JP2016104538A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]記録媒体を構成する非吸収性の記録部分に活性光線を照射されて硬化するインク組成物を付着させる工程、記録媒体上に付着させた前記インク組成物に活性エネルギー線を照射してプライマー層を形成する工程、活性光線を照射されて硬化するインクジェットインク組成物の液滴をインクジェットヘッドから吐出して前記プライマー層の上に着弾させる工程、および前記着弾した前記インクジェットインク組成物に活性エネルギー線を照射してインク層を形成し、前記インクジェットインク組成物が硬化してなる画像を形成する工程、を含む画像形成方法であって、
前記インク組成物は、第1のラジカル重合性化合物、ビニルエーテル化合物および第1の光ラジカル重合開始剤を含有するインク組成物であり、前記インクジェットインク組成物は、第2のラジカル重合性化合物および第2の光ラジカル重合開始剤を含有するインクジェットインク組成物であり、
前記第1のラジカル重合性化合物のlogP値は2.5以上であり、
前記ビニルエーテル化合物は複数のビニルエーテル基を有し、
前記インク組成物は、前記インク組成物の全質量に対して、10質量%以上70質量%の前記第1のラジカル重合性化合物、および3質量%以上40%質量以下の前記ビニルエーテル化合物、を含有することを特徴とする画像形成方法。
[2]前記インク組成物は、前記インク組成物の全質量に対して10質量%以上50質量%以下の3官能以上の(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする[1]に記載の画像形成方法。
[3]前記ビニルエーテル化合物はエチレンオキサイド変性物であり、
前記第2のラジカル重合性化合物は、前記インクジェットインク組成物の全質量に対して30質量%以上70%質量%以下の、エチレンオキサイド構造を3〜14個有する化合物を含むことを特徴とする[1]または[2]に記載の画像形成方法。
[4]前記インクジェットインク組成物は、前記インクジェットインク組成物の全質量に対して0.5質量%以上10質量%の、炭素数14以上の直鎖状または分岐状の炭素鎖を有する疎水性化合物をさらに含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の画像形成方法。
[5]前記疎水性化合物は、脂肪族ケトン化合物、脂肪族エステル化合物、高級脂肪酸、高級アルコールおよびアミド化合物からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする[4]に記載の画像形成方法。
[6]前記インクジェットインク組成物の液滴を前記プライマー層に着弾させる工程と同時にまたはその前に、前記形成されたプライマー層の表面温度を30℃以上70℃以下に制御する工程をさらに含むことを特徴とする、[4]または[5]に記載の画像形成方法。
この工程では、記録媒体を構成する非吸収性の記録部分に第1のインクを付着させる。第1のインクは、バーコート、スプレーコート、カーテンコート、ロールコート、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版および凹版等の版を用いる方法ならびにインクジェット等の版を用いない方法等により、記録部分に付着させることができる。これらのうち、作業が容易であることおよび均一な付着が可能になることから、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、バーコートまたはロールコートによってプライマーを付着させることが好ましい。
第1のインクは、第1のラジカル重合性化合物、ビニルエーテル化合物および第1の光ラジカル重合開始剤を含有する。第1のインクは、本発明の効果が得られる範囲において、その他の成分を含んでもよい。
第1のラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する、logP値が2.5以上である化合物である。第1のラジカル重合性化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物のいずれであってもよい。第1のラジカル重合性化合物は、第1のインク中に、1種のみが含有されていてもよく、2種類以上が含有されていてもよい。
PO変性#700ジアクリレート、ポリテトラエチレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、3メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、2メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレートおよびフルオレンジアクリレート等の2官能のアクリレート、ならびに
トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の3官能以上のアクリレートが含まれる。なお、本発明において、「EO変性」とはエチレンオキサイド変性物であることを意味し、「PO変性」とはプロピレンオキサイド変性物であることを意味する。
