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JP2016163065A - 導波管マイクロストリップ線路変換器 - Google Patents

導波管マイクロストリップ線路変換器 Download PDF

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JP2016163065A
JP2016163065A JP2015037181A JP2015037181A JP2016163065A JP 2016163065 A JP2016163065 A JP 2016163065A JP 2015037181 A JP2015037181 A JP 2015037181A JP 2015037181 A JP2015037181 A JP 2015037181A JP 2016163065 A JP2016163065 A JP 2016163065A
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満 桐田
Mitsuru Kirita
満 桐田
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

【課題】高精度で小型化の可能な導波管マイクロストリップ線路変換器を得ること。【解決手段】この導波管マイクロストリップ線路変換器は、誘電体基板1の第1の面上に設けられたマイクロストリップ線路2と、誘電体基板1の第2の面に形成され、開口6を有する導体地板と、開口6と導波管開口とが当接するように、誘電体基板1の第2の面に接続された導波管4と、マイクロストリップ線路2に接続され、導波管開口および開口6と、同一中心Oを有し、この中心を通る中心線L0に対して線対称形状を有するストリップ導体3と、ストリップ導体3を挟んで、中心線L0に対して、ストリップ導体のマイクロストリップ線路2との境界面4Tが対称であるストリップ導体3との境界面を持つオープンスタブ線路4を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ波、ミリ波帯の電力を導波管からマイクロストリップ線路、あるいはマイクロストリップ線路から導波管に変換する導波管マイクロストリップ線路変換器に関する。
従来、例えば特許文献1の導波管マイクロストリップ線路結合装置は、誘電体基板の導波管と接する面に設けられたアイリスと、その反対面に設けられたマイクロストリップ線路とマイクロストリップ線路のプローブおよびシャントラインで構成されており、プローブおよびシャントラインの先端にはスタブが接続された技術が開示されている。この装置では誘電体基板、アイリス、プローブ、シャントラインおよびマイクロストリップ線路を取り囲む、導体キャビティを備えた構成となっている。
また、特許文献2では、誘電体基板の導波管と接する面に設けられた整合素子とその裏側にシールド板とその接地金属層の切り込み内にマイクロストリップ線路が配置された構成をもつ導波管平面線路変換器が開示されている。そして特許文献2では、接地金属層をスルーホールで接続することで、シールド板端面からの電波の漏れを抑制している。
一方、特許文献3では、誘電体基板の導波管と接する面に設けられた整合素子とその裏側にシールド板とそのシールド板の切り込み内にマイクロストリップ線路が配置された構成をもつ導波管平面線路変換器が開示されている。導波管端面からシールド板端面までの距離を1/4波長とすることでシールド板端面からの電波の漏れを抑制している。
上記特許文献2および特許文献3の導波管マイクロストリップ変換器は導体キャビティによるバックショートを不要としており、マイクロストリップ線路をマイクロストリップアンテナなどの平面アンテナに接続することが容易である。
特開2000−252711号公報 特開2001−111312号公報 特開2011−223203号公報
しかしながら、上記特許文献1の結合装置では、導体キャビティが必要である。つまり、マイクロストリップ線路をマイクロストリップアンテナなどの平面アンテナに接続する場合、平面アンテナ面上に金属キャビティを設けなくてはならない。この金属キャビティの精度が十分に得られないと、平面アンテナとマイクロストリップ線路との間で、送信および受信される電波に干渉し、例えば、放射パターンを歪ませるという問題がある。
