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JP2016083988A - ハイブリッド車 - Google Patents

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JP2016083988A JP2014217056A JP2014217056A JP2016083988A JP 2016083988 A JP2016083988 A JP 2016083988A JP 2014217056 A JP2014217056 A JP 2014217056A JP 2014217056 A JP2014217056 A JP 2014217056A JP 2016083988 A JP2016083988 A JP 2016083988A
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康隆 土田
Yasutaka Tsuchida
康隆 土田
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】ダンパや遊星歯車機構を含む駆動系の異音の発生を効果的に抑制する。【解決手段】エンジンの回転数Neが共振帯内にあってプラネタリギヤにタッピングノイズ(連続歯打ち音)が発生したときには(S100,S110)、共振帯の下限回転数Ne1と上限回転数Ne2とのうち、ねじれ角振動δがより小さくなる方にエンジン22の回転数Neが変化するよう所定の動作ラインに沿ってエンジンの運転ポイントを変更する(S120〜S160)。これにより、エンジンの運転ポイントを変更する過程で、ダンパのねじれによってプラネタリギヤのタッピングノイズが増大するのを抑制することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、ハイブリッド車に関し、詳しくは、エンジンと、第1モータと、第2モータと、プラネタリギヤと、バッテリとを備えるハイブリッド車に関する。
従来、この種のハイブリッド車としては、エンジンと、第1電動機と、エンジンと第1電動機と駆動軸とに連結された遊星歯車機構と、駆動軸に接続された第2電動機とを備えるものが知られている。この構成のハイブリッド車において、特許文献1には、遊星歯車機構を構成するギヤの歯打ち音が発生する条件が成立したときには、エンジンの回転速度を上昇させることにより、エンジンの運転点(動作点)を通常動作ライン上の運転点からギヤの歯打ち音を抑制可能な歯打ち音抑制ライン上の運転点に変更する歯打ち音抑制制御を実行するものが開示されている。この特許文献1記載のハイブリッド車では、歯打ち音抑制制御の実施に際して、エンジン出力が低下されるようエンジンの動作点を変更する。これにより、エンジンからのパワーを一定に維持しつつエンジンの運転点を変更するものにより、通常動作ラインを燃費が最適な燃費最適動作ラインに近づけることができ、燃費の悪化を抑制しつつギヤの歯打ち音を抑制することができる、としている。
特開2010−284991号公報
エンジンやダンパ、遊星歯車機構を含むを駆動系が機械的に接続されたハイブリッド車では、エンジン動作点を変更する過程で、ダンパのねじれがギヤの歯打ちを助長し、歯打ち音(異音)が大きくなる場合がある。
本発明のハイブリッド車は、ダンパや遊星歯車機構を含む駆動系の異音の発生を効果的に抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド車は、
エンジンと、動力を入出力する第1モータと、3つの回転要素を有し第1の回転要素が前記エンジンの出力軸にダンパを介して連結された入力軸に接続され第2の回転要素が前記第1モータの回転軸に接続され第3の回転要素が車軸に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力する第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやり取りするバッテリと、を備え、前記エンジンの回転数が共振帯内にあって前記遊星歯車機構を含むギヤ機構に異音が生じている異音発生時には、前記エンジンの回転数が前記共振帯の下限回転数側または上限回転数側に変化して該共振帯を外れるよう所定の動作ラインに沿って前記エンジンの動作点を変更するハイブリッド車であって、
前記異音発生時には、前記共振帯の下限回転数側と上限回転数側とのうち、エンジントルクが前記ダンパを介して前記入力軸に伝達される際に生じるねじれ角変動が小さくなる方に前記エンジンの回転数が変化するよう該エンジンの動作点を変更する
