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JP2016200111A - 排気浄化システム - Google Patents

排気浄化システム Download PDF

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JP2016200111A
JP2016200111A JP2015082384A JP2015082384A JP2016200111A JP 2016200111 A JP2016200111 A JP 2016200111A JP 2015082384 A JP2015082384 A JP 2015082384A JP 2015082384 A JP2015082384 A JP 2015082384A JP 2016200111 A JP2016200111 A JP 2016200111A
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孝之 小池
Takayuki Koike
孝之 小池
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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】NOx触媒の浄化率を向上させる。【解決手段】エンジンの排気通路に選択還元型NOx触媒を備え、エンジンの運転状態に基づいて基本噴射時期θbを算出し(S101)、NOx触媒の入口ガス温度とNOx触媒のアンモニア吸着量とNOx触媒におけるNOx質量流量とNOx触媒に供給される排気中のNO2/NOx比率とに基づいてNOx浄化率ηを推定し(S102)、エンジンの運転状態に基づいて基準NOx浄化率η0を算出し(S103)、NOx浄化率ηと基準NOx浄化率η0との差Δηに基づいて噴射時期補正量Δθを算出し(S104、S105)、この噴射時期補正量Δθで基本噴射時期θbを補正した(S106)。【選択図】図2

Description

本発明は排気浄化システムに係り、特に、エンジンの排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒を備える排気浄化システムに関する。
排気通路に選択還元型NOx触媒を備えるエンジンが公知である。かかるエンジンにおいて、選択還元型NOx触媒をできるだけ高効率で働かせるため、NOx触媒の入口ガス温度に応じて燃料噴射時期を補正するものがある。
特開2011−241775号公報
NOx触媒の効率すなわちNOx浄化率は、触媒自身もしくは触媒に流入する排気ガスの温度の影響を大きく受ける。よってNOx触媒の入口ガス温度に応じて燃料噴射時期を補正することは、たしかに有効ではある。しかしその一方で、NOx浄化率はそうした温度以外の他のパラメータの影響も受ける。従って、入口ガス温度だけでなく他のパラメータの影響も考慮した、より適切で高精度な燃料噴射時期補正方法が望まれる。
そこで本発明は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、より適切かつ高精度に燃料噴射時期を補正することができる排気浄化システムを提供することにある。
本発明の一の態様によれば、
エンジンの排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒と、
前記NOx触媒のNOx浄化率を推定する推定部と、
推定された前記NOx浄化率に基づいて前記エンジンの燃料噴射時期を補正する補正部と、
を備えたことを特徴とする排気浄化システムが提供される。
好ましくは、前記排気浄化システムは、
前記エンジンの運転状態に基づいて基本噴射時期を算出する基本噴射時期算出部と、
前記エンジンの運転状態に基づいて基準NOx浄化率を算出する基準NOx浄化率算出部と、
をさらに備え、
前記補正部は、前記NOx浄化率と前記基準NOx浄化率との差に基づき噴射時期補正量を算出し、前記噴射時期補正量により前記基本噴射時期を補正することで前記燃料噴射時期を補正する。
好ましくは、前記推定部は、前記NOx触媒の入口ガス温度と、前記NOx触媒のアンモニア吸着量と、前記NOx触媒におけるNOx質量流量と、前記NOx触媒に供給される排気中のNO2/NOx比率とに基づいて前記NOx浄化率を推定する。
本発明によれば、より適切かつ高精度に燃料噴射時期を補正することができるという、優れた効果が発揮される。
