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JP2016121037A - スクライブ装置 - Google Patents

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JP2016121037A
JP2016121037A JP2014261743A JP2014261743A JP2016121037A JP 2016121037 A JP2016121037 A JP 2016121037A JP 2014261743 A JP2014261743 A JP 2014261743A JP 2014261743 A JP2014261743 A JP 2014261743A JP 2016121037 A JP2016121037 A JP 2016121037A
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規幸 小笠原
Noriyuki Ogasawara
規幸 小笠原
智貴 中垣
Tomoki Nakagaki
智貴 中垣
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Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd
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Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】ブレイク工程を実行するために十分な深さのクラックをマザー基板に形成することが可能なスクライブ装置を提供する。
【解決手段】スクライブ装置は、マザー基板Gにスクライビングホイール31を押しつけながらスクライビングホイール31を移動させてマザー基板GにスクライブラインL1を形成するスクライビングツール30と、スクライビングツール30に対してスクライブ方向の下流側に配置され、スクライビングツール30により形成されたスクライブラインL1を開く方向の応力をマザー基板Gに付与するクラック浸透ツール50、60と、を備える。クラック浸透ツール50、60をスクライビングツール30に後追いさせてスクライビングツール30により形成されたスクライブラインL1のクラックを浸透させる。
【選択図】図13

Description

本発明は、基板にスクライブラインを形成するスクライブ装置に関する。
従来、ガラス基板等の脆性材料基板の分断は、基板表面にスクライブラインを形成するスクライブ工程と、形成されたスクライブラインに沿って基板表面に所定の力を付加するブレイク工程とによって行われる。スクライブ工程では、スクライビングホイールの刃先が、基板表面に押し付けられながら、所定のラインに沿って移動される。スクライブラインの形成には、スクライブヘッドを備えたスクライブ装置が用いられる。
以下の特許文献1には、マザー基板から液晶パネルを切り出すための方法が記載されている。この方法では、薄膜トランジスタ(TFT)が形成された基板と、カラーフィルタ(CF)が形成された基板とをシール材を介して貼り合わせることによって、マザー基板が形成される。このマザー基板が分断されることにより個々の液晶パネルが取得される。シール材は、2つの基板が貼り合わされた状態で液晶注入領域となる空間が残るように配置される。
上記構成のマザー基板を分断する場合には、2つのスクライブヘッドを用いて、マザー基板の両面に、同時にスクライブラインを形成する方法が用いられ得る(たとえば、特許文献2参照)。この場合、2つのスクライブヘッドがマザー基板を挟むように配置される。2つのスクライビングホイールは、マザー基板を平面視したときに同じ位置に位置付けられる。この状態で、2つのスクライビングホイールが同じ方向に同時に移動されて、マザー基板の各面にスクライブラインが形成される。
特開2006−137641号公報 特開2012−240902号公報
上記特許文献1にも示されるように、従前のマザー基板には、隣り合う液晶注入領域の間に、シール材が介在しない領域が存在していた。したがって、上記のように2つのスクライブヘッドによってマザー基板の両面に同時にスクライブラインを形成する場合には、シール材が介在しない領域に、スクライブラインを形成することができた。このようにスクライブラインを形成してマザー基板を分断すると、液晶パネルには、液晶注入領域の周りに所定幅の額縁領域が残ることとなる。
しかしながら、近年、特にモバイル用の液晶パネルにおいて、上記額縁領域を極限まで狭くすることが主流になりつつある。この要求に応えるためには、マザー基板においてシール材が介在しない領域が省略され、隣り合う液晶注入領域は、シール材のみによって区切られるよう構成される必要がある。この場合、スクライブラインは、シール材の直上および直下の位置に形成されることになる。
ところが、このようにシール材の直上および直下の位置にスクライブラインを形成すると、2つのガラス基板にクラックが十分に入らないといった問題が確認された。このようにクラックが不十分な状態でブレイク工程が実行されると、ブレイク後の基板の端縁に細かい亀裂や破損が生じて、ガラス基板の強度が低下する惧れがある。
かかる課題に鑑み、本発明は、ブレイク工程を実行するために十分な深さのクラックをマザー基板に形成することが可能なスクライブ装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、マザー基板にスクライブラインを形成するスクライブ装置に関する。本態様に係るスクライブ装置は、前記マザー基板に刃を押しつけながら前記刃を移動させて前記マザー基板にスクライブラインを形成するスクライビングツールと、前記スクライビングツールに対してスクライブ方向の下流側に配置され、前記スクライビングツールにより形成された前記スクライブラインを開く方向の応力を前記マザー基板に付与するクラック浸透ツールと、を備える。ここで、スクライブ装置は、前記クラック浸透ツールを前記スクライビングツールに後追いさせて前記スクライビングツールにより形成された前記スクライブラインのクラックを浸透させる。
本態様によれば、クラック浸透ツールがスクライビングツールを後追いすることにより、スクライブラインのクラックが浸透する。これにより、ブレイク工程の実行に十分な深さのクラックをマザー基板に形成することができる。よって、マザー基板をスクライブラインに沿って円滑に分断することができる。
第1の態様に係るスクライブ装置において、前記クラック浸透ツールは、前記スクライブラインが形成された面と反対側の面の前記スクライブラインに対応する位置を押圧する第1のクラック浸透ツールと、前記スクライブラインが形成された面の前記スクライブラインを挟む位置を押圧する第2のクラック浸透ツールを含み得る。この構成によれば、スクライブラインを開く方向の応力をマザー基板に効果的に付与することができる。
この場合、第1のクラック浸透ツールの押圧位置と第2のクラック浸透ツールの押圧位置を、スクライブ方向において一致させても良く、あるいは、第1のクラック浸透ツールの押圧位置と第2のクラック浸透ツールの押圧位置を、スクライブ方向において互いに変位させても良い。なお、後者の場合には、第1のクラック浸透ツールの押圧位置を第2のクラック浸透ツールの押圧位置に対して、スクライブ方向に先行させることが望ましい。こうすると、スクライブ方向に撓ませる応力がマザー基板にさらに付与されるため、クラックをより効果的に浸透させることができる。
