本発明の新規特性は、以下の発明の詳細な説明を分析すれば、当業者には明白になるであろう。しかし発明の詳細な説明とそれに続く特許請求の範囲から、本発明の精神と範囲内の様々な変更と修正は当業者には明白になるので、報告される発明の詳細な説明および特定の実施例は、本発明の特定の実施形態を示す一方で、例証のみを目的として提供されるものと理解すべきである。
定義
本発明の化合物は、上で概説され、本明細書で開示されるクラス、サブクラス、およびクラスによってさらに例証されるものを含む。本明細書の用法では、特に断りのない限り、以下の定義が適用されるものとする。本発明の目的では、化学元素はPeriodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,第75版に従って同定される。さらに有機化学の一般的原理は、その内容全体を参照によって本明細書に援用する、“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999、および“March’s Advanced Organic Chemistry”,第5版,Ed.:Smith,M.B.and March,J.,John Wiley & Sons,New York:2001に記載される。
本明細書で特に断りのない限り、本明細書で使用される命名法は、その例示的な化学構造名および化学構造命名法について、参照によって本明細書に援用する、Nomenclature of Organic Chemistry,Sections A,B,C,D,E,F,and H,Pergamon Press,Oxford,1979に述べられる例と規則に一般に従う。任意選択的に、化合物名は、化学物質命名プログラムACD/ChemSketch,バージョン5.09/September 2001,Advanced Chemistry Development,Inc.,Toronto,Canadaを使用して、生成してもよい。
本発明の化合物は、(例えばE.L.Eliel and S.H.Wilen,Stereo−chemistry of Carbon Compounds,John Wiley & Sons,New York,1994,pages 1119−1190に記載されるように)不斉中心、キラル軸、およびキラル面を有して、ラセミ体、ラセミ混合物として、および個々のジアステレオマーまたは鏡像異性体として存在してもよく、光学異性体をはじめとする全ての可能な異性体およびそれらの混合物は、本発明に包含される。
「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、本明細書の用法では、直鎖(すなわち非分枝)、分枝、または環式(融合、架橋、およびスピロ融合多環式を含む)一価の炭化水素遊離基を意味する。脂肪族基は、飽和であり得て、または1つまたは複数の不飽和単位を含有し得るが、芳香族ではない。特に断りのない限り、脂肪族基は1〜6個の炭素原子を含有する。しかしいくつかの実施形態では、脂肪族基は1〜10または2〜8個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、脂肪族基は1〜4個の炭素原子を含有し、なおも別の実施形態では、脂肪族基は1〜3個の炭素原子を含有する。適切な脂肪族基としては、直鎖または分枝の、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基と、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルなどのそれらのハイブリッドとが挙げられるが、これに限定されるものではない。
「アルキル」という用語は、本明細書の用法では、飽和、直鎖または分枝脂肪族基を意味する。一態様では、アルキル基は、1〜10または2〜8個の炭素原子を含有する。アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチルなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
「アルケニル」という用語は、明細書の用法では、1つまたは複数の炭素−炭素二重結合(すなわち−CH=CH−)を有する、直鎖または分枝脂肪族基を意味する。一態様では、アルケニル基は2〜8個の炭素原子を有して、例えば非限定的に、エテニル、1−プロペニル、1−ブテニルなどが挙げられる。「アルケニル」という用語は、「シス」および「トランス」、または代案としては「E」および「Z」立体配置にある炭素−炭素二重結合を有する、遊離基を包含する。アルケニル基が、2つ以上の炭素−炭素二重結合を含む場合、各炭素−炭素二重結合は、独立して、シスまたはトランス二重結合、またはその混合物である。
「アルキニル」という用語は、本明細書の用法では、1つまたは複数の(one ore more)炭素−炭素(carbond)三重結合(すなわち−C≡C−)を有する、直鎖または分枝脂肪族遊離基を意味する。一態様では、アルキル基は2〜8個の炭素原子を有して、例えば非限定的に、1−プロピニル(プロパルギル)、1−ブチニルなどが挙げられる。
「脂環式」、「カルボシクリル」、「カルボシクロ」、および「炭素環式」という用語は、単独でまたはより大きな部分の一部として使用されて、本明細書に記載される、3〜10員の飽和または部分不飽和環式脂肪族単環系または二環系を指し、脂肪族環系は、上で定義されて本明細書に記載されるように、任意選択的に置換される。いくつかの実施形態では、脂環式基は3〜6個の炭素原子を有する。脂環式基としては、制限なしに、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、およびシクロオクタジエニルが挙げられる。「脂環式」、「カルボシクリル」、「カルボシクロ」、および「炭素環式」という用語はまた、デカヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、デカリン、またはビシクロ[2.2.2]オクタンなどの1つまたは複数の芳香族または非芳香族環に融合した、脂肪族環も含む。
「シクロアルキル」という用語は、本明細書の用法では、3〜10員の単環または二環系を有する、飽和環式脂肪族を意味する。シクロアルキルは、本明細書に記載されるように、任意選択的に置換され得る。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは3〜6個の炭素を有する。
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、本明細書の用法では、その中で少なくとも1つの炭素原子がN、S、およびOから選択されるヘテロ原子で置換されている、飽和または不飽和脂肪族環系を意味する。ヘテロシクロアルキルは、共に付着していても、ペンダント様式であっても、または融合していてもよい、1つまたは複数の環を含有し得る。一態様では、ヘテロシクロアルキルは3〜7員環系であり、例えば非限定的に、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニルなどが挙げられる。
「ヘテロ原子」という用語は、酸素、イオウ、窒素、リン、またはケイ素の1つまたは複数を意味して、窒素、イオウ、リン、またはケイ素のあらゆる酸化形態;塩基性窒素のあらゆる四級化形態;および例えば、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリル中など)、NH(ピロリジニル中など)またはNR+(N−置換ピロリジニル中など)などの複素環の置換可能な窒素を含む。
「不飽和」という用語は、本明細書の用法では、部分が、1つまたは複数の不飽和単位を有することを意味する。
「アルコキシ」という用語は、明細書の用法では、−O−アルキルを意味する。「アルコキシ」は、直鎖または分枝アルキルを含み得る。一態様では、「アルコキシ」は1〜8個の炭素原子を有し、例えば非限定的に、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、t−ブトキシなどが挙げられる。
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、明細書の用法では、ハロゲンを意味し、例えば非限定的に、放射性および非放射性形態の双方のフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードなどが挙げられる。
「ハロアルキル」という用語は、本明細書の用法では、1つまたは複数のハロゲン原子で置換されているアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、ハロアルキルは、過ハロゲン化アルキル基を指す。いくつかの実施形態では、ハロアルキルは、1つまたは複数のハロゲン原子で置換されているアルキル基を指す。例示的なハロアルキル基としては、−CF3、−CCl3、−CF2CH3、−CH2CF3、−CH2(CF3)2、−CF2(CF3)2などが挙げられる。
「アルキレン」という用語は、本明細書の用法では、二価の分枝または非分枝飽和炭化水素遊離基を意味する。一態様では「アルキレン」は、1〜8個の炭素原子を有して、例えば非限定的に、メチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレンなど含む。
「アルケニレン」という用語は、本明細書の用法では、1つまたは複数の炭素−炭素二重結合(すなわち−CH=CH−)を有する、二価の分枝または非分枝炭化水素遊離基を意味する。一態様では、「アルケニレン」は、2〜8個の炭素原子を有し、例えば非限定的に、エテニレン、n−プロペニレン、n−ブテニレンなどが挙げられる。
「アルキニレン」という用語は、本明細書の用法では、1つまたは複数の(one ore more)炭素−炭素(carbond)三重結合(すなわち−C≡C−)を有する、二価の分枝または非分枝炭化水素遊離基を意味する。一態様では「アルキニレン」は、2〜8個の炭素原子を有し、例えば非限定的に、エチニレン、n−プロピニレン、n−ブチニレンなどが挙げられる。
「アリール」という用語は、単独でまたは組み合わせで、本明細書の用法では、ペンダント様式で共に付着してもよい、または融合してもよい、1つまたは複数の環を含有する炭素環式芳香族系を意味する。特定の実施形態では、アリールは、1、2または3環である。一態様では、アリールは5〜12個の環原子を有する。「アリール」という用語は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリル、およびアセナフチルなどの芳香族遊離基を包含する。「アリール」基は、低級アルキル、ヒドロキシル、ハロ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルコキシ、低級アルキルアミノなどの1〜4個の置換基を有し得る。
「ヘテロアリール」という用語は、単独でまたは組み合わせで、本明細書の用法では、少なくとも1つの炭素原子が、N、S、およびOから選択されるヘテロ原子によって置き換えられている、芳香族系を意味する。ヘテロアリールは、共に付着していても、ペンダント様式であっても、または融合していてもよい、1つまたは複数の環を含有し得る。特定の実施形態では、ヘテロアリールは、1、2または3環である。一態様では、ヘテロアリールは、5〜12個の環原子を有する。「ヘテロアリール」という用語は、トリアゾリル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、フリル、ベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、キノリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリルなどの複素環式芳香族基を包含する。「ヘテロアリール」基は、低級アルキル、ヒドロキシル、ハロ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルコキシ、低級アルキルアミノなどの1〜4個の置換基を有し得る。
本発明の化合物上の置換基および置換パターンは、化学的に安定しており、当該技術分野で公知の技術、ならびに下記の方法によって容易に合成され得る化合物を与えるように、当業者によって選択され得るものと理解される。一般に「置換される」という用語は、「任意選択的に」という用語がそれに先行するかどうかに関わりなく、指定された部分の1つまたは複数の水素が、適切な置換基で置換されることを意味する。特に断りのない限り、「任意選択的に置換される基」は、基の置換可能な各位置で適切な置換基を有し得て、あらゆる所与の構造内の2つ以上の位置が、特定の群から選択される2つ以上の置換基で置換されてもよい場合、置換基は各位置で同一であるか、または異なり得る。代案としては、「任意選択的に置換される基」は非置換であり得る。
本発明によって想定される置換基の組み合わせは、安定したまたは化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものであることが好ましい。置換基それ自体が、2つ以上の基によって置換される場合、安定した構造が得られさえすれば、これらの複数の基は、同一炭素原子または異なる炭素原子上にあり得るものと理解される。「安定した」という用語は、本明細書の用法では、それらの生成、検出、および特定の実施形態では、それらの回収、精製、および本明細書で開示される目的の1つまたは複数のための使用を可能にする条件に置かれた際に、実質的に変性しない化合物を指す。
「任意選択的に置換される基」の置換可能な炭素原子上の適切な一価の置換基は、独立して、ハロゲン;−(CH2)0〜4R°;−(CH2)0〜4OR°;−O(CH2)0〜4R°、−O−(CH2)0〜4C(O)OR°;−(CH2)0〜4CH(OR°)2;−(CH2)0〜4SR°;R°で置換されてもよい−(CH2)0〜4Ph;R°で置換されてもよい−(CH2)0〜4O(CH2)0〜1Ph;R°で置換されてもよい−CH=CHPh;R°で置換されてもよい−(CH2)0〜4O(CH2)0〜1−ピリジル;−NO2;−CN;−N3;−(CH2)0〜4N(R°)2;−(CH2)0〜4N(R°)C(O)R°;−N(R°)C(S)R°;−(CH2)0〜4N(R°)C(O)NR°2;−N(R°)C(S)NR°2;−(CH2)0〜4N(R°)C(O)OR°;−N(R°)N(R°)C(O)R°;−N(R°)N(R°)C(O)NR°2;−N(R°)N(R°)C(O)OR°;−(CH2)0〜4C(O)R°;−C(S)R°;−(CH2)0〜4C(O)OR°;−(CH2)0〜4C(O)SR°;−(CH2)0〜4C(O)OSiR°3;−(CH2)0〜4OC(O)R°;−OC(O)(CH2)0〜4SR−,SC(S)SR°;−(CH2)0〜4SC(O)R°;−(CH2)0〜4C(O)NR°2;−C(S)NR°2;−C(S)SR°;−SC(S)SR°、−(CH2)0〜4OC(O)NR°2;−C(O)N(OR°)R°;−C(O)C(O)R°;−C(O)CH2C(O)R°;−C(NOR°)R°;−(CH2)0〜4SSR°;−(CH2)0〜4S(O)2R°;−(CH2)0〜4S(O)2OR°;−(CH2)0〜4OS(O)2R°;−S(O)2NR°2;−(CH2)0〜4S(O)R°;−N(R°)S(O)2NR°2;−N(R°)S(O)2R°;−N(OR°)R°;−C(NH)NR°2;−P(O)2R°;−P(O)R°2;−OP(O)R°2;−OP(O)(OR°)2;SiR°3;−(C1〜4直鎖または分枝アルキレン)O−N(R°)2;または−(C1〜4直鎖または分枝アルキレン)C(O)O−N(R°)2であり、式中、各R°は、以下に定義するように置換されてもよく、独立して、水素、C1〜6脂肪族、−CH2Ph、−O(CH2)0〜1Ph、−CH2−(5〜6員ヘテロアリール環)、または窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、またはアリール環であり、または上の定義に妨げられることなく、2つの独立したR°の存在は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する3〜12員の飽和、部分不飽和、またはアリール単環または二環を形成し、それは以下に定義するように置換されてもよい。
R°(またはそれらの介在原子と共に2つの独立したR°の存在を一緒することで形成される環)上の適切な一価の置換基は、独立して、ハロゲン、−(CH2)0〜2R●、−(haloR●)、−(CH2)0〜2OH、−(CH2)0〜2OR●、−(CH2)0〜2CH(OR●)2;−O(ハロR●)、−CN、−N3、−(CH2)0〜2C(O)R●、−(CH2)0〜2C(O)OH、−(CH2)0〜2C(O)OR●、−(CH2)0〜2SR●、−(CH2)0〜2SH、−(CH2)0〜2NH2、−(CH2)0〜2NHR●、−(CH2)0〜2NR● 2、−NO2、−SiR● 3、−OSiR● 3、−C(O)SR●、−(C1〜4直鎖または分枝アルキレン)C(O)OR●、または−SSR●であり、式中、各R●は非置換であり、または「ハロ」が先行する場合は1つまたは複数のハロゲンのみで置換され、C1〜4脂肪族、−CH2Ph、−O(CH2)0〜1Ph、または窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、またはアリール環から独立して選択される。R°の飽和炭素原子上の適切な二価の置換基としては、=Oおよび=Sが挙げられる。
「任意選択的に置換される基」の飽和炭素原子上の適切な二価の置換基としては、=O、=S、=NNR* 2、=NNHC(O)R*、=NNHC(O)OR*、=NNHS(O)2R*、=NR*、=NOR*、−O(C(R* 2))2〜3O−、および−S(C(R* 2))2〜3S−が挙げられ、式中、各独立したR*の存在は、水素、以下に定義するように置換されてもよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和、部分不飽和またはアリール環から選択される。「任意選択的に置換される」基の隣接する置換可能な炭素に結合する適切な二価の置換基としては、−O(CR* 2)2〜3O−が挙げられ、式中、各独立したR*の存在は、水素、以下に定義するように置換されてもよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和、部分不飽和またはアリール環から選択される。
R*の脂肪族基上の適切な置換基としては、ハロゲン、−R●、−(haloR●)、−OH、−OR●、−O(haloR●)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR●、−NH2、−NHR●、−NR● 2、および−NO2が挙げられ、式中、各R●は、非置換であり、または「ハロ」が先行する場合は、1つまたは複数のハロゲンのみで置換されて、独立して、C1〜4脂肪族、−CH2Ph、−O(CH2)0〜1Ph、または窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、またはアリール環である。
「任意選択的に置換される基」の置換可能な窒素上の適切な置換基としては、−R†、−NR† 2、−C(O)R†、−C(O)OR†、−C(O)C(O)R†、−C(O)CH2C(O)R†、−S(O)2R†、−S(O)2NR† 2、−C(S)NR† 2、−C(NH)NR† 2、および−N(R†)S(O)2R†が挙げられ、;式中、各R*は、独立して、水素、以下に定義するように置換されてもよいC1〜6脂肪族、非置換−OPh、または窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和、部分不飽和またはアリール環から選択され、または上の定義に妨げられることなく、2つの独立したR†の存在は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の3〜12員の飽和、部分不飽和、またはアリール単環または二環を形成する。
R†の脂肪族基上の適切な置換基は、独立して、ハロゲン、−R●、−(haloR●)、−OH、−OR●、−O(haloR●)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR●、−NH2、−NHR●、−NR● 2、または−NO2であり、式中、各R●は、非置換であり、または「ハロ」が先行する場合は、1つまたは複数のハロゲンのみで置換されて、独立して、C1〜4脂肪族、−CH2Ph、−O(CH2)0〜1Ph、または窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和、またはアリール環である。
本明細書の用法では、「薬学的に許容可能な塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答などなしで、ヒトおよび下等動物組織と接触させる使用に適し、利点/リスクの比率が妥当に釣り合った塩を指す。薬学的に許容可能な塩は、当該技術分野で周知である。例えばS.M.Berge et al.は、その関係のある教示の内容全体を参照によって本明細書に援用する、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1−19で、薬学的に許容可能な塩について詳細に記載する。本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩としては、患者の治療に適合する、適切な無機および有機酸および塩基から誘導される塩が挙げられる。
薬学的に許容可能な無毒の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などの無機酸によって、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸などの有機酸によって、またはイオン交換などの当該技術分野で使用されるその他の方法を使用して、形成されるアミノ基の塩である。その他の薬学的に許容可能な酸付加塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、硫酸ラウリル塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。
いくつかの実施形態では、適切な塩を形成する例示的な無機酸としては、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸と、オルトリン酸一水素ナトリウム、および硫酸水素カリウムなどの酸金属塩とが挙げられるがこれに限定されるものではない。適切な塩を形成する例証的な有機酸としては、モノ−、ジ−、およびトリカルボン酸が挙げられる。このような酸の例は、例えば、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、サリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、p−トルエンスルホン酸とメタンスルホン酸や2−ヒドロキシエタンスルホン酸などのその他のスルホン酸である。一酸塩または二酸塩のいずれかが形成され得て、このよう塩は、水和、溶媒和または実質的に無水の形態のいずれかで存在し得る。一般に、これらの化合物の酸付加塩は、それらの遊離塩基形態と比較して、水や種々の親水性有機溶媒中でのより溶解性であり、一般により高い融点を示す。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物の酸付加塩は、最も適切には薬学的に許容可能な酸から生成され、例えば塩酸、硫酸またはリン酸などの無機酸、そして例えば、コハク酸、マレイン酸、酢酸またはフマル酸などの有機酸によって形成されるものが挙げられる。
実験室での使用のために、または引き続く薬学的に許容可能な酸付加塩への変換のために、例えば式Iの化合物の単離において、例えばシュウ酸塩などのその他の薬学的に許容可能でない塩を使用し得る。本発明の化合物の塩基付加塩(ナトリウム、カリウム、およびアンモニウム塩など)、溶媒和化合物、および水和物もまた、本発明の範囲内に含まれる。所与の化合物塩を所望の化合物塩に変換することは、当業者に良く知られている標準的な技術を適用することで、達成される。
「薬学的に許容可能な塩基性付加塩」は、式Iによって表される酸化合物のあらゆる無毒の有機または無機塩基付加塩、またはその中間体のいずれかである。適切な塩を形成する例証的な無機塩基としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたはバリウムの水酸化物が挙げられるが、これに限定されるものではない。適切な塩を形成する例証的な有機塩基としては、メチルアミン、トリメチルアミン、およびピコリンなどの脂肪族、脂環式または芳香族有機アミン、またはアンモニアが挙げられる。分子中の他の箇所にエステル官能基がもしあれば、加水分解されないように、適切な塩の選択が重要なこともある。適切な塩の選択基準は、当業者に知られている。
適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN+(C1〜4アルキル)4塩が挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。適切な場合、さらなる薬学的に許容可能な塩としては、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホネート、およびアリールスルホネートなどの対イオンを使用して形成される、無毒のアンモニウム、四級アンモニウム、およびアミンカチオンが挙げられる。
特に断りのない限り、本明細書で描写される構造はまた、例えば、各不斉中心のRおよびS立体配置、ZおよびE二重結合異性体、およびZおよびE立体構造異性体など、構造の全ての異性体(例えば鏡像異性、ジアステレオマー、および幾何学的(または立体構造))形態を含むことが意図される。したがって本化合物の単一立体化学異性体、ならびに鏡像異性、ジアステレオマー、および幾何学的(または立体構造)混合物は、本発明の範囲内である。特に断りのない限り、本発明の化合物の全ての互変異性形態は、本発明の範囲内である。
それに加えて特に断りのない限り、本明細書で描写される構造は、1つまたは複数の同位体濃縮原子の存在のみが異なる、化合物を含むことが意図される。例えば、重水素またはトリチウムによる水素の置換によって、または13C−または14C濃縮炭素による炭素の置換によって生成される化合物は、本発明の範囲内である。このような化合物は、例えば、分析ツールとして、生物学的アッセイのプローブとして、または本発明に従った治療薬として、有用である。
「立体異性体」という用語は、空間内のそれらの原子の配向のみが異なる、個々の分子の全ての異性体を指す一般用語である。これとしては、鏡像異性体(鏡像異性体)、幾何学的(シス/トランス)異性体、および互いに鏡像(ジアステレオマー)でない2つ以上のキラル中心がある化合物の異性体が挙げられる。
「薬学的に許容できる担体」という用語は、医薬組成物、すなわち患者に投与できる剤形を形成できるようにするする、活性成分と混合される無毒の溶媒、分散剤、賦形剤、アジュバントまたはその他の材料を意味する。このような担体の一例は、非経口投与のために典型的に使用される、薬学的に許容可能な油である。薬学的に許容可能な担体は、当該技術分野で周知である。
本明細書で開示される要素に言及する場合、冠詞「a」、「an」、「the」、および「前記(said)」は、1つまたは複数の要素があることを意味することが意図される。「含んでなる」、「有する」、および「はじめとする」という用語は、制約がないことが意図され、列挙する要素の他に追加的な要素があってもよいことを意味する。
発明の化合物
本発明の一実施形態は、式I:
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、
A環は、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換される環であり;
B環は、3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和または部分不飽和単環式複素環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換される環であり;
Xは、O、S、N−CN、およびNRから選択され;
Rは、水素、またはC
1〜6脂肪族、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和または部分不飽和複素環、フェニル、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環から選択される、任意選択的に置換される基であり;
Yは、共有結合または任意選択的に置換される二価のC
1〜4炭化水素基であり、Yのメチレン単位は、−O−、−S−、−N(R
6)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(O)N(R
6)−、−N(R
6)C(O)N(R
6)−、−N(R
6)C(O)−、−N(R
6)C(O)O−、−OC(O)N(R
6)−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)
2N(R
6)−、−N(R
6)S(O)
2−、−OC(O)−または−C(O)O−によって任意選択的に置き換えられ;
R
1およびR
2のそれぞれは、独立して、水素、またはC
1〜6脂肪族、3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和または部分不飽和単環式複素環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される、任意選択的に置換される基であり;あるいは
R
1およびR
2は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜8員の飽和、部分不飽和、または芳香族複素環を形成し、それによって形成される環は、−(R
5)
pで置換され;
n、m、およびpのそれぞれは、独立して、0、1、2、3、および4から選択される整数であり;
qは、0、1、および2から選択される整数であり;
R
3、R
4、およびR
5のそれぞれは、独立して、ハロゲン、−NO
2、−CN、−N
3、−L−R
6、またはC
1〜6脂肪族、3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和または部分不飽和単環式複素環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される、任意選択的に置換される基であり;あるいは
B環上の2つのR
3基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成し;あるいは
A環上の2つのR
4基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成し;あるいは
R
1およびR
2によって形成される環上の2つのR
5は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成し;
Lは、共有結合または任意選択的に置換される二価のC
1〜6炭化水素基であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位は、−Cy−、−O−、−S−、−N(R
6)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(O)N(R
6)−、−N(R
6)C(O)N(R
6)−、−N(R
6)C(O)−、−N(R
6)C(O)O−、−OC(O)N(R
6)−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)
2N(R
6)−、−N(R
6)S(O)
2−、−OC(O)−または−C(O)O−によって、独立して任意選択的に置換され、
−Cy−は、3〜7員の飽和または部分不飽和シクロアルキレニレン環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜7員の飽和または部分不飽和ヘテロシクロアルキレン環、フェニレン、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリーレン、8〜10員の二環式アリーレン、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリーレンから選択される、任意選択的に置換される二価の環であり;
各R
6は、独立して、水素、またはC
1〜6脂肪族、フェニル、3〜7員の飽和または部分不飽和炭素環、8〜10員の二環式飽和、部分不飽和またはアリール炭素環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜7員の飽和または部分不飽和複素環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換される基であり;あるいは
同一窒素上の2つのR
6は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、4〜7員の飽和、部分不飽和、または芳香族複素環を形成する。
上で概説(genenerally)されるように、A環は、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される、任意選択的に置換される環である。
いくつかの実施形態では、A環は、任意選択的に置換されるフェニル環である。
いくつかの実施形態では、A環は、任意選択的に置換される8〜10員の二環式アリール環である。いくつかの実施形態では、A環は、任意選択的に置換されるナフチル環である。
いくつかの実施形態では、A環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5〜6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、A環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、A環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、A環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、A環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、A環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、A環は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、A環は、1〜3個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される5員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、A環は、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルから選択される、任意選択的に置換される基である。
いくつかの実施形態では、A環は、
から選択される。
いくつかの実施形態では、A環は、1〜4個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、A環は、1〜3個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、A環は、1〜2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、A環は、2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、A環は、1個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、A環は、ピリジニル、ピラジニル、ピリジジニル、ピリミジニル、トリアジニル、およびテトラジニルから選択される、任意選択的に置換される基である。
いくつかの実施形態では、A環は、任意選択的に置換されるピリジル環である。いくつかの実施形態では、A環は、任意選択的に置換される1,6−ピリジル環である。いくつかの実施形態では、A環は、
である。
上で概説されるようにB環は、3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和または部分不飽和単環式複素環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換される環である。
いくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換される3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換される、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルから選択される。
いくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換される、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロヘキサジエニル、およびシクロオクタジエニルから選択される。
いくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換されるフェニル環である。
いくつかの実施形態では、B環は、ハロゲン、ヒドロキシまたはトリフルオロメチルから独立して選択される、1つまたは複数の基で置換されるフェニル環である。
いくつかの実施形態では、B環は、1つまたは複数の任意選択的に置換されるメチル基で置換されるフェニルである。いくつかの実施形態では、B環は、1つの任意選択的に置換されるメチル基で置換されるフェニルである。いくつかの実施形態では、B環は、2つの任意選択的に置換されるメチル基で置換されるフェニルである。
いくつかの実施形態では、B環は、少なくとも1つのハロゲンで置換される1つまたは複数のメチル基で置換されるフェニルである。いくつかの実施形態では、B環は、少なくとも2つのハロゲンで置換される1つまたは複数のメチル基で置換されるフェニルである。いくつかの実施形態では、B環は、3つのハロゲンで置換される1つまたは複数のメチル基で置換されるフェニルである。
いくつかの実施形態では、B環は、1つまたは複数の−CF3基で置換されるフェニルである。いくつかの実施形態では、B環は、2つの−CF3基で置換されるフェニルである。
いくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換される8〜10員の二環式アリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換されるナフチル環である。
いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和または部分不飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式環複素環である。いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換されるアジリジニル、オキシラニル、チイラニル、オキサジリジニル、ジオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ジアゼチジニル、ジオキセタニル、ジチエタニル、ピロリジニル、オキソラニル、チオラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、ピペリジニル、オキサニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、およびホモピペラジニルから選択される。
いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換される、アジリニル、オキシレニル、チイレニル、ジアジリニル、アゼチル、オキセチル、チエチル、ジオキセチル、ジチエチル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、およびチアゾリニルから選択される。
いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5〜6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換される、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルである。
いくつかの実施形態では、B環は、1〜4個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、1〜3個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、1〜2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、1個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換される、ピリジニル、ピリミジニル、ピリジニル、ピリジジニル、トリアジニルまたはテトラジニルである。
いくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換されるピリジル環である。いくつかの実施形態では、B環は、1つまたは複数の任意選択的に置換されるC
1〜6脂肪族基で置換されるピリジル環である。いくつかの実施形態では、B環は、1つまたは複数の任意選択的に置換されるC
1〜4脂肪族基で置換されるピリジル環である。いくつかの実施形態では、B環は、1つまたは複数の任意選択的に置換されるC
1〜2脂肪族基で置換されるピリジル環である。いくつかの実施形態では、B環は、1つまたは複数の任意選択的に置換されるメチル基で置換されるピリジル環である。いくつかの実施形態では、B環は、1つまたは複数のハロゲンでさらに置換される、1つまたは複数のメチル基で置換されるピリジル環である。いくつかの実施形態では、B環は、1つのハロゲンで置換される、1つまたは複数のメチル基で置換されるピリジル環である。いくつかの実施形態では、B環は、少なくとも2つのハロゲンで置換される、1つまたは複数のメチル基で置換されるピリジル環である。いくつかの実施形態では、B環は、3つのハロゲンで置換される、1つまたは複数のメチル基で置換されるピリジル環である。いくつかの実施形態では、B環は、1つまたは複数の−CF
3基で置換されるピリジル環である。いくつかの実施形態では、B環は、2つの−CF
3基で置換されるピリジル環である。いくつかの実施形態では、B環は、
である。
いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換される、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、アザインドリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニルまたはシンノリニルである。
上で概説されるように、Xは、O、S、N−CN、およびNRから選択され、Rは、水素、またはC1〜6脂肪族、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和または部分不飽和複素環、フェニル、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環から選択される、任意選択的に置換される基である。
いくつかの実施形態では、XはOである。
いくつかの実施形態では、XはSである。
いくつかの実施形態では、XはN−CNである。
いくつかの実施形態では、XはNRである。より具体的には、XはNHである。代案としては、XはNCH3である。
上で概説されるように、Rは、水素、またはC1〜6脂肪族、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和または部分不飽和複素環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換される基である。
いくつかの実施形態では、Rは水素である。
いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されるC1〜6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されるC1〜5脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されるC1〜4脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されるC1〜3脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換されるC1〜2脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換される、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、およびイソブテニルから選択される。
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和または部分不飽和複素環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和複素環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和複素環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和複素環である。いくつかの実施形態では、Rは任意選択的に置換されるアジリジニル、オキシラニル、チイラニル、オキサジリジニル、ジオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ジアゼチジニル、ジオキセタニル、ジチエタニル、ピロリジニル、オキソラニル、チオラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、ピペリジニル、オキサニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニルまたはホモピペラジニル。
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和複素環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和複素環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和複素環である。いくつかの実施形態では、Rは任意選択的に置換される、ジリニル、オキシレニル、チイレニル、ジアジリニル、アゼチル、オキセチル、チエチル、ジオキセチル、ジチエチル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、オキサゾリニルまたはチアゾリニルである。
いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5〜6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換される、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルから選択される。
いくつかの実施形態では、Rは、1〜4個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、1〜3個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、1〜2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、1個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Rは、任意選択的に置換される、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、およびテトラジニルから選択される。
いくつかの実施形態では、XはNHである。いくつかの実施形態では、XはNCH3である。
上に一般的に記載されるように、Yは共有結合または任意選択的に置換される二価のC1〜4炭化水素鎖であり、Yの1つのメチレン単位は、任意選択的に−O−、−S−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)N(R6)−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−OC(O)−または−C(O)O−によって置き換えられる。
いくつかの実施形態では、Yは共有結合である。
いくつかの実施形態では、Yは任意選択的に置換される二価のC1〜4炭化水素鎖であり、Yの1つのメチレン単位は、任意選択的に−O−、−S−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)N(R6)−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−OC(O)−または−C(O)O−によって置き換えられる。いくつかの実施形態では、Yは任意選択的に置換される二価のC1〜3炭化水素鎖であり、Yの1つのメチレン単位は、任意選択的に−O−、−S−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)N(R6)−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−OC(O)−または−C(O)O−によって置き換えられる。いくつかの実施形態では、Yは任意選択的に置換される二価のC1〜2炭化水素鎖であり、Yの1つのメチレン単位は、任意選択的に−O−、−S−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)N(R6)−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−OC(O)−または−C(O)O−によって置き換えられる。
いくつかの実施形態では、Yは−O−である。いくつかの実施形態では、Yは−S−である。いくつかの実施形態では、Yは−N(R6)−である。いくつかの実施形態では、Yは−C(O)−である。いくつかの実施形態では、Yは−C(O)−である。いくつかの実施形態では、Yは−NH−である。いくつかの実施形態では、Yは−CH2O−である。いくつかの実施形態では、Yは−CH2S−である。いくつかの実施形態では、Yは−CH2N(H)−である。
上で概説されるように、R1およびR2のそれぞれは、水素、またはC1〜6脂肪族、3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和または部分不飽和単環式複素環から選択される、任意選択的に置換される基、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から独立して選択される。
いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それぞれ水素である。いくつかの実施形態では、R1およびR2の1つは、水素である。
いくつかの実施形態では、R1は水素である。いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換されるC1〜6脂肪族である。いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換されるC1〜5脂肪族である。いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換されるC1〜4脂肪族である。いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換されるC1〜3脂肪族である。いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換されるC1〜2脂肪族である。いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換される、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、およびヘキセニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換されるフェニル環である。
いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換される3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換される、シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロヘパジエニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、およびシクロオクタジエニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換される8〜10員の二環式アリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換されるナフチル環である。
いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和または部分不飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換されるアジリジニル、オキシラニル、チイラニル、オキサジリジニル、ジオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ジアゼチジニル、ジオキセタニル、ジチエタニル、ピロリジニル、オキソラニル、チオラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、ピペリジニル、オキサニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、ホモピペラジニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、アジリニル、オキシレニル、チイレニル、ジアジリニル、アゼチル、オキセチル、チエチル、ジオキセチル、ジチエチル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、およびチアゾリニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5〜6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換される、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルから選択される。
いくつかの実施形態では、R1は、1〜4個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、1〜3個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、1〜2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、1個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換される、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、およびテトラジニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R1は、任意選択的に置換される、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、アザインドリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、およびシンノリニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R2は水素である。いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換されるC1〜6脂肪族である。いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換されるC1〜5脂肪族である。いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換されるC1〜4脂肪族である。いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換されるC1〜3脂肪族である。いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換されるC1〜2脂肪族である。いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換される、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、およびヘキセニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換されるフェニル環である。
いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換される3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換される、シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロヘパジエニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、およびシクロオクタジエニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換される8〜10員の二環式アリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換されるナフチル環である。
いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和または部分不飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換される、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、オキサジリジニル、ジオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ジアゼチジニル、ジオキセタニル、ジチエタニル、ピロリジニル、オキソラニル、チオラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、ピペリジニル、ホモピペラジニル、オキサニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、アジリニル、オキシレニル、チイレニル、ジアジリニル、アゼチル、オキセチル、チエチル、ジオキセチル、ジチエチル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、およびチアゾリニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5〜6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換される、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルから選択される。
いくつかの実施形態では、R2は、1〜4個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、1〜3個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、1〜2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、1個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換される、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、およびテトラジニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R2は、任意選択的に置換される、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、アザインドリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、およびシンノリニルから選択される。
上で概説されるように、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜8員の飽和、部分不飽和、または芳香族複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する、4〜8員の飽和複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、アゼピニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびモルホリニルから選択される環を形成する。
いくつかの実施形態では、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
であり、式中、R
5およびpは、上で定義されて本明細書に記載されるようである。
いくつかの実施形態では、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、1つまたは複数のハロゲンで置換される。このようないくつかの実施形態では、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
である。
いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、4〜8員の部分不飽和複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、4〜8員の部分不飽和複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、4〜8員の部分不飽和複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する、4〜8員の部分不飽和複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、アゼチル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、オキサジニル、チアジニル、アゼピニル、およびジアゼピニルから選択される環を形成する。
いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、4〜8員の芳香族複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、4〜8員の芳香族複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、4〜8員の芳香族複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、1個の窒素原子を有する、4〜8員の芳香族複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルから選択される環を形成する。
上で概説されるように、R1およびR2、およびそれらの介在原子によって形成される環は、−(R5)pで置換され、pは0〜4である。上で定義されるように、R5は、ハロゲン、−NO2、−CN、−N3、−L−R6、またはC1〜6脂肪族、3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和または部分不飽和単環式複素環から選択される、任意選択的に置換される基、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環であり、あるいはR1およびR2によって形成される環上の2つのR5は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。
いくつかの実施形態では、R5はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R5はフッ素である。いくつかの実施形態では、R5は塩素である。いくつかの実施形態では、R5は臭素である。いくつかの実施形態では、R5は−NO2である。いくつかの実施形態では、R5は−CNである。いくつかの実施形態では、R5は−N3である。いくつかの実施形態では、R5は−L−R6である。
上で一般に定義されるように、各R6は、独立して、水素、またはC1〜6脂肪族、フェニル、3〜7員の飽和または部分不飽和炭素環、8〜10員の二環式飽和、部分不飽和またはアリール炭素環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜7員の飽和または部分不飽和複素環から選択される任意選択的に置換される基、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。
いくつかの実施形態では、R6は水素である。いくつかの実施形態では、R6は、任意選択的に置換されるフェニルである。いくつかの実施形態では、R6は、任意選択的に置換されるC1〜6脂肪族である。いくつかの実施形態では、R6は、任意選択的に置換されるC1〜5脂肪族である。いくつかの実施形態では、R6は、任意選択的に置換されるC1〜4脂肪族である。いくつかの実施形態では、R6は、任意選択的に置換されるC1〜3脂肪族である。いくつかの実施形態では、R6は、任意選択的に置換されるC1〜2脂肪族である。
いくつかの実施形態では、R6は、任意選択的に置換される3〜7員の飽和または部分不飽和炭素環である。いくつかの実施形態では、R6は、任意選択的に置換される3〜7員の飽和炭素環である。いくつかの実施形態では、R6は、任意選択的に置換される3〜7員の部分不飽和炭素環である。いくつかの実施形態では、R6は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロヘキサジエニル、およびシクロオクタジエニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R6は、任意選択的に置換される8〜10員の二環式飽和、部分不飽和またはアリール炭素環である。いくつかの実施形態では、R6は、任意選択的に置換される8〜10員の二環式飽和炭素環である。いくつかの実施形態では、R6は、任意選択的に置換される8〜10員の二環式部分不飽和炭素環である。いくつかの実施形態では、R6は、任意選択的に置換される8〜10員の二環式アリール炭素環である。いくつかの実施形態では、R6はナフチルである。
いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される、4〜7員の飽和または部分不飽和複素環式環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される4〜7員の飽和複素環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される4〜7員の飽和複素環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される4〜7員の飽和複素環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される4〜7員の飽和複素環である。いくつかの実施形態では、R6は、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、オキサジリジニル、ジオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ジアゼチジニル、ジオキセタニル、ジチエタニル、ピロリジニル、オキソラニル、チオラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、ピペリジニル、オキサニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、およびホモピペラジニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される4〜7員の部分不飽和複素環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される4〜7員の部分不飽和複素環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される4〜7員の部分不飽和複素環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される4〜7員の部分不飽和複素環である。いくつかの実施形態では、R6は、アジリニル、オキシレニル、チイレニル、ジアジリニル、アゼチル、オキセチル、チエチル、ジオキセチル、ジチエチル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、およびチアゾリニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5〜6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルから選択される。
いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、ピリジニル、ピラジニル、ピリジジニル、ピリミジニル、トリアジニル、およびテトラジニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R6は、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、アザインドリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、およびシンノリニルから選択される。
いくつかの実施形態では、同一窒素上の2つのR6は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、4〜7員の飽和、部分不飽和、または芳香族複素環を形成する。いくつかの実施形態では、同一窒素上の2つのR6は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、飽和複素環を形成する。いくつかの実施形態では、同一窒素上の2つのR6は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、部分不飽和複素環を形成する。いくつかの実施形態では、同一窒素上の2つのR6は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、芳香族複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R6は、ジアジリニル、アゼチル、オキセチル、チエチル、ジオキセチル、ジチエチル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ジアゼチジニル、ジオキセタニル、ジチエタニル、ピロリジニル、オキソラニル、チオラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、ピペリジニル、オキサニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリジジニル、およびピリミジニルから選択される。
上で一般に定義されるように、n、m、およびpのそれぞれは、独立して、0、1、2、3、および4から選択される整数である。いくつかの実施形態では、nは0である。いくつかの実施形態では、nは1である。いくつかの実施形態では、nは2である。いくつかの実施形態では、nは3である。いくつかの実施形態では、nは4である。いくつかの実施形態では、mは0である。いくつかの実施形態では、mは1である。いくつかの実施形態では、mは2である。いくつかの実施形態では、mは3である。いくつかの実施形態では、mは4である。いくつかの実施形態では、pは0である。いくつかの実施形態では、pは1である。いくつかの実施形態では、pは2である。いくつかの実施形態では、pは3である。いくつかの実施形態では、pは4である。
上で一般に定義されるように、qは、0、1、および2から選択される整数である。いくつかの実施形態では、qは0である。いくつかの実施形態では、qは1である。いくつかの実施形態では、qは2である。
上で一般に定義されるように、R3、R4、およびR5のそれぞれは、独立して、ハロゲン、−NO2、−CN、−N3、−L−R6、またはC1〜6脂肪族、3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和または部分不飽和単環式複素環から選択される、任意選択的に置換される基、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。
いくつかの実施形態では、R3はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R3は−NO2である。いくつかの実施形態では、R3は−CNである。いくつかの実施形態では、R3は−N3である。
いくつかの実施形態では、R3は、任意選択的に置換されるC1〜6脂肪族である。いくつかの実施形態では、R3は、任意選択的に置換されるC1〜5脂肪族である。いくつかの実施形態では、R3は、任意選択的に置換されるC1〜4脂肪族である。いくつかの実施形態では、R3は、任意選択的に置換されるC1〜3脂肪族である。いくつかの実施形態では、R3は、任意選択的に置換されるC1〜2脂肪族である。いくつかの実施形態では、R3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、およびヘキシルから選択される。
いくつかの実施形態では、R3は−L−R6である。
いくつかの実施形態では、R3は、任意選択的に置換されるフェニルである。
いくつかの実施形態では、R3は、任意選択的に置換される3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R3は、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R3は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルから選択される。
いくつかの実施形態では、R3は、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R3は、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、およびシクロオクタジエニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R3は、任意選択的に置換される8〜10員の二環式アリール環である。いくつかの実施形態では、R3はナフチルである。
いくつかの実施形態では、R3は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R3は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R3は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R3は、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、オキサジリジニル、ジオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ジアゼチジニル、ジオキセタニル、ジチエタニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、オキソラニル、チオラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、オキサニル、チアニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、およびホモピペラジニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R3は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R3は、アジリニル、オキシレニル、チイレニル、ジアジリニル、アゼチル、オキセチル、チエチル、ジオキセチル、ジチエチル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、およびチアゾリニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R3は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5〜6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルから選択される。
いくつかの実施形態では、R3は、1〜4個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、1〜3個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、1〜2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、1個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、ピリジニル、ピラジニル、ピリジジニル、ピリミジニル、トリアジニル、およびテトラジニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R3は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R3は、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、アザインドリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、およびシンノリニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R4はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R4は−NO2である。いくつかの実施形態では、R4は−CNである。いくつかの実施形態では、R4は−N3である。
いくつかの実施形態では、R4は、任意選択的に置換されるC1〜6脂肪族である。いくつかの実施形態では、R4は、任意選択的に置換されるC1〜5脂肪族である。いくつかの実施形態では、R4は、任意選択的に置換されるC1〜4脂肪族である。いくつかの実施形態では、R4は、任意選択的に置換されるC1〜3脂肪族である。いくつかの実施形態では、R4は、任意選択的に置換されるC1〜2脂肪族である。いくつかの実施形態では、R4は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、およびヘキシルから選択される。
いくつかの実施形態では、R4は−L−R6である。
いくつかの実施形態では、R4は、任意選択的に置換されるフェニルである。
いくつかの実施形態では、R4は、任意選択的に置換される3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R4は、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R4は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルから選択される。
いくつかの実施形態では、R4は、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R4は、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、およびシクロオクタジエニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R4は、任意選択的に置換される8〜10員の二環式アリール環である。いくつかの実施形態では、R4はナフチルである。
いくつかの実施形態では、R4は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R4は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R4は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R4は、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、オキサジリジニル、ジオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ジアゼチジニル、ジオキセタニル、ジチエタニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、オキソラニル、チオラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、オキサニル、チアニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、およびホモピペラジニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R4は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R4は、アジリニル、オキシレニル、チイレニル、ジアジリニル、アゼチル、オキセチル、チエチル、ジオキセチル、ジチエチル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、およびチアゾリニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R4は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5〜6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルから選択される。
いくつかの実施形態では、R4は、1〜4個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、1〜3個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、1〜2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、1個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、ピリジニル、ピラジニル、ピリジジニル、ピリミジニル、トリアジニル、およびテトラジニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R4は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R4は、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、アザインドリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、およびシンノリニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R5はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R5は−NO2である。いくつかの実施形態では、R5は−CNである。いくつかの実施形態では、R5は−N3である。
いくつかの実施形態では、R5は、任意選択的に置換されるC1〜6脂肪族である。いくつかの実施形態では、R5は、任意選択的に置換されるC1〜5脂肪族である。いくつかの実施形態では、R5は、任意選択的に置換されるC1〜4脂肪族である。いくつかの実施形態では、R5は、任意選択的に置換されるC1〜3脂肪族である。いくつかの実施形態では、R5は、任意選択的に置換されるC1〜2脂肪族である。いくつかの実施形態では、R5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、およびヘキシルから選択される。
いくつかの実施形態では、R5は−L−R6である。
いくつかの実施形態では、R5は、任意選択的に置換されるフェニルである。
いくつかの実施形態では、R5は、任意選択的に置換される3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R5は、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R5は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルから選択される。
いくつかの実施形態では、R5は、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式炭素環である。いくつかの実施形態では、R5は、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、およびシクロオクタジエニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R5は、任意選択的に置換される8〜10員の二環式アリール環である。いくつかの実施形態では、R5はナフチルである。
いくつかの実施形態では、R5は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R5は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R5は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R5は、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、オキサジリジニル、ジオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ジアゼチジニル、ジオキセタニル、ジチエタニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、オキソラニル、チオラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、オキサニル、チアニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、およびホモピペラジニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R5は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される3〜8員の部分不飽和単環式複素環である。いくつかの実施形態では、R5は、アジリニル、オキシレニル、チイレニル、ジアジリニル、アゼチル、オキセチル、チエチル、ジオキセチル、ジチエチル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、およびチアゾリニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R5は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5〜6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される5員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルから選択される。
いくつかの実施形態では、R5は、1〜4個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、1〜3個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、1〜2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、1個の窒素原子を有する、任意選択的に置換される6員の単環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、ピリジニル、ピラジニル、ピリジジニル、ピリミジニル、トリアジニル、およびテトラジニルから選択される。
いくつかの実施形態では、R5は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換される8〜10員の二環式ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、R5は、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、アザインドリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、およびシンノリニルから選択される。
いくつかの実施形態では、B環上の2つのR3基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR3基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR3基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、同一B環上の2つのR3基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR3基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR3基は、それらの介在原子と一緒になって、フェニル環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR3基は、それらの介在原子と一緒になって、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、オキサジリジニル、ジオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ジアゼチジニル、ジオキセタニル、ジチエタニル、ピロリジニル、オキソラニル、チオラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、ピペリジニル、オキサニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、ホモピペラジニル、アジリニル、オキシレニル、チイレニル、ジアジリニル、アゼチル、オキセチル、チエチル、ジオキセチル、ジチエチル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリジジニル、ピリミジニル、トリアジニル、およびテトラジニルから選択される環を形成する。
いくつかの実施形態では、A環上の2つのR4は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR4基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR4基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR4基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR4基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR4基は、それらの介在原子と一緒になって、フェニル環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR4基は、それらの介在原子と一緒になって、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、オキサジリジニル、ジオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ジアゼチジニル、ジオキセタニル、ジチエタニル、ピロリジニル、オキソラニル、チオラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、ピペリジニル、オキサニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、ホモピペラジニル、アジリニル、オキシレニル、チイレニル、ジアジリニル、アゼチル、オキセチル、チエチル、ジオキセチル、ジチエチル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリジジニル、ピリミジニル、トリアジニル、およびテトラジニルから選択される環を形成する。
いくつかの実施形態では、R1およびR2によって形成される環上の2つのR5は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR5は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR5基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから選択される1個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR5基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR5基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR5基は、それらの介在原子と一緒になって、フェニル環を形成する。いくつかの実施形態では、B環上の2つのR5基は、それらの介在原子と一緒になって、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、オキサジリジニル、ジオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ジアゼチジニル、ジオキセタニル、ジチエタニル、ピロリジニル、オキソラニル、チオラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ジオキソラニル、ジチオラニル、ピペリジニル、オキサニル、チアニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、アゼパニル、オキセパニル、チエパニル、ホモピペラジニル、アジリニル、オキシレニル、チイレニル、ジアジリニル、アゼチル、オキセチル、チエチル、ジオキセチル、ジチエチル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリジジニル、ピリミジニル、トリアジニル、およびテトラジニルから選択される環を形成する。
上で一般に定義されるように、Lは共有結合または任意選択的に置換される二価のC1〜6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位は、任意選択的に独立して、−Cy−、−O−、−S−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)N(R6)−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−OC(O)−または−C(O)O−によって置き換えられる。いくつかの実施形態では、Lは共有結合である。いくつかの実施形態では、Lは任意選択的に置換される二価のC1〜6炭化水素鎖であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位は、任意選択的に独立して、−Cy−、−O−、−S−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)N(R6)−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−OC(O)−または−C(O)O−によって置き換えられる。いくつかの実施形態では、Lは任意選択的に置換される二価のC1〜5炭化水素鎖であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位は、任意選択的に独立して、−Cy−、−O−、−S−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)N(R6)−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−OC(O)−または−C(O)O−によって置き換えられる。いくつかの実施形態では、Lは任意選択的に置換される二価のC1〜4炭化水素鎖であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位は、任意選択的に独立して、−Cy−、−O−、−S−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)N(R6)−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−OC(O)−または−C(O)O−によって置き換えられる。いくつかの実施形態では、Lは任意選択的に置換される二価のC1〜3炭化水素鎖であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位は、任意選択的に独立して、−Cy−、−O−、−S−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)N(R6)−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−OC(O)−または−C(O)O−によって置き換えられる。いくつかの実施形態では、Lは任意選択的に置換される二価のC1〜2炭化水素鎖であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位は、任意選択的に独立して、−Cy−、−O−、−S−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)N(R6)−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−OC(O)−または−C(O)O−によって置き換えられる。いくつかの実施形態では、Lは−Cy−である。いくつかの実施形態では、Lは−O−である。いくつかの実施形態では、Lは−S−である。いくつかの実施形態では、Lは−N(R6)−である。いくつかの実施形態では、Lは−C(O)−である。いくつかの実施形態では、Lは−C(S)−である。いくつかの実施形態では、Lは−C(O)N(R6)−である。いくつかの実施形態では、Lは−N(R6)C(O)N(R6)−である。いくつかの実施形態では、Lは−N(R6)C(O)−である。いくつかの実施形態では、Lは−N(R6)C(O)O−である。いくつかの実施形態では、Lは−OC(O)N(R6)−である。いくつかの実施形態では、Lは−S(O)−である。いくつかの実施形態では、Lは−S(O)2−である。いくつかの実施形態では、Lは−S(O)2N(R6)−である。いくつかの実施形態では、Lは−N(R6)S(O)2−である。いくつかの実施形態では、Lは−OC(O)−である。いくつかの実施形態では、Lは−C(O)O−である。
いくつかの実施形態では、Lは−CH2−Cy−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−O−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−S−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−N(R6)−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−C(O)−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−C(S)−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−C(O)N(R6)−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−N(R6)C(O)N(R6)−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−N(R6)C(O)−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−N(R6)C(O)O−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−OC(O)N(R6)−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−S(O)−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−S(O)2−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−S(O)2N(R6)−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−N(R6)S(O)2−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−OC(O)−である。いくつかの実施形態では、Lは−CH2−C(O)O−である。
いくつかの実施形態では、Lは−Cy−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−O−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−S−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−N(R6)−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−C(O)−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−C(S)−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−C(O)N(R6)−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−N(R6)C(O)N(R6)−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−N(R6)C(O)−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−N(R6)C(O)O−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−OC(O)N(R6)−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−S(O)−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−S(O)2−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−S(O)2N(R6)−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−N(R6)S(O)2−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−OC(O)−CH2−である。いくつかの実施形態では、Lは−C(O)O−CH2−である。
上で一般に定義されるように、−Cy−は、3〜7員の飽和または部分不飽和シクロアルキレニレン環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜7員の飽和または部分不飽和ヘテロシクロアルキレン環、フェニレン、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリーレン、8〜10員の二環式アリーレン、または窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリーレンから選択される、任意選択的に置換される二価の環である。
いくつかの実施形態では、本発明は、式I−aまたはI−b、
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、A環、B環、X、Y、R
1、R
2、R
3、R
4、m、n、およびqのそれぞれは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式I−aおよびI−bのいくつかの実施形態では、qは0である。したがっていくつかの実施形態では、本発明は、式II−aまたはII−b、
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、A環、B環、X、Y、R
1、R
2、R
3、R
4、m、およびnのそれぞれは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式II−aおよびII−bのいくつかの実施形態では、Yは共有結合である。したがっていくつかの実施形態では、本発明は、式III−aまたはIII−b、
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、A環、B環、X、R
1、R
2、R
3、R
