブリ/撮像モジュールに関連付けられた照明を、一体型多岐管の第1の側の平坦な壁にハンダ付け/リベット留めする。同様に、第2の側面光学アセンブリ/撮像モジュールに関連付けられた照明を、一体型多岐管の(第1の側とは反対側の)第2の側の平坦な壁にハンダ付け/リベット留めする。
なお、前述したステップは、対応する3つの光学アセンブリ/撮像モジュールを保持する3つの凹部を含む一体型多岐管に対して説明されているが、代替的な実施形態では、一体型多岐管は、対応する少なくとも2つの光学アセンブリ/撮像モジュール(すなわち前方光学アセンブリ/撮像モジュール及び側面光学アセンブリ/撮像モジュール)を保持する少なくとも2つの凹部(すなわち前方凹部及び側方凹部)を含む。
図54Mは、例として、一実施形態に従い、3つの光学アセンブリ/撮像モジュールを備える複数カメラの内視鏡54100に対する、光学アセンブリ/撮像モジュールの位置と、当該光学アセンブリ/撮像モジュールの組み合わされた有効視野とを示す。図54Mに見られるように、内視鏡54100は、前方光学アセンブリ/撮像モジュール5430と、2つの側方光学アセンブリ/撮像モジュール5426及び5436とを備える。前方光学アセンブリ/撮像モジュール、第1の側方光学アセンブリ/撮像モジュール及び第2の側方光学アセンブリ/撮像モジュールの視野(FOV)はそれぞれ、54104、54105及び54106である。一実施形態に従って、それぞれの光学アセンブリ/撮像モジュールは、180°の視野(FOV)を持ち、光学アセンブリ/撮像モジュールが3つ存在する結果として、側方の視野54105、54106が前方の視野54104と重複するため、これらの視野は結合して、少なくとも総計約330°の視野となる。一実施形態に従って、組み合わされた前方及び側方光学アセンブリ/撮像モジュールに対する視野は、220°から330°の範囲である。従来技術の複数カメラの内視鏡先端部の設計は、組立中に視野が損失するおそれがある点で制限されていた。側方光学アセンブリ/撮像モジュールが、前方光学アセンブリ/撮像モジュールに対して90°で設置されていない場合には、ある程度の視野が損失するであろうということに留意できる。また、2つの側方光学アセンブリ/撮像モジュールが同じ軸線上に設置されていない場合には、3つのビュー素子から出力される画像が歪むおそれがあり、それによって、ポリープ又は他の異常の、先端部の位置に対する位置の識別の曖昧性につながるであろう。
これから図54Nを参照する。図54Nは、ヒト結腸54201の断面図を、一実施形態に従い、ヒト結腸54201内に配置されたマルチビュー素子内視鏡54200とともに表す。内視鏡54200は、屈曲部54204によって回動可能な先端部分54202で終端する(完全には図示しない)長尺シャフト54203を備える。有利には、先端部分54202は、前方向き光学アセンブリ/撮像モジュール54206及び側方向き光学アセンブリ/撮像モジュール54210を備える。前方向き光学アセンブリ/撮像モジュール54206がその視野54208に基づいてポリープ(ポリープ54218及び54220等)を検出することができる一方、側方向き光学アセンブリ/撮像モジュール54210は前方向き光学アセンブリ/撮像モジュールからは通常隠れて見えないポリープ(ポリープ54216等)を更に検出することができる。内視鏡54200をその長手軸線の周りで回動させることによって、側方向き光学アセンブリ/撮像モジュール54210は、内視鏡54200の周囲360°の、全周のポリープを検出することができる。これにより、結腸54201の組織のひだ54215の内側に存在するポリープ(ポリープ54216に類似するポリープ54222等)を検出できる。代替的な構造では、2つ以上の側方向き光学アセンブリ/撮像モジュールを先端部分に存在させることができ、それぞれの側方向き光学アセンブリ/撮像モジュールは、異なる視野を有する。
有利には、前方向き光学アセンブリ/撮像モジュール54206の視野54208と、側方向き光学アセンブリ/撮像モジュール54210の視野54212とが、少なくとも部分的に重複して、組み合わされた視野54209を生み出して、側方向き光学アセンブリ/撮像モジュール54210によって観察された興味対象物(ポリープ又は別の病理等)が、先端部分を対象物に向かって回動させている間、少なくとも対象物が前方向き光学アセンブリ/撮像モジュール54206によって見えるようになるまでは、当該光学アセンブリ/撮像モジュールの視野内にとどまる。さらに、個別の側方照明(例えば、発光ダイオードすなわちLED)を前方及び側方向き光学アセンブリ/撮像モジュールに、当該光学アセンブリ/撮像モジュールの視野を照射するために、関連付ける。このことは、ポリープが側方向き光学アセンブリ/撮像モジュール54210によって発見され、操作者がポリープに対して、先端部分54202の先端側端部面に開口部を有する作業チャンネル(図54Nには表れない)を通じて挿入された処置具を用いて、外科手術を行うことを望む場合に、有益となり得る。当該作業チャンネルの開口部は、前方向き光学アセンブリ/撮像モジュール54206に隣接する。外科手術を行うために、先端部分54202をポリープに向けて回動させる必要があることがある。あるいは、側方作業チャンネルを使用することもできる。このことは、ポリープが先端部分54202を回動させる間ずっと視界内にとどまり、操作者が方向感覚を失わないように、前方向き光学アセンブリ/撮像モジュール54206の視野と、側方向き光学アセンブリ/撮像モジュール54210の視野とが多少重複する(54209)場合に、作業者にとって非常に役立ち得る。
したがって、図54M、54Nは、複数の光学アセンブリ/撮像モジュールの間に予め決められた距離及び角度を生み出し、それによって複数の光学アセンブリ/撮像モジュールの間に予め決められた重複を有する、組み合わされた視野をもたらすことに対する必要性を示す。図54Lに表す、図54Aから54Kの一体型多岐管の設計と共にマルチビュー素子内視鏡の先端部を組立てるための例示的なステップは、複数の光学アセンブリ/撮像モジュールが、当該光学アセンブリ/撮像モジュールの間に予め決められた距離及び角度を有して組立てられて、そのため組み合わされた有効視野の損失を妨げ又は非常に軽減することを確保する。
現在の明細書の例示的な実施形態に従い、複数構成要素の先端カバー(分解図で示す)を有する、内視鏡先端部(カメラ及び照明光源を担持する電子回路基板と、流体チャネリング要素とを含む)の等角図を概略的に描写する、図55Aをこれから参照する。また、現在の明細書の例示的ないくつかの実施形態に従い、組立てられた複数構成要素の先端カバーを有する、図55Aの先端部の等角図を概略的に描写する、図55Bをこれから参照する。
先端部5500は一般に、電子機器(カメラ、電子回路基板400等の回路基板、LED等の照明光源その他)を含む内側部分5510と、流体チャンネル(流体チャネリング要素600等)と、複数要素の先端カバー300とを含む。複数要素の先端カバー300は、先端部5500の内側部分に対して適合するように設計され、内側部分で内部要素を保護するように設計される。この実施形態に従う、複数要素の先端カバー300は、先端部の前方部分を覆うように構成される前方要素710と、先端部の右側方部分を覆うように構成される右側方要素730と、先端部の左側方部分を覆うように構成される左側方要素5550との3つの部分を含む。この前方、右側方及び左側方要素は、互いに当接して、基本的に先端部の全ての内側部分を覆うような形で、先端部を覆うように構成される。
前方要素710は、前方観察カメラ116の前方光学レンズアセンブリ236と、LED240a、240b及び240cの光学窓242a、242b及び242cと、作業チャンネルの先端側開口部340と、流体噴出チャンネル644の先端側開口部344と、ノズル348を有する洗浄及びガス注入(I/I)インジェクタ346(流体チャンネリング要素600の開口部664と位置合わせされる)と、位置合わせされ(またこれらを収容できる)るように構成される穴、透明な面、窓又は開口部736を含む。
左側方要素5550は、側方観察カメラ220bの側方光学レンズアセンブリ256bと、光学レンズアセンブリ256bの両側のLED250a及び250bの光学窓252a及び252bと、流体チャンネリング要素600の側方I/I開口部666bと位置合わせされるように適合される側方I/Iインジェクタ266bと、位置合わせされ(またこれらを収容できる)るように構成される穴、透明な面、窓又は開口部756bを含む。側方I/Iインジェクタ266及び反対側の側方I/Iインジェクタそれぞれのためのノズル267bが、図55A及び55Bにも見られる。
右側方要素730は、左側方要素5550と同様の要素を備える。
左側方要素5550及び右側方要素730は基本的にそれぞれ、円筒(上面及び底面を持たない)の半分の形状である。
前方要素710は基本的に、カップ形状であり、カップの底部(カップの前面とも呼ぶこともできる)に垂直に延在してカップの縁から突出する、2つの対向するアーム712及び714を有する。先端カバー要素の組立て時に、最初に、前方要素710を設置することができ、次に、側方要素を、側方要素の長手の縁がアーム712及び714上の両側で互いに接触させて密封を確保するように設置することができる(図55B)。粘着剤(接着剤等)を、例えば(要素710の縁の外側部分に沿った)窪み716、(要素730の内側の縁に沿った)窪み718及び(要素5550の内側の縁に沿った)窪み5520に追加して、先端部5500の密封を完了することができる。
本明細書の実施形態に従う複数要素の先端カバー(複数要素の先端カバー300等)、又は本明細書で開示する任意の他の複数要素の先端カバーは、必要な全要素を内視鏡先端部分の小さい内部容積に収容してこれらの要素を被覆し密封することを試みる際に存在する、技術の重要な課題を解決する。標準のカップ形状のカバーは、1つだけの前方カメラを有する標準的な先端部分のために使用される。しかしながら、標準のカップ形状の先端カバーを複数カメラの先端部分を被覆するために使用する場合に、内側の先端部分の要素(レンズ又は側方光学レンズアセンブリの他の部品等)を突出させると、カバーがこの要素上を摺動する際にこの要素をしばしば損傷させる。複数要素の先端カバーを使用することで、この課題を解決できる。さらに、複数要素の先端カバーは、穴/開口部/窓を、対応する内側要素上の正しい場所に正確に向けるのに役立つ。このことは、単一部品のカバーを使用した場合にはほとんど実行不可能である。さらに、複数要素の先端カバーの要素を1つずつ分離して密封することは、単一部品のカバー(カップ形状のカバー等)内の同一の要素への制限されたアクセスと比較して、それぞれの要素(例えば光学窓)に対するアクセスがより改善されることにより、先端部分全体の密封を改善する。複数要素の先端カバーの要素を1つずつ分離して密封する(かつ任意に密封が十分であることを確認する)ことを、カバーを組立てる前に実施することができる。このことでも、先端部分の密封を改善することができる。
先端部5500は、前方観察カメラ116の前方光学レンズアセンブリ236を備えることができる。前方観察カメラ116の光軸を実質的に、内視鏡の長手沿いに向ける。しかしながら、前方観察カメラ116は一般に広角カメラであるため、カメラの視野は、カメラの光軸への大きな角度のビュー方向を含むことができる。視野の照明として用いられる照明光源(LED等)の数を変える(例えば、先端部5500の前面上に1−5個のLEDを使用することができる)ことができることに気付くはずである。作業チャンネルの先端側開口部340も先端部5500の前面に配置され、作業チャンネルのチューブを通るとともに内視鏡の先端部5500の作業チャンネルを通って挿入され、前面を越えて展開される処置具を、前方観察カメラ116によって観察することができる。
流体噴出チャンネルの先端側開口部344も、先端部5500の前面に配置される。流体噴出チャンネルの先端側開口部344を、体腔の壁を洗浄するための、流体(水又は生理食塩水等)の高圧噴出をもたらすために使用することができる。
前方光学レンズアセンブリ236に向けたノズル348を有する洗浄及びガス注入(I/I)インジェクタ346も、先端部5500の前面に配置される。I/Iインジェクタ346を、流体(液体及び/又は気体)を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、前方観察カメラの前方光学レンズアセンブリ236から洗い流すために用いることができる。任意に、前方光学レンズアセンブリ236、並びに光学窓242a、242b及び242cの1つ、2つ又は全てを洗浄するために、同一のインジェクタを使用する。I/Iインジェクタ346に、体腔を洗浄する及び/又は膨張させるために使用できる流体(水及び/又は気体等)を供給することができる。
側方観察カメラ220bの側方カメラ(側方観察カメラ)要素256bと、カメラ220bのためのLED250a及び250bの光学窓252a及び252bとが、先端部5500の左側に見える。第2の側方観察カメラを先端部5500の右側に位置付ける。第2の側方観察カメラをカメラ220bと類似させることができる。右側方観察カメラの光軸を実質的に、内視鏡の長手に垂直に向ける。左側方観察カメラ220bの光軸を実質的に、内視鏡の長手に垂直に向ける。しかしながら、右側方観察カメラ及び左側方観察カメラ220bは一般に広角カメラであるため、これらカメラの視野は、カメラの光軸への大きな角度のビュー方向を含むことができる。
側方光学レンズアセンブリ256bに向けたノズル267bを有する側方I/Iインジェクタ266bを、流体を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、側方観察カメラの側方レンズ光学アセンブリ256bから洗い流すために使用することができる。この流体は、体腔を膨張させるために使用できる気体を含むことができる。任意に、側方光学レンズアセンブリ256bと、光学窓252a及び/又は252bとの両方を洗浄するために同一のインジェクタを使用する。なお、いくつかの実施形態によれば、先端部分は、2つ以上の窓及び複数のLEDを側方に(例えば1−5個の窓及び2個のLEDを側方に)、2つ以上の窓及び複数のLEDを前方に、含むことができる。先端部分5500の他方側に配置された右側方光学レンズアセンブリ及び光学窓を洗浄するための、I/Iインジェクタ及びノズルの類似する構造が存在する。I/Iインジェクタは、これらの窓/LEDの全て又は一部を洗浄するように構成される。同じチャンネルからI/Iインジェクタ346及び266bに供給することができる。
なお、側壁362は、左側方I/Iインジェクタ266bから噴射される洗浄流体を、側方光学レンズアセンブリ256b並びに光学窓252a及び/又は252bへ向けるのに役立つ、基本的に平坦な面の形をしている。カバーの他方側の右側壁も、基本的に平坦である。そのような平面が無いと、洗浄流体が、所望の洗浄動作を実施すること無しに内視鏡の先端部5500の湾曲面に沿って滴ることになり得る。
図55A及び55Bでは1つのみの側方観察カメラが見られるが、好適には少なくとも2つの側方観察カメラを先端部5500に配置できることに気付くはずである。2つの側方観察カメラを用いる場合には、好ましくは側方観察カメラを、側方観察カメラの視野が実質的に反対方向となるように設置する。しかしながら、現在の明細書の一般的な範囲内で、様々な構造及び数の側方観察カメラが考えられる。
いくつかの実施形態によれば、電子要素(カメラ及び/又はLED等)を担持するために使用される回路基板を、消費するスペースをより小さくでき、付加的に必要な構成のための容積をより残すことができる、軟性の回路基板とすることができる。基板の柔軟性は、要素を位置決めするために使用できる新たなスペースの寸法を追加させる。
明細書の実施形態に従う軟性回路基板を使用することで、要素間を接続するためのワイヤが不要になるため、電気モジュールの軟性回路基板との接続の信頼性を著しく改善させることができる。さらに、いくつかの実施形態によれば、要素アセンブリを、機械加工することができ、また自動化することができる。
明細書の実施形態に従う軟性回路基板を使用することで、カメラ頭部(内視鏡の先端部)の組立中に、高いレベルの信頼性を維持したまま、要素(部分)の動き及び操作性を許容することもできる。明細書の実施形態に従う回路基板を使用することで、(先端部の)組立て手順を簡略化することもできる。
いくつかの実施形態によれば、軟性の回路基板はマルチワイヤケーブルを用いて主要制御装置と接続されることができる。このケーブルを、先端部分アセンブリ内に更なるスペースを解放し、ケーブルのアクセスに対するフレキシビリティを追加する、指定された位置で基板上に溶接することができる。マルチワイヤケーブルを電気要素に直接取付けることは大きな挑戦であったが、本明細書の実施形態に従う軟性の基板を使用することによって、この挑戦は軽減される。
これから、現在の明細書の例示的な実施形態に従い、複数構成要素の先端カバーを有する、内視鏡の先端部の(カメラ及び照明光源を担持する電子回路基板と、流体チャネリング要素とを含む)等角図を概略的に(分解図で)描写する、図56を参照する。先端部200は一般に、図55A、55Bの先端部5500の内側部分5510と類似させることができる内側部分5610と、複数要素の先端カバー300とを含む。複数要素の先端カバー300は、先端部200の内側部分に対して適合するように設計され、内側部分で内部要素を保護するように設計される。複数要素の先端カバー300は、この実施形態に従う、先端部の大部分を覆うよう構成される主要要素830と、主要要素830上に配置される窓開口部860を覆うように構成される取外し可能な窓要素850と、を備え、取外し可能な窓要素850は、先端部200の内側部分5610に、主要要素830を取り外すこと無くアクセスできるように構成される。このことにより、内側要素5610の要素(LED、光学素子又は任意の他の要素等)のひとつを、主要要素830を取り外して先端部200の収納及び密封を損傷することなく、固定又は交換できる。
主要要素830は基本的に、先端部200の前面を覆うように構成される前面部分と、先端部200の側面を覆うように構成されるカップの縁と、を有するカップ形状である。
主要要素830は、図55A、55Bの複数構成要素のカバー300の前方及び側方の穴、開口部、窓及び面に類似する、前方及び側方の穴、開口部、窓及び面を更に含むことができる。
これから、現在の明細書の例示的な実施形態に従う、複数構成要素の先端カバーの分解図を概略的に描写する、図57を参照する。複数要素の先端カバー5700は、先端部の内側部分上に適合して内側部分内の内部要素を保護するように設計される。複数要素の先端カバー5700は、この実施形態に従う、先端部の前方部分及び側方部分を覆うよう構成される前方側要素5730と、先端部の他方側を覆うよう構成される側方要素5750と、を備え、前方側要素5730及び側方要素5750は、当接して先端部を覆うように構成される。
これから、図58Aから58Cを参照する。図58Aは、現在の明細書の例示的な実施形態に従い、複数構成要素の先端カバーを有する、内視鏡の先端部(カメラ及び照明光源を担持する電子回路基板と、電子回路ホルダーと、流体チャネリング要素とを含む)の等角図を概略的に(分解図で)描写する。図58Bは、現在の明細書の例示的な実施形態に従い、複数構成要素の先端カバーを有する、図58Aの先端部の等角図(部分的に分解図で示す)を概略的に描写する。図58Cは、現在の明細書の例示的な実施形態に従い、複数構成要素の先端カバーを有する、図58A及び58Bの先端部の等角組立図を概略的に描写する。
先端部5800は一般に、電子機器(カメラ、回路基板、LEDその他等)を含む内側部分5810と、流体チャンネル(流体チャネリング要素1600等)と、複数要素の先端カバー1010とを含む。複数要素の先端カバー1010は、先端部5800の内側部分に対して適合するように設計され、内側部分で内部要素を保護するように設計される。様々な実施形態において、先端部5800は、先端側/前方部分5802と、手元側部分1104と、後方部分5805との3つの部分/部品を含む。この実施形態に従う、複数要素の先端カバー1010は、先端部5800の先端側/前方部分5802を覆うように構成される先端側要素1050と、先端部の手元側部分1104を覆うように構成される手元側要素1030との2つの部分を含み、先端側要素及び手元側要素は、当接して先端部5800を覆うように構成される。先端側要素1050は、側壁1052と前壁1054とを有する円柱形状であり、前壁1054は、先端部5800の内側部分5810の前方部分5802を覆うように構成される。手元側要素1030は、側壁1032を有し、上部又は底部を持たない円筒形状であり、側壁1032は、先端部5800の内側部分5810の手元側部分1104を覆うように構成される。一実施形態に従って、先端カバー1010の手元側要素1030は、先端部5800の後方部分5805ではなく手元側部分1104のみを覆う。このことにより内視鏡の屈曲部と先端部5800との間を後方部分5805上で接続することができ、それによって、屈曲部の非軟性部を効果的に減少させる。
先端側要素1050は、先端側要素1050の前面1054に、前方観察カメラ1116の前方光学レンズアセンブリ1236と、LED1240a、1240b及び1240cの光学窓1242a、1242b及び1242cと、作業チャンネルの先端側開口部1340と、流体噴出チャンネル1644の先端側開口部1344と、I/Iインジェクタ1346(流体チャンネリング要素1600の開口部1664と位置合わせされる)と位置合わせされるように構成される穴、透明な面、窓又は開口部1056を含む。
先端側要素1050は、先端側要素1050の側壁1052に、LED1250aの光学窓1252aを更に含み、側壁1052の反対側に、別のLEDの別の光学窓を更に含む。
先端側要素1050は、先端側要素1050の側壁1052の縁に、側方観察カメラ1220bの光学レンズアセンブリ1256bを(手元側要素1030の側壁1032の縁上の凹部1756’’に沿って)収めるように構成される凹部1756’(基本的に半孔形状)を更に含む。側壁1052の反対側に、類似する凹部を存在させて、内側部分5810の他方側に配置される側方観察カメラの光学レンズアセンブリを(手元側要素1030の側壁1032の縁上の別の凹部に沿って)収めることができる。
手元側要素1030は、手元側要素1030の側壁1032に、LED1250bの光学窓1252bを含み、側壁1032の反対側に、他のLEDの他の光学窓1252aを含む。
手元側要素1030は、手元側要素1030の側壁1032の縁に、側方観察カメラ220bの光学レンズアセンブリ1256bを(先端側要素1050の側壁1052の縁上の凹部1756’に沿って)収めるように構成される凹部1756’’(基本的に半孔形状)を更に含む。側壁1032の反対側に、類似する凹部1756a’’を存在させて、内側部分5810の他方側に配置される側方観察カメラの光学アセンブリを(手元側要素1050の側壁1032の縁上の別の凹部に沿って)収める。
手元側要素1030は、側方I/I開口部1666bと位置合わせされるように適合される側方I/Iインジェクタ1266bを更に備える。
先端部5800の内側部分5810の他の部分を一般的に、図55A、55Bの先端部100の内側部分5810と類似させることができる。
内側部分5810上で先端部5800を組立てる方法は、先端部5800の先端側/前方部分5802から先端側要素1050を組立てるステップと、先端部5800の手元側部分1104から手元側要素1030を組立てるステップと、先端カバー要素のいずれも側方観察カメラの光学レンズアセンブリ上を摺動しないように先端側要素1050及び手元側要素1030をこれら要素の縁(線1500)に沿って接合するステップと、を含む。
これから、図2Aを、一実施形態に従う内視鏡アセンブリ100の先端部200の斜視図を表す図59A及び59Bと共に参照する。
先端カバー300を、電子回路基板アセンブリ400及び流体チャネリング要素600を備える先端部200の内側部分上に適合するように構成することができ、内側部分内の内部要素を保護するように構成することができる。
先端カバー300は、前方観察カメラ又はビュー素子116の、前方光学レンズアセンブリ256のための、透明な面、窓又は開口部を有する前方パネル320を備えることができる。前方光学レンズアセンブリ256は、複数の固定式又は可動式のレンズを備えることができる。レンズは、90 °以上、120 °以上又は基本的には180 °以下の視野角を提供することができる。前方光学レンズアセンブリ256は、約3から100ミリメートルの範囲の焦点長を提供することができる。
前方観察カメラ又はビュー素子116の光軸を基本的に、内視鏡の長手沿いに向けることができる。しかしながら、前方観察カメラ又はビュー素子116は一般に広角カメラであるため、カメラの視野は、カメラの光軸に達する大きな角度のビュー方向を含むことができる。さらに、前方パネル320は、照明240a、240b及び240cそれぞれの光学窓242a、242b及び242cを含むことができる。視野の照明として用いられる照明光源の数を変えることができることに気付くはずである。
さらに、前方パネル320は、作業チャンネル640の作業チャンネル開口部340を含むことができる。以下作業チャンネル640を更に説明する。代替的な実施形態では、前方パネルは、2つ以上の作業チャンネル開口部を含むことができる。
噴出チャンネル644の噴出チャンネル開口部344も、先端カバー300の前方パネル320上に配置することができる。噴出チャンネル644を、体腔の壁を洗浄するための、流体(水又は生理食塩水等)の高圧噴出をもたらすために構成することができる。
前方光学レンズアセンブリ256に向けたノズル348を有する、インジェクタチャンネル646のインジェクタ開口部346も、先端カバー300の前方パネル320上に配置される。インジェクタチャンネル646を、流体(液体及び/又は気体)を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、前方観察カメラ又はビュー素子116の前方光学レンズアセンブリ256の表面から洗い流すために構成することができる。任意に、インジェクタチャンネル646を、前方光学レンズアセンブリ256と、光学窓242a、242b及び242cの1つ、2つ又は全てとを洗浄するために構成することができる。インジェクタチャンネル646に、体腔を洗浄する及び/又は膨張させるために使用できる、流体(水及び/又は気体等)を供給することができる。
側方観察カメラ又はビュー素子116bのための側方光学レンズアセンブリ256bと、側方観察カメラ又はビュー素子116bのための照明250a及び250bの光学窓252a及び252bとが、先端カバー300の側壁362上に見える。側方光学レンズアセンブリ256bは、前方光学レンズアセンブリ256に類似させることができる。別の側方観察カメラのための光学レンズアセンブリと、側方観察カメラ又はビュー素子116bのための照明250a及び250bの光学窓252a及び252bも、側方光学レンズアセンブリ256bとは反対側の、先端カバー300の側壁362上に存在する。この光学レンズアセンブリは、側方光学レンズアセンブリ256bに類似させることができる。側方光学レンズアセンブリ256bは、約3から100ミリメートルの範囲の焦点長を提供することができる。
第1の側方ビュー素子116bの光軸を基本的に、内視鏡の長手に垂直に向けることができる。第2の側方ビュー素子116bの光軸を基本的に、内視鏡の長手に垂直に向けることができる。しかしながら、それぞれの側方ビュー素子は一般に広角カメラを備えるため、カメラの視野は、カメラの光軸に達する大きな角度のビュー方向を含むことができる。いくつかの実施形態に従って、それぞれの側方ビュー素子は、90 °以上、120 °以上又は基本的には180 °以下の視野角を持つ。
様々な実施形態において、光学レンズアセンブリ(レンズアセンブリ256、256b等)を備える内視鏡先端部の最大体積は、3.12 cm3未満である。一実施形態に従って、本明細書の光学レンズアセンブリは、非球面要素を含まない。そのような素子は光学レンズアセンブリの製造コストの増加につながるであろうからである。また、様々な実施形態において、光学レンズアセンブリのそれぞれは、約1.2ミリメートルの焦点長を有する。
ある実施形態において、内部に光学レンズアセンブリを備える内視鏡先端部の最大体積は、3.12 cm3である。この最大体積は、数式 h×π×r2 を用いて求めることができる。 ここで、h及びrはそれぞれ、内視鏡先端部の長さ及び半径を示す。hが2 cm未満で内視鏡の直径が1.41 cm未満の実施形態では、内視鏡先端部の体積は、
2 cm×(1.41cm/2)2×π=3.12 cm3 未満として求めることができる。
一実施形態に従って、内視鏡先端部の最大体積は、2.75 cm3から3.5 cm3に及ぶ。
側方サービスチャンネル650の側方サービスチャンネル開口部350も見える。
さらに、側方インジェクタチャンネル666の側方インジェクタ開口部266を、側壁362の先端側端部に配置することができる。ノズルカバー267を、側方インジェクタ開口部266に適合するように構成することができる。さらに、ノズルカバー267は、側方光学レンズアセンブリ256bに向けることができ、流体を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、側方観察カメラ又はビュー素子116bの側方光学レンズアセンブリ256bの表面から洗い流すために構成することができる、ノズル268を含むことができる。この流体は、体腔を膨張させるために使用できる気体を含むことができる。任意に、ノズル268を、側方光学レンズアセンブリ256bと、光学窓252a及び/又は252bとの両方を洗浄するために、構成することができる。
いくつかの実施形態によれば、側方インジェクタチャンネル666を、先端素子(任意の光学アセンブリ、光学レンズアセンブリ、窓、照明及び他の素子等)のいずれかを洗浄するための流体を供給するように構成することができる。
任意に、同じチャンネルから、インジェクタチャンネル646及び側方インジェクタチャンネル666に供給することができる。
なお、いくつかの実施形態によれば、先端部200の一方側を示して本明細書で提示しているが、本明細書で説明した側方要素と類似する要素(例えば側方観察カメラ、側方光学レンズアセンブリ、インジェクタ、ノズル、照明、窓、開口部及び他の要素)を、反対側に備えることができる。
一実施形態では、それぞれのビュー素子は、120 °以上の視野角(FOV)を提供し、被写界深度は3ミリメートルから100ミリメートルに及ぶ。一実施形態では、内視鏡の光学アセンブリで生じる、非球面素子へ依存しない周辺ディストーションは、約80%であると同時に、最大焦点長は、約1.2ミリメートル、又は1から1.4ミリメートルの範囲である。
側壁362は、インジェクタチャンネル666から噴出される洗浄流体を、側方光学レンズアセンブリ256b並びに光学窓252a及び/又は252bへ向けるのに役立つ、基本的に平坦な面の形とすることができる。そのような平面が無いと、洗浄流体が、所望の洗浄動作を実施すること無しに内視鏡の先端部200の湾曲面に沿って滴ることになり得る。
一実施形態に従って、側壁362を、先端カバー300のノッチ/くぼみに配置する。このように、側方インジェクタ開口部266及び対応する側方ノズル268を、くぼんだ側壁362から上げることができるが、依然として先端カバー300の円柱状の面の高さから大きく突出していない。ある実施形態の態様によれば、図59Cに示すように、側壁362は、側方光学レンズアセンブリ256bのレンズアセンブリがノッチ/くぼみ5963に十分に埋め込まれて、先端カバー300の円柱状の面の高さ5900よりも十分下方に留まるように、先端カバー300の十分明確に定義された又は十分深いノッチ/くぼみ5963に配置される。(ある実施形態ではバスタブのような構造に似ている)ノッチ/くぼみ5963は、側壁362と側壁362の要素(側方光学レンズアセンブリ256b、側方照明250a、250b及び側方ノズル268)とを、縦方向及び横方向両方の機械的衝撃から保護する。
なお、いくつかの実施形態によれば、先端部200は、2つ以上の側方観察カメラを備えることができる。この場合には、これらの側方観察カメラの視野が実質的に対向するように、これらの側方観察カメラを設置することができる。しかしながら、本明細書の一般的な範囲内で、様々な構造及び数の側方観察カメラが考えられる。
これから、図2Aを図60A及び60Bと共に参照する。図60A及び60Bは、いくつかの実施形態に従い、先端部200の側方サービスチャンネルを通じて挿入される医療用器材を有する、内視鏡アセンブリ100の先端部200の斜視図を表す。
図60Aは、側方サービスチャンネル650aを有する内視鏡アセンブリ100の先端部200を表す。医療用器材360aは、側方サービスチャンネル650aを通って装着され、直角に(90 °の角度で)、側方サービスチャンネル開口部350aから出る。
図60Bは、側方サービスチャンネル650bを有する内視鏡アセンブリ100の先端部200を表す。医療用器材360bは、側方サービスチャンネル650bを通って装着され、鈍角で、側方サービスチャンネル開口部350bから出る。
図61Aは、本明細書の一実施形態に従う、2つの独立した側方サービスチャンネル開口部である、第1の側方サービスチャンネル805aと、第2の側方サービスチャンネル(先端部の反対側に存在するため、図では見えない)とを含む内視鏡アセンブリの先端部200を表す。第1の側方サービスチャンネル805aと、第2の側方サービスチャンネルとは、先端部の両側に1つずつ存在する。側方サービスチャンネル開口部を含む流体チャンネリング要素が、図5A及び5Bを参照して以前に説明されている。
図2A及び61Aをこれから同時に参照して、先端カバー300は前方パネル320を備える。前方パネル320は、照明240a、240b及び240cそれぞれの光学窓242a、242b及び242cと共に、前方観察カメラ又はビュー素子116の、前方光学レンズアセンブリ256のための透明な面、窓又は開口部を有する。一実施形態では、前方観察カメラ又はビュー素子116の光軸を基本的に、内視鏡の先端部の長手を貫通する長手中心軸線6103沿いに向ける。前方パネル320は、作業チャンネル640の作業チャンネル開口部340と、噴出チャンネル644の噴出チャンネル開口部344とを含む。噴出チャンネル644を、体腔の壁を洗浄するための、流体(水又は生理食塩水等)の高圧噴出をもたらすために構成する。前方光学レンズアセンブリ256に向けたノズル348を有するインジェクタチャンネル646のインジェクタ開口部346も、先端カバー300の前方パネル320上に配置される。インジェクタチャンネル646を、流体(液体及び/又は気体)を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、前方観察カメラ又はビュー素子116の前方光学レンズアセンブリ256の表面から洗い流すために構成する。任意に、インジェクタチャンネル646を、前方光学レンズアセンブリ256と、光学窓242a、242b及び242cの1つ、2つ又は全てとを洗浄するために構成することができる。インジェクタチャンネル646に、体腔を洗浄する及び/又は膨張させるために使用できる、流体(水及び/又は気体等)を供給する。
