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JP2016036223A - 回転電機の固定子 - Google Patents

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JP2016036223A
JP2016036223A JP2014158471A JP2014158471A JP2016036223A JP 2016036223 A JP2016036223 A JP 2016036223A JP 2014158471 A JP2014158471 A JP 2014158471A JP 2014158471 A JP2014158471 A JP 2014158471A JP 2016036223 A JP2016036223 A JP 2016036223A
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俊介 山本
Shunsuke Yamamoto
俊介 山本
一之 山本
Kazuyuki Yamamoto
一之 山本
隆之 鬼橋
Takayuki Onihashi
隆之 鬼橋
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Abstract

【課題】巻線スペースを最大限に確保してコイルの占積率を向上させるとともに、ティース部の周方向の幅が狭くなることと絶縁フィルムがずれることを防止する。【解決手段】各インシュレータ2,3が、バックヨーク接触部2a,3aに形成したヨーク側スリット溝2e,3eと先端シュー接触部2c,3cに形成した先端シュー側スリット溝2d,3dとを備えており、絶縁フィルム4が、突部4aの差込部をヨーク側スリット溝2e,3eに挿入し、端部を先端シュー側スリット溝2d,3dに挿入して、保持されている。【選択図】図7

Description

本発明はモータや発電機などの回転電機に用いられる固定子に関し、特に、高密度な集中巻きコイルを備えた固定子に関するものである。
従来、集中巻きコイルを備えた回転電機の固定子は、固定子鉄心と、固定子鉄心の磁極ティース部上下に装着された絶縁部材であるインシュレータと、インシュレータにより固定された薄型絶縁体(例えば、絶縁フィルム、絶縁紙等)と、インシュレータの上から線材を順次螺旋状に巻回したコイルとで形成されている。
そして、コイルは、回転電機の高効率化および大容量化、さらには小型化を実現するため高密度化が要求されており、整列巻きが用いられている。
従来の回転電機の固定子では、薄型絶縁体である絶縁紙が、インシュレータの壁部の巻線側と軸方向に一定長、重なって設置されている。そして、インシュレータ壁部と絶縁紙とが重なり合う部分の鉄心の周方向の幅が、その他の部分の幅より狭くなっている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の回転電機の固定子では、固定子鉄心を形成するステータピース積層体における軸方向両端部の周方向の幅を、中心部の周方向の幅より狭くして形成した段差部に、薄型絶縁体を折込み、この折込部をインシュレータである鞍型絶縁部品で挟持することにより、薄型絶縁体を保持している(例えば、特許文献2参照)。
また、従来の回転電機の固定子では、インシュレータのティース先端シュー部における周方向の両端部に溝(ティース先端側溝と記す)が形成されている。また、固定子のティース部におけるバックヨーク部側にダミーコイルが設けられている。
そして、薄型絶縁体であるフィルム状絶縁体が、ティース先端側溝と、ダミーコイルの部分に形成した根元スリット溝とで保持されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−112205号公報(第4−5頁、第2図) 特開2003−299289号公報(第4頁、第7図) WO2010/100890号公報(第5−6頁、第6図)
特許文献1に記載の固定子と特許文献2に記載の固定子とは、コイルの占積率の低下を防止するため、固定子鉄心のティース部の周方向の幅が、軸方向の両端部で狭くなっており、ティースの断面積減少にともない磁気抵抗が悪化するとの問題があった。
特許文献3に記載の固定子は、ティースの断面積減少にともなう磁気抵抗の悪化は生じない。しかし、フィルム状絶縁体をスロット部に保持するのに、ダミーコイルを設け、且つダミーコイルに根元スリット溝を形成する必要があり、コイルの占積率が低下するとともに、製造工程が増加するとの問題があった。
また、ダミーコイルを設けない場合は、フィルム状絶縁体を、ティース先端側溝のみで保持するので、フィルム状絶縁体がずれるとの問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、巻線スペースを最大限に確保して、コイルの占積率を向上させるとともに、固定子鉄心のティース部の周方向の幅が狭くなるのを防止し、且つ、薄型絶縁体がずれるのを防止した回転電機の固定子を得ることである。
本発明に係わる回転電機の固定子は、固定子鉄心と、固定子鉄心に巻回されるコイルと、固定子鉄心の、固定子の軸方向における一方の端部に接して設けられた結線側インシュレータと、固定子鉄心の、軸方向における他方の端部に接して設けられた反結線側インシュレータと、固定子鉄心のコイルが巻回される部分に配設された絶縁フィルムとを備えている固定子構成体を有する回転電機の固定子であって、固定子鉄心は、バックヨーク部と、バックヨーク部の中央部から固定子の中心軸に向かって突出しているティース部と、ティース部の先端部の、固定子の周方向における両端部に設けられたティース先端シューとで形成されており、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとの各々は、バックヨーク部と接するバックヨーク接触部と、ティース部と接するティース接触部と、ティース先端シューと接する先端シュー接触部とを備えており、先端シュー接触部には、ティース先端シューと接する側の面に、ティース先端シューの、固定子の径方向における外側のエッジに沿うとともに先端シュー接触部の、突出根元部から周方向における側端部にわたる、先端シュー側スリット溝が形成されており、バックヨーク接触部には、径方向における内側の面であるコイル側の面に、コイル側の面から凹んでおり且つ絶縁フィルムを格納するフィルム収納部が設けられており、フィルム収納部における外周辺の部分には、コイル側の面からバックヨーク接触部の内部に切込まれたヨーク側スリット溝が設けられており、絶縁フィルムは、バックヨーク部の内周壁面と接するヨーク配置部と、ティース部の側壁面と接するティース本体配置部と、ティース先端シューにおける、内周壁面との対向面と接する先端シュー配置部とを備えており、ヨーク配置部の、軸方向における両端には、ヨーク配置部から軸方向に突出した突部が設けられており、突部は、ヨーク配置部から延在する延長部と、延長部から延在する差込部とで形成されており、延長部がフィルム収納部に格納されるとともに差込部がヨーク側スリット溝に挿入され、且つ先端シュー配置部の、軸方向における両端部が、先端シュー側スリット溝に挿入されて、絶縁フィルムが保持されているものである。
本発明に係わる回転電機の固定子は、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとの各々における、先端シュー接触部に先端シュー側スリット溝が形成され、バックヨーク接触部におけるコイル側の面にヨーク側スリット溝が形成されており、ヨーク側スリット溝に絶縁フィルムの差込部が挿入され、先端シュー側スリット溝に絶縁フィルムの先端シュー配置部の軸方向の両端部が挿入されて、絶縁フィルムが保持されているので、巻線スペースを最大限に確保してコイルの占積率を向上させるとともに、固定子鉄心のティース部の周方向の幅が狭くなるのを防止し、且つ、絶縁フィルムがずれるのを防止できる。
