JP2016124256A - 記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】撥水膜の削りカスが吐出ノズルに入り込むのを抑制し、画像品質が低下するのを抑制することが可能な記録ヘッドを提供する。
【解決手段】記録ヘッドは、複数の吐出ノズル18が開口するノズル領域Rを含むインク吐出面を備える。ノズル領域Rには、複数の吐出ノズル18が直線状に配置されたノズル列Tが複数設けられる。インク吐出面には、ノズル列Tと同一直線上で、かつ、ノズル列Tに対して拭き取り方向の上流側の位置に、10μm以上30μm以下の孔径を有する孔20が形成される。孔20は、各ノズル列Tに対して3個以上設けられるとともに、各ノズル列Tに対して、拭き取り方向の最上流の吐出ノズル18bから30mm以内に配置される。
【選択図】図7
【解決手段】記録ヘッドは、複数の吐出ノズル18が開口するノズル領域Rを含むインク吐出面を備える。ノズル領域Rには、複数の吐出ノズル18が直線状に配置されたノズル列Tが複数設けられる。インク吐出面には、ノズル列Tと同一直線上で、かつ、ノズル列Tに対して拭き取り方向の上流側の位置に、10μm以上30μm以下の孔径を有する孔20が形成される。孔20は、各ノズル列Tに対して3個以上設けられるとともに、各ノズル列Tに対して、拭き取り方向の最上流の吐出ノズル18bから30mm以内に配置される。
【選択図】図7
Description
本発明は、用紙のような記録媒体にインクを吐出する吐出ノズルを有する記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置に関するものである。
ファクシミリ、複写機、プリンターのような記録装置として、インクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置が、高精細な画像を形成できることから広く用いられている。
このようなインクジェット記録装置では、インクの直進性の悪化(飛翔曲がり)や不吐出等が発生して記録ヘッドの印字性能が低下することがある。この原因としては、用紙(記録媒体)の搬送時に発生する紙粉や埃、塵のような異物や、画像記録のためのインク滴と共に吐出される微小なインク滴(以下、ミストと称する)や、インク滴が記録媒体に付着した際に発生する跳ね返りミストが、記録ヘッドのインク吐出面に付着することによるメニスカス異常の発生が考えられる。また、キャップ装着箇所へミストが付着して乾燥することによるキャップ装着時の密閉性の低下、及びそれに伴うノズル内のインクの粘度上昇の発生もこの原因として考えられる。
そこで、記録ヘッドのインク吐出面に開口が設けられた吐出ノズル内のインクの乾燥や、吐出ノズル内のインクの増粘によるノズルの目詰まりを防止するために、ノズルからインクを強制的に押出(パージ)した後、インク吐出面(ノズル面)に付着したパージインクをワイパーで拭き取って記録ヘッドの回復処理を行う構成が用いられている。
なお、吐出ノズルからインクを強制的に押出した後、インク吐出面に付着したパージインクをワイパーで拭き取って記録ヘッドの回復処理を行う構成は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1では、ワイパーブレードが濡れた状態でワイピングを実行するために、印字用のノズルよりもワイパーブレードの移動方向(拭き取り方向)の上流側に、印字では使用しないダミーノズルを設け、回復処理時にダミーノズルからインクを押出している。
しかしながら、上記回復処理を行う記録ヘッドを用いた場合であっても、印字枚数が数千枚から1万枚程度に達すると、記録媒体に対するインクの着弾位置精度が低下して画像品質が低下する場合があるという問題点が存在する。そして、本発明者は、記録ヘッドについて種々検討した結果、記録ヘッドの回復処理時にワイパーをインク吐出面に圧接させた状態で移動させると、インク吐出面に設けられた撥水膜が削れ、撥水膜の削りカスが吐出ノズルに入り込み、インクの着弾位置精度が低下する場合があることが判明した。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、撥水膜の削りカスが吐出ノズルに入り込むのを抑制し、画像品質が低下するのを抑制することが可能な記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の記録ヘッドは、記録媒体上にインクを吐出する複数の吐出ノズルが開口するノズル領域を含むインク吐出面を備えた記録ヘッドである。インク吐出面には、撥水膜が設けられる。ノズル領域には、吐出ノズルから強制的に押出されたパージインクをワイパーが拭き取る方向である拭き取り方向に沿って複数の吐出ノズルが直線状に配置されたノズル列が複数設けられる。インク吐出面には、ノズル列と同一直線上で、かつ、ノズル列に対して拭き取り方向の上流側の位置に、10μm以上30μm以下の孔径を有する孔が形成される。孔は、各ノズル列に対して3個以上設けられるとともに、各ノズル列に対して、拭き取り方向の最上流の吐出ノズルから30mm以内の位置に配置される。
本発明によれば、撥水膜の削りカスが吐出ノズルに入り込むのを抑制することができるので、記録媒体に対するインクの着弾位置精度が低下して画像品質が低下するのを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態のインクジェット記録装置100の左側部には用紙S(記録媒体)を収容する給紙トレイ2が設けられており、この給紙トレイ2の一端部には収容された用紙Sを、最上位の用紙Sから順に一枚ずつ後述する第1搬送ユニット5へと搬送給紙するための給紙ローラー3と、給紙ローラー3に圧接され従動回転する従動ローラー4とが設けられている。
