<<第1章>>
〔マッサージ装置の全体構成〕
図1は、マッサージ装置1の実施の一形態を示す斜視図である。このマッサージ装置1は、椅子型であり、被施療者が着座する座部2、座部2に着座する被施療者が凭れる背もたれ部3、座部2に着座する被施療者の左右の腕を支持する左右の肘掛け部4,4、及び、座部2に着座する被施療者の左右の両脚を支持するフットレスト5を備えている。座部2は、床面に置かれるベース6の上に設けられている。ベース6の内部には、マッサージ装置1の各部(後述の各種マッサージユニット10を含む)の動作を制御するマイコンを含む制御ユニット7が設けられている。
背もたれ部3はリクライニング可能であり、また、フットレスト5は座部2側を中心として上下揺動可能として構成されている。背もたれ部3が後方へ倒れた状態にあってフットレスト5が前方に上昇した状態で、座部2に着座していた被施療者は横たわる姿勢となり、この状態で、マッサージ装置1の各種マッサージユニットによって、被施療者の身体部位のマッサージを行うことができる。また、背もたれ部3には、その左右の側部から前方に突出している側壁部(側面パネル)3Aが設けられている。
〔肘掛け部4のマッサージユニット〕
左右の肘掛け部4,4それぞれに被施療者の身体部位である腕(前腕)をマッサージするマッサージユニット10が設けられている。左側のマッサージユニット10と右側のマッサージユニット10とは、左右対称となって配置されているが、構成は同じである。
〔フットレスト5のマッサージユニット〕
フットレスト5に被施療者の身体部位である左脚をマッサージするマッサージユニット10及び右脚をマッサージするマッサージユニット10が設けられている。左脚用のマッサージユニット10と右脚用のマッサージユニット10とは、左右対称となって配置されているが、構成は同じである。なお、本実施形態のフットレスト5は、第1保持部5aと、第2保持部5bとを有している。第1保持部5aは被施療者の脚の主に脹脛を支持することができるのに対して、第2保持部5bは被施療者の足(つまり、足首から足先までの部分)を支持することができる。前記マッサージユニット10は、第1保持部5aに設けられている。
<<第2章>>
<はじめに(掴み機構)>
〔本発明の実施形態の説明〕
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。なお、本発明のマッサージ装置1(実施の一形態)が備えている各構成に付されている符号は、図1〜図61において使用されているものである。
(1)本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、被施療者の身体部位の周方向に沿って設けられる第1部材11及び第2部材12を有し、当該第1部材11と当該第2部材12との間に形成される空間S1の一方側が前記身体部位の出し入れのために開口しているマッサージユニット10を備え、
前記マッサージユニット10は、更に、前記第1部材11と共に設けられ膨張することで前記身体部位を押すためのエアセル31と、前記第1部材11と前記第2部材12とを相対的に接近させる動作、及び、膨張している状態にある前記エアセル31と共に前記第1部材11を前記空間S1の開口側及びその反対側の内の少なくとも一方側の方向へ移動させる動作を行うマッサージ機構部50と、を有している。
このマッサージ装置1によれば、第1部材11と第2部材12との間でエアセル31が膨張していることにより身体部位を掴んでから、その膨張している状態にあるエアセル31と共に第1部材11を開口側と反対側(又は開口側)の方向へ移動させると、第1部材11と第2部材12との間でエアセル31を介して掴んだ身体部位を、開口側と反対側(又は開口側)へ動かすような動きが可能であり、単純に身体部位を両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する。
なお、本明細書で説明するマッサージ装置において、エアセルが「膨張している状態」及びエアセルの「膨張状態」とは、エアセルが収縮状態から膨張する途中であり身体部位へ負荷を与えている状態、膨張が完了し身体部位へ負荷を与えている状態、及び、膨張状態から排気が行われているがエアセルの内圧が残されており身体部位へ負荷を与えている状態を含む。
(2)また、本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、被施療者の身体部位の周方向に沿って設けられる第1機構部51及び第2機構部52を有し、当該第1機構部51と当該第2機構部52との間に形成される空間S1の一方側が前記身体部位の出し入れのために開口しているマッサージユニット10を備え、
前記第1機構部51は、前記身体部位を押圧するためのマッサージ部(31,64)と、前記マッサージ部(31,64)が取り付けられ前記身体部位から離れた第1後退位置B−1と前記身体部位に近づいた第1前進位置F−1との間を往復動作する第1リンク部材61と、前記第1リンク部材61が前記往復動作可能として取り付けられ前記身体部位から離れた第2後退位置B−2と前記身体部位に近づいた第2前進位置F−2との間を往復動作する第2リンク部材62と、を有し、
前記第1リンク部材61と共に前記第2リンク部材62が前記第2前進位置F−2へ移動して前記身体部位を掴む動作を行うことが可能であると共に、前記第1リンク部材61と共に前記第2リンク部材62が移動してマッサージ動作を行うことが可能である。
このマッサージ装置1によれば、身体部位を押圧するマッサージ部(31,64)が取り付けられている第1リンク部材61と共に、第2リンク部材62を第2前進位置F−2とすることで、第1機構部51と第2機構部52との間でマッサージ部(31,64)を介して身体部位を掴むことができる。この掴む際、第1リンク部材61のみを第1前進位置F−1として第2リンク部材62を第2前進位置F−2としないで第2後退位置B−2とする場合と比較すると、身体部位に対してマッサージ部(31,64)を開口側の遠い位置へ到達させることが可能となる。つまり、身体部位の開口側の部分を掴むことができる。
そして、この身体部位の開口側の部分を掴んだ状態で、第1リンク部材61と共に第2リンク部材62が移動することにより、マッサージ部(31,64)を移動させてマッサージ動作を行うことが可能となる。
(3)また、このマッサージ装置1による前記マッサージ動作として、前記第1前進位置F−1にある前記第1リンク部材61と共に、前記第2前進位置F−2にある前記第2リンク部材62は、前記第2後退位置B−2に移動する動作を行うのが好ましい。
この場合、第2リンク部材62を第2前進位置F−2としかつ第1リンク部材61を第1前進位置F−1とすることで、第1機構部51と第2機構部52との間でマッサージ部(31,64)を介して身体部位(開口側の部分)を掴んでから、第1リンク部材61と共に第2リンク部材62を第2後退位置B−2へ移動させると、この掴んだ身体部位(開口側の部分)を開口側からその反対側へと動かすような引き揉みが可能となり、単純に身体部位を両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する。
(4)また、本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、被施療者の身体部位の周方向に沿って設けられる第1部材11及び第2部材12を有し、当該第1部材11と当該第2部材12との間に形成される空間S1の一方側が前記身体部位の出し入れのために開口しているマッサージユニット10を備え、
前記マッサージユニット10は、更に、前記第1部材11と共に設けられ前記身体部位を押圧するためのマッサージ部(31,64)と、前記第1部材11を、前記空間S1を狭くする方向へ変位させかつ前記開口側の方向へ変位させると共に、前記第2部材12を、前記空間S1を狭くする方向へ変位させかつ前記開口側と反対側の方向へ変位させるリンク機構20と、を有している。
このマッサージ装置1によれば、第1部材11と第2部材12との間でマッサージ部(31,64)を介して身体部位を掴むことができる。さらに、リンク機構20により、第1部材11を、前記空間S1を狭くする方向へ変位させかつ開口側の方向へ変位させると共に、第2部材12を、前記空間S1を狭くする方向へ変位させかつ開口側と反対側の方向へ変位させることで、掴んだ身体部位を第1部材11側が押し下げ第2部材12側が引き上げるような引き揉み(又は押し揉み)が可能であり、単純に身体部位を両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する。
(5)また、本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、被施療者の身体部位の周方向に沿って設けられる第1機構部51及び第2機構部52を有し、当該第1機構部51と当該第2機構部52との間に形成される空間S1の一方側が前記身体部位の出し入れのために開口しているマッサージユニット10を備え、
前記第1機構部51は、複数のリンク部材(61,62)を有すると共に、隣り合う当該リンク部材同士を連結する関節部を複数有し、複数の前記関節部を起点として複数の前記リンク部材(61,62)が動作可能である多関節機構60と、複数の前記リンク部材(61,62)の内の被施療者の身体部位に近い先部リンク部材(61)に設けられ当該身体部位を押圧するためのマッサージ部(31,64)と、を備え、
前記第1機構部51と前記第2機構部52とが前記身体部位の周方向に沿って設けられている状態から、前記多関節機構60は、複数の前記関節部を起点として複数の前記リンク部材(61,62)を一方向に動作させることにより、前記マッサージ部(31,64)を、前記身体部位に接触可能な位置であって当該マッサージ部(31,64)を当該一方向の動作前の状態と比較して前記開口側の位置へ移動させる移動動作を行う。
このマッサージ装置1によれば、多関節機構60が前記移動動作を行うことで、マッサージ部(31,64)は、動作前の状態と比較して開口側の遠い位置に到達することができる。そして、その状態から多関節機構60が動作してマッサージ動作を行えば、開口側の位置にあるマッサージ部(31,64)を用いたマッサージが可能であり、マッサージ範囲を広げることができ、単純に身体部位を両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する。
(6)また、このマッサージ装置1において、前記多関節機構60は、前記第1機構部51と前記第2機構部52とが前記身体部位の周方向に沿って設けられている状態から、前記移動動作を行い、当該移動動作後の状態にある前記複数のリンク部材(61,62)の内の少なくとも前記先部リンク部材(61)以外のリンク部材(62)を、前記一方向と反対方向に動作させるマッサージ動作を行うのが好ましい。
この構成によれば、多関節機構60が前記移動動作を行うことで、その動作前の状態と比較して、マッサージ部(31,64)を身体部位の開口側の遠い位置へ到達することができ、そして、その状態から多関節機構60が動作して前記マッサージ動作を行うことで、開口側に位置していたマッサージ部(31)を引き寄せることで引き揉みが可能であり、単純に身体部位を両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する。
なお、前記移動動作後の状態にある複数のリンク部材(61,62)の内の少なくとも先部リンク部材(61)以外のリンク部材(62)を一方向と反対方向に動作させると、先部リンク部材(61)は、その隣りのリンク部材(62)に対して変位しないが、身体部位に対しては変位することとなる。
(7)また、前記(1)又は(4)のマッサージ装置1において、前記第1部材11を動作させる動作機構は、膨張することで当該第1部材11を押して移動させるエアセル65aと、移動した前記第1部材11を移動前の位置に復帰させる付勢力を生じさせる弾性部材66bと、を有する構成とすることができる。
この構成によれば、エアセル65aの膨張により第1部材11を前進させ、エアセル65aが収縮すると弾性部材66bの付勢力により第1部材11を後退させる構成が得られる。
なお、前記(2)、(3)、(5)、又は(6)に記載のマッサージ装置1の場合、
前記リンク部材を動作させる動作機構は、膨張することで前記リンク部材を押して移動させるエアセルと、移動した前記リンク部材を移動前の位置に復帰させる付勢力を生じさせる弾性部材と、を有する構成とすることができる。
(8)または、前記(1)又は(4)のマッサージ装置1において、前記第1部材11を動作させる動作機構は、回転中心から外周までの距離が長い部分及び当該回転中心から外周までの距離が短い部分を有し、当該長い部分が前記第1部材11を押すことで当該第1部材11を前進させ、当該短い部分が前記第1部材11を押す状態で当該第1部材11を後退可能とさせるカム部材67bと、当該第1部材11を後退させる付勢力を生じさせる弾性部材66bと、を有する構成とすることができる。
この構成によれば、カム部材67bの回転により第1部材を動作させる構成が得られる。
なお、前記(2)、(3)、(5)、又は(6)に記載のマッサージ装置1の場合、
前記リンク部材を動作させる動作機構は、回転中心から外周までの距離が長い部分及び当該回転中心から外周までの距離が短い部分を有し、当該長い部分が前記リンク部材を押すことで当該リンク部材を前進させ、当該短い部分が前記リンク部材を押す状態で当該リンク部材を後退可能とさせるカム部材67bと、当該リンク部材を後退させる付勢力を生じさせる弾性部材と、を有している構成とすることができる。
(9)また、前記マッサージ装置1は、身体部位の長手方向に沿って設けられている複数の前記マッサージユニット10と、複数の前記マッサージユニット10の動作タイミングを相違させて当該マッサージユニット10のそれぞれを動作させる制御を行う制御部(7)と、を備えているのが好ましい。
この構成によれば、例えば、身体部位の一つの範囲を順に掴むような動作が可能となる。
(10)また、前記(1)のマッサージ装置1において、前記マッサージユニット10は、前記第2部材12と共に設けられ膨張することで前記身体部位を押すための第2のエアセル32を更に、備え、前記第2のエアセル32は、膨張することで、前記身体部位に対して前記開口側へ押圧する成分を有する構成であるのが好ましい。
この場合、例えば、マッサージ動作として、身体部位を開口側の反対側へ移動させるような成分を有する動作が行われる際に、その身体部位が開口側の反対側のスペースに逃げるのを抑制することができる。
(11)また、本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、被施療者の身体部位の周方向に沿って設けられる第1部材11及び第2部材12を有し、当該第1部材11と当該第2部材12との間に形成される空間S1の一方側が前記身体部位の出し入れのために開口しているマッサージユニット10を備え、
前記マッサージユニット10は、更に、前記第1部材11と共に設けられ前記身体部位を吸引可能とする吸引部64cと、前記第1部材11と前記第2部材12とを相対的に接近させる動作、及び、前記吸引部64cと共に前記第1部材11を前記空間S1の開口側及びその反対側の内の少なくとも一方側の方向へ移動させる動作を行うマッサージ機構部50と、を有している。
このマッサージ装置1によれば、第1部材11と第2部材12とを相対的に接近させることで、前記空間S1に存在する身体部位の一部に吸引部64cを接触させることができる。そして、吸引部64cが身体部位の一部を吸着した状態で、第1部材11を開口側と反対側(又は開口側)の方向へ移動させると、第1部材11と第2部材12との間で掴みかつ吸着した身体部位を、開口側と反対側(又は開口側)へ動かすような動きが可能であり、単純に身体部位を両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する。
(12)また、本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、被施療者の身体部位(B)の周囲の一部に設けられている第1部材11及び当該身体部位(B)の周囲の他部に設けられている第2部材12を有し、当該第1部材11と当該第2部材12との間に形成される空間S1の一方側が前記身体部位(B)の出し入れのために開口しているマッサージユニット10を備え、
前記マッサージユニット10は、更に、前記第1部材11と共に設けられ前記身体部位(B)の一部を押圧可能であるマッサージ部(31)と、前記第1部材11から延在する延在部71の端部71aを支持する支持部72と、前記第1部材11を前記第2部材12に対して接近及び離反させるための動作部70と、を有し、
前記動作部70は、軸線P1回りに回転可能であり当該軸線P1に対して傾斜する面74aを有しかつ当該傾斜する面74aが前記延在部71に当接して設けられている傾斜カム73と、前記傾斜カム73を前記軸線P1回りに回転させる駆動部75と、を有している。
このマッサージ装置によれば、傾斜カム73を回転させることで、第1部材11は第2部材12に対して接近及び離反を繰り返し行うことができ、第1部材11に設けられているマッサージ部(31)によって、身体部位(B)に対してマッサージ動作を行うことができる。
(13)また、前記(12)のマッサージ装置1において、前記支持部72は、前記延在部71の端部71aを直線に沿って往復移動可能でかつ当該直線に直交する方向に移動不能として支持するガイドレール72aである構成とすることができる。
この場合、傾斜カム73の回転により、第1部材11は、延在部71の長手方向に沿った仮想線L1を中心として一方向に回りながら第2部材12に接近する動作を行うことができ、また、第1部材11は、前記仮想線L1を中心として他方向に回りながら第2部材12から離れる動作を行う構成が得られる。
(14)または、前記(12)のマッサージ装置において、前記支持部72は、前記延在部71の端部71aに設けられている第1球面座72bと、固定状態にある第2球面座72cと、前記第1球面座72bと前記第2球面座72cとの間に介在し両端に前記球面座72b,72cと接する球面部72e,72fを有するシャフト72dと、を有している構成とすることができる。
この場合、傾斜カム73の回転により、第1部材11は、延在部71の長手方向に沿った仮想線L1を中心として一方向に回りながら第2部材12に接近する動作を行うことができ、また、第1部材11は、前記仮想線L1を中心として他方向に回りながら第2部材12から離れる動作を行う構成が得られる。
(15)本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、被施療者の身体部位(B)の両側に設けられる第1機構部51及び第2機構部52を有し、当該第1機構部51と当該第2機構部52との間に形成される空間S1の一方側が前記身体部位の出し入れのために開口しているマッサージユニット10を備え、
前記第1機構部51は、前記開口側の位置とその反対側の位置との間を往復移動可能として設けられている第1エアセル31を有し、
前記第2機構部52は、前記開口側の位置とその反対側の位置との間を往復移動可能として設けられている第2エアセル32を有し、
前記第1エアセル31と前記第2エアセル32とが膨張して前記身体部位(B)を挟んだ状態で、当該第1エアセル31と当該第2エアセル32とは相互の間隔を変化させて移動する。
この構成によれば、第1機構部51と第2機構部52との間でエアセル31,32によって掴んだ身体部位を、開口側及びその反対側(非開口側)へ動かすような引き揉み(又は押し揉み)が可能であり、単純に身体部位(B)を両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する。
前記(15)に記載のマッサージ装置1において、前記第1機構部51は、前記身体部位(B)を一方側から覆う第1部材76と、前記第1部材76に沿って設けられ回転駆動する第1無端ベルト77と、前記第1エアセル31が取り付けられ前記第1無端ベルト77の回転により前記第1部材76に沿って移動する第1移動体78と、を有し、
前記第2機構部52は、前記身体部位(B)を他方側から覆う第2部材79と、前記第2部材79に沿って設けられ回転駆動する第2無端ベルト80と、前記第2エアセル32が取り付けられ前記第2無端ベルト80の回転により前記第2部材79に沿って移動する第2移動体81と、を有している構成とすることができる。
この場合、第1機構部51と第2機構部52との間でエアセル31,32によって掴んだ身体部位(B)を開口側及びその反対側(非開口側)へ動かすような引き揉み(又は押し揉み)が可能となる構成が得られる。
または、前記(15)に記載のマッサージ装置1において、前記第1機構部51は、前記身体部位(B)を一方側から覆うと共に第1ラック部76aが設けられている第1部材76と、前記第1エアセル31が取り付けられている第1移動体78と、を有し、前記第1移動体78には、前記第1ラック部76aに噛み合う第1ピニオン78a、及び当該第1ピニオン78aを回転させる第1モータ78bが搭載されており、
前記第2機構部52は、前記身体部位(B)を他方側から覆うと共に第2ラック部79aが設けられている第2部材79と、前記第2エアセル32が取り付けられている第2移動体81と、を有し、前記第2移動体81には、前記第2ラック部79aに噛み合う第2ピニオン81a、及び当該第2ピニオン81aを回転させる第2モータ81bが搭載されている構成とすることができる。
この場合、第1モータ78bにより第1ピニオン78aを回転させることで、第1移動体78は第1部材76の第1ラック部76aに沿って移動可能であり、また、第2モータ81bにより第2ピニオン81aを回転させることで、第2移動体81は第2部材79の第2ラック部79aに沿って移動可能となる。
または、前記(15)に記載のマッサージ装置1において、前記第1機構部51は、前記身体部位(B)を一方側から覆う第1部材76と、前記第1エアセル31が取り付けられていると共に前記第1部材76に沿って移動可能となる第1移動体78と、回転する第1クランク83aと、前記第1クランク83aと前記第1移動体78とを連結し当該第1クランク83aの回転方向の位相に応じて当該第1移動体78を引っ張ることができる第1ワイヤ84aと、当該第1ワイヤ84aが前記第1移動体78を引っ張る力に抗する弾性力を当該第1移動体78に付与する第1バネ82aと、を有し、
前記第2機構部52は、前記身体部位(B)を他方側から覆う第2部材79と、前記第2エアセル32が取り付けられていると共に前記第2部材79に沿って移動可能となる第2移動体81と、回転する第2クランク83bと、前記第2クランク83bと前記第2移動体81とを連結し当該第2クランク83bの回転方向の位相に応じて当該第2移動体81を引っ張ることができる第2ワイヤ84bと、当該第2ワイヤ84bが前記第2移動体81を引っ張る力に抗する弾性力を当該第2移動体81に付与する第2バネ82bと、を有する構成とすることができる。
この場合、第1機構部51において、第1クランク83aの回転方向の位相に応じて第1ワイヤ84aが第1移動体78を引っ張ると、第1バネ82aに抗して、第1移動体78は一方向に移動し、また、第1クランク83aの回転方向の位相に応じて第1ワイヤ84aによる第1移動体78の引っ張りが解除されると、第1バネ82aの復元力により第1移動体78は他方向に移動する。
また、第2機構部52において、第2クランク83bの回転方向の位相に応じて第2ワイヤ84bが第2移動体81を引っ張ると、第2バネ82bに抗して、第2移動体81は一方向に移動し、また、第2クランク83bの回転方向の位相に応じて第2ワイヤ84bによる第2移動体81の引っ張りが解除されると、第2バネ82bの復元力により第2移動体81は他方向に移動する。
(16)本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、被施療者の身体部位(B)の上側に設けられる第1部材11、当該身体部位(B)の下側に設けられる第2部材12、及び、前記第1部材11及び前記第2部材12の内の少なくとも一方を上下方向に移動させる駆動部53(54)を有し、前記第1部材11と前記第2部材12とが離れた状態で当該第1部材11と当該第2部材12との間において前記身体部位(B)を出し入れ可能とするマッサージユニット10を備え、
前記第1部材11は、膨張することで前記身体部位(B)を挟む動作を行う一対のエアセル55,55を有し、
前記第2部材12は、前記身体部位(B)を下から支持する構成であり、
前記駆動部53(54)は、前記第2部材12が下から支持する前記身体部位(B)を前記一対のエアセル55,55によって挟んだ状態で前記第1部材11と前記第2部材12とを相対的に上下方向に沿って離反させる。
この構成によれば、第2部材12によって下から支持されている身体部位(B)は、第1部材11が有する一対のエアセル55,55によって挟まれた状態となり、この状態から、駆動部53(54)によって第1部材11と第2部材12とを離反させることで、前記身体部位(B)に対して引き揉みが可能となり、マッサージの体感が向上する。
(17)本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、被施療者の身体部位(B)に対して第1の方向の一方側に設けられる第1部材11、当該身体部位(B)に対して当該第1の方向の他方側に設けられる第2部材12、及び、前記第1部材11及び前記第2部材12の内の少なくとも一方を当該第1の方向に移動させる駆動部53(54)を有し、
前記第1部材11と前記第2部材12とが離れた状態で当該第1部材11と当該第2部材12との間において前記身体部位(B)を出し入れ可能とするマッサージユニット10を備え、
前記第1部材11は、膨張することで前記身体部位(B)を第2の方向の両側から挟む動作を行う一対の第1のエアセル55,55を有し、
前記第2部材12は、膨張することで前記身体部位(B)を前記第2の方向の両側から挟む動作を行う一対の第2のエアセル56,56を有し、
前記駆動部53(54)は、前記第1のエアセル55,55及び前記第2のエアセル56,56によって前記身体部位(B)を挟んだ状態で前記第1部材11と前記第2部材12とを前記第1の方向に沿って離反させる。
この構成によれば、身体部位(B)は、第1の方向の両側(つまり、第1部材11側及び第2部材12側)それぞれにおいて、第1のエアセル55,55及び第2のエアセル56,56により第2の方向の両側から挟まれた状態となり、この状態から、駆動部53(54)によって第1部材11と第2部材12とを第1の方向に沿って離反させることで、前記身体部位(B)に対して引き揉みが可能となり、マッサージ感が向上する。
(18)本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、
被施療者の身体部位(B)を掴むマッサージユニット10と、
前記マッサージユニット10の内の前記身体部位(B)の長手方向一方側に設けられ、
当該マッサージユニット10の一部を前記身体部位(B)の長手方向に交差する方向に変位させる第1アクチュエータ91aと、
前記マッサージユニット10の内の前記身体部位(B)の長手方向他方側に設けられ、
当該マッサージユニット10の他部を前記身体部位(B)の長手方向に交差する方向に変位させる第2アクチュエータ91bと、を備えている。
このマッサージ装置1によれば、マッサージユニット10を身体部位(B)の長手方向に直交する方向に変位させることができる。また、例えば、第1アクチュエータ91aと第2アクチュエータ91bとのうちの一方を伸長させ他方を収縮させると、マッサージユニット10を身体部位(B)の長手方向に直交する方向の仮想線L2回りに変位(回転)させることができる。これにより、身体部位(B)を掴んだ状態で身体部位(B)の長手方向に直交する方向の仮想線L2回りに回す(捻る)マッサージ動作が可能となる。
(19)本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、
被施療者の身体部位(B)を掴むマッサージユニット10と、
前記マッサージユニット10を前記身体部位(B)の長手方向に交差する方向の直線に平行な仮想線L3回りに変位させるアクチュエータ機構と、を備え、
前記アクチュエータ機構は、前記仮想線L3を回転中心線とする円弧に沿って前記マッサージユニット10に設けられているラック部94aに噛み合うピニオン94bと、当該ピニオン94bを回転させるモータ94cと、を有している。
このマッサージ装置1によれば、ピニオン94bを回転させることで、マッサージユニット10を、身体部位(B)の長手方向に直交する方向の直線に平行な仮想線回りに変位(回転)させることができる。これにより、身体部位(B)を掴んだ状態で、この身体部位(B)を回す(捻る)マッサージ動作が可能となる。
(20)本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、被施療者の身体部位(B)を掴むマッサージユニット10と、
前記マッサージユニット10の一部を支持する支持部96と、
前記マッサージユニット10の他部と連結され前記支持部96側を支点として当該マッサージユニット10を前記身体部位(B)の長手方向に交差する方向に変位させるアクチュエータ機構97と、を備え、
前記アクチュエータ機構97は、回転する偏心カム97aと、当該偏心カム97aと前記マッサージユニット10の他部とを連結しているアーム97bと、を有している。
このマッサージ装置1によれば、アクチュエータ機構97の偏心カム97aが回転することで、マッサージユニット10を、支持部96側を支点として、このマッサージユニット10が掴んだ身体部位(B)の長手方向に交差する方向に変位させることができる。
また、前記(20)のマッサージ装置1において、前記アクチュエータ機構97は、前記マッサージユニット10の内の前記身体部位(B)の長手方向に離れた二箇所それぞれの前記他部と連結されており、
一方の前記アクチュエータ機構97の前記偏心カム97a−1と、他方の前記アクチュエータ機構97の前記偏心カム97a−2とは、回転方向の位相が一致する構成とすることができる。
この場合、マッサージユニット10で掴む身体部位(B)の長手方向に平行な仮想線L4を回転中心として、このマッサージユニット10を往復運動させることができる。
または、前記(20)のマッサージ装置1において、前記アクチュエータ機構97は、前記マッサージユニット10の内の前記身体部位(B)の長手方向に離れた二箇所それぞれの前記他部と連結されており、
一方の前記アクチュエータ機構97の前記偏心カム97a−1と、他方の前記アクチュエータ機構97の前記偏心カム97a−2とは、回転方向の位相が相違する構成とすることができる。
この場合、マッサージユニット10を、支持部96側を支点として、このマッサージユニット10で掴む身体部位(B)の長手方向に交差する方向に変位させることができると共に、その変位の位相を、マッサージユニット10の二箇所において相違させることで、マッサージユニット10を身体部位の長手方向に直交する仮想線L5回りに往復運動させる成分も生じさせることができる。
または、前記(20)のマッサージ装置1において、前記アクチュエータ機構97は、前記マッサージユニット10の内の前記身体部位(B)の長手方向に離れた二箇所それぞれの前記他部と連結されており、
前記偏心カム97aは、当該偏心カム97aの回転中心線L6に対して傾斜する面97cを有し、かつ、当該傾斜する面97cが前記アーム97bに当接可能として設けられている偏心傾斜カムである。
この場合、マッサージユニット10を、支持部96側を支点として、このマッサージユニット10で掴む身体部位(B)の長手方向に交差する方向に変位させることができると共に、マッサージユニット10を、身体部位の長手方向に揺動させることもできる。
〔本発明の実施形態の詳細〕
以下、本発明の実施形態の詳細を図面に基づいて説明する。
〔マッサージユニット10について〕
肘掛け部4のマッサージユニット10とフットレスト5のマッサージユニット10とは、同じ構成であってもよいが、異なっていてもよい。ただし、被施療者の身体部位の太さ、つまり、腕と脚とでは太さが異なることから、腕用と脚用とでマッサージユニット10の構成を同じとする場合であっても、腕用のマッサージユニット10と脚用のマッサージユニット10とでは、身体部位(腕と脚)に応じた大きさに設定されることは言うまでもない。以下、肘掛け部4のマッサージユニット10の様々な形態について説明するが、各形態は、フットレスト5に設置されてもよい。
<第1節>
〔マッサージユニット(その1)〕
図2は、図1に示す右側の肘掛け部4に設置されるマッサージユニット10の斜視図である。なお、図2では、二つのマッサージユニット10,10が並んで設けられており、これらによりマッサージ手段8が構成されている。つまり、マッサージ手段8は、前腕の肘側に位置する第1のマッサージユニット10と、手先側に位置する第2のマッサージユニット10とを備えている。更に、マッサージ手段8は、第1のマッサージユニット10側に、第1及び第2のマッサージユニット10,10を動作させる駆動ユニット40を備えている。
これらマッサージユニット10,10は、前腕の長手方向に沿って並んで設けられている。なお、第2のマッサージユニット10は、前腕における手首側の領域に位置するように設けられていてもよいが、本実施形態では、手首更には手を含む領域に位置するように設けられている。
ここで、被施療者の前腕の長手方向をZ方向、前腕の横幅方向(被施療者の左右方向)をX方向、前腕の上下方向をY方向と定義する。
マッサージ手段8は、Z方向両側及びX方向一方側(身体の中央側)に向かって開口している外カバー19を有しており、この外カバー19内に第1及び第2のマッサージユニット10,10が設けられている。外カバー19及びマッサージユニット10,10は可撓性及び柔軟性のある布状部材(シート)によって覆われているが、図2に示すマッサージユニット10(その1)では(及び後に説明する他の形態においても)説明のために、この布状部材を外した状態としている。
第1のマッサージユニット10と第2のマッサージユニット10とは同じ構成であり、
第1のマッサージユニット10によりその構成について説明する。第1のマッサージユニット10(以下、単にマッサージユニット10ともいう。)は、外カバー19に固定されている一対の側壁17,18、板状である第1部材11、及び、板状である第2部材12を有している。外カバー19及び一対の側壁17,18は、肘掛け部4(図1参照)に固定状態にあり、また、X方向一方側(身体の中央側)に開口している形状を有している。
図3は、第1のマッサージユニット10を、駆動ユニット40側から見た説明図である。なお、図3では、駆動ユニット40のカバー40a(図2参照)を取り外した状態としている。図4は、図3に示すマッサージユニット10から、更に駆動ユニット40及び側壁17を取り外した状態を示す説明図である。
マッサージユニット10は、更に、腕先側の側壁18に沿って設けられている第1リンク部材21、第2リンク部材22、及び第3リンク部材23を有している。これら第1リンク部材21、第2リンク部材22、及び第3リンク部材23は、図4において図示省略している肘側の側壁17側にも設けられている。側壁17,18の両側それぞれにおいて、第3リンク部材23の一端部23aが、第1リンク部材21の端部と回転自在に取り付けられており、第3リンク部材23の他端部23bが、第2リンク部材22の端部と回転自在に取り付けられている。第3リンク部材23には、その長手方向の中央部に長穴24が設けられおり、また、この長穴24よりも他端部23b側が、側壁17(18)に揺動自在として取り付けられている。
側壁17(18)に対する第3リンク部材23の揺動中心線Z1は、Z方向(Z方向に平行)の直線である。そして、側壁17,18の両側それぞれにおいて、第1リンク部材21、第2リンク部材22、及び第3リンク部材23により、X方向一方側(身体の中央側)に開口する3辺からなるリンク機構20が構成されている。
板状である第1部材11のZ方向の両側それぞれに第1リンク部材21が固定されている。板状である第2部材12のZ方向の両側それぞれに第2リンク部材22が固定されている。第1リンク部材21の長手方向に沿って設けられている板状である第1部材11と、第2リンク部材22の長手方向に沿って設けられている板状である第2部材12との間に、空間S1が形成されている。
以上より、このマッサージユニット10では、第1部材11と第2部材との間に被施療者の腕を位置させるための空間S1が形成されており、この空間S1のX方向一方側(身体の中央側)が、腕を出し入れするために開口している構成となる。
以下において、腕を出し入れするために開口している側を「開口側」と呼び、その反対側を「非開口側」と呼ぶ。
第1部材11には、(腕側に)腕を押圧可能とするマッサージ部材として、エアが供給されることで膨張する第1エアセル31が設けられている。第1エアセル31は、第1部材11側の第1主エアセル31aと被施療者の腕側の第1副エアセル31bとを含み、これら二つのエアセル31a,31bが膨張方向に重ねて設けられている。
また、第2部材12には、(腕側に)腕を押圧可能とするマッサージ部材として、エアが供給されることで膨張する第2エアセル32が設けられている。第2エアセル32は1つのみ設けられている。
このように、マッサージユニット10は、第1部材11側に、腕に当接可能な第1マッサージ部材として第1エアセル31を備えている他に、第2部材12側に、この第2部材12と共に設けられ腕に当接可能な第2マッサージ部材として第2エアセル32を更に備えている。
そして、第1部材11は第1リンク部材21に固定されており、第2部材12は第2リンク部材22に固定されていることから、前記リンク機構20により、第1部材11及び第2部材12は動作可能となる。更に、第1エアセルは第1部材11と一体であるため、第1エアセルは第1部材11及び第1リンク部材21と共に移動可能であり、また、第2エアセルは第2部材12と一体であるため、第2エアセルは第2部材12及び第2リンク部材22と共に移動可能である。
図3に示すように、一方側の側壁17には、第1リンク部材21を介して第1部材11を所定の方向に移動可能としてガイドする第1ガイド部を有している。本実施形態の第1ガイド部は二つの長穴13,14からなる。これら長穴13,14に第1リンク部材21の凸部21a,21bが穴の長手方向に移動可能となって嵌っている。また、この一方側の側壁17には、第2リンク部材22を介して第2部材12を所定の方向に移動可能としてガイドする第2ガイド部を有している。本実施形態の第2ガイド部は二つの長穴15,16からなる。これら長穴15,16に第2リンク部材22の凸部22a,22bが穴の長手方向に移動可能となって嵌っている。
また、他方側の側壁18も、同様に、第1ガイド部として二つの長穴13,14を有しており、第2ガイド部として二つの長穴15,16を有している。そして、第1リンク部材21の凸部21a,21bが長穴13,14に穴の長手方向に移動可能となって嵌っており、第2リンク部材22の凸部22a,22bが長穴15,16に穴の長手方向に移動可能となって嵌っている。
第1ガイド部の長穴13,14は、非開口側から開口側へ長い穴であり、X方向に対して及びY方向に対してそれぞれ傾斜している。一対の長穴13,14は平行に又は略平行に設けられており、これら長穴13,14に沿って第1リンク部材21は第1部材11と共に移動することができる。
つまり、これら長穴13,14によれば、第1部材11と共に第1エアセル31は、次に定義する第1後退位置と第1前進位置とを往復移動可能となる。
・第1後退位置:空間S1を広くする位置であって非開口側の位置(図6参照)
・第1前進位置:空間S1を狭くする位置であって開口側の位置(図5参照)
図3において、第2ガイド部の長穴15,16は、非開口側から開口側へ長い穴であり、X方向に対して及びY方向に対してそれぞれ傾斜している。開口側に位置する長穴15と、非開口側に位置する長穴16とは、傾斜方向が異なって設けられており、これら長穴15,16に沿って第2リンク部材22は第2部材12と共に移動することができる。
つまり、これら長穴15,16によれば、第2部材12と共に第2エアセル32は、次に定義する第2後退位置と第2前進位置とを往復移動可能となる。
・第2後退位置:空間S1を狭くする位置であって非開口側の位置(図5参照)
・第2前進位置:空間S1を広くする位置であって開口側の位置(図6参照)
図4に示すように、第3リンク部材23の長穴24には、偏心カム41が設けられている。偏心カム41は、Z方向に長い駆動軸42と一体回転可能である。偏心カム41の回転中心、つまり駆動軸42の中心は、偏心カム41の中心から偏心している。
駆動軸42は、駆動ユニット40(図3参照)が有している減速機40c及びモータ40bによって回転する。
駆動軸42と共に偏心カム41が駆動軸42の中心線Z2回りに回転すると、偏心カム41は長穴24内を摺動し、これにより、第3リンク部材23は、揺動中心線Z1回りに往復揺動する。この第3リンク部材23が往復揺動すると、第1リンク部材21と共に第1部材11及び第1エアセル31は、前記第1ガイド部(長穴13,14)に沿って往復移動すると共に、第2リンク部材22と共に第2部材12及び第2エアセル32は、前記第2ガイド部(長穴15,16)に沿って往復移動する。
この往復移動において、図5に示すように、第1リンク部材21、第1部材11及び第1エアセル31(以下、これらを含めて第1機構部51と呼ぶ)が開口側へ移動すると、第2リンク部材22、第2部材12及び第2エアセル32(以下、これらを含めて第2機構部52と呼ぶ)は非開口側へ移動する。これに対して、図6に示すように、前記第1機構部51が非開口側へ移動すると、第2機構部52は開口側へ移動する。
また、第1機構部51が開口側へ移動すると(図5参照)前記空間S1を狭くし、非開口側へ移動すると(図6参照)前記空間S1を広くする。そして、第2機構部52が非開口側へ移動すると(図5参照)前記空間S1を狭くし、開口側へ移動すると(図6参照)前記空間S1を広くする。
このように、第1機構部51が開口側へ移動すると前記空間S1を狭くし、この移動に併せて、第2機構部52が非開口側へ移動すると前記空間S1を狭くすることから、これら第1機構部51と第2機構部52との間で、被施療者の腕を掴む動作を行うことができる。
なお、第1エアセル31及び第2エアセル32が全て膨張していない状態であっても、第1部材11と第2部材12とが空間S1を狭くする動作を行うことから、被施療者の腕を掴もうとする機械的な動作を行うことができる。
そして、第1主エアセル31a、第1副エアセル31b及び第2エアセル32の少なくとも一つが膨張することで、更に空間S1を狭くすることができ、被施療者の腕を掴むエアセルによる動作を行うと共に、このエアセルの膨張によって腕を押圧することができる。
つまり、本実施形態のマッサージユニット10では、第1部材11、第2部材12、第1リンク部材21、第2リンク部材22、第3リンク部材23、及び側壁17,18は、それぞれが剛性を有する部材からなり、このような剛性を有する部材が動作することで機械的に行われる掴み動作と、圧縮性を有する膨張しているエアセル31,32により行われる掴み動作との複合動作(ハイブリッド動作)によって、被施療者の腕に対する掴み動作が行われる。
図5及び図6は、マッサージユニット10をZ方向から見た説明図である。第1部材11は、板状の部材であって第1エアセル31を外側(上)から覆う構成である。第1エアセル31が膨張することで被施療者の腕Bを押圧することができるが、第1エアセル31にはその押圧による反力が生じる。そこで、この反力は、第1部材11によって支持される。これと同様に、第2部材12は、板状の部材であって第2エアセル32を外側(下)から覆う構成である。第2エアセル32が膨張することで被施療者の腕Bを押圧することができるが、第2エアセル32にはその押圧による反力が生じる。そこで、この反力は、第2部材12によって支持される。