ことを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車では、エンジンの回転数が共振帯内にあって遊星歯車機構を含むギヤ機構に異音が生じている異音発生時には、エンジンの回転数が共振帯の下限回転数側または上限回転数側に変化して共振帯を外れるよう所定の動作ラインに沿ってエンジンの動作点を変更する。この際、共振帯の下限回転数側と上限回転数側とのうち、エンジントルクがダンパを介して入力軸に伝達される際に生じるねじれ角変動が小さくなる方にエンジンの回転数が変化するようエンジンの動作点を変更する。これにより、エンジンの動作点を変更する際に、ダンパのねじれによってギヤ機構の異音が増大するのを抑制することができる。この結果、ダンパや遊星歯車機構を含む駆動系の異音の発生を効果的に抑制することができる。ここで、「所定の動作ライン」とは、エンジンを効率よく運転できる燃費用動作ラインなどが含まれる。また、「ねじれ角変動が小さくなる方」とは、ねじれ角変動の低下量が多くなる方や、ねじれ角変動の極大値を跨がない方が含まれる。
こうした本発明のハイブリッド車において、前記エンジンの回転数を前記共振帯の下限回転数側と上限回転数側のいずれに変化させても前記ねじれ角変動の低下が略同等となる場合には、回転数の変化量が少なくなる方に前記エンジンの回転数が変化するよう該エンジンの動作点を変更するものとすることもできる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド車20の構成の概略を示す構成図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるタッピングノイズ抑制制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジン22の運転ポイントと駆動系伝達特性との関係の一例を示す説明図である。 エンジン22の運転ポイントとインプットシャフト28のねじれ角変動δとの関係の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、プラネタリギヤ30と、モータMG1と、モータMG2と、インバータ41,42と、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、バッテリ50と、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されている。エンジン22のクランクシャフト26は、ねじれ要素としてのダンパ27を介して、プラネタリギヤ30を含むトランスアクスルのインプットシャフト28に接続されている。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための種々の制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、エンジン22のクランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてエンジン22の回転数Neを演算している。
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤ,リングギヤには、モータMG1の回転子,駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36がそれぞれ接続され、プラネタリギヤ30のキャリアには、インプットシャフト28が直接接続されている。
モータMG1は、同期発電電動機として構成されており、上述したように回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。モータMG1,MG2は、モータECU40によってインバータ41,42の図示しないスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、バッテリ50からの直流電力が三相交流電力に変換されて供給されることにより駆動する。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えば、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2、図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されている。また、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりをする。バッテリ50を管理するバッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70は、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信可能に接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては以下の(1)〜(3)のものがある。(1)のトルク変換運転モードと(2)の充放電運転モードは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モード(ハイブリッドモード)という。