ビニルエーテル化合物は、前記第1のラジカル重合性化合物に含まれるラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合と反応する重合性基として、複数のビニルエーテル基を有する化合物である。ビニルエーテル化合物による以下の効果が得られる範囲において、ビニルエーテル化合物は、ビニルエーテル基以外のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する官能基を分子内に含んでいてもよい。たとえば、ビニルエーテル化合物が分子内に3個以上のビニルエーテル基を有する場合、ビニルエーテル基の数に対して1/3程度以下の数の、ビニルエーテル基以外のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する官能基が分子内に存在していてもよい。好ましくは、ビニルエーテル化合物は、ビニルエーテル基以外のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する官能基を分子内に含まない。ビニルエーテル化合物は、第1のインク中に、1種のみが含有されていてもよく、2種類以上が含有されていてもよい。
トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルおよびプロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の3官能以上のビニルエーテル類が含まれる。
第1の光ラジカル重合開始剤としては、分子内結合開裂型および分子内水素引き抜き型のいずれの光ラジカル重合開始剤を用いてもよい。第1の光ラジカル重合開始剤は、第1のインク中に、1種のみが含有されていてもよく、2種類以上が含有されていてもよい。分子内結合開裂型の光ラジカル重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系、ベンジルならびにメチルフェニルグリオキシエステル等が含まれる。
第1のインクは、3官能以上の(メタ)アクリレートを含有してもよい。3官能以上の(メタ)アクリレートとは、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味する。3官能以上の(メタ)アクリレートは、前記第1のラジカル重合性化合物であってもよく、前記第1のラジカル重合性化合物以外の化合物であってもよい。つまり、3官能以上の(メタ)アクリレートは、logP値が2.5以上であってもよく、logP値が2.5未満であってもよい。3官能以上の(メタ)アクリレートは、第1のインク中に、1種のみが含有されていてもよく、2種類以上が含有されていてもよい。
第1のインクは、本発明の効果が得られる範囲において、上記以外の光重合性化合物を含有していてもよい。第1のインクは、上記以外の光重合性化合物として、logP値が2.5未満のラジカル重合性化合物、分子内にビニルエーテル基を1つのみ有するビニルエーテル化合物もしくはそれ以外のラジカル重合性の化合物、またはエポキシ化合物もしくはオキセタン化合物等のカチオン重合性の化合物を含有することができる。これらの化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーまたはこれらの混合物でもよい。上記以外の光重合性化合物は、第1のインク中に、1種のみが含有されていてもよく、2種類以上が含有されていてもよい。
第1のインクは、本発明の効果が得られる範囲において、その他の成分として、増感剤、ラジカル重合禁止剤、カチオン重合禁止剤、色材、顔料分散剤、有機溶剤、界面活性剤、滑剤、充填剤、消泡剤、ゲル化剤、増粘剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤および防錆剤等を含有してもよい。
第1のインクは、25℃における粘度が10m・pas以上500m・pas以下であると、バーコーダー等で塗布する際に塗り広げやすさ等のハンドリングをより向上させることができる。第1のインクの粘度は、市販の回転粘度計(例えば、東機産業社製、R500回転粘度計)を用いて測定した値を用いることができる。第1のインクの粘度は、光重合性化合物の選択または配合比率の変更によって調整することができる。
第1のインクは、第1のラジカル重合性化合物、ビニルエーテル化合物、第1の光重合開始剤およびその他の成分等を加熱しながら攪拌溶解することで、調製することができる。具体的には、第1のインクは、これらの材料をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間攪拌溶解させることによって調製することができる。
この工程では、前の工程で記録媒体上に付着させた第1のインクに活性エネルギー線を照射して、プライマーが含有する光重合性化合物を重合、共重合および架橋させる。この工程により、プライマーが硬化または半硬化して、記録媒体上にプライマー層が形成される。たとえば、活性エネルギー線の照射によってプライマーを完全に硬化または半硬化させることでプライマー層を形成してもよい。プライマーを半硬化させることでプライマー層を形成することは、後の工程で印字する第2のインクとプライマー層との密着性および濡れ性をより高める観点から好ましい。なお、プライマーが半硬化した状態とは、プライマーが完全には硬化しきらず、プライマー層の膜表面にベタ付きが残る状態をいう。