本発明の実施の形態1に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体の斜視模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体の上面模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる固定子に用いられる固定子鉄心の斜視模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる固定子に用いられる、結線側インシュレータ(a)と反結線側インシュレータ(b)との斜視模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる固定子に用いられる結線側インシュレータの固定子鉄心と接する側の面の模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる固定子に用いられる絶縁フィルムの斜視模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体を組み立てる前の状態を示す斜視模式図である。 本発明の実施の形態1に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。 図1のA−A断面におけるフィルム収納部とヨーク側スリット溝の近傍を示す模式図である。 図2のB−B断面におけるフィルム収納部とヨーク側スリット溝の近傍を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係わる結線側インシュレータの固定子鉄心と接する側の面の模式図である。 本発明の実施の形態2に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。 図12のA−A断面の模式図である。 本発明の実施の形態2に係わる固定子構成体における、実施の形態1の図10に相当する断面模式図である。 本発明の実施の形態3に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。 図15のA−A断面の模式図である。 本発明の実施の形態3に係わる固定子構成体における、実施の形態1の図10に相当する断面模式図である。 本発明の実施の形態4に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。 図18のA−A断面の模式図である。 本発明の実施の形態4に係わる固定子構成体における、実施の形態2の図14に相当する断面模式図である。 本発明の実施の形態5に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。 図21のA−A断面の模式図である。 本発明の実施の形態5に係わる固定子構成体における、実施の形態1の図10に相当する断面模式図である。 本発明の実施の形態6に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。 図24のA−A断面の模式図である。 本発明の実施の形態6に係わる固定子構成体における、実施の形態5の図23に相当する断面模式図である。 本発明の実施の形態7に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。 図27のC−C断面の模式図である。 本発明の実施の形態7に係わる固定子構成体における、実施の形態1の図10に相当する断面模式図である。 本発明の実施の形態8に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。 図30のA−A断面の模式図である。 本発明の実施の形態8に係わる固定子構成体における、実施の形態1の図10に相当する断面模式図である。 本発明の実施の形態9に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。 図33のA−A断面の模式図である。 本発明の実施の形態9に係わる固定子構成体における、実施の形態8の図32に相当する断面模式図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体の斜視模式図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体の上面模式図である。
図1と図2とに示すように、本実施の形態の回転電機の固定子を形成する固定子構成体(固定子構成体と記す)100は、固定子鉄心1と、固定子鉄心1における両矢印Eで示す固定子の軸方向(軸方向と記す)の一方の端部と接して設けられた結線側インシュレータ2と、固定子鉄心1における軸方向の他方の端部と接して設けられた反結線側インシュレータ3と、固定子鉄心1のコイルが巻回される部分に設けられる絶縁フィルム4とを備えている。すなわち、固定子鉄心1は、結線側インシュレータ2と反結線側インシュレータ3とで挟まれている。
また、図2に示すように、結線側インシュレータ2は、バックヨーク接触部2aとティース接触部2bと先端シュー接触部2cとで形成されている。
また、図示しないが、固定子構成体100は、コイルを備えている。
図3は、本発明の実施の形態1に係わる固定子に用いられる固定子鉄心の斜視模式図である。
図3に示すように、本実施の形態の固定子鉄心1は、バックヨーク部1aとバックヨーク部1aの中央部から固定子の中心軸に向かって突出しているティース部1bとを備えている。固定子鉄心1はT字型の電磁鋼板を積層して形成される。
すなわち、固定子鉄心1は、1個のティース部1bとこの1個のティース部1bにつながり、且つ固定子の外周部の一部となるバックヨーク部1aとで形成されている。
バックヨーク部1aにおける、両矢印Dで示す固定子の周方向(周方向と記す)と同方向の両端部を、隣接する固定子鉄心1のバックヨーク部1aにおける周方向の端部と連結することで、複数のバックヨーク部1aによる円環が形成される。
ティース部1bは、形成された円環の中心の方向に突出している。そして、ティース部1bの先端部には、周方向の両端部に、ティース先端シュー1cが設けられている。
すなわち、本実施の形態の回転電機の固定子は、複数の固定子構成体100を、バックヨーク部1aで連結することにより環状にして、形成されている。
図4は、本発明の実施の形態1に係わる固定子に用いられる、結線側インシュレータ(a)と反結線側インシュレータ(b)との斜視模式図である。
図5は、本発明の実施の形態1に係わる固定子に用いられる結線側インシュレータの固定子鉄心と接する側の面の模式図である。
図示しないが、反結線側インシュレータ3の固定子鉄心1と接する側の面も、図5と同様である。
図4(a)と図5とに示す本実施の形態の結線側インシュレータ2における、バックヨーク接触部2aは、固定子鉄心1のバックヨーク部1aと接する部分であり、ティース接触部2bは固定子鉄心1のティース部1bと接する部分である。
図2に示すように、結線側インシュレータ2におけるバックヨーク接触部2aの周方向の幅は、固定子鉄心1のバックヨーク部1aの周方向の幅より小さくなっている。
結線側インシュレータ2におけるティース接触部2bの周方向の幅は、固定子鉄心1のティース部1bの周方向の幅と同じである。
結線側インシュレータ2のティース接触部2bの先端部には、両矢印Dで示す周方向の両端部に、固定子鉄心1のティース先端シュー1cと接する先端シュー接触部2cが設けられている。
先端シュー接触部2cの周方向の長さが、ティース先端シュー1cの周方向の長さ以上であり、スロット側に突出している。また、図2に示すように、先端シュー接触部2cにおける、両矢印Fで示す固定子の径方向(径方向と記す)の外側の面であるコイル側の面2jは、バックヨーク接触部2aの径方向の内側の面であるコイル側の面2hと対向している。
