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JP2016021006A - El装置、および、el装置の駆動方法 - Google Patents

El装置、および、el装置の駆動方法 Download PDF

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JP2016021006A JP2014145139A JP2014145139A JP2016021006A JP 2016021006 A JP2016021006 A JP 2016021006A JP 2014145139 A JP2014145139 A JP 2014145139A JP 2014145139 A JP2014145139 A JP 2014145139A JP 2016021006 A JP2016021006 A JP 2016021006A
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忠久 当山
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Abstract

【課題】EL素子に流す電流がEL素子の特性値によって変わることを抑えることの可能なEL装置、および、EL装置の駆動方法を提供する。【解決手段】発光期間において、保持トランジスタT2に対するオフ状態の設定、選択トランジスタT3に対するオン状態の設定、データ線Ldに対するハイインピーダンス状態の設定、および、EL素子OELに対して順方向のバイアスになる発光電圧の電源線Laに対する設定によって、保持容量Csの保持する電圧に応じた電流を駆動トランジスタT1の電流路を通じてEL素子OELに流し、測定期間において、選択トランジスタT3をオン状態からオフ状態に切り替えてデータ線Ldの電圧を測定部12M1に測定させ、測定期間におけるデータ線Ldの電圧の基準値と、測定部12M1の測定結果との差を小さくするように、次回の書込期間における駆動電圧を測定結果に基づいて補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、EL素子を駆動する駆動電圧を補正するEL装置、および、EL装置の駆動方法に関する。
エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence :EL )装置の一例であるEL表示装置は、マトリクス状に配置された複数のEL素子と、EL素子ごとの複数の薄膜トランジスタとを備えて、走査線の走査によってEL素子を線順次駆動する。例えば、特許文献1に記載されるEL表示装置は、走査線の走査によって選択トランジスタをオン状態に切り替えて、表示データに応じた駆動電圧を駆動トランジスタのゲート‐ソース間に印加する。そして、EL表示装置は、駆動トランジスタのゲート‐ソース間電圧に基づくドレイン電流をEL素子に流して、EL素子における輝度の階調値をEL素子ごとに制御する。
一方で、駆動トランジスタの有するしきい値電圧は、駆動トランジスタの駆動した累積の時間などによって上昇するため、駆動トランジスタにおけるゲート‐ソース間電圧の設定値が同じであっても、駆動トランジスタに流れるドレイン電流は経時的に低下する。そこで、特許文献2に記載されるEL装置は、駆動トランジスタのゲート‐ソース間に印加する駆動電圧の補正を目的として、駆動トランジスタのしきい値を取得している。
特開2003−195810号公報 特開2010−128397号公報
ところで、上述したしきい値電圧の取得に際しては、EL素子の接続される端子である駆動トランジスタのソースと、その駆動トランジスタのゲートとの間に、まず、しきい値電圧を越える電圧が印加される。次いで、駆動トランジスタのソースがハイインピーダンス状態に設定されてから、駆動トランジスタにほぼ電流が流れなくなるときのゲート‐ソース間の電圧が測定される。
一方で、こうした特性値の取得の期間においては、駆動トランジスタに流れる電流がEL素子に流れないように、EL素子に対しては逆方向のバイアスとなるゲート‐ソース間の電圧が設定される。それゆえに、駆動トランジスタのしきい値電圧は得られるが、こうしたしきい値電圧とは、結局のところ、EL素子が有する抵抗や誘電率などのEL素子の特性値までを反映するものではない。そして、EL素子が有する複数の層の各々における膜質のばらつきなどに起因したEL素子の特性値のばらつきは、EL素子に流す電流の大きさにばらつきを生じるため、上述したしきい値電圧に基づいて駆動電圧は補正されるとしても、依然としてEL素子の発光色や輝度にばらつきは生じてしまう。
本発明は、EL素子に流す電流がEL素子の特性値によって変わることを抑えることの可能なEL装置、および、EL装置の駆動方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するEL装置は、EL素子と、データ線と、電源線とを備え、さらに、ゲート、前記電源線に接続された第1端子、前記EL素子に接続された第2端子、および、前記第1端子と前記第2端子とを接続する電流路を備える駆動トランジスタと、前記第1端子と前記ゲートとを接続するオン状態と、前記第1端子と前記ゲートとを切り離すオフ状態とを有する保持トランジスタと、前記第2端子と前記データ線とを接続するオン状態と、前記第2端子と前記データ線とを切り離すオフ状態とを有する選択トランジスタと、前記ゲートと前記第2端子とに接続された保持容量と、前記データ線の電圧を測定する測定部と、駆動電圧を設定する書込期間と、前記駆動電圧に応じた電流を前記EL素子に流す発光期間とを交互に繰り返して設定する間において、1つの測定期間を今回の前記発光期間と次回の前記書込期間との間に設定する設定部と、を備える。そして、前記設定部は、前記書込期間において、前記保持トランジスタに対するオン状態の設定、前記選択トランジスタに対するオン状態の設定、前記データ線に対する前記駆動電圧の設定、および、前記EL素子が発光しない書込電圧の前記電源線に対する設定によって、前記書込電圧と前記駆動電圧との差に応じた電圧を前記保持容量に保持させ、今回の前記発光期間において、前記保持トランジスタに対するオフ状態の設定、前記選択トランジスタに対するオン状態の設定、前記データ線に対するハイインピーダンス状態の設定、および、前記EL素子に対して順方向のバイアスになる発光電圧の前記電源線に対する設定によって、前記保持容量の保持する電圧に応じた電流を前記駆動トランジスタの前記電流路を通じて前記EL素子に流し、前記測定期間において、前記選択トランジスタをオン状態からオフ状態に切り替えて前記データ線の電圧を前記測定部に測定させ、前記測定期間における前記データ線の電圧の基準値と、前記測定部の測定結果との差を小さくするように、前記次回の前記書込期間における前記駆動電圧を前記測定結果に基づいて補正する。
上記課題を解決するEL装置の駆動方法は、EL素子と、データ線と、電源線とを備え、さらに、ゲート、前記電源線に接続された第1端子、前記EL素子に接続された第2端子、および、前記第1端子と前記第2端子とを接続する電流路を備える駆動トランジスタと、前記第1端子と前記ゲートとを接続するオン状態と、前記第1端子と前記ゲートとを切り離すオフ状態とを有する保持トランジスタと、前記第2端子と前記データ線とを接続するオン状態と、前記第2端子と前記データ線とを切り離すオフ状態とを有する選択トランジスタと、前記ゲートと前記第2端子とに接続された保持容量と、前記データ線の電圧を測定する測定部と、を備えるEL装置の駆動方法である。そして、駆動電圧を設定する書込期間と、前記駆動電圧に応じた電流を前記EL素子に流す発光期間とを交互に繰り返して設定する間に、1つの測定期間を今回の前記発光期間と次回の前記書込期間との間に設定し、前記書込期間において、前記保持トランジスタに対するオン状態の設定、前記選択トランジスタに対するオン状態の設定、前記データ線に対する前記駆動電圧の設定、および、前記EL素子が発光しない書込電圧の前記電源線に対する設定によって、前記書込電圧と前記駆動電圧との差に応じた電圧を前記保持容量に保持させ、今回の前記発光期間において、前記保持トランジスタに対するオフ状態の設定、前記選択トランジスタに対するオン状態の設定、前記データ線に対するハイインピーダンス状態の設定、および、前記EL素子に対して順方向のバイアスになる発光電圧の前記電源線に対する設定によって、前記保持容量の保持する電圧に応じた電流を前記駆動トランジスタの前記電流路を通じて前記EL素子に流し、前記測定期間において、前記選択トランジスタをオン状態からオフ状態に切り替えて前記データ線の電圧を前記測定部に測定させ、前記測定期間における前記データ線の電圧の基準値と、前記測定部の測定結果との差を小さくするように、前記次回の前記書込期間における前記駆動電圧を前記測定結果に基づいて補正する。
上記EL装置、および、上記EL装置の駆動方法によれば、今回の発光期間においては、ハイインピーダンス状態に設定されたデータ線が駆動トランジスタの第2端子と導通し、第2端子の電圧に応じた電圧がデータ線に設定される。そして、測定期間においては、選択トランジスタがオン状態からオフ状態に切り替わり、データ線と第2端子とが電気的に切り離されて第2端子の電圧に応じた電圧がデータ線を通じて測定される。ここで、EL素子に電流が流れるときの駆動トランジスタにおける第2端子の電圧は、EL素子の有する抵抗や誘電率などのEL素子の特性値によって変わる値であるから、こうした第2端子の電圧が基準値に近づくような駆動電圧の補正によれば、EL素子に流す電流がEL素子の特性値によって変わることを補正できる。
上記EL装置は、前記測定部の測定結果を記憶する記憶部をさらに備え、前記設定部は、次回以降の複数の前記書込期間の各々における前記駆動電圧を、前記記憶部に記憶された前記測定結果に基づいて補正することが好ましい。
上記EL装置によれば、1つの測定期間によって得られた測定結果が、その測定期間以降の複数の書込期間の各々における駆動電圧の補正に用いられるため、測定期間の設定される回数が増えることを抑えることが可能でもある。
上記EL装置は、複数の前記データ線を備え、さらに、前記駆動トランジスタ、前記保持トランジスタ、前記選択トランジスタ、前記保持容量、および、前記EL素子を含む画素であって、前記選択トランジスタごとに相互に異なる前記データ線に接続された複数の前記画素から構成される画素行と、複数の前記画素の各々における前記保持トランジスタのゲートが並列に接続された第1選択線と、複数の前記画素の各々における前記選択トランジスタのゲートが並列に接続された第2選択線と、を備えてもよい。この際に、前記設定部は、前記書込期間において、前記第1選択線を通じて複数の前記保持トランジスタに対してオン状態を設定し、かつ、前記第2選択線を通じて複数の前記選択トランジスタに対してオン状態を設定し、今回の前記発光期間において、前記第1選択線を通じて複数の前記保持トランジスタに対してオフ状態を設定し、かつ、前記第2選択線を通じて複数の前記選択トランジスタに対してオン状態を設定し、前記測定期間において、前記第2選択線を通じて複数の前記選択トランジスタをオン状態からオフ状態に切り替えて、複数の前記データ線の各々の電圧を前記測定部に測定させることが好ましい。