側方サービスチャンネル開口部805b及び先端部の反対側の開口部(図では見えない)は、(先端部の両側の)両側の側壁362の側方インジェクタ開口部266付近に且つ先端部の手元側端部6101に向かって、有利に配置されることに気付くはずである。先端カバー300の側壁362は、側方観察カメラ又はビュー素子のための側方光学レンズアセンブリ256aのための透明な面、窓又は開口部と、側方観察カメラ又はビュー素子のための照明の光学窓252a及び252bとを備える。側方光学レンズアセンブリ256aは、前方光学レンズアセンブリ256に類似させることができる。同様に、側方光学レンズアセンブリ256aとは反対側の、先端カバー300の側壁362には、側方観察カメラ又はビュー素子116bのための側方光学レンズアセンブリ256bと、側方観察カメラ又はビュー素子116bのための対応する照明の光学窓252a及び252bとが存在する。側方光学レンズアセンブリ256bは、側方光学レンズアセンブリ256aに類似させることができる。ある実施形態では、側方観察ビュー素子の一方又は両方の光軸を基本的に、前方観察カメラ又はビュー素子116の光軸(内視鏡の長手中心軸線6103に沿う)と垂直にする。ある実施形態では、側方観察ビュー素子の一方又は両方の光軸は、前方カメラ又はビュー素子116の光軸と鈍角を形成し、一方代替的な実施形態では、側方ビュー素子の一方又は両方の光軸は、前方カメラ又はビュー素子116の光軸と鋭角を形成する。
これから、本明細書の一態様に従い、図2A、5A及び5Bを図61Aと共に参照して、側方インジェエクタ開口部付近且つ先端分手元側端部に向かう側方サービスチャンネル開口部の位置により、先端部の有効且つ機能的な長さを増加させることができる。
ある実施形態では、側方観察カメラの5ミリメートルの被写界深度に対する、側方サービスチャンネル開口部805a、805bの位置により、側方サービスチャンネルの先端部813の出口820の、先端部の長手を基準とした角度をより鋭角にできる。側方サービスチャンネル開口部を通って挿入される医療用器材が、内視鏡の側壁の付近で突出し、それにより、医療用器材が先端部から外へ出る間に体腔/体壁を傷つけるおそれを減らし、同時に側方サービスチャンネル内の円滑な移動を促進するために、鋭角820が好ましい。ある実施形態では、側方サービスチャンネルの出口820の角度は、5 °から90°の範囲にわたり、側方サービスチャンネル内で任意に増加するが、45 °であることが好ましい。また、側方サービスチャンネルの当該位置により、医療用器材が側方サービスチャンネル開口部から突出するときに、側方観察カメラが医療用器材を明瞭に認めることができる。
図2A及び61Aを参照して、ある実施形態における、側方観察カメラ又はビュー素子のための側方光学レンズアセンブリ256aを、内視鏡の周囲に、先端部の面320(前方パネル)から8−10ミリメートル(好ましくは9又は9.1ミリメートル)の距離で、位置付ける。
ある実施形態に従い、側方光学レンズアセンブリ256aに関連して、(対応する照明の)光学窓252a及び252bは、側方光学レンズアセンブリ256a並びに光学窓252a及び252bを含むが前方光学レンズアセンブリ256は含まない横平面に沿って、側方光学レンズアセンブリ256aにごく接近して位置付けられる。
ある実施形態において、側方光学レンズアセンブリ256aに関連して、側方インジェクタ開口部266は、側方光学レンズアセンブリ256a並びに光学窓252a及び252bを含むが前方光学レンズアセンブリ256は含まない横平面に沿って、側方光学レンズアセンブリ256aから5.8−7.5ミリメートル(好ましくは6.7ミリメートル)に位置付けられる。
ある実施形態に従って、側方光学レンズアセンブリ256aに関連して、側方サービスチャンネル開口部805aは、光学レンズアセンブリ256aから9.5−10.5ミリメートル(好ましくは10.2ミリメートル)に位置付けられる。(図5Bに示すような)側方サービスチャンネル812の直径は、ある実施形態では約2.8から3.2ミリメートルである。
図61Bは、側方サービスチャンネル810aを有する、図61Aの内視鏡アセンブリの先端部200を表す。医療用器材6120aは、側方サービスチャンネル810aを通って装着され、鋭角で、側方サービスチャンネル開口部805aから出る。
図61Cは、側方サービスチャンネル810bを有する、図61Aの内視鏡アセンブリの先端部200を表す。医療用器材6120bは、側方サービスチャンネル810bを通って装着され、基本的に直角に(90 °の角度で)、側方サービスチャンネル開口部805bから出る。
先端部200に2つ以上の前方作業チャンネルが設置された一実施形態に従う、内視鏡アセンブリ100の先端部200の分解図を共に表す、図2Bと共に図62を参照する。
先端部200は、椎骨機構が例として挙げられる、屈曲部とも呼ばれる軟性シャフトによって回動可能とできる。
先端カバー300は、電子回路基板アセンブリ400及び流体チャネリング要素600を備える、先端部200の内側部分上に適合するように構成されることができ、内側部分の内部要素を保護するように構成されることができる。
先端カバー300は、前方向きカメラ又はビュー素子116aの前方光学レンズアセンブリ256のための透明な面、窓又は開口部を有する前方パネル320を備えることができる。前方光学レンズアセンブリ256は、複数の固定式又は可動式のレンズを備えることができる。レンズは、基本的には180 °以下の視野角を提供することができる。前方光学レンズアセンブリ256は、約100ミリメートル以下の焦点長を提供することができる。
前方向きカメラ又はビュー素子116aの光軸を、基本的に内視鏡の長手沿いに向けることができる。しかしながら、前方向きビュー素子116aは典型的に広角カメラであるため、カメラの視野は、カメラの光軸に達する大きな角度のビュー方向を含むことができる。さらに、前方パネル320は、照明240a及び240bそれぞれの光学窓242a及び242bを含むことができる。視野の照明として用いられる照明光源の数を変えることができることに気付くはずである。
さらに、前方パネル320は、作業チャンネル640aの作業チャンネル開口部340aと、第2の作業チャンネル640bの第2の作業チャンネル開口部340bとを含むことができ、これらを以下で更に説明する。
噴出チャンネル644の噴出チャンネル開口部344も、先端カバー300の前方パネル320に配置することができる。噴出チャンネル644を、体腔の壁を洗浄するための、流体(水又は生理食塩水等)の高圧噴出をもたらすために構成することができる。
前方光学レンズアセンブリ256の表面に向けたノズル348を有するインジェクタチャンネル646のインジェクタ開口部346も、先端カバー300の前方パネル320上に配置される。
インジェクタチャンネル646に流体又は流体混合物(水及び/又は気体)を供給することができるとともに、インジェクタチャンネル646を、流体混合物(液体及び/又は気体)を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、前方向きビュー素子116aの前方光学レンズアセンブリ256の表面から洗い流すために構成することができる。さらに、流体混合物は、体腔を膨張させるために使用できる、気体を含むことができる。
任意に、インジェクタチャンネル646を、少なくとも前方光学レンズアセンブリ256の表面と、光学窓242a及び242bの一方又は両方とを洗浄するために構成することができる。
先端カバー300の側壁362aは、側方向きカメラ116b又はビュー素子のための光学レンズアセンブリ256bと側方向きビュー素子116bのための照明250a及び250bの光学窓252a及び252bとを備えることができる。光学レンズアセンブリ256bは、前方光学レンズアセンブリ256に類似させることができる。
先端カバー300の側壁362bは、側方向きカメラ又はビュー素子116cのための光学レンズアセンブリ256aと側方向きカメラ又はビュー素子116cのための照明260a及び260bの光学窓262a及び262bとを備えることができる。側壁362bは、側壁362aと類似させることができ、先端カバー300の反対側に配置されることができる。光学レンズアセンブリ256aは、前方光学レンズアセンブリ256に類似させることができる。
側方向きビュー素子116b及び116cの光軸を基本的に、内視鏡の長手に垂直に向けることができる。しかしながら、側方向きビュー素子116b及び116cは一般に広角カメラであるため、これらカメラの視野は、カメラの光軸に達する大きな角度のビュー方向を含むことができる。
いくつかの実施形態によれば、側方インジェクタチャンネル666a及び666bを、先端素子(任意の光学アセンブリ、窓、照明及び他の素子等)のいずれかを洗浄するための流体を供給するように構成することができる。側方インジェクタチャンネル666a及び666bそれぞれの側方インジェクタ開口部266a及び266bを、側壁362a及び362bの先端側端部に配置することができる。ノズルカバー267a及び267bを、側方インジェクタ開口部266a及び266bに適合するように構成することができる。
さらに、ノズルカバー267a及び267bは、側方光学レンズアセンブリ256b及び256aに向けることができ、流体又は流体混合物を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、側方向きビュー素子116b及び116cの側方光学レンズアセンブリ256b及び256aの少なくとも1つの表面から洗い流すために構成することができる、ノズル268a及び268bを含むことができる。任意に、ノズル268a及び268bを、側方光学レンズアセンブリ256b及び256aと、光学窓252a、252b、262b及び/又は262bとを洗浄するために、構成することができる。
任意に、同じチャンネルから、インジェクタチャンネル646並びに側方インジェクタチャンネル666a及び666bに供給することができる。
なお、いくつかの実施形態によれば、内視鏡先端部は、2つ以上の光学窓及び照明を側方に、2つ以上の光学窓及び照明を前方に、含むことができる。
側壁362a及び362bは、インジェクタチャンネル666a及び666bから噴出される洗浄流体を、側方光学レンズアセンブリ256b及び256a、並びに光学窓252a、252b、262a及び/又は262bへ向けるのに役立つ、基本的に平坦な面の形とすることができる。そのような平面が無いと、洗浄流体が、所望の洗浄動作を実施すること無しに内視鏡の先端部200の湾曲面に沿って滴ることになり得る。
これから、いくつかの実施形態に従う、ごく接近した2つの前方作業/サービスチャンネルを含む内視鏡アセンブリの先端部200の斜視図を表す図63を参照する。先端カバー300は、流体チャネリング要素(図7の流体チャネリング要素又は多岐管645等)を備える、先端部200の内側部分上に適合するように構成されることができ、内側部分の内部要素を保護するように構成されることができる。
先端カバー300は、(図7に表すような)先端側端部321と結合して、前方観察ビュー素子の前方光学レンズアセンブリ256に対する透明な面、窓又は開口部を有する、前方パネル又は面320を形成する。前方光学レンズアセンブリ256は、複数の固定式又は可動式のレンズを備えることができる。レンズは、基本的には180 °以下の視野角を提供することができる。前方光学レンズアセンブリ256は、約110ミリメートル以下の焦点長を提供することができる。
さらに、前方パネル又は面320は、先端部の面320から外側を向くとともに、前方観察ビュー素子の光学レンズアセンブリ256の周りに環状に分布する、3つの別個の照明の光学窓242a、242b及び242cを含むことができる。視野の照明として用いられる照明光源の数を変えることができることに気付くはずである。したがって、いくつかの実施形態では、前方パネル又は面320は、対応する2つの別個の照明の光学窓242a及び242cを含み、前方観察ビュー素子の光学レンズアセンブリ256が、2つの光学窓の間、従って2つの照明の間に位置付けられる。
一実施形態では、光学窓242a、242b及び242cは楕円形状である。別の実施形態では、光学窓242a、242b及び242cの少なくとも一部は楕円形状である。楕円形状により、第2の前方サービスチャンネル340bを前方パネル320上に含めることが可能となる。光学窓の楕円形状は、前方パネル320の要素の数(すなわち、2つの作業/サービスチャンネル340a、340b、カメラ、3つの照明(LED)、インジェクタ及び噴出口)による混雑の課題を克服するように設計され、2つの作業/サービスチャンネル340a、340bのサイズを最大限に保たせることもできる。一実施形態では、前方パネル320に含まれる、2つの作業/サービスチャンネル340a、340bの直径がそれぞれ3.8ミリメートル及び2.8ミリメートルである場合に、回路基板アセンブリを流体チャネリング要素からできる限り遠ざけて配置することによって、LEDの1つを前方パネル320のほぼ外周に配置させる。楕円形状の光学窓242bは、LEDを適切に覆う。円形状の光学窓を代わりに使用したならば、前方作業/サービスチャンネル340a、340bの直径の減少につながるであろう。
ある実施形態では、対応する3つの照明のそれぞれを覆う3つの光学窓242a、242b及び242c全てが楕円形状である一方、代替的な実施形態では、光学窓の1つ又は2つのみを楕円形状とすることができることに気付くはずである。したがって、いくつかの実施形態では、面320は、3つの照明の少なくとも1つを覆う、少なくとも1つの楕円形状の光学窓を含む。一層更なる実施形態では、面320は、少なくとも2つの照明を覆う、少なくとも2つの楕円形状の光学窓を含む。
作業/サービスチャンネル340aを、(例えば、結腸内に発見された興味対象物の試料又は当該興味対象物全体を、生検のために、除去、処置及び/又は抽出するための)医療用器材(処置具等)を挿入するために構成することができる。一旦興味対象物を検出すると、内視鏡の操作者は、1つ以上の医療用器材を挿入して、ポリープの試料又は当該ポリープ全体を、生検のために、除去、処置及び/又は抽出することを望むことがある。したがって、内視鏡の操作者が複数の医療用器材を使用できることは有益となり得る。
一実施形態では、図示するように、前方パネル又は面320は、作業/サービスチャンネル340aに類似させることができるとともに、医療用器材を挿入するために構成できる、二番目の作業/サービスチャンネル340bも含む。例えばこの医療用器材は作業/サービスチャネル340aを通して挿入できる医療用器材とは異なるものであるが、必ずしもそうであるとは限らない。操作者は、例えばポリープの位置によって、自分が医療用器材を挿入したい作業/サービスチャンネルを選択することもできる。
内視鏡(例えば胃内視鏡及び大腸内視鏡であるが、これらに限定されない)の性能を向上させるように第2の作業/サービスチャンネル340bを構成することができる。現在の胃内視鏡及び大腸内視鏡は典型的に、内視鏡の先端側前方端部で開いている、1つのサービスチャンネルを有する。かかる前方サービスチャンネルは、処置具を挿入するために適合する。医師は、この1つのチャンネルを通じて、すべての必要な医療行為(生検、ポリープ除去及び他の行為等)を行うことを要求されている。一実施形態では、作業/サービスチャンネル340a及び340bのどちらか一方又は両方を、手技の間に吸引を行うために構成することができる。一実施形態では、吸引を行うために作業/サービスチャンネル340a及び340bを適合させるための、作業/サービスチャンネル340a及び340bの構造上の変更が不要である。
一実施形態では、第1の作業/サービスチャンネル340aと、第2の作業/サービスチャンネル340bとの間の距離は、およそ0.40ミリメートルから0.45ミリメートルの範囲である。一実施形態では、第1の作業/サービスチャンネル340aの直径は、3.6ミリメートルから4.0ミリメートルの範囲であり、第2の作業/サービスチャンネル340bの直径は、2.6ミリメートルから3.0ミリメートルの範囲である。別の実施形態では、第1の作業/サービスチャンネル340aの直径は、3.4ミリメートルから4.2ミリメートルの範囲であり、第2の作業/サービスチャンネル340bの直径は、2.4ミリメートルから3.2ミリメートルの範囲である。一実施形態では、第1の作業/サービスチャンネル340aの直径は、3.8ミリメートルである一方、第2の作業/サービスチャンネル340bの直径は、2.8ミリメートルである。他の実施形態では、2つの作業/サービスチャンネルの直径を、異なる大きさとすることができる。一実施形態では、2つの作業/サービスチャンネルの直径を同一とすることができる。第1及び第2のチャンネルを、形状及びサイズの点で、同一とすることも相違させることもできる。作業/サービスチャンネルの直径は、内視鏡先端部の外径によって制限される。ある実施形態では、内視鏡先端部の外径は、7ミリメートルから12ミリメートルの範囲である。ある実施形態では、内視鏡先端部の外径は、11.9ミリメートルである。
作業/サービスチャンネル(第2の作業/サービスチャンネル340b等)は、作業/サービスチャンネル340aを通って挿入できる医療用器材に加えた医療用器材(又はこれに代えた医療用器材)を挿入するためのチャンネルを提供することによって、より大きなフレキシビリティを内視鏡の操作者にもたらす。
前方パネル又は面320は、体腔(結腸等)の壁を洗浄するため、及び任意に吸引のために、流体(水又は生理食塩水等)の高圧噴出をもたらすように構成することができる流体噴出チャンネル344を更に備えることができる。前方パネル320は、(空気及び水のような)2つの流体を混合するために使用できる、インジェクタチャンネル経路346を更に含むことができるとともに、流体混合物を、インジェクタチャンネル346へ運ぶことができる。インジェクタチャンネル346を、流体混合物を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、前方向きカメラ又はビュー素子の前方光学レンズアセンブリ256の表面から洗い流すように構成することができる。
側方観察ビュー素子のための側方光学レンズアセンブリ256bの透明な面、窓又は開口部と側方観察ビュー素子のための側方照明の光学窓252a及び252bとが、先端カバー300の側壁362に見える。側方光学レンズアセンブリ256bを、前方光学レンズアセンブリ256に類似させることができる。一実施形態では、光学窓252a及び252bの形状は楕円形である。別の実施形態では、光学窓252a及び252bの形状を円形とすることができる。
さらに、側方インジェクタチャンネルの側方インジェクタ開口部266は、側壁362の手元側端部に配置される。なお、いくつかの実施形態によれば、先端部200の一方側を示して本明細書で提示しているが、本明細書で説明した側方要素と類似する素子(例えば側方観察ビュー素子、側方光学レンズアセンブリ、インジェクタ、ノズル、照明、窓、開口部及び他の素子)を、反対側に備えることができる。側壁362は、側方インジェクタチャンネルから噴出される洗浄流体を、側方光学レンズアセンブリ256bの表面並びに光学窓252a及び/又は252bへ向けるのに役立つ、基本的に平坦な面の形とすることができる。そのような平面が無いと、洗浄流体が、所望の洗浄動作を実施すること無しに内視鏡の先端部200の湾曲面に沿って滴ることになり得る。
様々な実施形態において、先端部200が2.75cm3から3.5cm3の範囲の内部容積を画定しながら、前方観察ビュー素子と1つ又は2つの側方観察ビュー素子とは、120 °から180 °の範囲の視野角と、3ミリメートルから100ミリメートルの範囲の被写界深度と、非球面素子へ依存しない、80%未満の周辺ディストーションと、を生み出す。
なお、いくつかの実施形態によれば、先端部200は、2つ以上の側方観察ビュー素子を備えることができる。この場合には、これらの側方観察ビュー素子の視野が実質的に対向するように、これらの側方観察ビュー素子を設置することができる。しかしながら、本明細書の一般的な範囲内で、様々な構造及び数の側方観察ビュー素子が考えられる。
図64は、噴出開口部6426及びノズル開口部6424を、前方パネル6412上に互いに隣接させて配置した実施形態に従う、内視鏡の先端部を示す図である。別の実施形態では、噴出開口部6426及びノズル開口部6424を、前方パネル6412上の作業/サービスチャンネル開口部6422の両側に配置する。先端カバーは、内視鏡先端部及び内視鏡の先端部内の要素を覆う。内視鏡先端部6400の直径は、約10から15ミリメートルの範囲である。一実施形態では、直径は約11.7ミリメートルである。側方パネル6402は、内視鏡先端部6400の側方に配置される。側方パネル6402は、側方光学レンズアセンブリ6404に対する透明な面、窓又は開口部と、光学窓6406、6408と、側方ノズル6410とを含む。側方光学レンズアセンブリ6404に対する透明な面、窓又は開口部は、内視鏡先端部の外周に、先端部6400の表面から約6から9ミリメートルの範囲の距離で位置付けられ、一実施形態では、先端部6400の表面から約7.8又は7.9ミリメートルの距離で位置付けられる。
前方パネル6412は、内視鏡先端部6400の前方向端部に配置される。前方パネル6412は、前方光学レンズアセンブリ6414に対する透明な面、窓又は開口部と、光学窓6416、6418、6420と、作業/サービスチャンネル開口部6422と、ノズル開口部6424と噴出開口部6426とを含む。前方作業/サービスチャンネルの直径は、2.8から4.8ミリメートルの範囲である。ある実施形態では、前方作業/サービスチャンネルの直径は、3.2ミリメートルから4.8ミリメートルの範囲である。別の実施形態では、直径は約4.2から4.8ミリメートルの範囲である。ある実施形態では、前方作業/サービスチャンネルの直径は3.2ミリメートルである。別の実施形態では、前方作業/サービスチャンネルの直径は3.8ミリメートルである。さらに別の実施形態では、前方作業/サービスチャンネルの直径は3.8ミリメートルである。またさらに別の実施形態では、前方サービスチャンネルの直径は4.8ミリメートルである。
これから、本明細書の一実施形態に従い、図2Aと共に、前方噴出口に加えて、複数の側方噴出口を含んでフラッシングを改善できる、複数噴出口の内視鏡アセンブリ6501の先端部200の斜視図を表す図65Aから65Dを参照する。
先端カバー300は、電子回路基板アセンブリ400(図2Aに示す)及び流体チャネリング要素600(図65Dに示す)を備える、先端部200の内側部分上に適合して、内側部分の内部要素を保護する。図65Dに表すように、先端カバー300に対するピンのための穴670を、流体チャネリング要素600に設ける。さらに、図65Dは電気ケーブルのための溝6572を表す。先端カバー300は、前方パネル320を備える。前方パネル320は、照明240a、240b及び240cそれぞれの光学窓242a、242b及び242cと共に、前方観察カメラ116の、前方光学レンズアセンブリ256のための透明な面、窓又は開口部を有する。
前方パネル320は、作業チャンネル640の作業チャンネル開口部340と、噴出チャンネル644の噴出チャンネル開口部344とを含む。噴出チャンネル644を、体腔の壁を洗浄するための、流体(水又は生理食塩水等)の高圧噴出をもたらすために構成する。前方光学レンズアセンブリ256に向けたノズル348を有するインジェクタチャンネル646のインジェクタ開口部346も、先端カバー300の前方パネル320上に配置される。インジェクタチャンネル646を、流体(液体及び/又は気体)を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、前方観察カメラ又はビュー素子116の前方光学レンズアセンブリ256の表面から洗い流すために構成する。任意に、インジェクタチャンネル646を、少なくとも前方光学レンズアセンブリ256の表面と、光学窓242a、242b及び242cの1つ、2つ又は全てとを洗浄するために構成することができる。インジェクタチャンネル646に、体腔を洗浄する及び/又は膨張させるために使用できる、流体(水及び/又は気体等)を供給する。一実施形態では、前方観察カメラ又はビュー素子116の光軸を基本的に、内視鏡6501の先端部の長手を貫通する長手中心軸6503沿いに向ける。
図65Bは、側方観察ビュー素子のための側方光学レンズアセンブリ256aに対する透明な面、窓又は開口部と、側方観察ビュー素子のための照明の光学窓252a及び252bとを備える先端カバー300の側壁362を表す。側方光学レンズアセンブリ256aは、前方光学レンズアセンブリ256に類似させることができる。また、図65Cに表すように、側方光学レンズアセンブリ256aとは反対側の、先端カバー300の側壁362には、側方観察ビュー素子116bのための光学レンズアセンブリ256bと、側方観察ビュー素子116bのための対応する照明の光学窓252a及び252bとが存在する。ある実施形態では、側方観察ビュー素子又はカメラの一方又は両方の光軸を基本的に、前方観察ビュー素子116の光軸(内視鏡の長手中心軸線6503に沿う)と垂直にする。ある実施形態では、側方観察ビュー素子の一方又は両方の光軸は、前方ビュー素子116の光軸と鈍角を形成し、一方代替的な実施形態では、側方ビュー素子の一方又は両方の光軸は、前方ビュー素子116の光軸と鋭角を形成する。
さらに、図65B及び65Cに表すように、対応する側方インジェクタチャンネル666の側方インジェクタ開口部266を、両側の側壁362のそれぞれの先端側端部に配置する。ノズルカバー267を、対応する側方インジェクタ開口部266に適合するように構成することができる。ノズルカバーは、側方レンズ光学アセンブリ256a、256bに向けられるとともに、流体を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、側方観察ビュー素子の側方光学レンズアセンブリ256a、256bの少なくとも表面から洗い流すために構成される、ノズル268を含む。この流体は、体腔を膨張させるために使用できる気体を含むことができる。任意に、ノズル268を、側方光学レンズアセンブリと、先端部200の両側の両光学窓とを洗浄するために構成することができる。
いくつかの実施形態によれば、側方インジェクタチャンネル666を、先端素子(任意の光学アセンブリ、光学レンズアセンブリ、窓、照明及び他の素子等)のいずれかを洗浄するための流体を供給するように構成することができる。任意に、同じチャンネルから、インジェクタチャンネル646及び側方インジェクタチャンネル666に供給することができる。
図65Aから65Dに表すように、一実施形態に従い、共通の側方噴出チャンネル6506によって供給される、2つの側方噴出開口部605a、610aを、先端部200の手元側端部の側方外面の周りに設ける。このように、共通の側方噴出チャンネル6506によって供給される2つの側方噴出開口部605a、610aは、Y字型の流体導管を形成する。Y字型の流体導管を以下更に説明する。図65Dに表す多岐管は、湾曲した上面と、部分的に湾曲した第1の側面と、部分的に湾曲した第2の側面とを含む部分的な円柱形状を有するハウジングを含む。多岐管ハウジングは、第1の幅、第1の長さ及び手元側表面を有する基部と、基部に取付けられて、第2の幅、第2の長さ及び先端側表面を有する長尺部とから形成される。第1の幅は第2の幅よりも広く、第1の長さは第2の長さよりも短い。第1のチャンネル640は基部から長尺部を通って延在し、第1のチャンネル640は基部の前記手元側表面に位置付けられる入口ポートと、長尺部の先端側表面に位置付けられる出口ポートとを有する。第2のチャンネル644は基部から長尺部を通って延在し、第2のチャンネル644は基部の前記手元側表面に位置付けられる入口ポートと、長尺部の先端側表面に位置付けられる出口ポートとを有する。
Y字型の流体導管は、中央ステム部又は共通の側方噴出チャンネル6506と、第1のプロング部6525と、第2のプロング部6526とを含む。中央ステム部6506は基部の手元側表面の入口ポート607から基部を通って延在し、第1のプロング部6525は中心部の端部から基部を通って部分的に湾曲した第1の側面の出口ポートまで延在し、第2のプロング部6526は中心部の端部から基部を通って部分的に湾曲した第2の側面の出口ポートまで延在する。ある実施形態では、第1のプロング部6525から延在する出口ポートは側方噴出開口部605aを形成する一方、第2のプロング部6526から延在する出口ポートは側方噴出開口部610aを形成する。
第3のチャンネル646は、基部の手元側表面の入口ポートから、部分的に湾曲した第1の側面の出口ポートに至るまで延在する。第4のチャンネル6516は、基部の手元側表面の入口ポートから、部分的に湾曲した第2の側面の出口ポートに至るまで延在する。第1、第2、第3及び第4のチャンネルのそれぞれは、流体的に互いに分離し独立している。
共通の側方噴出チャンネル6506は、流体チャネリング要素600の手元側端部にエントリポート607を有する。同様に、別の共通の側方噴出チャンネルによって供給される、2つの側方噴出開口部605b、610bを、側方噴出開口部605a、610aの反対側に設ける。ある実施形態では、先端部の各側の2つの側方噴出開口部605a、605b、610a、610bを、(先端部の両側に1つずつの)側方インジェクタ開口部266が2つの側方噴出開口部の間に置かれるように位置付ける。さらに、ある実施形態では、医師が排出される流体を見られるよう、流体が側方噴出開口部から噴出される時に流体が約45 °の角度で推進されてカメラを通り過ぎるように、先端部の各側の2つの側方噴出開口部605a、605b、610a、610bを(先端部の両側の)側方観察カメラの側方光学レンズアセンブリ256a、256bに近接して位置付ける。当該流体を水又は生理食塩水とすることができる。
図65Eは、前方噴出開口部6544及び側方噴出開口部6505、6510から複数の高圧流体噴出が排出されている間に、体腔6501内部に移動している(図65Aから65Cの)複数噴出口の内視鏡アセンブリ6501を表す。図で見られるように、側方流体噴出が、第1の側方光学レンズアセンブリ6556aと第2の側方光学レンズアセンブリ(図では見えない)と対応する側方光学窓を含むが前方観察ビュー素子の前方光学レンズアセンブリ6556を含まない横平面に対して、鋭角で排出されている。ある実施形態に従って、出口の鋭角により、流体を、内視鏡6501の移動方向に沿って排出できる。
側方噴出開口部に、図65Dの流体チャネリング要素600に形成される側方噴出チャンネルを通じて、高圧流体を供給する。ある実施形態では、別個の対応する側方チャンネルによって各側方噴出開口部に供給する一方、他の実施形態では、共通の側方チャンネルによって複数の側方噴出開口部に供給する。側方噴出チャンネルを、前方噴出チャンネル6544と区別させることができ、また前方噴出チャンネル6544と共通とすることができる。
本明細書の別の態様に従い、側方噴出チャンネル開口部6505及び6510を、複数の所定のアルゴリズム(連続流体ストリーム、異なる流量での流体ストリームパルシング、異なる側方噴出開口部に対し異なるタイミングで排出される流体ストリーム、異なる圧力の流体ストリーム又は当業者に明らかであろう任意の他の適切なアルゴリズム等)で動作させることができる。また、一実施形態では、全ての側方噴出開口部が1つの選択されたアルゴリズムで動作する一方、代替的な実施形態では、それぞれの側方噴出開口部は独立で且つ異なる動作アルゴリズムで、分配器を用いて噴出動作を制御して動作することができる。
本明細書の態様に従って、側方噴出開口部605a、605b、610a、610bの少なくとも1つの上で、複数の穴を含む側方噴出スプリンクラを、下層の側方噴出開口部から発散される流体を分配するために使用する。これから図66を参照すると、本明細書の一実施形態に従う側方噴出スプリンクラ6600が示されている。側方噴出スプリンクラ6600を、複数(2つ以上の)の穴6670を含む付属品又は「パッチ」とすることができる。例として、図66は、穴6670が側方噴出開口部610aの上に直接位置合わせされるように、側方噴出開口部610aの上に設置した側方噴出スプリンクラ6600を表す。したがって、流体が出る側方噴出開口部610aは、その後分配されて穴6670を通って出ることができ、散布する形で、複数の流体の噴出を形成する。側方噴出スプリンクラ6600はこのようにして、内視鏡の先端部の周辺の洗浄流体の適用範囲をより広くでき、体腔の洗浄機能を改善できる。
一実施形態では、前方噴出チャンネル644の噴出チャンネル開口部344の上に、複数の穴を含む、前方噴出スプリンクラを設置することができる(図65Aから65D)。前方噴出スプリンクラを側方噴出スプリンクラ6600と同様の方法で構成することができ、その結果、前方噴出スプリンクラを前方パネル320上の噴出チャンネル開口部344の上に適合するように位置付けることができる。
一実施形態では、側方噴出スプリンクラ6600を着脱可能とできる。側方噴出スプリンクラ6600を、図2Aの先端カバー300上に設置して、後で取外すことができる。いくつかの実施形態では、側方噴出スプリンクラ6600を、先端カバー300に押し付けて突き出すことができる。任意に、側方噴出スプリンクラ6600を先端カバー300に押圧して接着することができる。側方噴出スプリンクラ600を前方及び側方噴出口に加えて使用することで、体腔の洗浄/フラッシュ能力を更に改善することができる。