そして、コイルは、これらの面の間に配設される。
また、先端シュー接触部2cには、ティース先端シュー1cにおける径方向の外側のエッジに沿ったスリット溝(先端シュー側スリット溝と記す)2dが設けられている。先端シュー側スリット溝2dは、先端シュー接触部2cのティース先端シュー1cと接する側の面に、先端シュー接触部2cの突出根元部から周方向の側端部にわたって形成されている。すなわち、先端シュー側スリット溝2dは、バックヨーク部1aの内周壁面5aと対向するティース先端シュー1cの面(対向面と記す)5cと平行になっている。
結線側インシュレータ2のバックヨーク接触部2aには、コイル側の面2hに、この面2hから凹んでおり且つ絶縁フィルム4を格納するフィルム収納部2gが設けられている。フィルム収納部2gの設置位置は、周方向におけるティース接触部2bの両方の外側である。
フィルム収納部2gにおける、周方向の外側の直線上の辺の部分には、コイル側の面2hに対して垂直方向に切込まれたスリット溝(ヨーク側スリット溝と記す)2eが形成されている。
このヨーク側スリット溝2eは、両矢印Eで示す固定子の軸方向(軸方向と記す)が、バックヨーク接触部2aの固定子鉄心1と接する面(固定子鉄心接触面と記す)2fまで、延在している。
図4(b)に示す反結線側インシュレータ3における、バックヨーク接触部3aは、固定子鉄心1のバックヨーク部1aと接する部分であり、ティース接触部3bは固定子鉄心1のティース部1bと接する部分である。
図示しないが、反結線側インシュレータ3におけるバックヨーク接触部3aの周方向の幅は、固定子鉄心1のバックヨーク部1aの周方向の幅より小さくなっている。
反結線側インシュレータ3におけるティース接触部3bの周方向の幅は、固定子鉄心1のティース部1bの周方向の幅と同じである。
反結線側インシュレータ3のティース接触部3bの先端部にも、両矢印Dで示す周方向の両端部に、固定子鉄心1のティース先端シュー1cと接する先端シュー接触部3cが設けられている。
先端シュー接触部3cの周方向の長さも、ティース先端シュー1cの周方向の長さ以上であり、スロット側に突出している。また、先端シュー接触部3cにおける径方向の外側の面であるコイル側の面3jは、バックヨーク接触部3aの径方向の内側の面であるコイル側の面3hと対向している。
そして、コイルは、これらの面の間に配設される。
また、先端シュー接触部3cには、ティース先端シュー1cにおける径方向の外側のエッジに沿ったスリット溝(先端シュー側スリット溝と記す)3dが設けられている。先端シュー側スリット溝3dは、先端シュー接触部3cのティース先端シュー1cと接する側の面に、先端シュー接触部3cの突出根元部から周方向の側端部にわたって形成されている。すなわち、先端シュー側スリット溝3dは、ティース先端シュー1cの対向面5cと平行になっている。
反結線側インシュレータ3のバックヨーク接触部3aにも、コイル側の面3hに、この面3hから凹んでおり且つ絶縁フィルム4を格納するフィルム収納部3gが設けられている。フィルム収納部3gの設置位置は、周方向におけるティース接触部3bの両方の外側である。
フィルム収納部3gにおける、周方向の外側の直線上の辺の部分には、コイル側の面3hに対して垂直方向に切込まれたヨーク側スリット溝3eが形成されている。
このヨーク側スリット溝3eも、両矢印Eで示す軸方向が、バックヨーク接触部3aの固定子鉄心1と接する面(固定子鉄心接触面と記す)3fまで、延在している。
本実施の形態では、結線側インシュレータ2と反結線側インシュレータ3とは、材料に、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂が用いられ、射出成型により形成される。
図6は、本発明の実施の形態1に係わる固定子に用いられる絶縁フィルムの斜視模式図である。
図6に示すように、本実施の形態の絶縁フィルム4は、固定子鉄心1における、図3に示すバックヨーク部1aの内周壁面5aと接する部分(ヨーク配置部と記す)4eと、図3に示すティース部1bの側壁面5bと接する部分(ティース本体配置部と記す)4fと、図3に示すティース先端シュー1cの対向面5cと接する部分(先端シュー配置部と記す)4gとがある。
ヨーク配置部4eの、両矢印Eで示す軸方向の両端には、ヨーク配置部4eから軸方向に突出した突部4aが設けられている。そして、突部4aは、ヨーク配置部4eから延在する延長部4bと、延長部4bにおける、両矢印Dで示す周方向の外側の辺から延在する差込部4cとで形成されている。
本実施の形態では、差込部4cは、延長部4bとの境界線で折り曲げられて、延長部4bから両矢印Fで示す径方向の、外側に向かって突出している。
図7は、本発明の実施の形態1に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体を組み立てる前の状態を示す斜視模式図である。
図7の状態から、結線側インシュレータ2と反結線側インシュレータ3とは、固定子鉄心1の軸方向の各端面に配設される。絶縁フィルム4は、固定子鉄心1における、内周壁面5aと側壁面5bと対向面5cとに接して配置される。
また、絶縁フィルム4は、先端シュー配置部4gの軸方向における一方の端部を、結線側インシュレータ2の先端シュー側スリット溝2dに挿入し、先端シュー配置部4gの軸方向における他方の端部を反結線側インシュレータ3の先端シュー側スリット溝3dに挿入する。そして、絶縁フィルム4におけると突部4aは、後述するようにして結線側インシュレータ2と反結線側インシュレータ3とに配設される。
図8は、本発明の実施の形態1に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。
図8でも、コイルは省略している。
図9は、図1のA−A断面におけるフィルム収納部とヨーク側スリット溝の近傍を示す模式図である。
すなわち、図9は、図8のA−A断面を示している。
図10は、図2のB−B断面におけるフィルム収納部とヨーク側スリット溝の近傍を示す模式図である。
図8と図9と図10とは、結線側インシュレータ2の側を示しているが、反結線側インシュレータ3の側も同様な構造である。
図8と図9と図10とに示すように、本実施の形態の絶縁フィルム4は、軸方向の一方の端部の突部4aにおける延長部4bが、結線側インシュレータ2のフィルム収納部2gに格納されており且つ差込部4cが結線側インシュレータ2のヨーク側スリット溝2eに挿入されている。
図示しないが、本実施の形態の絶縁フィルム4は、軸方向の他方の端部の突部4aにおける延長部4bが、反結線側インシュレータ3のフィルム収納部3gに格納されており且つ差込部4cが反結線側インシュレータ3のヨーク側スリット溝3eに挿入されている。
すなわち、本実施の形態の回転電機の固定子は、絶縁フィルム4が、結線側インシュレータ2におけるヨーク側スリット溝2eと先端シュー側スリット溝2d、および、反結線側インシュレータ3におけるヨーク側スリット溝3eと先端シュー側スリット溝3dの、4箇所で保持される。
本実施の形態では、絶縁フィルム4の材料に、例えば、ポリエチレンテレフタレートのフィルムが用いられ、これを切り抜いた後に折り曲げて絶縁フィルム4を形成している。
絶縁フィルム4の厚みは、0.1から0.3mm程度が好ましい。0.1mmより薄いと絶縁性に不安が残り、0.3mmよりも厚いと材料コストが高くなる。
また、絶縁フィルム4が挿入される、先端シュー側スリット溝2d,3dおよびヨーク側スリット溝2e,3eの間隙は、絶縁フィルム4の厚みに対して0.1から0.3mm程度、大きいことが好ましい。各スリット溝2d,3d,2e,3eの間隙と絶縁フィルム4の厚みとの差が、0.1mmより小さいと絶縁フィルム4をスリット溝に挿入することが困難となり、0.3mmよりも大きいと挿入は容易であるが、絶縁フィルム4の保持が困難になる。