4、m、およびnのそれぞれは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式III−aおよびIII−bのいくつかの実施形態では、XはOである。したがっていくつかの実施形態では、本発明は、式IV−aまたはIV−b、
の化合物をまたはその薬学的に許容可能な塩提供し、式中、A環、B環、R
1,R
2、R
3、R
4、m、およびnのそれぞれは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式IV−aおよびIV−bのいくつかの実施形態では、A環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、5員の単環式ヘテロアリール環である。式IV−aおよびIV−bのいくつかの実施形態では、A環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、5員の単環式ヘテロアリール環である。式IV−aおよびIV−bのいくつかの実施形態では、A環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、5員の単環式ヘテロアリール環である。式IV−aおよびIV−bのいくつかの実施形態では、A環は、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される2個のヘテロ原子を有する、5員の単環式ヘテロアリール環である。式IV−aおよびIV−bのいくつかの実施形態では、A環は、窒素、酸素、およびイオウか選択される1個のヘテロ原子を有する、5員の単環式ヘテロアリール環である。式IV−aおよびIV−bのいくつかの実施形態では、A環は、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、およびテトラゾリルから選択される。
式IV−aおよびIV−bのいくつかの実施形態では、A環はトリアゾリルである。したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、式V−a、V−b、V−c、およびV−d、
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、B環、R
1、R
2、R
3、R
4、およびnのそれぞれは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりであり、mは0または1である。
式IV−aおよびIV−bのいくつかの実施形態では、A環はイミダゾリルである。したがっていくつかの実施形態では、本発明は、式V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、およびV−j、
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、B環、R
1、R
2、R
3、R
4、m、およびnのそれぞれは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式IV−aおよびIV−bのいくつかの実施形態では、A環はピラゾリルである。したがっていくつかの実施形態では、本発明は、式V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、およびV−t、
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、B環、R
1、R
2、R
3、R
4、m、およびnのそれぞれは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式IV−aおよびIV−bのいくつかの実施形態では、A環はピロリルである。したがっていくつかの実施形態では、本発明は、式V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−cc、およびV−dd、
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、B環、R
1、R
2、R
3、R
4、m、およびnのそれぞれは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換されるフェニルである。式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、1つまたは複数の任意選択的に置換されるメチル基で置換される、フェニルである。式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、1つの任意選択的に置換されるメチル基で置換される、フェニルである。式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、2つの任意選択的に置換されるメチル基で置換される、フェニルである。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、少なくとも1つのハロゲンで置換される1つまたは複数のメチル基で置換される、フェニルである。式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、少なくとも2つのハロゲンで置換される1つまたは複数のメチル基で置換される、フェニルである。式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、3つのハロゲンで置換される1つまたは複数のメチル基で置換される、フェニルである。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、1つまたは複数の−CF3基で置換される、フェニルである。式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、2つの−CF3基で置換される、フェニルである。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、
である。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、複素環窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和、部分不飽和、または芳香族を形成し、それによって形成される環は、−(R5)pで置換される。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
であり、
式中、R
5およびpは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、1つまたは複数のハロゲンで置換される。式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのこのようないくつかの実施形態では、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
である。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換されるフェニルであり、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
であり、
式中、R
5およびpは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、1つまたは複数の任意選択的に置換されるメチル基で置換されるフェニルであり、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
であり、
式中、R
5およびpは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、2つの任意選択的に置換されるメチル基で置換されるフェニルであり、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
であり、
式中、R
5およびpは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、少なくとも1つのハロゲンによって置換される1つまたは複数のメチル基によって置換されるフェニルであり、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
であり、
式中、R
5およびpは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、3つのハロゲンで置換される1つまたは複数のメチル基で置換されるフェニルであり、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
であり、
式中、R
5およびpは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、1つまたは複数の−CF
3基で置換されるフェニルであり、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
であり、
式中、R
5およびpは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、2つの−CF
3基で置換されるフェニルであり、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
であり、
式中、R
5およびpは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、
であり、
R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
であり、
式中、R
5およびpは、上で定義されて本明細書に記載されるとおりである。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、任意選択的に置換されるフェニルであり、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
である。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、1つまたは複数の任意選択的に置換されるメチル基で置換されるフェニルであり、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
である。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、2つの任意選択的に置換されるメチル基で置換されるフェニルであり、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
である。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、少なくとも1つのハロゲンで置換される1つまたは複数のメチル基で置換されるフェニルであり、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
である。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、3つのハロゲンで置換される1つまたは複数のメチル基で置換されるフェニルであり、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
である。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、1つまたは複数の−CF
3基で置換されるフェニルであり、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
である。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、2つの−CF
3基で置換されるフェニルであり、R
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
である。
式V−a、V−b、V−c、V−d、V−e、V−f、V−g、V−h、V−i、V−j、V−k、V−l、V−m、V−n、V−o、V−p、V−q、V−r、V−s、V−t、V−u、V−v、V−w、V−x、V−y、V−z、V−aa、V−bb、V−ccまたはV−ddのいくつかの実施形態では、B環は、
であり、かつR
1、R
2、およびそれらの介在原子によって形成される4〜8員の飽和複素環は、
である。
本発明の一実施形態は、式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、
A環は、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される、任意選択的に置換される環であり;
B環は、3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和または部分不飽和単環式複素環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換される環であり;
Xは、O、S、N−CN、およびNRから選択され;
Rは、水素、またはC1〜6脂肪族、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和または部分不飽和複素環、フェニル、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環から選択される、任意選択的に置換される基であり;
Yは、共有結合または任意選択的に置換される二価のC1〜4炭化水素基であり、Yの1つのメチレン単位は、−O−、−S−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)N(R6)−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−OC(O)−または−C(O)O−によって任意選択的に置き換えられ;
R1およびR2のそれぞれは、独立して、水素、またはC1〜6脂肪族、3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和または部分不飽和単環式複素環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される、任意選択的に置換される基であり;あるいは
R1およびR2は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜8員の飽和、部分不飽和、または芳香族複素環を形成し、それによって形成される環は、−(R5)pで置換され;
n、m、およびpのそれぞれは、独立して、0、1、2、3、および4から選択される整数であり;
qは、0、1、および2から選択される整数であり;
R3、R4、およびR5のそれぞれは、独立して、ハロゲン、−NO2、−CN、−N3、−L−R6、またはC1〜6脂肪族、3〜8員の飽和または部分不飽和単環式炭素環、フェニル、8〜10員の二環式アリール環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和または部分不飽和単環式複素環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される、任意選択的に置換される基であり;あるいは
B環上の2つのR3基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成し;あるいは
A環上の2つのR4基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成し;あるいは
R1およびR2によって形成される環上の2つのR5は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、融合した4〜8員の飽和、部分不飽和、またはアリール環を形成し;
Lは、共有結合または任意選択的に置換される二価のC1〜6炭化水素基であり、Lの1つまたは2つのメチレン単位は、−Cy−、−O−、−S−、−N(R6)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)N(R6)−、−N(R6)C(O)−、−N(R6)C(O)O−、−OC(O)N(R6)−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2N(R6)−、−N(R6)S(O)2−、−OC(O)−または−C(O)O−によって、独立して任意選択的に置換され、
−Cy−は、3〜7員の飽和または部分不飽和シクロアルキレニレン環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜7員の飽和または部分不飽和ヘテロシクロアルキレン環、フェニレン、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリーレン、8〜10員の二環式アリーレン、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリーレンから選択される、任意選択的に置換される二価の環であり;
各R6は、独立して、水素、またはC1〜6脂肪族、フェニル、3〜7員の飽和または部分不飽和炭素環、8〜10員の二環式飽和、部分不飽和またはアリール炭素環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜7員の飽和または部分不飽和複素環、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ならびに窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択的に置換される基であり;あるいは
同一窒素上の2つのR6は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、およびイオウから独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、4〜7員の飽和、部分不飽和、または芳香族複素環を形成する。
式Iの化合物の特定の一実施形態では、化合物は、表1Aに列挙される化合物でない。
式Iの化合物の別の特定の実施形態では、化合物は、表1Bに列挙される化合物でない。
式Iの化合物の別の特定の実施形態では、化合物は、表1Cに列挙される化合物でない。
本発明の例示的な化合物は、表2に記載される。
別の本発明の実施形態は、構造式(VI)、
によって表される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、
ZはN、CH、およびC(Cl)から選択され;
R
1は水素であり;
R
2は、−CH
2−オキサゾール−5−イル、−CH
2−ピリミジン−5−イル、−CH
2−(1−メチルピロリジン−3−イル)、または
から選択され、あるいはR
1とR
2は、それにそれらが結合する窒素原子と一緒になって、
4−ヒドロキシピペリジン−1−イル、ピロリジニ−1−イル、またはアゼチジン−1−イルを形成し、ピロリジニ−1−イルおよびアゼチジン−1−イルはそれぞれ任意選択的に独立して、フルオロ、−CF
3、−CH
3、−OH、ピリジン−2−イル、−CH
2−N(CH
3)
2、−CH
2−NH−CH
3、−CH
2−NH
2、−CN、−C(O)−O−CH
3から独立して選択される最高2つの置換基によって3位で置換され;
R
7は、フルオロ、−OH、および−CF
3から選択される。
構造式VIの代表的な化合物としては、以下が挙げられる。
別の本発明の実施形態は、以下の構造式のいずれかによって表される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩である。
調合および投与
本発明の別の実施形態は、本発明の化合物または薬学的に許容可能なその塩と、薬学的に許容できる担体、アジュバント、またはビヒクルとを含んでなる、組成物である。本発明の組成物中の化合物の量は、生物学的サンプル中または患者において、CRM1を測定可能な程度に阻害するのに効果的な量である。特定の実施形態では、本発明の組成物は、同組成物を必要とする患者への投与のために調合される。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、それを必要とする患者への経口、静脈内、皮下、腹腔内または外皮投与のために調合される。
「患者」という用語は、本明細書の用法では動物を意味する。いくつかの実施形態では、動物は哺乳類である。特定の実施形態では、患者は獣医学の患者(すなわち非ヒト哺乳類患者)である。いくつかの実施形態では、患者はイヌである。別の実施形態では、患者はヒトである。
「薬理的または薬理学的に許容可能」としては、必要に応じて動物、またはヒトに投与した際に、有害なアレルギー性またはその他の有害反応を生じない、分子実体および組成物が挙げられる。ヒトへの投与のためには、製剤は、アメリカ食品医薬局生物製剤部によって要求されるような、無菌性、発熱性、そして一般的安全性および純度の基準を満たさなくてはならない。
「薬学的に許容できる担体、アジュバント、またはビヒクル」という語句は、それが一緒に調合される化合物の薬理学的活性を破壊せず、治療量の化合物を送達するのに十分な量で投与された場合に無毒である、無毒の担体、アジュバント、またはビヒクルを指す。本発明の組成物中で使用されてもよい薬学的に許容可能な担体、アジュバントまたはビヒクルとしては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、硫酸プロタミンやリン酸水素二ナトリウムやリン酸水素カリウムや塩化ナトリウムや亜鉛塩などの塩または電解質、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明の組成物は、吸入噴霧、局所、直腸内、鼻腔内、口腔内、膣内、または埋め込み式リザバーを通じて、経口投与、非経口投与(皮下、筋肉内、静脈内、および皮内を含む)されてもよい。いくつかの実施形態では、提供される化合物または組成物は、静脈内および/または腹腔内投与可能である。
「非経口」という用語は、本明細書の用法では、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、眼内、硝子体内、関節内、動脈内、滑液嚢内、胸骨内、クモ膜下腔内、病巣内、肝臓内、腹腔内病巣内、および頭蓋内注射または輸液技術を含む。好ましくは、組成物は、経口、皮下、腹腔内または静脈内投与される。
本発明の薬学的に許容可能な組成物は、カプセル、錠剤、水性懸濁液、分散体、および溶液をはじめとするが、これに限定されるものではない、あらゆる経口的に許容可能な剤形で、経口的に投与し得る。経口使用される錠剤の場合、通常使用される担体としては、乳糖およびコーンスターチが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムなどの平滑剤もまた、典型的に添加される。カプセル形態での経口投与では、有用な希釈剤としては、乳糖および乾燥コーンスターチが挙げられる。経口使用のために水性懸濁液および/またはエマルジョンが必要な場合、活性成分は、乳化剤および/または懸濁剤と組み合わせて、油性相に懸濁または溶解し得る。所望ならば、特定の甘味剤、着香料または着色剤もまた、添加してもよい。
いくつかの実施形態では、即時放出または持続/遅延放出のために、経口製剤が調合される。
経口投与のための固体剤形としては、カプセル、錠剤、丸薬、粉末、および顆粒が挙げられる。このような固体剤形中では、活性化合物は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの、少なくとも1つの不活性の薬学的に許容可能な賦形剤または担体、および/またはa)デンプン、乳糖、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤;b)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなどのバインダー、c)グリセロールなどの湿潤剤、b)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;e)パラフィンなどの溶解遅延剤;f)四級アンモニウム塩などの吸収促進剤、g)アセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセリンなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤;およびi)滑石、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物などの潤滑剤と混合される。カプセル、錠剤、および丸薬の場合、剤形は、緩衝剤もまた含んでなってもよい。
バッカルまたは舌下投与に適する組成物としては、錠剤、ロゼンジおよび香錠が挙げられ、その中では、活性成分が、砂糖およびアカシア、トラガカント、またはゼラチンおよびグリセリンなどの担体と配合される。
類似タイプの固体組成物はまた、乳糖または乳糖類、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用する、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いられてもよい。錠剤、糖衣丸、カプセル、丸薬、および顆粒の固体剤形は、腸内コーティングおよび製剤処方技術分野で周知のその他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製し得る。それらは不透明剤を任意選択的に含有してもよく、または任意選択的に遅延様式で、腸管の特定部分で活性成分のみを放出し、または活性成分を優先的に放出する、組成物であり得る。使用し得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質、およびワックスが挙げられる。
本発明の化合物はまた、上述のような1つまたは複数の賦形剤を含む、微小カプセル化形態であり得る。このような固体剤形中では、本発明の化合物は、スクロース、乳糖またはデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合し得る。このような剤形はまた、通常の慣行のように、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロースなどの打錠潤滑剤およびその他の打錠助剤などの、不活性希釈剤以外の追加的な物質を含んでなり得る。
経口投与のための組成物は、例えば、錠剤またはカプセル上の製剤外部コーティングによって、消化管通過時に、活性成分を分解から保護するようにデザインされてもよい。
別の実施形態では、本発明の化合物は、長時間(または「遅延」または「持続性」)放出組成物中で提供され得る。この遅延放出組成物は、遅延放出成分と組み合わされた、本発明の化合物を含んでなる。このような組成物は、例えば、小腸、大腸、結腸および/または直腸などの下部胃腸管内に、提供される化合物を標的放出できるようにする。特定の実施形態では、本発明の化合物を含んでなる遅延放出組成物は、酢酸フタル酸セルロースおよびその他のフタル酸エステル(例えばポリビニルアセテートフタレート、メタクリレート(Eudragits))などの腸溶コーティングまたはpH依存性コーティングをさらに含んでなる。代案としては、遅延放出組成物は、pH感受性メタクリレートコーティング、pH感受性ポリマー微小球、または加水分解によって分解されるポリマーの提供により、小腸および/または結腸に放出制御を提供する。遅延放出組成物は、疎水性またはゲル化賦形剤またはコーティングと配合され得る。結腸への送達は、アミロースまたはペクチンなどの細菌酵素によって消化されるコーティングによって、pH依存性ポリマーによって、時間と共に膨潤するハイドロゲルプラグ(Pulsincap)によって、時間依存性ハイドロゲルコーティングによって、および/またはアゾ芳香族結合コーティングに連結したアクリル酸によって、さらに提供され得る。
特定の実施形態では、本発明の遅延放出組成物は、ヒプロメロース、微結晶セルロース、および潤滑剤を含んでなる。本発明の化合物、ヒプロメロース、および微結晶セルロースの混合物は、経口投与のための錠剤またはカプセルに調合し得る。特定の実施形態では、混合物は顆粒化されて、錠剤に圧搾される。
代案としては、本発明の薬学的に許容可能な組成物は、直腸投与のための坐薬の形態で投与し得る。これらは、室温では固体であるが直腸温度は液体であり、そのため直腸内で溶解して薬剤を遊離する、適切な非刺激性の賦形剤に、本発明の化合物を混合することで調製し得る。このような材料としては、カカオ脂、蜜蝋、およびポリエチレングリコールが挙げられる。
本発明の薬学的に許容可能な組成物はまた、特に治療の標的が、眼、皮膚、または下部腸管の疾患をはじめとする、局所塗布によって容易にアクセスできる領域または器官を含む場合に、局所的に投与し得る。適切な局所製剤は、これらの各領域または器官のために、容易に調製される。
下部腸管のための局所施用は、直腸坐薬製剤(上記を参照されたい)で、または適切な浣腸製剤で実施し得る。局所的経皮パッチもまた、使用し得る。
その他の局所用途では、薬学的に許容可能な本発明の組成物は、1つまたは複数の担体に懸濁または溶解される活性成分を含有する、適切な軟膏に調合し得る。本発明の化合物を局所投与するための担体としては、鉱物油、液体ペトロラタム、白色ペトロラタム、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化蝋および水および透過促進剤が挙げられるが、これに限定されるものではない。代案としては、薬学的に許容可能な本発明の組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容可能な担体に懸濁または溶解される活性成分を含有する、適切なローションまたはクリームに調合し得る。代案としては、医薬組成物は、適切な乳化剤と共に担体中に懸濁または溶解される活性化合物を含有する、適切なローションまたはクリームと共に配合し得る。いくつかの実施形態では、適切な担体としては、鉱物油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水が挙げられるが、これに限定されるものではない。別の実施形態では、適切な担体としては、鉱物油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水および透過促進剤が挙げられるが、これに限定されるものではない。
眼科用途では、薬学的に許容可能な本発明の組成物は、塩化ベンザルコニウム(benzylalkonium)などの保存料ありまたはなしのいずれかで、等張pH調節無菌生理食塩水中の微粉化懸濁液として、または好ましくは等張pH調節無菌生理食塩水中の溶液として調合し得る。代案としては、眼科用途では、薬学的に許容可能な組成物は、ペトロラタムなどの軟膏に調合し得る。
本発明の薬学的に許容可能な組成物はまた、経鼻煙霧剤または吸入によって投与し得る。このような組成物は製剤処方の当該技術分野で周知の技術に準拠して調製され、ベンジルアルコールまたはその他の適切な保存料、生物学的利用能を高める吸収促進剤、フルオロカーボン、および/またはその他の従来の可溶化剤または分散剤を用いて、生理食塩水溶液として調製し得る。
いくつかの実施形態では、本発明の薬学的に許容可能な組成物は、経口投与のために調合される。
いくつかの実施形態では、本発明の薬学的に許容可能な組成物は、腹腔内投与のために調合される。
いくつかの実施形態では、本発明の薬学的に許容可能な組成物は、局所投与のために調合される。
単回投与形態の組成物を製造するために、担体材料と組み合わせ得る本発明の化合物の量は、治療される宿主、特定の投与様式、および用いられる化合物の活性に応じて変動する。好ましくは組成物は、組成物を与えられる患者に、0.01〜100mg/kg体重/日の用量の阻害剤が投与され得るように、調合されるべきである。
任意の特定患者のための特定の用量および治療計画が、用いられる特定化合物の活性、年齢、体重、総体的な健康、性別、食餌、投与時間、排出速度、薬剤併用、治療する医師の判断、および治療される特定疾患の重症度をはじめとする多様な要素に左右されることもまた理解される。組成物中の本発明の化合物の量はまた、組成物中の特定化合物にも左右される。
本発明の医薬組成物で使用し得る、その他の薬学的に許容可能な担体、アジュバント、およびビヒクルとしては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、d−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000コハク酸などの自己乳化薬物送達系(SEDDS)、Tween類などの医薬品剤形で使用される界面活性剤、またはその他の同様のポリマー送達マトリックス、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、硫酸プロタミンとリン酸水素二ナトリウムとリン酸水素カリウムと塩化ナトリウムと亜鉛塩などの塩または電解質、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂が挙げられるが、これに限定されるものではない。α−、β−、およびγ−シクロデキストリンなどのシクロデキストリン、または2−および3−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンをはじめとするヒドロキシアルキルシクロデキストリンなどの化学修飾誘導体、またはその他の可溶化誘導体もまた有利に使用して、本明細書に記載される化合物の送達を向上させ得る。
本発明の医薬組成物は、好ましくは経口投与により、または注射により投与される。本発明の医薬組成物は、あらゆる従来の無毒の薬理的に許容可能な担体、アジュバントまたはビヒクルを含有し得る。場合によっては、製剤のpHを薬学的に許容可能な酸、塩基または緩衝液によって調節し、調合化合物またはその送達形態の安定性を高め得る。
医薬組成物は、例えば、無菌注射用水性または油懸濁液などの無菌注射用製剤の形態であり得る。この懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤(例えばTween80など)と、懸濁剤とを使用して、当該技術分野で公知の技術に準じて調合し得る。無菌注射用製剤はまた、例えば1,3−ブタンジオール溶液などの無毒の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の、無菌注射用溶液または懸濁液であり得る。用い得る許容可能なビヒクルおよび溶剤は、特にマンニトール、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液である。これに加えて、無菌の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒として従来法で用いられる。この目的で、合成モノまたはジグリセリドをはじめとする、あらゆる無刺激不揮発性油を用い得る。オレイン酸などの脂肪酸およびそのグリセリド誘導体は、注射剤の調製に有用であり、オリーブ油またはヒマシ油などの天然の薬理的に許容可能な油も、特にそれらのポリオキシエチル化形態で有用である。これらの油溶液または懸濁液は、通常、エマルジョンおよび/または懸濁液などの薬学的に許容可能な剤形の調合で使用される、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、またはカルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤もまた、含有し得る。Tween類またはSpan類などのその他の一般に使用される界面活性剤、および/または通常、薬学的に許容可能な固体、液体、またはその他の剤形の製造で使用されるその他の同様の乳化剤または生物学的利用能促進剤もまた、調合の目的で使用し得る。
本発明の組成物が、本明細書に記載される式の化合物と、1つまたは複数の追加的な治療薬または予防薬との組み合わせを含んでなる場合、化合物と追加的な作用薬の双方は、単剤療法レジメンで普通に投与される用量の約1〜100%、より好ましくは約5〜95%の用量レベルで存在すべきである。追加的な作用物質は、複数回投与レジメンの一部として、本発明の化合物とは別に投与し得る。代案としては、追加的な作用物質は、単一組成物中で本発明の化合物と共に混合された、単回投与形態の一部であり得る。
本明細書に記載される化合物は、例えば、注射、静脈内、動脈内、眼内、硝子体内、皮下(subdermallym)、経口、口腔内、鼻腔内、経粘膜、局所、点眼薬において、または吸入によって、約0.5〜約100mg/kg体重の範囲にわたる用量で、または代案としては約1mg〜約1000mg/投与の範囲にわたる用量で、4〜120時間毎に、または特定の薬剤の要件に従って投与し得る。本明細書の方法は、所望のまたは規定の効果を達成するための、本発明の化合物またはその組成物の有効量の投与を想定する。典型的に、本発明の医薬組成物は、1日あたり約1〜約6回投与され、または代案としては、持続注入として投与される。このような投与は、長期または救急治療として使用し得る。単回投与形態を製造するために担体材料と組み合わせ得る活性成分量は、処置される宿主と特定の投与様式次第で変動する。典型的な製剤は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含有する。代案としては、製剤は、約20%〜約80%の活性化合物を含有し得る。
上に列挙されたものよりも低い、または高い用量が必要なこともある。あらゆる特定患者のための特定の用量および治療計画は、用いられる特定化合物の活性、年齢、体重、総体的な健康状態、性別、食餌、投与時間、排出速度、薬剤併用、疾患の重症度および経過、病状または症状、患者の疾患素因、病状または症状、およびの治療する医師の判断をはじめとする多様な要素に左右される。
必要ならば、患者の病状改善に際して、本発明の化合物、組成物または組み合わせの維持用量を投与し得る。引き続いて、症状が所望のレベルまで緩和された際の改善された病状が保持されるレベルまで、投与の用量または頻度、またはその双方を症状に応じて低下させ得る。しかし患者は、疾患症状の再発に際して、長期的に断続的治療を必要とすることもある。
化合物および薬学的に許容可能な組成物の使用
本明細書に記載される化合物および組成物は、一般にCRM1を阻害するのに有用であり、したがってCRM1活性と関連付けられている、1つまたは複数の障害を治療にするのに有用である。したがって特定の実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩または組成物を投与するステップを含んでなる、CRM1媒介疾患を治療する方法を提供する。本明細書に記載される化合物および組成物はまた、例えば試験管内でまたは生体外で培養中の細胞に、または例えば生体内などで対象に投与して、本明細書で以下に記載されるものをはじめとする、多様な障害を治療、予防、および/または診断し得る。
本発明でCRM1阻害剤として利用される化合物の活性は、生体外、生体内または細胞系中でアッセイしてもよい。本発明でCRM1阻害剤として利用される化合物をアッセイする詳細な条件は、実施例に記載される。
本明細書の用法では、「治療する」または「治療法」という用語は、例えば患者などの対象に、疾患、疾患の1つまたは複数の症状、または疾患の素因を治療し、回復させ、緩和し、軽減し、変化させ、矯正し、向上させ、改善しまたはそれに影響を及ぼす(例えば疾患の少なくとも1つの症状を予防する、疾患の少なくとも1つの症状の発生を遅延させる)ために、化合物を単独でまたは第2の化合物と組み合わせて施用または投与すること、例えば疾患(例えば本明細書に記載される疾患)、疾患の症状、または疾患の素因を有する患者などの対象から得た、単離組織または例えば細胞系などの細胞に、化合物を施用または投与することとして定義される。
本明細書の用法では、疾患を治療するのに効果的な化合物の量、または「治療有効量」は、対象または細胞への単回または多回用量の投与に際して、疾患の1つまたは複数の症状を治癒、緩和、軽減または改善するのに効果的な化合物の量を指す。
本明細書の用法では、疾患を防止するのに効果的な化合物の量、または化合物の「予防有効量」は、対象への単回または多回用量の投与に際して、疾患、または疾患の1つまたは複数の症状の発症または再発を予防または遅延させるのに効果的な量を指す。
本明細書の用法では、「対象」という用語は、ヒトおよび非ヒト動物を含むことが意図される。例示的なヒト対象としては、例えば本明細書に記載される疾患などの疾患を有するヒト患者、または正常な対象が挙げられる。本発明の「動物」という用語非ヒトは、例えば(ニワトリ、両生類、爬虫類などの)非哺乳類、および非ヒト霊長類、家畜化されたおよび/または例えばヒツジ、ウシ、ブタなどの農業上有用な動物、およびコンパニオンアニマル(イヌ、ネコ、ウマなど)のような哺乳類などの全ての脊椎動物を含む。
本明細書の用法では、「CRM1媒介疾患または病状」または「CRM1活性関連疾患または病状」という用語は、CRM1が役割を果たしている、あらゆる疾患またはその他の有害病状を意味する。したがって本発明の別の実施形態は、CRM1が役割を果たしている、1つまたは複数の疾患を治療し、または重症度を低下させることに関する。具体的には、本発明は、それを必要とする患者に、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩または組成物を投与するステップを含んでなる、増殖性疾患を治療しまたは重症度を低下させる方法に関する。その他の障害は、下で詳細に記載される。
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩または組成物の治療有効量を患者に投与するステップを含んでなる、患者において、p53、p73、p21、pRB、p27、IκB、NFκB、c−Abl、FOXOタンパク質、COX−2の発現または活性と関連付けられている疾患を治療する方法を提供する。例えば、本明細書で提供されるのは、それを必要とする患者に、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を投与するステップを含んでなる、(ヒトおよび非ヒトをはじめとする)哺乳類において、様々ながんを治療する方法である。このようながんとしては、血液悪性腫瘍(白血病、リンパ腫、骨髄腫、骨髄異形成、および骨髄増殖性症候群)および固形腫瘍(前立腺、乳、肺、結腸、膵臓、腎臓、卵巣などのがん腫ならびに軟部組織肉腫および骨肉腫、および間質腫瘍)が挙げられる。乳がん(BC)としては、基底細胞様乳がん(BLBC)、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、およびBLBCとTNBCの双方である乳がんが挙げられる。これに加えて、乳がんとしては、侵襲性または非侵襲性乳管又は小葉がん、管状腺がん、髄様がん、粘液性がん、乳頭がん、乳房の篩状がん、男性乳がん、再発性または転移性乳がん、乳房の葉状腫瘍、および乳首のパジェット病が挙げられる。
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を患者に投与するステップを含んでなる、患者において、炎症性障害を治療する方法を提供する。このような炎症性障害としては、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、血管炎症候群(小、中、および大血管)、アテローム性動脈硬化、乾癬およびその他の皮膚科炎症性疾患(天疱瘡(pemphigous)、類天疱瘡、アレルギー性皮膚炎など)、および蕁麻疹症候群が挙げられる。
いくつかの実施形態では、CRM1活性関連疾患または病状は、次のとおりである。筋ジストロフィー、例えば骨関節炎および関節リウマチなどの関節炎、強直性脊椎炎(ankylosing spondilitis)、外傷性脳損傷、脊髄損傷、敗血症、リウマチ性疾患、がんアテローム性動脈硬化、I型糖尿病、II型糖尿病、レプトスピラ症(leptospiriosis)腎疾患、緑内障、網膜疾患、加齢、頭痛、疼痛、複合性局所疼痛症候群、心臓肥大、筋消耗、異化作用障害、肥満症、胎児の成長遅延、高コレステロール血症、心疾患、慢性心不全、虚血/再灌流、脳卒中、脳動脈瘤、狭心症、肺疾患、嚢胞性線維症、酸誘導肺傷害、肺高血圧症、喘息、慢性閉塞性肺疾患、シェーグレン症候群、肺硝子膜症、腎臓病、糸球体疾患、アルコール性肝疾患、腸疾患、腹膜子宮内膜症、皮膚病、副鼻腔炎、中皮腫、免疫不全を伴う無汗性外胚葉形成不全症、ベーチェット病、色素失調症、結核、喘息、クローン病、大腸炎、眼アレルギー、虫垂炎、パジェット病、膵臓炎、歯周炎(periodonitis)、子宮内膜症、炎症性腸疾患、炎症性肺疾患、シリカ誘発性疾患、睡眠時無呼吸、AIDS、HIV−1、自己免疫疾患、抗リン脂質抗体症候群、狼瘡、狼瘡性腎炎、家族性地中海熱、遺伝性周期熱症候群、心理社会的ストレス病、神経病理学的疾患、家族性アミロイドポリニューロパチー、炎症性神経障害、パーキンソン病、多発性硬化症、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(amyotropic lateral sclerosis)、ハンチントン病、白内障、または難聴。
別の実施形態では、CRM1活性関連疾患または病状は、次のとおりである。頭部外傷、ブドウ膜炎、炎症性疼痛、アレルゲン誘発性喘息、非アレルゲン誘発性喘息、糸球体腎炎、潰瘍性大腸炎、壊死性腸炎、周期熱を伴う高グロブリンD血症(HIDS)、TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)、クリオピリン関連周期性症候群、マックル・ウェルズ症候群(蕁麻疹−難聴−アミロイドーシス)、家族性寒冷蕁麻疹、新生児期発症多臓器性炎症性疾患周期熱(NOMID)、周期熱−アフタ性口内炎−咽頭炎−扁桃腺炎(PFAPA症候群)、ブラウ症候群、化膿性無菌性関節炎、壊疽性膿皮症、座瘡(PAPA)、インターロイキン1受容体拮抗欠乏症(DIRA)、クモ膜下出血、多発性嚢胞腎、移植、臓器移植、組織移植、骨髄異形成症候群、刺激物質誘発性炎症、植物刺激物誘発性炎症、ツタウルシ/ウルシオール油誘発性炎症、化学的刺激物誘発性炎症、蜂刺傷誘発性炎症、咬虫症誘発性炎症、日光皮膚炎、火傷、皮膚炎、内毒血症、肺傷害、急性呼吸窮迫症候群、アルコール性肝炎、または寄生虫感染症によって引き起こされる腎臓損傷。
さらなる態様では、本発明は、p53、p73、p21、pRB、p27、IκB、NFκB、c−Abl、FOXOタンパク質またはCOX−2の発現または活性と関連付けられている疾患を治療する薬剤を製造するための、本発明の化合物、その薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、がんおよび/または新生物障害、血管新生、自己免疫性障害、炎症性障害および/または疾患、エピジェネティックス、ホルモン障害および/または疾患、ウイルス性疾患、神経変性障害および/または疾患、または眼科的障害(ophthamalogic disorder)のいずれかを治療する薬剤の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩、またはその薬学的に許容可能な塩または組成物を生物学的サンプルに接触させ、または患者に投与するステップを含んでなる、生物学的サンプル中または患者においてCRM1を阻害する方法を提供する。
新生物障害
本明細書に記載される化合物または組成物は、新生物疾患を治療するのに使用し得る。「新生物障害」は、例えば増殖性細胞成長によって特徴付けられる異常な状態または病状などの、自律的増殖または複製能力を有する細胞によって特徴付けられる、疾病または障害である。例示的な新生物障害としては、例えば、前立腺、脳、骨、結腸、肺、乳、卵巣、および肝臓起源の腫瘍などのがん腫、肉腫、転移性障害、例えば、白血病、リンパ腫、骨髄腫およびその他の悪性形質細胞などの障害造血性新生物障害、および転移性腫瘍が挙げられる。蔓延しているがんとしては、乳、前立腺、結腸、肺、肝臓、および膵臓がんが挙げられる。化合物による治療は、例えば細胞増殖低下、腫瘤量低下など、新生物障害の少なくとも1つの症状を改善するのに効果的な量で実施し得る。
開示される方法は、例えば、固形腫瘍、軟部組織腫瘍、およびそれらの転位をはじめとするがんを予防および治療するのに、ならびにリー・フラウメニ症候群、家族性乳−卵巣がん(BRCA1またはBRAC2変異)症候群などの家族性がん症候群において、有用である。開示される方法はまた、非固形がんを治療するのに有用である。例示的な固形腫瘍としては、肺、乳、リンパ系、消化器(例えば結腸)などの様々な臓器系、および泌尿生殖器(例えば腎臓、尿路上皮、または精巣腫瘍)経路、咽頭、前立腺、および卵巣の悪性腫瘍(例えば肉腫、腺がん、およびがん腫)が挙げられる。例示的な腺がんとしては、結腸直腸がん、腎臓細胞がん腫、肝臓がん、非小細胞肺がん、および小腸がんが挙げられる。
米国国立がん研究所によって記載される例示的ながんとしては、以下が挙げられる。急性リンパ芽球性白血病、成人;急性リンパ芽球性白血病、小児期;急性骨髄性白血病、成人;副腎皮質がん;副腎皮質がん、小児期;AIDS関連リンパ腫;AIDS関連悪性腫瘍;肛門がん;星細胞腫、小児期小脳;星細胞腫、小児期脳;胆管がん、肝臓外;膀胱がん;膀胱がん、小児期;骨がん、骨肉腫/悪性線維性組織球腫;脳幹神経膠腫、小児期;脳腫瘍、成人;脳腫瘍、脳幹神経膠腫、小児期;脳腫瘍、小脳星細胞腫、小児期;脳腫瘍、脳星細胞腫/悪性神経膠腫、小児期;脳腫瘍、上衣細胞腫、小児期;脳腫瘍、髄芽細胞腫、小児期;脳腫瘍、小脳テント上腫瘍原始神経外胚葉性腫瘍、小児期;脳腫瘍、視覚路および視床下部神経膠腫、小児期;脳腫瘍、小児期(その他の);乳がん;乳がんおよび妊娠;乳がん、小児期;乳がん、男性;気管支腺腫/カルチノイド、小児期;カルチノイド腫瘍、小児期;カルチノイド腫瘍、胃腸;がん腫、副腎皮質;がん腫、膵島細胞;路の原発性がん腫;中枢神経系リンパ腫、原発性;小脳星細胞腫、小児期;脳星細胞腫/悪性神経膠腫、小児期;子宮頸がん;小児期がん;慢性リンパ球性白血病;慢性骨髄性白血病;慢性髄増殖性疾患;腱鞘の明細胞肉腫;大腸がん;結腸直腸がん、小児期;皮膚のT細胞(CeIl)リンパ腫;子宮内膜がん;上衣細胞腫、小児期;上皮がん、卵巣;食道がん;食道がん、小児期;ユーイングファミリー腫瘍;頭蓋外胚細胞腫瘍、小児期;性腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管がん;眼がん、眼球内黒色腫;眼がん、網膜芽細胞腫;胆嚢がん;胃がん;胃がん、小児期;消化管カルチノイド腫瘍;胚芽細胞腫瘍、頭蓋外、小児期;胚芽細胞腫瘍、性腺外;胚芽細胞腫瘍、卵巣;妊娠性絨毛性腫瘍;神経膠腫、小児期脳幹;神経膠腫、小児期視覚路および視床下部;有毛細胞白血病;頭頸部がん;肝細胞(肝臓)がん、成人(原発性);肝細胞(肝臓)がん、小児期(原発性);ホジキンリンパ腫、成人;ホジキンリンパ腫、小児期;妊娠中ホジキンリンパ腫;下咽頭がん;視床下部および視覚路神経膠腫、小児期;眼球内黒色腫;膵島細胞がん腫(内分泌膵);カポジ肉腫;腎臓がん;喉頭がん;喉頭がん、小児期;白血病、急性リンパ芽球性、成人;白血病、急性リンパ芽球性、小児期;白血病、急性骨髄性、成人;白血病、急性骨髄性、小児期;白血病、慢性リンパ球性;白血病、慢性骨髄性;白血病、有毛細胞;口唇および口腔がん;肝臓がん、成人(原発性);肝臓がん、小児期(原発性);肺がん、非小細胞;肺がん、小細胞;リンパ芽球性白血病、成人急性;リンパ芽球性白血病、小児期急性;リンパ球性白血病、慢性;リンパ腫、AIDS関連;リンパ腫、中枢神経系(原発性);リンパ腫、皮膚T細胞(CeIl);ホジキンリンパ腫、成人;ホジキンリンパ腫、小児期;ホジキンリンパ腫、妊娠中;非ホジキンリンパ腫、成人;非ホジキンリンパ腫、小児期;非ホジキンリンパ腫、妊娠中;リンパ腫、原発性中枢神経系;マクログロブリン血症、ワルデンシュトレーム;男性乳がん;悪性中皮腫、成人;悪性中皮腫、小児期;悪性胸腺腫;髄芽細胞腫、小児期;黒色腫;黒色腫、眼球内;メルケル細胞がん;中皮腫、悪性;原発不明の転移性扁平上皮頸部がん;多発性内分泌腺腫症候群、小児期;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉腫;骨髄異形成症候群;骨髄性白血病、慢性;骨髄性白血病、小児期急性;骨髄腫、多発性;骨髄増殖性疾患、慢性;鼻腔および副鼻腔がん;鼻咽頭がん;鼻咽頭がん、小児期;神経芽細胞腫;非ホジキンリンパ腫、成人;非ホジキンリンパ腫、小児期;妊娠中の非ホジキンリンパ腫;非小細胞肺がん;口腔がん、小児期;口腔および口唇がん;中咽頭がん;骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫;卵巣がん、小児期;卵巣上皮がん;卵巣胚細胞腫瘍;卵巣低悪性潜在的腫瘍;膵臓がん;膵臓がん、小児期;膵臓がん、膵島細胞;副鼻腔および鼻腔がん;副甲状腺がん;陰茎がん;褐色細胞腫;松果体および小脳テント上原始神経外胚葉性腫瘍、小児期;脳下垂体腫瘍;形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;妊娠および乳がん;妊娠およびホジキンリンパ腫;妊および非ホジキンリンパ腫;原発性中枢神経系リンパ腫;原発性肝臓がん、成人;原発性肝臓がん、小児期;前立腺がん;直腸がん;腎細胞(腎臓)がん;腎細胞がん、小児期;腎盂および尿管、移行上皮がん;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児期;唾液腺がん;唾液腺がん、小児期;ユーイング肉腫ファミリー腫瘍;肉腫、カポジ;肉腫(骨肉腫)/骨の悪性線維性組織球腫;肉腫、横紋筋肉腫、小児期;肉腫、軟部組織、成人;肉腫、軟部組織、小児期;セザリー症候群;皮膚がん;皮膚がん、小児期;皮膚がん(黒色腫);皮膚がん、メルケル細胞;小細胞肺がん;小腸がん;軟部組織肉腫、成人;軟部組織肉腫、小児期;原発不明扁平上皮頸部がん、転移性;胃がん;胃がん、小児期;小脳テント上原始神経外胚葉性腫瘍、小児期;T細胞(CeIl)リンパ腫、皮膚;精巣がん;胸腺腫、小児期;胸腺腫、悪性;甲状腺がん;甲状腺がん、小児期;腎盂および尿管の移行上皮がん;絨毛性腫瘍、妊娠性;未知原発部位、がん、小児期;小児期の稀ながん;尿管および腎盂、移行上皮がん;尿道がん;子宮肉腫;膣がん;視覚路および視床下部神経膠腫、小児期;外陰がん;ワルデンシュトレームのマクログロブリン血症;およびウィルムス腫瘍。前述のがんの転移もまた、本明細書に記載される方法に従って、処置または予防し得る。
