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JP2016172646A - カーボンナノチューブの製造装置 - Google Patents

カーボンナノチューブの製造装置 Download PDF

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JP2016172646A
JP2016172646A JP2015051944A JP2015051944A JP2016172646A JP 2016172646 A JP2016172646 A JP 2016172646A JP 2015051944 A JP2015051944 A JP 2015051944A JP 2015051944 A JP2015051944 A JP 2015051944A JP 2016172646 A JP2016172646 A JP 2016172646A
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gas
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rectifying
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JP2015051944A
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渡辺 克己
Katsumi Watanabe
克己 渡辺
利明 堀川
Toshiaki Horikawa
利明 堀川
俊昭 平山
Toshiaki Hirayama
俊昭 平山
藤田 直樹
Naoki Fujita
直樹 藤田
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Artience Co Ltd
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Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明の課題は、触媒を原料ガス雰囲気中に静置してCNTを成長させる、CNTの製造装置であって、分解炉部分における原料ガスの流路の大きさや形状を容易に変更することができる製造装置を提供することである。【解決手段】本発明は、触媒68を反応炉16内に静置してカーボンナノチューブ69を成長させるカーボンナノチューブ69の製造装置15である。製造装置15は端部に開口21,22を有する反応管20と、1又は2以上の凸部を有する整流部材30と、を備える。反応管20は、反応管20内のガス導入側に対して、整流部材30を開口21,22より出し入れ自在な形状を有する。【選択図】図1

Description

本発明はカーボンナノチューブ(CNT)の製造装置に関する。本発明は特に触媒を原料ガス雰囲気中に静置してCNTを成長させる製造装置に関する。
CNTの製造方法として化学気相成長法が知られている。かかる製造方法では例えば炭化水素ガスを高温の気相中で触媒と接触させることでCNTが合成される。特許文献1〜3はかかる製造方法の実施に適した製造装置を開示している。
特許文献1に記載の製造装置は合成炉内に板状の整流板を備える滞留時間調整手段を有している。滞留時間調整手段は加熱体積と呼ばれる所定の大きさの空間を有している(9頁20-25行)。このため滞留時間調整手段は原料ガスの滞留時間を増加させることができる。このため原料ガスの分解が促進される(9頁34-37行)。
特許文献2に記載の製造装置は、前段の分解炉部分と後段の成長炉部分とを有する石英管を備える(5頁8-10行)。製造装置は分解炉部分内に積み重ねられたセラミックパイプを有する(5頁12-16行)。ヒーターの熱を吸収して加熱体となったセラミックパイプは原料ガスの分解を促進する(6頁5-8行)。またセラミックパイプは石英管と平行に設けられており、セラミックパイプを通過することで原料ガスの流速が増大する。このためCNTの成長が促進される(6頁11-15行)。
特許文献2に記載の製造装置は石英管と、これの内部に内挿可能な石英製のボートを備える(4頁31-32行)。ボート上には所定の領域に触媒金属が形成された基板(MEMS基板)が載置されている(4頁24-26行)。ガス排気配管系と石英管とを分離することでボートを交換することができる(4頁44-46行)。
国際公開第2010/147191号 特開2008−201648号公報
上記の製造装置を用いた製造方法ではいずれも触媒を炉内に静置してCNTを成長させる。成長させたCNTは反応が終わるごとに反応炉内から取り出される。そして、反応炉内に触媒を密封して新たに原料ガスを供給することで次の反応が行われる。また特許文献1,2は分解炉部分における原料ガスの流路の好適な大きさや形状を開示している。
本発明は、触媒を原料ガス雰囲気中に静置してCNTを成長させる、CNTの製造装置であって、分解炉部分における原料ガスの流路の大きさや形状を容易に変更することができる製造装置を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、触媒を炉内に静置してカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブの製造装置である。製造装置は端部に開口を有する反応管と、1又は2以上の凸部を有する整流部材と、を備える。前記反応管は、前記反応管内のガス導入側に対して、前記整流部材を前記開口より出し入れ自在な形状を有する。
上記態様により、整流部材が出し入れ自在なため原料ガスの流路の大きさや形状を自在に規定できる。このため、反応管を含めた反応炉全体を交換せずとも原料ガスの流路の大きさや形状の効果を容易に好適化することができる。
前記反応管は横置きされることが好ましい。前記凸部は、前記整流部材が前記反応管内に設置されたとき前記反応管の天井部近傍から下向きに突き出している天井凸部を含むことが好ましい。前記天井凸部は、前記凸部の中で前記ガス導入側に対して最も遠くに位置することが好ましい。天井凸部が昇温された原料ガスを天井部近傍から床部近傍に導くことで、反応管内の温度分布の偏りを減らすことができる。