結線側インシュレータ2の先端シュー側スリット溝2dと反結線側インシュレータ3の先端シュー側スリット溝3dとは、ティース先端シュー1cにおける径方向の外側のエッジに沿って形成されている。
すなわち、結線側インシュレータ2の先端シュー側スリット溝2dと反結線側インシュレータ3の先端シュー側スリット溝3dとが、ティース先端シュー1cの対向面5cと平行になっているので、コイルの安定した整列巻きを実現でき、コイルの占積率の低減が防止できる。
絶縁フィルム4の、一方の延長部4bがフィルム収納部2gに格納されるとともに一方の差込部4cがヨーク側スリット溝2eに挿入され、且つ、他方の延長部4bがフィルム収納部3gに格納されるとともに他方の差込部4cがヨーク側スリット溝3eに挿入される。それゆえ、絶縁フィルム4に起因するコイルの占積率の低下が防止される。
また、フィルム収納部2g,3gのティース接触部側の辺を、ティース接触部2b,3bに近づけているので、絶縁フィルムの延長部4bの幅を広くでき、突部4aの強度を向上できる。
本実施の形態では、フィルム収納部2gおよびフィルム収納部3gの深さは、絶縁フィルム4の厚みに対して0.1mmから0.3mm程度、大きいことが好ましい。
これらの深さと絶縁フィルム4の厚みとの差が0.1mmより小さいと、絶縁フィルム4をスリット溝へ挿入した時に浮き上がりが少しでも生じると、コイルの巻回時に邪魔となる。また、0.3mmよりも大きいと、絶縁フィルム4が軸方向内側に膨らみ、コイルの占積率が下がってしまう。
本実施の形態では、絶縁フィルム4が、軸方向の一方側の端部を先端シュー側スリット溝2dとヨーク側スリット溝2eとに挿入するとともに、軸方向の他方側の端部を先端シュー側スリット溝3dとヨーク側スリット溝3eとに挿入して、保持されるので、絶縁フィルム4のズレや浮き上がりを防止でき、安定したコイルの巻回を行うことができる。
また、先端シュー側スリット溝2d,3dおよびヨーク側スリット溝2e,3eが、コイルの占積率を低下させない部分に設けられており、高効率の回転電機を実現できる。
また、ヨーク側スリット溝2eが、結線側インシュレータ2の固定子鉄心接触面2fまで貫通しており、ヨーク側スリット溝3eが、反結線側インシュレータ3の固定子鉄心接触面3fまで貫通しているので、絶縁フィルム4を固定子鉄心1に把持させた後に、結線側インシュレータ2と反結線側インシュレータ3とを組付けることが可能である。
本実施の形態の固定子は、1個のティース部1bとこの1個のティース部1bにつながり、且つ固定子の外周部の一部となるバックヨーク部1aとで形成されている固定子鉄心を用いた固定子構成体で形成されている。
しかし、固定子の外周部の全てとなる環状のバックヨーク部と、バックヨーク部の内周面から周方向で所定の間隔を設けて突出している複数のティース部とを備えた一体型の固定子鉄心が用いられており、ティース部とティース部につながるバックヨーク部とでなる各部分に、固定子構成体が形成される固定子であっても良い。
また、固定子の外周部の一部又は全てが連結手段によって帯状につながったバックヨーク部と、バックヨーク部の内周面から所定の間隔を設けて突出している複数のティース部とを備えた固定子鉄心が用いられており、ティース部とティース部につながるバックヨーク部とでなる各部分に、固定子構成体が形成されており、帯状のバックヨーク部を環状にして、バックヨーク部の両端を接合している固定子であっても良い。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係わる回転電機の固定子は、結線側インシュレータおよび反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝の構造が異なる以外、実施の形態1の回転電機の固定子と同様である。
図11は、本発明の実施の形態2に係わる結線側インシュレータの固定子鉄心と接する側の面の模式図である。
図示しないが、反結線側インシュレータの固定子鉄心1と接する側の面も、図11と同様である。
図12は、本発明の実施の形態2に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。
図12でも、コイルは省略している。
図13は、図12のA−A断面の模式図である。
図14は、本発明の実施の形態2に係わる固定子構成体における、実施の形態1の図10に相当する断面模式図である。
図11に示すように、本実施の形態の結線側インシュレータ6は、バックヨーク接触部6aに形成されているヨーク側スリット溝6eが、コイル側の面2hから垂直方向にバックヨーク接触部6aにおける、両矢印Fで示す径方向の外側の面である外周面2iまで貫通している。すなわち、バックヨーク接触部6aを、径方向に貫通している。
図示しないが、本実施の形態の反結線側インシュレータも、バックヨーク接触部に形成されたヨーク側スリット溝が、コイル側の面から垂直方向にバックヨーク接触部の外周面まで貫通している。すなわち、バックヨーク接触部を径方向に貫通している。
図13に示すように、絶縁フィルム4の軸方向の一方の端部にある突部4aの差込部4cが、ヨーク側スリット溝6eに挿入されている。図示しないが、絶縁フィルム4の軸方向の他方の端部にある突部4aの差込部4cも、反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝に挿入されている。
図12と図13と図14とに示すように、絶縁フィルム4の軸方向の一方の端部にある延長部4bが、フィルム収納部2gに格納されている。図示しないが、絶縁フィルム4の軸方向の他方の端部にある延長部4bも、反結線側インシュレータのフィルム収納部に格納されている。
本実施の形態の回転電機の固定子は、結線側インシュレータのヨーク側スリット溝と、反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝との各々が、バックヨーク接触部の、コイル側の面から垂直方向に外周面まで貫通している以外、実施の形態1の回転電機の固定子と同様であるので、実施の形態1の回転電機の固定子と同様の効果を有する。
また、結線側インシュレータのヨーク側スリット溝と、反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝との各々が、バックヨーク接触部の、コイル側の面から垂直方向に外周面まで貫通しているので、絶縁フィルムの差込部の径方向の幅を十分に大きくすることができ、より安定した絶縁フィルムの保持が可能となる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係わる回転電機の固定子は、結線側インシュレータおよび反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝の構造が異なる以外、実施の形態1の回転電機の固定子と同様である。
図15は、本発明の実施の形態3に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。
図15でも、コイルは省略している。
図16は、図15のA−A断面の模式図である。
図17は、本発明の実施の形態3に係わる固定子構成体における、実施の形態1の図10に相当する断面模式図である。
図17に示すように、本実施の形態の結線側インシュレータ10は、バックヨーク接触部10aに形成されたヨーク側スリット溝10eが、両矢印Eで示す軸方向において、バックヨーク接触部10aの固定子鉄心接触面2fまで延在していない。すなわち、ヨーク側スリット溝10eの軸方向の長さが、フィルム収納部2gの軸方向の外側の辺から、バックヨーク接触部10aの固定子鉄心接触面2fまでの距離より短くなっている。