上記EL装置によれば、複数の画素の各々の有するEL素子に対して、そのEL素子の特性値に関する情報を得るための設定が、第1選択線、および、第2選択線を通じて一度に行われる。それゆえに、EL素子の特性値に関する情報を得るための設定に要する時間を短くすることが可能でもある。
上記EL装置は、複数の前記画素行を備え、複数の前記データ線の各々は、複数の前記画素行の各々において相互に異なる前記画素に接続され、前記設定部は、前記書込期間、前記発光期間、および、前記測定期間を1つの前記画素行ずつ設定することが好ましい。
上記EL装置によれば、EL素子の特性値に関する情報の取得に際し、複数の画素行の各々に対しては、共通するデータ線が用いられる。結果として、複数の画素の各々における上述した情報の取得に際して、それに要する構成の簡素化が図られる。
上記EL装置において、前記設定部は、前記測定部の測定結果を1つの前記画素ずつ記憶する記憶部をさらに備え、今回の前記発光期間に先行する前記書込期間が今回の前記書込期間であり、前記設定部は、今回の前記書込期間において、前記画素ごとに共通する前記駆動電圧を設定し、次回の前記書込期間において、前記記憶部に記憶された複数の前記画素の各々の前記測定結果の平均値を前記基準値として設定することが好ましい。
上記EL装置によれば、複数のEL素子の各々の発光から構成される画像において、EL素子の特性値のばらつきに起因した画質の低下が抑えられる。
上記EL装置は、前記測定部と前記データ線とを接続するオン状態と、前記測定部と前記データ線とを切り離すオフ状態とを有する測定用スイッチをさらに備え、前記設定部は、前記測定期間において前記測定用スイッチがオン状態であるときに前記発光電圧を前記電源線に設定し続けることが好ましい。
上記EL装置によれば、発光期間のみならず、データ線の電圧を測定部が取得する期間においても、駆動トランジスタの駆動を通じてEL素子に電流が流れる。それゆえに、EL素子の発光を測定期間の少なくとも一部において継続させることが可能でもある。
本発明によれば、EL素子に流す電流がEL素子の特性値によって変わることが抑えられる。
第1実施形態におけるEL装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態においてEL素子を駆動する回路を示す回路図であって、書込期間に設定される各ノードの電圧レベルと共に示す図である。 第1実施形態においてEL素子を駆動する回路を示す回路図であって、発光期間に設定される各ノードの電圧レベルと共に示す図である。 第1実施形態においてEL素子を駆動する回路を示す回路図であって、測定期間に設定される各ノードの電圧レベルと共に示す図である。 第1実施形態において書込期間、発光期間、および、測定期間における制御信号の電圧レベルの推移を示すタイミングチャートである。 第2実施形態におけるEL装置の構成を示すブロック図である。 第2実施形態におけるデータドライバの構成を示すブロック図である。 第2実施形態の前回の書込期間においてELパネルに入力される各制御信号の電圧レベルの推移を示すタイミングチャートである。 第2実施形態の今回の書込期間においてELパネルに入力される各制御信号の電圧レベルの推移を示すタイミングチャートである。 第2実施形態の書込期間、発光期間、および、測定期間においてELパネルに入力される各制御信号の電圧レベルの推移を示すタイミングチャートである。 変形例におけるEL装置の構成を示すブロック図である。 変形例において書込期間、保持期間、および、発光期間の設定される流れを示すタイムチャートである。
[第1実施形態]
図1から図5を参照してEL装置、および、EL装置の駆動方法の第1実施形態を説明する。
[EL装置10の構成]
図1を参照してEL装置の構成について説明する。
図1が示すように、EL装置10は、EL素子OELを備えるELパネル11と、ELパネル11の駆動の態様を制御する制御部12と、ELパネル11を駆動する駆動部13とを備えている。ELパネル11は、EL素子OELと、EL素子OELを駆動する回路とを備えている。
[ELパネル11]
EL素子OELを駆動する回路は、薄膜トランジスタの一例である3つのnチャンネル型トランジスタと1つの保持容量Csとを備えている。3つのnチャンネル型トランジスタは、例えば、半導体膜がアモルファスシリコン膜である薄膜トランジスタでもよいし、半導体膜がポリシリコン膜である薄膜トランジスタであってもよい。
駆動トランジスタT1のゲートは、ノードN1に電気的接続されている。駆動トランジスタT1の第2端子であるソースは、ノードN2を通じてEL素子OELのアノードに電気的接続され、駆動トランジスタT1の第1端子であるドレインは、ノードN3を通じて電源線Laに電気的接続されている。駆動トランジスタT1は、飽和領域において電流を制御することの可能なトランジスタであって、駆動トランジスタT1のゲート‐ソース間電圧Vgsに基づく電流をソース‐ドレイン間に流す機能を有している。駆動トランジスタT1は、こうしたドレイン‐ソース間電流IdsをEL素子OELに流す機能を有している。
EL素子OELのアノードは、ノードN2に電気的接続されて、EL素子OELのカソードの電位には、基準電圧ELVSSが設定されている。EL素子OELが有する抵抗や誘電率など、EL素子OELにおいて発光に寄与する特性値は、EL素子OELが有する複数の層の各々における膜質によって変わる。
保持容量Csの有する2つの電極のなかで第1電極は、ノードN1に電気的接続され、保持容量Csの有する2つの電極のなかで第2電極は、ノードN2に電気的接続されている。保持容量Csは、駆動トランジスタT1のゲートと、駆動トランジスタT1のソースとの間に形成される寄生容量であってもよいし、ノードN1とノードN2との間に別途備えられる容量素子であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。保持容量Csは、駆動トランジスタT1のゲート‐ソース間電圧Vgsを保持する機能を有している。
保持トランジスタT2のゲートは、ノードN4を通じて第1選択線Ls1に電気的接続されている。保持トランジスタT2のドレインは、ノードN3を通じて電源線Laに電気的接続されて、保持トランジスタT2のソースは、ノードN1に電気的接続されている。保持トランジスタT2は、駆動トランジスタT1のドレインと、駆動トランジスタT1のゲートとの導通を第1選択線Ls1の電圧レベルに基づいて制御する。
例えば、第1選択線Ls1に入力された第1選択信号Vsel1の電圧レベルが、論理的にハイレベルH1であるとき、保持トランジスタT2は、駆動トランジスタT1のドレインと、駆動トランジスタT1のゲートとを導通させて、駆動トランジスタT1をダイオード接続させる。これに対して、第1選択線Ls1に入力された第1選択信号Vsel1の電圧レベルが、論理的にローレベルL1であるとき、保持トランジスタT2は、駆動トランジスタT1のドレインと、駆動トランジスタT1のゲートとを電気的に切り離して、駆動トランジスタT1にダイオード接続を解除させる。
選択トランジスタT3のゲートは、ノードN5を通じて第2選択線Ls2に電気的接続されている。選択トランジスタT3のソースは、データ線Ldに電気的接続され、選択トランジスタT3のドレインは、ノードN2に電気的接続されている。選択トランジスタT3は、駆動トランジスタT1のソースとデータ線Ldとの導通を第2選択線Ls2の電圧レベルに基づいて制御する。
例えば、第2選択線Ls2に入力された第2選択信号Vsel2の電圧レベルが、論理的にハイレベルH2であるとき、選択トランジスタT3は、駆動トランジスタT1のソースとデータ線Ldとを導通させて、データ線Ldに入力された駆動電圧VDに応じた電圧を保持容量Csに保持させる。これに対して、第2選択線Ls2に入力された第2選択信号Vsel2の電圧レベルが、論理的にローレベルL2であるとき、選択トランジスタT3は、駆動トランジスタT1のソースとデータ線Ldとを電気的に切り離す。
データ線Ldには、書込スイッチSwdと測定用スイッチSwmとが並列に接続されている。駆動部13は、駆動電圧VDを出力する出力端子を備え、書込スイッチSwdは、駆動部13の出力端子とデータ線Ldとを電気的接続するオン状態と、駆動部13の出力端子とデータ線Ldとを電気的に切り離すオフ状態とを有する。制御部12は、データ線Ldの電圧である測定対象Voutを測定する測定処理部12Mを備え、測定用スイッチSwmは、測定処理部12Mの入力端子とデータ線Ldとを電気的接続するオン状態と、測定処理部12Mの入力端子とデータ線Ldとを電気的に切り離すオフ状態とを有する。
ELパネル11は、駆動トランジスタT1、保持トランジスタT2、選択トランジスタT3、保持容量Cs、および、EL素子OELを1つの画素として備えてもよい。すなわち、ELパネル11は、1つのEL素子OELとそのEL素子OELを駆動するための1つの回路とを備える構成であってもよいし、複数の画素を備える構成であってもよい。
なお、1つの第1選択線Ls1に複数の画素が並列に接続され、かつ、複数の画素の各々が1つの第2選択線Ls2に並列に接続されるとき、データ線Ldは1つの画素に対して1本ずつ備えられ、書込スイッチSwdと測定用スイッチSwmの各々は、1つのデータ線Ldに対して1つずつ備えられる。また、1つのデータ線Ldに複数の画素が並列に接続されるとき、第1選択線Ls1と第2選択線Ls2の各々は、1つの画素に対して1本ずつ備えられる。
[制御部12]
制御部12は、入力信号SIGと測定対象Voutとの入力される入力インターフェースを備えている。制御部12は、タイミング制御信号STCONと制御階調値Dinとを出力する出力インターフェースを備えている。また、制御部12は、データ変換部12Aと、測定処理部12Mと、階調補正部12Cとを備えている。
駆動部13は、制御階調値Dinと制御信号SCONの入力される入力インターフェースを備えている。駆動部13は、電源線Laに入力される電源信号Va、第1選択信号Vsel1、第2選択信号Vsel2、駆動電圧VD、および、書込スイッチSwdや測定用スイッチSwmの状態を制御する各種の制御信号SCONを出力する出力インターフェースを備えている。
入力信号SIGは、EL素子OELを発光させるために外部からEL装置10に入力される。入力信号SIGは、EL素子OELの輝度の階調値を示す階調成分を含み、EL素子OELの発光するタイミングを示すクロック成分をさらに含む信号であってもよい。入力信号SIGに含まれる階調成分は、例えば、EL素子OELの輝度の階調値のみを示す信号であってもよい。
データ変換部12Aは、入力信号SIGに含まれる階調成分からEL素子OELの基準階調値Dbを生成する。データ変換部12Aは、例えば、EL素子OELの特性に基づいて定められたルックアップテーブル(LUT)であって、階調成分をデジタル値に変換するためのLUTを参照して基準階調値Dbを生成する。
データ変換部12Aは、タイミングコントローラとしての機能を有し、EL素子OELの発光するタイミングを定めたタイミング制御信号STCONを生成する。データ変換部12Aは、例えば、入力信号SIGがクロック成分を含むとき、入力信号SIGからタイミング成分を抽出してタイミング制御信号STCONを生成する。
タイミング制御信号STCONは、ELパネル11の状態を遷移させるタイミングを制御するための信号であって、第1選択信号Vsel1の電圧レベルの設定、第2選択信号Vsel2の電圧レベルの設定、電源信号Vaの電圧レベルの設定、および、駆動電圧VDの設定の各々のタイミングを制御するための信号である。駆動部13は、制御部12から入力されるタイミング制御信号STCONに基づいて、第1選択信号Vsel1の電圧レベル、第2選択信号Vsel2の電圧レベル、電源信号Vaの電圧レベル、および、駆動電圧VDの各々を設定する。