前記凸部は、前記整流部材が前記反応管内に設置されたとき前記反応管の床部近傍から上向きに突き出している床凸部をさらに含むことが好ましい。床凸部と天井凸部との組み合わせにより原料ガスの流路を蛇行させることで、原料ガスの加熱効率を高めることができる。
前記反応管は縦置きされ、前記反応管の下側が前記ガス導入側であることが好ましい。かかる態様により製造装置の設置面積を小さくすることができる。前記整流部材は、二又は三以上の前記凸部を有することが好ましい。前記凸部は互いに向き合い、かつ交互に配置されることが好ましい。複数の凸部の組み合わせにより原料ガスの流路を蛇行させることで、原料ガスの加熱効率を高めることができる。
製造装置は絞り部材をさらに備えることが好ましい。前記反応管は、前記反応管内のガス排出側に対して、前記絞り部材を前記開口より出し入れ自在な形状を有することが好ましい。かかる態様により原料ガスより生じた副生水素を反応管内から効率的に除去することができる。
製造装置は前記反応管の周囲にヒーターをさらに備えることが好ましい。前記ヒーターは、前記整流部材に対面する上流ヒーターと、前記絞り部材に対面する下流ヒーターと、前記上流及び下流ヒーターの間の中間ヒーターと、を有することが好ましい。前記上流ヒーターは少なくともガス導入側及び中間ヒーター側に分割されていることが好ましい。前記下流ヒーターは少なくとも中間ヒーター側及びガス排出側に分割されていることが好ましい。
上記態様において上流及び下流ヒーターの各中間部側のヒーターを最も高い温度に設定することで、中間ヒーターと対面する反応管の中央部の内腔の温度分布の偏りを減らすことができる。
製造装置は受け皿又は平板を有する中間部材をさらに備えることが好ましい。前記反応管は、前記反応管内のガス導入側及びガス排出側の間の中央部に対して、前記中間部材を前記開口より出し入れ自在な形状を有することが好ましい。
中間部材上に触媒を載置し反応管に挿入することで、触媒を反応管内に配置する際の高さ、奥行、その他の位置決めを所望のものとすることができる。また中間部材を反応管から取り出すことができるので、触媒を起点として成長したCNTの回収を容易に行うことができる。
製造装置は前記反応管のガス排出側に接続されるエゼクターと、前記エゼクターに接続されるタンクと、をさらに備えることが好ましい。前記タンクは酸素ガスを含有しないガスを有することが好ましい。かかる態様によりCNTを取り出す前に行う原料ガスと不活性ガスとの置換作業を効率的に行いつつ、原料ガスと酸素との接触を抑制することができる。
本発明により、触媒を原料ガス雰囲気中に静置してCNTを成長させる、CNTの製造装置であって、分解炉部分における原料ガスの流路の大きさや形状を容易に好適化することができる製造装置を提供することができる。
実施形態にかかるCNT製造装置の模式図である。 実施形態にかかる整流部材の出し入れの模式図である。 実施例1にかかる反応炉の模式図である。 実施例1にかかる整流部材の正面図及び側面視断面図である。 実施例1にかかる絞り部材の正面図及び側面視断面図である。 実施例1にかかる中間部材の正面図及び側面視断面図である。 実施例1にかかるCNT製造装置の側方視断面図である。 実施例1にかかる加熱炉の開閉図である。 実施例1にかかるエゼクターの断面図である。 実施例1にかかる反応炉の試験の概要図である。 実施例1にかかる反応炉の使用法を示す模式図である。 実施例2にかかるCNT製造装置の模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。同等の構成要素には同一の番号を付して重複する説明を省略する。また同等の構成要素に、同一の数字と相互に識別するためのアルファベットとからなる番号を付して重複する説明を省略する場合がある。
図1は本実施形態に係るCNT(カーボンナノチューブ)の製造装置15を模式的に表す。製造装置15は反応炉16を備える。反応炉16は反応管20を備える。反応管20はその端部に開口21,22を有する。開口21,22は反応管の端部の一方と他方に位置する。反応管20の形状は限定されないが、円筒形状であることが好ましい。
図1に示す反応炉16はさらに整流部材30を備える。整流部材30は開口31,32を有する。整流部材30は、1又は2以上の凸部を有する。かかる凸部の一例として整流部材30は開口31側に整流板36を有する。整流部材30は開口32側に整流板37を有する。整流部材30は整流板36,37で形成された流路35を有する。
図1に示す反応管20は所定の形状を有する。反応管20は所定の形状の一例として開口21と開口22とに挟まれた円筒形状を有している。かかる形状により、図2に示すように整流部材30を反応管20内のガス導入側に開口21及び開口22又はいずれか一方より出し入れ自在となっている。ここでガス導入側とは原料ガス66が導入される開口21に近い側であって、排出ガス67が排出される開口22からは遠い側をいう。
図1に戻る。整流部材30は整流板36,37の一方を有していなくともよい。また整流部材30は整流板36,37以外の整流板を有していてもよい。整流板36,37は他の形状の凸部で代替できる。例えば整流板36,37はこぶ形状でもよい。
図1に示す製造装置15を用いたCNTの製造方法を以下に示す。まず中間部材60を炉内すなわち反応管20の内腔に配置する。次に触媒68を中間部材60上に静置する。触媒68を中間部材60に静置してから、中間部材60を内腔に配置してもよい。中間部材60は平板状でも、ボート状でもよく、後述する図3に示すような管形状でもよい。触媒68は反応管の内壁上に直接置いてもよい。
図1に示す製造装置15では、CNTの合成反応中、触媒は静置状態が保たれる。このため、例えばキルン式のCNT製造装置に比べて反応管20内の気密を高い水準に保つことができる。
さらに図1に示す反応管20の内腔に整流部材30を設置する。このとき開口31が開口21の位置するガス導入側を向くように整流部材30を設置する。このとき開口32が開口22の位置するガス排出側を向く。
次に図1示すように整流部材30を上流ヒーター43で加熱する。また触媒68を中間ヒーター46で加熱する。中間ヒーター46は上流ヒーター43よりも、開口21に対して遠くに位置するヒーターである。