用紙搬送方向(矢印X方向)に対し給紙ローラー3及び従動ローラー4の下流側(図1の右側)には、第1搬送ユニット5及び記録部9が配置されている。第1搬送ユニット5は、第1駆動ローラー6と、第1従動ローラー7と、第1駆動ローラー6及び第1従動ローラー7に掛け渡された第1搬送ベルト8とを含む構成であり、インクジェット記録装置100の制御部110からの制御信号により第1駆動ローラー6が時計回り方向に回転駆動されることにより、第1搬送ベルト8に保持された用紙Sが矢印X方向に搬送される。
記録部9は、ヘッドハウジング10と、ヘッドハウジング10に保持されたラインヘッド11C、11M、11Y、及び11Kを備えている。これらのラインヘッド11C〜11Kは、第1搬送ベルト8の搬送面に対して所定の間隔(例えば1mm)が形成されるような高さに支持され、図2および図3に示すように、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向(図2の上下方向)に沿って複数(ここでは3個)の記録ヘッド17a〜17cが千鳥状に配列されている。なお、図3は記録部9を図1の奥側(図2の上側)から見た状態を示しており、ラインヘッド11C〜11Kの並びは図1及び図2とは逆になっている。
図4及び図5に示すように、記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fには吐出ノズル18(図2参照)が多数配列されたノズル領域Rが設けられている。なお、記録ヘッド17a〜17cは同一の形状及び構成であるため、図4、図5および後述する図6では記録ヘッド17a〜17cを一つの図で示している。記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fの詳細な構造については後述する。
各ラインヘッド11C〜11Kを構成する記録ヘッド17a〜17cには、それぞれインクタンク(図示せず)に貯留されている4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)のインクがラインヘッド11C〜11Kの色毎に供給される。
各記録ヘッド17a〜17cは、制御部110(図1参照)からの制御信号により外部コンピューターから受信した画像データに応じて、第1搬送ベルト8の搬送面に吸着保持されて搬送される用紙Sに向かって吐出ノズル18からインクを吐出する。これにより、第1搬送ベルト8上の用紙Sにはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクが重ね合わされたカラー画像が形成される。
また、記録ヘッド17a〜17cの乾燥や目詰まりによるインクの吐出不良を防止するために、長期間停止後の印字開始時は全ての記録ヘッド17a〜17cの吐出ノズル18から、また印字動作の合間にはインク吐出量が規定値以下の記録ヘッド17a〜17cの吐出ノズル18から、吐出ノズル18内の粘度が高くなったインクを押し出すパージを実行して、次の印字動作に備える。
図5に示すように、記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fには、吐出ノズル18(図2参照)が設けられたノズル領域Rと、複数の孔20(図6参照)が設けられた孔領域R20と、が設けられている。
図6に示すように、インク吐出面Fのノズル領域Rには、吐出ノズル18の開口部である微小径(例えば20μm)を有する吐出口18aが複数設けられている。
また、記録ヘッド17a〜17cには、複数の吐出ノズル18とインクを貯留するインクタンク(図示せず)とを連通するノズル流路76が設けられている他、図示しない共通電極、圧電素子、個別電極等が設けられており、吐出ノズル18毎にインク吐出動作が制御される。また、インク吐出面Fには、吐出口18aおよび孔20以外の部分を覆うように撥水膜73が設けられている。
吐出ノズル18および孔20は、インク吐出面Fを構成するSUS等からなる板状部材74に穴開け加工(例えばドリル加工)を施すことにより形成されている。なお、孔20は、吐出ノズル18と異なり、ノズル流路76には連通していない。
図7に示すように、ノズル領域Rには、吐出ノズル18がインク吐出面Fの長手方向(図7の左右方向、後述するワイパー35a〜35cの拭き取り方向)に沿って直線状に配置されたノズル列Tが複数設けられている。ノズル列Tは、インク吐出面Fの短手方向(図7の上下方向)に所定の間隔を隔てて配置されている。
孔領域R20は、ノズル領域Rの右側(後述するワイパー35a〜35cの拭き取り方向の上流側)に隣接して配置されている。孔20は、孔領域R20において、ノズル列Tと同一直線上に配置されている。孔20は、10μm以上30μm以下の孔径(直径)を有するとともに、各ノズル列Tに対して3個以上(ここでは3個)設けられている。なお、孔20は、吐出ノズル18と同じ20μmの孔径(直径)を有することが好ましい。
また、孔20は、各ノズル列Tに対して、後述するワイパー35a〜35cの拭き取り方向の最上流の吐出ノズル18bからL(=30mm以下)の領域に配置されている。なお、孔20は、各ノズル列Tに対して、最上流の吐出ノズル18bから10mm以下の領域に配置されることが好ましい。
孔20は、各ノズル列Tに対して、最上流の吐出ノズル18bから略等しいピッチL20(ここでは、L20=L/3)で配置されている。孔20のピッチL20は、吐出ノズル18のピッチL18(例えば0.5mm〜1.0mm)に比べて大きい。