図示しないが、本実施の形態の反結線側インシュレータも、バックヨーク接触部に形成されたヨーク側スリット溝が、軸方向において、バックヨーク接触部の固定子鉄心接触面まで延在していない。すなわち、ヨーク側スリット溝の軸方向の長さが、フィルム収納部における軸方向の外側の辺から、バックヨーク接触部の固定子鉄心接触面までの距離より短くなっている。
本実施の形態の回転電機の固定子は、結線側インシュレータのヨーク側スリット溝と、反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝との各々が、軸方向の長さをフィルム収納部における軸方向の外側の辺から固定子鉄心接触面までの距離より短くなっている以外、実施の形態1の回転電機の固定子と同様であるので、絶縁フィルムを固定子鉄心に把持させた後に、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとを組付けることはできないが、それ以外は、実施の形態1の回転電機の固定子と同様の効果を有する。
また、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとを、固定子鉄心に組付けた後で、絶縁フィルムを組付けることとなり、組付ける順序が明確になるので、生産性を向上することが可能となる。
また、各ヨーク側スリット溝の軸方向の長さを調節して、ヨーク側スリット溝の軸方向における内側の面を、絶縁フィルムの差込部における軸方向の内側の辺に接すると、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとによる、絶縁フィルム保持の安定性が向上する。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係わる回転電機の固定子は、結線側インシュレータおよび反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝の構造が異なる以外、実施の形態2の回転電機の固定子と同様である。
図18は、本発明の実施の形態4に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。
図18でも、コイルは省略している。
図19は、図18のA−A断面の模式図である。
図20は、本発明の実施の形態4に係わる固定子構成体における、実施の形態2の図14に相当する断面模式図である。
図20に示すように、本実施の形態の結線側インシュレータ14は、バックヨーク接触部14aに形成されたヨーク側スリット溝14eが、両矢印Eで示す軸方向において、バックヨーク接触部14aの固定子鉄心接触面2fまで延在していない。すなわち、ヨーク側スリット溝14eの軸方向の長さが、フィルム収納部2gにおける軸方向の外側の辺から、バックヨーク接触部14aの固定子鉄心接触面2fまでの距離より短くなっている。
図示しないが、本実施の形態の反結線側インシュレータも、バックヨーク接触部に形成されたヨーク側スリット溝が、軸方向において、バックヨーク接触部の固定子鉄心接触面まで延在していない。すなわち、ヨーク側スリット溝の軸方向の長さが、フィルム収納部における軸方向の外側の辺から、バックヨーク接触部の固定子鉄心接触面までの距離より短くなっている。
本実施の形態の回転電機の固定子は、結線側インシュレータのヨーク側スリット溝と、反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝との各々が、軸方向の長さをフィルム収納部における軸方向の外側の辺から固定子鉄心接触面までの距離より短くなっている以外、実施の形態2の回転電機の固定子と同様のであるので、絶縁フィルムを固定子鉄心に把持させた後に、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとを組付けることはできないが、それ以外は、実施の形態2の回転電機の固定子と同様の効果を有する。
また、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとを、固定子鉄心に組付けた後で、絶縁フィルムを組付けることとなり、組付ける順序が明確になるので、生産性を向上することが可能となる。
また、各ヨーク側スリット溝の軸方向の長さを調節して、ヨーク側スリット溝の軸方向における内側の面を、絶縁フィルムの差込部における軸方向の内側の辺に接すると、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとによる、絶縁フィルム保持の安定性が向上する。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係わる回転電機の固定子は、結線側インシュレータおよび反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝の構造と、絶縁フィルムの突部とが異なる以外、実施の形態1の回転電機の固定子と同様である。
図21は、本発明の実施の形態5に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。
図21でも、コイルは省略している。
図22は、図21のA−A断面の模式図である。
図23は、本発明の実施の形態5に係わる固定子構成体における、実施の形態1の図10に相当する断面模式図である。
図22に示すように、本実施の形態の結線側インシュレータ18は、フィルム収納部18gにおける、周方向の外側の直線上の辺の部分から、バックヨーク接触部18aのコイル側の面2hに対して斜めに且つ周方向の外側に延在するヨーク側スリット溝18eが形成されている。
図23に示すように、ヨーク側スリット溝18eは、両矢印Eで示す軸方向がバックヨーク接触部18aの固定子鉄心接触面2fまで延在している。
図示しないが、本実施の形態の反結線側インシュレータも、フィルム収納部における、周方向の外側の直線上の辺の部分から、バックヨーク接触部のコイル側の面に対して斜めに且つ周方向外側に延在するヨーク側スリット溝が形成されている。
このヨーク側スリット溝も、軸方向がバックヨーク接触部の固定子鉄心接触面まで延在している。
そして、結線側インシュレータおよび反結線側インシュレータの各々の、各ヨーク側スリット溝とバックヨーク接触部のコイル側の面とのなす角度αは、鋭角である。
図示しないが、本実施の形態の絶縁フィルム20は、突部における差込部が延長部に対して前もって折り曲げられていない以外、実施の形態1の絶縁フィルム4と同様である。
図22に示すように、本実施の形態では、絶縁フィルム20の一端側の突部20aにおける延長部20bから延在する差込部20cが、結線側インシュレータ18のヨーク側スリット溝18eに挿入されている。
図示しないが、絶縁フィルム20の他端側の突部20aにおける延長部20bから延在する差込部20cが、反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝に挿入されている。
本実施の形態の回転電機の固定子は、結線側インシュレータのヨーク側スリット溝と反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝との各々が、フィルム収納部における周方向の外側の辺の部分から、バックヨーク接触部のコイル側の面に対する斜めの方向に延在している以外、実施の形態1の回転電機の固定子と同様であるので、実施の形態1の回転電機の固定子と同様の効果を有する。
また、突部における差込部が、延長部に対して前もって折り曲げられていない絶縁フィルムであっても、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとにより、安定して保持できる。
また、絶縁フィルムの突部の折り曲げ加工が不要となり生産性が向上する。
実施の形態6.
