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JP2016223509A - 環状バルブ及び再生エネルギー型発電装置 - Google Patents

環状バルブ及び再生エネルギー型発電装置 Download PDF

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JP2016223509A JP2015109740A JP2015109740A JP2016223509A JP 2016223509 A JP2016223509 A JP 2016223509A JP 2015109740 A JP2015109740 A JP 2015109740A JP 2015109740 A JP2015109740 A JP 2015109740A JP 2016223509 A JP2016223509 A JP 2016223509A
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Abstract

【課題】、バルブの不安定挙動やバルブの損傷を抑制し得る環状バルブ及び再生エネルギー型発電装置を提供する。
【解決手段】環状開口の外周縁と内周縁とによって形成されるシート部を有する環状弁座と、前記シート部に直交する方向に沿って移動可能に構成されたロッドと、前記環状弁座に対向して設けられ、前記ロッドに固定される環状弁体と、前記環状開口が前記環状弁体によって閉塞されるように前記環状弁体が前記環状弁座の前記シート部に当接する閉弁位置と、前記環状開口が開放されるように前記環状弁体が前記環状弁座の前記シート部から離れる開弁位置との間で、前記環状弁体を動かすための弁体移動ユニットと、を備え、前記環状弁座の前記シート部は、前記環状開口の前記外周縁を含む第1環状領域、および、前記環状開口の前記内周縁を含む第2環状領域において、前記閉弁位置にある前記環状弁体に面接触するように構成される。
【選択図】 図4

Description

本開示は、環状バルブ及び再生エネルギー型発電装置に関する。
一般に、環状に形成された流路を開閉するための環状バルブが知られている。環状バルブは、例えば油圧機械において作動室に連通する環状の油圧流路に設けられ、環状バルブの開閉によって作動室への作動油の流出入が制御されるようになっている。
例えば、特許文献1乃至4には、ロッドと、ロッドと共に移動可能に構成された弁体と、環状開口の外周側および内周側において弁体が当接可能に構成された弁座と、を備えた環状バルブが記載されている。
このような環状バルブにおいては、着座時における弁体と弁座の当接面が、環状開口の内周側と外周側のそれぞれにおいて環状となる。そのため、閉弁時において確実に環状開口を塞ぐことができるように、通常、弁体又は弁座の何れか一方には、環状の当接面の径方向中央部が他方に向けて突出するように当接面の断面が湾曲したシーリングリッジ(外周側シーリングリッジ及び内周側シーリングリッジ)が設けられている。
国際公開第2010/057494号 国際公開第2010/073040号 米国特許出願公開第2011/0220230号明細書 国際公開第2013/118182号
ところで、上述したような環状バルブにおいては、環状流路における流量が大きい場合、バルブの動作遅れ(例えば閉弁遅れ又は開弁遅れ)や意図せぬ動き等の不安定挙動が発生することがある。また、バルブの不安定挙動や流体の流れに起因して、バルブの損傷が発生する可能性もある。特に、大型の環状バルブにおいては、環状流路を流れる流体の流量が増大するため、バルブの不安定挙動やバルブ損傷のリスクが高く、従来の設計では十分な性能が得られないおそれがある。
本発明の少なくとも幾つかの実施形態の目的は、バルブの不安定挙動やバルブの損傷を抑制し得る環状バルブ及び再生エネルギー型発電装置を提供することである。
(1)本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る環状バルブは、
環状開口の外周縁と内周縁とによって形成されるシート部を有する環状弁座と、
前記シート部に直交する方向に沿って移動可能に構成されたロッドと、
前記環状弁座に対向して設けられ、前記ロッドに固定される環状弁体と、
前記環状開口が前記環状弁体によって閉塞されるように前記環状弁体が前記環状弁座の前記シート部に当接する閉弁位置と、前記環状開口が開放されるように前記環状弁体が前記環状弁座の前記シート部から離れる開弁位置との間で、前記環状弁体を動かすための弁体移動ユニットと、を備え、
前記環状弁座の前記シート部は、前記環状開口の前記外周縁を含む第1環状領域、および、前記環状開口の前記内周縁を含む第2環状領域において、前記閉弁位置にある前記環状弁体に面接触するように構成される。
上記(1)の環状バルブによれば、環状弁座のシート部は、環状開口の外周縁を含む第1環状領域、および、環状開口の内周縁を含む第2環状領域において、閉弁位置にある環状弁体に面接触するように構成されている。
そのため、環状バルブの開弁動作時又は閉弁動作時に、シート部と環状弁体との面接触領域でのスクイーズ膜によるダンピング効果によって環状弁体の動きが安定化し、バルブの動作遅れ(例えば開弁遅れ又は閉弁遅れ)や意図せぬ動き等のバルブの不安定挙動を抑制することができる。
さらに、環状バルブの開弁動作時又は閉弁動作時に、スクイーズ効果(流体抵抗力)によって環状弁体が減速されるため弁体の衝撃が緩和されること、および、面接触領域ではシート部と環状弁体とで微小な平面隙間が形成されるため流速が低下してエロージョンが抑制されること、から環状バルブの損傷を抑制することができる。
なお、面接触領域とは、シート部のうちの第1環状領域の面と該第1環状領域に面接触する環状弁体の面とを含む領域、および、シート部のうちの第2環状領域の面と該第2環状領域に面接触する環状弁体の面とを含む領域をいう。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記環状弁体は、
前記閉弁位置において前記シート部の前記第1環状領域および前記第2環状領域と面接触する弁体部と、
ロッドに固定される固定部と、
前記弁体部と前記固定部とを連結する連結部と、
を含み、
前記連結部は、前記ロッドに沿った方向についてのばね定数が9kN/mm以上である。
一般に、環状バルブにおいては、開弁動作時又は閉弁動作時において、流体の流れにキャビテーションが発生し、このキャビテーションによって、環状バルブの不安定挙動を引き起こすことがある。
本発明者らは鋭意検討の結果、キャビテーションが発生する事象は、開弁動作時又は閉弁動作時において、環状バルブ周りの流体の流れが不均一となることが一因であることを見出した。すなわち、環状バルブ周りの流体の流れが不均一となると、環状開口を流れる流体の圧力差に起因して弁体部がシート部に対して傾斜してしまい、開弁動作時又は閉弁動作時において、一時的に、弁体部の周方向における一部のみがシート部に接触し、他の部位は非接触となることがある。この状態では、弁体部とシート部との非接触部位において隙間が生じているため、この隙間にジェット流が形成されて流体中にキャビテーションが発生してしまう。
そこで、上記(2)の構成では、弁体部と固定部とを連結する連結部における、ロッドに沿った方向についてのばね定数を9kN/mm以上としている。これにより、環状弁体の剛性を向上でき、弁体部がシート部に対して傾斜することを抑制できる。そのため、開弁動作時又は閉弁動作時において、弁体部とシート部とが部分的に非接触となって隙間が形成されてしまい、この隙間を流れるジェット流によってキャビテーションが発生する事態を回避できる。よって、キャビテーションの発生に起因した環状バルブの不安定挙動を抑制できる。
(3)一実施形態では、上記(2)の構成において、
前記連結部は、周方向における異なる位置に設けられ、前記ロッドと前記弁体部とを連結する複数の連結アームを含み、
各々の前記連結アームは直線状に延在している。
上記(3)の構成によれば、周方向における異なる位置に、ロッドと弁体部とを連結する複数の連結アームが設けられており、これらの連結アームがそれぞれ直線状に延在しているので、環状弁体の剛性をより一層高めることができ、キャビテーションの発生を効果的に防止することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記環状弁体は、
前記環状弁座に対向する第1表面と、
前記第1表面とは反対側に位置する第2表面と、
を有し、
前記環状開口の軸方向において前記環状弁体を挟んで前記環状弁座の反対側に位置し、前記開弁位置にある前記環状弁体の前記第2表面および外周面を少なくとも部分的に覆う弁体シュラウド部をさらに備える。
上記(4)の構成によれば、開弁位置にある環状弁体の第2表面(環状弁座に対向していない側の面)および外周面を少なくとも部分的に覆うように弁体シュラウド部が設けられているので、開弁状態(環状弁体が開弁位置にある状態)において、環状弁座から離れている環状弁体が流体の流れによって環状弁座側へ押されることが抑制される。このため、流体の圧力や流量にかかわらず、環状弁体の動きの安定化が図れる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記弁体シュラウド部は、
前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
を含み、
前記環状弁体が前記開弁位置にあるとき、前記リム部の先端面と、前記環状弁体の外周縁部における表面との間の前記環状開口の中心軸に沿った距離をdとし、前記環状弁体の前記外周縁部における厚さをtとしたとき、d≦0.05tの関係を満たす。
上記(5)の構成においては、環状弁体の第2表面がベース部によって覆われ、且つ、環状弁体の外周面がリム部によって覆われている。また、環状弁体が開弁位置にあるとき、リム部の先端面と環状弁体の外周縁部における表面との間の距離dと、環状弁体の外周縁部における厚さdとが、d≦0.05tの関係を満たしている。すなわち、環状弁体が開弁位置にあるとき、環状弁体の外周面の殆どの部分又は全部がリム部によって覆われている。これにより、開弁状態において、環状弁体を流体の流れから効果的に保護し、環状弁体の動きをより一層安定化することができる。
(6)一実施形態では、上記(4)又は(5)の構成において、
前記弁体シュラウド部は、
前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
を含み、
前記環状弁体が前記開弁位置にあるとき、前記リム部の内周面と、前記環状弁体の外周面との間には隙間が形成され、
前記隙間は、前記環状弁体の外径をDとしたとき、0.005D以上の大きさを有する。
上記(6)の構成によれば、リム部の内周面と環状弁体の外周面との間に隙間が形成されており、この隙間は、環状弁体の外径をDとしたとき、0.005D以上の大きさを有する。これにより、環状弁体と弁体シュラウド部との間に、隙間を介して流体が円滑に流出入するため、開弁動作時又は閉弁動作時における環状弁体の背圧の影響を低減でき、環状弁体の応答速度を向上させることができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(4)乃至(6)の何れかの構成において、
前記弁体シュラウド部は、
前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
を含み、
前記リム部の根本部は、前記ベース部に近づくにつれて前記根本部の厚さが増加するように構成される。
上記(7)の構成によれば、リム部の根本部の厚さが、ベース部に近づくにつれて増加するため、リム部において流体の流れに耐え得る強度を確保することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(4)乃至(7)の何れかの構成において、
前記弁体シュラウド部は、
前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
を含み、
前記環状弁体の前記第1表面から前記第2表面に向かって、前記リム部の先端面における内周縁から前記環状弁体の外周面までの半径方向距離が増加する。
上記(8)の構成では、環状弁体の第1表面から第2表面に向かって、リム部の先端面における内周縁から環状弁体の外周面までの半径方向距離が増加するようになっている。すなわち、開弁動作時又は閉弁動作時、環状弁体の少なくとも一部がリム部によって覆われる軸方向動作範囲においては、弁体シュラウド部からの環状弁体のリフト量が大きくなる程、リム部の内周面と環状弁体の外周面との隙間が大きくなる。これにより、弁動作の過渡状態において、環状弁体と弁体シュラウド部との間において流体が円滑に流出入し、環状弁体の応答速度をより一層向上させることができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(4)乃至(8)の何れかの構成において、
前記弁体シュラウド部は、
前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
を含み、
前記ベース部の内周縁には、前記環状弁座に向かって突出するリッジが設けられており、
前記環状弁体は、前記開弁位置において、前記環状弁体の前記第2表面が前記リッジに当接し、前記ベース部と前記第2表面との間に隙間が形成される。
上記(9)の構成では、弁体シュラウド部のベース部の内周縁に、環状弁座に向かって突出するリッジが設けられており、このリッジが介在することよって、開弁位置にある環状弁体の第2表面とベース部との間に隙間が形成されるようになっている。これにより、弁動作の過渡状態において、環状弁体と弁体シュラウド部との間において流体が円滑に流出入し、環状弁体の応答速度をより一層向上させることができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかの構成において、