本発明の第2の態様は、第1基板と第2基板をシール材により貼り合わせてなるマザー基板にスクライブラインを形成するスクライブ装置に関する。本態様に係るスクライブ装置は、前記マザー基板の一方の面に第1の刃を押しつけながら前記シール材に沿って前記第1の刃を移動させて前記一方の面に第1のスクライブラインを形成する第1のスクライビングツールと、前記マザー基板の他方の面に第2の刃を押しつけながら前記シール材に沿って前記第2の刃を移動させて前記他方の面に第2のスクライブラインを形成する第2のスクライビングツールと、前記第1のスクライビングツールに対してスクライブ方向の下流側に配置され、前記第1のスクライビングツールにより形成された前記第1のスクライブラインを開く方向の応力を前記マザー基板に付与するクラック浸透ツールと、を備える。ここで、スクライブ装置は、前記第1の刃を前記第2の刃に対して前記スクライブ方向に変位させつつ前記第1のスクライビングツールと前記第2のスクライビングツールを移動させて前記第1のスクライブラインと前記第2スクライブラインを前記マザー基板に形成する。また、スクライブ装置は、前記クラック浸透ツールを前記第1のスクライビングツールに後追いさせて前記第1のスクライビングツールにより形成された前記第1のスクライブラインのクラックを浸透させる。
本態様によれば、第1の刃と第2の刃のうちスクライブ方向に先行する刃によって形成されるスクライブラインのクラックを深く浸透させることができる。また、クラック浸透ツールが第1のスクライビングツールを後追いすることにより、第1のスクライブラインのクラックを浸透させることができる。これにより、シール材の直上および直下の位置に十分な深さのクラックでスクライブラインを形成することができる。よって、ブレイク工程においてマザー基板をシール材に沿って円滑に分断することができる。
第2の態様に係るスクライブ装置において、前記クラック浸透ツールは、前記マザー基板の前記他方の面の前記第1のスクライブラインに対応する位置を押圧する第1のクラック浸透ツールと、前記マザー基板の前記一方の面の前記第1のスクライブラインを挟む位置を押圧する第2のクラック浸透ツールを含み得る。この構成によれば、第1のスクライブラインを開く方向の応力をマザー基板に効果的に付与することができる。
また、第2の態様に係るスクライブ装置において、前記第1および第2のスクライビングツールは、前記第2の刃が前記第1の刃に対し前記スクライブ方向において先行するよう移動され得る。こうすると、第2の刃によって形成される第2のスクライブラインのクラックは深くなり、反面、第1の刃によって形成される第1のスクライブラインのクラックは浅くなる。そして、クラック浸透ツールによって、浸透が浅い第1のスクライブラインのクラックがさらに浸透される。よって、両方のスクライブラインのクラック浸透量を大きくするこができ、ブレイク工程においてマザー基板をシール材に沿って円滑に分断することができる。
また、第2の態様に係るスクライブ装置において、前記第1および第2のスクライビングツールは、前記第1の刃が前記第2の刃に対し前記スクライブ方向において先行するよう移動され得る。こうすると、第1の刃によって形成される第1のスクライブラインのクラックは深くなり、反面、第2の刃によって形成される第2のスクライブラインのクラックは浅くなる。そして、クラック浸透ツールによって第1のスクライブラインのクラックがさらに浸透される。これにより、第1の刃により形成される第1のスクライブラインのクラック浸透量が十分な大きさに安定しないような場合にも、クラック浸透ツールによって、第1のスクライブラインのクラックを十分な深さに浸透させることができる。
また、第2の態様に係るスクライブ装置において、前記第1のスクライビングツールは、前記第2のスクライビングツールの前記第2の刃に対応する位置を前記一方の面において押さえる第1の押さえ部を備える構成とされ得る。こうすると、第2の刃によって形成される第2のスクライブラインのクラックをより深く浸透させることができる。よって、ブレイク工程において、より円滑にマザー基板を分断することができる。
また、第2の態様に係るスクライブ装置において、前記第2のスクライビングツールは、前記第1のスクライビングツールの前記第1刃に対応する位置を前記他方の面において押さえる第2の押さえ部を備える構成とされ得る。こうすると、第1の刃によって形成される第1のスクライブラインのクラックをより深く浸透させることができる。よって、ブレイク工程において、より円滑にマザー基板を分断することができる。
以上のとおり、本発明によれば、ブレイク工程を実行するために十分な深さのクラックをマザー基板に形成することが可能なスクライブ装置を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
実施の形態に係るスクライブ装置の構成を模式的に示す図である。 実施の形態に係るスクライブヘッドの構成を示す分解斜視図である。 実施の形態に係るスクライブヘッドの構成を示す斜視図である。 実施の形態に係るスクライビングツールによるスクライブ動作を模式的に示す図である。 実施の形態に係るスクライビングツールを用いてスクライブ動作を行った場合の実験結果を示す図である。 実施の形態に係るクラック浸透ツールの作用を示す図である。 実施の形態に係るクラック浸透ツールの構成を示す分解斜視図である。 実施の形態に係るクラック浸透ツールの構成を示す分解斜視図である。 実施の形態に係るクラック浸透ツールの構成を示す斜視図である。 実施の形態に係るクラック浸透ツールの構成を示す側面図である。 実施の形態に係るクラック浸透ツールの構成を示す側面図である。 実施の形態に係るクラック浸透ツールの装着方法を模式的に示す図である。 実施の形態に係るスクライブ動作を模式的に示す図である。 他の実施形態に係るスクライブ装置の構成を模式的に示す図である。 他の実施形態に係るスクライブヘッドの構成を示す分解斜視図および斜視図である。 変更例に係るスクライブ装置の構成およびスクライブ動作を模式的に示す図である。 他の変更例に係るスクライビングツールの構成を示す斜視図である。 他の変更例に係るスクライブ装置の構成およびスクライブ動作を模式的に示す図である。 さらに他の変更例に係るスクライブ装置の構成を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図には、便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸が付記されている。X−Y平面は水平面に平行で、Z軸方向は鉛直方向である。
<スクライブ装置>
図1(a)、(b)は、スクライブ装置1の構成を模式的に示す図である。図1(a)は、Y軸正側からスクライブ装置1を見た図、図1(b)は、X軸正側からスクライブ装置1を見た図である。
図1(a)を参照して、スクライブ装置1は、コンベア11と、支柱12a、12bと、ガイド13a、13bと、ガイド14a、14bと、摺動ユニット15、16と、2つのスクライブヘッド2aと、2つのスクライブヘッド2bとを備える。
図1(b)に示すように、コンベア11は、スクライブヘッド2a、2bが配置される箇所を除いて、Y軸方向に延びるように設けられている。コンベア11上には、マザー基板Gが載置される。マザー基板Gは、一対のガラス基板が相互に貼り合わされた構造を有する。マザー基板Gは、コンベア11によりY軸方向に送られる。
