JP2016135704A - シート処理装置及びこれを備える画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】折り曲げられてループが生じた折りシートを搬送する中継ローラ48と、この中継ローラ48の搬送方向と交差方向に折りシートを搬送するグリッパ部材51と、このグリッパ部材51によって搬送される折りシートのループを厚さ方向から押圧する押えローラと、この押えローラを列方向における相互の間隔が段階的に狭くなるように交差方向の上流側から下流側に複数列配置して取り付けた装置フレームと、中継ローラ48とグリッパ部材51とを制御する制御ユニットとを備え、この制御ユニットが、上記中継ローラ48からグリッパ部材51への折りシートの引き継ぎ位置を変更可能とするシート処理装置。
【選択図】図21
Description
この為、一旦折り曲げ処理をした二つ折りシートの折りループ部分に対して再びシート束をそのループ表裏から押圧する処理が広く知られている。
また、上記の特許文献1及び2の装置ともにシートのループ部分を押圧する際は押えローラがシート幅を移動する間は必ずシートを停止することが必要であり、シートの押圧処理に比較的長い時間が掛っていた。
これによれば、最初のシート折りループの厚さ方向からの押圧は、押圧部材が離間した状態の間にシートを幅方向に移動して折りループを押圧させ初期の折りを行う。そして、次の押圧は押圧部材の離間間隔を狭めてシートを幅方向に移動して最初の位置とは異なる新たなにループに折りを作るようにしている。これにより、折りループはシート厚さ方向の内側に向くように異なる位置で段階的な折りが作られることになる。
従って、シート束の折りがみずからが閉じ方向に向くことになり折りの完了後シート束が開くことが少なくなる。また、シートの排出移動過程で段階折りを行うので、シート束の停止を最小限し、さらには、段階折りを実行するか否かの選択も容易に行える。
これにより折りシート束の集積量を多くすることができるとともに、シート停止を最小限にして処理時間を短縮できる。さらには、段階折りを実行しない場合も選択できるシート処理装置及びこれを備える画像形成装置の提供をその課題している。
請求項1に記載の発明は、折り曲げられてループが生じた折りシートを搬送する第1の搬送部材と、第1の搬送部材の搬送方向と交差方向に折りシートを搬送する第2の搬送部材と、第2の搬送部材によって搬送される折りシートのループを厚さ方向から押圧する複数列の押圧部材と、この押圧部材を相互の間隔が列方向において段階的に狭くなるように交差方向の上流側から下流側に順に配置して取り付けた装置フレームと、上記第1の搬送部材と第2の搬送部材とを制御する制御ユニットとを備え、この制御ユニットが、上記第1の搬送部材から第2の搬送部材への折りシートの引き継ぎ位置を変更可能とするシート処理装置である。
これによれば、異なる位置で折りが行われ、集積時に折りシート束が開いてしまうことを少なくでき集積性が向上する。また、シートの交差方向の搬送の過程でこの段階的な折りを実行するので、シートを止めて行うものに比べ処理時間が短縮できる。さらには、段階的な折りを行うか否かも引き継ぎ位置により選択可能となる。
これによれば、折りシートの折ループを、そのループ厚さ方向から段階的に押圧する押圧部材を支持して装置ユニットに取り付けられた支持ユニット内を通過させたので、折り位置が異なり閉じ方向に折りが形成される。これにより集積時に折りシート束が開いてしまうことを少なくでき集積性が向上する。また、シートの交差方向の搬送の過程でこの段階的な折りを実行するので、シートを止めて行うものに比べ処理時間が短縮できる。さらには2つの搬送部材の引き継ぎ位置によって上記の段階的な折りを実行するか否か選択できる。
これによれば、支持ユニット側部とオーバラップする位置で折りシートの交差方向への引き継ぎ搬送を行うことで段階折りが実行できる。
これによれば、支持ユニット側部とオーバラップしない上流位置で折りシートの交差方向への引き継ぎ搬送を行うことで段階折りを実行することなく排出できる。
これによれば、折りシートの搬送方向を交差する方向に変換する際に上流側の搬送部材のシート束のニップを解除するので、交差する方向への引き継ぎ搬送がスムーズに行える。
これによれば、交差方向の変更前の搬送は折りシートに離接する束搬送ローラで行い、交差方向への搬送はシート側部を把持するグリッパ部材で行うので、シートの引き継ぎ搬送が確実に行える。