また、特許文献2の技術によれば、誘電体基板の面上の接地金属層のサイズが、導波管よりスルーホール径の2倍分、大きくなってしまう。また、特許文献3の技術によれば、誘電体基板の面上のシールド板のサイズが、導波管より使用周波数の1/2波長分、大きくなってしまう。そのため、複数の変換器を、例えば1/2波長間隔とするなど狭い間隔で並べて配置することが困難であるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高精度のインピーダンス整合が可能で小型化の可能な導波管マイクロストリップ線路変換器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の導波管マイクロストリップ線路変換器は、誘電体基板上に形成されたマイクロストリップ線路をストリップ導体に接続し、ストリップ導体の裏面側に形成された導波管を伝搬する電力と、誘電体基板上に設けられたマイクロストリップ線路を伝搬する電力とを相互に変換するものである。この導波管マイクロストリップ線路変換器は、誘電体基板の第1の面上に設けられたマイクロストリップ線路と、誘電体基板の第2の面に形成され、開口を有する導体地板と、開口と同一の中心を持ち、開口に当接する導波管開口を有し、誘電体基板の第2の面に接続された導波管と、第1の面上で、マイクロストリップ線路に接続され、導波管開口および開口と、同一の中心を有し、中心を通る中心線に対して線対称形状を有するストリップ導体と、ストリップ導体を挟んで、中心線に対して、ストリップ導体とマイクロストリップ線路との境界面と対称であるストリップ導体との境界面を持つオープンスタブ線路を備える。
本発明によれば、高精度のインピーダンス整合が可能で小型化の可能な導波管マイクロストリップ線路変換器を得ることができるという効果を奏する。
実施の形態1の導波管マイクロストリップ線路変換器の上面図 図1のA−A´断面図 図1のB−B´断面図 図1に示す実施の形態1の導波管マイクロストリップ線路変換器の等価回路図であり、(a)は、図1に示す導波管マイクロストリップ線路変換器の等価回路を示し、図4(b)は、ストリップ導体の開放端面の抵抗、キャパシタンス成分の非対称性を考慮およびオープンスタブ線路をλ/4としたときの導波管マイクロストリップ線路変換器の等価回路を示す 実施の形態2の導波管マイクロストリップ線路変換器の上面図 図5のC−C´断面図 図5のD−D´断面図 図5のE−E´断面図 実施の形態3の導波管マイクロストリップ線路変換器の上面図 実施の形態4の導波管マイクロストリップ線路変換器の上面図 実施の形態5の導波管マイクロストリップ線路変換器の上面図 実施の形態6の導波管マイクロストリップ線路変換器の上面図
以下に、本発明にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の導波管マイクロストリップ線路変換器にかかる上面図である。図2は、図1のA−A´断面図、図3は、図1のB−B´断面図、図4は、実施の形態1の導波管マイクロストリップ線路変換器の等価回路図である。実施の形態1の導波管マイクロストリップ線路変換器10は、誘電体基板1と、誘電体基板1の第1の面1A上に設けられた線幅MWのマイクロストリップ線路2と、マイクロストリップ線路2に接続され、この中心Oを通る中心線L0に対して線対称形状を有するストリップ導体3と、ストリップ導体3を挟んで、中心線L0に対して、ストリップ導体3とマイクロストリップ線路2との境界面が対称であるストリップ導体3との境界面を持つオープンスタブ線路4を備える。誘電体基板1の第2の面1Bには導体地板5を備える。この導体地板5は、ストリップ導体3と同一中心Oをもつ開口6を有する。そしてこの導体地板5の開口6と導波管開口7Oとが当接するように、誘電体基板1の第2の面1Bに矩形の導波管開口7Oをもつ導波管7が接続されている。誘電体基板1の第2の面1Bと導波管開口7Oとの接続には導電性接着剤が用いられる。本実施の形態において、導電性接着剤はシルバーペーストであるが、導電性接着剤はシルバーペーストに限定されない。本実施の形態では、ストリップ導体3、導波管開口7Oおよび導体地板5の開口6は、中心Oを同一とし、重なるように形成され、平面図における形状が矩形、特に長方形をなすものである。ストリップ導体3は厚さ一定の導体薄膜で構成される。