がん併用療法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、追加的ながん治療薬と共に投与される。例示的ながん治療法としては、例えば、化学療法、抗体療法などの標的療法、キナーゼ阻害剤、免疫療法、およびホルモン療法、および抗血管新生療法が挙げられる。これらの各治療の例は、下で提供される。
本明細書の用法では、「組み合わせ」、「組み合わせた」という用語および関連用語は、本発明による治療薬の同時または逐次の投与を指す。例えば本発明の化合物は、別個の単一剤形で同時または順次に、または単一剤形中で併せて、別の治療薬と共に投与し得る。したがって本発明は、本発明の化合物、追加的な治療薬、および薬学的に許容できる担体、アジュバント、またはビヒクルを含んでなる、単一剤形を提供する。
(上述したような追加的治療薬を含んでなる組成物中で)単回投与剤形を製造するために、担体材料と組み合わせ得る本発明の化合物および追加的な治療薬の双方の量は、治療される宿主および特定の投与様式に応じて変動する。好ましくは、本発明の組成物は、0.01〜100mg/kg体重/日の用量の本発明の化合物が投与され得るように、調合されるべきである。
化学療法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、化学療法と共に投与される。化学療法は、がん細胞を破壊する薬剤によるがんの治療法である。「化学療法」は、通常は標的療法とは対照的に、一般に急速に分裂する細胞に影響を及ぼす細胞毒性薬を指す。化学療法薬は、例えばDNAの複製または新たに形成された染色体の分離などの細胞分裂を、様々な可能な様式で妨げる。化学療法のほとんどの形態は、急速に分裂する全ての細胞を標的とし、がん細胞に特異的ではないが、DNA損傷を多くのがん細胞が修復できないのに対して、正常細胞は一般に修復できることから、ある程度の特異性が得られることもある。
がん療法で使用される化学療法薬の例としては、例えば、代謝拮抗剤(例えば葉酸、プリン、およびピリミジン誘導体)、およびアルキル化剤(例えばナイトロジェンマスタード、ニトロソウレア、白金、アルキルスルホネート、ヒドラジン、トリアゼン、アジリジン、紡錘体阻害剤、細胞毒性薬、トポイソメラーゼ阻害剤など)が挙げられる。例示的な作用薬としては、アクラルビシン、アクチノマイシン、アリトレチノイン(Alitretinon)、アルトレタミン、アミノプテリン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アトラセンタン、ベロテカン、ベキサロテン、ベンダムスチン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルボコン、カルモフール、カルムスチン、セレコキシブ、クロランブシル、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリサンパスターゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、デメコルチン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エファプロキシラル、エレスクロモール、エルサミトルシン、エノシタビン、エピルビシン、エストラムスチン、エトグルシド、エトポシド、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル(5FU)、フォテムスチン、ゲムシタビン、グリアデルインプラント、ヒドロキシカルバミド、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、イロフルベン、イクサベピロン、ラロタキセル、ロイコボリン、リポソーム性ドキソルビシン、リポソーム性ダウノルビシン、ロニダミン、ロムスチン、ルカントン、マンノスルファン、マソプロコール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、アミノレブリン酸メチル、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトタン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネダプラチン、ニムスチン、オブリメルセン、オマセタキシン、オルタタキセル、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペグアスパラガーゼ、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピラルビシン、ピクサントロン、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ルビテカン、サパシタビン、セムスチン、シチマジーンセラデノベック、ストラタプラチン、ストレプトゾシン、タラポルフィン、テガフール−ウラシル、テモポルフィン、テモゾロマイド、テニポシド、テセタキセル、テストラクトン、四硝酸塩、チオテパ、チアゾフリン、チオグアニン、ティピファニブ、トポテカン、トラベクテジン、トリアジコン、トリエチレンメラミン、トリプラチン、トレチノイン、トレオスルファン、トロホスファミド、ウラムスチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボリノスタット、ゾルビシン、および本明細書に記載されるその他の細胞分裂阻害剤または細胞毒性薬が挙げられる。
いくつかの薬剤は、単独よりも合わせたときにより良く機能するので、2種以上の薬剤が同時に投与されることが多い。頻繁に、2種以上の化学療法剤が、併用化学療法として使用される。いくつかの実施形態では、(併用化学療法をはじめとする)化学療法剤を、本明細書に記載される化合物と組み合わせて使用し得る。
標的療法
標的療法は、がん細胞の無秩序なタンパク質に対して特異的な作用薬の使用からなる。小分子標的療法剤は、一般にがん細胞内の変異した、過剰発現した、またはさもなければ重要な、タンパク質の酵素ドメインの阻害剤である。顕著な例は、アキシチニブ、ボスチニブ、セジラニブ、ダサチニブ(desatinib)、エルロチニブ(erolotinib)、イマチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマキサニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、およびバンデタニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤と、またアルボシジブおよびセリシクリブなどのサイクリン依存性キナーゼである。モノクローナル抗体療法は、治療薬が、がん細胞表面タンパク質に特異的に結合する抗体である、別のストラテジーである。例としては、典型的に乳がんで使用される、抗HER2/neu抗体トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))と、典型的に多様なB細胞悪性腫瘍で使用される、抗CD20抗体リツキシマブおよびトシツモマブとが挙げられる。その他の例示的な抗体としては、セツキシマブ、パニツマブ、トラスツズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、エドレコロマブ、およびゲムツズマブが挙げられる。例示的な融合タンパク質としては、アフリベルセプトおよびデニロイキンジフチトクスが挙げられる。いくつかの実施形態では、標的療法は、例えばグリベックなどの本明細書に記載される化合物と組み合わせて、使用し得る(Vignari and Wang 2001)。
標的療法はまた、腫瘍周囲の細胞表面受容体に、または罹患した細胞外基質に結合し得る「自動誘導装置」としての小型ペプチドを含み得る。これらのペプチドに付着する放射性核種(例えばRGD)は、核種が細胞近傍で崩壊すれば、最終的にがん細胞を殺滅する。このような治療法の一例としては、BEXXAR(登録商標)が挙げられる。
血管新生
本明細書に記載される化合物および方法は、血管新生関連疾患または障害を治療または予防するのに使用してもよい。血管新生と関連付けられている疾患としては、がん、心血管疾患、および黄斑変性が挙げられる。
血管新生は、既存の血管からの新血管の増殖を伴う、生理学的過程である。血管新生は、成長および発達、ならびに創傷治癒および肉芽組織における、正常かつ不可欠な過程である。しかしそれはまた、休眠状態から悪性状態への腫瘍の移行における必須段階でもある。血管新生は、芳しくない血管新生または異常な血管系のいずれかによって特徴付けられる疾患に取り組むための、標的であってもよい。
体内で新血管生成を阻害または誘導することもある特定化合物の施用は、このような疾患に対する戦いの一助になることもある。存在すべきでない部位における血管の存在は、組織の機械的特性に影響を及ぼすこともあり、破損の可能性を増大させる。修復中またはさもなければ代謝的に活動性の組織における血管の不在は、修復またはその他の本質的機能を阻害することもある。虚血性慢性創傷などのいくつかの疾患は、破損または不十分な血管形成の結果であり、血管の局所的増殖によって、したがってその部位に新しい栄養素を供給して、修復を促進することで治療してもよい。加齢黄斑変性などのその他の疾患は、正常な生理学的過程と干渉する、血管の局所的増殖によって生じることもある。
血管内皮増殖因子(VEGF)は、血管新生の主要原因であり、所与のネットワーク中の毛細管数を増大させることが、実証されている。VEGFの上方制御は、運動に対する生理学的応答の主要構成要素であり、血管新生におけるその役割は、血管損傷における可能な治療法であると考えられている。生体外実験は、この増殖因子存在下において、播種された内皮細胞が増殖して移動し、最終的には毛細血管と似た管構造を形成することから、VEGFが血管新生の強力な刺激物質であることを明確に実証する。
腫瘍は、様々な増殖因子(例えばVEGF)を分泌することにより、血管増殖(血管新生)を誘導する。bFGFおよびVEGFなどの増殖因子は、腫瘍中の毛細血管増殖を誘導し得て、幾人かの研究者は、これが必要な栄養素を供給して、腫瘍の増殖を可能にすると考えている。
血管新生は、心血管疾患治療法のための優れた治療標的に相当する。これは、我々の身体が、重要臓器への血液供給の減少に応答する自然な様式、すなわち虚血傷害を克服するための新しい側副血管血管の生成の基礎となる、強力な生理学的過程である。
VEGFの過剰発現は、血管新生の刺激に加えて、血管透過性の増大を引き起こす。湿潤黄斑変性においては、VEGFは、網膜中の毛細血管の増殖を引き起こす。血管新生の増大は、浮腫もまた引き起こすため、血液およびその他の網膜液が網膜中に漏れて、視力喪失を引き起こす。
抗血管新生療法としては、スニチニブやソラフェニブなどの血管内皮増殖因子(VEGF)を標的とするキナーゼ阻害剤;またはベバシズマブまたはVEGF−Trap、をはじめとする、VEGFまたはVEGF受容体に対するモノクローナル抗体または受容体「デコイ」;またはサリドマイドまたはその類似体(レナリドミド、ポマリドミド);または線維芽細胞増殖因子(FGF)、アンギオポエチン、またはアンギオスタチンまたはエンドスタチンなどの非VEGF血管新生標的を標的とする作用薬が挙げられる。
エピジェネティックス
本明細書に記載される化合物および方法は、エピジェネティックス関連疾患または障害を治療または予防するのに使用してもよい。エピジェネティックスは、根本的なDNA配列の変化以外の機構によって引き起こされる、表現型または遺伝子発現における遺伝性変化の研究である。真核生物学におけるエピジェネティックなの変化の一例は、細胞分化過程である。形態形成中に、幹細胞は様々な胚細胞系になり、それは次に完全に分化した細胞になる。換言すれば、単一受精卵細胞は、分裂を続ける間に、ニューロン、筋肉細胞、上皮、血管などをはじめとする、多数の細胞型に変化する。これは、その他の遺伝子を抑制する一方で、いくつかの遺伝子を活性化することで、そうなる。
エピジェネティックな変化は、細胞が分裂する際に保存される。ほとんどのエピジェネティックな変化は、1つの個体の生涯においてのみ生じるが、受精をもたらした精子または卵細胞中で、DNA中の変異が引き起こされたのであれば、いくつかのエピジェネティックな変化は、1つの世代から次世代に遺伝する。特定のエピジェネティックな過程としては、パラミューテーション、ブックマーキング、刷り込み、遺伝子サイレンシング、X染色体不活性化、位置効果、再プログラミング、トランスベクション、母性効果、発がんの進行、催奇形因子の多数の影響、ヒストン修飾およびヘテロクロマチンの調節、および単為発生とクローニングに影響を及ぼす技術的限界が挙げられる。
エピジェネティックスと関連付けられている例示的な疾患としては、ATR症候群、脆弱X症候群、ICF症候群、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー(Prader−Wills)症候群、BWS、レット症候群、αサラセミア、がん、白血病、ルビンシュタイン・テイビ症候群、およびコフィン・ローリー症候群が挙げられる。
エピジェネティックスと結びつけられた最初のヒト疾患は、がんである。研究者らは、結腸直腸がん患者からの患部組織が、同一患者の正常組織よりも、より少ないDNAメチル化を有することを見出した。メチル化遺伝子は、典型的にスイッチオフされるので、DNAメチル化の喪失は、クロマチン配置を変化させることにより、異常に高い遺伝子活性化を引き起こし得る。他方では、過剰なメチル化は、保護的腫瘍サプレッサー遺伝子の作用を取り消し得る。
DNAメチル化はCpG部位で生じ、哺乳類においてはCpGシトシンの大部分はメチル化されている。しかしプロモーター領域の近くには、正常細胞ではメチル化を含まないCpG部位を、より高濃度で有する一続きのDNAがある(CpGアイランドとして知られている)。がん細胞中では、これらのCpGアイランドが過剰にメチル化され、それによって発現停止されるべきではない遺伝子がスイッチオフされる。この異常は、腫瘍中で生じるエピジェネティックな変化を象徴する特徴であり、がん発生初期に起きる。CpGアイランドの過剰メチル化は、腫瘍抑制遺伝子をスイッチオフすることで、腫瘍を引き起こし得る。事実上、これらののタイプの変化は、ヒトのがんにおいて、DNA配列の変異よりもより一般的なこともある。
さらにエピジェネティックな変化は、DNA配列を変化させないが、それらは変異を引き起こし得る。家族性または遺伝性形態のがんを引き起こす遺伝子の約半分は、メチル化によりスイッチオフされる。これらのほとんどの遺伝子は、常態では、腫瘍形成を抑制して、O6−メチルグアニン−DNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)、MLH1サイクリン依存性キナーゼ阻害剤2B(CDKN2B)、およびRASSF1Aをはじめとする、DNA修復を助ける。例えばMGMTプロモーターの過剰メチル化は、G−to−A変異の数を増大させる。
過剰メチル化はまた、反復DNA配列であるマイクロサテライトの不安定性をもたらし得る。マイクロサテライトは、正常な個体において一般的であり、それらは通常、ジヌクレオチドCAの反復からなる。DNA修復遺伝子MLH1のプロモーターの過剰なメチル化は、マイクロサテライトを不安定化し、それを延長または短縮し得る。マイクロサテライトの不安定性は、結腸直腸、子宮内膜、卵巣、および胃がんをはじめとする、多数のがんと結びつけられている。
脆弱X症候群は、特に男性において、最も頻繁に遺伝する精神障害である。男女ともこの病状を発症し得るが、男性は、X染色体を1つだけ有するので、1つの脆弱Xは男性に対してより重大な影響を及ぼす。実際に、脆弱X症候群は、4,000人の男性あたり約1人、8,000人の女性あたり1人に発生する。この症候群がある人々は、重篤な知的障害、言語発達遅延、「自閉症様」挙動を有する。
脆弱X症候群は、顕微鏡下における、遺伝子異常を含有するX染色体部分の見え方から、その名称を得た。それは、通常、糸でぶら下がっているように見えて、容易に破損する。症候群は、FMR1(脆弱X精神遅滞1)遺伝子中の異常によって引き起こされる。脆弱X症候群のない人々は、FMR1遺伝子中に、6〜50の三塩基CGGの反復を有する。しかし200を超える反復がある個人は、完全な変異を有して、通常、症候群の症状を示す。多すぎるCGGによって、CpGアイランドは、FMR1遺伝子のプロモーター領域でメチル化されるようになり;常態では、それらはメチル化されない。このメチル化は遺伝子をスイッチオフして、FMR1遺伝子が、脆弱X精神遅滞タンパク質と称される重要なタンパク質を生成するのを停止させる。この特定のタンパク質の低下が、脆弱X症候群を引き起こす。脆弱Xの原因として、CGG増幅変異が注目を集めているが、FMR1メチル化に付随するエピジェネティックな変化が、症候群の真犯人である。
エピジェネティックな変化を伴う精神遅滞に関連する障害は、脆弱X症候群だけではない。その他のこのような病状としては、ルビンシュタイン・テイビ(Rubenstein−Taybi)、コフィン・ローリー、プラダー・ウィリー、アンジェルマン、ベックウィズ・ヴィーデマン、ATR−X、およびレット症候群が挙げられる。
エピジェネティック治療法としては、エピジェネティックな修飾を制御する酵素の阻害剤、具体的にはいくつかの悪性腫瘍に対し有望な抗腫瘍形成性効果を示したDNAメチルトランスフェラーゼとヒストンデアセチラーゼ、ならびにアンチセンスオリゴヌクレオチド(oligonucloetides)およびsiRNAが挙げられる。
免疫療法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、免疫療法と共に投与される。がん免疫療法は、患者自身の免疫系が腫瘍と闘うよう誘導するようにデザインされた、治療ストラテジーの多様なセットを指す。腫瘍に対する免疫応答を生じさせる現代的な方法としては、表在性膀胱がんのための膀胱内BCG免疫療法、前立腺がんワクチンであるプロベンジ、および腎細胞がんおよび黒色腫患者において、免疫応答を誘導するためのインターフェロンおよびその他のサイトカインの使用が挙げられる。
同種異系造血幹細胞移植は、供与者の免疫細胞が、移植片対腫瘍効果で腫瘍を攻撃することが多いので、免疫療法の一形態と見なし得る。いくつかの実施形態では、免疫療法剤を本明細書に記載される化合物と組み合わせて使用し得る。
ホルモン療法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、ホルモン療法と共に投与される。ある種のがんの増殖は、特定のホルモンを提供するか、または遮断することによって抑制し得る。ホルモン感受性腫瘍の一般例としては、特定タイプの乳がんおよび前立腺がん、ならびに特定のレチノイド/レチノイン酸に応答する特定タイプの白血病が挙げられる。エストロゲンまたはテストステロンを除去またはブロックすることは、往々にして重要な追加治療である。特定のがんでは、プロゲストーゲンなどのホルモン作動薬の投与が、治療的に有益なこともある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物と組み合わせて、ホルモン療法剤を使用し得る。
炎症および自己免疫疾患
本明細書に記載される化合物および方法は、特にヒトおよびその他の哺乳類において、炎症関連疾患または障害を治療または予防するのに使用してもよい。本明細書に記載される化合物は、炎症の発生前、発生時、または発生後に投与してもよい。予防的に使用される場合、化合物は、好ましくは、あらゆる炎症応答または症状に先立って提供される。化合物の投与は、炎症性応答または症状を予防または軽減し得る。例示的な炎症状態としては、例えば、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬性関節炎、変性関節疾患、脊椎関節症(spondouloarthropathies)、その他の血清反応陰性炎症性関節炎、リウマチ性多発性筋痛、様々な血管炎(例えば巨細胞性動脈炎、ANCA+血管炎)、痛風性関節炎、全身性エリテマトーデス、若年性関節炎、若年性関節リウマチ、骨関節炎、骨粗鬆症、糖尿病(例えばインスリン依存性糖尿病または若年発症糖尿病)、月経痙攣、嚢胞性線維症、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、クローン病、粘液性大腸炎、潰瘍性大腸炎、胃炎、食道炎、膵臓炎、腹膜炎、アルツハイマー病、ショック、強直性脊椎炎、胃炎、結膜炎、膵臓炎(pancreatis)(急性または慢性)、多臓器損傷症候群(例えば敗血症または外傷に続発する)、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化、脳卒中、再灌流傷害(例えば心肺のバイパスまたは腎臓透析に起因する)、急性糸球体腎炎、熱的傷害(すなわち日光皮膚炎)、壊死性腸炎、顆粒球輸血関連症候群、および/またはシェーグレン症候群が挙げられる。例示的な皮膚の炎症状態としては、例えば、湿疹、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、蕁麻疹、強皮症(schleroderma)、乾癬、および急性炎症性要素を伴う皮膚病が挙げられる。
別の実施形態では、本明細書に記載される化合物および方法は、喘息、気管支炎、肺線維症、アレルギー性鼻炎、酸素毒性、肺気腫、慢性気管支炎、急性呼吸困難症候群、およびいずれかの慢性閉塞性肺疾患(COPD)をはじめとする、アレルギーおよび呼吸の病状を治療または予防するのに使用してもよい。化合物は、B型肝炎およびC型肝炎をはじめとする、慢性肝炎感染を治療するのに使用しもよい。
さらに、本明細書に記載される化合物または方法は、自己免疫疾患および/または炎症を治療するのに使用してもよい。臓器組織自己免疫疾患(例えばレイノー症候群)、強皮症、重症筋無力症、移植拒絶反応、内毒素ショック、敗血症、乾癬、湿疹、皮膚炎、多発性硬化症、自己免疫性甲状腺炎、ブドウ膜炎、全身性エリテマトーデス、アジソン病、多腺性自己免疫疾患(多腺性自己免疫症候群としてもまた知られている)、およびグレーブス病などの自己免疫疾患と関連付けられている。
特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、多発性硬化症を治療するのに使用し得る。特定の態様では、多発性硬化症を治療するのに使用される化合物は、化合物1、(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン)である。
併用療法
特定の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、単独で、または炎症を治療または予防するのに有用なその他の化合物と組み合わせて、投与してもよい。例示的な抗炎症剤としては、例えば、ステロイド(例えばコルチゾール、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニゾン、6[α]−メチルプレドニゾロン(methylprednisone)、トリアムシノロン、ベタメタゾンまたはデキサメタゾン)、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS(例えばアスピリン、アセトアミノフェン、トルメチン、イブプロフェン、メフェナム酸、ピロキシカム、ナブメトン、ロフェコキシブ、セレコキシブ、エトドラクまたはニメスリド)が挙げられる。別の実施形態では、もう一方の治療薬は抗生物質である(例えばバンコマイシン、ペニシリン、アモキシシリン、アンピシリン、セフォタキシム、セフトリアキソン、セフィキシム、リファンピンメトロニダゾール、ドキシサイクリンまたはストレプトマイシン)。別の実施形態では、もう一方の治療薬はPDE4阻害剤である(例えばロフルミラストまたはロリプラム)。別の実施形態では、もう一方の治療薬は抗ヒスタミン剤である(例えばシクリジン、ヒドロキシジン、プロメタジンまたはジフェンヒドラミン)。別の実施形態では、もう一方の治療薬は抗マラリア剤である(例えばアルテミシニン、アルテメーター、アルテスナート(artsunate)、リン酸クロロキン、塩酸メフロキン、ドキシサイクリン塩酸塩、塩酸プログアニル、アトバクオンまたはハロファントリン)。一実施形態では、もう一方の化合物はドロトレコギンアルファである。
抗炎症剤のさらなる例としては、例えば、アセクロフェナク、アセメタシン、e−アセトアミドカプロン酸、アセトアミノフェン、アセトアミノサロール、アセトアニリド、アセチルサリチル酸、S−アデノシルメチオニン、アルクロフェナック、アルクロメタゾン、アルフェンタニル、アルゲストン、アリルプロジン、アルミノプロフェン、アロキシプリン、アルファプロジン、ビス(アセチルサリチル酸塩)アルミニウム、アムシノニド、アンフェナク、アミノクロルテノキサジン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、2−アミノ−4−ピコリン、アミノプロピロン、アミノピリン、アミキセトリン、サリチル酸アンモニウム、アンピロキシカム、アムトルメチングアシル、アニレリジン、アンチピリン、アントラフェニン、アパゾン、ベクロメタゾン、ベンダザック、ベノリレート、ベノキサプロフェン、ベンズピペリロン、ベンジダミン、ベンジルモルヒネ、ベルモプロフェン、ベタメタゾン、17−吉草酸ベタメタゾン、ベジトラミド、[α]−ビサボロール、ブロムフェナク、p−ブロモアセトアニリド、5−ブロモサリチル酸酢酸塩、ブロモサリゲニン、ブセチン、ブクロキシ酸、ブコローム、ブデソニド、ブフェキサマック、ブマジゾン、ブプレノルフィン、ブトアセチン、ブチブフェン、ブトルファノール、カルバマゼピン、カルビフェン、カルプロフェン、カルサラム、クロロブタノール、クロロプレドニゾン、クロルテノキサジン、サリチル酸コリン、シンコフェン、シンメタシン、シラマドール、クリダナク、クロベタゾール、クロコルトロン、クロメタシン、クロニタゼン、クロニキシン、クロピラク、クロプレドノール、クローブ、コデイン、臭化メチルコデイン、リン酸コデイン、硫酸コデイン、コルチゾン、コルチバゾール、クロプロプアミド、クロテトアミド、シクラゾシン、デフラザコート、デヒドロテストステロン、デソモルヒネ、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾン−21−イソニコチン酸、デキソキサドロール、デキストロモラミド、デキストロプロポキシフェン、デオキシコルチコステロン、デゾシン、ジアンプロマイド、ジアモルホンジアモルホン、ジクロフェナク、ジフェナミゾール、ジフェンピラミド、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルニサール、ジフルプレドナート、ジヒドロコデイノンエノールアセタート、ジヒドロモルヒネ、アセチルサリチル酸ジヒドロキシアルミニウム、ジメノキサドール、ジメヘプタノール、ジメチルチアンブテン、酪酸ジオキサフェチル、ジピパノン、ジプロセチル、ジピロン、ジタゾール、ドロキシカム、エモルファゾン、エンフェナム酸、エノキソロン、エピリゾール、エプタゾシン、エテルサレート、エテンザミド、エトヘプタジン、エトキサゼン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトドラク、エトフェナメート、エトニタゼン、オイゲノール、フェルビナク、フェンブフェン、フェンクロジン酸、フェンドサール、フェノプロフェン、フェンタニル、フェンチアザック、フェプラジノール、フェプラゾン、フロクタフェニン、フルアザコート、フルクロロニド、フルフェナム酸、フルメタゾン、フルニソリド、フルニキシン、フルノキサプロフェン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン(fluocoitolone)、フルオレソン、フルオロメトロン、フルペロロン、フルピルチン、フルプレドニデン、フルプレドニゾロン、フルプロクアゾン、フルランドレノリド、フルルビプロフェン、フルチカソン、ホルモコータル、ホスホサール、ゲンチジン酸、グラフェニン、グルカメタシン、サリチル酸グリコール、グアイアズレン、ハルシノニド、ハロベタソール、ハロメタゾン、ハロプレドノン、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロコルタメート、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾン、ヘミコハク酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン‐21‐リジネート、ヒドロコルチゾンシピオネート、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イブフェナック、イブプロフェン、イブプロキサム、サリチル酸イミダゾール、インドメタシン、インドプロフェン、イソフェゾラク、イソフルプレドン、酢酸イソフルプレドン、イソラドール、イソメタドン、イソニキシン、イソキセパック、イソキシカム、ケトベミドン、ケトプロフェン、ケトロラック、p−ラクトフェネチド、レフェタミン、レバロルファン、レボルファノール、レボフェナシル−モルファン、ロフェンタニル、ロナゾラク、ロルノキシカム、ロキソプロフェン、アセチルサリチル酸リジン、マジプレドン、メクロフェナム酸、メドリゾン、メフェナム酸、メロキシカム、メペリジン、メプレドニゾン、メプタジノール、メサラミン、メタゾシン、メサドン、メトトリメプラジン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、メチルプレドニゾロンスレプトナート、メチアジン酸、メトホリン、メトポン、モフェブタゾン、モフェゾラク、モメタゾン、モラゾン、モルヒネ、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ、サリチル酸モルホリン、ミロフィン、ナブメトン、ナルブフィン、ナロルフィン、サリチル酸1−ナフチル、ナプロキセン、ナルセイン、ネホパム、ニコモルフィン、ニフェナゾン、ニフルム酸、ニメスリド、5’−ニトロ−2’−プロポキシアセトアニリド、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、オルサラジン、アヘン、オキサセプロール、オキサメタシン、オキサプロジン、オキシコドン、オキシモルホン、オキシフェンブタゾン、パパベレタム、パラメタゾン、パラニリン、パルサルミド、ペンタゾシン、ペリソキサール、フェナセチン、フェナドキソン、フェナゾシン、塩酸フェナゾピリジン、フェノコール、フェノペリジン、フェノピラゾン、フェノモルファン、アセチルサリチル酸フェニル、フェニルブタゾン、サリチル酸フェニル、フェニラミドール、ピケトプロフェン、ピミノジン、ピペブゾン、ピペリロン、ピラゾラク、ピリトラミド、ピロキシカム、ピルプロフェン、プラノプロフェン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニバール、プレドニリデン、プログルメタシン、プロヘプタジン、プロメドール、プロパセタモール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、プロピフェナゾン、プロカゾン、プロチジン酸、プロキサゾール、ラミフェナゾン、レミフェンタニル、メチル硫酸リマゾリウム、サラセタミド、サリシン、サリチルアミド、サリチルアミドo−酢酸、サリチル酸、サリチル硫酸、サルサレート、サルベリン、シメトリド、スフェンタニル、スルファサラジン、スリンダク、超酸化物ジスムターゼ、スプロフェン、スキシブゾン、タルニフルメート、テニダップ、テノキシカム、テロフェナメート、テトランドリン、チアゾリノブタゾン、チアプロフェン酸、チアラミド、チリジン、チノリジン、チキソコルトール、トルフェナム酸、トルメチン、トラマドール、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トロペシン、ビミノール、キセンブシン、キシモプロフェン、ザルトプロフェン、およびゾメピラックが挙げられる。
一実施形態では、本明細書に記載される化合物は、炎症を治療または予防するために、選択的COX−2阻害剤と共に投与されてもよい。例示的な選択的COX−2阻害剤としては、例えば、デラコキシブ、パレコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、およびルミラコキシブが挙げられる。
いくつかの実施形態では、提供される化合物は、アントラサイクリンまたはTopo II阻害剤と組み合わせて投与される。特定の実施形態では、提供される化合物は、ドキソルビシン(Dox)と組み合わせて投与される。特定の実施形態では、提供される化合物は、ボルテゾミブ(より広義にはカーフィルゾミブを含む)と組み合わせて投与される。Doxまたはボルテゾミブと組み合わせた化合物の提供は、相乗(synergystic)効果(すなわち相加効果を上回る)をもたらすことが、驚くことに分かった。
ウイルス感染症
本明細書に記載される化合物および方法は、特にヒトおよびその他の哺乳類において、ウイルス感染症関連疾患または障害を治療または予防するのに使用してもよい。本明細書に記載される化合物は、ウイルス感染症の発生前、発生時、または発生後に投与してもよい。予防的に使用される場合、化合物は、好ましくは、あらゆるウイルス感染症またはその症状に先立って提供される。
例示的なウイルス性疾患としては、急性熱性咽頭炎、咽頭結膜熱、流行性角結膜炎、乳児胃腸炎、コクサッキー感染症、伝染性単核症、バーキットリンパ腫、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞がん、原発性HSV−1感染症(例えば小児における歯肉口内炎、成人における扁桃炎および咽頭炎、角結膜炎)、潜在性HSV−1感染症(例えば口唇ヘルペス(herpes labialis)および単純ヘルペス(cold sores)、原発性HSV−2感染症、潜在性HSV−2感染症、無菌性髄膜炎、伝染性単核症、巨細胞封入体病、カポジ肉腫、多中心性キャッスルマン病、原発性滲出液リンパ腫、AIDS、インフルエンザ、ライ症候群、はしか、後感染性脳脊髄炎、おたふく風邪、過形成上皮病変(例えば尋常性、扁平、足底、および肛門性器疣贅、喉頭乳頭腫、疣贅状表皮発育異常症)、子宮頸がん、扁平上皮がん、クループ、肺炎、細気管支炎、感冒、灰白髄炎、狂犬病、インフルエンザ様症候群、肺炎を伴う重症細気管支炎、風疹、先天性風疹、水痘、および帯状疱疹が挙げられる。
例示的な病原性ウイルスとしては、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、デングウイルス、脳炎ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、肝炎Aウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、サイトメガロウイルス、ヒトヘルペスウイルス8型、ヒト免疫不全ウイルス、インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、おたふく風邪ウイルス、ヒトパピローマウイルス、パラインフルエンザウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、風疹ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、西ナイルウイルス、デング(Dungee)、および黄熱病ウイルスが挙げられる。病原性ウイルスとしては、耐性ウイルス感染症を引き起こすウイルスもまた挙げられる。
抗ウイルス薬剤は、ウイルス感染症を治療するのに特異的に使用される、薬剤クラスである。抗ウイルス作用は、一般に3つの機構の内1つに分類される。ウイルスが標的細胞に侵入する能力への干渉(例えばアマンタジン、リマンタジン、およびプレコナリル)、ウイルス合成の抑制(例えばアシクロビルやジドブジン(AZT)のようなヌクレオシド類似体など)、およびウイルス放出の抑制(例えばザナミビルおよびオセルタミビル)。
眼科(Ophthamology)
本明細書に記載される化合物および方法は、眼科(ophthamology)疾患を治療しまたは予防するのに使用してもよい。例示的な眼科(ophthamology)障害としては、黄斑浮腫(糖尿病性および非糖尿病性黄斑浮腫)、加齢性湿潤および乾燥型黄斑変性、加齢性円板状黄斑変性(aged disciform macular degeneration)、嚢胞状黄斑浮腫、眼瞼浮腫、網膜浮腫、糖尿病性網膜症、脈絡網膜症、血管新生黄斑症、血管新生緑内障、ブドウ膜炎、虹彩炎、網膜血管炎、眼内炎、全眼球炎、転移性眼炎、脈絡膜炎、網膜色素上皮炎、結膜炎、毛様体炎、強膜炎、上強膜炎、視神経炎、球後視神経炎、角膜炎、眼瞼炎、滲出性網膜離脱、角膜潰瘍、結膜潰瘍、慢性貨幣状角膜炎、低酸素症または虚血に付随する眼疾患、未熟児網膜症、増殖性糖尿病性網膜症、ポリープ状脈絡膜血管症、網膜血管腫状増殖、網膜動脈閉塞症、網膜静脈閉塞症、コーツ病、家族性滲出性硝子体網膜症、脈なし病(高安病)、イールズ病、抗リン脂質抗体症候群、白血病性網膜症、血液過粘稠度症候群、マクログロブリン血症、インターフェロン網膜症、高血圧性網膜症、放射線網膜症、角膜上皮幹細胞不全症、および白内障が挙げられる。
神経変性疾患
神経変性は、神経細胞の死をはじめとする、神経細胞の構造または機能の進行性喪失を示す、包括的用語である。パーキンソン病、アルツハイマー病、およびハンチントン病をはじめとする多数の神経変性疾患は、神経変性過程の結果として発生する。研究が進むにつれて、細胞内レベルでこれらの疾患を互いに関連付ける、多数の類似性が現れた。これらの類似性の発見は、多数の疾患を同時に改善し得る治療法の進歩に対する希望を提供する。異なる神経変性障害の間には、非定型タンパク質アセンブリーならびに誘導細胞死をはじめとする、多数の類似点がある。
アルツハイマー病は、大脳皮質および特定の皮質下の領域内における、ニューロンおよびシナプスの喪失によって特徴付けられる。この喪失は、側頭葉と頭頂葉、および前頭皮質と帯状回の一部における変性をはじめとする、罹患領域の肉眼的萎縮をもたらす。
ハンチントン病は、アストログリオーシスと、中型有棘ニューロンの喪失を引き起こす。脳の領域は、それらの構造と、それらが含有するニューロン型次第で影響を被り、累積的に細胞を喪失するに連れて、サイズが低下する。影響を受ける領域は、主に線条体中にあるが、前頭皮質および側頭皮質中にもある。線条体の視床下核は、運動を開始して調節する淡蒼球に、制御シグナルを送る。したがって視床下核からのシグナル低下は、動作の開始と調節に低下を引き起こして、疾患に特徴的な動作をもたらす。ハンチントン病の例示的な治療薬としては、テトラベナンジン、神経弛緩薬、ベンゾジアゼピン、アマンタジン、レマセミド、バルプロ酸、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、ミルタザピン、および抗精神病薬が挙げられる。
パーキンソン病における脳細胞が失われる機序は、損傷を受けた細胞中における、ユビキチンに結合したタンパク質α−シヌクレインの異常な蓄積からなることもある。α−シヌクレイン−ユビキチン複合体は、プロテアソーム(proteosome)に誘導され得ない。このタンパク質蓄積は、レビー小体と称されるタンパク質性細胞質封入体を形成する。疾患の病因に関する最新の研究は、α−シヌクレインによるドーパミン作動性ニューロンの死が、2つの主要な細胞内小器官である小胞体(ER)とゴルジ体の間でタンパク質を輸送する機構の欠陥に起因することを示している。Rab1のような特定のタンパク質は、動物モデルにおいて、α−シヌクレインによって引き起こされるこの欠陥を逆転させることもある。例示的なパーキンソン病療法としては、レボドパと、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、ピリベジル、カベルゴリン、アポモルフィン、およびリスリドなどをはじめとするドーパミン作動薬と、ドーパ脱炭酸酵素阻害薬(dopa decarboxylate inhibitors)と、セレギリン(selegilene)およびラサギリン(rasagilene)などのMAO−B阻害剤と、抗コリン薬と、アマンタジンとが挙げられる。
筋萎縮性側索硬化(ALS/ルー・ゲーリック病)は、運動ニューロンが選択的に変性対象になる疾患である。例示的なALS療法としては、リルゾール、バクロフェン、ジアゼパム、トリヘキシフェニジル、およびアミトリプチリンが挙げられる。
その他の例示的な神経変性治療薬としては、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよび幹細胞が挙げられる
その他の障害
本明細書に記載される化合物および組成物はまた、拡張型心筋症、肥大性心筋症、拘束性心筋症、肺線維症、肝線維症、糸球体腎炎、およびその他の腎障害をはじめとする、異常な組織増殖および線維症障害を治療するのにも使用してもよい。
上の開示は、本発明について概説する。以下の特定の実施例を参照して、より完全な理解が得られ得る。これらの実施例は、例証のみを目的として記載され、本発明の範囲を制限することは意図されない。状況に応じて、または好都合であれば、形態の変更および同等物の置換が検討される。本明細書では、特定の用語が用いられているが、このような用語は記述的観念であることが意図され、制限目的ではない。
略号
atm 大気
aq. 水性
BINAP 2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
Boc tert−ブトキシカルボニル
CDI N,N’−カルボニルジイミダゾール
DCC N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタン
DBU ジアザ(1,3)ビシクロ[5.4.0]ウンデカン
DEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DIBAL−H ジイソブチルアルミニウム水素化物
DIC N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド
DMAP N,N−ジメチル−4−アミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DPPF ジフェニルホスフィノフェロセン
EA 酢酸エチル
EDCI N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩
EDC 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
Et2O ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
EtI ヨードエタン
Et エチル
Fmoc 9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
h 時間
HetAr ヘテロアリール
HOBt N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LCMS HPLC質量分析
MCPBA m−クロル安息香酸
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分間
MeI ヨウ化メチル
MeMgCl メチル塩化マグネシウム
Me メチル
n−BuLi 1−ブチルリチウム
NaOAc酢酸ナトリウム
NMR 核磁気共鳴
NMP N−メチルピロリジノン
nBuLi 1−ブチルリチウム
o.n. 一晩
RBF 丸底フラスコ
RT、rt、r.t. 室温
T3P プロピルホスホン酸無水物(Archimicaから入手できる)
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
nBu n−ブチル
OMs メシレートまたはメタンスルホネートエステル
OTs トシレート、トルエンスルホネートまたは4−メチルベンゼンスルホネートエステル
PCC クロロクロム酸ピリジニウム
PPTS p−トルエンスルホン酸ピリジニウム
TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム
pTsOH p−トルエンスルホン酸
SPE 固相抽出(通常、ミニクロマトグラフィーのためのシリカゲルを含有する)
sat. 飽和
GP 保護基
mins 分間
このような方法の以下の説明全体を通じて、適切な場合は、有機合成の当業者に容易に理解される様式で、様々な反応物質および中間体に、適切な保護基が付加され、引き続いてそれから除去されるものと理解される。このような保護基を使用する従来の手順、ならびに適切な保護基の例は、例えば“Protective Groups in Organic Synthesis”,T.W.Green,P.G.M.Wuts,Wiley−Interscience,New York,(1999)に記載される。化学処理による、基または置換基から別の基または置換基への変換が、最終生成物に向かう合成経路上のあらゆる中間体または最終生成物に対して実施され得ることもまた理解され、その中では、可能なタイプの変換は、変換に用いられる条件または試薬に対する、その段階で分子が有するその他の官能基の固有の不適合性によってのみ制限される。このような固有の不適合性と、それらを適切な変換および合成段階を適切な順番で実施することによって回避する方法は、有機合成の当業者には容易に理解されるであろう。変換の例は下述され、記載される変換は、それについて変換が例示される、一般的な基または置換基のみに限定されないものと理解される。その他の適切な変換に関する参考文献および説明は、“Comprehensive Organic Transformations−A Guide to Functional Group Preparations”R.C.Larock,VHC Publishers,Inc.(1989)にある。その他の適切な反応に関する参考文献および説明は、例えば、“Advanced Organic Chemistry”,March,第4版McGraw Hill(1992)、または“Organic Synthesis”,Smith,McGraw Hill,(1994)などの有機化学教科書に記載される。中間体および最終製品を精製する技術としては、例えば、カラムまたは回転板上の順相および逆相クロマトグラフィー、再結晶、蒸留、および液体−液体または固体−液体抽出が挙げられ、これらは当業者には容易に理解されるであろう。置換基および基の定義は、異なって定義される場合を除き、式Iのとおりである。「室温」および「周囲温度」という用語は、特に断りのない限り、16〜25℃の温度を意味するものとする。「還流」という用語は、特に断りのない限り、用いられた溶媒に関して、指名された溶媒の沸点以上の温度を意味するものとする。
共通中間体4の合成
3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾチオアミド(1)の合成:
3つ口丸底フラスコに、DMF中の3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(200g、1.0eq)溶液(1L)を装填し、それにNaSH(123.7g、2.0eq.)およびMgCl
2(186.7g、1eq.)を添加した。反応混合物を周囲温度(ambien temperature)で2〜3時間撹拌した後、氷水スラリー(10L)中に注ぎ入れて、EtOAc(3×1L)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮し、205g(90%収率)の粗製の所望のチオアミド(1)をもたらして、そのまま後続段階で使用した。
3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(2)の合成:
DMF(1.03L)中の3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾチオアミド(1)(205.65g)溶液をヒドラジン水和物(73.16mL、2.0eq)で処理した。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した後、ギ酸(1.03L)で処理した。反応混合物を90℃で2から3時間還流させ、次に周囲温度に放冷して、飽和水性炭酸水素ナトリウム(7L)中に注ぎ入れて、EtOAc(3×1L)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×500mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮し、180gの粗製化合物をもたらした。この粗製物を石油エーテル(3×500mL)で洗浄し、濾過して良く乾燥し、淡黄色固体として得られる160グラム(75%収率)のトリアゾール(2)をもたらした。
(Z)−イソプロピル3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリレート(3)の合成:
3つ口丸底フラスコに、DMF(960mL)中の3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(2)(160g、1.0eq.)の溶液を装填した。溶液をDABCO(127.74g、2eq.)で処理して、30分間撹拌した後、(Z)−3−ヨードアクリル酸イソプロピル(150.32g、1.1eq.)で処理した。1時間(1 hm)後、反応混合物を氷水スラリー(5L)中に注ぎ入れて、EtOAc(3×1L)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮し、250gの粗製化合物をもたらした。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサンによる溶出)による精製は、138g(61%収率)の純粋なイソプロピルエステル(3)をもたらした。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(4)の合成:
3つ口丸底フラスコに、THF(1.3L)中の(Z)−イソプロピル3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリレート(3)(130g、1.0eq.)の溶液を装填し、LiOH(69.3g、5eq)の水溶液(1.3L)で処理した。反応混合物を周囲温度で3〜4時間撹拌した後、400mLの水で希釈し、希釈水性HClで酸性化して(pH=2〜3)、EtOAc(3×1L)で抽出した。合わせた有機層を鹹水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、110g(94%収率)の所望の化合物(4)をもたらした;LCMSによるZ/E比率=90.0/8.2。
(Z)−3−ヨードアクリル酸(1a)の合成:
酢酸(500mL、)中のプロピオル酸(50.0g、1.0eq)の溶液をヨウ化ナトリウム(213.97g、2.0eq)で処理した。反応混合物を100℃で2〜3時間還流させ、次に周囲温度に冷却して氷水(5.0L)中に注ぎ入れ、飽和水性炭酸水素ナトリウムで中和して、EtOAc(3×1L)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×1L)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮し、90.0gの粗製化合物をもたらし、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH:CH
2Cl
2による溶出)によって精製して、56.0g(39.7%収率)の純粋カルボン酸(1a)をもたらした。
実施例1
(Z)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−ヨードプロプ−2−エン−1−オン(2a)の合成:
CH
2Cl
2(25.0mL)中の(Z)−3−ヨードアクリル酸(1a)(2.75g、1.0eq.)の溶液を0℃に冷却し、DIPEA(1.96g、1.1eq)、HATU(5.78g、1.1eq)、および3,3−ジフルオロアゼチジン塩酸塩(1.98g、1.1eq)で順次処理した。反応混合物を0℃で2〜3時間撹拌した後、濾過して、減圧(pressire)下で濃縮し、3.5gの粗製化合物をもたらした。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサンによる溶出)による精製は、1.89gの純粋な所望の化合物をもたらした。収率(49.87%)。Mass:(ES+)273.8(M+1).