図1に戻って、用紙搬送方向に対し第1搬送ユニット5の下流側(図1の右側)には第2搬送ユニット12が配置されている。第2搬送ユニット12は、第2駆動ローラー13と、第2従動ローラー14と、第2駆動ローラー13及び第2従動ローラー14に掛け渡された第2搬送ベルト15とを含む構成であり、第2駆動ローラー13が時計回り方向に回転駆動されることにより、第2搬送ベルト15に保持された用紙Sが矢印X方向に搬送される。
記録部9にてインク画像が記録された用紙Sは第2搬送ユニット12へと送られ、第2搬送ユニット12を通過する間に用紙S表面に吐出されたインクが乾燥される。また、第2搬送ユニット12の下方にはメンテナンスユニット19及びキャップユニット90が配置されている。メンテナンスユニット19は、上述したパージを実行する際に記録部9の下方に移動し、記録ヘッド17a〜17cの吐出ノズル18から押し出されたインクを拭き取り、拭き取られたインクを回収する。キャップユニット90は、記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面F(図4参照)をキャッピングする際に記録部9の下方に水平移動し、さらに上方に移動して記録ヘッド17a〜17cの下面に装着される。なお、メンテナンスユニット19の詳細な構成については後述する。
また、用紙搬送方向に対し第2搬送ユニット12の下流側には、画像が記録された用紙Sを装置本体外へと排出する排出ローラー対16が設けられており、排出ローラー対16の下流側には、装置本体外へと排出された用紙Sが積載される排出トレイ(図示せず)が設けられている。
メンテナンスユニット19には、図8に示すワイピング機構30が搭載されている。ワイピング機構30は、複数のワイパー35a〜35c(図9参照)が固定された略矩形状のキャリッジ31と、キャリッジ31を支持する支持フレーム40とで構成されている。支持フレーム40の上面の対向する端縁にはレール部41a、41bが形成されており、キャリッジ31の四隅に設けられた摺動コロ36がレール部41a、41bに当接することで、キャリッジ31は支持フレーム40に対し矢印AA′方向に摺動可能に支持される。
図9に示すように、キャリッジ31は、支持フレーム40のレール部41a、41bに摺動コロ36を介して摺動可能に係合する第1ステー32a、32bと、第1ステー32a、32bの間に橋渡し状に固定された第2ステー33a、33b、33cとで枠体状に形成されている。
第1ステー32aには、支持フレーム40に保持された入力ギア43(図8参照)に噛み合うラック歯38が形成されている。入力ギア43が正逆方向に回転すると、キャリッジ31は支持フレーム40に沿って水平方向(図8の矢印AA′方向)に往復移動する。
ワイパー35a〜35cは、各記録ヘッド17a〜17cの吐出ノズル18から押し出されたインクを拭き取るための部材である。ワイパー35a〜35cは、ノズル領域Rおよび孔領域R20(図5参照)の外側の位置に略垂直方向から圧接され、キャリッジ31の移動によりノズル領域Rを含むインク吐出面Fを所定方向(図8の矢印A方向)に拭き取る。
第2ステー33aには4枚のワイパー35aが略等間隔で固定されており、同様に、第2ステー33bには4枚のワイパー35bが、第2ステー33cには4枚のワイパー35cが略等間隔で固定されている。ワイパー35a、35cは、それぞれ各ラインヘッド11C〜11Kを構成する左右の記録ヘッド17a、17c(図3参照)に対応する位置に配置されている。また、ワイパー35bは、各ラインヘッド11C〜11Kを構成する中央の記録ヘッド17b(図3参照)に対応する位置に配置されており、ワイパー35a、35cに対しキャリッジ31の移動方向(図8の矢印AA′方向)と直交する方向に所定距離だけずらして固定されている。
図9に示すように、第2ステー33a、33cの上面の4箇所にはギャップコロ37が設けられている。ギャップコロ37は、ワイパー35a〜35cによる記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fの拭き取り動作を行うためにワイピング機構30を記録部9側に上昇させたとき、記録部9のヘッドハウジング10に当接することでワイパー35a〜35cとインク吐出面Fとの接触状態を一定に保持する。
次に、本実施形態のワイピング機構30を昇降させるための昇降機構50について説明する。メンテナンスユニット19は、図10に示すユニット筐体45と、ユニット筐体45に取り付けられるワイピング機構30(図8参照)と、ユニット筐体45に配置される昇降機構50と、を含んでいる。ユニット筐体45の底面45aには図10および図11に示すように、2個のリフト部材50aがシャフト50bの両端に固定された昇降機構50が、キャリッジ31の移動方向(図8の矢印AA′方向)に対向する側面45b、45cに沿って一対配置されている。即ち、昇降機構50は、記録部9のヘッドハウジング10の幅方向両端(図2の上下両端部)に対向する位置に配置される。なお、図10では側面45c側の昇降機構50の記載を省略している。また、ユニット筐体45の側面45b、45cに隣接する側面45dには、モーター47と、モーター47の回転駆動力をシャフト50bに伝達する駆動伝達軸48とが付設されている。
図13に示すように、リフト部材50aの下端部はシャフト50bに固定されており、シャフト50bの回転に伴いリフト部材50aは揺動する。リフト部材50aの上端部には押し上げコロ53が回転自在に付設されている。押し上げコロ53は、コイルバネ55によってシャフト50bから離間する方向(図13では上方向)に付勢されている。
図11の状態から、右側の昇降機構50のシャフト50bを時計回り方向に、左側の昇降機構50のシャフト50bを反時計回り方向に回転すると、ユニット筐体45の内側に倒れ込んだリフト部材50aが外側方向(矢印B方向)に立ち上がり、リフト部材50aは水平状態から起立状態(図12の状態)に切り替えられ、支持フレーム40と共にキャリッジ31を上昇させる。