前記環状弁体は、
前記環状弁座に対向するとともに、平坦かつ前記環状開口の半径方向に平行な第1表面と、
前記第1表面とは反対側に位置し、前記半径方向に対して傾斜する傾斜領域を含む第2表面と、
を有し、
前記第2表面は、前記傾斜領域において、内周側に向かうにつれて前記環状弁体の厚さが増すように前記半径方向に対して傾斜している。
上記(10)の構成によれば、環状弁体の第1表面は平坦且つ環状開口の半径方向に平行に形成されているため、環状弁体第1表面を、シート部の第1環状領域および第2環状領域に対して容易に面接触させることができる。また、環状弁体の第2表面は、半径方向に対して傾斜する傾斜領域を含み、この傾斜領域において、内周側に向かうにつれて環状弁体の厚さが増している。これにより、環状弁体の剛性を向上でき、弁体部がシート部に対して傾斜することを抑制できる。このため、開弁動作時又は閉弁動作時において、弁体部とシート部とが部分的に非接触となって隙間が形成されてしまい、この隙間を流れるジェット流によってキャビテーションが発生する事態を回避できる。よって、キャビテーションの発生に起因した環状バルブの不安定挙動を抑制できる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)の何れかの構成において、
前記環状弁座を有するバルブケーシングをさらに備え、
前記バルブケーシングは、
前記環状開口を形成するとともに、前記環状開口の中心軸に沿って前記環状開口から前記環状弁体とは反対側に延設された環状溝と、
前記環状溝に連通するように前記環状開口の半径方向に沿って延在する複数の半径方向流路と、
を含む。
上記(11)の構成では、バルブケーシングには、環状開口を形成するとともに中心軸に沿って延設された環状溝と、環状溝に連通するように環状開口の半径方向に沿って延在する複数の半径方向流路と、が設けられている。このため、環状弁体が固定される側とは反対側のロッド端部の周囲に、弁体移動ユニット(例えば電磁石)を配置するスペースを容易に確保することができる。
(12)一実施形態では、上記(11)の構成において、
前記環状溝は、前記環状開口から遠ざかるにつれて流路断面積が広がるディフューザ形状を有する。
上記(12)の構成によれば、環状溝は、環状開口から遠ざかるにつれて流路断面積が広がっているので、環状バルブにおける流体のスムーズな排出又は流入が可能となる。
(13)一実施形態では、上記(11)又は(12)の構成において、
前記バルブケーシングは、前記複数の半径方向流路の外周側に位置し、前記複数の半径方向流路に連通する環状流路をさらに含み、
前記中心軸に直交する前記環状流路の断面における面積が、前記環状開口の開口面積以上である。
上記(13)の構成によれば、バルブケーシングには、複数の半径方向流路に連通する環状流路が設けられており、中心軸に直交する環状流路の断面における面積が、環状開口の開口面積以上であるため、環状バルブにおける流体のより一層スムーズな排出又は流入が可能となる。
(14)一実施形態では、上記(11)乃至(13)の何れかの構成において、
前記バルブケーシングは、前記複数の半径方向流路の外周側に位置し、前記複数の半径方向流路に連通する環状流路をさらに含み、
前記複数の半径方向流路の各々の通路断面積は、前記中心軸に直交する前記環状流路の断面における面積の1/4倍以上である。
上記(14)の構成によれば、バルブケーシングには、複数の半径方向流路に連通する環状流路が設けられており、複数の半径方向流路の各々の通路断面積は、中心軸に直交する環状流路の断面における面積の1/4倍以上であるため、環状バルブにおける流体のより一層スムーズな排出又は流入が可能となる。
(15)本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る再生エネルギー型発電装置は、
再生エネルギーを受け取って回転するように構成されたロータと、
前記ロータによって駆動されて作動油を昇圧するように構成された油圧ポンプと、
前記作動油によって駆動されるように構成された油圧モータと、
前記油圧モータによって駆動されるように構成された発電機と、を備え、
前記油圧ポンプ又は油圧モータの少なくとも一方は、
シリンダおよび該シリンダ内を往復運動可能なピストンによって形成される作動室と、
前記油圧ポンプ及び前記油圧モータ間に設けられた外部流路と前記作動室とを連通可能に構成された内部流路と、
前記内部流路上に設けられ、前記作動室と前記外部流路との連通状態を切り替え可能に構成された上記(1)乃至(14)に記載の環状バルブと、
を含む。
上記(15)の再生エネルギー型発電装置によれば、油圧ポンプ又は油圧モータの少なくとも一方において、上記(1)乃至(14)の何れかに記載の環状バルブを採用している。上述したように、この環状バルブは、不安定挙動やバルブの損傷を抑制可能であるため、油圧ポンプ又は油圧モータの少なくとも一方において環状バルブの不具合が発生しにくく、再生エネルギー型発電装置の安定した稼働が可能となる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、環状バルブの動作遅れ(例えば開弁遅れ又は閉弁遅れ)や意図せぬ動き等の環状バルブの不安定挙動を抑制することができ、また、環状バルブの損傷を抑制することもできる。
一実施形態に係る風力発電装置の全体構成を示す図である。 一実施形態に係る油圧機械の概略構成を示す断面図である。 一実施形態に係る低圧弁および高圧弁とその周辺構造を示す断面図である。 一実施形態に係る低圧弁およびその周辺構造を示す断面図である。 閉弁位置にある環状弁体およびシート部を示す図で 開弁位置にある環状弁体およびシート部を示す図である。 一実施形態に係る環状弁体の斜視図である。 図6Aに示した環状弁体の断面図(図6AのA−A線断面図)である。 他の実施形態に係る環状弁体の斜視図である。 図7Aに示した環状弁体の断面図(図7AのB−B線断面図)である。 一実施形態に係る環状弁体およびシート部を示す部分断面図(図5BのC部拡大図)である。 一実施形態に係る環状バルブのバルブケーシングを環状開口側から視た図である。 一実施形態に係る環状バルブのバルブケーシングの断面図(図9のD−D線断面図)である。 一実施形態に係る環状バルブのバルブケーシングの断面図(図9のE−E線断面図)である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、一実施形態に係る風力発電装置1の全体構成を示す図である。
なお、以下の説明では、本実施形態に係る環状バルブの適用対象として、再生エネルギー型発電装置である風力発電装置1を例示している。ただし、本実施形態に係る環状バルブの適用対象はこれに限定されるものではなく、他の種類の再生エネルギー型発電装置であってもよいし、あるいは産業車両や産業機械や舶用装置等の再生エネルギー型発電装置以外の装置であってもよい。
図1に示されるように、一実施形態に係る風力発電装置1は、少なくとも一本のブレード2と、ブレード2が取り付けられたハブ3と、ハブ3に一体的に回転可能に構成された回転シャフト4と、を含むロータ5を備えている。ロータ5は、主軸受を介してナセル12に回転可能に支持されており、ブレード2が風を受けることによって回転するように構成されている。ナセル12は、洋上又は陸上に立設されたタワー13の上端部に取り付けられている。
ロータ5には、回転シャフト4を介して油圧ポンプ6が連結されている。油圧ポンプ6には、高圧油ライン8及び低圧油ライン9を介して油圧モータ7が接続されている。具体的には、油圧ポンプ6の出口が高圧油ライン8を介して油圧モータ7の入口に接続され、油圧ポンプ6の入口が低圧油ライン9を介して油圧モータ7の出口に接続されている。油圧ポンプ6は、ロータ5によって駆動されて作動油を昇圧し、高圧の作動油(圧油)を生成するように構成されている。油圧ポンプ6で生成された圧油は高圧油ライン8を介して油圧モータ7に供給される。油圧モータ7は、油圧ポンプ6で昇圧された圧油によって駆動されるように構成されている。油圧モータ7で仕事をした後の低圧の作動油は、油圧モータ7の出口と油圧ポンプ6の入口との間に設けられた低圧油ライン9を経由して、油圧ポンプ6に再び戻される。また、油圧モータ7には出力軸11を介して発電機10が連結されている。そして、発電機10は、油圧モータ7によって駆動されて、発電を行うように構成されている。
図2は、一実施形態に係る油圧機械7の概略構成を示す断面図である。
なお、図2では、油圧機械7として油圧モータを例示しているが、本実施形態が適用される油圧機械はこれに限定されるものではなく、例えば油圧ポンプであってもよい。
幾つかの実施形態において、油圧機械7は、シリンダ22およびピストン24によって形成される作動室26と、油圧ポンプ6及び油圧モータ7間に設けられた外部流路(例えば図1の高圧油ライン8又は低圧油ライン9)と作動室26とを連通可能に構成された内部流路16,18と、内部流路16,18上に設けられ、作動室26と外部流路との連通状態を切り替え可能に構成された環状バルブ(例えば低圧弁50又は高圧弁70)と、を備える。
回転軸14は、油圧モータ7の場合は出力軸11(図1参照)に連結され、油圧ポンプ6の場合は回転シャフト4(図1参照)に連結される。
シリンダブロック20は、回転軸14の全周に亘って環状に延在しており、回転軸14の回転軸線15を中心として半径方向に延在する複数のシリンダ22と、各々のシリンダ22内において往復動可能に設けられた複数のピストン24と、シリンダ22およびピストン24によって形成される作動室26と、を含む。
バルブブロック30は、シリンダ22の位置に対応して、シリンダブロック20の外周側に複数設けられている。バルブブロック30には、低圧弁50および高圧弁70が設けられている。
シリンダブロック20及びバルブブロック30には、高圧油ライン8(図1参照)に接続される高圧油内部流路18と、低圧油ライン9に接続される低圧油内部流路16と、が形成されている。高圧油内部流路18および低圧油内部流路16は、それぞれ、作動室26に接続されている。高圧油内部流路18上に配置された高圧弁70を開閉することによって、高圧油内部流路18と作動室26との連通状態が切り替えられるようになっている。また、低圧油内部流路16上に配置された低圧弁50を開閉することによって、低圧油内部流路16と作動室26との連通状態が切り替えられるようになっている。
油圧機械7では、低圧弁50および高圧弁70の切り替えによって、作動室26内に作動油が流出入し、作動室26内の作動油の圧力エネルギーとピストン24の往復運動エネルギーとが変換されるとともに、ピストン24の往復運動エネルギーと、回転軸14の回転エネルギーとが変換されるようになっている。例えば、油圧ポンプ6においては、低圧弁50および高圧弁70を適宜切り替えることによって、回転シャフト4(図1参照)の回転エネルギーを用いて高圧の作動油を生成し、油圧モータ7においては、低圧弁50および高圧弁70を適宜切り替えることによって、高圧の作動油の圧力エネルギーを用いて出力軸11(図1参照)を回転させるようになっている。
なお、本実施形態では、上記低圧弁50および高圧弁70の少なくとも一方が、後述する環状バルブによって構成される。
ここで、油圧機械の一例として、油圧モータ7について具体的に説明する。
一実施形態において、油圧モータ7は、出力軸11(図1参照)に連結される回転軸14と、回転軸14の外周側に配置されたシリンダブロック20と、シリンダブロック20の外周側に配置されたバルブブロック30と、を備える。
油圧モータ7は、回転軸14として、回転軸線15に沿った方向に複数配列された偏心カムを有するカムシャフト14を備えている。
シリンダブロック20は、カムシャフト14の全周に亘って環状に延在する。なお、シリンダブロック20は、周方向に配列された複数のセクションが互いに接続されて構成されていてもよい。また、シリンダブロック20は、回転軸14の回転軸線15を中心として半径方向に延在する複数のシリンダ22と、各々のシリンダ22内において往復動可能に設けられた複数のピストン24と、シリンダ22およびピストン24によって形成される作動室26と、を含む。図示される例では、周方向に6個のシリンダ22およびピストン24が配列された構成を示している。
バルブブロック30は、シリンダ22の位置に対応して、シリンダブロック20の外周側に複数設けられている。図示される例では、周方向に6個のバルブブロック30が配列された構成を示している。バルブブロック30は、シリンダブロック20に対してボルト等によって固定される。
シリンダブロック20及びバルブブロック30には、それぞれ、高圧油ライン8(図1参照)に接続される高圧油内部流路18と、低圧油ライン9(図1参照)に接続される低圧油内部流路16と、が形成されている。すなわち、シリンダブロック20の内部に形成された高圧油内部流路18aと、バルブブロック30の内部に形成された高圧油内部流路18bとが、シリンダブロック20の高圧ポート18cを介して接続されている。また、シリンダブロック20の内部に形成された低圧油内部流路16aと、バルブブロック30の内部に形成された低圧油内部流路16bとが、シリンダブロック20の低圧ポート16cを介して接続されている。
バルブブロック30には、例えば低圧油の脈動を抑制する目的で、低圧油内部流路16bに接続される低圧油アキュムレータ17が取り付けられていてもよい。
上記構成を有する油圧モータ7においては、高圧弁70を開いて低圧弁50が閉じた状態で、高圧油内部流路18を介して作動室26に高圧の作動油が供給されると、作動油の圧力エネルギーによってピストン24がシリンダ22内で往復運動し、これに伴い回転軸14が回転する。そして、圧力が低下した作動油は、高圧弁70を閉じて低圧弁50を開くことによって作動室26から低圧油内部流路16に排油される。