次に図1に示す原料ガス66を反応管20内に流入させる。このとき整流部材30内の流路35で昇温する。原料ガスは炭素源ガスを含む。ここで整流部材30は昇温炉又は分解炉として機能する。昇温した原料ガス66が触媒68に接すると触媒68の表面を合成反応の中心としてCNT69が合成される。このとき原料ガス66からは副産物として水素が発生する。排出ガス67は水素及びCNT合成に寄与しなかった炭素源ガスを含む。
図1に示す整流部材30及び触媒68の加熱と、原料ガス66の導入とを継続することでCNT69を成長させることができる。このとき排出ガス67の排出も継続される。原料ガスを通過させCNT合成反応を行う時間は例えば30分以上、2時間以下とすることができる。かかる時間は1時間であることが好ましい。成長したCNT69は中間部材60を開口21,22から取り出すことで容易に回収することができる。
本実施形態では図2に示すように出し入れ自在な整流部材30によって流路35の大きさや形状を規定している。このため、反応管20を含めた反応炉16全体を交換せずとも流路35の大きさや形状の効果を確認することができる。あるいは分解炉部分における原料ガスの流路の大きさや形状を容易に変更することができる。かかる変更や確認は反応ごとに行うことができる。
例えば図1に示す通りCNT69を合成した場合と、整流部材30を反応管20内に設置しないでCNT69の合成した場合とを比較することができる。かかる比較より流路35の効果を確認することができる。
図3はCNTの製造装置にかかる反応炉16を示す模式図である。反応炉16の備える反応管20は横置きされている。反応管20は実質的に水平に設置されることが好ましい。反応管20は石英管であることが好ましい。
反応炉16は整流部材30a,b及び中間部材群59を備える。整流部材30a,bは図1に示した整流部材30の好ましい一例である。整流部材30a,bは反応管20と共に原料ガスのための昇温炉を構成している。一方、中間部材群59は反応管20と共にCNTの成長炉を構成している。中間部材群59は中間部材60a−fを備える。中間部材60a−fは図1に示した中間部材60の好ましい一例である。
図3に示す反応炉16はさらに絞り部材50及びスペーサー49を備える。整流部材30a,b、中間部材60a−f、絞り部材50及びスペーサー49はいずれも反応管20に出し入れ自在なインナー管であることが好ましい。
図3に示す整流部材30a,bは開口21の位置するガス導入側から順に並んでいる。整流部材30a,bはそれぞれ開口31a,b及び開口32a,bを有する。開口31aは開口21側に位置する。開口32aは開口31bと対向する。開口32bは開口22側に位置する。上述の整流部材30同様、整流部材30a,bは反応管20に対して出し入れ自在である。
図3に示す整流部材30a,bの備える整流板37a,bは天井凸部の一例である。天井凸部とは図1を用いて説明した凸部に含まれる凸部である。整流板37a,bは整流部材30a,bが反応管20の内腔に設置されたとき、反応管20の天井部23近傍から下向きに突き出している。
図3に示すように原料ガス66は反応管20内に進入する。原料ガス66の供給速度は好ましくは毎分5L以上、毎分50L以下であり、特に好ましくは毎分10Lである。
図3に示す原料ガス66は炭素源ガスを含む。炭素源ガスは芳香族化合物・飽和炭化水素・不飽和炭化水素・不飽和鎖式炭化水素・飽和鎖式炭化水素・環状不飽和炭化水素・環状飽和炭化水素などのガス状炭素化合物を例示できる。中でも、メタン・エタン・プロパン・ブタン・ペンタン・ヘキサン・ヘプタン・プロピレン・エチレン・ブタジエン・ポリアセチレン・アセチレンなどの炭化水素からなる群から選ばれる一以上の有機化合物を含有することが好ましく、プロパンを含有することが特に好ましい。炭素源ガスの濃度は1%以上が好ましく、95%以上が特に好ましい。
図3に示す原料ガス66の残部は雰囲気ガスからなることが好ましい。雰囲気ガスはキャリアガスともいう。雰囲気ガスはCNT及び炭素源ガスと反応しないことが好ましい。具体的には雰囲気ガスは酸素ガスを含有しないことが好ましい。雰囲気ガスは実質的に不活性ガスからなることが好ましい。
本明細書において不活性ガスとは希ガスに限定されない。不活性ガスはヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、二酸化炭素及び窒素からなる群から選ばれる一以上の物質を含有することが好ましく、窒素を含有することが特に好ましい。不活性ガスは水素を含有しないことが好ましい。
図3に示す整流部材30a,b内で昇温された原料ガス66は膨張し密度が小さくなり天井部23に向かって上昇する。これに対して整流板37bは整流部材30bの整流板の中で開口21の位置するガス導入側に対して最も遠くに位置する。
図3に示す整流板37bは上昇した原料ガス66を反応管20の天井部23近傍から床部24近傍に導く。このため整流板37bは整流部材30bの下流の反応管20の内腔における温度分布の偏りを減らすことができる。なお整流部材30bが配置されていない場合は、整流板37aが上昇した原料ガスを反応管20の天井部23近傍から床部24近傍に導く役割を果たす。
図3に示す整流部材30a,bの備える整流板36a,bは床凸部の一例である。床凸部とは図1を用いて説明した凸部に含まれる凸部である。整流板36a,bは、整流部材30a,bが反応管20内に設置されたとき、床部24近傍から上向きに突き出している。
図3に示す整流板36aと整流板37aとの組み合わせにより原料ガス66の流路35aは蛇行する。同様に整流板36bと整流板37bとの組み合わせにより原料ガスの流路35bは蛇行する。さらに隣り合う整流板37aと整流板36bとの組み合わせにより、整流部材30a,bに跨る原料ガス66の流路はさらに蛇行する。
図3に示す整流板36a,bと整流板37a,bとの組み合わせにより原料ガス66の流路を蛇行させることができる。流路が蛇行することで原料ガス66の昇温効率を高めることができる。十分に昇温した原料ガス66は水素原子(分子)と炭素原子とに分解されるため、中間部材群59内でのCNT合成反応が効率よく行われる。
図4は整流部材30aの正面図及び側面視断面図を示す。整流部材30bも図4に表された形状と同等の形状を有する。整流部材30aは管形状の胴部33aを備える。胴部33aの内腔には整流板36a,37aが突き出している。開口31a及び開口32aの間の長さは100mm以上、400mm以下であることが好ましく、150mm以上、300mm以下であることが特に好ましい。