一方、図12の状態から、右側の昇降機構50のシャフト50bを反時計回り方向に、左側の昇降機構50のシャフト50bを時計回り方向に回転すると、リフト部材50aがユニット筐体45の内側方向(矢印B′方向)に倒れ込み、リフト部材50aは起立状態から水平状態(図11の状態)に切り替えられ、支持フレーム40と共にキャリッジ31を下降させる。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置100における、ワイピング機構30を用いた記録ヘッド17a〜17cの回復動作について説明する。なお、図15、図16および図22では、記録部9及びメンテナンスユニット19を用紙搬送方向下流側(図14の左側)から見た状態を示している。また、支持フレーム40は簡略化して板状に記載しており、ユニット筐体45は底面45aのみを記載している。また、以下で説明する記録ヘッド17a〜17cの回復動作およびキャップユニット装着動作は、制御部110(図1参照)からの制御信号に基づいて記録ヘッド17a〜17c、ワイピング機構30、昇降機構50等の動作を制御することによって実行される。
記録ヘッド17a〜17cの回復動作を行う場合、先ず、図14に示すように、記録部9の下方に位置する第1搬送ユニット5を下降させる。そして、第2搬送ユニット12の下方に配置されたメンテナンスユニット19を水平移動させて記録部9と第1搬送ユニット5との間に配置する。この状態では、図15に示すように、昇降機構50のリフト部材50aは水平状態にあり、キャリッジ31に固定されたワイパー35a〜35cは記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fから離間している。
(インク押出動作)
ワイピング動作(後述の拭き取り動作)に先立って、インク22が記録ヘッド17a〜17cに供給される。図17に示すように、供給されたインク22は吐出ノズル18から強制的に押出(パージ)される。このパージ動作により、吐出ノズル18内の増粘インク、異物や気泡が排出され、記録ヘッド17a〜17cを回復することができる。このとき、図18に示すように、パージインク22aは吐出ノズル18の存在するノズル領域Rの形状に沿ってインク吐出面Fに押出される。
ワイピング動作(後述の拭き取り動作)に先立って、インク22が記録ヘッド17a〜17cに供給される。図17に示すように、供給されたインク22は吐出ノズル18から強制的に押出(パージ)される。このパージ動作により、吐出ノズル18内の増粘インク、異物や気泡が排出され、記録ヘッド17a〜17cを回復することができる。このとき、図18に示すように、パージインク22aは吐出ノズル18の存在するノズル領域Rの形状に沿ってインク吐出面Fに押出される。
(拭き取り動作)
ワイパー35a〜35cを、記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fの、ノズル領域Rおよび孔領域R20の外側の第1位置P1に所定の圧力で接触させる。具体的には、図16および図17に示すように、昇降機構50のシャフト50bを回転させてリフト部材50aを矢印B方向に起立させることにより、支持フレーム40及びキャリッジ31を持ち上げる。このとき、リフト部材50aのコイルバネ55(図13参照)の付勢力によってキャリッジ31に設けられたギャップコロ37がヘッドハウジング10の下面に押し当てられるため、ワイパー35a〜35cをインク吐出面Fに対し常に一定の圧力で圧接させることができる。
ワイパー35a〜35cを、記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fの、ノズル領域Rおよび孔領域R20の外側の第1位置P1に所定の圧力で接触させる。具体的には、図16および図17に示すように、昇降機構50のシャフト50bを回転させてリフト部材50aを矢印B方向に起立させることにより、支持フレーム40及びキャリッジ31を持ち上げる。このとき、リフト部材50aのコイルバネ55(図13参照)の付勢力によってキャリッジ31に設けられたギャップコロ37がヘッドハウジング10の下面に押し当てられるため、ワイパー35a〜35cをインク吐出面Fに対し常に一定の圧力で圧接させることができる。
ワイパー35a〜35cの先端がインク吐出面Fに圧接した状態から、入力ギア43(図8参照)を正回転させてキャリッジ31を図16の矢印A方向に移動させることにより、キャリッジ31に支持されたワイパー35a〜35cも図19に示すようにインク吐出面Fに沿ってノズル領域Rの方向(左方向、拭き取り方向)に移動する。支持フレーム40には昇降機構50によって上方向の力が作用しているため、キャリッジ31はギャップコロ37がヘッドハウジング10に押し当てられた状態を維持しながら矢印A方向に移動する。
そして、図20に示すように、ワイパー35a〜35cは、インク吐出面Fに接触した状態を維持しながらインク吐出面Fのパージインク22aを拭き取りながら左方向(矢印A方向)に移動し、インク吐出面Fの端縁(図20の左端縁)に到達すると、左方向への移動が停止される。なお、ワイパー35a〜35cによって拭き取られた廃インクは、インク回収トレイ(不図示)に回収される。
(離間動作)
拭き取り動作の実行後、図21に示すように、ワイパー35a〜35cをインク吐出面Fから離間させる。具体的には、図22に示すように、昇降機構50のシャフト50bを回転させてリフト部材50aを矢印B′方向に倒伏させることにより、ワイパー35a〜35cを、記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fから下方に退避させてメンテナンスユニット19を図15の状態に戻す。最後に、記録部9と第1搬送ユニット5との間に配置されたメンテナンスユニット19を水平移動させて第2搬送ユニット12の下方に配置し、第1搬送ユニット5を所定の位置まで上昇させて記録ヘッド17a〜17cの回復動作を終了する。