この工程では、第2のインクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して、前の工程で形成したプライマー層の上に着弾させる。この工程では、第2のインクを、形成すべき画像の各画素に応じた位置に着弾させる。異なる色を呈する複数の第2のインクを着弾させて画像を形成する場合は、本工程を複数回行ってすべての色のインクを着弾させてから次の工程を行ってもよいし、本工程によるインク液滴の着弾および次の工程における活性エネルギー線の照射を繰り返し連続して行ってもよい。
第2のインクは、第2のラジカル重合性化合物および第2の光ラジカル重合開始剤を含有する。第2のインクは、その他の成分を含んでもよい。
第2のラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物である。第2のラジカル重合性化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物のいずれであってもよい。第1のラジカル重合性化合物と第2のラジカル重合性化合物とは同じ化合物でもよいし、異なる化合物でもよい。第2のラジカル重合性化合物は、第2のインク中に、1種のみが含有されていてもよく、2種類以上が含有されていてもよい。
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートおよびトリプロピレングリコールジアクリレート等の二官能モノマー、ならびに
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー等が含まれる。
第2の光ラジカル重合開始剤としては、前記第1の光ラジカル重合開始剤と同様の化合物を用いることができる。第1の光ラジカル重合開始剤と第2の光ラジカル重合開始剤とは同じ化合物でもよいし、異なる化合物でもよい。第2の光ラジカル重合開始剤は、第2のインク中に、1種のみが含有されていてもよく、2種類以上が含有されていてもよい。
第2のインクは、炭素数14以上の直鎖または分岐の炭素鎖を有する疎水性化合物(以下、単に「疎水性化合物」ともいう。)をさらに含有していてもよい。前記炭素数14以上の直鎖または分岐の炭素鎖は、二重結合を含んでいてもよい。疎水性化合物は、第2のインク中に、1種のみが含有されていてもよく、2種類以上が含有されていてもよい。
第2のインクは、色材をさらに含有していてもよい。色材は、染料または顔料でありうる。色材は、第2のインク中に、1種のみが含有されていてもよく、2種類以上が含有されていてもよい。色材は、インクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ耐候性に優れることから、顔料がより好ましい。また、第2のインクは、顔料に加えて、顔料分散剤および有機溶剤をさらに含有していてもよい。色材、顔料分散剤および有機溶剤は、第2のインク中に、1種のみが含有されていてもよく、2種類以上が含有されていてもよい。
第2のインクには、必要に応じて他の成分がさらに含有されていてもよい。第2のインクに含有されることができるその他の成分の例には、第1のインクが含有することができる上記その他の成分が含まれる。第2のインクが好ましく含有することができるその他の成分の例には、架橋促進剤、ラジカル重合禁止剤、カチオン重合禁止剤、上記疎水性化合物以外のゲル化剤等が含まれる。
第2のインクの表面張力は、15mN/m以上35mN/m未満であることが好ましい。第2のインクの表面張力が15mN/m以上であれば、インクジェットヘッドのノズル周りが濡れることによる吐出能力の低下が生じにくい。また、第2のインクの表面張力が35mN/m未満であれば、表面エネルギーが通常の紙よりも低いコート紙や樹脂製の記録媒体によく濡れるため、白ぬけが発生しにくい。第2のインクの表面張力は、市販の表面張力計(例えば、協和界面科学(株)製、表面張力計FACE SURFACE TENSIOMETER CBVB−A3等)を用いて、Wilhelmy法(プレート法)で液温25℃、60%RHにて測定した値を用いることができる。第2のインクの表面張力は、光硬化性化合物の選択、各成分の配合比率の変更、または界面活性剤の添加によって調整することができる。
第2のインクは、第2のラジカル重合性化合物および第2の光ラジカル重合開始剤と、任意の各成分とを、加熱下において混合することにより得ることができる。得られた混合液を所定のフィルターで濾過することが好ましい。第2のインクが顔料を含有するときは、顔料および顔料分散剤を含む分散体をあらかじめ調製しておき、これに残りの成分を添加して加熱しながら混合してもよい。
この工程では、前の工程で着弾させた第2のインクに活性エネルギー線を照射してインク層を形成し、第2のインクが硬化してなる画像を形成する。活性エネルギー線は、インク着弾後0.001秒以上1.0秒以下の間に照射されることが好ましく、高精細な画像を形成するためには、0.001秒以上0.5秒以下の間に照射されることがより好ましい。