なお、マイクロストリップ線路2、ストリップ導体3、オープンスタブ線路4は、銅を主成分とする導体薄膜で構成され、誘電体基板1としてのLCP基板(Liquid Crystal Polymer Substrate)面上で互いに一体となっている。また導体地板5に開けられた開口6である誘電体開口が、断面矩形の導波管7の導波管開口7Oに当接し、誘電体基板1の第2の面1Bに矩形の導波管開口7Oをもつ導波管7が接続されている。
つまり、いい換えると、上記導波管マイクロストリップ線路変換器10において、以下の条件(A)、(B)および(C)を満足している。
条件(A)導波管開口7Oと誘電体開口である開口6およびストリップ導体3の中心Oは一致している。
条件(B)マイクロストリップ線路2とオープンスタブ線路4がストリップ導体3を挟んで一直線上に配置されている。
条件(C)導波管開口7O、誘電体開口である開口6およびストリップ導体3の短辺bの中線に対してストリップ導体3とマイクロストリップ線路2との境界面2Tおよびストリップ導体3とオープンスタブ線路4との境界面4Tの形状が対称である。
次に矩形の導波管7から伝送される電力をマイクロストリップ線路2上に変換する動作を説明する。最初に矩形の導波管7に入力されたミリ波またはマイクロ波といった高周波電力が導波管開口7Oから誘電体開口6を介して、ストリップ導体3とオープンスタブ線路4とが上面に存在する誘電体基板1内へ伝搬する。そして導波管開口7Oのサイズ、すなわち長辺aの長さLaおよび短辺bの長さLb、すなわち同サイズである誘電体開口6の長辺aの長さLaおよび短辺bの長さLbと、ストリップ導体3のサイズL、Wおよびオープンスタブ線路4の長さSL、幅SWを調整することで、マイクロストリップ線路2とのインピーダンス整合を行い、矩形の導波管7からの電力をマイクロストリップ線路2へ伝搬させ、マイクロストリップ線路2上を伝搬する電力に、変換している。なお、オープンスタブ線路4の幅SWは、マイクロストリップ線路MWの幅と同一としてもよい。
上記のインピーダンス整合の原理を以下に説明する。図4は、図1に示す実施の形態1の導波管マイクロストリップ線路変換器の等価回路である。図4(a)は、図1に示す導波管マイクロストリップ線路変換器の等価回路を示し、図4(b)は、ストリップ導体の開放端面の抵抗、キャパシタンス成分の非対称性を考慮およびオープンスタブ線路をλ/4としたときの導波管マイクロストリップ線路変換器の等価回路を示す。導波管マイクロストリップ線路変換器10では、図4(a)に示すように、矩形の導波管7の特性インピーダンスZWGと、マイクロストリップ線路2の特性インピーダンスZMSLとの間に、ストリップ導体3と導体地板5との間すなわち開放端面の放射に起因する抵抗G1,G2と、キャパシタンスC1,C2が形成されている。抵抗G1、キャパシタンスC1は、オープンスタブ線路4があるストリップ導体3の長辺a側の開放端面、抵抗G2、キャパシタンスC2はマイクロストリップ線路2があるストリップ導体3の長辺a側の開放端面からの放射に起因する抵抗とキャパシタンスである。なお、ストリップ導体3の短辺b側の端面からの放射は矩形の導波管7の伝搬モードがTEm0(mは整数)であれば、放射は無視できるほど小さいと考えてよい。このとき、オープンスタブ線路4の入力アドミタンスYstubstub=Gstub+jXstubで、Rがストリップ導体3の抵抗である。
ここで、図1のB−B´断面図である図3に示すように、矩形の導波管7の長辺aと平行なストリップ導体3の開放端面の電界ベクトルはマイクロストリップ線路2側とオープンスタブ線路4側で互いに逆方向になるため、ストリップ導体3と導体地板5の間の放射に起因するG1,G2,C1,C2はG1=G2、C1=−C2となり、キャパシタンスが0となる。そしてオープンスタブ線路4の長さSLを約λ/4にすることで入力アドミタンスYの虚部Xstubを0とすると、導波管マイクロストリップ線路変換器10の等価回路は、図4(b)に示すように、R,2G1,Gstubの純抵抗である実部のみとなる。従って、それぞれの値を適正に選ぶことで、容易にZWGからZMSLへのインピーダンス整合は可能である。ここで、λは本実施の形態のマイクロストリップ線路2を伝搬する高周波電流の波長であり、装置の小型化という観点からはλ/4であることが望ましいが、特性的にはλ/4の奇数倍であればよい。なお図3で、ベクトルEは導波管7から電力を入力した場合のストリップ導体3の開放端面の電界方向を示す。