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成:
DMF(9.0mL)中の3−(3−(ジフルオロメチル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(2)(1.5g、1.0eq.)の溶液をDABCO(1.19g、2.0eq)で処理して、30分間撹拌した後、(Z)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−ヨードプロプ−2−エン−1−オン(2a)(1.60g、1.1eq)で処理した。反応混合物を周囲温度で2〜3時間撹拌して、次に氷水(90mL)中に注いで、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮し、2.0gの粗製アミドをもたらした。(シス異性体:71.1%、トランス異性体:15.87%)。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAC/ヘキサンによる溶出)による精製は、500mgの純粋な所望のアミド(22.0%収率)をもたらした:
1H NMR(CDCl
3):δ 9.63(s,1H),7.95−7.65(m,3H),7.24−7.27(d,J=10.8Hz,1H),5.66−5.69(d,J=10.8Hz,1H),4.46−4.59(m,4H).C
16H
10F
8N
4OのLCMS:[M+H]
+=427.27;実測値427.29、室温:3.03分間(98.17%)。
(E)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(CDCl3):δ 9.18(s,1H),8.59(s,2H),8.32(s,1H),8.24−8.27(d,J=13.6Hz,1H),6.80−6.84(d,J=13.6Hz,1H),4.83−4.88(m,2H),4.40−4.46(m,2H).C16H10F8N4OのLCMS:[M+H]+=427.27;実測値427.34、室温:3.13分間(100%)。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの代案の合成:
CH
2Cl
2中の(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(33.0g、1.0eq.)の溶液(660mL)を0℃に冷却し、次にHOBT(17.27g、1.2eq)、EDC.HCl(27.029g、1.5eq.)、3,3−ジフルオロアゼチジン塩酸塩(14.61g、1.2eq.)、およびDIPEA(24.31mL、1.5eq)で順次処理した。反応混合物を0℃で1.15時間撹拌した後、1Lの水でクエンチして、EtOAc(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水で洗浄し、無水NaSO
4上で乾燥させて、減圧下で濃縮し、35gの粗製化合物をもたらした。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH:CH
2Cl
2による溶出)による精製は、純粋な所望のアミド(15g、37%収率)をもたらした:
(Z)−3−(3−(3,5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(CDCl3):δ 9.63(s,1H),7.95−7.65(m,3H),7.24−7.27(d,J=10.8Hz,1H),5.66−5.69(d,J=10.8Hz,1H),4.46−4.59(m,4H).C16H10F8N4OのLCMS:[M+H]+427.27;実測値427.29、室温:3.027分間(98.17%)。
実施例2
(Z)−3−(3−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(1)の合成:
THF(5mL)および水(5mL、)中の(Z)−イソプロピル3−(3−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリレート(0.400g、1.0eq.)溶液をLiOH(0.097g、2.0eq.)で処理した。反応混合物を室温で2〜3時間撹拌し、氷冷水(10mL)中でクエンチして、希釈水性HClでpH1〜2に酸性化して、EtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、150mg(42%収率)の所望のカルボン酸をもたらして、後続の段階で使用した。Mass:(ES+)302.19(M+1)。
(Z)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−(3−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成:
25mLのフラスコに、(Z)−3−(3−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(1)(0.150g、1.0eq)、それに続いてジクロロメタン(3mL)を装填した後、0℃において、DIPEA(0.102mL、1.2eq)、EDC.HCl(0.143g、1.5eq)、3,3−ジフルオロアゼチジン塩酸塩(0.077g、1.2eq)、およびHOBT(0.091g、1.2eq)で順次処理した。反応混合物を0℃で1時間撹拌して、水(5mL)で希釈して、ジクロロメタン(3×5mL)で抽出した。Na
2SO
4上での乾燥と、減圧下での濃縮は、0.150gの粗製化合物をもたらした(aforded)。(シス49%:トランス42%)。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/CH
2Cl
2による溶出)による精製は、純粋な所望のアミドをもたらした(0.025g;13%収率):
(Z)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−(3−(3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.6(s,1H),7.40−8.37(m,3H),7.22−7.25(d,J=10.8Hz,1H),5.64−5.67(d,J=10.8Hz,1H),4.46−4.59(m,4H).C15H10F6N4OのLCMS[M+H]+377.26室温で2.79分間の実測値377.24 純度(92.79%)。Mass:(ES+)377.2(M+1)。
実施例3
(Z)−3−(3−(3−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(1)の合成:
THF(40mL)および水(40mL)中の(Z)−イソプロピル3−(3−(3−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリレート(4g、1.0eq.)の溶液をLiOH(1.92g、4eq.)で処理した。反応混合物を室温で2〜3時間撹拌し、次に酸性氷水スラリー(300mL)でクエンチして、EtOAc(3×250mL)で抽出した。合わせた有機層を希塩酸溶液(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させて、減圧下で濃縮し、3gの粗製化合物をもたらした。生じた粗製の灰色がかった化合物は、そのまま次のステップで使用した。収率:85.5%。Mass:(ES+)299.92(M+1)。
(Z)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−(3−(3−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン(2)の合成:
30mlのCH
2Cl
2中の(Z)−3−(3−(3−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(1)(1.5g、1.0eq)の冷溶液(0℃)を、DIPEA(0.78g、1.2eq)、EDC.HCl(01.15g、1.2eq)、3,3−ジフルオロアゼチジン塩酸塩(0.78g、1.2eq)、およびHOBt(0.92g、1.2eq)で順次処理した。反応混合物を0℃で3〜4時間撹拌した後、減圧下で濃縮して、0.5gの粗製化合物をもたらした。(反応中にトランス異性体は観察されなかった)。粗製反応混合物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、純粋な所望のアミド(0.5g)をもたらした。収率:26.7%:
(Z)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−(3−(3−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 10.53(1H,D2O交換可能),9.17(s,1H),7.14−7.71(m,3H),7.41−7.43(d,J=10.4Hz,1H),5.92−5.95(d,J=10.4Hz,1H),4.41−4.49(m,4H).C15H11F5N4O2のLCMS[M+H]+375.27;室温で2.44分間の実測値375.24、純度(97.03%)。Mass:(ES+)375.2(M+1)。
実施例5
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロピペリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成:
CH
2Cl
2(20mL)中の(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(4)(1.0g、1.0eq.)の冷溶液(0℃)を、EDCHCl(0.656g、1.2eq.)、3,3−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.540g、1.2)、DIPEA(435mg、1.2eq)、およびHOBT(25.92g、1.2eq.)で順次処理した。透明な反応混合物を0℃で1.5〜2間撹拌し、次に50mLの氷水スラリーでクエンチして、CH
2Cl
2(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させて、減圧下で濃縮し、0.70gの粗製化合物をもたらした。LCMSおよび
1H NMRによる確認で、トランス化合物は形成されなかった。カラムクロマトグラフィーによる精製は0.20gの物質をもたらし、エーテル:石油エーテルを使用して、それをさらに再結晶化/摩砕して脂肪族不純物を除去し、0.180g(14.1%収率)の所望の純粋な化合物をもたらした。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロピペリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.739(s,1H),7.94−8.59(m,3H),7.13−7.15(d,J=10.4Hz,1H),5.99−6.016(d,J=10.4Hz,1H),3.95−4.01(t,1H),3.68−3.77(m,2H),3.56−3.53(t,1H),2.11−2.05(m,2H),1.77−1.89(m,2H).C18H14F8N4OのLCMS[M+H]+455.33;室温で3.82分間の実測値455.07、純度(98.64%)。
実施例6
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成:
CH
2Cl
2(20mL)中の(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(4)(0.500g、1.0eq.)の冷溶液(0℃)を、EDCHCl(0.409g、1.5eq.)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.269g、1.2)、DIPEA(0.220g、1.2eq)、およびHOBT(0.261g、1.2eq.)で順次処理した。透明な反応混合物を0℃で1.5〜2間撹拌し、次に50mLの氷水スラリーでクエンチした。水層をCH
2Cl
2(2×25mL)で抽出し、合わせた有機層を鹹水で洗浄して、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、0.60gの粗製化合物をもたらした。分取TLC(MeOH/CH
2Cl
2による溶出)による精製は0.090g化合物をもたらし、それをエーテル:石油エーテルを使用してさらに摩砕して脂肪族不純物を除去し、0.06gの純粋化合物をもたらした。収率:9.28%。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.705(s,1H),8.557(s,2H),7.950(s,1H),7.111−7.136(d,J=10.0Hz,1H),5.998−6.024(d,J=10.8Hz,1H),3.886−3.916(t,2H),3.654−3.683(t,2H),2.055−2.152(m,2H),1.940−2.035(m,2H).C18H15F8N4OのLCMS[M+H]+455.33;室温で3.057分間の実測値455.38、純度(99.77%)。
実施例7
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成:
窒素バブラーを備えた3つ口100mLの丸底フラスコ内の撹拌される1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(4)(0.500g、1eq.)ジクロロメタン(10mL、20V)の溶液に、HOBT(0.19g、1.2eq.)、EDC.HCl(0.41g、1.5eq.)、およびDIPEA(0.27g、1.5eq.)を0℃で添加した。1間後、反応混合物を水(50ml)でクエンチし、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させて、減圧下で濃縮し、0.25gの粗製標題化合物をもたらした。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサンによる溶出)による精製は、0.03gの純粋な標題化合物をもたらした。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.76(s,1H),8.62(s,2H),7.94(s,1H),7.21−7.24(d,J=10.8Hz,1H),5.65−5.68(d,J=10.8Hz,1H),5.45−5.48(m,1H),5.31−5.34(m,1H),4.44−4.56(m,4H),4.23−4.43(m,2H).C16H11F7N4OのLCMS[M+H]+409.28;室温で2.963分間の実測値409.38、純度(96.03%)。
実施例8
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成:
窒素入口を備えた25mLの3つ口丸底フラスコ内に、ジクロロメタン(5.0mL、20V)と共に、(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(4)(0.250g、1.0eq.)を装填した。反応混合物を0℃に冷却し、次にHOBT(0.119g、1.1eq.)を添加し、EDCHCl(0.149g、1.1eq.)および3−メチルアゼチジン−3−オールHCl(0.096gg、1.1eq.)がそれに続いた。この反応混合物に、同一温度でDIPEA(0.101g、1.1eq)を滴下して添加した。透明な反応混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応の進行は、ジクロロメタン中の10%メタノールを移動相として、UVによって可視化される、シリカゲル上のTLC分析によって追跡した。反応混合物を20mLの氷水スラリー中でクエンチした。有機層を分離して、水層をジクロロメタン(2×10mL)で抽出し、抽出完了を確実にした。有機層を鹹水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させて、減圧下で(35℃、20mmHg)回転蒸発によって濃縮し、0.280gの粗製化合物をもたらした。(シス:61.9%、トランス:16.46%)
60/120メッシュシリカおよび移動相としてメタノール:ジクロロメタンを使用して、カラムクロマトグラフィーによって、粗製反応混合物を精製した。カラムにジクロロメタンを充填して、画分収集(500mL画分)から開始する勾配様式で、MeOHで溶出を開始した。化合物は、ジクロロメタン中の0.2〜2.0%メタノールから溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、純粋化合物90mgを得た。収率:30.1%。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3−ヒドロキシ−3−メチルアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−オン:1H NMR(400MHz,DMSO)δ 9.39(s,1H),8.55(s,2H),8.301(s,1H),7.37−7.40(d,J=10.4Hz,1H),5.95−5.98(d,J=10.0Hz,1H),5.69(s,1H),3.90(s,2H),3.78−3.85(m,2H),1.32(s,3H).C17H14F6N4O2のLCMS[M+H]+:420.31;室温で2.665分間の実測値421.4、純度(99.54%)。
実施例9
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン(1)の合成:
10mLの封管内で、5mLの乾燥ヘキサンに、ビスピナコラトジボラン(0.146g、0.5eq)、DTBPY(0.0015g、0.005eq)および[Ir(OMe)(COD)]
2(0.0019g、0.0025eq)をN
2雰囲気下で溶解した。この反応混合物を室温で10分間撹拌して、暗赤色の溶液を得た。3,5−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン(0.250g、1eq.)を封管内に装填した。封管を閉じて、50℃で6時間加熱した。酢酸エチル:ヘキサン(1:9)を移動相として使用して、TLC上で反応完了をモニターした。反応混合物を氷水スラリー(50mL)中でクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムを使用して乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮し、0.40gの粗製標題化合物を得た。この粗製物は、精製することなく次の段階で直接使用した。
2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン(2)の合成:
10mL封管内で、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン(1)(0.395g、1eq.)をDME(5mL)に溶解し、次に水(1mL)中の3−ブロモ−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−1,2,4−トリアゾール(0.323g、1eq.)およびK
2CO
3(0.480g、3eq.)を添加した。窒素で1時間パージして、混合物を脱気した。テトラキス(0.067g、0.05eq.)を反応混合物に添加して、封管を90℃で18時間加熱した。酢酸エチル:ヘキサン(2:8)を移動相として使用して、TLC上で反応完了をモニターした。反応混合物を氷水溶液(50mL)中でクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムを使用して乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮し、0.30gの粗製化合物を得た。酢酸エチル/n−ヘキサンを移動相として使用して、カラムクロマトグラフィーによって化合物を精製した。化合物をヘキサン中の8%酢酸エチル(ethylaetate)で溶出して、(中間体2)0.150gをもたらした。収率:31.0%。
4−(1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン(3)の合成:
10mL封管内で、2,6−ビス(トリフルオロメチル)−4−(1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)ピリジン(2)(0.15g、1eq.)をジオキサンHCl(5mL)に溶解して、封管を60℃で6時間加熱した。酢酸エチル:ヘキサン(5:5)を移動相として使用して、TLC上で反応完了をモニターした。反応混合物を氷水NaHCO
3溶液(50mL)中でクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムを使用して乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮し、0.3gの粗製化合物を得た。酢酸エチル/ヘキサンを移動相として使用して、カラムクロマトグラフィーによって化合物を精製した。ヘキサン中の30%酢酸エチルで化合物を溶出して、4−(1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン(3)0.060gをもたらした。収率:58.4%。
(Z)−3−(3−(2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成:
50mLの3つ口丸底フラスコ内で、4−(1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン(3)(0.060g、1eq.)および(Z)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−ヨードプロプ−2−エン−1−オン(0.064g、1.1eq)をDMF(2mL)に溶解した。DABCO(0.047g、2eq.)を室温で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。MeOH:ジクロロメタン(0.25:9.75)を移動相として使用して、TLC上で反応完了をモニターした。反応混合物を氷水スラリー(50mL)中でクエンチし、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。有機層を鹹水(3×25mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを使用して有機層を乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮し、0.70g粗製化合物を得て、ジクロロメタン中の2.5%メタノールを移動相として使用して、分取TLCによって精製し、0.011g(12%)の表題化合物をもたらした。
(Z)−3−(3−(2,6−ビス(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHz,DMSO)δ 9.768(s,1H),8.590(s,2H),7.268−7.295(d,J=10.8,1H),5.732−5.759(d,J=10.8Hz,1H),4.56−4.62(t,2H),4.46−4.52(t,2H).C15H9F8N5OのLCMS[M+H]+427.25室温で2.901分間の実測値428.5、純度(95.46%)。
実施例10
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−エチル−N−(1−(ピリジン−3−イル)エチル)アクリルアミドの合成:
50mLの3つ口丸底フラスコ内で、N
2雰囲気下において0℃で、(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.2g、1.0eq..)をジクロロメタン(15mL)に溶解した。この反応にDIPEA(0.088g、1.2eq.)、EDC.HCl(0.131g、1.2eq.)、およびN−エチル−1−(ピリジン−3−イル)エタンアミン(0.102g、1.2eq.)を添加して、HOBt(0.104g、1.2eq.)がそれに続いた。反応混合物を20℃で1時間撹拌した。反応の進行は、10%メタノール:ジクロロメタンを移動相として、UVによって可視化される、シリカゲル上のTLC分析によって追跡した、SMRf=0.15および生成物Rf=0.40。反応を3〜4時間撹拌して、減圧下で回転蒸発器上において、黄色の反応混合物を蒸発させて、0.4gの粗製化合物をもたらした。
シリカ60/120を使用して、メタノール:ジクロロメタンを移動相として使用して、カラムクロマトグラフィーによって、粗製反応混合物を精製した。カラム(2×10cm)をジクロロメタンで充填して、ジクロロメタン中の1.5%〜2.5%のメタノールの画分収集(25mL画分)から開始する勾配様式で、メタノール中で溶出を開始した。化合物は、ジクロロメタン中の1.5%メタノールで溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、純粋化合物(0.006g)を得た。収率:3%。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−エチル−N−(1−(ピリジン−3−イル)エチル)アクリルアミド:1H NMR(400MHz,DMSO)δ 9.04(s,1H),7.38−8.73(m,7H),8.19−8.22(d,J=12.4,1H),6.01−6.04(d,J=12.8Hz,1H),4.77−4.79(d,1H),3.29−3.46(m,2H),1.79−1.81(d,3H),1.24−1.27(t,3H).C22H19F6N5OのLCMS[M+H]+483.4室温で3.283分間の実測値484.55、純度(91.38%)。
実施例11
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(オキサゾール−5−イルメチル)アクリルアミドの合成:
窒素入口を備えた25mLの3つ口丸底フラスコ内で、(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(4)(0.250g、1.0eq.)をジクロロメタン(5.0mL、20V)に溶解した。反応混合物を0℃に冷却し、次にHOBT(0.119g、1.1eq.)を添加して、EDCHCl(0.150g、1.1eq.)およびオキサゾール−5−イルメタンアミンHCl(0.143g、1.1eq.)がそれに続いた。この反応混合物に、同一温度でDIPEA(0.101g、1.1eq)を滴下して添加した。透明な反応混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応の進行は、ジクロロメタン中の5%メタノールを移動相として、UVによって可視化される、シリカゲル上のTLC分析によって追跡した。
反応混合物を氷水スラリー(20mL)中でクエンチした。有機層を分離して、水層をジクロロメタン(2×10mL)で抽出し、抽出完了を確実にした。有機層を鹹水で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させて、減圧下で(35℃、20mmHg)回転蒸発によって濃縮し、0.280gの粗製化合物をもたらした。(シス:30.71%;トランス:28.02%)。
60/120メッシュシリカおよび移動相としてメタノール:ジクロロメタンを使用して、カラムクロマトグラフィーによって、粗製反応混合物を精製した。カラムにジクロロメタンを充填して、画分収集(500mL画分)から開始する勾配様式で、MeOHで溶出を開始した。化合物は、ジクロロメタン中の0.2〜2.0%メタノールから溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、90mgの化合物シスおよびトランス混合物を得た。(シス:57.86%;トランス:52.49%)。
5%メタノール:ジクロロメタンを移動相として使用して、分取TLCによって混合物を精製した。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、15mgの化合物純粋化合物を得た。(4.88%収率)。
(Z)−3−(3(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(オキサゾール−5−イルメチル)アクリルアミド:1H NMR(400MHz,DMSO)δ 9.62(s,1H),9.05(s,1H),8.53(s,2H),8.30(s,2H),7.41−7.44(d,J=10.4Hz,1H),7.07(s,1H),5.95−5.98(d,J=10.8Hz,1H),4.47−4.48(d,2H).C17H11F6N5O2のLCMS[M+H]+431.28:室温で2.822分間の実測値432.39、純度(95.52%)。
実施例12
(Z)−3−(5−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)アクリル酸(2)の合成:
100mLの3つ口丸底フラスコ内で、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾチオアミド(0.564g、1eq.)をDMF(5mL、10Vol)に溶解し、次にヒドラジン水和物(0.123g、1.2eq.)を0℃で添加した。全てのSMが消費されるまで反応混合物を室温で撹拌して、極性ヒドラジン付加物に変換した。この反応塊からのサンプルをTLCのために保存する。最後に、無水マレイン酸(0.242g mL、1.2eq.)を0℃で添加した。次に全てのヒドラジン付加物が消費されるまで、反応混合物を室温で撹拌して、環化していない中間体に変換した。再度、この環化していない中間体サンプルをTLCのために保存する。反応混合物を80℃で6時間加熱した。MeOH:ジクロロメタン(2:8)を移動相として、環化していない中間体をSMとして使用して、TLC上で反応完了をモニターした。反応混合物を氷水溶液(100mL)中でクエンチし、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムを使用して乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮し、0.51gの粗製化合物を得た。この粗製化合物を最小量のジエチルエーテルに溶解した。この溶液を−5℃で撹拌し、沈殿した化合物を濾過して、冷ジエチルエーテルで洗浄し、0.150g(20%)の純粋な(Z)−3−(5−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)アクリル酸を得た。
(Z)−3−(5−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成:
50mLの3つ口丸底フラスコ内で、(Z)−3−(5−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)アクリル酸(2)(0.065g、1eq.)、3,3−ジフルオロアゼチジンHCl(0.028g、1.2eq.)、およびEDC.HCl(0.042g、1.2eq.)をジクロロメタン(5mL)に溶解した。DIPEA(0.028g、1.2eq.)を−5℃で添加し、それに続いてHOBt(0.033g、1.2eq.)を同一温度で添加した。反応をこの温度に1時間保った。MeOH:ジクロロメタン(0.5:9.5)を移動相として使用して、TLC上で反応完了をモニターした。反応混合物を氷水スラリー(50mL)中でクエンチし、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。有機層を鹹水(3×25mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを使用して有機層を乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮し、0.80gの粗製化合物を得て、移動相として酢酸エチルおよびヘキサンを使用して、カラムクロマトグラフィーによって精製した。ヘキサン中の35%酢酸エチル中に生成物を溶出させて、0.055g(78%)の表題化合物をもたらした。
(Z)−3−(5−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHz,DMSO)δ 14.826(s,1H,D2O交換可能),8.557(s,2H),8.259(s,1H),6.847−6.877(d,J=12,1H),6.445−6.476(d,J=12.4Hz,1H),4.611(m,2H),4.480(m,2H).C16H10F8N4OのLCMS[M+H]+426.26室温で3.303分間の実測値427.3、純度(99.83%)。
実施例13
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−((2−メチルピリミジン−5−イル)メチル)アクリルアミドの合成:
窒素入口を備えた25mLの3つ口丸底フラスコ内に、ジクロロメタン(5.0mL、50V)および酢酸エチル(5.0mL、50V)と共に、(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(4)(0.1g、1.0eq.)を装填した。反応混合物を0℃に冷却し、次にT3P(酢酸エチル中の50%)(0.214g、1.2eq.)を添加して、DIPEA(0.073g、2.0eq.)および(2−メチルピリミジン−5−イル)メタンアミン(methananmine)(0.038g、1.1eq.)がそれに続いた。透明な反応混合物を0℃で30時間撹拌した。反応の進行は、ジクロロメタン中の10%メタノールを移動相として、UVによって可視化される、シリカゲル上のTLC分析によって追跡した。反応混合物を30mLの氷水スラリー中でクエンチした。有機層を分離して、水層をジクロロメタン(2×20mL)で抽出し、抽出完了を確実にした。有機層を鹹水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させて、減圧下で(35℃、20mmHg)回転蒸発によって濃縮して、0.129gの粗製化合物をもたらした。(シス:81.98%;トランス:検出されず;未反応のSM:13.95%)。
60/120メッシュシリカおよび移動相としてメタノール:ジクロロメタンを使用して、カラムクロマトグラフィーによって、粗製反応混合物を精製した。カラムにジクロロメタンを充填して、画分収集(500mL画分)から開始する勾配様式で、MeOHで溶出を開始した。化合物は、ジクロロメタン中の0.2〜4.0%メタノールから溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、65mgの純粋化合物を得た。収率:50.38%。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(2−メチルピリミジン−5−イル)アクリルアミド:1H NMR(400MHz,DMSO)δ 9.57(s,1H),9.12(s,1H),8.62(s,2H),8.55(s,2H),7.41−7.43(d,J=10.4Hz,1H),5.98−6.01(d,J=10.4Hz,1H),4.38−4.39(d,2H).C19H14F6N6OのLCMS[M+H]+:456.34室温で2.725分間の実測値457.39、純度(99.81%)。
実施例14
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(ピリミジン−5−イルメチル)アクリルアミドの合成:
窒素入口を備えた50mLの3N丸底フラスコ内に、ジクロロメタン(5mL、10V)と共に、(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.2g、1.0eq.)を装填した。反応混合物を−20℃に冷却し、次に反応混合物に、ピリミジン−5−イルメタンアミン(0.075g、1.2eq)、T3P(EtOAc中の50%)(0.4mL、1.2eq)を添加し、それに続いてDIPEA(0.2ml、2eq)を滴下して添加した。反応混合物を−20℃でさらに30分間撹拌した。反応の進行は、ジクロロメタン中の5%メタノールを移動相として、UVによって可視化される、シリカゲル上のTLC分析によって追跡した。反応混合物を回転蒸発(25℃、20mmHg)によって濃縮し、粗製化合物をもたらした。60/120メッシュシリカおよび移動相としてメタノール:ジクロロメタンを使用して、カラムクロマトグラフィーによって、粗製反応混合物を精製した。カラムにジクロロメタンを充填して、画分収集(500mL画分)から開始する勾配様式で、MeOH中で溶出を開始した。化合物は、ジクロロメタン中の4%メタノールから溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、純粋化合物0.2mgを得た。収率:80%。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(ピリミジン−5−イル)メチル)アクリルアミド:1H NMR(400MHz,DMSO)δ=9.58(s,1H),9.07(s,2H),8.76(s,2H),8.50(s,2H),8.28(s,1H),7.44−7.41(d,J=10.4Hz,1H),6.02−5.99(d,J=10.4Hz,1H),4.45−4.43(d,J=5.6Hz,2H).LCMS(%):100%。
実施例15
6−ブロモピコリンアルデヒド(1a)の合成:
磁気撹拌、浸漬温度計、および添加漏斗付きの3つ口100mL丸底フラスコにTHF(30mL)を装填して、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.35g、21.10mmol)を注意深く反応に添加して、内部温度を−70℃に保った。2,6−ジブロモピリジン(5.0g、21.10mmol)の添加後、生じた暗緑色の溶液を15分間撹拌し、次に無希釈のDMF(2.31g、31.66mmol)を30秒間かけて添加した。反応塊を−70℃で15分間撹拌した。反応の進行は、酢酸エチル:ヘキサン(3:7)を移動相とする、シリカゲル上のTLC分析によってモニターした。反応混合物を飽和NH
4Cl(50mL)中に注ぎ入れて、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発によって濃縮して5.0gの粗製化合物をもたらし、それをクロマトグラフィーによって精製した。生成物をヘキサン中の3%酢酸エチルで溶出して、1.5gの純粋生成物を得る(収率38.4%)。
6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピコリンアルデヒドの合成:
35mLのマイクロウェーブバイアル内で、1,2−ジメトキシエタン(20mL)に溶解した、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(2.0g、7.7mmol)および6−ブロモピコリンアルデヒド(1a)(1.44g、7.7mmol)を、室温においてK
2CO
3(3.22g、23.3mmol)の水溶液で処理した。Pd(dppf)Cl
2.ジクロロメタンを反応塊に添加して、90℃で30分間電子レンジに装填した。反応の進行は、酢酸エチル:ヘキサン(3:7)を移動相とする、シリカゲル上のTLC分析によってモニターした。反応混合物を水(50mL)中に注ぎ入れて、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発によって濃縮し、2.5gの粗製化合物をもたらし、それをクロマトグラフィーによって精製した。生成物をヘキサン中の4%酢酸エチルで溶出して、1.2gの純粋生成物を得る。(収率48.38%)。
(E)−3−(6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン−2−イル)アクリル酸の合成:
35mLのマイクロウェーブバイアル中で、6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピコリンアルデヒド(1)(0.3g、0.93mmol)およびマロン酸(0.097g、0.93mmol)をエタノールに溶解した。90℃で20分間の電子レンジ内における反応に、ピペリジン(2〜3滴)を添加した。反応の進行は、10%MeOH−ジクロロメタンを移動相とする、シリカゲル上のTLC分析によって追跡した。反応混合物を水(15mL)中に注ぎ入れて、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させて濾過して、回転蒸発によって濃縮し、0.4gの粗製化合物をもたらし、それをさらに精製せずに次の段階で使用した。
(E)−3−(6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン−2−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成:
50mLの丸底フラスコフラスコ内で、中間体2(0.4g、1.1mmol)および3,3−ジフルオロアゼチジン塩酸塩(0.17g、1.3mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解した。プロピルホスホン酸無水物(0.42g、1.3mmol)、DIPEA(0.28g、2.2mmol)を室温で添加して、反応混合物を30分間撹拌した。反応の進行は、0.5%メタノール:ジクロロメタンを移動相として、U.V光によって可視化される、シリカゲル上のTLC分析によって追跡し、反応混合物を氷水スラリー中でクエンチし、それを濾過して、化合物をジクロロメタン中で抽出して、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発(28℃、20mmHg)によって濃縮して、0.5gの固体粗製物をもたらした。精製をフラッシュクロマトグラフィーにより実施して、生成物を無希釈ジクロロメタンで溶出して、純粋な化合物0.030g収率(6.2%)をもたらした。
(E)−3−(6−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン−2−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.55(S,2H),7.97(s,1H),7.89−7.93(t,1H),7.81−7.83(d,2H),7.75−7.79(d,J=15.2,1H),7.45−7.47(d,1H),7.18−7.22(d,J=15.2,1H),4.68−4.70(t,2H),4.50−4.53(t,2H)C19H12F8N2OのLCMS[M+H]+436.3室温で3.34分間の実測値437.39、純度(93.47%)。
実施例16
4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール(1)の合成:
35mLのマイクロウェーブバイアル内で、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(2.5g、9.69mmol)および4−ヨード−1H−イミダゾール(2.068g、10.66mmol)を1,4−ジオキサン(18mL)に溶解した。この反応混合物に、NaHCO
3(1.628g、19.38mmol)の水溶液を室温で添加した。反応混合物を30分間脱気して、Pd(dppf)Cl
2.ジクロロメタン(0.791g0.1eq.)を90℃で16時間電子レンジに装填した。反応の進行は、メタノール:ジクロロメタン(0.5:9.5)を移動相として使用する、TLCによってモニターした。反応混合物を水(50mL)中に注ぎ入れて、セライト床を通して濾過した。濾液をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発器を使用して減圧下で濃縮して、2.5gの粗製化合物をもたらし、それをカラムクロマトグラフィーによって精製した。化合物をヘキサン中の40%酢酸エチルで溶出して、0.640gの純粋生成物を得た(収率23.61%)。同一バッチを同一量の化学薬品で反復し、0.781gの純粋生成物を得た(収率28.78%)。
(Z)−イソプロピル3−(4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−1−イル)アクリレート(2)の合成:
窒素入口、温度計ポケット、および栓を備えた100mLの3つ口丸底フラスコ内で、4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール(1)(1.1g、1.0eq.)をジクロロメタン(20mL、19V)に溶解して、反応混合物を0℃に冷却した。この反応混合物に、TEA(0.709mL、1.3eq.)、それに続いてイソプロピルアクリレート(0.571g、1.3eq.)を0℃で添加して、反応混合物を30分間撹拌した。反応の進行は、20%酢酸エチル−n−ヘキサンを移動相とする、シリカゲル上のTLC分析によって追跡した。反応混合物を水(50mL)中に注ぎ入れた。濾液をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発によって濃縮して、1.2gの粗製化合物をもたらし、それをカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物をヘキサン中の4%酢酸エチルで溶出して、1.0gの粗生成物(シス39%+トランス56%)を得た(収率65.35%)。
(Z)−3−(4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−1−イル)アクリル酸(3)の合成:
窒素入口、温度計ポケット、および栓を備えた50mLの3つ口丸底フラスコ内で、(Z)−イソプロピル3−(4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−1−イル)アクリレート(2)(1.0g、1.0eq.)をTHF:H
2O(20mL、1:1、20V)に溶解した。この反応混合物に、LiOH.H2O(0.535g、5.0eq.)を0℃で添加した。この反応混合物を3〜4時間撹拌し、反応の進行は、20%酢酸エチル/n−ヘキサンを移動相として使用する、TLCによって追跡した。希釈HClを使用して、反応混合物を酸性化した。反応混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させて濾過して、減圧下で回転蒸発によって濃縮し、0.4gの粗製化合物をもたらし、それを精製することなく次の段階で使用した。