本発明の実施形態の構成を示す概略図である。 本実施形態における制御ルーチンのフローチャートである。 基本噴射時期の算出マップを示す。 基本NOx浄化率の算出マップを示す。 第1補正係数の算出マップを示す。 第2補正係数の算出マップを示す。 基準NOx浄化率の算出マップを示す。 噴射時期補正感度の算出マップを示す。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態の構成を示す概略図である。エンジン(内燃機関)1は、車両に搭載された多気筒の圧縮着火式内燃機関、すなわちディーゼルエンジンである。図示例は直列4気筒エンジンを示すが、エンジンのシリンダ配置形式、気筒数等は任意である。
エンジン1は、エンジン本体2と、エンジン本体2に接続された吸気通路3および排気通路4と、燃料噴射装置5とを備える。エンジン本体2は、シリンダヘッド、シリンダブロック、クランクケース等の構造部品と、その内部に収容されたピストン、クランクシャフト、バルブ等の可動部品とを含む。
燃料噴射装置5は、コモンレール式燃料噴射装置からなり、各気筒に設けられた燃料噴射弁すなわちインジェクタ7と、インジェクタ7に接続されたコモンレール8とを備える。インジェクタ7は、シリンダ9内すなわち燃焼室内に燃料を直接噴射する。コモンレール8は、インジェクタ7から噴射される燃料を高圧状態で貯留する。
吸気通路3は、エンジン本体2(特にシリンダヘッド)に接続された吸気マニホールド10と、吸気マニホールド10の上流端に接続された吸気管11とにより主に画成される。吸気マニホールド10は、吸気管11から送られてきた吸気を各気筒の吸気ポートに分配供給する。吸気管11には、上流側から順に、エアクリーナ12、エアフローメータ13、ターボチャージャ14のコンプレッサ14C、インタークーラ15、および電子制御式の吸気スロットルバルブ16が設けられる。エアフローメータ13は、エンジン1の単位時間当たりの吸入空気量(吸気流量)を検出するためのセンサ(吸気量センサ)である。
排気通路4は、エンジン本体2(特にシリンダヘッド)に接続された排気マニホールド20と、排気マニホールド20の下流側に配置された排気管21とにより主に画成される。排気マニホールド20は、各気筒の排気ポートから送られてきた排気ガスを集合する。排気管21、もしくは排気マニホールド20と排気管21の間には、ターボチャージャ14のタービン14Tが設けられる。タービン14Tより下流側の排気管21には、上流側から順に、酸化触媒22、パティキュレートフィルタ(以下「DPF」という)23、選択還元型NOx触媒24およびアンモニア酸化触媒26が設けられる。
酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)22は、排気ガス中の未燃成分(炭化水素HCおよび一酸化炭素CO)を酸化して浄化する。酸化触媒22は、HC,COの酸化時に生じた熱で排気ガスを加熱、昇温する機能を有する。また酸化触媒22は、排気中の窒素酸化物NOxを二酸化窒素NO2に酸化する機能をも有する。排気中のNOxは大部分がNOであるが、これをNO2に酸化することにより、後段の選択還元型NOx触媒24におけるNOx浄化率を向上できる。
DPF23は、排気中に含まれる粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集して除去するものである。またDPF23は、その内壁にPt等の貴金属を担持させた所謂連続再生式の触媒付きDPFからなる。この場合、DPFに供給された排気中のHCが触媒作用で酸化、燃焼し、このとき同時にDPF内部に堆積しているPMが燃焼除去される。
選択還元型NOx触媒(SCR:Selective Catalytic Reduction)24は、排気ガス中の窒素酸化物NOxを浄化するための触媒である。NOx触媒24は、還元剤が添加されたときにNOxを連続的に還元し得る。NOx触媒24の上流側、特に入口近傍の排気通路4には、還元剤としての尿素水をNOx触媒24に添加する添加弁25が設けられる。尿素水が添加されると、触媒上で尿素水が加水分解され、アンモニアが生成される。このアンモニアがNOxと反応してNOxが還元される。
アンモニア酸化触媒26は、所謂アンモニアスリップが生じたとき、NOx触媒24から排出された余剰アンモニアを酸化して浄化する触媒である。
エンジン1はEGR装置30をも備える。EGR装置30は、排気通路4内(特に排気マニホールド20内)の排気ガスの一部(「EGRガス」という)を吸気通路3内(特に吸気マニホールド10内)に還流させるためのEGR通路31と、EGR通路31を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラ32と、EGRガスの流量を調節するためのEGR弁33とを備える。