図65Aから65D及び図66を参照して、代替的な実施形態では、任意の適切な数(2、4、6又は8を含む)の、側方噴出開口部(605a、605b、610a、610b等)、及び/又は側方噴出スプリンクラ6600の複数の穴6670を、側方外面の周囲に構成することができることに気付くはずである。また、側方噴出開口部605a、605b、610a、610b及び/又は穴6670は、流体を、側方観察ビュー素子の側方光学レンズアセンブリ、及び対応する照明の光学窓を含むが前方観察ビュー素子の前方光学レンズアセンブリは含まない横平面に対して異なる角度で出させる、複数の角度構造を持つことができる。ある実施形態では、側方観察ビュー素子の光軸を、横平面、及び内視鏡の長手中心軸線6503に沿う前方観察ビュー素子の光軸と、垂直にすることができる。横平面に対する流体出口の角度を、45 °から60 °、又は120 °から135 °の範囲とすることができる。45 °から60 °の出口の鋭角によって、流体を内視鏡の移動方向に排出することができる一方、120 °から135 °の出口の鈍角によって、流体を内視鏡の移動方向とは反対方向に排出することができその結果内視鏡の体腔内の移動を補助することができる。これは、噴出が内視鏡の移動方向とは反対に向く場合には、結腸の壁の抵抗により内視鏡をジェットエンジンのように前方に押すことができるためである。
図67A及び67Bを参照して、ある実施形態に従い、開口部を出る流体が、側方光学レンズアセンブリ6756a、6756b、及び対応する光学窓を含む(が前方観察ビュー素子の前方光学レンズアセンブリは含まない)横平面に対して、(図67Aに示すような)50 °から(図67Bに示すような)60 °の範囲の角度を形成するように、側方噴出開口部6705、6710を、内視鏡の外周の側方光学レンズアセンブリ1056a、1056bから8.5から9.5ミリメートルに位置付ける。またある実施形態では、側方噴出開口部6705、6710の直径を、約1.4から1.7ミリメートルとする。
図68A及び68Bに表すように、本発明のいくつかの実施形態では、側方噴出開口部(図65Aから65Dの605a、605b、610a、610b等)を、周囲噴出開口部130によって覆うことができる。周囲噴出開口部130は、ある実施形態では、先端カバー300に開けた複数の穴を含む。周囲噴出開口部130は、側方噴出開口部(図65Aから65Dの605a、605b、610a、610b等)を通って循環して複数のより小さな出口に達する流体を更に広めることができる。側方噴出チャンネル6506、6506によって循環される洗浄流体は、側方噴出開口部を通って流れることができ、先端カバー300の外面の側方噴出チャンネル6506、6506に接続された一体化した溝に沿って運ばれることができる。溝は、先端カバー300の外周に位置合わせされた、周囲噴出開口部130である、より小さい複数の穴によって取り囲まれる。したがって、側方噴出開口部(図65Aから65Dの605a、605b、610a、610b等)から表れる洗浄流体は、周辺噴出開口部130の複数の穴を通って出る。このことにより、洗浄流体は、先端カバー300の全周(360 °)に達して、体腔内へ至ることができる。このことで、結腸が洗浄されていないことによる、結腸内視鏡検査の非効率性の課題を解決し又は軽減させることができる、より優れた洗浄行為が可能となる。
周囲噴出開口部130は、流体を、側方ビュー素子の側方光学レンズアセンブリ、及び対応する照明の光学窓を含む横平面に対して異なる角度で出させる、複数の角度構造を持つことができる。一実施形態では、周囲噴出開口部130を内視鏡の長手に対して鋭角に穿設することができる。別の実施形態では、周囲噴出開口部130を内視鏡の長手に対して90 °の角度で穿設することができる。更に別の実施形態では、周囲噴出開口部130を内視鏡の長手に対して鈍角に穿設することができる。代替的な実施形態では、周囲噴出開口部130のそれぞれの穴を、1つ以上の鋭角、90 °の角度及び1つ以上の鈍角を組み合わせた角度で穿設することができる。出口の鋭角によって、流体を内視鏡の移動方向に排出することができる一方、出口の鈍角によって、流体を内視鏡の移動方向とは反対方向に排出することができてその結果内視鏡の体腔内の移動を補助することができる。
これから、図2A、68A及び68Bを、一実施形態に従う内視鏡アセンブリの先端部200の正面斜視図、後面斜視図及び側面図をそれぞれ表す、図69A、69B及び70と共に参照する。図69A、69B及び70は、図68A及び68Bで上述した先端カバー300によって取り囲まれる内部要素を示す。この実施形態に従って、図2Aの先端カバー300が、図68A及び68Bに描かれる先端カバー300に置き換えられるとともに、図2Aの流体チャネリング要素600が、図65Dの流体チャネリング要素600に置き換えられている一方、図2の回路基板アセンブリ400は変わっていないことを理解するはずである。
先端カバー300は、前方観察ビュー素子116の、前方光学レンズアセンブリ256のための透明な面、窓又は開口部を有する前方パネル320を備えることができる。前方光学レンズアセンブリ256は、複数の固定式又は可動式のレンズを備えることができる。レンズは、90 °以上、120 °以上又は基本的には180 °以下の視野角を提供することができる。前方光学レンズアセンブリ256は、約3から100ミリメートルの範囲の焦点長を提供することができる。さらに、前方パネル320は、照明240a、240b及び240cそれぞれの光学窓242a、242b及び242cを含むことができる。視野の照明として用いられる照明光源の数を変えることができることに気付くはずである。さらに、前方パネル320は、作業チャンネル640の作業チャンネル開口部340を含むことができる。
噴出チャンネル644の噴出チャンネル開口部344も、先端カバー300の前方パネル320に配置することができる。噴出チャンネル644を、体腔の壁を洗浄するための、流体(水又は生理食塩水等)の高圧噴出をもたらすために構成することができる。
前方光学レンズアセンブリ256に向けたノズルを有するインジェクタチャンネル646のインジェクタ開口部346も、先端カバー300の前方パネル320上に配置される。インジェクタチャンネル646を、流体(液体及び/又は気体)を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、前方観察ビュー素子116の前方光学レンズアセンブリ256の表面から洗い流すために構成することができる。任意に、インジェクタチャンネル646を、前方光学レンズアセンブリ256の少なくとも表面と、光学窓242a、242b及び242cの1つ、2つ又は全てとを洗浄するために構成することができる。インジェクタチャンネル646に、体腔を洗浄する及び/又は膨張させるために使用できる、流体(水及び/又は気体等)を供給することができる。
側方観察ビュー素子116bのための側方光学レンズアセンブリ256bに対する透明な面、窓又は開口部と側方観察ビュー素子116bのための照明250a及び250bの光学窓252a及び252bとが、先端カバー300の側壁362上に見える。側方光学レンズアセンブリ256bは、前方光学レンズアセンブリ256に類似させることができる。別の側方観察ビュー素子のための光学レンズアセンブリと、他の側方観察カメラのための照明の光学窓も、側方光学レンズアセンブリ256bとは反対側の先端カバー300の側壁362上に存在する。この光学レンズアセンブリは、側方光学レンズアセンブリ256bに類似させることができる。側方光学レンズアセンブリ256bは、約3から100ミリメートルの範囲の焦点長を提供することができる。
さらに、側方インジェクタ開口部266を、側壁362上に配置することができる。ノズルカバーを、側方インジェクタ開口部266に適合するように構成することができる。また、ノズルカバーは、側方光学レンズアセンブリ256bに向けられるとともに、流体を噴射して、血液、排泄物及び他の破片等の汚染物質を、側方観察ビュー素子116bの側方光学レンズアセンブリ256bの表面から洗い流すために構成できる、ノズルを含むことができる。この流体は、体腔を膨張させるために使用できる気体を含むことができる。任意に、ノズルを、側方光学レンズアセンブリ256bと、光学窓252a及び/又は252bとの両方を洗浄するために、構成することができる。
側方パネル362は、側方噴出チャンネル6506、6506を通って循環する洗浄流体を放出する、(図65Aから65Dの側方噴出開口部605a、605b、610a、610b等のいずれか1つである)少なくとも1つの側方噴出開口部610aも含む。別の類似する少なくとも1つの側方噴出開口部(図では見えない)は、先端部300の反対側の側方パネル上で第2の通気を行うことができる。側方噴出開口部610aと、先端部300の反対側の側方パネル上の他の側方噴出開口部とに接続される周囲溝330は、2つの側方噴出開口部による流体の通気用のチャンネルを提供することができる。流体は、先端部300の周囲の周囲溝330のチャンネルを通って循環することができる。ある実施形態では、別個の対応する側方噴出チャンネルによって各側方噴出開口部に供給する一方、他の実施形態では、共通の側方チャンネルによって複数の側方噴出開口部に供給する。側方噴出チャンネルを、前方噴出チャンネル644と区別させることができ、また前方噴出チャンネル644と共通とすることができる。
本明細書の別の態様に従い、側方噴出開口部(図65Aから65Dの605a、605b、610a、610b等)を、複数の所定のアルゴリズム(連続流体ストリーム、異なる流量での流体ストリームパルシング、異なる側方噴出開口部に対し異なるタイミングで排出される流体ストリーム、異なる圧力の流体ストリーム又は当業者に明らかであろう任意の他の適切なアルゴリズム等)で動作させることができる。また、一実施形態では、全ての側方噴出開口部が1つの選択されたアルゴリズムで動作する一方、代替的な実施形態では、それぞれの側方噴出開口部は独立で且つ異なる動作アルゴリズムで、分配器を用いて噴出動作を制御して動作することができる。
なお、いくつかの実施形態によれば、先端部300の一方側を示して本明細書で提示しているが、本明細書で説明した側方要素と類似する要素(例えば側方ビュー素子、側方光学レンズアセンブリ、インジェクタ、ノズル、照明、窓、開口部及び他の要素)を、反対側に備えることができる。
なお、いくつかの実施形態によれば、先端部は、2つ以上の側方ビュー素子を備えることができる。この場合には、これらの側方ビュー素子の視野が実質的に対向するように、これらの側方ビュー素子を設置することができる。しかしながら、本明細書の一般的な範囲内で、様々な構造及び数の側方ビュー素子が考えられる。
これから、一実施形態に従い、図68A、68Bの先端カバー300内に取り囲まれた先端部200の断面図を示す図71を、図68A、68B、69A、69B及び70と共に参照する。図71は、側方ビュー素子116a及び116bを同時に示す。側方ビュー素子116aを照射するように側方照明250a、250bを位置付け、側方ビュー素子116bを照射するように側方照明250c、250dを位置付ける。前方ビュー素子116も前方照明240a、240b沿いに見える。
さらに、先端カバー300の周囲噴出開口部130が周囲(噴出チャンネル)溝330と位置合わせされることが示されている。周囲噴出チャンネル溝330と接続される側方噴出開口部610aの断面図が見られる。流体は、側方噴出チャンネル6506と、側方噴出開口部610aとを通り、周辺噴出チャンネル溝330を通って流れることができ、先端カバー300の周囲噴出開口部130の複数の穴を通って出ることができる。このようにして、流体が360度で分散されて患者の体腔へ達することが可能になる。
代替的な実施形態では、周囲噴出開口部130の数を変えることができることに気付くはずである。様々な実施形態において、周囲噴出開口部130のそれぞれの穴の直径を、0.40−0.80ミリメートルの範囲とすることができる。いくつかの実施形態において、周囲噴出開口部130のそれぞれの穴の直径を、0.50ミリメートルとすることができる。2つの穴の間の最小距離を、0.20ミリメートルとすることができる。これらの例示的な実施形態は、直径が9から17ミリメートルの範囲である内視鏡先端部に対して適切となり得る。
これから、明細書の代替的な実施形態に従う複数噴出口リングアセンブリ7200を示す、図72を参照する。複数噴出口リングアセンブリ7200を、先端カバー上の、側方噴出開口部(図65Aから65Dの605a、605b、610a、610b等)の上に設置することができる。側方噴出開口部は、内視鏡アセンブリの先端部の側方噴出チャンネルによって循環される流体のための出口を提供することができる。実施形態では、側方噴出チャンネル開口部を周囲溝7202に位置合わせできるように、周囲溝7202を複数噴出口リングアセンブリ7200の内周上に置くことができる。さらに、複数の穴7204を周辺溝7202に沿って穿設することができる。複数の穴7204により、周辺溝7202を通って循環する複数の流体の噴出出口を与えることができる。
ある実施形態では、複数噴出口リングアセンブリ7200は、使い捨てであり、側方噴出チャンネル(図65Aから65Dの605a、605b、610a、610b等)を有する全てのスコープのために適合される。このスコープは、1つの前方作業/サービスチャンネル又は2つの前方作業/サービスチャンネルを有するスコープと、1つ又は2つの側方作業/サービスチャンネルを有するスコープとを含む。ある実施形態では、複数噴出口リングアセンブリ7200は、部分的なリングを含む。
複数の穴7204は、流体を、内視鏡の長手に対して異なる角度で出させる、複数の角度構造(又は開口部の角度)を持つことができる。一実施形態では、複数の穴7204を内視鏡の長手に対して鋭角に穿設することができる。別の実施形態では、複数の穴7204を内視鏡の長手に対して90 °の角度で穿設することができる。更に別の実施形態では、複数の穴7204を内視鏡の長手に対して鈍角に穿設することができる。代替的な実施形態では、複数の穴7204のそれぞれの穴を、1つ以上の鋭角、90 °の角度及び1つ以上の鈍角を組み合わせた角度で穿設することができる。出口の鋭角によって、流体を内視鏡の移動方向に排出することができる一方、出口の鈍角によって、流体を内視鏡の移動方向とは反対方向に排出することができその結果内視鏡の体腔内の移動を補助することができ、逆もまた同様である。
複数噴出口リングアセンブリ7200の第1の直径7206を、先端カバーの直径に適合させることができ、複数噴出口リングアセンブリ7200が先端カバー上を密封して当該先端カバー上に適合するような直径とする。複数噴出口リングアセンブリ7200の第2の直径7208を、第1の直径7206よりも大きくすることができる。第1の直径7206は複数噴出口リングアセンブリ7200の外縁に対する大きさを画定することができる一方、第2の直径7208は周囲溝7202を形成する内側リングに対応することができる。
複数噴出口リングアセンブリ7200が先端部上を摺動できて、周囲溝7202が先端カバーの周りで密封されるよう複数噴出口リングアセンブリ7200が先端カバーにしっかりと設置されるように、先端カバーを予め調整して、複数噴出口リングアセンブリ7200の位置を予め決めることができる。実施形態では、先端カバーに浅い溝を設けて、複数噴出口リングアセンブリ7200が先端カバーの外側部から突出しないようにし、先端部の外径を増加させることができる。
複数の穴7204はこのようにして、内視鏡の1つ以上の側方噴出開口部に位置付けられる、周囲溝7202に置かれる。様々な実施形態において、複数噴出口リングアセンブリ7200は、少なくとも1つの側方噴出チャンネルを有する様々な種類のスコープに対して適合することができる。このスコープは、1つの前方サービスチャンネルを有するスコープと、2つの前方サービスチャンネルを有するスコープとを含む。いろいろな実施形態において、複数噴出口リングアセンブリ7200を、5から18ミリメートルの範囲のいろいろな直径の先端部を有するスコープに適合させることができる。複数の穴7204の数を、本明細書のいろいろな実施形態に従って変えることができる。
実施形態において、複数の穴7204のそれぞれの穴の直径は、0.40から0.80ミリメートルに及ぶことができる。実施形態では、複数の穴の、隣接する2つの穴の間の最小距離を、0.20ミリメートルとすることができる。いくつかの実施形態では、複数の穴7204のそれぞれの穴の直径は等しいが、代替的な実施形態では、穴の直径は相違する。一実施形態では、先端カバーのいずれかの側の側方インジェクタ開口部に最も近い穴から、先端カバーのいずれかの側の側方インジェクタ開口部から最も遠い穴まで、穴の直径が徐々に増加する。
図73、74A及び74Bは、複数噴出口リングアセンブリ7200が内視鏡アセンブリの先端部200上に設置された状態の、内視鏡アセンブリの先端部200の側面図及び斜視図を表す。先端部200のいくつかの要素を、図2A及び2Bを参照して上述した実施形態の要素に類似させることができる。先端部200の先端カバー300は、1つ以上の側方噴出開口部(図65Aから65Dの605a、605b、610a、610b等)を含むことができる。
複数噴出口リングアセンブリ7200を、周囲溝7202が先端カバー300の周りで密封される(そして水密シールを達成する)とともに周囲溝7202が先端カバー300の側方噴出開口部(図65Aから65Dの605a、605b、610a、610b等)と位置合わせされるように、先端カバー300上に設置することができる。その結果、側方噴出開口部を通って循環する流体を、複数噴出口リングアセンブリ7200の内周の周囲溝7202を通って運ぶことができる。その後流体は、周囲溝7202の複数の穴7204を通って出ることができ、これにより液体に対して先端部200の周囲360 °のベントをもたらすことができる。側方噴出チャンネルを循環する流体が、複数噴出口分配器のポンプ(図77Aを参照して以下論じる)が発生させる十分高い圧力で側方噴出開口部を通って出ることを理解するはずである。この高い圧力の流体が、周囲溝7202の中での流体の圧力の損失を無くし又は最小限にできるように、先端カバー300の周りで水密シールを形成する、周囲溝7202に入る。したがって、高い圧力の流体がその後複数の穴7204を通って出る。
図75A及び75Bは、内視鏡アセンブリの実施形態に従い、複数噴出口リングアセンブリ7200を先端部200から分離させた場合の、先端部200の斜視図を示す。これらの図は、先端部200の側方噴出開口部610aを示す。実施形態では、複数噴出口リングアセンブリ7200の周囲溝7202を側方噴出開口部610aの上に設置することができる。
これから図76A及び76Bを参照して、本明細書の内視鏡アセンブリの実施形態に従う、先端部200の上に設置された複数噴出口リングアセンブリ7200の断面図を表す。これらの図は、側方噴出開口部610aに接続される側方噴出チャンネル6506を示す。複数噴出口リングアセンブリ7200の第1の直径7206及び第2の直径7208も、穴7204に沿って見える。これらの図は1つの側方噴出チャンネル及び開口部を示すが、明細書には、他の実施形態において、内視鏡アセンブリの先端部に、複数の側方噴出チャンネル及び/又は開口部を含むことができる。
図2A及び図65Aから65Dをこれから参照して、一実施形態では、噴出口分配器を設けて、流体をそれぞれの側方噴出開口部(図65Aから65Dの複数噴出口内視鏡先端部6501の605a、605b、610a、610b等)、及び前方噴出口344に適切な圧力で供給する。噴出口分配器は典型的に、3つの流体チャンネルを含み、流体を、内視鏡先端部6501の、前方噴出口344と、右側方噴出口605a、610aと、左側方噴出口605b、610bとに供給する。図77Aは、本明細書の一実施形態に従う、複数噴出口分配器のポンプ4000を示す。図示するように、複数噴出口分配器4000は、分配器モータのハウジング4002と、モータのシャフト4006と連結される分配器モータ4004とを備える。モータのシャフト4006は今度は、外の3つの流体出口パイプライン4010、4012及び4014へ流体を適切な圧力で導くように適合される分配器のディスク又はキャップ4008内に設置される分配器回転プラグ5002と連結され、それによって、液体を内視鏡先端部の3つの噴出開口部(前方噴出口344、右側方噴出口605a、610a及び左側方噴出口605b、610b)に供給する。複数噴出口分配器4000は、流体を、流体源から、従来の噴出ポンプを経由して、複数噴出口分配器4000内へ輸送する流体入口パイプライン4016を更に備える。ロック要素4018によって、分配器のディスク4008をモータのシャフト4006にラッチできる。様々な実施形態において、分配器のモータへ流す電流を変えることによって異なる流体分配速度を選択することができる。
ある実施形態では、噴出口分配器4000は、2つの流体チャンネルを含み、流体を、内視鏡先端部の前方噴出口344及び側方噴出口605a、605b、610a、610bへ供給する。複数噴出口分配器4000は、分配器モータのハウジング4002と、モータのシャフト4006と連結される分配器モータ4004とを備える。モータのシャフト4006は今度は、外の2つの流体出口パイプラインへ流体を導くように適合される分配器のディスク4008と連結され、それによって、液体を内視鏡先端部の3つの噴出開口部に供給する。この実施形態では、内視鏡先端部に入る際に2つのパイプラインに分岐する共通の噴出チャンネルによって、2つの側方噴出口に供給する。一方のパイプラインは流体を右側方噴出口に供給し、他方のパイプラインは流体を左側方噴出口に供給する。
図77B及び77Cは、本明細書の実施形態に従う、複数噴出口分配器のポンプ4000の追加的な図を示す。図77Cに示すように、分配器のディスク4008は、分配器モータのハウジング4002から物理的に取外し可能である。また、分配器のディスク4008の溝4020に適合するロック要素4018を使用することで、分配器のディスク4008を分配器モータのハウジング4002に、ラッチで留めることもラッチを外すことも可能である。
ある実施形態では、分配器のディスク4008は実質的に、流体のパイプラインに取付けるための複数の円形スロットを有する円柱構造である。一実施形態において、分配器のディスク4008は、直径が約1から20ミリメートルに及ぶ(特に1から10ミリメートルの間の)流体入口パイプライン4016に取付けるためのスロットを含む。一実施形態において、分配器のディスク4008は、それぞれの直径が約1から20ミリメートルに及ぶ(特に1から10ミリメートルの間の)、流体出口パイプラインに取付けるための少なくとも2つのスロットを更に含む。流体パイプラインに付着する分配器のディスク4008の面の複数の円形スロットは、最小限の距離で分離している。一実施形態では、入口パイプライン及び出口パイプラインの長さは、分配器のポンプが要求する全体のスペースを最小限にしつつ、後述するように本発明の流体流量の目標を達成するように選択される。また、一実施形態では、流体パイプラインは、密封部材(Oリング又はガスケット等)を用いることで分配器のディスク4008に接続される。使用している間、流体パイプラインは、分配器のディスク4008に装着され、装着によって分配器のディスク4008に固定され、密封部材を用いて分配器のディスク4008と密封される。一実施形態では、3つの出口パイプラインは、相補的な流体チャンネルに接続して嵌合する。相補的な流体チャンネルは、流体を通して、主要コネクタを経由して、内視鏡先端部の噴出開口部へ案内する。一実施形態では、一般的なルアーコネクタを使用して、流体パイプラインを主要コネクタに接続する。他の実施形態では、任意の適切な接続要素を使用して、流体パイプラインを主要コネクタに接続することができる。
分配器のディスクの面と垂直に設置されたパイプのうちの3つは、流体出口パイプライン4010、4012及び4014であり、内視鏡先端部の3つの噴出開口部に流体を供給するように動作する。分配器のディスクの面と垂直に設置された第4のパイプは、流体入口パイプライン4016である。
様々な実施形態において、複数噴出口分配器4000内の分配器の速度は、1分間当たり30回転(rpm)から、100rpmまで変化することができ、特に50−65rpmで変化することができる。分配器の速度を、複数噴出口分配器が受け取る流体の流量によって決めることもできる。分配器の速度は、図80A及び80Bを参照して以下説明するように、分配器のディスク又はキャップ内に収容されるとともにモータのシャフトに取付けられる、分配器の回転プラグの1分間当たりの回転(rpm)として定義される。
一実施形態では、第1のパイプラインは流体を内視鏡の前方パネルへ供給し、第2のパイプラインは流体を先端部の一方側へ供給し、第3のパイプラインは流体を先端部の他方側へ供給する。別の実施形態では、2つのみのパイプラインが主要コネクタに入って、第1のパイプラインは流体を前方噴出口へ供給し、第2のパイプラインは流体を内視鏡の側方噴出口へ供給する。
図78Aは、本明細書の一実施形態に従う、複数噴出口分配器の、分配器のディスク4008を示す図である。ディスク4008は、分配器のディスク4008を(図77Aに表される)モータのシャフト4006に接続するための分配器の回転プラグ5002を備える。(図77A−Cに表される)ロック要素4018は、ディスク4008の溝5004に適合して、ディスクをモータのシャフト4006に接続することができる。図78Bは、本明細書の実施形態に従う、溝5004と、3つの流体出口パイプライン4010、4012及び4014と1つの流体入口パイプライン4016とを表す、複数噴出口分配器の分配器のディスク4008の別の図を示す。
図79Aは、本明細書の一実施形態に従う、複数噴出口分配器と内視鏡との間の接続を示すブロック図である。ポンプ(噴出ポンプ6002等)は、流体を、流体源から流体入口パイプライン6004を経由して複数噴出口分配器6006へ吸い上げる。複数噴出口分配器6006によって、流体を3つの流体出口パイプライン6010、6012及び6014と主要コネクタ6016とを経由して、内視鏡6008の先端部の3つの噴出開口部へ供給する。一実施形態では、3つの流体出口パイプラインのそれぞれは、流体を、内視鏡6008の流体チャンネルへ供給する。ある実施形態では、それぞれの流体出口パイプラインは、ルアーコネクタによって、又は医療器具の雄テーパ取付具と当該取付具に嵌合する雌部品との間で漏れのない接続をするために使用される小規模の流体の取付具の任意の接続システムによって、主要コネクタに接続される。主要コネクタをまた、内視鏡6008のための主要制御ユニットとして働くコントローラユニット6018と連結する。
様々な実施形態において、噴出口を稼動させて患者の体の内腔を洗い流すために、内視鏡を操作する医者/医師は、内視鏡のハンドル、主要制御ユニット又は内視鏡の制御パネルに配置されるボタンを押下することを要求される。ボタンが押された時点で、複数噴出口分配器は、流体を、予め決められた流量で、内視鏡の3つの流体チャンネルのそれぞれへ供給し始める。別の実施形態では、医者/医師は、噴出ポンプを稼動するために、フットペダルを押下する/踏むことを要求されることがある。噴出ポンプは、フットペダル又は他の稼動手段とデータ通信する。噴出ポンプは、流体を複数噴出口分配器へ供給し、同時に複数噴出口分配器のモータを稼動する。様々な実施形態において、操作を行う医者/医師は、操作中に、複数噴出口分配器が供給する流体の流速を動的に変えることができる。
一実施形態では、複数噴出口分配器は、内視鏡システムの外側に配置されるが、図79Aに示すような内視鏡の主要制御ユニットに接続されている。複数噴出口分配器は、連結システムを使用することで、主要制御ユニットと接続することができる。本明細書の実施形態に従って、連結システムは、ハンガープラグが複数噴出口分配器の分配器のディスク又はキャップ部上に一体的に形成されている一方、着脱可能ながらも固定的にハンガープラグを受け止めるためのハンガーソケットは主要制御ユニット6018の側部に付着するような、ハンガープラグとハンガーソケットとのペアを備えることができる。
様々な実施形態において、容易に接続/切断されるがしっかりと固定する、代替的な接続システムを使用することができる。例えば、接続システムは、第1の磁石が複数分配器噴出口に固定される一方、第1の磁石と異極性の第2の磁石は主要制御ユニットの側部に付着する、磁石の連結ペアを含むことができる。第1の磁石を第2の磁石の近くに持って行くことで、強力な磁石連結がもたらされて、複数噴出口分配器が着脱可能ながらも固定的に、主要制御ユニットに付着するであろう。
追加的な例には、クリップ、スナップ、留め具、ホック、雌/雄の付着ペア、及び着脱可能ながらもしっかりと連結する当業者にとって有利で明らかであろう他の接続システムが含むことができる。
別の実施形態では、複数噴出口の分配器は制御ユニットと一体化しており、複数開口部の分配器のハウジングが制御ユニットの内部に配置されている。
図79Bは、本明細書の一実施形態に従う、複数噴出口分配器と内視鏡との間の別の接続を示すブロック図である。図示するように、複数噴出口分配器6006は、流体を、パイプライン6020を出る3つのパイプライン内の、単一の出口コネクタハウジング経由で、内視鏡6008の先端部分の3つの噴出開口部へ供給する。したがって、図79Bに示す実施形態では、単一の流体パイプラインが、流体を、内視鏡6008の3つの流体チャンネルへ供給する。
図80Aは、本明細書の一実施形態に従う、複数噴出口分配器の分配器のディスクの断面図を示す。噴出ポンプ7002は、流体を、流体入口(入力)パイプライン又はチャンネル7004を経由して分配器のディスク又はキャップ7006へ吸い上げる。分配器回転プラグを回転させることで、分配器のディスク7006は今度は、流体を、3つのストリームへ分配する。3つのストリームから、3つの流体出口(出力)パイプライン又はチャンネル7008、7010及び7012(図80Aには表れない)経由で、主要コネクタ7014へ吸い上げる。分配器回転プラグ5002は、第1の端部5002aと第2の端部5002bとを有する。回転プラグ5002は、第1の端部5002aでモータのシャフト(図77Aに4006として表される)に取付けられる。ある実施形態では、図80Aに見られるように、分配器の要素7021が回転プラグ5002の該第1の端部5002aとは反対側の第2の端部5002bに取付けられる。モータが動作している際に、回転プラグ5002に物理的に取付けられた分配器の要素7021は、分配器のディスク又はキャップ7006内で回転する。分配器の要素7021は、該回転プラグ5002の該第2の端部5002bに取付けられた第1の端部7021aと、該第1の端部とは反対側の第2の端部7021bとを有する円柱状の本体を含む。L字型の流体経路7020は、分配器の要素7021の中に位置付けられ、分配器の要素7021の第2の端部7021bに入口開口部7022を含み、分配器の要素7021の側方壁7021cに出口開口部7023を含む。
流体が噴出ポンプ7002から流体入口パイプライン7004へ吸い上げられる。流体入口パイプライン7004は、分配器のディスク又はキャップ7006を通過し、入口開口部7022を経由して分配器の要素7021のL字型の流体経路7020と流体連通する。回転プラグ5002及び分配器の要素が分配器のディスク又はキャップ7006内でモータによって回転している際に、分配器の要素7021のL字型の流体経路7020は、(図80Bに見られる)流体出口パイプライン7008、7010及び7012のそれぞれと断続的に位置合わせされる。分配器の要素7021が回転している間、1つの流体出口パイプラインは開通している一方、残りの2つの流体出口パイプラインは閉塞している。例えば、図80Aに見られるように、分配器の要素7021のL字型の流体経路7020が、流体出口パイプライン7008に位置合わせされており、流体出口パイプライン7008と流体連通するように、分配器の要素7021は位置付けられる。L字型の流体経路7020は流体が分配器の要素7021から出る唯一の通路であるため、(図7Bに見られる)流体出口パイプライン7010及び7012は効果的に閉じている一方、流体出口パイプライン7008は開通している。別の実施形態では、回転プラグは分配器の要素を持たない硬い一部品であり、回転プラグは分配器のディスク又はキャップ内へ延在し、L字型の流体経路を含む。
図80Bは、本明細書の一実施形態に従う、複数噴出口分配器の、分配器のディスク又はキャップの他の断面図を示す。分配器のディスク又はキャップ7006は、流体入口パイプライン7004のための注入口と、流体出口パイプライン7008、7010及び7012のための3つの排出口とを備える。流体出口パイプラインの数を、1つ、2つ、3つ、4つ又はそれ以上とすることができることを理解するはずである。
本明細書の態様に従って、複数噴出口コントローラを使用して、図79A及び79Bの主要コネクタ6016は、流体を、内視鏡6008の前方及び/又は側方噴出口から、選択的に噴出できる。
図81Aは、本明細書の一実施形態に従う、複数噴出口コントローラ8130を用いる主要コネクタ8100の斜視図を表す。コントローラ8130は、バルブ8110につながるシャフト8105を備える。バルブ8110は、コントローラのハウジング8115に挿入/設置されるときに、バルブ8110を噴出コネクタ8120経由で主要コネクタ8100へ動作可能に接続する。噴出コネクタ8120は、噴出ポンプを主要コネクタ8100へ接続する。主要コネクタ8100は、導光ピン8125と、ガスチャンネル8135と、一端部の電気コネクタ8140と、ユーティリティケーブル/アンビリカルチューブを通じて主要制御ユニット(図1Aのユニット199等)と接続するための他端部のコネクタ8145とを備える。内視鏡の水ボトルコネクタ8150も、主要コネクタ8100の側部に設けられる。
一実施形態に従い、複数噴出口コントローラ8130は、バルブ8110に形成されたねじを有する。シャフト8105がコントローラのハウジング8115に挿入/設置された時点で、ねじの回転によって、シャフト8105の支援により、噴出流体を選択された前方/及び側方噴出チャンネルへ、選択的に流すことができる。このように、複数噴出口コントローラ8130は、ユーザに、多様な噴出口(前方及び側方噴出口)の動作を制御するための、手動制御のオプションを提供する。
第1の制御オプションでは、前方噴出口のみが、内視鏡の前方噴出開口部(図2Aの開口部344等)を通じて、噴出される流体を受ける。図81Bは、第1の制御オプションに対応するシャフト8105の第1の位置を表す。
第2の制御オプションでは、前方噴出口及び側方噴出口が、内視鏡の前方噴出開口部及び側方噴出開口部(図65Aの開口部605a、605b等)を通じて、噴出される流体を受ける。図81Cは、第2の制御オプションに対応するシャフト8105の第2の位置を表す。
一態様に従い、シャフト8105は、ユーザに選択された流体制御オプションを示す表示サインを有する。図81B及び81Cはそれぞれ、第1及び第2の流体制御オプションに対応するサイン又は標識8155及び8160を表す。.