これによれば、折りシートの折ループを、搬送方向を交差する方向に変更し、折りループ厚さ方向から段階的に押圧する押圧部材を支持して装置ユニットに取り付けられた支持ユニット内を交差方向への搬送過程で通過させたので、折り位置が異なり閉じ方向に折りが形成される。これにより集積時に折りシート束が開いてしまうことを少なくでき集積性が向上する。また、シートの交差方向への搬送過程でこの段階的な折りを実行するので、シートを止めて行うものに比べ処理時間が短縮できる。さらには2つの搬送部材の引き継ぎ位置によって上記の段階的な折りを実行するか否か選択できる。
これによれば、段階的に相互の間隔が狭くなる3列の押えローラからなるので、この中を通過する折りループに段階的な折りを実行することができる。
これによれば、最終列の押えローラは互いに弾性付勢されているので、小枚数から多数枚までの折ループをしっかりと押圧することができる。
これによれば、これまで各請求項の発明で述べた効果を有する画像形成装置が提供できる。
すなわち、異なる位置で折りが行われ、集積時に折りシート束が開いてしまうことを少なくでき集積性が向上する。また、シートの交差方向の搬送の過程でこの段階的な折りを実行するので、シートを止めて行うものに比べ処理時間が短縮できる。さらには、段階的な折りを行うか否かも引き継ぎ位置により選択可能となるシート処理装置及びこれを備える画像形成装置が提供できる。
図1に示す画像形成装置Aは、給紙部1からシートを画像形成部2に送り、画像形成部2でシートに印刷した後、本体排出口3からシートを搬出する。給紙部1は複数のサイズのシートが給紙カセット1a、1bに収納してあり、指定されたシートを1枚ずつ分離して画像形成部2に給送する。画像形成部2は例えば静電ドラム4と、その周囲に配置された印字ヘッド(レーザ発光器)5と現像器6と、転写チャージャ7と定着器8が配置され、静電ドラム4上にレーザ発光器5で静電潜像を形成し、これに現像器6でトナーを付着し、転写チャージャ7でシート上に画像を転写し、定着器8で加熱定着する。このように画像形成されたシートは本体排出口3から順次搬出される。図示9は循環経路であり、定着器8から表面側に印刷したシートを、本体スイッチバック経路10を介して表裏反転した後、再び画像形成部2に給送してシートの裏面側に印刷する両面印刷の経路である。このように両面印刷されたシートは本体スイッチバック経路10で表裏反転された後、本体排出口3から搬出される。
上述の画像形成装置Aに連結されたシート処理装置Bは、図2に示すようにケーシング20に上記第1排紙トレイ21と第2排紙トレイ22を備え、本体排出口3に連なる搬入口23を有するシート搬入経路P1が設けられている。
このシート搬入経路P1はケーシング20に略々水平方向の直線経路で構成されている。そしてこのシート搬入経路P1から分岐しシートを反転方向に移送する第1スイッチバック搬送路SP1と第2スイッチバック搬送路SP2が配置されている。そして第1スイッチバック搬送路SP1が経路下流側で、第2スイッチバック搬送路SP2が経路上流側でそれぞれシート搬入経路P1から分岐され、両搬送路は互いに距離を隔て配置されている。
図2に示されるように第1スイッチバック搬送路SP1は次のように構成されている。シート搬入経路P1の出口端に排紙ローラ25が設けられ、この排紙ローラ25のシートを積載支持する処理トレイ29が設けられている。この処理トレイ29の上方には正逆転ローラ30がトレイ上のシートと接する位置と離間した待機位置との間で昇降自在に配置されている。この正逆転ローラ30が連結され処理トレイ29上にシートが進入する際は同図時計方向に回転し、シート後端が排紙ローラ25から排紙されトレイ上に進入した後は反時計方向に回転するように制御される。従って処理トレイ29上に第1スイッチバック搬送路SP1が構成されている。この処理トレイ29の排紙方向後端部には、端面綴じステープル装置33が配置されている。このステープル装置33は処理トレイ29上に集積されたシート束の後端縁の1個所若しくは複数個所にステープル綴じする。綴じ処理されたシート束は第1排紙トレイ21排出される。
前記シート搬入経路P1から分岐された第2スイッチバック搬送路SP2の構成について説明する。この第2スイッチバック搬送路SP2は、図2に示すようにシートが排紙ローラ25にニップされた状態で正転から逆転してスイッチバック搬送されてくるシートを案内する搬送路である。この搬送路は、図2に示すようにケーシング20に略々鉛直方向に配置され、経路入口に搬送ローラ36が、経路出口に出口搬送ローラ37が配置されている。また第2スイッチバック搬送路SP2の下流側にはこの搬送路から送られたシートを部揃えし一時集積する第2の処理トレイを構成するスタッカ部35が設けられている。図示のスタッカ部35はシートを移送する搬送ガイドで構成されている。このスタッカ部35には中綴じステープラ40と折りローラ45が配置されている。以下順次これらの構成について説明する。