上記の条件(A)から条件(C)の3つの条件を満たしているため、図4(a)の等価回路においてC1=−C2が成り立ち、容易にインピーダンス整合を得ることができる。これに対し、上記条件を満たさなければ、C1=−C2が成り立たず、インピーダンス整合が困難となる。
上記構成によれば、誘電体基板1上の整合回路にスルーホールを使用していないため、誘電体基板1の第1の面1Aおよび第2の面1B両面に形成される導体パターンすなわち、マイクロストリップ線路2およびオープンスタブ線路4を構成する導体の厚さすなわち導体厚を極限まで薄くすることが可能となる。スルーホールを用いた場合、段差被覆性を十分に得るためには、誘電体基板1の厚さ方向の熱膨張に応じた導体厚が必要であった。
この結果、平坦面上に導体パターンを形成すればよいため、薄い導体厚でよく、導体パターンを形成するためのエッチング処理時間が短くなり、ラインスペースパターンである導体パターンのパターン精度が向上する。マイクロストリップ線路、ストリップ導体およびオープンスタブ線路を構成する導体パターンの厚さは銅導体の場合、マイクロ波帯では約3.6μm以上、ミリ波帯では約1.2μm以上あればよく、パターン精度が高く信頼性の高い導波管マイクロストリップ線路変換器を得ることができる。導体パターンの厚さが上記厚さ以下となると、空気、誘電体など、銅導体が接している領域の影響を受け、マイクロストリップ線路の伝搬特性が変化してしまい、変換器が正常に動作しなくなる。通常、導体パターンの厚さが厚くなると、エッチング時間が長くなり、パターン精度が低下するという問題がある。
またスルーホールが形成されていないことでストリップ導体の開放端面から電波が放射するが、ストリップ導体に接続されるマイクロストリップ線路にアンテナ素子または複数のアンテナ素子が配列されたアレーアンテナを接続し、ストリップ導体の開放端面からの放射とアンテナ素子からの放射が同相になるようにマイクロストリップ線路の長さを調整することにより、この放射を有効活用することができる。
なお、実験結果から、本実施の形態では、ストリップ導体3の外形よりも誘電体開口すなわち開口6および導波管開口7Oを若干大きくとることで、より変換効率の高い、導波管マイクロストリップ線路変換器10を得ることができることがわかっている。
実際には、シミュレーションによって、導波管開口の大きさおよびマイクロストリップ線路の線幅に対して、開口、ストリップ導体の形状およびサイズ、スタブの位置およびサイズを決定し、設計寸法を決定することで、小型でかつ変換効率の高い導波管マイクロストリップ線路変換器を得ることが可能となる。
実施の形態2.
図5は、本発明にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器の実施の形態2の上面図である。図6は、図5のC−C´断面図、図7は、図5のD−D´断面図、図8は、図5のE−E´断面図である。実施の形態2の導波管マイクロストリップ線路変換器10は、矩形の導波管7から2分岐した場合の変換器構造を有するものである。この導波管マイクロストリップ線路変換器10は、板厚hをもつ誘電体基板1と、誘電体基板1の第1の面1A上に設けられた線幅MW1および線幅MW2の第1および第2のマイクロストリップ線路2a,2bと、第1および第2のマイクロストリップ線路2a,2bに接続され、導波管開口7Oの中心Oを通る中心線L0に対して線対称形状を有するストリップ導体3と、ストリップ導体3を挟んで、中心線L0に対して、ストリップ導体3と第1および第2のマイクロストリップ線路2a,2bとの境界面と対称であるストリップ導体3との境界面を持つ第1および第2のオープンスタブ線路4a,4bを備える。第1および第2のマイクロストリップ線路2a,2bは、ストリップ導体3との境界に位置する第1および第2の境界面2Ta,2Tbが中心線L0上の点であるストリップ導体3の中心Oに対して、点対称である。また第1および第2のマイクロストリップ線路2a,2bは、第1および第2の境界面2Ta,2Tbが、長方形の相対向する長辺上であって、長辺の2等分線からの距離D1,D2が、等距離に配されている。そして実施の形態1と同様、誘電体基板1の第2の面1Bには導体地板5を備える。この導体地板5には、ストリップ導体3と、同一中心Oをもつ開口6が形成されている。そしてこの導体地板5の開口6と導波管開口7Oとが当接するように、誘電体基板1の第2の面1Bに矩形の導波管開口7Oをもつ導波管7が接続されている。接続には導電性接着剤が用いられる。本実施の形態において、導電性接着剤はシルバーペーストであるが、導電性接着剤はシルバーペーストに限定されない。