また、板状である第1部材11は、Z方向に沿って見ると、全体として、非開口側(図5において右側)から開口側(図5において左側)へ向かうにしたがって上に向かうように(空間S1を広げる方向に)傾斜して設けられているが、非開口側から開口側へ向かう途中(折れ曲がり部11a)で、第1部材11は下へ(空間S1を狭くする方向に)折れ曲がった形状を有している。
そして、第1エアセル31(第1主エアセル31a及び第1副エアセル31b)は、自由状態(エアが供給されていない収縮状態)で、第1部材11の前記折れ曲がり形状に併せて、折れ曲がり形状を有している。つまり、第1主エアセル31a及び第1副エアセル31bは上に凸となる形状を有しており、第1主エアセル31a及び第1副エアセル31bの内側面は、凹状の湾曲形状となっている。
板状である第2部材12は、Z方向に沿って見ると、全体として、非開口側(図5において右側)から開口側(図5において左側)へ向かうにしたがって上に向かうように傾斜して設けられている。なお、第2部材12は、非開口側(図5において右側)から開口側(図5において左側)に向かう途中で折れ曲がっておらず、直線形状を有している。
そして、第2エアセル32は、第2部材12の直線形状に併せて、直線形状を有している。
第1主エアセル31aと第1副エアセル31bとはそれぞれ独立して膨張及び収縮することができる。つまり、第1主エアセル31a及び第1副エアセル31bを、共に収縮させたり(図5参照)、共に膨張させたり(図7参照)することができる他に、第1主エアセル31aを収縮させた状態で第1副エアセル31bを膨張させたり(図8参照)、第1副エアセル31bを収縮させた状態で第1主エアセル31aを膨張させたりする(図9参照)ことができる。
また、第2エアセル32の膨張と収縮の動作は、第1エアセル31と独立している。つまり、第1エアセル31が収縮している状態で第2エアセル32は膨張したり収縮したり(図5参照)することができ、また、第1エアセル31が膨張している状態で第2エアセル32は膨張したり(図7〜図9参照)、収縮したりすることができる。
第1主エアセル31aと第1副エアセル31bと第2エアセル32の内のいずれか一つが膨張することで、空間S1に位置する被施療者の腕Bを押圧することができる。
また、前記のとおり、第1リンク部材21、第1部材11及び第1エアセル31を含む第1機構部51が開口側へ移動すると前記空間S1を狭くし、この移動に併せて、第2リンク部材22、第2部材12及び第2エアセル32を含む第2機構部52が非開口側へ移動すると前記空間S1を狭くすることから、これら第1機構部51と第2機構部52との間で、被施療者の腕Bを掴む動作を行うことができる。
以上より、本実施形態のマッサージユニット10は、被施療者の腕Bを掴む動作を行うが可能となる掴み機構30を備えており、この掴み機構30は、第1部材11と一体移動する第1リンク部材21、第2部材12と一体移動する第2リンク部材22、一端部23a側が第1リンク部材21と回転自在に連結されかつ他端部23b側が第2リンク部材22と回転自在に連結されている第3リンク部材23、第3リンク部材23の一端部23a側を開口側の方向へ移動させると他端部23b側を非開口側の方向へ移動させる押し引き動作を行わせるための回転部材となる偏心カム41、及び、第1部材11を所定の変位方向へ誘導する第1ガイド部として長穴13,14が形成されていると共に第2部材12を所定の変位方向へ誘導する第2ガイド部として長穴15,16が形成されている側壁17,18を有する。
そして、本実施形態に係る椅子型のマッサージ装置1(図1参照)は、肘掛け部4において、マッサージユニット10,10(図2参照)を備えており、このマッサージユニット10は、被施療者の身体部位である腕の上下両側(Y方向両側)に設けられる第1部材11及び第2部材12を有しており、これら第1部材11と第2部材12との間に形成される空間S1のX方向一方側(図2において右側)が、被施療者の腕の出し入れのために開口している構成となっている。
そして、各マッサージユニット10(図3参照)は、更に、第1部材11と共に設けられ被施療者の腕に当接可能なマッサージ部材として第1エアセル31と、前記掴み機構30とを有している。この掴み機構30は、第1エアセル31と共に第1部材11を全体として空間S1を狭くする方向へ変位させかつ前記開口側の方向(X方向一方側)へ変位させる。このような掴み機構30による「第1エアセル31と共に第1部材11を全体として空間S1を狭くする方向へ変位させかつ開口側の方向(X方向一方側)へ変位させる」動作を、第1部材11の前進動作という。なお、この前進動作は、図6から図5に示すように、第3リンク部材23の一端部23a側が開口側(図6,5において左側)へ移動するようにこの第3リンク部材23を揺動させることで実現される。
この前進動作を行うマッサージユニット10によれば、被施療者の腕Bの上下両側に設けられている第1部材11と第2部材12との内の第1部材11を、被施療者の腕Bに当接可能な第1エアセル31と共に、空間S1を狭くする方向へ変位させることで(図5、図7〜図9の状態)、第1部材11と第2部材12との間で第1エアセル31を介して被施療者の腕Bを掴むことができ、また、この掴む際に第1部材11を全体として開口側の方向(X方向一方側)へも変位させることで、第1エアセル31を被施療者の腕Bの開口側の部分B1にまで到達させることができる。この結果、第1エアセル31によるマッサージ範囲を広げることが可能となる。
なお、前記前進動作を行わない状態(図6参照)で第1エアセル31を膨張させた場合、図6の二点鎖線で示すように、第1エアセル31(第1副エアセル31b)を被施療者の腕Bの開口側の部分B1にまで到達させることができず、腕Bの上部中央B3にしか到達することができない。
そして、前記掴み機構30は、空間S1を狭くする方向へ変位しかつ開口側の方向(X方向一方側)へ変位した第1部材11を、開口側と反対側である非開口側の方向(X方向他方側)へ変位させることができる。つまり、前記前進動作を行った第1部材11を、非開口側の方向へ変位させており、このような「前記前進動作を行った第1部材11を、非開口側の方向へ変位させる」動作を、第1部材11の後退動作という。なお、この後退動作は、図5から図6の状態に示すように、第3リンク部材23の一端部23a側が非開口側へ移動するようにこの第3リンク部材23を揺動させることで実現される。
この掴み機構30の後退動作によれば、第1部材11と第2部材12との間で第1エアセル31を介して腕Bを挟むようにして掴んだ後、この腕Bの内の第1部材11側であって開口側にある部分B1を、非開口側の方向へ動かすような動作(引き揉み動作)を行うことができる。なお、この引き揉みを行う際、エアセル31a,31b,32の少なくとも一つを膨張させているのが好ましい。
さらに、この掴み機構30は、第1エアセル31と共に第1部材11を全体として空間S1を狭くする方向へ変位させかつ前記開口側の方向(X方向一方側)へ変位させる間に、第2エアセル32と共に第2部材12を全体として非開口側の方向(X方向他方側)へ変位させている。つまり、図6から図5の状態に示すように、第1部材11が前記前進動作を行っている間に、第2エアセル32と共に第2部材12を全体として非開口側の方向(X方向他方側)へ変位させており、このような「第1部材11が前記前進動作を行っている間に、第2エアセル32と共に第2部材12を全体として非開口側の方向(X方向他方側)へ変位させる」動作を、第2部材12の後退動作という。
この第2部材12の後退動作によれば、第1部材11及び第1エアセル31が、第2部材12との間で被施療者の腕Bを掴もうとする際に、この腕Bの内の第2部材12側の部分B2を、非開口側へ動かすような動作(引き揉み動作)を行うことができる。なお、この引き揉みを行う際、エアセル31a,31b,32の少なくとも一つを膨張させているのが好ましい。
また、このように第2部材12が後退動作を行う場合において、掴み機構30は、第2エアセル32と共に第2部材12を全体として非開口側の方向(X方向他方側)へ変位させる間に、更に、図6から図5の状態に示すように、この第2エアセル32と共に第2部材12の先部12a側を、空間S1を狭くする方向へ変位させる。つまり、第2部材の後退動作は「第1部材11が前進動作を行っている間に、第2エアセル32と共に第2部材12を全体として、非開口側の方向(X方向他方側)へ変位させ、かつ、第2部材12の先部12a側を、空間S1を狭くする方向へ変位させる」動作となる。
このような第2部材12の後退動作によれば、第1エアセル31と共に第1部材11を全体として空間S1を狭くする方向へ変位させかつ開口側の方向へ変位させる間に、第2エアセル32と共に第2部材12を全体として非開口側の方向へ変位させかつ空間S1を狭くする方向へ変位させることができる。
したがって、第1部材11と第2部材12とが空間S1を狭くするように動作することで腕Bを掴む際に、第1部材11は開口側の方向へ第2部材12はその反対側の方向へ変位することとなる。これにより、腕Bを掴みながらひねるような動作(引き揉み動作)を行うことが可能となる。なお、この引き揉み動作を行う際、エアセル31a,31b,32の少なくとも一つを膨張させているのが好ましい。
また、この掴み機構30は、第1部材11が前記後退動作を行うと、第2部材12の先端12a側を、空間S1を広くする方向へ変位させ、かつ、第2部材12を全体として開口側の方向(X方向一方側)へ変位させる。つまり、このような「第1部材11が前記後退動作を行うと、第2部材12の先端12a側を、空間S1を広くする方向へ変位させ、かつ、第2部材12を全体として開口側の方向(X方向一方側)へ変位させる」動作を、第2部材12の前進動作という。
以上より、第1部材11が前進動作すると第2部材12は後退動作を行い、第1部材が後退動作すると第2部材12は前進動作を行い、駆動軸42が回転を継続することで、このような動作を繰り返すことができる。
また、本実施形態において、第1部材11及び第2部材12は、金属製の板を加工して得られたものであり、第1部材11は被施療者の腕を一方(上側)から覆う板状の部材であり、また、第2部材12は、この腕を他方(下側)から覆う板状の部材である。このように板状であるため、被施療者の腕を上下から包み込むようにして掴むことができる。
また、図7、図8及び図9に示すように、第1主エアセル31a及び第1副エアセル31bは、非開口側でのみ第1部材11に対して固定されており、膨張することで開口側は自由に変形することができる。このため、図7に示すように、第1主エアセル31a及び第1副エアセル31bが共に膨張している状態では、膨張状態にある第1主エアセル31aの内側面31a−1に沿って(内側面31a−1を基準として)第1副エアセル31bが膨張し、被施療者の腕Bを開口側から非開口側へ押し入れる成分が生じる。
このため、これら第1主エアセル31a及び第1副エアセル31bが共に膨張している状態で、第1部材11が開口側の位置から非開口側の位置へ移動することで、この第1部材11により被施療者の腕Bを非開口側へ引き込む際に、エアセル31a,31bによる開口側から非開口側へ押し入れる作用が付加されて、その腕Bの上側(第1部材11側)を非開口側へ確実に引き込むことができる。
以上より、本実施形態のマッサージユニット10は、第1部材11と共に設けられ膨張することで腕Bを押すための第1エアセル31と、第1部材11に所定の掴み動作を行わせるマッサージ機構部とを有している。本実施形態のマッサージ機構部は、前記リンク機構20(図4参照)からなり、このリンク機構20は、腕Bを掴むために第1部材11と第2部材12とを相対的に接近させる動作、及び、エアセル31を介して第1部材11と第2部材12との間で挟んだ腕Bを動かすために、膨張している状態にあるエアセル31と共に第1部材11を非開口側の方向へ移動させる動作を行う。
このマッサージユニット10によれば、第1部材11と第2部材12との間でエアセル31が膨張していることにより腕Bを掴んでから、その膨張している状態にあるエアセル31と共に第1部材11を非開口側の方向へ移動させることで、第1部材11と第2部材12との間でエアセル31を介して掴んだ腕Bを非開口側へ動かすような動きが可能となる。つまり、腕Bに対して引き揉みのマッサージ動作が可能となり、単純に腕Bを両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する。
また、このリンク機構20は、膨張している状態にあるエアセル31と共に第1部材11を、開口側及び非開口側の内の少なくとも一方側の方向へ移動させる動作を行えばよい。つまり、開口側の方向へ移動させてもよく、開口側の方向と非開口側の方向との双方向へ交互に移動させてもよい。
開口側の方向へ移動させる場合、第1部材11と第2部材12との間でエアセル31を介して掴んだ腕Bを、開口側の方向へ動かすようなマッサージ動作が可能となる。つまり、腕Bに対して押し揉みのマッサージ動作が可能となる。
さらに、第2エアセル32が膨張している状態で、又は、第2エアセル32が収縮した状態であっても、前記のとおり第1部材11が開口側の位置から非開口側の位置へ移動するのに併せて第2部材12が非開口側の位置から開口側の位置へ移動するため、上側が非開口側に引き込まれようとする腕Bの第2部材12側の部分B2(下側)を開口側へ押し出すことができる。
このように、腕Bは、その上側が非開口側へ引きこまれ下側が開口側へ押し出される成分を受けることができ、腕Bに対してマッサージユニット10は引き揉みを行うことが可能となる。
また、本実施形態の前記掴み機構30(リンク機構20)によれば、第1部材11を全体として空間S1を狭くする方向へ変位させかつ開口側の方向へ変位させると共に、第2部材12を全体として空間S1を狭くする方向へ変位させかつ非開口側の方向へ変位させる構成が得られる。
この構成によれば、第1部材11と第2部材12との間でエアセル31を介して腕Bを掴むことができる。さらに、第1部材11を、空間S1を狭くする方向へ変位させかつ開口側の方向へ変位させると共に、第2部材12を、空間S1を狭くする方向へ変位させかつ非開口側の方向へ変位させることで、掴んだ腕Bを第1部材11側が押し下げ第2部材12側が引き上げるような引き揉み(又は押し揉み)が可能であり、単純に身体部位を両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する。
以上の構成を有しているマッサージユニット10をZ方向に沿って見ると、人の手Hの形状(図10)に近似した構成を有することができる。そして、前記のような「腕Bを掴みながらひねるような動作(引き揉み)」は、図10の(A)から(B)に示すように、マッサージ師が手首Haを効かせて行う引き揉みマッサージとなる。つまり、マッサージ師が手Hを使って被施療者の腕Bをマッサージする場合、その腕Bを、マッサージ師は「親指h1」と「人差し指及び中指h2」とで掴み、「人差し指及び中指h2」の先端を腕Bの側部b1へ回り込ませた状態(図10(A)参照)としてから、掴み揉み(引き揉み:図10(B)参照)によるマッサージが行われる。このようなマッサージ師の手Hによるマッサージを、本実施形態のマッサージユニット10は実行することが可能であり、これにより、単純に上下等の両方向から腕Bを挟んで行うマッサージと比較して、本実施形態のマッサージユニット10によればマッサージ感をより一層高めることが可能となる。
また、第1リンク部材21、第2リンク部材22、及び第3リンク部材23により3辺からなるリンク機構20が構成されており、特に本実施形態では(図5、図6参照)、第3リンク部材23は、一端部23a側と他端部23b側との間に設けられている揺動中心線Z1回りに揺動自在であり、この揺動中心線Z1は一端部23a側よりも他端部23b側に近い位置に偏って設けられている。
このリンク機構20の構成によれば、第3リンク部材23の一端部23a側の揺動ストロークは、他端部23b側の揺動ストロークよりも大きくなり、図6の軌跡V1と軌跡V2とに示すように、第1部材11の変位量と第2部材12の変位量とを相違させることができる。軌跡V1は、第1部材11が前記前進動作(又は前記後退動作)を行った場合における、第1エアセル31の移動軌跡であり、軌跡V2は、第2部材12が前記前進動作(又は前記後退動作)を行った場合における、第2エアセル32の移動軌跡である。
また、本実施形態のマッサージユニット10では、図4に示すように、第1の側壁17側に設けられている第3リンク部材23を動かすための第1の偏心カム41と、第2の側壁18側に設けられている第3リンク部材23を動かすための第2の偏心カム41とは、同位相で駆動軸42に取り付けられている。このため、駆動軸42が回転することで、両側に在る一対の第3リンク部材23は、同期して同じ動作を行い、これにより、両側に在る一対の第1リンク部材21及び両側にある一対の第2リンク部材22も同期して同じ動作を行う。このため、第1部材11は、第2部材12に対して接近する方向の成分を有する動作と、第2部材12から離れる方向の成分を有する動作とを繰り返し行い、第2部材12は、第1部材11に対して接近する方向の成分を有する動作と、第1部材11から離れる方向の成分を有する動作とを繰り返し行う。
これに対して、図示しないが、第1の偏心カム41と第2の偏心カム41は、異なる位相で駆動軸42に取り付けられていてもよい。例えば、第1の偏心カム41と第2の偏心カム41とが、駆動軸42の中心線Z2を中心として90°や180°離れた位相で設けられていてもよい。この場合、駆動軸42が回転することで、両側に在る一対の第3リンク部材23は、相互で異なる動作を行い、これにより、両側に在る一対の第1リンク部材21及び両側にある一対の第2リンク部材22も相互で異なる動作を行う。
図3を参考にして具体的に説明すると、例えば、第1の偏心カム41と第2の偏心カム41とが90°の位相を違えて設けられている場合、一方の側壁17側の第1リンク部材21が開口側へ移動を開始すると、これに遅れて、他方の側壁18側の第1リンク部材21が開口側へ移動を開始する。そして、一方の側壁17側の第1リンク部材21が非開口側へ移動を開始すると、これに遅れて、他方の側壁18側の第1リンク部材21が非開口側へ移動を開始する。
これにより、第1部材11及び第1エアセル31は、「第2部材12に対して接近する方向の成分を有すると共に、Y方向の仮想中心線Y1(図3参照)回りの一方向に揺動する成分(図3の矢印R1)を有する動作」と、「第2部材12から離れる方向の成分を有すると共に、Y方向の仮想中心線Y1回りの他方向に揺動する成分(図3の矢印R2)を有する動作」とを繰り返し行うことができる。
また、第2部材12及び第2エアセル32は、「第1部材11に対して接近する方向の成分を有すると共に、Y方向の仮想中心線Y2回りの一方向に揺動する成分(図3の矢印R3)を有した動作」と、「第1部材11から離れる方向の成分を有すると共に、Y方向の仮想中心線Y2回りの他方向に揺動する成分(図4の矢印R4)を有する動作」とを繰り返し行うことができる。
このように、第1の偏心カム41と第2の偏心カム41との位相を相違させることで、掴み動作に変化を与えることができる。
また、図2に示すように、被施療者の腕の肘側の第1のマッサージユニット10と、手首側の第2のマッサージユニット10とは、同期して同じ動作を行ってもよいが、異なる動作を行うように構成してもよい。後にも説明するが、同期して同じ動作を行わせるためには、全て(4つ)の偏心カム41を同位相で設ければよく、異なる動作を行わせるためには、第1のマッサージユニット10の偏心カム41と、第2のマッサージユニット10の偏心カム41との位相を相違させればよい。
また、本実施形態(図2参照)では、第1のマッサージユニット10に掴み揉みの動作を行わせるための駆動軸42は、第2のマッサージユニット10に掴み揉みの動作を行わせるための駆動軸としても兼用されている。そして、この駆動軸42を、駆動ユニット40のモータ40b(図3参照)によって回転させることができ、この駆動軸42の回転よって掴み機構30を動作させることが可能となる。つまり、肘掛け部4には、被施療者の腕の内の肘側用のマッサージユニット10と、手首側用の前記マッサージユニット10とが設けられており、手首側用のマッサージユニット10の掴み機構30を動作させる駆動源(モータ)と、肘側用のマッサージユニット10の掴み機構30を動作させる駆動源(モータ)とは、共通する駆動源(モータ40b)からなる。これにより、二つのマッサージユニット10,10を含むマッサージ手段8の構成の簡素化及び小型化が図れる。
なお、図示しないが、第1のマッサージユニット10用の駆動軸と、第2のマッサージユニット10用の駆動軸とを別としてもよく、また、この場合、駆動ユニット40も別とすればよく、一対の駆動ユニット40を独立して動作させる構成であってもよい。
また、第1のマッサージユニット10と第2のマッサージユニット10とが同期して同じ動作を行うためには、第1のマッサージユニット10と第2のマッサージユニット10とが同じ構成となっており、特に、第1のマッサージユニット10が有する一対の偏心カム41と、第2のマッサージユニット10が有する一対の偏心カム41とが、同じ位相となっている必要がある。なお、第1のマッサージユニット10が有する一対の偏心カム41は、同じ位相であってもよく異なっていてもよい。また、第2のマッサージユニット10が有する一対の偏心カム41も、同じ位相であってもよく異なっていてもよい。
これに対して、第1のマッサージユニット10と第2のマッサージユニット10とが、同じ時間帯に異なる動作を行うためには、第1のマッサージユニット10が有する一対の偏心カム41と、第2のマッサージユニット10が有する一対の偏心カム41とが、異なる位相となっていればよく、この点で第1のマッサージユニット10と第2のマッサージユニット10とが異なる構成となっている必要がある。
例えば、第1のマッサージユニット10の一対の偏心カム41の位相と、第2のマッサージユニット10の偏心カム41の位相とが、180°異なる場合、第1のマッサージユニット10は掴み動作を行うタイミングで、第2のマッサージユニット10は掴みを解除する動作を行うことができ、また、第1のマッサージユニット10が掴みを解除する動作を行うタイミングで、第2のマッサージユニット10は掴み動作を行うことができる。
または、例えば、第1のマッサージユニット10の一対の偏心カム41の位相と、第2のマッサージユニット10の偏心カム41の位相とが、90°異なる場合、一方のマッサージユニット10が掴み動作を開始すると、これに遅れて、他方のマッサージユニット10が掴み動作を開始することができる。
また、駆動ユニット40は、モータ40bの回転方向を切り替えることにより、駆動軸42の回転方向(正転及び逆転)を切り換え可能である。例えば、駆動軸42を所定回転数について正転させた後、この駆動軸42を逆転させてもよい。これにより、掴み動作が途中で変更される。
<第2節>
〔マッサージユニット(その2)〕
図11は、別のマッサージユニット10の説明図であり、被施療者の身体部位の長手方向に沿ってマッサージユニット10を見た図である。このマッサージユニット10によって施療を行う対象となる被施療者の身体部位を、前腕Bとすることができる。この場合、図11は、前腕Bの長手方向に沿って見た図となり、特に、右腕の前腕Bを、肘側から指先側に向かう方向に沿って見た図となる。以下において、前腕Bを、単に腕Bと称して説明することもある。また、腕Bの長手方向をZ方向、腕Bの横幅方向(被施療者の左右方向)をX方向、腕Bの上下方向をY方向と定義する。
マッサージユニット10は、腕Bの周方向に沿った二箇所に設けられている第1部材11及び第2部材12を有している。図11に示す形態では、第1部材11及び第2部材12は、腕Bの上下両側に設けられている。そして、このマッサージユニット10では、第1部材11と第2部材12との間に形成される空間S1の一方側(図11では、左側)が、腕Bの出し入れのために開口している。図11に示す形態では、第1部材11は、以下に説明する第1リンク部材61であり、前記第2部材12は、以下に説明する第3リンク部材63である。以下において、腕を出し入れするために開口している側を「開口側」と呼び、その反対側を「非開口側」と呼ぶ。
マッサージユニット10は、腕Bを掴む動作を行うことが可能となる掴み機構30を備えている。図11及び図12において、この掴み機構30は、側壁17,18、複数のリンク部材61〜63、リンク部材61〜63を動作させるための動作用のエアセル65a,65b、腕Bを押圧するためのマッサージ用のエアセル31,32、及び、弾性部材であるばね(コイルばね)66b,66cを備えている。更にこの掴み機構30は、エアセル31により動作する押圧部材64、及び弾性部材であるばね(コイルばね)66aを備えている。図12は、図11に示すマッサージユニット10をX方向から(図11の右側から)見た説明図である。
側壁17,18は、Z方向に離れて設けられており、肘掛け部4(図1参照)に固定状態にある。また、側壁17,18は、X方向一方側(身体の中央側)に開口している形状を有している。
第1リンク部材61は、軸68aによって第2リンク部材62に揺動可能に取り付けられている。第2リンク部材62は、軸68bによって側壁17,18に揺動可能に取り付けられている。第3リンク部材63は、軸68cによって、第2リンク部材62に揺動可能に取り付けられている。押圧部材64は、施療子64a,64bを有するリンク部材からなり、軸68dによって第1リンク部材61に揺動可能に取り付けられている。施療子64a,64bは、腕Bに当接可能となる突起部である。
軸68a〜68dは、Z方向を中心線とする部材であり、押圧部材64及びリンク部材61,62,63は、この中心線回りに揺動可能である。
これら複数のリンク部材61,62,63により多関節機構60が構成されている。また、前記多関節機構60には、リンク部材としても機能する押圧部材64が含まれていてもよい。また、リンク部材の数は図示する形態に限らず変更可能であり、図11に示す形態よりも多くてもよい。
図11において、マッサージ用のエアセル31は、押圧部材64と第1リンク部材61との間に介在し、エアが供給されると膨張し、押圧部材64を押して軸68d回りに揺動させる。ばね66aは、押圧部材64と第1リンク部材61との間に設けられており、エアセル31の膨張により第1リンク部材61から押圧部材64を離反させると伸長し、また、エアセル31が排気状態になると弾性復元力により第1リンク部材61に押圧部材64を接近させる構成である。なお、第1リンク部材61から押圧部材64が離反する動作は、前記空間S1を狭くする動作となり、また、腕Bを掴む動作となる。
動作用のエアセル65aは、第1リンク部材61と第2リンク部材62との間に介在し、エアが供給されると膨張し、第1リンク部材61を押して軸68a回りに揺動させる。
なお、図11に示す形態では、エアセル65aは、重ねて設けられている二つのエアセル65a−1,65a−2からなるが、一つのエアセルであってもよい。ばね66bは、リンク部材61,62間に設けられており、エアセル65aの膨張により第2リンク部材62から第1リンク部材61を離反させると伸長し、エアセル65aが排気状態になると弾性復元力により第2リンク部材62に第1リンク部材61を接近させる構成である。第2リンク部材62から第1リンク部材61が離反する動作は、前記空間S1を狭くする動作となり、また、腕Bを掴む動作となる。
動作用のエアセル65bは、側壁17,18に固定の固定部材69と第2リンク部材62との間に介在し、エアが供給されると膨張し、第2リンク部材62を押して軸68b回りに揺動させる。ばね66cは、第2リンク部材62と側壁17(18)との間に設けられており、エアセル65bの膨張により固定部材69から第2リンク部材62を離反させると伸長し、エアセル65bが排気状態になると弾性復元力により固定部材69に第2リンク部材62を接近させる。固定部材69から第2リンク部材62が離反する動作は、前記空間S1を狭くすると共に、第2リンク部材62に搭載されている第1リンク部材61及び押圧部材64を開口側の方向へ移動させる動作となり、また、腕Bを掴む動作となる。
第3リンク部材63は、軸68cよって第2リンク部材62に揺動可能に取り付けられており、エアセル65bの動作に応じて動作する。リンク部材63には、長穴63bが形成されており、この長穴63bには、側壁17,18に取り付けられている軸68eが挿通されており、リンク部材63は軸68eに沿って往復移動する。第2リンク部材62が図11に示す状態から軸68bを中心として反時計回りに揺動すると(図13参照)、第3リンク部材63は、非開口側の方向に移動する。図13の状態から、第2リンク部材62が軸68bを中心として時計回りに揺動すると、第3リンク部材63は、開口側の方向に移動する(図11参照)。
マッサージ用のエアセル32は、第3リンク部材63に取り付けられており、エアの供給により膨張し、腕Bを押圧する。
動作用のエアセル65a,65b及びマッサージ用のエアセル31,32は、それぞれ独立して動作することができる(膨張することができる)。つまり、これらエアセルのうちの少なくとも一つのみを膨張させることができる。
以上の構成を備えているマッサージユニット10の動作について説明する。図11は、動作用のエアセル65a,65b及びマッサージ用のエアセル31,32が収縮した状態にある。この状態では、第1リンク部材61と第3リンク部材63との間に形成される空間S1は最も広くなる。
これに対して図13は、動作用のエアセル65a,65bが膨張している状態にある。
この状態では、第1リンク部材61と第3リンク部材63との間に形成される空間S1はもっとも狭くなる。また、図13では、マッサージ用のエアセル31,32も膨張状態にあり、押圧部材64の施療子64a,64bが、空間S1に存在する腕Bを上から押圧することができ、また、エアセル32が空間S1に存在する腕Bを下から押圧することができる。図13は、掴み機構30が腕Bを掴み終えた掴み完了状態を示す。
図13に示す掴み完了状態から、動作用のエアセル65a,65b及びマッサージ用のエアセル31,32が排気可能状態になると、ばね66a,66b,66cの弾性力によって図11に示す掴み開放状態となる。図11に示す掴み開放状態で、空間S1における腕Bの出し入れが可能となる。
このように図13に示す掴み完了状態では、第1リンク部材61と第3リンク部材63とが接近し、両者の間で腕Bを掴むことができ、さらに、エアセル31,32が膨張することで、施療子64a,64bとエアセル32との間で腕Bを掴むことができる。そして、この状態からエアセル65bを排気状態とすると、図14からさらに図15に示すように、ばね66cの弾性力によって第2リンク部材62が固定部材69側に後退する。ただし、この動作の際、エアセル31,65aは膨張状態にある。これにより、腕Bを掴んだ状態でその腕Bを非開口側へ引き込むような動作が可能となる。つまり、腕Bに対して引き揉みのマッサージが可能となる。
更に、図15に示す状態から、エアセル65bを膨張させることで、図14に示す状態を経て、図13に示す状態とすることもできる。なお、この動作の際、エアセル31,65aは膨張状態にある。この場合、腕Bを掴んだ状態でその腕Bを開口側へ押すような動作が可能となる。つまり、腕Bに対して押し揉みのマッサージが可能となる。
更に、図13に示す状態と、図15に示す状態とを繰り返すこともできる。これにより、腕Bを掴んだ状態で押し引きすることが可能となる。
また、図11に示す掴み開放状態から図13に示す掴み完了状態に変化すると、腕Bの開口側の部分B1に施療子64aを到達させることでき、施療子64aは腕Bの開口側の部分B1を掴むことができる。そして、腕Bの開口側の部分B1を掴んだ状態で、図13から図15に示す状態とすることで、掴んだ部分(B1)を非開口側へ引いて行う引き揉みのマッサージが可能となる。
<第3節>
〔マッサージユニット(その3)〕
図16は、別のマッサージユニット10の説明図である。図16に示すマッサージユニット10は、図11に示すマッサージユニット10の変形例に相当する。なお、図16は、図11と同様、右腕の前腕Bを肘側から指先側に向かう方向に沿って見た図である。図16に示すマッサージユニット10も、多関節機構60を備えている。
マッサージユニット10は、腕Bの周方向に沿った二箇所に設けられている第1部材11及び第2部材12を有している。図16に示す形態では、第1部材11及び第2部材12は、腕Bの下と右横に設けられている。そして、このマッサージユニット10では、第1部材11と第2部材12との間に形成される空間S1の一方側(図16では、左側)が、腕Bの出し入れのために開口している。図16に示す形態では、第1部材11は、以下に説明する第1リンク部材61であり、前記第2部材12は、以下に説明する第3リンク部材63である。なお、第3リンク部材63は、第2リンク部材62と一体構造である。
以下において、腕を出し入れするために開口している側を「開口側」と呼び、その反対側を「非開口側」と呼ぶ。
マッサージユニット10は、腕Bを掴む動作を行うことが可能となる掴み機構30を備えている。図16及び図17において、この掴み機構30は、側壁17,18、複数のリンク部材61〜63、リンク部材61〜63を動作させるための動作用のエアセル65a,65b、腕Bを押圧するためのマッサージ用のエアセル31,32、及び、エアセル31により動作する押圧部材64を備えている。更にこの掴み機構30は、図示しないが、図11に示すマッサージユニット10と同様のばね(66a,66b,66c)を備えている。図17は、図11に示すマッサージユニット10をX方向に沿って(図16の右側から)見た説明図である。
側壁17,18は、Z方向に離れて設けられており、肘掛け部4(図1参照)に固定状態にある。また、側壁17,18は、X方向一方側(身体の中央側)に開口している形状を有している。
第1リンク部材61は、軸68aによって第2リンク部材62に揺動可能に取り付けられている。第2リンク部材62は、軸68bによって側壁17,18に揺動可能に取り付けられている。第2リンク部材62と第3リンク部材63とは一体であり、これらによりL字形を有している。押圧部材64は、施療子64a,64bを有するリンク部材からなり、軸68dによって第1リンク部材61に揺動可能に取り付けられている。施療子64a,64bは、腕Bに当接可能となる突起部である。
軸68a,68b,68dは、Z方向を中心線とする部材であり、押圧部材64及びリンク部材61,62(63)は、この中心線回りに揺動可能である。
これら複数のリンク部材61,62(63)により多関節機構60が構成されている。また、前記多関節機構60には、リンク部材としても機能する押圧部材64が含まれていてもよい。また、リンク部材の数は図示する形態に限らず変更可能であり、図16に示す形態よりも多くてもよい。
図16において、マッサージ用のエアセル31は、押圧部材64と第1リンク部材61との間に介在し、エアが供給されると膨張し、押圧部材64を押して軸68d回りに揺動させる。押圧部材64と第1リンク部材61との間には、ばね(図示省略)が設けられており、このばねは、エアセル31の膨張により第1リンク部材61から押圧部材64を離反させると伸長し、また、エアセル31が排気状態になると弾性復元力により第1リンク部材61に押圧部材64を接近させる。なお、第1リンク部材61から押圧部材64が離反する動作は、前記空間S1を狭くする動作となり、また、腕Bを掴む動作となる。
動作用のエアセル65aは、第1リンク部材61と第2リンク部材62との間に介在し、エアが供給されると膨張し、第1リンク部材61を押して軸68a回りに揺動させる。
リンク部材61,62間には、ばね(図示省略)が設けられており、このばねは、エアセル65aの膨張により第2リンク部材62から第1リンク部材61を離反させると伸長し、エアセル65aが排気状態になると弾性復元力により第2リンク部材62に第1リンク部材61を接近させる。第2リンク部材62から第1リンク部材61が離反する動作は、前記空間S1を狭くする動作となり、また、腕Bを掴む動作となる。
動作用のエアセル65bは、側壁17,18に固定の固定部材69と第2リンク部材62との間に介在し、エアが供給されると膨張し、第2リンク部材62を押して軸68b回りに揺動させる。第2リンク部材62と側壁17(18)との間には、ばね(図示省略)が設けられており、このばねは、エアセル65bの膨張により固定部材69から第2リンク部材62を離反させると伸長し、エアセル65bが排気状態になると弾性復元力により固定部材69に第2リンク部材62を接近させる。固定部材69から第2リンク部材62が離反する動作は、前記空間S1を狭くすると共に、第2リンク部材62に搭載されている第1リンク部材61及び押圧部材64を開口側の方向へ移動させる動作となり、また、腕Bを掴む動作となる。
マッサージ用のエアセル32は、第3リンク部材63に取り付けられており、エアの供給により膨張し、腕Bを押圧する。
動作用のエアセル65a,65b及びマッサージ用のエアセル31,32は、それぞれ独立して動作することができる(膨張することができる)。つまり、これらエアセルのうちの少なくとも一つのみを膨張させることができる。
以上の構成を備えているマッサージユニット10の動作について説明する。図16は、動作用のエアセル65a,65b及びマッサージ用のエアセル31,32が収縮した状態にある。この状態では、第1リンク部材61と第3リンク部材63との間に形成される空間S1は最も広くなる。
これに対して図18は、動作用のエアセル65a,65bが膨張している状態にある。
この状態では、第1リンク部材61と第3リンク部材63との間に形成される空間S1はもっとも狭くなる。また、図18では、マッサージ用のエアセル31,32も膨張状態にあり、押圧部材64の施療子64a,64bが、空間S1に存在する腕Bを上から押圧することができ、また、エアセル32が空間S1に存在する腕Bを下から押圧することができる。図18は、掴み機構30が腕Bを掴み終えた掴み完了状態を示す。
図18に示す掴み完了状態から、動作用のエアセル65a,65bc及びマッサージ用のエアセル31,32が排気可能状態になると、前記ばね(図示省略)の弾性力によって図16に示す掴み開放状態となる。図16に示す掴み開放状態で、空間S1における腕Bの出し入れが可能となる。
このように図18に示す掴み完了状態では、第1リンク部材61と第3リンク部材63とが接近し、両者の間で腕Bを掴むことができ、さらに、エアセル31,32が膨張することで、施療子64a,64bとエアセル32との間で腕Bを掴むことができる。そして、この状態からエアセル65bを排気状態とすると、図19からさらに図20に示すように、ばねの弾性力によって第2リンク部材62が固定部材69側に後退する。ただし、この動作の際、エアセル31,65aは膨張状態にある。これにより、腕Bを掴んだ状態でその腕Bを非開口側へ引き込むような動作が可能となる。つまり、腕Bに対して引き揉みのマッサージが可能となる。
更に、図20に示す状態から、エアセル65bを膨張させることで、図19に示す状態を経て、図18に示す状態とすることもできる。なお、この動作の際、エアセル31,65aは膨張状態にある。この場合、腕Bを掴んだ状態でその腕Bを開口側へ押すような動作が可能となる。つまり、腕Bに対して押し揉みのマッサージが可能となる。
更に、図18に示す状態と、図20に示す状態とを繰り返すこともできる。これにより、腕Bを掴んだ状態で押し引きすることが可能となる。
また、図16に示す掴み開放状態から図18に示す掴み完了状態に変化すると、腕Bの開口側の部分B1に施療子64aを到達させることでき、施療子64aは腕Bの開口側の部分B1を掴むことができる。そして、腕Bの開口側の部分B1を掴んだ状態で、図18から図20に示す状態とすることで、掴んだ部分(B1)を非開口側へ引いて行う引き揉みのマッサージが可能となる。
<第4節>
〔前記マッサージユニット10(その2)及び(その3)について〕
前記のとおり、図11に示すマッサージユニット10(その2)、及び図16に示すマッサージユニット10(その3)は、それぞれ、第1部材11となる第1リンク部材61と共に設けられ膨張することで腕Bを押すための第1エアセル31と、第1リンク部材61に所定の掴み動作を行わせるマッサージ機構部50とを有している。このマッサージ機構部50は、第1〜第3リンク部材61〜63を有するリンク機構20からなる。ただし、図16に示すマッサージユニット10では、第2リンク部材62と第3リンク部材63とは一体である。
そして、このマッサージ機構部50(リンク機構20)は、腕Bを掴むために第1リンク部材61と第3リンク部材63とを相対的に接近させる動作、及び、エアセル31を介して第1リンク部材61と第3リンク部材63との間で挟んだ腕Bを動かすために、膨張している状態にあるエアセル31と共に第1リンク部材61を非開口側の方向へ移動させる動作を行うことができる。
このマッサージユニット10によれば、第1リンク部材61と第3リンク部材63との間でエアセル31が膨張していることにより腕Bを掴んでから、その膨張している状態にあるエアセル31と共に第1リンク部材61を非開口側の方向へ移動させると、第1リンク部材61と第3リンク部材63との間でエアセル31を介して掴んだ腕Bを非開口側へ動かすような動きが可能となる。つまり、腕Bに対して引き揉みのマッサージ動作が可能となる。これは、単純に腕Bを両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上するマッサージとなる。
なお、リンク機構20は、膨張している状態にあるエアセル31と共に第1リンク部材61を、開口側及び非開口側の内の少なくとも一方側の方向へ移動させる動作を行えばよい。つまり、双方向へ交互に移動させてもよく、開口側の方向へ移動させてもよい。開口側へ移動させる場合、第1リンク部材61と第3リンク部材63との間でエアセル31を介して掴んだ腕Bを開口側へ動かすような動きが可能となる。つまり、腕Bに対して押し揉みのマッサージ動作が可能となる。
また、マッサージユニット10は、腕Bの周方向に沿って設けられる第1機構部51及び第2機構部52を有している。第1機構部51には、腕Bを押圧可能であるマッサージ部としてのエアセル31及び押圧部材64の他に、第1リンク部材61及び第2リンク部材62が含まれる。第2機構部52には、腕Bを押圧可能であるマッサージ部としてのエアセル32の他に、第3リンク部材63が含まれる。そして、これら第1機構部51と第2機構部52との間に形成される空間S1の一方側が腕Bの出し入れのために開口している構成となっている。
第1リンク部材61には、前記マッサージ部(エアセル31及び押圧部材64)が取り付けられており、更に、この第1リンク部材61は、腕Bから離れた第1後退位置B−1(図11、図16参照)と、腕Bに近づいた第1前進位置F−1(図13、図18参照)との間を往復動作することができる。
また、第2リンク部材62には、第1リンク部材61が前記第1後退位置B−1と前記第1前進位置F−1との間を往復動作可能として取り付けられており、更に、この第2リンク部材62は、腕Bから離れた第2後退位置B−2(図11、図16参照)と、腕Bに近づいた第2前進位置F−2(図13、図18参照)との間を往復動作することができる。
そして、第1リンク部材61と共に第2リンク部材62が第2前進位置F−2へ移動して(図13、図18参照)腕Bを掴む動作を行うことが可能であり、また、第1リンク部材61と共に第2リンク部材62が移動することで、マッサージ動作を行うことも可能である。