(Z)−3−(4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成:
窒素入口、温度計ポケット、および栓を備えた50mLの3つ口丸底フラスコ内で、(Z)−3−(4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−1−イル)アクリル酸(3)(0.4g、1.0eq.)をジクロロメタン(8mL、20V)に溶解して、反応混合物を0℃に冷却した。この反応混合物に、HOBT(0.209g、1.2eq.)、ジフルオロアゼチジン(Difluroazitidine)HCl(0.177g、1.2eq.)、およびEDC.HCl(0.328g、1.5eq.)を0℃で添加した。この反応混合物に、DIPEA(0.177g、1.2eq.)を0℃で滴下して添加した。反応の進行は、5%メタノール−ジクロロメタンを移動相として使用する、TLCによって追跡した。反応混合物を水(50mL)中に注ぎ入れて、化合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発によって濃縮して、0.420gの粗製化合物をもたらし、それをカラムクロマトグラフィーによって精製した。化合物をジクロロメタン中の0.5〜0.6%メタノールで溶出して、0.05gの純粋生成物を得た(収率10.41%)。
(Z)−3−(4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.57(s,1H),8.27(s,2H),8.06(s,1H),7.78(s,1H),6.94−6.91(d,J=12,1H),5.47−5.45(d,J=8,1H),4.58−4.45(m,4H).C17H11F8N3OのLCMS[M+H]+室温で2.54分間の実測値281.34、純度(99.13%)。
実施例17
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−メチル−N−(ピリミジン−5−イルメチル)アクリルアミドの合成:
窒素入口を備えた50mLの3つ口丸底フラスコ内に、THF(5mL、5V)と共に、(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(ピリミジン−5−イルメチル)アクリルアミド(0.05g、1.0eq.)を装填した。反応混合物を−20℃に冷却して、水素化ナトリウム(鉱物油中の60%)(0.051g、1.1eq.)を添加した。反応混合物を1時間撹拌した。ヨウ化メチル(0.018g、1.1)を反応混合物に添加して、−20℃で1時間撹拌した。反応の進行は、ジクロロメタン中の5%メタノールを移動相として、UVによって可視化される、シリカゲル上のTLC分析によって追跡した。反応混合物を水(50mL)中でクエンチし、EtOAc(50×2)で抽出した。有機層を鹹水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させて、回転蒸発(25℃、20mmHg)によって濃縮して、0.060gの粗製化合物をもたらした。60/120メッシュシリカおよび移動相としてメタノール:ジクロロメタンを使用して、カラムクロマトグラフィーによって、粗製反応混合物を精製した。カラムにジクロロメタンを充填して、画分収集(500mL画分)から開始する勾配様式で、MeOHで溶出を開始した。化合物は、ジクロロメタン中の4%メタノールから溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、純粋化合物0.015g収率(30%)を得た。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−メチル−N−(ピリミジン−5−イルメチル)アクリルアミド:1H NMR(400MHz,DMSO)δ=9.04−8.99(d,J=21.6Hz,2H),8.77−8.71(d,J=24Hz,2H),8.46(s,1H),8.39(s,1H),8.29(s,1H),7.42−7.38(m,1H),6.37−6.35,6.31−6.28(d,J=10Hz,J=10.4Hz,1H),4.68−4.61(d,J=28Hz,2H),2.99−2.96(d,J=14Hz,3H).C19H14F6N6OのLCMS[M+H]+456.3 室温で2.59分間の実測値457.44、純度(94.12%)。化合物は、NMRによる確認で、回転異性体として観察された。
実施例18
N−メチル−1−(2−メチルピリミジン−5−イル)メタンアミン(1)の合成:
磁性撹拌、浸漬温度計、および窒素バブラーを備えた3つ口100mL丸底フラスコ内に、メタノール(10mL)中の5−ピリミジンカルボキサルデヒド−2−メチル(1g、0.0082mol.)を装填して、0℃に冷却した。メチルアミン(20.5mL、0.0409mol.)および酢酸(2.4mL、0.0409mol.)を反応に添加して、0℃に保った。生じた暗黄色の溶液を2時間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.05g、0.0328mol.)を10分間かけて添加した。反応塊を室温で2〜3時間撹拌した。反応の進行は、TEA(1%)添加メタノール:ジクロロメタン(0.5:9.5)を移動相とする、シリカゲル上のTLC分析によってモニターした。それは、室温での撹拌3時間後に、出発原料が消費されたことを示す。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水でクエンチして、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×15mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発によって濃縮して、0.5gの粗製化合物をもたらした。粗製物は、固定層としてシリカ60/120、移動相としてジクロロメタン:メタノールを使用する、カラム精製を受けた。カラムにジクロロメタンを充填して、1%TEA添加ジクロロメタン中の0.5.0%〜3.0%メタノールの画分収集から開始する勾配様式で、メタノールで溶出を開始した。化合物は、1%TEA添加ジクロロメタン中の2.5%メタノールで溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、化合物200mgの純粋生成物を得た。(収率17.78%)。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−メチル−N−((2−メチルピリミジン−5−イル)メチル)アクリルアミドの合成:
窒素入口を備えた25mLの3つ口丸底フラスコ内に、ジクロロメタン(2mL、10V)と共に、N−メチル−1−(2−メチルピリミジン−5−イル)メタンアミン(1)(0.1g、1.0eq.)および(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.178g、0.7eq.)を装填した。反応混合物を−20℃に冷却して、次にT3P(EtOAc中の50%)(0.550mL、1.2eq.)を添加し、それに続いてDIPEA(0.250mL、2eq.)を反応混合物に添加した。透明な反応混合物を−20℃で30分間撹拌した。反応の進行は、ジクロロメタン中の5%メタノールを移動相として、UVによって可視化される、シリカゲル上のTLC分析によって追跡し、それは出発原料が−30℃で30分の撹拌後に消費されたことを示す。反応混合物をジクロロメタンによって希釈して水洗し(2×10mL)、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、回転蒸発(25℃、20mmHg)tによって濃縮し、粗製化合物(0.2g)をもたらした。60/120メッシュシリカおよび移動相としてメタノール:ジクロロメタンを使用して、カラムクロマトグラフィーによって、粗製反応混合物を精製した。カラムにジクロロメタンを充填して、画分収集(500mL画分)から開始する勾配様式で、MeOHで溶出を開始した。化合物は、ジクロロメタン中の2%メタノールから溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、純粋化合物0.01g収率(4.19%)を得た。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−メチル−N−((2−メチルピリミジン−5−イル)メチル)アクリルアミド:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.02(s,1H),8.65(s,2H),8.52−8.59(m,3H),7.15−7.17(d,J=10.8Hz,1H),6.02−6.04(d,J=10.4Hz,1H),4.69(s,2H),3.07(s,3H),2.75(s,3H).C20H16F6N6OのLCMS[M+H]+470.4室温で4.215分間の実測値471.20、純度(91.16%)。
実施例19
(Z)−tert−ブチル3−((3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリルアミド)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1)の合成:
50mLの3つ口丸底フラスコ内で、(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.2g、1.0eq.)およびtert−ブチル−3−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.134g)をジクロロメタン(5.0mL)に溶解し、T3P(50%)(0.453g)を添加した。DIPEA(0.147g)を窒素雰囲気下で添加した。反応の進行は、5%メタノール:ジクロロメタンを移動相として、U.V光によって可視化される、TLC上のTLC分析によって追跡した。反応混合物を回転蒸発(40℃、20mmHg)によって濃縮して、0.35gの白色固体をもたらした。シリカ60/120および移動相としてメタノール:ジクロロメタンを使用して、カラムクロマトグラフィーによって、生じた粗製化合物を精製した。カラムにジクロロメタンを充填して、ジクロロメタン中の2%〜4%メタノールの画分収集から開始する勾配様式で、メタノールで溶出を開始した。化合物は、ジクロロメタン中の3%メタノールで溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、化合物(230mg)収率80%を得た。
(Z)−tert−ブチル−3−((3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリルアミド)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート:1H NMR(400MHz,DMSO)δ :9.61(s,1H),8.52−8.57(q,3H),8.28(s,1H),7.37−7.39(d,J=10.4Hz,1H),5.95−5.97(d,J=10.4Hz,1H),3.74−3.87(br.s,2H),3.06(s,2H),2.67−2.77(m,1H),1.46(brs,2H),1.31(s,9H).C24H27F6N5O3のLCMS[M+H]+547.49室温で3.51分間の実測値548.6、純度(96.47%)。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(ピペリジン−3−イルメチル)アクリルアミドの合成:
25mLの1口丸底フラスコ内で、(Z)−tert−ブチル3−((3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリルアミド)メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1)(0.1g)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、ジクロロメタンに溶解したTFA(1.0mL)を滴下して添加した。反応の進行は、UV可視化中で、ジクロロメタン中の10%メタノールを移動相とする、シリカゲル上のTLC分析によって追跡した。反応混合物を回転蒸発(40℃、20mmHg)によって濃縮し、0.12gの化合物をもたらした。生じた粗製化合物を「SAEx」カラムクロマトグラフィーによって精製した。画分を合わせて収集し、化合物(40mg)収率49%を得た。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(ピペリジン−3−イルメチル)アクリルアミド1H NMR(400MHz,DMSO)δ :9.69(s,1H),8.61(s,2H),7.94(s,1H),7.13−7.16(d,J=10.8Hz,1H),6.55(s1H),5.66−5.68(d,J=10.8Hz,1H),3.23−3.37(m,2H),2.98−3.10(m,2H),2.58−2.65(t,1H),2.40−2.45(t,1H),1.68−1.80(m,2H),1.43−1.54(m,1H),1.15−1.29(m,1H).C19H19F6N5OのLCMS[M+H]+447.38室温で3.13分間の実測値448.44、純度(99.12%)。
実施例20
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成:
窒素入口を備えた100mLの3つ口丸底フラスコ内に、ジクロロメタン(20mL、20V)中の(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(4)(1g、1.0eq.)を装填した。反応混合物を0℃に冷却した。HOBT(0.461g、1.2eq.)、EDC.HCl(0.819g、1.5eq.)、3,3−ジフルオロピロリジン塩酸塩(0.490g、1.2)、およびDIPEA(0.731mL、1.5eq.)を反応混合物に添加した。透明な反応混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応の進行は、ジクロロメタン中の5%メタノールを移動相として、UVによって可視化される、TLC分析によって追跡した。反応混合物を水(50mL)中でクエンチした。有機層が分離し、水層をジクロロメタン(20×2)で抽出した。合わせた有機層を鹹水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させて、回転蒸発(25℃、20mmHg)によって濃縮し、0.67gの粗製化合物をもたらした。60/120メッシュシリカおよび移動相としてメタノール:ジクロロメタンを使用して、カラムクロマトグラフィーによって、粗化合物を精製した。カラムにジクロロメタンを充填して、画分収集(25mL画分)から開始する勾配様式で、MeOHで溶出を開始した。化合物は、ジクロロメタン中の0.9〜1.0%メタノールから溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、純粋化合物0.115g収率(9.2%)を得た。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.25−9.30(d,1H),8.59(s,2H),7.94(s,1H),7.17−7.28(m,J=10.8Hz,1H),5.82−5.91(m,J=10.8Hz,1H),3.78−4.00(m,4H),2.41−2.54(m,2H);C17H12F8N4OのLCMS[M+H]+440.29室温で2.982分間の実測値441.39、純度(99.75%)。
実施例21
中間体2の合成
窒素入口およびゴム隔膜を装着し、温度計ポケットを備えた250mLの3つ口丸底フラスコ内で、DMF(40mL、14.67eq.)を−10℃に冷却して、POCl
3(10.58mL、3.21eq.)を添加した。反応混合物を0℃で3時間撹拌した。この反応混合物に、ブロモ酢酸(5g、1eq.)を0℃で添加した。生じた反応混合物を85〜90℃で6時間撹拌した。6時間の撹拌完了後、DMFを高真空蒸留によって除去した。暗赤色残渣が観察され、残渣を室温に冷却して、テトラフルオロホウ酸ナトリウムを残渣に添加したところ、発熱が観察された。氷浴を使用して、反応塊を冷却した。固体残渣(6.5g)が観察され、それを濾過して、次の段階で直接使用した。
中間体3の合成
水凝縮器、窒素入口、およびゴム隔膜を装着し、温度計ポケットを備えた100mLの3つ口フラスコ内で、ビナミジニウム(vinamidium)塩(5.65g、0.5eq.)およびアセトアミジンHCl(3g、1eq)をエタノール(30mL)に溶解し、ナトリウムエトキシドを添加して、生じた反応混合物を還流させて2〜3時間撹拌した。反応の進行は、70%酢酸エチル−ヘキサンを移動相とする、シリカゲル上のTLC分析によって追跡し、それは出発原料が3時間後に消費されたことを示す。溶媒を減圧下で除去して粗製塊を得て、それを水に溶解し、化合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させて減圧下で蒸留し、粗製物を得た。粗製物は、固定層としてシリカ60/120および移動相としてヘキサン:酢酸エチルを使用する、カラム精製を受けた。カラムにヘキサンを充填して、ヘキサン中の20〜24%酢酸エチルからの画分収集から開始する勾配様式で、酢酸エチルで溶出を開始した。化合物は、ヘキサン中の22%酢酸エチルで溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、化合物700mgを得た。
中間体4の合成
窒素入口およびゴム隔膜を装着し、温度計ポケットを備えた50mLの3つ口丸底フラスコ内で、メチル臭化マグネシウム(2.47mL、1.0eq.)を中間体3(1.0g、1.0eq.)に−30℃で添加した。生じた反応混合物を30℃で撹拌した。反応の進行は、70%EtOAc−ヘキサンを移動相とする、シリカゲル上のTLC分析によって追跡し、それは30分の撹拌後にわずかな出発原料が観察されたことを示し、反応は室温で1時間再度撹拌された。反応を冷水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、減圧下で蒸留し、粗製物を得た。粗製物は、固定層としてシリカ(60−120メッシュサイズ)移動相として酢酸エチル:ヘキサンを使用する、カラム精製を受けた。必要とされる化合物は、25%酢酸エチル:ヘキサンで溶出した。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、化合物1.5g収率(82.41%)を得た:LCMS(%):滞留時間:4.532分間。(84.82%)(M+H)
+139。
中間体5の合成
窒素入口およびゴム隔膜を装着し、温度計ポケットを備えた25mLの3つ口丸底フラスコ内で、中間体4(0.25g、1.0eq.)をトルエン(5mL)に溶解した。この反応混合物に、アジ化ホスホリルジフェニル(0.87mL、2.4eq.)およびDBU(0.65mL、2.4eq.)を温度0℃で添加した。生じた反応混合物を0℃で30分間、室温で3〜4時間、撹拌した。反応の進行は、70%EtOAc−ヘキサンを移動相とする、シリカゲル上のTLC分析によって追跡し、それは出発原料が4時間後に消費されたことを示す。反応を氷冷水中でクエンチし、酢酸エチル(50×3mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、粗化合物を得た。粗製化合物は、移動相として酢酸エチル:ヘキサンを使用する、カラム精製を受けた。化合物は、ヘキサン中の30%酢酸エチルで溶出した。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、化合物0.14g収率(29.7%)を得た;LCMS(%):滞留時間:2.454分間(14.35%)、(M+H)
+164。
中間体6の合成
ゴム隔膜を備えた25mLの1口丸底フラスコ内で、中間体5(0140g)、パラジウム炭素(0.07g)をメタノール(2mL)に懸濁して、それをH
2でパージした。生じた反応混合物を室温で撹拌した。反応の進行は、5%メタノール−ジクロロメタンおよびアンモニア雰囲気を移動相とする、シリカゲル上のTLC分析によって追跡し、それは出発原料が15時間後に消費されたことを示す。反応をセライト床を通して濾過し、濾液減圧下で濃縮して、粗製物(0.19g)を得た。粗製物は、固定層としてシリカおよび移動相として1%TEA添加MeOH:ジクロロメタンを使用する、カラム精製を受けた。必要とされる化合物は、1%TEA添加2%MeOH:ジクロロメタンを移動相として溶出した。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、化合物0.09g収率(76.9%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO):δ=8.73(s,2H),5.72(ブロード一重項,2H D2O交換可能),4.187−4.23(四重項,2H),2.6(s,3H),1.38−1.4(d,3H);LCMS(%):LC−MS滞留時間:5.457分間(1.2%)(M+H)
+138。
窒素入口を備えた250mLの3つ口丸底フラスコ内に、ジクロロメタン(5mL、10V)と共に、中間体1(0.19g、1.0eq.)を装填した。反応混合物を−20℃に冷却し、次に反応混合物に、1−(5−メチルピリミジン−2−イル)エタンアミン(0.09g、1.2eq.)、T3P(EtOAc中の50%)(0.2mL、1.2eq.)を添加し、それに続いてDIPEA(0.18mL,2eq.)を滴下して添加した。透明な反応混合物を−20℃で30分間撹拌した。反応の進行は、ジクロロメタン中の5%メタノールを移動相として、UVによって可視化される、シリカゲル上のTLC分析によって追跡した。反応混合物を回転蒸発(25℃、20mmHg)によって濃縮し、粗製化合物をもたらした。60/120メッシュシリカおよび移動相としてメタノール:ジクロロメタンを使用して、カラムクロマトグラフィーによって、粗製反応混合物を精製した。カラムにジクロロメタンを充填し、画分収集(500mL画分)から開始する勾配様式で、MeOHで溶出を開始した。化合物は、ジクロロメタン中の5%メタノールから溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、純粋化合物0.5gm収率(20%)を得た。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(1−(5−メチルピリミジン−2−イル)エチル)アクリルアミド;1H NMR(400MHz,DMSO)δ=9.48(s,1H),9.01−8.99(d,J=8Hz,1H),8.64(s,2H),8.47(s,2H),8.28(s,1H),7.42−7.39(d,J=10.4Hz,1H),6.01−5.99(d,J=10.4Hz,1H),5.058(m,1H),2.53(s,3H),1.44−1.42(d,J=7.2Hz,3H)C20H16N6F6OのLCMS[M+H]+470.35室温で2.775分間の実測値471.49、純度(97.38%)。
実施例22
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−メチル−N−(オキサゾール−5−イルメチル)アクリルアミドの合成:
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−メチル−N−(オキサゾール−5−イルメチル)アクリルアミド(0.15g、0.34mmol)をTHF(30mL)に溶解した。反応混合物を0℃に冷却した。NaH(0.012g、0.52mmol)を添加して、反応混合物を0.5時間撹拌した。ヨウ化メチル(1.5mL)を同一温度で滴下して添加した。透明な反応混合物を0℃で1.5時間さらに撹拌した。反応混合物を20mLの氷水中で分配し、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和鹹水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させて、減圧下で濃縮して、0.180gの粗生成物をもたらし、それをカラムクロマトグラフィー(0−2%メタノール:DCM)によって精製して、15mgの(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−メチル−N−(オキサゾール−5−イルメチル)アクリルアミドを得た(収率:9.6%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ=9.01(s,1H);8.61(s,1H);8.48(s,1H);8.39(s,1H);8.30(s,1H);8.07(s,1H);7.38−7.41(d,J=10Hz,1H);6.99(s,1H);6.23−6.26(d,J=10Hz,1H);4.72(s,1H);4.62(s,1H);3.02(s,3H)C
18H
14F
6N
5O
2のLCMS[M+H]
+:446.32実測値446.03(滞留時間:3.432分間)。
実施例23
窒素入口を備えた100mLの3つ口丸底フラスコ内で、中間体4(1g、1.0eq.)をジクロロメタン(20mL、20V)に溶解した。反応混合物を0℃に冷却した。HOBT(0.461g、1.2eq.)、EDC.HCl(0.819g、1.5eq.)、アゼチジン(0.195g、1.2eq.)、およびDIPEA(0.731mL、1.5eq.)を反応混合物に添加して、透明な反応混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応の進行は、ジクロロメタン中の5%メタノールを移動相として、UVによって可視化される、TLC分析によってモニターした。反応混合物を50mLの水中でクエンチして、ジクロロメタン層が分離され、水層をジクロロメタン(20×2)で抽出した。合わせた有機層を鹹水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させて、減圧下で回転蒸発(25℃、20mmHg)によって濃縮し、0.980gの粗製化合物をもたらした。60/120メッシュシリカおよび移動相としてメタノール:ジクロロメタンを使用して、カラムクロマトグラフィーによって、粗化合物を精製した。カラムにジクロロメタンを充填して、勾配様式でMeOHで溶出した。化合物は、ジクロロメタン中の0.9〜1.0%メタノールから溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、純粋化合物0.225gm収率(20.25%)を得た。
(Z)−1−(アゼチジン−1−イル)−3−(3−(3、5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1、2、4−トリアゾール−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 9.87(s,1H),8.62(s,2H),7.93(s,1H),7.18−7.20(d,J=10.8Hz,1H),5.65−5.68(d,J=10.8Hz,1H),4.26−4.30(t,2H),4.16−4.20(t,2H),2.34−2.42(m,2H);C16H12F6N4OのLCMS[M+H]+390.28室温で2.935分間の実測値391.39、純度(100%)。
実施例24
窒素入口およびゴム隔膜を備えた50mLの3つ口丸底フラスコ中で、中間体4(酸)をジクロロメタン(5mL)に懸濁した。中間体5aおよびDIPEAおよびT3P(酢酸エチル中の50%)を−20℃で添加して、反応を同一温度で50〜60分間撹拌した。反応の進行は、移動相として30%アセトン−ヘキサンを使用する、TLCによって追跡した。次に反応混合物を30℃で20ミリバールの真空下で濃縮し、生じた粗製化合物を、移動相としてヘキサンおよびアセトンを使用するフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。粗製化合物混合物を15〜20%アセトン−ヘキサンで溶出して、純度55.91%(収率:200mg)の半ば純粋な化合物をもたらした;LCMS:m/z 468.03(M+1)。同一溶媒比を使用して、フラッシュクロマトグラフィーによって、この半ば純粋な化合物をさらに精製して100mgをもたらし、移動相として30%アセトン−ヘキサンを使用してそれを分取TLCによってさらに精製して、14mgの生成物(収率15%)をもたらした。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6,ppm)δ=9.63(s,1H);8.63−8.60(t,1H);8.53(s,2H);8.29(s,1H);7.39−7.37(d,J=10.4Hz,1H);6.01−5.99(d,J=10.4Hz,1H);5.46−5.44(d,J=5.5Hz,1H);3.82−3.77(m,2H)3.63−3.59(m,2H):C
21H
16F
6N
5Oについて計算されたLCMS[M+H]
+468.13、実測値468.3(滞留時間:3.719分間)。
実施例25
50mLの3つ口丸底フラスコ内で、(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.529g、0.91eq.)および1−(アゼチジン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン塩酸塩(0.250g、1.0eq)を、窒素雰囲気下でDMF(10mL、15Vol)に溶解した。次にT3P(1.055g、1.0eq.)、それに続いてDIPEA(0.748g、3.5eq.)を緩慢に添加して、反応混合物を0℃で30〜45分間撹拌した。反応完了は、アンモニア雰囲気内のジクロロメタン中の5%メタノールを移動相として使用する、TLCによって確認された。反応を氷冷水中でクエンチし、酢酸エチルで抽出して、水層を酢酸エチル(100mL×2)で洗浄した。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4上で乾燥させて濾過し、回転蒸発(40℃、20mmHg)によって濃縮して、灰色がかった半固体(0.490g)をもたらした。生成物は、アンモニア雰囲気内の4%メタノールおよびジクロロメタンを使用する、分取TLCによって精製し、30mgの化合物(4.0%)をもたらした。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3−((ジメチルアミノ)メチル)アゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHzDMSO)δ 9.80−9.84(d,J=17.6Hz,1H),8.62(s,2H),7.93(s,1H),7.19−7.22(d,J=10.4,1H),5.63−5.67(d,J=10.8,1H),4.30−4.35(t,1H),4.21−4.26(t,1H),3.89−3.93(q,1H),3.76−3.80(q,1H),2.84−2.87(q,1H),2.50−2.61(m,2H),2.24(s,6H);C19H19F6N5OのLCMS[M+H]+447.38室温で3.77分間の実測値448.05、純度(84.74%)。
実施例26
50mLの3つ口丸底フラスコ内で、窒素雰囲気下において、(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(中間体−4)(0.200g、1.0eq.)および(1−メチルピペリジン−4−イル)メタンアミン(0.073g、1eq.)をジクロロメタン(10.0mL)に懸濁して、T3P(50%)(0.432g、1.2eq.)とそれに続いてDIPEAを添加して、温度を−40℃に保った(0.147g、2.0eq.)。反応の進行は、アンモニア雰囲気内の5%メタノール:ジクロロメタンを移動相として、UV光によって可視化される、TLC上のTLC分析によって追跡した。反応混合物を回転蒸発(35℃、20mmHg)によって濃縮して、0.250gの油をもたらした。生じた粗製化合物は、アンモニア雰囲気内のメタノール:ジクロロメタン(5:5)を移動相として使用する、分取TLCによって精製し、40mg(収率−15%)の純粋化合物をもたらした;
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−((1−メチルピペリジン−4−イル)メチル)アクリルアミド:1H NMR(400MHz,DMSO)δ,9.59(s,1H),8.52(s,2H),8.46−8.49(t,1H),8.29(s,1H),7.35−7.37(d,J=10.4Hz,1H),5.95−5.98(d,J=10.4Hz,1H),3.03−3.06(m,2H),2.67−2.70(m,2H),2.09(s,3H),1.69−1.74(m,2H),1.56−1.59(m,2H),1.07−1.17(m,2H);C20H21F6N5OのLCMS[M+H]+461.4室温で3.69分間の実測値462.5、純度(94.31%)。
実施例27
50mLの3つ口丸底フラスコ内で、窒素雰囲気において、中間体4(酸)(0.100g、1.0eq.)および(1−メチルピペリジン−3−イル)メタンアミン(0.036g、1.0eq.)をジクロロメタン(10.0mL)に懸濁し、次にT3P(50%)(0.216g、1.2eq.)およびDIPEA(0.073g、2.0eq.)を−40℃で添加した。反応の進行は、アンモニア雰囲気内の5%メタノール:ジクロロメタンを移動相として、UV光によって可視化される、TLC上のTLC分析によって追跡した。反応混合物を回転蒸発(35℃、20mmHg)によって濃縮して、0.120gの油をもたらした。生じた粗製化合物は、アンモニア雰囲気内のメタノール:ジクロロメタン(5:5)を移動相として使用する、分取TLCによって精製し、11mg(収率−15%)の純粋化合物をもたらした;
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−((1−メチルピペリジン−3−イル)メチル)アクリルアミド:1H NMR(400MHz,DMSO)δ,9.72(s,1H),8.61(s,2H),7.94(s,1H),7.14−7.16(d,J=10.8Hz,1H),5.66−5.68(d,J=10.8Hz,1H),3.71−3.76(m,2H),3.31(m,2H),2.73−2.79(m,2H),2.26(s,3H)2.02(m,1H),1.87(m,2H),1.73(m,2H)C20H21F6N5OのLCMS[M+H]+461.4室温で3.81分間の実測値462.5、純度(88.64%)。
実施例28
(Z)−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[b]ピリジン−5−オンオキシムの合成
100mLの3つ口丸底フラスコ内で、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[b]ピリジン−5−オン(2.0g、1.0eq.)をEtOH(24.0mL)およびH2O(6.0mL)に室温で溶解した。次に酢酸ナトリウム三水和物(8.175g、4.0eq.)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(4.174g、4.0eq.)を同一温度で添加した。反応の進行は、アンモニア雰囲気内の5%メタノール:ジクロロメタンを移動相として、U.V光によって可視化される、TLC分析によって追跡した。反応混合物を50mLの水中でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を回転蒸発(35℃、20mmHg)によって濃縮して、2.10gの粗製化合物をもたらし、それを精製することなく次の段階で使用した。
6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[b]ピリジン−5−アミンの合成
50mLの3つ口丸底フラスコ内で、中間段階(1)(1.0g、1.0eq.)をMeOH(15.0mL、15V)に室温で溶解した。塩化ニッケル六水和物(0.010g)を同一温度で、この反応混合物に添加した。反応混合物を−40℃に冷却し、NaBH4(2.5g、10.0eq.)を同一温度で、30分間かけて小分けして添加した。反応の進行は、アンモニア雰囲気内の5%メタノール:ジクロロメタンを移動相として、U.V光によって可視化される、TLC上のTLC分析によって追跡した。反応混合物を50mLの水中でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機相を回転蒸発(35℃、20mmHg)によって濃縮して、0.64gの粗製化合物をもたらし、それを精製することなく次の段階で使用した。
窒素入口を備えた100mLの3つ口丸底フラスコ内で、酸(0.327g、1.0eq.)をジクロロメタン(20mL)に溶解した。この反応混合物に、(1a)(0.150g、1.2eq.)を添加して、反応混合物を−70℃に冷却した。T3P(プロピルホスホン酸無水物(Propyl phosponic anhydride))(0.665mL、1.2eq.)を滴下して添加し、DIPEA(0.318mL、2.0)がそれに続いた。反応の進行は、アンモニア雰囲気内の5%メタノール:ジクロロメタンを移動相として、UV光によって可視化される、シリカゲル上のTLC分析によって追跡した。反応混合物を50mLの水中でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を回転蒸発(35℃、20mmHg)によって濃縮して、0.369gの粗製化合物をもたらし、それをカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物はジクロロメタン中の0.6%メタノールで溶出し、0.017gの純粋生成物が得られた。(収率3.90%);
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[b]ピリジン−5−イル)アクリルアミド:1H NMR(400MHz,DMSO)δ 9.61(s,1H),9.03−9.01(d,1H),8.54(s,2H),8.49−8.47(d,1H),8.307(s,1H),8.02−8.00(d,1H),8.19−8.18(m,1H),7.45−7.42(d,J=10.4Hz,1H),5.97−5.45(d,J=10.4Hz,1H),5.53−5.47(m,1H),3.12−3.03(m,1H),2.50−2.28(m,2H),2.03−2.02(m,1H).C21H15F6N5OのLCMS[M+H]+室温で3.21分間の実測値480.44、純度(95.48%)。
実施例29
1−(ピラジン−2−イル)エタンアミンの合成
磁気撹拌機と浸漬温度計を備えた3つ口100mL丸底フラスコに、1−(ピラジン−2−イル)エタノン(1.0g、1.0eq.)、MeOH(30mL)、および酢酸アンモニウム(6.31g、10eq.)を室温で添加した。この反応混合物に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.360g、0.7eq.)を添加して、反応塊を一晩室温で撹拌した。反応の進行は、MeOH:ジクロロメタン(2.5%)を移動相として、UVによって可視化される、シリカゲル上のTLC分析によってモニターした、SMRf=0.70および生成物Rf=0.20。反応混合物を濃縮し、水(100mL)中に注ぎ入れて、水性NaOH溶液を使用して塩基性化した(PH=13)。生じた混合物をジクロロメタン(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を鹹水(2×50mL)で洗浄して、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発によって濃縮し、0.3gの所望のアミンをもたらした収率:30%。
隔膜、窒素バブラー、および温度計ポケットを備えた100mLの3つ口丸底フラスコ内で、中間体1A(0.300g、1.0eq.)をジクロロメタン(20mL)に溶解した。中間体1A(0.126g、1.2eq.)の2つめの部分を添加して、反応混合物を−60℃に冷却した。この反応混合物に、T
3P(プロピルホスホン酸無水物)(0.60mL、1.2eq.)およびDIPEA(0.29mL、2.0eq.)を同一温度で添加して、混合物を30分間撹拌した。反応の進行は、5%MeOH:ジクロロメタンを移動相として、UVによって可視化される、シリカゲル上のTLC分析によって追跡した、SMRf=0.20および生成物Rf=0.50。次に反応混合物を水(100mL)中に注ぎ入れて、ジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(2×50mL)で洗浄し、無水MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発(25℃、20mmHg)によって濃縮して粗製化合物をもたらし、シリカ60/120および移動相としてMeOH:ジクロロメタンを使用する、カラムクロマトグラフィー(直径:2.5cm)によって精製した。カラム精製は、ジクロロメタン中の0.5%MeOHで開始して、最大ジクロロメタン中の2.0%MeOH。所望の生成物は、1.5%メタノールで溶出し始めた。40℃/250mmHgでの回転蒸発を使用して、化合物を含有する画分を蒸留し、0.2gの純粋化合物を得た。収率:51.4%;
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−(1−(ピラジン−2−イル)エチル)アクリルアミド:1H NMR(400MHz,DMSO)δ,9.52(s,1H),8.28−9.13(m,6H),7.40−7.42(d,J=10.4Hz,1H),6.04−6.07(d,J=10.4Hz,1H),5.12−5.19(m,1H),1.46−1.47(d,3H);C19H14F6N6OのLCMS[M+H]+456.3室温で2.894分間の実測値457.44、純度(99.91%)。
実施例30
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−((1−メチルピロリジン−3−イル)メチル)アクリルアミドの合成:
50mLの3つ口丸底フラスコ内で、(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.100g、1.0eq)および(1−メチルピロリジン(methylpyrolidin)−3−イル)メタンアミン(0.035g、1.1eq)をDMF(10mL)に溶解し、DIPEA(0.073mg、2.0eq.)添加PYBROP(0.140g、1.1eq.)を窒素雰囲気下で添加した。反応の進行は、アンモニア雰囲気内の0.5%メタノール:ジクロロメタンを移動相として、UV光によって可視化される、シリカゲル上のTLC分析によって追跡した。反応混合物を氷水中でクエンチし、化合物を酢酸エチル(25×3mL)で抽出して、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発(25℃、20mmHg)によって濃縮して、0.232gの固体粗製物をもたらした。精製は、ジクロロメタンおよびメタノール中のカラムクロマトグラフィーによって達成された。化合物は、アンモニア添加ジクロロメタン中の10%メタノールで溶出し始めた。25℃、20mmHgでの回転蒸発を使用して、化合物を含有する画分を蒸留して取り出し、98.0mgの純粋化合物をもたらした。収率:77%。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−((1−メチルピロリジン−3−イル)メチル)アクリルアミド:1H NMR(400MHz,DMSO)δ 9.83(s,1H),8.61−8.65(d,J=12.4Hz,2H),7.93(s,1H),7.31−7.15(d,J=10.8Hz,1H),5.69−5.71(d,J=10.8Hz,1H),3.34−3.43(m,2H),2.87−2.91(m,1H),2.63−2.65(d,J=9.2Hz,1H),2.41−2.54(m,2H),2.73(s,3H),2.05−2.11(m,2H),1.71(s,1H),C19H19F6N5OのLCMS[M+H]+447.24室温で6.50分間の実測値448.26、純度(89.08%)。
実施例31
50mLの3つ口丸底フラスコ内で、中間体4(0.2g、1.0eq.)をジクロロメタン:酢酸エチル(25.0mL、1:1)に添加した。次に(2,4−ジメチルピリミジン−5−イル)メタンアミン(0.078g、1eq.)を−40℃で添加した。T3P(50%酢酸エチル)(0.432g、1.2eq.)およびDIPEA(0.147g、2.0eq.)を同一温度で同時に添加し、反応混合物を−40℃で30分間撹拌した。反応の進行は、アンモニア雰囲気内の5%メタノール:ジクロロメタンを移動相として使用し、U.V光によって可視化される、TLCによってモニターした。反応混合物を回転蒸発(35℃、20mmHg)によって濃縮して、0.270gの油をもたらした。生じた粗製混合物は、ジクロロメタン:メタノールを移動相として使用するカラムクロマトグラフィーによって精製し、化合物は、ジクロロメタン中の4%メタノールで溶出した。化合物含有画分を減圧下で濃縮して、80mg(収率29.85%)の純粋な化合物を得た。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−N−((2,4−ジメチルピリミジン−5−イル)メチル)アクリルアミド:1H NMR(400MHz,DMSO)δ,9.57(s,1H),8.91−8.94(t,1H),8.51(s,2H),8.43(s,1H),8.29(s,1H),7.40−7.42(d,J=10.4Hz,1H),5.98−6.01(d,J=10.4,1H),4.37−4.38(d,J=5.6Hz,2H),3.35(s,3H),2.50(s,3H);C20H16F6N6OのLCMS[M+H]+470.37室温で2.69分間の実測値471.25、純度(99.89%)。
実施例32
(Z)−3−(3−(4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成