図4に示す整流板36a,37aの高さは胴部33aの有する中心軸34aを超えるものであってもよい。すなわち開口31a側から正面視した時、整流板36aの上端と整流板37aの下端は互いに重なり合っていてもよい。かかる態様により流路35aの蛇行はより大きくなるため、図3に示した原料ガス66の昇温効率が高まる。
図3に戻る。反応管20は所定の形状の一例として開口21と開口22とに挟まれた円筒形状を有している。かかる形状により絞り部材50及びスペーサー49を反応管20内のガス排出側に対して、開口21及び開口22、又はいずれか一方より出し入れ自在となっている。ここでガス排出側とは排出ガス67が排出される開口22に近い側であって、原料ガス66が導入される開口21からは遠い側をいう。
図5は絞り部材50の正面図及び側面図である。絞り部材50は開口51,52及び胴部53を備える。開口51及び開口52は胴部53を挟んで互いに反対側に位置する。開口51及び開口52又はいずれか一方の径は絞り部材50全体の径に比べて絞られている。図5では開口51の径が絞られている。
図5に示す開口51及び52の間の長さは200mm以上、600mm以下であることが好ましく、300mmであることが特に好ましい。なお図3においてスペーサー49の横方向の長さは100mm以上、200mm以下であることが好ましく、150mmであることが特に好ましい。
図3に戻る。絞り部材50が反応管20内に設置されたとき、開口51は反応管20のガス導入側であって、かつ反応管20の中心軸周辺に位置する。このため排出ガス67の流路55は開口51において絞り込まれる。したがって開口51近傍において排出ガス67の流速は高まる。
図3に示す原料ガス66が中間部材群59内で反応すると副生物として水素ガスが生じる。上述の通り絞り部材50は排出ガス67の流速を高める。このとき流路55には水素ガスが優先的に取り込まれる。したがって排出ガス67中の水素ガスの濃度が高まる。このため絞り部材50は水素ガスを反応管内から効率的に除去する。一方で、絞り部材50はプロパンを初めとするガス状炭素化合物のみ選択的に中間部材群59内に滞留し易くする。
図5に戻る。絞り部材50は開口51の周囲に傾斜面56及び傾斜面57又はいずれか一方を備える。図中では傾斜面56,57のいずれも傾斜面となっている。かかる傾斜面は反応管20の中心軸から反応管20の内表面に近づくにつれて、ガス導入側からガス排出側に近づく形状を有する。
図5に示す傾斜面56は絞り部材50の内表面であって、図3に示すように絞り部材50が反応管20の内腔に設置されたときガス排出側に位置する。傾斜面57は絞り部材50の外表面であって、図3に示すように絞り部材50が反応管20の内腔に設置されたときガス導入側に位置する。
図3に戻る。中間部材60a−fは図1に示す中間部材60の一例である。中間部材60aは1,2,3若しくは4枚以上の受けトレー、皿又は平板を有していてもよい。図中には一例として中間部材60a内にトレー64a−cが設置されている。中間部材60aはトレー64a−cが実質的に水平になるように設置されている。
図3に示す中間部材60b−fは中間部材60aと同様の構成を有する。中間部材群59は1,2,3,4,5,6,7,8,9,10若しくは11個以上の中間部材を有する。中間部材群59は20個以下の中間部材を有することが好ましい。
図6は中間部材60aの正面図及び側面視断面図である。中間部材60aは開口61,61及び胴部63を備える。開口61及び開口62は胴部63を挟んで互いに反対側に位置する。トレー64a−cは胴部63の内腔の中央に位置する。触媒はトレー64a−cに載置されることが好ましい。
図6に示す中間部材60aにおいて開口61及び開口62の間の長さは100mm以上、400mm以下であることが好ましく、150mm以上、300mm以下であることが特に好ましい。
図6に示すトレー64a−cは胴部63内に固定されていても、されていなくともよい。トレー64a−cは胴部63内に載置されていてもよい。なお図中では64a−cを支える手段が省略されている。ここでトレー64a−cは自身を支える脚を備えてもよい。トレー64a−cは互いに連結されていてもよい。また胴部63がトレー64a−cを支えてもよい。
図6に示すトレー64a−cは胴部63の断面において縦に並んでいる。トレーの段数はさらに増やしもよい。さらに他のトレーを横方向に増やしてもよい。
図6に示すように中間部材60aは整流板65を有してもよい。整流板65は開口62の近傍に設けてもよい。すなわちトレー64a−cと開口62との間に設けてもよい。整流板65は開口61の近傍に設けてもよい。すなわちトレー64a−cと開口61との間に設けてもよい。整流板65は、上述した整流板37a,b(図3)と同様に、上昇した原料ガスを反応管の天井部23近傍から床部24近傍に導く役割を果たす。
図3に戻る。中間部材60a−f上に触媒を載置し反応管20に挿入することで、触媒を反応管20内に配置する際の高さ、奥行、その他の位置決めを所望のものとすることができる。中間部材60aが反応管20内に設置されたとき、開口61は反応管20のガス導入側に位置する。開口62は反応管20のガス排出側に位置する。
図3に示すように反応管20は所定の形状の一例として開口21と開口22とに挟まれた円筒形状を有している。かかる形状により中間部材60a−fを反応管20内のガス導入側及びガス排出側の間の中央部に対して、開口21及び開口22、又はいずれか一方より出し入れ自在となっている。
図3に示す中間部材60a−f上でCNTは触媒を起点として成長する。CNTはしばしば反応管20の内腔の中央を占有するほどに成長する(CNT69、図1)。本実施例ではCNTによる反応管20の内腔の占有率が80から90%に達することもある。例えば中間部材1個当たり、CNTの質量が20から30g、体積が200から300cmに達することもある。しかしながら中間部材60a−fは反応管20から取り出すことができる。このため成長したCNTの回収を容易に行うことができる。