本発明の実施の形態6に係わる回転電機の固定子は、結線側インシュレータおよび反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝の構造が異なる以外、実施の形態5の回転電機の固定子と同様である。
図24は、本発明の実施の形態6に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。
図24でも、コイルは省略している。
図25は、図24のA−A断面の模式図である。
図26は、本発明の実施の形態6に係わる固定子構成体における、実施の形態5の図23に相当する断面模式図である。
図26に示すように、本実施の形態の結線側インシュレータ22は、バックヨーク接触部22aに形成されたヨーク側スリット溝22eが、両矢印Eで示す軸方向において、バックヨーク接触部22aの固定子鉄心接触面2fまで延在していない。すなわち、ヨーク側スリット溝22eの軸方向の長さが、フィルム収納部18gにおける軸方向の外側の辺から、バックヨーク接触部22aの固定子鉄心接触面2fまでの距離より短くなっている。
図示しないが、本実施の形態の反結線側インシュレータも、バックヨーク接触部に形成されたヨーク側スリット溝が、軸方向において、バックヨーク接触部の固定子鉄心接触面まで延在していない。すなわち、ヨーク側スリット溝の軸方向の長さが、フィルム収納部における軸方向の外側の辺から、バックヨーク接触部の固定子鉄心接触面までの距離より短くなっている。
本実施の形態の回転電機の固定子は、結線側インシュレータのヨーク側スリット溝と、反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝との各々が、軸方向の長さをフィルム収納部における軸方向の外側の辺から固定子鉄心接触面までの距離より短くしている以外、実施の形態5の回転電機の固定子と同様であるので、絶縁フィルムを固定子鉄心に把持させた後に、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとを組付けることはできないが、それ以外は、実施の形態5の回転電機の固定子と同様の効果を有する。
また、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとを、固定子鉄心に組付けた後に、絶縁フィルムを組付けることとなり、組付ける順序が明確になるので、生産性を向上することが可能となる。
また、各ヨーク側スリット溝の軸方向の長さを調節して、ヨーク側スリット溝の軸方向における内側の面を、絶縁フィルムの差込部における軸方向の内側の辺に接すると、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとによる、絶縁フィルム保持の安定性が向上する。
実施の形態7.
本発明の実施の形態7に係わる回転電機の固定子は、結線側インシュレータおよび反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝の構造と、絶縁フィルムの突部とが異なる以外、実施の形態1の回転電機の固定子と同様である。
図27は、本発明の実施の形態7に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。
図27でも、コイルは省略している。
図28は、図27のC−C断面の模式図である。
図29は、本発明の実施の形態7に係わる固定子構成体における、実施の形態1の図10に相当する断面模式図である。
図28と図29とに示すように、本実施の形態の結線側インシュレータ26は、フィルム収納部26gにおける、両矢印Eで示す軸方向の外側の辺の部分から、バックヨーク接触部26aのコイル側の面2hに対して斜めに、且つ径方向外側に延在するヨーク側スリット溝26eが形成されている。
図示しないが、本実施の形態の反結線側インシュレータも、フィルム収納部における軸方向の外側の辺の部分から、バックヨーク接触部のコイル側の面に対して斜めに、且つ径方向外側に延在するヨーク側スリット溝が形成されている。
そして、結線側インシュレータおよび反結線側インシュレータの、各ヨーク側スリット溝とバックヨーク接触部のコイル側の面とのなす角度βは、鋭角である。
図示しないが、本実施の形態の絶縁フィルム28は、突部が、延長部と延長部の軸方向外側にある差込部とで形成されている以外、実施の形態1の絶縁フィルム4と同様である。
図28に示すように、本実施の形態では、絶縁フィルム28の一端側の突部28aにおける延長部28bの先端にある差込部28cが、結線側インシュレータ26のヨーク側スリット溝26eに挿入されている。
図示しないが、絶縁フィルム28の他端側の突部28aにおける延長部28bの先端にある差込部28cが、反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝に挿入されている。
本実施の形態の回転電機の固定子は、結線側インシュレータのヨーク側スリット溝と、反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝との各々が、フィルム収納部における軸方向の外側の辺の部分から、バックヨーク接触部のコイル側の面に対して斜めに且つ径方向外側に延在しており、絶縁フィルムの突部が、延長部と延長部の軸方向外側にある差込部とで形成されている以外、実施の形態1の回転電機の固定子と同様であるので、実施の形態1の回転電機の固定子と同様の効果を有する。
また、絶縁フィルムの突部における差込部が、延長部に対して前もって折り曲げられていなくても、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとにより、絶縁フィルムを安定して保持できる。それと、絶縁フィルムの突部の折り曲げ加工が不要であるので、生産性が向上する。
また、結線側インシュレータおよび反結線側インシュレータにおいて、各ヨーク側スリット溝における絶縁フィルムの差込部が挿入される口が、各ヨーク側スリット溝の軸方向の内側にあるので、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとを固定子鉄心に組付をすると同時に、絶縁フィルムの差込部を、各ヨーク側スリット溝に挿入することが可能となり、生産性が向上する。
実施の形態8.