スタッカ部35は、シートの搬送をガイドするガイド部材で形成され、このガイド上にシートを積載収納するように構成されている。図示のスタッカ部35は第2スイッチバック搬送路SP2に連なり、ケーシング20の中央部に略々鉛直方向に配置されている。これによって装置を小型コンパクトに構成している。このスタッカ部35は内部に最大サイズシートを収納する長さ形状に形成され、特に図示のものは後述する中綴じステープラ40と折りローラ45(45a、45b)を配置する側に突出するように湾曲又は屈曲した形状に構成されている。
次に、このスタッカ部35の上方に位置する中綴じステープラ40は、ステープル針をシート束に打ち込むドライバーユニット41と打ち込まれたステープル針の脚部を互いに向き合う方向に折り曲げるクリンチャユニット42で構成され、それぞれのユニットはスタッカ部35を挟んで対向する位置に構成され、通常シート長さの2分の1となる図示Xの綴じ位置でシートを綴じる。尚、この中綴じステープラはシート束の綴じるスープル針として金属の針を用いるほか紙製からなる紙製針や針を使用しない圧着や切り込みをシートに入れて綴じてもよい。
次に、折りローラ45の構成について説明する。上述の中綴じステープラ40の下流側に配置された折位置Yには、図2に示すようにシート束を折り合わせる折りローラ45とこの折りローラ45のニップ位置にシート束を挿入する折りブレード46が備えられている。図3を参照すると、折りローラ45は互いに圧接した上圧接ローラ45aと下圧接ローラ45bで構成され、この上圧接ローラ45a下圧接ローラ45bは略々最大シートの幅長さより多少長く形成されている。この折りローラ45は、図示されていない圧縮スプリングで互いに圧接方向に付勢されている。上記一対の折りローラ45はゴムローラなどの比較的摩擦係数の大きい材料で形成されている。
尚、この折りローラ45はシートを折りこまない状態と折りシート束BSを折り込んだ状態とで、互いに圧接する上圧接ローラ45aと下圧接ローラ45bの軸間を測定することで折りシート束BSの厚さを検知することにも利用してもよい。
ここから、折り処理をおこなった折りシート束BSが開いてしまうのを防止するための本発明に係わるシート処理装置の一部となる段階折りユニット50について説明する。
段階折りユニット50は、図2に示す様に上述した折りローラ45の下流側に配置されている。この段階折りユニット50の入り口部には折りループ側を先頭として折りローラ45によって送られて来る折りシート束BSを検出するシート束検出センサ(SEN3)44が設けられている。この下流側には折りシートをさらに下流側に搬送する相互に離接可能な第1の搬送部材(束搬送ローラ)としての中継ローラ48が位置している。この中継ローラ48の下流側には折りシート束BSの搬送をガイドする上ガイド板52aと下ガイド板52bからなるガイド板52が設けられている。この段階折りユニット50は、折りシート束搬送経路BPを有している。
以下、中継ローラ48、グリッパ部材51、押えローラ70を支持する支持ユニット56の機構及び動作について個別に説明する。
図4により、折りループを有する折りシート束BSを折りローラ45から下流側に搬送する中継ローラ48について説明する。この中継ローラ48は折りシート束の厚さ方向の上方に配置された中継上ローラ48aと、下面側に配置された中継下ローラ48bからなり、シート幅方向にこの実施例にあっては3本のローラで構成されている(図21参照)。中継ローラ48の駆動回転は束移送モータ163によってなされ、中継上ローラ48aは、タイミングベルト156、159を介して、中継下ローラ48bはタイミングベルト167を介して夫々駆動される。この中継上ローラ48aと、中継下ローラ48bとは等速移動するように設定されている。
また、中継上ローラ48aは、中継下ローラ48bに対して離接可能となっており、折りシート束BSをニップして搬送可能とする圧接位置と、折りシート束BSから離間し折りシート束BSのグリッパ部材51による移動を許容する圧接解除位置とに移動可能となっていて、中継ローラが相互に離間可能となっている。
[グリッパ部材の配置及び機構]
図5は押えローラ70を支持する支持ユニット56及びループが形成された折りシート束BSを中継ローラ48の搬送方向と交差方向に牽引するグリッパ部材51の移動機構を説明する斜視図である。