いくつかの実施形態によれば、本明細書が対処する1つの技術的課題は、多様な応用を処理するために要求される複数内視鏡構造に関するものである。異なる構造は、撮像装置、光源又は内視鏡の他の要素の、異なる種類、数、位置決め、方向決め、焦点調整、又は他のチューニングを要求することができる。したがって、内視鏡システムの複数部分の多数の構造を共通とすることができるが、複数の内視鏡を要求することができる。このことは、医療機関に関する重大な要求(例えば財政上の要求、保管、メンテナンス、訓練等)をもたらす。
異なる患者又は患者の種類(大人、子供、幼児等)に対して、いくつかの異なる構造も要求できる。
異なる医療行為(大腸内視鏡検査、胃内視鏡検査、内視鏡超音波検査(EUS)、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)等)に対して、いくつかの異なる構造も要求できる。
本開示の実施形態が対処する更に他の技術的課題は、メンテナンス費用に関するものである。たとえば対物レンズの欠陥のためにカメラヘッドを取り替えるときに、大腸内視鏡全体を分解しなければならず、このことは費用のかかる作業である。
いくつかの実施形態によれば、技術的な解決策を、着脱可能な先端部を有する内視鏡の提供とすることができる。例えば先端部が常設部と着脱可能部とを持ち、先端部を部分的に着脱可能とすることもできる。先端部の着脱可能部を、(椎骨機構が例として挙げられる、屈曲部とも呼ばれる)シャフトに接続される先端部の常設部に着脱可能に接続又は取付けて、異なる構造を持つ内視鏡を同じシステムと共に使用することができる。内視鏡が果たす役割に従って、適切な構造を有する着脱可能部が選択され、シャフト又は常設部に接続される。内視鏡検査の期間が終わったときに、先端部の着脱可能部を取り外して、同一又は異なる構造を有する別の着脱可能部を常設部又はシャフトに接続することができる。
いくつかの実施形態では、先端部の着脱可能部は実質的に、先端部の全断面(例えば先端部の先端側表面全体であり、場合により、いくつかの開口部又はリング等の小部品を除外する)を含む。これらの実施形態のいくつかでは、先端部を通過する全てのチャンネル及び流れ(光ファイバー、電源、水供給源、画像を伝達するデータライン、設備を移動させるための作業チャンネル等)は、着脱可能部が常設部に取付けられているときに接続されることができる、少なくとも2つの部分から作られている。しかしながら、全断面が着脱可能部である他の実施形態では、常設部のみを通る通路を構成する材料又は設備を依然として存在させることができる。当該通路は、着脱可能部に通じて着脱可能部を通過する、1つ以上の突出部を有する。
他の実施形態では、先端部を通過する少なくとも1つのチャンネルが、分割せず、完全に常設部内に含まれるように、着脱可能部の全断面を、実質的に先端部の断面の一部分とする。
着脱可能部が常設部に取付けられている時に、ツール、材料又はエネルギが部分間で漏れず、全てのデータを連続的に伝達できるように、常設部と着脱可能部との間で分割される全てのチャンネル及び流れは、しっかりと接続されていることを理解できるだろう。
いくつかの実施形態では、着脱可能部を常設部に固定した形で取り付けることで、体内で着脱可能部が常設部から誤って分離されないことを確保できる。追加的な固定手段を付加する確認機構を設けることができる。
開示された主題の実施形態の技術的効果の1つは、着脱可能な先端部を有する内視鏡を提供することに関するものである。この内視鏡により、医療スタッフは、それぞれの種類の内視鏡期間中、最も適切な内視鏡の構造、設備又はサイズ等を用いるために、要求される機能性に従って内視鏡の先端部を取り替えることができる。その後、必要性の変化に従って異なる着脱可能部を使用でき、ひいては、異なる応用のために複数の内視鏡を購入し維持する必要をなくすことができる。したがって、様々な着脱可能部を、様々な構造とすることができる。例えば、画像撮像要素、光源、又は作業/サービスチャンネルを、着脱可能部の様々な位置に配置させ、ひいては調査する特定の体腔、又は体腔内で起こり得る発見に適応させる。他の実施形態では、画像撮像要素と光源との間の相対位置を相違させることができる。更に他の実施形態では、様々な着脱可能部は、例えば波長、レンズアセンブリ、センサ若しくは他の部品、指向方向、視野又は他のパラメータが異なる、様々な種類のカメラを含むことができる。使用されるセンサに対する感度が高い種類の光を提供するために、光源も様々な構造で相違させることができる。様々な着脱可能部を作って、様々な患者に適応させることができる。例えば、着脱可能部を、大人、子供又は幼児用の様々なサイズで製造することができる。様々な視界、様々な視野角又は様々な光学特性が要求される場合に、様々な着脱可能部を使用することもできる。例えば、いくつかの状況では、170 °の視野角を使用することができる一方、より小さい領域のより詳細を見ることが要求される状況では、140 °の視野角を使用することができる。
開示された主題の別の技術的効果は、いくつかの実施形態に従い、使い捨ての着脱可能部を提供し、ひいては滅菌又は再処理の必要性を無くし汚染リスクを減らすことに関するものである。
開示された主題の更に別の技術的効果は、いくつかの実施形態に従い、個別の患者に対して良好な結果をもたらすために、個別の患者に合わせることができる着脱可能部を提供することに関するものである。
開示された主題の更に別の技術的効果は、いくつかの実施形態に従い、健康管理施設が、それぞれの種類の内視鏡期間、それぞれの患者等に対して最も適切な内視鏡を使用しながら、少数の内視鏡システムのみを維持して、ひいては費用及びメンテナンスを軽減することを可能とする着脱可能な上部に関するものである。
着脱可能な先端部の内視鏡の斜視図を示す図82をこれから参照する。
内視鏡8200は、長尺シャフトと、屈曲部と、当該内視鏡が終端する先端部8201とを備えることができる。屈曲部により、先端部8201の向きを様々な方向に変えることができる。先端部8201は、着脱可能部8202と、線8203に沿って接続される常設部8207とを含むことができる。
着脱可能部8202はその中に、前方向き撮像装置を備える。当該前方向き撮像装置は、先端部8201の先端側端部表面8206の穴を通して画像を撮像できるカメラ又はビデオカメラ8204等である。個別の前方照明8208を、前方向きカメラ8204と関連付けることができ、先端側端部表面8206の別の穴を通じて前方向きカメラ8204の視野を照射させるために使用することができる。個別の前方照明8208を任意に発光ダイオード(LED)とする。LEDを、白色光LED、赤外光LED、近赤外光LED又は紫外光LEDとすることができる。光を内視鏡先端部8201内で内部的に生み出すことができ、又は光を遠隔で生み出して例えば光ファイバーによって伝達することができる。いくつかの実施形態では、着脱可能部8202は、2つ以上の照明を備えることができ、少なくとも1つの照明は光を内部的に生み出すことができ、少なくとも1つの照明は遠隔で生み出された光を提供することができる。
前方流体インジェクタ8210を、前方向きカメラ8204と個別の前方照明8208との少なくとも1つを洗浄するために使用することができる。前方流体インジェクタ8210を先端側端部表面8206からわずかに上げることによって、前方流体インジェクタ8210は、前方流体インジェクタ8210の側部8210aから、前方向きカメラ8204及び個別の前方照明8208へ、流体を噴出することができる。前方流体インジェクタ8210を、流体(水及び/又は空気等)を注入するように構成することができる。
先端側端部表面8206は、作業チャンネル8212を画定する穴を更に備える。作業チャンネル8212を、様々な組織に対して作用する処置具を挿入するために構成される中空のチューブとすることができる。例えば、ポリープ又は生検用のポリープの試料を除去するために、作業チャンネル8212を通して小型鉗子を挿入することができる。代替的な実施形態では、体腔内に存在して検査を妨げる様々な液体及び/又は固体を排出するための吸引を適用するために作業チャンネル8212を使用することができる。いくつかの実施形態では、開口部8212は、常設部8207の一部を含む内側円柱まで延在することができる。様々な実施形態において、先端側端部表面8206は1つ以上の作業/サービスチャンネル開口部を含むことができることを理解するはずである。
先端側端部表面8206の別の穴で画定される流体経路インジェクタ8214を、内視鏡8200が挿入された体腔を膨張させ及び/又は洗浄するために使用することができる。流体経路インジェクタ8214を通じて空気又は別のガスを流すことによって、膨張を行うことができ、体腔(結腸等)が縮んでいる場合、又は効率的な検査ができない場合に、この膨張は有益となり得る。例えば、体腔の汚れた領域に液体(水又は生理食塩水等)を注入することによって、洗浄を達成することができる。さらに、体腔内に存在して検査を妨げる様々な液体及び/又は固体を排出するための吸引を適用するために流体経路インジェクタ8214(又は異なるチューブ)を使用することができる。
先端部8201の常設部8207は、常設部8207に、先端部8201の常設部8207の円柱表面8205の穴を通じて画像を撮像できる、側方向きカメラ8216を備えることができる。任意に前方照明8208に類似する側方照明8222を側方向きカメラ8216に関連付けて、円柱表面8205の別の穴を通じて、側方向きカメラ8216の視野を照射するために側方照明8222を使用することができる。側方流体インジェクタ8220を、側方向きカメラ8216及び個別の側方照明8222の少なくとも一方を洗浄するために使用することができる。常設部8207の円柱表面8205が体腔の側壁に接触しているときに組織の損傷を抑制するために、側方流体インジェクタ8220及び側方向きカメラ8216を円柱表面のノッチ8218に配置することができる。このように、側方インジェクタ8220を、くぼみ8218から上げることができるが、依然として円柱表面8205の高さから大きく突出していない。側方インジェクタ8220を上げることによって、側方インジェクタ8220は、流体を、側方インジェクタ8220の開口部8220aから側方向きカメラ8216へ注入できる。代替的な構造(図示せず)では、側方流体インジェクタから注入される流体が当該側方照明に届くことができるように、1つ以上の個別の側方照明をくぼみに備えることもできる。更に別の構造(図示せず)では、側方向きカメラ、1つ以上の側方照明及び側方流体インジェクタをくぼみに配置せず、むしろ基本的に先端部の円柱表面と同じ高さに配置することができる。
図82に示す着脱可能部8202及び常設部8207に分割されている先端部8201は単なる概略であり、一般的なデモンストレーションを意図していることを理解できる。図83から図86と関連して以下詳述する例示的な実施形態で実例説明するような、任意の他の形で、カメラ、作業チャンネル、照明チャンネル、流体インジェクタ及び他の要素を、着脱可能部8202と常設部8207との間で分割できる。例えばいくつかの実施形態では、着脱可能部又は常設部は、1つ以上の側方作業/サービスチャンネルを備えることができる。更なる実施形態では、着脱可能部又は常設部は、複数の側方噴出開口部(図65Aから65Dの605a、605b、610a、610b等)を含むことができる。
撮像装置(カメラ等)、作業/サービスチャンネル、照明チャンネル及び他の要素のいずれかを、常設部ではなく着脱可能部に設けた場合には、更なるフレキシビリティをもたらすことができることを理解できる。そのような配置では、それぞれの着脱可能部が構成されて、目的に最も適切なカメラ種類並びに他の設備及び構造を備える。しかしながら、複数の応用の種類で資源をより良く利用するために、いくつかの設備(高品質且つ高価なカメラ)を常設部に配置することができる。
本明細書のある実施形態に従う、常設部から取外した着脱可能な先端部の実質的に全断面の斜視図を表す、図83をこれから参照する。
常設部8307から取り外した、内視鏡の先端部の着脱可能部8302を表す。常設部8307はシャフトに接続されている。
着脱可能部8302は、1つ以上の撮像装置(例えばビデオカメラ8304)、1つ以上の光源(光源8328等)、又は1つ以上の流体インジェクタ(8332又は8336等)を備えることができる。
カメラ8304に電力を供給するとともに、画像をカメラ8304からシャフトへ伝達する、1つ以上のケーブルは、着脱可能部8302を通過し、着脱可能部8302から突出する長尺部8308に入って通過する。着脱可能部8302が常設部8307に接続されているときに、長尺部8308は、常設部8307の対応する凹部8312に入る。いくつかの実施形態では、長尺部8308はコネクタで終わり、凹部8312は対応するコネクタを含み、その結果、長尺部8303が凹部8312に入るときに、2つのコネクタが接続し、電力又はデータが内視鏡とカメラ8304との間を流れることができる。例えば、長尺部8308の端部に配置されるプラグは、凹部8312内の対応するソケットに入ることができる。代替的な実施形態では、凹部8312がプラグを備えることができ、長尺部8308がソケットを備えることができる。
このように、シャフトからの電気信号又はデータは、長尺部8308及び凹部8312を通過してカメラに達することができる。
いくつかの実施形態では、長尺部8308が常設部8307から突出できる一方、凹部8312を着脱可能部8302に位置付けることができる。
着脱可能部8302又は常設部8307は、突出部と対応するチャンネルとの追加的な1つ以上のペア、光ファイバー、又は任意の他の材料若しくは設備を備えることができることを理解できる。当該ペアは、水又は他の流体若しくは液体を伝達するためのものである。流体又は液体を伝達するために、突出部と対応するチャンネルとを使用した場合に、流体又は液体を密封して、着脱可能部8302と常設部8307との間の隙間から、体内への漏れ又は内視鏡先端部の他の部分への漏れを抑制するため、突出部と対応するチャンネルとの1つ又は2つを、ガスケットと共に構築することができる。
常設部8307は、常設部8307から突出するとともにチャンネル8320を含む中空長尺部8316も備えることができる。常設部8302が常設部8307に接続されているときに、中空長尺部8316を、常設部8302の対応するチャンネル8324内に挿入する。チャンネル8324は着脱可能部8302の全長を通って延在し、ひいては処置具が、シャフトから中空長尺部8316のチャンネル8320を通り、着脱可能部8302のチャンネル8324を通って、着脱可能部8302の先端側表面8305まで延在する、作業チャンネルを通過できる。その結果、患者の体腔に作用するために処置具を使用することができる。
着脱可能部8302は、1つ以上の側方向き撮像装置(カメラ8338等)、1つ以上の光源8340、又は1つ以上の流体インジェクタ8344も備えることができる。カメラ8338、光源8340又はインジェクタ8344に対して有益なものを、前方カメラ、光源又はインジェクタと同じ設備から、体内のチャンネル8324の周りの着脱可能部8302の対応するパイプを通じて受け取ることができる。カメラ8338が撮像した画像も同じチャンネルを通じて伝達できる。
着脱可能部8302又は常設部8307は追加的な側方向きカメラ、光源又はインジェクタを備えることができることを理解できる。
着脱可能部8302及び常設部8307を、任意の既知の機構(ロック機構、固着機構又はスナップ機構等)によって接続することができる。
着脱可能部8302又は常設部8307は、接続を解除するためのボタン8352を備えることができる。ユーザの体腔を傷つけることを抑制するために、ボタン8352を、先端部の表面から突出しないように凹部内に配置することができる。いくつかの実施形態では、不要な予期しない解除を抑制するために、外部の供給源から対応するコマンドが提供された場合にのみ接続を解除することもできる。例えば、図1Aのディスプレイ120のコントロールをクリックすると同時に、クリックしたことを、接続を解除するために必要な電気的又は機械的効果に変換することができる。
いくつかの実施形態では、常設部8307は、着脱可能部8302が常設部8307にしっかりと接続されている時のみに、着脱可能部8302が当たる又は押すことができる、ボタン又は別の感知領域(スイッチ8348等)を備えることができる。このようなボタンを、内視鏡のハンドル又はコントローラに電気的に接続することもでき、内視鏡の操作者に対して、部品がしっかりと接続されているかどうかの表示を提供させることができる。この表示を視覚的なもの(ディスプレイ120のアイコン等)とすることができる。いくつかの実施形態では、接続が解除された時に、音声で指摘して同様に操作者に警告することもできる。
いくつかの実施形態では、着脱可能部8302と常設部8307との接続に、2つの度合い又は2つの機構を存在させることもできる。内視鏡が使用されている間に、1つの度合い又は1つの機構が解除された場合には、操作者は第1の警告を受けることができ、そこで、操作者は内視鏡を取り外すことができ、又はそうでなければ、着脱可能部が患者の体腔で解除される前に操作者は状況を修正することができる。
内視鏡が光ファイバーを備える場合、着脱可能部8302及び常設部8307のそれぞれは、光ファイバーの一部を備えることができ、着脱可能部8302及び常設部8307は、光を伝達することによって、光ファイバーの部分間の導通を提供するために、対応するレンズを備えることができることを、当業者は理解できる。
本明細書のある実施形態に従う、常設部に取付けられた着脱可能な先端部の実質的に全断面の斜視図を表す、図84をこれから参照する。
図84では、着脱可能部8302が常設部8307に完全に接続されており、図83の長尺部8308、及び中空長尺部8316がそれぞれ、対応する凹部8312及びチャンネル8324内に挿入されている。電気信号又はエネルギ、及び水又は流体は、常設部8307を通過して着脱可能部8302に達することができ、カメラが撮像した画像を反対方向に伝達して操作者に対して表示することができる。
本明細書のある実施形態に従う着脱可能な先端部の一部の断面の斜視図を表す、図85をこれから参照する。
図85において、内視鏡先端部分の先端側表面8305は、2つの部分から構成され、先端側表面の第1の部分8305’は常設部8507に存在する一方、他の部分8305”は着脱可能部8502に存在する。したがって、組立てられた時に、この2つの部分のうち着脱可能部8502の各断面は、先端部の一部の断面を含む。図85の例示的な実施形態では、常設部8507に完全に含まれるチャンネル8320’は、作業チャンネルを形成し、ツール又は他の設備が通れるように、常設部8507を通って先端側表面に達する。
着脱可能部8502は、必要に応じて着脱可能部8502の前方表面又は側方表面に配置できる、カメラ8304若しくは8338、光源8328若しくは8340、又は1つ以上の流体インジェクタ8332、8336若しくは8344を備えることができる。図8に関連して以上に詳述したように、カメラ、光源又は流体インジェクタを実装することができ、有益なもの(ユーティリティ)を受け取ることができる。
着脱可能部8502は、常設部8507の凹部8312’内で適合する1つ以上の長尺部(長尺部8308’等)も含むことができる。1つ以上の長尺部(長尺部8308’等)は、固定機構として機能することができ、着脱可能部8502を常設部8507に固定する。これに変えて又はこれとともに、1つ以上の長尺部(長尺部8308’等)を、着脱可能部8502及び/又は表面8305”と、内視鏡のハンドル及び/又はコンソールとの間で、電気エネルギ、流体、液体、光ファイバー、又は他の設備若しくは材料を伝達するために使用することができる。
着脱可能部8502と常設部8507との間の完全且つ密な接続を提供するために、着脱可能部8502は、常設部8507の凹部8544内に適合するトラペーズ型のバルジを含むことができる。代替的な実施形態では、着脱可能部8502は凹部を含むことができ、常設部8507はバルジを含むことができる。
着脱可能部8502と常設部8507とを、図83と関連して前に詳述したような、任意の所要の形で接続することができる。
本明細書のある実施形態に従う、常設部に取付けられた着脱可能な先端部の部分的な断面の斜視図を表す、図86をこれから参照する。
着脱可能部8502がしっかりと常設部8507に取付けられている時に、先端部の着脱可能部8502の一部である先端側表面の第1の部分8305’と、常設部8507の一部である先端側表面の第2の部分8305”とは、これらの部分の間の隙間が最小限である、又はこれらの部分の間に隙間がない、実質的に同じ面に存在し、互いに補完して先端部の完全な先端側表面を生み出す。着脱可能部8502と常設部8507とがしっかりと取付けられている時に、図85のスイッチ8348が押されて、内視鏡の操作者に表示することができる。外部の解放コマンドを与えて、又は当該コマンドを与えることなく、ボタン8352を押すことで、着脱可能部8502と常設部8507とを解放することができる。
着脱可能部8502が常設部8507にしっかりと取付けられている時に、ユーティリティ及び設備は、チャンネル8320’により形成される作業チャンネルを通過することができ、長尺部8308’と常設部8507の対応するチャンネルとを通過することができる。
いくつかの実施形態の態様によれば、少なくとも2つの対応する画像撮像素子又はカメラと、少なくとも2つのディスプレイとにそれぞれ関連する、少なくとも2つの同時に動作する撮像チャンネルを含む、内視鏡システムと機能的に関連するように構成されるインタフェースユニットが提供される。
本明細書の複数カメラの内視鏡は典型的には、同時に複数のカメラが集める画像データ又はストリームを提供することができる一方で、それぞれのカメラからの画像データ又はストリームを、それぞれ1つのカメラのみに関連付けられた撮像チャンネルによって送る。撮像チャンネルを物理的なもの(例えば個別のビデオケーブル等)とすることができ、それぞれのビデオケーブルを1つのカメラのみと関連付けることができる。撮像チャンネルを仮想的なものとすることもでき、それぞれのカメラからの画像データ又はストリームを、全てのカメラで共通の単一の物理的なチャンネル(単一のビデオケーブル等)を通って伝達する前に、独自に暗号化して、物理的なチャンネルの出力で復号し、このようにそれぞれのカメラからの画像ストリームを区別する。それぞれの撮像チャンネルからの画像ストリームを同時に、医師に対する単一の又は数台のディスプレイに表示することができる。1台のディスプレイ、又は数台のそのようなディスプレイを、単一の撮像チャンネルのみに関連付けることができる。
いくつかの実施形態によれば、それぞれの撮像チャンネルを、1つの物理的なディスプレイ(ビデオスクリーン等)のみに関連付けることができる。内視鏡は例えば、3つの画像撮像素子又はカメラを備えることができ、第1のカメラは真っ直ぐなプローブの軸線に実質的に沿って前方を向き、第2及び第3のカメラは当該軸線から横を向き、第2のカメラは第3のカメラの向かいに存在する。いくつかの実施形態によれば、3つのそれぞれの撮像チャンネルをビデオスクリーンに関連付けて、3つのスクリーンを、実質的に円弧に沿って、互いに対してある角度で傾けて並べて、医師に対してパノラマビューを形成することができる。それ故に、第1のカメラからの画像ストリームを中央スクリーンに表示することができ、第2及び第3のカメラからの画像ストリームを例えばそれぞれ右スクリーン及び左スクリーンに表示することができる。このように、医師に対して、プローブの先端部の環境のより広い立体角にわたり、より現実的な眺めを提供することができる。他の実施形態では、内視鏡は例えば、2つの画像撮像素子又はカメラを備えることができ、第1のカメラは真っ直ぐなプローブの軸線に実質的に沿って前方を向き、第2のカメラは当該軸線から横を向く。その結果、2つのそれぞれの撮像チャンネルをビデオスクリーンに関連付けることができ、2つのスクリーンを、実質的に円弧に沿って、互いに対してある角度で傾けて並べて、医師に対してパノラマビューを形成する。
図87A及び87Bは、いくつかの実施形態の態様に従う、内視鏡システム10、及び内視鏡システム10に関連付けられるインタフェースユニットを概略的に描写する。内視鏡システム10は、内視鏡20と、内視鏡20にユーティリティケーブル32(アンビリカルケーブルとも呼ばれる)によって接続される、(図1Aの主要制御ユニット199と類似させることができる)主要コントローラ30と、少なくとも2つのスクリーンディスプレイ40a及び40bとを備える。スクリーンディスプレイ40a及び40bはそれぞれ、主要コントローラ30と機能的に関連付けられる。内視鏡20は、ハンドル22と、図87Bに概略的に描写されるように少なくとも2つの画像撮像素子又はカメラ26a及び26bそれぞれを含む先端側先端部24とを備える。
カメラ26a及び26bは、内視鏡システム10のユーザによって選択される動作モードに従って、静止画像及びビデオ画像を収集するように構成される。カメラ26a及び26bを、ユーティリティケーブル32内に含まれる2つのビデオケーブルによって実装される、それぞれの撮像チャンネル50a及び50bに関連付ける。それぞれの撮像チャンネルは、画像ストリームを、内視鏡20のそれぞれのカメラから、主要コントローラ30へ伝達する。主要コントローラ30は、画像ストリームに対応する画像をスクリーンディスプレイ40a及び40bそれぞれに表示するために、撮像チャンネルのそれぞれにより伝達される画像ストリームを独立に処理する。主要コントローラ30は、表示するための画像ストリームを処理する。この処理とは、例を挙げると例えばフレームグラバ(図88の60a及び60b等)である画像キャプチャ要素を用いて、それぞれのフレームグラバを1つの撮像チャンネルに関連付けることであり、又は、当該技術分野で既知の、カメラから受け取った画像ストリームを、対応する画像を表示するために処理するための任意の技術を使用することである。それぞれのフレームグラバ(図88の60a及び60b等)は、対応するカメラの画像ストリームのそれぞれの画像フレームのコピーを、キャプチャし、(ローカルで、又は遠隔でネットワーク化されたストレージ装置及び/若しくは電子健康記録(EHR)に)保存することが機能上できる。ある実施形態(図88)では、フレームグラバ60a、60bは主要コントローラ30に存在する一方、代替的な実施形態では、これらのフレームグラバがインタフェースユニット8700に存在する(例えば図88の撮像プロセッサ8710に存在する)ことに気付くはずである。更に代替的な実施形態では、これらのフレームグラバ要素は、スタンドアローンの画像管理及び文書化キャプチャPCに配置される。一層更なる実施形態では、フレームグラバは、遠隔にネットワーク装置を通じて(例えばEHR内に)配置される。
したがって、スクリーンディスプレイ40aは、撮像チャンネル50aのみと関連付けられて、撮像チャンネル50aを通じて画像撮像素子又はカメラ26aと関連付けられる。そして、スクリーンディスプレイ40bは、撮像チャンネル50bのみと関連付けられて、撮像チャンネル50bを通じて画像撮像素子又はカメラ26bと関連付けられる。
いくつかの実施形態によれば、内視鏡システム10は、3つの画像撮像素子又はカメラそれぞれからの画像ストリームを、3つのスクリーンディスプレイへ伝える、3つの撮像チャンネルを含むことができる。任意の数の撮像チャンネルと、対応するカメラ及びスクリーンディスプレイとを含む内視鏡システム10の実施形態が考えられる。
内視鏡20は、カメラ26aの光学素子を洗浄するための、及び/又は先端部24が進む体の導管をわずかに膨張させるための、流体インジェクタ28を更に備える。ユーティリティケーブル32はそれに応じて、流体をインジェクタ28まで通すための1つ以上の流体経路34を備える。
インタフェースユニット8700を、内視鏡システム10に機能的に関連付けて、撮像チャンネル50a及び50bから受け取った画像ストリームを処理し、対応する画像をインタフェースユニットのディスプレイ8720に表示する。図88は、いくつかの実施形態に従うインタフェースユニット8700の機能ブロック図を概略的に示す。インタフェースユニット8700は、撮像チャンネル50a及び50bと機能的に関連付けられた画像プロセッサ8710を備える。インタフェースユニット8700は、画像プロセッサ8710と機能的に関連付けられた、インタフェースユニットのディスプレイ8720を更に含む。画像プロセッサ8710は、撮像チャンネル50a及び撮像チャンネル50bから同時に受け取った画像ストリームを処理して、これら撮像チャンネルからの画像ストリームを含む画像を生成するように構成される。画像プロセッサ8710が生成した画像は、単一のディスプレイに表示可能である。したがって、インタフェースユニット8700は、インタフェースユニットのディスプレイ8720に、撮像チャンネル50a及び50bから実質的に同時に受け取った画像ストリームを含む画像を表示するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、画像プロセッサ8710は同期モジュール8730を備える。同期モジュール8730は、同期信号を生成して、撮像チャンネル50a及び50bから同時に受け取った画像ストリームを同期させるように構成される。例えばいくつかの実施形態では、カメラ26a及び26bはそれぞれセンサ(例えば画像を撮像するための電荷結合素子(CCD)であるがこれに限定されない)を備える。いくつかの実施形態では、同期モジュール8730は、共通のクロック信号を生成し、共通のクロック信号によってカメラ26aのCCD及びカメラ26bのCCDを駆動することによって、撮像チャンネル50a及び50bを通じて受け取った画像ストリームを同期させる。いくつかの実施形態では、同期モジュール8730は、カメラ26aのCCD及びカメラ26bのCCDの走査を同時に起動する起動同期信号を生成することによって、撮像チャンネル50a及び50bを通じて受け取った画像ストリームを同期させる。
したがって、様々な実施形態では、画像プロセッサ8710は、撮像チャンネル50a及び撮像チャンネル50bから、別個の画像ストリームを同時に受け取り、当該別個の画像ストリームを同期させるとともに、その後同期された別個の画像ストリームをインタフェースユニットのディスプレイ8720で表示するために送信するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、画像プロセッサ8710は、撮像チャンネル50a及び50bから入力されるビデオ/画像ストリームを、同時に受け取り同期させて、入力される2つのビデオ/画像ストリームから、インタフェースユニットのディスプレイ8720で表示可能な単一のビデオ/画像ストリームを生成するように構成される。いくつかの実施形態によれば、撮像チャンネル50a及び50bそれぞれから入力される各ビデオストリームに対応する縮小されたサイズの画像を、インタフェースユニットのディスプレイ8720に同時に表示する。いくつかの実施形態によれば、撮像チャンネル50a及び50bに対応する2つの縮小されたサイズの画像を、インタフェースユニットのディスプレイ8720に、1つの水平方向高さに並べて表示する。ある実施形態によれば、2つの縮小されたサイズの画像を、インタフェースユニットのディスプレイ8720に、垂直方向に実質的に重ねて配置する。いくつかの実施形態によれば、画像プロセッサ8710は、入力される同期された2つのビデオストリームから単一のビデオストリームを、実質的にリアルタイムで生成するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、画像プロセッサ8710及びインタフェースユニットのディスプレイ8720は、主要コントローラ30と一緒にケースに入れられる。いくつかの実施形態によれば、画像プロセッサ8710は主要コントローラ30と一緒にケースに入れられて、インタフェースユニットのディスプレイ8720は異なるケースに入れられる。いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのディスプレイ8720は、ケーブルによって画像プロセッサ8710に接続される。そして、画像プロセッサ8710が主要コントローラ30と一緒にケースに入れられる実施形態では、インタフェースユニットのディスプレイ8720は、ケーブルが課す制約の中で実質的に携帯型である。いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのディスプレイ8720は、画像プロセッサ8710と無線で機能的に関連付けられる。いくつかの実施形態によれば、画像プロセッサ8710を、先端部24と主要コントローラ30との間で内視鏡20に沿った所望の位置に(例えばハンドル22内部に)組立てる。
いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニット8700は、画像プロセッサ8710に機能的に関連付けられた、インタフェースユニットのコンピュータ8750を更に備える。いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのコンピュータ8750は、ファイルストレージモジュール8760を備えるファイル管理システムを動作させるように構成される。例えば、インタフェースユニットのコンピュータ8750を、市販のオペレーティングシステムを実行し、主記憶装置モジュール(例えばランダムアクセスメモリ)と補助記憶装置モジュール(例えばハードディスクドライブ)を備えるパーソナルコンピュータとすることができる。いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのコンピュータ8750は、画像プロセッサ8710が生成する画像のデジタルファイルを作り出して、そのようなファイルをファイルストレージモジュール8760に格納するように構成される。適切な、場合により市販のコンピュータアプリケーションを使用して、画像、一連の画像又はビデオストリームから、ファイル生成を達成することができる。
いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのコンピュータ8750は、インタフェースユニットのコンピュータ8750と、コンピュータネットワークとの間の通信を可能とするように構成される通信インタフェースポート8770を有する通信チャンネルを含む。いくつかの実施形態によれば、適切な通信チャンネルは、標準的なLANコネクタ、それに応じた適切なケーブル、加えて若しくは代わりにWi-Fiプロトコルを用いた無線接続、又は任意の他の適切な当該技術で既知のコンピュータとコンピュータネットワークとの間の通信技術を使用することができる。いくつかの実施形態によれば、通信インタフェースポート8770は、ビデオ出力(例えばS端子又はコンポジット)を備える。いくつかの実施形態によれば、通信インタフェースポート8770は、高精細ビデオ出力(例えばHDMI)を備える。
いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのコンピュータ8750は、インタフェースユニットのコンピュータ8750で生成され格納されたファイルを、通信チャンネル及び通信インタフェースポート8770を使用して、ネットワークコンピュータ又は別の適切なネットワーク装置へ転送するように構成される。いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのコンピュータ8750からのファイルをネットワークコンピュータに格納でき、通信インタフェースポート8770及び関連する通信チャンネルを通じてファイルをインタフェースユニットのコンピュータ8750へ取り出すことができる。いくつかの実施形態によれば、通信インタフェースポート8770を使用して、ビデオストリームをネットワークコンピュータにリアルタイムで格納することができる。いくつかの実施形態によれば、通信インタフェースポート8770を使用して、撮像した静止画像をネットワークコンピュータに格納することができる。いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのコンピュータ8750は、ファイルをネットワークにより格納するため及びファイルをネットワークから取り出すために、ローカルネットワーク(病院又は医療施設内のローカルコンピュータネットワーク等)と通信するための通信インタフェースポート8770を使用することができる。いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのコンピュータは、手技内視鏡検査の間、ファイル、ビデオストリーム、撮像画像及び他の所望の診療記録を格納及び取得するために、通信インタフェースポート8770を使用して、電子カルテ(EHR)アプリケーションと通信することができる。いくつかの実施形態によればローカルネットワークを通じて、そしていくつかの実施形態によればインターネットを通じて、そのようなEHRアプリケーションにアクセスすることができる。いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニット8700は、ビデオインタフェース(上述したS端子、コンポジット又は高精細ビデオインタフェース等)を用いて単一のビデオストリームを録画できるEHRアプリケーションと互換性がある。いくつかの実施形態によれば、通信インタフェースポート8770は、ネットワークコンピュータのそれぞれのシリアルポートとのインタフェースとするための、インタフェースコンピュータ8750の標準的な通信ポート(COMポート)を追加的に備えることができる。
