JP2016011407A - オフセット印刷用インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂及び石油樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂成分を含むオフセット印刷用インキ組成物であって、上記樹脂成分の含有量が組成物全体に対して7質量%以下であり、かつ組成物全体に対して0.3質量%以上の金属石鹸を含むことを特徴とするオフセット印刷用インキ組成物を用いる。
【選択図】なし
Description
本発明のインキ組成物は、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂及び石油樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂成分を組成物全体に対して7質量%以下含み、0.3質量%以上の金属石鹸を含むことを特徴とする。本実施形態のインキ組成物は、上記の成分を必須の成分とするほか、通常のオフセット印刷用インキ組成物と同様に、着色成分である着色顔料や油成分を含む。以下、各成分について説明する。
樹脂成分は、後述の着色顔料を印刷用紙の表面で固定するためのバインダーとして機能する成分であり、また、そうした着色顔料等をインキ組成物中に分散させるために用いられる成分でもある。さらに、既に述べたように、樹脂成分は、樹脂分子による網目構造をインキ組成物中に形成させてインキ組成物における油成分の保持性を向上させるとともに、その油成分の用紙への浸透が過剰にならないようにするための目止め作用も備えるものである。そのため、特に、新聞印刷用や電話帳印刷用等のような浸透乾燥タイプのインキ組成物を用いた印刷において、樹脂成分は、印刷物における裏抜けの抑制に寄与する成分であるともいえる。このように、インキ組成物における樹脂成分は様々な役割を果たしているものであり、通常のインキ組成物では、組成物全体に対して少なくとも8質量%以上の樹脂成分が含まれるのが一般的である。
金属石鹸は、金属と長鎖脂肪酸との塩であり、本発明のインキ組成物において0.3質量%以上含まれる成分である。金属石鹸は、インキ組成物に含まれる油成分に対して常温では溶解され難いが、加温下では溶解又は溶融されて混合する。そして、加温下で油成分中に溶解又は溶融された金属石鹸は、それが常温まで冷却されたときに析出し、油成分の全体にわたって網目状の構造を形成させる。この網目構造の内部に油成分が保持され、樹脂成分の低減によって低下した、インキ組成物における油成分の保持性や目止め効果(すなわち裏抜けの抑制効果)が補われる。また、この網目構造の存在により、インキ組成物における顔料成分等の分散性や保持性も向上し、インキ組成物に含まれる親水性の体質顔料が印刷中に湿し水にブリードすることが抑制される。
着色顔料は、インキ組成物に着色力を付与するための成分(すなわち着色成分)であり、顔料成分の一つである。
油成分は、上記樹脂成分を溶解させてワニスとしたり、インキ組成物の粘度を調節したりするために使用される。油成分としては、植物油及び/又は鉱物油を挙げることができ、これまでインキ組成物の調製に用いられてきたものを特に制限なく使用できる。
本発明のインキ組成物には、印刷性能を向上させる等の観点から、必要に応じて上記の各成分の他に各種成分を添加することができる。このような各種成分としては、無色顔料、リン酸塩等の塩類、ポリエチレン系ワックス・オレフィン系ワックス・フィッシャートロプシュワックス等のワックス類、アルコール類、酸化防止剤等が例示される。
冷却管、温度計及び撹拌機を装着した4つ口フラスコに、ロジン変性フェノール樹脂(重量平均分子量10万、荒川化学工業株式会社製)、市販のアルキド樹脂、大豆油、及び鉱物油(三共油化工業株式会社製、SNH540)を表1の処方で仕込んだ後200℃に昇温し、同温度を1時間維持することにより樹脂を溶解させた後、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(川研ファインケミカル株式会社製、ALCH)を表1の処方で仕込み、その後170℃で60分間保持して、ワニス1〜4を得た。なお、表1に記載した配合量は質量部である。
表2〜5に示す処方で大豆油及び溶剤を除く各種の材料を80℃で20分間混合し、三本ロールで練肉した。その後、表2〜5に示す処方で大豆油及び溶剤を添加して混合することで実施例1〜19、参考例1及び比較例1〜3のインキ組成物を調製した。表2〜5に記載した配合量はいずれも質量部である。表2〜5において、「ワニス1」〜「ワニス4」は上記手順にて調製されたワニスであり、「顔料」はカーミン6Bのマゼンタ顔料であり、カオリンは粉末状のカオリナイトであり、「炭酸カルシウム」は白石カルシウム株式会社製の白艶華CCであり、「溶剤」はAFソルベント5号(JX日鉱日石エネルギー株式会社製)である。また、表2〜5に示すように、金属石鹸としては、ジオクチル酸アルミニウム、モノステアリン酸アルミニウム、ジステアリン酸アルミニウム、トリステアリン酸アルミニウム、ジステアリン酸カルシウム、ジステアリン酸マグネシウム、ジステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ジモンタン酸アルミニウム又はジ−12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム(表3及び4では、ジ12OHステアリン酸Alと表記した。)を用いた。なお、参考例1のインキ組成物は、通常のインキ組成物と同等程度の樹脂成分が含まれており、各種評価における目標となるものである。