また本実施形態において、制御ユニットもしくはコントローラをなす電子制御ユニット(以下「ECU」と称す)100が設けられる。ECU100はCPU、ROM、RAM、入出力ポートおよび記憶装置等を含む。ECU100は、インジェクタ7、吸気スロットルバルブ16、添加弁25およびEGR弁33等を制御する。
センサ類に関して、上述のエアフローメータ13の他、エンジンの回転速度(rpm)を検出するための回転速度センサ40、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ41が設けられる。また、酸化触媒22、DPF23、NOx触媒24の各々の上流側ないし入口近傍の排気温度(入口ガス温度)を検出するための排気温センサ42,43,44が設けられている。また、DPF23の上流側および下流側の排気圧の差圧を検出するための差圧センサ45が設けられている。また、エンジンの燃焼室から排出される排ガス中のNOx濃度を検出するためのNOxセンサ47が設けられている。これらセンサ類の出力信号はECU100に送られる。
ECU100は、排気温センサ42,43,44により検出された排気温に基づき酸化触媒22、DPF23、NOx触媒24の温度をそれぞれ推定する。なおこれら各要素に各々に設けられた温度センサにより各温度を直接検出しても構わないし、推定と検出を組み合わせてもよい。これら推定と検出を総称して取得という。またECU100は、差圧センサ45により検出された差圧に基づきDPF23のPM堆積量を推定する。なおPM堆積量は、車両の走行距離、エンジン運転時間、燃料噴射量積算値等に基づいて推定することもできる。
図示しないが、コモンレール圧を検出するためのコモンレール圧センサが設けられ、ECU100は、コモンレール圧センサにより検出された実際のコモンレール圧が目標コモンレール圧に一致するようフィードバック制御を行う。
次に、本実施形態の制御について説明する。ECU100は、エンジン運転状態に基づいてエンジンの燃料噴射時期、すなわち各インジェクタ7における燃料噴射開始時期(SOI:Start Of Injection)を制御する。前述したように、NOx触媒24の効率すなわちNOx浄化率は、触媒自身もしくは触媒に流入する排気ガスの温度の影響を大きく受ける。その一方で、NOx浄化率はそうした温度以外の他のパラメータの影響も受ける。従って、NOx触媒24の入口ガス温度だけでなく他のパラメータの影響も考慮した、より適切で高精度な燃料噴射時期補正方法が望まれる。そこで本実施形態は、以下に詳しく述べるように、より適切かつ高精度に燃料噴射時期を補正することができる排気浄化システムを提供する。
図2を参照して、本実施形態における制御ルーチンを説明する。図示するルーチンはECU100により所定の演算周期τ(例えば10msec)毎に繰り返し実行される。
なお、本実施形態では単一のECU100により演算処理を行うが、システムの中には、エンジンを制御するECUと、尿素添加量を制御するECU(DCUと称される)とが別体で構成され、両者が通信可能に接続されるものがある。このものでは、両者間で情報をやり取りしつつ両者で演算処理を行うが、こうしたシステムにおいても本発明は適用可能である。
ステップS101において、ECU100は、エンジン運転状態に基づいて、燃料噴射時期の基本値である基本噴射時期θb(°CA)を算出する。具体的にはECU100は、検出された実際のエンジン回転速度NEと、燃料噴射量、特に指示値としての目標燃料噴射量Qとに基づき、図3に示すような所定のマップmp1に従って基本噴射時期θbを算出する。目標燃料噴射量Qは、実際のエンジン回転速度NEとアクセル開度ACとに基づき図示しない別のマップに従って算出される。
ステップS102において、ECU100は、NOx触媒24の実際の効率(SCR効率)すなわちNOx浄化率ηを次の手順で推定もしくは算出する。
まず、NOx浄化率の基本値である基本NOx浄化率ηbが、アンモニア吸着量STRと、NOx触媒24の入口ガス温度Tgとに基づき、図4に示すような所定のマップmp2に従って算出される。入口ガス温度Tgは排気温センサ44により検出される。アンモニア吸着量STRとは、NOx触媒24に吸着(ストレージ)されているアンモニアの量である。アンモニア吸着量STRが多いほど、また入口ガス温度Tgが高いほど、基本NOx浄化率ηbは高くなる傾向にある。特に基本NOx浄化率ηbは入口ガス温度Tgの影響を大きく受ける。なおアンモニア吸着量STRは公知方法を含む任意の方法で推定可能である。例えばECU100は、添加弁25から添加された尿素水量(具体的には添加量指示値)に基づいて添加アンモニア量を算出し、NOx触媒24においてNOx(第1NOx)の還元に使用された使用アンモニア量を算出し、添加アンモニア量から使用アンモニア量を減算して余剰アンモニア量を算出し、余剰アンモニア量を演算周期毎に積算してアンモニア吸着量STRを算出する。