拭き取り動作の実行後、図21に示すように、ワイパー35a〜35cをインク吐出面Fから離間させる。具体的には、図22に示すように、昇降機構50のシャフト50bを回転させてリフト部材50aを矢印B′方向に倒伏させることにより、ワイパー35a〜35cを、記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面Fから下方に退避させてメンテナンスユニット19を図15の状態に戻す。最後に、記録部9と第1搬送ユニット5との間に配置されたメンテナンスユニット19を水平移動させて第2搬送ユニット12の下方に配置し、第1搬送ユニット5を所定の位置まで上昇させて記録ヘッド17a〜17cの回復動作を終了する。
記録ヘッド17a〜17cにキャップユニット90を装着する場合は、先ず、図14に示すように、記録部9の下面に対向配置されている第1ベルト搬送部5を下降させる。そして、第2ベルト搬送部12の下方に配置されたキャップユニット90を記録部9と第1ベルト搬送部5との間に水平移動させて記録部9に対向する位置に配置する。
次いで、第1ベルト搬送部5を上昇させることにより、キャップユニット90が押し上げられる。そして、キャップユニット90が記録ヘッド17a〜17cに密着した時点で第1ベルト搬送部5の上昇を停止させることにより、キャップユニット90の装着を完了する。
本実施形態では、上記のように、インク吐出面Fには、ノズル列Tと同一直線上で、かつ、ノズル列Tに対して拭き取り方向の上流側の位置に、10μm以上30μm以下の孔径を有する孔20が形成され、孔20は、各ノズル列Tに対して3個以上設けられるとともに、各ノズル列Tに対して、拭き取り方向の最上流の吐出ノズル18bから30mm以内に配置される。これにより、記録ヘッド17a〜17cの回復処理時にワイパー35a〜35cにより撥水膜73が削られた場合に、撥水膜73の削りカスは孔20に入って溜まるので、撥水膜73の削りカスが吐出ノズル18に入り込むのを抑制することができる。このため、用紙Sに対するインク22の着弾位置精度が低下するのを抑制することができるので、画像品質が低下するのを抑制することができる。
また、上記のように、孔20の孔径は、吐出ノズル18のノズル径と略同じ大きさ(約20μm)であってもよい。このように構成すれば、用紙Sに対するインク22の着弾位置精度が低下するのをより抑制することができる。また、孔20を吐出ノズル18と同じ工程で同じドリルを用いて容易に形成することができる。
また、上記のように、孔20の全部が、各ノズル列Tに対して、最上流の吐出ノズル18bから10mm以内に配置されてもよい。このように構成すれば、用紙Sに対するインク22の着弾位置精度が低下するのをより抑制することができる。
また、上記のように、孔20は、各ノズル列Tに対して、最上流の吐出ノズル18bから略等ピッチで配置される。これにより、孔20によって撥水膜73の削りカスを効率的に収容することができる。
次に、本実施形態の効果を確認するために行った確認実験について説明する。
[孔20の有無に関する実験]
まず、孔20の有無に関する実験について説明する。この確認実験は、上記実施形態に対応した実施例1と、比較例1と、について行った。
まず、孔20の有無に関する実験について説明する。この確認実験は、上記実施形態に対応した実施例1と、比較例1と、について行った。
(実施例1)
実施例1では、孔20をノズル列T毎に3個ずつ設け、孔20の孔径(直径)を20μmにした。また、孔20を、各ノズル列Tに対して、最上流の吐出ノズル18bから10mm(=L)の領域に配置した。すなわち、3個の孔20のうちのノズル領域Rから最も遠い孔20と最上流の吐出ノズル18bとの距離を10mmにし、孔20のピッチL20を約3.3mmにした。なお、吐出ノズル18のノズル径(直径)を20μmにした。実施例1のその他の構成は、上記実施形態と同様にした。
実施例1では、孔20をノズル列T毎に3個ずつ設け、孔20の孔径(直径)を20μmにした。また、孔20を、各ノズル列Tに対して、最上流の吐出ノズル18bから10mm(=L)の領域に配置した。すなわち、3個の孔20のうちのノズル領域Rから最も遠い孔20と最上流の吐出ノズル18bとの距離を10mmにし、孔20のピッチL20を約3.3mmにした。なお、吐出ノズル18のノズル径(直径)を20μmにした。実施例1のその他の構成は、上記実施形態と同様にした。
(比較例1)
比較例1では、インク吐出面Fに孔20を設けなかった。比較例1のその他の構成は、実施例1と同様にした。
比較例1では、インク吐出面Fに孔20を設けなかった。比較例1のその他の構成は、実施例1と同様にした。
そして、実施例1および比較例1について、用紙Sに対するインクの着弾位置精度を求めた。具体的には、記録ヘッドの使用開始初期と、上記回復動作を12000回繰り返し行った時とにおいて、用紙Sに印字されたドットの、本来着滴すべき位置からの位置ズレ量を測定した。そして、その差から、位置ズレ量の増加量(位置ズレ悪化量)の3σを算出し、着弾位置精度について評価した。この位置ズレ量の増加量の算出は、各ノズル列Tの上流側(右側)の3個(計約200個)と、吐出ノズル18全部(計約2700個)と、について行った。そして、各ノズル列Tの上流側の3個と、吐出ノズル18全部と、の位置ズレ量の増加量の大きい方の値が、2.0μm未満の場合は◎、2.0μm以上5.0μm未満の場合は○、5.0μm以上の場合は×とした。その結果を以下の表1に示す。