このように、腕Bを押圧するマッサージ部(エアセル31及び押圧部材64)が取り付けられている第1リンク部材61と共に、第2リンク部材62を第2前進位置F−2(図13、図18)とすることで、第1機構部51と第2機構部52との間でマッサージ部(エアセル31及び押圧部材64)を介して腕Bを掴むことができる。この掴む際、第1リンク部材61のみを第1前進位置F−1とするが、第2リンク部材62を第2前進位置F−2としないで第2後退位置B−2とする場合と比較すると、本実施形態の場合には、腕Bに対してマッサージ部に含まれる施療子64aを開口側の遠い位置へ到達させることが可能となる。つまり、腕Bの開口側の部分B1を掴むことができる。
そして、この腕B(部分B1)を掴んだ状態で、第1リンク部材61と共に第2リンク部材62が移動することにより、マッサージ部(エアセル31及び押圧部材64)を移動させてマッサージ動作を行うことが可能となる。
このマッサージ動作の具体例として次に示す動作がある。つまり、図13(図18)に示す腕Bを掴んだ状態から、図14(図19)の状態を経て、図15(図20)に示すように、エアセル31が膨張状態にあって第1前進位置F−1にある第1リンク部材61と共に、第2前進位置F−2にあった第2リンク部材62が、この第2前進位置F−2から第2後退位置B−2へと移動する動作を行う。
この動作では、第2リンク部材62を第2前進位置F−2としかつ第1リンク部材61を第1前進位置F−1とすることで、第1機構部51と第2機構部52との間でマッサージ部(エアセル31及び押圧部材64)を介して腕Bを掴んでから(図13、図18)、第1リンク部材61と共に第2リンク部材62を第2後退位置B−2へ移動させることから(図15、図20)、この掴んだ腕Bを開口側から非開口側へと動かすような引き揉みが可能となる。この引き揉みによるマッサージ動作は、単純に腕Bを両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する動作となる。
更に、この引き揉みのマッサージ動作とは反対に、第1前進位置F−1にある第1リンク部材61と共に第2リンク部材62が、図15(図20)の状態から、図14(図19)の状態を経て、図13(図18)に示すように、第2後退位置B−2から第2前進位置F−2へと移動してマッサージ動作を行うことが可能である。
また、本実施形態のマッサージユニット10において、前記のとおり、第1機構部51は、複数のリンク部材61,62を有していると共に、隣り合うリンク部材61,62同士を連結する関節部を有しており、複数の前記関節部を起点として複数のリンク部材61,62が動作可能である多関節機構60を有している。前記各形態では、前記関節部は、軸68a,68b(68d)によるリンク部材の連結構造により構成される。
さらに、第1機構部51は、腕Bを押圧可能であるマッサージ部として、エアセル31及び押圧部材64を有しており、このマッサージ部は、複数のリンク部材61,62の内の腕Bに近い先部リンク部材(第1リンク部材61)に設けられている。
そして、第1機構部51と第2機構部52とが腕Bの周方向に沿って設けられている状態(図11、図16参照)から、前記多関節機構60は、複数の前記関節部の全てを起点として複数のリンク部材61,62の全てを一方向(図11、図16において反時計回り)に動作させることにより、図13(図18)に示すように、前記マッサージ部(押圧部材64の施療子64a)を、腕Bに接触可能となる位置であって施療子64aを、前記一方向へ動作させる前の状態と比較して、開口側の遠い位置へ移動させる移動動作を行うことができる。
すなわち、多関節機構60が前記移動動作を行うことで、施療子64aは動作前の状態と比較して、腕Bの開口側の遠い部分へ位置することができる。そして、その状態から多関節機構60が動作してマッサージ動作を行えば、開口側の遠くに位置していた施療子64a(64b)を用いたマッサージが可能であり、マッサージ範囲を広げることができ、単純に腕Bを両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する。
また、このような多関節機構60を備えているマッサージユニット10において、この多関節機構60は、前記移動動作の他に、第1機構部51と第2機構部52とが腕Bの周方向に沿って腕Bの近傍に設けられている状態(図13、図18参照)から、エアセル31が膨張している状態でかつ前記移動動作後の状態にある複数のリンク部材61,62の内の少なくとも前記先部リンク部材(第1リンク部材61)以外のリンク部材62を、前記一方向と反対方向(図13、図18において時計回り)に動作させる。この動作により、開口側にあった施療子64a(64b)が押圧する腕Bを、非開口側へ引き寄せるマッサージ動作を行うことができる。
以上より、多関節機構60が前記移動動作を行うことで、施療子64a(64b)は動作前の状態と比較して腕Bの内の開口側の遠くに位置することができる。そして、その状態から多関節機構60が動作して前記マッサージ動作を行うことで、開口側の遠くに位置していた施療子64a(64b)を引き寄せることで、腕Bに対して引き揉みが可能となる。この引き揉みのマッサージ動作は、単純に身体部位を両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する動作である。なお、先部リンク部材(第1リンク部材61)以外のリンク部材62を一方向と反対方向(図13において時計回り)に動作させると、先部リンク部材(第1リンク部材61)は、その隣りの第2リンク部材62に対して変位しないが、腕Bに対しては変位することとなる。
<第5節>
〔前記マッサージユニット10(その2)及び(その3)の変形例〕
前記マッサージユニット10(その2)及び(その3)の場合、押圧部材64、第1部材11(第1リンク部材61)、及び他のリンク部材62〜63を動作させる動作機構は、膨張することで押圧部材64及び第1部材11(第1リンク部材61)等を押して移動させるエアセル31,65a,65bと、移動した第1部材11(第1リンク部材61)等を移動前の位置に復帰させる付勢力を生じさせるばね(66a,66b,66c)とを有する構成である。この構成によれば、エアセル31,65a等の膨張により押圧部材64及び第1部材11(第1リンク部材61)等を前進させ、エアセル31,65a等が収縮すると、ばね66a,66bの付勢力により押圧部材64及び第1部材11(第1リンク部材61)等を後退させる構成が得られる。
押圧部材64、第1部材11(第1リンク部材61)及び他のリンク部材62,63を動作させる動作機構は、他の構成であってもよく、エアセル31,65a,65bの代わりに、回転するカム部材を用いてもよい。図21及び図22は、図16に示すマッサージユニット10の変形例を説明する説明図である。
図21及び図22に示すように、押圧部材64と第1リンク部材61との間に第1のカム部材67aが設けられており、第1リンク部材61と第2リンク部材62との間に第2のカム部材67bが設けられており、第2リンク部材62と固定部材69との間に第3のカム部材67cが設けられている。これらカム部材67a〜67cはそれぞれ独立して回転駆動可能である。なお、これらカム部材67a〜67cの回転は、図外のモータによる。
カム部材67a,67b,67cそれぞれは、回転中心pから外周までの距離が長い部分(以下、長径部eという)と、回転中心pから外周までの距離が短い部分(以下、短径部fという)とを有している。
カム部材67a〜67cそれぞれの長径部eが、押圧部材64及びリンク部材61,62を押す状態(図21に示す状態)が、前記エアセル31,65a,65bが膨張した状態に相当する。これに対して、カム部材67a〜67cそれぞれの短径部fが、押圧部材64及びリンク部材61,62を押す状態(図22に示す状態)が、前記エアセル31,65a,65bが収縮した状態に相当する。
このように図21及び図22に示すマッサージユニット10では、押圧部材64及び第1リンク部材61等を動作させる動作機構は、カム部材67a,67b,67cを備えており、カム部材67a,67b,67cそれぞれによれば、長径部eが押圧部材64及びリンク部材61,62を押すことで、押圧部材64及びリンク部材61,62を前進させ、短径部fが押圧部材64及びリンク部材61,62を押す状態で、押圧部材64及びリンク部材61,62を後退させる。なお、この動作機構は、図示しないが、前記短径部fが押圧部材64及びリンク部材61,62に当接するのに併せて、押圧部材64及びリンク部材61,62を後退させる付勢力を生じさせる弾性部材としてばねを有している。このばね(弾性部材)の構成は、図11に示すマッサージユニット10のばね66a,66b,66cと同様である。この構成によれば、カム部材67a,67b,67cの回転により押圧部材64及び第1リンク部材61等を動作させる構成が得られる。
<第6節>
〔前記マッサージユニット10(その2)及び(その3)の適用例〕
図11、図16及び図21に示す各マッサージユニット10は、前腕Bを広い範囲で掴み、掴んだ部分を同時にマッサージすることができる。これに対して、図23に示すマッサージ装置は、前腕Bの複数箇所を掴み、掴んだ部分についてマッサージすることができる構成を有している。すなわち、例えば図12(図11)に示すマッサージユニット10についてZ方向の寸法を小さく構成し、これを、図23に示すように、前腕Bの長手方向(Z方向)に沿って複数(図23では三つ)設けた構成とする。なお、図23及び図24は、三つのマッサージユニット10−1,10−2,10−3の平面図である。
三つのマッサージユニット10−1,10−2,10−3はそれぞれ、図24に示すように独立して動作することができる。例えば、手首に最も近い第1のマッサージユニット10−1は掴み開放状態(図11,図16参照)にあり、その隣りの第2のマッサージユニット10−2は、掴み完了状態(図13、図18参照)にあり、肘に最も近い第3のマッサージユニット10−3は、マッサージユニット10−2のように前腕Bの一部を掴んだ状態で、その後、非開口側へ押圧部材64を移動させた状態、つまり、引き揉み動作を行った状態にある。
以上より、図23及び図24に示す形態では、マッサージ装置は、前腕Bの長手方向に沿って設けられている複数のマッサージユニット10−1,10−2,10−3を備えており、制御ユニット(制御部)7(図1参照)は、これらマッサージユニット10−1,10−2,10−3の動作を制御することができる。特に、図24に示す形態では、制御ユニット7は、これらマッサージユニット10−1,10−2,10−3の動作タイミングを相違させて、マッサージユニット10−1,10−2,10−3のそれぞれを動作させる制御を行っている。このマッサージ装置によれば、例えば、前腕Bの一つの範囲を順に掴んで順に引き揉みを行うような動作が可能となる。
なお、ここでは、図11に示すマッサージユニット10を三つ設けた場合について説明したが、図16又は図21に示すマッサージユニット10を三つ設けた構成であってもよく、また、マッサージユニット10の数は、三つに限らず、二つ又は四つ以上であってもよい。
<第7節>
〔前記マッサージユニット10(その2)の変形例〕
図25は、図11に示すマッサージユニット10の変形例を示す説明図である。図11に示すマッサージユニット10では、第3リンク部材63に取り付けられているマッサージ用のエアセル32は単一であるが、図25に示すマッサージユニット10では、マッサージ用のエアセルとして、二つのエアセル32−1,32−2が設けられている。なお、第1機構部51側は、図11に示すマッサージユニット10と同じ構成である。
これらエアセル32−1,32−2は独立して膨張動作及び収縮動作を行うことができる。第3リンク部材63の先部側(図25では左側)に位置するエアセル32−1は、膨張すると腕Bを非開口側へ押圧する成分を有する構成であり、第3リンク部材63の基部側(図25では右側)に位置するエアセル32−2は、膨張すると腕Bを開口側へ押圧する成分を有する構成である。
前記のとおり、マッサージユニット10が腕Bを、押圧部材64を介して第1リンク部材61と第3リンク部材63との間で掴んだ状態で(図26参照)、押圧部材64が第1リンク部材61と共に非開口側へ移動することで、掴んだ腕Bに対して引き揉み動作を行うことができるが、この引き揉み動作の際、腕Bは、空間S1の非開口側のスペースA1(図25参照)に逃げるおそれがある。しかし、本実施形態では、非開口側のスペースA1に移動しようとする腕Bに対して、エアセル32−2は、その反対方向となる開口側へ押圧する成分を有して膨張することから、腕Bが非開口側のスペースA1に逃げるのを防ぐことができる。これにより、強い引き揉み動作を行うことが可能となる。
なお、図25及び図26に示す二つのエアセル32−1,32−2の構成については、図16及び図21に記載のマッサージユニット10に適用してもよい。
<第8節>
〔マッサージユニット(その4)〕
図27は、別のマッサージユニット10の説明図である。図27に示すマッサージユニット10は、図11に示すマッサージユニット10の変形例に相当する。なお、図27は、図11と同様、右腕の前腕Bを肘側から指先側に向かう方向に沿って見た図である。
図27に示すマッサージユニット10は、図11に示すマッサージユニット10と比較すると、押圧部材64の構成が異なり、また、吸引ポンプ34を備えている点で異なる。その他(例えば、掴み機構30や多関節機構60等)については同じであり、同じ点については詳細な説明を省略する。
押圧部材64は、施療子64a,64bの代わりに、吸引部64cを有している。そして、本実施形態のマッサージ装置は、吸引ポンプ(以下、ポンプ34という。)を更に備えており、ポンプ34と吸引部64cとは配管34aを通じて繋がっている。ポンプ34が駆動すると、吸引部64cから、被施療者の腕Bが位置する空間S1の空気が吸引され、これにより、図28及び図29に示すように、腕Bの一部を吸引部64cに吸着する。
そして、このマッサージユニット10は、押圧部材64、複数のリンク部材61,62,63、リンク部材61,62,63を動作させるための動作用のエアセル65a,65b、マッサージ用のエアセル31,32、及び、弾性部材であるばね(コイルばね)66a,66b,66cを備えている。
以上の構成を備えているマッサージユニット10の動作について説明する。図27は、動作用のエアセル65a,65b及びマッサージ用のエアセル31,32が収縮した状態にある。この状態では、第1リンク部材61と第3リンク部材63との間に形成される空間S1は最も広くなる。
これに対して図29は、動作用のエアセル65a,65bが膨張している状態にある。この状態では、第1リンク部材61と第3リンク部材63との間に形成される空間S1はもっとも狭くなる。また、図29では、マッサージ用のエアセル31,32も膨張状態にあり、エアセル32が空間S1に存在する腕Bを下から押圧することができ、また、押圧部材64の吸引部64cが、空間S1に存在する腕Bに上から接触することができる。また、図29では、ポンプ34がエアの吸引を行っており、吸引部64cに腕Bの一部が吸着した状態にある。ここで、前記多関節機構60の動作により、吸引部64cは腕Bの内の開口側の部分B1に吸着することができる。また、図29は、第1リンク部材61と第3リンク部材63とにより腕Bを掴み終えた状態であって、かつ、吸引部64cにより腕Bを吸着している状態を示す。
図29に示す掴み吸着状態から、動作用のエアセル65a,65b及びマッサージ用のエアセル31,32が排気可能状態になると、ばね66a,66b,66cの弾性力によって図11に示す掴み開放状態となる。また、前記排気可能状態となると共に、ポンプ34による吸引動作を停止することで、図27に示す開放状態となり、空間S1における腕Bの出し入れが可能となる。
このように図29に示す掴み吸着状態では、第1リンク部材61と第3リンク部材63とが接近し、両者の間で腕Bを掴むことができ、さらに、エアセル31,32が膨張することで、吸引部64cとエアセル32との間で腕Bを掴むことができると共に、この掴んだ部分を吸引部64cに吸着することができる。
そして、この状態からエアセル65bを排気状態とすると、図28に示すように、ばね66cの弾性力によって第2リンク部材62が固定部材69側に後退する。ただし、この動作の際、エアセル31,65aは膨張状態にある。これにより、腕Bを掴んでかつ吸着した状態で、その腕Bを非開口側へ引き込むような動作が可能となる。つまり、腕Bに対して引き揉みのマッサージが可能となる。
更に、腕Bを非開口側へ引き込んだ状態から、エアセル65bを膨張させることで、図28に示す状態を経て、図29に示す状態とすることもできる。なお、この動作の際、エアセル31,65aは膨張状態にある。この場合、腕Bを掴んでかつ吸着した状態でその腕Bを開口側へ押すような動作が可能となる。つまり、腕Bに対して押し揉みのマッサージが可能となる。
更に、腕Bを開口側へ押した状態(図29参照)と、腕Bを非開口側へ引き込んだ状態とを繰り返すこともできる。これにより、腕Bを掴んでかつ吸着した状態で押し引きすることが可能となる。
また、図27に示す開放状態から図29に示す掴み吸着状態に変化すると、腕Bの開口側の部分B1に吸引部64cを到達させることでき、吸引部64cは腕Bの開口側の部分B1を掴みかつ吸着することができる。そして、腕Bの開口側の部分B1を掴みかつ吸着した状態で、エアセル65bを収縮させることで、掴みかつ吸着した部分(B1)を非開口側へ引いて行う引き揉みのマッサージが可能となる。
なお、図27に示す吸引部64c及びポンプ34を備える構成については、図16及び図21に記載のマッサージユニット10に適用してもよい。
以上より、このマッサージユニット10は、腕Bの上下両側に設けられる第1リンク部材61及び第3リンク部材63を有しており、これらの間に形成される空間S1の一方側が腕Bの出し入れのために開口している。更に、このマッサージユニット10は、第1リンク部材61と共に設けられ腕Bを吸引可能とする吸引部64cを備えている。そして、このマッサージユニット10が備えているマッサージ機構部50(リンク機構20)は、第1リンク部材61と第3リンク部材63とを相対的に接近させる動作の他に、吸引部64cと共に第1リンク部材61を、空間S1の非開口側の方向へ移動させる動作を行うことができる。
このマッサージユニット10によれば、第1リンク部材61と第3リンク部材63とを接近させることで、吸引部64cを、空間S1に存在する腕Bの一部に接触させることができる。そして、吸引部64cが腕Bの一部を吸着した状態で、第1リンク部材61を非開口側の方向へ移動させると、第1リンク部材61と第3リンク部材63との間で掴みかつ吸着した腕Bを、非開口側へ動かすような動きが可能となる。これは、単純に腕Bを両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上するマッサージとなる。
なお、リンク機構20は、腕Bの一部を吸着している吸引部64cと共に第1リンク部材61を、開口側及び非開口側の内の少なくとも一方側の方向へ移動させる動作を行えばよい。つまり、双方向へ交互に移動させてもよく、開口側の方向へ移動させてもよい。開口側へ移動させる場合、第1リンク部材61と第3リンク部材63との間で掴みかつ吸着した腕Bを開口側へ動かすような動きが可能となる。つまり、腕Bに対して押し揉みのマッサージ動作が可能となる。
<第9節>
〔マッサージユニット10(その5)〕
図30及び図31は、別のマッサージユニット10の説明図である。図30及び図31に示すマッサージユニット10(その5)は、図5に示すマッサージユニット10の変形例であり、このマッサージユニット10(その5)を、第1章で説明したマッサージ装置1に設けることができる。なお、図30及び図31は、図5と同様、被施療者の右腕の前腕Bを肘側から指先側に向かう方向に沿って見た図である。図32は、マッサージユニット10(その5)を腕Bの横幅方向の外側から見た説明図である。なお、本節で説明するマッサージ装置1の各部の動作は、このマッサージ装置1の制御ユニット7(図1参照)からの制御信号に基づいて行われる。
マッサージユニット10は、板状である第1部材11、及び、板状である第2部材12を有している。本実施形態では、第2部材12は、マッサージ装置1の固定部(肘掛け部4:図1参照)に固定状態として設けられているのに対して、第1部材11は、この第2部材12に対して接近及び離反する方向に移動可能となっている。第1部材11には、軸状の延在部71が取り付けられている。
第1部材11は、被施療者の腕Bの周囲の一部(外側の側部)に設けられており、腕Bの外側の側面部B1に対向する部材である。第2部材12は、腕Bの周囲の他部(下部)に設けられており、腕Bの下面部B2に対向する部材である。そして、このマッサージユニット10は、第1部材11と第2部材12との間に形成される空間S1の一方側(横幅方向の内側又は内上方側)が、腕Bの出し入れのために開口している構成を備えている。
マッサージユニット10は、更に、第1部材11と共に設けられているマッサージ部を有している。本実施形態の前記マッサージ部は、エアセル31であり、このエアセル31はエアが供給されて膨張し、腕Bの一部(外側の側面部)B1を押圧可能である。
また、このマッサージユニット10は、更に、第1部材11から延在する前記延在部71の端部71aを支持する支持部72と、第1部材11を第2部材12に対して接近及び離反させるための動作部70とを有している。
本実施形態の支持部72は、延在部71の端部71aを支持するガイドレール72aである。ガイドレール72aは、マッサージ装置1の固定部(肘掛け部4:図1参照)に固定状態として設けられている。このガイドレール72aは、一方向(横幅方向)を溝長手方向とする溝を有し、この溝に端部71aが挿入された状態にある。そして、このガイドレール72aは、延在部71の端部71aを、溝長手方向の直線に沿って往復移動可能でかつこの直線に直交する方向に移動不能として支持している。
動作部70は、傾斜カム73と、この傾斜カム73を回転させる駆動部75とを有している。駆動部75は、モータ75aと、モータ75aによって回転する回転軸75bとを有している。回転軸75bは、横幅方向の軸線P1回りに回転可能である。
本実施形態の傾斜カム73は、第1傾斜カム73aと第2傾斜カム73bとを有しており、前記駆動部75によって、これら傾斜カム73a,73bは軸線P1回りに回転軸75bと一体回転可能となっている。
第1部材11の延在部71の途中部に孔が形成されており、この孔を回転軸75bが貫通しており、この孔と回転軸75bとの間には隙間が設けられている。そして、一対の傾斜カム73a,73bによって延在部71は挟まれた状態にある。
第1傾斜カム73aは、軸線P1に対して傾斜する面74aを有しており、第2傾斜カム73bは、軸線P1に対して傾斜する面74bを有しており、これら傾斜する面74a,74bが延在部71に当接するようにして、傾斜カム73a,73bは配設されている。傾斜する面74a,74bは平行である。
以上の構成を備えたマッサージユニット10によれば、モータ75aによって傾斜カム73a,73bを回転させることで、第1部材11が、回転軸75bを支点として揺動し、これにより第2部材12に対して接近及び離反する方向へ移動可能となる。なお、この際、ガイドレール72aは、この第1部材11の前記移動を許容するようにして、延在部71の端部71aを支持している。そして、傾斜カム73a,73bの回転を継続することで、第1部材11は第2部材12に対して接近及び離反を繰り返し行うことができる。
これにより、第1部材11は、前記空間S1を狭くする方向へ移動し、また、前記空間S1を広くする方向へ移動し、更にこの第1部材11に設けられているエアセル31が膨張することによって、腕Bに対してマッサージ動作を行うことができる。つまり、第1部材11が第2部材12との間で腕Bを挟むと共に、この挟む動作に併せて膨張するエアセル31が腕Bを押すマッサージ動作が可能となる。
特に本実施形態では、第1部材11は、傾斜カム73a,73bによって動作し、前記のような支持部72によって支持されていることから、モータ75aによる傾斜カム73a,73bの回転によって、第1部材11は、延在部71の長手方向に沿った仮想線L1を中心として一方向(図32の矢印R1方向)に回りながら第2部材12に接近する動作を行うことができ(図30から図31の状態)、また、第1部材11は、前記仮想線L1を中心として他方向(図32の矢印R2方向)に回りながら第2部材12から離れる動作を行うことができる(図31から図30の状態)。これにより、腕Bに与えるマッサージ感をより一層高めることができる。
<第10節>
〔前記マッサージユニット10(その5)の変形例〕
図33〜図35は、図30〜図32に示すマッサージユニット10の変形例を示す説明図である。両マッサージユニット10において異なる点は、支持部72の構成である。その他は同じであり、ここでは同じ点については説明を省略する。
図33〜図35において、支持部72は、球面継手構造を有して第1部材11を支持している。つまり、支持部72は、延在部71の端部71aに設けられている第1球面座72bと、固定状態にある第2球面座72cと、これら球面座72b,72cの間に介在しているシャフト72dとを有している。第2球面座72cは、マッサージ装置1の固定部(肘掛け部4:図1参照)に固定状態として設けられている。
シャフト72dは、その両端に、球面座72b,72cと接する球面部72e,72fを有しており、シャフト72dは、第1球面座72bに保持されている第1球面部72eの中心回りに360°変位可能であり、また、第2球面座72cに保持されている第2球面部72fの中心回りに360°変位可能となっている。
以上の構成を備えたマッサージユニット10によれば、モータ75aによって傾斜カム73a,73bを回転させることで、第1部材11が、回転軸75bを支点として揺動し、これにより第2部材12に対して接近及び離反する方向へ移動可能となる。なお、この際、球面継手構造を有する支持部72は、この第1部材11の前記移動を許容するようにして、延在部71の端部71aを支持している。そして、傾斜カム73a,73bの回転を継続することで、第1部材11は第2部材12に対して接近及び離反を繰り返し行うことができる。これにより、第1部材11は、前記空間S1を狭くする方向へ移動し、また、前記空間S1を広くする方向へ移動し、この第1部材11に設けられているエアセル31が膨張することによって、腕Bに対してマッサージ動作を行うことができる。つまり、第1部材11が第2部材12との間で腕Bを挟むと共に、この挟む動作に併せて膨張するエアセル31が腕Bを押すマッサージ動作が可能となる。
特に本実施形態では、第1部材11は、傾斜カム73a,73bによって動作し、前記のような支持部72によって支持されていることから、モータ75aによる傾斜カム73a,73bの回転によって、第1部材11は、延在部71の長手方向に沿った仮想線L1を中心として一方向(図35の矢印R1方向)に回りながら第2部材12に接近する動作を行うことができ(図33から図34の状態)、また、第1部材11は、前記仮想線L1を中心として他方向(図35の矢印R2方向)に回りながら第2部材12から離れる動作を行うことができる(図34から図33の状態)。これにより、腕Bに与えるマッサージ感をより一層高めることができる。
また、前記マッサージユニット10(その5:図30〜図32)及びその変形例(図33〜図35)の動作によれば、被施療者の腕Bを第1部材11と第2部材12との間で掴み揉みすることができる。しかも、第1部材11と第2部材12とは剛性を有する部材からなり、このような剛性を有する部材が接近することで腕Bに対して機械的に行われる掴み動作と、圧縮性を有する膨張状態のエアセル31によりこの腕Bに対して行われる掴み動作との複合動作(ハイブリッド動作)が可能であり、この複合動作によって、被施療者の腕Bに対する掴み動作が行われる。しかも、第1部材11は、前記仮想線L1を中心として回りながら掴み動作を行うことができ、腕Bを徐々に掴む動作となる。
<第11節>
〔マッサージユニット10(その6)〕
図36〜図38は、別のマッサージユニット10の説明図である。このマッサージユニット10(その6)は、図5に示すマッサージユニット10の変形例であり、このマッサージユニット10(その6)を、第1章で説明したマッサージ装置1に設けることができる。なお、図36〜図38は、図5と同様、被施療者の右腕の前腕Bを肘側から指先側に向かう方向に沿って見た説明図である。図39は、マッサージユニット10(その6)を腕Bの横幅方向の外側から見た説明図である。なお、本節で説明するマッサージ装置1の各部の動作は、このマッサージ装置1の制御ユニット7(図1参照)からの制御信号に基づいて行われる。
マッサージユニット10は、被施療者の腕Bの上下両側に設けられる第1機構部51及び第2機構部52を有している。第1機構部51は、腕Bを一方側(上側)から覆う第1部材76と、この第1部材76に沿って移動可能であって第1エアセル31が取り付けられている第1移動体78とを有している。第1移動体78は、第1部材76に設けられている図外のガイドによって移動可能に支持されている。第2機構部52は、腕Bを他方側(下側)から覆う第2部材79と、この第2部材79に沿って移動可能であって第2エアセル32が取り付けられている第2移動体81とを有している。第2移動体81は、第2部材79に設けられている図外のガイドによって移動可能に支持されている。
第1部材76及び第2部材79は、腕Bの横幅方向(図36では左右方向)に所定の長さを有する上壁部材及び下壁部材からなり、これらは側部の壁部材76bによって連結されており、全体として横幅方向の内側に開口した構成となっている。図36〜図38において、左側が開口側となり、その反対側が非開口側となる。そして、第2部材79が、マッサージ装置1(図1参照)の肘掛け部4に取り付けられている。このマッサージユニット10では、第1機構部51(第1部材76)と第2機構部52(第2部材79)との間に形成される空間S1の一方側(内側)が腕Bの出し入れのために開口している。
更に、第1機構部51は、第1部材76及び側部の壁部材76bに沿って設けられ回転駆動する環状の第1無端ベルト77を有している。第1無端ベルト77は、複数のローラ77bによって支持されており、そして、モータ77aによって回転する。マッサージ装置1の制御ユニット7(図1参照)からの制御信号に基づいて、モータ77aは正逆回転可能である。
前記第1移動体78は、第1無端ベルト77の一部に取り付けられており、第1無端ベルト77の正逆回転により、第1移動体78は第1部材76に沿ってマッサージユニット10の前記開口側の位置とその反対側(非開口側)の位置との間を往復移動する。第1移動体78には第1エアセル31が取り付けられていることから、第1エアセル31は、マッサージユニット10の前記開口側の位置とその反対側(非開口側)の位置との間を往復移動可能となる。
また、第2機構部52は、第2部材79に沿って設けられ回転駆動する環状の第2無端ベルト80を有している。第2無端ベルト80は、ローラ80bによって支持されており、そして、モータ80aによって回転する。マッサージ装置1の制御ユニット7(図1参照)からの制御信号に基づいて、モータ80aは正逆回転可能である。
前記第2移動体81は、第2無端ベルト80の一部に取り付けられており、第2無端ベルト80の正逆回転により、第2移動体81は第2部材79に沿ってマッサージユニット10の前記開口側の位置とその反対側(非開口側)の位置との間を往復移動する。第2移動体81には第2エアセル32が取り付けられていることから、第2エアセル32は、マッサージユニット10の前記開口側の位置とその反対側(非開口側)の位置との間を往復移動可能となる。
そして、このマッサージユニット10では、第1エアセル31と第2エアセル32とが膨張することにより、腕Bを挟んだ状態とすることができ、そして、この状態で、第1エアセル31と第2エアセル32とは相互の間隔を変化させて移動することができる。具体的に説明すると、第1エアセル31と第2エアセル32とが膨張して腕Bを挟んだ状態で、図37に示すように、第1エアセル31が開口側に位置し、そして、第2エアセル32が非開口側に位置している状態から、第1エアセル31が非開口側に移動し、そして、第2エアセル32が開口側に移動し、図38に示すように、第1エアセル31が非開口側に位置し、第2エアセル32が開口側に位置することができる。その後、第1エアセル31と第2エアセル32とが膨張して腕Bを挟んだ状態で、第1エアセル31が開口側に移動し、そして、第2エアセル32が非開口側に移動することで、図37に示す状態に戻る。
このように図37に示す状態と図38に示す状態とを交互に繰り返すことで、第1機構部51と第2機構部52との間でエアセル31,32により掴んだ腕Bを、開口側及びその反対側(非開口側)へ動かすような引き揉み(又は押し揉み)が可能となる。この結果、単純に腕Bを両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する。
<第12節>
〔前記マッサージユニット10(その6)の変形例〕
図40〜図42は、図36〜図38に示すマッサージユニット10の変形例を示す説明図である。両マッサージユニット10において異なる点は、第1移動体78及び第2移動体81を移動させるための機構である。その他は同じであり、ここでは同じ点については説明を省略する。
図40〜図42に示すマッサージユニット10において、第1機構部51側では、腕Bを一方側(上側)から覆う第1部材76に第1ラック部76aが設けられており、第2機構部52側では、腕Bを他方側(下側)から覆う第2部材79に第2ラック部79aが設けられている。これらラック部76a,79aは、腕Bの横幅方向に長く設けられている。
第1移動体78には、第1エアセル31が取り付けられており、また、この第1移動体78には、第1ラック部76aに噛み合う第1ピニオン78a、及びこの第1ピニオン78aを回転させる第1モータ78bが搭載されている。第1モータ78bの出力軸と、第1ピニオン78aとの間には無端ベルト78cが介在し、動力伝達がなされる。また、第1移動体78には、ガイドローラ78d及び連結部材78eが設けられており、このガイドローラ78dが第1部材76を第1ピニオン78aとの間で挟むようにして構成されている。連結部材78eは、ガイドローラ78dと第1ピニオン78aとを連結している。
第2移動体81には、第2エアセル32が取り付けられており、また、この第2移動体81には、第2ラック部79aに噛み合う第2ピニオン81a、及びこの第2ピニオン81aを回転させる第2モータ81bが搭載されている。第2モータ81bの出力軸と、第2ピニオン81aとの間には無端ベルト81cが介在し、動力伝達がなされる。また、第2移動体81には、ガイドローラ81d及び連結部材81eが設けられており、このガイドローラ81dが第2部材79を第2ピニオン81aとの間で挟むようにして構成されている。連結部材81eは、ガイドローラ81dと第2ピニオン81aとを連結している。
このマッサージユニット10の場合、第1モータ78bにより第1ピニオン78aを回転させることで、第1移動体78は第1ラック部76aに沿って移動可能となり、また、第2モータ81bにより第2ピニオン81aを回転させることで、第2移動体81は第2ラック部79aに沿って移動可能となる。
そして、前記マッサージユニット10(その6)と同様に、第1エアセル31と第2エアセル32とが膨張して腕Bを挟んだ状態で、第1エアセル31と第2エアセル32とは相互の間隔を変化させて移動することができる(図41及び図42参照)。つまり、図41に示す状態と、図42に示す状態とを交互に繰り返すことで、第1機構部51と第2機構部52との間でエアセル31,32により掴んだ腕Bを、開口側及びその反対側(非開口側)へ動かすような引き揉み(又は押し揉み)が可能となる。この結果、単純に腕Bを両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する。
<第13節>
〔前記マッサージユニット10(その6)の更に別の変形例〕
図43〜図45は、図36〜図38に示すマッサージユニット10の変形例を示す図である。両マッサージユニット10において異なる点は、第1移動体78及び第2移動体81を移動させるための機構である。その他は同じであり、ここでは同じ点については説明を省略する。
図43〜図45に示すマッサージユニット10において、第1機構部51は、第1部材76、第1移動体78、第1クランク83a、第1ワイヤ84a、及び第1バネ82aを有している。前記マッサージユニット10(その6)と同様に、第1部材76は、腕Bを一方側(上側)から覆う壁部材であり、また、第1移動体78は、第1エアセル31が取り付けられていると共に、第1部材76に沿って移動可能となっている。第1移動体78は、第1部材76に設けられている図外のガイドによって移動可能に支持されている。
第1クランク83aは、側部の壁部材76b側に設けられており、マッサージ装置1の制御ユニット7(図1参照)からの制御信号に基づいて、図外のモータによって正逆回転する。
第1ワイヤ84aは、第1クランク83aと第1移動体78とを連結しており、また、その途中は、複数のローラ84cによって支持されている。第1クランク83aの回転方向の位相に応じて、第1ワイヤ84aは、第1移動体78を非開口側へ引っ張ることができる(図44参照)。
第1バネ82aは、第1部材76の開口側の一部と第1移動体78との間に取り付けられており、第1ワイヤ84aが第1移動体78を引っ張る力に抗する弾性力を第1移動体78に付与することができる。このため、第1クランク83aの回転方向の位相に応じて、第1バネ82aは、第1移動体78を開口側へ引っ張ることができる(図45参照)。
第2機構部52は、第2部材79、第2移動体81、第2クランク83b、第2ワイヤ84b、及び第2バネ82bを有している。前記マッサージユニット10(その6)と同様に、第2部材79は、腕Bを他方側(下側)から覆う壁部材であり、また、第2移動体81は、第2エアセル32が取り付けられていると共に、第2部材79に沿って移動可能となっている。第2移動体81は、第2部材79に設けられている図外のガイドによって移動可能に支持されている。
第2クランク83bは、側部の壁部材76b側に設けられており、マッサージ装置1の制御ユニット7(図1参照)からの制御信号に基づいて、図外のモータによって正逆回転する。
第2ワイヤ84bは、第2クランク83bと第2移動体81とを連結している。第2クランク83bの回転方向の位相に応じて、第2ワイヤ84bは、第2移動体81を非開口側へ引っ張ることができる(図45参照)。
第2バネ82bは、第2部材79の開口側の一部と第2移動体81との間に取り付けられており、第2ワイヤ84bが第2移動体81を引っ張る力に抗する弾性力を第2移動体81に付与することができる。このため、第2クランク83bの回転方向の位相に応じて、第2バネ82bは、第2移動体81を開口側へ引っ張ることができる(図44参照)。
以上の構成を備えているマッサージユニット10によれば、図45に示す状態から図44に示す状態のように、第1機構部51において、第1クランク83aの回転方向の位相に応じて第1ワイヤ84aが第1移動体78を引っ張ると(図44)、第1バネ82aに抗して、第1移動体78は非開口側に移動する。そして、このような図45に示す状態から図44に示す状態のように、第1移動体78の移動タイミングに併せて、第2機構部52において、第2クランク83bの回転方向の位相に応じて第2ワイヤ84bによる第2移動体81の引っ張りが解除されると、第2バネ82bの復元力により第2移動体81は開口側に移動する。
図44の状態から、第1クランク83aが180°回転すると、その回転方向の位相に応じて第1ワイヤ84aによる第1移動体78の引っ張りが解除され(図45)、第1バネ82aの復元力により第1移動体78は開口側に移動する。この第1移動体78の移動タイミングに併せて、第2クランク83bが180°回転すると、その回転方向の位相に応じて第2ワイヤ84bが第2移動体81を引っ張り、第2バネ82bに抗して、第2移動体81は非開口側に移動する(図45)。
このように、前記マッサージユニット10(その6)と同様に、第1エアセル31と第2エアセル32とが膨張して腕Bを挟んだ状態で、第1エアセル31と第2エアセル32とは相互の間隔を変化させて移動することができる(図44及び図45参照)。つまり、図44に示す状態と、図45に示す状態とを交互に繰り返すことで、第1機構部51と第2機構部52との間でエアセル31,32により掴んだ腕Bを、開口側及びその反対側(非開口側)へ動かすような引き揉み(又は押し揉み)が可能となる。この結果、単純に腕Bを両側から挟んで行う揉みと比較して、マッサージの体感が向上する。
<第14節>
〔マッサージユニット10(その7)〕
図46及び図47は、別のマッサージユニット10の説明図である。このマッサージユニット10(その7)は、図5に示すマッサージユニット10の変形例であり、このマッサージユニット10(その7)を、第1章で説明したマッサージ装置1に設けることができる。なお、図46及び図47は、図5と同様、被施療者の右腕の前腕Bを肘側から指先側に向かう方向に沿って見た図である。図48は、マッサージユニット10(その7)を腕Bの横幅方向の外側から見た図である。なお、本節で説明するマッサージ装置1の各部の動作は、このマッサージ装置1の制御ユニット7(図1参照)からの制御信号に基づいて行われる。
マッサージユニット10は、枠体59と、被施療者の腕Bの上側に設けられる第1部材11と、この腕Bの下側に設けられる第2部材12とを有している。枠体59は、上枠59a、下枠59b、及びこれら上枠59aと下枠59bとを連結している横枠59cを有しており、上枠59a、下枠59b、及び横枠59cそれぞれは板状の部材からなる。そして、下枠59bが、マッサージ装置1(図1参照)の肘掛け部4に取り付けられている。第1部材11は、(厚い)板状の部材であり、上枠59a側において図外のガイドによって上下方向に移動可能として支持されている。第2部材12は、(厚い)板状の部材であり、下枠59b側において図外のガイドによって上下方向に移動可能として支持されている。
第1部材11と第2部材12との間には空間S1が形成されており、このマッサージユニット10では、第1部材11と第2部材12とが離れた状態で、前記空間S1の一方側(横幅方向の内側)が腕Bの出し入れのために開口している。図46及び図47において、左側が開口側となり、その反対側が非開口側となる。また、第2部材12は、腕Bの下方に設置されることから、腕Bを下から支持する構成となる。
本実施形態のマッサージユニット10は、更に、第1部材11を上下方向に移動させる第1の駆動部53と、第2部材12を上下方向に移動させる第2の駆動部54とを有している。
第1の駆動部53は、上枠59aと第1部材11との間に介在している第1駆動用エアセル53a及び第1バネ53bを有して構成されている。第1駆動用エアセル53aは、エアが供給されることで膨張し、上枠59aに対して第1部材11を押し下げる。第1バネ53bは、エアセル53aを挟んで両側に設けられている。第1バネ53bは、引張バネであり、エアセル53aのエアが排気状態になると、第1部材11を引き上げる機能を有している。
第2の駆動部54は、下枠59bと第2部材12との間に介在している第2駆動用エアセル54a及び第2バネ54bを有して構成されている。第2駆動用エアセル54aは、エアが供給されることで膨張し、下枠59bに対して第2部材12を押し上げる。第2バネ54bは、エアセル54aを挟んで両側に設けられている。第2バネ54bは、引張バネであり、エアセル54aのエアが排気状態になると、第2部材12を引き下げる機能を有している。