手技内視鏡検査中の作業において、単一のビデオフレームを静止画像として記録することを望むときもある。例えば、医師は、ビデオ画像を連続的に録画しながら、内視鏡を体の導管で前進させることができる。医師が、特に興味がある部位(例えば体の導管内の局所腫瘍)を特定する場合に、医師は腫瘍の静止画像を撮ることを望むことがある。内視鏡システム10はアクチュエータ(撮像スイッチ8780等)を備え、撮像スイッチ8780の起動は、画像プロセッサ8710に、ディスプレイ40a及び40b並びにインタフェースユニットのディスプレイ8720でのビデオ表示を静止させるよう命令する。様々な実施形態では、アクチュエータ8780を、内視鏡のハンドルのボタン、インタフェースユニットのディスプレイのタッチスクリーン8720の視覚的指標若しくはアイコン、又はフットスイッチとすることができる。撮像スイッチ8780の起動は、複数のフレームグラバ(一実施形態に従って撮像プロセッサ8710に配置される)に、ディスプレイ40a及び40b上で静止した画像をキャプチャするとともに、通信インタフェースポート8770を通じて当該画像をEHRシステムへ格納する(ローカルでファイルストレージモジュール8760に格納する、又は通信インタフェースポート8770を経由して遠隔に格納する)よう更に命令する。アクチュエータ又は撮像スイッチ8780が起動された時に、画像プロセッサ8710は、ディスプレイ40a上で静止する画像である、実質的に単一の画像又はフレームを含むビデオストリームを、予め決定された時間間隔Tの間、生成する。時間間隔Tを任意の時間間隔とすることができるが、0.25から1秒の間である。ある実施形態では、予め決定された時間間隔Tは、0.05秒よりも長い。別の実施形態では、予め決定された時間間隔Tは、0.1秒よりも長い。代替的な実施形態では、予め決定された時間間隔Tは、0.1秒、0.2秒、又は0.2秒から0.1秒単位の任意の増加であるが1秒以下とする。その後、予め決定された時間間隔Tが終わる時に、画像プロセッサ8710は、ディスプレイ40b上で静止する画像である第2の単一の画像を生成する。3つの画像撮像素子又はカメラと関連付けられる、3つの撮像チャンネルを備える内視鏡システムの実施形態では、次の予め決定された時間間隔Tが終わる時に、画像プロセッサ8710は、第3のディスプレイ上で静止する画像である第3の単一の画像を更に生成することを理解するはずである。このように、ビデオストリームの一体的な部分を、内視鏡システム10から通信インタフェースポート8770を通じてEHRシステム10へ伝えながら、医師が手技内視鏡検査の間に選択した興味がある特定の部位のフレームの2つの(又はより多数の、例えば3つの)キャプチャされた静止画像のストリームを順次保存することができる。そのような静止画像は、画像プロセッサ8710によって静止画像に挿入されたメタデータ(テキストデータ又は他の識別データ等)を含むこともできる。識別データは、それぞれの画像を、カメラ26a(及びディスプレイ40a)に対応するものと識別し、又はカメラ26b(及びディスプレイ40b)に対応するものと識別する。
したがって、いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニット8700は、2つ以上の(例えば3つの)撮像チャンネル50a及び50bを通じて、内視鏡20が生成する2つ(以上)のビューに関連付けられる2つ以上の(例えば3つの)ビデオ/画像ストリームを受け取るように構成される。ある実施形態では、インタフェースユニットは、(TCP/IP又はファイル転送等の)プロトコルを使用する病院のシステム又はEHRシステムと統合される。別の実施形態では、インタフェースユニット8700は、(TCP/IP又はファイル転送等の)プロトコルを使用する病院のシステムと統合されない。どちらかと言えば、ある実施形態では、インタフェースユニット8700は、複数(3つ存在する場合には、左方、中央及び右方の)の同期されたビデオ/画像ストリームの組み合わせであり、ビデオ/画像ストリームに関するメタデータ又は追加的な情報も含む、新しい単一のビデオストリームを出力する。当該メタデータには、ユーザが患者情報を入力した場合には、患者情報も含まれる。インタフェースユニット8700は、2つ以上の入力されるビデオストリーム内の画像ストリームに関連付けられた画像を含む、単一のビデオストリームを生成するように構成され、単一の同期されたビデオストリームをインタフェースユニットのディスプレイ8720に表示するように構成される。アクチュエータ8780の起動によって、画像プロセッサ8710に、2つの(又はより多数の、例えば3つの)ビデオストリームの1番目に対応する単一の静止された/静止画像又はフレームを、予め決定された時間間隔Tの間、インタフェースユニットのディスプレイ8720に表示させるとともに、フレームグラバを使用して静止画像又はフレームをキャプチャして保存することが可能になる。その後に、2つのビデオストリームの2番目(又は3つのビデオストリームの2番目そしてその後3番目)を、ディスプレイ8720に表示し、予め決定された時間間隔Tの間静止させ、その後フレームグラバを使用して、キャプチャして(ローカルでファイルストレージモジュール8760に、又は通信インタフェースポート8770を経由して遠隔でEHRシステム等のネットワークストレージ装置に)保存する。
したがって、その後静止画像が、内視鏡システム10から通信インタフェースポート8770を通じてEHRシステムへ伝達されるビデオストリームの一体的な部分として保存される。そのような静止画像は、イメージングプロセッサ8710により当該静止画像に挿入される、メタデータ(テキストデータ、又は他の識別データ等)を含むこともできる。識別データは、それぞれの画像を、2つ、3つ又は4つ以上のカメラの特定の1つに対応するものと識別する。
インタフェースユニット8700は、上述したように生成される単一のビデオストリームに関連付けられたファイルを、生成するように、及びファイルストレージモジュール8760に格納するように、更に構成される。ある実施形態では、インタフェースユニット8700は、内視鏡20が提供する少なくとも2つのビューに関連付けられた画像を含む、単一のビデオストリームを格納するために、通信インタフェースポート8770を通じてコンピュータネットワークと通信するように構成される一方、手技内視鏡検査が実施される時に、単一のビデオストリームは、コンピュータネットワークへ実質的にリアルタイムで伝達される。
上述したような2つの撮像チャンネルを含む内視鏡システム10の実施形態は、非限定的な単なる例示として本明細書で提供される。本明細書の教示に従って、3つ以上の撮像チャンネルを有する(例えば、3つ若しくは4つの画像撮像素子に対応する、3つ若しくは4つの撮像チャンネルを有する、又は任意の数の撮像チャンネルを有する)内視鏡システムと互換性があるインタフェースユニット(インタフェースユニット8700等)が考えられることを理解するはずである。
ある実施形態では、インタフェースユニットを、3つの画像撮像素子又はカメラに対応する、3つの撮像チャンネルを含む内視鏡システムと関連付ける。インタフェースユニットは、内視鏡からの、分離した3つのビデオストリームを受けて独立に取り込むことができる。この実施形態では、インタフェースユニットは、これらのビデオストリームを、独立したビデオファイル(左方、中央、右方)として録画でき、又は、3つの独立した静止JPEGファイル(左方、中央、右方)としてキャプチャできる。インタフェースユニットはこのことを、3つの別個のキャプチャ装置又はフレームグラバを、入力されるストリームのそれぞれに対し1つずつ使用することで行う。インタフェースユニットが含むソフトウェアは、どのようにこれらの画像又はビデオファイルを、ローカルで又は遠隔で(例えばEHRシステムの遠隔のストレージ装置内に)、ハードディスクに録画するかについて、独立に制御することができる。現在の実施形態のために、3つのストリームの全てを、独立に制御するが、同時に始動させる。
インタフェースユニットは、入力されるビデオストリームを表示するためのインタフェースユニットのディスプレイ8720を備える。ある実施形態では、インタフェースユニットのディスプレイ8720は、1080pディスプレイである。ある実施形態では、ディスプレイは、外部の変換装置を用いて任意の数の他のビデオフォーマットに変換できるDVIの出力を備える。このストリームは、画像管理及び文書化キャプチャPCへ送られる。ユーザが、アクチュエータ8780を起動することで、画像キャプチャイベントを引き起こした(すなわち、ユーザが、2つの独立したストリームからの2つの静止画像を保存したい、又は3つの独立したストリームからの3つの静止画像を保存したい)時に、インタフェースユニット8700は画像を即座にキャプチャし保存する。当業者は、アクチュエータ8780を、内視鏡のハンドルのボタン、インタフェースユニットのディスプレイのタッチスクリーン8720の視覚的指標若しくはアイコン、又はフットスイッチとすることができることを理解するはずである。ある実施形態では、内視鏡のハンドルのボタンを押すことで、画像キャプチャイベントが引き起こされる。別の実施形態では、インタフェースユニットのボタン、又はインタフェースユニットのディスプレイのタッチスクリーン8720の視覚的指標若しくはアイコンを押すことで、画像キャプチャイベントが引き起こされる。別の実施形態では、フットスイッチを押すことで、画像キャプチャイベントが引き起こされる。インタフェースユニット8700はその後、インタフェースユニット8700自身のディスプレイ8720を変化させて、第1の単一の静止画像のみを表示し、トリガーパルスを画像管理及び文書化キャプチャPCへ送信する。ある実施形態では、インタフェースユニット8700とキャプチャPCとの間にシリアルデータ接続が存在する。インタフェースユニット8700はその後、インタフェースユニット8700自身のディスプレイ8720を変化させて、第2の単一の静止画像を表示し、他のトリガーパルスをキャプチャPCへ送信する。その後、この処理を第3の静止画像に対して繰り返す。その結果、全スクリーンの左方、中央及び右方の個々の画像が、画像管理キャプチャPCが当該PCの画像キャプチャリング要素又はフレームグラバ(一実施形態では画像管理キャプチャPCに配置される)を使用して捉えるビデオストリームに順次追加される。このことにより、静止画像のオリジナルな本来のアスペクト比が保たれる。このことの全てはユーザに対して透過的に行われ、更なるトリミング又は他の画像操作は不要である。
ある実施形態では、インタフェースユニットは、画像ファイル自体又はビデオファイル自体を生成しない。むしろ、キャプチャPCが、ビデオストリームから画像ファイル及びビデオファイルを生成する。別の実施形態では、インタフェースユニットは、画像ファイル自体又はビデオファイル自体を生成する。ある実施形態では、インタフェースユニットは、ファイルストレージモジュールを含む。画像はインタフェースユニットのハードディスクドライブへ保存される。画像は、プロシージャ番号(この番号は、キャプチャイベントが引き起こされる度に自動生成される)と、写真が撮られたシーケンスの番号(第2のキャプチャ画像、第3のキャプチャ画像)と、画像の向き(左方、中央又は右方)に基づいて整理される。ある実施形態では、ビデオファイルが同じ方法で整理されて、インタフェースパネルのハードディスクドライブへ同様に保存される。
様々な実施形態において、他の文書システム(ProVation(登録商標)又はOlympus EndoBase等)が、入力されるビデオストリームを受け取り、当該文書システムのビデオキャプチャカードへ送る。上述したように、このビデオ信号は、インタフェースユニットのDVIの出力から生じ、必要に応じて、標準解像度のビデオ信号(S端子又はコンポジットへダウンコンバートされる)あるいはHD-SDIプロトコルを用いる1080pの信号へ変換される。このことは、受信側文書化システムコンピュータ内のビデオキャプチャの能力によって決定される。ある実施形態では、インタフェースユニットは、シリアル通信ポート(COMポート)から出力する「フットスイッチ」型のプロトコルを含む。このプロトコルは、標準の9ピンのRS-232接続のPIN 4の状態を変えることを含む。ヌルモデルケーブル(9ピンRS-232)を、インタフェースユニットの出力COMポートと受信側文書化システムコンピュータの入力されるCOMポートとの間に接続する。キャプチャイベントが引き起こされた時に、インタフェースユニットは、(前に述べたように)キャプチャPCに「フットスイッチ」型のトリガーパルスを送信し、そこで、キャプチャPCは、出力されるビデオストリームからビデオのフレームをキャプチャすることができる。
ある任意の実施形態では、インタフェースユニットと画像管理及び通信システムのキャプチャPCとの間の通信は、インタフェースユニットからキャプチャPCへの一方向である。したがって、任意に、インタフェースユニットは、文書化システムから情報を受け取らない。別の任意の実施形態では、インタフェースユニットは、トリガーパルス以外のデータを文書化システムへ送信しない。
いくつかの実施形態では、インタフェースユニット8700と主要コントローラ30との間の通信は、双方向性である。既知のプロトコル(Digital Imaging and Communications in Medicine(DICOM)又はHDMI等)を、インタフェースユニット8700と主要コントローラ30との間で、他の情報の間で高精細(HD)画像を通信するために使用することができる。手技内視鏡検査の間にインタフェースユニット8700が、主要コントローラ30に接続されるとともに起動された時点で、両方の装置(すなわち主要コントローラ30及びインタフェースユニット8700)は、当該装置が互いに「接続されている」ことを示す、当該装置の接続状況を表示することができる。当該表示を、任意の種類の表示(例えばLED表示であるがこれに限定されるものではない)とすることができる。すなわち、当該表示は、インタフェースユニットのディスプレイ8720の視覚的指標又はアイコンの形をとることができ、当該表示を、メインコントローラ30の近い表示領域/スクリーンに同時に存在させることができる。
様々な実施形態では、主要コントローラ30は、表示(LED表示、又は、インタフェースユニットのディスプレイ8720に類似する主要コントローラのディプレイスクリーンの視覚的指標若しくはアイコン等)を含み、インタフェースユニット8700による1つ以上の画像(ビデオキャプチャの間静止させた画像又は静止画像)のキャプチャ、インタフェースユニット8700が受け取りファイルストレージモジュール8760に保存するビデオストリームの録画状況、又はインタフェースユニット8700が実行する任意の他の機能、の1つ以上を表示する。医師、又は内視鏡システム10の任意の他のオペレータにとって、当該表示は興味深いものとなることがある。
様々な実施形態では、インタフェースユニット8700は、内視鏡20から撮像チャンネル50a及び50bを通じて受け取るビデオストリームの録画を開始し停止する。いくつかの実施形態では、ビデオストリームの録画に対する開始及び停止機能が、タッチスクリーンであるインタフェースユニットのディスプレイ8720を使って可能になる。様々な実施形態では、インタフェースユニット8700は、ネットワークを介し通信インタフェースポート8770を通じて伝送するために、画像及び/又は録画されたビデオを圧縮することができる。圧縮は、符号化を用いたデータサイズの削減を含み、形式(JPEG、MPEG−x、H.26x等)の符号化を含む符号化を通常使用する。いくつかの実施形態では、インタフェースユニット8700は、画像又はビデオ(EMR等)の遠隔のネットワーク化されたシステムへのエクスポートの経過を表示することができる。当該表示を、エクスポートの経過の視覚的指標(インタフェースユニットのディスプレイ8720、LED表示、又はエクスポートの経過を示すことができる任意の他の種類の表示に表される、ダイアログボックス又はプログレスアイコン等)とすることができる。
図89は、いくつかの実施形態の態様に従い、手術室で展開される、内視鏡システム8810及び関連インタフェースユニット8900のレイアウトを概略的に描写する。患者8880はベッド8882上に支持されて、医師8884は内視鏡出術で内視鏡システム8810の内視鏡8820を使用する。アシスタント8886は医師8884を、医師8884の向かい側の、ベッド8882の反対側で支援する。
内視鏡8820は、ユーティリティケーブル8832によって主要コントローラ8830に接続される。内視鏡8820は、内視鏡8820の先端部に含まれる3つのカメラを使用する、3つの内視鏡による同時の眺めを提供する。実質的に上述したように、主要コントローラ8830は、3つのディスプレイスクリーン8840a、8840b及び8840cそれぞれに接続され、それぞれのディスプレイスクリーンは、内視鏡システム8810が提供する、3つの内視鏡による眺めの対応する眺めを表示するように構成される。ディスプレイスクリーン8840は、医師8884を向いて場合によっては高く位置付けられて、医師8884が、スクリーンディスプレイを見るとともに部位のスクリーンディスプレイへ邪魔されない線を持って、内視鏡手術を行うことができる。
インタフェースユニット8900は、主要コントローラ8830とともにケースに入れられた画像プロセッサと、画像プロセッサ8910と機能的に関連付けられた、インタフェースユニットのディスプレイ8920とを備える。画像プロセッサは、内視鏡8820が提供する3つの眺めに関連付けられた画像データを、3つのそれぞれの撮像チャンネルから同時に受け取り、3つの眺めからの画像データを含む画像を生成する一方で、当該画像はインタフェースユニットのディスプレイ8920に表示可能である。例えば実質的に上述したように、内視鏡8820の3つのカメラはそれぞれ、3つの入力されるビデオストリームを提供することができ、その後画像プロセッサは、3つの入力されるビデオストリームからの画像データを含む単一のビデオストリームを生成することができる。
いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのディスプレイ8920は、主要コントローラ8830と共にケースに入れられた画像プロセッサと、ケーブルで機能的に関連付けられる。いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのディスプレイ8920は、画像プロセッサと無線で関連付けられる。いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのディスプレイ8920は、実質的に携帯型であり、手術室内の多数の位置に展開できる。また、いくつかの実施形態によれば、手技中に、インタフェースユニットのディスプレイ8920の位置を手術室内で容易に移動することができる。例えば、インタフェースユニットのディスプレイ8920b又は8920cを、医師8884及びアシスタント8886の両方がディスプレイ8920b又は8920cのスクリーンを見られるように位置付けることができ、又は、インタフェースユニットのディスプレイ8920aをアシスタント8886に向けて位置付けることができる。
いくつかの実施形態では、インタフェースユニット8900は、主要コントローラ8830と、主要コントローラ8830と共にケースに入れられた画像プロセッサとに機能的に関連付けられ、上記の図88のインタフェースユニットのコンピュータ8750の個別の機能性に実質的に類似する機能性を持つ、インタフェースユニットのコンピュータを備える。
いくつかの実施形態では、インタフェースユニット8900は、インタフェースユニットのディスプレイ8920に関連付けられたユーザインタフェースモジュール8922を備え、アシスタント8886は、ユーザインタフェースモジュール8922を使用して、インタフェースユニット8900及び/若しくはインタフェースユニットのコンピュータ、並びに/又は内視鏡システム8810に命令することができる。例えば、アシスタント8886は、インタフェースユニットモジュール8922を使用して、内視鏡手術の前又は最中に、患者に関連するテキスト情報(関連経歴データ等)を、インタフェースユニットのコンピュータに入力及び保存することができる。いくつかの実施形態によれば、ユーザインタフェースモジュール8922は、タッチスクリーン8924を備える。
いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのコンピュータは、実質的に上述したように、そして手術室に設置されてかかるコンピュータネットワークへのアクセスを可能とするアクセスポイント8890を用いて、コンピュータネットワークと通信することができる。アクセスポイント8890は、インタフェースユニットのコンピュータがLANケーブルを通じて接続されるLANコネクタを備えることができる。いくつかの実施形態によれば、アクセスポイント8890をWi-Fiモデムとすることができ、Wi-Fiモデムによって、インタフェースユニットのコンピュータは無線で通信することができる。
したがって、いくつかの実施形態の態様に従うと同時に図87Aから89を参照して、少なくとも2つのディスプレイ(図87A及び88の40a、40b、並びに図89の8840a、8840b 、8840c)とそれぞれ関連する少なくとも2つの同時に動作する撮像チャンネル(50a、50b)を含む、内視鏡システム(10、8810)と機能的に関連するように構成されるインタフェースユニット(8700、8900)が提供される。インタフェースユニットは、少なくとも2つの撮像チャンネルと機能的に関連付けられた、画像プロセッサ(8710)を含み、少なくとも2つの撮像チャンネルから同時に受け取った画像データを含む画像を生成するように構成される。インタフェースユニットは、画像プロセッサと機能的に関連付けられる、インタフェースユニットのディスプレイ(図87A及び88の8720、並びに図89の8920)を更に備える。画像プロセッサによって生成され、少なくとも2つの撮像チャンネルからの画像データを含む画像を、インタフェースユニットのディスプレイに表示できる。
いくつかの実施形態によれば、各撮像チャンネルはそれぞれ、画像撮像装置(26a、26b)に関連付けられる。
いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのディスプレイを実質的に携帯型とする。
いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットのディスプレイは、画像プロセッサと無線で機能的に関連付けられる。
いくつかの実施形態によれば、画像撮像装置はビデオ画像を撮像することができ、少なくとも2つの撮像チャンネルのそれぞれの画像データは、ビデオ画像に対応する入力されるビデオストリームを含む。画像プロセッサは、インタフェースユニットのディスプレイに表示可能な単一のビデオストリームを生成するように構成され、それぞれの入力されるビデオストリームに対応する縮小されたサイズの画像は、インタフェースユニットのディスプレイに同時に表示される。いくつかの実施形態によれば、画像プロセッサは、少なくとも2つの入力されるビデオストリームから単一のビデオストリームを実質的にリアルタイムで生成するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットは、ファイル管理システムを動作させるとともにファイルストレージモジュール(8760)を備えるインタフェースユニットのコンピュータ(8750)を更に含み、インタフェースユニットのコンピュータは、画像プロセッサが生み出した画像のファイルを、ファイルストレージモジュールに生成及び保存するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットは、ユーザインタフェースモジュール(8922)を更に備え、ユーザインタフェースモジュール(8922)によってユーザはコンピュータに命令できる。いくつかの実施形態によれば、ユーザインタフェースモジュールは、タッチスクリーン(8924)を備える。
いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットは、少なくともファイルをインタフェースユニットとコンピュータネットワークとの間で転送するために、インタフェースユニットのコンピュータとコンピュータネットワークとの間で通信ができるように構成される通信インタフェースポート(8770)を含む通信チャンネルを更に備える。いくつかの実施形態によれば、コンピュータネットワークはローカルコンピュータネットワークである。いくつかの実施形態によれば、ローカルコンピュータネットワークは病院のネットワークである。いくつかの実施形態によれば、コンピュータネットワークはインターネットである。
いくつかの実施形態によれば、通信チャンネルは、LAN通信インタフェースポートを備え、インターネットプロトコルを動作させる。いくつかの実施形態によれば、通信チャンネルは、Wi-Fi通信インタフェースポートを備える。いくつかの実施形態によれば、通信チャンネルは、ビデオストリームを出力するために構成される、ビデオ/オーディオ通信インタフェースポートを備える。いくつかの実施形態によれば、通信インタフェースポートは、S端子又はコンポジットポートを備える。いくつかの実施形態によれば、通信インタフェースポートは、HDMIポートを備える。
いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットは、画像プロセッサが生成したビデオストリームを、通信インタフェースポートを通じてネットワークコンピュータへ、実質的にリアルタイムで伝えるように構成される。いくつかの実施形態によれば、画像プロセッサは、命令された時に、命令の瞬間の、撮像チャンネルのそれぞれの実質的に単一のビデオフレームを、キャプチャするように構成され、通信インタフェースポートを通じてネットワークコンピュータへ伝えるように構成される。ビデオストリームは、単一のビデオフレームの静止画像を順次含み、そのような静止画像のそれぞれは、ビデオストリームに予め決定した期間の間にわたり含まれる。
いくつかの実施形態によれば、インタフェースユニットは、画像撮像装置の少なくとも2つに機能的に関連付けられる同期モジュール(8730)を更に含む。同期モジュール(8730)は、少なくとも2つの画像撮像装置に対応する、撮像チャンネルの入力されるビデオストリームを同期させるため同期信号を生成するために構成される。
図90は、(図1Aの主要制御ユニット199と類似させることができる)図87Aの主要コントローラ30のビデオコントローラ又はコントローラ回路基板9020が、どのように内視鏡9010及びディスプレイユニット9050と動作可能なように接続されるかを詳述する。図90を参照して、ビデオコントローラ/コントローラ回路基板9020は、LED9011に対する電源を制御するとともに、内視鏡の(1つ以上のカメラを備える)撮像センサ9012の動作に対する制御を伝え、且つ撮像センサからのビデオ前信号を標準的なビデオ信号へ変換する、カメラ基板9021を備える。撮像センサ9012を、電荷結合素子(CCD)撮像素子又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)撮像素子とすることができる。カメラ基板9021は、CCD撮像素子が生成するビデオ前信号9013とともに、内視鏡9010からの他のリモートコマンド9014も受け取る。
コントローラ制御基板9020は、撮像センサ9012からカメラ基板9021を通じて得られるビデオを処理するための素子、及びシステムの監視及び制御のための他の素子を更に備える。
これらの素子の全ては、プリント基板である、基板モジュール9052と接続される。ある実施形態では、IC(集積回路)である素子をハンダ付けによって接続し、素子9026(SOM又はシステムオンモジュール)をマウンティングによって接続する一方で、他の素子の全てをケーブルを用いて接続する。
基板モジュール9052の様々な素子を以下に説明する。
<FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)9023>
FPGA9023は、特にシステム要件のためにプログラムされ、(ソフトウェアに対立する)ハードウェアが実行することが好ましい論理作業と、ビデオ画像処理に関する論理作業との2種類に分類できる作業を行う論理デバイスである。ある実施形態では、基板モジュール9052は、FPGA9023と通信する、1つ以上のダブル・データ・レート型のスリー・シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ・モジュール(DDR3)9033を備える。
ハードウェアが実行することが好ましい論理作業は、以下のものを含む。
1.システムの電源投入時に、基板モジュール9052のいくつかのICを初期化する。
2.前方パネル9035の、ホワイトバランス、LEDのオン/オフ、空気の流れ、及び電源のオン/オフのためのボタン9040を監視する。
3.ウオッチドッグ機構を使用してSOM9026の動作が適切であるか監視する。
4.システムの電源が切れている間にも、システムのパラメータのいくつか(例えば気流レベル)をバックアップする。
5.カメラ基板9021と通信する。
しかしながら、ハードウェアが実行することが好ましい論理作業はこれらに限定されるものではない。
ビデオ画像処理に関する、ソフトウェア又はハードウェアによって実行される論理作業は、以下のものを含む。
1.多重化されたビデオ入力。複数の撮像素子のそれぞれは、ビデオ入力インタフェース9051によって多重化されるいくつかのビデオインタフェースを有する。さらにまた、いくつかの補助物を補助ビデオ入力インタフェース9025によって多重化する。
2.任意的なデジタル信号プロセッサ(DSP)9022の再生出力、及びDSPの記録入力。
3.複数ディスプレイに対するビデオ出力インタフェース9024による、ビデオ出力に対する内部テストパターン。
4.カメラのビデオ規格と表示ビデオ規格との間の変換。
5.画像の重ね合わせとしても知られる、OSD(オンスクリーンディスプレイ)の挿入。
6.PIP(ピクチャーインピクチャー)。
7.いくつかのカメラからの画像をつなぎ合わせて、単一のスクリーンに表示される1つの画像にする。
8.画像の(輝度、コントラスト等の)補正。
しかしながら、ビデオ画像処理に関する、ソフトウェア又はハードウェアによって実行される論理作業はこれらに限定されるものではない。
<DSP(デジタル信号プロセッサ)9022>
圧縮した(暗号化された)ビデオを録画し、圧縮解除された(復号された)ビデオを再生するために、DSP9022を使用する。ある実施形態では、圧縮されたビデオの規格は、H.264又は同等の物(MPEG等)である。
動作上、FPGA9023は、DSP9022のために、録画する所望のビデオ(すなわち、入力のいずれか、又はおそらくはスクリーンの1つ以上のコピー)を選択する。後者の場合には、OSD及びフォーマットの変換が含まれる。スクリーンのフォーマットが、DSP9022の要求ビデオ入力フォーマットと異なる、あり得る場合には、FPGA9023はまた、ビデオをDSP9022に伝達する間に、スクリーンのフォーマットを所望のDSP9022のフォーマットへ変換する。
<補助ビデオ入力インタフェース9025>
ある実施形態では、補助ビデオ入力インタフェース9025へのビデオ入力は、(CVBS(color、video、blanking、sync)、S端子若しくはYPbPrフォーマット等の)アナログビデオ、又はデジタルビデオ(DVI)を含むことができ、当該ビデオ入力をそのようなものとして表示することができる。
<SOM(システムオンモジュール)9026>
SOM9026は、入力デバイス(キーボード、マウス、及びタッチインタフェース9027によるタッチスクリーン等)に対するインタフェースを提供する。これらの入力デバイスと共に前方パネル9035のボタン9040を通じて、ユーザはシステムの機能性及び動作パラメータを制御する。ある実施形態では、ペリフェラルコンポーネントインターコネクトエクスプレス(PCIe)バスは、SOM9026をFPGA9023と接続する。PCIeを通過するデータトラフィックの最も一般的な種類は、以下の通りである。
a.SOM9026からFPGA9023へ:コマンド(例えば、ユーザが動作パラメータを変更する場合)
b.FPGA9023からSOM9026へ:内部状態の表示と撮像された画像とを提供する、レジスタ値
<他の機能性>
コントローラ回路基板9020は、空気インタフェース9028、ポンプ9029及び逆止弁9030を通じて、内視鏡に対応する機能性を提供する、1つ以上の流体、液体及び/又は吸引ポンプを更に制御することができる。コントローラ回路基板9020は、オンボードの電源9045と、ユーザに対して動作ボタン9040を提供する前方パネル9035とを更に備える。
カメラ基板9021は、ある実施形態では、撮像センサ9012がビデオを生成する時に、内視鏡の先端部の3つのビュー素子(1つの前方観察ビュー素子及び2つの側方観察ビュー素子)によるビデオのピックアップに対応する3つのビデオフィードを含む、ビデオ信号9013を受け取る。ある実施形態では、内視鏡の先端部の3つのビュー素子(前方観察ビュー素子、左側方観察ビュー素子及び右側方観察ビュー素子であり、例えば図2A又は2Bの先端部200の3つのビュー素子)に対応する3つのビデオフィードのピックアップを、3つのそれぞれのモニタに表示する。
図91Aは、本明細書の一実施形態に従う、内視鏡の先端部の前方観察ビュー素子と2つの側方観察ビュー素子とのそれぞれからの3つのビデオフィードを表示する3つのモニタの構造9100を示す図である。構造9100は、並んで、水平方向に一連かつ一続きの、又は連続して設置される、左側方モニタ9105と、中央モニタ9110と、右側方モニタ9115とを備え、それぞれの水平な下縁9106、9111、9116が、位置合わせされ又は実質的に同じ高さに存在する。言い換えれば、3つのモニタ9105、9110及び9115の幾何学中心又は重心が、実質的に同じ高さ“L1”に保たれている。一実施形態に従って、中央モニタ9110は正方形状のスクリーンのモニタである一方、左側方モニタ9105及び右側方モニタ9115は長方形状又はワイドスクリーンのモニタである。さらに、ある実施形態では、ワイドスクリーン/長方形状のモニタ9105、9115の長縁9106、9116が水平であるように、モニタ9105、9115を向ける。
当業者は、本明細書の実施形態は、内視鏡の先端部のビュー素子が生成する、静止画像及びビデオ信号の両方に向けたものであることを理解するであろう。したがって、発明者は、用語「ビデオ」が、静止画像と動画及びビデオとの両方(以下「画像フィード」と呼ぶ)を含むと理解されるべきであることを意図する。言い換えれば、上述した3つのビデオフィードは、静止画像及びビデオ信号の両方を含む。また、当業者にとって明白であるように、モニタ又はディスプレイパネルの寸法/サイズは様々な方法で決まり、その方法の1つはアスペクト比によるものである。画像のアスペクト比とは、画像の高さに対する画像の幅の比率である。従来のアスペクト比は、4:3、1.33:1、2.35:1、1.85:1、1.78:1、16:9、3:2又は5:4を含むが、これらに限定されるものではない。従来既知であるように、モニタは、本来のアスペクト比と呼ばれる、特定の観察する素材に対して最適化されたアスペクト比を有する。モニタの本来のアスペクト比で表される画像は、ディスプレイの全解像度を利用でき、最大限の輝度を達成できる。モニタの本来のアスペクト以外のアスペクト比で表される画像は、比較的低い解像度と、より少ない輝度とをもたらすおそれがある。「正方形状フォーマット」のアスペクト比の例は、典型的に4:3及び5:4を含む一方、「長方形状」又は「ワイドスクリーン」のアスペクト比の例は、典型的に16:9及び16:10を含む。
ある実施形態では、中央モニタ9110は前方観察ビュー素子によるビデオフィードのピックアップを表示する一方、左側方モニタ9105及び右側方モニタ9115は内視鏡の先端部の2つの側方観察ビュー素子からのビデオフィードを表示する。3つのビデオフィードは、本来の又は標準的な、4:3又は5:4等のアスペクト比を有する正方形状のフォーマットで生成される。正方形状の中央モニタ9110は、前方観察ビュー素子の正方形状にフォーマットされたビデオフィード9102を全スクリーンに歪み無く表示する。一方で、ワイドスクリーン又は長方形状の、左側方モニタ9105及び右側方モニタ9115により、正方形状にフォーマットされた(2つの側方観察ビュー素子から)ビデオフィードを、ワイドスクリーンの一部のみに表示するか、又は、正方形にフォーマットされたビデオフィードの4:3又は5:4のアスペクト比を修正又は変調して、モニタ9105、9115の全体のワイドスクリーンを埋める必要があり、ビデオの許容できない歪みをもたらし、ひいては、診断価値に悪影響を与える。したがって、本明細書の態様では、主要制御ユニット(図87の主要コントローラ30等)は、適切なオンスクリーンの表示のため、本来の又は正方形状にフォーマットされたビデオフィードを処理する。