なお、本実施形態では、上記低圧弁50又は高圧弁70の少なくとも一方が、後述する環状バルブによって構成される。
次に、図3、図4、図5Aおよび図5Bを参照して、上記低圧弁50又は高圧弁70と、その周辺構造について詳細に説明する。図3は、一実施形態に係る低圧弁50又は高圧弁70とその周辺構造を示す断面図である。図4は、一実施形態に係る低圧弁50およびその周辺構造を示す断面図である。図5は、閉弁位置にある環状弁体54およびシート部52を示す図である。図5Bは、開弁位置にある環状弁体54およびシート部52を示す図である。
なお、図示される例では、本実施形態に係る環状バルブが低圧弁50に適用された構成を示しているが、環状バルブの適用対象はこれに限定されるものではなく、例えば高圧弁70に適用してもよい。
一実施形態において、環状バルブ(低圧弁)50は、シート部52を有する環状弁座51と、シート部52に直交する方向に沿って移動可能に構成されたロッド53と、ロッド53に固定される環状弁体54と、シート部52に直交する方向に沿って環状弁体54を動かすための弁体移動ユニット55と、を備える。なお、図示される例では、シート部52に直交する方向が、環状開口34の中心軸Oに沿った方向と概ね一致している場合を示している。
環状弁体54は、環状弁座51に対向して設けられ、ロッド53に固定されている。
弁体移動ユニット55は、環状開口34が環状弁体54によって閉塞されるように環状弁体54が環状弁座51のシート部52に当接する閉弁位置と、環状開口34が開放されるように環状弁体54が環状弁座51のシート部52から離れる開弁位置との間で、シート部52に直交する方向に沿って環状弁体54を動かすように構成される。なお、環状弁体54は、シート部52に当接する部位のみ他の部位よりも環状弁座51側に突出していてもよい。
環状開口34は、低圧油内部流路16のうち作動室26に面する端部に形成されている。
シート部52は、環状開口34の外周縁34aと内周縁34bとによって形成され、環状弁座51のシート部52は、環状開口34の外周縁34aを含む第1環状領域52a、および、環状開口34の内周縁34bを含む第2環状領域52bにおいて、閉弁位置にある環状弁体54に面接触するように構成される。
具体的な構成例として、環状バルブ50は、バルブブロック30内に設けられている。バルブブロック30は、環状弁座51が設けられるバルブブロック本体部31と、バルブブロック本体部31を囲むように配置されるバルブブロック接続部32と、を含む。バルブブロック接続部32はシリンダブロック20に固定されており、バルブブロック本体部31はバルブブロック接続部32に固定されている。バルブブロック本体部31とシリンダブロック20との間には、作動室26に連通するように構成された中間室40が設けられている。この中間室40は、低圧油内部流路16および高圧油内部流路18に連通可能に構成されている。すなわち、環状バルブ(低圧弁)50が開いているとき、低圧油内部流路16は中間室40に連通し、高圧弁70が開いているとき、高圧油内部流路18は中間室40に連通する。
環状弁座51は、バルブブロック本体部31のうちシリンダ22側の面に設けられており、環状弁座51のシート部52は、環状開口34の外周縁34aを含む第1環状領域52aと、環状開口34の内周縁34bを含む第2環状領域52bと、を備えている。
ロッド53は、バルブブロック本体部31に形成されたロッド穴33に配置されているが、ロッド53の一方の端部(以下、第1端部と称する)は、ロッド穴33から突出している。また、ロッド53は、シート部(シート面)52に直交する方向に沿って移動可能に構成されている。なお、環状弁体54とロッド53との相対的な位置関係は、図示されるように、環状弁体54に形成される環状開口34の中心軸O上にロッド53が配置され、中心軸Oに沿ってロッド53が動くように構成されてもよい。この場合、環状弁座51のシート部52とロッド53との距離が周方向において略一定となるため、環状弁座51の周方向における剛性を略一定とすることができる。ただし、ロッド53と環状弁体54との相対的な位置関係はこれに限定されるものではなく、ロッド53が環状開口34の中心軸Oからずれた位置に設けられてもよい。
環状弁体54は、環状弁座51に対向して配置されており、ロッド53の第1端部に固定され、ロッド53と一体的に移動可能となっている。図示される例では、環状弁体54は中間室40に配置される。
図4に示すように、弁体移動ユニット55は、ロッド53および環状弁体54を、開弁位置と閉弁位置との間で動かすように構成される。例えば、環状バルブ50が電磁弁である場合、弁体移動ユニット55は、ロッド53の第1端部とは反対側の第2端部に結合されたアーマチュア56と、アーマチュア56を付勢方向に付勢する付勢部材57と、電力が供給されたときに、アーマチュア56を吸引してアーマチュア56を付勢方向とは反対方向に駆動するように構成された電磁石58と、を含む。なお、弁体移動ユニット55は、バルブブロック本体部31に対して着脱自在に設けられていてもよい。
図5Aに示すように、環状弁体54が閉弁位置にあるとき、環状弁体54は、シート部52の第1環状領域52aおよび第2環状領域52bに面接触するようになっている。
図5Bに示すように、環状弁体54が開弁位置にあるとき、環状弁体54はシート部52から離間して、後述する弁体シュラウド部60内に位置するようになっている。
上記構成によれば、環状弁座51のシート部52は、環状開口34の外周縁34aを含む第1環状領域52a、および、環状開口34の内周縁34bを含む第2環状領域52bにおいて、閉弁位置にある環状弁体54に面接触するように構成されている。
そのため、環状バルブ50の開弁動作時又は閉弁動作時に、シート部52と環状弁体54との面接触領域でのスクイーズ膜によるダンピング効果によって環状弁体54の動きが安定化し、バルブの動作遅れ(例えば開弁遅れ又は閉弁遅れ)や意図せぬ動き等のバルブの不安定挙動を抑制することができる。
さらに、環状バルブ50の開弁動作時又は閉弁動作時に、スクイーズ効果(流体抵抗力)によって環状弁体54が減速されるため環状弁体54の衝撃が緩和されること、および、面接触領域ではシート部と環状弁体54とで微小な平面隙間が形成されるため流速が低下してエロージョンが抑制されること、から環状バルブ50の損傷を抑制することができる。
なお、面接触領域とは、シート部52のうちの第1環状領域52aの面と該第1環状領域52aに面接触する環状弁体54の面とを含む領域、および、シート部52のうちの第2環状領域52bの面と該第2環状領域52bに面接触する環状弁体54の面とを含む領域をいう。
図6Aは、一実施形態に係る環状弁体54の斜視図であり、図6Bは、図6Aに示した環状弁体54の側面図(図6AのA−A線断面図)である。図7Aは、他の実施形態に係る環状弁体54の斜視図であり、図7Bは、図7Aに示した環状弁体54の側面図(図7AのB−B線断面図)である。
図6Aおよび図6B、図7Aおよび図7Bに示すように、幾つかの実施形態において、環状弁体54は、閉弁位置においてシート部52の第1環状領域52aおよび第2環状領域52bと面接触する弁体部541と、ロッド53の第1端部に固定される固定部542と、弁体部541と固定部542とを連結する連結部543と、を含む。
連結部543は、ロッド53に沿った方向についてのばね定数が9kN/mm以上である。なお、ロッド53に沿った方向は、環状開口34の中心軸Oに沿った方向に概ね一致する。
一般に、環状バルブ50においては、開弁動作時又は閉弁動作時において、流体の流れにキャビテーションが発生し、このキャビテーションによって、環状バルブ50の不安定挙動を引き起こすことがある。
本発明者らは鋭意検討の結果、キャビテーションが発生する事象は、開弁動作時又は閉弁動作時において、環状バルブ周りの流体の流れが不均一となることが一因であることを見出した。すなわち、環状バルブ周りの流体の流れが不均一となると、環状開口34を流れる流体の圧力差に起因して弁体部541がシート部52に対して傾斜してしまい、開弁動作時又は閉弁動作時において、一時的に、弁体部541の周方向における一部のみがシート部に接触し、他の部位は非接触となることがある。この状態では、弁体部541とシート部52との非接触部位において隙間が生じているため、この隙間にジェット流が形成されて流体中にキャビテーションが発生してしまう。
そこで、上記構成では、弁体部541と固定部542とを連結する連結部543における、ロッド53に沿った方向についてのばね定数を9kN/mm以上としている。これにより、環状弁体54の剛性を向上でき、弁体部541がシート部52に対して傾斜することを抑制できる。そのため、開弁動作時又は閉弁動作時において、弁体部541とシート部52とが部分的に非接触となって隙間が形成されてしまい、この隙間を流れるジェット流によってキャビテーションが発生する事態を回避できる。よって、キャビテーションの発生に起因した環状バルブ50の不安定挙動を抑制できる。
一実施形態において、連結部543は、周方向における異なる位置に設けられ、ロッド53と弁体部541とを連結する複数の連結アーム543aを含む。図6Aおよび図6Bに示す例では、4本の連結アーム543aが固定部542を中心として放射状に等間隔(90度間隔)で設けられている。
各々の連結アーム543aは、弁体部541と固定部542との間に架け渡されるように、直線状に延在している。
この構成によれば、周方向における異なる位置に、ロッドと弁体部とを連結する複数の連結アームが設けられており、これらの連結アームがそれぞれ直線状に延在しているので、環状弁体54の剛性をより一層高めることができ、キャビテーションの発生を効果的に防止することができる。
図6Aおよび図6Bに示すように、一実施形態では、環状弁体54は、環状弁座51(図5A又は図5B参照)に対向するとともに、平坦かつ環状開口34の半径方向に平行な第1表面545と、第1表面とは反対側に位置し、半径方向に対して傾斜する傾斜領域547を含む第2表面546と、を有する。この第2表面は、傾斜領域547において、内周側に向かうにつれて環状弁体54の厚さが増すように半径方向に対して傾斜している。
この構成によれば、環状弁体54の第1表面545は平坦且つ環状開口34の半径方向に平行に形成されているため、環状弁体54の第1表面545を、シート部52の第1環状領域52aおよび第2環状領域52bに対して容易に面接触させることができる。また、環状弁体54の第2表面546は、半径方向に対して傾斜する傾斜領域547を含み、この傾斜領域547において、内周側に向かうにつれて環状弁体54の厚さが増している。これにより、環状弁体54の剛性を向上でき、弁体部541がシート部52に対して傾斜することを抑制できる。このため、開弁動作時又は閉弁動作時において、弁体部541とシート部52とが部分的に非接触となって隙間が形成されてしまい、この隙間を流れるジェット流によってキャビテーションが発生する事態を回避できる。よって、キャビテーションの発生に起因した環状バルブ50の不安定挙動を抑制できる。
図7Aおよび図7Bに示されるように、他の実施形態では、環状弁体54は、環状弁座51(図5A又は図5B参照)に対向するとともに、平坦かつ環状開口34の半径方向に平行な第1表面545と、第1表面とは反対側に位置し、平坦かつ環状開口の半径方向に平行な第2表面546と、を有する。すなわち、第1表面545と第2表面546は、概ね平行に形成されている。
この構成によれば、環状弁体54を容易に製造でき、環状バルブ50の低コスト化が図れる。
図3、図4、図5A及び図5Bに示すように、一実施形態において、環状バルブ50は、環状開口34の中心軸Oに沿った方向(以下、軸方向と称する)において環状弁体54を挟んで環状弁座51の反対側に位置するように設けられた弁体シュラウド部60をさらに備える。
環状弁体54のうち、環状弁座51に対向する側の面を第1表面545とし、この第1表面545とは反対側の面を第2表面546とした場合、弁体シュラウド部60は、開弁位置にある環状弁体54の第2表面546および外周面548を少なくとも部分的に覆うように構成される。
具体的には、弁体シュラウド部60は、環状弁体54の第2表面に対向して設けられる環状のベース部61と、ベース部61の外周縁から環状弁座51に向かって突出するリム部62と、を含む。すなわち、環状弁体54の第2表面546がベース部61によって覆われ、且つ、環状弁体54の外周面548がリム部62によって覆われる。ベース部61とリム部62とは一体成型されていてもよい。
上記構成によれば、開弁位置にある環状弁体54の第2表面546および外周面548を少なくとも部分的に覆うように弁体シュラウド部60が設けられているので、開弁状態において、環状弁座51から離れている環状弁体54が流体の流れによって環状弁座側へ押されることが抑制される。このため、流体の圧力や流量にかかわらず、環状弁体54の動きの安定化が図れる。
図8は、図5BのC部拡大図である。
同図に示されるように、環状弁体54が開弁位置にあるとき、リム部62の先端面62aと、環状弁体54の外周縁部549における表面との間の軸方向における距離(図5Aに示す中心軸Oに沿った距離)をdとし、環状弁体54の外周縁部549における厚さをtとしたとき、d≦0.05tの関係を満たしてもよい。なお、図示される例では、後述するように環状弁体54の外周面548にテーパ面548aが形成されている構成を示しており、この場合、外周縁部549の厚さは、テーパ面548aを含む環状弁体54の厚さとしてもよい。
上記構成によれば、環状弁体54が開弁位置にあるとき、環状弁体54の外周面548の殆どの部分又は全部がリム部62によって覆われている。これにより、開弁状態において、環状弁体54を流体の流れから効果的に保護し、環状弁体54の動きをより一層安定化することができる。