本実施形態では、第1部材11及び第2部材12の双方が、駆動部53,54によって上下方向に移動する場合について説明したが、第1部材11及び第2部材12の内の少なくとも一方が、駆動部53(54)によって上下方向に移動する構成であればよい。例えば、第2部材12は固定された部材であってもよい。
第1部材11は、一対のマッサージ用エアセル55,55を有している。これらエアセル55,55はエアが供給されることで膨張することができ、腕Bの一部(上部)を押すことができる。第1部材11側では、腕Bの一部(上部)の両側にエアセル55,55が設けられていることから、これらエアセル55,55が膨張することにより、腕Bの一部(上部)を両側から挟む動作を行うことができる。
第2部材12は、一対のマッサージ用エアセル56,56を有している。これらエアセル56,56はエアが供給されることで膨張することができ、腕Bの一部(下部)を押すことができる。第2部材12側では、腕Bの一部(下部)の両側にエアセル56,56が設けられていることから、これらエアセル56,56が膨張することにより、腕Bの一部(下部)を両側から挟む動作を行うことができる。
第1の駆動部53が有する第1駆動用エアセル53a、及び第2の駆動部54が有する第2駆動用エアセル54aに対してエアが給気されると、第1部材11と第2部材12とは接近動作し、エアが排気状態になると、バネ53b,54bの弾性力により、第1部材11と第2部材12とは離反動作する。
そして、第1部材11と第2部材12とが接近した状態であって、上側のマッサージ用エアセル55,55が膨張して腕Bの一部(上部)を挟んでいる状態で、第1駆動用エアセル53aのエアが給気状態から排気可能状態となると、第1バネ53bの力(復元力)により、第1部材11はエアセル55,55と共に上昇する(図47参照)。これに併せて、下側のマッサージ用エアセル56,56が膨張して腕Bの一部(下部)を挟んでいる状態で、第2駆動用エアセル54aのエアが給気状態から排気可能状態となると、第2バネ54bの力(復元力)により、第2部材12はエアセル56,56と共に降下する(図47参照)。
以上のように、このマッサージユニット10によれば、第2部材12により下から支持する腕Bを、一対のマッサージ用のエアセル55,55(及び56,56)によって両側から挟んだ状態で、第1部材11と第2部材12とを相対的に上下方向に沿って離反させることができる。これにより、腕Bに対して引き揉みが可能となり、マッサージの体感が向上する。
また、この後、第1駆動用エアセル53a及び第2駆動用エアセル54aを、排気状態から給気状態とすると、第1部材11と第2部材12とは接近し、更に、一対のマッサージ用のエアセル55,55(及び56,56)によって腕Bを両側から挟んだ状態で、第1駆動用エアセル53a及び第2駆動用エアセル54aを、給気状態から排気可能状態とし、これを繰り返すことで、引き揉みのマッサージを繰り返し行うことができる。
なお、このマッサージユニット10は、腕Bを上下両側から挟み、上下方向に沿って引き揉みを行う場合について説明したが、図46及び図47に示すマッサージユニット10を、例えば時計回り方向に90°回転させた配置とし、第1部材11と第2部材とが腕Bを横幅方向の両側から挟み、横幅方向に沿って引き揉みを行う構成としてもよい。
なお、図46及び図47に示す実施形態のように腕Bを上下両側から挟むマッサージユニット10の場合、第2部材12のマッサージ用のエアセル56,56を省略してもよいが、腕Bを横幅方向の両側から挟むマッサージユニット10の場合、腕Bを拘束するために、第1部材11のマッサージ用のエアセル55,55、及び第2部材12のマッサージ用のエアセル56,56の双方が必要である。
つまり、腕Bを例えば横幅方向の両側から挟むマッサージユニット10を構成するためには、このマッサージユニット10は、被施療者の腕Bに対して第1の方向(横幅方向)の一方側(外側)に設けられる第1部材11、この腕Bに対して第1の方向(横幅方向)の他方側(内側)に設けられる第2部材12、及び、これら第1部材11及び第2部材12の内の少なくとも一方を第1の方向(横幅方向)に移動させる駆動部53(54)を有している。そして、このマッサージユニット10では、第1部材11と第2部材12とが離れた状態で、これら第1部材11と第2部材12との間において腕Bを、上方から出し入れ可能とすることができる。
第1部材11は、膨張することで腕Bを第2の方向(上下方向)の両側から挟む動作を行う一対の第1のエアセル55,55を有しており、また、第2部材12は、膨張することで腕Bを第2の方向(上下方向)の両側から挟む動作を行う一対の第2のエアセル56,56を有している。
そして、駆動部53(54)は、第1のエアセル55,55及び第2のエアセル56,56によって腕Bを挟んだ状態で、第1部材11と第2部材12とを相対的に第1の方向(左右方向)に沿って離反させる。
この構成によれば、腕Bは、第1の方向の両側(つまり、第1部材11側及び第2部材12側)それぞれにおいて、第1のエアセル55,55及び第2のエアセル56,56により第2の方向(つまり、上下方向)の両側から挟まれた状態となり、この状態から、駆動部53(54)によって第1部材11と第2部材12とを第1の方向(横幅方向)に沿って離反させることで、腕Bに対して引き揉みが可能となり、マッサージ感が向上する。
<第15節>
〔各種マッサージユニット10を変位させるための機構〕
前記の各節で説明した被施療者の身体部位(腕B)を掴み揉みするマッサージユニット10を全体として変位させてもよく、そのための機構(以下、変位機構と呼ぶ)について説明する。なお、以下において説明する図49〜図61では、マッサージユニット10の構成を簡略化して記載している。なお、前記変位機構を備えているマッサージ装置1の場合、マッサージユニット10が肘掛け部4等に完全に固定されている構成ではなく、マッサージユニット10は肘掛け部4等に変位可能として支持されている構成となる。また、本節で説明するマッサージ装置1の各部の動作は、このマッサージ装置1の制御ユニット7(図1参照)からの制御信号に基づいて行われる。
〔変位機構(その1)〕
図49は、被施療者の腕Bを掴み揉みするマッサージユニット10の変位機構99の概略構成図であり、腕Bの横幅方向の外側から見た場合の図である。図49に示す変位機構99は、マッサージユニット10の内の腕Bの長手方向一方側(肘側)に設けられている第1アクチュエータ91aと、マッサージユニット10の内の腕Bの長手方向他方側(指先側)に設けられている第2アクチュエータ91bとを備えている。本実施形態のアクチュエータ91a,91bは、油圧シリンダーである。そこで、このマッサージ装置1は、アクチュエータ91a,91bを動作させる油圧ユニット92を更に備えている。油圧ユニット92は、アクチュエータ91a,91bそれぞれに作動油を供給することで、アクチュエータ91a,91bを伸長させることができ、また、作動油を油圧ユニット92側に排出させることで、アクチュエータ91a,91bを短縮させる。
第1アクチュエータ91aのロッド92aの先端は、球面継手93aを介してマッサージユニット10(外カバー19等)の肘側の部分(19a)と連結されている。球面継手93aは、ロッド92aの先端に設けられている球状部93a−1と、マッサージユニット10に取り付けられている球面座93a−2とを備えている。第1アクチュエータ91aのシリンダー本体はマッサージ装置1のフレームに固定されている。
そして、第1アクチュエータ91aは、伸縮動作することによって、マッサージユニット10の一部(肘側の部分)19aを変位させることができる。図50及び図51に示すように、本実施形態では、水平の姿勢にあった腕Bに対して上下方向(腕Bの長手方向に交差する方向)に、マッサージユニット10の一部(肘側の部分)19aを上下方向に変位させることができる。
第2アクチュエータ91bのロッド92bの先端は、球面継手93bを介してマッサージユニット10(外カバー19等)の指先側の部分(19b)と連結されている。球面継手93bは、ロッド92bの先端に設けられている球状部93b−1と、マッサージユニット10に取り付けられている球面座93b−2とを備えている。第2アクチュエータ91bのシリンダー本体はマッサージ装置1のフレームに固定されている。
そして、第2アクチュエータ91bは、伸縮動作することによって、マッサージユニット10の一部(指先側の部分)19bを変位させることができる。図50及び図51に示すように、本実施形態では、水平の姿勢にあった腕Bに対して上下方向(腕Bの長手方向に交差する方向)に、マッサージユニット10の一部(指先側の部分)19bを上下方向に変位させることができる。
この変位機構99を備えているマッサージ装置1によれば、マッサージユニット10を上下方向に変位させることができる。本実施形態では、図50に示すように、第1アクチュエータ91aを伸長させ第2アクチュエータ91bを収縮させることにより、腕Bをエアセル31,32によって挟んだ状態にあるマッサージユニット10を、この腕Bの長手方向に直交する横幅方向の仮想線L2回りに変位(回転)させることができる。そして、これとは逆に、図51に示すように、第2アクチュエータ91bを伸長させ第1アクチュエータ91aを収縮させることにより、腕Bをエアセル31,32によって掴んだ状態にあるマッサージユニット10を、仮想線L2回りに反対方向に変位(回転)させることができる。そして、この動作を交互に繰り返し行うことができ、腕Bを、掴んだ状態で、その腕Bの長手方向に直交する左右方向の仮想線L2回りに回すマッサージ動作が可能となる。
〔変位機構(その2)〕
図52は、被施療者の腕Bを掴み揉みするマッサージユニット10の変位機構99の概略構成図であり、腕Bの横幅方向の外側から見た場合の図である。図52に示す変位機構99は、マッサージユニット10を腕Bの長手方向に交差(直交)する方向の直線(仮想線L2)に平行な仮想線(L3)回りに変位(回動)させるアクチュエータ機構94を備えている。
図52に示す形態では、マッサージユニット10の一部(外カバー19)に、ラック部94aが形成されている。このラック部94aは、このラック部94aに噛み合う後述のピニオン94bの回転中心線L3を中心とした円弧に沿って複数の歯が形成されて成るものである。なお、この回転中心線L3は、腕Bの長手方向に交差(直交)する方向の直線(仮想線L2)に平行な直線である。そして、アクチュエータ機構94は、このラック部94aに噛み合うピニオン94bと、このピニオン94bを回転させるモータ94cとを有している。マッサージ装置1の制御ユニット7(図1参照)からの制御信号に基づいて、モータ94cは正逆回転可能である。
ピニオン94bは、マッサージ装置1のフレーム等に、横幅方向の回転中心線L3回りに回転可能として設置されている。そして、マッサージユニット10は、この回転中心線L3を中心とする円弧に沿って移動可能として、図外のガイドによってマッサージ装置1のフレーム等に支持されている。
この変位機構99を備えているマッサージ装置1によれば、モータ94cによりピニオン94bを一方向(図52において矢印R1方向)に回転させることで、マッサージユニット10を前記直線(L2)に平行な仮想線(前記回転中心線L3)回りに変位(回転)させることができる(図53参照)。そして、この図53に示す状態からピニオン94bを他方向(図53において矢印R2方向)に回転させることで、マッサージユニット10を前記仮想線(前記回転中心線L3)回りに、反対方向に変位(回転)させることができる(図54参照)。そして、この動作を交互に繰り返し行うことができる。
これにより、マッサージユニット10が腕Bを掴んだ状態で、この腕Bを前記直線(仮想線L2)回りに回す(捻る)マッサージ動作が可能となる。
〔変位機構(その3)〕
図55及び図56は、マッサージユニット10の変位機構99の概略構成図であり、被施療者の右腕の前腕Bを肘側から指先側に向かう方向に沿って見た図である。また、図57は、マッサージユニット10及び変位機構99を腕Bの横幅方向の外側から見た場合の説明図である。
本実施形態では、被施療者の腕Bを掴み揉みするマッサージユニット10の一部(外カバー19の開口側の下部)が、支持部96によって支持されている。支持部96は、球面継手を有する構成である。つまり、支持部96は、マッサージ装置1のフレーム等に固定されている第1球面座96aと、マッサージユニット10の開口側の一部(外カバー19の開口側の下部)に設けられている第2球面座96bと、これら球面座96a,96bの間に介在しているシャフト96cとを有している。
シャフト96cは、その両端に、球面座96a,96bと接する球面部96d,96eを有しており、シャフト96cは、第1球面座96aに保持されている第1球面部96dの中心回りに360°変位可能であり、また、第2球面座96bに保持されている第2球面部96eの中心回りに360°変位可能となっている。
そして、このマッサージ装置1では、変位機構99として、腕Bを掴み揉みするマッサージユニット10の他部(外カバー19の非開口側の部分)と連結されているアクチュエータ機構97を備えている。このアクチュエータ機構97は、支持部96側を支点としてマッサージユニット10を、腕Bの長手方向に交差する上下方向に変位させることができる。
この変位を実現させるために、アクチュエータ機構97は、腕Bの長手方向に平行な回転中心線L6回りに回転する偏心カム97aと、この偏心カム97aとマッサージユニット10の他部(外カバー19の非開口側の部分)とを連結しているアーム97bとを有している。偏心カム97aは、図外のモータによって回転する。
そして、本実施形態のアクチュエータ機構97は、図57に示すように、マッサージユニット10の内の腕Bの長手方向に離れた二箇所それぞれの前記他部(外カバー19の非開口側の部分)と連結されている。つまり、第1のアクチュエータ機構97−1は、マッサージユニット10の肘側の部分19aと連結されており、第2のアクチュエータ機構97−2は、マッサージユニット10の指先側の部分19bと連結されている。
そして、一方側である第1のアクチュエータ機構97−1の偏心カム97a−1と、他方側である第2のアクチュエータ機構97−2の偏心カム97a−2とは、これらカム97a−1,97a−2の回転方向の位相が一致して、共通する回転軸98に取り付けられている。なお、この回転軸98は、図外のモータによって前記回転中心線L6回りに回転する。
この構成によれば、回転軸98が回転することで、一方側の偏心カム97a−1と他方側の偏心カム97a−2とは、同時に同じ位相で回転することができ、図55及び図56に示すように、マッサージユニット10を、支持部96側を支点として、上下方向に変位させることができる。この結果、このマッサージユニット10で掴み揉みする腕Bの長手方向に平行な仮想線L4を回転中心として、このマッサージユニット10を往復運動(往復回動)させることができる。
〔変位機構(その4)〕
なお、図55〜図57に示す形態では、カム97a−1,97a−2の回転方向の位相が一致している場合について説明したが、回転方向の位相が相違していてもよい。図58に示す形態では、一方側の偏心カム97a−1と、他方側の偏心カム97a−2とは、回転方向の位相が、180°相違している。なお、この場合、マッサージユニット10(外カバー19)の二箇所の部分19a,19bそれぞれと、アーム97b,97bとは、球面継手により結合されている。
この場合、偏心カム97a−1,97a−2を回転させることで、マッサージユニット10を、支持部96側を支点として上下方向に変位させることができると共に、その変位の位相を、マッサージユニット10の二箇所(19a,19b)それぞれにおいて相違させることができる(図58及び図59参照)。この結果、腕Bの長手方向に直交する仮想線L5回りに、マッサージユニット10を往復運動(往復回動)させる成分も生じさせることができる。
〔変位機構(その5)〕
また、図60に示すように、偏心カム97a−1,97a−2は、偏心傾斜カムであってもよい。つまり、一方の偏心カム97a−1は、この偏心カム97a−1の回転中心線L6に対して傾斜する面97cを有している。そして、この傾斜する面97cがアーム97bに当接可能として設けられている。なお、他方の偏心カム97a−2も同様の構成である。これにより、偏心カム97a−1(97a−2)が回転すると、アーム97bは、腕Bの長手方向の成分を有して揺動することができ(図60及び図61参照)、これにより、マッサージユニット10を腕Bの長手方向の成分を有して揺動させる。
このように偏心カム97a−1,97a−2が偏心傾斜カムである場合、マッサージユニット10を、支持部96側を支点として、上下方向に変位させることができると共に、このマッサージユニット10を、腕Bの長手方向の成分を有して揺動させる。つまり、このマッサージユニット10を、腕Bの前後に揺すりながら長手方向に直交する仮想線L5回りに往復運動(往復回動)させる成分も生じさせることができる。
<第16節>
〔マッサージユニット10の配置について〕
被施療者の腕や脚をマッサージするために、前記各形態のマッサージユニット10を肘掛け部4やフットレスト5に設けた場合について説明したが、マッサージユニット10は、他の身体部位を対象としてマッサージ動作するように構成してもよい。例えば、被施療者の上腕、肩、腰等を対象としてもよく、この場合、マッサージユニット10を座部2や背もたれ部3等に設けてもよい。
<第17節>
この第2章で説明した各形態のマッサージユニット10により、被施療者の身体部位(腕や脚等)を掴むことができる。そして、この第2章で説明した各マッサージユニット10を搭載するマッサージ装置は、被施療者の身体部位を掴むのみならず、掴んだ部位を動かす動作を含むマッサージを行うことができる。例えば、第2章で説明した各形態の掴み機構30を、次の第3章で説明する機構部103の一部の機能(例えば、第1施療部材121Aや第2施療部材121Bを移動させる機能)により、身体部位(腕や脚等)に対して移動させればよい。なお、第2章で説明した各機構を、第3章の第1節、第2節、第3節、及び第4節で開示した機構の代わりに適用することができる。
以上より、第2章の各構成(マッサージユニット10)を用いて、第3章の第1節、第2節、第3節、及び第4節で説明したような身体部位を掴んで動かす掴み揉みのマッサージを実現することができる。
<<第3章>>
<はじめに(掴み動作)>
第3章では、掴み揉みに他の動きが加わった動作(以下、「掴み動作」という)について説明する。
以下、第1節〜第4節において、掴み動作についての実施形態及びその詳細について説明する。
なお、第3章で説明するマッサージユニット10は、第1章で説明したマッサージ装置1に設けることができる。
<第1節:身体部位の筋繊維の方向を中心とした回転>
〔本発明の実施形態の説明〕
本節における実施形態を列記して説明する。本節での説明に付されている符号は、図1及び図62〜図86において使用されている。
(21)本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、身体部位100に対する掴み揉みを行う施療部101と、施療部101による掴み揉みが行われている状態で、掴み揉みが行われている身体部位100の筋繊維の方向に沿った回転中心102回りに施療部101を回転させる機構部103と、を備えている。
施療部101が、掴み揉みが行われている身体部位100の筋線維の方向に沿った回転中心102回りに回転することで、掴み揉みに回転が加わったマッサージが得られ、単なる掴み揉みよりもマッサージ感が向上する。
身体部位100の筋線維の方向に沿った方向は、例えば、腕の長手方向、脚の長手方向、肩(首から肩関節までの間の範囲、以下同様)の左右方向、及び首の長手方向を含む。
腕、脚又は首に対する掴み揉みを行う施療部101の場合、例えば、腕、脚又は首の周方向回りに施療部101が回転する。肩に対する掴み揉みを行う施療部101の場合、施療部101は、例えば、肩付近を通る左右方向の回転中心回りに回転する。
機構部103は、施療部101の全体を回転させる必要はなく、施療部101の少なくとも一部を回転させるもので足りる。施療部101が後述の対の押圧部材101a,101bを含む場合、機構部103は、対の押圧部材101a,101bの少なくとも一方を回転させる。
回転は、真円に沿った軌跡を描く運動である必要はなく、楕円その他の変形した円に沿った軌跡を描く運動であれば足りる。施療部101の運動軌跡が真円に沿った軌跡でない場合、回転中心は、施療部101の運動軌跡に近似する真円を想定したときに、その真円の中心付近に存在することを観念できるものであれば足りる。
例えば、第2章第1節で説明したマッサージユニット10における掴み機構30の引き揉み動作(及び押し揉み動作)も、第3章における施療部101の回転と同視することができる。
(22)前記施療部101は、身体部位100に対する掴み揉みを行うための対の押圧部材101a,101bを含み、機構部103は、対の押圧部材101a,101b同士の相対的位置関係が変化するように、対の押圧部材101a,101bの少なくともいずれか一方の押圧部材を、回転中心回りに回転させるよう構成されているのが好ましい。対の押圧部材の相対的位置関係が変化することで、相対位置関係を維持したままの回転とは異なるマッサージ感が得られる。
(23)前記機構部103は、対の押圧部材101a,101bを互いに逆向きに回転させるよう構成されているのが好ましい。対の押圧部材101a,101bの逆向き回転により、対の押圧部材101a,101bの相対位置関係を変化させることができる。対の押圧部材101a,101bの一方だけを回転させることで相対位置関係を変化させてもよい。対の押圧部材101a,101bを同時に同じ方向に回転させるが、対の押圧部材101a,101bそれぞれの移動速度を異ならせることで相対位置関係を変化させても良い。
(24)施療部101は、上腕100aに対して掴み揉みを行うよう設けられた施療部材121を含み、機構部103は、施療部材121による上腕100aに対する掴み揉みが行われている状態で、上腕100aにおける筋繊維の方向に沿った回転中心回りに施療部材121を回転させるよう構成されているのが好ましい。上腕用の施療部材121の回転は、掴み揉みに回転が加わったマッサージを、上腕に対して施す。
(25)マッサージ装置1は、背もたれ部3と、背もたれ部3の側部から前方に突出する側壁部3Aと、を備え、機構部103は、上腕100aにおける筋繊維の方向に沿った回転中心回りに前記施療部材を回転させる上腕用機構部103aを含み、上腕用機構部103aは、上腕機構部103aの少なくとも一部が、側壁部3A内に設けられているのが好ましい。背もたれ部3に設けられた側壁部3Aは、上腕機構部103aの少なくとも一部を収容することができ、上腕機構部103aの配置スペース確保に有利である。
(26)施療部101は、上腕に対する掴み揉みを行う対の押圧部材101a,101bを含み、機構部103は、対の押圧部材101a,101bの少なくともいずれか一方が上腕100aの後側(背中側)100a−1から前方に(上腕100aの前側100−2に向けて)に移動するよう、対の押圧部材101a,101bの少なくともいずれか一方を、上腕100aにおける筋繊維の方向に沿った回転中心102回りに回転させるよう構成されているのが好ましい。この場合、上腕100aの後側100a−1に配置された押圧部材101a(101b)を前方に移動させることができる。
(27)対の押圧部材101a,101bは、上腕100aを胴体100b側から押圧する第1押圧部材101aと、第1押圧部材と対向する第2押圧部材101bと、を含み、機構部103は、対の押圧部材101a,101bを互いに逆向きに回転させるよう構成されているのが好ましい。
(28)施療部101は、上腕100aを押圧する第1押圧部材101aと、第1押圧部材101aと対向する第2押圧部材101bと、を含み、機構部103は、第1押圧部材101a及び第2押圧部材101bそれぞれを、上腕100aにおける筋繊維の方向に沿った回転中心102回りに回転させるよう構成され、第2押圧部材101bの回転移動可能範囲105bは、前記上腕100aの前側100a−2及び上腕100aの前側100a−2よりも外側100a−3の範囲を含むと共に、前1押圧部材101aの回転移動可能範囲105aよりも大きいのが好ましい。この場合、第2押圧部材101bは、上腕100aの前側100a−2及び外側100a−3の付近において大きく移動することができる。
(29)施療部101は、上腕100aを押圧する第1押圧部材101aと、第1押圧部材101aと対向する第2押圧部材101bと、を含み、機構部103は、第1押圧部材101a及び第2押圧部材101bそれぞれを、上腕100aにおける筋繊維の方向に沿った回転中心102回りに回転させるよう構成され、第1押圧部材101aの回転移動可能範囲105aは、上腕100aの後側100a−1及び上腕100aの後側100a−1よりも内側100a−4を含むと共に、第2押圧部材101bの回転移動可能範囲105bよりも大きいのが好ましい。この場合、第1押圧部材101aは、上腕100aの後側100a−1及び内側100a−4の付近において大きく移動することができる。
(30)施療部101は、身体部位100に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを含み、機構部103は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによる掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bの少なくともいずれか一方を、回転中心102回りに回転させるよう構成されているのが好ましい。この場合、複数の施療部材121A,121Bの少なくともいずれか一方によって身体部位を回転させることができる。
(31)施療部101は、身体部位100に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを含み、機構部103は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによる掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを互いに逆向きに回転させるよう構成されているのが好ましい。この場合、身体部位100c、100dを逆向きにねじることができる。
(32)施療部101は、身体部位に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを含み、機構部103は、第1施療部材121Aによる掴み揉みが行われている状態で、筋繊維の方向に沿った第1回転中心102A回りに第1施療部材121Aを回転させるよう構成され、かつ、第2施療部材121Bによる掴み揉みが行われている状態で、筋繊維の方向に沿った第2回転中心102B回りに第2施療部材121Bを回転させるよう構成され、第1回転中心102A及び前記第2回転中心102Bは、互いに位置が異なるのが好ましい。この場合、第1施療部材121Aの回転と、第2施療部材121Bの回転とが異なる軌道となり、身体部位ごとに異なる回転感を与えることができる。
(33)機構部103は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによる掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを互いに逆向きに回転させるよう構成されているのが好ましい。
(34)機構部103は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによる掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを同じ向きに回転させるよう構成されているのが好ましい。
(35)施療部101は、身体部位に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cを含み、第1施療部材12Aは、身体の第1範囲100a,100eに対して掴み揉みを行うよう設けられ、第2施療部材121Bは、前記第1範囲100a,100eとの間に少なくとも一つの関節を介して、前記第1範囲100a,100eとは異なる範囲である身体の第2範囲100d,100fに対して掴み揉みを行うよう設けられ、第3施療部材121Cは、前記第2の範囲100d,100fとの間に少なくとも一つの他の関節を介して、前記第1範囲100a,100e及び前記第2範囲100d、100fとは異なる範囲である身体の第3範囲100c、100gに対して掴み揉みを行うよう設けられているのが好ましい。3つの施療部材121A,121B,121Cによって、関節を介した異なる3つの範囲の掴み揉みを行うことができる。例えば、第1範囲は上腕100a、第2範囲は前腕100d、第3範囲100cは手(手首よりも先の範囲であって、手のひら及び指を含む範囲をいう、以下同様)である。第1範囲は肩、第2範囲は上腕、第3範囲は前腕であってもよい。第1範囲は肩、第2範囲は上腕、第3範囲は手であってもよい。第1範囲は、大腿100e、第2範囲は下腿100f、第3範囲は足100g(足首よりも先の範囲をいう、以下同様)であってもよい。第1範囲は臀部、第2範囲は大腿、第3範囲は下腿であってもよい。
施療部101が含む施療部材は3以上であってもよい。
(36)機構部103は、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cのうちの二以上の施療部材による掴み揉みが行われている状態で、掴み揉みを行っている二以上の施療部材の少なくとも一つを、回転中心102回りに回転させるよう構成されているのが好ましい。二以上の施療部材それぞれの回転方向は、同じ方向であってもよいし、逆方向でもよい。
(37)施療部101は、手首又は足首に対する掴み揉みを行う第1部材121Bと、前記第1部材121Bよりも身体の先端側の部位に当接する第2部材121Cと、を含み、機構部103は、第1部材による手首又は足首に対する掴み揉みが行われている状態で、手首又は足首の筋繊維の方向に沿った回転中心まわりに第2部材121Cを回転させるのが好ましい。例えば、手首に対する掴み揉みが行うことで手首を固定した状態で、手を回すことができる。足首に対する掴み揉みを行うことで足首を固定した状態で、足を回すことができる。
[本発明の実施形態の詳細]
図62は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、例えば、フットレスト5の第1保持部5aに設けられ、被施療者の身体部位100のマッサージを行う。身体部位100は、例えば、下腿(脹脛)である。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。下腿100の筋繊維は、下腿100の長手方向に向いている。
図62の第1保持部5aは、上方(Y方向)に開口を有している。図62の第1保持部5aの上方開口は、図1の第1保持部5aの前方開口に対応する。図62のマッサージユニット10は、肘掛け部4に設けられて、被施療者の前腕のマッサージ(掴み揉み)を行っても良い。図1に示すように肘掛け部4を側方開口状態で設ける場合、図62の第1保持部5aの上方開口は、図1の第1保持部5aの側方開口に対応する。図62の第1保持部5aは、被施療者の部位に応じて、適切な位置及び向きで、マッサージ装置10に設置できる。例えば、図62のマッサージユニット10は、フットレスト5の第2保持部5bに設けられて、足首又は足のマッサージ(掴み揉み)を行っても良い。図62のマッサージユニット10は、上腕、大腿、肩、及びその他の身体部位をマッサージ(掴み揉み)するように、マッサージ装置1に設けられても良い。
図62のマッサージユニット10は、身体部位100に対するマッサージを行う施療部101を備えている。施療部101は、掴み揉みを含むマッサージを身体部位100に対して施す。施療部101は、対の押圧部材101a,101bを有している。対の押圧部材101a,101bは、それらの間にマッサージ対象の身体部位100を配置可能な空間を有するように対向配置されている。対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。エアセル101a,101bは、図示しない空気回路による給排気を受ける。エアセル101a,101bは給排気によって膨張収縮する。膨張した対のエアセル101a,101bは、身体部位を両側から押圧する(図66参照)。
対のエアセル101a,101bによる押圧によって掴み揉みが得られる。
施療部101は、身体部位(例えば、下腿)100における筋繊維の方向(例えば、下の長手方向)に交わる方向から身体部位100に対する掴み揉みを行う。下腿100の筋繊維の方向(下腿の長手方向)は、図62において、Z方向である。
掴み揉みは、対の押圧部材101a,101bの間に身体部位100を位置させた状態で、対の押圧部材101a,101bを互いに近接させることで行われる。このように、掴み揉みは、身体部位100を挟み込むシンプルな動作で足りる。
図62のマッサージユニット10は、施療部101を移動させる機構部103を更に備えている。機構部103は、対のエアセル101a,101bのうちの一方のエアセル(第1エアセル)101aが取り付けられる第1支持部材113aと、他方のエアセル(第2エアセル)101bが取り付けられる第2支持部材113bと、を備えている。第1支持部材113a及び第2支持部材113bは、円弧状に湾曲した板状部材によって構成されている。第1支持部材113a及び第2支持部材113bは、図示しないガイドによって、回転中心102を中心とした円弧に沿った軌跡上を移動可能に、第1保持部5aに支持されている。第1支持部材113a及び第2支持部材113bは、それらの移動軌跡である円弧に沿って湾曲している。
第1エアセル101aは、その端部が、固定具115aによって第1支持部材113aの正面側(図62の上側)に取り付けられている。同様に、第2エアセル101bは、その端部が、固定部115bによって、第2支持部材113bの正面側に取り付けられている。
図63にも示すように、機構部103は、第1支持部材113aの湾曲した背面(図62の下側)に設けられた2つの第1ラック114aと、第2支持部材113bの湾曲した背面に設けられた2つの第2ラック114bと、を更に備えている。2つの第1ラック114aは、それらの長手方向が、第1支持部材113aの長手方向(図63のX方向)に沿って延びるように設けられている。複数の第1ラック114aは、第1支持部材113aの幅方向(図63のZ方向)に並んで設けられている。複数の第2ラック114aは、それらの長手方向が、第2支持部材113bの長手方向に沿って延びるように設けられている。複数の第2ラック114bは、第2支持部材113bの幅方向に並んで設けられている。
第1支持部材113aは、第2支持部材113bに隣接する側の端部において、櫛歯構造を有する。第1支持部材113aの櫛歯構造は、3つの凸部117a及び3つの凹部116aを有する。第2支持部材113bは、第1支持部材113aに隣接する側の端部において、第1支持部材113a櫛歯構造に嵌り合う櫛歯構造を有する。第2支持部材113bの櫛歯構造は、3つの凸部117b及び3つの凹部116bを有する。
2つの第1ラック114aは、第1支持部材113aの凸部117aの範囲まで延びている。2つの第2ラック114bも、第2支持部材113bの凸部117bの範囲まで延びている。図63に示すように、第1支持部材113a及び第2支持部材113bの櫛歯構造が互いに嵌り合っている場合、第1ラック114a及び第2ラック114bは、それらの長手方向において、一部重複して位置する。
機構部103は、2つの第1ラック114aに噛み合う第1ピニオン111aと、2つの第2ラック114bに噛み合う複数の第2ピニオン111bと、を更に備えている。第1ピニオン111a及び第2ピニオン111bそれぞれは、図示しない駆動部(モータ)によって回転駆動される回転軸112a、112bを有している。
回転駆動された第1ピニオン111aは、第1ラック114aを介して、第1支持部材113aを、回転中心102回りに回転させる。同様に、回転駆動された第2ピニオン111bは、第2ラック114bを介して第2支持部材113bを、回転中心回り102に回転させる。エアセル101a,101bは、支持部材113a,113bの回転に伴って、回転中心102回りに回転する。回転中心102は、下腿の筋繊維の方向(下腿の長手方向)に沿った向きを有する。回転中心102回りに回転するエアセル101a,101bは、身体部位100の周方向に沿って移動する。エアセル101a,101bは、図示しない駆動部の正逆回転により、回転中心102回りの正逆回転が可能である。
図62では、エアセル101a,101bは、共通の回転中心102回りに回転するが、それぞれ異なる回転中心回りに回転してもよい。例えば、第1支持部材113a及び第2支持部材113bの湾曲度合をより大きくしたり、より小さくすることで、エアセル101a,101bは、互いに異なる回転中心回りに回転することになる。
機構部103は、ラック114a,114b及びピニオン111a,111bを有するものに限られず、エアセル101a,101bを身体部位の周りで回転させるよう構成されていれば足りる。
両ピニオン111a,111bは、共通の駆動部によって駆動されてもよいし、それぞれ別の駆動部によって独立して駆動されてもよい。共通の駆動部によって両ピニオン111a,111bが駆動される機構部103は、エアセル101a,101bを互いに逆方向に連動して回転させるよう構成されていてもよいし、エアセル101a,101bを同じ方向に連動して回転させるよう構成されていてもよい。
両ピニオン111a,111bがそれぞれ別の駆動部によって独立して駆動される機構部103は、エアセル101a,101bを互いに逆方向に連動して回転させたり、エアセル101a,101bを同じ方向に連動して回転させたり、一方のエアセルだけを回転させたりすることができる。
エアセル101a,101bを互いに逆方向に連動して回転させる場合、エアセル101a,101bの相対位置関係が変化する。エアセル101a,101bを同じ方向に同じ速度で連動して回転させる場合、エアセル101a,101bの相対位置関係は変化しない。エアセル101a,101bを同じ方向に連動して回転させても、両エアセル101a,101bの移動速度が異なれば、エアセル101a,101bの相対位置関係は変化する。一方のエアセルだけを回転させる場合も、エアセル101a,101bの相対位置関係は変化する。
図62の状態では、エアセル101a,101bの間隔は大きく、身体部位100を上方からエアセル101a,101b間に挿入させることは容易である。図62に示す位置にあるエアセル101a,101bは、膨張することにより、身体部位(下腿)100の右側100−3及び左側100−4よりも身体部位100の下側(下腿の後側100−1)の範囲をマッサージすることができる(図66参照)。
図64及び図65は、エアセル101a,101bが互いに逆方向に回転した状態を示している。エアセル101a,101bは、回転中心102回りの回転によって、身体部位100の周方向に沿って、図64の上方(Y方向)に移動する。図65に示すように、両支持部材113a,113bの櫛歯構造は、互いに離れた状態となる。図64に示す位置にあるエアセル101a,101bは、膨張することにより、身体部位(下腿)100の右側100−3及び左側100−4よりも身体部位100の上側(下腿の前側100−2)の範囲をマッサージすることができる(図67参照)。
エアセル101a,101bの回転は、エアセル101a,101bが収縮した状態(図62及び図64の状態)で行われても良いし、エアセル101a,101bが膨張した状態(図66及び図67の状態)で行われても良い。エアセル101a,101bが膨張して、身体部位100に対する掴み揉みが行われている状態で、エアセル101a,101bが回転中心102回りに回転することで、掴み揉みに回転が加わったマッサージが得られる。
エアセル101a,101bの膨張量が比較的小さく比較的弱い掴み揉みが行われている状態で、エアセル101a,101bを回転させると、掴み揉みが行われている身体部位100の表面(皮膚)がエアセル101a,101bと共に回転し、身体部位100の表面に周方向の引っ張り感を与えるマッサージが行える。エアセル101a,101bの膨張量が比較的大きく掴み揉みが比較的強い状態で、エアセル101a,101bを回転させると、掴み揉みが行われている身体部位100の筋肉がエアセル101a,101bと共に回転し、筋繊維に交差する方向への刺激を与えて筋繊維をほぐしたり、身体部位100を回転方向にねじるようなマッサージが行える。
エアセル101a,101bの回転は、エアセル101a,101bの膨張量を一定に保ったまま行っても良いし、膨張量を変化させながら行っても良い。図66の状態において、左側のエアセル101aを回転させずに、右側のエアセル101bを図67のように回転させることで、身体部位100を左下側と右上側から掴み揉みすることができる。図66の状態において、右側のエアセル101bを回転させずに、左側のエアセル101aを図67のように回転させることで、身体部位100を右下側と左上側から掴み揉みすることができる。
なお、図64に示すように、エアセル101a,101bが収縮した状態で、エアセル101a,101bを回転させると、身体部位100への押圧を解除した状態で、エアセル101a,101bの位置を変更することができる。
図68は、マッサージユニット10の例を示している。図68に示すマッサージユニット10は、以下において説明されていない点については、図62〜図67に示すマッサージユニット10と同様の構成を有している。
図68に示すマッサージユニット10は、背もたれ部3の左右両側に設けられた側壁部(側面パネル)3Aに設けられ、被施療者の上腕100aに対して、掴み揉みを含むマッサージをする。上腕100aの筋繊維は、上腕の長手方向に向いている。
図68は、背もたれ部3の右側に設けられた側壁部3Aとその内部に設けられたマッサージユニット10を示している。マッサージユニット10は、背もたれ部3の左側に設けられた側壁部3Aにも設けられている。背もたれ部3の左側のマッサージユニット10は、図68に示すマッサージユニット10と左右対称に設けられる。図68のマッサージユニット10は、マッサージ装置10の他の位置に設置することができる。図68のマッサージユニット10は、肘掛け部4、フットレスト5の第1保持部5a又は第2保持部5bに設けられても良い。図68のマッサージユニット10は、肩をマッサージ(掴み揉み)するように、マッサージ装置1に設けられても良い。
図68のマッサージユニット10は、施療部101として、上腕100aに対して掴み揉みを行うように設けられた施療部材121を含む。上腕用の施療部材121は、対の押圧部材(エアセル)101a,101bを含む、エアセル101a,101bは、膨張することにより、上腕100aを両側から押圧し、掴み揉みすることができる。
上腕用の施療部材121は、上腕100aにおける筋繊維の方向(上腕の長手方向)に交わる方向から上腕100aに対する掴み揉みを行う。上腕100aの筋繊維の方向(上腕の長手方向)は、図68において、Z方向である。
図68のマッサージユニット10は、施療部材121を移動させる機構部103(上腕機構部103a)を更に備えている。機構部103は、その大部分が、側壁部3A内に設けられており、残りの一部が背もたれ部3内に配置されている。側壁部3A内に機構部103の少なくとも一部を設けることで、背もたれ部3において機構部103を配置するために必要なスペースを小さくすることができる。これにより、上腕100aをマッサージするためのマッサージユニット10が、背もたれ部3内において背中をマッサージするために設けられたマッサージユニット90に干渉するのを防止することができる。