(1)トルク変換運転モード:要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する運転モード。
(2)充放電運転モード:要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する運転モード。
(3)モータ運転モード(EVモード):エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御する運転モード。
エンジン運転モード(ハイブリッドモード)の制御は、具体的には、以下のようにして行われる。即ち、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとから設定された要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算する。続いて、計算した走行用パワーPdrv*からバッテリ50の蓄電割合SOCに基づくバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22に要求されるエンジン要求パワーPe*を設定する。そして、エンジン要求パワーPe*に基づいて目標回転数Ne*および目標トルクTe*により定まるエンジン22の目標運転ポイント(動作点)を設定する。ここで、エンジン22の目標運転ポイント(目標回転数Ne*および目標トルクTe*)は、エンジン要求パワーPe*を効率よくエンジン22から出力することができるエンジン22の動作ライン(燃費用動作ライン)と、エンジン要求パワーPe*と、の交点として求めることができる。次に、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によってモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共に要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。そして、設定したエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共にモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、エンジン運転モードで走行中にプラネタリギヤ30の連続歯打ち音(タッピングノイズ)が発生したときの動作について説明する。図2は、HVECU70のCPU72により実行されるタッピングノイズ抑制制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
タッピングノイズ抑制制御ルーチンが実行されると、HVECU70のCPU72は、まず、エンジン22の回転数Neが共振帯内にあるか否か(ステップS100)、プラネタリギヤ30のタッピングノイズが発生しているか否か(ステップS110)、をそれぞれ判定する。ここで、ステップS100の処理では、エンジン22の回転数Neが共振帯の下限回転数である回転数Ne1よりも高く且つ共振帯の上限回転数である回転数Ne2よりも低いときに、エンジン22の回転数が共振帯内にあると判定することができる。また、ステップS110の処理では、エンジン22のトルク変動が所定変動より大きいときや、ダンパ28のねじれ角変動が所定変動より大きいときなどに、タッピングノイズが発生していると判定することができる。なお、エンジン22の回転数Neが共振帯内にないと判定したり、タッピングノイズが発生していないと判定すると、これでタッピングノイズ抑制制御ルーチンを終了する。
エンジン22の回転数Neが共振帯内にあり且つタッピングノイズが発生していると判定すると、エンジン22の現在の運転ポイントA(トルクTe,回転数Ne)で運転しているときにダンパ27を介してクランクシャフト26に接続されたインプットシャフト28に作用するねじれ角変動δ(トランスアクスル内部伝達特性)を算出する(ステップS120)。ここで、ねじれ角変動δは、エンジン22のトルクとダンパ27のねじれ特性を考慮した駆動系伝達特性とに基づいて求めることができる。駆動系伝達特性は、入力をエンジン22のトルクTeとし、出力をインプットシャフト28の角速度とする伝達関数として与えられる。したがって、ねじれ角変動δは、エンジン22のトルクTeを伝達関数に乗じてインプットシャフト28の角速度を推定し、推定したインプットシャフト28の角速度とクランクシャフト26の角速度とに基づいて算出することができる。本実施例では、エンジン22の運転ポイント(トルクTe,回転数Ne)とねじれ角変動δとの関係を前述の演算や実験などにより予め求めてマップとしてROMに記憶しておき、運転ポイントが与えられると、対応するねじれ角変動δを導出するものとした。前述したように、インプットシャフト28はプラネタリギヤ30のサンギヤに直接接続されているから、プラネタリギヤ30のタッピングノイズは、インプットシャフト28のねじれ角変動δが大きくなるほど大きくなる傾向を有する。