また、環状弁体54が開弁位置にあるとき、リム部62の内周面62bと、環状弁体54の外周面548との間には隙間63が形成され、隙間63の幅dは、環状弁体54の外径をDとしたとき、0.005D以上の大きさを有してもよい。なお、外径Dは、図6B又は図7Bに示すように、環状弁体54の直径である。また、隙間の幅dとは、半径方向における環状弁体54の外周面548とリム部62の内周面62bとの間の距離である。
上記構成によれば、リム部62の内周面62bと環状弁体54の外周面548との間に隙間63が形成されており、この隙間63は、環状弁体54の外径をDとしたとき、0.005D以上の大きさを有する。これにより、環状弁体54と弁体シュラウド部60との間に、隙間63を介して流体が円滑に流出入するため、開弁動作時又は閉弁動作時における環状弁体54の背圧の影響を低減でき、環状弁体54の応答速度を向上させることができる。
また、リム部62の根本部62cは、ベース部61に近づくにつれて根本部62cの厚さが増加するように構成されてもよい。
図示される例では、リム部62の根本部62cにおいて、内周面62bが、環状弁体54側に曲率中心を有するようにR状に湾曲した形状となっている。不図示の他の構成例では、リム部62の根本部62cにおいて、内周面62bが、ベース部61に近づくにつれて環状弁体54に向けて傾斜したテーパ面を有していてもよい。
これにより、リム部62の根本部62cの厚さが、ベース部61に近づくにつれて増加するため、リム部62において流体の流れに耐え得る強度を確保することができる。
また、環状弁体54の第1表面545から第2表面546に向かって、リム部62の先端面62aにおける内周縁62a1から環状弁体54の外周面548までの半径方向距離gが増加するようにしてもよい。すなわち、開弁動作時又は閉弁動作時、環状弁体54の少なくとも一部がリム部62によって覆われる軸方向動作範囲においては、弁体シュラウド部60からの環状弁体54のリフト量が大きくなる程、リム部62の内周面と環状弁体54の外周面548との隙間が大きくなるようにしてもよい。
図示される例では、環状弁体54の外周面548のうち第2表面546側の少なくとも一部に、第1表面545から第2表面546に向かって径方向内側へ傾斜したテーパ面548aが設けられている。あるいは、図示しない他の構成例として、環状弁体54の外周面548のうち第2表面546側の少なくとも一部がR状に形成されていてもよい。
上記構成によれば、環状弁体54の第1表面545から第2表面546に向かって、リム部62と環状弁体54との半径方向距離gが増加するように構成されているので、弁動作の過渡状態において、環状弁体54と弁体シュラウド部60との間において流体が円滑に流出入し、環状弁体54の応答速度をより一層向上させることができる。
さらに、環状に形成されたベース部61の内周縁には、環状弁座51に向かって突出するリッジ65が設けられており、環状弁体54は、開弁位置において、環状弁体54の第2表面546がリッジ65に当接し、ベース部61と第2表面546との間に隙間66が形成されるようにしてもよい。あるいは、不図示の他の構成例として、環状弁体54の第2表面546に、ベース部61に向かって突出するリッジが設けられていてもよい。
上記構成によれば、弁体シュラウド部60のベース部61の内周縁に、環状弁座51に向かって突出するリッジ65が設けられており、このリッジ65が介在することよって、開弁位置にある環状弁体54の第2表面546とベース部61との間に隙間66が形成されるようになっている。これにより、弁動作の過渡状態において、環状弁体54と弁体シュラウド部との間において流体が円滑に流出入し、環状弁体54の応答速度をより一層向上させることができる。
図3及び図4に示されるように、一構成例では、弁体シュラウド部60は、支持部67によってバルブブロック本体部31に固定される。
また、環状バルブ50は、支持部67によって支持される篩部68をさらに備えていてもよい。篩部68は、作動室26に面するように配置され、作動室26内への異物の侵入を防止するように構成される。例えば篩部68は、多数の孔を有する板状部材によって構成される。
なお、支持部67、弁体シュラウド部60、および篩部68は、一体的に形成されていてもよい。
上述した環状バルブ50は、さらに以下の構成を備えていてもよい。
図9は、一実施形態に係る環状バルブ50のバルブケーシング35を環状開口34側から視た図である。図10は、一実施形態に係る環状バルブ50のバルブケーシング35の断面図(図9のD−D線断面図)である。図11は、一実施形態に係る環状バルブ50のバルブケーシング35の断面図(図9のE−E線断面図)である。
図9乃至図11に示すように、環状バルブ50は、環状弁座51を有するバルブケーシング35をさらに備える。なお、図3および図4に示した実施形態に照らし合わせれば、バルブケーシング35は、バルブブロック本体部31により構成されてもよいし、あるいは、バルブブロック本体部31とバルブブロック接続部32の少なくとも一部とにより構成されてもよい。
一実施形態において、バルブケーシング35は、環状開口34を形成するとともに、中心軸に沿って環状開口34から環状弁体54とは反対側に延設された環状溝36と、環状溝36に連通するように環状開口34の半径方向に沿って延在する複数の半径方向流路37と、を含む。
環状溝36は、中心軸Oと同軸の環状に形成されており、中心軸Oに沿って延在している。環状溝36の軸方向における一端側に環状開口34が形成されており、他端側は複数の半径方向流路37に連通している。
複数の半径方向流路37は、中心軸Oを中心として放射状に配列されている。各々の半径方向流路37の中心軸O側の端部は、環状溝36に連通している。
この構成によれば、バルブケーシング35には、環状開口34を形成するとともに中心軸に沿って延設された環状溝36と、環状溝36に連通するように環状開口34の半径方向に沿って延在する複数の半径方向流路37と、が設けられている。このため、環状弁体54が固定される側とは反対側のロッド端部の周囲に、弁体移動ユニット55を配置するスペースを容易に確保することができる。
また、環状溝36は、環状開口34から遠ざかるにつれて流路断面積が広がるディフューザ形状を有していてもよい。図示される例では、環状開口34から遠ざかるにつれて環状溝36の幅が滑らかに拡大している。なお、環状溝の幅36とは、環状溝36の内周壁と外周壁との間の半径方向における距離をいう。
この環状溝36は、環状開口34から遠ざかるにつれて流路断面積が広がっているので、環状バルブ50における流体のスムーズな排出又は流入が可能となる。
一実施形態では、バルブケーシング35は、複数の半径方向流路37の外周側に位置し、複数の半径方向流路37に連通する環状流路38をさらに含む。
この場合、中心軸Oに直交する環状流路38の断面における面積が、環状開口34の開口面積以上であってもよい。環状流路38は、環状開口34が形成される環状溝36よりも外周側に設けられている。
バルブケーシング35には、複数の半径方向流路37に連通する環状流路38が設けられており、中心軸Oに直交する環状流路の断面における面積が、環状開口34の開口面積以上であるため、環状バルブ50における流体のより一層スムーズな排出又は流入が可能となる。
また、複数の半径方向流路37の各々の通路断面積は、中心軸Oに直交する環状流路38の断面における面積の1/4倍以上であってもよい。
バルブケーシング35には、複数の半径方向流路37に連通する環状流路38が設けられており、複数の半径方向流路37の各々の通路断面積は、中心軸Oに直交する環状流路38の断面における面積の1/4倍以上であるため、環状バルブ50における流体のより一層スムーズな排出又は流入が可能となる。
例えば、油圧モータ7(図3及び図4参照)の低圧弁50においては、仕事をした後の低圧の作動油をスムーズに排油することが重要である。低圧の作動油は、環状開口34、環状溝36、半径方向流路37、環状流路38の順に流れるため、下流側に向かう程、流路断面積が大きくなるようにすることで、作動室26(図3及び図4参照)からスムーズに排油することが可能となる。
なお、高圧弁70は、以下の構成を備えていてもよい。
一実施形態において、高圧弁70は、低圧弁50に隣接して設けられた環状バルブ50であって、環状弁座71と、ロッド73と、環状弁体74と、弁体移動ユニット75と、を備える。バルブブロック30には、高圧弁70の周りを囲むドーナツ状の高圧内部流路18dが設けられており、高圧弁70が開いているとき、高圧内部流路18dから中間室40に高圧の作動油が流入するようになっている。
この高圧弁70は、上述した環状バルブ(低圧弁)50と同様の構成を選択的に備えていてもよい。
上述したように、本発明の少なくとも幾つかの実施形態によれば、環状バルブ50の動作遅れ(例えば開弁遅れ又は閉弁遅れ)や意図せぬ動き等の環状バルブ50の不安定挙動を抑制することができ、また、環状バルブ50の損傷を抑制することもできる。
また、再生エネルギー型発電装置1が上述した実施形態の環状バルブ50を搭載することによって、油圧ポンプ6又は油圧モータ7の少なくとも一方において環状バルブ50の不具合が発生しにくく、再生エネルギー型発電装置1の安定した稼働が可能となる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 再生エネルギー型発電装置(風力発電装置)
2 ブレード
3 ハブ
4 回転シャフト
5 ロータ
6 油圧ポンプ
7 油圧機械(油圧モータ)
8 高圧油ライン
9 低圧油ライン
10 発電機
14 回転軸
16(16a,16b) 低圧油内部流路
16c 低圧ポート
17 低圧油アキュムレータ
18(18a,18b,18d) 高圧油内部流路
18c 高圧ポート
20 シリンダブロック
22 シリンダ
24 ピストン
26 作動室
30 バルブブロック
31 バルブブロック本体部
32 バルブブロック接続部
33 ロッド穴
34 環状開口
35 バルブケーシング
36 環状溝
37 半径方向流路
38 環状流路
40 中間室
50 環状バルブ(低圧弁)
51 環状弁座
52 シート部
52a 第1環状領域
52b 第2環状領域
53 ロッド
54 環状弁体
55 弁体移動ユニット
56 アーマチュア
57 付勢部材
58 電磁石
60 弁体シュラウド部
61 ベース部
62 リム部
62a 先端面
62a1 内周縁
62b 内周面
62c 根本部
65 リッジ
67 支持部
68 篩部
70 高圧弁
71 環状弁座
73 ロッド
74 環状弁体
75 弁体移動ユニット
541 弁体部
542 固定部
543 連結部
543a 連結アーム
545 第1表面
546 第2表面
547 傾斜領域
O 中心軸
d 距離

本開示は、環状バルブ及び再生エネルギー型発電装置に関する。
一般に、環状に形成された流路を開閉するための環状バルブが知られている。環状バルブは、例えば油圧機械において作動室に連通する環状の油圧流路に設けられ、環状バルブの開閉によって作動室への作動油の流出入が制御されるようになっている。
例えば、特許文献1乃至4には、ロッドと、ロッドと共に移動可能に構成された弁体と、環状開口の外周側および内周側において弁体が当接可能に構成された弁座と、を備えた環状バルブが記載されている。
このような環状バルブにおいては、着座時における弁体と弁座の当接面が、環状開口の内周側と外周側のそれぞれにおいて環状となる。そのため、閉弁時において確実に環状開口を塞ぐことができるように、通常、弁体又は弁座の何れか一方には、環状の当接面の径方向中央部が他方に向けて突出するように当接面の断面が湾曲したシーリングリッジ(外周側シーリングリッジ及び内周側シーリングリッジ)が設けられている。
国際公開第2010/057494号 国際公開第2010/073040号 米国特許出願公開第2011/0220230号明細書 国際公開第2013/118182号
ところで、上述したような環状バルブにおいては、環状流路における流量が大きい場合、バルブの動作遅れ(例えば閉弁遅れ又は開弁遅れ)や意図せぬ動き等の不安定挙動が発生することがある。また、バルブの不安定挙動や流体の流れに起因して、バルブの損傷が発生する可能性もある。特に、大型の環状バルブにおいては、環状流路を流れる流体の流量が増大するため、バルブの不安定挙動やバルブ損傷のリスクが高く、従来の設計では十分な性能が得られないおそれがある。
本発明の少なくとも幾つかの実施形態の目的は、バルブの不安定挙動やバルブの損傷を抑制し得る環状バルブ及び再生エネルギー型発電装置を提供することである。
(1)本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る環状バルブは、
環状開口の外周縁と内周縁とによって形成されるシート部を有する環状弁座と、
前記シート部に直交する方向に沿って移動可能に構成されたロッドと、
前記環状弁座に対向して設けられ、前記ロッドに固定される環状弁体と、
前記環状開口が前記環状弁体によって閉塞されるように前記環状弁体が前記環状弁座の前記シート部に当接する閉弁位置と、前記環状開口が開放されるように前記環状弁体が前記環状弁座の前記シート部から離れる開弁位置との間で、前記環状弁体を動かすための弁体移動ユニットと、を備え、
前記環状弁座の前記シート部は、前記環状開口の前記外周縁を含む第1環状領域、および、前記環状開口の前記内周縁を含む第2環状領域において、前記閉弁位置にある前記環状弁体に面接触するように構成される。
上記(1)の環状バルブによれば、環状弁座のシート部は、環状開口の外周縁を含む第1環状領域、および、環状開口の内周縁を含む第2環状領域において、閉弁位置にある環状弁体に面接触するように構成されている。