図68の機構部103は、図62の機構部103と同様に、第1支持部材113a及び第2支持部材113bを有している。図68の機構部103では、第2支持部材113b及び第2ラック114bの長手方向は、第1支持部材113a及び第1ラック114aの長手方向よりも大きい。このため、第2支持部材113b及び第2支持部材113bに設けられた第2エアセル101bの回転移動可能範囲105bは、第1支持部材113a及び第1支持部材113aに設けられた第1エアセル101aの回転移動可能範囲105aよりも大きい。
第1エアセル101aの回転移動可能範囲105aは、上腕100aの後側100a−1及び後側100a−1よりも内側100a−4よりの範囲を含む。第1エアセル101aは、回転移動可能範囲105aに対応した上腕100aの位置を押圧することができる。
第2エアセル101bの回転移動可能範囲105bは、上腕100aの前側100a−2、前側100a−2よりも外側100a−3よりの範囲、及び前側100a−2よりも内側100a−4よりの範囲を含む。第2エアセル101bは、回転移動可能範囲105bに対応した上腕100aの位置を押圧することができる。
なお、図68の回転移動可能範囲105a、105bは、単なる例示であって、それらの位置及び長さは、適宜設定できる。
図68の機構部103において、第2ピニオン111bの径は、第1ピニオン111aの径よりも大きい。したがって、両ピニオン111a,111bを同じ回転速度で回転させた場合、第2支持部材113b及び第2エアセル101bの方が、より速く回転することができる。両ピニオン111a,111bの回転量が同じである場合、第2支持部材113b及び第2エアセル101bの方が、より多く回転することができる。なお、図68の機構部103は、図62の機構部103のような櫛歯構造を有していないが、櫛歯構造を有していても良い。
図68において、第1支持部材113aは、上腕100aの後側100a−1に配置され、第2支持部材113bは、上腕100aの外側100a−3に配置されている。なお、上腕100aの外側100a−3とは、上腕100aの内側100a−4(胴体100b側)の反対側をいう。図68において、第1支持部材113aに支持された第1エアセル101aは、膨張すると、上腕の後側100a−1の範囲を押圧することができ、第2支持部材113bに支持された第2エアセル101bは、上腕100aの前側100a−2の外側100a−3の範囲を押圧することができる。
エアセル101a,101bは、支持部材113a,113bの回転に伴って、回転中心102回りに回転する。回転中心102は、上腕100aの筋繊維の方向(上腕の長手方向)に沿った向きを有する。回転中心102回りに回転するエアセル101a,101bは、上腕100aの周方向に沿って移動する。
図68の状態では、エアセル101a,101bの間隔は、大きく、上腕100aを、図68の左上側から、エアセル101a,101bの間に挿入させることは容易である。
図69は、第1エアセル101aは回転せず、第2エアセル101bが、反時計まわりに回転した状態を示している。図69に示す位置にあるエアセル101a,101bは、膨張することにより、エアセル101a,101bは、上腕100aを前後から押圧することができる(図71参照)。
図69に示すように、側壁部3Aに設けた機構103によって、上腕100aの内側100a−4付近にエアセル101bを移動させることができる。
ここで、上腕100aの内側100a−4には、胴体100bが存在する。このため、上腕100aを内側100a−4側から押圧する押圧部材(例えばエアセル)を支持する部材を、被施療者の脇の下(胴体100bと上腕100aとの間)付近に固定的に配置すると、被施療者はリラックスした姿勢を維持するのが困難になる。これに対し、エアセル101bを上腕の外側100a−3よりの位置から内側100a−4よりの位置へ移動させることで、被施療者への影響が少ない。
図70は、図68の位置にあるエアセル101a,101bを膨張させた状態を示している。図70のようにエアセル101a,101bが膨張して、上腕100aに対する掴み揉みが行われている状態で、エアセル101bが反時計回りに回転することで、エアセル101a,101bが図71の位置に移動し、掴み揉みに回転が加わったマッサージが得られる。
図71のようにエアセル101bが回転する際に、エアセル101aも時計回りに回転させることで、エアセル101a,101bによって、上腕100aの内側100a−4よりの範囲を前後から掴み揉みすることができる。
また、図71のようにエアセル101bが回転する際に、エアセル101aも反時計回りに回転させることで、上腕100aを、左前側と右後側とから押圧することができる。
図72は、マッサージユニット10の例を示している。図72に示すマッサージユニット10は、以下において説明されていない点については、図68〜図71に示すマッサージユニット10と同様の構成を有している。
図72に示すマッサージユニット10も、上腕用である。図72のマッサージユニット10の機構部103(103a)は、第1支持部材113a及び第2支持部材113bを有している。
図72の機構部103では、図68の機構部103とは逆に、第1支持部材113a及び第1ラック114aの長手方向は、第2支持部材113b及び第2ラック114bの長手方向よりも大きい。このため、第1支持部材113a及び第1支持部材113aに設けられた第1エアセル101aの回転移動可能範囲105aは、第2支持部材113b及び第2支持部材113bに設けられた第2エアセル101bの回転移動可能範囲105bよりも大きい。
第1エアセル101aの回転移動可能範囲105aは、上腕100aの後側100a−1及び内側100a−4、及び、内側100a−4よりも前側100a−2よりの範囲を含む。第1エアセル101aは、回転移動可能範囲105aに対応した上腕100aの位置を押圧することができる。
第2エアセル101bの回転移動可能範囲105bは、上腕100aの前側100a−2、及び前側100a−2よりも外側100a−3よりの範囲を含む。第2エアセル101bは、回転移動可能範囲105bに対応した上腕100aの位置を押圧することができる。
なお、図68の回転移動可能範囲105a、105bは、単なる例示であって、それらの位置及び長さは、適宜設定できる。
図72の機構部103において、第1ピニオン111aの径は、第2ピニオン111bの径よりも大きい。
図72において、エアセル101a,101bは、膨張することにより、図68のエアセル101,101bと同様の位置を押圧することができる。
図73は、第2エアセル101bは回転せず、第1エアセル101aが、時計回りに回転した状態を示している。第1エアセル101aは、時計回りに回転すると、上腕100aの後側100a−1から、上腕100aの内側100a−4(被施療者の脇の下の位置)へ移動することができる。図73に示す位置にあるエアセル101a,101bは、膨張することにより、上腕100aの前側を左右から押圧することができる(図75参照)。
図74は、図72の位置にあるエアセル101a,101bを膨張させた状態を示している。図74のようにエアセル101a,101bが膨張して、上腕100aに対する掴み揉みが行われている状態で、エアセル101aが時計回りに回転することで、エアセル101aが図75の位置に移動し、掴み揉みに回転が加わったマッサージが得られる。
図75のようにエアセル101aが回転する際に、エアセル101bを反時計回りに回転させたり、時計回りに回転させたりしてもよい。
図76は、図62〜図75に示すマッサージユニット10を設けるのに適した身体部位における筋繊維の方向(回転中心)102(102a〜102h)と施療部101の回転方向130a〜130gの例を示している。図76に示すように、マッサージユニット10による掴み揉みが行われる部位が肩であれば、施療部101の回転方向130aは、肩の筋繊維の方向(左右方向)に沿った回転中心102a回りとなる。
同様に、図76に示す各回転中心102b,102c,102d,102e,102f,102g,102hは、図76に示される各部位(上腕、前腕、手、太腿、下腿、足、首)の筋繊維の方向に沿っており、施療部101の回転方向130b,130c,130d,130e,130f,130g,130hは、対応する回転中心102b〜102h回りとなる。
図77及び図78は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、例えば、肘掛け部4に設けられ、被施療者の身体部位100のマッサージを行う。身体部位100は、例えば、前腕100dである。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。前腕100dの筋繊維は、前腕100dの長手方向(図77のZ方向)に向いている。
マッサージユニット10は、前腕100dにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、前腕100dの手首側よりの部位をマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121Aと、前腕100dの肘側よりの部位をマッサージ(掴み揉み)する第2施療部材121Bと、を含む。
肘掛け部4に設けられる施療部材121A,121Bの数は、3以上でもよい。図77及び図78に示す施療部材121A,121Bは、首、肩、上腕、太腿、下腿、足、及びその他の身体部位をマッサージ(掴み揉み)するように、マッサージ装置1に設けられても良い。
第1施療部材121Aは、対の押圧部材101a,101bを有している。対の押圧部材101a,101bは、それらの間にマッサージ対象の身体部位100(前腕100d)を配置可能な空間を有するように対向配置されている。対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。エアセル101a,101bは、図示しない空気回路による給排気を受ける。エアセル101a,101bは給排気によって膨張収縮する。膨張した対のエアセル101a,101bは、前腕100dの両側から押圧する(図79参照)。対のエアセル101a,101bによる押圧によって掴み揉みが得られる。
第1施療部材121Aは、前腕100dにおける筋繊維の方向(前腕100dの長手方向;図77のZ方向)に交わる方向(図77のY方向)から前腕100dに対する掴み揉みを行う。
掴み揉みは、対の押圧部材101a,101bの間に身体部位100(前腕100d)を位置させた状態で、対の押圧部材101a,101bを互いに近接させることで行われる。このように、掴み揉みは、身体部位100を挟み込むシンプルな動作で足りる。
第2施療部材121Bは、第1施療部材121Aと同様の構成を有し、同様に動作する。すなわち、第2施療部材121Bは、対の押圧部材101a,101bを有し、対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。
図77及び図78のマッサージユニット10は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを移動させる機構部103を更に備えている。機構部103は、第1施療部材121Aを移動させる第1機構部103Aと、第2施療部材121Bを移動させる第2機構部103Bと、を含む。
第1機構部103A及び第2機構部103Bは、それぞれ、対のエアセル101a,101bが取り付けられる支持部材113を備えている。支持部材113は、リング状に形成されている。支持部材113の内周面には、対のエアセル101a,101bが対向配置されている。被施療者は、前腕100dを、支持部材113の長手方向両側の開口の一方から支持部材113内に挿入することができる。支持部材113内に挿入された前腕100dは、対のエアセル101a,101bの間に位置する。
支持部材113は、図示しないガイドによって、回転中心102回りに回転自在に支持されている。
第1機構部103A及び第2機構部103Bは、それぞれ、支持部材113の外周側において全周にわたって形成された2つのラック114と、ラック114に噛み合うピニオン111と、を更に備えている。ピニオン111は、回転軸112を備えており、回転軸112が駆動部154によって回転駆動されることで、ピニオン111が回転する。ピニオン111の回転によって、支持部材113が回転中心102回りに回転する。エアセル101a,101bは、支持部材113の回転に伴って、回転中心102回りに回転する。回転中心102は、前腕100dの筋繊維の方向(前腕の長手方向)に沿った向きを有する。回転中心102回りに回転するエアセル101a,101bは、前腕100dの周方向に沿って移動する。エアセル101a,101bの周方向に沿った移動により、掴み揉みの方向を変更することができる。図80は、エアセル101a,101bが、図79の位置から時計回りに90°回転した状態を示している。エアセル101a,101bは、図79の位置にある場合には、前腕100dをY方向から押圧していたのに対し、図80の位置にある場合には、前腕100dをX方向から押圧する。
エアセル101a,101bは、駆動部154の正逆回転により、回転中心102回りの正逆回転が可能である。
図77では、第1施療部材121Aのエアセル101a,101bと、第2施療部材121Bのエアセル101a,101bは、それぞれ別の駆動部154によって回転駆動されるため、それぞれ独立した回転が可能である。第1施療部材121Aのエアセル101a,101bと、第2施療部材121Bのエアセル101a,101bは、共通の駆動部によって回転駆動されてもよい。
図77では、第1施療部材121Aのエアセル101a,101bと、第2施療部材121Bのエアセル101a,101bは、共通の回転中心102回りに回転するが、それぞれの回転中心102A,102Bの位置が異なっていても良い。回転中心101A,102Bの位置は、図78のX方向及びY方向の少なくともいずれか一方において異なることができる。
機構部103は、ラック114及びピニオン111を有するものに限られず、エアセル101a,101bを身体部位の周りで回転させるよう構成されていれば足りる。
図81は、第1施療部材121A(エアセル101a,101b)と第2施療部材121B(エアセル101a,101b)が、前腕100dを掴み揉みした状態で、互いに逆方向に回転した状態を示している。図81では、第1施療部材121Aのエアセル101a,101bは、時計回りに回転し、第2施療部材121Bのエアセル101a,101bは、反時計回りに回転している。このような動作によって、前腕100dに対する掴み揉みに前腕100dをねじる動作が加わったマッサージが得られる。
第1施療部材121A及び第2施療部材121Bのうち一方を回転させずに、他方を回転させてもよい。この場合も前腕100dをねじることができる。第1施療部材121Aと第2施療部材121Bは、複数の施療部材121A,121Bの間に被施療者の関節(例えば、手関節)が位置するように配置されていてもよい。かかる配置において、第1施療部材121Aと第2施療部材121Bとを逆方向に回転させると、関節(例えば、手関節)をねじることができる。
なお、エアセル101a,101bが収縮した状態で、エアセルを回転させると身体部位100への押圧を解除した状態で、エアセル101a,101bの位置を変更することができる。
図82及び図83は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、例えば、肘掛け部4に設けられ、被施療者の身体部位100のマッサージを行う。身体部位100は、例えば、前腕100d及び上腕100aである。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。前腕100dの筋繊維は、前腕100dの長手方向に向き、上腕100aの筋繊維は、上腕100aの長手方向に向く。
マッサージユニット10は、前腕100d及び上腕100aにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121Aと、上腕100aをマッサージ(掴み揉み)する第2施療部材121Bと、を含む。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、それらの間に、使用者の肘関節が位置するように設けられている。
肘掛け部4に設けられる施療部材121A,121Bの数は、3以上でもよい。図82及び図83に示す施療部材121A,121Bは、首、肩、手、太腿、下腿、足、及びその他の身体部位をマッサージ(掴み揉み)するように、マッサージ装置1に設けられても良い。
第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、それぞれ、対の押圧部材101a,101bを有している。これらの押圧部材101a,101bは、図77及び図78に示す第1施療部材121A及び第2施療部材121Bが有する対の押圧部材101a,101bと同様の構成を有し、同様の動作が可能である。
図82及び図83のマッサージユニット10は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを移動させる機構部103を更に備えている。機構部103は、第1施療部材121Aを移動させる第1機構部103Aと、第2施療部材121Bを移動させる第2機構部103Bと、を含む。
第1機構部103A及び第2機構部103Bは、それぞれ、対のエアセル101a,101bが取り付けられる支持部材113を備えている。支持部材113は、リング状に形成されている。支持部材113の内周面には、対のエアセル101a,101bが対向配置されている。被施療者は、腕100d,100aを、支持部材113の長手方向両側の開口の一方から支持部材113内に挿入することができる。支持部材113内に挿入された腕100d,100aは、対のエアセル101a,101bの間に位置する。
支持部材113は、図示しないガイドによって、回転中心102A,102B回りに回転自在に支持されている。
図83(a)に示す第1機構部103Aは、図78の第1機構部103Aと同様の構成を有している。すなわち、第1機構部103Aは、支持部材113の外周側において全周にわたって形成された2つのラック114と、ラック114に噛み合うピニオン111と、を更に備えている。ピニオン111は、回転軸112を備えており、回転軸112が駆動部154によって回転駆動されることで、ピニオン111が回転する。ピニオン111の回転によって、支持部材113が回転中心102A回りに回転する。エアセル101a,101bは、支持部材113の回転に伴って、回転中心102A回りに回転する。回転中心102Aは、支持部材113の内側に位置し、前腕100dの筋繊維の方向(前腕の長手方向)に沿った向きを有する。回転中心102A回りに回転するエアセル101a,101bは、前腕100dの周方向に沿って移動する。エアセル101a,101bの周方向に沿った移動により、掴み揉みの方向を変更することができる。エアセル101a,101bは、駆動部154の正逆回転により、回転中心102回りの正逆回転が可能である。
図83(b)に示す第2機構部103Bは、支持部材113の外側の回転中心102B回りに支持部材113を回転させる。支持部材113は、その外周側に、ベース部113cを有している。ベース部113cには、支持部材113の回転中心102Bとなる回転軸111cの一端側が取り付けられている。回転軸111cの他端にはピニオン111bが取り付けられている。第2機構部103Bは、ピニオン111bに噛み合うピニオン111aを更に備えている。ピニオン111aは、回転軸112を備えており、回転軸112が駆動部154によって回転駆動されることで、ピニオン111aが回転する。ピニオン111aの回転によって、ピニオン111b及び回転軸111cが回転し、支持部材113が、回転軸111cの軸心を回転中心102Bとして、回転する。
図82において、第1施療部材121Aの回転中心102Aと、第2施療部材121Bの回転中心102Bとは、回転中心の位置及び向きが異なる。図82の第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、肘を曲げた状態の上腕100a及び前腕100dをマッサージするように配置されているため、回転中心102A,102Bの向きが異なる。また、第1施療部材121Aの回転中心102Aは、支持部材113の内側に位置しているのに対して、第2施療部材121Bの回転中心102Bは、支持部材113の外側に位置しており、回転中心102A,102Bの位置が異なる。各回転中心102A,102B回りの回転は、互いに同じ方向への回転でもよいし、逆方向への回転であってもよい。
図82の第1施療部材121Aが前腕100dをマッサージ(掴み揉み)している状態で、第1施療部材121Aが回転中心102A回りに回転すると、前腕100dに対する掴み揉みに前腕100dをねじる動作が加わったマッサージが得られる。図82の第2施療部材121Bが上腕100aをマッサージ(掴み揉み)している状態で、第2施療部材121Bが回転中心102B回りに回転すると、上腕100aを掴みながら、回転中心102B回りに上腕100aを振り回すようなマッサージが得られる。さらに、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを同時に回転させると、前腕100dをねじりながら、上腕100aを振り回すようなマッサージ感が得られる。また、図82の配置では、使用者は、肘を曲げてリラックスした状態で、上腕100aと前腕100dのマッサージを受けることができる。
なお、図82の第1機構部103Aとして、第2機構部103Bと同様の構成を採用してもよいし、第2機構部103Bとして第1機構部103Aと同様の構成を採用してもよい。機構部103は、ラック114及びピニオン111,111a,111bを有するものに限られず、エアセル101a,101bを回転させるよう構成されていれば足りる。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bのうち一方を回転させずに、他方を回転させてもよい。また、エアセル101a,101bが収縮した状態で、エアセルを回転させると身体部位100への押圧を解除した状態で、エアセル101a,101bの位置を変更することができる。
図84及び図85は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、例えば、肘掛け部4に設けられ、被施療者の身体部位100のマッサージを行う。図1に示す左右の肘掛け部4それぞれは、一体的に構成されているが、図84の肘掛け部4は、上腕100aを支持する第1支持部4Aと、前腕100dを支持する第2支持部4Bと、手100cを支持する第3支持部4Cと、がそれぞれ別体で設けられている。
マッサージユニット10によってマッサージされる身体部位100は、例えば、上腕100a、前腕100d、及び手100cである。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。上腕100aの筋繊維は、上腕100aの長手方向に向き、前腕100dの筋繊維は、前腕100dの長手方向に向き、手100cの筋繊維は、手100cの長手方向に向く。
マッサージユニット10は、上腕100a、前腕100d、及び手100cにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、第1範囲である上腕100aをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121Aと、第2範囲である前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第2施療部材121Bと、第3範囲である手100cをマッサージ(掴み揉み)する第3施療部材121Cと、を含む。第1範囲である上腕100aと第2範囲である前腕100dとの間には、使用者の肘関節が位置し、第2範囲である前腕100dと第3範囲である手100cとの間には、使用者の手関節が位置する。
本実施形態において、第2施療部材121Bは、前腕100dのうち手100c側の範囲(手首の範囲)に対するマッサージ(掴み揉み)を行うように配置されている。
第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cは、それぞれ、対の押圧部材101a,101bを有している。これらの押圧部材101a,101bも、前述の押圧部材101a,101bと同様に、エアセル101a,101bによって構成され、対のエアセル101a,101bによって身体部位への掴み揉みが得られる。
図84及び図85のマッサージユニット10は、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cを移動させる機構部103を更に備えている。機構部103は、第1施療部材121Aを移動させる第1機構部103Aと、第2施療部材121Bを移動させる第2機構部103Bと、第3施療部材121Cを移動させる第3機構部103Cと、を備えている。なお、図84では、機構部103A〜103Cの図示は省略している。
図85に示す機構部103A,103B,103Cは、図68に示す機構部103に類似したものである。ただし、図68に示す機構部103では、エアセル101a,101bの支持部材が、2つの支持部材113a,113bによって構成されているのに対して、図85に示す機構部103A,103B,103Cでは、エアセル101a,101bの支持部材は、それぞれ、単一の半円状支持部材113によって構成されている。支持部材113の外周面にはラック114が形成されている。機構部103A,103B,103Cは、ラック114に噛み合う2つのピニオン111a,111bを有している。これらのピニオン111a,111bが取り付けられた回転軸112a,112bが、図示しない駆動部によって回転駆動されることで、支持部材113は、身体部位の筋線維の方向に沿った回転中心102回りに正逆回転することができる(図85(b)参照)。
機構部103は、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cのうちの二以上の施療部材によるマッサージ(掴み揉み)が行われている状態で、掴み揉みを行っている二以上の施療部材の少なくとも一つを、各施療部材の回転中心102回りに回転させることができる。例えば、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによって、上腕100a及び前腕100dに対する掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bのいずれか一方、又は両方を、回転中心102回りに回転させることができる。また、第1施療部材121A及び第3施療部材121Cによって、上腕100a及び手100cに対する掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A及び第3施療部材121Cのいずれか一方、又は両方を、回転中心102回りに回転させることができる。また、第2施療部材121B及び第3施療部材121Cによって、前腕100d及び手100cに対する掴み揉みが行われている状態で、第2施療部材121B及び第3施療部材121Cのいずれか一方、又は両方を、回転中心102回りに回転させることができる。また、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cによって、上腕100a、前腕100d及び手100cに対する掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A、第2施療部材121B及び第3施療部材121Cのいずれか一つ若しくはいずれか二つ又は全部を、回転中心102回りに回転させることができる。上記のようなマッサージによって、使用者の関節をひねることができる。
ここで、図84の第2施療部材121B及び第3施療部材121Cに着目する。ここでは、第2施療部材121Bを第1部材といい、第3施療部材121Cを第2部材という。機構部103は、第1部材121Bによる手首(前腕100d)に対する掴み揉みが行われている状態で、手首100dの筋繊維の方向に沿った回転中心102回りに第2部材121Cを回転させることで、手首100dを固定した状態で、手100cを回すことができる。手100cは比較的平坦であるため、第2部材121Cによって手100cに対する掴み揉みが行われていてもいなくても、第2部材121Cが回転すると、第2部材121Cが手100cに当接して、手100cを回転させることができる。
図86は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、例えば、フットレスト5に設けられている。図86のフットレストでは、大腿100eを支持する第1支持部5Aと、下腿100fを支持する第2支持部5Bと、足100gを支持する第3支持部5Cと、がそれぞれ別体で設けられている。図86のマッサージユニット10によってマッサージされる身体部位100は、大腿100e、下腿100f、及び足100gである。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。大腿100eの筋繊維は、大腿100eの長手方向に向き、下腿100fの筋繊維は、下腿100fの長手方向に向き、足100gの筋繊維は、足100gの長手方向に向く。
マッサージユニット10は、大腿100e、下腿100f、及び足100gにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、第1範囲である大腿100eをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121Aと、第2範囲である下腿100fをマッサージ(掴み揉み)する第2施療部材121Bと、第3範囲である足100gをマッサージ(掴み揉み)する第3施療部材121Cと、を含む。第1範囲である大腿100eと第2範囲である下腿100fとの間には、使用者の膝関節が位置し、第2範囲である下腿100fと第3範囲である足100gとの間には、使用者の足関節が位置する。本実施形態において、第2施療部材121Bは、下腿100fのうち、足100g側の範囲(足首の範囲)に対するマッサージ(掴み揉み)を行うように配置されている。
第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cは、それぞれ、対の押圧部材101a,101bを有している。これらの押圧部材101a,101bも、前述の押圧部材101a,101bと同様に、エアセル101a,101bによって構成され、対のエアセル101a,101bによって身体部位への掴み揉みが得られる。
図86に示すマッサージユニット10も、図84に示すマッサージユニット10と同様に機構部103を有しているが、図86においては図84と同様に機構部103が省略されている。各施療部材121A,121B,121Cを移動させる機構部は、図85に示す機構部103A,103B,103Cと同様のものが採用される。したがって、第1施療部材121A、第2施療部材121B及び第3施療部材121Cは、それぞれ、身体部位の筋繊維の方向に沿った回転中心102回りに正逆回転することができる。
機構部103は、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cのうちの二以上の施療部材によるマッサージ(掴み揉み)が行われている状態で、掴み揉みを行っている二以上の施療部材の少なくとも一つを、各施療部材の回転中心102回りに回転させることができる。例えば、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによって、大腿100e及び下腿100fに対する掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bのいずれか一方、又は両方を、回転中心102回りに回転させることができる。また、第1施療部材121A及び第3施療部材121Cによって、大腿100e及び足100gに対する掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A及び第3施療部材121Cのいずれか一方、又は両方を、回転中心102回りに回転させることができる。また、第2施療部材121B及び第3施療部材121Cによって、下腿100f及び足100gに対する掴み揉みが行われている状態で、第2施療部材121B及び第3施療部材121Cのいずれか一方、又は両方を、回転中心102回りに回転させることができる。また、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cによって、大腿100e、下腿100f及び足100gに対する掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A、第2施療部材121B及び第3施療部材121Cのいずれか一つ若しくはいずれか二つ又は全部を、回転中心102回りに回転させることができる。上記のようなマッサージによって、使用者の関節をひねることができる。
ここで、図86の第2施療部材121B及び第3施療部材121Cに着目する。ここでは、第2施療部材121Bを第1部材といい、第3施療部材121Cを第2部材という。機構部103は、第1部材121Bによる足首(下腿100f)に対する掴み揉みが行われている状態で、足首100fの筋繊維の方向に沿った回転中心102回りに第2部材121Cを回転させることで、足首100fを固定した状態で、足100gを回すことができる。なお、第2部材121Cによって足100gに対する掴み揉みが行われていてもいなくても、第2部材121Cが回転すると、第2部材121Cが足100g当接して、足100gを回転させることができる。
<第2節:身体部位の筋繊維の方向に交わる面内方向を中心とした回転>
本節における実施形態を列記して説明する。本節での説明に付されている符号は、図1及び図87〜図127において使用されている。
〔本発明の実施形態の説明〕
(38)本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、身体部位100に対する掴み揉みを行う施療部101と、施療部101による掴み揉みが行われている状態で、掴み揉みが行われている身体部位における筋繊維の方向に交わる面内方向に向く回転中心102回りに施療部101を回転させる機構部103と、を備えている。
施療部101が、掴み揉みが行われている身体部位100の筋繊維の方向に交わる面内方向に向く回転中心102に回転することで、掴み揉みに回転が加わったマッサージが得られ、単なる掴み揉みよりもマッサージ感が向上する。筋繊維の方向は、例えば、腕の長手方向、脚の長手方向、肩の左右方向、及び首の長手方向を含む。腕、脚又は首に対する掴み揉みを行う施療部101の場合、施療部101は、例えば、腕、脚又は首の長手方向に交差する方向の回転中心102回りに回転する。腕、脚又は首などの身体部位の長手方向が上下方向を向いている場合、上記の面内方向は、身体部位の左右方向又は身体部位の前後方向を含む。肩に対する掴み揉みを行う施療部101の場合、施療部101は、例えば、肩の左右方向に交差する方向の回転中心102回りに回転する。肩の左右方向に交差する面内方向は、例えば、肩の前後方向及び肩の上下方向を含む。
機構部103は、施療部101の全体を回転させる必要はなく、施療部101の少なくとも一部を回転させるもので足りる。施療部101が後述の対の押圧部材101a,101bを含む場合、機構部103は、対の押圧部材101a,101bの少なくとも一方を回転させる。
回転は、真円に沿った軌跡を描く運動である必要はなく、楕円その他の変形した円に沿った軌跡を描く運動であれば足りる。施療部101の運動軌跡が真円に沿った軌跡でない場合、回転中心は、施療部101の運動軌跡に近似する真円を想定したときに、その真円の中心付近に存在することを観念できるものであれば足りる。
例えば、第2章第1節で説明したマッサージユニット10における掴み機構30の引き揉み動作(及び押し揉み動作)も、第3章における施療部101の回転と同視することができる。
(39)回転中心102は、施療部101によって掴み揉みされる身体部位100の内部に位置することができる。この場合、身体部位100をその内部の回転中心102回りに回転させることができる。
(40)回転中心102は、施療部101によって掴み揉みされる身体部位100の外部に位置することができる。この場合、身体部位100をその外部の回転中心102回りに回転させることができる。
(41)施療部101は、接近及び離反して身体部位に対する掴み揉みを行うための対の押圧部材101a,101bを含み、機構部103は、対の押圧部材101a,101bの少なくともいずれか一方の押圧部材を、筋繊維の方向に交わる面内方向に向く回転中心102回りに回転させるよう構成されているのが好ましい。対の押圧部材101a,101bの少なくともいずれか一方の押圧部材が回転することで、単なる掴み揉みよりもマッサージ感が向上する。
(42)機構部103は、対の押圧部材101a,101bを互いに逆方向に回転させるよう構成されているのが好ましい。対の押圧部材101a,101bを互いに逆方向に回転させることで、単なる掴み揉みよりもマッサージ感が向上する。
(43)施療部101は、身体部位100に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A,121B及び第2施療部材121C,121Dを含み、第1施療部材121A,121B及び第2施療部材121C,121Dは、筋繊維の方向に並設され、機構部103は、前記第1施療部材121A,121B及び第2施療部材121C,121Dの少なくともいずれか一方を、筋繊維の方向に交わる面内方向に向く回転中心102回りに回転させるよう構成されているのが好ましい。
(44)第1施療部材121A,121B及び第2施療部材121C,121Dは、第1施療部材121A,121Bと第2施療部材121C,121Dとの間に身体部位100が位置するように、対向して配置されているのが好ましい。ここで、「対向して配置され」とは、身体部位100を挟んで身体部位100の両側に配置されていれば足りる。例えば、第1施療部材121A,121B及び第2施療部材121C,121Dが、身体部位の長手方向にずれて配置されていてもよい。
(45)施療部10は、身体部位100に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを含み、機構部103は、第1施療部材121Aによる掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121Aによって掴み揉みが行われている身体部位100cにおける筋繊維の方向に交わる面内方向に向く第1回転102A中心回りに第1施療部材121Aを回転させるよう構成され、かつ第2施療部材121Bによる掴み揉みが行われている状態で、第2施療部材121Bによって掴み揉みが行われている身体部位100dにおける筋繊維の方向に交わる面内方向に向く第2回転102B中心まわりに第2施療部材10Bを回転させるよう構成されているのが好ましい。
(46)第1回転中心102Aは、第2回転中心102Bとは異なる方向を向いているのが好ましい。
(47)第1回転中心102Aは、第2回転中心102Bとは異なる位置に存在するのが好ましい。
(48)第1施療部材121A及び第2施療部材121Bの少なくともいずれか一方は、身体部位に対する掴み揉みを行うための対の押圧部材101a,101bを含み、機構部103は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによって身体部位を掴み揉みが行われている状態で、対の押圧部材101a,101b同士の相対位置関係が変化するように、対の押圧部材101a,101bの少なくともいずれか一方の押圧部材を、第1回転中心102A又は第2回転中心102Bまわりに回転させるのが好ましい。
(49)施療部101は、身体部位に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを含み、機構部103は、第1施療部材121Aによる掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121Aによって掴み揉みが行われている身体部位100cにおける筋繊維の方向に交わる面内方向に向く第1回中心102A回りに前記第1施療部材121Aを回転させるよう構成され、かつ第2施療部材121Bによる掴み揉みが行われている状態で、第2施療部材121Bによって掴み揉みが行われている身体部位100dにおける筋繊維の方向に交わる面内方向に向く第2回転102B中心まわりに第2施療部材121Bを回転させるよう構成され、第1回転中心102Aは、第1施療部材121Aによって掴み揉みが行われている身体部位100cの内部に位置し、第2回転中心102Bは、121B第2施療部材によって掴み揉みが行われている身体部位100dの外部に位置するのが好ましい。
(50)機構部102は、施療部101による掴み揉みが行われている状態で、更に、前記筋繊維に沿った方向へ施療部101を動かすよう構成されているのが好ましい。
(51)施療部101は、身体部位に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材及び第2施療部材を含み、機構部103は、第1施療部材による掴み揉みが行われている状態で、前記筋繊維の方向に交わる面内方向に向く回転中心回りに第1施療部材を回転させ、更に、前記筋繊維に沿った方向へ第1施療部材を動かすよう構成され、かつ第2施療部材による掴み揉みが行われている状態で、筋繊維の方向に交わる面内方向に向く回転中心回りに第2施療部材を回転させ、更に、筋繊維に沿った方向へ前記第2施療部材を動かすよう構成されているのが好ましい。
(52)機構部103は、第1施療部材及び第2施療部材が互いに離れるように、第1施療部材及び第2施療部材の少なくともいずれか一方を前記筋繊維に沿った方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
(53)施療部101は、身体部位に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cを含み、第1施療部材121Aは、身体の第1範囲100hに対して掴み揉みを行うよう設けられ、第2施療部材121Bは、第1範囲100hとの間に少なくとも一つの関節を介して、第1範囲100hとは異なる範囲である身体の第2範囲100aに対して掴み揉みを行うよう設けられ、第3施療部材121Cは、第2の範囲100aとの間に少なくとも一つの他の関節を介して、第1範囲100h及び第2範囲100aとは異なる範囲である身体の第3範囲100dに対して掴み揉みを行うよう設けられているのが好ましい。
(54)機構部103は、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cのうちの二以上の施療部材による掴み揉みが行われている状態で、掴み揉みを行っている二以上の施療部材の少なくとも一つを、前記回転中心102回りに回転させるよう構成されているのが好ましい。