第2のインクが疎水性化合物を含有する場合、第1のインクを硬化または半硬化させてプライマー層を形成した後、第2のインクをプライマー層に着弾する工程と同時、またはその前に、プライマー層の表面温度を30℃以上70℃以下に制御することができる。
プライマー層の形成とインク層の形成とを異なる機械で行う場合、上記プライマー層を形成する工程と第2のインクの液滴を着弾させる工程との間に、プライマー層が形成された記録媒体を搬送する工程を含んでいてもよい。
本発明の画像形成方法に用いる記録媒体の例には、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブタジエンテレフタレート等のプラスチックで構成される非吸収性の記録媒体(プラスチック基材)、金属類およびガラス等の非吸収性の無機記録媒体、ならびに紙類等(例えば印刷用コート紙および印刷用コート紙B等)等が含まれる。特に第1のインクは、他のプライマーと比較して、プラスチック基材に対してより高い密着性を有する。好ましいプラスチック基材の例には、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリエチレンテレフタレート、ならびにこれらを延伸した基材が含まれる。なお、記録媒体を構成する記録部分のすべてが非吸収性であってもよいが、本発明の画像形成方法によって画像を形成すべき部分が非吸収性であり、その他の部分は、水溶性樹脂等からなるインク受容層を設ける等により吸収性とされていてもよい。
表1に記載の第1のラジカル重合性化合物(A)〜(D)およびその他のラジカル重合性化合物(E)〜(I)、表2に記載のビニルエーテル化合物(A)〜(E)およびその他のビニルエーテル化合物(F)〜(G)、下記の第1の光ラジカル開始剤ならびに下記の添加剤を、表3および表4に記載の組成に応じた量で、65℃のホットプレート上で加熱攪拌しながら溶解させて、第1のインク1〜17を調製した。
TPO:DAROCUR(DAROCURはBASF社の登録商標) TPO(BASF社製)
ITX:SPEEDCURE ITX(DKSH社製)
IRGASTAB(IRGASTABはBASF社の登録商標) UV10 (ラジカル重合禁止剤、BASF社製)
[顔料分散液の調製]
以下二種の化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌溶解して、顔料分散液を調製した。
顔料分散剤:味の素ファインテクノ社製 アジスパー(アジスパーは味の素社の登録商標) PB824 9部
第2のラジカル重合性化合物: ジプロピレングリコールジアクリレート 71部
顔料:Pigment Black 7 (三菱化学社製、#52)
表5に記載の第2のラジカル重合性化合物(A)〜(M)、表6に記載の疎水性化合物(A)〜(G)およびその他の疎水性化合物(H)、下記の第2の光ラジカル開始剤および下記の添加剤を、表7および表8に記載の量に応じた量で、65℃のホットプレート上で加熱攪拌しながら溶解させた後に、上記の顔料分散液を添加して撹拌した。得られたインクをADVATEC社製テフロン(テフロンはイー アイ デュポン社の登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過を行い、第2のインク1〜16とした。なお、表中の「EO構造」とは、分子内のエチレンオキサイド構造の数を意味する。
TPO:DAROCUR TPO(BASF社製)
ITX:SPEEDCURE ITX(DKSH社製)
IRGASTAB UV10 (ラジカル重合禁止剤、BASF社製)
上記調製した第1のインク1〜17のそれぞれを、#3バーコーターにて、巾75mm、長さ130mmのポリプロピレンフィルム(オカモト株式会社)へ厚みが3μmになるように均一に塗布した。塗布後、高圧水銀ランプにより、150mJ/cm2で紫外線を照射してインクを硬化し、第1のインク1〜17のそれぞれからなるプライマー層を形成した。
ヒーターによって、プライマー層の表面温度を70℃(実施例1〜22、比較例1〜6)または表10に記載の温度(実施例23〜31)に制御した。
ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェットヘッドを有するインクジェット記録装置に、上記調製した第2のインク1〜16を装填した。
着弾した第2のインクに、Phoseon Technology社製LEDランプ(8W/cm2、water cooled unit)で硬化した。管面から5mmの距離で照射した(搬送方向の照射幅20mm)。
[密着性1]:記録媒体へのプライマー層の密着性
表面温度を制御する前のプライマー層について、碁盤目テープ剥離残留付着試験(JIS K 5400の碁盤目試験)で得た硬化組成物試料に粘着テープ(スコッチ#250、住友スリーエム製)を張り合わせて2kgのローラーで一往復圧着した後、一気に剥がし、残留している碁盤目状の試料の数を調査し、付着率を下記ランクで評価し、密着性1(記録媒体へのプライマー層の密着性)の指標とした。△以上が実用上良好な範囲である。
○:付着残留率80%以上100%未満
△:付着残留率60%以上80%未満
×:付着残留率60%未満