こうして算出された基本NOx浄化率ηbを、そのまま最終的に求めるNOx浄化率ηとしてもよいが、本実施形態では精度向上のため、基本NOx浄化率ηbを補正して最終的なNOx浄化率ηとする。
すなわち、第1補正係数K1が、NOx触媒24の入口ガス温度Tgと、NOx触媒24におけるNOx質量流量Mとに基づき、図5に示すような所定のマップmp3に従って算出される。NOx触媒24におけるNOx質量流量Mとは、NOx触媒24に流入するNOxの単位時間当たりの質量のことをいう。ECU100は、NOxセンサ47により検出されたNOx濃度と、エアフローメータ13により検出された単位時間当たりの吸入空気量Gaおよびインジェクタ7により噴射された燃料噴射量Gfを加算した排気流量Geとに基づいて、NOx質量流量Mを算出ないし検出する。例えば、検出されたNOx濃度と排気流量Geの積をNOx質量流量Mとする。なお本実施形態ではNOxセンサ47がタービン14Tと酸化触媒22の間に設置されているが、NOx触媒24の上流側における他の位置に設置されてもよい。また本実施形態ではNOx質量流量Mを検出するが、エンジンモデル等に基づき推定してもよい。
図5に示されるように、第1補正係数K1は、大凡1であるが、NOx質量流量Mが少ない領域において若干1を超える。また第1補正係数K1は、図では判別不能であるが、触媒温度Tcに応じて1近傍で微妙に変化する。
次に第2補正係数K2が、NOx触媒24の入口ガス温度Tgと、NO2/NOx比率Rとに基づき、図6に示すような所定のマップmp4に従って算出される。NO2/NOx比率Rとは、NOx触媒24に供給される排気中の窒素酸化物NOx濃度に対する二酸化窒素NO2濃度の比率をいう。図示されるように、第2補正係数K2は、NO2/NOx比率Rが0.5のとき極大値1を取り、NO2/NOx比率Rが0.5から離れるにつれ極大値1から減少していく。また第2補正係数K2は、図では判別不能であるが、触媒温度Tcに応じて微妙に変化する。なおNO2/NOx比率Rは公知方法を含む任意の方法で推定可能である。例えばECU100は、検出されたNOx質量流量と酸化触媒22の推定温度とに基づいてNO2/NOx比率Rを算出する。
こうして第1補正係数K1および第2補正係数K2が算出されたら、これらを基本NOx浄化率ηbに乗じて最終的なNOx浄化率η(=K1×K2×ηb)が算出される。
このように、NOx浄化率ηは、入口ガス温度Tgのみならず、他のパラメータすなわちアンモニア吸着量STR、NOx質量流量MおよびNO2/NOx比率Rにも基づいて推定もしくは算出される値である。
図2に戻って、ECU100は、ステップS103において、エンジン運転状態に基づき、NOx浄化率の基準値である基準NOx浄化率η0を算出する。基準NOx浄化率η0は、エンジンの定常運転時に実現される基準となるNOx浄化率である。具体的にはECU100は、検出された実際のエンジン回転速度NEと目標燃料噴射量Qとに基づき、図7に示すような所定のマップmp5に従って基準NOx浄化率η0を算出する。
次に、ステップS104においてECU100は、ステップS102において推定されたNOx浄化率ηと、ステップS103で算出された基準NOx浄化率η0との差である浄化率差Δηを算出する。具体的には、NOx浄化率ηから基準NOx浄化率η0を減じて浄化率差Δη(=η−η0)を算出する。
ECU100は、ステップS105において、実際のエンジン回転速度NEと目標燃料噴射量Qとに基づき、図8に示すような所定のマップmp6に従って噴射時期補正感度Δθ/Δηを算出する。そしてECU100は、算出された噴射時期補正感度Δθ/Δηに、ステップS104において算出された浄化率差Δηを乗じることにより噴射時期補正量Δθを算出する。そしてECU100は、ステップS106において、噴射時期補正量Δθにより基本噴射時期θbを補正することで燃料噴射時期を補正する。具体的にはECU100は、基本噴射時期θbに噴射時期補正量Δθを加算することで補正後の燃料噴射時期θ(=θb+Δθ)を算出する。この補正後の燃料噴射時期θに燃料噴射が開始されるようインジェクタ7が制御される。なお燃料噴射時期はクランク角(°CA)の単位を有し、その値が大きくなるほど進角側、その値が小さくなるほど遅角側に変化する。