(55)対の押圧部材101a,101bのうちの一方の押圧部材101aは、肩上側100haを押圧し、対の押圧部材101a,101bのうちの他方の押圧部材101bは、肩裏側100hbを押圧するのが好ましい。
(56)施療部101は、首100hに対する掴み揉みを行うよう設けられているのが好ましい。
(57)他の観点からみたマッサージ装置は、肩100hに対する掴み揉みを行う施療部101と、施療部101が首100iに対する掴み揉みが行えるように首100iまで移動させる機構部103と、を備える。
(58)前記施療部101は、掴み揉みを行うための対の押圧部材101a,101bを含み、前記機構部103は、更に、前記対の押圧部材101a,101bの少なくともいずれか一方の押圧部材101a,101bを、掴み揉みが行われる身体部位における筋繊維の方向に交わる面内方向に向く回転中心回りに回転させるよう構成されているのが好ましい。
[本発明の実施形態の詳細]
図87及び図88は、マッサージユニット例10の例を示している。このマッサージユニット10は、例えば、肘掛け部4に設けられ、被施療者の身体部位100のマッサージを行う。身体部位100は、例えば、手100c及び前腕100dである。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。手100c及び前腕100dの筋繊維は、手100c及び前腕100dの長手方向(図87のZ方向)に向いている。
マッサージユニット10は、手100c及び前腕100dにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、手100cをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121Aと、前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第2施療部材121Bと、を含む。
肘掛け部4に設けられる施療部材121A,121Bの数は、1つでもよいし、3以上でもよい。図87及び図88に示す施療部材121A,121Bは、首、肩、上腕、太腿、下腿、足、及びその他の身体部位をマッサージ(掴み揉み)するように、マッサージ装置1に設けられても良い。
第1施療部材121Aは、対の押圧部材101a,101bを有している。対の押圧部材101a,101bは、それらの間にマッサージ対象の手100cを配置可能な空間を有するように対向配置されている。対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。対の押圧部材101a,101bのうち、上側の押圧部材101aを構成するエアセルの数は2つであり、下側の押圧部材101bを構成するエアセルの数は1つである。エアセル101a,101bは、図示しない空気回路による給排気を受ける。エアセル101a,101bは給排気によって膨張収縮する。膨張した対のエアセル101a,101bは、手100cの両側から押圧する(図89参照)。対のエアセル101a,101bによる押圧によって掴み揉みが得られる。
第1施療部材121Aは、手100cにおける筋繊維の方向(手100cの長手方向;図87のZ方向)に交わる方向(図87のY方向)から手100cに対する掴み揉みを行う。
掴み揉みは、対の押圧部材101a,101bの間に身体部位100を位置させた状態で、対の押圧部材101a,101bを互いに近接させることで行われる。このように、掴み揉みは、身体部位100を挟み込むシンプルな動作で足りる。
第2施療部材121Bは、第1施療部材121Aと同様の構成を有し、同様に動作する。すなわち、第2施療部材121Bは、対の押圧部材101a,101bを有し、対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。
図87及び図88のマッサージユニット10は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを移動させる機構部103を更に備えている。機構部103は、第1施療部材121Aを移動させる第1機構部103Aと、第2施療部材121Bを移動させる第2機構部103Bと、を含む。
第1機構部103Aは、対のエアセル101a,101bのうちの一方のエアセル(第1エアセル)101aが取り付けられる第1支持部材153aと、他方のエアセル(第2エアセル)101bが取り付けられる第2支持部材153bと、第1支持部材153a及び第2支持部材153bを手の外側(小指側)で連結する第3支持部材153cと、第3支持部材153cに連結された回転軸(回転中心)102と、を備えている。回転軸102は、駆動部154によって回転駆動される。
回転軸(回転中心)102は、手100cの筋繊維の方向(Z方向)に交わる方向(X方向)を向いている。換言すると、回転中心102は、手100cの筋繊維の方向(Z方向)に交わる面内方向を向いている。
駆動部154は、支持部材153a,153b,153cを、回転軸(回転中心)102回りに回転駆動する。エアセル101a,101bは、支持部材153a,153b,153cの回転に伴って、回転軸(回転中心)102回りに回転する。エアセル101a,101bは、駆動部154の正逆回転により、回転軸(回転中心)102回りの正逆回転が可能である。
図89及び図90において、回転中心102は、対のエアセル101a,101bによる押圧方向(Y方向)と交差(直交)する方向に向けられている。エアセル101a,101bの回転によって、押圧方向を変化させることができる。
図89及び図90に示すように、回転軸102による回転中心は、掴み揉みされる身体部位(手又は前腕)の内部に位置する。ここで、身体部位の内部とは、掴み揉みされた状態での身体部位の内部をいう。回転中心102が身体部位100の内部に位置する場合、回転中心102は、対の押圧部材101a,101bの間を通る。回転中心102が身体内部を通る位置にあることで、図90に示すように、回転中心102回りに、掴み揉みされた身体部位を傾けるように動作させることができる。
なお、図89及び図90において、回転中心102が、身体部位の外部に位置するように配置してもよい。
第2機構部103Bは、第1機構部103Aと同様の構成を有し、同様に動作する。すなわち、第2機構部103Bは、支持部153a,153b,153cと、回転軸(回転中心)102と、を有する。第2機構部103Bの回転軸102も駆動部154によって回転駆動される。
図88において、第1機構部103A及び第2機構部103Bは、それぞれ別の駆動部154によって駆動されるが、第1機構部103A及び第2機構部103Bは、共通の駆動部によって駆動されてもよい。
図90は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによって手100c及び前腕100dを掴み揉みした状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを互いに、逆方向に回転させた様子を示している。第1施療部材121Aは、時計回りに回転し、第2施療部材121Bは、反時計回りに回転している。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、それらの間に位置する関節(図90では手関節)を曲げ点として、手100cと前腕100dとをV字状に曲げることができ、ストレッチ作用が生じる。
第1施療部材121A及び第2施療部材121Bが互いに逆方向に回転するように、回転軸102の正逆回転を繰り返すことで、関節(手関節)の曲げを繰り返すことができる。
第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによって手100c及び前腕100dを掴み揉みした状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bのうちのいずれか一方だけを回転させてもよい。この場合も、曲げ角度は比較的小さくなるが、関節を曲げることができる。
第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによって手100c及び前腕100dを掴み揉みした状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを同じ方向回転させてもよい。この場合、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを互いに、逆方向に回転させた場合とは、異なるマッサージ感が得られる。
第1施療部材121Aが手100cを掴み揉みしているが、第2施療部材121Bは前腕100dを掴み揉みしていない状態で、第1施療部材121Aを回転させてもよい。この場合も、手関節を曲げることができる。第2施療部材121Bが前腕100dを掴み揉みしているが、第1施療部材121Aが手を掴み揉みしていない状態で、第2施療部材121Bを回転させてもよい。この場合、肘関節又は肩関節を曲げることができる。
第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bの間に被施療者の関節が位置しないように配置されてもよい。例えば、第1施療部材121Aは、前腕100dの手首側の部分をマッサージし、第2施療部材121Bは、前腕100dの肘側の部分をマッサージするものであってもよい。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bの間に被施療者の関節が位置しない場合、掴み揉みされている身体部位をねじるようなマッサージ感を得ることができる。
図91及び図92は、マッサージユニットの他の例を示している。このマッサージユニット10は、例えば、肘掛け部4に設けられ、被施療者の身体部位100のマッサージを行う。身体部位100は、例えば、手100c及び前腕100dである。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。手100c及び前腕100dの筋繊維は、手100c及び前腕100dの長手方向(図87のZ方向)に向いている。
マッサージユニット10は、手100c及び前腕100dにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、手100cをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121Aと、前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第2施療部材121Bと、を含む。
肘掛け部4に設けられる施療部材121A,121Bの数は、1つでもよいし、3以上でもよい。図91及び図92に示す施療部材121A,121Bは、首、肩、上腕、太腿、下腿、足、及びその他の身体部位をマッサージ(掴み揉み)するように、マッサージ装置1に設けられても良い。
第1施療部材121Aは、対の押圧部材101a,101bを有している。対の押圧部材101a,101bは、それらの間にマッサージ対象の手100cを配置可能な空間を有するように対向配置されている。対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。対の押圧部材101a,101bのうち、上側の押圧部材101aを構成するエアセルの数は2つであり、下側の押圧部材101bを構成するエアセルの数は1つである。エアセル101a,101bは、図示しない空気回路による給排気を受ける。エアセル101a,101bは給排気によって膨張収縮する。膨張した対のエアセル101a,101bは、手100cの両側から押圧する。対のエアセル101a,101bによる押圧によって掴み揉みが得られる。
第1施療部材121Aは、手100cにおける筋繊維の方向(手100cの長手方向;図91のZ方向)に交わる方向(図91のY方向)から手100cに対する掴み揉みを行う。
掴み揉みは、対の押圧部材100a,100bの間に身体部位100を位置させた状態で、対の押圧部材100a,100bを互いに近接させることで行われる。このように、掴み揉みは、身体部位100を挟み込むシンプルな動作で足りる。
第2施療部材121Bは、第1施療部材121Aと同様の構成を有し、同様に動作する。すなわち、第2施療部材121Bは、対の押圧部材101a,101bを有し、対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。
図91及び図92のマッサージユニット10は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを移動させる機構部103を更に備えている。機構部103は、第1施療部材1121Aを移動させる第1機構部103Aと、第2施療部材121Bを移動させる第2機構部103Bと、を含む。
第1機構部103Aは、対のエアセル101a,101bのうちの一方のエアセル(第1エアセル)101aが取り付けられる第1支持部材153aと、他方のエアセル(第2エアセル)101bが取り付けられる第2支持部材153bと、第1支持部材153a及び第2支持部材153bを手の外側(小指側)で連結する第3支持部材153cと、第3支持部材153cに連結された回転軸(回転中心)102と、を備えている。回転軸102は、駆動部154によって回転駆動される。
回転軸(回転中心)102は、手の筋繊維の方向(Z方向)に交わる方向(Y方向)を向いている。換言すると、回転中心102は、手100cの筋繊維の方向(Z方向)に交わる面内方向を向いている。
駆動部154は、支持部材153a,153b,153cを、回転軸(回転中心)102回りに回転駆動する。エアセル101a,101bは、支持部材153a,153b,153cの回転に伴って、回転軸(回転中心)102回りに回転する。エアセル101a,101bは、駆動部154の正逆回転により、回転軸(回転中心)102回りの正逆回転が可能である。
図91及び図92において、回転中心102は、対のエアセル101a,101bによる押圧方向(Y方向)に沿って向けられている。エアセル101a,101bの回転によって、押圧位置を円弧上の回転軌跡に沿って変化させることができる。
図91及び図92に示すように、回転軸102による回転中心は、掴み揉みされる身体部位(手又は前腕)の外部に位置する。ここで、身体部位の外部とは、掴み揉みされた状態での身体部位の外部をいう。回転中心102は、手100c及び前腕100dの外側(小指側)になるが、手100c及び前腕100dの内側(親指側)に配置されていてもよい。
回転中心102が身体部位109の外部に位置する場合、回転中心102は、対の押圧部材101a,101bの間を通ることができる。回転中心102が身体外部を通る位置にあることで、図90に示すように、回転中心102回りの移動量を大きくすることができる。
なお、図91及び図92において、回転中心102が、身体部位の内部に位置するように配置してもよい。
第2機構部103Bは、第1機構部103Aと同様の構成を有し、同様に動作する。すなわち、第2機構部103Bは、支持部153a,153b,153cと、回転軸(回転中心)102と、を有する。第2機構部103Bの回転軸102も駆動部154によって回転駆動される。
図91及び図92において、第1機構部103A及び第2機構部103Bは、それぞれ別の駆動部154によって駆動されるが、第1機構部103A及び第2機構部103Bは、共通の駆動部によって駆動されてもよい。
図93は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによって手100c及び前腕100dを掴み揉みした状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを同じ方向に回転させた様子を示している。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bが同じ方向に回転するように、回転軸102の正逆回転を繰り返すことで、掴み揉みの位置を周期的に変化させることができる。
第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによって手100c及び前腕100dを掴み揉みした状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bのうちのいずれか一方だけを回転させてもよい。
第1施療部材121Aが手100cを掴み揉みしているが、第2施療部材121Bは上腕100dを掴み揉みしていない状態で、第1施療部材121Aを回転させてもよい。第2施療部材121Bが前腕100dを掴み揉みしているが、第1施療部材121Aが手を掴み揉みしていない状態で、第2施療部材121Bを回転させてもよい。
図94は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによって手100c及び前腕100dを掴み揉みした状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを、互いに逆方向に回転させた様子を示している。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bが互いに逆方向に回転するように、回転軸102の正逆回転を繰り返すことで、手100cと前腕100dとを互いに近づける方向に力を加えたり、互いに離れる方向に力を加えたりすることができる。
図95及び図96は、マッサージユニットの例を示している。図95及び図96に示すマッサージユニット10は、図91及び図92に示すマッサージユニット10とほぼ同様の構成を有している。異なるのは、図95及び図96に示すマッサージユニット10における第1支持部材153a及び第2支持部材153bは、第3支持部材153cに対して、それぞれ独立して回転可能に構成されている点である。
図95及び図96のマッサージユニット10において、第1支持部材153aは、第1回転軸102a回りに回転自在に第3支持部材153cに設けられ、第2支持部材153bは、第1回転軸102aと同軸状に設けられた第2回転軸102b回りに回転自在に第3支持部材153cに設けられている。図95及び図96のマッサージユニット10において、第1回転軸102a及び第2回転軸102bは、それぞれ別の駆動源154によって駆動される。このように、マッサージユニット10の機構部103は、第1エアセル101a及び第2エアセル101bを互いに逆方向に回転させるよう構成されている。なお、機構部103は、共通の駆動源154によって、エアセル101a,101bを互いに逆方向に回転させるよう構成されていてもよい。
図97及び図98は、エアセル101a,101bによって手100c及び前腕100dを掴み揉みした状態で、第1施療部材121Aを構成する対の押圧部材(エアセル)101a,101bを互いに逆方向に回転させ、同様に、第2施療部材121Bを構成する対の押圧部材(エアセル)101a,101bを互いに逆方向に回転させた状態を示している。このように対の押圧部材101a,101bを互いに逆方向に回転させることで、掴み揉みされている身体部位100c,100dの両側に対して異なる方向の力を加えることができる。対の押圧部材101a,101bを互いに逆方向に回転させることで、対の押圧部材101a,101bの相対位置関係が変化し、対の押圧部材101a,101bそれぞれによる押圧位置を異ならせることができる。
図97及び図98では、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bそれぞれの第1エアセル101aは、同じ方向に回転し、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bそれぞれの第2エアセル101bも、同じ方向に回転する。ただし、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bそれぞれの第1エアセル101aは、互いに逆方向に回転し、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bそれぞれの第2エアセル101bも、互いに逆方向に回転してもよい。
図99及び図100は、マッサージユニットの例を示している。このマッサージユニット10は、例えば、肘掛け部4に設けられ、被施療者の身体部位100のマッサージを行う。身体部位100は、例えば、手100c及び前腕100dである。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。手100c及び前腕100dの筋繊維は、手100c及び前腕100dの長手方向(図99のZ方向)に向いている。
マッサージユニット10は、手100c及び前腕100dにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、手100cをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121A及び第2施療部材121Cと、前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121B及び第2施療部材121Dと、を有している。
手100cをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121A及び第2施療部材121Cは、それらの間に手100cが位置するように、互いに対向して配置されている。前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121B及び第2施療部材121Dは、それらの間に前腕100dが位置するように、互いに対向して配置されている。
身体部位100c,100dを介して対向配置される対の施療部材は、一対でもよいし、3対以上でもよい。図99及び図100に示す施療部材121A,121B、121C,121Dは、首、肩、上腕、太腿、下腿、足、及びその他の身体部位をマッサージ(掴み揉み)するように、マッサージ装置1に設けられても良い。
図99及び図100の第1施療部材121A,121Bは、図91に示す2つの施療部材121A,121Bを小型化したものに相当し、それらの構成及び動作は、共通している。また、マッサージユニット10の機構部103は、第1施療部材121A,121Bそれを移動させる第1機構部103A,103Bを備えている。これらの機構部103A,103Bも、図91に示す2つの機構部103A,103Bに相当し、それらの構成及び動作は、共通している。
したがって、図99及び図100の第1施療部材121A,121Bは、身体部位を掴み揉みした状態で、それらの回転中心102回りに回転することができる(図100参照)。図99及び図100の第1施療部材121A,121Bは、手100c及び前腕100dの幅方向一方側(外側;小指側)のマッサージを担う。
図99及び図100の第2施療部材121C,121D及び第2機構部103C,103Dは、第1施療部材121A,121B及び第1機構部103A,103Bを、手100c及び前腕100dの長手方向(Z方向)に沿った対称軸に対して左右対称に配置しものに相当する。したがって、図99及び図100の第2施療部材121C,121Dは、身体部位を掴み揉みした状態で、それらの回転中心102回りに回転することができる(図100参照)。図99及び図100の第2施療部材121C,121Dは、手100c及び前腕100dの幅方向他方側(内側;親指側)のマッサージを担う。
図100では、手100c用の第1施療部材121Aは時計回りに回転し、手100c用の第2施療部材121Cは反時計回りに回転しているが、それぞれ逆方向に回転することもできる。
同様に、前腕100d用の第1施療部材121Bは時計回りに回転し、前腕100d用の第2施療部材121Dは反時計回りに回転しているが、それぞれ逆方向に回転することもできる。
図101及び図102は、マッサージユニットの例を示している。このマッサージユニット10は、図91及び図92に示すマッサージユニット10とほぼ同様の構成を有している。異なるのは、第2施療部材121Bを回転させる第2機構部103Bの回転中心102が、前腕100dの外側(小指側)ではなく、内側(親指側)に配置されている点である。第1施療部材121Aの回転中心102と、第2施療部材121Bの回転中心102とは、身体部位100c,100dを間に配置した状態で、対向して位置する。これにより、第1施療部材121Aと第2施療部材121Bとは、それらの間に身体部位100c,100dが位置するように、対向して配置されていることになる。
図102において、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、それぞれが掴み揉みした状態で、それぞれの回転中心102回りに、同方向に回転(時計回りの回転)する。同方向回転によって、第1施療部材121Aは手先側に移動し、第2施療部材121Bは肘側に移動する。これにより、手100c及び前腕100dを延ばすようなマッサージを与えることができる。
第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、それぞれが掴み揉みした状態で、それぞれの回転中心102回りに、互いに逆方向に回転させることもできる。この場合、手100c及び前腕100dを手先側に押し出したり、肘側に引きこんだりする動きを生じさせることができる。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bのいずれか一方だけを回転させてもよい。
図103は、マッサージユニットの例を示している。このマッサージユニット10は、手100c用の第1施療部材121A及び第1機構部103Aとして、図87に示す第1施療部材121A及び第1機構部103Aを設け、前腕100d用の第2施療部材121B及び第2機構部103Bとして、図95に示す第2施療部材121B及び第2機構部103Bを設けたものである。なお、図87に示す施療部材121A,121B及び機構部103A,103Bと、図91に示す施療部材121A,121B及び機構部103A,103Bと、を組み合わせても良い。
手100c用の第1施療部材121Aの第1回転中心102Aは、掴み揉みされる手100cの内部を通り、図103のX方向を向く。前腕100d用の第2施療部材121Bの第2回転中心102Bは、前腕100dの外部を通り、図103のY方向を向く。つまり、図103において、2つの回転中心102A,102Bは位置が異なり、かつ、方向も異なる。
図104〜図106に示すように、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bが掴み揉みした状態で、第2施療部材121Bの対のエアセル101a,101bは、互いに、相対位置関係が変化するように、第2回転中心102B回りに、互いに逆方向に回転することができる。つまり、第1エアセル101aは、回転中心102B−a回りに、例えば時計回りに回転する場合、第2エアセル101bは、回転中心102B−b回りに、反時計回りに回転する。
なお、第1施療部材121Aも、掴み揉みしている状態で、第1回転中心102A回りに回転することができる。
例えば、図107に示すように、前腕100dを掴み揉みしている第2施療部材121Bの対のエアセル101a,101bが第2回転中心102B回りに回転しているときに、手100cを掴み揉みしている第1施療部材121Aが第1回転中心102回りに回転することができる。
図108〜図114は、マッサージユニット10の例を示している。図108〜図114に示すマッサージユニット10は、図87〜図90に示すマッサージユニット10のように施療部121A,121Bが回転中心102回りに回転するよう構成されている。図108〜図114に示すマッサージユニット10においては、施療部121A,121Bの回転に関する構成は、図87〜図90に示すマッサージユニット10と同様である。さらに、図108〜図114に示すマッサージユニットでは、施療部121A,121Bが回転中心102回りに回転するだけでなく、身体部位100(100d,100c)の筋繊維に沿った方向へ移動するよう構成されている。
図109に示すように、マッサージユニット10の機構部103A,103Bは、エアセル101a,101b(図109では図示省略)の支持部153a,153b,153cに連結された回転軸102(回転中心102に対応)を回転駆動する駆動部154を支持するベース部155を備えている。機構部103A,103Bは、ベース部155を直線駆動するためのねじ軸156と、ねじ軸156を回転駆動する駆動部158と、を更に備えている。ベース部155は、ねじ軸156に螺合するナット孔157を有し、ねじ軸156が回転することによりねじ軸156の長手方向に直線移動することができる。ねじ軸156は、施療部121A,121Bによってマッサージ(掴み揉み)される身体部位100d、100cの長手方向に沿って配置されおり、施療部121A,121Bを身体部位100d、100cの筋繊維方向に移動させることができる。図110に示すように、ベース部155は、ねじ軸156の長手方向の任意の位置へ移動でき、移動中又は停止した状態において、駆動部154が回転軸102を回転駆動することで、施療部121A,121Bを回転中心102回りに回転させることができる。
第1施療部材121Aと第2施療部材121Bとは、それぞれ独立して、筋繊維方向に移動可能である。第1施療部材121Aの移動可能範囲は、手100cから前腕100d(の手側)に及ぶ範囲である。第2施療部材121Bの移動可能範囲は、前腕100dの範囲内であるが、前腕100dから上腕に及ぶ範囲であってもよい。施療部材121A,121Bが、手関節などの関節を跨ぐ範囲で移動可能であると、広範囲なマッサージが可能となる。
第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、図111に示すように、第1施療部材121Aが手100cを掴み揉みし、第2施療部材121Bが前腕100dを掴み揉みしている状態から、図112に示すように回転及び直線移動することができる。図112では、第1施療部材121Aは、その回転中心102が図111に示す位置にとどまったまま(直線移動無)、回転中心102回りに、時計回りに回転する。第2施療部材121Bは、その回転中心102が図111に示す位置よりも上腕側(図112において右側)へ移動しつつ、回転中心102回りに、反時計回りに回転する。このような動きにより、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、互いに離れつつ、回転をすることができる。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは同一方向に回転してもよい。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、筋繊維に沿った方向への移動中において、同一方向にだけ回転する必要はなく、正逆回転を繰り返しても良い。施療部材121A,121Bの直線移動中に、施療部材121A,121Bが正逆回転を繰り返すことで、正逆回転によるマッサージの位置を変化させることができる。
第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、図113に示すように、第1施療部材121Aが手100c及び手首(前腕100dの手100c側)に跨る範囲に位置し、第2施療部材121Bが前腕100dに位置しており、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bが近接している状態から、図114に示すように、回転及び直線移動することができる。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、図113の状態から、エアセル101a,101bを膨張させて、身体部位100c,100dを掴み揉みし、さらに、図114に示すよう回転及び直線移動することができる。
図114では、第1施療部材121Aは、手先側(図114の左側)へ移動し、回転中心102回りに、時計回りに回転する。第2施療部材121Bは、上腕側(図114の右側)へ移動し、回転中心102回りに、反時計回りに回転する。
図115及び図116は、マッサージユニット10の例を示している。図115のマッサージユニット10は、図91及び図92に示す施療部材121A,121Bを3つ設けたものである。図115のマッサージユニット10は、第1範囲である肩100hをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121Aと、第2範囲である上腕100aをマッサージ(掴み揉み)する第2施療部材121Bと、第3範囲である前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第3施療部材121Cと、を有している。第1範囲である肩100hと第2範囲である上腕100aとの間には、使用者の肩関節が位置し、第2範囲である上腕100aと第3範囲である前腕100dとの間には、使用者の肘関節が位置する。
図115のマッサージユニット10は、図91及び図92に示す機構部103A,103Bと同様に、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cそれぞれを回転中心102回りに回転させる機構部を備えている。
図116に示すように、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cは、それぞれが身体部位100h,100a,100cを掴み揉みしつつ、回転中心102に回転(搖動)することができる。例えば、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cは、これらの施療部材121A,121B,121Cのうちの二以上の施療部材による掴み揉みが行われている状態で、掴み揉みを行っている二以上の施療部材の少なくとも一つを、回転中心102回りに回転させることができる。
より具体的には、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによって肩100h及び上腕100aに対する掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bのうちのいずれか一方、又は両方を、それらの回転中心102回りに回転させることができる。また、第1施療部材121A及び第3施療部材121Cによって肩100h及び前腕100dに対する掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A及び第3施療部材121Cのうちのいずれか一方、又は両方を、それらの回転中心102回りに回転させることができる。また、第2施療部材121B及び第3施療部材121Cによって上腕100a及び前腕100dに対する掴み揉みが行われている状態で、第2施療部材121B及び第3施療部材121Cのうちのいずれか一方、又は両方を、それらの回転中心102回りに回転させることができる。また、第1施療部材121A、第2施療部材121B及び第3施療部材121Cによって肩100h、上腕100a、及び前腕100dに対する掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A、第2施療部材121B及び第3施療部材121Cのうちのいずれか一つ、若しくはいずれか二つ、又は全部を、それらの回転中心102回りに回転させることができる。複数の施療部材121A,121B,121Cの回転方向は同一であってもよいし、異なっても良い。
図117〜図121は、マッサージユニット10の例を示している。図117〜図121に示すマッサージユニット10は、例えば、背もたれ部3に設けられ、被施療者の身体部位100のマッサージを行う。身体部位100は、例えば、首100iである。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。首100iの筋繊維は、首100iの長手方向(図117のY方向)に向いている。
マッサージユニット10は、首100iにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、対の押圧部材101a,101bを有している。対の押圧部材101a,101bは、それらの間にマッサージ対象の首100iを配置可能な空間を有するように対向配置されている。対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。エアセル101a,101bは、給排気によって膨張収縮し、首100iを左右から押圧する。対のエアセル101a,101bによる押圧によって掴み揉みが得られる。
施療部101は、首100iにおける筋繊維の方向(首の長手方向;図117のY方向)に交わる方向(図117及び図118のX方向)から、首100iに対する掴み揉みを行う。
図117〜図121のマッサージユニット10は、施療部101を移動させる機構部103を更に備えている。機構部103は、対のエアセル101a、101bのうちの一方のエアセル(第1エアセル)101aが取り付けられる第1支持部材153aと、他方のエアセル(第2エアセル)101bが取り付けられる第2支持部材153bと、を備えている。両支持部材153a,153bは、板状に形成され、前側(図117の左側)ほど、両支持部材153a,153bの間隔が大きくなるように傾斜して配置されている。
機構部103は、第1エアセル101aを第1回転中心102A回りに回転させ、第2エアセル101bを第2回転中心102B回りに回転させ、さらに、第1エアセル101a及び第2エアセル101bを第3回転中心102C回りに回転させることができるよう構成されている。第1回転中心102A、第2回転中心102B、及び第3回転中心102Cは、いずれも、首100iの筋繊維に交わる面内方向(図117及び図118のXZ平面内の方向)に向いている。
第1支持部材153aは、その後端に、第1回転軸102aが取り付けられており、第1回転軸102aには、第1回転軸102aを回転駆動する第1駆動部154aが連結されている。第1駆動部154aによって第1回転軸102aが回転駆動されると、第1エアセル101aは、第1回転中心102A回りに回転することができる。
第2支持部材153bは、その後端に、第2回転軸102bが取り付けられており、第2回転軸102bには、第2回転軸102bを回転駆動する第2駆動部154bが連結されている。第2駆動部154bによって第2回転軸102bが回転駆動されると、第2エアセル101bは、第2回転中心102B回りに回転することができる。
第1駆動部154a及び第2駆動部154bは、ベース部155によって保持されている。ベース部155は、その左右方向一端に、第3回転軸102cが取り付けられており、第3回転軸102cには、第3回転軸102cを回転駆動する第3駆動部154cが連結されている。第3駆動部154cによって第3回転軸102cが回転駆動されると、ベース部155は、左右方向(X方向)の第3回転中心102C回りに回転することができる。
施療部101によって首100iを掴み揉みしている状態で、図118及び図119に示すように、第1エアセル101aが第1回転中心102A回りに回転(搖動)し、第2エアセル101bが、第2回転中心102B回りに回転(搖動)することで、掴み揉みに回転を加えたマッサージを首100iに与えることができる。第1回転軸102a及び第2回転軸102bの回転方向は、互いに同じでもよいし、互いに逆方向であってもよい。
施療部101によって首100iを掴み揉みしている状態で、図120及び図121に示すように、第1エアセル101a及び第2エアセル101bが、首100iの後方に位置する第3回転中心102C回りに回転(搖動)することで、第1エアセル101a及び第2エアセル101bが上下に搖動する。この搖動によって、首100iを掴み揉みしながら、首100iを上下にさすることができる。なお、第1回転中心102A,第2回転中心102B,及び第3回転中心102C回りの回転は、それぞれ単独で行われても良いし、全てが同時に行われてもよい。
図122及び図123は、マッサージユニット10の例を示している。図122及び図123に示すマッサージユニット10は、背もたれ部3に設けられ、被施療者の肩100hのマッサージを行う。マッサージは肩100hの掴み揉みを含む。肩100hの筋繊維は、肩の左右方向(図122及び図123のX方向)に向いている。
マッサージユニット10は、肩100hにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、左肩をマッサージする第1施療部材121Aと、右肩をマッサージする第2施療部材121Bと、を有している。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、それぞれ、対の押圧部材101a,101bを有している。対の押圧部材101a,101bのうちの一方の押圧部材(第1押圧部材)101aは、肩上側100haを押圧し、他方の押圧部材(第2押圧部材)101bは、肩裏側(肩の背中側)100hbを押圧するよう配置されている。対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。エアセル101a,101bは、給排気によって膨張収縮する。第1押圧部材であるエアセル101aは、下方に膨張し、肩上側100haを下方へ押圧する。第2押圧部材であるエアセル101bは、前方に膨張し、肩後側100hbを前方へ押圧する。対のエアセル101a,101bによる押圧によって、肩100hに対する掴み揉みが得られる。
図122及び図123のマッサージユニット10は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを移動させる機構部103を備えている。機構部103は、第1施療部材121Aを移動させる第1機構部103Aと、第2施療部材121Bを移動させる第2機構部103Bと、を含む。
第1機構部103Aは、対のエアセル101a,101bが取り付けられる支持部材153を有している。支持部材153は、第1エアセル101aが取り付けられる第1支持部材153aと、第2エアセル101bが取り付けられる第2支持部材153bと、を有している。第1支持部材153aは、肩上側100haに対向するよう配置され、第2支持部材153bは肩後側100hbに対向するよう配置されている。第1支持部材153aの後端及び第2支持部材153bの上端は連結されており、図122に示すように、支持部材153は、側面視において、L字状に形成されている。
第1機構部103Aは、支持部材153(第2支持部材153b)に連結された回転軸(回転中心)102を更に備えている。回転軸102は、駆動部154によって回転駆動される。
回転軸(回転中心)102は、肩100hの筋繊維の方向(X方向)に交わる面内方向(Z方向)を向いている。なお、回転軸(回転中心)102は、Y方向又は、その他の方向(肩100hの筋繊維の方向(X方向)に交わる面内方向)に向いていてもよい。
駆動部154は、支持部材153を、回転軸(回転中心)102回りに回転駆動する。エアセル101a,101bは、支持部材153の回転に伴って、回転軸(回転中心)102回りに回転する。エアセル101a,101bは、駆動部154の正逆回転により、回転軸(回転中心)102回りの正逆回転が可能である。
第2機構部103Bは、第1機構部103Aと同様の構成を有し、同様に動作可能である。すなわち、第2機構部103Bは、支持部材153と、回転軸(回転中心)102と、を有する。第2機構部103Bの回転軸102も駆動部154によって回転駆動される。第1機構部103A及び第2機構部103Bは、それぞれ別の駆動部154によって駆動されてもよいし、共通の駆動部154によって駆動されてもよい。