そのため、環状バルブの開弁動作時又は閉弁動作時に、シート部と環状弁体との面接触領域でのスクイーズ膜によるダンピング効果によって環状弁体の動きが安定化し、バルブの動作遅れ(例えば開弁遅れ又は閉弁遅れ)や意図せぬ動き等のバルブの不安定挙動を抑制することができる。
さらに、環状バルブの開弁動作時又は閉弁動作時に、スクイーズ効果(流体抵抗力)によって環状弁体が減速されるため弁体の衝撃が緩和されること、および、面接触領域ではシート部と環状弁体とで微小な平面隙間が形成されるため流速が低下してエロージョンが抑制されること、から環状バルブの損傷を抑制することができる。
なお、面接触領域とは、シート部のうちの第1環状領域の面と該第1環状領域に面接触する環状弁体の面とを含む領域、および、シート部のうちの第2環状領域の面と該第2環状領域に面接触する環状弁体の面とを含む領域をいう。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記環状弁体は、
前記閉弁位置において前記シート部の前記第1環状領域および前記第2環状領域と面接触する弁体部と、
ロッドに固定される固定部と、
前記弁体部と前記固定部とを連結する連結部と、
を含み、
前記連結部は、前記ロッドに沿った方向についてのばね定数が9kN/mm以上である。
一般に、環状バルブにおいては、開弁動作時又は閉弁動作時において、流体の流れにキャビテーションが発生し、このキャビテーションによって、環状バルブの不安定挙動を引き起こすことがある。
本発明者らは鋭意検討の結果、キャビテーションが発生する事象は、開弁動作時又は閉弁動作時において、環状バルブ周りの流体の流れが不均一となることが一因であることを見出した。すなわち、環状バルブ周りの流体の流れが不均一となると、環状開口を流れる流体の圧力差に起因して弁体部がシート部に対して傾斜してしまい、開弁動作時又は閉弁動作時において、一時的に、弁体部の周方向における一部のみがシート部に接触し、他の部位は非接触となることがある。この状態では、弁体部とシート部との非接触部位において隙間が生じているため、この隙間にジェット流が形成されて流体中にキャビテーションが発生してしまう。
そこで、上記(2)の構成では、弁体部と固定部とを連結する連結部における、ロッドに沿った方向についてのばね定数を9kN/mm以上としている。これにより、環状弁体の剛性を向上でき、弁体部がシート部に対して傾斜することを抑制できる。そのため、開弁動作時又は閉弁動作時において、弁体部とシート部とが部分的に非接触となって隙間が形成されてしまい、この隙間を流れるジェット流によってキャビテーションが発生する事態を回避できる。よって、キャビテーションの発生に起因した環状バルブの不安定挙動を抑制できる。
(3)一実施形態では、上記(2)の構成において、
前記連結部は、周方向における異なる位置に設けられ、前記固定部と前記弁体部とを連結する複数の連結アームを含み、
各々の前記連結アームは直線状に延在している。
上記(3)の構成によれば、周方向における異なる位置に、固定部と弁体部とを連結する複数の連結アームが設けられており、これらの連結アームがそれぞれ直線状に延在しているので、環状弁体の剛性をより一層高めることができ、キャビテーションの発生を効果的に防止することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記環状弁体は、
前記環状弁座に対向する第1表面と、
前記第1表面とは反対側に位置する第2表面と、
を有し、
前記環状開口の軸方向において前記環状弁体を挟んで前記環状弁座の反対側に位置し、前記開弁位置にある前記環状弁体の前記第2表面および外周面を少なくとも部分的に覆う弁体シュラウド部をさらに備える。
上記(4)の構成によれば、開弁位置にある環状弁体の第2表面(環状弁座に対向していない側の面)および外周面を少なくとも部分的に覆うように弁体シュラウド部が設けられているので、開弁状態(環状弁体が開弁位置にある状態)において、環状弁座から離れている環状弁体が流体の流れによって環状弁座側へ押されることが抑制される。このため、流体の圧力や流量にかかわらず、環状弁体の動きの安定化が図れる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記弁体シュラウド部は、
前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
を含み、
前記環状弁体が前記開弁位置にあるとき、前記リム部の先端面と、前記環状弁体の外周縁部における表面との間の前記環状開口の中心軸に沿った距離をdとし、前記環状弁体の前記外周縁部における厚さをtとしたとき、d≦0.05tの関係を満たす。
上記(5)の構成においては、環状弁体の第2表面がベース部によって覆われ、且つ、環状弁体の外周面がリム部によって覆われている。また、環状弁体が開弁位置にあるとき、リム部の先端面と環状弁体の外周縁部における表面との間の距離dと、環状弁体の外周縁部における厚さとが、d≦0.05tの関係を満たしている。すなわち、環状弁体が開弁位置にあるとき、環状弁体の外周面の殆どの部分又は全部がリム部によって覆われている。これにより、開弁状態において、環状弁体を流体の流れから効果的に保護し、環状弁体の動きをより一層安定化することができる。
(6)一実施形態では、上記(4)又は(5)の構成において、
前記弁体シュラウド部は、
前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
を含み、
前記環状弁体が前記開弁位置にあるとき、前記リム部の内周面と、前記環状弁体の外周面との間には隙間が形成され、
前記隙間は、前記環状弁体の外径をDとしたとき、0.005D以上の大きさを有する。
上記(6)の構成によれば、リム部の内周面と環状弁体の外周面との間に隙間が形成されており、この隙間は、環状弁体の外径をDとしたとき、0.005D以上の大きさを有する。これにより、環状弁体と弁体シュラウド部との間に、隙間を介して流体が円滑に流出入するため、開弁動作時又は閉弁動作時における環状弁体の背圧の影響を低減でき、環状弁体の応答速度を向上させることができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(4)乃至(6)の何れかの構成において、
前記弁体シュラウド部は、
前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
を含み、
前記リム部の根本部は、前記ベース部に近づくにつれて前記根本部の厚さが増加するように構成される。
上記(7)の構成によれば、リム部の根本部の厚さが、ベース部に近づくにつれて増加するため、リム部において流体の流れに耐え得る強度を確保することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(4)乃至(7)の何れかの構成において、
前記弁体シュラウド部は、
前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
を含み、
前記環状弁体の前記第1表面から前記第2表面に向かって、前記リム部の先端面における内周縁から前記環状弁体の外周面までの半径方向距離が増加する。
上記(8)の構成では、環状弁体の第1表面から第2表面に向かって、リム部の先端面における内周縁から環状弁体の外周面までの半径方向距離が増加するようになっている。すなわち、開弁動作時又は閉弁動作時、環状弁体の少なくとも一部がリム部によって覆われる軸方向動作範囲においては、弁体シュラウド部からの環状弁体のリフト量が大きくなる程、リム部の内周面と環状弁体の外周面との隙間が大きくなる。これにより、弁動作の過渡状態において、環状弁体と弁体シュラウド部との間において流体が円滑に流出入し、環状弁体の応答速度をより一層向上させることができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(4)乃至(8)の何れかの構成において、
前記弁体シュラウド部は、
前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
を含み、
前記ベース部の内周縁には、前記環状弁座に向かって突出するリッジが設けられており、
前記環状弁体は、前記開弁位置において、前記環状弁体の前記第2表面が前記リッジに当接し、前記ベース部と前記第2表面との間に隙間が形成される。
上記(9)の構成では、弁体シュラウド部のベース部の内周縁に、環状弁座に向かって突出するリッジが設けられており、このリッジが介在することよって、開弁位置にある環状弁体の第2表面とベース部との間に隙間が形成されるようになっている。これにより、弁動作の過渡状態において、環状弁体と弁体シュラウド部との間において流体が円滑に流出入し、環状弁体の応答速度をより一層向上させることができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかの構成において、
前記環状弁体は、
前記環状弁座に対向するとともに、平坦かつ前記環状開口の半径方向に平行な第1表面と、
前記第1表面とは反対側に位置し、前記半径方向に対して傾斜する傾斜領域を含む第2表面と、
を有し、
前記第2表面は、前記傾斜領域において、内周側に向かうにつれて前記環状弁体の厚さが増すように前記半径方向に対して傾斜している。
上記(10)の構成によれば、環状弁体の第1表面は平坦且つ環状開口の半径方向に平行に形成されているため、環状弁体第1表面を、シート部の第1環状領域および第2環状領域に対して容易に面接触させることができる。また、環状弁体の第2表面は、半径方向に対して傾斜する傾斜領域を含み、この傾斜領域において、内周側に向かうにつれて環状弁体の厚さが増している。これにより、環状弁体の剛性を向上でき、弁体部がシート部に対して傾斜することを抑制できる。このため、開弁動作時又は閉弁動作時において、弁体部とシート部とが部分的に非接触となって隙間が形成されてしまい、この隙間を流れるジェット流によってキャビテーションが発生する事態を回避できる。よって、キャビテーションの発生に起因した環状バルブの不安定挙動を抑制できる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)の何れかの構成において、
前記環状弁座を有するバルブケーシングをさらに備え、
前記バルブケーシングは、
前記環状開口を形成するとともに、前記環状開口の中心軸に沿って前記環状開口から前記環状弁体とは反対側に延設された環状溝と、
前記環状溝に連通するように前記環状開口の半径方向に沿って延在する複数の半径方向流路と、
を含む。
上記(11)の構成では、バルブケーシングには、環状開口を形成するとともに中心軸に沿って延設された環状溝と、環状溝に連通するように環状開口の半径方向に沿って延在する複数の半径方向流路と、が設けられている。このため、環状弁体が固定される側とは反対側のロッド端部の周囲に、弁体移動ユニット(例えば電磁石)を配置するスペースを容易に確保することができる。
(12)一実施形態では、上記(11)の構成において、
前記環状溝は、前記環状開口から遠ざかるにつれて流路断面積が広がるディフューザ形状を有する。
上記(12)の構成によれば、環状溝は、環状開口から遠ざかるにつれて流路断面積が広がっているので、環状バルブにおける流体のスムーズな排出又は流入が可能となる。
(13)一実施形態では、上記(11)又は(12)の構成において、
前記バルブケーシングは、前記複数の半径方向流路の外周側に位置し、前記複数の半径方向流路に連通する環状流路をさらに含み、
前記中心軸に直交する前記環状流路の断面における面積が、前記環状開口の開口面積以上である。
上記(13)の構成によれば、バルブケーシングには、複数の半径方向流路に連通する環状流路が設けられており、中心軸に直交する環状流路の断面における面積が、環状開口の開口面積以上であるため、環状バルブにおける流体のより一層スムーズな排出又は流入が可能となる。
(14)一実施形態では、上記(11)乃至(13)の何れかの構成において、
前記バルブケーシングは、前記複数の半径方向流路の外周側に位置し、前記複数の半径方向流路に連通する環状流路をさらに含み、
前記複数の半径方向流路の各々の通路断面積は、前記中心軸に直交する前記環状流路の断面における面積の1/4倍以上である。
上記(14)の構成によれば、バルブケーシングには、複数の半径方向流路に連通する環状流路が設けられており、複数の半径方向流路の各々の通路断面積は、中心軸に直交する環状流路の断面における面積の1/4倍以上であるため、環状バルブにおける流体のより一層スムーズな排出又は流入が可能となる。
(15)本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る再生エネルギー型発電装置は、
再生エネルギーを受け取って回転するように構成されたロータと、
前記ロータによって駆動されて作動油を昇圧するように構成された油圧ポンプと、
前記作動油によって駆動されるように構成された油圧モータと、
前記油圧モータによって駆動されるように構成された発電機と、を備え、
前記油圧ポンプ又は油圧モータの少なくとも一方は、
シリンダおよび該シリンダ内を往復運動可能なピストンによって形成される作動室と、
前記油圧ポンプ及び前記油圧モータ間に設けられた外部流路と前記作動室とを連通可能に構成された内部流路と、
前記内部流路上に設けられ、前記作動室と前記外部流路との連通状態を切り替え可能に構成された上記(1)乃至(14)に記載の環状バルブと、
を含む。