例えば、タイミング制御信号STCONが、保持トランジスタT2のオン状態、および、選択トランジスタT3のオン状態を示すとき、駆動部13は、ハイレベルH1を第1選択線Ls1に設定し、かつ、ハイレベルH2を第2選択線Ls2に設定する。また、タイミング制御信号STCONが、保持トランジスタT2のオフ状態、および、選択トランジスタT3のオフ状態を示すとき、駆動部13は、ローレベルL1を第1選択線Ls1に設定し、かつ、ローレベルL2を第2選択線Ls2に設定する。
例えば、タイミング制御信号STCONが、保持容量Csに電圧を書き込むタイミングを示すとき、駆動部13は、基準電圧ELVSSとほぼ等しい書込電圧WDVSSを電源線Laに設定する。また、制御信号SCONが、EL素子OELに電流を流すタイミングを示すとき、駆動部13は、基準電圧ELVSSよりも高い電圧レベルである発光電圧ELVDDを電源線Laに設定する。
測定処理部12Mは、データ線Ldの電圧を測定する測定部12M1を備えている。測定対象Voutは、EL素子OELのアノード電圧をデータ線Ldの電圧として示すアナログ値であって、EL素子OELに電流が流れるときのアノード電圧を示す。測定対象Voutは、EL素子OELの特性値に関する情報を示し、測定部12M1は、こうした測定対象Voutを測定してデジタル値に変換する。測定部12M1は、例えば、測定対象Voutをデジタル値に変換するアナログデジタル変換器から構成される。データ線Ldに接続する測定用スイッチSwmが、オフ状態からオン状態に切り替るごとに、データ線Ldの電圧である測定対象Voutを測定部12M1は取得する。
例えば、ELパネル11が1つのデータ線Ldを備えるとき、1つのデータ線Ldに接続する測定用スイッチSwmが、オフ状態からオン状態に切り替るごとに、データ線Ldの電圧である測定対象Voutを測定部12M1は測定する。また、ELパネル11が複数のデータ線Ldを備えるとき、複数のデータ線Ldの各々における電圧を測定部12M1は測定する。そして、複数の測定用スイッチSwmの各々が、オフ状態からオン状態に切り替るごとに、その測定用スイッチSwmに接続されたデータ線Ldの電圧を測定部12M1は測定する。
測定処理部12Mは、測定対象Voutの測定結果を記憶する測定結果記憶部12M2を備えている。測定結果記憶部12M2は、測定対象Voutの測定結果をEL素子OELに対応づけて1つの記憶領域に1つずつ記憶する。また、測定結果記憶部12M2は、測定対象Voutの測定結果が更新されるごとに最新の測定結果を記憶する。
例えば、ELパネル11が1つのEL素子OELを備えるとき、測定結果記憶部12M2は、測定対象Voutの測定結果を記憶するための1つの記憶領域を備えている。そして、データ線Ldの電圧が測定されるごとに、測定結果記憶部12M2は、記憶領域に記憶される測定結果を最新の測定結果に更新する。また、ELパネル11が複数のEL素子OELを備えるとき、測定結果記憶部12M2は、測定対象Voutの測定結果を記憶するための記憶領域を1つのEL素子OELに対して1つずつ備えている。そして、データ線Ldの電圧が測定されるごとに、測定結果記憶部12M2は、そのデータ線Ldと導通したEL素子OELに対応付けられる記憶領域において、測定対象Voutに記憶される測定結果を最新の測定結果に更新する。
測定処理部12Mは、測定対象Voutの基準値を設定する基準値設定部12M3を備えている。測定対象Voutの基準値は、基準階調値Dbを補正するための階調補正値ΔVelを、測定対象Voutの測定結果から得るための値であり、基準値設定部12M3は、測定対象Voutの基準値と測定対象Voutの測定結果とから階調補正値ΔVelを算出する。測定対象Voutの基準値は、測定期間に先駆けて予め設定された値であってもよいし、測定対象Voutの測定結果から算出される値であってもよい。
例えば、測定対象Voutを測定する測定期間に向けた駆動電圧VDが、所定の測定用駆動電圧VMとして設定され、この測定用駆動電圧VMがデータ線Ldに設定されることによって得られるべきアノード電圧が、測定対象Voutの基準値として設定される。そして、基準値設定部12M3は、こうした測定対象Voutの基準値と、測定対象Voutの測定結果との差に相当する輝度の階調値を、階調補正値ΔVelとして算出する。なお、この際に、複数のEL素子OELの各々に対応する測定結果が、測定結果記憶部12M2において別々に記憶されている構成であれば、基準値設定部12M3は、上述した階調補正値ΔVelを複数のEL素子OELの各々に対して算出する。
また、例えば、基準値設定部12M3は、複数のEL素子OELの各々に対応付けられた測定結果から、これらの代表値を算出し、その算出結果である代表値を測定対象Voutの基準値として設定する。そして、基準値設定部12M3は、こうした測定対象Voutの基準値と、測定対象Voutの測定結果との差に相当する輝度の階調値を、階調補正値ΔVelとして算出する。複数の測定結果における代表値は、例えば、複数の測定結果の平均値であってもよいし、中央値であってもよいし、最頻値であってもよいし、最大値や最小値であってもよい。なお、この際に、基準値設定部12M3は、上述した階調補正値ΔVelを複数のEL素子OELの各々に対して算出する。
測定処理部12Mは、制御階調値Dinを算出する階調補正部12Cを備えている。階調補正部12Cは、データ変換部12Aから入力される基準階調値Dbに、基準値設定部12M3から入力される階調補正値ΔVelを加算して、デジタル値である制御階調値Dinを算出する。制御階調値Dinは、駆動トランジスタT1のゲート‐ソース間電圧Vgsを基準階調値Dbに基づいて制御するためのデジタル値であって、EL素子OELの特性値が加味された制御値である。駆動部13は、制御階調値Dinをアナログ値である駆動電圧VDに変換するデジタルアナログ変換器を備えている。駆動部13は、制御階調値Dinを駆動電圧VDに変換して、駆動電圧VDをデータ線Ldに設定する。
例えば、制御部12からの制御階調値Dinが最高階調値であるとき、駆動部13は、最高階調値に相当する駆動電圧VDをデータ線Ldに設定する。また、制御部12からの制御階調値Dinが最低階調値であるとき、駆動部13は、最低階調値に相当する駆動電圧VDをデータ線Ldに設定する。
[書込期間]
図2を参照してELパネル11に設定される書込期間を説明する。なお、ELパネル11の有する期間のなかで書込期間とは、駆動電圧VDがデータ線Ldに設定されて、駆動電圧VDに応じた電圧が保持容量Csに書き込まれる期間である。駆動電圧VDは、上述した制御階調値Dinから生成されるアナログ値、および、上述した測定用駆動電圧VMを含む。制御階調値Dinから生成される駆動電圧VDは、階調駆動電圧Vdataであって、例えば、0Vから−12Vの範囲の電圧である。
図2が示すように、ELパネル11に設定される書込期間において、制御部12は、駆動部13の駆動を制御して、測定用スイッチSwmをオフ状態に設定し、かつ、書込スイッチSwdをオン状態に設定する。
駆動部13は、第1選択信号Vsel1にハイレベルH1を設定し、かつ、第2選択信号Vsel2にハイレベルH2を設定する。例えば、駆動部13は、第1選択信号Vsel1にハイレベルH1の一例である15Vを設定し、かつ、第2選択信号Vsel2にハイレベルH1の一例である15Vを設定する。これによって、保持トランジスタT2、および、選択トランジスタT3の各々はオン状態に設定される。そして、駆動トランジスタT1のゲートと、駆動トランジスタT1のドレインとが、保持トランジスタT2の電流路を通じてダイオード接続される。また、駆動トランジスタT1のソースとデータ線Ldとが、選択トランジスタT3の電流路を通じて電気的接続される。
駆動部13は、EL素子OELには電流が流れず、かつ、駆動トランジスタT1の電流路には電流が流れるように、電源信号Vaに書込電圧WDVSSを設定し、かつ、データ線Ldに駆動電圧VDを設定する。例えば、駆動部13は、書込電圧WDVSSの一例であって、基準電圧ELVSSと等しい4Vを電源信号Vaに設定する。また、駆動部13は、EL素子OELに対しては逆方向のバイアスとなるように、基準電圧ELVSSよりも低い0Vを駆動電圧VDとして設定する。これによって、駆動トランジスタT1のソースの電圧レベル、すなわち、ノードN2の電圧レベルが0Vに設定され、駆動トランジスタT1のゲートの電圧レベルが、駆動トランジスタT1のドレインの電圧レベルと等しく設定される。そして、駆動トランジスタT1のゲート‐ソース間電圧Vgsとして、書込電圧WDVSSと駆動電圧VDとの差に応じた電圧である4Vが保持容量Csに書き込まれる。
なお、この際に、書込電圧WDVSSと基準電圧ELVSSとは、相互に等しい極性であって、かつ、絶対値が相互に等しいことが好ましい。また、第1選択信号Vsel1に設定されるハイレベルH1と、第2選択信号Vsel2に設定されるハイレベルH2とは、相互に等しい極性であって、かつ、絶対値が相互に等しいことが好ましい。こうした構成であれば、ハイレベルH1とハイレベルH2とを生成するための電源回路の共通化などのように、回路構成の簡素化が駆動部13において図られる。また、階調駆動電圧Vdataは、例えば、0Vから−12Vの範囲のなかのいずれかの電圧であり、測定用駆動電圧VMもまた、例えば、0Vから−12Vの範囲のなかのいずれかの電圧である。
[発光期間]
図3を参照してELパネル11に設定される発光期間を説明する。なお、ELパネル11の有する期間のなかで発光期間とは、書込期間に続いて設定される期間である。
図3が示すように、ELパネル11における発光期間において、制御部12は、駆動部13の駆動を制御して、測定用スイッチSwmをオフ状態に設定し、かつ、書込スイッチSwdをオフ状態に設定する。これによって、データ線Ldは、ハイインピーダンス状態に設定される。
駆動部13は、第1選択信号Vsel1にローレベルL1を設定し、かつ、第2選択信号Vsel2にハイレベルH2を設定する。例えば、駆動部13は、第1選択信号Vsel1にローレベルL1の一例である−2Vを設定し、かつ、第2選択信号Vsel2にハイレベルH1の一例である15Vを設定する。これによって、保持トランジスタT2はオフ状態に設定され、選択トランジスタT3はオン状態に設定される。そして、駆動トランジスタT1のゲートと、駆動トランジスタT1のドレインとが、電気的に切り離されて、駆動トランジスタT1のダイオード接続が解除される。一方で、駆動トランジスタT1のソースとデータ線Ldとは、選択トランジスタT3の電流路を通じて電気的接続される。
駆動部13は、駆動トランジスタT1が飽和領域において駆動して、EL素子OELにおいて電流が流れるように、EL素子OELに対しては順方向のバイアスである発光電圧ELVDDを電源信号Vaに設定する。例えば、駆動部13は、発光電圧ELVDDの一例として、ローレベルL1やローレベルL2とは反対の極性であって、かつ、基準電圧ELVSSよりも15Vだけ高い電圧である19Vを電源信号Vaに設定する。これによって、駆動トランジスタT1のドレインの電圧レベル、すなわち、ノードN3の電圧レベルは、駆動トランジスタT1のソースの電圧レベルよりも高く設定される。そして、保持容量Csに保持されたゲート‐ソース間電圧Vgsである4Vに応じたドレイン‐ソース間電流Idsが、駆動トランジスタT1の電流路であるドレイン‐ソース間に流れ始めて、EL素子OELは発光する。