装置フレーム55には装置後方にリアフレーム53aと装置前方のフロントフレーム53cとこれらの間に、中フレーム53bが取り付けられている。このリアフレーム53a側には、折りシート束をガイドする上ガイド板52aと下ガイド板52bからなるガイド板52が位置している。
また、このグリッパ部材51は、第2排紙トレイ上方に基位置された前ガイドレール57と後ガイドレール58に摺動可能に支持されている。このグリッパ部材51の牽引及び復帰は、装置に個設された右プーリ63と左プーリ64との間に張設された移動ベルト65の移動によってなされる。左プーリ64側には、追って説明するが、グリッパ部材移動モータ69、このモータの出力軸に取り付けられたモータ出力ギア67、伝達ギア66がモータギアユニット68に取り付けられて、左プーリ64を駆動回転する。従って、これらにより折りシート束の移動部材が構成される。
グリッパ部材51がシートを把持して、第2排紙トレイ上方に折りシート束BSを牽引する移動過程で、この折りシート束の先端ループ部をループ厚さ方向の上下から押圧する押えローラ70を支持する支持ユニット56が装置フレーム55に固定して設けられている。
まず、図8(a)には、折りシート束を把持するために開閉可能な上グリッパ171と下グリッパ173を支持するアームフレーム177のアーム軸188に回動可能に取り付けられている。このアーム軸188には一端がアームフレーム177に係止され、他端が上グリッパ171に係止されたコイルばね189が設けられている。もう一本のコイルばね189も、下グリッパ173に同様に取り付けられている。このコイルばね189は、上グリッパ171と下グリッパ173を常時閉じ方向に付勢している。
上記のアームフレーム177の側部には、ギアフレーム179が設けられ、このギアフレーム179には、グリッパ開閉モータ181、グリッパ部伝達ギア185にモータ出力軸183を介して駆動伝達している。さらに、グリッパ部伝達ギア185から開閉カム200にカムギア187を介して駆動伝達している。上記のアームフレーム177とギアフレーム179とでグリッパフレーム175を構成する。
また、上グリッパ171の先端にはプレス上ゴム191、下グリッパ173にもその先端にはプレス下ゴム193が取り付けられており、把持したシートとの滑りや抜けを防止する処置がされている。また、グリッパ部材51が、折りシートBSの把持を解除し解放する場合には、開閉カム200を図8(c)の状態から図8(b)の位置に移動するように時計方向に回転させればよい。
次に、上記のグリッパ部材51で牽引されてくる折りシート束BSの折ループ部分を押圧する押えローラ70を支持する支持ユニット56について、図9と図10を用いて説明する。この支持ユニット56は、中継ローラ48による搬送方向と交差する方向の排紙経路中に設けられ、図9に示す様に装置フレーム55にユニットとして個設されている。
図9は第2排紙トレイ22側から見た斜視図で、図10は、支持ユニット56の正面図である。支持ユニット56はこのユニットの背面側を構成するユニットベース板62aと上下に分割されたフロント上ベース板62bとフロント下ベース板62cと、この側方を先行ユニット側板95と後行ユニット側板96と、その上下をユニット天板59aと、ユニット底板59bで囲われている。尚、先行ユニット側板95には比較的大きく開口した先行側板開口97と後行ユニット側板には先行側板開口より狭く設定した後行側板開口98が設けられている。これらの開口はシートの折り目が支持ユニット56で挟まれて移動する際、スムーズな侵入ができるようになっている。
すなわち、二列目のローラは第2上押えローラ73とこれに対向位置で所定間隔離れた位置に第2下押えローラ74が配置されている。このローラはそれぞれ第2上押えローラ軸79aと第2下押えローラ軸79bを有し、これらの軸は第2上押えローラブラケット87aと第2下押えローラブラケット87bによって支持されている。そして、第2上押えローラブラケット87aは、ユニット天板59aに昇降可能に、第2下押えローラブラケット87bはユニット底板59bに昇降可能に支持されている。
これによって、第2上押えローラ73と第2下押えローラ74は常時近づく方向の付勢力が働いている。一方、第2上押えローラ軸79aを支持するユニットベース板62aとフロント上ベース板62bには第2上押えローラ軸長穴83aがそれぞれ設けられている。従って、第2上押えローラ押圧バネ92aの付勢力は、この第2上押えローラ軸長穴83aによって規制され、第2上押えローラ73の下方への移動も規制されている。