上記(15)の再生エネルギー型発電装置によれば、油圧ポンプ又は油圧モータの少なくとも一方において、上記(1)乃至(14)の何れかに記載の環状バルブを採用している。上述したように、この環状バルブは、不安定挙動やバルブの損傷を抑制可能であるため、油圧ポンプ又は油圧モータの少なくとも一方において環状バルブの不具合が発生しにくく、再生エネルギー型発電装置の安定した稼働が可能となる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、環状バルブの動作遅れ(例えば開弁遅れ又は閉弁遅れ)や意図せぬ動き等の環状バルブの不安定挙動を抑制することができ、また、環状バルブの損傷を抑制することもできる。
一実施形態に係る風力発電装置の全体構成を示す図である。 一実施形態に係る油圧機械の概略構成を示す断面図である。 一実施形態に係る低圧弁および高圧弁とその周辺構造を示す断面図である。 一実施形態に係る低圧弁およびその周辺構造を示す断面図である。 閉弁位置にある環状弁体およびシート部を示す図で 開弁位置にある環状弁体およびシート部を示す図である。 一実施形態に係る環状弁体の斜視図である。 図6Aに示した環状弁体の断面図(図6AのA−A線断面図)である。 他の実施形態に係る環状弁体の斜視図である。 図7Aに示した環状弁体の断面図(図7AのB−B線断面図)である。 一実施形態に係る環状弁体およびシート部を示す部分断面図(図5BのC部拡大図)である。 一実施形態に係る環状バルブのバルブケーシングを環状開口側から視た図である。 一実施形態に係る環状バルブのバルブケーシングの断面図(図9のD−D線断面図)である。 一実施形態に係る環状バルブのバルブケーシングの断面図(図9のE−E線断面図)である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、一実施形態に係る風力発電装置1の全体構成を示す図である。
なお、以下の説明では、本実施形態に係る環状バルブの適用対象として、再生エネルギー型発電装置である風力発電装置1を例示している。ただし、本実施形態に係る環状バルブの適用対象はこれに限定されるものではなく、他の種類の再生エネルギー型発電装置であってもよいし、あるいは産業車両や産業機械や舶用装置等の再生エネルギー型発電装置以外の装置であってもよい。
図1に示されるように、一実施形態に係る風力発電装置1は、少なくとも一本のブレード2と、ブレード2が取り付けられたハブ3と、ハブ3に一体的に回転可能に構成された回転シャフト4と、を含むロータ5を備えている。ロータ5は、主軸受を介してナセル12に回転可能に支持されており、ブレード2が風を受けることによって回転するように構成されている。ナセル12は、洋上又は陸上に立設されたタワー13の上端部に取り付けられている。
ロータ5には、回転シャフト4を介して油圧ポンプ6が連結されている。油圧ポンプ6には、高圧油ライン8及び低圧油ライン9を介して油圧モータ7が接続されている。具体的には、油圧ポンプ6の出口が高圧油ライン8を介して油圧モータ7の入口に接続され、油圧ポンプ6の入口が低圧油ライン9を介して油圧モータ7の出口に接続されている。油圧ポンプ6は、ロータ5によって駆動されて作動油を昇圧し、高圧の作動油(圧油)を生成するように構成されている。油圧ポンプ6で生成された圧油は高圧油ライン8を介して油圧モータ7に供給される。油圧モータ7は、油圧ポンプ6で昇圧された圧油によって駆動されるように構成されている。油圧モータ7で仕事をした後の低圧の作動油は、油圧モータ7の出口と油圧ポンプ6の入口との間に設けられた低圧油ライン9を経由して、油圧ポンプ6に再び戻される。また、油圧モータ7には出力軸11を介して発電機10が連結されている。そして、発電機10は、油圧モータ7によって駆動されて、発電を行うように構成されている。
図2は、一実施形態に係る油圧機械7の概略構成を示す断面図である。
なお、図2では、油圧機械7として油圧モータを例示しているが、本実施形態が適用される油圧機械はこれに限定されるものではなく、例えば油圧ポンプであってもよい。
幾つかの実施形態において、油圧機械7は、シリンダ22およびピストン24によって形成される作動室26と、油圧ポンプ6及び油圧モータ7間に設けられた外部流路(例えば図1の高圧油ライン8又は低圧油ライン9)と作動室26とを連通可能に構成された内部流路16,18と、内部流路16,18上に設けられ、作動室26と外部流路との連通状態を切り替え可能に構成された環状バルブ(例えば低圧弁50又は高圧弁70)と、を備える。
回転軸14は、油圧モータ7の場合は出力軸11(図1参照)に連結され、油圧ポンプ6の場合は回転シャフト4(図1参照)に連結される。
シリンダブロック20は、回転軸14の全周に亘って環状に延在しており、回転軸14の回転軸線15を中心として半径方向に延在する複数のシリンダ22と、各々のシリンダ22内において往復動可能に設けられた複数のピストン24と、シリンダ22およびピストン24によって形成される作動室26と、を含む。
バルブブロック30は、シリンダ22の位置に対応して、シリンダブロック20の外周側に複数設けられている。バルブブロック30には、低圧弁50および高圧弁70が設けられている。
シリンダブロック20及びバルブブロック30には、高圧油ライン8(図1参照)に接続される高圧油内部流路18と、低圧油ライン9に接続される低圧油内部流路16と、が形成されている。高圧油内部流路18および低圧油内部流路16は、それぞれ、作動室26に接続されている。高圧油内部流路18上に配置された高圧弁70を開閉することによって、高圧油内部流路18と作動室26との連通状態が切り替えられるようになっている。また、低圧油内部流路16上に配置された低圧弁50を開閉することによって、低圧油内部流路16と作動室26との連通状態が切り替えられるようになっている。
油圧機械7では、低圧弁50および高圧弁70の切り替えによって、作動室26内に作動油が流出入し、作動室26内の作動油の圧力エネルギーとピストン24の往復運動エネルギーとが変換されるとともに、ピストン24の往復運動エネルギーと、回転軸14の回転エネルギーとが変換されるようになっている。例えば、油圧ポンプ6においては、低圧弁50および高圧弁70を適宜切り替えることによって、回転シャフト4(図1参照)の回転エネルギーを用いて高圧の作動油を生成し、油圧モータ7においては、低圧弁50および高圧弁70を適宜切り替えることによって、高圧の作動油の圧力エネルギーを用いて出力軸11(図1参照)を回転させるようになっている。
なお、本実施形態では、上記低圧弁50および高圧弁70の少なくとも一方が、後述する環状バルブによって構成される。
ここで、油圧機械の一例として、油圧モータ7について具体的に説明する。
一実施形態において、油圧モータ7は、出力軸11(図1参照)に連結される回転軸14と、回転軸14の外周側に配置されたシリンダブロック20と、シリンダブロック20の外周側に配置されたバルブブロック30と、を備える。
油圧モータ7は、回転軸14として、回転軸線15に沿った方向に複数配列された偏心カムを有するカムシャフト14を備えている。
シリンダブロック20は、カムシャフト14の全周に亘って環状に延在する。なお、シリンダブロック20は、周方向に配列された複数のセクションが互いに接続されて構成されていてもよい。また、シリンダブロック20は、回転軸14の回転軸線15を中心として半径方向に延在する複数のシリンダ22と、各々のシリンダ22内において往復動可能に設けられた複数のピストン24と、シリンダ22およびピストン24によって形成される作動室26と、を含む。図示される例では、周方向に6個のシリンダ22およびピストン24が配列された構成を示している。
バルブブロック30は、シリンダ22の位置に対応して、シリンダブロック20の外周側に複数設けられている。図示される例では、周方向に6個のバルブブロック30が配列された構成を示している。バルブブロック30は、シリンダブロック20に対してボルト等によって固定される。
シリンダブロック20及びバルブブロック30には、それぞれ、高圧油ライン8(図1参照)に接続される高圧油内部流路18と、低圧油ライン9(図1参照)に接続される低圧油内部流路16と、が形成されている。すなわち、シリンダブロック20の内部に形成された高圧油内部流路18aと、バルブブロック30の内部に形成された高圧油内部流路18bとが、シリンダブロック20の高圧ポート18cを介して接続されている。また、シリンダブロック20の内部に形成された低圧油内部流路16aと、バルブブロック30の内部に形成された低圧油内部流路16bとが、シリンダブロック20の低圧ポート16cを介して接続されている。
バルブブロック30には、例えば低圧油の脈動を抑制する目的で、低圧油内部流路16bに接続される低圧油アキュムレータ17が取り付けられていてもよい。
上記構成を有する油圧モータ7においては、高圧弁70を開いて低圧弁50が閉じた状態で、高圧油内部流路18を介して作動室26に高圧の作動油が供給されると、作動油の圧力エネルギーによってピストン24がシリンダ22内で往復運動し、これに伴い回転軸14が回転する。そして、圧力が低下した作動油は、高圧弁70を閉じて低圧弁50を開くことによって作動室26から低圧油内部流路16に排油される。
なお、本実施形態では、上記低圧弁50又は高圧弁70の少なくとも一方が、後述する環状バルブによって構成される。
次に、図3、図4、図5Aおよび図5Bを参照して、上記低圧弁50又は高圧弁70と、その周辺構造について詳細に説明する。図3は、一実施形態に係る低圧弁50又は高圧弁70とその周辺構造を示す断面図である。図4は、一実施形態に係る低圧弁50およびその周辺構造を示す断面図である。図5は、閉弁位置にある環状弁体54およびシート部52を示す図である。図5Bは、開弁位置にある環状弁体54およびシート部52を示す図である。
なお、図示される例では、本実施形態に係る環状バルブが低圧弁50に適用された構成を示しているが、環状バルブの適用対象はこれに限定されるものではなく、例えば高圧弁70に適用してもよい。
一実施形態において、環状バルブ(低圧弁)50は、シート部52を有する環状弁座51と、シート部52に直交する方向に沿って移動可能に構成されたロッド53と、ロッド53に固定される環状弁体54と、シート部52に直交する方向に沿って環状弁体54を動かすための弁体移動ユニット55と、を備える。なお、図示される例では、シート部52に直交する方向が、環状開口34の中心軸Oに沿った方向と概ね一致している場合を示している。
環状弁体54は、環状弁座51に対向して設けられ、ロッド53に固定されている。
弁体移動ユニット55は、環状開口34が環状弁体54によって閉塞されるように環状弁体54が環状弁座51のシート部52に当接する閉弁位置と、環状開口34が開放されるように環状弁体54が環状弁座51のシート部52から離れる開弁位置との間で、シート部52に直交する方向に沿って環状弁体54を動かすように構成される。なお、環状弁体54は、シート部52に当接する部位のみ他の部位よりも環状弁座51側に突出していてもよい。
環状開口34は、低圧油内部流路16のうち作動室26に面する端部に形成されている。
シート部52は、環状開口34の外周縁34aと内周縁34bとによって形成され、環状弁座51のシート部52は、環状開口34の外周縁34aを含む第1環状領域52a、および、環状開口34の内周縁34bを含む第2環状領域52bにおいて、閉弁位置にある環状弁体54に面接触するように構成される。
具体的な構成例として、環状バルブ50は、バルブブロック30内に設けられている。バルブブロック30は、環状弁座51が設けられるバルブブロック本体部31と、バルブブロック本体部31を囲むように配置されるバルブブロック接続部32と、を含む。バルブブロック接続部32はシリンダブロック20に固定されており、バルブブロック本体部31はバルブブロック接続部32に固定されている。バルブブロック本体部31とシリンダブロック20との間には、作動室26に連通するように構成された中間室40が設けられている。この中間室40は、低圧油内部流路16および高圧油内部流路18に連通可能に構成されている。すなわち、環状バルブ(低圧弁)50が開いているとき、低圧油内部流路16は中間室40に連通し、高圧弁70が開いているとき、高圧油内部流路18は中間室40に連通する。
環状弁座51は、バルブブロック本体部31のうちシリンダ22側の面に設けられており、環状弁座51のシート部52は、環状開口34の外周縁34aを含む第1環状領域52aと、環状開口34の内周縁34bを含む第2環状領域52bと、を備えている。
ロッド53は、バルブブロック本体部31に形成されたロッド穴33に配置されているが、ロッド53の一方の端部(以下、第1端部と称する)は、ロッド穴33から突出している。また、ロッド53は、シート部(シート面)52に直交する方向に沿って移動可能に構成されている。なお、環状弁体54とロッド53との相対的な位置関係は、図示されるように、環状弁体54に形成される環状開口34の中心軸O上にロッド53が配置され、中心軸Oに沿ってロッド53が動くように構成されてもよい。この場合、環状弁座51のシート部52とロッド53との距離が周方向において略一定となるため、環状弁座51の周方向における剛性を略一定とすることができる。ただし、ロッド53と環状弁体54との相対的な位置関係はこれに限定されるものではなく、ロッド53が環状開口34の中心軸Oからずれた位置に設けられてもよい。
環状弁体54は、環状弁座51に対向して配置されており、ロッド53の第1端部に固定され、ロッド53と一体的に移動可能となっている。図示される例では、環状弁体54は中間室40に配置される。
図4に示すように、弁体移動ユニット55は、ロッド53および環状弁体54を、開弁位置と閉弁位置との間で動かすように構成される。例えば、環状バルブ50が電磁弁である場合、弁体移動ユニット55は、ロッド53の第1端部とは反対側の第2端部に結合されたアーマチュア56と、アーマチュア56を付勢方向に付勢する付勢部材57と、電力が供給されたときに、アーマチュア56を吸引してアーマチュア56を付勢方向とは反対方向に駆動するように構成された電磁石58と、を含む。なお、弁体移動ユニット55は、バルブブロック本体部31に対して着脱自在に設けられていてもよい。