こうしたドレイン‐ソース間電流Idsの供給に伴い、駆動トランジスタT1のソースにおける電圧レベル、すなわち、EL素子OELのアノードであるノードN2の電圧レベルは、基準電圧ELVSSよりも素子電圧Velだけ高く設定される。素子電圧Velは、EL素子OELのカソードとEL素子OELのアノードとの間の電圧であって、EL素子OELに電流を流すときに、実際にEL素子OELに印加されている電圧である。そして、選択トランジスタT3がオン状態に設定されているため、また、データ線Ldがハイインピーダンス状態に設定されているため、データ線Ldの電圧レベルもまた、ノードN2の電圧レベルとほぼ同じく、基準電圧ELVSSよりも素子電圧Velだけ高く設定される。
なお、複数の発光期間のなかで測定期間に先行して連続する発光期間では、上述したように、保持容量Csの保持する電圧に応じた電流がEL素子OELに流れる期間において、データ線Ldがハイインピーダンス状態に設定されて、選択トランジスタT3がオン状態に設定される。一方で、複数の発光期間のなかで、例えば、測定期間に後続する発光期間では、保持容量Csの保持する電圧に応じた電流がEL素子OELに流れる期間において、選択トランジスタT3がオン状態に設定されてもよいし、選択トランジスタT3がオフ状態に設定されて、かつ、データ線Ldに次回の駆動電圧VDが設定されてもよい。
[測定期間]
図4を参照してELパネル11に設定される測定期間を説明する。
ELパネル11においては、書込期間と発光期間とが交互に繰り返して設定される間において、1つの測定期間が今回の発光期間と次回の書込期間との間に設定される。例えば、EL装置10の始動に際しては、1回目の発光期間とそれに続く2回目の書込期間との間に1つの測定期間が設定されて、この測定期間の後に、書込期間と発光期間とが繰り返される。また、例えば、EL装置10の出荷の検査に際しては、書込期間と発光期間とが所定の回数だけ交互に繰り返された後に、それに続く発光期間と書込期間との間に1つの測定期間が設定される。なお、測定期間の設定される回数は、1つのEL素子OELに対して複数であってもよいし、1つのEL素子OELに対して1回のみであってもよい。
ELパネル11の有する期間のなかで測定期間とは、データ線Ldと測定部12M1とが接続されて、EL素子OELのアノード電圧がデータ線Ldを通じて測定対象Voutとして測定される期間である。
図4が示すように、ELパネル11における測定期間において、制御部12は、駆動部13の駆動を制御して、測定用スイッチSwmをオン状態に設定し、かつ、書込スイッチSwdをオフ状態に設定する。これによって、データ線Ldと測定部12M1とが接続される。
駆動部13は、第1選択信号Vsel1にローレベルL1を設定し続け、かつ、第2選択信号Vsel2をハイレベルH2からローレベルL2に切り替える。例えば、駆動部13は、第2選択信号Vsel2のローレベルL2として、第1選択信号Vsel1のローレベルL1よりもさらに低い−14Vを設定する。
なお、第1選択信号Vsel1に設定されるローレベルL1は、保持トランジスタT2においてオン電流、および、オフ電流が流れない電圧レベルであり、第2選択信号Vsel2に設定されるローレベルL2もまた、選択トランジスタT3においてオン電流、および、オフ電流が流れない電圧レベルである。そして、ローレベルL1とローレベルL2とは、同じ電圧レベルであってもよいし、相互に異なる電圧レベルであってもよく、薄膜トランジスタの特性に応じて適宜選択されるものである。
これによって、保持トランジスタT2はオフ状態に設定され続け、選択トランジスタT3はオン状態からオフ状態に切り替わる。そして、駆動トランジスタT1のソースとデータ線Ldとが電気的に切り離されて、EL素子OELが発光しているときのアノード電圧は、データ線Ldの電圧である測定対象Voutとして測定部12M1に取り込まれる。
測定部12M1に取り込まれた測定対象Voutの測定結果は、上述したように、制御部12において階調補正値ΔVelの算出に用いられる。ここで、EL素子OELが抵抗Relを有し、EL素子OELに発光電流Ielが流れるとき、素子電圧Velは、Vel=Iel×Relによって得られる。こうしたEL素子OELの輝度のばらつきが抵抗Relのばらつきに大きく依存するとき、EL素子OELの輝度のばらつきは素子電圧Velばらつきとして検出される。すなわち、素子電圧VelはEL素子OELの抵抗Relに比例するため、EL素子OELの抵抗Relのばらつきが、EL素子OELの輝度のばらつきと強い相関を有するとき、素子電圧Velと輝度のばらつきもまた強い相関を有する。それゆえに、素子電圧Velの測定結果に基づく基準階調値Dbの補正、すなわち、上述した測定対象Voutの測定結果に基づく制御階調値Dinの生成によれば、輝度のばらつきを軽減することが可能である。
例えば、測定期間に先行して設定された書込期間の階調駆動電圧Vdataが、所定の測定用駆動電圧VMであり、測定用駆動電圧VMがデータ線Ldに設定されることによって得られるべきアノード電圧が、測定対象Voutの基準値として設定される。そして、測定対象Voutの基準値と、測定対象Voutの測定結果との差に相当する輝度の階調値が、階調補正値ΔVelとして算出される。
こうして算出された階調補正値ΔVelは、測定用駆動電圧VMの設定から得られるべき素子電圧Velと、実際に得られた素子電圧Velとの差に相当する。すなわち、階調補正値ΔVelは、測定用駆動電圧VMの設定から得られるべき輝度の階調値と、実際に得られた輝度の階調値との差に相当する。そして、基準階調値Dbと階調補正値ΔVelとの加算値である制御階調値Dinは、次回の書込期間において駆動電圧VDを補正するための値であり、測定結果と基準値との差、すなわち、得られるべき輝度と実際の輝度との差を小さくする値である。
また、例えば、複数のEL素子OELの各々に対応付けられた測定対象Voutの測定結果から、これらの平均値が測定対象Voutの基準値として設定される。そして、測定対象Voutの基準値と、測定対象Voutの測定結果との差に相当する輝度の階調値が、階調補正値ΔVelとして算出される。
こうして算出される階調補正値ΔVelは、複数のEL素子OELにおける素子電圧Velの平均値と、1つのEL素子OELにおける素子電圧Velとの差に相当する。すなわち、階調補正値ΔVelは、複数のEL素子OELから得られる平均的な輝度と、1つのEL素子OELにおいて得られる輝度との差に相当する。そして、基準階調値Dbと階調補正値ΔVelとの加算値である制御階調値Dinは、次回の書込期間において駆動電圧VDを補正するための値であり、1つのEL素子OELから得た測定結果と基準値との差、すなわち、複数のEL素子OELにおける輝度のばらつきを小さくする値である。
なお、駆動部13は、上述した測定期間において、発光電圧ELVDDを電源信号Vaに設定し続ける。そして、EL素子OELのアノード電圧が測定部12M1によって測定されている間も、保持容量Csに保持されたゲート‐ソース間電圧Vgsである4Vに応じたドレイン‐ソース間電流Idsが、駆動トランジスタT1の電流路であるドレイン‐ソース間に流れ続けて、EL素子OELは発光し続ける。
[EL装置10の動作]
図5を参照してEL装置10の動作を説明する。
タイミングt1において、制御部12は、測定用スイッチSwmをオフ状態に設定し、かつ、書込スイッチSwdをオン状態に設定する。また、制御部12は、第1選択信号Vsel1にハイレベルH1を設定し、かつ、第2選択信号Vsel2にハイレベルH2を設定する。そして、制御部12は、電源信号Vaに書込電圧WDVSSを設定し、かつ、駆動電圧VDとして測定用駆動電圧VMを設定する。これによって、制御部12は、ELパネル11において書込期間Twrtの設定を開始し、書込電圧WDVSSと測定用駆動電圧VMとの差に応じた電圧を保持容量Csに書き込む。
タイミングt2において、制御部12は、測定用スイッチSwmをオフ状態に維持し、かつ、書込スイッチSwdをオン状態からオフ状態に切り替える。また、制御部12は、第1選択信号Vsel1にローレベルL1を設定し、かつ、第2選択信号Vsel2にローレベルL2を設定する。そして、制御部12は、電源信号Vaに書込電圧WDVSSを設定し続ける。これによって、制御部12は、ELパネル11において書込期間Twrtの設定を終了し、書込電圧WDVSSと測定用駆動電圧VMとの差に応じた電圧を保持容量Csに保持させる。
タイミングt3において、制御部12は、測定用スイッチSwmをオフ状態に維持し、かつ、書込スイッチSwdをオフ状態に維持する。また、制御部12は、第1選択信号Vsel1をローレベルL1に維持し、かつ、第2選択信号Vsel2をローレベルL2からハイレベルH2に切り替える。そして、制御部12は、電源信号Vaに発光電圧ELVDDを設定する。これによって、制御部12は、ELパネル11において発光期間Temの設定を開始し、保持容量Csに保持された電圧に応じたドレイン‐ソース間電流IdsをEL素子OELに流してEL素子OELを発光させる。
タイミングt4において、制御部12は、第1選択信号Vsel1をローレベルL1に維持し、かつ、第2選択信号Vsel2をハイレベルH2からローレベルL2に切り替える。また、制御部12は、書込スイッチSwdをオフ状態に維持し、かつ、測定用スイッチSwmをオフ状態からオン状態に切り替える。そして、制御部12は、電源信号Vaに発光電圧ELVDDを設定し続ける。これによって、制御部12は、ELパネル11において発光期間Temの設定を終了し、かつ、ELパネル11において測定期間Tdetの設定を開始し、EL素子OELが発光しているときのアノード電圧をデータ線Ldの電圧である測定対象Voutとして測定部12M1に取り込む。制御部12は、測定部12M1に取り込まれた測定対象Voutの測定結果から階調補正値ΔVelを算出し、基準階調値Dbと階調補正値ΔVelとの加算値である制御階調値Dinを算出する。
タイミングt5において、制御部12は、第1選択信号Vsel1をローレベルL1に維持し、かつ、第2選択信号Vsel2をローレベルL2に維持する。また、制御部12は、書込スイッチSwdをオフ状態に維持し、かつ、測定用スイッチSwmをオン状態からオフ状態に切り替える。そして、制御部12は、電源信号Vaに書込電圧WDVSSを設定する。これによって、制御部12は、ELパネル11において測定期間Tdetの設定を終了する。以後、制御部12は、書込期間と発光期間とを交互に繰り返し、書込期間においては、制御階調値Dinから生成された階調駆動電圧Vdataを駆動電圧VDとして設定する。
以上、第1実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)EL素子OELに電流が流れるときのEL素子OELのアノード電圧は、EL素子OELの有する抵抗や誘電率などのEL素子OELの特性値によって変わるため、こうしたアノード電圧が基準値に近づくように駆動電圧VDが補正される。それゆえに、EL素子OELに流す電流がEL素子OELの特性値によって変わることを補正できる。
(2)1つの測定期間Tdetによって得られた測定結果は、測定期間Tdet以降において、複数の書込期間Twrtの各々における駆動電圧VDの補正に用いられる。そのため、測定期間Tdetの設定される回数が増えることを抑えることが可能でもある。