ある実施形態では、ビデオ9101が左側方モニタ9105に、傾けられて、又は右揃えで若しくは右に傾けて表示されるとともに、ビデオ9103が右側方モニタ9115に、左揃えで又は左に傾けて表示されるように表示するために、2つの側方観察ビュー素子に対応する、2つの正方形状にフォーマットされたビデオフィード9101、9103を処理する。当業者は、画像フィードを「傾ける」ことが、画像がスクリーンの中心にあるのではなく、むしろ左方側、右方側、下方側又は上方側のいずれかに揃えられるように、モニタのへりを位置合わせすることを意味すると理解するはずである。ある実施形態では、正方形にフォーマットされたビデオフィード9101、9103のアスペクト比は変調されず、スクリーン9105、9115の一部641、643のビデオが欠けることがない。他の実施形態では、2つの側方観察ビュー素子の、2つの正方形にフォーマットされたビデオフィード9101、9103の4:3又は5:4のアスペクト比を、歪みが最小限度であることを確保しながら、2つのビデオフィード9101、9103をワイドスクリーン9105、9110の長さ寸法に沿って伸ばす最適な百分率“p”で、部分的に修正又は変調する。一実施形態に従う、最適な百分率“p”は、30%以下である。他の実施形態では、最適な百分率“p”は、5%、10%、15%、20%、25%若しくは30%、又はこれらを任意に増加させたものである。“p”の変調は、2つのビデオフィード9101、9103を、ワイドスクリーン9105、9115の長さに沿って伸ばすため、表示されるビデオフィードの変調が拡大するにつれて、部分9141、9143の面積は次第に減少する。
さらに、内視鏡の先端部の1つの前方観察ビュー素子及び2つの側方観察ビュー素子に対応する、3つのビデオフィード9101、9102、9103を、3つのモニタ9105、9110及び9115上の3つのビデオ9101、9103、9103の全てが、垂直方向で同じ高さに表示されるようなオンスクリーンの表示のために処理する。
図91Bは、本明細書の実施形態に従う、内視鏡の先端部の前方観察ビュー素子と2つの側方観察ビュー素子とのそれぞれからの、3つのビデオフィード9101、9102、9103を表示する3つのモニタの別の構造9125を示す図である。構造9125では、3つのモニタのすべて、すなわち、左側方モニタ9105と、中央モニタ9110と、右側方モニタ9115とは、長方形状又はワイドスクリーンのモニタである。ある実施形態では、中央モニタ9110は前方観察ビュー素子が取り出したビデオフィード9102を表示する一方、左側方モニタ9105及び右側方モニタ9115は内視鏡の先端部の2つの側方観察ビュー素子からのビデオフィード9101、9103を表示する。3つのビデオフィード9101、9102、9103は、本来の又は標準的な、4:3又は5:4等のアスペクト比を有する正方形状のフォーマットである。
一実施形態に従って、左側方モニタ9105及び右側方モニタ9115は、これらモニタの長縁9106、9116が水平になるように向いている一方、中央モニタ9110は、中央モニタ9110の短縁9112が水平のままであるとともに長縁9111が垂直方向となるように、垂直に向いている。ある実施形態では、3つのモニタ9105、9110、9115は、それぞれの下縁9106、9112及び9116が、位置合わせされ又は実質的に同じ高さ“L2”に存在するように、並んで又は連続して設置される。したがって、構造625は、中央モニタ9110を、左側方モニタ9105及び右側方モニタ9115に対して高く見せる。
ある実施形態では、ビデオ9101が左側方モニタ9105に右揃えで表示されるとともにビデオ9103が右側方モニタ9115に左揃えで表示されるように表示するために、2つの側方観察ビュー素子に対応する、2つの正方形状にフォーマットされたビデオフィード9101、9103を処理する。前方観察ビュー素子に対応する正方形状にフォーマットされたビデオフィード9102を処理して、適切な眺めのために回転させ、また中央モニタ9110上の表示を垂直方向で下揃えさせる。ビデオフィード9101、9102及び9103のそれぞれの、3つのモニタ9105、9110及び9115上での位置合わせにより、ビデオ9101、9102及び9103を実質的に同じ高さに表示することが確保される。
図91Cは、別の実施形態に従う構造9130を表す図である。構造9130では、3つのモニタのすべて、すなわち、左側方モニタ9105と、中央モニタ9110と、右側方モニタ9115とは、長方形状又はワイドスクリーンのモニタである。ある実施形態では、中央モニタ9110は前方観察ビュー素子が取り出したビデオフィード9102を表示する一方、左側方モニタ9105及び右側方モニタ9115は内視鏡の先端部の2つの側方観察ビュー素子からのビデオフィード9101、9103を表示する。3つのビデオフィード9101、9102、9103は、本来の又は標準的な、4:3又は5:4等のアスペクト比を有する正方形状のフォーマットである。一実施形態に従って、左側方モニタ9105及び右側方モニタ9115は、これらモニタの長縁9106、9116が水平になるように向いている一方、中央モニタ9110は、中央モニタ9110の短縁9112が水平のままであるとともに長縁9111が垂直方向となるように、垂直に向いている。3つのモニタ9105、9110、9115は、それぞれの上縁9107、9113及び9117が、位置合わせされ又は実質的に同じ高さ“L3”に存在するように、並んで又は連続して設置される。したがって、構造9130は、中央モニタ9110を、左側方モニタ9105及び右側方モニタ9115に対して低く見せる。
ある実施形態では、ビデオ9101が左側方モニタ9105に右揃えで表示されるとともにビデオ9103が右側方モニタ9115に左揃えで表示されるように表示するために、2つの側方観察ビュー素子に対応する、2つの正方形状にフォーマットされたビデオフィード9101、9103を処理する。前方観察ビュー素子に対応する正方形状にフォーマットされたビデオフィード9102を処理して、適切な眺めのために回転させ、また中央モニタ9110上の表示を垂直方向で上揃えさせる。ビデオフィード9101、9102及び9103のそれぞれの、3つのモニタ9105、9110及び9115上での位置合わせにより、ビデオ9101、9102及び9103を実質的に同じ高さに表示することが確保される。
図91Dは、更に別の実施形態に従う構造9135を表す図である。構造9135では、3つのモニタのすべて、すなわち、左側方モニタ9105と、中央モニタ9110と、右側方モニタ9115とは、長方形状又はワイドスクリーンのモニタである。ある実施形態では、中央モニタ9110は前方観察ビュー素子が取り出したビデオフィード9102を表示する一方、左側方モニタ9105及び右側方モニタ9115は内視鏡の先端部の2つの側方観察ビュー素子からのビデオフィード9101、9103を表示する。3つのビデオフィード9101、9102、9103は、本来の又は標準的な、4:3又は5:4等のアスペクト比を有する正方形状のフォーマットである。一実施形態に従って、左側方モニタ9105及び右側方モニタ9115は、これらモニタの長縁9106、9116が水平になるように向いている一方、中央モニタ9110は、中央モニタ9110の短縁9112が水平のままであるとともに長縁9111が垂直方向となるように、垂直に向いている。さらに、3つのモニタ9105、9110、9115は、それぞれの幾何学中心又は重心が実質的に同じ高さ“L4”に保たれるように、並んで又は連続して設置される。したがって、構造9135は、中央モニタ9110を、左側方モニタ9105及び右側方モニタ9115に対する垂直方向中央位置に見せる。
ある実施形態では、ビデオ9101が左側方モニタ9105に右揃えで表示されるとともにビデオ9103が右側方モニタ9115に左揃えで表示されるように表示するために、2つの側方観察ビュー素子に対応する、2つの正方形状にフォーマットされたビデオフィード9101、9103を処理する。前方観察ビュー素子に対応する正方形状にフォーマットされたビデオフィード9102を処理して、適切な眺めのために回転させ、また中央モニタ9110上の表示を垂直方向で中央揃えさせる。ビデオフィード9101、9102及び9103のそれぞれの、3つのモニタ9105、9110及び9115上での位置合わせにより、ビデオ9101、9102及び9103を実質的に同じ高さに表示することが確保される。
図91Eは、更に別の実施形態に従う構造9140を表す図である。構造9140では、3つのモニタのすべて、すなわち、左側方モニタ9105と、中央モニタ9110と、右側方モニタ9115とは、長方形状又はワイドスクリーンのモニタである。ある実施形態では、中央モニタ9110は前方観察ビュー素子が取り出したビデオフィード9102を表示する一方、左側方モニタ9105及び右側方モニタ9115は内視鏡の先端部の2つの側方観察ビュー素子からのビデオフィード9101、9103を表示する。3つのビデオフィード9101、9102、9103は、本来の又は標準的な、4:3又は5:4等のアスペクト比を有する正方形状のフォーマットである。一実施形態に従って、3つのモニタ9105、9110及び9115は、これらモニタの短縁9109、9112及び9118が水平のままであるとともに長縁9106、9111及び9116が垂直方向となるように、垂直に向いている。さらに、3つのモニタ9105、9110、9115は、それぞれの幾何学中心又は重心が実質的に同じ高さ“L5”に保たれるように、並んで又は連続して設置される。
ある実施形態では、1つの前方観察ビュー素子及び2つの側方観察ビュー素子に対応する、3つの正方形状にフォーマットされたビデオフィード9101、9102、9103を処理して、適切な眺めのために回転させ、また、(図91Eに示すような)ある実施形態では表示を下揃えさせ、代替的な実施形態では表示を上揃えさせる。ビデオフィード9101、9102及び9103のそれぞれの、3つのモニタ9105、9110及び9115上での位置合わせにより、ビデオ9101、9102及び9103を実質的に同じ高さに表示することが確保される。
図91Aの構造9100は、左側方ワイドスクリーンモニタ9105及び右側方ワイドスクリーンモニタ9115の一部9141及び9143のビデオを欠けさせる。一方、構造9125、9130、9135及び9140では、前方観察ビュー素子に対応する、本来の又は正方形状にフォーマットされたビデオフィード9102を、長方形状又はワイドスクリーンの中央モニタ9110に表示するため、図91Bから91Eそれぞれの構造9125、9130、9135及び9140もまた、中央モニタ9110の一部9150及び(図91Dの構造9135に関する)9151のビデオを欠けさせる。図91Bから91Eを参照して、ある実施形態では、(内視鏡の先端部の1つの前方観察ビュー素子及び2つの側方観察ビュー素子に対応する)3つの正方形状にフォーマットされたビデオフィード9101、9202及び9203のアスペクト比は変調されず、このことによって、スクリーン9105、9110及び9115それぞれの、一部9141、9150、(図91Dの構造9135に関する)9151、及び9143のビデオを欠けさせる。他の実施形態では、3つの正方形にフォーマットされたビデオフィード9101、9202、9103の4:3又は5:4のアスペクト比を、歪みが最小限度であることを確保しながら、3つのビデオフィード9101、9202、9103をワイドスクリーン9105、9110及び9115の長さ/長い方の寸法に沿って伸ばす最適な百分率“p”で、部分的に修正又は変調する。一実施形態に従う、最適な百分率“p”は、30%以下である。他の実施形態では、最適な百分率“p”は、5%、10%、15%、20%、25%若しくは30%、又はこれらを任意に増加させたものである。“p”の変調は、3つのビデオフィード9101、9102及び9103を、ワイドスクリーン9105、9110及び9115の長さに沿って伸ばすため、表示されるビデオフィードの変調が拡大するにつれて、部分9141、9142及び9143の面積は次第に減少する。
本明細書の態様に従って(そして図91Aから91Eを参照して)、部分9141、9150、(図91Dの構造9135に関する)9151及び9143を有利に利用して、患者に関連する複数の情報及び/又はデータを表示する。ある実施形態では、患者に関する情報及び/又はデータは、複数のリアルタイムの生理学的パラメータ(患者の脈拍数、酸素レベル、血圧、又は当業者にとって明白であるような他の任意の生命の生理学的パラメータ等)を含む。ある実施形態では、患者に関する情報及び/又はデータは、手技内視鏡検査、及び/又は患者の関連する解剖学的奇形(例えばポリープ等)の記憶された画像/ビデオを含む。ある実施形態では、生理学的パラメータを、実行するとともにスクリーン9105、9110及び9115上に表示する手技内視鏡検査と類似する、前もって記憶した手技内視鏡検査の画像/ビデオと組み合わせる、又は、生理学的パラメータを、前もって記憶した手技内視鏡検査の画像/ビデオによって切り替える。このことによって、以前の手技内視鏡検査の解剖学的眺めを、現在の手技の解剖学的眺めと比較して、奇形及び/若しくは奇形の改善を、診断並びに/又は再検討する利点が医師にもたらされる。ある実施形態では、主要制御ユニットの電子ストレージメモリからの、並びに/又は、患者の記録が保持されている、現地の病院及び/若しくは遠く離れた病院からの、患者に関連する複数の情報及び/又はデータにアクセスする。
本明細書の一態様に従って、図91Aから91Eの3つのモニタ9105、9110及び9115は共に、3つのビュー素子(1つの前方観察ビュー素子及び2つの側方観察ビュー素子)の視野の間の重複に基づくパノラマの眺めを提供する。図94は、内視鏡の先端部の左側方ビュー素子、前方ビュー素子及び右側方ビュー素子が生成するビデオフィードをそれぞれ表示する、3つのモニタ9405、9410及び9415が表現するパノラマの眺めの例を表す。部分9420及び9425は、3つのビュー素子の視野の間の重複に含まれる画像を表す。一実施形態に従って、部分9420及び9425の画像フィードの重複を排除して、重複する視野の冗長性を除去する。
本明細書の一実施形態に従って、図91Aから91Eの3つのモニタ9105、9110及び9115を、直線状に並べて又は連続させて設置する。すなわち、3つのモニタ9105、9110及び9115は、互いに角度を持たずに設置される。しかしながら、代替的な実施形態に従って、左側方モニタ9105及び右側方モニタ9115を、中央モニタ9110を基準とした角度を持って配置することができる。そのような角度を持って配置した構造を、図92A及び92Bを参照して以下説明する。
図92Aは、3つのモニタ9205、9210及び9215を非直線状の構造9200で並べて又は連続して設置した、本明細書に従う一実施形態を表す。ある実施形態では、3つのモニタ9205、9210及び9215は、内視鏡の先端部の対応する1つの前方観察ビュー素子及び2つの側方観察ビュー素子からのビデオフィード9201、9202、9203を表示する。ある実施形態では、左側方モニタ9205及び右側方モニタ9215は、中央モニタ9210(の面)を基準として角度“N”を持ち、視聴者の方に向いている。非直線状の構造9200は、内視鏡の先端部の1つの前方観察ビュー素子及び2つの側方観察ビュー素子が共に提供する、180 °超の現実の視野を有利にシミュレートし表現する。したがって、前方観察ビュー素子の両側から捉えた、前方観察ビュー素子からわずかに後方の、2つの側方観察ビュー素子からのビデオフィード9201、9203を、左側方モニタ9205及び右側方モニタ9215に対応して表示する。2つの側方観察ビュー素子からのビデオフィード9201、9203は、角度“N”のために、視聴者に対してわずかにより接近している。角度を持って配置した構造9200により、視聴者は、前方観察ビュー素子及び2つの側方観察ビュー素子がそれぞれ撮像した眺め/ビデオ9201、9202、9303をシミュレーションする方法で知覚できる。様々な実施形態において、角度“N”は、10から30 °に及ぶ。ある実施形態では、角度“N”は20 °である。
ある実施形態では、左側方モニタ9205及び右側方モニタ9215が手動で調整可能であり、中央モニタ9210を基準として角度“N”を形成すると同時に、3つのモニタ9205、9210及び9215は、並んで又は連続して、同じ高さに物理的に設置されるスタンドアローンのディスプレイユニットである。ある実施形態では、3つのパネルのそれぞれの背面に取付けられて、垂直シャフト上でそれぞれ調整可能な、クランプ又はハンガーを使用して、3つのパネルを垂直方向に調整することが可能である。しかしながら、別の実施形態では、図92Bに示すように、3つのディスプレイのパネル又はモニタ9205、9210及び9215を、一体型フレーム容器9220と一体化する。図92Bをこれから参照し、フレーム容器9220を製造して、左側方パネル9205及び右側方パネル9215を、中央パネル710を基準として角度“N”を持つように予め構成できる。ある実施形態では、一体型フレーム容器の背面に取付けられて、垂直シャフト上でそれぞれ調整可能な、クランプ又はハンガーを使用して、一体型フレーム容器を垂直方向に調整できる。
ある実施形態では、黒色画像のストライプ9207及び9212を、図92Bの3つの連続したディスプレイパネル9205、9210、9215の間に重ねて、視聴者が、近接して相応に表示されるビデオ9201、9202、9203のそれぞれを異なる/区別できるものとして感知することを確保する。それによって、前方観察ビュー素子及び2つの側方観察ビュー素子の視野の間の視覚的な重複に起因する混乱を抑制する。一実施形態に従う、黒色画像のストライプ9207、9212の幅は、6インチ(0.1524メートル)以下である。
図93A及び93Bは、本明細書の一実施形態に従い、単一のモニタ9325に表示される、第1の連続したビデオフィードのグループ9305、9310、9315及び第2の連続したビデオフィードのグループ9306、9311、9316を表す図である。
図93Aをこれから参照して、ある実施形態では、内視鏡の先端部の前方観察ビュー素子及び及び2つの側方観察(左側方観察及び右側方観察)ビュー素子(以下共に「3つのビュー素子」と呼ぶ)は、広角のビュー素子であり、それぞれのビュー素子は、100 °超であり基本的には180 °以下の視野を有する。したがって、3つのビュー素子は共に、前方及び側方の眺めに及ぶ、180 °超の組み合わされた視野を提供する。ある実施形態では、(3つのビュー素子の視野の間の重複に基づく)180 °超の組み合わせされた視野を、主要制御ユニット(図87Aの主要コントローラ30等)によって処理して、単一のモニタ9325に表示して、3つのビュー素子が生成した3つのビデオフィードの本来の/標準的なアスペクト比の変調を行わない又は最小限度/部分的とすることを確保しながら、リアルタイムのパノラマの眺めをシミュレートする。
本明細書の実施形態に従って、3つのビュー素子の3つのビデオフィード9305、9310、9315を組み合わせて、前方観察ビュー素子及び両側方観察ビュー素子の視野の間の重複に基づく、結合された前方及び両側方の眺めに及ぶ、単一の統合された合成ビデオフレーム(又は画像フィード)とする。単一の統合されたビデオフレームは、3つの異なる画像/ビデオストリームのフレームを一緒につなぎ合わせて単一のフレームとして、単一のビデオストリームを生み出す実施形態に当てはまることが、理解されるはずである。言い換えれば、単一合成ビデオフレームは、3つのビュー素子の視野を組み合わせた、結合された視野を表す。その後、単一合成ビデオフレームをスライス又は分解して、前方観察ビュー素子の前方の平面的な眺めを表す中央ビデオフレーム9310とする。ある実施形態では、中央ビデオフレーム9310は、単一合成ビデオフレームの結合された視野の中心の両側(すなわち、左側及び右側)の総計X °の眺めに及ぶ。ある実施形態では、Xは15 °である。ある実施形態では、Xは前方ビュー素子に対して30 °以下である。単一合成ビデオフレームの、結合された視野の中心のX度を越えて左側に残る部分は、左側方観察ビュー素子の平面的な左側の眺めを表す左方ビデオフレーム9305を形成する。同様に、単一合成ビデオフレームの、結合された視野の中心のX度を越えて右側に残る部分は、右側方観察ビュー素子の平面的な右側の眺めを表す右方ビデオフレーム9315を形成する。したがって、一実施形態に従って、3つのビュー素子の視野を組み合わせることによって結合された視野を表す単一合成ビデオフレームは、分解又はスライスされて、3つのビデオフレーム9305、9310及び9315を形成する。ある実施形態では、3つのビデオフレーム9305、9310及び9315を単一のモニタ9325に連続的に表示する。
図93Bをこれから参照して、本明細書の別の実施形態に従い、3つのビュー素子のそれぞれは、100 °超で基本的には180 °以下の視野を提供するため、3つのビュー素子のいずれか1つ(表示することを要求されているビュー素子のビデオフィードによって決まる)からの単一ビデオフィードを単独でスライス又は分解して、3つのビデオフレーム9306、9311及び9316とする。この実施形態では、図1Aのハンドル104(又は図87Aのハンドル22)の切替/選択ボタンを用いて、3つのビュー素子からのビデオフィードを切り替え又は選択して、ビュー素子の何れか1つ(前方観察ビュー素子、又は左側方観察ビュー素子若しくは右側方観察ビュー素子のいずれか一方)に対応する単一ビデオフィードを表示することができる。したがって、ある実施形態では、モニタ9325に表示するために切り替えられ又は選択されるビュー素子を表す単一ビデオフレームを、スライス又は分解して、ビュー素子の視野の中心の両側(すなわち、左側及び右側)の総計X °の眺めに及ぶ、前方の平面的な眺めを表す中央ビデオフレーム9311とする。ある実施形態では、Xは15 °である。ある実施形態では、Xは30 °以下である。単一ビデオフレームの、視野の中心のX度を越えて左側に残る部分は、平面的な左側の眺めを表す左方ビデオフレーム9306を形成する。同様に、単一ビデオフレームの、視野の中心のX度を越えて右側に残る部分は、平面的な右側の眺めを表す右方ビデオフレーム9316を形成する。したがって、一実施形態に従って、3つのビュー素子の何れか1つの視野を表す単一ビデオフレームは、分解又はスライスされて、3つのビデオフレーム9306、9311及び9316を形成する。ある実施形態では、3つのビデオフレーム9306、9311及び9316を単一のモニタ9325に連続的に表示する。
ある実施形態では、黒色画像のストライプ9307及び9312を、図93Aの3つの連続したビデオフレーム9305、9310、9315の間に、及び図93Bの3つの連続したビデオフレーム9306、9311、9316の間に重ねて、視聴者が、3つの連続するビデオフレームのそれぞれを異なるもの又は区別できるものとして感知することを確保する。一実施形態に従う、黒色画像のストライプ9307、9312の幅は、6インチ(0.1524メートル)以下である。
当業者は、左側、中央及び右側の眺めの面が、同一平面上に無いことを理解するであろう。したがって、ある実施形態では、図93A及び93Bに示すように、左方及び右方のビデオフレーム9305、9315及びビデオフレーム9306、9316を、それぞれの中央ビデオフレーム9310及び9311を基準として、わずかに傾けた又は歪めた形で表示して、内視鏡の先端部の3つのビュー素子が生成する、現実の同一平面上に無い眺めをシミュレートする。前述の傾き又は歪みは、中央部に目の焦点を合わせるとともに角度を有する外観を側方部に生み出すことで、奥行き感を生み出すことが理解されるはずである。
ある実施形態では、第1の連続したビデオフレームのグループ9305、9310、9315及び第2の連続したビデオフレームのグループ9306、9311、9316は、本来的に4:3又は5:4のアスペクト比で正方形状にフォーマットされている。ある実施形態では、モニタ9325は、長方形状又はワイドスクリーンのディスプレイモニタである。代替的な実施形態では、モニタ9325は、正方形状のディスプレイモニタである。
一実施形態に従って、第1の連続したビデオフレームのグループ9305、9310、9315及び第2の連続したビデオフレームのグループ9306、9311、9316の、本来の又は標準的な正方形状の4:3又は5:4のアスペクト比は、モニタ9325上での表示のために修正又は変調されない。本明細書の態様に従って、第1の連続したビデオフレームのグループ9305、9310、9315及び第2の連続したビデオフレームのグループ9306、9311、9316の、正方形状の4:3又は5:4のアスペクト比は、歪みが最小限度であることを確保しながら、最適な百分率“p”によって、(モニタ9325上へ表示するために)部分的に修正又は部分的に変調される。一実施形態に従う、最適な百分率“p”は、30%以下である。他の実施形態では、最適な百分率“p”は、5%、10%、15%、20%、25%若しくは30%、又はこれらを任意に増加させたものである。
いくつかの実施形態の態様に従って、N(1よりも大きい)個の眺めを擬似的に同時に提供するように構成される内視鏡が供給される。内視鏡は、N個の眺めに関連付けられる方向からの光を集めるように構成されるN個の光学システムを備え、M(Nより小さい)個の画像撮像装置を更に備える。画像撮像装置は、N個の光学システムが集めた光を撮像するように構成され、それによって、N個の眺めを擬似的に同時に提供する。いくつかの実施形態によれば、Mは1に等しい。いくつかの実施形態によれば、Mは2に等しい。 いくつかの実施形態によれば、Nは3に等しい。
図95Aは、この明細書の教示に従う、複数の眺めを提供するように構成される内視鏡の先端部9510の実施形態を概略的に描写する。先端部9510は3つの光学システム9520、9530及び9540をそれぞれ備え、単一の画像撮像装置9550は感光面9552を有する。中央の光学システム9520は、中央レンズアセンブリ9522を備える。中央光学システム9520は前方を向いており、それによって、実質的に先端部9510の前方からの光を集めるように構成されている。中央光学システム9520は、そのように集めた光から、感光面9552の中央部分9552aの画像を生成するように更に構成され、それによって、先端部9510は前方を向いた眺めを提供できる。
左方光学システム9530は、左側方レンズアセンブリ9532と、左側方プリズム9534とを備える。左方光学システム9530は、左方方向と呼ぶ、先端部9510の前方方向と実質的に垂直な方向を向いており、それによって、実質的に先端部9510の左方方向からの光を集めるように構成される。左側方プリズム9534は、一般的に先端部9510の左方方向から来て左側方レンズアセンブリ9532によって集められる光を、画像撮像装置9550に向かって屈折させるように構成されている。左方光学システム9530は、左側方レンズアセンブリ9532がそのように集めた光から、感光面9552の左部分9552bの画像を生成するように更に構成され、それによって、先端部9510は左側方を向いた眺めも提供できる。左部分9552bは、中央部分9552aに対して実質的に横に位置付けられる。
右方光学システム9540は、右側方レンズアセンブリ9542と、右側方プリズム9544とを備える。右方光学システム9540は、右方方向と呼ぶ、先端部9510の前方方向と実質的に垂直な方向を向いており、それによって、実質的に先端部110の右方方向からの光を集めるように構成される。右側方プリズム9544は、一般的に先端部9510の右方方向から来て右側方レンズアセンブリ9542によって集められる光を、画像撮像装置9550に向かって屈折させるように構成されている。右方光学システム9540は、右側方レンズアセンブリ9542がそのように集めた光から、感光面9552の右部分9552cの画像を生成するように更に構成され、それによって、先端部9510は右側方を向いた眺めも提供できる。右部分9552cは、中央部分9552aに対して実質的に横に位置付けられる。
動作において、画像撮像装置9550から画像を得るように適合された任意の適切な技術を用いて、画像撮像装置9550から画像を得る。例えば、いくつかの実施形態では、画像撮像装置9550はCCDを備え、当該技術で既知であるように、CCDから画像を得ることには走査信号をCCDに適用することが含まれる。図95Bに概略的に描写されるように、画像撮像装置9550から得られる典型的な画像9560は、分割したスクリーンの形である。画像9560は一般に、3つの部分9552a、9552b及び9552cにそれぞれ関連付けられる、3つのフィールド9562a、9562b及び9562cを含み、各フィールドは、先端部9510によって中央の眺め、左方の眺め及び右方の眺めからそれぞれ得られる画像を含む。それ故に、当該技術で既知であるような任意の適切な画像処理技術を使用して、3つのフィールド9562a、9562b及び9562cに関連付けられる画像を分離し、3つの各眺めにそれぞれ関連付けられた、独立した静止画像、又は独立した一連のビデオ画像を形成する。
図96は、この明細書の教示に従い、3つの眺め、すなわち左方の眺め、前方の眺め、及び右方の眺めを提供するように構成される内視鏡の先端部9610の実施形態を概略的に描写する。先端部9610は、前方の眺め、左方の眺め、及び右方の眺めにそれぞれ関連付けられる、3つの光学システム9620、9630及び9640を備える。先端部9610は、感光面9652を有する単一の画像撮像装置9650を更に備える。先端部9610は、段階的な回転光学素子を更に備える。ある実施形態では、段階的な回転光学素子は、半透鏡9662を備える。別の実施形態では、段階的な回転光学素子は、レンズを備える。半透鏡9662を、制御可能に回転可能な素子(アクチュエータ又はステッピングモータ等)に関連付ける。コマンドに対して、制御可能に回転可能な素子は、半透鏡9662を回転させ、先端部9610によって得られる3つの眺めに関連付けられた、予め決めた3つの位置の1つに位置付ける。
左方光学システム9630は、左方方向と呼ぶ、先端部9610の前方方向と実質的に垂直な方向を向いており、それによって、実質的に先端部9610の左方方向からの光を集めるように構成される。半透鏡9662が位置9662aに位置付けられる時に、半透鏡9662は、左方光学システム9630によって集められる光を、画像撮像装置9650の感光面9652に向かって反射する。その結果、半透鏡9662が位置9662aに位置付けられる時に、左方光学システム9630及び半透鏡9662は共に、左方方向から集めた光から、感光面9652上に画像を生成するように構成され、それによって、先端部9610は左側方を向いた眺めを提供できる。
中央光学システム9620は前方を向いており、それによって、実質的に先端部9610の前方方向からの光を集めるように構成される。半透鏡9662が位置9662bに位置付けられる時に、光学システム9620によって集められる光は、半透鏡9662を貫通して、感光面9652に向かう。その結果、半透鏡9662が位置9662bに位置付けられる時に、中央光学システム9620及び半透鏡9662は共に、前方方向から集めた光から、感光面9652上に画像を生成するように構成され、それによって、先端部9610は前方を向いた眺めを提供できる。
右方光学システム9640は、右方方向と呼ぶ、先端部9610の前方方向と実質的に垂直な方向を向いており、それによって、実質的に先端部9610の右方方向からの光を集めるように構成される。半透鏡9662が位置9662cに位置付けられる時に、半透鏡9662は、右方光学システム9640によって集められる光を、感光面9652に向かって反射する。その結果、半透鏡9662が位置9662cに位置付けられる時に、右方光学システム9640及び半透鏡9662は共に、右方方向から集めた光から、感光面9652上に画像を生成するように構成され、それによって、先端部9610は右側方を向いた眺めを提供できる。
動作において、画像撮像装置9650から画像を得るように適合された任意の適切な技術を用いて、画像撮像装置9650から画像を得る。典型的には、画像撮像装置9650から画像を得ることに、予め決定した時間“Tim”をかけることができる。例えば、いくつかの実施形態では、画像撮像装置9650はCCDを備え、当該技術で既知であるように、CCDから画像を得ることには走査信号をCCDに適用することが含まれる。CCDから単一の画像を得るための時間“Tim”は、CCDを完全に走査する時間に実質的に相当する。いくつかの有益な実施形態によれば、半透鏡9662の回転を、画像撮像装置9650から画像を得る期間“Tim”に同期させる。例えば、左方の眺め、中央の眺め及び右方の眺めにそれぞれ対応する画像を順番に取得することは、以下のステップを反復することを含み、当該ステップとは、半透鏡9662を回転させて位置9662aに位置付けるステップと、左方の眺めの画像を取得するステップと、半透鏡9662を回転させて位置9662bに位置付けるステップと、前方の眺めの画像を取得するステップと、半透鏡9662を回転させて位置9662cに位置付けるステップと、右方の眺めの画像を取得するステップとである。
いくつかの実施形態によれば、先端部9610は、左方光学システム9630、中央光学システム9620、右方光学システム9640にそれぞれ対応する、左方シャッター9672a、中央シャッター9672b、及び右方シャッター9672cを備えるシャッターアセンブリ9670を更に備える。シャッターアセンブリ9670は、左方、前方及び右方の3つの方向の1つだけからの光を画像撮像装置9650へ通過させるように構成される。動作において、シャッターアセンブリ9670を実質的に半透鏡9662に同期させて、半透鏡9662を位置9662aに位置付けた時に、左方シャッター9672aは開いており、中央シャッター9672b及び右方シャッター9672cは閉じており、したがって、左方光学システム9630が集めた光に感光面9652上に画像を形成させて、前方方向から及び右方方向から来る光を遮断する。同様に、半透鏡9662を位置9662bに位置付けた時に、中央シャッター9672bは開いており、右方シャッター9672c及び左方シャッター9672aは閉じており、そして、半透鏡9662を位置9662cに位置付けた時に、右方シャッター9672cは開いており、左方シャッター9672a及び中央シャッター9672bは閉じている。
図97Aは、この明細書の教示に従い、3つの眺め、すなわち左方の眺め、前方の眺め、及び右方の眺めを提供するように構成される内視鏡の先端部9710の実施形態を概略的に描写する。先端部9710は、左方の眺め、前方の眺め及び右方の眺めにそれぞれ関連付けられた、3つの光学システム9720、9730及び9740を備える。先端部9710は、光学システム9720、9730及び9740にそれぞれ面する、3つの感光面9752a、9752b及び9752cを有する単一の画像撮像装置9750を更に備える。左方光学システム9720は、実質的に先端部9710の左方方向からの光を集めるように構成されるとともに、左方の感光面9752a上に画像を生成するように構成され、それによって、先端部9710は左側方を向いた眺めを提供できる。同様に、中央光学システム9730は、実質的に先端部9710の前方方向からの光を集めるように構成されるとともに、中央の感光面9752b上に画像を生成するように構成され、右方光学システム9740は、実質的に先端部9710の右方方向からの光を集めるように構成されるとともに、右方の感光面9752c上に画像を生成するように構成され、これらによって、先端部9710は中心及び右側方をそれぞれ向いた眺めを提供できる。
動作において、画像撮像装置9750から、それぞれの感光面からの画像を独立に取得する。いくつかの例示的な実施形態によれば、画像撮像装置9750は、3つのCCD素子を備え、この3つのCCD素子は共に組立てられて、3つの感光面9752a、9752b及び9752cをそれぞれ形成する。単一の走査回路は、3つのCCD素子を走査するために、複数の走査信号を供給する。いくつかの実施形態によれば、実質的に同じ走査信号を用いて、感光素子9752a、9752b及び9752cを走査する。したがって、3つの眺めに対応する画像、例えば3つのビデオストリームを、画像撮像装置9750から実質的に同時に取得する。
図97Bは、この明細書の教示に従い、3つの眺め、すなわち左方の眺め、前方の眺め、及び右方の眺めを提供するように構成される内視鏡の先端部9715の実施形態を概略的に描写する。先端部9715は、左方の眺め、前方の眺め及び右方の眺めにそれぞれ関連付けられた、3つの光学システム9725、9735及び9745を備える。先端部9715は、光学システム9725、9735及び9745にそれぞれ面する、3つの感光面9753a、9753b及び9753cを有する単一の画像撮像装置9755を更に備える。感光素子9753aと9753bとは、軟性の部材9754によって互いに機械的に接続されているとともに、感光素子9753bと9753cとは、軟性の部材9756によって互いに機械的に接続されている。組立てられるときに、感光素子9753aを感光素子9753bに対してある角度で傾けて配置し、当該角度を予め決定した範囲から選択する。