なお、5.0μm以上という水準は、インクが紙表面でも拡がりやすい(着弾位置ズレが発生しても、隣の液が補うために、筋(筋状に見える位置ズレしたドット)が目立ちにくい)普通紙においても、目視で筋が分かる水準である。また、2.0μmという水準は、インクが拡がりにくい微塗工紙において、目視で筋が分かるかどうかのボーダーラインである。この確認実験では、一般的に使用される普通紙で目視で筋が分かるものを×とし、特殊用途ながら使用される可能性のある微塗工紙で目視で筋が分からないものを◎とし、その間のものを問題ないレベルとして○とした。
また、位置ズレ量の増加量の算出を、各ノズル列Tのうちの上流側(右側)の3個の吐出ノズル18について行ったのは、以下の理由による。すなわち、本発明者が行った事前調査において、各ノズル列Tのうちの拭き取り方向上流側の3個の吐出ノズル18だけがインクの着弾位置精度が低下しやすいことを突き止めたためである。なお、各ノズル列Tのうちの拭き取り方向上流側の3個の吐出ノズル18だけがインクの着弾位置精度が低下しやすいのは、撥水膜73の削りカスの略全てが上流側の3個の吐出ノズル18に入り、4個目以降の吐出ノズル18は正常に吐出できるためであると考えられる。
また、この実験では、硬度の比較的高いカーボンブラックを顔料として含有している黒色インクを用いた。これは、本発明者が行った事前調査において、他の色のインクに比べて硬度の比較的高いカーボンブラックを顔料として含有している黒色インクを用いた場合にインクの着弾位置精度が低下しやすいことを突き止めたためである。なお、黒色インクを用いた場合にインクの着弾位置精度が低下しやすいのは、黒色インクには硬度の比較的高いカーボンブラックが顔料として含有されており、撥水膜73が削れやすくなるためであると考えられる。
表1を参照して、孔20を形成しない場合は着弾位置精度が低下する一方、孔20を形成することによって着弾位置精度の低下を抑制できることが判明した。なお、実施例1の、各ノズル列Tの上流側(右側)の3個(計約200個)の3σ(以下、Ma3σという)、及び吐出ノズル18全部(計約2700個)の3σ(以下、Mb3σという)は、約0.5μm、約0.4μmであり、比較例1のMa3σ及びMb3σは、約9.1μm、約1.6μmであった。
[孔20の個数に関する実験]
次に、孔20の個数に関する実験について説明する。この確認実験は、上記実施形態に対応した実施例1、2と、比較例2、3と、について行った。
次に、孔20の個数に関する実験について説明する。この確認実験は、上記実施形態に対応した実施例1、2と、比較例2、3と、について行った。
(実施例2)
実施例2では、孔20をノズル列T毎に4個ずつ設けた。そして、4個の孔20のうちのノズル領域Rから最も遠い孔20と最上流の吐出ノズル18bとの距離を10mmにし、孔20のピッチL20を約2.5mmにした。実施例2のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
実施例2では、孔20をノズル列T毎に4個ずつ設けた。そして、4個の孔20のうちのノズル領域Rから最も遠い孔20と最上流の吐出ノズル18bとの距離を10mmにし、孔20のピッチL20を約2.5mmにした。実施例2のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
(比較例2)
比較例2では、孔20をノズル列T毎に1個ずつ設けた。そして、孔20と最上流の吐出ノズル18bとの距離を10mmにした。比較例2のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
比較例2では、孔20をノズル列T毎に1個ずつ設けた。そして、孔20と最上流の吐出ノズル18bとの距離を10mmにした。比較例2のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
(比較例3)
比較例3では、孔20をノズル列T毎に2個ずつ設けた。そして、2個の孔20のうちのノズル領域Rから最も遠い孔20と最上流の吐出ノズル18bとの距離を10mmにし、孔20のピッチL20を約5.0mmにした。比較例3のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
比較例3では、孔20をノズル列T毎に2個ずつ設けた。そして、2個の孔20のうちのノズル領域Rから最も遠い孔20と最上流の吐出ノズル18bとの距離を10mmにし、孔20のピッチL20を約5.0mmにした。比較例3のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
そして、実施例1、2および比較例2、3について、上記「孔20の有無に関する実験」と同様にして、着弾位置精度について評価した。その結果を以下の表2に示す。
表2を参照して、孔20を1個または2個だけしか形成しない場合は着弾位置精度が低下する一方、孔20を3個以上形成することによって着弾位置精度の低下を抑制できることが判明した。なお、実施例2のMa3σ及びMb3σは、約0.4μm、約0.4μmであり、比較例2のMa3σ及びMb3σは、約10.1μm、約1.5μmであり、比較例3のMa3σ及びMb3σは、約9.4μm、約0.9μmであった。
[孔20の孔径(直径)に関する実験]
次に、孔20の孔径(直径)に関する実験について説明する。この確認実験は、上記実施形態に対応した実施例1、3、4と、比較例4、5と、について行った。
次に、孔20の孔径(直径)に関する実験について説明する。この確認実験は、上記実施形態に対応した実施例1、3、4と、比較例4、5と、について行った。
(実施例3)
実施例3では、孔20の孔径(直径)を10μmにした。実施例3のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