支柱12a、12bは、スクライブ装置1のベースに垂直に設けられている。ガイド13a、13bおよびガイド14a、14bは、それぞれ、X軸方向に平行となるように、支柱12a、12bの間に架設されている。摺動ユニット15、16は、それぞれ、ガイド13a、13b、ガイド14a、14bに摺動自在に設けられている。ガイド13a、13bおよびガイド14a、14bには、それぞれ、所定の駆動機構が設けられており、この駆動機構により、摺動ユニット15、16がX軸方向に移動される。
摺動ユニット15、16には、それぞれ、スクライブヘッド2a、2bが装着されている。したがって、スクライブヘッド2a、2bは、摺動ユニット15、16の移動に伴って、同時に移動する。なお、スクライブヘッド2a、2bに対して個別に摺動ユニットが配されても良い。この構成の場合には、スクライブヘッド2a、2bの駆動を個別に制御することができる。
上側のスクライブヘッド2aと下側のスクライブヘッド2aには、それぞれ、マザー基板Gに対向するようにスクライビングツール30、40が取り付けられる。スクライビングツール30、40に保持されたスクライビングホイールがマザー基板Gの表面に押し付けられた状態で上下のスクライブヘッド2aがX軸方向に移動する。これにより、マザー基板Gの上下の面にスクライブラインが形成される。
さらに、上側のスクライブヘッド2bと下側のスクライブヘッド2bには、それぞれ、上側のスクライビングツール30によって形成されたスクライブラインを開く方向の応力をマザー基板Gに付与するためのクラック浸透ツール50、60が取り付けられる。クラック浸透ツール50、60がスクライビングツール30を後追いすることにより、スクライビングツール30により形成されたスクライブラインのクラックが浸透する。クラック浸透ツール50、60の構成については、追って、図7〜図11(b)を参照して説明する。
<スクライブヘッド>
図2は、スクライブヘッド2aの構成を示す一部分解斜視図、図3(a)、(b)は、それぞれ、スクライブヘッド2a、2bの構成を示す斜視図である。
図2を参照して、スクライブヘッド2aは、昇降機構21と、スクライブライン形成機構22aと、ベースプレート23と、トッププレート24と、ボトムプレート25と、ゴム枠26と、カバー27と、サーボモータ28とを備える。
昇降機構21は、サーボモータ28の駆動軸に連結された円筒カム21aと、昇降部21bの上面に形成されたカムフォロア21cとを備える。昇降部21bは、スライダー(図示せず)を介してベースプレート23に上下方向に移動可能に支持され、バネ21dによってZ軸正方向に付勢されている。バネ21dの付勢により、カムフォロア21cは円筒カム21aの下面に押し付けられている。昇降部21bはスクライブライン形成機構22aに連結されている。サーボモータ28により円筒カム21aが回動すると、円筒カム21aのカム作用によって昇降部21bが昇降し、これに伴い、スクライブライン形成機構22aが昇降する。スクライブライン形成機構22aの下端に、スクライビングツール30またはスクライビングツール40が装着される。
ゴム枠26は、空気を通さない弾性部材である。ゴム枠26は、ベースプレート23の溝23a、トッププレート24の溝24aおよびボトムプレート25の溝25aに嵌まり込む形状を有している。ゴム枠26が溝23a、24a、25aに装着された状態で、ゴム枠26の表面は、ベースプレート23、トッププレート24およびボトムプレート25の側面よりも僅かに外側に突出する。
カバー27は、前面部27a、右側面部27bおよび左側面部27cの3つの板部が折り曲げられた形状を有する。前面部27aの上下の端縁には、2つの孔27fが形成されている。
ゴム枠26が溝23a、24a、25aに嵌め込まれた状態で、カバー27の右側面部27bと左側面部27cが外側に撓むように変形されて、カバー27がベースプレート23、トッププレート24およびボトムプレート25に取り付けられる。この状態で、前面部27aの上下の端縁に形成された2つの孔27fを介して、ネジがトッププレート24およびボトムプレート25に螺着される。さらに、ベースプレート23、トッププレート24およびボトムプレート25の溝23a、24a、25aのやや外側に形成されたネジ穴に、ネジが螺着される。これにより、カバー27が、ベースプレート23、トッププレート24およびボトムプレート25とネジの頭部とによって挟み込まれ、右側面部27bおよび左側面部27cの周縁部がゴム枠26に押し付けられる。こうして、図3(a)に示すようにスクライブヘッド2aが組み立てられる。
スクライブヘッド2bは、スクライブライン形成機構22bの構成を除いて、スクライブヘッド2aと同じ構成である。図3(a)に示すように、スクライブヘッド2aでは、スクライビングツール30、40を保持する保持部221が、X軸負側に変位した位置に配置され、スクライブヘッド2bでは、クラック浸透ツール50、60を保持する保持部221が、X軸正側に変位した位置に配置されている。このように保持部221の配置を調整することにより、図1(a)のように2つのヘッド2a、2bがX軸方向に並べて配置された状態において、スクライビングツール30、40とクラック浸透ツール50、60との間隔を縮めることができる。
本実施の形態では、スクライビングツール30、40が2つのスクライブヘッド2aに個別に保持され、また、クラック浸透ツール50、60が2つのスクライブヘッド2bに個別に保持されるため、スクライビングツール30、40およびクラック浸透ツール50、60に付与する荷重を個別に制御することができる。これにより、各ツールに最適な荷重を付与することができる。
<スクライブ方法>
本実施の形態では、スクライビングツール30、40にそれぞれ保持されたスクライビングホイールが、スクライブ方向に互いにずらされて、シール材に沿って移動して、マザー基板Gの両面にスクライブラインが形成される。
図4(a)はY軸正側からスクライブ位置付近を見たときの模式図、図4(b)はX軸正側からスクライブ位置付近を見たときの模式図、図4(c)はZ軸正側からスクライブ位置付近を見たときの模式図である。
図4(a)に示すように、本スクライブ方法では、下側(Z軸負側)のスクライブヘッド2aのスクライビングホイール41が、上側(Z軸正側)のスクライブヘッド2aのスクライビングホイール31よりも、スクライブ方向(X軸正方向)に距離W1だけ先行するようにして、2つのスクライビングホイール31、41が移動される。2つのスクライビングホイール31、41は、それぞれ、Y軸に平行な軸を回転軸として回転可能にスクライビングツール30、40に支持されている。
図4(b)を参照して、マザー基板Gは、シール材SLを介して2つのガラス基板G1、G2を貼り合わせて構成されている。ガラス基板G1にはカラーフィルタ(CF)が形成され、ガラス基板G2には薄膜トランジスタ(TFT)が形成されている。シール材SLと2つのガラス基板G1、G2によって、液晶注入領域Rが形成され、この液晶注入領域Rに液晶が注入される。2つのスクライビングホイール31、41は、Y軸方向に互いにずれることなく位置付けられる。スクライビングホイール31は、シール材SLの直上の位置においてガラス基板G1の表面に押し付けられ、スクライビングホイール41は、シール材SLの直下の位置においてガラス基板G2の表面に押し付けられる。
図4(c)に示すように、シール材SLは格子状に配置されている。2つのスクライビングホイール31、41は、シール材SLに沿ってX軸正方向に移動される。これにより、図4(b)、(c)に示すように、ガラス基板G1、G2の表面に、それぞれ、スクライブラインL1、L2が形成される。
<実験>