(3)測定結果の平均値が基準値として設定されるため、複数のEL素子OELの各々の発光から構成される画像において、EL素子OELの特性値のばらつきに起因した画質の低下が抑えられる。
(4)測定部12M1がデータ線Ldから測定対象Voutを取得する期間も、駆動トランジスタT1を通じてEL素子OELには電流が流れる。それゆえに、EL素子OELの発光を測定期間Tdetの少なくとも一部において継続させることが可能である。
上記第1実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
[制御部12]
・入力信号SIGは、EL素子OELごとの輝度の階調を示すデジタル信号であってもよい。なお、制御部12に入力される入力信号SIGが、EL素子OELごとの輝度の階調を示すデジタル信号であるとき、制御部12からはデータ変換部12Aが割愛されて、制御部12は、入力信号SIG自体を基準階調値Dbとして取り扱い、タイミング制御信号STCONを生成するタイミングコントローラを別途備える。例えば、露光対象を露光するか否かという2階調の光源としてEL装置が用いられる場合には、こうした簡素な構成が好ましい。
・測定処理部12Mにおいて測定対象Voutを測定する測定部12M1は、測定処理部12Mから割愛されて、ELパネル11に搭載されてもよい。この際に、制御部12の備える入力インターフェースには、測定対象Voutに代えて、測定対象Voutの測定結果であるデジタル値がELパネル11から入力され、制御部12に入力される測定結果は、測定処理部12Mの備える測定結果記憶部12M2に記憶される。
・測定処理部12Mにおいて測定結果を記憶する機能は、測定処理部12Mから割愛されて、測定対象Voutの測定結果であるデジタル値は、測定処理部12Mにおける基準値設定部12M3に入力されて階調補正値ΔVelの算出に用いられてもよい。
[測定期間]
・測定用駆動電圧VMは、素子電圧Velを測定するために設定されるものであるから、測定期間に先行して設定される今回の発光期間、および、測定期間にEL素子OELを過度に発光させない観点において、測定用駆動電圧VMと書込電圧WDVSSとの差は小さいことが好ましい。
・測定期間は、EL素子OELに電流が流れるときのアノード電圧を測定する期間である。それゆえに、測定部12M1に測定対象Voutが取り込まれて以降、さらには、データ線LdとEL素子OELのアノードとが電気的に切り離されて以降は、EL素子OELを過度に発光させない観点において、電源信号Vaを発光電圧ELVDDから書込電圧WDVSSに切り替えることが好ましい。
・測定期間Tdetに後続する次回の書込期間Twrtは、次回の測定期間Tdetに先行して設定される書込期間Twrtであって、補正の対象となる駆動電圧VDは、制御階調値Dinから生成される階調駆動電圧Vdataの他に、次回の書込期間Twrtに設定される測定用駆動電圧VMであってもよい。こうした期間の設定によれば、1つのEL素子OELに対して測定期間Tdetが繰り返されるため、EL素子OEL自体の特性値に関する情報の精度が高められる。
・今回の発光期間Temと測定期間Tdetとの両方においてEL素子OELが発光する構成において、今回の発光期間Temの有する長さは、データ線Ldの電圧が安定して、EL素子OELのアノード電圧に相当する電圧がデータ線Ldに取り込まれる長さであれば足りる。
・測定期間に先行して設定される今回の書込期間において、データ線Ldに設定される駆動電圧VDは、測定用駆動電圧VMに限らず、例えば、最大階調値から得られる階調駆動電圧Vdataや中間階調値から得られる階調駆動電圧Vdataであってもよい。
[EL素子の駆動回路]
・EL素子OELを駆動する回路は、3つのnチャンネル型トランジスタと1つの保持容量Csとを備える3T1C型の回路に限らず、例えば、駆動トランジスタ、保持トランジスタ、および、選択トランジスタに加えて、他の機能を有したトランジスタを備える4つ以上のトランジスタから構成される回路であってもよい。
・駆動トランジスタT1、保持トランジスタT2、および、選択トランジスタT3は、nチャンネル型トランジスタに限らず、pチャンネル型トランジスタであってもよい。この際に、駆動トランジスタT1のソースは、電源線Laに電気的接続し、駆動トランジスタT1のドレインは、ノードN2に電気的接続される。保持トランジスタT2のソースは、駆動トランジスタT1のソースに電気的接続され、保持トランジスタT2のドレインは、駆動トランジスタT1のゲートに電気的接続される。そして、選択トランジスタT3のドレインは、データ線Ldに電気的接続され、選択トランジスタT3のソースは、駆動トランジスタT1のドレインに電気的接続される。
[EL装置]
・EL素子OELの有するEL層は、例えば、正孔輸送と電子輸送とを兼ねる発光層のみから構成されてもよいし、発光層と正孔輸送性発光層と電子輸送層とからなる積層構造であってもよいし、これらの層の間に電荷輸送層が挟まれた積層構造であってもよい。
・EL素子OELは、有機EL素子であってもよいし、無機EL素子であってもよいし、発光ダイオードであってもよい。要するに、EL素子は、駆動トランジスタのドレイン‐ソース間電流が流れることによって発光する素子であればよい。
[EL装置]
・EL装置は、例えば、デジタルカメラ、モバイル型のパーソナルコンピュータ、携帯機器などの各種の電子機器の表示部に用いることができる。
・EL装置において画素の並ぶ方向は、2次元方向であってもよいし、1次元方向であってもよい。例えば、EL装置は、複数の画素PXが1次元方向に沿って並ぶ発光素子アレイ基板として感光体ドラムに搭載されて、発光素子アレイ基板から出射された光が感光ドラムに照射されて感光ドラムを露光する露光装置であってもよい。
[第2実施形態]
図6から図10を参照してEL装置、および、EL装置の駆動方法の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態におけるEL素子OELがELパネル11においてマトリックス状に配置され、複数のEL素子OELの各々を駆動する回路が1つのEL素子OELずつ備えられている。それゆえに、第1実施形態にて説明された構成と同様の構成に対しては、第1実施形態における構成と同じ符号を付して、その説明を割愛する。
[EL装置20の構成]
図6を参照してEL装置20の構成について説明する。
図6が示すように、ELパネル21は、1つの方向である行方向に沿って延びる複数の第1選択線Ls1と、同じく行方向に沿って延びる複数の第2選択線Ls2と、同じく行方向に沿って延びる複数の電源線Laと、行方向と直交する方向である列方向に沿って延びる複数のデータ線Ldとを備えている。平面視において、複数の第1選択線Ls1、および、複数の第2選択線Ls2の各々と、複数のデータ線Ldの各々との交差する部位の近傍には、画素PXが位置している。画素PXは、n行×m列(n、mは、任意の正の整数)からなるマトリクス状に位置している。
複数の第1選択線Ls1の各々は、設定部を構成する第1選択ドライバ20Aに電気的接続し、マトリックス状に位置する複数の画素PXは、1行分の画素PXごとに1つの第1選択線Ls1に接続している。
複数の第2選択線Ls2の各々は、設定部を構成する第2選択ドライバ20Bに電気的接続し、マトリックス状に位置する複数の画素PXは、1行分の画素PXごとに1つの第2選択線Ls2に接続している。
複数のデータ線Ldの各々は、設定部、および、測定部を構成するデータドライバ40に電気的接続し、マトリックス状に位置する複数の画素PXは、1列分の画素PXごとに1つのデータ線Ldに接続している。
複数の電源線Laの各々は、設定部を構成する電源ドライバ30に電気的接続し、マトリックス状に位置する複数の画素PXは、1行分の画素PXごとに1つの電源線Laに接続している。
第1選択ドライバ20Aは、システムコントローラ50から出力される制御信号SCON1に基づいて、複数の第1選択線Ls1の各々に対応するシフト信号を、行ごとに順次出力するシフトレジスタを備えている。また、第1選択ドライバ20Aは、シフト信号の電圧レベルをハイレベルH1に変換して、シフト信号に対応する行の第1選択信号Vsel1にハイレベルH1を設定する出力バッファを備えている。第1選択ドライバ20Aは、第1選択信号Vsel1としてハイレベルH1の設定されていない行に、第1選択信号Vsel1としてローレベルL1を設定する。
第2選択ドライバ20Bは、システムコントローラ50から出力される制御信号SCON2に基づいて、複数の第2選択線Ls2の各々に対応するシフト信号を、行ごとに順次出力するシフトレジスタを備えている。また、第2選択ドライバ20Bは、シフト信号の電圧レベルをハイレベルH2に変換して、シフト信号に対応する行の第2選択信号Vsel2にハイレベルH2を設定する出力バッファを備えている。第2選択ドライバ20Bは、第2選択信号Vsel2としてハイレベルH2の設定されていない行に、第2選択信号Vsel2としてローレベルL2を設定する。
データドライバ40は、システムコントローラ50から出力される制御信号に基づいて、システムコントローラ50から出力される画素PXごとの制御階調値Dinを1行分ずつ順次取り込むシフトレジスタを備えている。データドライバ40は、シフトレジスタに取り込まれた1行分の制御階調値Dinの各々を相互に異なる列に対応付けて保持するデータラッチ部を備えている。データドライバ40は、データラッチ部に保持された列ごとの制御階調値Dinから階調駆動電圧Vdataを生成して、階調駆動電圧Vdataをそれに対応する列のデータ線Ldに出力する出力回路を備えている。
電源ドライバ30は、複数の電源線Laの各々に対応するシフト信号を、行ごとに順次出力するシフトレジスタを備えている。また、電源ドライバ30は、シフト信号の電圧レベルを書込電圧WDVSSに変換して、シフト信号に対応する行の電源信号Vaに書込電圧WDVSSを設定する出力バッファを備えている。電源ドライバ30は、電源信号Vaとして書込電圧WDVSSの設定されていない行に、電源信号Vaとして発光電圧ELVDDを設定する。
システムコントローラ50は、入力信号SIGからタイミング成分を抽出して、制御信号SCON1,SCON2,SCON3を生成し、制御信号SCON1,SCON2,SCON3の各々を、それに対応する第1選択ドライバ20A、第2選択ドライバ20B、および、電源ドライバ30に出力する。システムコントローラ50は、入力信号SIGからタイミング成分を抽出して、データドライバ40の駆動を制御するための各種の制御信号を生成し、その制御信号をデータドライバ40に出力する。
システムコントローラ50は、データ変換部50Aを備え、データ変換部50Aは、EL装置20の外部から入力信号SIGを受入れ、入力信号SIGに含まれる階調成分を入力信号SIGから抽出する。データ変換部50Aは、上述したデータ変換部12Aと同様の機能を備え、入力信号SIGから抽出した階調成分から画素PXごとの基準階調値Dbを生成する。