そして、ストリップ導体3を挟んで、中心線L0に対して、ストリップ導体3と第1のマイクロストリップ線路2aとの境界面4Taが対称であるストリップ導体3との境界面の形状4Taを持つオープンスタブ線路4aが形成されている。またストリップ導体3を挟んで、中心線L0に対して、ストリップ導体3の第2のマイクロストリップ線路2bとの境界面4Tbが対称であるストリップ導体3との境界面の形状4Tbを持つオープンスタブ線路4bが形成されている。
以上のようにして、矩形の導波管7から2分岐した導波管マイクロストリップ線路変換器10を得ることができる、第1および第2のマイクロストリップ線路2a,2b、ストリップ導体3、オープンスタブ線路4a,4bは誘電体基板面上で互いに一体となっている。また本実施の形態においても、それぞれが上記実施の形態1で示した条件(A)から条件(C)の3つの条件を満足するように配置されている。マイクロストリップ線路2a,2bとオープンスタブ線路4a,4bはストリップ導体3の長手方向の中心から互いにD1,D2の距離で離れて配置されている。ここではD1およびD2は等しい。
本実施の形態でも、上記条件(A)から条件(C)の3つの条件を満足しているため、導波管開口7Oのサイズすなわち長辺a、短辺bの長さは、開口6についても同様であり、ストリップ導体3のサイズすなわち長さL、および幅W、オープンスタブ線路4a,4bの長さSL1,SL2、幅SW1、SW2を調整することでマイクロストリップ線路2a,2bとのインピーダンス整合をとることが可能となる。マイクロストリップ線路2a,2bの線幅MW1、線幅MW2とオープンスタブ線路4a,4bの幅SW1、幅SW2とを等しく設計してもよい。これにより、調整が容易となる。
かかる構成によれば、2分岐した導波管マイクロストリップ線路変換器を、より小型でかつ高精度となるように形成可能である。
また、マイクロストリップ線路は、ストリップ導体とそれぞれ第1および第2の境界面を有する第1および第2のマイクロストリップ線路を有し、第1および第2のマイクロストリップ線路は、第1および第2の境界面が中点Oに対して、点対称であることで、よりインピーダンス整合性の高い導波管マイクロストリップ線路変換器を得ることが可能となる。
またストリップ導体が、長方形であるときは、第1および第2のマイクロストリップ線路は第1および第2の境界面が、長方形の相対向する長辺上であって、長辺の2等分線から、等距離に配されていればよい。
なお、実験結果から、本実施の形態では、ストリップ導体3の外形よりも誘電体開口すなわち開口6および導波管開口7Oを若干小さくとることで、より変換効率の高い、導波管マイクロストリップ線路変換器10を得ることができることがわかっている。
実施の形態3.
次に実施の形態3について説明する。実施の形態1および2では、ストリップ導体3の形状は長方形であるが、長方形に限定されることなく、図9に示すような、縦長の8角形であってもよい。この場合も、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、主構成は実施の形態1と同様であり、ストリップ導体3は、マイクロストリップ線路2に接続されこの中心Oを通る中心線L0に対して線対称形状を有する。そして、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、ストリップ導体3を挟んで、中心線L0に対して、ストリップ導体3とマイクロストリップ線路2との境界面が対称であるストリップ導体3との境界面の形状を持つオープンスタブ線路4を備える。また誘電体基板1の第2の面1Bには導体地板5を備える。この導体地板5には、ストリップ導体3と同一中心Oをもつ開口6が形成されている。そして、この導体地板5の開口6と導波管開口7Oとが当接するように、誘電体基板1の第2の面1Bに矩形の導波管開口7Oをもつ導波管7が接続されている。接続には導電性接着剤が用いられる。本実施の形態において、導電性接着剤はシルバーペーストであるが、導電性接着剤はシルバーペーストに限定されない。
実施の形態4.