図7は製造装置15の側方視断面を示す。製造装置15は加熱炉40、駆動側チャンバー70及び排出側チャンバー80を備える。ヒーター41は反応管20の周囲に配置される。駆動側チャンバー70は反応管20に対してガス導入側に位置する。排出側チャンバー80は反応管20に対してガス排出側に位置する。
図7に示す加熱炉40はヒーター41を有する。図8の開閉図に示すように加熱炉40はさらにヒーター42を備える。ヒーター42はヒーター41と同等の構成を有する。ヒーター41,42は半円形の断面を有するヒーターである。
図8に示すヒーター41,42が互いに向き合いかつ密着することで反応管20の全周を覆うことができる(ヒーター“閉”時)。ヒーター41,42が互いに離間することで反応管20を開放することができる(ヒーター“開”時)。
図8に示す加熱炉40は支持体47,48を有する。支持体47,48はそれぞれヒーター41,42を支持する。支持体47,48はヒーター41,42及び反応管20と外気との間の熱の移動を遮断する。加熱炉40は導電線38,39を有する。導電線38,39支持体47,48を貫通しそれぞれヒーター41,42に導通する。
図7に戻る。ヒーター41は上流ヒーター43、下流ヒーター45及び中間ヒーター46を有する。上流ヒーター43は少なくとも個別ヒーター44a及び個別ヒーター44bに分割されている。個別ヒーター44aは反応管20のガス導入側に対面する。個別ヒーター44bは反応管20の中間ヒーター46側に対面する。
図7に示す上流ヒーター43は3個以上に分割されていてもよい。分割されたヒーターは反応管20のガス導入側からガス排出側に向かって順に並ぶ。上流ヒーター43は分割されていなくともよい。
図7に示す下流ヒーター45は少なくとも個別ヒーター44h及び個別ヒーター44iに分割されている。個別ヒーター44hは反応管20の中間ヒーター46側に対面する。個別ヒーター44iは反応管20のガス排出側に対面する。
図7に示す下流ヒーター45は3個以上に分割されていてもよい。分割されたヒーターは反応管20のガス導入側からガス排出側に向かって順に並ぶ。下流ヒーター45は分割されていなくともよい。
図7に示す個別ヒーター44bは上流ヒーター43の有する個別ヒーターであって、中間ヒーター46側のヒーターである。個別ヒーター44bを上流ヒーター43中の個別ヒーターの中で最も高い温度に設定することが好ましい。
図7に示す個別ヒーター44hは下流ヒーター45の有する個別ヒーターであって、中間ヒーター46側のヒーターである。個別ヒーター44hを下流ヒーター45中の個別ヒーターの中で最も高い温度に設定することが好ましい。
上記温度設定の態様により、図7に示す中間ヒーター46と対面する反応管20の中央部の内腔の温度分布の偏りを減らすことができる。
図7に示す反応管20の中央部の内腔の目標温度を好ましくは650℃以上かつ710℃以下、特に好ましくは680℃とする。すなわち、整流部材30a,bにおいて常温の原料ガスを680℃程度まで加熱することが好ましい。常温の範囲は5℃以上、35℃以下の温度であってもよい。
原料ガスを目標温度まで加熱するために、図7に示すヒーター41,42を次のように設定する。まず個別ヒーター44b,hの温度を好ましくは反応管20の中央部の内腔の目標温度よりも高い温度、特に好ましくは10℃以上高い温度とする。個別ヒーター44b,hの温度を好ましくは650℃以上かつ730℃以下の温度、特に好ましくは690℃とする。また個別ヒーター44aの温度を好ましくは反応管20の中央部の内腔の目標温度よりも低い温度とする。個別ヒーター44aの温度を好ましくは600℃以上かつ700℃以下の温度、特に好ましくは650℃とする。個別ヒーター44iの温度を好ましくは個別ヒーター44aの温度をよりも低い温度とする。また個別ヒーター44iの温度を好ましくは550℃以上かつ650℃以下の温度、特に好ましくは600℃とする。また個別ヒーター44c−gの温度を好ましくは650℃以上かつ710℃以下の温度、特に好ましくは680℃とする。なお駆動側チャンバー70内の原料ガスの温度は常温であることが好ましい。
図7に示す中間ヒーター46は一例として5個の個別ヒーター44c−gに分割されている。個別ヒーター44cは反応管20の中央部のガス導入側に対面する。個別ヒーター44gは反応管20の中央部のガス排出側に対面する。
図7に示す中間ヒーター46は2,3,4,5又は6個以上に分割されていてもよい。分割されたヒーターは反応管20のガス導入側からガス排出側に向かって順に並ぶ。中間ヒーター46は分割されていなくともよい。
図7に示すように駆動側チャンバー70は開口71,72及び73a,b、蓋74を備える。蓋74はヒンジを有する。蓋74は開口71を閉じることができる。開口72は反応管20の有する開口21に面する。駆動側チャンバー70と反応管20は開口72,21を通じて連通する。このため蓋74を開けた時に、開口71から反応管20に整流部材、中間部材及び絞り部材を出し入れすることができる。
図7に示す開口72と開口21との間の隙間をシールしておくことが好ましい。シールは例えばゴムで行うことができる。なおシールを保全するために駆動側チャンバー70内の原料ガスの温度は室温であることが好ましい。またかかるシールと加熱炉40とを離間することで加熱炉40の動作中においても開口21の温度を200℃まで低下させることが好ましい。シールが保全されることで原料ガスと酸素の接触を防止できる。
図7に示す開口73a,bはタンク75a,75bと連通する。開口73a,bに弁を備えてもよい。タンク75a,75bは所望の原料ガスを蓄えることができる。タンク75aに雰囲気ガスを蓄え、タンク75bに炭素源ガスを蓄えてもよい。駆動側チャンバー70は原料ガスを導入するための開口を1,2又は3個以上備えていてもよい。
図7に示す排出側チャンバー80は開口81,82,83及び蓋84を備える。開口81は反応管20の有する開口22に面する。蓋84はヒンジを有する。蓋84は開口82を閉じることができる。排出側チャンバー80と反応管20は開口81,22を通じて連通する。蓋84を開けた時に、開口82から反応管20に整流部材、中間部材及び絞り部材を出し入れすることができる。開口83は弁を備えてもよい。