実施例3では、孔20の孔径(直径)を10μmにした。実施例3のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
(実施例4)
実施例4では、孔20の孔径(直径)を30μmにした。実施例4のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
実施例4では、孔20の孔径(直径)を30μmにした。実施例4のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
(比較例4)
比較例4では、孔20の孔径(直径)を5μmにした。比較例4のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
比較例4では、孔20の孔径(直径)を5μmにした。比較例4のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
(比較例5)
比較例5では、孔20の孔径(直径)を40μmにした。比較例5のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
比較例5では、孔20の孔径(直径)を40μmにした。比較例5のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
そして、実施例1、3、4および比較例4、5について、上記「孔20の有無に関する実験」と同様にして、着弾位置精度について評価した。その結果を以下の表3に示す。
表3を参照して、孔20の孔径(直径)を5μm以下、又は40μm以上に形成する場合は着弾位置精度が低下する一方、孔20の孔径(直径)を10μm以上30μm以下に形成することによって着弾位置精度の低下を抑制できることが判明した。実施例3のMa3σ及びMb3σは、約0.9μm、約0.9μmであり、実施例4のMa3σ及びMb3σは、約1.9μm、約2.4μmであった。また、比較例4のMa3σ及びMb3σは、約6.2μm、約1.1μmであり、比較例5のMa3σ及びMb3σは、約5.5μm、約7.1μmであった。
なお、孔20の孔径(直径)が5μm以下の場合(比較例4)は、撥水膜73の削りカスを孔20で取りきることができないために、上流側の3個の吐出ノズル18の着弾位置精度が低下すると考えられる。一方、孔20の孔径(直径)が40μm以上の場合(比較例5)は、ワイパー35a〜35cの先端(上端)に傷が付いて拭き残しが発生するために、全体的に着弾位置精度が低下すると考えられる。
[孔20と最上流の吐出ノズル18bとの距離に関する実験]
次に、孔20と最上流の吐出ノズル18bとの距離に関する実験について説明する。この確認実験は、上記実施形態に対応した実施例1、5と、比較例6、7と、について行った。
次に、孔20と最上流の吐出ノズル18bとの距離に関する実験について説明する。この確認実験は、上記実施形態に対応した実施例1、5と、比較例6、7と、について行った。
(実施例5)
実施例5では、孔20を、各ノズル列Tに対して、最上流の吐出ノズル18bから30mm(=L)の領域に配置した。すなわち、3個の孔20のうちのノズル領域Rから最も遠い孔20と吐出ノズル18bとの距離を30mmにし、孔20のピッチL20を約10.0mmにした。実施例5のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
実施例5では、孔20を、各ノズル列Tに対して、最上流の吐出ノズル18bから30mm(=L)の領域に配置した。すなわち、3個の孔20のうちのノズル領域Rから最も遠い孔20と吐出ノズル18bとの距離を30mmにし、孔20のピッチL20を約10.0mmにした。実施例5のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
(比較例6)
比較例6では、孔20を、各ノズル列Tに対して、最上流の吐出ノズル18bから40mm(=L)の領域に配置した。すなわち、3個の孔20のうちのノズル領域Rから最も遠い孔20と吐出ノズル18bとの距離を40mmにし、孔20のピッチL20を約13.3mmにした。比較例6のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
比較例6では、孔20を、各ノズル列Tに対して、最上流の吐出ノズル18bから40mm(=L)の領域に配置した。すなわち、3個の孔20のうちのノズル領域Rから最も遠い孔20と吐出ノズル18bとの距離を40mmにし、孔20のピッチL20を約13.3mmにした。比較例6のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
(比較例7)
比較例7では、孔20を、各ノズル列Tに対して、最上流の吐出ノズル18bから50mm(=L)の領域に配置した。すなわち、3個の孔20のうちのノズル領域Rから最も遠い孔20と吐出ノズル18bとの距離を50mmにし、孔20のピッチL20を約16.6mmにした。比較例7のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
比較例7では、孔20を、各ノズル列Tに対して、最上流の吐出ノズル18bから50mm(=L)の領域に配置した。すなわち、3個の孔20のうちのノズル領域Rから最も遠い孔20と吐出ノズル18bとの距離を50mmにし、孔20のピッチL20を約16.6mmにした。比較例7のその他の構成は、上記実施例1と同様にした。
そして、実施例1、5および比較例6、7について、上記「孔20の有無に関する実験」と同様にして、着弾位置精度について評価した。その結果を以下の表4に示す。