図123は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによって、左右の肩100hを掴み揉みした状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを互いに逆方向に回転させた様子を示している。図123において、第1施療部材121Aは、反時計回りに回転し、第2施療部材121Bは、時計回りに回転している。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bの回転によって、肩100hをほぐすような掴み揉みが行える。
なお、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを同じ方向に回転させてもよいし、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bのうちのいずれか一方だけを回転させてもよい。また、第1支持部材153aと、第2支持部材153bとが、独立して回転するように構成してもよく、この場合、対の押圧部材のいずれか一方だけを回転させることもできる。さらに、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bが、肩100hを掴み揉みしていない状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを回転させて掴み揉みの位置を変化させた後、肩を掴み揉みしてもよい。
図124〜図126は、マッサージユニット10の例を示している。図124〜図126に示すマッサージユニット10は、背もたれ部3に設けられ、被施療者のマッサージを行う。マッサージは、被施療者の肩(図では左肩)100h又は首100iの掴み揉みを含む。首100iの筋繊維は、首の長手方向(図124のY方向)に向いている。
マッサージユニット10は、肩100h又は首100iにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、対の押圧部材101a,101bを有している。対の押圧部材101a,101bのうちの一方の押圧部材(第1押圧部材)101aは、肩上側100haを押圧し、他方の押圧部材(第2押圧部材)101bは、肩裏側(肩の背中側)100hbを押圧するよう配置されている。対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。エアセル101a,101bは、給排気によって膨張収縮する。第1押圧部材であるエアセル101aは、下方に膨張し、肩上側100haを下方へ押圧する。第2押圧部材であるエアセル101bは、前方に膨張し、肩後側100hbを前方へ押圧する。対のエアセル101a,101bによる押圧によって、肩100hに対する掴み揉みが得られる。
図124〜図126のマッサージユニット10は、施療部101を移動させる機構部103を備えている。機構部103は、対のエアセル101a,101bが取り付けられる支持部材153を有している。支持部材153は、第1エアセル101aが取り付けられる第1支持部材153aと、第2エアセル101bが取り付けられる第2支持部材153bと、第2支持部材153bが取り付けられる第3支持部材153cと、を有している。
第1支持部材153aは、肩上側100haに対向するよう配置され、第2支持部材153bは肩後側100hbに対向するよう配置されている。第1支持部材153aの後端及び第2支持部材153bの上端は連結されており、図124に示すように、第1支持部材153a及び第2支持部材153bは、全体として、側面視において、L字状に形成されている。
機構部103は、第2支持部材153bと第3支持部材153cとを連結する回転軸(回転中心)102を更に備えている。第3支持部材153cには、回転軸102を回転させる駆動部154が設けられている。回転軸(回転中心)102は、肩100hの筋繊維の方向(X方向)に交わる面内方向(Z方向)を向いている。なお、回転軸(回転中心)102は、Y方向又は、その他の方向(肩100hの筋繊維の方向(X方向)に交わる面内方向)に向いていてもよい。
駆動部154は、第1支持部材153a及び第2支持部材153bを、回転軸(回転中心)102回りに回転駆動する。エアセル101a,101bは、支持部材153の回転に伴って、回転軸(回転中心)102回りに回転する。エアセル101a,101bは、駆動部154の正逆回転により、回転軸(回転中心)102回りの正逆回転が可能である。
機構部103は、第3支持部材153cを、背もたれ3に対して左右方向(X方向)に移動させることができるように構成されている。具体的には、背もたれ部3には、長手方向が左右方向(X方向)に向けられたラック164を有している。ラック164に噛み合うピニオン163が、回転軸162を介して、第3支持部材153cに設けられた駆動部161に連結されている。駆動部161は、ピニオン163を回転駆動することにより、図125(a)に示すように、ピニオン163がラック164上を左右方向に移動する。これにより、駆動部161が設けられている第3支持部材153cが左右方向に移動する。第3支持部材153cの移動により、第1支持部材153a及び第2支持部材153bも左右方向へ移動する。したがって、施療部101(エアセル101a,101b)は、駆動部161の正逆回転により、左右方向の移動が可能である。
なお、第3支持部材153cには、駆動部161が取り付けられる取付体167と、取付体167から背もたれ部3側へ延びる支持軸166と、が設けられている。支持軸166の後端にはガイドローラ165が回転自在に取り付けられており、ラック164の下面に転動自在に接触している。ガイドローラ165によるラック164への転動接触によって、第3支持部材153cの左右方向の移動がガイドされる。
支持部材153全体が、駆動部161によって左右方向の任意の位置に移動した状態において、第2支持部材153bは、図125(b)に示すように、駆動部154によって回転することができる。例えば、図126(a)に示すように、支持部材153が、左肩100hの左外側端に位置して、施療部101によって肩100h(左肩)をマッサージ可能な状態から、首100iの付け根付近へ移動し、第2支持部材153bが、回転中心102回りに、時計回りに回転することができる。図126(b)に示すように、回転後において、第1支持部材153aは、首100iの側方(左則方)に位置し、第2支持部材153bは、首100iの背後に位置する。したがって、施療部101によって、首100iを側方と背後から掴み揉みすることができる。このように、機構部103は、肩100hに対するマッサージを行う施療部101が、首100iに対する掴み揉みが行えるように、施療部101を首100iの位置まで移動させることができる。
なお、第1支持部材153aと、第2支持部材153bとが、独立して回転するように構成してもよく、この場合、対の押圧部材のいずれか一方だけを回転させることもできる。さらに、図124〜図126の施療部101は、左肩に対するマッサージを行うものであるが、同様の施療部101を右肩用にも設けることで、左右両方の肩をマッサージすることができる。
図127は、図87〜図126に示すマッサージユニット10を設けるのに適した身体部位における筋繊維の方向163a〜163hと、施療部101(施療部材121A〜121D)の回転方向166A,166Bの例を示している。図127に示すように施療部101(施療部材121A〜121D)は、筋繊維の方向163a〜163hに交わる(直交する)面165を想定した場合に、その面内方向(例えば、図127の方向102A,102B)を回転中心とした回転方向166A,166Bに回転する。面内方向は、図127の方向102A,102Bに限られるものではなく、他の面内方向であってもよい。
<第3節:身体部位の筋繊維の方向に交わる面内方向の動き>
本節における実施形態を列記して説明する。本節での説明に付されている符号は、図1及び図128〜図150において使用されている。
〔本発明の実施形態の説明〕
(59)本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、身体部位に対する掴み揉みを行う施療部101と、施療部101による掴み揉みが行われている状態で、掴み揉みが行われている身体部位100における筋繊維の方向に交わる面内方向へ、施療部101を動かす機構部103と、を備えている。
施療部101が、掴み揉みが行われている身体部位100の筋繊維の方向に交わる面内方向へ動くことで、掴み揉みに更なる動きが加わり、単なる掴み揉みよりもマッサージ感が向上する。筋繊維の方向は、例えば、腕の長手方向、脚の長手方向、肩の左右方向、及び首の長手方向を含む。腕、脚又は首に対する掴み揉みを行う施療部101の場合、施療部101は、例えば、腕、脚又は首の長手方向に交差する方向に動く。腕、脚又は首などの身体部位の長手方向が上下方向を向いている場合、上記の面内方向は、身体部位の左右方向又は身体部位の前後方向を含む。肩に対する掴み揉みを行う施療部101の場合、施療部101は、例えば、肩の左右方向に交差する方向に動く。肩の左右方向に交差する面内方向は、例えば、肩の前後方向及び肩の上下方向を含む。
施療部101の前記面内方向の動きは、前記面内方向の動き成分を動きの主成分として有していれば足り、他の方向への動き成分を有していても良い。他の方向への動き成分とは、例えば、面外方向(面の法線方向)への動き成分である。施療部101の前記面内方向の動きは、直線運動である必要はなく、曲線運動であってもよい。
機構部103は、施療部101の全体を動かす必要はなく、施療部101の少なくとも一部を動かすもので足りる。施療部101が後述の対の押圧部材101a,101bを含む場合、機構部103は、対の押圧部材101a,101bの少なくとも一方を動かす。
(60)施療部101は、筋繊維の方向に交わる方向から身体部位を掴み揉みするよう構成され、機構部103は、前記面内方向に含まれる方向、かつ、施療部101による掴み揉みの方向に交わる方向へ、施療部101を動かすよう構成されているのが好ましい。施療部101が、掴み揉みの方向に交わる方向へ動くことで、掴み揉みされている身体部位の筋線維を横切る動きが生じ、このような動きにより、例えば、筋肉をほぐすことができる。
(61)施療部101は、筋繊維の方向に交わる方向から身体部位を掴み揉みするよう構成され、機構部103は、面内方向に含まれる方向、かつ、施療部101による掴み揉みの方向に沿った方向へ、施療部101を動かすよう構成されているのが好ましい。施療部101が、掴み揉みの方向に沿って動くことで、掴み揉みされている身体部位への押圧感を変化させることができる。
(62)施療部101は、身体部位100に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを含み、機構部103は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによる掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121Aと第2施療部材121Bとの相対的位置関係が変化するように、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bの少なくともいずれか一方を、面内方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
(63)第1施療部材121Aは、身体の第1範囲100cに対して掴み揉みを行うよう設けられ、第2施療部材121Bは、第1範囲100cとの間に少なくとも一つの関節を介して、第1範囲100cとは異なる範囲である身体の第2範囲100dに対して掴み揉みを行うよう設けられているのが好ましい。例えば、第1範囲は手であり第2範囲は前腕、第1範囲は前腕であり第2範囲は上腕、第1範囲は上腕であり第2範囲は肩、第1範囲は肩であり第2範囲は首、第1範囲は足であり第2範囲は下腿、第1範囲は下腿であり第2範囲は大腿、とすることができる。
(64)施療部101は、前記身体部位に対する掴み揉みを行うための対の押圧部材101a,101bを含み、機構部103は、対の押圧部材101a,101b同士の相対的位置関係が変化するように、対の押圧部材101a,101bの少なくともいずれか一方の押圧部材を、面内方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。対の押圧部材101a,101bの少なくともいずれか一方の押圧部材が動くことで、単なる掴み揉みよりもマッサージ感が向上する。
(65)機構部103は、第1施療部材121A及び前記第2施療部材121Bを、面内方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
(66)機構部103は、第1施療部材121Aと第2施療部材121Bとの相対的位置関係が変化するように、第1施療部材121A及び前記第2施療部材121Bを、面内方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
(67)機構部103は、第1施療部材121Aと第2施療部材121Bとの相対的位置関係を維持しつつ、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを、面内方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
(68)第1施療部材121Aは、肩に対する掴み揉みを行うように設けられ、第2施療部材121Bは、上肢又は首に対する掴み揉みを行うように設けられているのが好ましい。
施療部101は、手に対する掴み揉みを行うよう設けられた第1施療部材と、前腕に対する掴み揉みを行うよう設けられた第2施療部材と、上腕に対する掴み揉みを行うよう設けられた第3施療部材と、肩に対する掴み揉みを行うよう設けられた第4施療部材と、を含み、機構部103は、第1施療部材、第2施療部、第3施療部、及び、第4施療部材のうちの二以上の施療部材による掴み揉みが行われている状態で、掴み揉みを行っている二以上の施療部材の少なくとも一つを、前記面内方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
施療部101は、足に対する掴み揉みを行うよう設けられた第1施療部材と、下腿に対する掴み揉みを行うよう設けられた第2施療部材と、大腿に対する掴み揉みを行うよう設けられた第3施療部材と腰に対する掴み揉みを行うよう設けられた第4施療部材と、を含み、機構部103は、第1施療部材、第2施療部、第3施療部、及び、第4施療部材のうちの二以上の施療部材による掴み揉みが行われている状態で、掴み揉みを行っている二以上の施療部材の少なくとも一つを、前記面内方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
(69)施療部101は、身体部位における筋繊維の方向に交わる方向から身体部位に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを含み、第1施療部材121Aは、身体の第1範囲100dに対して掴み揉みを行うよう設けられ、第2施療部材121Bは、前記第1範囲100dとの間に少なくとも一つの関節を介して、前記第1範囲100dとは異なる範囲である身体の第2範囲100aに対して掴み揉みを行うよう設けられ、機構部103は、面内方向に含まれる第1方向に第1施療部材121Aを移動させるとともに、面内方向に含まれる方向であって第1方向に交わる第2方向に第2施療部材121Bを移動させるよう構成されているのが好ましい。
(70)身体部位100は、肩100hであり、機構部103は、施療部101による肩100hに対する掴み揉みが行われている状態で、肩100hにおける筋繊維の方向に交わる面内方向へ、施療部101を動かすよう構成されているのが好ましい。
(71)施療部101は、左右の一方の肩に対する掴み揉みを行う第1施療部材121A−1と、左右の他方の肩に対する掴み揉みを行う第2施療部材121A−2と、を含み、機構部103は、第1施療部材121A−1及び第2施療部材121A−2により左右の前記肩に対する掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A−1及び第2施療部材121A−2それぞれを肩における筋繊維の方向に交わる面内方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
[本発明の実施形態の詳細]
図128〜図130は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、例えば、肘掛け部4に設けられ、被施療者の身体部位100のマッサージを行う。身体部位100は、例えば、手100c及び前腕100dである。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。手100c及び前腕100dの筋繊維は、手100c及び前腕100dの長手方向(図128のZ方向)に向いている。
マッサージユニット10は、手100c及び前腕100dにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、手100cをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121Aと、前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第2施療部材121Bと、を含む。
肘掛け部4に設けられる施療部材121A,121Bの数は、1つでもよいし、3以上でもよい。図71〜図130に示す施療部材121A,121Bは、首、肩、上腕、太腿、下腿、足、及びその他の身体部位をマッサージ(掴み揉み)するように、マッサージ装置1に設けられても良い。
第1施療部材121Aは、対の押圧部材101a,101bを有している。対の押圧部材101a,101bは、それらの間にマッサージ対象の手100cを配置可能な空間を有するように対向配置されている。対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。対の押圧部材101a,101bのうち、上側の押圧部材101aを構成するエアセルの数は2つであり、下側の押圧部材101bを構成するエアセルの数は1つである。エアセル101a,101bは、図示しない空気回路による給排気を受ける。エアセル101a,101bは給排気によって膨張収縮する。膨張した対のエアセル101a,101bは、手100cの両側から押圧する(図131参照)。対のエアセル101a,101bによる押圧によって掴み揉みが得られる。
第1施療部材121Aは、手100cにおける筋繊維の方向(手100cの長手方向;図128のZ方向)に交わる方向(図128のY方向)から手100cに対する掴み揉みを行う。
掴み揉みは、対の押圧部材101a,101bの間に身体部位100を位置させた状態で、対の押圧部材101a,101bを互いに近接させることで行われる。このように、掴み揉みは、身体部位100を挟み込むシンプルな動作で足りる。
第2施療部材121Bは、第1施療部材121Aと同様の構成を有し、同様に動作する。すなわち、第2施療部材121Bは、対の押圧部材101a,101bを有し、対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。
図128〜図130のマッサージユニット10は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを移動させる機構部103を更に備えている。機構部103は、第1施療部材121Aを移動させる第1機構部103Aと、第2施療部材121Bを移動させる第2機構部103Bと、を含む。
第1機構部103Aは、対のエアセル101a,101bのうちの一方のエアセル(第1エアセル)101aが取り付けられる第1支持部材153aと、他方のエアセル(第2エアセル)101bが取り付けられる第2支持部材153bと、第1支持部材153a及び第2支持部材153bを手の外側(小指側)で連結する第3支持部材153cと、第2支持部材153bに連結されたナット部156と、ナット部156を直線移動させるねじ軸155と、を備えている。ねじ軸155は、駆動部154によって回転駆動される。
ねじ軸155は、手100cの筋繊維の方向(Z方向)に交わる方向(X方向)を向いている。回転駆動されたねじ軸155はナット部156を、図130のX方向に移動させる。
ナット部156がX方向に移動すると、ナット部156を備えた支持部材153a,153b,153cも、X方向に移動する。支持部材153a,153b,153cがX方向へ移動することにより、エアセル101a,101bも、X方向へ移動する。エアセル101a,101bは、駆動部154の正逆回転により、X方向への往復動作が可能である。
ねじ軸155は、Y方向に向けて配置されていてもよい。この場合、エアセル101a,101bがY方向へ移動することができる。ねじ軸155は、XY平面に含まれるX方向Y方向以外の他の方向(他の面内方向)に向けて配置されていてもよい。この場合、エアセル101a,101bがXY平面内の他の方向へ移動することができる。
なお、図128〜図130において、XY平面は、筋繊維の方向(Z方向)と直交する方向の面である。ただし、エアセル101a,101bが移動可能な方向は、Z方向と直交する方向に限られず、Z方向に交わる方向であれば足りる。
第2機構部103Bは、第1機構部103Aと同様の構成を有し、同様に動作する。すなわち、第2機構部103Bは、支持部材153a,153b,153cと、ナット部156と、ねじ軸155と、を有する。第2機構部103Bのねじ軸155も駆動部154によって回転駆動される。
図131において、第1機構部103A及び第2機構部103Bは、それぞれ別の駆動部154によって駆動されるが、第1機構部103A及び第2機構部103Bは、共通の駆動部によって駆動されてもよい。
図132及び図133は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによって手100c及び前腕100dを掴み揉みした状態で、一方の施療部材121A,121Bを、X方向に移動させた様子を示している。図132において、第2施療部材121BはX方向に移動することなく、第1施療部材121AがX方向(手100cの小指側)に動いている。第1施療部材121Aのこのような動きにより、前腕100dの位置を固定した状態で、第1施療部材121Aと第2施療部材121Bとの間に位置する関節(図132では手関節)を曲げ点として、手100cを前腕100dに対してX方向(左右)に曲げることができ、ストレッチ作用が生じる。第1施療部材121Aが、X方向において往復動を繰り返すことで、手関節の左右方向への曲げを繰り返すことができる。
図133において、第1施療部材121AはX方向に移動することなく、第2施療部材121AがX方向(手100cの小指側)に動いている。第2施療部材121Bのこのような動きにより、手100cの位置を固定した状態で、第1施療部材121Aと第2施療部材121Bとの間に位置する関節(図133では手関節)を曲げ点として、前腕100dを手100cに対してX方向に曲げることができ、ストレッチ作用が生じる。第2施療部材121Bが、X方向において往復動を繰り返すことで、手関節の左右方向への曲げを繰り返すことができる。
上記のようにエアセル101a,101bをX方向に動かすと、手100cを掴み揉みしているエアセル101a,101bが手100cの筋繊維を横切ることができるため、筋肉をほぐす作用が得られる。また、図134に示すように、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bそれぞれを、X方向における逆向きに同時に動かしても良い。また、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bそれぞれを、Y方向における逆向きに同時に動かしても良い。これにより、手関節の曲げを大きくすることができる。
このように、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bが、それらの相対位置関係が変化するように動くことで、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bそれぞれによって掴み揉みされている身体部位を相対的にずらすような力を各身体部位に与えることができる。したがって、第1施療部材121Aと第2施療部材121Bの間に関節が位置する場合、関節を曲げることができる。第1施療部材121Aと第2施療部材121Bの相対位置関係は、それぞれの動作タイミングをずらしたり、それぞれの移動速度を異ならせることでも、変化させることができる。
第2施療部材121A及び第2施療部材121Bは、それらの相対位置関係を維持しつつ動いても良い。つまり、図135に示すように、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bそれぞれを、X方向の同じ向きに同時に動かしても良い。また、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bそれぞれを、Y方向の同じ向きに同時に動かしても良い
なお、エアセル101a,101bをY方向に動かした場合、肘掛け部4に載せられた手関節を上下方向に曲げることができる。Y方向はエアセル101a,101bによる掴み揉み方向であるため、機構部103によりエアセル101a,101bをY方向に動かした場合、Y方向への押圧力が変化し、掴み揉みによるマッサージ感に変化を与えることもできる。
第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、それらの間に関節(手関節)が位置しないように配置されていてもよい。例えば、両施療部材121A,121Bを前腕100d用としてもよい。この場合、両施療部材121A,121Bが動くと、前腕100dの複数における掴み揉み部位の位置を変化させることができる。
図136及び図137は、マッサージユニット10の例を示している。図136及び図137に示すマッサージユニット10は、図128〜図130に示すマッサージユニット10とほぼ同様の構成を有している。異なるのは、図136及び図137に示すマッサージユニット10における第1支持部材153a及び第2支持部材153bは、それぞれ独立してX方向に移動可能に構成されている点である。
図136及び図137のマッサージユニット10において、第1施療部材121Aを移動させる第1機構部103Aは、第1支持部材153aを移動させる機構と、第2支持部材153bを移動させる機構と、を備えている。第1支持部材153aの第1支持部材153a及び第2支持部材153bには、それぞれナット部156が連結されている。同様に、第2施療部材121Bの第1支持部材153a及び第2支持部材153bには、それぞれナット部156が連結されている。
ナット部156は、それぞれ、駆動部154によって回転駆動されるねじ軸155の回転によって直線移動する。各ねじ軸155は、手100cの筋繊維の方向(Z方向)に交わる方向(X方向)を向いている。回転駆動されたねじ軸155はナット部156を、図137のX方向に移動させる。
以上のように構成されていることで、図136及び図137に示すマッサージユニット10では、対のエアセル101a,101bそれぞれが独立して移動可能である。図136及び図137のねじ軸155も、Y方向及び筋繊維の方向に交わる面内方向に含まれるその他の方向に向いていても良い。なお、対のエアセル101a,101bは、共通の駆動部で駆動され、連動して動くものであってもよい。この場合、対のエアセル101a,101bは連動して動くものの、対のエアセル101a,101bそれぞれの動きを異ならせることは可能である。
図138は、エアセル101a,101bによって、身体部位(手100c又は前腕100d)を掴み揉みした状態で、一方のエアセル(第1エアセル)101aをX方向に往復移動させつつも、他方のエアセル(第2エアセル)101bの位置を固定した状態を示している。この場合、図138の手100c又は前腕100dの上側で第1エアセル101aがX方向(左右方向;筋繊維に直交する方向)に動くため、第1エアセル101aが当接している部位の筋肉をほぐすことができる。
図139は、エアセル101a,101bによって、身体部位(手100c又は前腕100d)を掴み揉みした状態で、対のエアセル101a,101bそれぞれを同時にX方向に往復動させた状態を示している。対のエアセル101a,101bは、例えば、それらの相対位置関係を維持するように、同じ方向に同期して動作する。この場合、エアセル101a,101bは筋繊維に交差する方向に動作するため筋肉をほぐす作用が得られる。
図140に示すように、対のエアセル101a,101bは、それらの相対位置関係が変化するように、同期して逆向きに往復動してもよい。この場合、筋肉を互いに逆方向に動かす作用が得られる。対のエアセル101a,101bそれぞれの往復動作は、互いに周期が異なっても良いし、往復動作のストロークが異なっていても良い。
図141は、エアセル101a,101bによって、身体部位(手100c又は前腕100d)を掴み揉みした状態で、一方のエアセル(第2エアセル)101bをX方向に往復移動させつつも、他方のエアセル(第1エアセル)101aの位置を固定した状態を示している。この場合、図141の手100c又は前腕100dの下側で第2エアセル101bがX方向(左右方向;筋繊維に直交する方向)に動くため、第2エアセル101bが当接している部位の筋肉をほぐすことができる。
図142〜図144は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、例えば、肘掛け部4に設けられ、被施療者の身体部位100のマッサージを行う。身体部位100は、例えば、手100c及び前腕100dである。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。手100c及び前腕100dの筋繊維は、手100c及び前腕100dの長手方向(図142のZ方向)に向いている。
マッサージユニット10は、手100c及び前腕100dにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、手100cをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121Aと、前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第2施療部材121Bと、を含む。
肘掛け部4に設けられる施療部材121A,121Bの数は、1つでもよいし、3以上でもよい。図142〜図144に示す施療部材121A,121Bは、首、肩、上腕、太腿、下腿、足、及びその他の身体部位をマッサージ(掴み揉み)するように、マッサージ装置1に設けられても良い。
第1施療部材121Aは、対の押圧部材101a,101bを有している。対の押圧部材101a,101bは、それらの間にマッサージ対象の手100cを配置可能な空間を有するように対向配置されている。対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。対の押圧部材101a,101bのうち、上側の押圧部材101aを構成するエアセルの数は2つであり、下側の押圧部材101bを構成するエアセルの数は1つである。エアセル101a,101bは、図示しない空気回路による給排気を受ける。エアセル101a,101bは給排気によって膨張収縮する。膨張した対のエアセル101a,101bは、手100cの両側から押圧する(図143参照)。対のエアセル101a,101bによる押圧によって掴み揉みが得られる。
第1施療部材121Aは、手100cにおける筋繊維の方向(手100cの長手方向;図142のZ方向)に交わる方向(図142のY方向)から手100cに対する掴み揉みを行う。
掴み揉みは、対の押圧部材101a,101bの間に身体部位100を位置させた状態で、対の押圧部材101a,101bを互いに近接させることで行われる。このように、掴み揉みは、身体部位100を挟み込むシンプルな動作で足りる。
第2施療部材121Bは、第1施療部材121Aと同様の構成を有し、同様に動作する。すなわち、第2施療部材121Bは、対の押圧部材101a,101bを有し、対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。
図142〜図144のマッサージユニット10は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを移動させる機構部103を更に備えている。機構部103は、第1施療部材121Aを移動させる第1機構部103Aと、第2施療部材121Bを移動させる第2機構部103Bと、を含む。
第1機構部103Aは、対のエアセル101a,101bのうちの一方のエアセル(第1エアセル)101aが取り付けられる第1支持部材153aと、他方のエアセル(第2エアセル)101bが取り付けられる第2支持部材153bと、第1支持部材153a及び第2支持部材153bを手の外側(小指側)で連結する第3支持部材153cと、第2支持部材153bに、ボールジョイント159を介して連結されたロッド158と、ボールジョイント159側とは反対側のロッド158の端部に設けられた偏心カム157と、第1ねじ軸155aと、保持部156aと、を備えている。第1ねじ軸155aは、保持部156a内に設けられた第1駆動部154aによって回転駆動される。保持部156aには、ナット部156bが取り付けられている。ナット部156bは、第2駆動部154bによって回転駆動される第2ねじ軸155bに螺合している。
第1ねじ軸155aは、手100c又は前腕100dの筋繊維の方向(Z方向)に交わる方向(X方向)を向いている。第1ねじ軸155aによって回転駆動される偏心カム157は、ロッド158の端部において回転自在に保持されている。第2支持部材153bは、保持部156aに向かって延びて、保持部156a内に先端が挿入された規制部材153dを有している。規制部材153dは、例えば、棒状部材であり、その先端が、保持部156aに設けられた貫通孔156cを通って、保持部156a内に位置している。規制部材153dは、貫通孔156cを形成する周面に対して摺動自在であることにより、第2支持部材153bが上下方向(Y方向)に移動することを許容するが、前後方向(Z方向)に搖動するのを規制する。
偏心カム157は、第1駆動部154aによって駆動される第1ねじ軸155aの回転に伴って偏心回転し、偏心カム157に取り付けられたロッド158を介して、支持部材153a,153b,153cを、上下方向(Y方向)に往復移動させる。支持部材153a,153b,153cがY方向へ移動することにより、エアセル101a,101bも、Y方向へ移動する。このように、エアセル101a,101bは、Y方向への移動が可能である。
第2ねじ軸155bは、手100cの筋繊維(Z方向)に交わる方向(X方向)を向いている。第2駆動部154bによって回転駆動された第2ねじ軸155bは、ナット部156bを、X方向に移動させる。ナット部156bがX方向に移動することで、エアセル101a,101bもX方向に移動する。したがって、第1駆動部154a及び第2駆動部154bが同時に動作することで、エアセル101a,101bは、X方向へ移動しつつ、Y方向への移動が可能である。この場合、被施療部100c,100dを広範囲にマッサージできる。なお、第1駆動部154a及び第2駆動部154bは、それぞれ単独で動作してもよい。
第2ねじ軸155bは、XY平面に含まれるX方向以外の他の方向(他の面内方向)に向けて配置されていてもよい。この場合、エアセル101a,101bがXY平面内の他の方向へ移動することができる。
なお、図142〜図144において、XY平面は、筋繊維の方向(Z方向)と直交する方向の面である。ただし、エアセル101a,101bが移動可能な方向は、Z方向と直交する方向に限られず、Z方向に交わる方向であれば足りる。
第2機構部103Bは、第1機構部103Aと同様の構成を有し、同様に動作する。すなわち、第2機構部103Bは、支持部材153a,153b,153cと、ロッド158と、ボールジョイント159と、偏心カム157と、第1ねじ軸155aと、保持部156aと、ナット部156bと、第2ねじ軸155bと、規制部材153dと、を有する。第2機構部103Bの第1ねじ軸155aは第1駆動部154aによって回転駆動され、第2ねじ軸155bは第2駆動部154bによって回転駆動される。
図142〜図144において、第1機構部103A及び第2機構部103Bは、それぞれ別の第2駆動部154bによって駆動されるが、第1機構部103A及び第2機構部103Bは、共通の第2駆動部154bによって駆動されてもよい。
図143に示すように、エアセル101a,101bの膨張によって、手100c又は前腕100dを掴み揉みした状態で、第1駆動部154aを動作させることで、被施療部100c,100dを掴み揉みしながら、被施療部100c,100dを掴み揉みの方向に移動させることができる。図143では、第1施療部121Aが下方移動しているときに、第2施療部材121Bが上方移動している。このように、第1施療部材121A,121Bの相対位置関係が変化するように移動させることにより、手関節を上下曲げるストレッチ作用が得られる。また、本実施形態では、第1施療部材121A,121Bは、左右方向(X方向)にも移動するため、手関節を左右に曲げるストレッチ効果も得られる。
なお、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bの相対位置関係を維持するように、両部材121A,121Bを同時に上方移動させたり、下方移動させたりしてもよい。また、各施療部材121A,121Bを構成する対の押圧部材101a,101bそれぞれを独立して移動させてもよい。このとき、対の押圧部材101a,101b同士の相対位置関係が変化するように、対の押圧部材101a,101bを移動させることで、マッサージ感を変化させることができる。
第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、それらの間に関節(手関節)が位置しないように配置されていてもよい。例えば、両施療部材121A,121Bを前腕100d用としてもよい。この場合、両施療部材121A,121Bが動くと、前腕100dの複数における掴み揉み部位の位置を変化させることができる。
図145〜図147は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、例えば、肘掛け部4に設けられ、被施療者の身体部位100のマッサージを行う。身体部位100は、例えば、手100c及び前腕100dである。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。
マッサージユニット10は、前腕100d及び上腕100aにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、第1範囲である前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121Aと、第2範囲である上腕100aをマッサージ(掴み揉み)する第2施療部材121Bと、を含む。第1範囲である前腕100dと第2範囲である上腕100aとの間には、肘関節が位置する。
肘掛け部4に設けられる施療部材121A,121Bの数は、1つでもよいし、3以上でもよい。図145〜図147に示す施療部材121A,121Bは、首、肩、手、太腿、下腿、足、及びその他の身体部位をマッサージ(掴み揉み)するように、マッサージ装
置1に設けられても良い。
マッサージユニット10は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを移動させる機構部103を備えている。第1施療部材121Aを移動させる機構部103Aとしては、図128〜図135又は図136〜図141に示す機構部103と同様のものが採用される。したがって、第1施療部材121Aは、左右方向(X方向;前腕100dの筋繊維の方向に交わる面内方向に含まれる第1方向)に移動することができる。第2施療部材121Bを移動させる機構部103Bとしては、図146に示すものが採用される。図146の機構部103Bは、第2施療部材121Bを、上下方向(Y方向;上腕100dの筋繊維の方向に交わる面内方向に含まれる第2方向)に移動させるためのものである。図146の機構部103Bは、図130に示す機構部103のねじ軸155を上下方向(Y方向)に向けて配置し、ねじ軸155によって直線移動させられるナット部156を、第3支持部材153cに連結したものである。なお、第2施療部材121Bを上下方向に移動させる機構部103Bとしては、図142〜図144に示す機構部103を採用してもよい。
図147に示すように、第1施療部材121Aは、左右方向(第1方向)に移動可能であるのに対して、第2施療部材121Bは、上下方向(第2方向)に移動可能である。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、身体部位100d,100aを掴み揉みした状態で、移動することができる。また、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、身体部位100d,100aを掴み揉みしていない状態で移動し、その後、身体部100d,100aを掴み揉みすることができる。
図148及び図149は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、施療部として、左右の肩それぞれをマッサージ(掴み揉み)する対の肩用施療部材121A−1,121A−2と、首の左右それぞれをマッサージ(掴み揉み)する対の首用施療部材121B−1,121B−2と、左右の上腕それぞれをマッサージ(掴み揉み)する対の上腕用施療部材121C−1,121C−2と、を備えている。
これらの施療部材121A−1,121A−2,121B−1,121B−2,121C−1,121C−2は、図128〜図147に示す各施療部材121A,121Bと同様に、対の押圧部材(エアセル)を有している。肩用施療部材121A−1,121A−2は、例えば、肩100hを前後方向(Z方向)から押圧することができる。首用施療部材121B−1,121B−2は、例えば、首100iを前後方向(Z方向)から押圧することができる。上腕用施療部材121C−1,121C−2は、例えば、上腕100aを、前後方向(Z方向)から押圧することができる。
図148及び図149のマッサージユニット10は、各施療部材121A−1,121A−2,121B−1,121B−2,121C−1,121C−2を、マッサージ対象の身体部位100h,100i,100aの筋繊維の方向に交わる面内方向へ、移動させる機構部を備えている。この機構部としては、図128〜図147に示す機構部103(103A,103B)を採用できる。機構部は、肩用施療部材121A−1,121A−2を、例えば、肩100hの筋繊維の方向(X方向)に交わる面内方向であるZ方向又はY方向に肩用施療部材121A−1,121A−2を移動させることができる。また、機構部は、首用施療部材121B−1,121B−2を、例えば、首100iの筋繊維の方向(Y方向)に交わる面内方向であるX方向又はZ方向に、首用施療部材121B−1,121B−2を移動させることができる。また、機構部は、上腕用施療部材121C−1,121C−2は、上腕100aの筋繊維の方向(Y方向)に交わる面内方向であるX方向又はZ方向に、上腕用施療部材121C−1,121C−2を移動させることができる。