図5Aに示すように、環状弁体54が閉弁位置にあるとき、環状弁体54は、シート部52の第1環状領域52aおよび第2環状領域52bに面接触するようになっている。
図5Bに示すように、環状弁体54が開弁位置にあるとき、環状弁体54はシート部52から離間して、後述する弁体シュラウド部60内に位置するようになっている。
上記構成によれば、環状弁座51のシート部52は、環状開口34の外周縁34aを含む第1環状領域52a、および、環状開口34の内周縁34bを含む第2環状領域52bにおいて、閉弁位置にある環状弁体54に面接触するように構成されている。
そのため、環状バルブ50の開弁動作時又は閉弁動作時に、シート部52と環状弁体54との面接触領域でのスクイーズ膜によるダンピング効果によって環状弁体54の動きが安定化し、バルブの動作遅れ(例えば開弁遅れ又は閉弁遅れ)や意図せぬ動き等のバルブの不安定挙動を抑制することができる。
さらに、環状バルブ50の開弁動作時又は閉弁動作時に、スクイーズ効果(流体抵抗力)によって環状弁体54が減速されるため環状弁体54の衝撃が緩和されること、および、面接触領域ではシート部と環状弁体54とで微小な平面隙間が形成されるため流速が低下してエロージョンが抑制されること、から環状バルブ50の損傷を抑制することができる。
なお、面接触領域とは、シート部52のうちの第1環状領域52aの面と該第1環状領域52aに面接触する環状弁体54の面とを含む領域、および、シート部52のうちの第2環状領域52bの面と該第2環状領域52bに面接触する環状弁体54の面とを含む領域をいう。
図6Aは、一実施形態に係る環状弁体54の斜視図であり、図6Bは、図6Aに示した環状弁体54の側面図(図6AのA−A線断面図)である。図7Aは、他の実施形態に係る環状弁体54の斜視図であり、図7Bは、図7Aに示した環状弁体54の側面図(図7AのB−B線断面図)である。
図6Aおよび図6B、図7Aおよび図7Bに示すように、幾つかの実施形態において、環状弁体54は、閉弁位置においてシート部52の第1環状領域52aおよび第2環状領域52bと面接触する弁体部541と、ロッド53の第1端部に固定される固定部542と、弁体部541と固定部542とを連結する連結部543と、を含む。
連結部543は、ロッド53に沿った方向についてのばね定数が9kN/mm以上である。なお、ロッド53に沿った方向は、環状開口34の中心軸Oに沿った方向に概ね一致する。
一般に、環状バルブ50においては、開弁動作時又は閉弁動作時において、流体の流れにキャビテーションが発生し、このキャビテーションによって、環状バルブ50の不安定挙動を引き起こすことがある。
本発明者らは鋭意検討の結果、キャビテーションが発生する事象は、開弁動作時又は閉弁動作時において、環状バルブ周りの流体の流れが不均一となることが一因であることを見出した。すなわち、環状バルブ周りの流体の流れが不均一となると、環状開口34を流れる流体の圧力差に起因して弁体部541がシート部52に対して傾斜してしまい、開弁動作時又は閉弁動作時において、一時的に、弁体部541の周方向における一部のみがシート部に接触し、他の部位は非接触となることがある。この状態では、弁体部541とシート部52との非接触部位において隙間が生じているため、この隙間にジェット流が形成されて流体中にキャビテーションが発生してしまう。
そこで、上記構成では、弁体部541と固定部542とを連結する連結部543における、ロッド53に沿った方向についてのばね定数を9kN/mm以上としている。これにより、環状弁体54の剛性を向上でき、弁体部541がシート部52に対して傾斜することを抑制できる。そのため、開弁動作時又は閉弁動作時において、弁体部541とシート部52とが部分的に非接触となって隙間が形成されてしまい、この隙間を流れるジェット流によってキャビテーションが発生する事態を回避できる。よって、キャビテーションの発生に起因した環状バルブ50の不安定挙動を抑制できる。
一実施形態において、連結部543は、周方向における異なる位置に設けられ、固定部542(ロッド53)と弁体部541とを連結する複数の連結アーム543aを含む。図6Aおよび図6Bに示す例では、4本の連結アーム543aが固定部542を中心として放射状に等間隔(90度間隔)で設けられている。
各々の連結アーム543aは、弁体部541と固定部542との間に架け渡されるように、直線状に延在している。
この構成によれば、周方向における異なる位置に、固定部と弁体部とを連結する複数の連結アームが設けられており、これらの連結アームがそれぞれ直線状に延在しているので、環状弁体54の剛性をより一層高めることができ、キャビテーションの発生を効果的に防止することができる。
図6Aおよび図6Bに示すように、一実施形態では、環状弁体54は、環状弁座51(図5A又は図5B参照)に対向するとともに、平坦かつ環状開口34の半径方向に平行な第1表面545と、第1表面とは反対側に位置し、半径方向に対して傾斜する傾斜領域547を含む第2表面546と、を有する。この第2表面は、傾斜領域547において、内周側に向かうにつれて環状弁体54の厚さが増すように半径方向に対して傾斜している。
この構成によれば、環状弁体54の第1表面545は平坦且つ環状開口34の半径方向に平行に形成されているため、環状弁体54の第1表面545を、シート部52の第1環状領域52aおよび第2環状領域52bに対して容易に面接触させることができる。また、環状弁体54の第2表面546は、半径方向に対して傾斜する傾斜領域547を含み、この傾斜領域547において、内周側に向かうにつれて環状弁体54の厚さが増している。これにより、環状弁体54の剛性を向上でき、弁体部541がシート部52に対して傾斜することを抑制できる。このため、開弁動作時又は閉弁動作時において、弁体部541とシート部52とが部分的に非接触となって隙間が形成されてしまい、この隙間を流れるジェット流によってキャビテーションが発生する事態を回避できる。よって、キャビテーションの発生に起因した環状バルブ50の不安定挙動を抑制できる。
図7Aおよび図7Bに示されるように、他の実施形態では、環状弁体54は、環状弁座51(図5A又は図5B参照)に対向するとともに、平坦かつ環状開口34の半径方向に平行な第1表面545と、第1表面とは反対側に位置し、平坦かつ環状開口の半径方向に平行な第2表面546と、を有する。すなわち、第1表面545と第2表面546は、概ね平行に形成されている。
この構成によれば、環状弁体54を容易に製造でき、環状バルブ50の低コスト化が図れる。
図3、図4、図5A及び図5Bに示すように、一実施形態において、環状バルブ50は、環状開口34の中心軸Oに沿った方向(以下、軸方向と称する)において環状弁体54を挟んで環状弁座51の反対側に位置するように設けられた弁体シュラウド部60をさらに備える。
環状弁体54のうち、環状弁座51に対向する側の面を第1表面545とし、この第1表面545とは反対側の面を第2表面546とした場合、弁体シュラウド部60は、開弁位置にある環状弁体54の第2表面546および外周面548を少なくとも部分的に覆うように構成される。
具体的には、弁体シュラウド部60は、環状弁体54の第2表面に対向して設けられる環状のベース部61と、ベース部61の外周縁から環状弁座51に向かって突出するリム部62と、を含む。すなわち、環状弁体54の第2表面546がベース部61によって覆われ、且つ、環状弁体54の外周面548がリム部62によって覆われる。ベース部61とリム部62とは一体成型されていてもよい。
上記構成によれば、開弁位置にある環状弁体54の第2表面546および外周面548を少なくとも部分的に覆うように弁体シュラウド部60が設けられているので、開弁状態において、環状弁座51から離れている環状弁体54が流体の流れによって環状弁座側へ押されることが抑制される。このため、流体の圧力や流量にかかわらず、環状弁体54の動きの安定化が図れる。
図8は、図5BのC部拡大図である。
同図に示されるように、環状弁体54が開弁位置にあるとき、リム部62の先端面62aと、環状弁体54の外周縁部549における表面との間の軸方向における距離(図5Aに示す中心軸Oに沿った距離)をdとし、環状弁体54の外周縁部549における厚さをtとしたとき、d≦0.05tの関係を満たしてもよい。なお、図示される例では、後述するように環状弁体54の外周面548にテーパ面548aが形成されている構成を示しており、この場合、外周縁部549の厚さは、テーパ面548aを含む環状弁体54の厚さとしてもよい。
上記構成によれば、環状弁体54が開弁位置にあるとき、環状弁体54の外周面548の殆どの部分又は全部がリム部62によって覆われている。これにより、開弁状態において、環状弁体54を流体の流れから効果的に保護し、環状弁体54の動きをより一層安定化することができる。
また、環状弁体54が開弁位置にあるとき、リム部62の内周面62bと、環状弁体54の外周面548との間には隙間63が形成され、隙間63の幅dは、環状弁体54の外径をDとしたとき、0.005D以上の大きさを有してもよい。なお、外径Dは、図6B又は図7Bに示すように、環状弁体54の直径である。また、隙間の幅dとは、半径方向における環状弁体54の外周面548とリム部62の内周面62bとの間の距離である。
上記構成によれば、リム部62の内周面62bと環状弁体54の外周面548との間に隙間63が形成されており、この隙間63は、環状弁体54の外径をDとしたとき、0.005D以上の大きさを有する。これにより、環状弁体54と弁体シュラウド部60との間に、隙間63を介して流体が円滑に流出入するため、開弁動作時又は閉弁動作時における環状弁体54の背圧の影響を低減でき、環状弁体54の応答速度を向上させることができる。
また、リム部62の根本部62cは、ベース部61に近づくにつれて根本部62cの厚さが増加するように構成されてもよい。
図示される例では、リム部62の根本部62cにおいて、内周面62bが、環状弁体54側に曲率中心を有するようにR状に湾曲した形状となっている。不図示の他の構成例では、リム部62の根本部62cにおいて、内周面62bが、ベース部61に近づくにつれて環状弁体54に向けて傾斜したテーパ面を有していてもよい。
これにより、リム部62の根本部62cの厚さが、ベース部61に近づくにつれて増加するため、リム部62において流体の流れに耐え得る強度を確保することができる。
また、環状弁体54の第1表面545から第2表面546に向かって、リム部62の先端面62aにおける内周縁62a1から環状弁体54の外周面548までの半径方向距離gが増加するようにしてもよい。すなわち、開弁動作時又は閉弁動作時、環状弁体54の少なくとも一部がリム部62によって覆われる軸方向動作範囲においては、弁体シュラウド部60からの環状弁体54のリフト量が大きくなる程、リム部62の内周面と環状弁体54の外周面548との隙間が大きくなるようにしてもよい。
図示される例では、環状弁体54の外周面548のうち第2表面546側の少なくとも一部に、第1表面545から第2表面546に向かって径方向内側へ傾斜したテーパ面548aが設けられている。あるいは、図示しない他の構成例として、環状弁体54の外周面548のうち第2表面546側の少なくとも一部がR状に形成されていてもよい。
上記構成によれば、環状弁体54の第1表面545から第2表面546に向かって、リム部62と環状弁体54との半径方向距離gが増加するように構成されているので、弁動作の過渡状態において、環状弁体54と弁体シュラウド部60との間において流体が円滑に流出入し、環状弁体54の応答速度をより一層向上させることができる。
さらに、環状に形成されたベース部61の内周縁には、環状弁座51に向かって突出するリッジ65が設けられており、環状弁体54は、開弁位置において、環状弁体54の第2表面546がリッジ65に当接し、ベース部61と第2表面546との間に隙間66が形成されるようにしてもよい。あるいは、不図示の他の構成例として、環状弁体54の第2表面546に、ベース部61に向かって突出するリッジが設けられていてもよい。
上記構成によれば、弁体シュラウド部60のベース部61の内周縁に、環状弁座51に向かって突出するリッジ65が設けられており、このリッジ65が介在することよって、開弁位置にある環状弁体54の第2表面546とベース部61との間に隙間66が形成されるようになっている。これにより、弁動作の過渡状態において、環状弁体54と弁体シュラウド部との間において流体が円滑に流出入し、環状弁体54の応答速度をより一層向上させることができる。
図3及び図4に示されるように、一構成例では、弁体シュラウド部60は、支持部67によってバルブブロック本体部31に固定される。
また、環状バルブ50は、支持部67によって支持される篩部68をさらに備えていてもよい。篩部68は、作動室26に面するように配置され、作動室26内への異物の侵入を防止するように構成される。例えば篩部68は、多数の孔を有する板状部材によって構成される。
なお、支持部67、弁体シュラウド部60、および篩部68は、一体的に形成されていてもよい。
上述した環状バルブ50は、さらに以下の構成を備えていてもよい。
図9は、一実施形態に係る環状バルブ50のバルブケーシング35を環状開口34側から視た図である。図10は、一実施形態に係る環状バルブ50のバルブケーシング35の断面図(図9のD−D線断面図)である。図11は、一実施形態に係る環状バルブ50のバルブケーシング35の断面図(図9のE−E線断面図)である。
図9乃至図11に示すように、環状バルブ50は、環状弁座51を有するバルブケーシング35をさらに備える。なお、図3および図4に示した実施形態に照らし合わせれば、バルブケーシング35は、バルブブロック本体部31により構成されてもよいし、あるいは、バルブブロック本体部31とバルブブロック接続部32の少なくとも一部とにより構成されてもよい。