例えば、いくつかの実施形態では、感光素子9753aが感光素子9753bと垂直になるように、感光素子9753aを組立てる。いくつかの実施形態によれば、感光素子9753aが感光素子9753bに対して、0 °と90 °との間の所望の角度となるように、感光素子9753aを配置する。同様に、感光素子9753cが感光素子9753bに対してある角度で傾くように、感光素子9753cを配置して、当該角度を予め決定した範囲から選択する。いくつかの実施形態では、感光素子9753cを、感光素子9753bと垂直に組立てる。いくつかの実施形態によれば、感光素子9753cが感光素子9753bに対して、0 °と90 °との間の所望の角度となるように、感光素子9753cを配置する。いくつかの実施形態によれば、感光素子9753a及び9753bがそれぞれ面する方向に、左方光学システム9725及び右方光学システムを向けて配置する。いくつかの実施形態によれば、先端部9715は、必ずしも前方の眺めと垂直ではない、左方の眺め及び右方の眺めを提供する。いくつかの実施形態によれば、左方光学システム9725及び右方光学システム9745を、先端部9715の前方方法に対して、0 °から90 °の間の角度をなす、選択された方向からの光を集めるように、アライメントモジュールによって制御可能に傾ける。いくつかの実施形態によれば、左方光学システム9725及び/又は右方光学システム9745を上述したように制御可能に傾けた場合に、感光素子9753a及び9753cをそれぞれそれに応じて傾けて、それぞれ光学システム9725及び光学システム9745に向ける。いくつかの実施形態によれば、光学システム9725及び/又は9745を傾斜させることと、それに応じて、前方の眺めに垂直な方向から方向転換した、左方の眺め及び/又は右方の眺めを取得することとを、内視鏡検査の手技の間、リアルタイムで利用する。いくつかの実施形態によれば、画像撮像装置9755から画像を取得することを、上述したように画像撮像装置9750から画像を取得することと実質的に類似させる。
図98は、この明細書の教示に従う、複数の眺めを提供するように構成される内視鏡の先端部9810の実施形態を概略的に描写する。先端部9810は、3つの光学システム9820、9830及び9840それぞれと、中央画像撮像装置9850と側方画像撮像装置9860とを備える。中央画像撮像装置9850及び側方画像撮像装置9860はそれぞれ、感光面9852及び9862を有する。中央光学システム9820は、中央レンズアセンブリ9822を備える。中央光学システム9820は前方を向き、それによって、中央光学システム9820は実質的に先端部9810の前方方向からの光を集めるように構成されている。中央光学システム9820は、そのように集めた光から中央の感光面9852上に画像を生成するように更に構成されており、それによって、先端部9810は前方を向いた眺めを提供できる。
左方光学システム9830は、左側方レンズアセンブリ9832と、左側方プリズム9834とを備える。左方光学システム9830は、左方方向を向いており、それによって、実質的に先端部9810の左方方向からの光を集めるように構成される。左側方プリズム9834は、一般的に先端部9810の左方方向から来て左側方レンズアセンブリ9832によって集められる光を、側方画像撮像装置9860に向かって屈折させるように構成されている。左方光学システム9830は、左側方レンズアセンブリ9832がそのように集めた光から、側方感光面9862の左方部分9860aの画像を生成するように更に構成され、それによって、先端部9810は左側方を向いた眺めも提供できる。
右方光学システム9840は、右側方レンズアセンブリ9842と、右側方プリズム9844とを備える。右方光学システム9840は右方方向を向いており、それによって、実質的に先端部9810の右方方向からの光を集めるように構成される。右方プリズム9844は、一般的に先端部9810の右方方向から来て右側方レンズアセンブリ9842によって集められる光を、側方画像撮像装置9860に向かって屈折させるように構成されている。右方光学システム9840は、右側方レンズアセンブリ9842がそのように集めた光から、側方感光面9862の右方部分9860bの画像を生成するように更に構成され、それによって、先端部9810は右側方を向いた眺めも提供できる。右方部分9860bは、左方部分9860aに対して実質的に横に位置付けられる。
動作において、中央画像撮像装置9850から及び側方画像撮像装置9860から、画像を独立して取得する。図95の画像9560並びにフィールド9562a、9562b及び9562cについて実質的に上述したように、側方画像撮像装置9860から取得された画像は一般に、分割したスクリーンのフォーマットである。そして画像は、左方光学システム9830から及び右方光学システム9840からそれぞれ受け取った、左方の眺め及び右方の眺めに対応する、左方フィールド及び右方フィールドを有する。中央撮像装置9850から取得した画像は、前方方向の眺めにのみに対応する。
図99は、この明細書の教示に従う、複数の眺めを提供するように構成される内視鏡の先端部9910の実施形態を概略的に描写する。先端部9910は、3つの光学システム9920、9930及び9940それぞれと、両側性の画像撮像装置9550とを備える。両側性の画像撮像装置9550は、両側性の画像撮像装置9550の両側で、2つの感光面9952及び9954それぞれを有する。
中央光学システム9920は、中央レンズアセンブリ9922を備える。中央光学システム9920は前方を向き、それによって、中央光学システム9920は実質的に先端部9910の前方方向からの光を集めるように構成されている。中央光学システム9920は、そのように集めた光から中央の感光面9952上に画像を生成するように更に構成されており、それによって、先端部9910は前方を向いた眺めを提供できる。
左方光学システム9930は、左側方レンズアセンブリ9932と、左側方プリズム9934とを備える。左方光学システム9930は、左方方向を向いており、それによって、実質的に先端部9910の左方方向からの光を集めるように構成される。左側方プリズム9934は、一般的に先端部9910の左方方向から来て左側方レンズアセンブリ9932によって集められる光を、画像撮像装置9950に向かって屈折させるように構成されている。左方光学システム9930は、左側方レンズアセンブリ9932がそのように集めた光から、側方感光面9954の左方部分9954aの画像を生成するように更に構成され、それによって、先端部9910は左側方を向いた眺めも提供できる。
右方光学システム9940は、右側方レンズアセンブリ9942と、右側方プリズム9944とを備える。右方光学システム9940は右方方向を向いており、それによって、実質的に先端部9910の右方方向からの光を集めるように構成される。右方プリズム9944は、一般的に先端部9910の右方方向から来て右側方レンズアセンブリ9942によって集められる光を、画像撮像装置9950に向かって屈折させるように構成されている。右方光学システム9940は、右側方レンズアセンブリ9942がそのように集めた光から、側方感光面9954の右部分9854bの画像を生成するように更に構成され、それによって、先端部9910は右側方を向いた眺めも提供できる。右方部分9954bは、左方部分9960aに対して実質的に横に位置付けられる。
動作のいくつかの実施形態では、図97A及び97Bの上述した画像撮像装置9750及び9755から画像を得ることと実質的に同様に、画像撮像装置9950から画像を得る。 一般的に、両側性のCCD、又は背中合わせに組立てた2つのCCDを備える画像撮像装置9950の実施形態では、単一の走査信号を用いることができる。図98の側方画像撮像装置9860について実質的に上述したように、側方感光面9954から取得された画像は一般に、分割したスクリーンのフォーマットである。そして画像は、左方光学システム9930から及び右方光学システム9940からそれぞれ受け取った、左方の眺め及び右方の眺めに対応する、左方フィールド及び右方フィールドを有する。中央感光面9952から取得した画像は、前方方向の眺めにのみに対応する。
図90を再び参照して、複数のカメラからの同期した表示を医師に迅速且つリアルタイムに届けるために、カメラのセンサのそれぞれからの画像データをリアルタイムに処理して表示前に同期させるべきであることが理解されるはずである。このことは、待ち時間を最小限に抑える方法でなされるはずであり、その上高品質の出力を確保する。したがって、本明細書のビデオ処理アーキテクチャは、以下の3つの重要な機能性を可能にする。
a)資源を最適に供給する方法での、信号伝送、及びそれぞれのカメラに対する制御であり、それによって、ケーブルを通じて伝送する必要がある信号の総数を減少させ、依然として高い信号対雑音比を可能としながら信号伝送のためにより小さな/より薄いケーブルを使用できる能力をもたらす。
b)カメラのデータを、データを単独に処理して待ち時間が無いようにして、その後データを同期化させて、処理する。
c)表示するために処理したデータを、資源を最適に共有する方法で伝送する。
図100及び101を参照して、ビデオ処理アーキテクチャのこれらの機能を更に説明する。1つの前方カメラと2つの側方カメラとを用いる実施形態に対して、従来のビデオ処理システムは、それぞれのカメラがシステムに関連付けられる12の信号を有する、36の独立した信号の伝送を必要するであろう。この12の信号は、11の制御信号と、1つのビデオリターンとを含む。同様に、2つのカメラ(例えば、1つの前方カメラ及び1つの側方カメラ、又は2つの側方カメラのみ)を使用する実施形態に対して、従来のビデオ処理システムは、24の独立した信号の伝送を必要とするであろう。ある実施形態では、カメラを効果的に動作させて、カメラからビデオ信号を受け取るために、以下の信号を必要とする。
1.V01 − 垂直レジスタのクロック
2.V02 − 垂直レジスタのクロック
3.V03 − 垂直レジスタのクロック
4.V04 − 垂直レジスタのクロック
5.H01 − 水平レジスタのクロック
6.H02 − 水平レジスタのクロック
7.RG − リセットゲートクリック
8.VDD − 供給電圧(15V)
9.VL − 供給電圧(−7.5V)
10.SUB − 基板のクロック
11.LED − 発光ダイオードの電圧
12.Vout − ビデオ出力信号
13.Ground − 接地
接地信号は共通であるが、残りの36の信号(3つのカメラのそれぞれに対する12の信号)を図2A及び2Bの電子回路基板アセンブリ400等の回路基板へ送受信することは、許容可能な信号対雑音比を達成するために、直径約3ミリメートルのケーブルを必要とするであろう。内視鏡先端部の窮屈なスペースが与えられるこのケーブルは大きすぎる。より小さな直径のケーブルを使用することは、ビデオ信号が許容できない高レベルのノイズを持つことにつながるであろう。
前の図90を参照して、本実施形態では、より小さな直径(すなわち約2.5ミリメートル以下)のケーブルを用いることができ、その結果、内視鏡の内容積の貴重なスペースを節約する。そのようにするために、開示される(図90に表すような)ビデオコントローラ9020の実施形態では、従来必要とされた36の信号よりも少ない/小さい数の信号のセットを生成する。この信号のセットは、コントローラ9020によって内視鏡先端部の回路基板(図2A及び2Bの電子回路基板アセンブリ400等)へ伝送され、その後回路基板によって処理され、それぞれのカメラに必要とされる個別の命令信号を供給する。このことによって、システムは、36の相違する信号を使用する必要なしに、必要な信号のすべてを扱うことができる。また、3つのビュー素子を利用する内視鏡の実施形態に対して、開示されるビデオコントローラ9020の信号処理の詳細が説明されているが、この信号処理の詳細を、2つのビュー素子を利用する実施形態に同様に等しく適用できることを、当業者は理解するはずである。
ある実施形態では、第1の9つの制御信号(V01、V02、V03、V04、H01、H02、RG、VDD及びVL)が、内視鏡9010の光学的先端部のカメラ基板(図2A及び2Bの電子回路基板アセンブリ400等)で信号を分割するとともにカメラ頭部で分岐することによって、複数のカメラ間で供給される。残りの信号は共有されない。例えば、SUB信号は、「シャッター制御」のために使用されるため、それぞれのカメラに対して個別である。したがって、そのような実施形態では、システムは、3つのカメラに対して、個別のSUB1、SUB2及びSUB3信号を使用する。さらに、照明のために使用されるLED回路は、電力を別個且つ個別に受け取る。したがって、そのような実施形態では、LEDの電源電圧用に、3つの信号LED1、LED2及びLED3が存在する。9つの信号が共有されている状態で、3つのカメラで動作するために必要な信号の総数は、36から18へ減少する。18の信号には、3つの個別のビデオ出力信号が含まれる。したがって、開示されるビデオコントローラ9020は、カメラ/ビュー素子のそれぞれに特有な複数の信号と、カメラ/ビュー素子のそれぞれに特有ではない複数の共有の信号とを生成し、それによって、伝送する必要がある信号の総数を減少させる。
図100は、それぞれのカメラに対する、共有された信号及び個別の信号を列挙する表である。この図から理解されるように、信号のセット10001及び10002は、全てのカメラに対して共同に共有され又は共通である一方、信号のセット10003、10006及び10009は、前方カメラ、2つの側方カメラ及び対応するLEDに対して個別の信号である。他の信号の中で、機能接地10011は、スコープの、全てのカメラ及び更なる電子装置に対して、共通の信号である。信号「+3.3V、2次側が絶縁されている」10012、SCL_1 10013及びSDA_1 10014は、付加的な製造者情報を備える、電子装置(メモリ等)、スイッチ及びスイッチインタフェース等に対する、信号及び電源である。
図101は、カメラ基板10015をCCDカメラ及びビデオ処理ユニットの他の素子に接続する様々な信号を示す。この図から理解されるように、13のCCD制御信号(9つの信号は共通であり、1つの信号は接地であり、3つの信号SUB1、SUB2及びSUB3は個別である)10016が存在する。LED電源用の3つの信号10017、及びCCDカメラからの3つのビデオ前出力信号10018も存在する。
他の信号(3x CCIR 656デジタルビデオ、3xCVBS及び3xS-Video(S端子))は、他の要素の中の、FPGAプロセッサ、ビデオ出力インタフェース及びデジタル信号プロセッサ(DSP)等の要素とのインタフェースを提供する。図90を参照してこれらの要素を説明した。
信号を共有している一方で、許容可能な信号対雑音比(SNR)を維持するとともに出力画像の品質に関して妥協しないようにするための重大な動作上の制約に留意すべきであることを、指摘しておいてもよいだろう。前の図90を参照して、ある実施形態では、内視鏡のビデオ処理システム9020は、少なくともビデオ出力、RG、H1及びH2信号を、同軸型ケーブルによって送信及び/又は受信する。ある実施形態では、内視鏡のビデオ処理システム9020は、当該信号を、直径(厚さ)2.5ミリメートル以下のケーブルを使用して送信及び/又は受信する。ある実施形態では、内視鏡のビデオ処理システム9020は、当該信号を、46AWG以上の導体を使用して送信及び/又は受信して、許容できない信号対雑音比が生み出されることを防ぐ。
ある実施形態では、内視鏡のビデオ処理システム9020は、当該信号を、直径(厚さ)2.06ミリメートル以下のケーブルを使用して送信及び/又は受信する。ある実施形態では、内視鏡のビデオ処理システム9020は、当該信号を、6チャンネルを有する、42AWG以上の同軸ケーブルを使用して送信及び/又は受信する。
ある実施形態では、内視鏡のビデオ処理システム9020は、当該信号を、信号の数及び/又は帯域幅に基づいて大きさを決めたケーブルを使用して送信及び/又は受信する。例えば、あるシステムが総計18の個別の信号を送受信し、この18の信号のうち9の信号を2つ以上のカメラの間で共有する場合、そのシステムは、直径が2−2.5ミリメートルの範囲のケーブルを使用することができ、それによって、許容できる信号対雑音比及び許容できるケーブルのサイズを可能にする。当業者は、9つ未満の信号を含む、任意の数の信号を共有でき、それによって、それぞれのカメラに特有に生成される信号の数を増加させることができることに気付くはずである。しかしながら、ある実施形態では、6つ以下の信号を共有する場合には、送受信する個別の信号の総数が24にまで増加し、それによって、ケーブルの直径が2.5ミリメートルを超える、又は内部の導体を46AWGよりも小さくする(このことは、内部の導体を42AWG若しくは40AWGとすること、又は、2.5ミリメートル以下のケーブルの直径をとり続ける場合には内部の導体をそこから小さく変えること、を意味する)必要があり、このことは、許容できない信号対雑音比(SNR)につながるだけでなく、回路基板の要素を適切に組立てる(ハンダ付けする)能力を制限するであろう。したがって、本明細書のシステム9020は、SNRに関して妥協することなく信号を最適に共有する。本明細書の態様に従って、2つのカメラを有する内視鏡の実施形態では、2つのカメラのそれぞれに特有な信号の数を少なくとも2つにして、共有される信号の数を少なくとも6つにすることによって、信号の最適な共有が可能になる。また一方、3つのカメラを有する内視鏡の実施形態では、3つのカメラのそれぞれに特有な信号の数を少なくとも3つにして、共有される信号の数を少なくとも6つにすることによって、信号の最適な共有が可能になる。
信号の共有は、ビデオコントローラ9020に単一の共有の信号を回路基板(図2A及び2Bの電子回路基板アセンブリ400等)へ送信させることによって起こすことができる。回路基板はその後、1つ以上の予めプログラムされた機能を共有の信号に適用し、共有の信号を、3つのカメラを利用する内視鏡の実施形態では、3つのカメラに対して1つずつの、3つの別個の信号に変換する(又は、2つのカメラを利用する内視鏡の実施形態では、2つのカメラに対して1つずつの、2つの別個の信号に変換する)。「共有の信号」が、単一の目的地(特定の回路、プロセッサ若しくはセンサ等)へ送られ(又は単一の目的地を向き)、その後、分岐し、変調され、修正され又は操作されて、同じ種類の2つ以上の信号を作り出し、当該2つ以上の信号のそれぞれが異なる目的地(異なる回路、プロセッサ若しくはセンサ等)へ送られる(又は異なる目的地を向く)、信号であることを理解するはずである。「カメラ又はセンサに特有な」信号が、単一の目的地から別の目的地へ、送られ、向き又は送信される信号であることと、変調され、修正され又は操作されて、同じ種類の2つ以上の信号を作り出し、当該2つ以上の信号のそれぞれが異なる目的地(異なる回路、プロセッサ若しくはセンサ等)へ送られる(又は異なる目的地を向く)ように適合されていないこととを理解するはずである。ある実施形態では、予めプログラムされた機能は、受け取った信号を分流し、当該信号を使用するために増幅する。別の実施形態では、予めプログラムされた機能は、特定のカメラに特有な方法で、受け取った共有の信号を拡縮、調整、分割又は乗算する。ある実施形態では、信号の共有を効果的に達成するために、共通/共有の高速信号(H1、H2、RG又はカメラ基板で生み出される類似する信号等)を、以下のように生み出す。
・信号の供給源のインピーダンスに関して、同軸ケーブルのインピーダンスと整合させる。
・信号を供給源で、撮像素子(CCDセンサ等)と整合しない因子(ケーブルパラメータ等)及び他の因子に起因する外乱を補償するように、予め形成する。
・信号を予め形成するためのパラメータを、カメラ基板のオンボードメモリ内又はスコープ内に保存する。
・カメラの頭部(内視鏡の先端部)において、信号を撮像素子の間で分配する。
上述したように、それぞれのカメラは、自身の個別のビデオ出力信号を生成する。その後、この生ビデオデータを表示のために処理する。様々なカメラから受け取ったビデオストリームを、別々に、並べて又は交換可能にディスプレイに表示することができ、オペレータは様々なカメラからの眺めの間で手動で切り替えることができる。あるいは、これらのビデオストリームをコントローラで処理して、カメラの視野の間の重ね合わせに基づいて、パノラマ式の単一のビデオフレームに結合することができる。ある実施形態では、3つの出力ビデオストリームを、3つの異なるモニタに表示することができる。
ある実施形態では、それぞれのビデオ信号を別々に処理することにより、処理の速度を高める。しかしながらこのことは、信号間での同期が潜在的になくなるおそれがある。従来の撮像システムは、フレームグラバ又はメモリを使用して、異なるカメラを同期させる。しかしながら、従来の撮像システムは、かさばり、内視鏡システムで複数のカメラを同期させるのに適していない。この課題に対処するために、本明細書のシステムは、特定の同期信号を生成して、CCDセンサの出力を調整する。したがって、一実施形態に従って、共通/共有の信号は、全てのカメラに対する同期信号も含む。共有の信号は、全てのカメラに対するクロック信号も含む。共有の信号は、全てのカメラに対する電圧供給信号を含む。
図102A及び102Bは、例示的な同期方法を示すブロック図である。図102を参照して、本明細書のシステムのチップセットは、2つの主要要素であるDSP10201及びCDS10202を有する。CDS10202は、それぞれのCCDカメラのセンサ10203に対する同期信号を生み出す責任を持つ、カメラ基板の一部を含む。同期信号は、前に図100を参照して説明したように、H1、H2及びRG(水平HF同期)を含む。DSP10201は、CCDカメラから受け取った生ビデオデータを処理する。
最初に、同じ「クロック」は、3つのカメラの全てに送信される共通の信号を生成する。すなわち、クロックからの信号が増幅され、使用されて回路を駆動し、また使用されてビデオ処理回路のための残りの信号を同時にもたらす。
図102Bを参照して、ビデオ信号を同期させるために、CDS10204からのH1、H2及びRG信号は無視される。その代わりに、FPGAを使用することで、同期信号(CLK)10205がデジタル的に生成される。同期信号を明示的に生成することで、信号タイミング(位相)、信号周波数(信号幅)及び信号振幅を制御することができる。DSP10207は、CCD10206から受け取ったビデオデータを処理する。有効なRG信号に対してビデオ情報が正確にもたらされるように、CLK信号の位相、周波数及び振幅が調整される。CLK信号のパラメータを調整することによって、全てのカメラセンサからのビデオ信号を同時に駆動及びロックできる。
図103A及び103Bは、同軸ケーブルの高速CCD同期信号の時間遅延に対して補償する方法を示すブロック図である。図103Aを参照して、DSP10301は、CCD撮像素子10303のためのH1、H2及びRGを含む、複数の同期信号10310と、CDS(相関二重サンプリング)の要素10302のための複数の信号とを生み出す。CDS10302の機能の1つは、CCD撮像素子10303が生み出したビデオ前信号10320をサンプリングすることである。従来のビデオカメラでは、サンプリングが、ビデオ前信号がCDSに入ってくる時間と類似する時間で起こるように、撮像素子はDSP及びCDSと一緒に密接に(1つの基板に)設置される。長いケーブルを備えるシステムでは、CDSはDSPの近くに設置されたままであるが、CDS及びDSPの両方は撮像素子から遠く離れて設置されている。その結果として、ビデオ前信号はタイムラグを持ってCDSに入ってくる。その上、長いケーブルによって高速同期信号(H1、H2及びRG信号等)が遅延する。このタイムラグを補償するために、ある実施形態では、システムは図103Bに表すような更なる要素10304、10305及び10306を有する。これから図103Bを参照して、これらの要素は、高速信号H1*、H2*、RG* 10330を生み出し、DSP10307からの元の信号H1、H2、RG 10340を基準として利用する。ある実施形態では、要素10304はFPGAに設置されて、高速信号を形成するためのコード10350を生み出す。コード10350は、メモリ10308からの、スコープの種類に従い、任意の時点での信号の値を含むパラメータを利用する。ある実施形態では、要素10304は、元の信号を、スコープの種類に従うメモリ10308からのデータ/パラメータに基づいて修正する変調器、アダプタ又は変換器である。コード10350は、アナログデジタル変換器10305に入ってきて、H1、H2及びRGに類似するがケーブルの外乱の補償のために予め形成されたパルス10330に変換される。信号はADC10305から来て増幅器及びインピーダンス整合素子10306へ達する。
このように、本明細書のビデオ処理システムは、ケーブル補償の方法論も組込む。当業者は、様々な種類の内視鏡装置が、スコープ上で様々なケーブル長さを持つことを理解するであろう。ケーブル長さの変動は、3つのCCD全てがCCD側から期待されるように信号を経験するような方法で、同期信号を操ることによって、補償される。このことは、上述した手順に類似する、以下の手順によってなされる。この手順によって、同期信号のタイミング及び振幅が調整される。したがって、それぞれのケーブル長さに対して、異なるタイミング及び振幅を設定する。さらに、CCDからのフィードバックを「感知」し、それに基づいて適切なパラメータに合わせることで、この機構を自動化することもできる。
本明細書の態様に従って、様々な眺めをまとまりのある方法で管理するためのシステム及び方法を提供する。ある実施形態では、眺め間を切り替える機能性は、画像撮像の機能性と途切れなく一体化される。
ある実施形態では、ユーザ(医師)に、複数の眺めの間で切り替えて画像を取り扱うことに役立つ、単一かつ使いやすいインタフェースを提供する。インタフェースは、ユーザが内視鏡を様々な領域の至る所をより良く移動させることも支援する。ある実施形態では、ユーザインタフェースは、医師が奇形を検出することを支援し、医師がベストプラクティスガイドラインに従って内視鏡手技を行うことにも役立つ。
図104は、一実施形態に従い、単一の内視鏡10044とともに動作する3つのディスプレイ又はモニタ10041、10042及び10043を示す図である。代替的な実施形態では、ディスプレイ又はモニタの数は、1つ、2つ又は3つである。ある実施形態では、3つの分離したモニタ10041、10042及び10043は、水平方向に一連かつ一続きに位置付けられる。図90を参照して前に説明したように、本明細書のビデオ処理システムは、画像フィードを、内視鏡10044の先端部に位置付けられる3つの画像撮像要素又はカメラのそれぞれから受け取り処理する。ビデオ処理システムは、複数のフィードを同時にリアルタイムで同期性を持って表示できるように、3つの画像フィードをリアルタイムで同期性を持って処理する。したがって、処理された画像フィードは、モニタ10041、10042及び10043の少なくとも1つに同時に表示される。3つのモニタを使用する実施形態では、3つの画像フィードが3つの各モニタに同時に表示される。例えば、(前方向きカメラに対応する)第1の画像フィードが中央モニタ10042に表示され、(左側方向きカメラに対応する)第2の画像フィードが左方モニタ10041に表示され、一方(右側方向きカメラに対応する)第3の画像フィードが右方モニタ10043に表示される。単一のモニタが使用される実施形態では、(3つのカメラに対応する)3つの画像フィードは、単一のモニタスクリーンに同時に表示され、例えば、第1のフィードは中央に表示される一方、第2及び第3のフィードは、第1のフィードの両側に表示される。
当業者は、ディスプレイ又はモニタ10041、10042及び10043が、投影スクリーン、テレビジョン、コンピュータのモニタ、フラットパネル表示装置、液晶スクリーン、又は送信された画像を表示できる他の電子デバイスを含む、任意のスクリーンから成ることを理解するはずである。また、カメラからの画像フィードは、ビデオ信号又は映像となる単一の画像を構成する、一連のフレームから成る。
当業者は、内視鏡が重く操作が困難な機器であることを理解するであろう。したがって、内視鏡を扱う医師にとって、内視鏡と共に3つの異なるディスプレイ又はモニタを管理することは、作業をより困難且つ複雑にする。本明細書は、3つの眺めを持つことでユーザを支援し、ユーザが内視鏡手技を実行することを妨げないような、3つのスクリーン上の眺めの管理を簡略化するための、使いやすく直感的なインタフェースを提供する。
したがって、好ましい実施形態では、操作の制御を、内視鏡のハンドル自身に配置される複数のアクチュエータ10045によって提供する。本明細書のビデオ処理システムは、画像フィードのそれぞれを、複数のアクチュエータによってもたらされるコマンドに従って処理する。アクチュエータ10045は、ユーザからの入力を受け取ることができる、ボタン、キーボード、タッチセンシティブ面、ノブ、スイッチ又はパッドを含む、任意の種類のインタフェースから成ることが分かるはずである。これらのアクチュエータを使用することで、医師は容易に作業のために画像を取り扱うことができる。さらに、医師が、3つのディスプレイのどれがアクティブであるか、又は、制御装置がどの眺めに焦点を当てているかを、直ちに認識するために、ある実施形態では、関連する表示又はモニタに関する指標を提供する。例えば、第2のディスプレイ10042が現在アクティブである場合には、例として「スクリーン2」10046と称される指標がスクリーンに表示され、スクリーン周りのへりが強調され、又はアイコンがスクリーン上に点灯し若しくは点滅する。この表示は、医師が現在ディスプレイ10042に焦点を当てていることを意味し、医師は内視鏡のハンドルのアクチュエータ10045を更に使用して、眺めを管理する又は取り扱うことができる。
図105Aは、内視鏡のハンドル10051の例示的な構造を示す図である。アクチュエータ10052(ボタン等)を、押したときに、様々な眺めの間で切り替えるために使用できる。ある実施形態では、ボタン10052が押される度に、次の眺めが活性化する。上述したように、様々な眺めの間での切替を、同じモニタ上で行うことができ、又は異なるモニタ上で行うことができる。ボタン10053を使用して、表示されている、静止した形のビデオ又は画像をキャプチャすることができる。ボタン10054を使用して、ビデオを録画することができ、ボタン10054を再度押した時、同じボタン10054を用いて録画を停止することができる。ある実施形態では、録画機能が活性化された時に当該機能により、全ての眺めを同時に録画することができる。
図105Bは、ユーザが録画経過を追跡するのに役立つ、ディスプレイスクリーン上の、ビデオ録画の模範的な指標を示す図である。図105Bを参照して、アクティブなスクリーンの指標10055は、ユーザが焦点を当てているスクリーンを表示する。ユーザが、内視鏡のハンドルの関連するアクチュエータを押すことにより、録画を開始するとすぐに、アイコン(緑のアイコン10056等)がアクティブなスクリーン上に表示される。アイコン10056の隣の、タイマー10058を持つプログレスバー(プログレスバー10057等)も起動する。ユーザがアクチュエータを押して録画を終了させるとすぐに、プログレスバー及びタイマーが停止し、第2のアイコン(赤いアイコン10059等)がプログレスバー10057の端部に現れる。当業者は、アイコンをスクリーン上の任意の場所に配置できることを理解するであろう。
ある実施形態では、ボタン10052が、押されたときに、3つのモニタ上の3つの画像フィードの互いに対する位置を変える。これから図104及び105A、105Bを同時に参照して、ある実施形態では、デフォルトでは、第1の画像フィードが中央スクリーン上に表示され、第2の画像フィードが左方スクリーン上に表示され、及び第3の画像フィードが右方スクリーン上に表示される。ある実施形態では、ユーザは、ボタン10052を押すことで、第2の画像フィードを中央スクリーンに切り替えさせることができる一方で、第1及び第3の画像フィードはそれぞれ、右方及び左方スクリーンに直ちに表示される。もう一つの実施形態では、更に再度ボタン10052を押すことで、第3の画像フィードを中央スクリーンに切り替えさせる一方で、第1及び第2の画像フィードはそれぞれ、左方及び右方スクリーンに表示される。
同様に、3つの画像フィードが同時に単一のモニタに表示される実施形態では、ボタン10052を利用して、画像フィードの単一のモニタ上の互いに対する位置を切り替える。例えば、ある実施形態では、デフォルトでは、第1の画像フィードが単一のモニタの中央に表示され、第2の画像フィードが中央フィードの左方に表示され、及び第3の画像フィードが中央フィードの右方に表示される。ある実施形態では、ユーザは、ボタン10052を押すことで、第2の画像フィードを中央スクリーンに切り替えさせることができる一方で、第1及び第3の画像フィードはそれぞれ、右方及び左方の位置に直ちに表示される。もう一つの実施形態では、更に再度ボタン10052を押すことで、第3の画像フィードを中央に切り替えさせる一方で、第1及び第2の画像フィードはそれぞれ、左方及び右方の位置に表示される。
図106Aは、内視鏡のハンドル10061の別の例示的な構造を示す図である。ここで、アクチュエータ10062を左又は右に押すことで、アクチュエータ10062を使用して複数の表示の間で切り替えることができる。ある実施形態では、アクチュエータ10062はスクロールホイールであり、単に回転させて眺めの間で切り替えることができる。アクチュエータ10062の中心10063が押された場合に、アクチュエータ10062の中心10063を使用して、静止画像をキャプチャすることができる。ある実施形態では、中心アクチュエータ10063を「押下して固定する」動作により、ビデオ録画を開始する。アクチュエータ10063をもう一度押すことによって、録画を終了させることになる。前方及び反対方向それぞれに押すことで、表示されている画像をズームインする及びズームアウトするために使用することができる、別のアクチュエータ10064をハンドルに設ける。
図106Bは、ディスプレイ上の画像管理指標の別の例を示す図であり、アクティブなディスプレイを記号10065で表示する。ズーミングを、拡大縮小のためのそれぞれ標準的な「+」記号10067と「−」記号10068との間のスライダ10066によって表示する。(図106Aを参照して前に説明したように)ユーザが、内視鏡のハンドルのズーミングのための関連するアクチュエータを前方及び後方に移動させたときに、スライダ10069はそれに応じて前方又は後方に移動し、拡大縮小する。ユーザが静止画像をキャプチャするときに、アイコン10060が現れる。さらに、録画されたビデオが表示されているときに、再生、一時停止、停止、巻き戻し及び早送りの標準的な記号を表示するアクチュエータ又はボタンのセット10070が、スクリーン上に現れる。ディスプレイがタッチスクリーンを備える、ある実施形態では、アクチュエータのセット10070を使用して、録画されたビデオの表示を制御することができる。さらに、タッチスクリーンディスプレイでは、他のアイコン10069、10067、10068及び10060を使用して、当該アイコンが表す機能を達成することもできる。
本明細書によって、ある実施形態では、2つ以上の眺めを同時にアクティブにすることができる。これにより、一度に2つ以上の眺めを録画することができ、このことは特定の場合に対して医師にとって重大となることがある。図107は、色分けされた視覚的な合図、指標又はアイコン10071、10072及び10073それぞれを使用して、3つのディスプレイ10074、10075及び10076のどれがアクティブであるかを表示する、この構造を描写する。この例では、点滅する又はハイライト表示された色付きのアイコン10071及び10072が表すように、ディスプレイ10074及び10075がアクティブである。この図のアイコン10073は点滅又はハイライト表示されておらず、それによって、ディスプレイ10076が現在アクティブではないことを表示する。当業者は、他の任意の種類の指標又は強調表示(図104、105B及び106Bを参照して上述した「スクリーン1」、「スクリーン2」その他の記号等)を使用して、アクティブなディスプレイを強調できることを理解するであろう。ある実施形態では、左のカメラ、中央のカメラ及び右のカメラをそれぞれ表示及び/又は強調するために、文字“L”、“C”、“R”を使用する。
ある実施形態では、スクリーンを活性化又は不活性化させるために、対応する色分けされたアクチュエータ(ボタン等)を内視鏡のハンドル10080に設ける。したがって、この例の続きでは、ボタン10077、10078及び10079をそれぞれ使用して、対応するディスプレイ10074、10075及び10076を活性化し、又は対応するディスプレイ10074、10075及び10076に切り替える。2つ以上のボタンを押して、対応する数のディスプレイを活性化させることができる。ある実施形態では、ボタンを「押下して固定する」動作により、対応するディスプレイ上のビデオ録画を開始する。ボタンをもう一度押すことによって、録画を終了させることになる。別の実施形態では、ビデオ録画及び画像キャプチャのために別個のボタンを設けて、ボタン10077、10078及び10079の1つ以上を使用して所望のスクリーンを選択した後に、当該別個のボタンを使用する。