次に本発明の実施の形態4について説明する。実施の形態1から3では、ストリップ導体3の形状は多角形であったが、図10に示すように、長手方向の辺が曲線状である八角形など、一部が曲線状をなす形状であってもよい。この場合も、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、主構成は実施の形態1と同様であり、ストリップ導体3は、マイクロストリップ線路2に接続され、導体地板5の開口6と導波管開口7Oとの中心Oを通る中心線L0に対して線対称形状を有する。そして、ストリップ導体3を挟んで、中心線L0に対して、ストリップ導体3とマイクロストリップ線路2との境界面が対称であるストリップ導体3との境界面の形状を持つオープンスタブ線路4を備える。また誘電体基板1の第2の面1Bには導体地板5を備える。この導体地板5には、ストリップ導体3と、同一中心Oをもつ開口6を有する。そしてこの導体地板5の開口6と導波管開口7Oとが当接するように、誘電体基板1の第2の面1Bに矩形の導波管開口7Oをもつ導波管7が接続されている。接続には導電性接着剤が用いられる。本実施の形態において、導電性接着剤はシルバーペーストであるが、導電性接着剤はシルバーペーストに限定されない。
実施の形態5.
次に実施の形態5について説明する。本実施の形態の導波管マイクロストリップ線路変換器10は、図11に上面図を示すように、誘電体基板1上に3つの導波管マイクロストリップ線路変換器を配列したものである。それぞれ、マイクロストリップ線路2p,2q,2rに対し、実施の形態1で示した導波管マイクロストリップ線路変換器10を短辺同士が隣接するように配列したものである。従って各オープンスタブ線路4p,4q,4rもそれぞれ、平行に配列されている。
ここで、マイクロストリップ線路2p,2q,2rは、各々が導波管マイクロストリップ線路変換器10を構成している。複数3個の導波管マイクロストリップ線路変換器10は、平面視が矩形であって、短辺同士が隣接して配列されている。各々の導波管マイクロストリップ線路変換器10には、オープンスタブ線路4p,4q,4rが接続されている。各々のオープンスタブ線路4p,4q,4rは、互いに平行である。
本実施の形態によれば、導波管を配列可能でかつ、電磁波の干渉を無視し得る程度の間隔でストリップ導体を配置することができ、より小型化を図ることができる。
実施の形態6.
次に実施の形態6について説明する。本実施の形態の導波管マイクロストリップ線路変換器10は、図12に上面図を示すように、誘電体基板1上に3つの導波管マイクロストリップ線路変換器を、各ストリップ導体3に対して、マイクロストリップ線路2p,2s,2rの配列方向が交互となるように、配列したものである。従ってオープンスタブ線路4p,4s,4rもそれぞれ、ストリップ導体3に対する引き出し方向が交互となっており、実施の形態1で示した導波管マイクロストリップ線路変換器を短辺同士が隣接するように配列したものである。
本実施の形態によれば、導波管をより短い間隔で配列可能でかつ、電磁波の干渉を無視し得る程度の間隔でストリップ導体を配置することができ、より小型化を図ることができる。
なお、各実施の形態は、ミリ波またはマイクロ波といった高周波電力を導波管からマイクロストリップ線路、またはマイクロストリップ線路から導波管に変換するものである。各実施の形態においてストリップ導体の形状は、矩形に限定されるものではなく、線対称をなす形状であればよい。ただし、矩形とすることで、誘電体基板の占有面積を最大限に利用することが可能となる。
また、各実施の形態において、ストリップ導体は、中心線に垂直な方向に互いに平行で、中心線に直交する2つの辺を有することで、容易にインピーダンス整合が可能な、小型で信頼性の高い導波管マイクロストリップ線路変換器を得ることが可能となる。
特にストリップ導体を、長方形とすることで、より小型で信頼性の高い導波管マイクロストリップ線路変換器を得ることが可能となる。
また、オープンスタブ線路が、ストリップ導体と同一幅を有することで、より容易にインピーダンス整合が可能な、小型で信頼性の高い導波管マイクロストリップ線路変換器を得ることが可能となる。
また、マイクロストリップ線路は、ストリップ導体の中心線に対して、ストリップ導体との境界面がオープンスタブ線路と対称形状であればよく、端面から離れた位置で方向がずれていてもよい。
また、オープンスタブ線路が、ストリップ導体の中心線に対して、マイクロストリップ線路の対称形状体に重なるように配されることで、より容易にインピーダンス整合が可能な、小型で信頼性の高い導波管マイクロストリップ線路変換器を得ることが可能となる。例えば図1において、マイクロストリップ線路2の対称形状体は、右側のA’方向に幅SWを示す引き出し線方向に伸長しており、オープンスタブ線路4が、重なるように配されていることがわかる。
また、導波管開口と開口とは、同一形状を有することで、漏れ電流をなくし、より変換効率の高い導波管マイクロストリップ線路変換器を得ることが可能となる。