一列目の第1上押えローラ71と第1下押えローラ72とは図7に示す様に所定各間隔L1(本実施例では略14ミリメートル)、二列目の第2上押えローラ73と第2下押えローラ74とは同様に所定間隔L2(本実施例では略7ミリメートル)離間している。これは、第1上押えローラ軸長穴82a、第1下押えローラ軸長穴82b、第2上押えローラ軸長穴83a、第2下押えローラ軸長穴83bが間隔規制部材となって離間させている。従って、これによりローラ相互は所定以上狭くならないように位置規制されていることになる。
つまり、この実施例にあっては、1つのユニットに配列支持された3列のローラ列が段階的にその間隔を狭くし、シート折り目に沿って折りシート束BSの両側から押圧しながら折りシート束が移動する工程で段階的な折りが付与される。また、ローラ間の略中央を押圧位置として折ループ厚さ方向の表裏から(ループ位置の中央に向かって)押圧して順次上記折りループの段階折りを実行している。
ここからは図11から図16より段階折りユニット50内の支持ユニット56へ折りシート束BSの折りループを移動して段階的な押圧を行うためのグリッパ部材51の移動・動作について説明する。
まず、図11は、折りローラ45と中継ローラ48で移送された折ループが形成された折りシート束BSを直交方向に移動するためにグリッパ部材が開いた状態で待機している説明図である。この状態では、開閉カム200が起立し、上グリッパ171と下グリッパ173がコイルばね189に抗して開いている。この開いた状態の間に、折りシート束BSが折りループを先頭として搬送される。
図13は、グリッパ部材移動モータ69の駆動を開始させ、折りシート束BSを第2排紙トレイ22方向(図示矢印方向)にグリッパ部材51で牽引を開始した図である。この図13示されるように、折りシート束BSの先端ループ部は押えローラ70を支持する支持ユニット56内への搬入を開始する。
図16は、さらに図示左側に進み移動しながら、今度は開閉カム200をグリッパ開閉モータ181により起立状態にする。これにより上グリッパ171と下グリッパ173が解放する。この解放が行われると、図示の様にシ段階折りが行われたシート束BSは、第2排紙トレイ22に排出・落下される。
次に、図17から図19により、グリッパ部材51によって牽引される折りシート束BSのループ部分に段階折りが施される状態を説明する。これらの図は、説明のため支持ユニット56が個設される装置フレーム55を透明にして、この装置フレーム55から支持ユニット56の押えローラ70と折ループの係合関係を示している。また、図20により押えローラ70によって折り線が形成された折りループへの押圧状態についても説明する。
これらは、折りシート束BSの押圧部材としての第1上押えローラ71と第1下押えローラ72で折りシート束BSの折りループ厚さ方向(折り目で折りシート束BS搬送方向と交差する上下方向)から押えられながら、折りローラ45でループが生じた箇所を折り目方向(シート幅方向)に沿って折りシート束を移動して複数の折り目を付けている。
なお、折りシート束BSの幅方向端部には、折りローラ45及び押えローラ70の圧接状態からシートに乗り上げる際の端部折り目103が形成されている。これは略圧接状態の第3上押えローラ75と第3下押えローラ76で押えられる部分は折り目を強化された最終折り線102として現れている。
ここで、図9及び図10でも触れてきた支持ユニット56の最終列に位置する第3上押えローラ75とこれに対向する第3下押えローラ76が段付ローラとなっている構成を説明する。
これは、折りシート束BSの幅方向端部を第3上押えローラ75とこれに対向する第3下押えローラ76が圧接状態でシートが突入する際、比較的枚数の多い厚みのあるシート端部であると、この第3上押えローラ75とこれに対向する第3下押えローラ76がシート端部に当接して衝突状態となり、このシート端部を毀損、破損等のダメージが生じる。あるいは、この衝突の衝撃が大きいと折りローラ45や中継ローラ48に保持されている折りシート束BSの位置がずれたり、外れたりしてしまう場合がある。
次に、図21により折ループを有する折りシート束BSを折りローラ45、中継ローラ48を経て交差する方向にグリッパ部材51で移動する全体配置を説明する。また、合わせて、折りシート束BSの折り部先端(背)を圧接している上ローラ大径部75aと下ローラ大径部76aの領域R1に位置させるか、あるいは上ローラ小径部75bと下ローラ小径部76bの対向した隙間がある領域R2の範囲に位置させるか、さらにはこれらの段階折りを行うことなく直接第2排紙トレイ22に排出するかを選択することの機構について説明する。