システムコントローラ50は、測定処理部50Mを備え、測定処理部50Mは、データドライバ40からデジタル値である測定データDoutを受け取る。測定データDoutは、EL素子OELごとの特性値に関する情報であって、EL素子OELが発光するときのEL素子OELにおけるアノード電圧を示すデジタル値である。測定処理部50Mは、上述した測定処理部12Mと同様の機能を備え、複数の画素PXの各々における測定データDoutから、測定データDoutの基準値を設定する。すなわち、測定処理部50Mは、複数の画素PXの各々に対応付けられた測定データDoutからこれらの平均値を算出し、その算出結果である平均値を測定データDoutの基準値として設定する。そして、測定処理部50Mは、こうした測定データDoutの基準値と、画素PXごとの測定結果との差に相当する輝度の階調値を、画素PXごとの階調補正値ΔVelとして算出する。
システムコントローラ50は、階調補正部50Cを備え、階調補正部50Cは、データ変換部12Aから入力される画素PXごとの基準階調値Dbに、その画素PXに対応する階調補正値ΔVelを加算して、デジタル値である制御階調値Dinを画素PXごとに算出する。システムコントローラ50は、ELパネル21の1行分ずつ、制御階調値Dinを列の番号順にデータドライバ40に出力する。
[データドライバ40]
図7が示すように、データドライバ40は、シフトレジスタ41、データレジスタ42、データラッチ43、変換器44a,44b、バッファ45a,45b、および、レベルシフタ46a,46bを備えている。
シフトレジスタ41、データレジスタ42、および、データラッチ43は、低耐圧回路として構成されている。シフトレジスタ41、データレジスタ42、および、データラッチ43には、ロジック電源60から、論理的にハイレベルのロジック高電圧LVDDと、論理的にローレベルのロジック低電圧LVSSとが印加されている。
変換器44a,44b、および、バッファ45a,45bは、高耐圧回路として構成されている。変換器44a,44b、および、バッファ45a,45bには、アナログ電源70から、ハイレベルのアナログ高電圧DVSSと、ローレベルのアナログ低電圧VEEとが印加されている。アナログ高電圧DVSSは、書込電圧WDVSS、および、基準電圧ELVSSとほぼ等しい電圧レベルを設定されている。
システムコントローラ50は、制御信号の1つであるデータスタートパルスSPdをデータドライバ40に入力し、また、制御信号の1つであるデータシフトクロックClkdをデータドライバ40に入力する。シフトレジスタ41は、データスタートパルスSPdから、ビット長がnビットであるパラレル信号を生成する。データシフトクロックClkdがシフトクロックとして入力されるとき、シフトレジスタ41は、データシフトクロックClkdの周期によってデータスタートパルスSPdを1ビットずつシフトさせる。
シフトレジスタ41の生成するnビットのパラレル信号は、n列のデータ線Ldの中から1つのデータ線Ldを1列ずつ列番号順に選択するための信号である。シフトレジスタ41は、データ線Ldを選択するためのパラレル信号をデータシフトクロックClkdの周期によって生成する。データシフトクロックClkdは、1つの第1選択線Ls1が選択される期間に、1行分の画素PXの全てに制御階調値Dinを割り当てるシフトクロックである。
データレジスタ42は、n列×k個のレジスタを備え、シフトレジスタ41の出力するパラレル信号のビットごとにk個のレジスタを備えている。例えば、制御階調値Dinにおける最高階調値が255であるとき、制御階調値Dinは8ビットのデジタル値であって、データレジスタ42はn列×8個のレジスタを備えている。シフトレジスタ41の出力するパラレル信号は、こうしたn列×k個のレジスタから、1列ずつ列番号順にk個のレジスタを選択する。データレジスタ42は、選択されたk個のレジスタに制御階調値Dinを格納して、格納先となるk個のレジスタをデータシフトクロックClkdの周期によって1列ずつ列番号順にシフトさせる。
システムコントローラ50は、制御信号の1つであるデータドライバ40にラッチパルスLPを入力する。データラッチ43は、データレジスタ42の備えるk個のレジスタごとに1つずつデータラッチ43を備え、n列のデータラッチ43の各々に対して共通するラッチパルスLPを入力する。
j列目のデータラッチ43の入力端は、書込期間、および、発光期間において、j列目のレジスタに接続される。j列目のデータラッチ43は、j列目のレジスタに格納された制御階調値Dinを保持し、その保持をラッチパルスLPに同期させる。j列目のデータラッチ43は、j列目のデータラッチ43に保持される制御階調値Dinを変換器44aへ出力する。すなわち、データラッチ43は、データレジスタ42に格納された1行分の制御階調値Dinを、ラッチパルスLPごとに保持し、保持された1行分の制御階調値Dinを変換器44aへ一斉に出力する。
データラッチ43は、j列目のデータラッチ43の入力端に接続されたj列の入力スイッチSw1と、j列目のデータラッチ43の出力端に接続されたj列の出力スイッチSw2とを備えている。また、データラッチ43は、1列目の出力スイッチSw2とシステムコントローラ50とに接続された転送スイッチSw3とを備えている。
入力スイッチSw1は、システムコントローラ50からの制御信号S1によって駆動されて、p列目(1≦p≦n−1)のデータラッチ43の入力端を、データレジスタ42におけるp列目のレジスタ、p列目の変換器44b、および、p+1列目のデータラッチ43の出力端の中のいずれか1つに接続する。
データラッチ43の入力端とデータレジスタ42とが接続されるとき、データラッチ43は、データレジスタ42に格納された制御階調値DinをラッチパルスLPごとに保持する。データラッチ43の入力端と変換器44bとが接続されるとき、データラッチ43は、変換器44bから出力されるデータを測定データDoutとしてラッチパルスLPごとに保持する。p列目のデータラッチ43の入力端とp+1列目のデータラッチ43の出力端とが接続されるとき、p列目のデータラッチ43は、p+1列目のデータラッチ43が保持する測定データDoutをラッチパルスLPごとに保持する。なお、この際に、最後列であるn列目のデータラッチ43は、ロジック電源60に接続されて、n列目のデータラッチ43は、ロジック低電圧LVSSに相当するデジタル値を測定データDoutとして保持し続ける。
出力スイッチSw2は、システムコントローラ50からの制御信号S2によって駆動されて、p+1列目のデータラッチ43の出力端を、p+1列目の変換器44a、または、p列目のデータラッチ43の入力端に接続する。
データラッチ43の出力端と変換器44aとが接続されるとき、データラッチ43に保持された制御階調値Dinは、ラッチパルスLPごとに変換器44aに入力される。p+1列目のデータラッチ43の出力端とp列目のデータラッチ43の入力端とが接続されるとき、p+1列目のデータラッチ43の保持する測定データDoutは、ラッチパルスLPごとにp列目のデータラッチ43に保持される。
転送スイッチSw3は、システムコントローラ50からの制御信号S3によって駆動されて、1列目のデータラッチ43とシステムコントローラ50との導通を制御する。1列目のデータラッチ43とシステムコントローラ50とが転送スイッチSw3によって接続されるとき、1列目のデータラッチ43に保持されたデータはシステムコントローラ50へ出力される。
n列の変換器44aの各々は、入力されるデジタル値に対して出力されるアナログ値が線形性を有するリニア電圧デジタル‐アナログ変換器である。j列目の変換器44aは、j列目のデータラッチ43に保持された制御階調値Dinをアナログ電圧に変換する。n列の変換器44aの各々は、変換後のアナログ電圧を、アナログ電源70から印加されるアナログ高電圧DVSSとアナログ低電圧VEEとの間の電圧に設定する。
n列の変換器44bの各々は、入力されるアナログ値に対して出力されるデジタル値が線形性を有するリニア電圧アナログ‐デジタル変換器である。変換器44bから出力されるデジタル値のビット長と、変換器44aに入力されるデジタル値のビット長とは、相互に等しく、例えば、8ビットを設定されている。j列目の変換器44bは、j列目のバッファ45bから出力されるアナログ電圧をデジタル値である測定データDoutに変換する。p+1列の変換器44bは、変換後のデジタル値である測定データDoutを、p列目のデータラッチ43に出力する。
レベルシフタ46aは、低耐圧回路からの信号を高耐圧回路に合わせて調整する電圧調整回路であり、レベルシフタ46bは、高耐圧回路からの信号を低耐圧回路に合わせて調整する電圧調整回路である。j列目のバッファ45aは、j列目のデータ線Ldに駆動電圧VDを設定し、j列目のバッファ45bは、j列目のデータ線Ldの電圧をアナログ信号として取り込む。
n列の書込スイッチSwdの各々は、システムコントローラ50からの制御信号S4によって一斉に駆動されて、j列目のバッファ45aの出力端と、j列目のデータ線Ldとの導通を制御する。n列の書込スイッチSwdの各々が、バッファ45aの出力端とデータ線Ldとを一斉に接続するとき、制御階調値Dinに相当する駆動電圧VDが、n列のデータ線Ldの各々に一斉に設定される。
n列の測定用スイッチSwmの各々は、システムコントローラ50からの制御信号S5によって一斉に駆動されて、j列目のバッファ45bの入力端と、j列目のデータ線Ldとの導通を制御する。n列の測定用スイッチSwmの各々が、バッファ45bの入力端とデータ線Ldとを一斉に接続するとき、n列のデータ線Ldの各々における電圧レベルは、それに接続されたバッファ45bに一斉に取り込まれる。
n列の測定設定スイッチSwsの各々は、システムコントローラ50からの制御信号S6によって一斉に駆動されて、アナログ電源70における測定用駆動電圧VMの入力端とデータ線Ldとの導通を制御する。n列の測定設定スイッチSwsの各々が、アナログ電源70とn列のデータ線Ldとを一斉に接続するとき、n列のデータ線Ldの各々の電圧は測定用駆動電圧VMに一斉に設定される。
書込期間において、シフトレジスタ41、データレジスタ42、データラッチ43、変換器44a、バッファ45a、および、レベルシフタ46aは、制御階調値Dinに基づく駆動電圧VDをデータ線Ldごとに生成する。そして、データドライバ40は、バッファ45aの出力端とデータ線Ldとを導通させて、n列のデータ線Ldの各々に対して駆動電圧VDを一斉に印加する。一方で、測定期間に先駆けて設定される書込期間では、データドライバ40は、システムコントローラ50から入力される制御信号に基づき、アナログ電源70における測定用駆動電圧VMの入力端とデータ線Ldとを導通させて、n列のデータ線Ldの各々に対して一斉に測定用駆動電圧VMを印加する。
測定期間において、データドライバ40は、システムコントローラ50から入力される制御信号に基づき、データ線Ldの電圧をデータ線Ldごとに取り込んで測定データDoutを生成する。
例えば、測定期間において、まず、j列目のデータラッチ43の入力端がj列目の変換器44bに接続される。そして、j列目のデータラッチ43は、そのj列目の変換器44bからの出力を測定データDoutとしてラッチパルスLPごとに保持する。次いで、p列目のデータラッチ43の入力端は、p+1列目のデータラッチ43の出力端に接続される。そして、p列目のデータラッチ43の各々は、p+1列目の測定データDoutをラッチパルスLPごとに保持する。1列目のデータラッチ43の出力端はシステムコントローラ50に接続されて、1列目のデータラッチ43に保持される測定データDoutはシステムコントローラ50へ出力される。そして、1列目のデータラッチ43は、データラッチ43に保持されるデータを2列目のデータラッチ43から1列ずつ列番号順に保持し、保持されたデータを列番号順にシステムコントローラ50へ出力する。