本願発明者らは、図4(a)〜(c)に示すスクライブ方法に従ってマザー基板Gにスクライブラインを形成する実験を行った。以下、この実験と実験結果について説明する。
実験では、厚みがそれぞれ0.2mmのガラス基板G1、G2をシール材SLを介して貼り合わせた基板(マザー基板G)を用いた。貼り合わせ基板(マザー基板G)のサイズは118mm×500mmである。スクライビングホイール31、41は、三星ダイヤモンド工業株式会社製、マイクロぺネット(三星ダイヤモンド工業株式会社の登録商標)を用いた。スクライビングホイール31、41は、それぞれ、円板の外周にV字状の刃先が形成されるとともに刃先の稜線に所定の間隔で溝を有する構造となっている。スクライビングホイール31、41は、直径3mm、刃先角度110°、溝個数550、溝深さ3μmである。
この構成のスクライビングホイール31、41を、それぞれ、ガラス基板G1、G2に押し付けつつ移動させてスクライブ動作を行った。なお、本実験では、図4(a)と異なり、上側のスクライビングホイール31を下側のスクライビングホイール41に対してスクライブ方向に先行させた。スクライブ動作時にスクライビングホイール31、41に付与される荷重は6.5Nに制御した。また、スクライビングホイール31、41の移動速度は、一定(200mm/sec)とした。
以上の条件のもと、2つのスクライビングホイール31、41間の距離W1を変化させながら、ガラス基板G1、G2におけるクラックの浸透量を計測した。比較例として、スクライビングホイール31、41間の距離W1が0の場合のクラックの浸透量も計測した。各測定では、クラックの浸透量の他、リブマーク量も併せて計測した。
図5(a)〜(e)に実験結果を示す。図5(a)は、クラックの浸透量とリブマーク量を数値で示す図、図5(b)〜(e)は、スクライブライン上におけるマザー基板Gの断面写真であり、それぞれ、距離W1が0.4mm、0.6mm、0.8mm、1.0mmの場合のものである。図5(b)〜(e)において、D1、D3はリブマーク量、D2、D4はクラックの浸透量を示している。
図5(a)を参照すると、距離W1が0.6mmを超えると、距離W1が0mmの場合に比べて、ガラス基板G1のクラックの浸透量が大きくなっている。ガラス基板G1、G2のうち何れか一方に大きな浸透量でクラックが入ると、ブレイク工程において、マザー基板Gを円滑に分断することができる。
たとえば、比較例(W1=0mm)のように、ガラス基板G1、G2におけるクラック量が共にガラス基板G1、G2の厚み(0.2mm)の半分程度であると、ブレイク工程において、マザー基板Gの両側からガラス基板G1、G2をそれぞれブレイクする必要がある。このようにマザー基板Gの両側からガラス基板G1、G2をそれぞれブレイクする動作が行われると、ガラス基板G1、G2の端縁に細かい亀裂や破損が生じて、ガラス基板G1、G2の強度が低下する惧れがある。
これに対し、距離W1が0.6mm〜1.4mmである場合には、ガラス基板G1におけるクラックの浸透量が大きい。このようにガラス基板G1におけるクラックの浸透量が大きい場合、ブレイク工程では、クラックの浸透量が小さいガラス基板G2をマザー基板Gの一方側からブレイクする動作を行うことにより、このブレイク動作の際に、深くクラックが入ったガラス基板G1も同時にクラックに沿って分断される。このようにマザー基板Gの一方側のみからガラス基板G1、G2をブレイクすると、ガラス基板G1、G2の端縁に細かい亀裂や破損が生じることがなく、ガラス基板G1、G2の強度が高く保たれる。
以上の理由から、マザー基板Gの分断においては、ガラス基板G1、G2の何れか一方に大きな浸透量でクラックが入っていることが望ましい。本実験では、図5(a)に示すように、2つのスクライビングホイール31、41間の距離W1が0.6mmを超えると、比較例(W1=0mm)に比べて、ガラス基板G1のクラックの浸透量が大きくなっている。このことから、2つのスクライビングホイール31、41間の距離W1は、0.6mm以上であることが望ましいと言える。このように2つのスクライビングホイール31、41間の距離W1を設定することにより、マザー基板Gのブレイクを円滑に行うことができる。
なお、本実験では、上側のスクライビングホイール31を下側のスクライビングホイール41に対してスクライブ方向に先行させたため、上側のガラス基板G1に対するクラックの浸透量が大きくなったが、図4(a)のように下側のスクライビングホイール41を上側のスクライビングホイール31に対してスクライブ方向に先行させた場合には、ガラス基板G2におけるクラックの浸透量が大きくなる。
ところで、上記のようにスクライビングホイール31、41をスクライブ方向にずらすことにより、ガラス基板G1、G2の一方のクラックの浸透量を深くできるものの、反面、ガラス基板G1、G2の他方は、クラックの浸透量が浅くなる。上記のようにブレイク工程では、クラックの浸透量が浅い方のガラス基板をブレイクする動作が行われるが、このときクラックの浸透量が浅すぎると、浅いクラックのガラス基板を適正にブレイクできないことが起こり得る。
そこで、本実施の形態では、上下2つのスクライブヘッド2bにそれぞれクラック浸透ツール50、60を装着し、スクライブ工程において、クラック浸透ツール50、60にスクライビングツール30、40を後追いさせる。これにより、クラックの浸透量が浅い上側のスクライブラインL1が開く方向に、マザー基板Gに応力が付与される。
図6(a)、(b)は、クラック浸透ツール50、60の作用を示す図である。図6(a)はY軸正側からスクライブ位置付近を見たときの模式図、図6(b)はX軸正側からクラック浸透ツール50、60付近を見たときの模式図である。
図6(a)、(b)に示すように、クラック浸透ツール50は2つのベアリング51、52を備え、クラック浸透ツール60は1つのベアリング61を備える。2つのベアリング51、52は、距離W2の間隔で配置され、ベアリング61は、2つのベアリング51、52の中間位置に配置される。すなわち、ベアリング51とベアリング61のY軸方向の距離W3は、距離W2の半分である。
スクライブ動作において、ベアリング61は、シール材SLの直下に位置付けられ、ガラス基板G2の下面を上方向に押圧しながらシール材SLに沿って移動される。また、2つのベアリング51、52は、シール材SLを挟む位置に位置付けられ、ガラス基板G1の上面を下方向に押圧しながらシール材SLに平行に移動される。これにより、図6(b)に示すように、クラックの浸透量が浅い上側のスクライブラインL1が開く方向に、マザー基板Gに応力が付与される。この応力によって、スクライブラインL1のクラックがより深く浸透する。その結果、図6(a)に示すように、クラック浸透ツール50、60が通過した後のスクライブラインL1のクラックが深く浸透する。
<クラック浸透ツール>
図7は、クラック浸透ツール50の構成を示す分解斜視図である。
クラック浸透ツール50は、ベアリング51、52と、スペーサ53と、ホルダ54と、軸55とを備える。
ベアリング51は、外輪51aが内輪51bの外側に組み付けられた構成となっている。ベアリング51の外輪51aは、金属材料により構成され、円筒形の形状を有する。外輪51aと内輪51bの間にはボール51cおよび保持器51dが保持されている。外輪51aの外側には、金属材料や金属材料以外の材料から構成されるローラが設けられても良い。内輪51bの孔に軸55が嵌め込まれる。軸55は、剛性の高い金属材料からなっている。ベアリング52も、ベアリング51と同様、外輪52aと内輪52bの間にボール52cおよび保持器52dが保持された構成となっている。本実施の形態では、ベアリング51、52は、同じものである。