図148及び図149に示すマッサージユニットの機構部は、各施療部材による掴み揉みが行われている状態で、掴み揉みを行っている施療部材121A−1,121A−2,121B−1,121B−2,121C−1,121C−2のうちのいずれか又は全部を移動させることで、各施療部121A−1,121A−2,121B−1,121B−2,121C−1,121C−2間の相対位置を変化させて、マッサージ感を変化させることができる。
例えば、図149に示すように、肩用施療部材121A−1,121A−2により左右の肩に対する掴み揉みが行われている状態で、肩用施療部材121A−1,121A−2を、下方(Y方向)に移動させることで、肩を掴んだ状態で肩を下方へ押圧するマッサージが得られる。
図150は、図128〜図149に示すマッサージユニット10を設けるのに適した身体部位における筋繊維の方向163a〜163iと、施療部101(施療部材121A,121B)の動き(往復動)の方向170A,170Bの例を示している。図150に示すように施療部101(施療部材121A,121B)は、筋繊維の方向163a〜163iに交わる(直交する)面165を想定した場合に、その面内方向(例えば、図150の方向170A,170B)に動く。図150の方向170A,170Bは、図128〜図141のX方向又はY方向に対応する。面内方向は、図150の方向170A,170Bに限られるものではなく、他の面内方向であってもよい。
<第4節:身体部位の筋繊維の方向の動き>
本節における実施形態を列記して説明する。本節での説明に付されている符号は、図1及び図151〜図173において使用されている。
〔本発明の実施形態の説明〕
(72)本発明のマッサージ装置(実施の一形態)1は、身体部位に対する掴み揉みを行う施療部101と、施療部による掴み揉みが行われている状態で、掴み揉みが行われている身体部位における筋繊維の方向へ沿った移動方向へ、施療部を動かす機構部103と、を備えている。
施療部101が、掴み揉みが行われている身体部位100の筋繊維の方向に動くことで、掴み揉みに更なる動きが加わり、単なる掴み揉みよりもマッサージ感が向上する。筋繊維の方向は、例えば、腕の長手方向、脚の長手方向、肩の左右方向、首の長手方向、及び指の長手方向を含む。腕、脚又は首に対する掴み揉みを行う施療部101の場合、施療部101は、例えば、腕、脚又は首の長手方向に動く。肩に対する掴み揉みを行う施療部101の場合、施療部101は、例えば、肩の左右方向に動く。指に対する掴み揉みを行う施療部101を備えたマッサージ装置の場合、指の位置決め部材を更に備えているのが好ましい。
施療部101の動きは、筋繊維の方向の動き成分を動きの主成分として有していれば足り、他の方向への動き成分を有していても良い。他の方向への動き成分とは、例えば、筋繊維に交わる方向への動き成分である。施療部101の動きは、直線運動である必要はなく、曲線運動であってもよい。
機構部103は、施療部101の全体を動かす必要はなく、施療部101の少なくとも一部を動かすもので足りる。施療部101が後述の対の押圧部材101a,101bを含む場合、機構部103は、対の押圧部材101a,101bの少なくとも一方を動かす。
(73)施療部101は、身体部位に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを含み、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、身体部位の筋線維の方向に交わる方向に並設され、機構部103は、第1施療部材121Aと第2施療部材121Bとの相対的位置関係が変化するように、第1施療部材及び第2施療部材の少なくともいずれか一方を、移動方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、筋繊維の方向にずれて配置されていてもよい。第1施療部材121Aと第2施療部材121Bとの相対的位置関係は、例えば、いずれか一方のみが動いたり、互いに逆方向に動いたり、それぞれの移動速度が異なることで、変化することができる。
(74)施療部101は、身体部位に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを含み、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、身体部位の筋線維の方向に交わる方向に並設され、機構部103は、第1施療部材121Aと第2施療部材121Bとの相対的位置関係を維持しつつ、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを、移動方向へ動かすよう構成されていてもよい。
(75)施療部101は、身体部位に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを含み、機構部103は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bの少なくともいずれか一方を、移動方向へ動かすよう構成され、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、第1施療部材121Aによって掴み揉みが行われる身体の第1範囲と、第2施療部材121Aによって掴み揉みが行われる身体の第2範囲とが、身体の関節を含まない同一の範囲に含まれるよう、設けられているのが好ましい。
(76)身体部位は、上肢又は下肢であるのが好ましい。
(77)施療部101は、身体部位に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを含み、第1施療部材121Aは、手首に対する掴み揉みを行うよう設けられ、第2施療部材121Bは、第1施療部材121Aよりも肘側の位置において、前腕に対する掴み揉みを行うよう設けられ、機構部103は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによる掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121Aから離れる向きへ第2施療部材121Bを動かすよう構成されているのが好ましい。
第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、他の身体部位を掴み揉みするよう設けられても良い。例えば、第1施療部材121Aは足を掴み揉みし、第2施療部材121Bは下腿を掴み揉みしてもよい。また、第1施療部材121Aは足のつま先を掴み揉みし、第2施療部材121Bは踵を掴み揉みしてもよい。また、第1施療部材121Aは足首を掴み揉みし、第2施療部材121Bは脹脛を掴み揉みしてもよい。
(78)施療部101は、身体部位に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを含み、機構部103は、第1施療部材121A及び第2施療部材に121Bよる掴み揉みが行われている状態で、筋繊維の方向に沿った回転中心102回りに第2施療部材121Bを回転させながら、第1施療部材121Aから離れる向きへ第2施療部材121Bを動かすよう構成されているのが好ましい。
(79)施療部101は、身体部位に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを含み、機構部103は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによる掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bの少なくともいずれか一方を筋繊維の方向に沿った回転中心回りに回転させながら、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bの少なくともいずれか一方を前記移動方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
(80)機構部103は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを回転中心102回りで互いに逆向きに回転させながら、第1施療部材121Aと第2施療部材121Bとの相対的距離が大きくなるように、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bの少なくともいずれか一方を前記移動方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
(81)施療部101は、前記身体部位に対する掴み揉みを行うための対の押圧部材101a,101bを含み、機構部103は、対の押圧部材101a,101b同士の相対的位置関係が変化するように、対の押圧部材101a,101bの少なくともいずれか一方の押圧部材を、前記移動方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
(82)機構部103は、互いに逆向きに動くように対の押圧部材101a,101bを動かすよう構成されているのが好ましい。
(83)身体部位は、肩であり、機構部103は、施療部101による肩に対する掴み揉みが行われている状態で、肩における筋繊維に沿った方向へ、施療部101を動かすよう構成されているのが好ましい。
(84)施療部101は、左右の一方の肩に対する掴み揉みを行う第1施療部材121Aと、左右の他方の肩に対する掴み揉みを行う第2施療部材121Bと、を含み、機構部101は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bにより左右の前記肩に対する掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bそれぞれを肩における筋繊維に沿った方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
(85)施療部101は、身体部位に対する掴み揉みをそれぞれが行う第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cを含み、第1施療部材121Aは、身体の第1範囲に対して掴み揉みを行うよう設けられ、第2施療部材121Bは、第1範囲との間に少なくとも一つの関節を介して、第1範囲とは異なる範囲である身体の第2範囲に対して掴み揉みを行うよう設けられ、第3施療部材121Cは、第2の範囲との間に少なくとも一つの他の関節を介して、第1範囲及び第2範囲とは異なる範囲である身体の第3範囲に対して掴み揉みを行うよう設けられているのが好ましい。例えば、第1〜第3範囲は、それぞれ、手、前腕、上腕、肩及び首からなる群から選択される。また、第1〜第3範囲は、それぞれ、足、下腿、大腿、腰、背中、肩、及び首からなる群から選択される。
(86)機構部103は、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cのうちの二以上の施療部材による掴み揉みが行われている状態で、掴み揉みを行っている二以上の施療部材のうちの少なくとも一つを、前記移動方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
(87)機構部103は、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cによる掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cのうちの少なくとも一つを、前記移動方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
(88)機構部103は、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cによる掴み揉みが行われている状態で、第2施療部材121Bを、前記移動方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。第2施療部材121Bは、第1施療部材121Aと第3施療部材121Cとの間に位置するのが好ましい。
(89)機構部103は、第1施療部材121A、第2施療部材121B、及び第3施療部材121Cによる掴み揉みが行われている状態で、第1施療部材121A及び第3施療部材121Cを、前記移動方向へ動かすよう構成されているのが好ましい。
[本発明の実施形態の詳細]
図151〜図158はマッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、例えば、肘掛け部4に設けられ、被施療者の身体部位100のマッサージを行う。身体部位100は、例えば、手100c及び前腕100dである。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。手100c及び前腕100dの筋繊維は、手100c及び前腕100dの長手方向(図151のZ方向)に向いている。
マッサージユニット10は、手100c及び前腕100dにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、手100cをマッサージ(掴み揉み)する対の手用施療部材121A−2,121B−2と、前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する対の前腕用施療部材121A−1,121B−1と、を有している。対の手用施療部材121A−2,121B−2は、手100cの筋繊維の方向(Z方向)に交わる方向である左右方向(X方向)に並設されている。対の手用施療部材121A−2,121B−2は、それらの間に手100cが位置するように、互いに対向して配置されている。
対の前腕用施療部材121A−1,121B−1も、前腕100dの筋繊維の方向(Z方向)に交わる方向である左右方向(X方向)に並設されている。対の前腕用施療部材121A−1,121B−1は、それらの間に前腕100dが位置するように、互いに対向して配置されている。なお、図151では、手100c及び前腕用として二対の施療部材121A−2,121B−2,121A−1,121B−1が設けられているが、一対でもよいし、三対以上でもよい。図151〜図158に示す施療部材121A−2,121B−2,121A−1,121B−1は、首、肩、上腕、太腿、下腿、足、及びその他の身体部位をマッサージ(掴み揉み)するように、マッサージ装置1に設けられても良い。
図152に示すように、各施療部材121A−2,121B−2,121A−1,121B−1は、それぞれ、対の押圧部材101a,101bを有している。なお、図152は、施療部材121A−2,121A−1の構成を示し、施療部材121B−2,121B−1の構成は、図152に示す構成を左右反転したものとなる。
対の押圧部材101a,101bは、それらの間にマッサージ対象の手100c又は前腕100dを配置可能な空間を有するように対向配置されている。対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。対の押圧部材101a,101bのうち、上側の押圧部材101aを構成するエアセルの数は2つであり、下側の押圧部材101bを構成するエアセルの数は1つである。エアセル101a,101bは、図示しない空気回路による給排気を受ける。エアセル101a,101bは給排気によって膨張収縮する。膨張した対のエアセル101a,101bは、手100c又は前腕100dの両側から押圧する。対のエアセル101a,101bによる押圧によって掴み揉みが得られる。図152の施療部材121A−1,121A−2は、手100c又は前腕100dにおける筋繊維の方向(Y方向)から手100c又は腕100dに対する掴み揉みを行う。
図151〜図158のマッサージユニット10は、各施療部材121A−2,121B−2,121A−1,121B−1を移動させる機構部103を更に備えている。機構部103は、4つの施療部材121A−2,121B−2,121A−1,121B−1それぞれを移動させる複数の機構部103A−2,103B−2,103A−1,103B−1を含んでいる。各機構部103A−2,103B−2,103A−1,103B−1は、それぞれ、対のエアセル101a,101bのうちの一方のエアセル(第1エアセル)101aが取り付けられる第1支持部材153aと、他方のエアセル(第2エアセル)101bが取り付けられる第2支持部材153bと、第1支持部材153a及び第2支持部材153bを手の外側で連結する第3支持部材153cと、第3支持部材153cに取り付けられたナット部156と、回転によってナット部156を直線移動させるねじ軸155と、を備えている。ねじ軸155は、駆動部154によって回転駆動される。駆動部154によってねじ軸155が回転駆動されると、ナット部156は、手100c又は前腕100dの筋繊維の方向(Z方向に)へ沿った移動方向へ、移動する。Z方向へのナット部156の移動によって、各施療部材121A−2,121B−2,121A−1,121B−1もZ方向へ移動することができる。
機構部は、複数の施療部材121A−2,121B−2,121A−1,121B−1のいずれか又は全部によって身体部位100c、100dに掴み揉みが行われている状態で、掴み揉みが行われている身体部位100c,100dの筋繊維の方向へ沿った移動方向(Z方向)へ、掴み揉みしている施療部材121A−2,121B−2,121A−1,121B−1を移動させることができる。なお、各施療部材121A−2,121B−2,121A−1,121B−1は、独立して移動することができる。
例えば、図153に示すように、対の手用施療部材121A−2,121B−2の一方の施療部材(第1施療部材)121A−2を図153のZ方向(肘側)へ移動させる一方、他方の施療部材121B−2(第2施療部材)121B−2は、移動させないことで、両施療部材121A−2,121B−2の相対位置関係が変化し、両施療部材121A−2,121B−2によるマッサージ感に変化が生じる。
同様に、対の前腕用施療部材121A−1,121B−1の一方の施療部材(第1施療部材121A−1をZ方向(肘側)へ移動させる一方、他方の施療部材(第2施療部材)121B−1は移動させないことで、両施療部材121A−1,121B−1の相対位置関係が変化し、両施療部材121A−1,121B−1によるマッサージ感に変化が生じる。なお、両施療部材を共に移動させつつ、その移動速度を異ならせることで、両施療部材の位置関係を変化させてもよい。
また、例えば、各施療部材121A−2,121B−2,121A−1,121B−1が、図154の位置で掴み揉みをしている状態において、図155に示すように、全施療部材121A−2,121B−2,121A−1,121B−1を、Z方向(肘側)へ移動させることで、各施療部材121A−2,121B−2,121A−1,121B−1の相対位置関係を維持しつつ、各施療部材を移動させることができる。この場合、掴み揉みしつつ、掴み揉みの位置を変化させることができる。
図156〜図161は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、例えば、肘掛け部4に設けられ、被施療者の身体部位100のマッサージを行う。身体部位100は、例えば、手100c及び前腕100dなどの上肢である。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。手100c及び前腕100dの筋繊維は、手100c及び前腕100dの長手方向(図156のZ方向)に向いている。
マッサージユニット10は、手100c又は前腕100dにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、手100c又は前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121Aと、前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第2施療部材121Bと、を含む。
肘掛け部4に設けられる施療部材121A,121Bの数は、1つでもよいし、3以上でもよい。図156及び図161に示す施療部材121A,121Bは、首、肩、上腕、太腿、下腿、足、及びその他の身体部位をマッサージ(掴み揉み)するように、マッサージ装置1に設けられても良い。
第1施療部材121Aは、対の押圧部材101a,101bを有している。対の押圧部材101a,101bは、それらの間にマッサージ対象の前腕100d(又は手100c)を配置可能な空間を有するように対向配置されている。対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。対の押圧部材101a,101bのうち、上側の押圧部材101aを構成するエアセルの数は2つであり、下側の押圧部材101bを構成するエアセルの数は1つである。エアセル101a,101bは、図示しない空気回路による給排気を受ける。エアセル101a,101bは給排気によって膨張収縮する。膨張した対のエアセル101a,101bは、手100cの両側から押圧する(図157参照)。対のエアセル101a,101bによる押圧によって掴み揉みが得られる。
第1施療部材121Aは、前腕100dにおける筋繊維の方向(前腕100dの長手方向;図156のZ方向)に交わる方向(図156のY方向)から前腕100dに対する掴み揉みを行う。
掴み揉みは、対の押圧部材101a,101bの間に身体部位100を位置させた状態で、対の押圧部材101a,101bを互いに近接させることで行われる。このように、掴み揉みは、身体部位100を挟み込むシンプルな動作で足りる。
第2施療部材121Bは、第1施療部材121Aと同様の構成を有し、同様に動作する。すなわち、第2施療部材121Bは、対の押圧部材101a,101bを有し、対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。
図156〜図161のマッサージユニット10は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを移動させる機構部103を更に備えている。機構部103は、第1施療部材121Aを移動させる第1機構部103Aと、第2施療部材121Bを移動させる第2機構部103Bと、を含む。
第1機構部103Aは、対のエアセル101a,101bのうちの一方のエアセル(第1エアセル)101aが取り付けられる第1支持部材153aと、他方のエアセル(第2エアセル)101bが取り付けられる第2支持部材153bと、第1支持部材153a及び第2支持部材153bを手の外側(小指側)で連結する第3支持部材153cと、第3支持部材153cに連結されたナット部156と、ナット部156を直線移動させるねじ軸155と、を備えている。ねじ軸155は、駆動部154によって回転駆動される。ねじ軸155は、軸方向がZ方向に向けて設けられており、駆動部154によってねじ軸155が回転駆動されると、ナット部156がZ方向に移動し、第1施療部材121AがZ方向に移動する。
第2機構部103Bは、第1機構部103Aと同様の構成を有し、同様に動作する。すなわち、第2機構部103Bは、支持部材153a,153b,153cと、ナット部156と、ねじ軸155と、を有する。第2機構部103Bのねじ軸155も駆動部154によって回転駆動される。
図156において、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bは、ともに、前腕100dをマッサージするように配置されている。第1施療部材121Aは、前腕100dの手首側の範囲である第1範囲をマッサージし、第2施療部材121Bは、前腕100dの肘側の範囲である第2範囲をマッサージする。第1範囲及び第2範囲は、いずれも手関節から肘関節の間にある前腕100dの範囲(関節を含まない範囲)という同一の範囲内にある。
図157に示すように、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによって、前腕100dを掴み揉みしている状態で、さらに、図158に示すように、第2施療部材121Bを後方(肘側)へ移動させることで、前腕100を延ばすようにマッサージをすることができる。
また、図159において、第1施療部材121Aは、手首をマッサージするように配置され、第2施療部材121Bは、第1施療部材121Aよりも肘側の位置において、前腕100dに対する掴み揉みをするように配置されている。図160に示すように、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bによって、手首と前腕100dを掴み揉みしている状態で、さらに、図161に示すように、第2施療部材121Bを後方(肘側)へ移動させることで、前腕100aを延ばすようにマッサージをすることができる。
図162は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット162は、図156〜図161のマッサージユニット10を、左右の脚(下肢)それぞれに対応するように並設したものである。その他の点については、図162のマッサージユニット10は、図156〜図161のマッサージユニット10と同様である。図162のマッサージユニット10によって、左右の下腿100fそれぞれを、前腕100dと同様にマッサージすることができる。
図163〜図167は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、例えば、肘掛け部4に設けられ、被施療者の身体部位100のマッサージを行う。身体部位100は、例えば、手100c及び前腕100dなどの上肢である。マッサージは、身体部位100の掴み揉みを含む。手100c及び前腕100dの筋繊維は、手100c及び前腕100dの長手方向(図163のZ方向)に向いている。
マッサージユニット10は、手100c又は前腕100dにマッサージ(掴み揉み)する施療部101を有している。施療部101は、手100c又は前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121Aと、前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第2施療部材121Bと、を含む。
肘掛け部4に設けられる施療部材121A,121Bの数は、1つでもよいし、3以上でもよい。図163から図167に示す施療部材121A,121Bは、首、肩、上腕、太腿、下腿、足、及びその他の身体部位をマッサージ(掴み揉み)するように、マッサージ装置1に設けられても良い。
第1施療部材121Aは、対の押圧部材101a,101bを有している(図165参照)。対の押圧部材101a,101bは、それらの間にマッサージ対象の前腕100d(又は手100c)を配置可能な空間を有するように対向配置されている。対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。エアセル101a,101bは、図示しない空気回路による給排気を受ける。エアセル101a,101bは給排気によって膨張収縮する。膨張した対のエアセル101a,101bは、手100cの両側から押圧する。対のエアセル101a,101bによる押圧によって掴み揉みが得られる。
第1施療部材121Aは、手100c又は前腕100dにおける筋繊維の方向(図163のZ方向)に交わる方向(例えば、図163のY方向)から手100c又は前腕100dに対する掴み揉みを行う。掴み揉みは、対の押圧部材101a,101bの間に身体部位100を位置させた状態で、対の押圧部材101a,101bを互いに近接させることで行われる。このように、掴み揉みは、身体部位100を挟み込むシンプルな動作で足りる。
第2施療部材121Bは、第1施療部材121Aと同様の構成を有し、同様に動作する。すなわち、第2施療部材121Bは、対の押圧部材101a,101bを有し、対の押圧部材101a,101bそれぞれは、エアセルによって構成されている。
図163〜図167のマッサージユニット10は、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを移動させる機構部103を更に備えている。機構部103は、第1施療部材121Aを移動させる第1機構部103Aと、第2施療部材121Bを移動させる第2機構部103Bと、を含む。
図165(b)に示すように、第1機構部103A及び第2機構部103Bは、それぞれ、対のエアセル101a,101bが取り付けられる第1支持部材113aを備えている。第1支持部材113aは、リング状に形成されている。第1支持部材113aの内周面には、対のエアセル101a,101bが対向配置されている。被施療者は、手100c又は前腕100dを、第1支持部材113aの長手方向両側の開口の一方から第1支持部材113a内に挿入することができる。第1支持部材113a内に挿入された手100c又は前腕100dは、対のエアセル101a,101bの間に位置する。
第1支持部材113aは、第1支持部材113aの外周側に設けられた第2支持部材113bに対して、図示しないガイドを介して、回転中心102回りに回転自在に支持されている。第2支持部材113bは、第1支持部材113aを覆うカバーとして構成されている。
第1機構部103A及び第2機構部103Bは、それぞれ、第1支持部材113aの外周側において全周にわたって形成されたラック114と、ラック114に噛み合うピニオン111と、を更に備えている。ピニオン111は、回転軸112を備えており、回転軸112が第1駆動部154aによって回転駆動されることで、ピニオン111が回転する。ピニオン111の回転によって、第1支持部材113aが回転中心102回りに回転する。エアセル101a,101bは、第1支持部材113aの回転に伴って、回転中心102回りに回転する。回転中心102は、手100c又は前腕100dの筋繊維の方向(手又は前腕の長手方向)に沿った向きを有する。回転中心102回りに回転するエアセル101a,101bは、手100c又は前腕100dの周方向に沿って移動する。エアセル101a,101bの周方向に沿った移動により、掴み揉みの方向を変更することができる。エアセル101a,101bは、第1駆動部154aの正逆回転により、回転中心102回りの正逆回転が可能である。
図163では、第1施療部材121Aのエアセル101a,101bと、第2施療部材121Bのエアセル101a,101bは、それぞれ別の第1駆動部154aによって回転駆動されるため、それぞれ独立した回転が可能である。第1施療部材121Aのエアセル101a,101bと、第2施療部材121Bのエアセル101a,101bは、共通の駆動部によって回転駆動されてもよい。
第1施療部材121Aのエアセル101a,101bと、第2施療部材121Bのエアセル101a,101bと、は、それぞれ、回転中心102回りに鑑定する。それぞれの回転中心102の位置は、同じでもよいし、図164に示すように異なっていても良い。回転中心102の位置は、図164のX方向及びY方向の少なくともいずれか一方において異なることができる。
エアセル101a,101bを身体部位の周りで回転させる機構は、ラック114及びピニオン111を有するものに限られず、エアセル101a,101bを身体部位の周りで回転させるよう構成されていれば足りる。
第1機構部103A及び第2機構部103Bは、それぞれ、第2支持部材113bに設けられたナット部156と、ナット部156を直線移動させるねじ軸155と、を更に備えている。ねじ軸155は、第2駆動部154bによって回転駆動される。ねじ軸155は、軸方向がZ方向に向けて設けられており、第2駆動部154bによってねじ軸155が回転駆動されると、ナット部156がZ方向に移動し、第1施療部材121A及び/又は第2施療部121BがZ方向に移動する。
図166(a)において、第1施療部材121Aは、手100cをマッサージするように配置され、第2施療部材121Bは、前腕100dをマッサージするように配置されている。図166(a)の位置において、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bが、マッサージ(掴み揉み)をしている状態で、第1機構部103A及び第2機構部103Bのいずれか一方又は両方の第1駆動部154aを動作させることで、各施療部材121A,121Bのいずれか一方、又は両方を、回転中心102回りに回転させることができる。複数の施療部材121A,121Bは、図166(a)に示すように、同一方向に回転してもよいし、互いに逆方向に回転してもよい。同一方向の回転によって、手100c及び前腕100d全体をひねることができる。逆方向の回転によって、手首をひねることができる。
図166(a)の位置において、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bが、マッサージ(掴み揉み)をしている状態で、各施療部材121A,121Bを回転中心102回りに回転させながら、第2施療部材121Bを図166(b)のように動かすことができる。すなわち、第2施療部材121Bが、第1施療部材121Aから離れる向き図166の右方)へ移動することで、ひねりを加えながら手首を伸ばすことができる。図166では、第1施療部材121AをZ方向に移動させずに、第2施療部材121BをZ方向に移動させたが、第2施療部材121BをZ方向に移動させずに、第1施療部材121AをZ方向に移動させてもよい。
図167(a)において、第1施療部材121Aは、手首付近をマッサージするように配置され、第2施療部材121Bは、前腕100dをマッサージするように配置されている。
図167(a)の位置において、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bが、マッサージ(掴み揉み)をしている状態で、各施療部材121A,121Bを回転中心102回りに回転させながら、第1施療部材121A及び第2施療部材121Bを図168(b)のように動かすことができる。すなわち、第1施療部材121A及び第2施療部材121BとのZ方向の相対的距離が大きくなるように、第1施療部材121A及び第2施療部材121BがZ方向に移動することで、ひねりを加えながら手首を大きく伸ばすことができる。第1施療部材121A及び第2施療部材121Bが、Z方向に移動しながら、回転中心102回りに互いに逆向きに回転することで、引っ張り感及びひねり感を含むマッサージ感が得られる。
図168及び図169は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、図156〜図161のマッサージユニット10の施療部材121A−2,121B−2を構成する対の押圧部材101a,101bそれぞれを、独立して移動可能に構成したものである。なお、図156〜図161のマッサージユニット10の施療部材121A−1,121B−1を構成する対の押圧部材101a,101bそれぞれを、独立して移動可能に構成してもよい。
図168及び図169のマッサージユニット10の施療部材121A−2,121B−2を移動させる機構部103A−2(103B−2,103)は、施療部材121A−2,121B−2を構成する対の押圧部材(エアセル)101a,101bのうち、第1エアセル101aを支持する第1支持部材153aと、第2エアセル101bを支持する第2支持部材153bと、を備えている。第1支持部材153aと第2支持部材153bとは、互いに分離しており、独立して移動可能である。機構部103A−2は、第1支持部材153aに取り付けられた第1ナット部156と、第1ナット部156を直線移動させる第1ねじ軸155と、第2支持部材153bに取り付けられた第2ナット部156と、第2ナット部156を直線移動させる第2ねじ軸155と、を更に備えている。ねじ軸155,155は、それぞれ駆動部154,154によって回転駆動される。ねじ軸155,155は、軸方向がZ方向に向けられており、対の押圧部材101a,101bは、Z方向に移動することができる。
対の押圧部材(エアセル)101a,101bは、例えば、図168のようにZ方向において同じ位置に存在しているときに、前腕100dを掴み揉みし、その状態で、図169のように、第1エアセル101aが肘側へ移動し、第2エアセル101bが逆向きである手100c側へ移動することで、両エアセル101a,101bの相対位置を変化させることができる。図169の場合、両エアセル101a,101bの相対距離が、図168の場合よりも大きくなる。
図170及び図171は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、施療部として、左右の肩それぞれをマッサージ(掴み揉み)する対の肩用施療部材(第1施療部材121A,第2施療部材121B)を備えている。これらの施療部材121A,121Bは、図151及び図152に示す施療部材121A−2,121B−2,121A−1,121B−1と同様に、対の押圧部材(エアセル)を有している。肩用施療部材121A,121Bは、例えば、肩100hを前後方向(Z方向)から押圧する。
図170及び図171のマッサージユニット10は、各施療部材121A,121Bを、左右の肩100hそれぞれの筋繊維に沿った方向へ移動させる機構部を備えている。この機構部としては、図151及び図152に示す機構部103と同様に、筋繊維に沿った方向に配置されたねじ軸155とナット部156を有する機構を採用できる。この機構部は、施療部材121A,121Bが肩100hを掴み揉みしている状態で、肩100hの筋繊維に沿った方向へ移動させる。これにより、単なる肩100hの掴み揉みに比べて肩に対するより効果的なマッサージを行える。
図170及び図171は、左右の施療部材121A,121Bを互いに逆方向に繰り返し往復動作させている様子を示している。これにより、左右の施療部材121A,121Bは、肩100hを掴み揉みしている状態で、近接離反を繰り返し、肩100hを広範囲に効果的にマッサージすることができる。なお、図170及び図171に示す動作では、左右の施療部材121A,121Bの移動により、両者の相対位置関係が変化しているが、左右の施療部材121A,121Bの相対位置関係が維持されるように、両者が移動してもよい。また、左右の施療部材121A,121Bのいずれか一方だけを移動させてもよい。
図172及び図173は、マッサージユニット10の例を示している。このマッサージユニット10は、施療部として、第1範囲である肩100hをマッサージ(掴み揉み)する第1施療部材121Aと、第2範囲である上腕100aをマッサージ(掴み揉み)する第2施療部材121Bと、第3範囲である前腕100dをマッサージ(掴み揉み)する第3施療部材121Cと、を備えている。第1範囲である肩100hと第2範囲である上腕100aとの間には肩関節が位置し、第2範囲である上腕100aと第3範囲である前腕100dとの間には肘関節が位置する。
図172及び図173のマッサージユニット10は、各施療部材121A,121B,121Cを、各施療部材121A,121B,121Cによるマッサージ対象の部位100h,100a,100dの筋繊維に沿った方向へ移動させる機構部を備えている。この機構部としては、図151及び図152に示す機構部103と同様に、筋繊維に沿った方向に配置されたねじ軸155とナット部156を有する機構を採用できる。この機構部は、各施療部材121A,121B,121Cが身体部位100h,100a,100dを掴み揉みしている状態で、身体部位100h,100a,100dの筋繊維に沿った方向へ移動させる。これにより、単なる掴み揉みに比べてより効果的なマッサージを行える。
各施療部材121A,121B,121Cは、全てが同時に動作してもよいし、いずれか二つ、又はいずれか一つが同時に動作してもよい。例えば、3つの施療部材121A,121B,121C全てが掴み揉みを行っている状態で、3つの施療部材121A,121Bのうちのいずれか一つ又は二つを移動させることができる。より具体的には、図172に示すように、3つの施療部材121A,121B,121C全てが掴み揉みを行っている状態で、上腕100a用の第2施療部材100aを上腕100aの筋繊維に沿った方向(肘側)に移動させることで、肩関節を引っ張るストレッチを行える。このとき、前腕100dも前腕100aの筋繊維に沿った方向(手側)に移動させることで、肩関節を、より効果的に引っ張ることができる。
また、3つの施療部材121A,121B,121C全てが掴み揉みを行っている状態で、図173に示すように、肩100h用の第1施療部材121Aを肩関節側へ移動させ、前腕100d用の第3施療部材121Cを手先側へ移動させることで、肩100hから腕にわたる範囲を伸ばすマッサージが行える。
また、3つの施療部材121A,121B,121Cのうち二つの施療部材が掴み揉みを行っている状態で、掴み揉みを行っている二つの施療部材のうちのいずれか一つ又は二つを移動させてもよい。例えば、図172の3つの施療部材121A,121B,121Cのうち、肩100h用の第1施療部材121Aと上腕100a用の第2施療部材121Bが掴み揉みを行っている状態で、上腕100a用の第2施療部材100aを上腕100aの筋繊維に沿った方向(肘側)に移動させることで、肩関節を引っ張るストレッチを行える。さらに、上腕用100a用の第2施療部材121Bと前腕100d用の第3施療部材121Bが掴み揉みを行っている状態で、第3施療部材121Cを手先側へ移動させることで、肘関節を引っ張ることができる。
<付言>
第3章で説明した掴み動作は、掴み揉みを行う施療部101として、第2章で説明した
マッサージユニット10を用いた場合にも実現することができる。
第3章の第1節〜第4節で説明したそれぞれの動作は組み合わせても良い。
第3章で説明した施療部101又は施療部材121(121A,121B)は、エアセル101a,101b以外の部材を含んでも良い。エアセル101a,101b以外の部材は、例えば、バイブレータである。バイブレータは、例えば、エアセル101a,101bの身体側に設けられる。バイブレータの動作によって、身体に振動を与えることができる。バイブレータを動作させながらエアセル101a,101bが膨張することで、身体を振動させながら掴み揉みをすることができる。
また、エアセル101a,101b以外の部材は、施療子であってもよい。施療子は、例えば、エアセル101a,101bの身体側に設けられ、この場合、エアセル101a,101bが膨張すると、施療子を身体に押し付けることができる。施療子は、モータ駆動などによって、エアセル101a,101bによる動作とは別に、施療子自体が動作可能なものであってもよい。この場合、エアセル101a,101bによる押圧に、施療子の動作が加わった複雑なマッサージ動作が得られる。施療子は、それ自体は動作せず、エアセル101a,101bの膨張収縮に伴ってのみ移動するもの、例えば、指圧子であってもよい。なお、施療部材は、エアセル101a,101b以外の部材であってもよい。
また、施療部材は、ヒータを含んでいても良い。
第1施療部材121A及び第2施療部材121Bなどの複数の施療部材を有するマッサージ装置は、複数の施療部材それぞれ単独で身体を施療してもよい。
身体の長手方向に沿って配置された複数の施療部材は、全てが、エアセル101a,101bを動作させる機構部103を有している必要はなく、複数の施療部材のいずれかは、エアセル(押圧部材)101a,101bを有しているが、機構部103を有していないものであってもよい。