本発明の実施の形態8に係わる回転電機の固定子は、結線側インシュレータおよび反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝の構造と、絶縁フィルムの突部とが異なる以外、実施の形態1の回転電機の固定子と同様である。
図30は、本発明の実施の形態8に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。
図30でも、コイルは省略している。
図31は、図30のA−A断面の模式図である。
図32は、本発明の実施の形態8に係わる固定子構成体における、実施の形態1の図10に相当する断面模式図である。
図31に示すように、本実施の形態の結線側インシュレータ30は、フィルム収納部30gにおける、周方向の内側の直線上の辺の部分から、バックヨーク接触部30aのコイル側の面2hに対して斜めに且つ周方向外側に延在するヨーク側スリット溝30eが形成されている。
図32に示すように、ヨーク側スリット溝30eは、両矢印Eで示す軸方向がバックヨーク接触部30aの固定子鉄心接触面2fまで、延在している。
図示しないが、本実施の形態の反結線側インシュレータも、フィルム収納部における、周方向の内側の直線上の辺の部分から、バックヨーク接触部のコイル側の面に対して斜めに且つ周方向外側に延在するヨーク側スリット溝が形成されている。
このヨーク側スリット溝も、軸方向がバックヨーク接触部の固定子鉄心接触面まで、延在している。
そして、結線側インシュレータおよび反結線側インシュレータの、各ヨーク側スリット溝とバックヨーク接触部のコイル側の面とのなす角度γは、鋭角である。
図示しないが、本実施の形態の絶縁フィルム32は、突部が、延長部と延長部における周方向の内側の辺の部分から延在している差込部とで形成されている以外、実施の形態1の絶縁フィルム4と同様である。
図31に示すように、本実施の形態では、絶縁フィルム32の一端側の突部32aにおける差込部32cが、延長部32bとの境界線で、両矢印Dで示す周方向の外側に折り曲げられて、結線側インシュレータ30のヨーク側スリット溝30eに挿入されている。
図示しないが、絶縁フィルム32の他端側の突部32aにおける差込部32cが、延長部32bとの境界線で、周方向の外側に折り曲げられて、反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝に挿入されている。
絶縁フィルム32は、各差込部32cを、前もって折り曲げていても良い。
本実施の形態の回転電機の固定子は、結線側インシュレータのヨーク側スリット溝と、反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝との各々が、フィルム収納部における周方向の内側の辺の部分から、バックヨーク接触部のコイル側の面に対して斜めに且つ周方向外側に延在しており、絶縁フィルムの突部が、延長部と延長部の周方向の内側の辺の部分から延在している差込部とで形成されており、差込部が、延長部との境界線で周方向の外側に折り曲げられて、ヨーク側スリット溝に挿入されている以外、実施の形態1の回転電機の固定子と同様であるので、実施の形態1の回転電機の固定子と同様の効果を有する。
それと、ヨーク側スリット溝が、周方向に延在しているので、絶縁フィルムの、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとでの保持が、より強固になる。
実施の形態9.
本発明の実施の形態9に係わる回転電機の固定子は、結線側インシュレータおよび反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝の構造が異なる以外、実施の形態8の回転電機の固定子と同様である。
図33は、本発明の実施の形態9に係わる回転電機の固定子を形成する固定子構成体における、結線側インシュレータのフィルム収納部の近傍を示す斜視模式図である。
図33でも、コイルは省略している。
図34は、図33のA−A断面の模式図である。
図35は、本発明の実施の形態9に係わる固定子構成体における、実施の形態8の図32に相当する断面模式図である。
図35に示すように、本実施の形態の結線側インシュレータ34は、バックヨーク接触部34aに形成されたヨーク側スリット溝34eが、両矢印Eで示す軸方向において、バックヨーク接触部34aの固定子鉄心接触面2fまで延在していない。すなわち、ヨーク側スリット溝34eの軸方向の長さが、フィルム収納部34gにおける軸方向の外側の辺から、バックヨーク接触部34aの固定子鉄心接触面2fまでの距離より短くなっている。
図示しないが、本実施の形態の反結線側インシュレータも、バックヨーク接触部に形成されたヨーク側スリット溝が、軸方向において、バックヨーク接触部の固定子鉄心接触面まで延在していない。すなわち、ヨーク側スリット溝の軸方向の長さが、フィルム収納部における軸方向の外側の辺から、バックヨーク接触部の固定子鉄心接触面までの距離より短くなっている。
本実施の形態の回転電機の固定子は、結線側インシュレータのヨーク側スリット溝と、反結線側インシュレータのヨーク側スリット溝との各々が、軸方向の長さをフィルム収納部における軸方向の外側の辺から固定子鉄心接触面までの距離より短くしている以外、実施の形態8の回転電機の固定子と同様であるので、絶縁フィルムを固定子鉄心に把持させた後に、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとを組付けることはできないが、それ以外は、実施の形態8の回転電機の固定子と同様の効果を有する。
また、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとを、固定子鉄心に組付けた後で、絶縁フィルムを組付けることとなり、組付ける順序が明確になるので、生産性を向上することが可能となる。
また、各ヨーク側スリット溝の軸方向の長さを調節して、ヨーク側スリット溝の軸方向における内側の面を、絶縁フィルムの差込部における軸方向の内側の辺に接すると、結線側インシュレータと反結線側インシュレータとによる、絶縁フィルム保持の安定性が向上する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
本発明の回転電機の固定子は、巻線スペースを最大限に確保して、コイルの占積率を向上できるとともに、固定子鉄心のティース部の周方向の幅が狭くなるのを防止し、且つ、絶縁フィルムがずれるのを防止したものであるので、生産性が優れるとともに、高性能が要求される回転電機に利用できる。
1 固定子鉄心、1a バックヨーク部、1b ティース部、
1c ティース先端シュー、2 結線側インシュレータ、2a バックヨーク接触部、
2b ティース接触部、2c 先端シュー接触部、2d 先端シュー側スリット溝、
2e ヨーク側スリット溝、2f 固定子鉄心接触面、2g フィルム収納部、
2h コイル側の面、2i 外周面、2j コイル側の面、
3 反結線側インシュレータ、3a バックヨーク接触部、3b ティース接触部、
3c 先端シュー接触部、3d 先端シュー側スリット溝、3e ヨーク側スリット溝、3f 固定子鉄心接触面、3g フィルム収納部、3h コイル側の面、
3j コイル側の面、4 絶縁フィルム、4a 突部、4b 延長部、4c 差込部、
4e ヨーク配置部、4f ティース本体配置部、4g 先端シュー配置部、