[EL装置10の動作]
図8から10を参照してEL装置10の動作の一例を説明する。図8は、画素行ごとに設定される書込期間での各制御信号の推移を示すタイミングチャートであって、前回までの書込期間、および、次回の書込期間での各制御信号の推移を示すタイミングチャートである。図9は、画素行ごとに設定される書込期間での各制御信号の推移を示すタイミングチャートであって、測定期間に先行して設定される今回の書込期間での各制御信号の推移を示すタイミングチャートである。図10は、画素行ごとに設定される今回の書込期間、今回の発光期間、および、今回の測定期間の推移を示すタイミングチャートである。
[書込期間Twrt]
図8が示すように、システムコントローラ50から第1選択ドライバ20A、第2選択ドライバ20B、電源ドライバ30、および、データドライバ40の各々にスタートパルスSPが入力されて書込期間Twrtの設定が開始される。
書込期間Twrtにおいて、測定用スイッチSwm、および、転送スイッチSw3は、オフ状態を設定され続ける。また、出力スイッチSw2は、j列目のデータラッチ43と、j列目の変換器44aとを接続するDAC接続の状態を設定され続け、入力スイッチSw1は、j列目のデータラッチ43とj列目のデータレジスタ42とを接続するDR接続の状態を設定され続ける。
タイミングt1において、書込スイッチSwdがオン状態に切り替えられて、シフトレジスタ41、データレジスタ42、データラッチ43、変換器44a、バッファ45a、および、データ線Ldが直列に接続される。次いで、システムコントローラ50からデータスタートパルスSPdがデータドライバ40に入力されることによって、シフト信号がシフトレジスタ41からデータレジスタ42に入力されて、1行目の制御階調値Dinがシステムコントローラ50からデータレジスタ42へ取り込まれる。
タイミングt2では、1行目の第1選択線Ls1にハイレベルH1が設定され、また、1行目の第2選択線Ls2にハイレベルH2が設定され、さらに、1行目の電源線Laに書込電圧WDVSSが設定されて、1行目の選択トランジスタT3と1行目の保持トランジスタT2とがオン状態に設定される。
この際に、システムコントローラ50からラッチパルスLPがデータドライバ40に入力されることによって、n列のデータラッチ43に1行目の制御階調値Dinが一斉に保持される。n列のデータラッチ43に保持された1行目の制御階調値Dinは、n列のレベルシフタ46aとn列の変換器44aとを通じてアナログ値に変換されて、n列の駆動電圧VDとしてデータ線Ldに設定される。そして、1行目の駆動トランジスタT1のゲート‐ソース間電圧Vgsは、書込電圧WDVSSと駆動電圧VDとの差に応じたレベルとして保持容量Csに保持される。これによって、1行目の各画素PXにおける書込期間Twrtが終了する。
なお、この間に、システムコントローラ50からデータスタートパルスSPdが再びデータドライバ40へ出力されて、シフト信号がシフトレジスタ41からデータレジスタ42に入力される。これによって、2行目の制御階調値Dinがシステムコントローラ50からデータレジスタ42へ取り込まれる。
タイミングt3において、1行目の第1選択線Ls1にローレベルL1が設定され、また、1行目の第2選択線Ls2にローレベルL2が設定され、さらに、1行目の電源線Laに発光電圧ELVDDが設定されて、1行目の選択トランジスタT3と1行目の保持トランジスタT2とがオフ状態に設定される。そして、1行目の駆動トランジスタT1は、1行目の保持容量Csに保持された電圧に応じたドレイン‐ソース間電流Idsを、EL素子OELに流す。これによって、1行目の画素PXにおける発光期間Temが設定される。
なお、この際に、2行目の第1選択線Ls1にハイレベルH2が設定され、また、2行目の第2選択線Ls2にハイレベルH2が設定され、さらに、2行目の電源線Laに書込電圧WDVSSが設定されて、2行目の選択トランジスタT3と2行目の保持トランジスタT2とがオン状態に設定される。また、システムコントローラ50からラッチパルスLPが再びデータドライバ40へ出力されることによって、n列のデータラッチ43に2行目の制御階調値Dinが保持される。n列のデータラッチ43に保持された2行目の制御階調値Dinは、レベルシフタ46aと変換器44aとを通じてアナログ値に変換されて、変換後のアナログ値がn列の駆動電圧VDとしてデータ線Ldに設定される。そして、2行目の駆動トランジスタT1のゲート‐ソース間電圧Vgsは、書込電圧WDVSSと駆動電圧VDとの差に応じた電圧として保持容量Csに保持される。
以降、書込期間Twrtと発光期間Temとが1行ずつ行番号順に設定されて、これらの期間が1行目からn行目まで行われる。これによって、1つのフレームとして画像が表示される。そして、タイミングt4において、システムコントローラ50からスタートパルスSPが出力されて、1行目の第2選択線Ls2にハイレベルH2が設定され、EL素子OELが発光する状態において1行目の選択トランジスタT3がオン状態に設定される。これによって、1行目のEL素子OELのアノード電圧がデータ線Ldに取り込まれる。
[今回の書込期間Twrt]
図9が示すように、システムコントローラ50から第1選択ドライバ20A、第2選択ドライバ20B、電源ドライバ30、および、データドライバ40の各々にスタートパルスSPが入力されて今回の書込期間Twrtの設定が開始される。
今回の書込期間Twrtにおいて、書込スイッチSwd、測定用スイッチSwm、および、転送スイッチSw3は、オフ状態を設定され続ける。また、出力スイッチSw2は、j列目のデータラッチ43と、j列目の変換器44aとを接続するDAC接続の状態を設定され続け、入力スイッチSw1は、j列目のデータラッチ43とj列目のデータレジスタ42とを接続するDR接続の状態を設定され続ける。
タイミングt1において、測定設定スイッチSwsがオン状態に切り替えられて、データ線Ldがアナログ電源70に接続される。タイミングt2では、1行目の第1選択線Ls1にハイレベルH1が設定され、また、1行目の第2選択線Ls2にハイレベルH2が設定され、さらに、1行目の電源線Laに書込電圧WDVSSが設定されて、1行目の選択トランジスタT3と1行目の保持トランジスタT2とがオン状態に設定される。そして、1行目の駆動トランジスタT1のゲート‐ソース間電圧Vgsは、書込電圧WDVSSと測定用駆動電圧VMとの差に応じた電圧として保持容量Csに保持される。これによって、1行目の各画素PXにおける書込期間Twrtが終了する。
タイミングt3では、1行目の第1選択線Ls1にローレベルL1が設定され、また、1行目の第2選択線Ls2にローレベルL2が設定され、さらに、1行目の電源線Laに発光電圧ELVDDが設定されて、1行目の選択トランジスタT3と1行目の保持トランジスタT2とがオフ状態に設定される。そして、1行目の駆動トランジスタT1は、1行目の保持容量Csに保持された電圧に応じたドレイン‐ソース間電流Idsを、EL素子OELに流す。これによって、1行目の画素PXにおける発光期間Temが設定される。
なお、この際に、2行目の第1選択線Ls1にハイレベルH2が設定され、また、2行目の第2選択線Ls2にハイレベルH2が設定され、さらに、2行目の電源線Laに書込電圧WDVSSが設定されて、2行目の選択トランジスタT3と2行目の保持トランジスタT2とがオン状態に設定される。そして、2行目の駆動トランジスタT1のゲート‐ソース間電圧Vgsは、書込電圧WDVSSと測定用駆動電圧VMとの差に応じた電圧として保持容量Csに保持される。
以降、書込期間Twrtと発光期間Temとが1行ずつ行番号順に設定されて、これらの期間が1行目からn行目まで行われる。これによって、1つのフレームとして画像が表示される。そして、タイミングt4において、システムコントローラ50からスタートパルスSPが出力されて、1行目の第2選択線Ls2にハイレベルH2が設定され、EL素子OELが発光する状態において1行目の選択トランジスタT3がオン状態に設定される。これによって、1行目のEL素子OELのアノード電圧がデータ線Ldに取り込まれる。
[今回の発光期間Tem、および、測定期間Tdet]
図10が示すように、今回の発光期間Temにおけるタイミングt4において、1行目の第2選択線Ls2にハイレベルH2が設定され、1行目のEL素子OELのアノード電圧がデータ線Ldに取り込まれる。
タイミングt5において、システムコントローラ50からスタートパルスSPが出力されて、1行目の第2選択線Ls2にローレベルL2が設定され、かつ、測定用スイッチSwmがオフ状態からオン状態に切り替えられる。また、入力スイッチSw1は、変換器44bに接続されたADC接続に設定され、出力スイッチSw2は、データラッチ43に接続されるLT直列接続に設定される。これによって、今回の発光期間Temの設定に続いて測定期間の設定が開始されて、複数のデータ線Ldの各々に取り込まれたアノード電圧はデジタル値に変換される。
タイミングt6において、転送スイッチSw3がオフ状態からオン状態に設定され、入力スイッチSw1は、データラッチ43に接続されたLT直列接続に設定される。そして、1列目のデータラッチ43に保持される1行1列目の測定データDoutは、システムコントローラ50へ出力される。また、1列目のデータラッチ43は、データラッチ43に保持されるデータを2列目のデータラッチ43から1列ずつ列番号順に保持し、保持されたデータを列番号順にシステムコントローラ50へ出力する。これによって、システムコントローラ50は、1行目の画素行を構成する複数の画素PXの各々に対して、アノード電圧の測定結果であるDoutを取得する。
タイミングt7において、システムコントローラ50からスタートパルスSPが出力されて書込期間Twrtの設定が再び開始される。そして、書込期間Twrtと発光期間Temとが1行ずつ行番号順に設定されて、これらの期間が1行目からn行目まで行われる。そして、1行目からn行目までの各々に発光期間Temが設定されるごとに、測定期間の設定される画素行の行番号が2行目から順に増やされる。
以上、第2実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)EL素子OELの特性値に関する情報を得るための設定が、第1選択線Ls1、および、第2選択線Ls2を通じて一度に行われる。それゆえに、EL素子OELの特性値に関する情報を得るための設定に要する時間を短くすることが可能でもある。
(2)EL素子OELの特性値に関する情報の取得に際し、複数の画素行の各々に対しては、共通するデータ線Ldが用いられる。結果として、複数の画素PXの各々における上述した情報の取得に要する構成の簡素化が図られる。
上記第2実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・複数の画素行に対する書込期間Twrtの設定や、複数の画素行に対する発光期間Temの設定と同じく、測定期間Tdetは、複数の画素行に対して1つの画素行ずつ連続的に設定されてもよい。EL素子OELのおかれる環境の温度は、測定期間Tdetが設定されるごとに異なることが少なくない。この点で、複数の画素行に対して1つの画素行ずつ連続的に測定期間Tdetが設定される構成であれば、1つの画素行に対する測定期間Tdetと、他の画素行に対する測定期間Tdetとの環境の差を抑えられる。特に、EL装置の表示する画像において画像内の輝度のむらや色のむらを抑えるうえでは、複数の画素行に対する測定期間Tdetがほぼまとめて設定されるこうした設定が好ましい。