また、この配置は上記支持ユニット56が中継ローラ48によるシート搬送方向にd1分搬送した折シート束BSの終端のシート側部に設けられていることを示している。
以上のように、本実施例にあっては、中継ローラ48からグリッパ部材51の引き継ぎ位置(把持位置)を変更可能とすることによって、小数枚から多数枚までの段階折りの実行、あるいは段階折りを実行しない場合が、簡単に選択可能となる。
各ステップ(S)の説明を行う前に、ここでシート処理条件としてコントロールパネル18への指定する各処理モードについて触れておく。すなわち、(1)画像形成がされたシートを第1排紙トレイ21に収容する「プリントアウトモード」。(2)本体排出口3からのシートを束状に部揃ええしてー端面綴じステープル装置33で綴じ後第1排紙トレイ21に収納する「ステープル綴じモード」(3)本体排出口3からのシートを第2の処理トレイであるスタッカ部35で束状に部揃えしてこのシート束の中程を中綴じステープラ40で綴じ後、冊子状に折り畳んで第2排紙トレイ22に収納する「中綴じ折りモード」。(4)中綴じして冊子状に折り畳んだシート束の折り目のループを段階折りして、第2排紙トレイに22に収納する「段階折りモード」がある。さらにこの「段階折りモード」には、薄いシート束(本実施例では15枚以下)段階折りと厚いシート束(本実施例では15枚を超える)段階折りに分かれている。
折りシート束BSが15枚以下の場合は、折りローラ45を回転する折りモータ126を駆動回転させる(S303)。この駆動回転後折りローラ45の直後にあるシート束検出センサ(SEN3)44が折りシートの先端を検出することになる(S304)。この検出から所定時間後に中継ローラ48の中継上ローラ48aで折りシート束BSを圧接するように図4に示した揺動モータ153を駆動して停止する(S305)。これにより中継ローラ48でシート束のニップが行われ、これと同時に束移送モータ163駆動を回転して、シート束を下流側に搬送する。(S306)。この搬送は、既に説明したようにシート束検出センサ(SEN3)44で検出された時から最も長いd1分を移動したか否かを確認する(S307)。この移動は、折りローラ45及び中継ローラ48の移動量を検出することで行っている。さらに、ここではシート束先端検出センサ(SEN4)129が折りループ先端を検出したか否かも確認している(S308)。この確認は、搬送距離d1が最も長くしかも比較的薄いシート束であり、途中で曲がる恐れもあるので、ローラ搬送の量と実際の折りシートの先端端検出を行って確実性を向上させている。このシート束先端検出センサ(SEN4)129がシート束を検出すると折りローラ45を駆動する折りモータ126及び中継ローラ48を駆動する束移送モータ163を停止さる(S309)。
次に、折りシート束が多数枚のときの処理について説明する。この多数枚の処理も、これまで説明した少数枚処理とおおむね同じあるので、相違する点のみを説明する。相違点は図22にあるように、シート束検出センサ(SEN3)44で検出された時からd1分の次に長いd3分を移動したか否かを確認している(S355)こと。また、少数枚の場合は、シート束先端検出センサ(SEN4)129が折りループ先端を検出したか否かを確認したが、ここでは比較的厚い折りシート束であるので、この検出を省略したことである。もちろん、この省略をせずにd3の位置にセンサ追加して検出してもよい。他は同じ処理を行うので、ここでの説明を省く。
これまで、説明した段階折りを実行せず、中綴じ折りモードを行う場合も、
相違点は図22に示されるように、シート束検出センサ(SEN3)44で検出された時から最も短いd2分を移動したか否かを確認している(S404)こと。また、少数枚の場合は、シート束先端検出センサ(SEN4)129が折りループ先端を検出したか否かを確認したが、ここでは比較的搬送距離が短いので、この検出を省略したことである。ここでも、この省略をせずにd2の位置にセンサ追加して検出してもよい。他は上記段階折りと同じ処理を行うので、ここでの説明を省く。
以上説明したように、折りローラ45及び中継ローラ48の送り方向と交差するフロント方向に搬送方向を変更する際、グリッパ部材51への引き継ぎ位置を少数枚の段階折りを行うd1位置、多数枚の段階折りを行うd3位置、段階折りを行うことなく排出するd3位置に夫々対応位置にすることにより、所望のシート処理が行える。
これまで、説明した段階折りユニット50を備えるシート処理装置B及びこのシート処理装置を含む画像形装置Aの制御構成を図25のブロック図により説明する。画像形成部2を備える画像形成装置制御部110は、コントロールパネル18に設けられた入力手段111から所望の処理を入力する。この入力はモード設定手段によって、シート処理装置Bの制御ユニットとしてのシート処理装置制御部115を制御する。