別の実施形態では、2つ以上の眺めを一度に選択又は活性化させるために、単一のアクチュエータ(図105Aのボタン10052として表す1つのボタン等)を使用する。したがって、例えば、左方の眺めのためにアクチュエータ10052を一度押し、再度押して中央の眺めに移行して、再度押して右方の眺めに移行して、再度押して左方及び中央の眺めを強調して、再度押して中央及び右方の眺めを強調して、再度押して3つの眺めの全てを強調する。ある実施形態では、2つ以上の眺めが選択されているときに「録画」機能のみを有効とする一方、他の機能(拡大縮小等)を無効とする。別の実施形態では、拡大縮小機能を有効とするが、2つ以上の眺めがアクティブである場合に、全てのアクティブな眺めで同一の拡大縮小を可能にする。図105A及び106Aに表すアクチュエータに類似する、録画及び拡大縮小アクチュエータを設ける。
図105A、106A及び107で例示するアクチュエータの構造を組み合わせて、単一の内視鏡のハンドルとして、表示の複数の機能性及び画像の取扱い(切り替え、画像のキャプチャ、ビデオの録画、画像の静止及び拡大縮小等)を容易に管理することができることに留意することができる。さらに、ここまでで説明していない他の画像取扱構成を、内視鏡のハンドルのボタン、ノブ又はスイッチによって組込むことができる。
図104から107を参照して説明するように、内視鏡のハンドルのアクチュエータ、及び/又は、タッチスクリーンベースのモニタのアイコン若しくは指標を操作することで、医師は、複数の画像フィードの取扱い(少なくとも1つのモニタ上の画像フィードのそれぞれの位置の変更、画像フィードの少なくとも1つのズームイン若しくはズームアウト、画像フィードの少なくとも1つの録画、画像フィードの少なくとも1つの静止、並びに/又は、画像フィード及び/若しくはモニタの少なくとも1つの強調等であるが、これらに限定されるものではない)を達成することができる。
一態様に従って、医師の要望及び必要性によって、1つ、2つ又は全ての画像フィードに対して、前述した取扱又は機能が同時に達成される。したがって、1つ、2つ又は全てのいずれかの画像フィードに対して、拡大縮小、録画、静止及び強調を同時に行うことができる。さらに、拡大縮小、録画又は静止は、対応する1つ、2つ又は3つの画像フィードを強調させる。画像フィードの「強調」は、当該フィードに重なる色付きの指標、画像フィードの周りの色付きのへり、画像フィードを指す矢印その他を含む、任意の形態の視覚的な表示から成ることが分かるはずである。
図108は、フローチャートによって、画像取扱構成の実現に関する手順を示す図である。図108を参照して、第1のステップ10081では、ユーザは構成を選択する(例えば、ユーザがどのチャンネル又はスクリーンで情報を眺める/表示することを望むかを決定する)。このことは、適切な眺めに、交代させる又は切り替えることを必要とするであろう。この目的のために、ステップ10082で、ユーザは、内視鏡のハンドルのボタンを押すこと、又はキーボード、マウス若しくはタッチスクリーンを使用すること等によって、入力コマンドを与える。ステップ10083で、(図90のビデオ処理システムの)専用のハードウェア及びソフトウェアがこの入力コマンドを処理し、ステップ10084で、対応する出力を、画像又はビデオの形で表示する。
画像/ビデオ処理に関係し、ユーザのコマンドに応答して処理するハードウェア要素を、図90を参照して前に上述した。図90をこれから参照して、リモートコマンド9014は、画像及びビデオの取扱コマンド(眺めの間での切り替え、最大化/最小化、拡大縮小、録画、静止、キャプチャ等)を含む。したがって、内視鏡9010から受け取る任意の入力(内視鏡のハンドルのボタンを使用して発行される、画像を取扱うためのリモートコマンド等)が、SOM9026によって処理される。前に言及したように、ユーザは画像取扱コマンドを、キーボード、マウス又はタッチスクリーンによって発行することもできる。この場合にも、コマンドはSOM9026によって処理される。ビデオ又は画像を録画するために、FPGA9023は、ビデオ又は画像を適切に処理して、ビデオ又は画像を記憶するためにDDRメモリ9033へ送信する。
したがって、上記の議論から、ユーザのコマンドに応答してオンスクリーンの表示を可能とし制御するための、主なソフトウェア及びハードウェア要素は、それぞれシステムオンモジュール(SOM)9026及びFPGA9023であることに留意することができる。先に言及したように、視覚的な合図をディスプレイ上に設けて、医師による画像取扱構成(眺めの間での切り替え、拡大縮小、録画、静止、キャプチャ等)の選択を支援する。ある実施形態では、録画、静止及び拡大縮小のための国際的な記号を関連するモニタ上に位置付けることができる。任意に、全ての視覚的な合図、又は選択された構成のための視覚的な合図のみが、主要パネル9035のLCDタッチスクリーン9055上に同様に現れることができる。例えば、ビデオを録画することの確認が、主要パネルのLCDスクリーン9055のみに現れることができる。
内視鏡を操作する医師が直面する共通の問題は、内視鏡先端部のビュー素子が組織に埋まり、それによって眺めが遮られ得ることである。この場合に、医師は、内腔(体腔)にたどり着くためにどの方向に移動するべきか、わからなくなるおそれがある。本明細書について3つのビュー素子を有することで、眺めが遮られる可能性は減少する。しかしながら依然として、スコープを操作する医師が、スコープをどこに移動させるべきかわからなくなる形で、内視鏡の先端部が、組織に埋まる又は体液に覆われるおそれがある。
さらに、内視鏡手技の過程中に、内視鏡は、内視鏡の移動方向を実質的に変更させる接合点に遭遇し、この接合点は前方向きビュー素子のみからでは通常見えないであろう。図109は、内視鏡が標準的な手技(内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)等)の間に遭遇し得る重大な移動接合点(CNJs)を示す図である。図109を参照して、CNJ110091、CNJ210092及びCNJ310093は、体腔内で急に曲がり、内視鏡の眺めを移動中に遮ることがある。CNJの定義を更に拡大して、興味対象目標領域(ポリープ、器官出口等)を含めることができる。
医師が障害に直面するときに、医師による移動を支援し、医師による内視鏡の再配置に役立てるために、ある実施形態において、本明細書は、医師が進むべき方向を理解するように、例えば表示される画像上で内腔(体腔)を視覚的に強調することによって、視覚的な移動指標又は移動経路の画像を重ねる。このことの例を図110Aに示し、この図では、内視鏡11002が異常な角度で差し込まれた時に、移動経路の画像(円形リング11001等)が興味対象領域を強調する。当業者は、任意の形の強調(内腔周りの境界の点滅、矢印又は異なる色等)を含む視覚的な移動指標又は経路の画像を使用して、興味対象領域又は所望の移動方向を指摘できることを理解するであろう。さらに、強調構成を更に拡大して、興味対象目標領域(ポリープ、器官出口等)を含めることができる。そのような例の1つを図110Aに表し、この図では矢印11003が病変11004を指し示す。
注目すべきは、視覚的な移動指標が、1つ、2つ又は3つ全てのいずれかの画像フィードに対して重ねられることである。
図110Bは、前方向きビュー素子と2つの側方向きビュー素子とを有する先端部を含む、内視鏡の移動経路を、上述した強調構成を使用することで可視化する方法に関するステップを示すフローチャートである。ステップ11012では、内視鏡を体腔の内腔に挿入する。ステップ11014では、内腔を通って内視鏡を移動させる。ここで内腔は、複数の接合点を含む移動経路を画定し、当該接合点で移動経路が実質的に変わる。その後、ステップ11016では、内視鏡を操作して、前方向きビュー素子及び側方向きビュー素子のそれぞれからのビデオ出力を、少なくとも1つのモニタ上へ表示する。このビデオ出力は、体の内腔内の移動経路を表す。ステップ11018では、少なくとも1つの視覚的な移動指標をモニタ上に表示する。その後、ステップ11020では、内腔を通して内視鏡を操作し、内視鏡が複数の接合点によって遮られる時には、操作がモニタ上の視覚的な強調によって案内される。
別の実施形態では、本明細書のシステムは、医師が内視鏡手技の間、ベストプラクティスガイドラインに従うことを更に支援する。内視鏡手技(大腸内視鏡検査等)の間、医師は最初に盲腸へ向かって結腸内を進めることが、当該技術で知られている。その後医師は、内視鏡を、盲腸から横行結腸及び直腸を通って体外まで徐々に後退させて、ポリープ等の奇形、病変その他を探す。胃腸の医者のベストプラクティスの1つは、経路を徹底的に調査するために、盲腸から体外まで進むのに少なくとも6分を費やす。
上述したベストプラクティスガイドラインに従っていることを、医師が明示するのに役立てるために、ある実施形態では、タイマーボタンをハンドルに設ける。医師が盲腸から内視鏡を引き出し始めた瞬間に、ボタンを活性化することができる。ボタンの活性化により、結腸の調査にかけた時間を記録する計時機構が開始される。ある実施形態では、計時している時に、タイマーが、ディスプレイに現れて、時間に基づいた、解剖学的領域を通り抜ける進行過程を視覚的に表すことができる。ある実施形態では、タイマーが、所定の及び設定された量の時間(6分等)で開始して、減少させる又は秒読みをすることで、ベストプラクティスガイドラインに従って調査に対して必要な最小限度の時間が伴うことを確保する。
ある実施形態では、複数のビュー素子からの同期された表示を迅速かつリアルタイムに医師に届けるために、撮像センサのそれぞれからの撮像データをリアルタイムで処理して表示前に同期化する。さらに、切り替え及び他の画像取扱構成を、画像キャプチャの機能性と統合又は同期化する。このことは、依然として高品質の出力を確保して、待ち時間を最小限とするような方法で行う。したがって、医師が眺めを見るためにクリックする時間と、対応する画像キャプチャ及び表示の時間との間に、時間のずれは無い。本明細書のビデオ処理アーキテクチャは、前に図90を参照して議論したように、以下のことを実行することでこの目的を達成する。
a)それぞれのビュー素子に対して、資源を最適に共有する方法で、信号を伝送/制御する。
b)ビュー素子のデータの処理において、データを別々に処理して待ち時間が無いことを確保し、その後データを同期化する。
c)表示のために処理したデータを、資源を最適に共有する方法で送信する。
本明細書の態様に従って、使用後にコネクタを容易に洗浄及び消毒することを可能とする、滑らかな内部表面を有するサービスチャンネルコネクタが提供される。大部分の医療機器を容易に挿入できるチャンネル寸法を持つ、サービスチャンネルコネクタも提供される。
図111Aは、本明細書の実施形態に従う、Y字型のサービスチャンネルコネクタを備える、内視鏡のハンドルを示す図である。ハンドル11100は、図1Aに関して説明したような他の要素と共に、内視鏡を主要コントローラ(図1Aの主要制御ユニット116等)に接続するためのアンビリカルチューブ/ユーティリティケーブル11102と、内腔内で挿入チューブ11106の屈曲部を操作するためのノブ11104と、サービスチャンネルポート11107とを備える。サービスチャンネルポート11107は、内視鏡のハンドルの中の下側の、ハンドルの先端部分に、内視鏡の挿入チューブと近接させて位置付けられる。本明細書のサービスチャンネルコネクタ(図111Bに表す)を、サービスチャンネルポート11107によって、内視鏡のハンドルに接続するとともに、吸引チャンネルが内視鏡のハンドルの中に存在する。
図111Bは、本明細書の一実施形態に従う、サービスチャンネルコネクタ11108の拡大図を示す。図示するように、サービスチャンネルコネクタ11108は、おおよそY字型であり、ある実施形態では、その手元側端部11109に、サービスチャンネル開口部11110と吸引チャンネル開口部11112とを備える。コネクタ11108の先端側端部11114は、作業チャンネル開口部によって挿入チューブ11106に接続される。手元側端部11109は、サービスチャンネル開口部11110を通じ、アンビリカルチューブに沿って延びて吸引ポンプに接続される吸引チャンネルを通じて、ハンドル11100のサービスチャンネルポート11107に接続される。医療機器(スネアニードル、生検鉗子等)を、作業チャンネル開口部によって、サービスチャンネル開口部11110を通じて挿入チューブ11106内へ挿入することができる。
図112は、従来のサービスチャンネルコネクタを示す図である。図示するように、サービスチャンネルコネクタ11200は、おおよそ“V字”として成形されている。サービスチャンネルコネクタ11200は最上部の手元側端部11202と底部の先端側端部11204とを備え、手元側端部11202は内視鏡装置のアンビリカルチューブを向いて配置され、先端側端部は内視鏡装置の挿入チューブを向いて配置される。手元側端部11202と先端側端部11204とは、平坦な面11206a並びに2つの面取りされた縁11206b及び11206cを有する第1の壁11206と、おおよそ“V字”の形状をとる第2の平坦な壁11208と、第2の壁に対向し、同様に“V字”の形状をとる第3の平坦な壁と、第1の壁11206に対向し、平坦な面11210a、並びに平坦な面11210aの両側の2つの面取りされた縁11210b及び11210cを有する第4の壁11210と、によって接続される。
最上部の手元側端部11202は、ある実施形態では、約2.5−5.5ミリメートルの大きさの内径を持つ、医療機器(スネア、ニードル、生検鉗子等)を挿入チューブ内に挿入するための、円形のサービスチャンネル開口部11212と、円形の吸引チャンネル開口部11214とを備える。第2の、手元側端部11204は、約2.5−5.5ミリメートルの内径を持ち、スコープの先端部の作業チャンネルが始まり出て行く、円形の作業チャンネル開口部を備える。サービスチャンネルコネクタ11200の、手元側端部11202から先端側端部11204までの、第1の壁11206に沿った長さは、約10−16ミリメートルの大きさである。
図113Aは、本明細書の一実施形態に従う、おおよそY字型のサービスチャンネルコネクタを示す図である。一実施形態では、サービスチャンネルコネクタを、分離された2つの、その後一緒に接合される部分で製造する。図113B及び113Cはそれぞれ、図113Aに表すサービスチャンネルコネクタの第1の部分の外観図及び内部/断面図を示す一方、図113D及び113Eはそれぞれ、図113Aに表すサービスチャンネルコネクタの第2の部分の外観図及び内部/断面図を示す。図113F及び113Gはそれぞれ、図113Aに表す完全なサービスチャンネルコネクタ11108を得るために一緒に接合される領域を強調した、サービスチャンネルコネクタの第1及び第2の部分の別の内部/断面図を示す。
本明細書で開示されるおおよそY字型のサービスチャンネルコネクタをこれから、図113A、113B、113C、113D、113E、113F及び113Gを参照して詳細に説明する。
図113Aに示すように、サービスチャンネルコネクタ11300は、おおよそY字型である。サービスチャンネルコネクタ11300は、サービスチャンネル開口部11302を含む最上部の手元側端部11301と、吸引チャンネル開口部11304とを有する。サービスチャンネルコネクタ11300は、図111Aに示すように、内視鏡のハンドル中の下側の、ハンドルの先端部分に、内視鏡の挿入チューブと近接させて位置付けられる。図113A及び113Cをこれから同時に参照して、サービスチャンネル11302a及び吸引チャンネル11304aは、互いに流体連通しており、結合して結合チャンネル11313を形成する。結合チャンネル11313は、約2.5−8ミリメートルの内径を有する作業チャンネル開口部/出口11306で終わる。ある実施形態では、作業チャンネル開口部/出口11306を、サービスチャンネルコネクタ11300の底部の先端側端部11303に位置付け、円形とする。ある実施形態では、作業チャンネル開口部11306を、内視鏡検査のために使用される挿入チューブに接続する。
米国特許仮出願第61/917,530号(2013年12月18日出願)、発明の名称「Suction Control Unit for An Endoscope Having Two Working Channels」の全内容を参照により本明細書に援用するものとする。
図113Aを参照して、ある実施形態では、最上部の手元側端部11301から底部の先端側端部11303までの壁11310に沿って測定した、サービスチャンネルコネクタ11300の長さは、約15−21ミリメートルであり、図112に表す従来のコネクタ11200の長さよりも長い。ある実施形態では、円形の作業チャンネル開口部/出口11306の内径は、約2.5−8ミリメートルであり、図112に表す従来のコネクタ11200の作業チャンネルの直径よりも大きい。本明細書で開示されるコネクタ11300の増加した長さ及び直径は、従来のコネクタ11200と比較して、より大きな医療機器をより円滑に/より容易に内視鏡の挿入チューブ内へ挿入することを可能にする。
吸引チャンネルを必要としないいくつかの実施形態では、サービスチャンネルコネクタ11300を、吸引チャンネル11304を持たずに構成することができる。2つのサービスチャンネルポートがハンドルに設置されているいくつかの実施形態では、ユーザに2つ以上のサービスチャンネルを持つ内視鏡を提供するために、2つのサービスチャンネル開口部11302を持つサービスチャンネルコネクタ11300を構成することができる。ある実施形態では、2つのサービスチャンネル開口部は、同じ内径を持つことができる。別の実施形態では、2つのサービスチャンネル開口部は、相違する内径を持つことができる。
図113A、113B及び113Dを同時に参照して、サービスチャンネルコネクタ11300は、第1の部分11308aと、第2の部分11308bと、第3の部分11308cとを含む、前方壁11308を備える。第1の部分11308aと第3の部分11308cとは、形状、構造及び寸法が同一であり、図に示すように部分11308aの両側に位置付けられており、前壁11308に関して面取りされた縁を形成する。前壁の部分11308a及び11308cは、前壁の部分11308bに対して角度を持って位置付けられる。図113A、113B及び113Dを更に参照して、サービスチャンネルコネクタ11300は、平坦な面11310aを持つ第1の部分と、平坦な面11310bを持つ第2の部分と、平坦な面11310cを持つ第3の部分とを有し、前壁11308に対向する、後方壁11310を備える。第1の部分11310aと第3の部分11310cとは、形状、構造及び寸法が同一であり、図に示すように部分111310bの両側に位置付けられており、部分11310に関して面取りされた縁を形成する。図113A、113B及び113Dを同時に参照して、サービスチャンネルコネクタ11300は、第1の側方壁11312と、対向する第2の側方壁11314とを更に備える。
図113Bを参照して、前方壁11308の第1の部分11308aは、互いに角度を持って接続される4つの部分11308a1、11308a2、11308a3及び11308a4を含む。部分11308a1は部分11308a2と接続され、部分11308a2は部分11308a3と接続され、部分408a3は部分408a4と接続される。
図113Dを参照して、一実施形態では、前方壁11308の第3の部分11308cは、形状、構造及び寸法が第1の部分11308aに対して同一であり、4つの鋸歯状の部分11308c1、11308c2、11308c3及び11308c4を含む。部分11308c1、11308c2、11308c3及び11308c4は、第1の部分11308aの部分11308a1、11308a2、11308a3及び11308a4と同一であり、部分11308a1、11308a2、11308a3及び11308a4と同じ方法で互いに接続される。
図113Bを参照して、前方壁11308の部分11308bは、互いに角度を持って接続される4つの部分11308b1、11308b2、11308b3及び11308b4を含む。一実施形態では、前方壁の部分11308の幅は、約4−8ミリメートルである。部分11308b1は部分11308b2と接続され、部分11308b2は部分11308b3と接続され、部分11308b3は部分11308b4と接続される。
図113A及び113Dを同時に参照して、一実施形態では、対向する後方壁11310は、第1の部分11310aと、第2の部分11310bと、第3の部分11310cとを含む。一実施形態では、3つの部分11310a、11310b及び11310cのそれぞれは実質的に、表面窪みがない直線状で長方形の形状である。一実施形態では、後方壁11310の3つの部分11310a、11310b及び11310cのそれぞれの長さはおおよそ15−21ミリメートルの範囲である一方、部分11310の幅はおおよそ4−8ミリメートルの範囲である。
図113A及び113Bを同時に参照して、第1の側壁11312は、第1の部分11312aと、第2の部分11312bと、第3の部分11312cとを含む。一実施形態では、図示するように、第1の部分11312aは、手元側端部11301でより幅広であり、先端側端部11303に向かって次第に細くなる。一実施形態では、第1の部分11312aの最大幅“ee”は、おおよそ10−16ミリメートルの範囲である。第2の部分11312bは、実質的に長方形状であり、第1の部分11312a及び第3の部分11312cと角度を持って接合される。図に表すように、第3の部分11312cも、実質的に長方形状で、コネクタ11300の先端側端部11303の作業チャンネル開口部で終わる。一実施形態では、部分11312aの総合長さ(“ff”として表す)、部分11312bの総合長さ(“gg”として表す)及び部分11312cの総合長さ(“hh”として表す)は、おおよそ15−21ミリメートルの範囲である。図113Aに示す実施形態では、部分11312aは、実質的に長方形状の部分11312b及び11312cと接続されたときに、おおよそY字形状をコネクタ11300に与える。
図113A及び113Dを同時に参照して、第2の側壁11314は、形状、構造及び設計が第1の側方壁11312に対して同一である。第2の側壁11314は、第1の部分11314aと、第2の部分11314bと、第3の部分11314cとを含む。一実施形態では、図113Dで表すように、第1の部分11314aは、手元側端部でより幅広であり、先端側端部11303bに向かって次第に細くなる。一実施形態では、第1の部分11314aの最大幅eeは、おおよそ10−16ミリメートルの範囲である。第2の部分11314bは、実質的に長方形状であり、第1の部分11314a及び第3の部分11314cと角度を持って接合される。図113Dに表すように、第3の部分11314cも、実質的に長方形状で、コネクタ400の先端側端部11303bの作業チャンネル開口部で終わる。一実施形態では、部分11314aの総合長さ、部分11312bの総合長さ及び部分11312cの総合長さは、おおよそ15−21ミリメートルの範囲である。図113Dに示す実施形態では、部分11314aは、11314b及び11314cと接続され、おおよそY字形状をコネクタ11300に与える。
図113Bは、本明細書の実施形態に従う、サービスチャンネルコネクタ11300の第1の部品11307の外部破断図を示す。一実施形態において、本明細書のサービスチャンネルコネクタ11300は、2つの個別に機械加工した部品である、図113B及び113Cに表す第1の部品11307と、図113D及び113Eに表す第2の部品11309とを備える。第1の部品11307と第2の部品11309とは、機械加工プロセスによって一緒に接合されて、図113Aに示す完全なサービスチャンネルコネクタ11300を形成する。
したがって、後述するように、本明細書は、ある実施形態では2部品構造に基づく、サービスチャンネルコネクタを提供する。コネクタは、2つの部品を備え、両部品は機械加工プロセス(ミリング加工等)を用いて別々に構成される。2つの部品を別々に構成することで、部品の内壁が、滑らかであり、残留物を保持しうる縁又は溝を含まないことを確保する。このことにより、コネクタを徹底的に洗浄及び消毒することができる。互いの鏡像である2つの部品は、互いの上に設置されて、一緒に溶接する前に正確に位置合わせされる。2つの部品の接合を、継ぎ目に沿った、目に見える縁又は隙間を排除するような方法で正確に行う。したがって、接合された縁に沿って残留物が蓄積される危険性が取り除かれ、それによって、コネクタの汚染の危険性が取り除かれる。
一実施形態では、第1の部品11307及び第2の部品11309のそれぞれを、ステンレス鋼の材料から、機械加工プロセス(ある実施形態ではミリング加工)を使用することで構成する。ミリング加工は、不要な材料を切削することで、部品に関して様々な構成を生み出すことができる材料除去加工である。ミリングは、軸方向に対称ではなく、多数の構成(穴、スロット、ポケット等)を有つ部品を生み出すために典型的に使用される。さらに、一実施形態では、図113Aに示す完全なY字型のサービスチャンネルコネクタ11300を得るために、レーザ溶接プロセスを使用して、2つの部品11307、11309を接合する。
様々な実施形態では、2つの部品11307、11309は互いの鏡像であり、接合する前に正確に位置合わせされて一緒に設置される。
ある実施形態では、図113Bに示す第1の部品11307は、サービスチャンネル開口部11302/サービスチャンネル11302aの少なくとも一部、及び、吸引チャンネル開口部11304/吸引チャンネル11304aの少なくとも一部を含む、最上部の近位端部11301aと、作業チャンネル開口部11306の少なくとも一部を含む、底部の先端側端部11303aと、第1の側壁11312と、4つの鋸歯状の部分11308a1、11308a2、11308a3及び11308a4を含む、前方壁11308の部分11308aと、4つの鋸歯状の部分11308b1、11308b2、11308b3及び11308b4の区域を含む、前方壁の部分11308bの少なくとも区域と、部分11310a、及び部分11310bの区域を含む、対向する後壁11310の少なくとも区域とを備える。
図113Cは、本明細書の実施形態に従う、サービスチャンネルコネクタ11300の第1の部品11307の内部/断面図を示す。図113Cを参照して、第1の部品11307は、サービスチャンネル11302aの部分と、吸引チャンネル11304aの部分とを含む。第1の部品11307は、作業チャンネル開口部/出口11306をもたらす結合チャンネル11313を更に備え、結合チャンネル11313でサービスチャンネル11302a及び吸引チャンネル11304aが結合する。様々な実施形態において、作業チャンネル開口部11306は、内視鏡の挿入チューブと接続する。サービスチャンネル開口部11302、ひいてはサービスチャンネル11302a内に挿入される医療機器は、作業チャンネル開口部11306によって、挿入チューブに入る。サービスチャンネル11302aは、広い第1の区域11324と、より狭い第2の区域11326とを有し、これらの区域は結合して結合チャンネル11313になる。一実施形態では、広い第1の区域11324の直径はおおよそ2.5−8ミリメートルの範囲である。一実施形態では、部分11316の角度が、図112に関して上述したような11200の部分11204と部分11212との間に見つかる角度と比較してより広いことに起因する、結合チャンネル11313の長さにより、大きな医療用器材を容易且つ円滑に、サービスチャンネル開口部11302を通り、作業チャンネル開口部11306を経由して内視鏡の挿入チューブ内へ挿入できる。装置の機能性を害することなく医療用器材を挿入チューブ内に挿入できるとともに、スコープ内に医療用器材を押し入れるときに、医師が力を働かせる必要がないような結合チャンネル11313内のより広い角度を可能とするように、結合チャンネル11313の長さは適合される。
図113Cに表すコネクタ11300の内部断面図に見られるように、吸引チャンネル11304は、次第に細くなり、したがって、コネクタ11300の長手軸線に沿って直径が減少する。図113Aを参照して、一実施形態では、コネクタ11300の最上部/手元側端部11301に配置される吸引チャンネル11304の開口部の直径は、血餅、粘液、老廃物等を取り除くするように適合される。また、当該直径は、高粘度、大サイズ又は大量の流体を有する、内腔の物質(凝固血液、組織片、粘液、老廃物等)を吸引するときの、高い吸引荷重を扱うように適合される。一実施形態では、吸引チャンネル11304aは、サービスチャンネル11302aよりも狭く、先端側端部11303で結合チャンネル11313と結合する。図113Cを参照して、一実施形態では、サービスチャンネル11302a及び吸引チャンネル11304aは、サービスチャンネル11302a及び吸引チャンネル11304aの境界輪郭を画定する壁11372によって部分的に分離されている。壁11327はコネクタ11300内部に閉ざされたチャンネルを生み出さないことに留意すべきである。結合チャンネル11313は、コネクタ11300の先端側端部11303aの作業チャンネル開口部11306で終わる。サービスチャンネルコネクタ11300の第1の部品11307はミリング加工によって製作されるため、コネクタの全ての内壁は、滑らかであり、汚染の原因となる残留物が蓄積するおそれがある、起伏のある部分/ニッチを含まない。
図113Dは、本明細書の実施形態に従う、サービスチャンネルコネクタ11300の第2の部品11309の外観図を示す。ある実施形態では、第2の部品11309は、サービスチャンネル開口部11302/サービスチャンネル11302aの少なくとも一部、及び、吸引チャンネル開口部11304/吸引チャンネル11304aの少なくとも一部を含む、最上部の近位端部11301bと、作業チャンネル開口部11306の少なくとも一部を含む、底部の先端側端部11303bと、第2の側壁11314と、4つの鋸歯状の部分11308c1、11308c2、11308c3及び11308c4を含む、前方壁11308の部分11308cと、4つの鋸歯状の部分11308b1、11308b2、11308b3及び11308b4の区域を含む、前方壁の部分11308bの少なくとも区域と、部分11310c、及び部分11310bの区域を含む、対向する後壁11310の少なくとも区域とを備える。
図113Eは、本明細書の実施形態に従う、サービスチャンネルコネクタ11300の第2の部品11309の内部/断面図を示す。図113Eを参照して、第2の部品11309は、サービスチャンネル11302aの部分と、吸引チャンネル11304aの部分とを含む。第2の部品11309は、作業チャンネル開口部/出口11306をもたらす結合チャンネル11313を更に備え、結合チャンネル11313でサービスチャンネル11302a及び吸引チャンネル11304aが結合する。サービスチャンネル11302aは、広い第1の区域11324と、より狭い第2の区域11326とを有し、これらの区域は結合して結合チャンネル11313になる。一実施形態では、広い第1の区域11324の直径はおおよそ2.5−8ミリメートルの範囲である。一実施形態では、部分11316の角度が、図112に関して前に詳述したような11200の部分11204と部分11212との間に見つかる角度と比較してより広いことに起因する、結合チャンネル11313の長さにより、挿入される大きな医療用器材を容易且つ円滑に、サービスチャンネル開口部11302を通り、結合チャンネル11313を通り、続いて作業チャンネル開口部11306を経由して内視鏡の挿入チューブ内へ挿入できる。装置の機能性を害することなく医療用器材を挿入チューブ内に挿入できるとともに、スコープ内に医療用器材を押し入れるときに、医師が力を働かせる必要がないような結合チャンネル11313内のより広い角度を可能とするように、結合チャンネル11313の長さは適合される。
図113Eに表すコネクタ11300の内部断面図に見られるように、吸引チャンネル11304は、次第に細くなり、したがって、コネクタ11300の長手軸線に沿って直径が減少する。図113Eを参照して、一実施形態では、サービスチャンネル11302a及び吸引チャンネル11304aは、サービスチャンネル11302a及び吸引チャンネル11304aの境界輪郭を画定する壁11372によって部分的に分離されている。壁11327はコネクタ11300内部に閉ざされたチャンネルを生み出さないことに留意すべきである。結合チャンネル11313は、コネクタ11300の先端側端部11303bの作業チャンネル開口部11306で終わる。サービスチャンネルコネクタ11300の第2の部品11309はミリング加工によって製作されるため、コネクタの全ての内壁は、滑らかであり、汚染の原因となる残留物が蓄積するおそれがある、起伏のある部分/ニッチを含まない。
一実施形態では、サービスチャンネルコネクタ11300の2つの部品11307、11309を、射出成形プロセスを使用し、このプロセスに適切な材料(金属、ポリマー等)を用いて製作することができる。
一実施形態では、円形のサービスチャンネル開口部11302は、医療機器(スネア、ニードル、生検鉗子等)を挿入チューブ内に挿入するために、おおよそ2.5−8ミリメートルの範囲の大きさの内径を持つ。したがって、Y字型のコネクタ11300中の作業チャンネル11306の内径は、図112に表す従来のコネクタ11200の作業チャンネルの内径よりも大きい。作業チャンネル11306のより大きな直径と、コネクタ11300内に設けられた長い結合チャンネル11313に起因するY字形状との組み合わせによって、約2.8ミリメートルの大きさの、大きな医療機器も円滑に内視鏡の挿入チューブ内へ挿入することができる。
図113Fは、本明細書の実施形態に従い、溶接される縁を表す、サービスチャンネルコネクタ11300の第1の部品11307の断面図を示す。図示するように、第1の部品11307は、前方壁11308の部分11308bに隣接した縁に沿って延びる領域11330と、後方壁11310の部分11310bに隣接した縁に沿って延びる領域11332と、壁11327の最上部/手元側部分である領域11334を、を含む。一実施形態では、領域11330、11332及び11334の長さ及び幅は、より大きい直径のサービスチャンネル11302a、吸引チャンネル11304a及び作業チャンネル11306を提供するように適合される。
図113Gは、本明細書の実施形態に従い、溶接される縁を表す、サービスチャンネルコネクタ11300の第2の部品11309の別の断面図を示す。図示するように、第2の部品11309は、前方壁11308の部分11308bの部分に隣接した縁に沿って延びる領域11336と、後方壁11310の部分11310bに隣接した縁に沿って延びる領域11338と、壁11327の最上部/手元側部分である領域11340と、を含む。一実施形態では、領域11336、11338及び11340の長さ及び幅は、より大きい直径のサービスチャンネル11302a、吸引チャンネル11304a及び作業チャンネル11306を提供するように適合される。
領域11322を領域11338と位置合わせして、領域11330を領域11336と位置合わせして、領域11334を領域11340と位置合わせして、正確に位置合わせされた後、レーザ溶接等のプロセスを使用することで、これらの領域を一緒に接合する。
したがって、本明細書は、ある実施形態では2部品構造に基づく、サービスチャンネルコネクタを提供する。コネクタは、2つの部品を備え、両部品は機械加工プロセス(ミリング加工等)を用いて別々に構成される。2つの部品を別々に構成することで、部品の内壁が、滑らかであり、残留物を保持しうる縁又は溝を含まないことを確保する。このことにより、コネクタを徹底的に洗浄及び消毒することができる。互いの鏡像である2つの部品は、互いの上に設置されて、一緒に溶接する前に正確に位置合わせされる。2つの部品の接合を、継ぎ目に沿った、目に見える縁又は隙間を排除するような方法で正確に行う。したがって、接合された縁に沿って残留物が蓄積される危険性が取り除かれ、それによって、コネクタの汚染の危険性が取り除かれる。さらに、本明細書のサービスチャンネルコネクタをミリング加工を使用して構成するため、従来技術のコネクタと比較して、サービスチャンネルについて、より長い長さ、及び/又はより大きな直径を有するY字形状が得られる。これにより、コネクタのサイズを従来技術のコネクタと比較して実質的に大きくする必要なしに、より大きな医療機器を、サービスチャンネルを経由して円滑に挿入することができる。
上記の例は、本発明のシステムの多数の応用の単なる例示である。本発明の少数の実施形態のみを本明細書で説明したが、本発明の精神又は範囲から離れることなく、本発明を多数の他の特定の形態で具体化できることを理解できるはずである。したがって、これらの例及び実施形態を例示であると考え限定的であるとは考えず、本発明を添付の特許請求の範囲の範囲内で変更することができる。