続いて、動作ライン(燃費用動作ライン)上でエンジン22の回転数Neを共振帯の下限回転数Ne1まで変化させたときのねじれ角変動δの変化量(ねじれ角変動変化量Δδ1)と、動作ライン(燃費用動作ライン)上でエンジン22の回転数Neを共振帯の上限回転数Ne2まで変化させたときのねじれ角変動δの変化量(ねじれ角変動変化量Δδ2)とをそれぞれ算出する(ステップS130)。ここで、ねじれ角変動変化量Δδ1は、エンジン22の回転数Neが共振帯の下限回転数Ne1となる動作ライン上の運転ポイントB(トルクTe1,回転数Ne1)と前述したマップとに基づいて運転ポイントBでのねじれ角振動δ1を算出し、運転ポイントAでのねじれ角振動δから運転ポイントBでのねじれ角振動δ1を減じることにより求めることができる。また、ねじれ角変動変化量Δδ2は、エンジン22の回転数Neが共振帯の上限回転数Ne2となる動作ライン上の運転ポイントC(トルクTe2,回転数Ne2)と前述したマップとに基づいて運転ポイントCでのねじれ角振動δ2を算出し、運転ポイントAでのねじれ角振動δから運転ポイントCでのねじれ角振動δ2を減じることにより求めることができる。
そして、ねじれ角変動変化量Δδ1がねじれ角変動変化量Δδ2よりも大きい(低下量が多い)か否かを判定する(S140)。ねじれ角変動変化量Δδ1がねじれ角変動変化量Δδ2よりも大きいと判定すると、エンジン22の回転数Neが共振帯の下限回転数Ne1となる動作ライン上の運転ポイント(トルクTe1,回転数Ne1)に基づいてエンジン要求パワーPe*(=Te1×Ne1)を設定して(ステップS150)、タッピングノイズ抑制制御ルーチンを終了する。一方、ねじれ角変動変化量Δδ1がねじれ角変動変化量Δδ2よりも大きくない、即ちねじれ角変動変化量δ2以下であると判定すると、エンジン22の回転数Neが共振帯の上限回転数Ne2となる動作ライン上の運転ポイント(トルクTe2,回転数Ne2)に基づいてエンジン要求パワーPe*(=Te2×Ne2)を設定して(ステップS160)、タッピングノイズ抑制制御ルーチンを終了する。
図3は、エンジン22の運転ポイントと駆動系伝達特性との関係の一例を示す説明図であり、図4は、エンジン22の運転ポイントとインプットシャフト28のねじれ角変動δとの関係の一例を示す説明図である。図3に示すように、エンジン22の運転ポイントを動作ラインに沿ってポイントA(トルクTe0,回転数Ne0)からポイントB(トルクTe1,回転数Ne1)に変更した場合、ポイントAからポイントC(トルクTe2,回転数Ne2)に変更した場合に比して、駆動系伝達特性は大きくなるが、エンジン22のトルクTeは小さくなる。ねじれ角変動δは、前述したように、エンジン22のトルクTeを駆動系伝達特性に乗じたものに基づいて求められ、図4の太い実線で示すことができる。いま、エンジン22の運転ポイントを共振帯内のポイントAから同じ動作ライン上で共振帯を外れるポイントBまたはポイントCへ変更する場合を考える。ねじれ角変動δは、図4に示すように、ポイントAからポイントBに変更する場合には、値Dから値Eへ低下し、ポイントAからポイントCに変更する場合には、値Dから値Fへ低下する。値Eは値Fよりも低いから、エンジン22の運転ポイントをポイントAからポイントBに変更することにより、ねじれ角変動δの低下量を多くすることができ、運転ポイントを変更する過程でのタッピングノイズ(歯打ち音)の発生を効果的に抑制することができる。
ここで、エンジン22の回転数Neが共振帯の下限回転数Ne1に変化するよう動作ラインに沿って運転ポイントを変更すると、運転ポイントの変更前に比してエンジン要求パワーPe*は低下する。エンジン要求パワーPe*の低下によって不足するパワーは、バッテリ50の放電によって賄われるため、バッテリ50の蓄電割合SOCは低下する。一方、エンジン22の回転数Neが共振帯の上限回転数Ne2に変化するよう動作ラインに沿って運転ポイントを変更すると、運転ポイントの変更前に比してエンジン要求パワーPe*は増加する。エンジン要求パワーPe*の増加によって余剰となるパワーは、バッテリ50に充電されるため、バッテリ50の蓄電割合SOCは増加する。このように、エンジン22の運転ポイントを変更する際には、バッテリ50の充放電を伴う場合がある。したがって、バッテリ50の蓄電割合SOCが許容範囲の下限蓄電割合(放電が禁止される蓄電割合)未満の場合には、ねじれ角変動δに拘わらずエンジン22の回転数Neを共振帯の下限回転数Ne1に変化するよう運転ポイントを変更するものとしてもよい。また、バッテリ50の蓄電割合SOCが許容範囲の上限蓄電割合(充電が禁止される蓄電割合)以上の場合には、ねじれ角変動δに拘わらずエンジン22の回転数Neを共振帯の上限回転数Ne2に変化するよう運転ポイントを変更するものとしてもよい。