なお、複数の画素行に対する測定期間Tdetがほぼまとめて設定され、かつ、駆動電圧VDとして測定用駆動電圧VMが用いられるとき、単色画像などのように測定に特化した画像が視認されやすくなる。一方で、EL装置の始動時やEL装置の出荷時には、入力信号SIGの示す画像とは異なる画像の表示が許容されやすい。それゆえに、上述した機会における測定であれば、測定期間の設定に特化した画像の表示も許容されやすい。
[電源線]
・電源線Laに設定される電圧レベルは、複数の画素行に対して共通していてもよい。例えば、図11が示すように、ELパネル21は、上下方向において上側の半分に位置する複数の画素PXからなる上側画素群と、上下方向において下側の半分に位置する複数の画素PXからなる下側画素群とに分けられている。上側画素群を構成する複数の画素PXにおいて、1行分の画素PXは1つの電源線Laに接続し、上側画素群を構成する複数の画素PXに接続する複数の電源線Laは、電源ドライバ30に共通接続している。また、下側画素群を構成する複数の画素PXにおいて、1行分の画素PXは1つの電源線Laに接続し、下側画素群を構成する複数の画素PXに接続する複数の電源線Laは、電源ドライバ30に共通接続している。
この際に、書込期間と発光期間との間に、書込期間の終了状態が継続されて保持容量が電圧を保持し続けるための保持期間Thldが設定されてもよい。
例えば、図12が示すように、1行目の画素PXから6行目まで画素PXは、書込期間Twrtごとに、1行目の画素PXから順次書込動作を開始し、書込期間Twrtの設定を終了した画素PXから順次保持期間Thldの設定を開始する。そして、7行目の画素PXが書込期間Twrtの設定を終了したとき、上側画素群の全ての画素PXは、一斉に発光期間Temの設定を開始する。
また、6行目の画素PXが書込期間Twrtの設定を終了したとき、7行目の画素PXから12行目まで画素PXは、書込期間Twrtごとに、7行目の画素PXから順次書込動作を開始し、書込期間Twrtを終了した画素PXから順次保持期間Thldの設定を開始する。この際に、8行目から12行目までの画素PXは、上側画素群の画素PXが発光期間Temを開始してから自身の書込期間Twrtを開始するまでの間、書込電圧WDVSSの設定による非発光動作を実行する。そして、12行目の画素PXが書込期間Twrtの設定を終了したとき、下側画素群の全ての画素PXは、一斉に発光期間Temの設定を開始する。
また、12行目の画素PXが書込期間Twrtを終了したとき、1行目の画素PXから6行目まで画素PXは、一斉に発光期間Temを終了し、再び、書込期間Twrtごとの書込動作を順次実行し、書込期間Twrtの設定を終了した画素PXから順次保持動作を開始する。この際に、2行目から7行目までの画素PXは、下側画素群の画素PXが発光動作を開始してから自身の書込動作を開始するまでの間、書込電圧WDVSSの設定による非発光動作を実行する。
上述した変形例の構成においては、複数の画素行に対して別々に書込期間Twrtが設定され、複数の画素行に対して同時に発光期間Temが設定される。こうした構成においては、複数の画素行に対して同時に設定される今回の発光期間Temと、複数の画素行に対して別々に設定される次回の書込期間Twrtとの間に、少なくとも1つの画素行に対して測定期間Tdetが設定される。
・データドライバ40の有する測定部としての機能は、例えば、システムコントローラ50からデータドライバ40に入力されるクロックをカウントするアップカウンタと、アップカウンタのカウント値とデータ線Ldの電圧との逐次比較によってアノード電圧をデジタル値に変換する変換器とに具体化されてもよい。
OEL…EL素子、T1…駆動トランジスタ、T2…保持トランジスタ、T3…選択トランジスタ、Cs…保持容量、La…電源線、Ld…データ線、Ls1…第1選択線、Ls2…第2選択線、PX…画素、Swm…測定用スイッチ、Tem…発光期間、Tdet…測定期間、10,20…EL装置、11,21…ELパネル、12…制御部、12M1…測定部、12M2…記憶部、13…駆動部、20A…第1選択ドライバ、20B…第2選択ドライバ、30…電源ドライバ、40…データドライバ、50…システムコントローラ。

Claims (7)

  1. EL素子と、
    データ線と、
    電源線と、
    ゲート、前記電源線に接続された第1端子、前記EL素子に接続された第2端子、および、前記第1端子と前記第2端子とを接続する電流路を備える駆動トランジスタと、
    前記第1端子と前記ゲートとを接続するオン状態と、前記第1端子と前記ゲートとを切り離すオフ状態とを有する保持トランジスタと、
    前記第2端子と前記データ線とを接続するオン状態と、前記第2端子と前記データ線とを切り離すオフ状態とを有する選択トランジスタと、
    前記ゲートと前記第2端子とに接続された保持容量と、
    前記データ線の電圧を測定する測定部と、
    駆動電圧を設定する書込期間と、前記駆動電圧に応じた電流を前記EL素子に流す発光期間とを交互に繰り返して設定する間において、1つの測定期間を今回の前記発光期間と次回の前記書込期間との間に設定する設定部と、を備え、
    前記設定部は、
    前記書込期間において、前記保持トランジスタに対するオン状態の設定、前記選択トランジスタに対するオン状態の設定、前記データ線に対する前記駆動電圧の設定、および、前記EL素子が発光しない書込電圧の前記電源線に対する設定によって、前記書込電圧と前記駆動電圧との差に応じた電圧を前記保持容量に保持させ、
    今回の前記発光期間において、前記保持トランジスタに対するオフ状態の設定、前記選択トランジスタに対するオン状態の設定、前記データ線に対するハイインピーダンス状態の設定、および、前記EL素子に対して順方向のバイアスになる発光電圧の前記電源線に対する設定によって、前記保持容量の保持する電圧に応じた電流を前記駆動トランジスタの前記電流路を通じて前記EL素子に流し、
    前記測定期間において、前記選択トランジスタをオン状態からオフ状態に切り替えて前記データ線の電圧を前記測定部に測定させ、前記測定期間における前記データ線の電圧の基準値と、前記測定部の測定結果との差を小さくするように、前記次回の前記書込期間における前記駆動電圧を前記測定結果に基づいて補正する
    EL装置。
  2. 前記測定部の測定結果を記憶する記憶部をさらに備え、
    前記設定部は、次回以降の複数の前記書込期間の各々における前記駆動電圧を、前記記憶部に記憶された前記測定結果に基づいて補正する
    請求項1に記載のEL装置。
  3. 複数の前記データ線と、
    前記駆動トランジスタ、前記保持トランジスタ、前記選択トランジスタ、前記保持容量、および、前記EL素子を含む画素であって、前記選択トランジスタごとに相互に異なる前記データ線に接続された複数の前記画素から構成される画素行と、
    複数の前記画素の各々における前記保持トランジスタのゲートが並列に接続された第1選択線と、
    複数の前記画素の各々における前記選択トランジスタのゲートが並列に接続された第2選択線と、をさらに備え、
    前記設定部は、
    前記書込期間において、前記第1選択線を通じて複数の前記保持トランジスタに対してオン状態を設定し、かつ、前記第2選択線を通じて複数の前記選択トランジスタに対してオン状態を設定し、
    今回の前記発光期間において、前記第1選択線を通じて複数の前記保持トランジスタに対してオフ状態を設定し、かつ、前記第2選択線を通じて複数の前記選択トランジスタに対してオン状態を設定し、
    前記測定期間において、前記第2選択線を通じて複数の前記選択トランジスタをオン状態からオフ状態に切り替えて、複数の前記データ線の各々の電圧を前記測定部に測定させる
    請求項1または2に記載のEL装置。
  4. 複数の前記画素行を備え、
    複数の前記データ線の各々は、複数の前記画素行の各々において相互に異なる前記画素に接続され、
    前記設定部は、
    前記書込期間、前記発光期間、および、前記測定期間を1つの前記画素行ずつ設定する
    請求項3に記載のEL装置。
  5. 前記設定部は、
    前記測定部の測定結果を1つの前記画素ずつ記憶する記憶部をさらに備え、
    今回の前記発光期間に先行する前記書込期間が今回の前記書込期間であり、
    前記設定部は、
    今回の前記書込期間において、前記画素ごとに共通する前記駆動電圧を設定し、
    次回の前記書込期間において、前記記憶部に記憶された複数の前記画素の各々の前記測定結果の平均値を前記基準値として設定する
    請求項3または4に記載のEL装置。
  6. 前記測定部と前記データ線とを接続するオン状態と、前記測定部と前記データ線とを切り離すオフ状態とを有する測定用スイッチをさらに備え、
    前記設定部は、
    前記測定期間において前記測定用スイッチがオン状態であるときに前記発光電圧を前記電源線に設定し続ける
    請求項1から5のいずれか1つに記載のEL装置。
  7. EL素子と、
    データ線と、
    電源線と、
    ゲート、前記電源線に接続された第1端子、前記EL素子に接続された第2端子、および、前記第1端子と前記第2端子とを接続する電流路を備える駆動トランジスタと、
    前記第1端子と前記ゲートとを接続するオン状態と、前記第1端子と前記ゲートとを切り離すオフ状態とを有する保持トランジスタと、
    前記第2端子と前記データ線とを接続するオン状態と、前記第2端子と前記データ線とを切り離すオフ状態とを有する選択トランジスタと、
    前記ゲートと前記第2端子とに接続された保持容量と、
    前記データ線の電圧を測定する測定部と、
    を備えるEL装置の駆動方法であって、
    駆動電圧を設定する書込期間と、前記駆動電圧に応じた電流を前記EL素子に流す発光期間とを交互に繰り返して設定する間において、1つの測定期間を今回の前記発光期間と次回の前記書込期間との間に設定し、
    前記書込期間において、前記保持トランジスタに対するオン状態の設定、前記選択トランジスタに対するオン状態の設定、前記データ線に対する前記駆動電圧の設定、および、前記EL素子が発光しない書込電圧の前記電源線に対する設定によって、前記書込電圧と前記駆動電圧との差に応じた電圧を前記保持容量に保持させ、
    今回の前記発光期間において、前記保持トランジスタに対するオフ状態の設定、前記選択トランジスタに対するオン状態の設定、前記データ線に対するハイインピーダンス状態の設定、および、前記EL素子に対して順方向のバイアスになる発光電圧の前記電源線に対する設定によって、前記保持容量の保持する電圧に応じた電流を前記駆動トランジスタの前記電流路を通じて前記EL素子に流し、
    前記測定期間において、前記選択トランジスタをオン状態からオフ状態に切り替えて前記データ線の電圧を前記測定部に測定させ、前記測定期間における前記データ線の電圧の基準値と、前記測定部の測定結果との差を小さくするように、前記次回の前記書込期間における前記駆動電圧を前記測定結果に基づいて補正する
    EL装置の駆動方法。
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