図8に示すマップmp6における噴射時期補正感度Δθ/Δηはプラスの値となる。浄化率差Δηがゼロのとき、すなわちNOx浄化率ηが基準NOx浄化率η0に等しいとき、噴射時期補正量Δθはゼロである。浄化率差Δηがゼロに対しプラス側に大きくなるほど、すなわちNOx浄化率ηが基準NOx浄化率η0より大きくなるほど、噴射時期補正量Δθはゼロに対しプラス側に大きくなり、燃料噴射時期はより進角側に補正される。逆に、浄化率差Δηがゼロに対しマイナス側に大きくなるほど、すなわちNOx浄化率ηが基準NOx浄化率η0より小さくなるほど、噴射時期補正量Δθはマイナス側に大きくなり、すなわち燃料噴射時期はより遅角側に補正される。
例えば、浄化率差ΔηがマイナスのΔη1という値であるとき、マイナスないし遅角側のΔθ1という噴射時期補正量Δθが得られる。実際のNOx浄化率ηが基準NOx浄化率η0より小さいとき、NOx触媒24の入口ガス温度Tgを上昇させ、実際のNOx浄化率ηを基準NOx浄化率η0に近づけるよう増大させるのが有利である。一つにはこの目的のため、燃料噴射時期が遅角側に補正される。こうした観点から、マップmp6は上述の傾向を示すように作成されている。
このように本実施形態によれば、NOx触媒24の入口ガス温度Tgだけでなく他のパラメータの影響も受けるNOx浄化率ηを推定し、この推定されたNOx浄化率ηに基づいて燃料噴射時期を補正する。特に、NOx触媒24の入口ガス温度Tgだけでなく、他のパラメータであるアンモニア吸着量STR、NOx質量流量M、NO2/NOx比率Rにも基づいてNOx浄化率ηを推定し、この推定されたNOx浄化率ηに基づいて燃料噴射時期を補正する。よって、入口ガス温度Tg以外の他のパラメータの影響も考慮し、より適切かつ高精度に燃料噴射時期を補正することができる。
また本実施形態によれば、エンジンの運転状態に基づいて基本噴射時期θbを算出すると共に、エンジンの運転状態に基づいて基準NOx浄化率η0を算出し、推定された実際のNOx浄化率ηと基準NOx浄化率η0との差Δηに基づき噴射時期補正量Δθを算出し、噴射時期補正量Δθにより基本噴射時期θbを補正することで燃料噴射時期を補正する。これによっても適切かつ高精度に燃料噴射時期を補正することができる。
以上の説明で明らかなように、ECU100は本発明にいう推定部、補正部、基本噴射時期算出部および基準NOx浄化率算出部をなす。
以上、本発明の実施形態を詳細に述べたが、本発明は他の実施形態も可能である。例えば、上述の実施形態ではエンジン回転速度と目標燃料噴射量とに基づき基本噴射時期を算出したが、こうして算出される基本噴射時期に外気温、吸気温、水温、大気圧等による補正を行って、補正後の基本噴射時期を基本噴射時期としてもよい。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 エンジン
4 排気通路
24 選択還元型NOx触媒
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (3)

  1. エンジンの排気通路に設けられた選択還元型NOx触媒と、
    前記NOx触媒のNOx浄化率を推定する推定部と、
    推定された前記NOx浄化率に基づいて前記エンジンの燃料噴射時期を補正する補正部と、
    を備えたことを特徴とする排気浄化システム。
  2. 前記エンジンの運転状態に基づいて基本噴射時期を算出する基本噴射時期算出部と、
    前記エンジンの運転状態に基づいて基準NOx浄化率を算出する基準NOx浄化率算出部と、
    をさらに備え、
    前記補正部は、前記NOx浄化率と前記基準NOx浄化率との差に基づき噴射時期補正量を算出し、前記噴射時期補正量により前記基本噴射時期を補正することで前記燃料噴射時期を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の排気浄化システム。
  3. 前記推定部は、前記NOx触媒の入口ガス温度と、前記NOx触媒のアンモニア吸着量と、前記NOx触媒におけるNOx質量流量と、前記NOx触媒に供給される排気中のNO2/NOx比率とに基づいて前記NOx浄化率を推定する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の排気浄化システム。
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