以上説明した本実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22の回転数Neが共振帯内にあってプラネタリギヤ30にタッピングノイズ(連続歯打ち音)が発生したときには、共振帯の下限回転数Ne1と上限回転数Ne2とのうちねじれ角振動δの低下量が多くなる方にエンジン22の回転数Neが変化するよう動作ラインに沿ってエンジン22の運転ポイントを変更する。これにより、エンジン22の運転ポイントを変更する際に、ダンパ27のねじれによってプラネタリギヤ30のタッピングノイズが増大するのを抑制することができる。この結果、ダンパ27やプラネタリギヤ30を含む駆動系の異音の発生を効果的に抑制することができる。また、動作ラインとして燃費用動作ラインに沿ってエンジン22の回転数Neが共振帯を外れるよう運転ポイントを変更するから、運転ポイントを変更する際に燃費の悪化は生じない。
実施例のハイブリッド自動車20では、共振帯の下限回転数Ne1と上限回転数Ne2とのうち、ねじれ角振動δの低下量が多くなる方にエンジン22の回転数Neが変化するよう運転ポイントを変更したが、ねじれ角変動δの極大値δpeakを跨がないように運転ポイントを変更するものとしてもよい。ねじれ角変動δが極大値δpeakとなるときの動作ライン(燃費用動作ライン)上の運転ポイントにおけるトルクと回転数とを、それぞれTeref,Nerefとする。この場合、エンジン22の回転数Neが回転数Neref未満のときには、エンジン22の回転数Neが共振帯の下限回転数Ne1へ変化するよう運転ポイントを変更する。一方、エンジン22の現在の回転数Neが回転数Neref以上のときには、エンジン22の回転数Neが共振帯の上限回転数Ne2へ変化するよう運転ポイントを変更する。ねじれ角変動δが極大値δpeakとなる運転ポイントは、プラネタリギヤ30のタッピングノイズが増大するポイントであるから、このポイントを跨がないように運転ポイントを変更することにより、運転ポイントを変更する過程でのタッピングノイズ(歯打ち音)の増大を効果的に抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、共振帯の下限回転数Ne1と上限回転数Ne2とのうち、ねじれ角変動δの低下量(ねじれ角変動変化量Δδ1,Δδ2)が多くなる方に回転数Neが変化するよう運転ポイントを変更するものとしたが、ねじれ角変動δの低下が略同レベルにある場合には、回転数Neの変化が少なくなる方に運転ポイントを変更するものとしてもよい。即ち、エンジン22の現在の回転数Neが共振帯の上限回転数Ne2よりも下限回転数Ne1に近いときには、エンジン22の回転数Neが共振帯の下限回転数Ne1となるよう動作ラインに沿ってエンジン22の運転ポイントを変更する。一方、エンジン22の現在の回転数Neが共振帯の下限回転数Ne1よりも上限回転数Ne2に近いときには、エンジン22の回転数Neが共振帯の上限回転数Ne2となるよう動作ラインに沿ってエンジン22の運転ポイントを変更する。これにより、エンジン22の運転ポイントを変更する際に、回転数Neの変化を少なくして、タッピングノイズを抑制することができる。なお、ねじれ角変動δの低下が略同レベルにあるか否かの判定は、例えば、ねじれ角変動変化量Δδ1とねじれ角変動変化量Δδ2との偏差の絶対値が所定値未満であるか否かの判定や、エンジン22の回転数Neがねじれ角変動の極大値δpeakとなる回転数含む所定範囲内にあるか否かの判定により行なうことができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、27 ダンパ、28 インプットシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. エンジンと、動力を入出力する第1モータと、3つの回転要素を有し第1の回転要素が前記エンジンの出力軸にダンパを介して連結された入力軸に接続され第2の回転要素が前記第1モータの回転軸に接続され第3の回転要素が車軸に連結された駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力する第2モータと、前記第1モータおよび前記第2モータと電力をやり取りするバッテリと、を備え、前記エンジンの回転数が共振帯内にあって前記遊星歯車機構を含むギヤ機構に異音が生じている異音発生時には、前記エンジンの回転数が前記共振帯の下限回転数側または上限回転数側に変化して該共振帯を外れるよう所定の動作ラインに沿って前記エンジンの動作点を変更するハイブリッド車であって、
    前記異音発生時には、前記共振帯の下限回転数側と上限回転数側とのうち、エンジントルクが前記ダンパを介して前記入力軸に伝達される際に生じるねじれ角変動が小さくなる方に前記エンジンの回転数が変化するよう該エンジンの動作点を変更する
    ことを特徴とするハイブリッド車。
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