窒素入口を備えた50mLの3つ口丸底フラスコ内で、中間体3(0.1g、1.0eq.)をDMF(5mL)に溶解した。この反応混合物にDABCO(0.071g、2eq.)を添加して、30分間撹拌した。次に(Z)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−ヨードプロプ−2−エン−1−オン(0.095g、1.1eq.)を添加して、反応混合物を室温で5時間撹拌した。反応の進行は、ジクロロメタン:メタノール(9.5:0.5)移動相、およびUVによる可視化を使用する、TLC分析によって追跡した。反応混合物を氷水(50mL)中に注ぎ入れて、次にEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水、(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発(25℃、20mmHg)によって濃縮して、0.150gの粗製化合物をもたらし、それを分取TLCによって精製して、純粋化合物0.004g収率(3%)を得た。
(Z)−3−(3−(4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHz,DMSO)δ=9.32(s,1H),8.46(s,1H),8.32(s,1H),7.47−7.49(d,J=10.4Hz,1H),6.00−5.04(d,J=10.4Hz,1H),4.55−4.58(m,2H),4.33−4.36(m,2H)C16H9ClF8N4OのLCMS[M+H]+:460.7、2.99分間の滞留時間での実測値:461.14、純度98.77%
実施例35
25mlの封管内で、NaH(0.064g、1.5eq.)をTHF(10mL)に懸濁して、次に0℃に冷却した。この混合物に、THF中の中間体3(0.3g、1.0eq.)の溶液を0℃で滴下して添加し、次に混合物を還流下で80℃で2時間加熱した。反応の進行は、ヘキサン中の10%酢酸エチルを移動相とする、TLC分析によって追跡した。次に反応混合物を濃縮して、生じた塊を酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(2×100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発(40℃、20mmHg)によって濃縮し、0.43gの粗製混合物をもたらした。ヘキサン中の酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィーによって、混合物を精製した。化合物は、25%酢酸エチルヘキサン中で溶出し、ヘキサン中の10%アセトンからなる移動相を使用する分取TLCによって、シス生成物を単離した。得られた純粋生成物は0.016gであった;
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ,8.78−8.79(d,J=2.4,1H),8.28(s,2H),7.19−7.22(d,J=10.8Hz,1H),6.81−6.82(d,J=2.4,1H),5.44−5.47(d,J=10.8Hz,1H),4.44−4.51(m,4H);C17H11F8N3OのLCMS[M+1]+425.28室温で3.202分間の実測値426.09、純度(22.42%)。
実施例40
隔膜、窒素バブラー、および温度計ポケットを備えた25mLの3つ口丸底フラスコ内に、中間体1(酸)(0.080g、1.0eq.)およびジクロロメタン(6.0mL)を添加した。次に3,3−ジフルオロアゼチジン.HCl(0.0.035g、1.2eq.)を添加して、反応混合物を−60℃に冷却した。この混合物に、T
3P(プロピルホスホン酸無水物)(0.161ml、1.2eq.)およびDIPEA(0.077ml、2.0eq.)を同一温度で添加して、生じた混合物を1時間撹拌した。反応の進行は、5%MeOH:ジクロロメタンを移動相として、UVによる可視化を使用する、TLC分析によって追跡した、SMRf=0.20および生成物Rf=0.70。次に反応混合物をD
2O(10mL)中に注ぎ入れて、ジクロロメタン(2×20ml)で抽出した。合わせた有機層を無水MgSO
4上で乾燥させて濾過し、回転蒸発(25℃、20mmHg)によって濃縮して、粗製化合物をもたらし、シリカ60/120および移動相としてMeOH:ジクロロメタンを使用して、カラムクロマトグラフィーによって精製した。カラム精製は、ジクロロメタン中の1.5%MeOHで開始して、最大ジクロロメタン中の2.0%MeOH。所望の生成物は1.5%メタノールで溶出し始め、回転蒸発を使用して、化合物を含有する画分を40℃/250mmHgで蒸留して、0.020gの純粋化合物を得た。収率:20%。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 9.63−9.66(d,J=10.8Hz,1H),8.61(s,2H),7.95(s,1H),7.24−7.27(t,J=4.4Hz,1H),5.67−5.69(d,J=10.8Hz,1H),4.46−4.60(m,4H);化学式:C
16H
8D
2F
8N
4OのLCMS[M+H]
+428.28室温で2.992分間の実測値429.14、純度(98.62%)。
実施例43
中間体1の合成
窒素入口、温度計ポケット、および栓を備えた100mLの3つ口丸底フラスコ内で、3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニルアセトニトリル(1.4mL、1.0eq.)をTHF(20mL、10V)に溶解した。反応混合物を−78℃に冷却した。この反応混合物に、NaHMDS(35%inTHF)(4.34mL、1.05eq.)を滴下して添加した。付加反応完了後、混合物を10℃にして、15分間撹拌した。この反応混合物を再度−78℃に冷却して、ブロモ酢酸エチル(0.87mL、1.0eq.)を添加した。反応混合物を室温にした。この反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行は、20%酢酸エチルーヘキサンを移動相とするTLC分析によってモニターした。反応混合物を水(50mL)中に注ぎ入れて、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水で洗浄し(50mL)、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発によって濃縮し、3.5gの粗製化合物をもたらした。60/120メッシュシリカおよび移動相として酢酸エチル:ヘキサンを使用して、カラムクロマトグラフィーによって、粗化合物を精製した。カラムにヘキサンを充填して、画分収集(25mL画分)から開始する勾配様式で、酢酸エチルで溶出を開始した。化合物は、ヘキサン中の4%〜6%酢酸エチルで溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、純粋化合物1.2gm収率(44.94%)を得た。
中間体2の合成
窒素入口、温度計ポケット、および栓を備えた100mLの3つ口丸底フラスコ内で、中間体1(1.2g、1.0eq.)をMeOH(48mL、40V)に溶解した。ジクロロコバルト六水和物(1.68g、2.0eq.)を小分けして添加した。反応混合物を20℃に冷却した。この反応混合物中に、温度を25℃未満に保って、NaBH
4(1.98g、15eq.)を小分けして緩慢に添加した。次に反応混合物を25℃で18時間撹拌した。反応の進行は、ヘキサン中の50%酢酸エチルを移動相とする、TLC分析によって追跡した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(25mL)と水(25mL)の間で分配した。セライトを通して反応混合物を濾過し、有機層を分離して、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発によって濃縮した。この粗製化合物を石油エーテルと共に磨砕して、0.5gの純粋化合物をもたらした。(収率47.61%)。
中間体3の合成
窒素入口、温度計ポケット、および栓を備えた100mLの3つ口丸底フラスコ内で、中間体2(1.0g、1.0eq.)をTHF(20mL、20V)に溶解した。反応混合物を0℃に冷却した。この反応混合物に、温度を0℃に保って、LAH(6.7mL、2.0eq.)を滴下して添加した。添加完了後、反応混合物の温度を室温にして、次に70℃で1時間還流させた。反応の進行は、5%MeOH:DCMを移動相とする、TLC分析によって追跡した。反応混合物を0℃に冷却した。1.5mLの5%KOH溶液の添加によって、反応混合物をクエンチした。次に反応塊をセライトを通して濾過し、EtOAc(20mL)で洗浄した。濾液を回転蒸発によって濃縮し、1.0gの粗製化合物をもたらした。60/120メッシュシリカおよび移動相としてMeOH:DCMを使用して、カラムクロマトグラフィーによって、粗化合物を精製した。カラムにDCMを充填して、画分収集(25mL画分)から開始する勾配様式で、MeOHで溶出を開始した。化合物は、DCM中の4〜6%MeOHから溶出し始めた。このようなTLCプロファイルを含有する画分を合わせて収集し、純粋化合物0.18gm収率(19%)を得た。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成
隔膜、窒素バブラー、および温度計ポケットを備えた50mLの3つ口丸底フラスコ内に、DMF(2.0mL)中の中間体3(0.050g、1.0eq.)を添加した。次にDABCO(0.039g、2.0eq.)を室温で添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。中間体1A(0.053g、1.1eq.)を室温で滴下して添加した。反応混合物を30分間撹拌した。反応の進行は、5%MeOH:DCMを移動相として、UVによる可視化を使用する、TLC分析によって追跡した、SMRf=0.20および生成物Rf=0.70。反応混合物を水(50mL)中に注ぎ入れて、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水で洗浄し(50mL)、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発(25℃、20mmHg)によって濃縮して、粗製化合物50mgをもたらした。2%MeOH:DCMを移動相として使用する分取TLCによって、粗製物を精製した。50%EtOAc:ヘキサンを移動相として使用する分取TLCによって、これを再度精製し、0.018gの純粋化合物(収率24%)を得た。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オン:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ,7.82(s,1H),7.73(s,1H),7.69(s,2H),4.43−4.46(d,J=12.4Hz,1H),4.32−4.38(t,J=12Hz,4H),3.61(s,2H),2.47(s,1H),2.18(s,1H),2.16(s,1H),1.27(s,1H);C18H16F8N2OのLCMS[M+1]+428.3室温で3.047分間の実測値429.09、純度(95.45%)。
実施例44
エチル3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−3−シアノプロパノエート(1)の合成
3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニルアセトニトリル(1.4mL、1.0eq.)をTHF(20mL)に溶解した。反応混合物を−78℃に冷却し、NaHMDS(THF中の35%)(4.34mL、1.05eq.)の溶液を滴下して添加した。反応混合物が10℃になるまで放置して、15分間撹拌した。次にそれを−78℃に冷却して、ブロモ酢酸エチル(0.87mL、1.0eq.)を添加した。次に反応混合物を室温になるまで放置して、16時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)中に注ぎ入れて、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮して3.5gの粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(ヘキサン中の4%酢酸エチル)によって精製して、1.2gのエチル3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−3−シアノプロパノエートを得た(収率44.94%)。
4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン−2−オン(2)の合成
エチル3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−3−シアノプロパノエート(1.2g、1.0eq.)をMeOH(48mL)に溶解した。ジクロロコバルト六水和物(1.68g、2.0eq.)を添加して、反応混合物を20℃に冷却した。温度を30℃未満に保って、NaBH
4(1.98g、15eq.)を小分けして緩慢に添加した。添加完了後、この反応混合物を25℃で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(25mL)と水(25mL)の間で分配した。反応混合物をセライト(商標)を通して濾過し、有機層を分離して、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮して、0.65gの粗生成物をもたらし、それは石油エーテルとの磨砕後に、0.5gの4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン−2−オンを与えた(収率47.61%)。
(E)−4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(3−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−オキソプロプ−1−エニル)ピロリジン−2−オンの合成
4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン−2−オン(0.5g、1.0eq.)をDMF(5mL)に溶解して、0℃に冷却した。DMF(0.133g、2.0eq.)中のNaHの溶液を0℃で添加した。次に(Z)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−ヨードプロプ−2−エン−1−オン(0.689g、1.5eq.)を装入した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を水(50mL)中に注ぎ入れて、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮して、0.502gの粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(DCM中の1%メタノール)によって精製して、0.030gの(E)−4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(3−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−オキソプロプ−1−エニル)ピロリジン−2−オンを得た(収率4.03%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.15−8.19(d,J=14Hz,1H),7.69−7.87(m,3H),5.27−5.31(d,J=14Hz,1H),4.05−4.47(m,4H),3.89−3.93(s,1H),3.73−3.77(s,1H),3.60−3.62(s,1H),3.08−3.13(s,1H),2.78−2.90(s,1H);C
18H
14F
8N
2O
2について計算されたLCMS[M+H]
+滞留時間2.97分間での実測値443.44。
実施例51
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.10g、1.0eq.)および3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−3−オール塩酸塩(0.055g、1.1eq.)をDCM(3.0mL)に溶解した。反応混合物を−30℃に冷却して、T
3P(0.3mL、1.5eq.)およびDIPEA(0.12mL、2.5eq.)を添加した。反応混合物を−30℃で30分間撹拌して、DCMによって希釈し、水洗した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、減圧下(250℃、20mmHg)で蒸留し、粗生成物を得た。粗生成物を分取TLC(70%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、0.020gの(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3−ヒドロキシ−3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを得た。(収率:14.8%)。
1H NMR(400MHz,MeOD)δ 9.20(s,1H),8.65(s,2H),8.09(s,1H),7.40−7.43(d,J=10Hz,1H),5.95−5.93(d,J=10.6Hz,1H),4.42−4.43(m,2H),4.33−4.05(m,2H);C
17H
11F
9N
4O
2について計算されたLCMS[M+H]
+474.3滞留時間2.872分間での実測値475.14、
1−ベンズヒドリル−3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−3−オール(1A)の合成
1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−オン(5.0g、1.0eq.)をTHF(50mL)に溶解した。トリフルオロメチルトリメチルシランを5〜10℃で添加した。反応混合物を10℃で10分間撹拌した。次にフッ化テトラブチルアンモニウムを添加した。反応混合物が室温になるまで放置して、1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈して、水および鹹水で洗浄した。有機層を上硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧下で濃縮し、粗生成物を得て、それをクロマトグラフィー(6%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製して、3gの1−ベンズヒドリル−3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−3−オールを得た(収率:46.32%)。
3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−3−オール塩酸塩(2a)の合成
1−ベンズヒドリル−3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−3−オール(0.25g)をエタノール(3mL)に溶解した。炭素(0.25g)上の水酸化パラジウムを添加して、反応混合物を水素ガスでパージした。反応混合物を25〜30℃に2時間保った。形成された固形分を濾過によって除去し、濾液にエタノール性HClを0℃で添加して、さらに30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して油性残渣を得て、それをエーテルと共に摩砕して、3−(トリフルオロメチル)アゼチジン−3−オール塩酸塩を固体生成物として得て、それをさらに精製せずに次の段階で使用した。
1H−NMR(400MHz,MeOD)δ=4.39−4.43(d,2H),4.13−4.16(d,2H).
実施例52
(Z)−tert−ブチル6−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシレートの合成
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.50g、1.0eq.)をDCM(5mL)に溶解した。tert−ブチル2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシレート塩酸塩(0.40g、1.2eq.)を添加して、反応混合物を−70℃に冷却した。T3P(1.02mL、1.2eq.)を滴下して添加し、DIPEA(0.73mL、3.0eq.)がそれに続いた。反応混合物を50mLの水でクエンチし、DCMで抽出した。有機層を減圧下(35℃、20mmHg)で濃縮して、0.603gの粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(DCM中の1%メタノール)によって精製して、0.350gの(Z)−tert−ブチル6−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシレートを得た。(収率46.29%)。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)プロプ−2−エン−1−オン2,2,2−トリフルオロアセテートの合成:
(Z)−tert−ブチル6−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシレート(0.13g)をDCM(1.5mL)に溶解した。反応混合物を0℃に冷却し、CF
3COOH(1.5mL)を添加した。反応混合物が室温になるまで放置して、4時間撹拌した。反応混合物を減圧下(35℃、20mmHg)で濃縮して、0.100gの(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)プロプ−2−エン−1−オン2,2,2−トリフルオロアセテート(収率95.23%)をもたらした。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ 9.49(s,1H),8.52−8.5(m,3H),8.32(s,1H),7.44−7.42(d,1H,J=10.4Hz),5.97−5.94(d,J=10.4Hz,1H,),4.37−3.93(m,8H);C
18H
16F
6N
5Oについて計算されたLCMS[M+H]
+432.34;滞留時間2.256分間での実測値432.29。
実施例53
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.2g、1.0eq.)をDCM(20mL)に溶解した。反応混合物を−60℃に冷却して、アゼチジン−3−オール塩酸塩(0.075g、1.2eq)、T3P(EtOAc中の50%)(0.4mL、1.2eq)、それに続いてDIPEA(0.2mL、2eq)を滴下して添加した。透明な反応混合物を−60℃で45分間撹拌した。反応混合物を減圧下(25℃、20mmHg)で濃縮して粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(アンモニア添加DCM中の5%メタノール)によって精製して、30mgの(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを得た 収率(13%)。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ=9.4(s,1H),8.56(s,2H),8.29(s,1H),7.48−7.40(d,J=10.4Hz,1H),5.95−5.97(d,J=10Hz,1H),5.77−5.79(d,J=5.6,1H,D
2O交換可能),4.47−4.48(d,J=5.6,1H),4.25−4.29(t,1H),4.15−4.19(m,1H),3.8−3.84(m,1H),3.70−3.73(m,1H);C
16H
13F
6N4O
2について計算されたLCMS[M+H]
+407.28 2.462分間の滞留時間での実測値407.14。
実施例54
(Z)−1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)アゼチジン−3−カルボニトリルの合成
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.2g、1.0eq.)をDCM(20mL)に溶解した。反応混合物を−60℃に冷却して、アゼチジン−3−カルボニトリル塩酸塩(0.08g、1.2eq)、T3P(EtOAc中の50%)(0.4mL、1.2eq)、それに続いてDIPEA(0.2mL、2eq)を滴下して添加した。透明な反応混合物を−60℃で45分間撹拌した。反応混合物を減圧下(25℃、20mmHg)で濃縮して粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(DCM中の3−5%メタノール)によって精製して、(Z)−1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)アゼチジン−3−カルボニトリルを得た。(0.14g、60%収率)。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ=9.36(s,1H),8.54(s,2H),8.30(s,1H),7.45−7.43(d,J=10Hz,1H),5.95−5.92(d,J=10Hz,1H),4.39−4.37(t,1H),4.29−4.11(m,3H),3.84−3.82(m,1H);C
17H
12F
6N
5Oについて計算されたLCMS[M+H]
+416.29;2.64分間の滞留時間での実測値416.14
実施例55
アゼチジン−3−カルボン酸メチル塩酸塩の合成
MeOH(10mL)中のアゼチジン−3−カルボン酸(1g、9.8mmol)の懸濁液を5℃に冷却した。温度を30℃未満に保って、塩化チオニル(5.83g、49.45mmol)を滴下して添加した。次に混合物を65℃で10〜12時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮して、メチルアゼチジン−3−カルボキシレート塩酸塩を粘性褐色油(1.3g、90%)として得て、それをさらに精製せずに使用した。
(Z)−メチル1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)アゼチジン−3−カルボキシレートの合成
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.5g、1.0eq.)をDCM(20mL)に溶解した。反応混合物を−60℃に冷却し、メチルアゼチジン−3−カルボキシレート塩酸塩(0.25g、1.2eq.)、T3P(EtOAc中の50%)(1.0mL、1.2eq.)、それに続いてDIPEA(0.48mL、2eq.)を添加した。透明な反応混合物を−60℃で45分間撹拌した。反応混合物を減圧下(25℃、20mmHg)で濃縮して粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(DCM中の2〜3%メタノール)によって精製して、(Z)−メチル1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)アゼチジン−3−カルボキシレート(0.15g、24%収率)を得た。
(Z)−1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)アゼチジン−3−カルボン酸の合成
(Z)−メチル1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)アゼチジン−3−カルボキシレート(0.1g、1.0eq.)をメタノール:水(10mL、1:1)に溶解した。LiOH(0.010g、1.0eq.)を添加した。反応混合物を室温で1〜2時間撹拌した。反応混合物を10mLの水でクエンチし、pH=2〜3になるまで希HClで酸性化した。水層を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機層を鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、減圧下で濃縮して、0.060gの(Z)−1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)アゼチジン−3−カルボン酸をもたらした(62.5%収率)。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ=9.38(s,1H),8.54(s,2H),8.29(s,1H),7.40−7.42(d,J=10.4Hz,1H),5.93−5.96(d,J=10.4Hz,1H),4.23−4.27(m,2H),4.12−4.16(m,3H).C
17H
13F
6N
4O
3について計算されたLCMS[M+H]
+:435.29、2.55分間の滞留時間での実測値435.14。
実施例56
(Z)−tert−ブチル6−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリルアミド)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボキシレートの合成
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.250g、1.0eq.)をDCM(12mL)に溶解した。tert−ブチル6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボキシレート(0.17g、1.2eq.)を添加して、反応混合物を−60℃に冷却した。次にT
3P(0.51mL、1.2eq.)、それに続いてDIPEA(0.24mL、2.0eq.)を同一温度で添加した。反応混合物を30分間撹拌し、水(50mL)中に移し入れて、DCM(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(50mL)で洗浄し、無水MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下(25℃、20mmHg)で濃縮して粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(DCM中の0〜5%MeOH)によって精製して、(Z)−tert−ブチル6−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリルアミド)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボキシレート(0.28g;66.1%収率)を得た。
(Z)−N−(3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イル)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリルアミド塩酸塩の合成
(Z)−tert−ブチル6−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリルアミド)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボキシレート(0.05g、1.0eq.)をDCM(3mL)に溶解して、0℃に冷却し、ジオキサン:HCl(0.2mL)を滴下して添加し、30分間撹拌した。反応混合物が室温になるまで放置して、30分間撹拌し、減圧下で濃縮した。粗生成物をエーテルと共に磨砕して、(Z)−N−(3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イル)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリルアミド塩酸塩をもたらした(0.015g、37.5%収率)。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ,9.61(s,1H),8.75(s,2H),8.60(s,2H),8.30(s,1H),7.38−7.40(d,J=10.4Hz,1H),5.87−5.89(d,J=10.4Hz,1H),2.91(s,1H),2.14(s,2H),1.23(s,3H);化学式:C
18H
16F
6N
5OのLCMS[M+H]
+432.34滞留時間2.302分間での実測値432.19。
実施例57
tert−ブチル6−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボキシレートの合成
tert−ブチル6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボキシレート(1g、1.0eq.)を水(5ml)中の炭酸水素ナトリウム(0.84g、2.0eq.)の溶液に5℃で添加した。1,4−ジオキサン(10ml)中のFMOC−Cl(1.56g、1.2eq.)を滴下して添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、氷水(50mL)中に移し入れて、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(2×50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下(25℃、20mmHg)で濃縮して、1.9gのtert−ブチル6−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボキシレートをもたらした(収率90%)。
(9H−フルオレン−9−イル)メチル3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イルカルバメートの合成
tert−ブチル6−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボキシレート(1.9g、1.0eq.)をDCM(20mL)に溶解した。TFA(1.38ML、4eq)を0℃で滴下して添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、飽和NaHCO
3によって中和した。析出した固体を濾過によって収集し、1.0gの(9H−フルオレン−9−イル)メチル3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イルカルバメートをもたらした(69%収率)。
(Z)−(9H−フルオレン−9−イル)メチル(3−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イル)カルバメートの合成
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(1.0g、1.0eq.)をDCM(50mL)に溶解して、−60℃に冷却し、(9H−フルオレン−9−イル)メチル3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イルカルバメート(1.09g、1.2eq.)、T3P(EtOAc中の50%)(2.02mL、1.2eq.)、およびDIPEA(0.95mL、2eq.)を添加した。透明な反応混合物を−60℃で1時間撹拌し、水でクエンチして、DCMで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下(25℃、20mmHg)で濃縮して粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(DCM中の2%メタノール)によって精製して、(Z)−(9H−フルオレン−9−イル)メチル(3−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イル)カルバメートを得た(1.26g、69%収率)。
(Z)−1−(6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成
(Z)−(9H−フルオレン−9−イル)メチル(3−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イル)カルバメート(0.3g、1.0eq.)をDMF(0.75ml)に溶解した。TEA(0.75ml)を滴下して添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌して、水(10mL)でクエンチして、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下(25℃、20mmHg)で濃縮して0.2gの粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(DCM中の10%メタノール)によって精製し、(Z)−1−(6−アミノ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを得た(0.1g;50%収率)。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ=9.10(s,1H),8.49(s,2H),8.30(s,1H),7.30−7.32(d,J=10Hz,1H),6.07−6.09(d,J=10Hz,1H),3.65−3.68(d,1H),3.48(s,1H),3.35−3.45(m,1H),3.29−3.30(d,1H),2.28(s,1H),1.48−1.49(m,2H),1.22(s,1H);C
18H
16F
6N
5Oについて計算されたLCMS[M+H]
+432.34、2.1分間の滞留時間での実測値432.19。
実施例58
(Z)−tert−ブチル6−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレートの合成
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.3g、1eq.)を酢酸エチル(20mL)に溶解して、−70℃に冷却し、tert−ブチル−2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(0.22g、1.2eq.)、T3P(EtOAc中の50%)(0.61mL、1.2eq.)、それに続いてDIPEA(0.6mL、4eq)を添加した。透明な反応混合物を−60℃で1時間撹拌して、減圧下(25℃、20mmHg)で濃縮して粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(DCM中の3〜4%メタノール)によって精製して、(Z)−tert−ブチル6−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレートを得た(0.2g;43%収率)。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン−6−イル)プロプ−2−エン−1−オン2,2,2−トリフルオロアセテートの合成
(Z)−tert−ブチル6−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン−2−カルボキシレート(0.05g)をDCM(20mL)に溶解して、0℃に冷却し、CF
3COOH(0.5mL)を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌して、減圧下(35℃、20mmHg)で濃縮して、(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(2,6−ジアザスピロ[3.4]オクタン−6−イル)プロプ−2−エン−1−オン2,2,2−トリフルオロアセテート(0.03g、95%収率)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ=9.25(s,1H),8.77(brs,1H),8.59(s,2H),8.30(s,1H),7.39−7.37(d,1H,J=10.4Hz),6.15−6.12(d,J=10.4Hz,1H),3.86−3.65(brs,4H),2.14(s,2H),1.49(s,2H),0.85−1.23(m,2H);C
19H
18F
6N
5Oについて計算されたLCMS[M+H]
+446.36;滞留時間2.161分間での実測値446.12。
実施例59
4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドの合成
4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(1g、1.0eq.)をDMSO(10mL)に溶解した。K
2CO
3(0.55g、1.1eq.)およびH
2O
2(1mL)を反応混合物に添加して、室温で2〜3時間撹拌し、次に氷水(20mL)中に注ぎ入れた。形成した沈殿を濾過によって収集して、石油エーテルで洗浄し、1.0gの粗生成物(90%収率)をもたらして、それをさらに精製せずに次の段階で使用した。
4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾチオアミドの合成
4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド(1.2g、1.0eq.)をトルエン(20mL)に溶解して、ローソン試薬(3.32g、2.0eq.)を添加した。反応混合物を90℃で8時間撹拌して、次に濾過した。濾液を水中に注ぎ入れた。化合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下(25℃、20mmHg)で濃縮して、2gの4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾチオアミド(95%収率)をもたらし、それをさらに精製することなく次の段階で使用した。
3−(4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾールの合成
4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾチオアミド(1g、1.0eq.)をDMF(10mL)に溶解した。ヒドラジン水和物(0.32g、2.0eq.)を添加して、反応混合物を室温で1時間撹拌した。次にギ酸(3mL)を添加して、反応混合物を90℃で2〜3時間加熱した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液中に緩慢に注ぎ入れて、温度を25〜30℃に保った。所望の生成物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下(25℃、20mmHg)で濃縮し、1.5gの粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(ヘキサン中の40%酢酸エチル)によって精製して、0.150gの3−(4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾールをもたらした(15%収率)
(Z)−3−(3−(4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成
3−(4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール(0.1g、1.0eq.)をDMF(5mL)に溶解した。DABCO(0.071g、2eq.)を添加して、30分間撹拌した。次に(Z)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−ヨードプロプ−2−エン−1−オン(0.095g、1.1eq.)を添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌し、次に氷水(50mL)中に注ぎ入れた。生成物をEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水、(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、回転蒸発(25℃、20mmHg)によって濃縮して、0.150gの粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(chroamotgraphy)によって精製し、(Z)−3−(3−(4−クロロ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを得た(0.004g、3%収率)。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ=9.32(s,1H),8.46(s,1H),8.32(s,1H),7.47−7.49(d,J=10.4Hz,1H),6.00−5.04(d,J=10.4Hz,1H),4.55−4.58(m,2H),4.33−4.36(m,2H)C
16H
10ClF
8N
4Oについて計算されたLCMS[M+H]
+:461.7、2.99分間の滞留時間での実測値461.14。
実施例60
(Z)−1−(3−(アミノメチル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成
tert−ブチル((3−フルオロアゼチジン−3−イル)メチル)カルバメートの合成
1−ベンズヒドリル−3−ヒドロキシアゼチジン−3−カルボニトリルの合成
1−ベンズヒドリルアゼチジン−3−オン(50g、210mmol)をメタノール(250mL)に溶解した。KCN(15g、316mmol)およびNaHSO
3(32.86g、316mmol)を25℃で添加して、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を希HClで酸性化して、生成物を酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。有機層を鹹水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させて、減圧下で濃縮して、45.0gの粗生成物を得て、それをクロマトグラフィーによって精製して、10.5gの1−ベンズヒドリル−3−ヒドロキシアゼチジン−3−カルボニトリルを得た(18%収率)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,ppm)δ=7.5−7.2(m,10H);4.43(s,1H);3.73−3.71(d,2H);3.27−3.24(t,2H).