図7に示す開口81と開口22との間の隙間をシールしておくことが好ましい。シールは例えばゴムで行うことができる。かかるシールと加熱炉40とを離間させることで加熱炉40の動作中においても開口22の温度を低下させることが好ましい。さらに、開口22と加熱炉40との間の反応管20の周囲に冷却コイルを巻き付けることで加熱炉40の動作中においても開口22の温度を200℃以下に低下させることが好ましい。
図7に示す開口83は吸引装置と接続する。吸引装置は真空ポンプ又はエゼクターであることが好ましく、エゼクターが特に好ましい。エゼクターの一例であるエゼクター85はタンク86と連通する。タンク86は所望の駆動ガス87を蓄えることができる。
図7に示す駆動ガス87は原料ガス及びCNTとの反応性に乏しいガスであることが好ましい。駆動ガス87は空気ではないことが好ましい。駆動ガス87は酸素ガスを含まないことが好ましい。駆動ガス87は上述の不活性ガスが好ましい。かかるガスは入手性の観点から窒素ガスが好ましい。
図9はエゼクター85の詳細な断面図である。エゼクター85は吸入部85a、駆動部85b、吐出部85cを備える。吸入部85aには排出ガス67が流入する。駆動部85bには駆動ガス87が流入する。駆動ガス87は駆動部85bから吐出部85cに進む。
図9に示すようにベンチュリー効果により、吐出部85cに排出ガス67が引き込まれる。排出ガス67及び駆動ガス87は吐出部85cから吐出される。駆動ガス87の供給を続ける限り、排出ガス67を強制的に吸引することができる。
図7に戻る。駆動ガス87が吸入部85aを通じて高温の反応管20中に流入したとしても、駆動ガス87は原料ガス及びCNTと反応しにくい。なぜなら駆動ガス87は上述の通り原料ガス及びCNTとの反応性に乏しいガスだからである。
図7に示す態様によりエゼクター85は反応管20のガス排出側に接続される。このためエゼクター85を駆動することで排出ガス67を吸引することができる。またCNTを取り出す前に行う原料ガスと不活性ガスとの置換作業を効率的に行うことができる。またかかる置換作業中において原料ガスと酸素との接触を抑制することができる。
図10は本実施例の製造装置を用いたCNT合成の試験の概要と結果を表す図である。上述のとおり反応炉16の有する各構成要素は反応管20に対して出し入れができる。下表に従い整流部材30a,bと、絞り部材50及びスペーサー49と、中間部材60a−f中のトレー64a−cとを基本例及び試験例ごとに選択して反応管20内に配置した。図10は特に基本例を表す。基本例では中間部材60a−fのみ反応管20内に配置してある。
図10に示すように基本例では中間部材60aは中段に配置されたトレー64bのみ備える。中間部材60b−fにおいて同様である。また試験例1−3でも、中間部材60a−fはトレー64bのみ備える。試験例4,5では、中間部材60a−fは上段に配置されたトレー64aと下段に配置されたトレー64cとをさらに備える。
Figure 2016172646
表1において「整流」の列は整流部材30a,bの有無を表す。「絞り」の列は絞り部材50及びスペーサー49の有無を表す。「収量」の行はCNTを含有する生成物の収量を表す。「試料」の行は粉体抵抗値測定のため生成物から採取したサンプルの質量(g)を表す。また「抵抗」の行はサンプルの粉体抵抗値を表す。粉体抵抗値の単位は(10−2)[Ω・cm]である。
表1に示す基本例及び試験例では触媒として、酸化コバルトを用いた。質量2gの触媒を各中間部材60a−fの備えるトレー64b又は各トレー64a−cに載置した。原料ガスは炭素源ガスとして98%のプロパンを含むものとした。
図10に示す反応管20の中央部を占める中間部材群59中を目標温度680℃の原料ガスが通過するものとした。目標温度を達成するため、前述した図7に示す個別ヒーター44b,h(図7)の温度を690℃とした。また個別ヒーター44aの温度を650℃とした。また個別ヒーター44iの温度を600℃とした。また個別ヒーター44c−gの温度を680℃とした。
図10に示す反応管20をヒーターで加熱しつつ原料ガスを反応管20内に通過させた。原料ガスを導入することで反応を開始してから60分を経過した時点で、原料ガスの供給を停止した。
その後図10に示す反応管20の内腔の原料ガスと排出ガスとをエゼクターで吸引した。その後、反応管20の内腔のガスを雰囲気ガスのみからなるガスで置換した。ガス置換を進めつつ反応管20の温度を下げた。原料ガスが雰囲気ガスと置換され、CNTが酸素と反応しない程度の温度まで低下したところで雰囲気ガスを大気と置換した。
図10に示す各中間部材60a−fを反応管20の開口から取り出し、中間部材上の生成物を得る。生成物はCNTと触媒を含有している。生成物からサンプルを採取し粉体抵抗値を求めた。粉体抵抗値の小さい生成物は導電性がよいと判断される。また粉体抵抗値の小さい生成物はCNTの純度が高いと判断される。CNTの純度が高い生成物は漆黒性も高い。
表1に示す粉体抵抗値の測定装置は三菱化学アナリテック社製の粉体抵抗測定システムMCP-PD51型であった。測定条件は以下の通りであった。
使用プローブ 四探針プローブ
電極間隔 3.0 mm
電極半径 0.7 mm
試料半径 10.0 mm
サンプル量 1.2 g
加圧条件 4N,8N,12N,16N,20N
表1に示す粉体抵抗値の測定方法は以下の通りであった
まず4N加圧時のサンプル密度(g/cc)と体積抵抗値(Ω・cm)を測定した。
さらに8N,12N,16N,20N加圧時の体積抵抗値を測定した。
次に各サンプル密度に対する体積抵抗値をプロットした。
次にプロットから指数関数の近似曲線を作製し近似関数を得た。
次に近似関数からサンプル密度が1(g/cc)の時の体積抵抗値を推定した。
かかる体積抵抗値を粉体抵抗値のデータとした。
表1に示されるように、基本例と比較して試験例1では同一の大きさの反応炉16から得られるCNTの収量が増加していた。このため整流部材30a,bはCNTの収率を向上させることが分かった。これは整流部材30a,bによって原料ガスを十分に温めることができるようになったためであると考えられる。整流部材30a,bの効果は特に中間部材60aにおいて顕著であった。
表1に示されるように、基本例と比較して試験例1では粉体抵抗値も低下していた。このため整流部材30a,bはCNTの純度を向上させることが分かった。生成物中の不純物としては触媒が主である。このため整流部材30a,bを用いることで、これを用いない場合に比べ、同一量の触媒からより多くのCNTを生成出来ることが分かった。