プライマー層上に第2のインクを印字、硬化後に、碁盤目テープ剥離残留付着試験(JIS K 5400の碁盤目試験)で得た硬化組成物試料に粘着テープ(スコッチ#250、住友スリーエム製)を張り合わせて2kgのローラーで一往復圧着した後、一気に剥がし、第2のインクがプライマー層上に残留している碁盤目状の試料の数を調査し、付着率を下記ランクで評価し、密着性2(プライマー層とインク層との間の密着性)の指標とした。△以上が実用上良好な範囲である。
◎:付着残留率100%
○:付着残留率80%以上100%未満
△:付着残留率60%以上80%未満
×:付着残留率60%未満
ポリプロピレンフィルム(オカモト株式会社)に形成された第1のインク硬化膜上に、第2のインクを印刷したときの、塗布ムラを目視評価した。評価は以下の基準で行った。
◎・・・第2のインクが均一に濡れ広がりムラがまったくみられない。
○・・・第2のインクが濡れ広がりムラがみられない。
△・・・第2のインクが濡れ広がっているが部分的にムラがみられる。
×・・・第2のインクが濡れ広がっているが多くの場所でムラがみられる
上記画像形成方法で記録した実施例1〜22および比較例1〜10の各画像について、硬化収縮によるカールの発生度合いを目視にて観察し、下記の基準で評価した。
△:硬化物に反りが見られるが、許容範囲内
×:硬化物に反りが大きく、NGレベル
印刷用コート紙A(OK金藤 米坪量104.7g/m2 王子製紙社製)に印刷した自然画を「JIS規格 K5701−1 6.2.3 耐摩擦性試験」に記載の方法に準じ、4cm2となる大きさに切り取った印刷用コート紙Aを画像上に設置し、500gの荷重をかけて擦り合わせた。その後、画像濃度低下の程度を目視観察し、下記の基準に従って耐擦過性を評価した。
○:30回以上擦っても、画像の変化はまったく認められない
△:30回擦った段階で画像濃度の低下が認められるが、実用上許容範囲にある
×:30回未満の擦りで、明らかな画像濃度低下が認められ、実用に耐えない品質である
ポリプロピレンフィルム(オカモト株式会社)に形成された第1のインク硬化膜上に、温度制御を行いながら第2のインクを印刷したときに、フィルムに反りを目視評価した。
○・・・変形無し
×・・・変形あり
Claims (6)
- 記録媒体を構成する非吸収性の記録部分に活性光線を照射されて硬化するインク組成物を付着させる工程、記録媒体上に付着させた前記インク組成物に活性エネルギー線を照射してプライマー層を形成する工程、活性光線を照射されて硬化するインクジェットインク組成物の液滴をインクジェットヘッドから吐出して前記プライマー層の上に着弾させる工程、および前記着弾した前記インクジェットインク組成物に活性エネルギー線を照射してインク層を形成し、前記インクジェットインク組成物が硬化してなる画像を形成する工程、を含む画像形成方法であって、
前記インク組成物は、第1のラジカル重合性化合物、ビニルエーテル化合物および第1の光ラジカル重合開始剤を含有するインク組成物であり、前記インクジェットインク組成物は、第2のラジカル重合性化合物および第2の光ラジカル重合開始剤を含有するインクジェットインク組成物であり、
前記第1のラジカル重合性化合物のlogP値は2.5以上であり、
前記ビニルエーテル化合物は複数のビニルエーテル基を有し、
前記インク組成物は、前記インク組成物の全質量に対して、10質量%以上70質量%の前記第1のラジカル重合性化合物、および3質量%以上40%質量以下の前記ビニルエーテル化合物、を含有することを特徴とする画像形成方法。 - 前記インク組成物は、前記インク組成物の全質量に対して10質量%以上50質量%以下の3官能以上の(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記ビニルエーテル化合物はエチレンオキサイド変性物であり、
前記第2のラジカル重合性化合物は、前記インクジェットインク組成物の全質量に対して30質量%以上70%質量%以下の、エチレンオキサイド構造を3〜14個有する化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。 - 前記インクジェットインク組成物は、前記インクジェットインク組成物の全質量に対して0.5質量%以上10質量%の、炭素数14以上の直鎖状または分岐状の炭素鎖を有する疎水性化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記疎水性化合物は、脂肪族ケトン化合物、脂肪族エステル化合物、高級脂肪酸、高級アルコールおよびアミド化合物からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
- 前記インクジェットインク組成物の液滴を前記プライマー層に着弾させる工程と同時にまたはその前に、前記形成されたプライマー層の表面温度を30℃以上70℃以下に制御する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項4または5に記載の画像形成方法。
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JP2014243302A JP6365272B2 (ja) | 2014-12-01 | 2014-12-01 | 画像形成方法 |
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