各実施例、参考例及び比較例のインキ組成物についての裏抜けの評価を行った。まず、インキ組成物の試料0.1ccをRI展色機(2分割ロール、株式会社明製作所製)を用いて更紙(王子製紙株式会社製、SL+)に展色し、その用紙を室温で1時間放置してから、用紙における展色箇所の裏抜け状態を目視で観察した。そして、その裏抜けの状態を下記の評価基準で評価した。なお、各評価基準の間となる評価結果については、4.5や3.5等のように0.5刻みの評価とした。その結果を表6及び7に示す。
5:裏抜けは観察されなかった
4:裏抜けはほとんど観察されなかった
3:僅かな裏抜けが観察されたが、実用上は全く問題無いレベルであった
2:若干の裏抜けが観察された
1:著しい裏抜けが観察された
各実施例、参考例及び比較例のインキ組成物には親水性の体質顔料であるカオリンが含まれている。そこで、インキ組成物が水に接触した際の親水性顔料の保持性、すなわちインキ組成物に含まれるカオリンがどの程度水中にブリードするかを各実施例及び比較例のインキ組成物について評価した。まず、試験対象であるインキ組成物50gと精製水100gとをデューク乳化試験機(DUKE乳化試験機:INK−WATER EMULSIFICATION TESTER,DUKE CUSTOM SYSTEMS INC.MODEL D−10E)に仕込み、30分間混合した。その後、容器に残った水を取り出し、その水の濁りを目視で観察することにより、カオリンのブリードを判定した。評価基準は下記の通りであり、その結果を表6及び7に示す。
○:水は透明であり、カオリンのブリードは無い
△:水がやや濁った
×:水が著しく濁った
各実施例、参考例及び比較例のインキ組成物についての経時安定性を評価した。この試験は、高温で放置したときのインキ性状(流動性)の変化を観察するものである。試験対象となるインキ組成物を60℃の恒温槽にて1週間放置し、3ccのインキ組成物を垂直ガラス板にて15分間流動させたときの流度(mm)を放置前後のインキ組成物について観察した。そして、放置前における流度に対する放置後における流度の比(%)を算出し、下記の基準で評価した。その結果を表6及び7に示す。
○:放置前後における流度の比が75〜125%の範囲である
×:放置前後における流度の比が75〜125%の範囲外である
オフセット輪転印刷機を用いる場合を初めとして、近年の印刷工場では、印刷機へのインキ組成物の供給を配管により行うことが多い。このような場合、印刷終了後から例えば一晩経った後も、インキ組成物が配管の中で良好な流動性を維持していることが望ましい。しかしながら、インキ組成物には時間の経過とともに流動性を失っていくチキソトロピー性があるので、インキ組成物の処方によっては時間が経過する間にその流動性が失われてしまい、再度流動性が回復するまでにポンプ負荷の増大やインキ供給の不足等の事態を生じがちである。このため、各実施例及び比較例のインキ組成物における配管適性を評価した。
◎:放置前後における流度の比が70%以上100%以下の範囲であり、良好である
○:放置前後における流度の比が50%以上70%未満の範囲であり、実用上は全く問題無いレベルであった
×:放置前後における流度の比が50%未満である
Claims (5)
- ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂及び石油樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂成分を含むオフセット印刷用インキ組成物であって、
前記樹脂成分の含有量が組成物全体に対して7質量%以下であり、かつ組成物全体に対して0.3質量%以上の金属石鹸を含むことを特徴とするオフセット印刷用インキ組成物。 - 前記金属石鹸に含まれる脂肪酸アニオンRCOO−におけるRの炭素数が7以上30以下である請求項1記載のオフセット印刷用インキ組成物。
- 前記金属石鹸が、亜鉛塩、リチウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩又はマグネシウム塩である請求項1記載のオフセット印刷用インキ組成物。
- 前記金属石鹸に含まれる脂肪酸アニオンRCOO−におけるRの炭素数が17以上27以下である請求項1〜3のいずれか1項記載のオフセット印刷用インキ組成物。
- 前記金属石鹸が、ステアリン酸のリチウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩、モンタン酸のリチウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩、並びに12−ヒドロキシステアリン酸のリチウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1つである請求項1〜4のいずれか1項記載のオフセット印刷用インキ組成物。
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