表1に示されるように、基本例と比較して試験例2では同一の大きさの反応炉16から得られるCNTの収量が増加していた。このため絞り部材50はCNTの収量を向上させることが分かった。これは絞り部材50によって水素を排出する一方で、プロパンを滞留させることができるようになったためであると考えられる。絞り部材50の効果は特に中間部材60fにおいて顕著であった。
表1に示されるように、基本例と比較して試験例2では粉体抵抗値も低下していた。このため絞り部材50はCNTの純度を向上させることが分かった。また絞り部材50を用いることで、これを用いない場合に比べ、同一量の触媒からより多くのCNTを生成出来ることが分かった。
表1に示されるように、試験例1と比較して試験例3ではCNTの収量が増加していた。このため、絞り部材50は、整流部材30a,bによって十分にCNTの収率が高められているときでも、CNTの収量を高める作用効果を発揮することが分かった。収量の増加は特に中間部材60e,fにおいて見られた。
表1に示されるように、試験例2と比較して試験例3では中間部材60a―cにおいてCNTの収量が増加していた。整流部材30a,bの効果は特に中間部材60aにおいて顕著であった。
表1に示されるように、試験例1,2と比較して試験例3では粉体抵抗値も低下していた。このため整流部材30a,b及び絞り部材50の併用はCNTの純度を向上させることが分かった。またかかる併用により、これらを併用しない場合に比べ、同一量の触媒からより多くのCNTを生成出来ることが分かった。
表1に示されるように、試験例4,5ではトレーを上段及び下段にも設置した。試験例4と比較して試験例5ではCNTの収量が増加していた。これは整流部材30a,bによって原料ガスの上昇を抑制したため中段や下段のトレーでの収量が増加したことによると考えられる。
図10に示す整流部材30a,bの効果は絞り部材50によってCNTの収量が高められているときでも、発揮されることが分かった。整流部材30a,bの効果は特に中間部材60aにおいて顕著であった。
表1に示されるように、試験例4と比較して試験例5では粉体抵抗値も低下していた。このため整流部材30a,bの追加はCNTの純度を向上させることが分かった。かかる整流部材30a,bの効果は絞り部材50用いているときでも、発揮されることが分かった。
上記試験例で示したように図3に示す反応炉16は、整流部材30a,bと、絞り部材50及びスペーサー49と、中間部材60a−fと、中間部材60a−f中のトレー64a−cを出し入れできる。このため反応ごとに任意の部材の数を増減することができる。
例えば図3に示す反応炉16では分解炉部分に相当する整流部材30a,bの数を減ずることができる。これにより反応管20の内腔において整流部材30の占める体積を減らすことができる。
図11は本実施例に係る反応炉16の使用法を示す模式図である。反応炉16において、図3に示す整流部材30bを撤去されている。一方、整流部材30aと中間部材60a−fと間に7個目の中間部材60zが挿入されている。これにより中間部材群59は7個の中間部材60z,60a−fを備えるものとなる。
図11に示す反応管20の内腔において中間部材群59の占める体積が増加する。このため1個の整流部材30aでもCNTの合成反応の効率が十分高いものであれば、1回の反応で得られるCNT量をより増やすことができる。なぜなら中間部材の数が増えたことで、触媒を配置する面積とCNTが展開する空間とが増えるからである。
これに対し背景技術に係る製造装置は、例えば特許文献2に記載のようにそれぞれ1個のヒーターでその領域の長さが規定された分解炉部分と成長炉部分とを備える(特許文献2の図6)。このため反応炉の大きさが一定である場合、例えば特許文献1に記載のように分解炉部分に相当する加熱体積を大きくすると(特許文献1の図1)、成長炉部分が小さくなる。したがって原料ガスの分解を促進してCNTの合成反応の効率を高めることができても、1回の反応で得られるCNT量は小さくなると考察される。
一方、背景技術においては、成長炉の部分を大きくすると分解炉部分が小さくなる。このため反応炉全体から得られるCNT量は大きくすることができても、原料ガスの分解が不十分であればCNTの合成反応の効率が低下するものと考察される。
これに対して本実施例では図3に示す反応管20を交換せずとも、図11に示すように昇温炉及び成長炉の大きさの比率を自在に変更することができる。したがって、CNTの合成反応の効率と、1回の反応で得られるCNT量のバランスを図ることができる。
このため、原料ガスの組成ごとに図3,11に示す反応炉16内の構成を変更することで、反応炉16から得られるCNTの合成効率を高めることができる。本実施例の方式は反応炉16の大きさが変更できない場合に好都合である。図10に示す試験例はこのような方式を用いることで反応炉16内の構成を自在に変更できることを示している。
なお図3に示す整流部材30a,bを3個以上に増やしてもよい。また整流部材30a,bを設置しなくてもよい。また整流部材30a,bのサイズを小さくすることも大きくすることもできる。また中間部材60a−fのサイズを大きくすることも小さくすることも出来る。また絞り部材50を設置しなくてもよい。
図12は実施例2にかかるCNTの製造装置の有する反応炉17を模式的に表す。実施例2の製造装置は以下の点を除き上述の実施例1にかかる製造装置と同等である。
図12に示すように反応管20は縦置きされる。反応管20の大きさが同一である場合、かかる製造装置の設置面積を製造装置15よりも設置面積よりも小さくすることが容易である。
図12に示すように反応管20の下側がガス導入側であり、上側がガス排出側である。かかる態様により原料ガスを加熱することで起きる上昇気流により、原料ガスを反応管20内に行き渡らせることができる。
図12に示す反応炉17は図3に示す中間部材60a−fに代えて、中間部材90a−eを備える。中間部材90a−eはトレー91a−e及び脚92a−eをそれぞれ備える。脚92b−eはそれぞれトレー91a−d上に立つ。触媒はトレー91a−eに載置されることが好ましい。