スペーサ53は、ベアリング51、52の間隔を距離W2(図6(b)参照)に保つためのものである。スペーサ53は、金属材料からなっており、円筒形状を有する。スペーサ53の孔に軸55が通される。ベアリング外輪52aの円滑な回転のため、スペーサ53はそれぞれベアリング内輪52bにのみ接するようにされる。
ホルダ54は、強磁性体からなっている。ホルダ54は、円柱状の胴部54aと、胴部54aの下端に一体的に続く脚部54bとを備える。胴部54aには、側面が切り欠かれることによって傾斜面54cが形成されている。傾斜面54cは、スクライブ方向と鉛直方向に平行な面内方向に、水平方向から所定の角度だけ傾いている。
脚部54bには、矩形状の凹部541が形成されている。凹部541は、脚部54bの幅方向の中央位置に形成されている。脚部54bの一方の側面には、凹部541へと連通する孔542が形成されている。さらに、脚部54bには、孔542と同軸の位置に、孔543が形成されている。孔542の径は軸55の径と同じである。また、孔543の入口の径は軸55の径と同じであり、孔543の出口は、軸55の尖頭形状の一端を受けるように径が小さくなっている。
クラック浸透ツール50の組み立て時には、2つのベアリング51、52でスペーサ53を挟むように、ベアリング51、52とスペーサ53が凹部541に挿入される。このとき、ベアリング51、52の内輪51b、52bの孔とスペーサ53の孔が凹部541の孔542に揃えられる。この状態で、軸55が孔542に通される。軸55は、内輪51bの孔、スペーサ53の孔および内輪52bの孔に順番に挿入され、さらに、脚部54bの孔543に挿入される。軸55は、先端が孔543の内側面に当接するまで押し込まれる。これにより、クラック浸透ツール50の組み立てが完了する。
図8は、クラック浸透ツール60の構成を示す分解斜視図である。
クラック浸透ツール60は、ベアリング61と、2つのスペーサ62、63と、ホルダ64と、軸65とを備える。
ベアリング61は、図7のベアリング51と同様、外輪61aと内輪61bの間にボール61cおよび保持器61dが保持された構成となっている。本実施の形態では、ベアリング61は、図7のベアリング51と同じものである。スペーサ62、63は、ベアリング61をホルダ64の中央位置に位置付けるためのものである。ホルダ64は、図7のホルダ54と同様、胴部64aと、脚部64bと、傾斜面64cを備えている。脚部64bには、凹部641と、2つの孔642、643が形成されている。ホルダ64は、図7のホルダ64と同じものである。
クラック浸透ツール60の組み立て時には、2つのスペーサ62、63でベアリング61を挟むように、スペーサ62、63とベアリング61が凹部641に挿入される。このとき、スペーサ62、63の孔とベアリング61の内輪61bの孔が凹部641の孔642に揃えられる。この状態で、軸65が孔642に通される。軸65は、スペーサ62の孔、内輪51bの孔およびスペーサ63の孔に順番に挿入され、さらに、脚部64bの孔643に挿入される。軸65は、先端が孔643の内側面に当接するまで押し込まれる。これにより、クラック浸透ツール60の組み立てが完了する。
図9(a)、(b)は、それぞれ、組立後のクラック浸透ツール50、60の外観を示す斜視図である。図10(a)、(b)は、クラック浸透ツール50の構成を示す左側面図および正面図である。図11(a)、(b)は、クラック浸透ツール60の構成を示す左側面図および正面図である。
図10(b)を参照して、正面側からクラック浸透ツール50を見ると、スペーサ53を挟むようにして2つのベアリング51、52が軸55に支持されている。スペーサ53はホルダ54の左右方向の中央位置において軸55に支持されている。スペーサ53の厚みはD2であり、2つのベアリング51、52の厚みは、共にD3である。厚みD2と2つの厚みD3を加算した厚みは、凹部541の内側面間の距離よりも僅かに小さい。
図10(a)を参照して、軸55に平行な方向にクラック浸透ツール50を見ると、ベアリング51、52は、それぞれ、ホルダ54の下面からD1だけ突出している。D1は、ホルダ54の下面からベアリング51、52の下端までの距離である。ベアリング51、52の下端は、スクライブ方向において、脚部54bの略中央位置にある。
図11(b)を参照して、正面側からクラック浸透ツール60を見ると、2つのスペーサ62、63により挟まれるようにしてベアリング61が軸65に支持されている。ベアリング61の厚みはD5であり、2つのスペーサ62、63の厚みは、共にD6である。厚みD5と2つの厚みD6を加算した厚みは、凹部641の内側面間の距離よりも僅かに小さい。したがって、ベアリング61は、ホルダ64の左右方向の中央位置に位置付けられる。
なお、本実施の形態では、ベアリング61の厚みD5は、図10(b)に示すベアリング51、52の厚みD3と同じである。これに代えて、ベアリング61の厚みD5と図10(b)に示すベアリング51、52の厚みD3とが互いに異なっていても良い。
また、クラック浸透ツール50においてはスペーサ53の幅D2を小さくし、ベアリング51、52の左右にさらにスペーサを設けるようにしてもよい。この場合も、ベアリングの厚みとスペーサの厚みの合計が凹部541の内側面間の距離よりも僅かに小さくなるようにすればよい。
図11(a)を参照して、軸65に平行な方向にクラック浸透ツール60を見ると、ベアリング61は、ホルダ64の下面からD4だけ突出している。D4は、ホルダ64の下面からベアリング61の下端までの距離である。ベアリング61の下端は、スクライブ方向において、脚部64bの略中央位置にある。
図12(a)、(b)は、スクライブライン形成機構22bに対するクラック浸透ツール50の取り付け方法を模式的に示す図である。図12(a)、(b)では、スクライブライン形成機構22bの内部が透視された状態が示されている。
スクライブライン形成機構22bの下端には、クラック浸透ツール50を保持する保持部221が設けられ、この保持部221に、クラック浸透ツール50を挿入可能な穴222が形成されている。穴222の底には磁石224が設置され、穴222の中間位置にピン223が設けられている。上記のように、クラック浸透ツール50のホルダ54は強磁性体からなっている。
スクライブライン形成機構22bにクラック浸透ツール50を取り付ける場合、クラック浸透ツール50のホルダ54が保持部221の穴222に挿入される。ホルダ54の上端が磁石224に接近するとホルダ54が磁石224に吸着される。このとき、ホルダ54の傾斜面54cがピン223に当接し、ホルダ54が正規の位置に位置決めされる。こうして、図12(b)に示すように、クラック浸透ツール50がスクライブライン形成機構22bの下端に装着される。
クラック浸透ツール60も同様にしてスクライブライン形成機構22bの下端に装着される。また、スクライビングツール30、40も同様にしてスクライブライン形成機構22aの下端に装着される。スクライブライン形成機構22aの保持部はスクライブライン形成機構22bの保持部221と同様の構成である。
図13(a)は、スクライビングツール30、40およびクラック浸透ツール50をそれぞれスクライブライン形成機構22a、22bに装着した状態を模式的に示す要部側面図、図13(b)は、ベアリング51、52およびベアリング61付近をX軸負側から見た図である。