1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−カルボニトリルの合成
1−ベンズヒドリル−3−ヒドロキシアゼチジン−3−カルボニトリル(10.5g、39.7mmol)をDCMに溶解して、−78℃に冷却した。DAST(12.80g、79.45mmol)を緩慢に添加して、反応混合物が室温になるまで放置して、さらに5時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、500mLのNaHCO
3溶液中に移し入れて、(100mL×3)DCMで抽出した。合算有機層を鹹水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させて、減圧下で濃縮して、15.0gの粗生成物を得て、それをクロマトグラフィーによって精製して、6.0gの1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−カルボニトリルを得た。(57.14%収率)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,ppm)δ=7.6−7.1(m,10H);4.46(s,1H);3.9−3.6(m,2H);3.5−3.2(m,2H).
(1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−イル)メタンアミンの合成
1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−カルボニトリル(0.5g、1.88mmol)をメタノール(25mL)に溶解した。NaBH
4(0.49g、13.14mmol)およびNiCl
2(0.044g、0.34mmol)を0℃で添加して、反応混合物を室温で14時間撹拌した。形成した固形分を濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(0−5%メタノール−DCM)によって精製し、0.15gの(1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−イル)メタンアミンを得た(30%収率)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,ppm)δ=7.46−7.19(m,10H);4.48(s,1H);3.38−3.34(t,2H);3.26−3.09(m,4H).
tert−ブチル(1−ベンズヒドリル−3−の合成−3−イル)メチルカルバメートの合成:
(1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−イル)メタンアミン(0.5g、1.85mmol)をDCM(20mL)に溶解して、Boc無水物(0.20g、0.924mmol)を0℃で添加した。反応混合物が室温になるまで放置し、その温度で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、0.5gのtert−ブチル(1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−イル)メチルカルバメートをもたらした(100%収率)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,ppm)δ=7.44−7.19(m,10H);5.32(s,1H);4.84(s,1H);3.69−3.61(m,2H);3.38−3.033(m,2H);3.18−3.10(m,2H).
tert−ブチル(3−フルオロアゼチジン−3−イル)メチルカルバメートの合成
tert−ブチル(1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−イル)メチルカルバメート(0.6g、1.35mmol)をエタノールに溶解し、Pd(OH)
2(0.38gm、2.7mmol)を添加した。反応混合物をH
2雰囲気下において、室温で14時間撹拌した。固形分を濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮して、0.2gのtert−ブチル(3−フルオロアゼチジン−3−イル)メチルカルバメートをもたらした(66%収率)。
(Z)−tert−ブチル(1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−3−フルオロアゼチジン−3−イル)メチルカルバメートの合成
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.20g、0.56mmol)をDCM(10mL)に溶解した。反応混合物を−60℃に冷却し、その温度でtert−ブチル(3−フルオロアゼチジン−3−イル)メチルカルバメート(0.127g、0.62mmol)を添加して、T
3P(EtOAc中の50%)(0.434g、0.67mmol)がそれに続いた。次にDIPEA(0.144g、1.11mmol)を緩慢に装入した。透明な反応混合物を−60℃で45分間さらに撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して粗生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(0−15%酢酸エチル(ethyl actetate)−ヘキサン)によって精製し、150mgの(Z)−tert−ブチル(1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−3−フルオロアゼチジン−3−イル)メチルカルバメートをもたらした(収率50%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,ppm)δ=9.7(s,1H);8.63(s,2H);7.94(s,1H);7.24−7.21(d,J=10.8Hz,1H);5.67−5.64(d,J=10.8,1H);4.41−4.16(m,4H);3.76−3.54(m,3H).
(Z)−1−(3−(アミノメチル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成
(Z)−tert−ブチル(1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−3−フルオロアゼチジン−3−イル)メチルカルバメート(0.15g、0.279mmol)をDCM(10mL)に溶解し、TFA(0.1mL)を0℃で添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌し、減圧下で濃縮して0.5gの粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(DCM中の0〜5%メタノールin)によって精製して、15mgの(Z)−1−(3−(アミノメチル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンをもたらした(収率15%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,ppm)δ=9.4(s,1H);8.54(s,2H);8.32(s,1H);8.13(s,3H);7.49−7.46(d,J=10Hz,1H);6.0−5.97(d,J=10Hz,1H);4.41−4.06(m,4H);3.49−3.36(m,3H).C
17H
15F
7N
5Oについて計算されたLCMS[M+H]
+438.3、実測値438.19(滞留時間:2.298分間)。
実施例61
メチル3−フルオロアゼチジン−3−カルボキシレート塩酸塩の合成スキーム
1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−カルボン酸の合成
1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−カルボニトリル(3.5g、1.0eq.)をエタノールに溶解し、NaOH水溶液(1N)を添加した。反応混合物を5時間還流させ、次に室温に放冷して、その温度で希HCl(pH〜3)で酸性化して、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、減圧下で濃縮して、0.5gの1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−カルボン酸を得た(13%収率)。生成物は、さらに精製せずに次の段階で使用した。
3−フルオロアゼチジン−3−カルボン酸塩酸塩の合成
1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−カルボン酸(0.5g、1.0eq.)をエタノールに溶解した。Pd(OH)
2(0.5g)を添加して、反応混合物をH
2雰囲気下において、室温で14時間撹拌した。固形分を濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮して、150mgの3−フルオロアゼチジン−3−カルボン酸塩酸塩をもたらした(30%収率)。生成物は、さらに精製せずに次の段階で使用した。
3−フルオロアゼチジン−3−カルボン酸メチル塩酸塩の合成
3−フルオロアゼチジン−3−カルボン酸塩酸塩(0.10g、8.4mmol)をメタノール(2mL)に溶解して、5℃に冷却した。塩化チオニル(0.05g、4.2mmol)を滴下して添加した。反応混合物を65℃で一晩加熱して、減圧下で濃縮して、メチル3−フルオロアゼチジン−3−カルボキシレート塩酸塩をもたらした。生成物は、さらに精製せずに次の段階で使用した。
(Z)−メチル1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−3−フルオロアゼチジン−3−カルボキシレートの合成
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.20g、1.0eq.)をDCM(4mL)に溶解した。反応混合物を−60℃に冷却し、その温度で、メチル3−フルオロアゼチジン−3−カルボキシレート塩酸塩(0.09g、1.2eq.)およびT3P(EtOAc中の50%)(0.427g、1.2eq.)を添加して、DIPEA(0.146g、2eq.)がそれに続いた。透明な反応混合物を−60℃で45分間撹拌して、減圧下(25℃、20mmHg)で濃縮して粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(ヘキサン中の20〜30%酢酸エチル)によって精製して、(Z)−メチル−1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−3−フルオロアゼチジン−3−カルボキシレートを得た。(40mg;24%収率)。
1H NMR(400MHz,CDCL3)δ 9.51(S,1H),8.62(s,2H),7.96(s,1H),7.20−7.18(d,J=10.8,1H),5.70−5.68(d,J=10.8Hz,1H),4.15−3.82(m,4H),3.82(s,3H).
実施例62
(Z)−1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−3−フルオロアゼチジン−3−カルボン酸の合成
(Z)−メチル1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−3−フルオロアゼチジン−3−カルボキシレート(0.01g、1.0eq.)をメタノール:水(0.2mL、1:1)に溶解して、LiOH(1.0mg、1.0eq)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を10mLの水でクエンチし、pH=2〜3になるまで希HClで酸性化した。水層を酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。次に合わせた有機層を鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、減圧下で濃縮して、0.002gの(Z)−1−(3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリロイル)−3−フルオロアゼチジン−3−カルボン酸をもたらした。収率(20.83%)。
1H NMR(400MHz,CDCL3)δ 8.92(S,1H),8.54(s,2H),8.29(s,1H),7.45−7.42(d,J=10.4,1H),6.00−5.98(d,J=10.4Hz,1H),3.73(m,4H).
実施例63
1−(1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミンの合成
(1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−イル)メタンアミン(0.5g、1.0eq.)をメタノールに溶解し、HCHO(0.138g、2.5eq.)およびNaCNBH
3(0.47g、4.0eq.)を0℃で添加した。反応混合物を室温で14時間撹拌し、次に水性塩化アンモニウム溶液でクエンチしてDCMで抽出した。有機層を鹹水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させて、減圧下で濃縮して、150mgの1−(1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン(100%)をもたらし、それをさらに精製せずに次の段階で使用した。
1−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミンの合成
1−(1−ベンズヒドリル−3−フルオロアゼチジン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン(0.6g、1.0eq.)をエタノールに溶解した。Pd(OH)
2(0.6g)を添加した。反応混合物をH
2雰囲気下において、室温で14時間撹拌した。固形分を濾過によって除去し、濾液を減圧下で濃縮して、300mgの1−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミンをもたらし(68%収率)、それをさらに精製せずに次の段階で使用した。
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3−((ジメチルアミノ)メチル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.50g、1.0eq.)をDCM(10mL)に溶解した。反応混合物を−60℃に冷却し、その温度で1−(3−フルオロアゼチジン−3−イル)−N,N−ジメチルメタンアミン(0.22g、1.2eq)およびT3P(EtOAc中の50%)(1.08g、1.2eq.)を添加して、DIPEA(0.36g、2eq.)がそれに続いた。透明な反応混合物を−60℃で45分間撹拌した。反応混合物を減圧下(25℃、20mmHg)で濃縮して、粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィーによって精製し、12mgの(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3−((ジメチルアミノ)メチル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを得た(3%収率)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=9.75(s,1H),8.62(s,2H),7.94(s,1H),7.24−7.21(d,J=10.8Hz,1H),5.69−5.66(d,J=10.8Hz,1H),4.37−4.25(m,2H),4.22−4.15(m,2H),2.82−2.76(d,2H),2.35(s,2.35,1H);C
19H
19F
7N
5OのLCMS[M+H]
+466.4滞留時間2.263分間での実測値466.3。
実施例64
隔膜を備えた25mLの封管に、THF(5mL)および水素化ナトリウム(0.08g、2.02mmol)を窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を0℃に冷却し、温度を0℃未満に保って、4−(3、5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン−2−オン(0.3g、1.01mmol)を小分けして添加した。反応混合物を3.5時間還流させて、後に−10℃に冷却した。この反応混合物に、(Z)−3−ヨードアクリル酸イソプロピル(0.33g、1.21mmol)を滴下して添加した。反応混合物を−10℃でさらに30分間撹拌した。反応混合物を水(50mL)中に移し入れ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和鹹水(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮して粗製化合物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ60/120、EtOAc−ヘキサン勾配)によって精製し、60%EtOAc−ヘキサンを移動相として使用する分取TLCによって再度精製し、0.015g(Z)−4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1−(3−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−3−オキソプロプ−1−エニル)ピロリジン−2−オンをもたらした(収率3.3%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ,7.83(s,1H);7.73(s,2H);7.16−7.19(d,J=10.4Hz,1H);5.08−5.11(d,J=10.4Hz,1H);4.43−4.51(m,3H);4.30−4.36(t,J=12Hz,2H);3.96−4.01(m,1H);3.75−3.79(m,1H);2.95−3.02(m,1H);2.68−2.75(m,1H);C
18H
15F
8N
2O
2のLCMS[M+1]
+442.3室温で2.932分間の実測値443.14。
実施例65
(Z)−3−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピロール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成:
2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピロールの合成:
500mLの3つ口丸底フラスコに、THF(120mL)中のピロール(5.15g、76.79mmol)の溶液を室温で装填して、0℃に冷却した。NaH(2.21g、92.12mmol)を小分けして添加し、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。この反応混合物に、ZnCl
2(10.4g、77mmol)を添加して、0℃で1時間撹拌した。1−ブロモ−3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(5.0g、17.0mmol)を添加して、反応を10分間適切に脱気して、二酢酸パラジウム(0.172g、0.76mmol)および2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(0.269g、0.76mmol)を添加して、反応を48時間還流させた。反応混合物を水(100mL)中に移し入れ、EtOAc(3×300mL)で抽出して、合わせた有機層を飽和鹹水(3×150mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮して、7gの粗製2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピロールをもたらし、それをクロマトグラフィーによって精製して、0.8gの純粋生成物をもたらした。C
12H
6F
6Nについて計算されたLCMS[M−H]
−278.18実測値278.19(滞留時間:3.383分間)。
(Z)−イソプロピル3−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピロール−1−イル)アクリレートの合成:
100mLの3つ口丸底フラスコに、DCM(14mL)中の2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピロール(1)(0.7g、2.50mmol))の溶液を装填し、反応混合物を0℃に冷却した。TEA(0.379g、3.76mmol)およびイソプロピルアクリレート(0.421g、3.76mmol)を0℃で同時に添加して、1.5時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)中に移し入れ、EtOAc(3×20mL)で抽出して、合わせた有機層を飽和鹹水(3×50mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させて、濾過して、減圧下で濃縮して、1.5gの粗製化合物をもたらし、それをカラムクロマトグラフィーによって精製して、0.150gの(Z)−イソプロピル3−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピロール−1−イル)アクリレートを得た(収率15%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,ppm)δ=1.279−1.318(m,6H);5.106(m,1H);5.521−545(d,J=9.6Hz,1H);6.377(s,1H);6.494(s,1H);6.643−6.763(d,J=10Hz,1H);7.800−7.831(m,3H):C
18H
16F
6NO
2について計算されたLCMS[M+H]
+392.31実測値392.4(滞留時間:3.820分間)。
(Z)−3−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピロール−1−イル)アクリル酸(3)の合成:
100mLの3つ口丸底フラスコに、THF(10mL)および水(10mL)の中の(Z)−イソプロピル3−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピロール−1−イル)アクリレート(0.15g、0.383mmol)の溶液を装填し、室温で撹拌した。この反応混合物に、LiOH.H
2O(0.027g、1.15mmol)を添加して、反応をさらに16時間撹拌した。反応混合物を希HClによって酸性化して、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(3×50mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮して、0.15gの(Z)−3−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピロール−1−イル)アクリル酸(3)をもたらし(収率:88%)、それを精製することなく次の段階で使用した。C
15H
10F
6NO
2について計算されたLCMS[M+H]
+350.23実測値350.39(滞留時間:3.129分間)。
(Z)−3−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピロール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成:
100mLの3つ口丸底フラスコに、DCM(10mL)中の(Z)−3−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピロール−1−イル)アクリル酸(0.15g、0.429mmol)の溶液を装填し、0℃に冷却して、3,3−ジフルオロアゼチジン塩酸塩(0.052g、0.558mmol)を滴下して添加した。T3P(EtOAc中の50%)(0.163g、0.514mmol)を滴下して添加し、DIPEA(0.11g、0.858mmol)がそれに続き、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して0.2gの粗生成物をもたらし、をれをカラムクロマトグラフィー(60/120シリカゲル、0〜3%酢酸エチル:n−ヘキサン勾配)によって精製して、0.01gの(Z)−3−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピロール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンをもたらした(収率6.6%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3,ppm)δ=4.307−4.425(m,4H);5.523−5.443(d,J=10Hz,1H);6.387−6.404(t,1H);6.500−6.509(t,1H);6.765−6.790(d,J=10Hz,1H);7.704−7.715(t,1H);7.811−7.845(m,3H).C
18H
13F
8N
2Oについて計算されたLCMS[M+H]
+435.29実測値425.49(滞留時間:3.292分間)。
実施例66
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンの合成
(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)アクリル酸(0.20g、1.0eq.)をDCM(10mL)に溶解した。ピペリジン−4−オール(0.07g、1.2eq.)を添加して、反応混合物を−60℃に冷却した。T
3P(プロピルホスホン酸無水物)(0.40mL、1.2eq.)およびDIPEA(0.19mL、2.0eq.)を添加した。反応混合物を30分間撹拌した。次に反応混合物を水(50mL)中に移し入れ、DCM(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を鹹水(50mL)で洗浄し、無水MgSO
4上で乾燥させ、濾過して、減圧下(25℃、20mmHg)で濃縮し、粗生成物をもたらし、それをクロマトグラフィー(DCM中の0〜3%MeOH)によって精製して、0.025gの(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを得た(収率:10%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ,8.75(s,1H),8.58(s,2H),7.93(s,1H),7.08−7.11(d,J=10.4Hz,1H),6.01−6.04(d,J=10.4Hz,1H),4.02−4.14(m,1H),3.98−4.01(m,1H),3.78−3.85(m,1H),3.47−3.52(s,1H),3.32−3.38(s,1H),1.96(s,1H),1.83(s,1H),1.27(s,1H),0.90(s,1H);化学式:C
18H
17F
6N
4O
2のLCMS[M+H]
+435.34室温で2.408分間の実測値435.24。
核輸送の阻害
例示的な本発明の化合物が、CRM1媒介核輸送を抑制する能力をRevGFPアッセイで評価した。Revは、ヒト免疫不全ウイルス型1(HIV−1)からのタンパク質であり、そのC末端ドメインに核外搬出シグナル(NES)、そのN末端領域に核局在化シグナル(NLS)を含有する。Revタンパク質の核輸送は、古典的NES/CRM1経路に依存する(Neville et al.1997)。Revの核蓄積は、LMBなどのCRM1の特異的阻害剤で処理した細胞中で観察され得る(Kau et al.2003)。
このアッセイでは、実験の前日に、U2OS−RevGFP細胞を384ウェル黒クリアボトムプレート上に接種した。化合物は別個384ウェルプレート中の40μMから開始して、DMEMで1:2に連続希釈し、次いで細胞上に移した。細胞を化合物と共に約1時間インキュベートした後、3.7%ホルムアルデヒドで固定して、Hoechst 33258で核染色した。細胞核中のGFPの量を測定して、各化合物のIC50を判定した(Kau et al.2003)。本発明の化合物は、約10μM未満のIC50を有すれば、上で概説されるRev−GFPアッセイ中で活性と見なされ、最も望ましい化合物は、約1μM未満のIC50を有する。RevGFPアッセイの結果を表3に示す。
細胞増殖アッセイ
CellTiter 96(登録商標)AQueous One Solution細胞増殖アッセイ(Promega)をMM.1S多発性骨髄腫細胞系で使用して、化合物の細胞毒性および細胞分裂阻害特性を試験した。アッセイは、電子結合試薬PES(フェナジンエトスルファート)の存在下における、テトラゾリウム塩、MTSの切断に基づく。MTSテトラゾリウム化合物は、細胞によって生体還元されて着色ホルマザン生成物になり、それは組織培養液に可溶性である。この変換は、恐らくは、代謝的に活性な細胞中のデヒドロゲナーゼ酵素によって生成されるNADPHまたはNADHによって、達成される。アッセイは、少量のCellTiter 96(登録商標)AQueous One溶液試薬を直接培養ウェルに添加して、1〜4時間インキュベートし、次に96ウェルプレートリーダーを用いて490nmで吸光度を読み取って実施される。吸光度は、細胞数とそれらの代謝活性が、直接相関することを明らかにした。
細胞は、96ウェルプレートの各ウェル内に、100μLの新鮮な培養液中で、(細胞型に応じて)5×103〜1.5×104個の細胞で接種して、付着細胞を一晩付着させた。化合物の原液を細胞培養液中で希釈して、1nM〜30μMの範囲にわたる、各薬剤の8つの濃度を得て、1%v/v未満のDMSOを陰性対照として使用した。得られた薬剤溶液を細胞上に移した。72時間の処理後、96ウェルアッセイプレートの各ウェルに、20μlのCellTiter 96(登録商標)AQueous試薬を添加して、プレートを加湿、5%CO2雰囲気内において、37℃で1〜4時間培養した。次に96ウェルプレートリーダーを使用して、各ウェルの吸光度を490nmで記録した。ほとんどの場合、アッセイは三連で実施して、結果を最大半量阻害濃度(IC50)として提示した。化合物濃度と対比して光学濃度をプロットし、非直線回帰方程式(IDBS XLfit)を使用して分析し、各化合物のIC50を計算した。
薬物動態(PK)アッセイおよび脳:血漿比の判定
薬物動態(PK)は、創薬研究開発においてますます重要な役割を果たしている。薬物動態は、薬物の吸収、分布、代謝および/または排出の経時変化の定量的研究である。薬物が投与されると、それは投与部位から、全身の血液循環へ急速に分布する。治療薬の分布程度の1つの基準は、最終測定濃度(AUCt)まで計算されて、無限時間(AUCInf)に外挿される、血漿濃度−時間曲線下面積(AUC)である。したがってAUCは、薬剤曝露を定量化するのに有用な尺度である。
一般に、治療薬曝露が高いほど、作用物質の効果は大きい。しかし高い治療薬曝露は、脳などの特定組織に有害な影響を及ぼすこともある。内皮細胞間の密着結合からなる保護ネットワークである血液脳関門(BBB)が、親水性および/または大型分子の拡散を制限する一方で、AUCの高い薬剤は、なおもBBBおよび/または脳脊髄液に透過できる。このような透過は、望まれない副作用をもたらし得る。現行の創薬努力は、一つには、薬物曝露(例えばAUC)の最大化と、脳透過性の最小化を上手く両立させることを目指している。
脳:血漿(B:P)比は、脳組織中の治療薬と、循環中の治療薬の相対的分布の1つの定量方法であり、したがって治療薬の脳透過性の1つの指標を提供する。脳および脳脊髄液をはじめとする中枢神経系(CNS)に局在性の疾患を標的化する場合、高い脳:血漿比が好ましい。しかし非CNS治療薬では、脳透過性を最小化して、脳およびCNS組織内における治療薬の望まれない蓄積によって引き起こされる可能な副作用を回避するために、より低い脳:血漿比が、一般に好ましい。
AUC。合計10時点(投与前、投与後5分間、15分間、30分間、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、および24時間)において、マウス(N=3)から血液採取した。マウスは交代制で採血され、各マウスは3つの時点における血液採取に寄与した。指定された時点で、動物をイソフルラン下で麻酔し、眼窩後方穿刺によって、1時点あたり約110μLの血液を採取して、予冷したK2EDTA(抗凝固剤)管内に入れた。血液サンプルを湿潤氷上にのせて、試料採取の30分以内に、遠心分離(2000g、4℃で5分間)して血漿を得た。全てのサンプルは、分析まで約−80℃で冷凍保存した。分析に先だって、サンプルをアセトニトリル中の内標準(デキサメタゾン)と混合してボルテックスし、遠心分離して上清を分析のために注入した。血漿中の化合物濃度は、LC−MS−MS計測手段を使用して測定した(API4000、エレクトロスプレーイオン化によるトリプル四重極;Acuity Ultra Performance Liquid ChromatographyカラムC18、有機溶媒としてMeOHおよびギ酸)。AUC値は、WinNonlin Professional 6.2ソフトウェアパッケージ、ノンコンパートメント薬物動態モデルNCA200を使用して計算した。
脳:血漿(B:P)比。別個のマウス群(N=3)に投薬し(10mg/kgのPO)、次に最大血漿濃度の時点(投与後2時間における推定Tmax)で殺処分し、その時点で最終血漿および脳組織を採取した。採取に続いて、脳組織を冷生理食塩水で洗浄して、濾紙上で乾燥させて秤量し、ドライアイスにのせて、急速凍結した。全てのサンプルは、分析まで約−80℃で冷凍保存した。分析時には、脳組織を均質化して(均質化溶液PBS、pH7.4)、アセトニトリル中の内標準(デキサメタゾン)と混合してボルテックスし、遠心分離して、LC−MS−MS手順を使用する化合物濃度の分析のために上清を注入した(API4000、エレクトロスプレーイオン化によるトリプル四重極;Acuity Ultra Performance Liquid ChromatographyカラムC18、有機溶媒としてMeOHおよびギ酸)。血漿サンプルを(均質化段階を除いて)同一方法で処理し、作成された標準曲線に基づいて、各マトリックス中の化合物濃度を計算した。PKアッセイおよびB:P比判定の結果は、表3に報告される。
生体内におけるHCT−116異種移植片の阻害
マウスの後側腹部にHCT−116細胞系を接種し、HCT−116異種移植片を約150mm3に増殖させ、その時点で治療を開始した。処置群は、次のとおりであった:
ビヒクルSC;
50mg/kg5−FUIP、1〜3日間;
25mg/kg化合物1 化合物QD×5SC(低用量);
75mg/kg化合物1 化合物QD×5SC(高用量)。
図1は、時間と対比した初期腫瘍体積の百分率としての腫瘍体積のグラフであり、化合物1による治療が腫瘍増殖を阻害し、5−FUと比較して優れた抗腫瘍効果を示したことを示す。化合物1化合物は、低用量および高容量の双方で良好に耐容された。
HCT−116細胞におけるp21、p53の誘導、およびアポトーシス
HCT−116細胞を10μMの化合物1と共に24時間インキュベートして、その時点で細胞を固定し、p21またはp53に対する抗体、またはDNA染色、DAPIで染色した。引き続く免疫蛍光による分析は、化合物1で処理した細胞の核内で、p21およびp53の双方が濃縮された一方で、ビヒクルのみ(DMSO)で処理した細胞は、細胞質および核内に低レベルのp53およびp21のみを含有したことを示した。
この実験は、化合物1が、CRM1の核輸送機能を阻害して、腫瘍抑制遺伝子タンパク質p53およびサイクリン依存性キナーゼ阻害剤p21の細胞内局在化を変化させたことを示した。
HCT−116細胞を10μMの化合物1と共に、2、4、6、16、または24時間(図2Aおよび2Bに「2+」、「4+」などとして示される)、または10μMの化合物1と共に22時間、そして追加的な1μMの化合物1と共にさらに2時間(図2Aおよび2Bに「22+2+」として示される)インキュベートした。インキュベーション期間の終了時、総タンパク質抽出物を調製した。これに加えて、ビヒクル(DMSO)と共に2および24時間インキュベートした細胞からタンパク質細胞抽出物を作成した(図2Aおよび2Bに「−」として示される)。細胞質および核タンパク質を分離して、免疫ブロット法を実施し、p53、p21、完全長(FL)PARP、切断PARP、およびラミンBに対する抗体と反応させた。
図2Aおよび2Bは、実験から得られたウエスタンブロットの画像であり、化合物1が細胞質と核画分の双方で、p21およびp53を誘導したことを示す。特に強力なp53の誘導が、化合物1で処理した細胞の核画分中で観察された。これに加えて、図2AおよびBは、アポトーシスマーカーPARPの低下と切断PARPの増大によって示唆されるように、化合物1がHCT−116細胞中で24時間後にアポトーシスを誘導したことを示す。切断PARPは、16時間のインキュベーションに続く細胞死の開始を標識し、ラミンは核タンパク質マーカーであり、アクチンはローディング対照である。
HCT−116細胞におけるpRb核局在化およびリン酸化の誘導
HCT−116細胞を10μMの化合物1と共に24時間インキュベートして、その時点で細胞を固定し、pRbに対する抗体またはDAPIで染色した。引き続く免疫蛍光による分析は、化合物1による治療が、腫瘍抑制遺伝子タンパク質pRbの核局在化を誘導したことを示した。
HCT−116細胞を10μMの化合物1と共に、2、4、6、16、または24時間(図3Aおよび3Bに「2+」、「4+」などとして示される)、または10μMの化合物1と共に22時間、そして追加的な1μMの化合物1と共にさらに2時間(図3Aおよび3Bに「22+2+」として示される)インキュベートした。インキュベーション期間の終了時、総タンパク質抽出物を調製した。これに加えて、ビヒクル(DMSO)と共に2および24時間インキュベートした細胞からタンパク質細胞抽出物を作成した(図3Aおよび3Bに「−」として示される)。細胞質および核タンパク質を分離して、免疫ブロット法を実施し、リン酸化pRb(pRbphos)、pRb、アクチン、およびラミンBに対する抗体と反応させた。
図3Aおよび3Bは、実験から得られたウエスタンブロットの画像であり、化合物1で6時間を超えて処理したサンプルにおける、核画分中のより高レベルのpRb、およびpRbタンパク質の上方バンドの低下を示す。上方pRbバンドは、不活性なリン酸化タンパク質に対応し、より低いバンドは、細胞周期停止を誘導するタンパク質の非リン酸化型の活性形態に対応する。図3Aおよび3Bは、化合物1が、細胞質と核画分の双方で、pRbの脱リン酸化を誘導したことを示す。
HCT−116細胞におけるAPCおよびIκB核局在化の誘導
HCT−116細胞を10μMの化合物1と共に24時間インキュベートして、その時点で細胞を固定し、APCまたはIκBに対する抗体またはDAPIで染色した。引き続く免疫蛍光による分析は、化合物1による治療が、HCT−116細胞中で、腫瘍サプレッサータンパク質APCおよびIκBの核局在化をそれぞれ誘導したことを示す。ビヒクルで処理した細胞は、APCおよびIκBの双方の透明細胞質(環様染色)のみを示した。
実験的自己免疫脳脊髄炎(EAE)モデル
EAEモデルは、多発性硬化症などのヒトCNS脱髄性疾患研究のための認められたモデルである。本明細書に記載されるモデルは、5〜8週齢メスC57BL/6またはCD40−/−マウス(13〜16週齢BMキメラマウス)を使用した。500μgのマイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)(DIFCO)を添加したCFA(完全フロイントアジュバント)中に乳化した、200μgのMOG35−55ペプチド(ペプチド35−55ofミエリン乏突起膠細胞糖タンパク質)で、マウスを皮下免疫化した。免疫化の時点、および48時間後に、マウスに250ngの百日咳毒素(Sigma−Aldrich)を腹腔内注射して、血液脳障壁透過性を増大させた。7日後、MOG/CFA添加、百日咳毒素不添加で、マウスに同一追加免疫を投与した。臨床的疾患は、免疫化の13〜18日後に始まった。全てのマウスが弛緩尾部および後肢脱力を提示した時点で、化合物1の投与を開始した。研究デザインは下述するとおりであり、全ての投薬は盲検化様式で実施した。
研究は、3群からなった。(i)ビヒクル処置;(ii)25mg/kgの化合物1;および(iii)75mg/kgの化合物1(強制経口投与、毎週月、水、金の3日間)。各群は16〜18匹の動物を含み、色分けされた。体重および状態および臨床スコアが、2人の独立した研究者らによって毎日記録された。マウスの臨床スコア付けは、毎週4回次のように実施した。0、検出可能なEAEの徴候なし;0.5、遠位尾部引きずり;1、完全な尾部引きずり;1.5、尾部引きずりおよび後肢脱力;2、片側性部分的後肢麻痺;2.5、両側性部分的後肢麻痺;3、完全な両側性後肢麻痺;3.5、完全な後肢麻痺および片側性前肢麻痺;4、前後肢の完全麻痺(スコア>4は殺処分);5、死亡。実験経過中、ゼラチンおよびNutricalなどの柔らかく口当たりの良い餌の補給を提供した。
図4Aは、時間の関数としてのEAEスコアグラフであり、上記レジメンにおける化合物1の投与が、25mg/kg(低用量)および75mg/kg(高用量)群の双方において、統計的に有意な様式で臨床スコアを低下させたことを示す。図4Bは、時間の関数としての体重グラフであり、上記レジメンにおける化合物1の投与が、体重に劇的に(dramataically)影響を及ぼさなかったことを示す。
26日目にマウスの一部を殺処分して、標準法を使用して、免疫(immunce)細胞に蛍光活性化細胞選別(FACS)を実施した。図5は、高用量の化合物1にと関連付けられる、脾細胞数および循環CD8細胞数の中程度の低下を示唆する、FACS実験の結果を示す。
化合物1および実施例1は、本明細書において同義的に使用されて、化学名(Z)−3−(3−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)プロプ−2−エン−1−オンを有する表2の化合物1を指す。
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