なお、実施の形態1から実施の形態6では、誘電体基板としてはLCP基板を用いたが、LCP基板に限定されることなく、ガラスエポキシ基板、セラミック基板、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)基板など適宜選択可能である。また、マイクロストリップ線路、オープンスタブ線路および導体地板は、銅を主成分とする薄膜層に限定されるものではなく、金箔、銅箔あるいは他の導体でもよい。さらに導波管を中空でなく、誘電体を充填する場合、誘電体基板と同様LCPを用いてもよいし、他の材料であってもよい。また、導波管と誘電体基板との接続は、導電性接着剤だけでなく、気密部品との併用でもよい。気密部品としてはハーメチックシールがあげられる。
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換えまたは、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 誘電体基板、2,2p,2q,2r,2s マイクロストリップ線路、2a 第1のマイクロストリップ線路、2b 第2のマイクロストリップ線路、3 ストリップ導体、4,4p,4q,4r,4s オープンスタブ線路、5 導体地板、6 開口、7 導波管、7O 導波管開口。

Claims (9)

  1. 誘電体基板の第1の面上に設けられたマイクロストリップ線路と、
    前記誘電体基板の第2の面に形成され、開口を有する導体地板と、
    前記開口と同一の中心を持ち、前記開口に当接する導波管開口を有し、前記誘電体基板の前記第2の面に接続された導波管と、
    前記第1の面上で、前記マイクロストリップ線路に接続され、前記導波管開口および前記開口と、同一の中心を有し、前記中心を通る中心線に対して線対称形状を有するストリップ導体と、
    前記ストリップ導体を挟み、前記中心線に対して、前記ストリップ導体との境界面が、前記マイクロストリップ線路の境界面と対称であるストリップ導体との境界面を持つオープンスタブ線路を備え、
    前記導波管を伝搬する電力と、前記誘電体基板上に設けられた前記マイクロストリップ線路を伝搬する電力とを相互に変換することを特徴とする導波管マイクロストリップ線路変換器。
  2. 前記ストリップ導体の形状は、矩形であることを特徴とする請求項1に記載の導波管マイクロストリップ線路変換器。
  3. 前記ストリップ導体は、前記中心線に直交し互いに平行な2つの辺を有することを特徴とする請求項1または2に記載の導波管マイクロストリップ線路変換器。
  4. 前記ストリップ導体の形状は、長方形であることを特徴とする請求項3に記載の導波管マイクロストリップ線路変換器。
  5. 前記オープンスタブ線路は、前記ストリップ導体と同一幅を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の導波管マイクロストリップ線路変換器。
  6. 前記オープンスタブ線路は、前記中心線に対して、前記マイクロストリップ線路の対称形状体に重なるように配された請求項1から5のいずれか1項に記載の導波管マイクロストリップ線路変換器。
  7. 前記導波管開口と前記開口とは、同一形状を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の導波管マイクロストリップ線路変換器。
  8. 前記マイクロストリップ線路は、前記ストリップ導体とそれぞれ第1の境界面および第2の境界面を有する第1のマイクロストリップ線路および第2のマイクロストリップ線路を有し、
    前記第1のマイクロストリップ線路および第2のマイクロストリップ線路は、前記第1の境界面および第2の境界面が前記ストリップ導体の中心に対して、点対称であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の導波管マイクロストリップ線路変換器。
  9. 前記ストリップ導体の形状は、長方形であり、
    前記マイクロストリップ線路は、前記ストリップ導体とそれぞれ第1の境界面および第2の境界面を有する第1のマイクロストリップ線路および第2のマイクロストリップ線路を有し、
    前記第1のマイクロストリップ線路および第2のマイクロストリップ線路は、前記第1の境界面および第2の境界面が、前記長方形の相対向する長辺上であって、前記長辺の2等分線から、等距離に配されたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の導波管マイクロストリップ線路変換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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