図13(a)に示すように、スクライビングホイール31、41は、軸32、42によって、ホルダ33、43に回転可能に支持されている。ホルダ33、43には、ホルダ54と同様、傾斜面33c、43cが設けられ、これら傾斜面33c、43cがスクライブライン形成機構22aのピン223に当接することにより、スクライブライン形成機構22aの下端に装着される。
本実施の形態では、図13(a)に示すように、上側のホルダ33における軸32の位置が、スクライブ方向と反対側にシフトしている。これにより、下側のスクライビングホイール41が上側のスクライビングホイール31に対してスクライブ方向に先行している。なお、このように軸32の位置を調整する方法に代えて、上側のスクライブライン形成機構22aの位置を下側のスクライブライン形成機構22aの位置に対して、スクライブ方向と反対側にシフトさせることにより、下側のスクライビングホイール41を上側のスクライビングホイール31に対してスクライブ方向に先行させても良い。こうすると、上側のホルダ33と下側のホルダ43を互いに共用することができる。
また、図13(a)に示すように、本実施の形態では、上側のベアリング51、52と、下側のベアリング61は、スクライブ方向(X軸正方向)において同じ位置に位置付けられる。また、図13(b)に示すように、下側のベアリング61は上側の2つのベアリング51、52の中間位置に位置付けられる。
スクライブ動作時には、このようにスクライビングホイール31、41の位置関係とベアリング51、52およびベアリング61の位置関係を保ったまま、上下のスクライブヘッド2a、2bがスクライブ方向(X軸正方向)に移動される。このとき、スクライビングホイール31、41は、シール材SLの直上および直下の位置に位置付けられる。これにより、マザー基板Gの上下の面にスクライブラインL1、L2が形成される。
かかるスクライブ動作では、図6(a)を参照して説明したように、下側のスクライビングホイール41が上側のスクライビングホイール31に対してスクライブ方向に先行するため、これらスクライビングホイール31、41で形成された直後のスクライブラインL1、L2は、上側のスクライブラインL1のクラックが浅くなり、下側のスクライブラインL2のクラックが深くなる。しかしながら、ベアリング51、52およびベアリング61がスクライビングホイール31を後追いすることにより、図6(b)を参照して説明したように、上側のスクライブラインL1を開く方向の応力がマザー基板Gに付与されて、スクライブラインL1のクラックがさらに浸透する。これにより、ベアリング51、52およびベアリング61が通過した後は、スクライブラインL1のクラックが深くなる。こうして、上側のスクライブラインL1も十分な深さに確保され、ブレイク動作を適正に行えるようになる。
<実施形態の効果>
本実施の形態によれば、以下の効果が奏される。
クラック浸透ツール50、60がスクライビングツール30、40を後追いすることにより、スクライブラインL1のクラックが浸透する。これにより、十分な深さのクラックをマザー基板Gに形成することができる。よって、マザー基板Gをスクライブラインに沿って円滑に分断することができる。
スクライブラインL1が形成された面と反対側の面のスクライブラインL1に対応する位置を押圧するクラック浸透ツール60と、スクライブラインL1が形成された面のスクライブラインL1を挟む位置を押圧するクラック浸透ツール50とを用いてマザー基板Gに応力が付与される。このため、スクライブラインL1を開く方向の応力をマザー基板Gに効果的に付与することができる。
下側のスクライビングホイール41を上側のスクライビングホイール31に対して先行させてスクライブ動作が行われる。このため、下側のスクライブラインL2のクラックを深く浸透させることができる。また、クラック浸透ツール50、60がスクライビングツール30を後追いすることにより、スクライブラインL1のクラックをさらに浸透させることができる。これにより、シール材SLの直上および直下の位置に十分な深さのクラックでスクライブラインL1、L2を形成することができる。よって、ブレイク工程においてマザー基板Gをシール材SLに沿って円滑に分断することができる。
<他の実施形態>
上記実施の形態では、スクライビングツール30、40が装着されるスクライブヘッド2aと、クラック浸透ツール50、60が装着されるスクライブヘッド2bが個別に準備されたが、一つのスクライブヘッドにスクライビングツールとクラック浸透ツールが装着されても良い。
図14(a)、(b)は、他の実施形態に係るスクライブ装置1の構成を模式的に示す図である。図14(a)は、Y軸正側からスクライブ装置1を見た図、図14(b)は、X軸正側からスクライブ装置1を見た図である。
図14(a)に示すように、他の実施形態では、マザー基板Gの上側と下側にスクライブヘッド2が一つずつ配置される。そして、上側のスクライブヘッド2にスクライビングツール30とクラック浸透ツール50が装着され、下側のスクライブヘッド2にスクライビングツール40とクラック浸透ツール60が装着される。上側のスクライブヘッド2と下側のスクライブヘッド2は、同じ構成である。
図15(a)、(b)は、他の実施形態に係るスクライブヘッド2の構成を示す分解斜視図および斜視図である。なお、図15(a)では、ゴム枠26およびカバー27に関する構成が図示省略されている。
図15(a)に示すように他の実施形態では、スクライブライン形成機構22a、22bが昇降部21bに連結されている。スクライブライン形成機構22a、22bはX軸方向(スクライブ方向)に並んでおり、スクライブライン形成機構22aが、スクライブライン形成機構22bに対して、スクライブ方向に先行している。スクライブヘッド2のその他の構成は、図2に示すスクライブヘッド2aと同様である。図15(a)、(b)において、スクライブヘッド2aと同一の構成には同一の符号が付されている。
サーボモータ28により円筒カム21aが回動すると、円筒カム21aのカム作用によって昇降部21bが昇降し、これに伴い、スクライブライン形成機構22a、22bが昇降する。スクライブライン形成機構22aの下端に、スクライビングツール30またはスクライビングツール40が装着され、スクライブライン形成機構22bの下端に、クラック浸透ツール50またはクラック浸透ツール60が装着される。これにより、図13(a)、(b)と同様に、スクライビングホイール31、41と、ベアリング51、52およびベアリング61が位置付けられる。スクライブ時の動作は、上記実施の形態と同様である。
なお、他の実施形態では、同一のヘッド2にスクライビングツール30(または、スクライビングツール40)とクラック浸透ツール50(または、クラック浸透ツール60)が装着されるため、スクライブ動作時に各ツールの荷重を個別に制御することができない。しかしながら、他の実施形態では、同一のヘッド2において、スクライビングホイール31(または、スクライビングホイール41)の突出量と、ベアリング51、52(または、ベアリング61)の突出量を調整することにより、マザー基板Gに対するスクライビングホイール31(または、スクライビングホイール41)およびベアリング51、52(または、ベアリング61)の荷重を調整することができる。これにより、マザー基板Gに対する切り込み量と曲げ方向の応力を調整することができ、スクライブラインに沿ったブレイクの効果を高めることができる。
<変更例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も上記以外に種々の変更が可能である。