表4を参照して、ノズル領域Rから最も遠い孔20と最上流の吐出ノズル18bとの距離を40mm以上にする場合は着弾位置精度が低下する一方、その距離を30mm以下にすることによって着弾位置精度の低下を抑制できることが判明した。なお、実施例5のMa3σ及びMb3σは、約2.1μm、約0.8μmであり、比較例6のMa3σ及びMb3σは、約6.0μm、約1.3μmであり、比較例7のMa3σ及びMb3σは、約8.8μm、約1.7μmであった。
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、板状部材74を貫通するように孔20を形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、板状部材74を貫通しないように凹状に孔20を形成してもよい。
また、上記実施形態では、孔20を円形に形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、孔20を例えば多角形等の円形以外の形に形成してもよい。
また、上記実施形態では、孔20を、各ノズル列Tに対して、吐出ノズル18bから略等ピッチで配置する例について示したが、本発明はこれに限らず、孔20を、各ノズル列Tに対して、吐出ノズル18bから略等ピッチで配置しなくてもよい。
また、上記実施形態では、ワイパー35a〜35cがインク吐出面Fに圧接した状態で一方向(右側から左側)のみに移動する例について示したが、本発明はこれに限らない。ワイパー35a〜35cがインク吐出面Fに圧接した状態で一方向および他方向の両方向に移動してもよい。この場合、孔20を吐出ノズル18(ノズル領域R)の左右両側に設けてもよい。
17a〜17c 記録ヘッド
18 吐出ノズル
20 孔
22 インク
22a パージインク
35a〜35c ワイパー
73 撥水膜
100 インクジェット記録装置
F インク吐出面
R ノズル領域
S 用紙(記録媒体)
T ノズル列
18 吐出ノズル
20 孔
22 インク
22a パージインク
35a〜35c ワイパー
73 撥水膜
100 インクジェット記録装置
F インク吐出面
R ノズル領域
S 用紙(記録媒体)
T ノズル列
Claims (6)
- 記録媒体上にインクを吐出する複数の吐出ノズルが開口するノズル領域を含むインク吐出面を備えた記録ヘッドであって、
前記インク吐出面には、撥水膜が設けられ、
前記ノズル領域には、前記吐出ノズルから強制的に押出されたパージインクをワイパーが拭き取る方向である拭き取り方向に沿って複数の前記吐出ノズルが直線状に配置されたノズル列が複数設けられ、
前記インク吐出面には、前記ノズル列と同一直線上で、かつ、前記ノズル列に対して前記拭き取り方向の上流側の位置に、10μm以上30μm以下の孔径を有する孔が形成され、
前記孔は、
各前記ノズル列に対して3個以上設けられるとともに、
各前記ノズル列に対して、前記拭き取り方向の最上流の前記吐出ノズルから30mm以内の位置に配置されることを特徴とする記録ヘッド。 - 前記孔の孔径は、前記吐出ノズルのノズル径と略同じ大きさであることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
- 前記孔は、各前記ノズル列に対して、前記最上流の吐出ノズルから10mm以内の位置に2個以上配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の記録ヘッド。
- 前記孔の全部は、各前記ノズル列に対して、前記最上流の吐出ノズルから10mm以内の位置に配置されることを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。
- 前記孔は、各前記ノズル列に対して、前記最上流の吐出ノズルから略等ピッチで配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の記録ヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015001750A JP2016124256A (ja) | 2015-01-07 | 2015-01-07 | 記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015001750A JP2016124256A (ja) | 2015-01-07 | 2015-01-07 | 記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=56358634
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015001750A Pending JP2016124256A (ja) | 2015-01-07 | 2015-01-07 | 記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2016124256A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018118441A (ja) * | 2017-01-25 | 2018-08-02 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 記録ヘッドの回復システム及びそれを備えたインクジェット記録装置 |
-
2015
- 2015-01-07 JP JP2015001750A patent/JP2016124256A/ja active Pending
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