図12に示す整流部材30a,bは2又は3以上の凸部を有する。一例として整流部材30a,bはそれぞれ整流板36a,b及び整流板37a,bを有する。整流板36a,b及び整流板37a,bは互いに向き合い、かつ交互に配置される。整流板36a,b及び整流板37a,bの組み合わせにより原料ガス66の流路35を蛇行させることで、原料ガスの加熱効率を高めることができる。
なお、本発明は上記実施形態及び実施例に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
[付記10]
触媒を炉内に静置してカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブの製造方法であって、
1又は2以上の凸部を有する整流部材と、
開口を有し、かつ前記整流部材を前記開口より出し入れ自在な形状を有する反応管と、を備える製造装置において、
前記反応管内のガス導入側に前記整流部材を設置し、
前記ガス導入側に位置する一方の前記端部より原料ガスを導入し、
前記反応管内のガス排出側に位置する他方の前記端部より排出ガスを排出し、
前記反応管内のガス導入側及びガス排出側の間の中央部に静置した触媒と前記原料ガスとを接触させる、
カーボンナノチューブの製造方法。
[付記11]
前記製造装置は絞り部材をさらに備え、
前記反応管は、前記絞り部材を前記開口より出し入れ自在な形状を有し、
前記製造装置は前記反応管の周囲にヒーターをさらに備え、
前記ヒーターは、
前記整流部材に対面する上流ヒーターと、
前記絞り部材に対面する下流ヒーターと、
前記上流及び下流ヒーターの間の中間ヒーターと、を有し、
前記上流ヒーターは少なくともガス導入側及び中間ヒーター側に分割されており、
前記下流ヒーターは少なくとも中間ヒーター側及びガス排出側に分割されており、
前記反応管内のガス排出側に前記絞り部材を設置し、
前記触媒を前記絞り部材の上流に静置し、
前記中間ヒーター側の前記上流ヒーターと、前記中間ヒーター側の前記下流ヒーターとの温度を他のヒーターよりも高く設定する、
付記10に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
[付記12]
前記製造装置は前記反応管のガス排出側に接続されるエゼクターをさらに備え、
前記酸素ガスを含有しないガスで前記エゼクターを駆動して、
前記排出ガスを前記反応管から吸引する、
付記10に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
15 製造装置 16,17 反応炉
20 反応管 21,22 開口
23 天井部 24 床部
30,30a,30b 整流部材 31,31a,31b 開口
32,32a,32b 開口 33a 胴部
34a 中心軸 35,35a,35b 流路
36,36a,36b 整流板 37,37a,37b 整流板
38,39 導電線 40 加熱炉
41,42 ヒーター 43 上流ヒーター
44a−i 個別ヒーター 45 下流ヒーター
46 中間ヒーター 47,48 支持体
49 スペーサー 50 絞り部材
51,52 開口 53 胴部
55 流路 56,57 傾斜面
59 中間部材群 60,60a−f,60z 中間部材
61,62 開口 63 胴部
64a−c トレー 65 整流板
66 原料ガス 67 排出ガス
68 触媒 69 CNT(カーボンナノチューブ)
70 駆動側チャンバー 71,72,73a,73b 開口
74 蓋 75a,75b タンク
80 排出側チャンバー 81−83 開口
84 蓋 85 エゼクター
85a 吸入部 85b 駆動部
85c 吐出部 86 タンク
87 駆動ガス 90a−e 中間部材
91a−e トレー 92a−e 脚

Claims (9)

  1. 触媒を炉内に静置してカーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブの製造装置であって、
    端部に開口を有する反応管と、
    1又は2以上の凸部を有する整流部材と、を備え、
    前記反応管は、前記反応管内のガス導入側に対して、前記整流部材を前記開口より出し入れ自在な形状を有する、
    製造装置。
  2. 前記反応管は横置きされ、
    前記凸部は、前記整流部材が前記反応管内に設置されたとき前記反応管の天井部近傍から下向きに突き出している天井凸部を含み、
    前記天井凸部は、前記凸部の中で前記ガス導入側に対して最も遠くに位置する、
    請求項1に記載の製造装置。
  3. 前記凸部は、前記整流部材が前記反応管内に設置されたとき前記反応管の床部近傍から上向きに突き出している床凸部をさらに含む、
    請求項2に記載の製造装置。
  4. 前記反応管は縦置きされ、
    前記反応管の下側が前記ガス導入側である、
    請求項1に記載の製造装置。
  5. 前記整流部材は、2又は3以上の前記凸部を有し、
    前記凸部は互いに向き合い、かつ交互に配置される、
    請求項4に記載の製造装置。
  6. 絞り部材をさらに備え、
    前記反応管は、前記反応管内のガス排出側に対して、前記絞り部材を前記開口より出し入れ自在な形状を有する、
    請求項1〜5のいずれかに記載の製造装置。
  7. 前記反応管の周囲にヒーターをさらに備え、
    前記ヒーターは、
    前記整流部材に対面する上流ヒーターと、
    前記絞り部材に対面する下流ヒーターと、
    前記上流及び下流ヒーターの間の中間ヒーターと、を有し、
    前記上流ヒーターは少なくともガス導入側及び中間ヒーター側に分割されており、
    前記下流ヒーターは少なくとも中間ヒーター側及びガス排出側に分割されている、
    請求項6に記載の製造装置。
  8. 受け皿又は平板を有する中間部材をさらに備え、
    前記反応管は、前記反応管内のガス導入側及びガス排出側の間の中央部に対して、前記中間部材を前記開口より出し入れ自在な形状を有する、
    請求項1−7のいずれかに記載の製造装置。
  9. 前記反応管のガス排出側に接続されるエゼクターと、
    前記エゼクターに接続されるタンクと、をさらに備え、
    前記タンクは酸素ガスを含有しないガスを有する、
    請求項1−8のいずれかに記載の製造装置。
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