たとえば、上記実施の形態では、マザー基板Gに対してスクライブラインL1を開く方向の応力を付与するための構成としてベアリング51、52およびベアリング61が設けられたが、応力を付与するための構成はこれに限られるものではない。たとえば、ベアリング51、52およびベアリング61に代えてローラが用いられても良く、あるいは、弾性を有する部材で形成された突起をマザー基板Gの表面に押し付けつつ摺接させてマザー基板Gに応力を付与しても良い。
また、上記実施の形態では、下側のベアリング61がシール材SLの直下に位置付けられたが、たとえば、下側のベアリング61をシール材SLの直下からやや外れた位置に位置付けても、上側のベアリング51、52の間隔が広ければ、スクライブラインL1が開く方向の応力をマザー基板Gに付与することができる。こうすると、下側のベアリング61が下側のスクライブラインL2を踏むことを回避できる。なお、この場合、スクライブラインL2を挟むように下側のベアリング61を2つ配置し、上側のベアリング51、52の間隔を下側の2つのベアリング61の間隔よりも大きく設定して、スクライブラインL1が開く方向の応力をマザー基板Gに付与することもできる。
また、上記実施の形態では、上側のベアリング51、52と下側のベアリング61がスクライブ方向において同じ位置に位置付けられたが、上側のベアリング51、52と下側のベアリング61がスクライブ方向において互いにずれた位置に位置付けられても良い。
図16(a)、(b)は、変更例に係るスクライブ装置1の構成およびスクライブ動作を模式的に示す図である。
本変更例では、上側のスクライブヘッド2bにおけるスクライブライン形成機構22bの配置位置が、下側のスクライブヘッド2bにおけるスクライブライン形成機構22bの配置位置に対して、スクライブ方向にずらされている。これにより、上側のベアリング51、52が下側のベアリング61に対してスクライブ方向に先行している。
この構成によっても、上記実施の形態と同様、スクライブラインL1を開く方向の応力がマザー基板Gに付与される。また、この応力とともに、マザー基板Gをスクライブ方向に撓ませる応力がマザー基板Gにさらに付与されるため、スクライブラインL1のクラックをさらに効果的に浸透させることができる。
なお、上記実施の形態において、スクライブ動作時に、スクライビングホイール31、41と反対側のマザー基板Gの表面を押さえることにより、スクライブラインL1、L2の浸透量をさらに深くすることができる。
図17(a)、(b)は、この場合に用い得るスクライビングツール30、40の構成例を示す図である。
スクライビングツール30、40は、スクライビングホイール31、41と、軸32、42と、ホルダ33、43と、ベアリング34、44と、軸35、45と、カバー36、46を備える。ホルダ33、43は、胴部33a、43aと、脚部33b、43bと、傾斜面33c、43cを備える。また、胴部33a、43aには、幅方向の中央位置に、スクライブ方向に平行な溝331、431が形成され、さらに、溝331、431を挟むように溝332、432が形成されている。カバー36、46が外されると、軸32、42を挿入するための孔と軸35、45を挿入するための孔が露出する。これらの孔は、脚部33b、43bの反対側の側面まで貫通している。
スクライビングホイール31、41は、それぞれ、溝331、431に挿入された状態で、軸32、42により回転可能に支持される。2つのベアリング34は、それぞれ、2つの溝332に挿入された状態で軸35により支持され、また、2つのベアリング44も、それぞれ、2つの溝432に挿入された状態で軸45により支持される。
スクライビングツール30では、2つのベアリング34がスクライブ方向の略中央位置付近に位置付けられ、スクライビングホイール31は、2つのベアリング34に対してスクライブ方向の下流側に位置付けられる。また、スクライビングツール40では、スクライビングホイール41がスクライブ方向の略中央位置付近に位置付けられ、2つのベアリング44は、スクライビングホイール41に対してスクライブ方向の下流側に位置付けられる。2つのベアリング34に対するスクライビングホイール31のシフト量は、スクライビングホイール41に対する2つのベアリング44のシフト量と同じである。
図18(a)は、スクライビングツール30、40およびクラック浸透ツール50をそれぞれスクライブライン形成機構22a、22bに装着した状態を模式的に示す要部側面図、図18(b)は、スクライビングツール30、40の下端部付近をX軸負側から見た図である。
図18(a)に示すように、この構成においても、下側のスクライビングホイール41が上側のスクライビングホイール31に対してスクライブ方向に先行している。また、この構成では、スクライビングホイール41と反対側のマザー基板Gの表面がベアリング34により押さえられ、スクライビングホイール31と反対側のマザー基板Gの表面がベアリング44により押さえられる。クラック浸透ツール50、60の配置は、図16の変更例と同様である。
この構成では、上記実施の形態に比べて、スクライブラインL1、L2の浸透量が深くなる。この場合も、上側のスクライブラインL1のクラックの浸透量が下側のスクライブラインL2のクラックの浸透量よりも浅くなるが、下側のスクライブラインL2は、クラック浸透ツール50、60の作用により、クラックがさらに浸透する。これにより、スクライブラインL1のクラックを深くでき、ブレイク工程を適正に進めることができる。
ところで、上記実施の形態では、クラックの浸透が浅い上側のスクライブラインL1に対して、クラック浸透ツール50、60により、クラックの浸透がなされたが、下側のスクライブラインL2のクラックの浸透量がブレイク工程の実行に十分な深さに安定しないような場合には、下側のスクライブラインL2に対して、クラック浸透ツール50、60により、クラックの浸透がなされても良い。
図19(a)、(b)は、この場合のクラック浸透ツール50、60の構成および作用を説明する図である。図19(a)はY軸正側からスクライブ位置付近を見たときの模式図、図19(b)はX軸正側からクラック浸透ツール50、60付近を見たときの模式図である。
図19(a)、(b)に示すように、この構成では、上側のスクライブヘッド2b(図1(a)参照)に、ベアリング61を一つのみ支持するクラック浸透ツール60が装着され、下側のスクライブヘッド2bには、2つのベアリング51、52を支持するクラック浸透ツール50が装着される。上側のベアリング61は、スクライブラインL2の直上においてマザー基板G1の上面を押圧し、下側のベアリング51、52は、スクライブラインL2を挟む位置において、マザー基板Gの下面を押圧する。これにより、下側のスクライブラインL2を開く応力がマザー基板Gに付与される。
この構成では、図19(a)に示すように、下側のスクライビングホイール41が上側のスクライビングホイール31に対してスクライブ方向に先行するため、上記実施の形態と同様、下側のスクライブラインL2の方が、上側のスクライブラインL1よりも、クラックが深くなる。そして、マザー基板Gの下面に形成されたスクライブラインL2のクラックが、クラック浸透ツール50、60の作用により、さらに浸透する。したがって、下側のスクライブラインL2のクラックの浸透量がブレイクに十分な深さに安定しないような場合にも、下側のスクライブラインL2のクラックをブレイク工程の実行に十分な深さに浸透させることができる。
なお、図19(a)の構成において、さらに下流側にスクライブラインL1に作用するクラック浸透ツールを配置すれば、浅いクラックのスクライブラインL1についても、クラックをより深く浸透させることができる。