本実施例のシート処理装置Bは、既に説明したように「プリントアウトモード」、「ステープル綴じモード」、「中綴じ束折りモード」、「段階折りモード」を有している。さらに、「段階折りモード」には、薄いシート束(本実施例では15枚以下)段階折りと厚いシート束(本実施例では15枚を超える)段階折りに分かれていて、指定の処理モードで動作するようになっている。
この為、グリッパユニット制御部124には、グリッパ部材51がホームポジションにあることを検出するグリッパユニットホームポジションセンサ(SEN6)176、グリッパ部材51の上グリッパ171と下グリッパ173が開いているか否かを検出する開閉検知センサ(SEN7)186、第2排紙トレイ22にグリッパ部材51からの放出が完了したか否かを検出する束排出センサ(SEN8)204に接続されて各信号が入力される。
一方このグリッパユニット制御部124の出力側には、グリッパ部材51をそれまでの搬送方向と交差する方向に移動ベルト65を介して移動するグリッパ部材移動モータ69とグリッパ部材51の上グリッパ171と下グリッパ173とを閉じた把持位置と開いた解放位置に移動するように開閉カム200を回動するグリッパ開閉モータ181が接続してある。
なお、上記実施例の制御ユニットとしてのシート処理装置制御部115はシート処理装置B内に内装したことを予定したが、画像形成部2に設置してもいいし、これらの外部に設置してもよい。
B シート処理装置
X 綴じ位置
Y 折り位置
BS 折りシート束
BL 折りシート束ループ
BL1 折りシート束ループ先端(折り目)
R1 大径部領域
R2 小径部領域
35 スタッカ部
40 中綴じステープラ
44 シート束検出センサ(SEN3)
45 折りローラ
46 折りブレード
48 中継ローラ(第1の搬送部材・束搬送ローラ)
50 段階折りユニット
51 グリッパ部材(第2の搬送部材)
55 装置フレーム
56 支持ユニット
57 前ガイドレール
58 後ガイドレール
65 移動ベルト
69 グリッパ部材移動モータ
70 押えローラ(押圧部材)
71 第1上押えローラ
72 第1下押えローラ
73 第2上押えローラ
74 第2下押えローラ
75 第3上押えローラ
75a 上ローラ大径部
75b 上ローラ小径部
76 第3下押えローラ
76a 下ローラ大径部
76b 下ローラ小径部
77 押えローラ軸
78a 第1上押えローラ軸
78b 第1下押えローラ軸
79a 第2上押えローラ軸
79b 第2下押えローラ軸
80a 第3上押えローラ軸
80b 第3下押えローラ軸
81 ローラ軸長穴
82a 第1上押えローラ軸長穴
82b 第1下押えローラ軸長穴
83a 第2上押えローラ軸長穴
83b 第2下押えローラ軸長穴
84a 第3上押えローラ軸長穴
84b 第3下押えローラ軸長穴
85 押えローラブラケット
86a 第1上押えローラブラケット
86b 第1下押えローラブラケット
87a 第2上押えローラブラケット
87b 第2下押えローラブラケット
88a 第3上押えローラブラケット
88b 第3下押えローラブラケット
90 押えローラ押圧バネ
91a 第1上押えローラ押圧バネ
91b 第1下押えローラ押圧バネ
92a 第2上押えローラ押圧バネ
92b 第2下押えローラ押圧バネ
93a 第3上押えローラ押圧バネ
93b 第3下押えローラ押圧バネ
95 先行ユニット側板
96 後行ユニット側板
97 先行側板開口
98 後行側板開口
100 第1折り線
101 第2折り線
102 最終折り線
103 端部折り目
115 シート処理装置制御部(制御ユニット)
122 シート中折り制御部
123 折りシート移動制御部
124 グリッパユニット制御部
126 折りモータ
129 シート束先端検出センサ(SEN4)
151 揺動位置センサ(SEN5)
153 揺動モータ
163 束移送モータ
171 上グリッパ
173 下グリッパ
176 グリッパユニットホームポジションセンサ(SEN6)
181 グリッパ開閉モータ
186 開閉検知センサ(SEN7)
200 開閉カム
204 束排出センサ(SEN8)
Claims (10)
- 折り曲げられてループが生じた折りシートを搬送する第1の搬送部材と、
第1の搬送部材の搬送方向と交差方向に上記折りシートを搬送する第2の搬送部材と、
この第2の搬送部材によって搬送される上記折りシートのループを厚さ方向から押圧する複数列の押圧部材と、