5a 内周壁面、5b 側壁面、5c 対向面、6 結線側インシュレータ、
6a バックヨーク接触部、6e ヨーク側スリット溝、10 結線側インシュレータ、10a バックヨーク接触部、10e ヨーク側スリット溝、
14 結線側インシュレータ、14a バックヨーク接触部、
14e ヨーク側スリット溝、18 結線側インシュレータ、
18a バックヨーク接触部、18e ヨーク側スリット溝、18g フィルム収納部、20 絶縁フィルム、20a 突部、20b 延長部、20c 差込部、
22 結線側インシュレータ、22a バックヨーク接触部、
22e ヨーク側スリット溝、26 結線側インシュレータ、
26a バックヨーク接触部、26e ヨーク側スリット溝、26g フィルム収納部、28 絶縁フィルム、28a 突部、28b 延長部、28c 差込部、
30 結線側インシュレータ、30a バックヨーク接触部、
30e ヨーク側スリット溝、30g フィルム収納部、32 絶縁フィルム、
32a 突部、32b 延長部、32c 差込部、34 結線側インシュレータ、
34a バックヨーク接触部、34g フィルム収納部、34e ヨーク側スリット溝、100 固定子構成体。

Claims (11)

  1. 固定子鉄心と、上記固定子鉄心に巻回されるコイルと、上記固定子鉄心の、固定子の軸方向における一方の端部に接して設けられた結線側インシュレータと、上記固定子鉄心の、上記軸方向における他方の端部に接して設けられた反結線側インシュレータと、上記固定子鉄心の上記コイルが巻回される部分に配設された絶縁フィルムとを備えている固定子構成体を有する回転電機の固定子であって、
    上記固定子鉄心は、バックヨーク部と、上記バックヨーク部の中央部から上記固定子の中心軸に向かって突出しているティース部と、上記ティース部の先端部の、固定子の周方向における両端部に設けられたティース先端シューとで形成されており、
    上記結線側インシュレータと上記反結線側インシュレータとの各々は、上記バックヨーク部と接するバックヨーク接触部と、上記ティース部と接するティース接触部と、上記ティース先端シューと接する先端シュー接触部とを備えており、
    上記先端シュー接触部には、上記ティース先端シューと接する側の面に、上記ティース先端シューの、固定子の径方向における外側のエッジに沿うとともに上記先端シュー接触部の、突出根元部から上記周方向における側端部にわたる、先端シュー側スリット溝が形成されており、
    上記バックヨーク接触部には、上記径方向における内側の面であるコイル側の面に、上記コイル側の面から凹んでおり且つ上記絶縁フィルムを格納するフィルム収納部が設けられており、上記フィルム収納部における外周辺の部分には、上記コイル側の面から上記バックヨーク接触部の内部に切込まれたヨーク側スリット溝が設けられており、
    上記絶縁フィルムは、上記バックヨーク部の内周壁面と接するヨーク配置部と、上記ティース部の側壁面と接するティース本体配置部と、上記ティース先端シューにおける、上記内周壁面との対向面と接する先端シュー配置部とを備えており、
    上記ヨーク配置部の、上記軸方向における両端には、上記ヨーク配置部から上記軸方向に突出した突部が設けられており、
    上記突部は、上記ヨーク配置部から延在する延長部と、上記延長部から延在する差込部とで形成されており、
    上記延長部が上記フィルム収納部に格納されるとともに上記差込部が上記ヨーク側スリット溝に挿入され、且つ上記先端シュー配置部の、上記軸方向における両端部が、上記先端シュー側スリット溝に挿入されて、上記絶縁フィルムが保持されている回転電機の固定子。
  2. 上記固定子鉄心が、1個の上記ティース部と、上記1個のティース部につながり、且つ上記固定子の外周部の一部となる上記バックヨーク部とで形成されており、
    上記バックヨーク部の両端部が、隣接する上記バックヨーク部の端部と連結して、上記固定子鉄心が環状になっていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
  3. 上記固定子鉄心が、上記固定子の外周部の全てとなる環状の上記バックヨーク部と、上記バックヨーク部の内周面から周方向で所定の間隔を設けて突出している複数の上記ティース部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
  4. 上記固定子鉄心が、上記固定子の外周部の一部又は全てが連結手段によって帯状につながっている上記バックヨーク部と、上記バックヨーク部の内周面から所定の間隔を設けて突出している複数の上記ティース部とを備えており、上記帯状のバックヨーク部を環状にして、上記バックヨーク部の両端を接合して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子。
  5. 上記ヨーク側スリット溝が、上記フィルム収納部の、上記周方向における外側の直線状の辺の部分に、上記コイル側の面に対して垂直方向に切込まれて形成されており、
    上記差込部が、上記延長部の、上記周方向における外側の辺から延在していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  6. 上記スリット溝が、上記コイル側の面から、上記バックヨーク接触部の、上記径方向における外側の面である外周面まで貫通していることを特徴とする請求項5に記載の回転電機の固定子。
  7. 上記ヨーク側スリット溝が、上記フィルム収納部の、上記周方向における外側の直線状の辺の部分から、上記コイル側の面に対して斜めに且つ上記周方向における外側に延在させて形成されており、
    上記差込部が、上記延長部の、上記周方向における外側の辺から延在していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  8. 上記ヨーク側スリット溝が、上記フィルム収納部の、上記周方向における内側の直線状の辺の部分から、上記コイル側の面に対して斜めに且つ上記周方向における外側に延在させて形成されており、
    上記差込部が、上記延長部の、上記周方向における内側の辺から延在していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  9. 上記ヨーク側スリット溝が、上記軸方向において、上記バックヨーク接触部の上記固定子鉄心と接する固定子鉄心接触面まで、延在していることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  10. 上記ヨーク側スリット溝が、上記軸方向において、上記バックヨーク接触部の上記固定子鉄心と接する固定子鉄心接触面まで、延在していないことを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
  11. 上記ヨーク側スリット溝が、上記フィルム収納部の、上記軸方向における外側の辺の部分から、上記コイル側の面に対して斜めに且つ上記径方向における外側に延在させて形成されており、
    上記差込部が、上記延長部の、上記軸方向における外側の辺から延在していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。
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