一実施形態において、バルブケーシング35は、環状開口34を形成するとともに、中心軸に沿って環状開口34から環状弁体54とは反対側に延設された環状溝36と、環状溝36に連通するように環状開口34の半径方向に沿って延在する複数の半径方向流路37と、を含む。
環状溝36は、中心軸Oと同軸の環状に形成されており、中心軸Oに沿って延在している。環状溝36の軸方向における一端側に環状開口34が形成されており、他端側は複数の半径方向流路37に連通している。
複数の半径方向流路37は、中心軸Oを中心として放射状に配列されている。各々の半径方向流路37の中心軸O側の端部は、環状溝36に連通している。
この構成によれば、バルブケーシング35には、環状開口34を形成するとともに中心軸に沿って延設された環状溝36と、環状溝36に連通するように環状開口34の半径方向に沿って延在する複数の半径方向流路37と、が設けられている。このため、環状弁体54が固定される側とは反対側のロッド端部の周囲に、弁体移動ユニット55を配置するスペースを容易に確保することができる。
また、環状溝36は、環状開口34から遠ざかるにつれて流路断面積が広がるディフューザ形状を有していてもよい。図示される例では、環状開口34から遠ざかるにつれて環状溝36の幅が滑らかに拡大している。なお、環状溝の幅36とは、環状溝36の内周壁と外周壁との間の半径方向における距離をいう。
この環状溝36は、環状開口34から遠ざかるにつれて流路断面積が広がっているので、環状バルブ50における流体のスムーズな排出又は流入が可能となる。
一実施形態では、バルブケーシング35は、複数の半径方向流路37の外周側に位置し、複数の半径方向流路37に連通する環状流路38をさらに含む。
この場合、中心軸Oに直交する環状流路38の断面における面積が、環状開口34の開口面積以上であってもよい。環状流路38は、環状開口34が形成される環状溝36よりも外周側に設けられている。
バルブケーシング35には、複数の半径方向流路37に連通する環状流路38が設けられており、中心軸Oに直交する環状流路の断面における面積が、環状開口34の開口面積以上であるため、環状バルブ50における流体のより一層スムーズな排出又は流入が可能となる。
また、複数の半径方向流路37の各々の通路断面積は、中心軸Oに直交する環状流路38の断面における面積の1/4倍以上であってもよい。
バルブケーシング35には、複数の半径方向流路37に連通する環状流路38が設けられており、複数の半径方向流路37の各々の通路断面積は、中心軸Oに直交する環状流路38の断面における面積の1/4倍以上であるため、環状バルブ50における流体のより一層スムーズな排出又は流入が可能となる。
例えば、油圧モータ7(図3及び図4参照)の低圧弁50においては、仕事をした後の低圧の作動油をスムーズに排油することが重要である。低圧の作動油は、環状開口34、環状溝36、半径方向流路37、環状流路38の順に流れるため、下流側に向かう程、流路断面積が大きくなるようにすることで、作動室26(図3及び図4参照)からスムーズに排油することが可能となる。
なお、高圧弁70は、以下の構成を備えていてもよい。
一実施形態において、高圧弁70は、低圧弁50に隣接して設けられた環状バルブ50であって、環状弁座71と、ロッド73と、環状弁体74と、弁体移動ユニット75と、を備える。バルブブロック30には、高圧弁70の周りを囲むドーナツ状の高圧内部流路18dが設けられており、高圧弁70が開いているとき、高圧内部流路18dから中間室40に高圧の作動油が流入するようになっている。
この高圧弁70は、上述した環状バルブ(低圧弁)50と同様の構成を選択的に備えていてもよい。
上述したように、本発明の少なくとも幾つかの実施形態によれば、環状バルブ50の動作遅れ(例えば開弁遅れ又は閉弁遅れ)や意図せぬ動き等の環状バルブ50の不安定挙動を抑制することができ、また、環状バルブ50の損傷を抑制することもできる。
また、再生エネルギー型発電装置1が上述した実施形態の環状バルブ50を搭載することによって、油圧ポンプ6又は油圧モータ7の少なくとも一方において環状バルブ50の不具合が発生しにくく、再生エネルギー型発電装置1の安定した稼働が可能となる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 再生エネルギー型発電装置(風力発電装置)
2 ブレード
3 ハブ
4 回転シャフト
5 ロータ
6 油圧ポンプ
7 油圧機械(油圧モータ)
8 高圧油ライン
9 低圧油ライン
10 発電機
14 回転軸
16(16a,16b) 低圧油内部流路
16c 低圧ポート
17 低圧油アキュムレータ
18(18a,18b,18d) 高圧油内部流路
18c 高圧ポート
20 シリンダブロック
22 シリンダ
24 ピストン
26 作動室
30 バルブブロック
31 バルブブロック本体部
32 バルブブロック接続部
33 ロッド穴
34 環状開口
35 バルブケーシング
36 環状溝
37 半径方向流路
38 環状流路
40 中間室
50 環状バルブ(低圧弁)
51 環状弁座
52 シート部
52a 第1環状領域
52b 第2環状領域
53 ロッド
54 環状弁体
55 弁体移動ユニット
56 アーマチュア
57 付勢部材
58 電磁石
60 弁体シュラウド部
61 ベース部
62 リム部
62a 先端面
62a1 内周縁
62b 内周面
62c 根本部
65 リッジ
67 支持部
68 篩部
70 高圧弁
71 環状弁座
73 ロッド
74 環状弁体
75 弁体移動ユニット
541 弁体部
542 固定部
543 連結部
543a 連結アーム
545 第1表面
546 第2表面
547 傾斜領域
O 中心軸
d 距離

Claims (15)

  1. 環状開口の外周縁と内周縁とによって形成されるシート部を有する環状弁座と、
    前記シート部に直交する方向に沿って移動可能に構成されたロッドと、
    前記環状弁座に対向して設けられ、前記ロッドに固定される環状弁体と、
    前記環状開口が前記環状弁体によって閉塞されるように前記環状弁体が前記環状弁座の前記シート部に当接する閉弁位置と、前記環状開口が開放されるように前記環状弁体が前記環状弁座の前記シート部から離れる開弁位置との間で、前記環状弁体を動かすための弁体移動ユニットと、を備え、
    前記環状弁座の前記シート部は、前記環状開口の前記外周縁を含む第1環状領域、および、前記環状開口の前記内周縁を含む第2環状領域において、前記閉弁位置にある前記環状弁体に面接触するように構成されたことを特徴とする環状バルブ。
  2. 前記環状弁体は、
    前記閉弁位置において前記シート部の前記第1環状領域および前記第2環状領域と面接触する弁体部と、
    前記ロッドに固定される固定部と、
    前記弁体部と前記固定部とを連結する連結部と、
    を含み、
    前記連結部は、前記ロッドに沿った方向についてのばね定数が9kN/mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の環状バルブ。
  3. 前記連結部は、周方向における異なる位置に設けられ、前記ロッドと前記弁体部とを連結する複数の連結アームを含み、
    各々の前記連結アームは直線状に延在していることを特徴とする請求項2に記載の環状バルブ。
  4. 前記環状弁体は、
    前記環状弁座に対向する第1表面と、
    前記第1表面とは反対側に位置する第2表面と、
    を有し、
    前記環状開口の軸方向において前記環状弁体を挟んで前記環状弁座の反対側に位置し、前記開弁位置にある前記環状弁体の前記第2表面および外周面を少なくとも部分的に覆う弁体シュラウド部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の環状バルブ。
  5. 前記弁体シュラウド部は、
    前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
    前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
    を含み、
    前記環状弁体が前記開弁位置にあるとき、前記リム部の先端面と、前記環状弁体の外周縁部における表面との間の前記環状開口の中心軸に沿った距離をdとし、前記環状弁体の前記外周縁部における厚さをtとしたとき、d≦0.05tの関係を満たすことを特徴とする請求項4に記載の環状バルブ。
  6. 前記弁体シュラウド部は、
    前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
    前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
    を含み、
    前記環状弁体が前記開弁位置にあるとき、前記リム部の内周面と、前記環状弁体の外周面との間には隙間が形成され、
    前記隙間は、前記環状弁体の外径をDとしたとき、0.005D以上の大きさを有することを特徴とする請求項4又は5に記載の環状バルブ。
  7. 前記弁体シュラウド部は、
    前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
    前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
    を含み、
    前記リム部の根本部は、前記ベース部に近づくにつれて前記根本部の厚さが増加するように構成されたことを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の環状バルブ。
  8. 前記弁体シュラウド部は、
    前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
    前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
    を含み、
    前記環状弁体の前記第1表面から前記第2表面に向かって、前記リム部の先端面における内周縁から前記環状弁体の外周面までの半径方向距離が増加することを特徴とする請求項4乃至7の何れか一項に記載の環状バルブ。
  9. 前記弁体シュラウド部は、
    前記環状弁体の前記第2表面に対向して設けられる環状のベース部と、
    前記ベース部の外周縁から前記環状弁座に向かって突出するリム部と、
    を含み、
    前記ベース部の内周縁には、前記環状弁座に向かって突出するリッジが設けられており、
    前記環状弁体は、前記開弁位置において、前記環状弁体の前記第2表面が前記リッジに当接し、前記ベース部と前記第2表面との間に隙間が形成されることを特徴とする請求項4乃至8の何れか一項に記載の環状バルブ。
  10. 前記環状弁体は、
    前記環状弁座に対向するとともに、平坦かつ前記環状開口の半径方向に平行な第1表面と、
    前記第1表面とは反対側に位置し、前記半径方向に対して傾斜する傾斜領域を含む第2表面と、
    を有し、
    前記第2表面は、前記傾斜領域において、内周側に向かうにつれて前記環状弁体の厚さが増すように前記半径方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の環状バルブ。
  11. 前記環状弁座を有するバルブケーシングをさらに備え、
    前記バルブケーシングは、
    前記環状開口を形成するとともに、前記環状開口の中心軸に沿って前記環状開口から前記環状弁体とは反対側に延設された環状溝と、
    前記環状溝に連通するように前記環状開口の半径方向に沿って延在する複数の半径方向流路と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の環状バルブ。
  12. 前記環状溝は、前記環状開口から遠ざかるにつれて流路断面積が広がるディフューザ形状を有することを特徴とする請求項11に記載の環状バルブ。
  13. 前記バルブケーシングは、前記複数の半径方向流路の外周側に位置し、前記複数の半径方向流路に連通する環状流路をさらに含み、
    前記中心軸に直交する前記環状流路の断面における面積が、前記環状開口の開口面積以上であることを特徴とする請求項11又は12に記載の環状バルブ。
  14. 前記バルブケーシングは、前記複数の半径方向流路の外周側に位置し、前記複数の半径方向流路に連通する環状流路をさらに含み、
    前記複数の半径方向流路の各々の通路断面積は、前記中心軸に直交する前記環状流路の断面における面積の1/4倍以上であることを特徴とする請求項11乃至13の何れか一項に記載の環状バルブ。
  15. 再生エネルギーを受け取って回転するように構成されたロータと、
    前記ロータによって駆動されて作動油を昇圧するように構成された油圧ポンプと、
    前記作動油によって駆動されるように構成された油圧モータと、
    前記油圧モータによって駆動されるように構成された発電機と、を備え、
    前記油圧ポンプ又は油圧モータの少なくとも一方は、
    シリンダおよび該シリンダ内を往復運動可能なピストンによって形成される作動室と、
    前記油圧ポンプ及び前記油圧モータ間に設けられた外部流路と前記作動室とを連通可能に構成された内部流路と、
    前記内部流路上に設けられ、前記作動室と前記外部流路との連通状態を切り替え可能に構成された請求項1乃至14の何れか一項に記載の環状バルブと、
    を含むことを特徴とする再生可能エネルギー発電装置。
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