この押圧部材を相互の間隔が列方向において段階的に狭くなるように交差方向の上流側から下流側に順に配置して取り付けた装置フレームと、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材とを制御する制御ユニットとを備え、
この制御ユニットが、上記第1の搬送部材から上記第2の搬送部材への上記折りシートの引き継ぎ位置を変更可能とすることを特徴とするシート処理装置。 - 装置フレームと、
折り曲げられてループが生じた折りシートを搬送する第1の搬送部材と、
第1の搬送部材の搬送方向と交差する方向に上記折りシートを搬送する第2の搬送部材と、
この第2の搬送部材によって搬送される上記折りシートのループ厚さ方向から折りループを押圧する一対の押圧部材と、
この一対の押圧部材を列方向における相互の間隔が段階的に狭くなるように交差方向の上流側から下流側に複数列配置して支持する上記装置フレームに取り付けられた支持ユニットと、
上記第1の搬送部材と上記第2の搬送部材とを制御する制御ユニットとを備え、
この制御ユニットが、上記第1の搬送部材から上記第2の搬送部材への上記折りシートの引き継ぎ位置によって、上記折りループに上記支持ユニットでの押圧を行うか否か選択可能とすることを特徴とするシート処理装置。 - 前記折りループが前記支持ユニットを通過して上記押圧部材よる押圧を行う場合、前記制御ユニットは上記折りループが上記支持ユニットの側部とオーバラップする位置まで前記第1の搬送部材で搬送して前記第2の搬送部材に引き継ぐことを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
- 上記折りループが前記支持ユニットを通過することなく排紙させる場合、前記制御ユニットは前記第1の搬送部材が上記支持ユニットの側部に到達しない上流位置で上記第2の搬送部材に引き継ぐことを特徴とする請求項3に記載のシート処理装置。
- 上記第1の搬送部材は前記折りシートをニップして移動可能とする圧接位置と前記折りシートの圧接を解除してこの折りシートの移動を許容する解除位置とを有し、上記第2の搬送部材によって上記折りシートが上記第1の搬送部材の搬送方向と交差する方向に搬送する際には、上記第1の搬送部材を解除位置にシフトすることを特徴とする請求項4に記載のシート処理装置。
- 上記第1の搬送部材は少なくとも一対の束搬送ローラからなり、上記圧接位置ではこの束搬送ローラが前記折りシートを圧接して移動可能とし、解除位置ではこの束搬送ローラが離間して前記折りシートへの圧接を解除するとともに、前記第2の搬送部材が上記折りシートの側部をシート厚さ方向から把持して牽引するグリッパ部材からなり、このグリッパ部材を前記装置フレームに移動可能としたことを特徴とする請求項5に記載のシート処理装置。
- 装置フレームと、
折り曲げられてループが生じた折りシートの折ループ側を先頭として搬送する束搬送ローラと、
この束搬送ローラの搬送方向と交差する方向に上記折りシート側部を把持して搬送するグリッパ部材と、
このグリッパ部材によって搬送される上記折りシートの折りループ厚さ方向から上記折りループを押圧する一対の回転自在の押えローラと、
この一対の押えローラを列方向における相互の間隔が段階的に狭くなるように交差方向の上流側から下流側に複数列配置して支持する上記装置フレームに取り付けられた支持ユニットと、
上記束搬送ローラと上記グリッパ部材とを制御する制御ユニットとを備え、
この制御ユニットが、上記グリッパ部材による搬送過程で上記支持ユニット内の複数列の上記押えローラで順次に押圧するため上記支持ユニットと上記折りループが重なる位置まで上記束搬送ローラで搬送して上記グリッパ部材に引き継ぐか、上記支持ユニットに上記折りループが重なることのない上流位置で上記折りループを停止して上記グリッパ部材に引き継ぐかを選択したことを特徴とするシート処理装置。 - 前記押えローラは、相互の間隔が異なる少なくとも3列の押えローラが設けられていることを特徴とする請求項7に記載のシート処理装置。
- 前記複数列に配置された押えローラのうち、少なくとも移動方向最終列の押えローラは互いに弾性付勢されていることを特徴とする請求項8に記載のシート処理装置。
- シート上に画像形成する画像形成部と、
この画像形成部からのシートに所定のシート処理を施すシート処理装置とを備え、このシート処理装置は上記請求項1ないし請求項9の何れかに記載のシート処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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