また、上記実施の形態では、下側のスクライビングホイール41を上側のスクライビングホイール31に対して先行させたが、上側のスクライビングホイール31を下側のスクライビングホイール41に対して先行させて、上側のスクライブラインL1のクラックを深く形成しても良い。この場合、浅いクラックが形成された下側のスクライブラインL2に対してクラック浸透ツール50、60を作用させても良く、あるいは、深いクラックが形成された上側のスクライブラインL1に対してクラック浸透ツール50、60を作用させても良い。スクライブ工程に続くブレイク工程において実行されるブレイク方法によって、何れのスクライブラインにクラック浸透ツール50、60を作用させるのが適切かを選択することができる。
また、上記実施の形態では、スクライビングホイール31、41をスクライブ方向に互いに変位させたが、スクライビングホイール31、41をスクライブ方向の略同じ位置に位置付けて、スクライブ動作が行われても良い。この構成では、図5に示すように、マザー基板Gの上下の面に略同程度の深さのクラックでスクライブラインL1、L2が形成される。上記実施の形態と同様、スクライブラインL1にクラック浸透ツール50、60を作用させることにより、スクライブラインL1のクラックをより深く浸透させることができる。
また、上記実施の形態では、マザー基板Gの両面にそれぞれスクライブラインL1、L2が並行して形成されたが、マザー基板Gの面毎にスクライブラインを形成し、各面に対するスクライブラインの形成の際に、クラック浸透ツールを作用させて、スクライブラインのクラックをより深く浸透させても良い。
また、上記実施の形態では、刃先の稜線に一定間隔で溝が形成されたスクライビングホールが用いられたが、稜線に溝が形成されていないスクライビングホイールを用いることも可能である。スクライビングホイール(刃)の大きさや形状は、上記実験に記載されたものに限定されるものではなく、他の大きさや形状、種類の刃先を適宜用いることができる。
この他、マザー基板Gの構成、厚み、材質等は、上記実施の形態に示すものに限定されるものではなく、他の構成のマザー基板Gの切断にも、スクライビングツール30、40およびクラック浸透ツール50、60を用いることができる。ホルダ33、43およびホルダ54、64の形状も上記に示されたものに限定されるものではない。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
30、40 … スクライビングツール
31、41 … スクライビングホイール(刃)
50、60 … クラック浸透ツール
32、42 … ベアリング(第1、第2の押さえ部)

Claims (11)

  1. マザー基板にスクライブラインを形成するスクライブ装置において、
    前記マザー基板に刃を押しつけながら前記刃を移動させて前記マザー基板にスクライブラインを形成するスクライビングツールと、
    前記スクライビングツールに対してスクライブ方向の下流側に配置され、前記スクライビングツールにより形成された前記スクライブラインを開く方向の応力を前記マザー基板に付与するクラック浸透ツールと、を備え、
    前記クラック浸透ツールを前記スクライビングツールに後追いさせて前記スクライビングツールにより形成された前記スクライブラインのクラックを浸透させる、
    ことを特徴とするスクライブ装置。
  2. 請求項1に記載のスクライブ装置において、
    前記クラック浸透ツールは、前記スクライブラインが形成された面と反対側の面の前記スクライブラインに対応する位置を押圧する第1のクラック浸透ツールと、前記スクライブラインが形成された面の前記スクライブラインを挟む位置を押圧する第2のクラック浸透ツールを含む、
    ことを特徴とするスクライブ装置。
  3. 請求項2に記載のスクライブ装置において、
    前記第1のクラック浸透ツールの押圧位置と前記第2のクラック浸透ツールの押圧位置は、前記スクライブ方向において一致する、
    ことを特徴とするスクライブ装置。
  4. 請求項2に記載のスクライブ装置において、
    前記第1のクラック浸透ツールの押圧位置と前記第2のクラック浸透ツールの押圧位置は、前記スクライブ方向において互いに変位している、
    ことを特徴とするスクライブ装置。
  5. 請求項4に記載のスクライブ装置において、
    前記第1のクラック浸透ツールの押圧位置が前記第2のクラック浸透ツールの押圧位置に対して、前記スクライブ方向に先行している、
    ことを特徴とするスクライブ装置。
  6. 第1基板と第2基板をシール材により貼り合わせてなるマザー基板にスクライブラインを形成するスクライブ装置において、
    前記マザー基板の一方の面に第1の刃を押しつけながら前記シール材に沿って前記第1の刃を移動させて前記一方の面に第1のスクライブラインを形成する第1のスクライビングツールと、
    前記マザー基板の他方の面に第2の刃を押しつけながら前記シール材に沿って前記第2の刃を移動させて前記他方の面に第2のスクライブラインを形成する第2のスクライビングツールと、
    前記第1のスクライビングツールに対してスクライブ方向の下流側に配置され、前記第1のスクライビングツールにより形成された前記第1のスクライブラインを開く方向の応力を前記マザー基板に付与するクラック浸透ツールと、を備え、
    前記第1の刃を前記第2の刃に対して前記スクライブ方向に変位させつつ前記第1のスクライビングツールと前記第2のスクライビングツールを移動させて前記第1のスクライブラインと前記第2スクライブラインを前記マザー基板に形成し、
    前記クラック浸透ツールを前記第1のスクライビングツールに後追いさせて前記第1のスクライビングツールにより形成された前記第1のスクライブラインのクラックを浸透させる、
    ことを特徴とするスクライブ装置。
  7. 請求項6に記載のスクライブ装置において、
    前記クラック浸透ツールは、前記マザー基板の前記他方の面の前記第1のスクライブラインに対応する位置を押圧する第1のクラック浸透ツールと、前記マザー基板の前記一方の面の前記第1のスクライブラインを挟む位置を押圧する第2のクラック浸透ツールを含む、
    ことを特徴とするスクライブ装置。
  8. 請求項6または7に記載のスクライブ装置において、
    前記第1および第2のスクライビングツールは、前記第2の刃が前記第1の刃に対し前記スクライブ方向において先行するよう移動される、
    ことを特徴とするスクライブ装置。
  9. 請求項6または7に記載のスクライブ装置において、
    前記第1および第2のスクライビングツールは、前記第1の刃が前記第2の刃に対し前記スクライブ方向において先行するよう移動される、
    ことを特徴とするスクライブ装置。
  10. 請求項6ないし9の何れか一項に記載のスクライブ装置において、
    前記第1のスクライビングツールは、前記第2のスクライビングツールの前記第2刃に対応する位置を前記一方の面において押さえる第1の押さえ部を備える、
    ことを特徴とするスクライブ装置。
  11. 請求項6ないし10の何れか一項に記載のスクライブ装置において、
    前記第2のスクライビングツールは、前記第1のスクライビングツールの前記第1刃に対応する位置を前記他方の面において押さえる第2の押さえ部を備える、
    ことを特徴とするスクライブ装置。
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